説明

ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、保存データ削除方法

【課題】ダウンロードしてキャッシュしておいた地図データについて、ファイルサイズが一定量に達し、削除する必要が生じた際に、地図データの変更度合いやナビゲーション時のリルート発生状況等に基づき予め付与しておいた地図データごとの重要度に応じ、重要度の低い地図データから削除することができるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、保存データ削除方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、地図データの重要度を設定し、設定された重要度に基づいて、地図データを記憶部から削除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、保存データ削除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ファイルサイズが一定量に達したキャッシュをデータのダウンロード順やアクセス回数や利用日時等に従って削除する技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のナビゲーション装置においては、アクセス回数、情報に係る地図上での車両の走行回数、利用者により設定された情報の必要度、および、情報に係る地図上への目的地の設定等に基づいて設定された削除優先度を用いて、地図情報記憶部に記憶された地図や道路やその案内等に係る報知用情報を削除することで、限られた記憶領域を活用する技術が開示されている。
【0004】
また、特許文献2に記載のナビゲーション装置においては、地図データ毎の使用頻度や最新使用日時の情報に基づいて、記憶ユニット内の地図データを消去して空き容量を作る技術が開示されている。
【0005】
また、一般的なナビゲーション装置においては、取得した情報を記憶領域に格納しておき、一定量以上の情報が蓄積された場合に、最先に格納された情報から順に削除または新しい情報に上書き保存する技術が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−163166号公報
【特許文献2】特開2003−302225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来(特許文献1および特許文献2)のナビゲーション装置においては、地図データへのアクセス回数や最新使用日時が古い順や記憶領域に格納された順等に基づいて地図データの削除を行うため、利用者にとって重要度の高い領域において、虫食い状にキャッシュデータが削除されてしまうことがあり、元々ナビゲーション装置が保持していた地図と、最新版をキャッシュにダウンロードした地図が混在し、境目で道路がつながらなくなる等の問題点を有していた。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、ダウンロードしてキャッシュしておいた地図データについて、ファイルサイズが一定量に達し、削除する必要が生じた際に、地図データの変更度合いやナビゲーション時のリルート発生状況等に基づき予め付与しておいた地図データごとの重要度に応じ、重要度の低い地図データから削除することができるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、保存データ削除方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するため、本発明のナビゲーションシステムは、地図データを記憶する記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、上記ナビゲーションサーバから送信される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記制御部は、上記地図データの重要度を設定する重要度設定手段と、上記重要度設定手段により設定された上記重要度に基づいて、上記地図データを上記地図データ記憶手段から削除する削除手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記ナビゲーション装置の記憶部は、経路案内を実行している際にリルート要求が発生した地点についてのリルート位置情報を記憶するリルート位置情報記憶手段、を更に備え、上記重要度設定手段は、上記リルート位置情報記憶手段に記憶された上記リルート位置情報に基づいて、上記地図データの上記重要度を設定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明のナビゲーションシステムは、上記記載のナビゲーションシステムにおいて、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、上記ナビゲーション装置にてローカルに保持されるローカル地図データを記憶するローカル地図データ記憶手段、を更に備え、上記重要度設定手段は、上記地図データ記憶手段に記憶された上記地図データと、上記ローカル地図データ記憶手段に記憶された上記ローカル地図データと、を比較することにより検出された変更度合に基づいて、上記地図データの上記重要度を設定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のナビゲーション装置は、地図データを記憶する記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置であって、上記記憶部は、上記ナビゲーションサーバから送信される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、を備え、上記制御部は、上記地図データの重要度を設定する重要度設定手段と、上記重要度設定手段により設定された上記重要度に基づいて、上記地図データを上記地図データ記憶手段から削除する削除手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の保存データ削除方法は、地図データを記憶する記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行される保存データ削除方法であって、上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、上記ナビゲーションサーバから送信される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、を備え、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記地図データの重要度を設定する重要度設定ステップと、上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記重要度設定ステップにて設定された上記重要度に基づいて、上記地図データを上記地図データ記憶手段から削除する削除ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の保存データ削除方法は、地図データを記憶する記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置において実行される保存データ削除方法であって、上記記憶部は、上記ナビゲーションサーバから送信される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、を備え、上記制御部において実行される、上記地図データの重要度を設定する重要度設定ステップと、上記重要度設定ステップにて設定された上記重要度に基づいて、上記地図データを上記地図データ記憶手段から削除する削除ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、地図データの重要度を設定し、設定された重要度に基づいて、地図データを記憶部から削除することができる。これにより、本発明は、ファイルサイズが一定量に達して削除する必要が生じた地図データについて、予め設定しておいた地図データの重要度に応じて削除することができ、結果として通信頻度および通信料金を抑えることができるという効果を奏する。特に、本発明は、ローカル(ナビゲーション装置)側に大容量のストレージやメモリを持たないナビゲーション装置に適用した場合、経路案内上重要度の高い地図データをローカル(ナビゲーション装置)側のキャッシュメモリ等に保持できるため、例えば、ナビゲーション装置が通信圏外にある際等でナビゲーションサーバと通信できず地図データをダウンロードできない場合等でもスムーズな経路案内や画面表示等を行うことができるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明によれば、記憶部に記憶されたリルート位置情報に基づいて、地図データの重要度を設定することができる。これにより、本発明は、道路の形状が変わっていることにより利用者が迷いやすい地点等の案内経路上のリルート要求の発生した地点を含む地図の最新の地図データをキャッシュメモリから削除せずに済むという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、記憶部に記憶された地図データと、記憶部に記憶されたローカル地図データと、を比較することにより検出された変更度合に基づいて、地図データの重要度を設定することができる。これにより、本発明は、道路が新しくできる等の形状が変更された地点を含む地図の最新の地図データをキャッシュメモリから削除せずに済むという効果を奏する。
【0018】
なお、上記において、本発明のナビゲーションシステムを一例に効果の説明をしたが、ナビゲーション装置、および、保存データ削除方法においても同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本実施形態における重要度設定の一例を示す概念図である。
【図4】図4は、本実施形態における重要度設定の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明にかかるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、保存データ削除方法並びにプログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0021】
本発明の実施形態について、図1から図4を参照して以下に説明する。
【0022】
[ナビゲーションシステムの構成]
まず、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例について、図1を参照して以下に説明する。ここで、図1は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0023】
図1に示すように、本実施形態のナビゲーションシステムは、概略的に、制御部202と記憶部206とを少なくとも備えたナビゲーションサーバ200、および、位置取得部112と出力部(表示部114および音声出力部118)と入力部116と制御部102と記憶部106とを少なくとも備えたナビゲーション装置100、を通信可能に接続して構成される。通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。また、これらナビゲーションシステムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0024】
[ナビゲーションサーバ200の構成]
ここで、図1において、ナビゲーションサーバ200は、記憶部206に記憶された地図データをナビゲーション装置100へ送信する等の機能を有する。ナビゲーションサーバ200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、ナビゲーション装置100と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206とを備えて構成される。制御部202は、各種処理を行う制御手段である。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ナビゲーションサーバ200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、ナビゲーション装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。記憶部206は、HD(Hard Disk)やSSD(Solid State Drive)等の固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(道路ネットワークデータベース206a、地図データベース206b、経路探索情報データベース206c、案内データベース206d等)を格納する。
【0025】
これら記憶部206の各構成要素のうち、道路ネットワークデータベース206aは、道路ネットワークデータを記憶する道路ネットワークデータ記憶手段である。ここで、道路ネットワークデータベース206aに記憶される道路ネットワークデータは、道路網を規定するネットワークデータであり、例えば、交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間の道路区間であるリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。また、ノードデータには、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、交差点名称等を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号、接続する道路の種別、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、および、名称等を含んでいてもよい。これら道路ネットワークデータは、道路ネットワークデータベース206aに予め記憶されており、ナビゲーションサーバ200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータをダウンロードして道路ネットワークデータベース206aに記憶された道路ネットワークデータをアップデートしてもよい。
【0026】
また、地図データベース206bは、地図の地図データを記憶する地図データ記憶手段である。ここで、地図データベース206bに記憶される地図データは、本発明において、例えば、縮尺に従ってメッシュ化された地図データ(例えば、第1〜4次地域区画メッシュデータ、100mメッシュデータ等)等の屋外地図データであってもよい。ここで、地図データベース206bに記憶されるメッシュ化された地図データは、隣接するメッシュ同士の一部が互いに重なり合う領域を持つメッシュデータであってもよい。また、地図データベース206bは、全国および各地方の道路地図や路線図等の屋外地図データを記憶してもよい。また、地図データベース206bは、例えば、高さ情報を持つ建築物(例えば、立体駐車場等)や地下構造物(例えば、地下駐車場等)に関するフロア案内地図等の屋内地図データをさらに記憶してもよい。また、地図データベース206bに記憶される地図データは、地図上に表示される地物(例えば、ビルや住宅や駅等の建物、道路、線路、橋、トンネル、等高線、海岸線や湖岸線等の水涯線、海、河川、湖、池、沼、公園や屋外施設等の場地、行政界、行政区域、街区等)の形状についての形状データ、地図上に表示される注記(例えば、地名、住所、電話番号、店や公園や駅等の施設名称、名所や旧跡や河川や湖や湾や山や森林等の俗称を含む名称、道路や橋やトンネル等の名称、路線名称、地点情報、口コミ情報等)の注記データ、および、地図上に表示される記号(例えば、山や史跡や寺社や学校や病院や工場や墓地等の地図記号、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアやスーパーマーケットやレストランや銀行や郵便局等の店舗記号、道路上の信号や有料道路の出入口や料金所やサービスエリアやパーキングエリアやインターチェンジ等の記号、駐車場や駅やホテルや美術館や博物館等の施設記号、口コミ地点記号等)の記号データ等のデータを含んでいてもよい。また、地図データベース206bに記憶される地図データは、ラスタ形式、ベクタ形式等の地図描画用の画像データであってもよい。これら屋外地図データや屋内地図データは、地図データベース206bに予め記憶されており、ナビゲーションサーバ200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータをダウンロードして地図データベース206bに記憶された屋外地図データおよび屋内地図データをアップデートしてもよい。
【0027】
また、経路探索情報データベース206cは、制御部202が、経路探索条件を満たす案内経路を作成する際に用いる、交通規制データと交通機関の時刻表データと利用料金データとを含む経路探索情報を記憶する経路探索情報記憶手段である。ここで、経路探索情報データベース206cに記憶される交通規制データは、各種の交通規制を定義するデータであり、例えば、道路の損壊や道路工事等による車両通行止、交通の安全を確保するために設置されるコミュニティ・ゾーン等による一般車の進入禁止、私有地への接続路であることによる一般車の進入禁止等の情報などを含んでもよい。また、経路探索情報データベース206cに記憶される時刻表データは、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、船等の各交通機関の時刻表を表す情報等であってもよい。また、経路探索情報データベース206cに記憶される利用料金データは、例えば、電車、飛行機、バス、市電、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用料金や、自動車、オートバイ等で移動する場合に消費する燃料料金等を表す情報等であり、制御部202が交通費を計算する際に用いてもよい。また、経路探索情報データベース206cは、自動車、オートバイ、自転車、徒歩等で移動する場合の経路作成に用いる地図上に存在する施設等の緯度経度情報などの位置情報等を記憶してもよい。これら交通規制データ、時刻表データ、および、利用料金データは、経路探索情報データベース206cに予め記憶されており、ナビゲーションサーバ200の制御部202は、定期的にネットワーク300を介して最新のデータをダウンロードして経路探索情報データベース206cに記憶された経路探索情報をアップデートしてもよい。
【0028】
また、案内データベース206dは、案内経路上において出力される案内データ(音声案内データや表示案内データ等)を記憶する案内データ記憶手段である。ここで、案内データベース206dは、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられた「次の交差点を左に曲がります」や、現在位置が目的地に近づいた場合に対応付けられた「まもなく目的地周辺です」等の音声案内データを記憶しており、この音声案内データは、後述のようにナビゲーション装置100の制御部102が音声案内を実行する際に用いられる。また、案内データベース206dは、案内経路上の分岐点等における進行方向に対応付けられたターンバイターン(TBT)や、現在位置が選択施設に近づいた旨の案内等の表示案内データを記憶しており、この表示案内データは、後述のようにナビゲーション装置100の制御部102が表示案内を実行する際に用いられる。ここで、TBTとは、右左折等の誘導を画面に表示する矢印ナビゲーションである。
【0029】
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、経路探索条件受信部202a、経路探索部202b、および、地図データ送信部202cを備えて構成される。
【0030】
このうち、経路探索条件受信部202aは、ナビゲーション装置100から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を受信する経路探索条件受信手段である。ここで、経路探索条件には、経由地等を含んでいてもよい。
【0031】
また、経路探索部202bは、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、道路ネットワークデータベース206aに記憶された道路ネットワークデータを用いて探索し、案内経路データを生成する経路探索手段である。ここで、経路探索部202bは、更に、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を経路探索情報データベース206cに記憶された経路探索情報を用いて探索してもよい。また、経路探索条件に経由地が更に含まれている場合、経路探索部202bは、経由地を経由した案内経路を探索してもよい。
【0032】
また、地図データ送信部202cは、地図データベース206bに記憶された地図データをナビゲーション装置100へ送信する地図データ送信手段である。ここで、地図データは、案内経路を含む地図のデータであってもよい。また、地図データ送信部202cは、更に、経路探索部202bにより生成された案内経路データを送信してもよい。また、地図データ送信部202cは、更に、案内データベース206dに記憶された案内経路上において出力される案内データを送信してもよい。
【0033】
[ナビゲーション装置100の構成]
また、図1において、ナビゲーション装置100は、地図データの重要度を設定し、重要度に基づいて、地図データを記憶部から削除する等の機能を有する。ナビゲーション装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、携帯電話やPHSやPDA等の携帯ナビゲーション装置等である。本実施形態において、ナビゲーション装置100は、カーナビゲーションを行う車載の情報処理端末であってもよい。ここで、ナビゲーション装置100は、例えば、車両から電力の供給を受けられ、ダッシュボード等の車両本体にアタッチメント等で着脱可能に固定され、装置本体(ローカル)に大容量ストレージを持たず、車両から信号(例えば、車速パルス、燃料消費等)を取得することもでき、通信モジュールを内蔵しており、通信圏内でナビゲーションサーバ200等とネットワーク300を介して通信可能であり、地図データ等のデータをナビゲーションサーバ200からダウンロードして更新することも可能な装置であってもよい。また、ナビゲーション装置100は、リアルタイムに現在位置取得が行えるよう、GPS機能やIMES機能等を有する位置取得部112を備えている。また、ナビゲーション装置100は、少なくとも表示部114と音声出力部118とを含む出力部を備えている。ここで、表示部114は、ナビゲーションサーバ200から受信した案内経路データ等の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)である。また、音声出力部118は、ナビゲーションサーバ200から受信した音声案内データ等を出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)である。また、ナビゲーション装置100は、経路探索条件の入力等を行う入力部116(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等)を備えている。また、入出力制御インターフェース部108は、位置取得部112、表示部114、入力部116、および、音声出力部118等の制御を行う。
【0034】
ここで、位置取得部112は、例えば、位置発信装置500から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段であってもよい。ここで、位置発信装置500は、位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置であってもよく、また、GPS信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするIMES(Indoor Message System)技術を実現するIMES装置であってもよい。なお、IMES技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置500は、屋外で受信したGPS信号を屋内で発信するGPSリピータであってもよい。また、位置発信装置500は、建物(例えば、立体駐車場等)内の各フロアや地下構造物(例えば、トンネル、地下駐車場等)の各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報(位置ID等)が割り振られている。そして、ナビゲーション装置100が通信可能範囲に入ると、ナビゲーション装置100は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグシステムやBluetooth(登録商標)等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置500は、無線LANのアクセスポイントであってもよい。本実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出してもよい。また、位置取得部112は、無線LAN信号等を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。本実施形態において、制御部102は、位置取得部112にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。
【0035】
また、位置取得部112は、例えば、方位センサにて検出したナビゲーション装置100の進行方向等の方位情報、距離センサにて検出した距離情報、および、地図データに基づいてナビゲーション装置100の利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ここで、方位センサには、ナビゲーション装置100の絶対走行方位を検出する地磁気センサおよびナビゲーション装置100の相対走行方位を検出する光ジャイロが使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位や傾きに関する情報を取得できる電子コンパスであってもよい。また、距離センサは、ナビゲーション装置100が車載の情報処理端末である場合、車軸の回転数に比例してパルス信号を発生させ、パルス信号の数量に比例した移動距離を検出してもよい。また、位置取得部112は、ナビゲーション装置100が車載の情報処理端末である場合、各車両に搭載された通信装置の車車間通信から自車位置を示す位置情報を取得してもよい。
【0036】
また、通信制御インターフェース部104は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ナビゲーション装置100とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部104は、ナビゲーションサーバ200等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。また、ネットワーク300は、ナビゲーション装置100とナビゲーションサーバ200等の外部機器とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網、一般電話回線網を含む。)、イントラネット、電力線通信(PLC)等であってもよい。
【0037】
また、記憶部106は、SRAM(Static Random Access Memory)等を用いて構成される小容量高速メモリ(例えば、キャッシュメモリ)等のストレージ手段であり、各種のファイル(案内経路データファイル106a、地図データファイル106b、案内データファイル106c等)を格納してもよい。ここで、記憶部106は、更に、HDやSSD等の固定ディスク装置等の大容量のストレージ手段を備えていてもよく、各種のデータベースやファイル(リルート位置情報ファイル106d、ローカル地図データベース106e、および、制御部102により経路探索等が行われる場合に用いられる道路ネットワークデータや経路探索情報、または、経路案内に用いられる案内データ等を格納したデータベース等)を格納してもよい。
【0038】
このうち、案内経路データファイル106aは、制御部102により受信された案内経路データを記憶する案内経路データ記憶手段である。
【0039】
また、地図データファイル106bは、制御部102により受信された、ナビゲーションサーバ200から送信される地図データを記憶する地図データ記憶手段である。ここで、地図データファイル106bは、制御部102により設定された地図データの重要度を、地図データに対応付けて記憶してもよい。
【0040】
また、案内データファイル106cは、制御部102により受信された案内データを記憶する案内データ記憶手段である。
【0041】
また、リルート位置情報ファイル106dは、経路案内を実行している際にリルート要求が発生した地点(リルート地点)についてのリルート位置情報を記憶するリルート位置情報記憶手段である。
【0042】
また、ローカル地図データベース106eは、ナビゲーション装置100にてローカルに保持されるローカル地図データを記憶するローカル地図データ記憶手段である。
【0043】
また、制御部102は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部102は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部102は、機能概念的に、現在位置情報取得部102a、経路探索条件送信部102b、地図データ受信部102c、領域判定部102d、削除部102e、重要度設定部102f、経路案内部102g、および、リルート位置情報格納部102hを備えて構成される。
【0044】
また、現在位置情報取得部102aは、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段である。ここで、現在位置情報取得部102aは、ナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)に取得してもよい。また、現在位置情報取得部102aは、位置取得部112にて位置発信装置500から受信した位置情報信号から算出した位置情報、および/または、位置取得部112の方位センサにて検出したナビゲーション装置100の進行方向等の方位情報をナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。また、現在位置情報取得部102aは、利用者により入力部116を介して入力された現在位置についての位置座標等をナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。ここで、利用者により入力部116を介して入力された現在位置は、利用者が現実に存在する位置であってもよく、利用者により任意に選択された仮想の現在位置(一例として、東京にいる利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点)であってもよい。具体的には、現在位置情報取得部102aは、入力部116を介して利用者に表示部114に表示された地図データの表示画面上で指定(例えば、タッチパネル式の表示部114での指定操作等)させた座標、および/または、方位情報をナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。また、現在位置情報取得部102aは、車両の位置情報をナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報として取得してもよい。
【0045】
また、経路探索条件送信部102bは、少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件をナビゲーションサーバ200へ送信する経路探索条件送信手段である。ここで、出発地は、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報に基づくナビゲーション装置100の利用者の現在位置であってもよい。
【0046】
また、地図データ受信部102cは、ナビゲーションサーバ200から送信される地図データを受信する地図データ受信手段である。ここで、地図データは、案内経路を含む地図のデータであってもよい。また、地図データ受信部102cは、更に、ナビゲーションサーバ200から送信される案内経路データを受信してもよい。また、地図データ受信部102cは、更に、ナビゲーションサーバ200から送信される案内経路上において出力される案内データを受信してもよい。また、地図データ受信部102cは、更に、受信した案内経路データを案内経路データファイル106aに格納してもよい。また、地図データ受信部102cは、更に、受信した地図データを地図データファイル106bに格納してもよい。また、地図データ受信部102cは、更に、受信した案内データを案内データファイル106cに格納してもよい。
【0047】
また、領域判定部102dは、地図データファイル106bに所定の大きさの記憶可能領域があるか否かを判定する判定手段である。
【0048】
また、削除部102eは、制御部102により設定された地図データの重要度に基づいて、地図データを地図データファイル106bから削除する削除手段である。
【0049】
また、重要度設定部102fは、地図データの重要度を設定する重要度設定手段である。ここで、重要度設定部102fは、リルート位置情報ファイル106dに記憶されたリルート位置情報に基づいて、地図データの重要度を設定してもよい。ここで、重要度設定部102fは、利用者により入力部116を介してリルート要求が入力された場合、リルート要求が発生した地点(リルート地点)を含む地図の、地図データファイル106bに記憶された地図データの重要度を上げてもよい。また、重要度設定部102fは、地図データファイル106bに記憶された地図データに基づく地図上において、リルート位置情報ファイル106dに記憶されたリルート位置情報に基づくリルート要求が発生した回数に基づき、地図データの重要度を設定してもよい。また、重要度設定部102fは、地図データファイル106bに記憶された地図データと、ローカル地図データベース106eに記憶されたローカル地図データと、を比較することにより検出された変更度合に基づいて、地図データの重要度を設定してもよい。ここで、変更度合とは、高速道路やバイパス道路等の完成による道路の追加や改修、および、自然災害(土砂崩れ、土地の陥没等)や区画整理等による道路の消失による道路網の追加、改修、削除等の度合であってもよい。また、重要度設定部102fは、地図データファイル106bに記憶された地図データに対応付けて重要度を地図データファイル106bに格納してもよい。
【0050】
また、経路案内部102gは、地図データ受信部102cにより受信された案内経路データと現在位置情報取得部102aにより取得されるナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報とに基づく経路案内情報を出力部を介して出力させることにより、経路案内を実行する経路案内手段である。ここで、経路案内部102gは、入力部116を介してリルート要求が入力されるまで、経路案内情報を出力部を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよい。また、経路案内部102gは、地図データ受信部102cにより受信された案内経路データに、現在位置情報取得部102aにより取得されたナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を重畳した表示画面からなる経路案内情報を表示部114に表示させることにより、経路案内を実行してもよい。また、経路案内部102gは、地図データ受信部102cにより受信された案内経路を含む地図の地図データ上に、地図データ受信部102cにより受信された案内経路データ、および/または、現在位置情報取得部102aにより取得されたナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を重畳した表示画面からなる経路案内情報を表示部114に表示させることにより、経路案内を実行してもよい。また、経路案内部102gは、地図データ受信部102cにより受信された案内データを出力部を介して出力させてもよい。具体的に、経路案内部102gは、地図データ受信部102cにより受信された案内データに含まれる案内経路上の分岐点における進行方向に対応付けられた音声案内データを、音声出力部118を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよく、案内データに含まれるTBT等の表示案内データの表示画面を表示部114に表示させることにより、経路案内を実行してもよい。
【0051】
また、リルート位置情報格納部102hは、リルート位置情報をリルート位置情報ファイル106dに格納するリルート位置情報格納手段である。ここで、リルート位置情報格納部102hは、経路案内部102gにより経路案内が実行されている際に、利用者により入力部116を介してリルート要求が入力された時点において、現在位置情報取得部102aにより取得されるナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報をリルート位置情報としてリルート位置情報ファイル106dに格納してもよい。また、リルート位置情報格納部102hは、リルート位置情報ファイル106dに記憶されているリルート位置情報と同一のリルート位置情報が再度格納される場合、当該リルート位置情報をリルート回数を対応付けて、または、別地点の情報として格納してもよい。
【0052】
以上で、本実施形態におけるナビゲーションシステムの構成の一例の説明を終える。
【0053】
[ナビゲーションシステムの処理]
次に、このように構成された本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例について、以下に図2から図4を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
図2に示すように、まず、ナビゲーション装置100の経路探索条件送信部102bは、利用者により入力部116を介して入力された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件をナビゲーションサーバ200へ送信する(ステップSA−1)。ここで、出発地は、現在位置情報取得部102aにより取得される現在位置情報に基づくナビゲーション装置100の利用者の現在位置であってもよい。また、経路探索条件には、経由地等を含んでいてもよい。
【0055】
そして、ナビゲーションサーバ200の経路探索条件受信部202aは、ナビゲーション装置100から送信される少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を受信する(ステップSA−2)。
【0056】
そして、ナビゲーションサーバ200の経路探索部202bは、経路探索条件受信部202aにより受信された少なくとも出発地と目的地とを含む経路探索条件を満たす出発地から目的地までの案内経路を、道路ネットワークデータベース206aに記憶された道路ネットワークデータ、および、経路探索情報データベース206cに記憶された経路探索情報を用いて探索し、案内経路データを生成する(ステップSA−3)。ここで、経路探索条件に経由地が更に含まれている場合、経路探索部202bは、経由地を経由した案内経路を探索してもよい。
【0057】
そして、ナビゲーションサーバ200の地図データ送信部202cは、経路探索部202bにより生成された案内経路データ、地図データベース206bに記憶された案内経路を含む地図の地図データ、および、案内データベース206dに記憶された案内経路上において出力される案内データを送信する(ステップSA−4)。
【0058】
そして、ナビゲーション装置100の地図データ受信部102cは、ナビゲーションサーバ200から送信される案内経路データを受信して案内経路データファイル106aに格納、案内経路を含む地図の地図データを受信、および、案内経路上において出力される案内データを受信して案内データファイル106cに格納する(ステップSA−5)。ここで、地図データ受信部102cは、案内経路データファイル106aまたは案内データファイル106cに所定の大きさの記憶可能領域が無い場合、受信した案内経路データまたは案内データを既に記憶されているデータに上書きして格納してもよい。
【0059】
そして、ナビゲーション装置100の領域判定部102dは、地図データファイル106bに所定の大きさの記憶可能領域があるか否かを判定する(ステップSA−6)。ここで、所定の大きさとは、地図データ受信部102cにより受信された地図データのデータサイズであってもよい。
【0060】
そして、ナビゲーション装置100の削除部102eは、ステップSA−6にて領域判定部102dにより地図データファイル106bに所定の大きさの記憶可能領域がないと判定された場合(ステップSA−6:No)、重要度設定部102fにより設定され、地図データファイル106bに地図データと対応付けて記憶された地図データの重要度に基づいて、重要度の最も低い地図データを地図データファイル106bから削除する(ステップSA−7)。
【0061】
そして、ナビゲーション装置100の地図データ受信部102cは、ステップSA−6にて領域判定部102dにより地図データファイル106bに所定の大きさの記憶可能領域があると判定された場合(ステップSA−6:Yes)、または、ステップSA−7にて削除部102eにより地図データが地図データファイル106bから削除された場合、受信した地図データを地図データファイル106bに格納する(ステップSA−8)。ここで、地図データ受信部102cは、受信した地図データに対応する(例えば、同じ領域の)地図データが地図データファイル106bに記憶されている場合、受信した地図データを既に地図データファイル106bに記憶されている地図データに上書きして格納してもよい。
【0062】
そして、ナビゲーション装置100の重要度設定部102fは、ステップSA−8にて地図データ受信部102cにより地図データファイル106bに格納された地図データと、当該地図データと同じ領域のローカル地図データベース106eに記憶されたローカル地図データと、を比較することにより検出された、高速道路やバイパス道路等の完成による道路の追加、および、自然災害(土砂崩れ、土地の陥没等)や区画整理等による道路の消失、による道路網の変更度合(例えば、追加、改修、削除等された道路の本数、追加、改修、削除等された道路の長さ等)に基づいて、地図データファイル106bに記憶された地図データの重要度を設定して地図データファイル106bに当該地図データと対応付けて格納する(ステップSA−9)。
【0063】
ここで、図3を参照して、本実施形態における重要度設定の一例について説明する。図3は、本実施形態における重要度設定の一例を示す概念図である。
【0064】
図3に示すように、ナビゲーション装置100の重要度設定部102fは、例えば、地図データファイル106bに記憶されたメッシュデータ等である地図データ1から9と、ローカル地図データベース106eに記憶されたメッシュデータ等であるローカル地図データ1から12と、を比較することにより検出された道路網に追加等された道路の本数に応じた変更度合に基づいて、ローカル地図データ6から道路が2本追加された地図データ3の重要度を2上げて設定し、ローカル地図データ10から道路が1本追加された地図データ7の重要度を1上げて設定し、ローカル地図データ11から道路が1本追加された地図データ8の重要度を1上げて設定している。
【0065】
再び図2に戻り、ナビゲーション装置100の経路案内部102gは、利用者により入力部116を介してリルート要求が入力されるまで、または、経路案内が終了するまで、地図データ受信部102cにより受信され、地図データファイル106bに記憶された案内経路を含む地図の地図データ上に、地図データ受信部102cにより受信され、案内経路データファイル106aに記憶された案内経路データ、および、現在位置情報取得部102aにより所定周期ごと(例えば、1秒ごと等)に取得されるナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報を重畳した表示画面からなる経路案内情報を表示部114に表示させることにより、経路案内を実行する(ステップSA−10)。ここで、経路案内部102gは、地図データ受信部102cにより受信され、案内データファイル106cに記憶された案内データに含まれる案内経路上の分岐点における進行方向に対応付けられた音声案内データを、音声出力部118を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよく、案内データに含まれるTBT等の表示案内データの表示画面を表示部114に表示させることにより、経路案内を実行してもよい。
【0066】
そして、ナビゲーション装置100の制御部102は、ステップSA−10にて経路案内部102gにより実行された経路案内が、利用者により入力部116を介して入力されたリルート要求により経路案内が終了したのか否か判定する(ステップSA−11)。
【0067】
そして、ナビゲーション装置100の制御部102は、ステップSA−11にて制御部102により、利用者により入力部116を介して入力されたリルート要求により経路案内が終了していない(例えば、現在位置情報取得部102aにより取得される現在地情報に基づくナビゲーション装置100の利用者の現在位置と、ステップSA−1にて利用者により入力部116を介して入力された目的地と、が一致することにより、経路案内部102gによる経路案内が終了した等)と判定した場合(ステップSA−11:No)、処理を終了する。
【0068】
一方、リルート位置情報格納部102hは、ステップSA−11にて制御部102により、利用者により入力部116を介して入力されたリルート要求により経路案内が終了したと判定された場合(ステップSA−11:Yes)、ステップSA−10にて経路案内部102gにより経路案内が実行されている際に、利用者により入力部116を介してリルート要求が入力された時点において、現在位置情報取得部102aにより取得されるナビゲーション装置100の利用者の現在位置情報をリルート位置情報としてリルート位置情報ファイル106dに格納する(ステップSA−12)。
【0069】
そして、重要度設定部102fは、ステップSA−12にてリルート位置情報格納部102hによりリルート位置情報ファイル106dに格納されたリルート位置情報に基づくリルート地点を含む地図の、地図データファイル106bに記憶された地図データの重要度を上げ、地図データファイル106bに当該地図データと対応付けて格納し、処理をステップSA−1へ移行させる(ステップSA−13)。
【0070】
ここで、図4を参照して、本実施形態における重要度設定の一例について説明する。図4は、本実施形態における重要度設定の一例を示す概念図である。
【0071】
図4に示すように、ナビゲーション装置100の重要度設定部102fは、例えば、地図データファイル106bに記憶されたメッシュデータ等である地図データ1から9に基づく地図上において、リルート位置情報ファイル106dに記憶されたリルート位置情報に基づくリルート要求が発生した回数(矢印内の数字)に基づき、地図データ1の重要度を2上げて設定し、地図データ4の重要度を4(3+1)上げて設定し、地図データ6の重要度を1上げて設定し、地図データ8の重要度を1上げて設定している。ここで、矢印は、リルート地点を示している。
【0072】
以上で、本実施形態におけるナビゲーションシステムの処理の一例の説明を終える。
【0073】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0074】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0075】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0076】
また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0077】
例えば、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200の各装置が備える処理機能、特に制御部102、および、制御部202にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現することができ、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現することも可能である。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じてナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHD等の記憶部106および記憶部206等は、OSとして協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0078】
また、このコンピュータプログラムは、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0079】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、Blu−ray Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワーク300を介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0080】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0081】
記憶部106、および、記憶部206に格納される各種のデータベース等(案内経路データファイル106a、地図データファイル106b、案内データファイル106c、リルート位置情報ファイル106d、ローカル地図データベース106e、道路ネットワークデータベース206a、地図データベース206b、経路探索情報データベース206c、案内データベース206d等)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0082】
また、ナビゲーション装置100、および、ナビゲーションサーバ200は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置を接続し、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0083】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上詳述したように、本発明によれば、ダウンロードしてキャッシュしておいた地図データについて、ファイルサイズが一定量に達し、削除する必要が生じた際に、地図データの変更度合いやナビゲーション時のリルート発生状況等に基づき予め付与しておいた地図データごとの重要度に応じ、重要度の低い地図データから削除することができるナビゲーションシステム、ナビゲーション装置、ナビゲーションサーバ、および、保存データ削除方法を提供することができるので、ナビゲーションを支援する情報機器や情報処理分野などの様々な分野において極めて有用である。
【符号の説明】
【0085】
100 ナビゲーション装置
102 制御部
102a 現在位置情報取得部
102b 経路探索条件送信部
102c 地図データ受信部
102d 領域判定部
102e 削除部
102f 重要度設定部
102g 経路案内部
102h リルート位置情報格納部
104 通信制御インターフェース部
106 記憶部
106a 案内経路データファイル
106b 地図データファイル
106c 案内データファイル
106d リルート位置情報ファイル
106e ローカル地図データベース
108 入出力制御インターフェース部
112 位置取得部
114 表示部
116 入力部
118 音声出力部
200 ナビゲーションサーバ
202 制御部
202a 経路探索条件受信部
202b 経路探索部
202c 地図データ送信部
204 通信制御インターフェース部
206 記憶部
206a 道路ネットワークデータベース
206b 地図データベース
206c 経路探索情報データベース
206d 案内データベース
300 ネットワーク
500 位置発信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記憶する記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムであって、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記制御部は、
上記地図データの重要度を設定する重要度設定手段と、
上記重要度設定手段により設定された上記重要度に基づいて、上記地図データを上記地図データ記憶手段から削除する削除手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記ナビゲーション装置の記憶部は、
経路案内を実行している際にリルート要求が発生した地点についてのリルート位置情報を記憶するリルート位置情報記憶手段、
を更に備え、
上記重要度設定手段は、
上記リルート位置情報記憶手段に記憶された上記リルート位置情報に基づいて、上記地図データの上記重要度を設定することを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーションシステムにおいて、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
上記ナビゲーション装置にてローカルに保持されるローカル地図データを記憶するローカル地図データ記憶手段、
を更に備え、
上記重要度設定手段は、
上記地図データ記憶手段に記憶された上記地図データと、上記ローカル地図データ記憶手段に記憶された上記ローカル地図データと、を比較することにより検出された変更度合に基づいて、上記地図データの上記重要度を設定することを特徴とする、ナビゲーションシステム。
【請求項4】
地図データを記憶する記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置であって、
上記記憶部は、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、
を備え、
上記制御部は、
上記地図データの重要度を設定する重要度設定手段と、
上記重要度設定手段により設定された上記重要度に基づいて、上記地図データを上記地図データ記憶手段から削除する削除手段と、
を備えたことを特徴とする、ナビゲーション装置。
【請求項5】
地図データを記憶する記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバ、および、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置、を通信可能に接続したナビゲーションシステムにおいて実行される保存データ削除方法であって、
上記ナビゲーション装置の上記記憶部は、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、
を備え、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記地図データの重要度を設定する重要度設定ステップと、
上記ナビゲーション装置の上記制御部において実行される、上記重要度設定ステップにて設定された上記重要度に基づいて、上記地図データを上記地図データ記憶手段から削除する削除ステップと、
を含むことを特徴とする、保存データ削除方法。
【請求項6】
地図データを記憶する記憶部を少なくとも備えたナビゲーションサーバに通信可能に接続された、制御部と記憶部とを少なくとも備えたナビゲーション装置において実行される保存データ削除方法であって、
上記記憶部は、
上記ナビゲーションサーバから送信される上記地図データを記憶する地図データ記憶手段、
を備え、
上記制御部において実行される、
上記地図データの重要度を設定する重要度設定ステップと、
上記重要度設定ステップにて設定された上記重要度に基づいて、上記地図データを上記地図データ記憶手段から削除する削除ステップと、
を含むことを特徴とする、保存データ削除方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−43382(P2011−43382A)
【公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−190988(P2009−190988)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】