説明

トラクタ

【課題】 フレーム型のトラクタにおける燃料タンクを、トラクタ自体の構造利用して、空間的な制約が少なくて容量を大きく確保し易いように配設する。
【解決手段】 前部車体Aと後部車体Bとを、前部車体Aから後部車体Bに亘るドライブシャフト9の左右両側で一対のフレーム材10により連結して機体フレーム3を構成してあるトラクタにおいて、トランスミッションケース7を前部車体A側に配設し、そのトランスミッションケース7と後部車体B側のデフケース8との間に形成した前後間隔幅と、左右のフレーム材10の間に形成される左右間隔幅とで構成される空間部に、燃料タンク20を配設してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪を備えた前部車体と、後輪を備える後部車体とを、左右一対のフレーム材で連結して機体フレームを構成するフレーム型のトラクタにおいて、燃料タンクの配設についての技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のトラクタでは、機体前部のエンジンボンネットの内部空間を利用して燃料タンクを搭載したものが多く知られている(特許文献1参照)。
【0003】
トラクタにおいて、エンジンボンネット内とは別の箇所に燃料タンクを配設する技術としては、操縦部のフロアーステップの下方側に燃料タンクを配置する構造のものも存在する(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−34151号公報
【特許文献1】特開2004−210082号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1のような構成であると、比較的空間的制約の大きいエンジンボンネット内では、燃料タンクの大きさに対する制約も厳しくて、タンク容量を大きく設定することが困難であった。
また、特許文献2に記載の構成を採用すれば、ボンネット内空間の大きさに制約されずにタンク容量をある程度大きく設定することは容易であるが、トラクタ自体がモノコック構造であるため、機体ボディ部分に相当する箇所には燃料タンクを位置させることができず、その分タンク容量が制限されるものであった。しかも、地面に近いフロアーステップの下方側に燃料タンクを配設する構造であるため、樹脂タンクや薄肉板金製のタンクを用いる場合、そのタンクが他物に接触したり、飛散する土石等との接触でタンクが損傷する虞があるため、タンクそのものを強度の高いもので構成したり、他物との接触を回避するためのタンクガードを設けているものであった(特許文献2参照)。
【0006】
そこで、本発明では、フレーム型のトラクタにおける燃料タンクを、トラクタ自体の構造利用して、空間的な制約が少なくて容量を大きく確保し易いように配設する点に目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明におけるトラクタは、次の各点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
〔解決手段1〕
上記目的を達成するために講じた本発明の技術手段は、前輪を備えた前部車体側にエンジン、及びクラッチハウジングを搭載し、前記エンジン動力が伝達されるデフケースに後輪を支持させた後部車体側に操縦座席を備え、前記前部車体と後部車体とを、前部車体から後部車体に亘るドライブシャフトの左右両側で一対のフレーム材により連結して機体フレームを構成してあるトラクタにおいて、
前記クラッチハウジングからデフケースに至る伝動系の途中に介装されるトランスミッションケースを前部車体側に配設し、そのトランスミッションケースと前記デフケースとの間に形成した前後間隔幅と、左右のフレーム材の間に形成される左右間隔幅とで構成される空間部に、燃料タンクを配設したことである。
【0008】
〔作用効果〕
上記構成によると、機体フレームが前部車体と後部車体とを、前部車体から後部車体に亘るドライブシャフトの左右両側で一対のフレーム材により連結して構成されているフレーム型トラクタ特有の構成と、トランスミッションケースを前部車体側に配設したことによって、そのトランスミッションケースとデフケースとの間の前後間隔幅を大きくして、かつ後輪側に寄せるという構成とを利用して、前後左右がフレーム型トラクタ本来の構成要素で保護された状態の比較的大きい空間を形成したものである。
つまり、燃料タンクを配設するための空間部の前方側は、左右のフレーム材の間ではトランスミッションが存在することで保護され、後方側はデフケースが存在することで保護されている。そして、左右のフレーム材の間の空間の左右は当然にフレーム材で保護されており、この左右のフレーム材の間では前後左右が保護材で囲繞された状態となっている。
また、左右のフレーム材の外側をも燃料タンクの配設空間とした場合は、前記トランスミッションケースを前部車体側へ移行させた構成を採用したことで、燃料タンクの配設空間全体が前後方向で後輪側へ大きく寄せられた配置となっている。このため、左右のフレーム材の外側における燃料タンクの配設空間も、その外側に後輪や後輪フェンダーが存在することとなり、これが燃料タンクの外側にタンクガードを取り付けた場合と同様な保護機能を発揮することになる。
そして、このように前後方向および左右方向が保護された比較的大きい空間に、ドライブシャフトなどの伝動部材をかわした状態で燃料タンクを配設することにより、特別な強度向上手段や保護部材による保護を必要とせずに、比較的容量の大きい燃料タンクを設けることができ、しかも低コスト化を達成できる利点がある。
さらに、比較的重量の大きいトランスミッションを機体前方側へ寄せて位置させることになるため、相対的に機体の前輪側荷重が増し、フロントウエイトを削減できる利点もある。
【0009】
〔解決手段2〕
上記目的を達成するために講じた本発明の第2の技術手段は、上記第1の技術手段を備えたものにおいて、操縦座席の前側でフレーム材の上側に搭乗用のステップ面が形成され、操縦座席の座部の前端よりも後方側で、前記ステップ面よりも上方側に膨出するように燃料タンクを配設したものである。
【0010】
〔作用効果〕
上記構成によると、前記第1の技術手段を備えたものと同様の作用効果に加えて次の作用効果をも奏する。
すなわち、トランスミッションケースを前部車体側に配設して、燃料タンクを配設するための空間部を極力デフケース寄りに形成したことによって、その空間部が運転座席の前部側に位置するステップ面よりも後方側にまで形成されるので、必然的にステップ面より高い位置にある運転座席の下側空間をも、燃料タンクの配設が可能な空間として利用することができるようになる。
したがって、この空間をも燃料タンクの配設空間に利用することによって、燃料タンクを下方側へ膨出させずに、より一層燃料タンクの容量を大きく設定することが可能となり、車体の腹下側における最低地上高を十分高く確保したままでタンク容量の増大化を図ることができ、車体の腹下側に作業装置を装着して昇降させる場合などに有利である。
【0011】
〔解決手段3〕
上記目的を達成するために講じた本発明の第3の技術手段は、前部車体側にエンジン、及びクラッチハウジングを搭載し、前記エンジンの下部に備えた前フレームに前車軸ケースを支持して前輪を備えるとともに、前記エンジン動力が伝達されるデフケースに後輪を支持させた後部車体側に操縦座席を備えてあるトラクタにおいて、
前記クラッチハウジングからデフケースに至る伝動系の途中に介装されるトランスミッションケースを後部車体側に配設し、縦向き板材からなるフレーム材を、クラッチハウジングからトランスミッションケースへ亘るドライブシャフトの左右両側で、前記前フレームの後部からトランスミッションケースに亘って連結して機体フレームを構成し、
前記トランスミッションケースと前記クラッチハウジングとの間に形成される前後間隔幅と、前記左右のフレーム材の間に形成される左右間隔幅とで構成される空間部で、かつ、操縦座席の前側に設けられているステップ面の下側に燃料タンクを配設したことである。
【0012】
〔作用効果〕
上記構成によると、縦向き板材からなるフレーム材を、クラッチハウジングからトランスミッションケースへ亘るドライブシャフトの左右両側で、前フレームの後部からトランスミッションケースに亘って連結して機体フレームを構成するという、左右のフレーム材の間に間隔を有したフレーム型トラクタ特有の構成と、前部車体側のクラッチハウジングと後部車体側のトランスミッションケースとの間に必然的に生じる前後方向の間隔が存在することとを有効に利用し、この前後左右方向で比較的大きい空間に、ドライブシャフトなどの伝動部材をかわした状態で燃料タンクを配設することにより、従来では伝動部材の配設用空間としてしか認識されていなかった前記空間を燃料タンクの配設用空間として利用でき、その分タンク容量を増大することができる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1及び図2に、本発明に係る機体構造を備えたトラクタが示されている。
このトラクタは、操向操作自在な前輪1を備えた前部車体Aと、非操向輪である後輪2を備えた後部車体Bとを、左右一対のフレーム材10で連結して機体フレーム3を構成したフレーム型のトラクタであり、前記前部車体Aでは、前車軸ケースを介して前輪1を左右ローリング自在に支持する前フレーム11を備え、この前フレーム11にエンジン4を搭載し、エンジン4を覆うエンジンボンネット4aの後部にステアリングハンドル5aを備えた操縦部5を備えている。
前記エンジン4には、主クラッチを内装するクラッチハウジング6が一体に連設されているとともに、そのクラッチハウジング6の後部側に、主クラッチからの出力を減速して後段の変速装置に伝達する減速機構と、その減速機構からの動力が伝達される主変速装置および複変速装置を内装するトランスミッションケース7が一体に連設されている。
【0014】
前記後部車体Bでは、デフケース8の左右に、クローラベルトで駆動されるクローラ走行装置40を装備して後輪2を構成するともに、デフケース8の上部にリフトシリンダを内装したシリンダケース12が連結され、リフトシリンダ12aで駆動されるリフトアーム13が装備されており、デフケース8の後部に装備された3点リンク機構14がリフトアーム13によって揺動駆動されるようになっている。
前記クローラ走行装置40は、前記デフケース8の左右に軸支された大径のスプロケット41と、トラックフレーム42に装備された前部テンション輪43、後部テンション輪44、および、複数(この例では3個)の接地転輪45に亘ってゴム製のクローラベルト46を巻回張設して構成されており、スプロケット41は機体フレーム3に支持されるデフケース8から突設された後車軸8Aに取付けられるとともに、トラックフレーム42はデフケース8に連結固定されている。
また、このトラクタでは、前記前部テンション輪43、及び後部テンション輪44が、ともにトラックフレーム42に対して横軸X1周りで上下揺動自在な可動フレーム47で支持されているとともに、その可動フレーム47が、夫々圧縮コイルスプリングを用いた弾性付勢機構48を介して押圧付勢されており、かつ、この弾性付勢機構48も前記トラックフレーム42に対して別の横軸芯X2周りで揺動自在に構成されている。
したがって、前記前部テンション輪43、及び後部テンション輪44は、機体進行方向の前方側もしくは後方側への進行中、何らかの衝撃が作用したり、過大な抵抗が作用した際に、前記弾性付勢機構48のコイルスプリングの付勢力に抗して上方側へある程度変位することができ、これによって前記の衝撃や過大な負荷を緩和することが可能となる。
前記デフケース8の上側には、前記操縦部5の一部を構成する運転座席5bの取付部と一体に構成されたフロアーパネル15と、そのフロアーパネル15に連結された後輪フェンダー2aとが設けられていて、これらが組み付けられて一体化されることにより後部車体Bが構成されている。
【0015】
そして、後部車体Bと前部車体Aとを連結する左右一対のフレーム材10は、前記前フレーム11の後部とデフケース8とに亘って延設可能であるように長尺に設定されたフレーム材10によって構成されている。
前部車体A側のトランスミッションケース7に内装された変速装置と後部車体B側のデフケース8に内装された差動機構との間では、ドライブシャフト9を介してエンジン動力が伝達されるように構成されており、このドライブシャフト9は前記長尺のフレーム材10が左右両側に位置する状態でその中間に配置されている。
【0016】
図3、4及び図5に示すように、前記ドライブシャフト9が存在しているところの、前部車体A側のトランスミッションケース7と後部車体B側のデフケース8との前後間隔幅内には、前記左右一対のフレーム材10及びドライブシャフト9を上方から跨ぐ状態に、薄肉金属板製の燃料タンク20が設けられている。
この燃料タンク20は、上部の横一側端部に燃料注入用開口20aを備えているとともに、下面側では、左右のフレーム材10を跨ぐ前後方向の凹溝部20bと、ドライブシャフト9を跨ぐ前後方向の凹溝部20cとを備えている。そして、上下方向の中間部に設けられているタンク分割箇所のフランジ面部分20dと、前記左右のフレーム材10に取り付けた連結用のブラケット21を介して、燃料タンク20の前後の面に形成されているフランジ面部分20dが左右両側で前記左右のフレーム材10に連結固定されている。
また、この燃料タンク20は、その底部側に前記各凹溝部20b,20cが設けられたことによって、その底部側が複数の貯留室に区画された状態となるので、これらの各貯留室の底部箇所に、夫々通油パイプ22が連通接続されており、各貯留室からの油を合流してエンジンの給油部に供給できるように構成されているとともに、前記合流箇所の下流側に開閉可能なドレンコック23を設けて燃料タンク20内の残り油を排出できるように構成されている。
【0017】
このように構成された燃料タンク20は、図3乃至図5に示すように運転座席5bの下側でフロアーパネル15の下側空間に収まるように上方側への膨出高さを定められており、下端側は前記トランスミッションケース7やデフケース8の夫々の下端側部分と同程度の高さレベルに設定されている。
また、側面視での前後方向位置も、図1及び図3に示すように、前方のトランスミッションケース7と後方のデフケース8との間で、かつ、後輪フェンダー2aの前縁よりも後方側で運転座席5bの下側に相当する部位において上方へ膨出するように構成されている。
すなわち、この燃料タンク20は、前記左右のフレーム材10の間隔幅内に相当する箇所では、機体前方側にはトランスミッションケース7が存在し、後方側にはデフケース8が存在し、上方側は運転座席5b及びフロアーパネル15が存在する。
そして、前記左右のフレーム材10よりも機体横外側方に相当する箇所では、その燃料タンク20の前方側箇所には、保護カバーに相当するものとしては特に何も存在していないが、燃料タンク20の横外側方に存在する後輪フェンダー2a、及び後輪2が燃料タンク20の横側脇に位置して、その前端が燃料タンク20の前端と同程度の前後方向位置に位置しているので、この後輪フェンダー2a、及び後輪2が、燃料タンク20の横外側方と前方側との保護手段として機能することになる。
【0018】
また、フレーム材10の横側外方で燃料タンク20の前方に相当する箇所には、トランスミッションケース7に内装された走行系の変速装置の一部である静油圧式無段変速装置(HST)のトラニオン軸をペダル操作するためのペダル操作軸25が存在しており、このペダル操作軸25も、燃料タンク20の機体前方側における保護手段としての機能を備えていることになる。
【0019】
〔他の実施形態1〕
図6に示すように、燃料タンク20は、フレーム材10の下側で左右に連通するように構成され、燃料タンク20の上部側が、各フレーム材10やドライブシャフト9で左右に区画された室を備えるように構成されたものであってもよい。
この場合、燃料タンク20の底部側では、単一の通油パイプ22を接続するだけでエンジン側の給油部に燃料を導くことが可能であり、その通油パイプ22にドレンコック23を設けることでタンク内の残り油を排出することもできるが、上部側が区画されているため、その各区画室に対して個々に、または共通して作用するブリーザー(図外)を設ける必要がある。
【0020】
〔他の実施形態2〕
図7及び図8に示すように、燃料タンク20の配設位置は次のように構成してもよい。
すなわち、この例では、前部車体Aではエンジン4に対してクラッチハウジング6が一体に連設されているとともに、トランスミッションケース7に関しては、前述の実施形態ではトランスミッションケース7に一体に内装されていると説明した伝動上手側における減速機構部分が、トランスミッションケース7とは別の減速機ケース7Aに分離して、この減速機ケース7A部分が前記クラッチハウジング6に一体に連結されて前部車体Aを構成している。その他の点に関する前部車体Aの構成は前述の実施形態で説明した場合と同様に構成されている。
また、後部車体B側では、前述の実施形態では前部車体Aに一体に連結されていると説明したトランスミッションケース7が、前述した減速機構部分を除いて後部機体Bのデフケース8と一体に連結されている。
【0021】
そして、前部車体Aと後部車体Bは、図8の縦断面図に示すように、次のように連結されている。
前記前部車体A側のクラッチハウジング6と後部車体B側のトランスミッションケース7とにわたって、板材を下向きコの字状に屈曲してドライブシャフト9を跨ぐように形成したコの字型連結板材10Aを架設し、このコの字型連結板材10Aの前端側と後端側とを、クラッチハウジング6及びトランスミッションケース7との夫々に対して連結ボルトを介して連結している。
また、前部車体Aの前フレーム11と前記後部車体B側のトランスミッションケース7とは、前記コの字型連結板材10Aの外側に位置して、前後に長い縦向きの厚板材で構成された平板状の縦板状連結部材10Bによっても連結されており、前記コの字型連結板材10Aと縦板状連結部材10Bとで、前部車体Aと後部車体Bとを連結するフレーム材10を構成している。
【0022】
そして、燃料タンク20は、図7及び8に示されているように、前後方向で前記クラッチハウジング6と後部車体B側のトランスミッションケース7との間に位置し、左右方向では、左右の縦板状連結部材10Bを跨ぐ前後方向の上向きの凹溝部20bと、ドライブシャフト9を跨ぐ前後方向の上向きの凹溝部20cとを備えて、上部側が区画れれた貯留室を構成し、この貯留室を、前記コの字型連結板材10Aの内部側と、前記左右の縦板状連結部材10Bの左右方向の外側とに位置させた状態に配設されている。
燃料タンク20の分割面は前記縦板状連結部材10Bの下縁の少し下側に形成され、この分割面のフランジ面部分20dが、操縦部ステップ5Aの裏面側で連結ロッド26より連結支持されている。
尚、図中、燃料タンク20の下側に沿う板材27は、補強支持材であり、前記燃料タンク20のフランジ面部分20dとともに前記連結ロッド26に連結固定されている。
この燃料タンク20の底部側には、単一の通油パイプ22を接続してエンジン側の給油部に燃料を導くように構成してあり、その通油パイプ22にドレンコック23を設けることでタンク内の残り油を排出することもできる。また、上部側は区画されているため、その各区画室に対して個々に、または共通して作用するブリーザー(図外)を設ける必要がある。
この燃料タンク20の燃料注入用開口20aは、前記コの字型連結板材10Aの内部側の貯留室の上端部に形成されており、コの字型連結板材10Aの上部に形成された開口28を介して開閉できるように構成されている。
【0023】
〔他の実施形態3〕
本発明の燃料タンク20は、薄肉金属板製のものに限らず、合成樹脂製のものであってもよく、所要の大きさと強度等から適宜の材質を選択することができる。
【0024】
〔他の実施形態4〕
本発明のトラクタとして、前記実施形態では、後輪2をクローラ走行装置40で構成したセミクローラ型式のものを例示したが、通常のタイヤ車輪を用いたものに適用して良いことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】トラクタの全体側面図
【図2】トラクタの全体平面図
【図3】前部車体と後部車体の接続箇所における燃料タンクの配置例を示す側面図
【図4】前部車体と後部車体の接続箇所における燃料タンクの配置例を示す断面図
【図5】燃料タンクの配設形態を示す斜視図
【図6】前部車体と後部車体の接続箇所における燃料タンクの配置例を示す断面図
【図7】前部車体と後部車体の接続箇所における燃料タンクの別の配置例を示す側面図
【図8】前部車体と後部車体の接続箇所における燃料タンクの別の配置例を示す断面図
【符号の説明】
【0026】
A 前部車体
B 後部車体
1 前輪
2 後輪
3 機体フレーム
4 エンジン
5 操縦部
6 クラッチハウジング
7 トランスミッションケース
8 デフケース
9 ドライブシャフト
10 フレーム材
11 前フレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪を備えた前部車体側にエンジン、及びクラッチハウジングを搭載し、前記エンジン動力が伝達されるデフケースに後輪を支持させた後部車体側に操縦座席を備え、前記前部車体と後部車体とを、前部車体から後部車体に亘るドライブシャフトの左右両側で一対のフレーム材により連結して機体フレームを構成してあるトラクタにおいて、
前記クラッチハウジングからデフケースに至る伝動系の途中に介装されるトランスミッションケースを前部車体側に配設し、そのトランスミッションケースと前記デフケースとの間に形成した前後間隔幅と、左右のフレーム材の間に形成される左右間隔幅とで構成される空間部に、燃料タンクを配設してあるトラクタ。
【請求項2】
操縦座席の前側でフレーム材の上側に搭乗用のステップ面が形成され、操縦座席の座部の前端よりも後方側で、前記ステップ面よりも上方側に膨出するように燃料タンクを配設してある請求項1記載のトラクタ。
【請求項3】
前部車体側にエンジン、及びクラッチハウジングを搭載し、前記エンジンの下部に備えた前フレームに前車軸ケースを支持して前輪を備えるとともに、前記エンジン動力が伝達されるデフケースに後輪を支持させた後部車体側に操縦座席を備えてあるトラクタであって、
前記クラッチハウジングからデフケースに至る伝動系の途中に介装されるトランスミッションケースを後部車体側に配設し、縦向き板材からなるフレーム材を、クラッチハウジングからトランスミッションケースへ亘るドライブシャフトの左右両側で、前記前フレームの後部からトランスミッションケースに亘って連結して機体フレームを構成し、
前記トランスミッションケースと前記クラッチハウジングとの間に形成される前後間隔幅と、前記左右のフレーム材の間に形成される左右間隔幅とで構成される空間部で、かつ、操縦座席の前側に設けられているステップ面の下側に燃料タンクを配設してあるトラクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−273147(P2006−273147A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95930(P2005−95930)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】