説明

ナノレイヤ堆積プロセス

ナノレイヤ堆積(「NLD」)と呼ばれる、CVD及びALDのハイブリッド堆積プロセスが提供される。このナノレイヤ堆積プロセスは、非自己制御型堆積プロセスにおいて、第1の複数の前駆体をチャンバに導入し、第1の層を基板上に堆積させる第1のステップと、次に、該第1の組の前駆体をパージする第2のステップと、第2の複数の前駆体を導入し、堆積された薄膜を修正する第3のステップとを含む周期的シーケンス堆積プロセスである。第1の組の前駆体を用いるNLDプロセスにおける堆積ステップは、非自己制御型であり、基板温度及びプロセス時間の関数である。第2の組の前駆体が、既に堆積された膜の特徴を修正する。第2の組の前駆体は、膜の組成の修正、ドーピング、又は堆積された膜からの不純物の除去のように、堆積された膜の処理を行うことができる。第2の組の前駆体は、堆積された膜上に別の層を堆積させることもできる。追加の層は、既存の層と反応して複合層を形成するか、又は最小の反応を起こしてナノラミネート膜を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜の堆積に関し、具体的には、半導体薄膜の処理に関する。
本出願は、2003年2月4日に出願された米国特許出願番号第10/360,135号に基づく優先権を主張するものであり、この特許を引用によりここに組み入れる。
【背景技術】
【0002】
堆積は、現代の半導体デバイス構造の基本的な製造プロセスの1つである。堆積技術には、物理気相成長法(「PVD」又はスパッタリング法)、及び化学気相成長法(「CVD」)、及びパルス化CVD、シーケンスCVD、又は原子層堆積(「ALD」)のようなCVDの多数の変形が含まれる。
PVDプロセスは、高真空装置及び生成されたプラズマを用い、原子又は原子のクラスタをウェハ基板の表面に向けてスパッタする。PVDは、視線方向の堆積法であり、特に4:1より大きい高アスペクト比を用いて、0.13μm又はそれより小さい小型トレンチ又はバイアの上に薄く均一の裏打ち層又は障壁層を堆積させるといった、複雑なトポロジーの上に適合する膜の堆積を達成することは、いっそう困難である。
【0003】
CVD法は、PVD法と異なる。CVDにおいては、気体又は蒸気混合物が、高温のウェハ表面の上に流される。次いで、高温の表面で反応が起こり、そこで堆積が行われる。CVDプロセスの基本的特徴は、基板において全ての前駆体蒸気が一緒に反応することである。反応は、熱エネルギー(抵抗加熱された基板又は放射加熱の形の)、又はプラズマ・エネルギー(プラズマ励起の形の)といったエネルギー源の存在を必要とすることが多い。堆積が前駆体の反応に依存し、大きいウェハ表面にわたる堆積の均一性に影響を与えるので、CVD堆積において、ウェハの表面温度は重要な要因である。CVDは、一般に堆積のために高い温度を必要とし、このことは、半導体プロセスにおける他のプロセスと両立性をもたない。低温のCVDは、均一性及び不純物に関して低品質の膜を生成する傾向がある。プラズマ強化CVDプロセスにおけるプラズマ・エネルギーによって、又は急速加熱CVDプロセスにおける光子エネルギーによって、反応を更に促進することができる。CVD技術は、長い間半導体処理に使用されており、その特徴は、利用可能な種々の前駆体と共によく知られている。しかしながら、CVDは、新しい材料、並びにより厳しい膜品質及び特性に対する現代の技術要件を満たしていない。
【0004】
CVDの変形には、パルス化CVD又はシーケンスCVDが含まれる。パルス化CVD又はシーケンスCVDにおいては、化学蒸気、又はプラズマ・エネルギー、熱エネルギー、及びレーザ・エネルギーといった供給されるエネルギーは、CVDプロセスにおけるように連続的ではなく、パルス化される。パルス化CVDの主要な利点は、前駆体又はエネルギーのオン・オフ状態がもたらす過渡状態の効果が高いこと、及びパルス化モードのために前駆体又はエネルギーの量が減少することである。薄いゲート酸化物のためのプラズマ処理の場合のように、引き起こされる基板損傷がより少ないので、パルス化モードにおいて達成することができるエネルギーの減少は、望ましいものである。パルス化モードの際の前駆体の量の減少は、前駆体が基板と反応し、特定の構成における基板の単結晶性質を拡大する、エピタキシャル堆積のような特定の用途に望ましいものである。交差汚染又は気相反応が問題でなく、前駆体又はエネルギーをパルス化する目的は、所望の膜特徴を得ることであるので、パルス化CVDにおいて、パージするステップはない。
【0005】
パルス化CVDを用いて、Taylor他に付与された米国特許第5,102,694号(「Taylor」)のような傾斜した堆積物を形成することができる。Taylorは、前駆体が周期的に減少されて堆積された膜内に組成の傾斜を形成する、パルス化堆積プロセスを開示する。Taylorのパルス化CVDは、膜組成を変えるために、第1の組の前駆体の変化だけに依存する。
Batey他に付与された「Pulsed gas plasma−enhanced chemical vapor deposition of silicon」という名称の米国特許第5,242,530号(「Batey」)に開示されるように、パルス化CVDを用いて、前駆体の流れを変調することができる。Bateyは、前駆体シランが、プラズマ水素の安定した流れの間に変調される、パルス化堆積プロセスを開示する。シランのパルス化により一連の堆積がもたらされ、シランのパルスなしで、安定したプラズマ水素が堆積された表面を洗浄し、準備する。
【0006】
Sandhu他に付与された「Pulsed plasma−enhanced CVD of metal silicide conductive films such as TiSi2」という名称の米国特許第5,344,792号(「Sandhu」)に開示されているように、パルス化CVDを用いて、堆積プロセスに必要なプラズマ・エネルギーをパルス化することができる。Sandhuは、前駆体がプロセス・チャンバ内に導入され、次いで、プラズマ・エネルギーがパルス化モードで導入され、堆積条件を最適化する、パルス化堆積プロセスを開示する。Donohoe他に付与された「Method for pulsed plasma enhanced vapor deposition」という名称の米国特許第5,985,375号(「Donohoe」)は、パワー変調されたエネルギー波形ではなく、パルス化モードにおけるプラズマ・エネルギーを用いる、類似したパルス化CVDプロセスを開示する。プラズマ・エネルギーのパルス化は、所望の特徴をもつ金属膜の堆積を可能にする。Roche他に付与された「Method of chemical vapor deposition in a plasma processor responsive to a pulsed microwave source」という名称の米国特許第6,200,651号(「Roche」)は、堆積された膜を最適化するために、反復的なパルス化マイクロ波磁場を有する電子サイクロトン共鳴プラズマを用いるパルス化CVDプロセスを開示する。Goto他に付与された「Deposition of TEOS oxide using pulsed RF plasma」という名称の米国特許第6,451,390号(「Goto」)は、二酸化シリコンの堆積速度を制御するために、パルス化RFプラズマを用いるテトラエトキシシラン(「TEOS」)酸化物の堆積プロセスを開示する。パルス化の特徴は、定常状態ではなく過渡状態を通して堆積膜を最適化することである。ゲート酸化物の窒化プロセス中のプラズマのパルス化は、プラズマ過渡状態による相互作用が大きいために、連続的なプラズマ窒化プロセスと比べて損傷が少なく、プラズマ時間が短い結果としても損傷が少ない。
【0007】
Takahashi他に付与された「Method for growing semiconductor film and method for fabricating semiconductor devices」という名称の米国特許第6,306,211号(「Takahashi」)のような堆積プロセスに必要な前駆体をパルス化するために、パルス化CVDを用いることができる。Takahashiは、SixGeyzのエピタキシャル膜を堆積させるための、パルス化CVDプロセスを開示する。エピタキシャル堆積は単結晶基板を必要とし、堆積された膜は、CVD多結晶又はアモルファス膜堆積と異なり、該基板の単結晶性質を拡大する。基板の単結晶性質を拡大するために、堆積された前駆体は、特定の格子部位で基板と結合する必要がある。したがって、前駆体の流れの減少は、前駆体を正しい格子内に配置するのに十分な時間を可能にするので、エピタキシャル堆積において非常に望ましい。プロセスは、導入される前駆体を希釈するための連続的な水素の流れを含む。次いで、シリコン・ベースの前駆体、ゲルマニウム・ベースの前駆体、及び炭素ベースの前駆体の連続的パルスが導入されて、SixGeyzのエピタキシャル膜を堆積させる。エピタキシャル膜を堆積させるために、少量の前駆体が必要とされる。このことは、短いパルス(マイクロ秒のオーダーの)によって達成することができる。大流量の水素内で前駆体をさらに希釈することができる。Takahashiは、前駆体のパルスが重複しない開示するが、これらのパルスの分離については言及していない。Takahashiのパルス化CVDの目的は、複合膜を堆積させることである。したがって、これらの前駆体を分離は関係がない。
【0008】
Takahashiが記載するように、SixGeyzのエピタキシャル膜を堆積させるためのパルス化CVDは、半導体デバイスにおける相互結合のための、バイア又はトレンチのような平坦でない基板上に高い被覆率の又はコンフォーマルな膜の堆積を可能にしない。Takahashiのパルス化CVDの目的は、Takahashiが観察したような、十分に平坦な表面をもつエピタキシャル膜を堆積させることであり、トレンチ又はバイア上に起こり得る堆積についての記載はない。
【0009】
ALDは、堆積のために化学蒸気を用いるCVDの別の変形である。ALDにおいては、種々の蒸気が、交互に、分離されたシーケンスでチャンバ内に注入される。例えば、第1の前駆体蒸気がチャンバ内に送られ、基板の上に吸着される。次いで、第1の蒸気が止められ、チャンバから排出される。次いで、別の前駆体蒸気がチャンバ内に送られて基板上の吸着された分子と反応し、所望の膜を形成する。次に、この第2の蒸気が止められ、チャンバから排出される。このシーケンスは、堆積された膜が所望の厚さに達するまで何サイクルも繰り返される。ALDプロセスの多数の変形が存在するが、ALDプロセスは全て、2つの共通の特徴、すなわち(1)連続的な前駆体蒸気の流れ、(2)サイクル毎の自己制御厚を共有する。連続的な前駆体の流れ及び排出という特徴は、一般にCVDプロセスと関連付けられる気相反応を排除する。膜厚全体が前駆体の流れにもプロセス時間にも左右されないので、サイクル毎の自己制御厚により、優れた表面被覆率がもたらされる。膜厚全体は、サイクル数にのみ左右される。ALDプロセスは、基板の温度に敏感でない。
【0010】
基板表面が第1の前駆体で飽和されるという自己制御特徴のために、ALDプロセスのサイクル毎の最大厚は1つの単分子層である。第1の前駆体は、基板の上に吸着するか、又は該基板において何らかの反応を有することができるが、該第1の前駆体は、基板表面も飽和し、該表面は第1の前駆体配位子で終端する。
ALDプロセスの処理量は、サイクルの速さによって決まる。したがって、チャンバ容積が小さいことが重要である。さらに、大きい処理量を可能にするために、前駆体の弁を迅速に切り換えることが望ましい。典型的なALDサイクルは、数秒の長さである。したがって、前駆体のパルスは、秒のオーダーである。この短いプロセス時間のために、前駆体の空乏の影響は深刻なものになり得る。
【0011】
Shermanに付与された「Sequential chemical vapor deposition」という名称の米国特許第5,916,365号(「Sherman」)は、一連のチャンバ排出、基板の上への第1の前駆体の吸着、これに続く別のチャンバ排出、次いで基板表面上の吸着された前駆体と反応するための第2のラジカル前駆体、及び第3のチャンバ排出による、連続的な化学気相成長(ALD)を提供する。Shermanプロセスは、吸着に起因するサイクル毎のサブ単分子層を生成する。プロセス・サイクルを繰り返し、所望の膜厚を成長させることができる。Shermanは、第1の前駆体プロセスの流れが自己制御型であり、プロセスがどれほど長くても吸着の厚さを変えることができない、ALDプロセスを開示する。Suntola他に付与された「Method for growing thin films」という名称の米国特許第6,015,590号(「Suentola」)は、前駆体を完全に分離させるALDプロセスを開示する。開示されたSuntolaプロセスは、基板表面上の前駆体の飽和及びそれに続く反応物質との反応を通して堆積が達成されることを意味する、改善されたALDプロセス(Suntolaによる原子層エピタキシ(「ALE」)と呼ばれる)である。Suntolaプロセスの利点は、交差反応を防止するための、前駆体のパルスの間に99%より良好なパージを有する、前駆体の完全な分離である。
【0012】
Snehに付与された「Radical−assisted sequential CVD」という名称の米国特許第6,200,893号及びその分割(米国特許第6,451,695号、米国特許第6,475,910号、米国特許公開第2001/002280号、米国特許公開第2002/0192954号、米国特許公開第2002/0197864号)は、ALD堆積のための方法を記載する。Snehのシーケンス・プロセスは、ALDプロセスの変形である。Snehは、第1の前駆体の導入のための堆積ステップを開示するが、Snehの堆積は、配位子を用いる表面飽和のために自己制御型である。実際には、米国特許第6,475,910号において、Snehは、第1の前駆体の導入ステップの厚さを拡大するための方法を開示している。この開示は、第1の前駆体の導入ステップの厚さを増大させるための、連続的な前駆体の流れに対する別のALDプロセスを開示する。幾つかの点で、これは、入れ子状のループに類似しており、ALDプロセスの第1の前駆体の流れのステップの厚さを別のALDプロセスによって増大させることができる。
【発明の開示】
【0013】
本発明は、ナノレイヤ堆積(「NLD」)と呼ばれる、CVD及びALDのハイブリッド堆積プロセスを提供する。2001年9月10日に出願され、2003年3月13日に特許公開番号第2003/0049375A1号として公開された同じ発明者の「Nanolayer thick film processing system and method」という名称の係属中の米国特許出願番号第09/954,244号を参照されたい。
【0014】
本発明の一態様において、薄膜を基板上に堆積させるための本発明の方法が、
a.非自己制限式堆積プロセスにおいて、第1の複数の前駆体をチャンバに導入し、第1の層を基板上に堆積させ、
b.第1の前駆体をパージし、
c.修正プロセスにおいて、堆積された第1の層を修正する、少なくとも1つの前駆体が第1の複数の前駆体と異なる第2の異なる複数の前駆体を導入する、
ステップを含む。
【0015】
本発明における堆積ステップは、非自己制御型であり、基板温度及びプロセス時間の関数である。この第1ステップは、第1の組の前駆体を用いるCVDプロセスに類似している。次に、第1の組の前駆体が止められてプロセス・チャンバからパージされ、第2の組の前駆体が導入される。パージするステップの目的は、2つの組の前駆体間に起こり得る相互作用を回避することである。したがって、パージするステップは、プロセス・チャンバから現存する前駆体を排出するポンピング・ステップによって達成することができる。ポンピング・ステップの特徴は、チャンバ圧を下げて全てのガス及び蒸気を排出することである。パージするステップはまた、窒素又は不活性ガスのような非反応ガスを用い、プロセス・チャンバから全ての前駆体を押し出すことによる、置換ステップによって達成することもできる。置換ステップは、前駆体を止めてパージ・ガスを入れた状態で、チャンバ圧を維持する。窒素又はアルゴン置換ステップの後のポンピング・ステップのようなパージするステップにおいて、これらの2つのステップの組み合わせを用いることができる。
【0016】
第2の組の前駆体が、既に堆積された膜の特徴を修正する。第2の組の前駆体は、例えば、膜組成の修正、ドーピング、又は堆積された膜からの不純物の除去によって、堆積された膜を処理することができる。第2の組の前駆体は、別の層を堆積された膜上に堆積させることもできる。追加の層は、現存する層と反応して複合層を形成することができ、或いは最小の反応を起こしてナノラミネート膜を形成することもできる。1つの好ましい実施形態において、堆積ステップは、エピタキシャル膜におけるように、規則的膜堆積と対照的に、無秩序な膜堆積とすることが好ましい。無秩序な膜堆積のための堆積条件は、達成がずっと簡単であり、最初の表面準備が少なく、堆積された膜の順序に関する特定の考慮事項も少ない。エピタキシャル膜堆積のような規則的膜堆積においては、一般に、わずかな量の前駆体が用いられ、前駆体を表面上に自己配列させて結晶膜を形成するのに十分な時間を有することが可能になる。この目的のために、パルス化CVDが、エピタキシャル膜の堆積に非常に適している。エピタキシャル堆積はバッファ層も必要とし、特に基板及び堆積された膜の異なる格子構造を有する連続的な格子成長を確実にする。
【0017】
膜を堆積させるための本NLD法は、シーケンス・プロセスを用い、第2の組の前駆体の導入するCVD法とは著しくに異なるものである。本NLD法は、パージするステップを有し、第2の組の前駆体を導入するパルス化CVD又はシーケンスCVDと異なるものである。周期的シーケンス・プロセスにおいて第1の前駆体をパージした後に、第2の組の前駆体を導入することにより、CVD、及びパルス化CVD法、並びにシーケンシャルCVD法において不可能な方法で堆積された膜を修正することが可能になる。
【0018】
堆積された膜の傾斜のような組成を修正するために前駆体のパルス化を用いるパルス化CVDプロセスは、該プロセスに堆積された膜の特性を修正するための第2の組の前駆体がないため、本発明のNLDプロセスとは異なる。
より滑らかな表面のような堆積された膜の特徴を修正するために、プラズマ前駆体の存在下で堆積前駆体のパルス化を用いるパルス化CVDプロセスでは、該プロセスに、パルス間のパージするステップがなく、堆積時間全体にわたってプラズマ前駆体が存在するため、NLDとは異なる。このパルス化CVDプロセスは、連続的なプラズマ前駆体と堆積前駆体の混合を可能にする。対照的に、NLDプロセスは、交差汚染を回避し、起り得る気相反応を回避し、異なるプロセスのためのプロセス・チャンバを準備するために、2つの組の前駆体間にパージするステップを提供する。例えば、蒸気の存在下でプラズマが衝突するのは困難なので、パージするステップは、プラズマのスイッチを入れる前に、金属・有機化学気相堆積法(「MOCVD」)の前駆体のような前駆体を除去する。
【0019】
より滑らかな膜、異なる堆積速度、堆積された膜への損傷がより少ないといった堆積された膜の特徴を修正するためにプラズマ・エネルギーのパルス化を用いるパルス化CVDプロセスは、該プロセスに、堆積された膜の特性を修正するための第2の組の前駆体がないために、本発明のNLDプロセスとは異なる。パルス化CVDプロセスには、パルス間のパージするステップもない。パルス化特徴は、定常状態ではなく過渡状態により堆積膜の最適化を提供するというものであり、よって、堆積された膜の特徴を修正するために第2の組の前駆体を用いる本発明のNLD法とは著しく異なる。
【0020】
エピタキシャル膜を形成するために堆積前駆体のパルス化を用いるパルス化CVDプロセスは、該プロセスに、前駆体パルス間のパージするステップがないため、本発明のNLDプロセスとは異なる。パージするステップは、該パージするステップの分離効果のために、両立性のない前駆体の使用を可能にする。パルス化CVDとNLDとの間の違いは、この2つの方法の概念的な目的にもある。パルス化CVDの目的は、適切な組の前駆体及び条件を用いて所望の膜を堆積させることであるが、NLDの目的は、所望でない膜であっても膜を堆積させ、修正ステップ及び処理ステップを提供して、該所望でない膜を所望の膜に変換させることである。NLDは、CVD又はパルス化CVDにおけるように全ての所望の特徴をもった膜を堆積させる方法を見出すのではなく、代わりに、既存の膜を処理又は修正して所望の特徴をもった膜を達成する方法を見出すものである。さらに、より厚い膜を用いて既存の膜を処理し、修正することが困難であることを認識したとき、NLDは、堆積及び処理又は修正の周期的プロセスを提供し、処理プロセスを非常に薄い膜の上で行い、より厚い膜を達成するようにする。
【0021】
NLDが非自己制限型堆積を用いるので、膜を堆積させる本NLD法は、ALD法とも著しく異なる。本発明のNLD法における堆積ステップは、基板温度及びプロセス時間の関数である。対照的に、ALD法の堆積/吸着ステップは、基板表面上の前駆体配位子の飽和に基づいた自己制御型ステップである。表面が飽和されると、ALD法における堆積/吸着が停止し、如何なる余分の前駆体蒸気も飽和した表面にそれ以上の影響を与えない。換言すれば、ALD法の堆積/吸着ステップは、飽和に達した後の時間と無関係である。ALD法は、CVD法又はNLD法に比べて、基板温度への依存も低い。したがって、本発明のNLD法は、多くの点でALD法とは異なる。
【0022】
本発明の別の態様においては、堆積方法は、ステップ(c)の後に最後のパージするステップをさらに含む。前のパージするステップと同様に、最後のパージするステップは、排出、置換、又はそれらの組み合わせのいずれかにより、プロセス・チャンバから第2の組の前駆体を除去するためのものである。多くの用途においては、処理ステップは、薄膜を処理することしかできず、つまり薄膜だけを処理する場合には、処理ステップは、はるかに効果的なものである。したがって、本発明は、所望の厚さが達成されるまで、前のステップを繰り返すという更なるステップをさらに含む。最後のパージするステップは、その目的が、2つの組の前駆体間に起こり得る反応を防止するためのものであるから、随意的なものにできる。2つの組の前駆体間に最小の反応が存在する場合には、最後のパージするステップをなくしてプロセス時間をより短くし、処理量を上げることができる。
【0023】
本発明は、複数の他の組の前駆体への拡大適用も提供する。別の第3の組の前駆体が、プロセスの複雑化及び低い処理量を犠牲にして、堆積された膜の修正を強化する。別の2つの組の前駆体が、多層の薄膜又はナノラミネート膜を形成する。
【0024】
本発明のNLDプロセスは、標準的なCVDプロセス・チャンバ又はALDの小容積の高速切り換え弁プロセス・チャンバのような、いずれのプロセス・チャンバにおいても行うことができる。チャンバ壁は、所望の出力によって、低温壁、中温壁、又は高温壁とすることができる。供給システムは、均一な流れを提供するシャワーヘッド供給にしてもよく、層流をもたらす側壁入口とすることもでき、円形の供給をもたらすシャワー・リングとしてもよい。前駆体の供給は、液体の前駆体が加熱された気化器に運ばれ、プロセス・チャンバに運ばれる前に該前駆体を蒸気の形態に変換する、液体噴射とすることができる。前駆体の供給は、液体前駆体の蒸気を液体前駆体容器から抽出する蒸気抽出とすることもできる。前駆体の供給は、液体前駆体の蒸気を非反応ガスの発泡特性により強化するバブラーによるものにすることもできる。
【0025】
本発明におけるステップは、熱活性化CVD、平行板プラズマを用いるプラズマ強化CVD、誘導結合プラズマ(「ICP」)、マイクロ波プラズマ、遠隔プラズマ、又はランプ加熱を用いた急速熱処理のような、あらゆるCVD堆積ステップとすることができる。堆積ステップだけではなく、処理ステップも、堆積された膜の特性を修正するためのCVD堆積ステップとすることができる。
【0026】
処理ステップは、プラズマ処理、又は温度処理とすることができる。プラズマ処理は、エネルギー種とすることができ、エネルギー種に運動エネルギーを与えるバイアスを用いてプラズマ処理を一層強化することもできる。強いバイアスは、浸漬イオン注入技術におけるように、イオン注入のような反応を生じさせることがある。一般に、処理ステップにおける高度なエネルギー種は、堆積された膜の特性を修正する助けになる。種の打ち込みを用いて、堆積された膜の粗さを改善することができる。化学反応を用いて、不純物を除去するか、又は膜組成を変更し、膜密度のような物理的特性を修正することができる。
【0027】
本発明の方法は、いずれのCVD前駆体又はMOCVD前駆体を用いることもできる。堆積ステップは、第2の組の前駆体を用いて強化され、CVD法によっては困難又は不可能である膜特性を可能なものにする。前駆体は熱的に活性化させても、プラズマによって活性化させても、又急速加熱処理(「RIP」)によって活性化させてもよい。前駆体は水素、窒素、酸素、オゾン、不活性ガス、水、又はNH3、SiH4、NF3のような無機前駆体、又はTiCl4のような金属前駆体、又は有機前駆体、又はテトラキスジメチル・チタニウム(「TDMAT」)、テトラキスジエチル・チタニウム(「TDEAT」)、テトラキス(メチルエチルアミノ)チタニウム(「TMEAT」)、ペンタ−ジメチル−アミノ−タンタル(「PDMAT」)、及びペンタキス(ジエチルアミド)タンタル(「PDEAT」)のような金属有機前駆体とすることができる。
【0028】
一般に、より低い堆積速度及びより良好な均一性を得るための本発明のプロセス温度は、同様のCVDプロセスの温度より低いものである。一般的なプロセス温度は、プロセス全体の熱量によって、100℃から1000℃までの間である。半導体プロセスの金属相互接続は、プロセス温度が500°Cより低いことを必要とし、新しい低誘電定数(低k)の層間誘電プロセスは、プロセス温度が400℃より低いか、350℃より低いことさえ必要とする。デバイス製造のためには、温度を600°Cまで、更に800°Cまで上げることさえ可能である。
【0029】
本発明の各ステップのプロセス時間は、ミリ秒から何分までの範囲である。短いプロセス時間が望ましいが、プロセス時間が短すぎると、タイミング要件及び成分要件のような多くの信頼性の問題を引き起こすことがある。半導体製造については、1時間当たり10から60までのウェハの典型的な処理量が許容可能である。膜厚毎に約4サイクルから20サイクルの使用は、ステップ毎に約3秒から90秒に変換される。
【0030】
本発明の一態様はプラズマ・エネルギーである。高アスペクト比のトレンチの側壁表面を処理するために、このプラズマは、高密度で高圧のプラズマである。高密度プラズマは、ICP又はマイクロ波を用いて達成することができる。高密度プラズマは、遠隔プラズマを用いて達成することもできる。
【0031】
高圧プラズマを少しだけ強力なものにすることができる。高密度・高圧プラズマは、多くの荷電粒子及び中性粒子の存在による大きな衝突損失を補償するように、チャンバ容積内に高いエネルギーを必要とする。チャンバ容積に送られる電力を増大させるために、ICP電源をチャンバ容積に近接させなければならず、多くの誘導セグメントを含む必要がある。誘導セグメントの大きさのために、誘導セグメントの数が増えるにつれて、該セグメントがチャンバ容積から遠ざかるので、これら2つの要件は達成が困難である。誘電セグメントは、一般に、プラズマ源のためのコイルであり、大電流を運び、よって水で冷やす必要がある。従来の誘導コイルは、水冷の流れのために中空の中心を有する四角形又は円形の断面を有する。誘導コイルの巻数の増加は電力が増大させるものであるが、一連の巻きがチャンバから更に遠くなることから、電力増加が幾分低減される。一定の距離においては、電力増加がもはや重要でなくなる。本出願人らのプラズマ誘導コイルは、革新的な設計であり、リボン状の断面を有し、幅が厚さの何倍も大きい。2001年7月5日に出願された「Plasma semiconductor processing system and method」という名称の同じ著者の同時係属出願である米国特許出願番号第09/898,439号が開示され、公開された(2003年1月9日付けの公開番号第2003/008500 A1号)。
【0032】
従来の誘導コイルの5mm又は10mmと比較して、1mmのオーダーの、厚さがずっと減少した螺旋リボン型誘導コイルを用いる場合、誘導コイルが、チャンバ容積にずっと近くなり、よってプロセス・チャンバに高出力を運ぶことができ、その結果、側壁構造体処理のための高密度、高圧のプラズマがもたらされる。螺旋リボン型の熱除去問題は、従来の誘導コイルとは異なる。10ミリトールから100ミリトールまでの一般的なプロセス圧と比べると、この新しいプラズマ源を用いる場合、本出願人らのプロセス・チャンバ圧は、1000ミリトールの大きさにすることができ、更なる改善によって、5トールに達することもできる。その結果、本プロセスの側壁処理が極めて良好になり、結果は、側壁及び上面並びに底面において100%のコンフォーマル性に近くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1は、従来技術のCVDプロセスのフローチャートを示す。ステップ10において、前駆体がプロセス・チャンバ内に導入される。次いで、ステップ11において、前駆体は基板表面で反応し、堆積された膜を形成する。前駆体の反応のための条件は、プラズマ・エネルギー、熱エネルギー、光子エネルギー、レーザ・エネルギーを含むことができる。CVDプロセスの堆積特徴は、非自己制御的性質であり、膜厚がプロセス時間及び基板温度と共に増加することを意味する。
【0034】
図2は、従来技術のパルス化CVDプロセスのフローチャートを示す。ステップ20において、パルス状態で前駆体をプロセス・チャンバ内に導入する。次に、ステップ21において、前駆体が基板表面において反応し、堆積された膜を形成する。CVDプロセスと同様に、パルス化CVDプロセスは、プラズマ・エネルギー、熱エネルギー、光子エネルギー、レーザ・エネルギーを組み込むことができる。パルス化CVDプロセスの条件は、前駆体のパルス化、プラズマのパルス化、熱エネルギーのパルス化、光子エネルギーのパルス化、及びレーザ・エネルギーのパルス化を含むことができる。パルス化CVDプロセスの堆積特徴は、CVD堆積プロセスが繰り返されることである。
【0035】
図3は従来技術のALDプロセスのフローチャートを示す。ステップ30において、前駆体がプロセス・チャンバ内に導入される。次いで、ステップ31において、前駆体がプロセス・チャンバからパージされる。ステップ32において、別の組の前駆体がプロセス・チャンバ内に導入される。次に、ステップ33において。この組の前駆体がプロセス・チャンバからパージされる。このパージするステップ33は、随意的なものである。ステップ34において、所望の厚さが達成されるまで、このシーケンスを繰り返すことができる。ALDプロセスの基本的特徴は、ステップ31における前駆体の飽和であり、このステップにおける前駆体の堆積又は吸着は、自己制御型であり、プロセス時間及び基板温度に敏感であることを意味する。2つの組の前駆体が導入された後、ステップ32において、該2つの組の前駆体が反応する。2つの組の前駆体を分離して気相反応を防止し、ALDプロセスの表面反応を保持するために、パージするステップ31が必要とされる。
【0036】
図4は、本発明のNLDプロセスのフローチャートを示す。ステップ40において、前駆体がプロセス・チャンバ内に導入される。次いで、ステップ41において、前駆体がプロセス・チャンバからパージされる。ステップ42において、別の組の前駆体がプロセス・チャンバ内に導入される。次いで、ステップ43において、この組の前駆体がプロセス・チャンバからパージされる。このパージするステップ43は、随意的なものである。ステップ44において、所望の厚さが達成されるまで、このシーケンスを繰り返すことができる。NLDプロセスの基本的特徴は、ステップ41における堆積の非自己制御的性質であり、このステップにおける前駆体の堆積が、プロセス時間及び基板温度に左右されることを意味する。ステップ42において、2つの組の前駆体は互いに反応しない。代わりに、第2の組の前駆体は、ステップ40の後に生じる第1の組の前駆体の生成物と反応する。パージするステップ41は、通常、2つの組の前駆体を分離して気相反応を防止するために必要とされるが、NLDプロセスが2つの組の前駆体の相互作用に依存しないので、全ての場合にこのパージするステップ41を必要とするわけでない。
【0037】
膜を堆積させるための本発明のNLDプロセスは、連続的なプロセスを用い、第2の組の前駆体を導入するCVDプロセスとは著しく異なるものである。このNLDプロセスは、パージするステップを用い、第2の組の前駆体を導入する、パルス化CVD又はシーケンスCVDと異なるものである。2つの組の前駆体を分離するパージするステップを用いて2つの組の前駆体を用いる周期的シーケンス堆積により、CVD、パルス化CVD、及びシーケンスCVDプロセスにおいて可能でない方法で堆積された膜の修正が可能になる。以下の例は、CVDに対するNLDの利点を記載する。CVDという用語は、パルス化CVD法及びシーケンスCVD法の両方を指す。
【0038】
こうした利点の一例は、堆積された膜の表面被覆特性である。典型的なCVDプロセスは、膜が堆積されるまで、高温で連続的に作動する。CVDプロセスの均一性及び表面被覆率は、化学的前駆体と最初の基板表面との反応機構にのみ依存する。対照的に、本発明のNLD法は、第2の組の前駆体を提供し、堆積時間中に基板表面特徴を修正するものであり、常に最初の表面と類似した基板表面を可能にし、堆積プロセス中の表面特性の変化を防止する。NLD法は、堆積時間中に基板表面を修正して追加の制御能力を提供し、堆積された膜の表面被覆特性を改善する。第1の組の前駆体としてTEOS及び酸素を用い、第2の組の前駆体としてプラズマ・アルゴン又は水素或いは窒素を用いる、NLD二酸化シリコン堆積は、TEOS/酸素だけを用いるCVDプロセスと比べて、薄膜により多くの均一性及び表面被覆率を提供する。同様に、シラン/アンモニアを第1の組の前駆体として用い、第2の組の前駆体としてプラズマ・アルゴン又は水素、或いは窒素を用いるNLD窒化シリコン堆積は、シラン/アンモニアだけを用いるCVDプロセスと比べて、薄膜により多くの均一性及び表面被覆率を提供する。
【0039】
CVDに優るNLDの利点の別の例は、堆積された膜のプロセス温度である。CVDのプロセス温度は、許容可能な品質の膜を提供する反応機構によって求められる。CVDプロセスにおいてプロセス温度を下げることは、不完全反応に起因する不純物及び膜成分の異なる化学量論のような、堆積された膜の特性を変えることがある。対照的に、本発明のNLD法は、低温で堆積された膜を修正し、所望の膜特性を得ることができることから、CVDプロセスより低温で作動し、さらに許容可能な品質の膜を提供することができる。各方法において同じ組の第1の前駆体を比較したときにCVDに優るものとして、この同じ利点が存在する。NLD及びCVD両方における堆積ステップが基板温度に依存するので、より低い基板温度が、より低い堆積速度と、表面被覆率のような堆積された膜のより優れた制御能力を提供する。
【0040】
別の例は、堆積された膜の緻密化である。CVD法は、完全な膜を堆積させ、次いで膜全体にアニール処理のような処理を施すというものである。膜全体が厚いので、アニール処理には長い時間がかかり、場合によっては、特定の拡散の制限により、熱処理が堆積された膜の底面に到達されないことがある。対照的に、NLD法は、膜全体のごく一部を堆積させ、熱処理する周期的シーケンス方法を提供する。毎回膜全体の一部だけを用いて、膜全体を何度も堆積させることができる。厚さの一部は膜全体の厚さよりずっと薄いので、熱処理は短く効果的なものになる。膜の品質又は短いプロセス時間を最適化するように、サイクル数を選択することができる。
【0041】
別の例は、炭素を含む堆積された膜の炭素除去処理のような、堆積された膜の組成修正能力である。CVD法は、特定量の炭素を含む完全な膜を堆積させ、次いで膜全体をプラズマ水素のようなエネルギー種に曝して炭素と反応させ、堆積された膜から炭素を除去する。厚い膜を達成するために、エネルギー種のために必要とされるエネルギーは、非常に大きいものとなり、多くの場合、実用的なものでなく、堆積された膜又は下にある基板に損傷を引き起こす可能性がある。対照的に、NLD法は、膜全体のごく一部を堆積させ、炭素除去処理を行う周期的シーケンス方法を提供する。処理される膜がずっと薄く、所望の薄さを選ぶことができるので、エネルギー種のエネルギーを低くして実用性の範囲内にし、炭素を除去し、堆積された膜又は下にある基板を損傷させないようにすることができる。
【0042】
別の例は、NH3を有するTDMAT金属有機前駆体を用いるTiNの堆積のような気相反応の回避である。気相において、TDMATがNH3と反応して粒子を形成し、堆積された膜を粗くするので、CVD法は実用的なものでない。TDMATを用い、堆積された膜をNH3に曝すCVD堆積は、膜厚全体を処理することができない。対照的に、本発明のNLD法は、TDMAT及び膜全体のごく一部のNH3処理を用いて堆積させる周期的シーケンス方法を提供する。数ナノメートル(1nm−2nm)より薄い、TDMATの堆積された膜厚を用いる場合、NH3の処理が効果的なものになり、NLDの周期的シーケンス方法だけを提供することができる。N2、H2、Ar、He、又はNH3のプラズマ処理と共に、TMEAT、チタニウム有機金属前駆体のためのTDEAT、PDMAT、チタニウム有機金属前駆体のためのPDMAT、銅ヘキサフルオロアセチルアセトネート・トリメチルビニルシラン(「Cu(hfac)TCVS」)のような他の金属前駆体、銅hfac(I)、銅hfac(II)、ヨウ化銅、塩化銅、塩化チタニウムのような無機前駆体から、同様の結果を得ることができる。
【0043】
別の例は、酸素が豊富な膜、窒素が豊富な膜、酸窒化膜、又は金属が豊富な膜の堆積といった、堆積された膜の特性の修正である。酸素のような堆積された膜内の何らかの成分の内容を変えるために、CVD法は、全ての前駆体成分の調整を必要とする。要素の組み込みが前駆体の蒸気形態における存在に直接比例しないので、このことは、容易な課題ではない。CVDは化学反応の生成物であり、如何なる余分の前駆体も反応に関与しないので、しばしば、結果として得られる膜成分を修正することは可能でさえない。対照的に、本発明のNLD法は、膜全体のごく一部を堆積させ、処理する周期的シーケンス方法を提供するものである。処理ステップは、別個のステップであり、所望の結果を達成するために設計することができる。酸素が豊富な膜が望まれる場合には、プラズマ酸素、又はオゾン流のような励起酸素処理ステップは、堆積された膜内により多くの酸素を組み込むことができる。堆積された膜が十分に薄く、CVDではなく本発明のNLD法においてのみ使用できる条件である場合には、組み込みを行うことができる。窒素が豊富な膜が望まれる場合には、プラズマ窒素、又はアンモニア(NH3)の流れのような励起窒素処理ステップは、堆積された膜内により多くの窒素を組み組むことができる。酸窒化膜が望まれる場合には、励起酸素処理ステップが、堆積された窒化物膜内により多くの酸素を組み込むか、或いは励起窒素処理ステップが、堆積された酸化物膜内により多くの窒素を組み込むことができる。
【0044】
別の例は、例えば銅をドープしたアルミニウム膜、炭素をドープした二酸化シリコン膜、又はフッ素をドープした二酸化シリコン膜のような、堆積された膜の特性を修正するために、不純物を組み込むことである。例えば、純アルミニウムのエレクトロマイグレーション抵抗は乏しいものであるが、この抵抗は、一般的に数パーセントより少ないわずかな量の銅を組み込むことによって大きく改善される。銅を組み込むために、CVD法は、所望の混合物を堆積させることができるアルミニウムと銅の両立性がある前駆体を用いなければならない。対照的に、NLD法は、処理シーケンスの間、アルミニウム膜のごく一部を堆積させ、銅を該膜の一部に組み込む、周期的シーケンス方法を提供する。堆積にはアルミニウム前駆体が用いられ、処理には銅前駆体が使いられ、これらの前駆体が別個に連続的にプロセス・チャンバ内に導入されるので、アルミニウム及び銅が両立性のあるものである必要はない。
【0045】
別の例は、多層の膜又はナノラミネート膜の堆積である。ナノラミネート膜は多層の膜であるが、異なる層を非常に薄くすることができ、時には完全な膜でないものにし、時にはナノレイヤより薄くすることさえ可能である。多数のプロセス・チャンバ、及び汚染及び不純物を招くことなく、これらのチャンバ間で基板を移動させる能力を必要とするので、CVD法は実用的なものでない。対照的に、NLD法は、処理シーケンスの間に、第1の層の膜を堆積させ、次いで第2の層の膜を堆積させる周期的シーケンス方法を提供する。第1の層は単分子層の一部と同じくらい薄くしてもよく、数ナノメートルのよう所望の厚さにしてもよい。
【0046】
NLD法は、非自己制御型堆積ステップを有するALD法とも、著しく異なるものである。本発明のNLD法における堆積ステップは、基板温度及びプロセス時間の関数である。ALD法の堆積/吸着ステップは、基板表面上の前駆体配位子の飽和に基づいた自己制御型ステップである。表面が飽和されると、ALD法の堆積/吸着は停止し、如何なる余分の前駆体蒸気もそれ以上飽和した表面に影響を及ぼさない。換言すれば、ALD法の堆積/吸着ステップは、飽和に達した後は時間と無関係である。ALD法はまた、CVD又はNLD法に比べて、基板温度にあまり依存しない。したがって、本発明のNLD法は、多くの点でALD法と異なるものである。
【0047】
別の例は、本発明のNLD法の非自己制御型特徴は、NLD法が、CVDの前駆体を使用することができないALDとは違って、CVD法の前駆体を共有することを可能にするということである。本発明のNLD法の堆積ステップは、起り得る低温の例外を除いて、CVD法の堆積ステップと類似している。したがって、NLD法は、新規に開発された金属有機前駆体又は有機金属前駆体(MOCVD)を含む、全てのCVD法の前駆体を使用することができる。対照的に、ALDとNLDの堆積機構の違いから、ALDの前駆体要件は異なるものである。ALDの前駆体は、自己制限型の効果を有する必要があり、前駆体が単分子層になるまで基板上に吸着される。この自己制御型の効果のために、サイクル毎に1つの単分子層又はサブ単分子層だけが堆積され、余分な前駆体又は付加的な時間が与えられたときでさえも、付加的な前駆体が成長された層上に堆積されることはない。ALDの前駆体は、自己制御型モードで、堆積された表面の結合部位に容易に吸着する必要がある。吸着されると、前駆体は反応物と反応して、所望の膜を形成しなければならない。これらの要件は、前駆体が同時に基板に到達し、膜が、基板表面において前駆体の反応により連続的に堆積されるCVDとは異なるものである。したがって、多くの有用なCVDの前駆体は、ALDの前駆体として実行可能なものではなく、逆の場合も同様である。また、これは、ALD法のための前駆体の選択は、些細なことではなく又は明白なことでもない。
【0048】
NLD法の利点の別の例は、プラズマ技術及び迅速な熱処理技術のようなCVD技術の向上の組み込みが容易なことである。CVDと前駆体を共有することにより、NLD法は、多くを修正することなく、全てのCVDの進歩を共有することもできる。CVD法の知識が利用可能なので、NLDにおけるプラズマ堆積ステップを迅速に設計し、試験することができる。
【0049】
別の例は、基板表面の準備である。これはNLDとALDの異なる堆積機構がもたらした結果である。ALDにおいては、異なる表面及び表面の準備により異なる膜品質及び特性がもたらされるので、基板及び基板の準備は非常に重要であり、堆積プロセスの一部である。対照的に、NLDにおいては、基本的な機構は、前駆体の反応及び与えられるエネルギーにのみ左右され、基板表面には殆ど左右されない堆積ステップであるので、類似した堆積プロセスが、異なる表面準備又は異なる表面によっても生じる。表面が異なると、前駆体が核化し、堆積が開始する時間が異なるので、NLDが基板表面に左右されるのは核化時間だけである。この特徴は、NLDプロセスを用いて、異なる基板、すなわち二酸化シリコン基板、有機ポリマー基板、及び多孔誘電体基板上にTiNを堆積させるときに、実験室で観察された。これら3つの異なる基板上のTiN膜は、類似した膜品質及び特性をもち、異なる表面上における核化時間の違いのために厚さだけが異なるものである。エピタキシャル膜の堆積も、基板の集中的な準備を必要とするので、堆積された第1の原子層がエピタキシャルに、又は基板結晶から規則的な配列で成長する。非エピタキシャル膜のNLDプロセスは、コンフォーマルな堆積、又はバイア及びトレンチ、特に半導体デバイスにおける高アスペクト比の構造体にわたる、薄膜の極めて均一な被覆率を可能にする。
【0050】
別の例は、NLDにおいてMOCVD前駆体を用いる能力である。MOCVD前駆体は、その有機物の内容のために、かなりの量の炭素を含有する。本発明のNLDプロセスは、MOCVD前駆体を用いる堆積ステップ及び該堆積ステップの間に取り残された何らかの炭素を除去するための処理ステップのために、MOCVD前駆体を容易に用いるものである。効果的な炭素除去ステップは、プラズマ水素又はプラズマ窒素のような励起水素又は励起窒素の導入である。対照的に、ALD法におけるMOCVD前駆体の使用には、かなりの研究が必要であり、本出願人らが知る限り、これまでのところMOCVD前駆体を用いる、商業的に利用可能な成功したALDプロセスは存在しない。
【0051】
別の例は、本発明のNLD法の非自己制御型特徴である。NLD法はまた、該NLD方法が、堆積ステップ、又は処理ステップ、或いはその両方の厚さを調整し、サイクル毎のより厚い厚さを達成することをも可能にする。ALD法は、基板表面における配位子の飽和に基づいており、よってサイクル毎の厚さが一定であり、変更することができない。対照的に、本発明のNLD法におけるサイクル毎の厚さは、プロセス温度及びプロセス時間の関数である。NLDプロセスのために最適な厚さは、サイクル毎の最大厚であり、依然として処理ステップの間に処理することができる。NLDプロセスは、TDMATの前駆体を用いてTiNを堆積させ、プラズマ窒素処理は、サイクル毎の厚さを、1ナノメートル未満から数ナノメートルまでのいずれかにすることができる。サイクル毎の厚さを変える能力は、NLDプロセスが、同じ全体膜厚についてより少ないサイクルを使用することを可能にし、より速いプロセス時間をもたらし、ALDプロセスより大きい処理量を提供する。
【0052】
別の例は、本発明のNLD法の非自己制御型特徴もまた、該NLD法が、ALD法においては可能でない、堆積された膜の中央における幾つかの厚い又薄い層のような結果として生じる膜の個々の厚さを変えるのを可能にすることである。幾つかの用途は、膜品質が境界面にとってのみ重要な厚い膜を必要とし、該膜の中央部分をサイクル毎に非常に厚く堆積させて処理量を増大させるものの、堆積の最初と最後をサイクル毎にずっと薄くし、高品質の境界面の要求を満たすというものである。この特徴は、全てのサイクルがサイクル毎に同じ厚さを有するALDプロセスでは実行することができない。
【0053】
別の例は、堆積された膜のプロセス温度である。ALDのプロセス温度は、主として前駆体の配位子間の化学反応によって決定されるものなので、ALD法は、基板温度の影響を受けない。対照的に、本発明のNLD法は、ALDより僅かに高温で作動し、プロセス温度及び時間に依存するプロセスであることを意味する堆積特徴を提供することができる。さらに、NLDプロセスは、ずっと高温で作動し、サイクル毎に厚さをより厚くすることができる。NLDプロセスのサイクル毎の厚さのばらつきは、基板温度を変えることによって達成することができ、高温が高い堆積速度をもたらし、サイクル毎のより厚い厚さをもたらす。基板温度の変更は、迅速な応答時間の放射熱伝達を用いる高速の熱処理によって最も良好に達成されるであろう。抵抗加熱された基板がベースライン温度を提供し、ランプ加熱がサイクル毎のより厚い厚さに必要とされる温度上昇を提供することができる。
【0054】
別の例は、本発明のNLD法においては、堆積ステップ及び処理ステップの両ステップにおける前駆体を両立性のあるものにできるので、本発明のNLD法における堆積と処理の間にパージするステップを有することが不可欠ではない点である。対照的に、ALD法は、基板表面における設計された反応のために、これら2つのステップの間にパージするステップを必要とする。NLD法におけるパージするステップは、2つの組の前駆体の非両立性が潜在的な損傷を引き起こし得る、周期的シーケンス堆積スキームおいて全体を助けるものである。稀に2つの組の前駆体に両立性がある場合には、パージするステップは重要ではなく、処理量を改善するために該パージするステップを減らすか又は排除することができる。
【0055】
別の例は、表面被覆率の制御能力である。ALD法は、優れたコンフォーマル性及び表面被覆率を有し、この方法は、そこへの経路がある限り、如何なる構成にも理論的に完全な被覆率を提供する。しかしながら、ALDは、この特徴を停止することはできず、優れた表面被覆率がALD法の特徴であることがわかる。対照的に、本発明のNLDにおいては、表面被覆率の特徴を修正することができる。一般に、NLDにおける堆積ステップは、CVDに基づいているので、NLDにおけるサイクル毎の厚さが薄くなるにつれて、表面被覆率は良好になる。この制御度は、NLDに、多孔性基板の予期しない利点を提供する。開放孔を持つ多孔性基板上へのALD堆積は、全ての孔を通して移動し、あらゆる場所に堆積し、堆積された膜が導電性である場合には回路を短絡させる可能性がある。対照的に、NLD法は、堆積サイクルの開始時に非常に高い堆積速度を伝え、高品質の薄膜の堆積を開始する前に開放孔を効果的に封鎖することができる。表面被覆率特徴を停止させることによって、多孔性材料へのNLDの浸透度は、ALD法より著しく低いものになる。このスキームを用いて、本出願人らは、多孔性基板への堆積された膜の浸透がより低いことを実証した。更なる最適化を用いて、浸透をなくすこともできると考えられる。
【0056】
NLDの利点の別の例は、プロセス・チャンバの設計の融通性である。ALD法のサイクル毎の厚さが独立しているので、ALDの処理量は、サイクル時間によって定められる。したがって、許容可能な処理量を達成するために、ALDにおけるチャンバ設計は、非常に重要なものである。ALDの処理量は、前駆体の急速な飽和及び急速な除去を確実にする小型チャンバ容積、前駆体のオン・オフの迅速な応答時間を確実にする高速切り換え弁、前駆体の非空乏効果を確実にする均一な前駆体の送出のようなチャンバ設計の多数の問題に大きく依存する。ALDの高速反応時間要件も、前駆体の流れの同期、パージするステップといったタイミング要件に制約を加える。対照的に、本発明のNLD法において、サイクル数の減少及び処理量の増大をもたらす、サイクル特徴毎の可能なより厚い厚さのために、チャンバ設計の問題はそれほど重要ではない。したがって、NLDプロセスを実行するために、容積が大きく、弁の応答時間が遅い従来のCVDチャンバは、適切である。NLDプロセスは、ALDのチャンバ設計から恩恵を受けることができるが、如何なるチャンバ設計の考慮事項も有さないNLDの処理量が、多くの用途にとって適切なものにできるので、NLDは、チャンバ設計の簡略化のために処理量の一部を犠牲にする融通性を有している。チャンバ設計の融通性の利点は、高密度のプラズマをNLDプロセスに組み込む容易さである。高密度のプラズマ設計は、衝突の大きさに起因する荷電粒子及び中性粒子のエネルギーを均一化するために大型チャンバ容積を必要とし、この要件の制約は、ALDプロセスの小型チャンバ容積要件と矛盾するものであるが、NLDプロセスを用いる場合には許容可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】従来技術のCVDプロセスのフローチャートである。
【図2】従来技術のパルス化CVDプロセスのフローチャートである。
【図3】従来技術のALDプロセスのフローチャートである。
【図4】本発明のNLDプロセスのフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜を堆積させるための堆積方法であって、
a.非自己制御型堆積プロセスにおいて、第1の複数の前駆体をチャンバに導入し、第1の層を基板上に堆積させ、
b.前記第1の前駆体をパージし、
c.修正プロセスにおいて、前記堆積された第1の層を修正する、少なくとも1つの前駆体が前記第1の複数の前駆体と異なる第2の異なる複数の前駆体を導入する、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
d.ステップ(c)の後に、前記第2の前駆体をパージするステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所望の膜厚を達成するまで複数の前記ステップ(a)乃至(c)をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
所望の膜厚を達成するまで複数の前記ステップ(a)乃至(d)をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップ(a)が、堆積プロセスにおいてプラズマ・エネルギーを適用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップ(a)が、堆積プロセスにおいて熱エネルギーを適用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(c)が、修正プロセスにおいてプラズマ・エネルギーを適用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)が、修正プロセスにおいて高密度プラズマ・エネルギーを適用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(c)が、修正プロセスにおいて0.1トールから5トールまでの高圧プラズマ・エネルギーを適用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(c)が、修正プロセスにおいて熱エネルギーを適用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
ステップ(c)が、修正プロセスにおいてバイアス電圧を適用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
CVD前駆体からなる群から、ステップ(a)における第1の複数の前駆体を選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
MOCVD前駆体からなる群から、ステップ(a)における第1の複数の前駆体を選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
窒素、酸素、水素、アンモニア、NF3、シラン、オゾン、及びアルゴンからなる群から、ステップ(c)における前記第2の複数の前駆体を選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
CVD前駆体からなる群から、ステップ(c)における前記第2の複数の前駆体を選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
MOCVD前駆体からなる群から、ステップ(c)における前記第2の複数の前駆体を選択するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
非エピタキシャルに堆積された薄膜を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
薄膜を処理するための改善された方法であって、前記改善が、自己制御型表面吸着なしに修正された薄膜を構築するステップを含むことを特徴とする改善された方法。
【請求項19】
薄膜を堆積させるための改善された方法であって、前記改善が、第1の複数の種の前駆体を第1の層内に堆積させ、前記前駆体をパージし、第2の複数の種の前駆体を前記第1の層の上の少なくとも1つの次の層内に堆積させるステップを含み、前記第2の複数の種の前駆体が、前記第1の複数の種の前駆体と異なる少なくとも1つの前駆体を有することを特徴とする方法。
【請求項20】
薄膜を堆積させるための改善された方法であって、前記改善が、温度に敏感で、時間に依存した非自己制御型堆積プロセスを適用し、シーケンス堆積を用いて堆積された層を修正するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
薄膜を堆積させるための堆積方法であって、
a.非自己制御型堆積プロセスにおいて、第1の複数の前駆体をチャンバに導入し、第1の層を基板上に堆積させ、
b.非反応ガスを用いて、前記第1の複数の前駆体をチャンバから排除し、
c.少なくとも1つの前駆体が前記第1の複数の前駆体と異なる、前記堆積された第1の層の特徴を修正する第2の複数の異なる複数の前駆体を導入する、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
前記方法が、ステップ(b)を、前記第1の複数の前駆体を前記チャンバからパージするステップと組み合わせるステップをさらに含むことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
薄膜を処理するための改善された方法であって、前記改善が、堆積された次の層を用いて、堆積された層を修正するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
前記導入するステップ(a)及び(c)が、液体前駆体のために液体注入を用いるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記導入するステップ(a)及び(c)が、液体前駆体のために蒸気抽出を用いるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記導入するステップ(a)及び(c)が、液体前駆体のためにバブラーを用いるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記ステップ(a)が、堆積プロセスにおいて光エネルギーを適用するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
層を堆積させるための堆積方法であって、
a.非自己制御型堆積プロセスにおいて、第1の複数の前駆体をチャンバに導入し、第1の層を基板上に堆積させ、
b.前記第1の前駆体をパージし、
c.少なくとも1つの前駆体が前記第1の複数の前駆体と異なる、修正プロセスにおいて前記堆積された第1の層を修正する第2の異なる複数の前駆体を導入する、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項29】
薄膜を堆積させるための堆積方法であって、
a.非自己制御型堆積プロセスにおいて、第1の複数の前駆体をチャンバに導入し、第1の層を基板上に堆積させ、
b.チャンバ圧を保持しながら、非反応性ガスを用いて前記第1の複数の前駆体をチャンバから排除し、
c.少なくとも1つの前駆体が前記第1の複数の前駆体と異なる、前記堆積された第1の層の特徴を修正する第2の複数の異なる複数の前駆体を導入し、
d.前記第2の複数の前駆体を前記チャンバからパージする、
ステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−516833(P2006−516833A)
【公表日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503356(P2006−503356)
【出願日】平成16年2月4日(2004.2.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/003349
【国際公開番号】WO2004/070074
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(500226409)ティーガル コーポレイション (8)
【Fターム(参考)】