説明

ナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび携帯端末装置ならびに経路探索方法

【課題】目的地として設定した地点がGPS測位の不能な地点である場合に、目的地周辺のGPS測位が可能な地点を経路探索のための目的地として再設定できるようする。
【解決手段】経路探索サーバ30は、目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段32と、目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段33と、を備え、目的地検証手段32が、目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、目的地再設定要求手段33は、目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を携帯端末装置20に送信し、携帯端末装置20は目的地をGPS測位可能な地点に再設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の出発地から目的地までの最適経路や複数の候補を探索して案内するナビゲーションシステムに関するものであり、特に、利用者が目的地として設定した地点がGPS測位の不能な地点である場合に、該目的地周辺のGPS測位が可能な地点を経路探索のための目的地として容易に再設定できるようにし、利用者の案内を確実に行うことができるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび携帯端末装置ならびに経路探索方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られている。このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては、自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを蓄積し、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有するナビゲーションシステムも存在する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
一般的なナビゲーション装置、通信型のナビゲーションシステムに使用される経路探索装置、経路探索方法は、例えば、下記の特許文献1(特開2001−165681号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、携帯ナビゲーション端末から出発地と目的地の情報を情報配信サーバに送り、情報配信サーバで道路網や交通網のデータから探索条件に合致した経路を探索して案内するように構成されている。探索条件としては、出発地から目的地までの移動手段、例えば、徒歩、自動車、鉄道と徒歩の併用などがあり、これを探索条件の1つとして経路探索する。
【0005】
情報配信サーバは、地図データの道路(経路)をその結節点、屈曲点の位置をノードとし、各ノードを結ぶ経路をリンクとし、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)をデータベースとして備えている。そして、情報配信サーバは、データベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を携帯ナビゲーション端末に案内することができる。このような経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。上記特許文献1には、このダイクストラ法を用いた経路探索方法も開示されている。
【0006】
交通機関を利用する経路を探索する経路探索システムは、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて、各交通機関の運行時刻データをデータベース化した運行時刻データベースと、これに基づいて交通ネットワークをデータベース化したデータを備えている。そして、これらのデータベースを参照して、乗り継ぎ(乗り換え)を含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段(個々の電車や路線バス)を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(出発地駅、目的地駅、路線、列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示するように構成される。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0007】
交通機関を利用した経路探索、経路案内をするナビゲーションシステムなどにおける探索用のデータは、車載用ナビゲーションシステムや歩行者用ナビゲーションシステムにおける道路ネットワークのデータと同様に交通路線の各駅をノードとし、駅間を双方向リンクとしてネットワーク化したデータの他に、各交通路線上を運行される交通手段ごとに各リンクの運行時刻、所要時間がリンクコストのデータとして加えられる。更に、運賃データが加えられ、探索した案内経路の運賃が合わせて案内されるシステムも存在する。
【0008】
また、このようなナビゲーションシステムには利用者が訪れたいと希望する興味対象場所(POI)である施設を検索し、利用者の現在位置や所望の出発地から該当するPOIまでの経路を探索して案内できるようにしたシステムを提供されている。POIとは、例えば、ホテルや著名な建物、施設、ショピングや飲食のための施設、公共施設、イベント会場など多岐にわたる。
【0009】
この場合、経路探索サーバにはPOIを検索するためのPOIデータベースが備えられる。経路探索サーバはインターネットなどの通信網を用いて各種の情報配信サーバからPOIの情報を取得したPOIデータベースに蓄積する。利用者がPOIを目的地として選択する方法も各種提案されており、施設名称、電話番号、住所などを入力して検索する方法の他、利用者の現在位置を含む地図を表示して地図上に表示されたPOIのアイコン画像を選択する方法などが提案されている。
【0010】
通信型のナビゲーションシステムに用いられる携帯電話などの端末装置は、測位手段としてGPS受信機を備え、GPS衛星信号を受信して端末装置の現在位置(緯度・経度)を算出する。車載用のナビゲーション装置においては加速度センサ、舵角センサ、車速センサ、磁気コンパスなどの各種センサを備えた自律航法手段を備えており、GPS衛星信号を受信できないトンネル内や地下道路あるいは高層ビルが立て込みマルチパスの影響で測位精度が低下する場所においても自律航法手段により現在位置を測位することができる。
【0011】
しかしながら、携帯電話などの端末装置は自律航法手段を備えていないものが殆どであり、トンネル内、地下道路などGPSによる測位手段が機能しない場所においては現在位置を測位することができない。ガイダンスの実行ポイントや経路探索サーバから配信を受ける地図の範囲は、端末装置が測位した現在位置を基準にしている。このため、GPSによる測位ができない地点では、現在位置が把握できなくなるため、ガイダンスの実行や地図の受信に支障を来す。同様の問題は端末装置が通信圏外に位置し、経路探索サーバとの通信が不能になるような場合にも生じる。
【0012】
このような問題に対処するナビゲーションシステムは、例えば、下記の特許文献2(特開2007−101379号公報)に開示されている。このナビゲーションシステムは、経路探索サーバがGPSによる測位が可能であるか否かを示す属性情報をリンクごとに含むリンクデータを備え、案内経路の各リンクの属性情報を案内経路データに付加し、端末装置はリンクの属性データに基づいてガイダンスポイントノードおよび当該ガイダンスポイントノードに対するガイダンス実行ポイントがGPSによる測位が不可能な位置にあるか否かを判定し、GPSによる測位が不可能な位置にある場合、ガイダンス実行ポイントを調整し、調整されたガイダンス実行ポイントにおいてガイダンスを実行するように構成されている。
【0013】
【特許文献1】特開2001−165681号公報
【特許文献2】特開2007−101379号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
通常、経路探索サーバが出発地から目的地までの最適経路を探索し、該最適経路を案内経路として端末装置に送信して経路案内をする場合、経路探索サーバは端末装置が目的地に到達したことをもって案内の終了を判定し、「目的地に到着しました」などのガイダンスを端末装置に送信して案内を終了している。勿論、経路探索サーバが案内終了を判定する構成を採らず、端末装置側で目的地への到達を判定して案内を終了させる構成であってもよい。端末装置の測位機能がGPS受信手段のみからなる場合、端末装置が目的地へ到達したことを判定する必要がある。しかしながら、目的地が地下などGPS受信手段による測位が不可能な地点である場合、端末装置が目的地に到達したことを判定することができない。
【0015】
上記特許文献2に開示されたナビゲーションシステムによれば、案内経路上に複数存在する案内ポイント(交差点や分岐点など、ガイダンスが用意された各ノード)に対するガイダンス(案内)実行ポイントがGPS測位不可能な地点である場合、そのガイダンス実行ポイントをGPS測位可能な地点に調整する。案内経路の途中のガイダンスポイントにおいては、その地点がGPS測位不可能な地点であっても、連続する案内ポイントのうちGPS測位可能な案内ポイントの通過履歴から当該GPS測位不可能な案内ポイントを通過したことを判別できるのでこのような手法を採ることができる。
【0016】
しかしながら、端末装置の到達を判定する地点が目的地の場合、このような手法を採用することができない。すなわち、目的地がGPS測位不可能な地点である場合、案内実行ポイントをGPS測位可能な地点に調整しても、目的地におけるGPS測位が不可能であるから、端末装置が最終的に目的地に到達したことを判別することはできない。従って、経路探索条件として設定された目的地への案内の終了を確実に判定することができないという問題点があった。
【0017】
本願の発明者は前記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、利用者が目的地として設定した地点がGPS測位の不能な地点であるか否かを検証する検証手段を設け、目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、該目的地周辺のGPS測位が可能な地点を経路探索のための目的地として容易に再設定できるようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0018】
すなわち、本発明は前記の問題点を解消することを課題とし、利用者が目的地として設定した地点がGPS測位の不能な地点である場合に、該目的地周辺のGPS測位が可能な地点を経路探索のための目的地として容易に再設定できるようにし、利用者の案内を確実に行うことができるようにしたナビゲーションシステム、経路探索サーバおよび携帯端末装置ならびに経路探索方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を備えた経路探索サーバと、出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、携帯端末装置の位置を測位するためのGPS測位手段とを備えた携帯端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段は、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする。
【0020】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記経路探索サーバは更に、周辺探索手段を備え、前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記周辺検索手段は、前記目的地を中心として所定の範囲内のGPS測位が可能な地点を検索し、前記目的地再設定要求手段は、前記周辺検索手段が検索したGPS測位可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする。
【0021】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明において、前記経路探索サーバは更に、リバース探索手段を備え、前記経路探索手段は、前記携帯端末装置が設定した目的地までの経路を探索し、前記目的地検証手段が、前記経路探索手段が検索した前記経路における目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記リバース探索手段は、前記探索した経路において目的地からリンクまたはノードを順次遡り、GPS測位可能なリンクまたはノードを探索し、前記目的地再設定要求手段は、前記リバース探索手段が探索したGPS測位が可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする。
【0022】
本願の請求項4にかかる発明は、請求項1ないし請求項3の何れかにかかる発明において、前記経路探索サーバは、携帯端末装置において設定された目的地が、前記GPS受信手段による測位が可能な地点であるか否かを検証するための情報を蓄積した検証用データベースを備え、前記目的地検証手段は、前記検証用データベースを参照して前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを判定することを特徴とする。
【0023】
本願の請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記検証用データベースには、道路ネットワークを構成するリンクまたはノードの何れか一方または両方についてGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したことを特徴とする。
【0024】
本願の請求項6にかかる発明は、請求項4にかかる発明において、前記検証用データベースには、地図上の各地点に対応してGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したことを特徴とする。
【0025】
また、本願の請求項7にかかる発明は、
出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、携帯端末装置の位置を測位するためのGPS測位手段とを備えた携帯端末装置にネットワークを介して接続され、出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を備えた経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段は、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項8にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記経路探索サーバは更に、周辺探索手段を備え、前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記周辺検索手段は、前記目的地を中心として所定の範囲内のGPS測位が可能な地点を検索し、前記目的地再設定要求手段は、前記周辺検索手段が検索したGPS測位可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項9にかかる発明は、請求項7にかかる発明において、前記経路探索サーバは更に、リバース探索手段を備え、前記経路探索手段は、前記携帯端末装置が設定した目的地までの経路を探索し、前記目的地検証手段が、前記経路探索手段が検索した前記経路における目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記リバース探索手段は、前記探索した経路において目的地からリンクまたはノードを順次遡り、GPS測位可能なリンクまたはノードを探索し、前記目的地再設定要求手段は、前記リバース探索手段が探索したGPS測位が可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする。
【0028】
本願の請求項10にかかる発明は、請求項7ないし請求項9の何れかにかかる発明において、前記経路探索サーバは、携帯端末装置において設定された目的地が、前記GPS受信手段による測位が可能な地点であるか否かを検証するための情報を蓄積した検証用データベースを備え、前記目的地検証手段は、前記検証用データベースを参照して前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを判定することを特徴とする。
【0029】
本願の請求項11にかかる発明は、請求項10にかかる発明において、前記検証用データベースには、道路ネットワークを構成するリンクまたはノードの何れか一方または両方についてGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したことを特徴とする。
【0030】
本願の請求項12にかかる発明は、請求項10にかかる発明において、前記検証用データベースには、地図上の各地点に対応してGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したことを特徴とする。
【0031】
また、本願の請求項13にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を備えた経路探索サーバとネットワークを介して接続され、出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、携帯端末装置の位置を測位するためのGPS測位手段とを備えた携帯端末装置において、
前記経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段は、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記目的地再設定要求に応じて目的地を再設定することを特徴とする。
【0032】
また、本願の請求項14にかかる発明は、
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を備えた経路探索サーバと、出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、携帯端末装置の位置を測位するためのGPS測位手段とを備えた携帯端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法において、
前記経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点否かを検証するステップと、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段が、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信するステップとを有することを特徴とする。
【0033】
本願の請求項15にかかる発明は、請求項14にかかる発明において、前記経路探索サーバは更に、周辺探索手段を備え、前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点否かを検証するステップと、前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記周辺検索手段が、前記目的地を中心として所定の範囲内のGPS測位が可能な地点を検索するステップと、前記目的地再設定要求手段が、前記周辺検索手段が検索したGPS測位可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信するステップとを有することを特徴とする。
【0034】
本願の請求項16にかかる発明は、請求項14にかかる発明において、前記経路探索サーバは更に、リバース探索手段を備え、前記経路探索手段が、前記携帯端末装置が設定した目的地までの経路を探索するステップと、前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点否かを検証するステップと、前記目的地検証手段が、前記経路探索手段が検索した前記経路における目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記リバース探索手段が、前記探索した経路において目的地からリンクまたはノードを順次遡り、GPS測位可能なリンクまたはノードを探索するステップと、前記目的地再設定要求手段が、前記リバース探索手段が探索したGPS測位が可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、以下に述べるような作用効果を奏することができる。
すなわち、本願の請求項1にかかる発明においては、経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段は、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信する。
【0036】
かかる構成によれば、利用者が目的地として設定した地点がGPS測位の不能な地点である場合に、該目的地周辺のGPS測位が可能な地点を経路探索のための目的地として再設定できるようになる。これにより、経路探索サーバが探索した案内経路の目的地はGPS測位ができる地点になっているから、携帯端末装置を案内する際に経路探索サーバは携帯端末装置が案内経路の最終地点である目的地に到達したことがわかる。従って、携帯端末装置を確実に目的地まで案内することができるようになる。
また、目的地の再設定において、携帯端末装置において当初設定した目的地近辺の地点を目的地として再設定すれば、当初設定した目的地と再設定した目的地との間は、ナビゲーションサービスなく移動できるので、当初設定した目的地まで案内したのと同等の案内機能を提供することができるようになる。
【0037】
また、本願の請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記経路探索サーバは更に、周辺探索手段を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記周辺検索手段は、前記目的地を中心として所定の範囲内のGPS測位が可能な地点を検索し、前記目的地再設定要求手段は、前記周辺検索手段が検索したGPS測位可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信する。
【0038】
かかる構成によれば、目的地再設定要求に目的地周辺のGPS測位可能な地点が目的地再設定の候補地点として含まれるから、容易に目的地を再設定することができるようになる。これにより、経路探索サーバが探索した案内経路の目的地はGPS測位ができる地点になっているから、携帯端末装置を案内する際に経路探索サーバは携帯端末装置が案内経路の最終地点である目的地に到達したことがわかる。従って、携帯端末装置を確実に目的地まで案内することができるようになる。
【0039】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、前記経路探索サーバは更に、リバース探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記携帯端末装置が設定した目的地までの経路を探索し、前記目的地検証手段が、前記経路探索手段が検索した前記経路における目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記リバース探索手段は、前記探索した経路において目的地からリンクまたはノードを順次遡り、GPS測位可能なリンクまたはノードを探索し、前記目的地再設定要求手段は、前記リバース探索手段が探索したGPS測位が可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信する。
【0040】
かかる構成によれば、目的地再設定要求に目的地周辺のGPS測位可能な地点が目的地再設定の地点とする候補地点を目的地として再設定するためのメッセージが含まれるから、ほぼ自動的に目的地を再設定することができるようになる。これにより、経路探索サーバが探索した案内経路の目的地はGPS測位ができる地点になっているから、携帯端末装置を案内する際に経路探索サーバは携帯端末装置が案内経路の最終地点である目的地に到達したことがわかる。従って、携帯端末装置を確実に目的地まで案内することができるようになる。
【0041】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1ないし請求項3の何れかにかかる発明において、前記経路探索サーバは、携帯端末装置において設定された目的地が、前記GPS受信手段による測位が可能な地点であるか否かを検証するための情報を蓄積した検証用データベースを備え、前記目的地検証手段は、前記検証用データベースを参照して前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを判定する。
【0042】
かかる構成によれば、携帯端末装置が設定した目的地がGPS測位の可能な地点であるか否かを容易に判定できるようになる。
【0043】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項4にかかる発明において、前記検証用データベースには、道路ネットワークを構成するリンクまたはノードの何れか一方または両方についてGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したものであるから、携帯端末装置が設定した目的地がGPS測位の可能な地点であるか否かを容易に判定できるようになる。
【0044】
また、請求項6にかかる発明においては、請求項4にかかる発明において、前記検証用データベースには、地図上の各地点に対応してGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したものであるから、携帯端末装置が設定した目的地がGPS測位の可能な地点であるか否かを容易に判定できるようになる。
【0045】
また、請求項7ないし請求項12にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項6にかかるナビゲーションシステムを構成する経路探索サーバを提供することができ、請求項13にかかる発明においては、請求項1ないし請求項6にかかるナビゲーションシステムを構成する携帯端末装置を提供することができるようになる。また、請求項14ないし請求項16にかかる発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項3にかかるナビゲーションシステムを実現するための経路探索方法を提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例1】
【0047】
図1は、本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステム10の構成を示すシステム構成図である。図1に示すようにナビゲーションシステム10は、ネットワーク12を介して接続される携帯端末装置20と経路探索サーバ30を備えて構成されている。このナビゲーションシステム10は、各種カテゴリに属するPOI(Poiint of Interest:興味対象場所)の所在地やサービス内容などの詳細情報を提供するPOI情報配信サーバ50、音楽や各種画像などのコンテンツその他の情報を提供する各種の情報配信サーバ51などを備えて構成されている。
【0048】
経路探索サーバ30はPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51からネットワーク12を経由して必要なデータを取得して自身のデータベースに追加することができる。また、同様にしてPOI情報配信サーバ50や他の情報配信サーバ51に検索要求を送信して所望の検索結果を取得することもできる。
【0049】
本発明にかかるナビゲーションシステム10は、上記の構成に限られるものではなく、経路探索サーバ30はナビゲーションサービス機能とともにPOI所在場所の地図を配信する地図配信サーバの機能を有していてもよい。また、携帯端末装置20も携帯電話を用いることができ、またPDAや音楽プレイヤーや携帯ゲーム機などの携帯機器、あるいは、パーソナルコンピュータ(PC)であってもよい。
【0050】
図1に示す経路探索サーバ30は、地図データベース34、経路探索用ネットワークデータベース35を備え、携帯端末装置20から経路探索要求があると、経路探索用ネットワークデータベース35を参照して経路探索する。そして経路探索の結果により得た案内経路(推奨経路)を携帯端末装置20に送信する一般的なナビゲーション機能を有している。また、携帯端末装置20から所望の地点やPOIを指定して地図データの取得要求があると、地図データベース34を参照して該当する地図データを読み出して携帯端末装置20に配信する。
【0051】
また、経路探索サーバ30は、POIの所在地や電話番号、住所、営業時間などのPOI情報を蓄積したPOI情報データベース36、目的地がGPS測位の可能な地点であるか否かを検証するための検証情報を蓄積した検証用情報データベース37を備えている。検証用情報は、携帯端末装置20において設定された目的地が、GPS受信手段による測位が可能な地点であるか否かを検証するための情報であり、例えば、経路探索用ネットワークデータ35に蓄積されたネットワークデータであるリンクやノードにそれぞれ対応して当該リンクやノードにおいてGPS測位が可能であるか否かを情報として蓄積したものである。また、検証用情報は地図上の各地点についてGPS測位可能、不可能をマップ化したGPSマップ情報であってもよい。
【0052】
本実施例1にかかるナビゲーションシステムにおいては、携帯端末装置20において出発地および目的地を含む経路探索条件が設定され、経路探索サーバ30に送信されると、経路探索サーバ30は検証用情報データベース37を参照して目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する。目的地がGPS測位できる地点であればその目的地を経路探索の目的地として決定する。
【0053】
目的地がGPS測位できない地点、例えば、トンネル内や地下街、ビルの内部、マルチパスの影響が大きく測位誤差が所定の範囲を超えている地点などの場合、経路探索サーバ30は、携帯端末装置20に目的地再設定要求を送り、携帯端末装置20にGPS測位可能な地点に目的地を再設定させる。目的地再設定要求は、当初設定された目的地がGPS測位できない地点であること、目的地に近辺の任意の地点を再設定するように促すメッセージである。
【0054】
携帯端末装置20において目的地が再設定され、経路探索サーバ30に送信されると、経路探索サーバ30は再度前述の手順を繰り返し、目的地がGPS測位できる地点であるか否かを検証する。再設定された目的地がGPS測位できない地点であれば、経路探索サーバ30は、再度、目的地再設定要求を携帯端末装置20に送信する。このようにしてGPS測位ができる地点が目的地として設定されるまで経路探索サーバ30と携帯端末装置20との間で前述の処理が繰り返される。
【0055】
再設定された目的地がGPS測位できる地点であれば、この目的地を経路探索の目的地として決定し、経路探索を行う。なお、このようにして目的地を決定した場合、経路探索サーバ30はその旨を携帯端末装置20に通知してもよい。経路探索の結果は携帯端末装置20に送信される。
【0056】
これにより、経路探索サーバ30が探索した案内経路の目的地はGPS測位ができる地点になっているから、携帯端末装置20を案内する際に、経路探索サーバ30は携帯端末装置20が案内経路の最終地点である目的地に到達したことがわかる。従って、携帯端末装置20を確実に目的地まで案内することができるようになる。
【0057】
なお、目的地の再設定において、携帯端末装置20において当初設定した目的地近辺の地点を目的地として再設定すれば、当初設定した目的地と再設定した目的地との間は、ナビゲーションサービスなく移動できるので、当初設定した目的地まで案内したのと同等の案内機能を提供することができる。
【0058】
以下、具体例に基づいて本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステム10を説明するが、その前に本発明にかかるナビゲーションシステム10の詳細な構成を説明する。図2は、図1のナビゲーションシステム10の詳細な構成を示す図である。携帯端末装置20は、ナビゲーションサービスを受けることができる端末であり、制御手段201、通信手段21、GPS受信手段22、探索要求手段23、条件設定手段24、案内経路データ記憶手段25、表示手段26、操作入力手段27を備えて構成されている。
【0059】
一方、経路探索サーバ30は、制御手段301、通信手段31、目的地検証手段32、目的地再設定要求手段33、地図データベース34、経路探索用ネットワークデータベース35、POI情報データベース36、検証用情報データベース37、探索要求記憶手段38、経路探索手段39を備えて構成されている。
【0060】
携帯端末装置20において、制御手段201は、図示してはいないがRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサであり、ROMに格納された制御プログラムにより各部の動作を制御する。通信手段21はネットワーク12を介して経路探索サーバ30などと通信データを送受信するための通信インターフェースである。
【0061】
GPS受信手段22はGPS衛星からの信号を受信して現在位置を緯度・経度で算出する。操作入力手段27は、キー、ダイヤル等からなり、携帯端末装置20を操作するための入力を行い、また、出発地、目的地などの入力機能としても用いられる。表示手段26は液晶表示パネル等からなり、経路探索サーバ30から配信(送信)された案内経路や推奨経路あるいは地図の表示に使用されるものである。また、表示手段26はメニュー画面を表示し携帯端末装置20を操作するための入力手段としても機能する。
【0062】
経路探索サーバ30から携帯端末装置20に送信される案内経路、推奨経路などの案内データは地図データとともに案内経路データ記憶手段25に記憶され、案内経路データ記憶手段25に記憶された案内経路などの案内データや地図データは、必要に応じて読み出され、表示手段26に表示される。
【0063】
携帯端末装置20は、条件設定手段24により経路探索の条件として、出発地、目的地に加え、任意の複数または1つの特定地点を経由地として設定することができる。図3は、携帯端末装置20における経路探索条件を入力するための入力画面の1例を示す画面構成図である。
【0064】
図3に示す経路探索条件入力画面300は、出発地入力欄302、目的地入力303、経由地入力欄304、時刻条件入力欄305、探索経路数入力欄306、探索開始ボタン307などを備えて構成されている。出発地と目的地、経由地の設定は、出発地入力欄302、目的地入力欄303、経由地入力欄304に住所や電話番号あるいは駅名称、ビル名称などの地点名称、緯度・経度などを入力して設定する。すなわち、この入力欄は、原則としてフリーワード入力が可能であるが、住所、電話番号、POIの名称などで設定することできる。
【0065】
また、プルダウンボタンを操作して、これまでに携帯端末装置20に登録した経路探索履歴や登録地点を呼び出して設定することもできる。時刻条件入力欄305には出発日時や目的地到着日時などの時刻条件を入力する。時刻条件の設定が必要ない場合には設定を省略することができる。探索経路数入力欄306は経路探索サーバ30における探索経路数を入力するものであり、最適経路1つの探索を要求する場合と、複数(一般的には3〜5つ)の候補経路の探索を要求する場合がある。
【0066】
徒歩と交通機関を組み合わせた経路探索においては、この他に、所要時間の短い順、運賃の安い順、乗り換え回数の少ない順など探索する最適経路や候補経路の条件を設定することもできる。複数の候補経路の探索を要求した場合には、この条件に従って候補経路か探索され、ソートして携帯端末装置20に送信される。
必要な条件設定を終え、探索開始ボタン307を操作すると、経路探索要求手段23により経路探索要求が経路探索サーバ30に送信される。
【0067】
経路探索サーバ30は、携帯端末装置20から経路探索要求があると、これを探索要求記憶手段38に一時記憶する。目的地検証手段32は、探索要求記憶手段38に記憶された経路探索要求から目的地を抽出し、検証用情報データベース37を参照して当該目的地がGPS測位できる地点か否かを検証する。先に述べた通り、検証用情報データベース37に蓄積された検証用情報は、例えば、経路探索用ネットワークデータ35に蓄積されたネットワークデータであるリンクやノードにそれぞれ対応して当該リンクやノードにおいてGPS測位が可能であるか否かを情報として蓄積したもの、あるいは、地図上の各地点においてGPS測位が可能、不可能であるかを記録したGPSマップのような情報である。
【0068】
リンクやノードがトンネル内やアンダーパス(地下通路)、地下街、ビルの内部、マルチパスの影響が大きく測位誤差が所定の範囲を超えている地点などの場合、GPS測位ができない。このようなリンクやノードにはその位置情報に種々の属性情報、例えば、道路の幅員、高速道路、国道どの道路種別等が付加されている。従って、属性情報の1つとしてトンネル、地下などの情報を加えることで該当する地点においてGPS測位が可能か否かを検証することができる。
【0069】
従って、検証用情報データベース37を物理的に独立に設ける必要はなく、経路探索用ネットワークデータベース35に蓄積したネットワークデータの属性情報を用いることもできる。同様にGPSマップのような地図をベースにした情報を用いる場合は、地図データベース34の地図データに付加された属性情報を用いることもできる。
【0070】
このように、目的地と検証用情報の該当地点の情報を照合すれば、目的地がGPS測位できる地点であるか、GPS測位できない地点であるかを検証することができる。例えば、検証用情報がリンクやノード毎に蓄積されている場合、目的地が接続されているリンクあるいは、目的地に該当するノードに対応づけて記憶されているGPS測位可能、不可能の情報により目的地においてGPS測位が可能か否かを知ることができる。
【0071】
目的地がGPS測位できない地点であった場合、経路探索サーバ30は、携帯端末装置20に目的地再設定要求を送り、GPS測位可能な地点に目的地を再設定させる。目的地再設定要求は、当初設定された目的地がGPS測位できない地点であること、目的地近辺の任意の地点を再設定するように促すメッセージである。
【0072】
携帯端末装置20において目的地が再設定され、経路探索サーバ30に送信されると、経路探索サーバ30は再度前述の手順を繰り返す。携帯端末装置20により再設定された目的地がGPS測位できない地点であれば、経路探索サーバ30は、再度、目的地再設定要求を携帯端末装置20に送信する。このようにしてGPS測位ができる地点が目的地として設定されるまで経路探索サーバ30と携帯端末装置20との間で前述の処理が繰り返される。
【0073】
これにより、経路探索サーバ30が探索した案内経路の目的地はGPS測位ができる地点になっているから、携帯端末装置20を案内する際に経路探索サーバ30は携帯端末装置20が案内経路の最終地点である目的地に到達したことがわかる。従って携帯端末装置20を確実に目的地まで案内することができるようになる。
【0074】
次に、一般的な経路探索の方法について説明する。経路探索用ネットワークデータベース35には徒歩や自動車を移動手段とする場合に用いる道路ネットワークデータと、交通機関を移動手段とする場合に用いる交通ネットワークデータを備えており、徒歩、自動車、交通機関を移動手段として用いた総合的な経路探索を行うことができる。
【0075】
道路ネットワークデータは、以下のように構成されている。例えば、道路が図4に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータとで構成される。
【0076】
すなわち、図4において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図4では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0077】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図4において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0078】
図4ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至ることが可能な複数の経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0079】
これに対して、交通機関の経路探索のための交通ネットワークデータは以下のように構成されている。例えば、図5に示すように交通路線A、B、Cからなる場合、各交通路線A、B、Cに設けられた各駅(航空機の路線においては各空港)をノードとし、各ノード間を結ぶ区間を有向性のリンクで表し、ノードデータ(緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)をネットワークデータとしている。図7において、Nn(○印)、Nm(◎印)がノードを示し、Nm(◎印)は交通路線の乗り継ぎ点(乗換え駅など)を示し、各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、交通路線の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図5では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0080】
しかしながら、交通ネットワークは道路ネットワークと比べリンクコストが基本的に異なる。すなわち、道路ネットワークではリンクコストは固定的、静的なものであったが、交通ネットワークでは、図5に示すように交通路線を運行する列車や航空機(以下個々の列車や航空機などの各経路を交通手段と称する)が複数ある。各交通手段毎にあるノードを出発する時刻と次のノードに到着する時刻とが定まっており(時刻表データ、運行データで規定される)、かつ、個々の経路が必ずしも隣接するノードにリンクしない場合がある。例えば、急行と各駅停車の列車のような場合である。このような場合には同じ交通路線上に異なる複数のリンクが存在することになり、またノード間の所要時間が交通手段により異なる場合もある。
【0081】
図5に例示する交通ネットワークにおいては、交通路線Aの同じリンクに複数の交通手段(経路)Aa〜Ac・・・、交通路線Cに複数の交通手段(経路)Ca〜Cc・・・が存在することになる。従って、交通機関の運行ネットワークは、単純な道路ネットワークと異なり、ノード、リンク、リンクコストの各データは交通手段(個々の航空機や列車などの経路)の総数に比例したデータ量になる。このため交通ネットワークのデータは道路ネットワークのデータ量に比べて膨大なデータ量になる。従って、それに応じて、経路探索に要する時間も多くの時間が必要になる。
【0082】
このような交通ネットワークデータを用いて、ある出発地からある目的地までの経路を探索するためには、出発地から目的地まで到達する際に使用(乗車)できる全ての交通手段を探索して探索条件に合致する交通手段を特定する必要がある。
【0083】
例えば、図5において、出発地を交通路線AのノードAXとしてある特定の出発時刻を指定して、交通路線CのノードCYを目的地とする経路探索を行う場合、交通路線A上を運行する交通手段Aa〜Ac・・・のうち出発時刻以降の全ての交通手段を順次出発時の経路として選択する。そして交通路線Cへの乗り継ぎノードへの到着時刻に基づいて、交通路線C上を運行する各交通手段Ca〜Cc・・・のうち、乗り継ぎノードにおいて乗車可能な時刻以降の交通手段の全ての組み合わせを探索して各経路の所要時間や乗り換え回数などを累計して案内することになる。
【0084】
このようなネットワークデータを利用して経路探索サーバ30は経路探索条件に従って、出発地から目的地までの複数の候補経路を探索し、その結果を案内経路データとして端末装置20に送信する。経路探索条件に出発地の出発時刻が指定されている場合には出発地の出発時刻が案内経路データに含まれ、端末装置20はこれらを表示手段25に経路の詳細とともに表示することができる。案内経路に乗換え駅が含まれる場合には、当該乗換え駅で乗り換えるべき電車やその出発時刻も同様にして表示することができる。
【0085】
次に、本発明の実施例1にかかる経路探索サーバ30における経路探索の動作手順を、図6に示すフローチャートに基づいて説明する。ステップS101の処理において携帯端末装置20が目的地を含む経路探索条件が設定され経路探索サーバ30に経路探索要求が送信される。
【0086】
経路探索サーバ30は、この経路探索要求を受信すると、これを探索要求記憶手段38に一時記憶する。目的地検証手段32は、探索要求記憶手段38に記憶された経路探索要求から目的地を抽出し、検証用情報データベース37を参照して当該目的地がGPS測位できる地点か否かを検証する。検証の方法は先に説明した通りである。
【0087】
なお、目的地である地点のノードまたは目的地である地点が属するリンクを特定するには、次のような手順を採ることができる。第1は、経路探索条件に従って経路を探索し、その結果として得られた経路データから、目的地が接続されたノードまたはリンクを特定する方法、第2は、目的地である地点の緯度、経度から該目的地に最も近いノードまたはリンクを特定する方法、第3は、前述したGPSマップと目的地を照合する方法である。
【0088】
ステップS102において目的地と検証用情報との比較、照合が終了すると目的地検証手段32は、ステップS103の判定処理において、目的地がGPS測位できる地点か否かを判定する。この判定処理の結果、目的地がGPS測位できない地点である場合には、ステップS107の処理に進み、目的地再設定要求手段33は携帯端末装置20に目的地を再設定させる目的地再設定要求を送信する。
【0089】
この目的地再設定要求は、当初設定された目的地がGPS測位できない地点であること、目的地近辺の任意の地点を再設定するように促すメッセージである。このメッセージに基づいてステップS108の処理で携帯端末装置20が目的地を再設定し、経路探索サーバ30がこれを受信すると、経路探索サーバ30はステップS102の処理に戻り、前述の処理を繰り返す。
【0090】
ステップS103の判定処理において目的地がGPS測位できる地点であると判定されたら、ステップS104の処理において目的地を決定し、ステップS105の処理において経路探索手段39は経路探索用ネットワークデータベース35を参照して前記決定された目的地までの経路探索を実行する。経路探索サーバ30はステップS106の処理において、経路探索結果を携帯端末装置20に送信し、経路案内を行う。
【実施例2】
【0091】
以上説明した本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムにおいては、携帯端末装置20が設定した目的地がGPS測位できない地点である場合に、経路探索サーバ30が携帯端末装置20に目的地をGPS測位できる地点に再設定させるための目的地再設定要求を送信する態様であった。
【0092】
経路探索サーバ30が携帯端末装置20に送信する目的地再設定要求に、経路探索サーバが目的地に近いGPS測位できる地点を検索し、再設定する目的地の候補地点として送信し、携帯端末装置20がその候補地点から再設定する目的地を選択できるようにすると操作性が向上する。以下にこのように構成した実施例2にかかるナビゲーションシステムについて説明する。
【0093】
図7は、本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。図7に示すナビゲーションシステム10の構成は、基本的には図2に示す実施例1にかかるナビゲーションシステム10と同様であるが、周辺検索手段391を備えている点が実施例1のナビゲーションシステム10と異なる。
【0094】
図7において図2と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。説明の重複を避けるため、以下の説明においては、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。周辺検索手段391は、例えば、POI情報データベース36に蓄積されたPOI情報を参照してある地点を中心に所定の距離範囲にあるPOIを検索するものである。
【0095】
目的地検証手段32が携帯端末装置20において設定された目的地がGPS測位できない地点であると判断すると、周辺検索手段391はPOI情報データベース36を参照して、当該目的地を中心に所定の距離範囲内にあるPOIのうちGPS測位ができるPOIを検索する。POI情報にはPOIの位置、所在場所(地下街やビル内の階数)などの情報を含んでおり、GPS測位できるか否かを判別することができる。なお、目的地検証手段32による目的地の検証方法は実施例1において説明した方法と同様である。
【0096】
目的再設定要求手段33は、携帯端末装置20に目的地の再設定要求を送信する際に、周辺検索手段391が検索したPOIの情報を再設定の候補として付加する。候補POIが複数ある場合には当初携帯端末装置20が設定した目的地に近い順にソートして5つ程度のPOIを再設定の候補地点として付加する。目的地再設定要求は、当初設定された目的地がGPS測位できない地点であること、付加された候補地点から再設定する目的地を選択するように促すメッセージである。
【0097】
携帯端末装置20は経路探索サーバ30から目的地再設定要求を受信すると、メッセージに付加された候補地点から所望の地点を再設定する目的地として選択する。携帯端末装置20が再設定する目的地を選択すると、経路探索サーバ30は当該再設定された目的地を経路探索の目的地として決定する。この後の手順は図2のナビゲーションシステム10と同様である。
【0098】
なお、以上の説明では、周辺検索手段391はPOI情報データベース36を用いて目的地の周辺のPOIのうちGPS測位できるPOIを検索する例を説明したが、これに限られるものではない。例えば、周辺検索手段391は、検証用情報データベース37を参照して目的地周辺のGPS測位できる地点を検索してもよい。また、地図上の各地点とその地点におけるGPS測位に関する情報を対応付けたGPSマップを用いて周辺検索することもできる。
【0099】
図8は、上記実施例2にかかるナビゲーションシステム10の動作手順を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートにおいて、ステップS201〜ステップS206の各処理は、図6に示す実施例1のフローチャートにおけるステップS101〜S106の処理と同様の処理である。
【0100】
図8において図6の処理と異なる処理は、ステップS203の判定処理で目的地がGPS測位できない地点であると判定された場合のステップS207〜ステップS209の処理である。すなわち、ステップS203の判定処理において目的地がGPS測位できない地点であると判定された場合、周辺検索手段391はステップS207の処理においてPOI情報データベース36を参照して、目的地の周辺のPOIのうちGPS測位できるPOIを検索する。
【0101】
ステップS208の処理において目的地再設定要求手段33は、携帯端末装置20に目的地の再設定要求を送信する際に、周辺検索手段391が検索したPOIの情報を再設定の候補として付加して送信する。この目的地再設定要求は、当初設定された目的地がGPS測位できない地点であること、付加された候補地点から再設定する目的地を選択するように促すメッセージである。
【0102】
携帯端末装置20が経路探索サーバ30から目的地再設定要求を受信して、メッセージに付加された候補地点から所望の地点を目的地として再設定(目的地を選択)すると、経路探索サーバ30は、ステップS204の処理に進み、当該再設定された目的地を経路探索の目的地として決定する。
【0103】
目的地が決定されると、ステップS205の処理において、経路探索手段39は再設定された目的地までの経路探索を実行し、ステップS206の処理において探索した経路を携帯端末装置20に送信して経路案内する。
【0104】
なお、上記の説明においては周辺検索手段が目的地周辺のGPS測位できる候補地点を携帯端末装置20に提示して候補地点のうちから任意の候補地点を目的地として再設定(選択)させる構成を説明したが、GPS測位可能か否かにかかわらず周辺の地点を検索して候補地点とし、携帯端末装置20に提示する構成にすることもできる。
【0105】
その場合、ステップS209の処理において携帯端末装置20が候補地点から再設定する目的地を選択(再設定)した後、ステップS202の目的地の検証処理に戻るように構成すればよい。
【実施例3】
【0106】
以上説明した本発明の実施例1、実施例2にかかるナビゲーションシステム10においては、目的地検証手段32が検証用情報データベース37等を参照し、目的地がGPS測位できない地点であるか否かを検証する例を説明したが、以下に説明する実施例3にかかるナビゲーションシステム10のような構成にすることもできる。
【0107】
図9は、本発明の実施例3にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。図9に示すナビゲーションシステム10の構成は、基本的には図2に示す実施例1にかかるナビゲーションシステム10と同様であるが、リバース探索手段392を備えている点が実施例1のナビゲーションシステム10と異なる。
【0108】
図9において図2と同一の構成要素には同一の参照符号を付してある。説明の重複を避けるため、以下の説明においては、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。リバース探索手段392は、例えば、経路探索手段39が探索した経路を目的地から出発地に向かって順次遡って戻りながらGPS測位可能な地点を探索する処理を行うものである。
【0109】
すなわち、図9に示すナビゲーションシステム10において、先ず、経路探索サーバ30は、携帯端末装置20により設定された当初の目的地までの経路を経路探索手段39により探索する。目的地検証手段32は、経路探索手段39によって探索された案内経路において目的地が接続されたリンクまたは目的地のノードを抽出し、抽出されたリンクまたはノードがGPS測位できる地点であるかを検証する。
【0110】
検証の結果、目的地が接続されたリンクまたは目的地のノードがGPS測位できない地点である場合、リバース探索手段392は探索した経路の目的地からリンク、ノードを順に出発地に向かって遡りながらGPS測位可能な地点を探索する。GPS測位ができるリンクまたはノードが探索できたら、目的地再設定要求手段33は携帯端末装置20に再設定する目的地を提示した目的地再設定要求を送信する。
【0111】
この目的地再設定要求は、当初設定された目的地がGPS測位できない地点であること、目的地から遡ったGPS測位できる地点を再設定する目的地として提示していることを示すメッセージである。携帯端末装置20においてこのメッセージ(目的地再設定要求)に対する了解操作がなされると、経路探索サーバ30は提示した地点を目的地として決定する。経路探索手段39は決定された目的地までの経路探索を実行する。その結果得られた経路は携帯端末装置20に送信され経路案内が行われる。
【0112】
次に、本発明の実施例3にかかる経路探索サーバ30における経路探索の動作手順を、図10に示すフローチャートに基づいて説明する。ステップS301の処理において携帯端末装置20が目的地を含む経路探索条件が設定され経路探索サーバ30に経路探索要求が送信される。
【0113】
経路探索サーバ30は、この経路探索要求を受信すると、これを探索要求記憶手段38に一時記憶する。ステップS302の処理において経路探索手段39は、経路探索要求記憶手段38に一時記憶した経路探索の条件に基づいて目的地までの経路を探索する。この時の探索は最適経路のみであってよい。
【0114】
次いで、ステップS303の処理において目的地検証手段32は、経路探索手段39によって探索された案内経路において目的地が接続されたリンクまたは目的地のノードを抽出する。そしてステップS304の処理において、検証用情報データベース37を参照して当該抽出したリンクまたはノードがGPS測位できる地点か否かを検証する。検証の方法は実施例1において説明した方法と同様である。
【0115】
ステップS304において目的地と検証用情報との比較、照合が終了すると目的地検証手段32は、ステップS305の判定処理において、目的地(抽出されたリンクまたはノード)がGPS測位できる地点か否かを判定する。
【0116】
この判定処理の結果、目的地がGPS測位できない地点である場合には、ステップS309の処理に進み、リバース探索手段392は、探索した経路の目的地からリンク、ノードを順に出発地に向かって遡りながらGPS測位可能な地点を探索する。GPS測位ができるリンクまたはノードが探索できたら、ステップS310の処理において、目的地再設定要求手段33は携帯端末装置20に再設定する目的地として前記のリンクまたはノードを提示した目的地再設定要求を送信する。
【0117】
この目的地再設定要求は、当初設定された目的地がGPS測位できない地点であること、目的地から遡ったGPS測位できる地点を再設定する目的地として提示していることを示すメッセージである。ステップS311の処理において、携帯端末装置20がこのメッセージ(目的地再設定要求)に対する了解操作をすると、目的地が提示されたリンクまたはノードに再設定される。
【0118】
ステップS311において目的地が再設定されるとステップS306の処理に進み、経路探索サーバ30は目的地を再設定されたリンクまたはノードに決定する。ステップS307において経路探索手段39は決定された目的地までの経路探索を実行する。その結果得られた経路はステップS308の処理において携帯端末装置20に送信され経路案内が行われる。
【0119】
一方、ステップS305の目的地検証手段32による判定処理において、目的地が接続されたリンクまたは目的地のノードがGPS測位できる地点であると判定された場合は、ステップS306の処理に進み携帯端末装置20が当初設定した目的地を経路探索の目的地として決定し、ステップS307において経路探索手段39は決定された目的地までの経路探索を実行する。この経路探索処理においては、携帯端末装置20が複数の候補経路を要求している場合、最適経路の探索だけでなく複数の候補経路を探索する。その結果得られた経路はステップS308の処理において携帯端末装置20に送信され経路案内が行われる。
【0120】
なお、携帯端末装置20が設定した経路探索要求が最適経路の探索であり、ステップS302において最適経路を探索した時には、ステップS305の目的地検証手段32による判定処理において、目的地が接続されたリンクまたは目的地のノードがGPS測位できる地点であると判定された場合、ステップS306の経路探索処理を省略してステップS302において探索した最適経路を携帯端末装置20に送信してもよい。
【0121】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、目的地として設定した地点がGPS測位の不能な地点である場合に、目的地周辺のGPS測位が可能な地点を経路探索のための目的地として再設定できる。このため、経路探索サーバ30が探索した案内経路の目的地はGPS測位ができる地点になっているから、携帯端末装置20を案内する際に経路探索サーバ30は携帯端末装置20が案内経路の最終地点である目的地に到達したことがわかる。従って、携帯端末装置20を確実に目的地まで案内することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末装置において経路探索条件を入力するための入力画面の1例を示す画面構成図である。
【図4】道路ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図5】交通ネットワークのデータの概念を示す模式図である。
【図6】本発明の実施例1にかかるナビゲーションシステムの動作手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施例2にかかるナビゲーションシステムの動作手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施例3にかかるナビゲーションシステムの詳細な構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施例3にかかるナビゲーションシステムの動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0123】
10・・・・ナビゲーションシステム
12・・・・ネットワーク
20・・・・携帯端末装置
201・・・制御手段
21・・・・通信手段
22・・・・GPS受信手段
23・・・・経路再探索要求手段
24・・・・条件設定手段
25・・・・案内経路データ記憶手段
26・・・・表示手段
27・・・・操作入力手段
30・・・・経路探索サーバ
301・・・制御手段
31・・・・通信手段
32・・・・目的地検証手段
33・・・・目的地再設定要求手段
34・・・・地図データベース
35・・・・経路探索用ネットワークデータベース
36・・・・POI情報データベース
37・・・・検証用情報データベース
38・・・・探索要求記憶手段
39・・・・経路探索手段
391・・・周辺検索手段
392・・・リバース探索手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を備えた経路探索サーバと、出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、携帯端末装置の位置を測位するためのGPS測位手段とを備えた携帯端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおいて、
前記経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段は、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記経路探索サーバは更に、周辺探索手段を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記周辺検索手段は、前記目的地を中心として所定の範囲内のGPS測位が可能な地点を検索し、前記目的地再設定要求手段は、前記周辺検索手段が検索したGPS測位可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記経路探索サーバは更に、リバース探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記携帯端末装置が設定した目的地までの経路を探索し、前記目的地検証手段が、前記経路探索手段が検索した前記経路における目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記リバース探索手段は、前記探索した経路において目的地からリンクまたはノードを順次遡り、GPS測位可能なリンクまたはノードを探索し、前記目的地再設定要求手段は、前記リバース探索手段が探索したGPS測位が可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
前記経路探索サーバは、携帯端末装置において設定された目的地が、前記GPS受信手段による測位が可能な地点であるか否かを検証するための情報を蓄積した検証用データベースを備え、前記目的地検証手段は、前記検証用データベースを参照して前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを判定することを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
前記検証用データベースには、道路ネットワークを構成するリンクまたはノードの何れか一方または両方についてGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したことを特徴とする請求項4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
前記検証用データベースには、地図上の各地点に対応してGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したことを特徴とする請求項4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項7】
出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、携帯端末装置の位置を測位するためのGPS測位手段とを備えた携帯端末装置にネットワークを介して接続され、出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を備えた経路探索サーバにおいて、
前記経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段は、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする経路探索サーバ。
【請求項8】
前記経路探索サーバは更に、周辺探索手段を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記周辺検索手段は、前記目的地を中心として所定の範囲内のGPS測位が可能な地点を検索し、前記目的地再設定要求手段は、前記周辺検索手段が検索したGPS測位可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項9】
前記経路探索サーバは更に、リバース探索手段を備え、
前記経路探索手段は、前記携帯端末装置が設定した目的地までの経路を探索し、前記目的地検証手段が、前記経路探索手段が検索した前記経路における目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記リバース探索手段は、前記探索した経路において目的地からリンクまたはノードを順次遡り、GPS測位可能なリンクまたはノードを探索し、前記目的地再設定要求手段は、前記リバース探索手段が探索したGPS測位が可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信することを特徴とする請求項7に記載の経路探索サーバ。
【請求項10】
前記経路探索サーバは、携帯端末装置において設定された目的地が、前記GPS受信手段による測位が可能な地点であるか否かを検証するための情報を蓄積した検証用データベースを備え、前記目的地検証手段は、前記検証用データベースを参照して前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを判定することを特徴とする請求項7ないし請求項9の何れか1項に記載の経路探索サーバ。
【請求項11】
前記検証用データベースには、道路ネットワークを構成するリンクまたはノードの何れか一方または両方についてGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したことを特徴とする請求項10に記載の経路探索サーバ。
【請求項12】
前記検証用データベースには、地図上の各地点に対応してGPS測位が可能か否かを示す属性情報を前記検証用情報として蓄積したことを特徴とする請求項10に記載の経路探索サーバ。
【請求項13】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を備えた経路探索サーバとネットワークを介して接続され、出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、携帯端末装置の位置を測位するためのGPS測位手段とを備えた携帯端末装置において、
前記経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段は、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信し、
前記端末装置は、前記目的地再設定要求に応じて目的地を再設定することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項14】
出発地と目的地を含む経路探索条件に基づいて探索用ネットワークデータを参照して前記出発地から目的地までの案内経路を探索する経路探索手段を備えた経路探索サーバと、出発地と目的地とを含む経路探索条件を設定する条件設定手段と、携帯端末装置の位置を測位するためのGPS測位手段とを備えた携帯端末装置と、を備えたナビゲーションシステムにおける経路探索方法において、
前記経路探索サーバは、前記目的地がGPS測位可能な地点か否かを検証する目的地検証手段と、前記目的地がGPS測位の不可能な地点である場合に、前記経路探索条件として設定された目的地を再設定するための目的地再設定要求手段と、を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点否かを検証するステップと、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記目的地再設定要求手段が、前記目的地をGPS測位可能な地点を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信するステップとを有することを特徴とする経路探索方法。
【請求項15】
前記経路探索サーバは更に、周辺探索手段を備え、
前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点否かを検証するステップと、前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記周辺検索手段が、前記目的地を中心として所定の範囲内のGPS測位が可能な地点を検索するステップと、前記目的地再設定要求手段が、前記周辺検索手段が検索したGPS測位可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信するステップとを有することを特徴とする請求項14に記載の経路探索方法。
【請求項16】
前記経路探索サーバは更に、リバース探索手段を備え、
前記経路探索手段が、前記携帯端末装置が設定した目的地までの経路を探索するステップと、前記目的地検証手段が、前記目的地がGPS測位可能な地点否かを検証するステップと、前記目的地検証手段が、前記経路探索手段が検索した前記経路における目的地がGPS測位可能な地点でないと判定した場合に、前記リバース探索手段が、前記探索した経路において目的地からリンクまたはノードを順次遡り、GPS測位可能なリンクまたはノードを探索するステップと、前記目的地再設定要求手段が、前記リバース探索手段が探索したGPS測位が可能な地点を候補地点として目的地を再設定するためのメッセージを含む目的地再設定要求を前記携帯端末装置に送信するステップとを有することを特徴とする請求項14に記載の経路探索方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−292229(P2008−292229A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136358(P2007−136358)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【特許番号】特許第4163741号(P4163741)
【特許公報発行日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】