ナビゲーションシステム
【課題】ナビゲーション機能の性能を低下させず、しかもバッテリの消耗を抑えながら地図データを更新できるナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】イグニッションスイッチ12と、地図データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい地図データ記憶部15と、地図データを更新する更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が大きい第1更新データ記憶部11と、イグニッションスイッチがONの場合に、第1更新データ記憶部11から小さい処理負荷で更新データを読み込むデータ読込処理部21と、読み込まれた更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい第2更新データ記憶部14と、イグニッションスイッチがOFFの場合に、地図データ記憶部15からの地図データを、第2更新データ記憶部14からの更新データに基づき大きい処理負荷で更新して新しい地図データを生成し、地図データ記憶部15に格納するデータ生成処理部22を備えている。
【解決手段】イグニッションスイッチ12と、地図データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい地図データ記憶部15と、地図データを更新する更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が大きい第1更新データ記憶部11と、イグニッションスイッチがONの場合に、第1更新データ記憶部11から小さい処理負荷で更新データを読み込むデータ読込処理部21と、読み込まれた更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい第2更新データ記憶部14と、イグニッションスイッチがOFFの場合に、地図データ記憶部15からの地図データを、第2更新データ記憶部14からの更新データに基づき大きい処理負荷で更新して新しい地図データを生成し、地図データ記憶部15に格納するデータ生成処理部22を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザを目的地まで案内するナビゲーションシステムに関し、特に、ナビゲーションシステムに保持されている地図データを更新する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーションシステムに保持されている地図データを更新する技術として、特許文献1は、地図データを更新する際に、更新地図データを地図データ格納手段の空き領域から書き始めることにより、ナビゲーション機能を使用しつつ地図データの更新を可能にしたナビゲーションシステムを開示している。このナビゲーションシステムは、更新された地図データを取得する更新地図データ取得手段を備え、ナビゲーションシステム全体の機能を制御する制御手段により、地図データ格納手段に格納されている更新前の地図データを使用してナビゲーション機能を使用している場合においても、地図データ格納手段の空き領域に更新地図データ取得手段からの更新された地図データを書き込むことにより地図データを更新する。
【0003】
また、特許文献2は、使い心地の悪化およびユーザの負担を軽減しつつ、外部から所望のデータを取得できる車載用情報端末を開示している。この車載用情報端末は、ユーザによって指定されたデータ受信開始時にバッテリ残量が所定値以上である場合に、車載用情報端末としてのナビゲーション装置において地図更新データなどのコンテンツの受信および記憶を行なう。したがって、ユーザがナビゲーション装置を使用しない時間帯において受信開始時を指定することにより、使い心地の悪化およびユーザの負担を招くことなく、外部から必要なデータを受信して記憶することが可能になる。つまり、この車載用情報端末では、車両のイグニッションスイッチがオフされた駐車中の時間帯であっても、データ受信開始時を指定できる。同時に、バッテリ残量が所定値以上であるという条件が設けられているので、車両のエンジンが切られた状態でデータの受信および記憶が行なわれる場合であっても、バッテリの過放電を未然に防止できる。
【0004】
さらに、特許文献3は、データの更新を確実かつ操作性良く行う更新システムおよびそれを用いたナビゲーションシステムを開示している。この特許文献3に開示された技術では、地図データが格納された第1の記憶媒体に対して、電源の供給を受けて、更新地図データが格納されている第2の記憶媒体から更新地図データを読み出して第1の記憶媒体に書き込み、更新する際、第2の記憶媒体の読み込みを開始し、読み込まれた更新データに所定の処理を施して第1の記憶媒体への書き込み動作を開始させる。このとき電源の供給およびタイマ監視部による計時を開始させ、すべての更新地図データの書き込みが終了したとき、またはタイマ監視部による計時が所定時間以上になったときに、更新動作を停止させる。この技術によれば、ユーザは、電源をOFFする直前に新地図が記憶された媒体をナビゲーション装置に挿入するだけで、内部の記憶媒体に格納されている地図データを自動的に更新し、その後、電源がOFFになるため、地図データの更新を意識することなく、また、時間的に拘束されることがないので、操作性が改善される。また、ユーザは、地図データの更新終了を監視して電源をOFFする必要がなくなるので、操作性が改善される。
【0005】
【特許文献1】特開2006−170660号公報
【特許文献2】特開2006−47112号公報
【特許文献3】特開2003−294454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に開示された技術は、地図データの更新が実施されている場合に、ナビゲーション機能が旧地図データを参照することによって、地図データの更新が実施されている時間帯においてもナビゲーション機能を使用できるようにしたものであるが、ナビゲーション機能のための処理と地図データの更新処理とが競合し、ナビゲーション機能の性能(応答性能)が低下するという問題がある。
【0007】
このような問題を解決するために、特許文献2および特許文献3に開示された技術では、車両が駐車している時間帯を有効に利用し、運転中はナビゲーション機能を動作させ、駐車中は地図データの更新を実施する。しかしながら、これらの技術では、駐車中に、新地図データを読み取るための電装機器を長時間動作させることになるので、過度にバッテリが消耗するという問題がある。
【0008】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、ナビゲーション機能の性能を低下させずに、しかもバッテリの消耗を抑えながら地図データを更新できるナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明に係るナビゲーションシステムは、操作に応じてイグニッション信号を生成するイグニッションスイッチと、地図データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい地図データ記憶部と、地図データを更新する更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が大きい第1更新データ記憶部と、イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、第1更新データ記憶部から更新データを読み込む、処理負荷が小さいデータ読込処理部と、データ読込処理部で読み込まれた更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい第2更新データ記憶部と、イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、第2更新データ記憶部から読み込んだ更新データに基づき更新して新しい地図データを生成し、地図データ記憶部に格納する、処理負荷が大きいデータ生成処理部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るナビゲーションシステムによれば、イグニッション信号がONを示している場合に、アクセス時の消費電力が大きい第1更新データ記憶部から小さい処理負荷で更新データを読み込んでアクセス時の消費電力が小さい第2更新データ記憶部に格納し、イグニッション信号がOFFを示している場合に、アクセス時の消費電力が小さい地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、第2更新データ記憶部から読み込んだ更新データに基づき大きい処理負荷で更新して新しい地図データを生成するように構成したので、ナビゲーション機能の性能を低下させずに、しかもバッテリの消耗を抑えながら地図データを更新できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1に係るナビゲーションシステムでは、更新前後の地図データの差である差分データを用いて地図を更新する差分更新方式が採用されている場合について説明する。
【0012】
実施の形態1に係るナビゲーションシステムは、第1更新データ記憶部11、イグニッションスイッチ12、地図更新部13、第2更新データ記憶部14、地図データ記憶部15、自車位置検出部16、マンマシンインタフェース17およびナビゲーション機能演算部18を備えている。このナビゲーションシステムには、常時、つまりイグニッションスイッチ12のON/OFFの状態に拘わらず、図示しないバッテリから電源が供給されている。
【0013】
第1更新データ記憶部11は、図示しない読取装置に脱着可能な記憶媒体、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)または半導体メモリなどから構成されており、読取装置に装着された記憶媒体のアクセス時(読み出し/書き込み時)に比較的大きな消費電力を必要とする。この記憶媒体(第1更新データ記憶部11)が読取装置に装着されることにより地図更新が開始される。
【0014】
第1更新データ記憶部11には、地図を更新するための更新データが記憶されている。更新データは差分データから構成されており、地図メーカによって作成される。図2は、更新データの一例を示す図である。更新データは、道路の削除、道路の追加、施設の削除および施設の追加といった旧地図に対する変更を指示する情報が格納されたブロックから構成されている。更新データの各ブロックは、地図更新部13に設けられた図示しないブロックカウンタ(詳細は後述する)の内容によって指定される。第1更新データ記憶部11に記憶されている更新データは、ブロックカウンタで指定されることによりブロック単位で順次に読み出される。
【0015】
イグニッションスイッチ12は、エンジンの始動および停止を指示するために使用される。このイグニッションスイッチ12は、ユーザの操作に応じてイグニッション信号を生成する。イグニッション信号は、イグニッションスイッチ12がターンオンされた場合に「ON」状態になり、ターンオフされた場合に「OFF」状態になるレベル信号である。このイグニッションスイッチ12で生成されたイグニッション信号は、地図更新部13およびナビゲーション機能演算部18に送られる。
【0016】
地図更新部13は、第1更新データ記憶部11が読取装置に装着されることにより起動され、その後、イグニッションスイッチ12から送られてきたイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図更新処理を実行する。なお、地図更新部13において地図更新処理が開始されると、地図更新が完了するまでに時間を要する。この地図更新が完了するまでの時間に、ユーザがナビゲーション機能を使用したい場合がある。このような事態に対処するために、地図更新部13は、地図データ記憶部15に既に記憶されている旧地図データはそのままにして、更新した新地図データを別途に地図データ記憶部15に書き込む。これにより、地図更新処理が開始されてから完了するまでの間であっても、ナビゲーション機能演算部18は、旧地図データを用いてナビゲーション機能をユーザに提供することができる。
【0017】
この地図更新部13は、データ読込処理部21およびデータ生成処理部22を備えている。データ読込処理部21は、ブロックカウンタ(図示は省略する)の内容を更新する制御を行うとともに、第1更新データ記憶部11の中の、ブロックカウンタの内容で示される位置から更新データをブロック単位で順次に読み込み、第2更新データ記憶部14に送って記憶させる。
【0018】
なお、データ読込処理部21は、単純に、第1更新データ記憶部11から更新データを順次に読み出して第2更新データ記憶部14に送る以外に、第1更新データ記憶部11から読み出した地図データに何らかの加工を施して第2更新データ記憶部14に送るように構成することもできる。例えば、第1更新データ記憶部11に格納されている圧縮された地図データを解凍し、解凍された地図データを第2更新データ記憶部14に送るように構成することができる。
【0019】
データ生成処理部22は、旧地図データを更新データに応じて更新して新地図データを生成するデータ生成処理を実行する。このデータ生成処理により生成された新地図データは、地図データ記憶部15に送られて記憶される。図3は、データ生成処理部22の詳細な構成を、その周辺の構成要素を含めて示すブロック図である。このデータ生成処理部22は、データコピー処理部31とデータ編集処理部32とから構成されている。
【0020】
データコピー処理部31は、地図データ記憶部15の旧地図データ領域41に記憶されている旧地図データを読み込み、地図データ記憶部15の新地図データ領域42に書き込む。これにより、旧地図データ領域41に記憶されている旧地図データが、新地図データ領域42にコピーされる。
【0021】
データ編集処理部32は、第2更新データ記憶部14から更新データの1ブロックを読み込むとともに、この読み込んだブロックに対応する地図データを、新地図データ領域42から読み込む。そして、新地図データ領域42から読み込んだ地図データを、第2更新データ記憶部14から読み込んだ1ブロックの更新データを用いて更新し、更新結果を、新地図データ領域42の地図データを読み込んだ位置に格納する。
【0022】
第2更新データ記憶部14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)または半導体メモリなどといった読み書き可能な記録媒体から構成されており、第1更新データ記憶部11に比べて、アクセス時に必要な消費電力は小さい。この第2更新データ記憶部14は、地図更新部13から送られてくる更新データを一時的に記憶する。この第2更新データ記憶部14に一時的に記憶されている更新データは、地図更新部13によって読み出される。
【0023】
地図データ記憶部15は、例えばHDDまたは半導体メモリなどといった読み書き可能な記録媒体から構成されており、第1更新データ記憶部11に比べて、アクセス時に必要な消費電力は小さい。この地図データ記憶部15は、ナビゲーション機能を実現するための地図データを記憶する。この地図データ記憶部15は、上述した第2更新データ記憶部14と同一の記憶媒体上の異なる記憶領域に形成することもできる。
【0024】
この地図データ記憶部15には、上述したように、地図更新処理がなされる前の地図データである旧地図データを記憶する旧地図データ領域41と地図更新処理がなされた後の地図データである新地図データを記憶する新地図データ領域42とが設けられており、旧地図データと新地図データの各々は独立して完結している。ただし、地図更新部13で地図更新処理が未だ実行されていない場合は、地図データ記憶部15の新地図データ領域42には新地図データは格納されない。この地図データ記憶部15に記憶されている地図データ(旧地図データまたは新地図データ)は、ナビゲーション機能演算部18によって読み出される。
【0025】
自車位置検出部16は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号を受信し、この受信したGPS信号に基づき自己の現在位置、つまり緯度および経度を検出する。この自車位置検出部16で検出された自己の現在位置は現在位置信号としてナビゲーション機能演算部18に送られる。
【0026】
マンマシンインタフェース17は、例えば、情報を入力するための入力装置および情報を出力する出力装置から構成されている。このマンマシンインタフェース17は、ユーザが目的地を入力するために使用される。このマンマシンインタフェース17から入力された目的地は、目的地データとしてナビゲーション機能演算部18に送られる。
【0027】
また、マンマシンインタフェース17は、ナビゲーション機能演算部18から送られてくる経路情報、案内情報および地図情報などをディスプレイまたはスピーカといった出力装置に出力する。これにより、ナビゲーション機能が、画像と音によってユーザに提供される。
【0028】
ナビゲーション機能演算部18は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、自車位置検出部16から送られてくる現在位置信号、地図データ記憶部15から読み出した地図データおよびマンマシンインタフェース17から送られてくるデータに基づき所定の演算を実行し、この演算結果として得られた経路情報、案内情報および地図情報をマンマシンインタフェース17に送る。
【0029】
より詳しくは、ナビゲーション機能演算部18は、自車位置検出部16から送られてくる現在位置信号によって示される自車位置から、マンマシンインタフェース17から送られてくる目的地データによって示される目的地までの経路を、地図データ記憶部15から読み出した地図データに基づいて演算し、経路情報としてマンマシンインタフェース17のディスプレイに表示する。
【0030】
また、ナビゲーション機能演算部18は、自車位置検出部16から送られてくる現在位置信号によって示される自車位置に応じた案内情報を、マンマシンインタフェース17のディスプレイに表示するとともに、スピーカから音声で出力する。さらに、ナビゲーション機能演算部18は、自車位置検出部16から送られてくる現在位置信号によって示される自車位置の周辺の地図を表す地図情報を、地図データ記憶部15から読み出した地図データに基づいて生成し、マンマシンインタフェース17のディスプレイに表示する。
【0031】
なお、ナビゲーション機能演算部18は、上述した演算を実行する場合、地図データ記憶部15から読み出した地図データを使用するが、地図データの更新が完了するまでは、旧地図データを使用し、地図データの更新が完了した後は、新地図データを使用して各種演算を実行する。
【0032】
また、ナビゲーション機能演算部18は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合は、動作を停止する。これにより、例えばイグニッションスイッチ12がターンオンされるとナビゲーション機能が動作し、イグニッションスイッチ12がターンオフされるとナビゲーション機能の動作が停止するといった機能が実現されている。
【0033】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの動作を、地図更新部13で行われる地図更新処理を中心に説明する。まず、地図更新処理のうちの、更新データを読み込むデータ読込処理を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。このデータ読込処理は、データ読込処理部21で行われる。
【0034】
データ読込処理では、まず、ブロックカウンタが初期化されて待避される(ステップST11)。すなわち、データ読込処理部21は、地図更新部13の内部に設けられた図示しないブロックカウンタの内容を「0」に初期化して、図示しない待避レジスタに待避する。
【0035】
次いで、イグニッションONであるかどうかが調べられる(ステップST12)。すなわち、データ読込処理部21は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示しているかどうかを調べる。このステップST12において、イグニッションONでないことが判断されると、このステップST12を繰り返し実行しながら待機状態に入る。
【0036】
このステップST12の繰り返し実行による待機状態において、イグニッションONになったことが判断されると、次いで、ブロックカウンタが復元される(ステップST13)。すなわち、データ読込処理部21は、待避レジスタに待避されている内容をブロックカウンタに戻して復元する。
【0037】
次いで、ブロックカウンタの内容がインクリメントされる(ステップST14)。すなわち、データ読込処理部21は、ブロックカウンタの内容に「1」を加える。次いで、更新データの1ブロックが第1更新データ記憶部11から第2更新データ記憶部14に転送される(ステップST15)。すなわち、データ読込処理部21は、ブロックカウンタの内容に対応する更新データの1ブロックを第1更新データ記憶部11から読み出し、第2更新データ記憶部14に書き込む。
【0038】
次いで、全ブロック転送完了であるかどうかが調べられる(ステップST16)。すなわち、データ読込処理部21は、ブロックカウンタの内容が予め定められた値になったかどうかを調べる。なお、予め定められた値は、第1更新データ記憶部11から最初に読み出したヘッダデータから得るように構成できる。このステップST16において、全ブロック転送完了であることが判断されると、データ読込処理は終了する。
【0039】
一方、ステップST16において、全ブロック転送完了でないことが判断されると、次いで、イグニッションONであるかどうかが調べられる(ステップST17)。すなわち、データ読込処理部21は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示しているかどうかを調べる。このステップST17において、イグニッションONであることが判断されると、地図更新処理は継続可能である旨が認識され、シーケンスはステップST14に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0040】
一方、ステップST17において、イグニッションONでないことが判断されると、ブロックカウンタの内容が待避される(ステップST18)。すなわち、データ読込処理部21は、地図更新処理は継続不可能である旨を認識し、その時点でブロックカウンタに保持されている内容を、図示しない待避レジスタに待避する。その後、シーケンスはステップST12に戻り、イグニッションONになるのを待つ待機状態に入る。
【0041】
次に、データ生成処理部22で行われるデータ生成処理を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。データ生成処理では、まず、データコピー処理が実行される(ステップST21)。すなわち、データコピー処理部31は、地図データ記憶部15の旧地図データ領域41に記憶されている旧地図データを読み込み、地図データ記憶部15の新地図データ領域42に書き込む。このデータコピー処理の詳細は後述する。
【0042】
次いで、データ編集処理が実行される(ステップST22)。すなわち、データ編集処理部32は、第2更新データ記憶部14から1ブロックの更新データを読み込むとともに、この読み込んだブロックに対応する地図データを、新地図データ領域42から読み込み、この読み込んだ地図データを、1ブロックの更新データを用いて更新する編集処理を実行する。この編集処理により得られた地図データは、新地図データ領域42の地図データを読み込んだ位置に格納される。このデータ編集処理の詳細は後述する。
【0043】
次に、図5のフローチャートに示すデータ生成処理のステップST21で実行されるデータコピー処理の詳細を、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。このデータコピー処理では、まず、ブロックカウンタが初期化されて待避される(ステップST31)。すなわち、データコピー処理部31は、自己の内部に設けられているブロックカウンタ(図示は省略する)の内容を「0」に初期化して、自己の内部に設けられている待避レジスタ(図示は省略する)に待避する。
【0044】
次いで、イグニッションOFFであるかどうかが調べられる(ステップST32)。すなわち、データコピー処理部31は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示しているかどうかを調べる。このステップST32において、イグニッションOFFでないことが判断されると、このステップST32を繰り返し実行しながら待機状態に入る。
【0045】
このステップST32の繰り返し実行による待機状態において、イグニッションOFFになったことが判断されると、次いで、ブロックカウンタが復元される(ステップST33)。すなわち、データコピー処理部31は、待避レジスタに待避されている内容をブロックカウンタに戻して復元する。
【0046】
次いで、ブロックカウンタの内容がインクリメントされる(ステップST34)。すなわち、データコピー処理部31は、ブロックカウンタの内容に「1」を加える。次いで、旧地図データの1データ単位が新地図データ領域42にコピーされる(ステップST35)。すなわち、データコピー処理部31は、地図データ記憶部15の旧地図データ領域41に格納されている1データ単位の旧地図データを読み出し、新地図データ領域42の該当する位置に書き込む。
【0047】
次いで、全データコピー完了であるかどうかが調べられる(ステップST36)。すなわち、データコピー処理部31は、ブロックカウンタの内容が予め定められた値になったかどうかを調べる。このステップST36において、全データコピー完了であることが判断されると、データコピー処理は終了する。
【0048】
一方、ステップST36において、全データコピー完了でないことが判断されると、次いで、イグニッションOFFであるかどうかが調べられる(ステップST37)。すなわち、データコピー処理部31は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示しているかどうかを調べる。このステップST37において、イグニッションOFFであることが判断されると、地図更新処理は継続可能である旨が認識され、シーケンスはステップST34に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0049】
一方、ステップST37において、イグニッションOFFでないことが判断されると、ブロックカウンタの内容が待避される(ステップST38)。すなわち、データコピー処理部31は、地図更新処理は継続不可能である旨を認識し、その時点でブロックカウンタに保持されている内容を、図示しない待避レジスタに待避する。その後、シーケンスはステップST32に戻り、イグニッションOFFになるのを待つ待機状態に入る。
【0050】
以上のように、データ読込処理では、イグニッションスイッチ12がONの場合に脱着可能な記憶媒体(第2更新データ記憶部14)にアクセスするので、比較的大きな消費電力が必要である一方、処理負荷は小さい。
【0051】
次に、図5のフローチャートに示すデータ生成処理のステップST22で実行されるデータ編集処理の詳細を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。データ編集処理では、まず、ブロックカウンタが初期化されて待避される(ステップST41)。すなわち、データ編集処理部32は、ブロックカウンタの内容を「0」に初期化して、図示しない待避レジスタに待避する。
【0052】
次いで、イグニッションOFFであるかどうかが調べられる(ステップST42)。すなわち、データ編集処理部32は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示しているかどうかを調べる。このステップST42において、イグニッションOFFでないことが判断されると、このステップST42を繰り返し実行しながら待機状態に入る。
【0053】
このステップST42の繰り返し実行による待機状態において、イグニッションOFFになったことが判断されると、次いで、ブロックカウンタが復元される(ステップST43)。すなわち、データ編集処理部32は、待避レジスタに待避されている内容をブロックカウンタに戻して復元する。
【0054】
次いで、ブロックカウンタの内容がインクリメントされる(ステップST44)。すなわち、データ編集処理部32は、ブロックカウンタの内容に「1」を加える。次いで、ブロックカウンタの内容で指されるブロックが、第2更新データ記憶部14に読込済みであるかどうかが調べられる(ステップST45)。すなわち、データ編集処理部32は、ブロックカウンタの内容で指されるブロックの更新データが、第2更新データ記憶部14に既に読み込まれているかどうかを調べる。
【0055】
このステップST45において、ブロックカウンタの内容で指されるブロックが、第2更新データ記憶部14に読込済みでないことが判断されると、イグニッションONになるまでアイドリング状態にされる(ステップST46)。すなわち、データ編集処理部32は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示すようになるまで待機する。
【0056】
このステップST46のアイドリング中に、イグニッションONになると、次いで、イグニッションOFFになるまでアイドリング状態にされる(ステップST47)。すなわち、データ編集処理部32は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示すようになるまで待機する。このステップST47のアイドリング中に、イグニッションOFFになると、シーケンスはステップST45に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0057】
上記ステップST45において、ブロックカウンタの内容で指されるブロックが、第2更新データ記憶部14に読込済みであることが判断されると、次いで、該当ブロックの内容によって示される道路または施設の削除または追加が行われる(ステップST48)。すなわち、データ編集処理部32は、その時点でブロックカウンタの内容によって示されるブロックの更新データに応じて、道路の削除、道路の追加、施設の削除または施設の追加などを実行する。
【0058】
次いで、全ブロックに対する処理が完了したかどうかが調べられる(ステップST49)。すなわち、データ編集処理部32は、ブロックカウンタの内容が予め定められた値になったかどうかを調べる。このステップST49において、全ブロックに対する処理が完了したことが判断されると、データ編集処理は終了する。
【0059】
一方、ステップST49において、全ブロックに対する処理が完了していないことが判断されると、次いで、イグニッションOFFであるかどうかが調べられる(ステップST50)。すなわち、データ編集処理部32は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示しているかどうかを調べる。このステップST50において、イグニッションOFFであることが判断されると、地図更新処理は継続可能である旨が認識され、シーケンスはステップST44に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0060】
一方、ステップST50において、イグニッションOFFでないことが判断されると、ブロックカウンタの内容が待避される(ステップST51)。すなわち、データ編集処理部32は、地図更新処理は継続不可能である旨を認識し、その時点でブロックカウンタに保持されている内容を、図示しない待避レジスタに待避する。その後、シーケンスはステップST42に戻り、イグニッション信号がOFFになるのを待つ待機状態に入る。
【0061】
以上のように、データ生成処理は、データコピー処理とデータ編集処理といった2段階で行われ、各処理では、イグニッションスイッチ12がONの場合はアイドリングし、イグニッションスイッチ12がOFFの場合のみ実質的に動作する。したがって、データ生成処理では、脱着可能な記憶媒体(第2更新データ記憶部14)に対するアクセスは発生しないので消費電力が少ないが、処理負荷は大きい。
【0062】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムによれば、次の効果を奏する。すなわち、地図更新部13におけるデータ読込処理では、例えば第1更新データ記憶部11を構成するDVDドライブ等を駆動するので、一般に、消費電力が大きい。一方、このデータ読込処理は、データの加工を伴わない単純な転送処理であるため、処理負荷は小さい。イグニッションスイッチ12がONの時は、電力が安定して供給されるのでデータ読込処理を実行するのに好適であって、かつ、車両が走行している場合にナビゲーション機能演算部18でナビゲーション機能を実現するための処理と並行して実行しても、データ読込処理の処理負荷は小さいので、ナビゲーション機能の性能劣化は起こらない。
【0063】
また、データ生成処理は、地図データを加工して編集する演算を実行するので、処理負荷は大きい。イグニッションスイッチ12がOFFの時は、ナビゲーション機能を実現する処理を行う必要がないから、処理負荷が大きいデータ生成処理の実行に好適である。一方、このデータ生成処理では、内部の地図データ記憶部15および第2更新データ記憶部14を読み書きする処理を実行するだけでよいから電力の消費量は少なくて済む。したがって、停車中の地図更新処理の実行による電力消費量を削減することができる。
【0064】
すなわち、この実施の形態1に係るナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション機能の性能を確保することと、電源を供給するバッテリの消耗を抑止することを両立させることができる。
【0065】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るナビゲーションシステムは、実施の形態1に係るナビゲーションシステムの地図データ記憶部15に記憶されている地図データに対し、デフラグメンテーション(以下、「デフラグ」と略する)を実施するようにしたものである。なお、デフラグについては、特開2007−102998号公報などに記載されているので、必要に応じて参照されたい。地図更新処理を実行すると、地図データ記憶部15に書き込みが行われるため、フラグメンテーション(空き領域の断片化)が発生し、地図データ記憶部15に格納されている地図データの読み出し速度の低下を招き、その結果、ナビゲーション機能の性能が劣化する場合がある。この実施の形態2に係るナビゲーションシステムは、このような事態の発生を解消するものである。
【0066】
図8は、この発明の実施の形態2に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。このナビゲーションシステムは、上述した実施の形態1に係るナビゲーションシステムにデフラグ演算部19が追加されて構成されている。
【0067】
デフラグ演算部19は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図データ記憶部15の空き領域の断片化を解消するデフラグ演算を実行し、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示している場合にデフラグ演算を中断する。このデフラグ演算は、処理負荷は大きいが、消費電力は少ない。すなわち、処理負荷と消費電力の観点からは、上述したデータ生成処理と同じ性質をもつ。したがって、イグニッションスイッチ12がOFFにされているときにデフラグ演算を実行し、イグニッションスイッチ12がONにされているときにデフラグ演算を中断する制御が行われる。なお、デフラグ演算の起動は、地図更新処理が完了した後に行われる。
【0068】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るナビゲーションシステムによれば、イグニッションスイッチ12がOFFのときにデフラグ演算を実行するように構成したので、地図更新処理により発生したフラグメンテーションを解消することができ、地図更新処理を実行した場合であっても、ナビゲーション機能の性能劣化を防止することができる。
【0069】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムは、更新データを着脱可能な記憶媒体(第1更新データ記憶部11)から取得するのではなく、外部から通信によって取得するようにしたものである。
【0070】
図9は、この発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。このナビゲーションシステムは、上述した実施の形態1に係るナビゲーションシステムの第1更新データ記憶部11が、受信部20によって置き換えられて構成されている。
【0071】
受信部20は、外部から送信されてくる更新データを受信して地図更新部13に送る。この受信部20は、専用の通信機器から構成されているので、通信により更新データを取得する処理には大きい消費電力を必要とする一方、処理負荷は小さい。すなわち、処理負荷と消費電力の観点からは、上述した実施の形態1に係るナビゲーションシステムのデータ読込処理と同じ性質をもつ。したがって、実施の形態1に係るナビゲーションシステムと同様の動作が行われる。
【0072】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムによれば、実施の形態1に係るナビゲーションシステムと同様の効果を奏する。
【0073】
実施の形態4.
上述した実施の形態1〜実施の形態3に係るナビゲーションシステムでは、差分データを用いて地図更新を行う差分更新方式が採用されているが、地図更新処理が以下の性質をもつ2個の処理から構成される限り、この発明は差分更新方式に限定されない。
(a)データ読込処理
脱着可能媒体(第1更新データ記憶手段11)または受信部20から更新データを取り込み、そのまま、つまりデータの加工または編集を伴わないで第2更新データ記憶部14に転送する。
(b)データ生成処理
更新データの加工または編集処理を、第2更新データ記憶部14および地図データ記憶部15のみにアクセスすることによって実施する。
【0074】
この発明の実施の形態4に係るナビゲーションシステムは、地図データの部分更新を行う部分更新方式を採用したものである。この実施の形態4に係るナビゲーションシステムの構成は、図1に示した実施の形態1に係るナビゲーションシステムの構成と同じである。
【0075】
この実施の形態4に係るナビゲーションシステムで行われる部分更新は、例えば地図データ記憶部15に日本全土の地図データが記憶されている場合に、兵庫県に該当する部分的な地図データのみを差し替えることであり、ユーザにとって真に必要な地方の地図データのみを更新することによって、地図更新時間の短縮および地図データのライセンス費用の縮小が可能になる。なお、部分更新については、例えば、特開2003−44992号公報等に記載されているので、必要に応じて参照されたい。
【0076】
このナビゲーションシステムでは、地図をメッシュに分割し、この分割に対応するように、地図データが部分地図データに分割されているという前提のもとで、メッシュの部分を更新する。図10は、地図をエリア1〜9のメッシュに分割した例を示す図である。図10において、A、BおよびCは一本の道路を構成する要素であって、エリア4、5および6にそれぞれ属する部分道路を示す。
【0077】
以下、図10におけるエリア5の地図データのみを更新する部分更新を例に挙げて説明する。図11は、部分更新による地図更新を説明するための図である。この場合、第1更新データ記憶部11には、エリア5の新部分地図データが記憶されており、データ読込処理部21は、第1更新データ記憶部11からこの新部分地図データを取り込んで第2更新データ記憶部14に送る。
【0078】
データ生成処理部22では、旧地図データにおける、「エリア5の旧部分地図データ」を「エリア5の新部分地図データ」に差し替える処理が行われる。加えて、「エリア4の旧部分地図データ」および「エリア6の旧部分地図データ」に対して以下の編集処理が実施され、「エリア4の編集済み部分地図データ」および「エリア6の編集済み部分地図データ」が得られる。
【0079】
エリア5に属する部分道路Bは、旧地図と新地図で属性が異なる。その結果、全土の地図データ内で一意に対応させている「部分道路」を識別する識別番号について、旧地図データにおける部分道路Bの識別番号と、新地図データにおける部分道路Bの識別番号が異なる。
【0080】
一方、「エリア4の旧部分地図データ」および「エリア6の旧部分地図データ」は、部分道路Aの接続先の識別番号および部分道路Cの接続先の識別番号をそれぞれ含む。これらが新地図データにおける部分道路Bの識別番号に置き換えられる。これにより、新旧地図データが部分的に混在することによる矛盾が解消される。データ生成処理では、これらの編集処理が行われることによって、新地図データが得られる。
【0081】
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係るナビゲーションシステムによれば、部分更新方式を採用して地図更新を行う場合であっても、実施の形態1に係るナビゲーションシステムと同様の効果を奏する。
【0082】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係るナビゲーションシステムは、圧縮された地図データを用いて地図データの更新を行うようにしたものである。この実施の形態5に係るナビゲーションシステムの構成は、図1に示した実施の形態1に係るナビゲーションシステムの構成と同じである。
【0083】
この実施の形態5に係るナビゲーションシステムでは、上述した差分更新方式または部分更新方式を採用した場合とは異なり、旧地図データを参照することなく、新地図データの全体を、新たに地図データ記憶部15に生成する。
【0084】
図12は、実施の形態5に係るナビゲーションシステムで行われる地図更新を説明するための図である。地図メーカは、更新データを提供するための記憶媒体(第1更新データ記憶部11)の記憶容量を節約するとともに、転送時のデータ量を削減するために、地図データを圧縮して媒体に格納し、ユーザに供給する。ただし、地図更新部13における逐次処理を可能にするため、地図データ全体をまとめて圧縮するのではなく、新地図データを複数のブロックに分割し、分割された各ブロックを圧縮して記憶媒体(第1更新データ記憶部11)に格納する。
【0085】
ナビゲーションシステムにおいは、地図更新部13は、第1更新データ記憶部11の内容を読み出して第2更新データ記憶部14に転送し、その後に、第1更新データ記憶部11の内容を作成する過程と逆の処理、すなわち、圧縮された複数のブロックから成る地図データを解凍し、解凍された複数のブロックを結合する演算を実施して、新地図データの全体を復元する。この解凍と結合する演算が「データ生成処理」に該当する。
【0086】
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係るナビゲーションシステムによれば、圧縮された地図データを用いて地図の全体を更新する場合であっても、実施の形態1に係るナビゲーションシステムと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで使用される更新データの一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの地図更新部内のデータ生成処理部の詳細な構成を、その周辺の構成要素を含めて示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで実行される地図更新処理のうちのデータ読込処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで実行されるデータ生成処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで実行されるデータ生成処理のうちのデータコピー処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで実行されるデータ生成処理のうちのデータ編集処理を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態2に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係るナビゲーションシステムで使用される地図のメッシュ分割の例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態4に係るナビゲーションシステムで行われる部分更新による地図更新を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態5に係るナビゲーションシステムで行われる地図更新を説明するための図である。
【符号の説明】
【0088】
11 第1更新データ記憶部、12 イグニッションスイッチ、13 地図更新部、14 第2更新データ記憶部、15 地図データ記憶部、16 自車位置検出部、17 マンマシンインタフェース、18 ナビゲーション機能演算部、19 デフラグ演算部、20 受信部、21 データ読込処理部、22 データ生成処理部、31 データコピー処理部、32 データ編集処理部、41 旧地図データ領域、42 新地図データ領域。
【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザを目的地まで案内するナビゲーションシステムに関し、特に、ナビゲーションシステムに保持されている地図データを更新する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーションシステムに保持されている地図データを更新する技術として、特許文献1は、地図データを更新する際に、更新地図データを地図データ格納手段の空き領域から書き始めることにより、ナビゲーション機能を使用しつつ地図データの更新を可能にしたナビゲーションシステムを開示している。このナビゲーションシステムは、更新された地図データを取得する更新地図データ取得手段を備え、ナビゲーションシステム全体の機能を制御する制御手段により、地図データ格納手段に格納されている更新前の地図データを使用してナビゲーション機能を使用している場合においても、地図データ格納手段の空き領域に更新地図データ取得手段からの更新された地図データを書き込むことにより地図データを更新する。
【0003】
また、特許文献2は、使い心地の悪化およびユーザの負担を軽減しつつ、外部から所望のデータを取得できる車載用情報端末を開示している。この車載用情報端末は、ユーザによって指定されたデータ受信開始時にバッテリ残量が所定値以上である場合に、車載用情報端末としてのナビゲーション装置において地図更新データなどのコンテンツの受信および記憶を行なう。したがって、ユーザがナビゲーション装置を使用しない時間帯において受信開始時を指定することにより、使い心地の悪化およびユーザの負担を招くことなく、外部から必要なデータを受信して記憶することが可能になる。つまり、この車載用情報端末では、車両のイグニッションスイッチがオフされた駐車中の時間帯であっても、データ受信開始時を指定できる。同時に、バッテリ残量が所定値以上であるという条件が設けられているので、車両のエンジンが切られた状態でデータの受信および記憶が行なわれる場合であっても、バッテリの過放電を未然に防止できる。
【0004】
さらに、特許文献3は、データの更新を確実かつ操作性良く行う更新システムおよびそれを用いたナビゲーションシステムを開示している。この特許文献3に開示された技術では、地図データが格納された第1の記憶媒体に対して、電源の供給を受けて、更新地図データが格納されている第2の記憶媒体から更新地図データを読み出して第1の記憶媒体に書き込み、更新する際、第2の記憶媒体の読み込みを開始し、読み込まれた更新データに所定の処理を施して第1の記憶媒体への書き込み動作を開始させる。このとき電源の供給およびタイマ監視部による計時を開始させ、すべての更新地図データの書き込みが終了したとき、またはタイマ監視部による計時が所定時間以上になったときに、更新動作を停止させる。この技術によれば、ユーザは、電源をOFFする直前に新地図が記憶された媒体をナビゲーション装置に挿入するだけで、内部の記憶媒体に格納されている地図データを自動的に更新し、その後、電源がOFFになるため、地図データの更新を意識することなく、また、時間的に拘束されることがないので、操作性が改善される。また、ユーザは、地図データの更新終了を監視して電源をOFFする必要がなくなるので、操作性が改善される。
【0005】
【特許文献1】特開2006−170660号公報
【特許文献2】特開2006−47112号公報
【特許文献3】特開2003−294454号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1に開示された技術は、地図データの更新が実施されている場合に、ナビゲーション機能が旧地図データを参照することによって、地図データの更新が実施されている時間帯においてもナビゲーション機能を使用できるようにしたものであるが、ナビゲーション機能のための処理と地図データの更新処理とが競合し、ナビゲーション機能の性能(応答性能)が低下するという問題がある。
【0007】
このような問題を解決するために、特許文献2および特許文献3に開示された技術では、車両が駐車している時間帯を有効に利用し、運転中はナビゲーション機能を動作させ、駐車中は地図データの更新を実施する。しかしながら、これらの技術では、駐車中に、新地図データを読み取るための電装機器を長時間動作させることになるので、過度にバッテリが消耗するという問題がある。
【0008】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、ナビゲーション機能の性能を低下させずに、しかもバッテリの消耗を抑えながら地図データを更新できるナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明に係るナビゲーションシステムは、操作に応じてイグニッション信号を生成するイグニッションスイッチと、地図データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい地図データ記憶部と、地図データを更新する更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が大きい第1更新データ記憶部と、イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、第1更新データ記憶部から更新データを読み込む、処理負荷が小さいデータ読込処理部と、データ読込処理部で読み込まれた更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい第2更新データ記憶部と、イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、第2更新データ記憶部から読み込んだ更新データに基づき更新して新しい地図データを生成し、地図データ記憶部に格納する、処理負荷が大きいデータ生成処理部を備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るナビゲーションシステムによれば、イグニッション信号がONを示している場合に、アクセス時の消費電力が大きい第1更新データ記憶部から小さい処理負荷で更新データを読み込んでアクセス時の消費電力が小さい第2更新データ記憶部に格納し、イグニッション信号がOFFを示している場合に、アクセス時の消費電力が小さい地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、第2更新データ記憶部から読み込んだ更新データに基づき大きい処理負荷で更新して新しい地図データを生成するように構成したので、ナビゲーション機能の性能を低下させずに、しかもバッテリの消耗を抑えながら地図データを更新できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1に係るナビゲーションシステムでは、更新前後の地図データの差である差分データを用いて地図を更新する差分更新方式が採用されている場合について説明する。
【0012】
実施の形態1に係るナビゲーションシステムは、第1更新データ記憶部11、イグニッションスイッチ12、地図更新部13、第2更新データ記憶部14、地図データ記憶部15、自車位置検出部16、マンマシンインタフェース17およびナビゲーション機能演算部18を備えている。このナビゲーションシステムには、常時、つまりイグニッションスイッチ12のON/OFFの状態に拘わらず、図示しないバッテリから電源が供給されている。
【0013】
第1更新データ記憶部11は、図示しない読取装置に脱着可能な記憶媒体、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)または半導体メモリなどから構成されており、読取装置に装着された記憶媒体のアクセス時(読み出し/書き込み時)に比較的大きな消費電力を必要とする。この記憶媒体(第1更新データ記憶部11)が読取装置に装着されることにより地図更新が開始される。
【0014】
第1更新データ記憶部11には、地図を更新するための更新データが記憶されている。更新データは差分データから構成されており、地図メーカによって作成される。図2は、更新データの一例を示す図である。更新データは、道路の削除、道路の追加、施設の削除および施設の追加といった旧地図に対する変更を指示する情報が格納されたブロックから構成されている。更新データの各ブロックは、地図更新部13に設けられた図示しないブロックカウンタ(詳細は後述する)の内容によって指定される。第1更新データ記憶部11に記憶されている更新データは、ブロックカウンタで指定されることによりブロック単位で順次に読み出される。
【0015】
イグニッションスイッチ12は、エンジンの始動および停止を指示するために使用される。このイグニッションスイッチ12は、ユーザの操作に応じてイグニッション信号を生成する。イグニッション信号は、イグニッションスイッチ12がターンオンされた場合に「ON」状態になり、ターンオフされた場合に「OFF」状態になるレベル信号である。このイグニッションスイッチ12で生成されたイグニッション信号は、地図更新部13およびナビゲーション機能演算部18に送られる。
【0016】
地図更新部13は、第1更新データ記憶部11が読取装置に装着されることにより起動され、その後、イグニッションスイッチ12から送られてきたイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図更新処理を実行する。なお、地図更新部13において地図更新処理が開始されると、地図更新が完了するまでに時間を要する。この地図更新が完了するまでの時間に、ユーザがナビゲーション機能を使用したい場合がある。このような事態に対処するために、地図更新部13は、地図データ記憶部15に既に記憶されている旧地図データはそのままにして、更新した新地図データを別途に地図データ記憶部15に書き込む。これにより、地図更新処理が開始されてから完了するまでの間であっても、ナビゲーション機能演算部18は、旧地図データを用いてナビゲーション機能をユーザに提供することができる。
【0017】
この地図更新部13は、データ読込処理部21およびデータ生成処理部22を備えている。データ読込処理部21は、ブロックカウンタ(図示は省略する)の内容を更新する制御を行うとともに、第1更新データ記憶部11の中の、ブロックカウンタの内容で示される位置から更新データをブロック単位で順次に読み込み、第2更新データ記憶部14に送って記憶させる。
【0018】
なお、データ読込処理部21は、単純に、第1更新データ記憶部11から更新データを順次に読み出して第2更新データ記憶部14に送る以外に、第1更新データ記憶部11から読み出した地図データに何らかの加工を施して第2更新データ記憶部14に送るように構成することもできる。例えば、第1更新データ記憶部11に格納されている圧縮された地図データを解凍し、解凍された地図データを第2更新データ記憶部14に送るように構成することができる。
【0019】
データ生成処理部22は、旧地図データを更新データに応じて更新して新地図データを生成するデータ生成処理を実行する。このデータ生成処理により生成された新地図データは、地図データ記憶部15に送られて記憶される。図3は、データ生成処理部22の詳細な構成を、その周辺の構成要素を含めて示すブロック図である。このデータ生成処理部22は、データコピー処理部31とデータ編集処理部32とから構成されている。
【0020】
データコピー処理部31は、地図データ記憶部15の旧地図データ領域41に記憶されている旧地図データを読み込み、地図データ記憶部15の新地図データ領域42に書き込む。これにより、旧地図データ領域41に記憶されている旧地図データが、新地図データ領域42にコピーされる。
【0021】
データ編集処理部32は、第2更新データ記憶部14から更新データの1ブロックを読み込むとともに、この読み込んだブロックに対応する地図データを、新地図データ領域42から読み込む。そして、新地図データ領域42から読み込んだ地図データを、第2更新データ記憶部14から読み込んだ1ブロックの更新データを用いて更新し、更新結果を、新地図データ領域42の地図データを読み込んだ位置に格納する。
【0022】
第2更新データ記憶部14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)または半導体メモリなどといった読み書き可能な記録媒体から構成されており、第1更新データ記憶部11に比べて、アクセス時に必要な消費電力は小さい。この第2更新データ記憶部14は、地図更新部13から送られてくる更新データを一時的に記憶する。この第2更新データ記憶部14に一時的に記憶されている更新データは、地図更新部13によって読み出される。
【0023】
地図データ記憶部15は、例えばHDDまたは半導体メモリなどといった読み書き可能な記録媒体から構成されており、第1更新データ記憶部11に比べて、アクセス時に必要な消費電力は小さい。この地図データ記憶部15は、ナビゲーション機能を実現するための地図データを記憶する。この地図データ記憶部15は、上述した第2更新データ記憶部14と同一の記憶媒体上の異なる記憶領域に形成することもできる。
【0024】
この地図データ記憶部15には、上述したように、地図更新処理がなされる前の地図データである旧地図データを記憶する旧地図データ領域41と地図更新処理がなされた後の地図データである新地図データを記憶する新地図データ領域42とが設けられており、旧地図データと新地図データの各々は独立して完結している。ただし、地図更新部13で地図更新処理が未だ実行されていない場合は、地図データ記憶部15の新地図データ領域42には新地図データは格納されない。この地図データ記憶部15に記憶されている地図データ(旧地図データまたは新地図データ)は、ナビゲーション機能演算部18によって読み出される。
【0025】
自車位置検出部16は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号を受信し、この受信したGPS信号に基づき自己の現在位置、つまり緯度および経度を検出する。この自車位置検出部16で検出された自己の現在位置は現在位置信号としてナビゲーション機能演算部18に送られる。
【0026】
マンマシンインタフェース17は、例えば、情報を入力するための入力装置および情報を出力する出力装置から構成されている。このマンマシンインタフェース17は、ユーザが目的地を入力するために使用される。このマンマシンインタフェース17から入力された目的地は、目的地データとしてナビゲーション機能演算部18に送られる。
【0027】
また、マンマシンインタフェース17は、ナビゲーション機能演算部18から送られてくる経路情報、案内情報および地図情報などをディスプレイまたはスピーカといった出力装置に出力する。これにより、ナビゲーション機能が、画像と音によってユーザに提供される。
【0028】
ナビゲーション機能演算部18は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、自車位置検出部16から送られてくる現在位置信号、地図データ記憶部15から読み出した地図データおよびマンマシンインタフェース17から送られてくるデータに基づき所定の演算を実行し、この演算結果として得られた経路情報、案内情報および地図情報をマンマシンインタフェース17に送る。
【0029】
より詳しくは、ナビゲーション機能演算部18は、自車位置検出部16から送られてくる現在位置信号によって示される自車位置から、マンマシンインタフェース17から送られてくる目的地データによって示される目的地までの経路を、地図データ記憶部15から読み出した地図データに基づいて演算し、経路情報としてマンマシンインタフェース17のディスプレイに表示する。
【0030】
また、ナビゲーション機能演算部18は、自車位置検出部16から送られてくる現在位置信号によって示される自車位置に応じた案内情報を、マンマシンインタフェース17のディスプレイに表示するとともに、スピーカから音声で出力する。さらに、ナビゲーション機能演算部18は、自車位置検出部16から送られてくる現在位置信号によって示される自車位置の周辺の地図を表す地図情報を、地図データ記憶部15から読み出した地図データに基づいて生成し、マンマシンインタフェース17のディスプレイに表示する。
【0031】
なお、ナビゲーション機能演算部18は、上述した演算を実行する場合、地図データ記憶部15から読み出した地図データを使用するが、地図データの更新が完了するまでは、旧地図データを使用し、地図データの更新が完了した後は、新地図データを使用して各種演算を実行する。
【0032】
また、ナビゲーション機能演算部18は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合は、動作を停止する。これにより、例えばイグニッションスイッチ12がターンオンされるとナビゲーション機能が動作し、イグニッションスイッチ12がターンオフされるとナビゲーション機能の動作が停止するといった機能が実現されている。
【0033】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの動作を、地図更新部13で行われる地図更新処理を中心に説明する。まず、地図更新処理のうちの、更新データを読み込むデータ読込処理を、図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。このデータ読込処理は、データ読込処理部21で行われる。
【0034】
データ読込処理では、まず、ブロックカウンタが初期化されて待避される(ステップST11)。すなわち、データ読込処理部21は、地図更新部13の内部に設けられた図示しないブロックカウンタの内容を「0」に初期化して、図示しない待避レジスタに待避する。
【0035】
次いで、イグニッションONであるかどうかが調べられる(ステップST12)。すなわち、データ読込処理部21は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示しているかどうかを調べる。このステップST12において、イグニッションONでないことが判断されると、このステップST12を繰り返し実行しながら待機状態に入る。
【0036】
このステップST12の繰り返し実行による待機状態において、イグニッションONになったことが判断されると、次いで、ブロックカウンタが復元される(ステップST13)。すなわち、データ読込処理部21は、待避レジスタに待避されている内容をブロックカウンタに戻して復元する。
【0037】
次いで、ブロックカウンタの内容がインクリメントされる(ステップST14)。すなわち、データ読込処理部21は、ブロックカウンタの内容に「1」を加える。次いで、更新データの1ブロックが第1更新データ記憶部11から第2更新データ記憶部14に転送される(ステップST15)。すなわち、データ読込処理部21は、ブロックカウンタの内容に対応する更新データの1ブロックを第1更新データ記憶部11から読み出し、第2更新データ記憶部14に書き込む。
【0038】
次いで、全ブロック転送完了であるかどうかが調べられる(ステップST16)。すなわち、データ読込処理部21は、ブロックカウンタの内容が予め定められた値になったかどうかを調べる。なお、予め定められた値は、第1更新データ記憶部11から最初に読み出したヘッダデータから得るように構成できる。このステップST16において、全ブロック転送完了であることが判断されると、データ読込処理は終了する。
【0039】
一方、ステップST16において、全ブロック転送完了でないことが判断されると、次いで、イグニッションONであるかどうかが調べられる(ステップST17)。すなわち、データ読込処理部21は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示しているかどうかを調べる。このステップST17において、イグニッションONであることが判断されると、地図更新処理は継続可能である旨が認識され、シーケンスはステップST14に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0040】
一方、ステップST17において、イグニッションONでないことが判断されると、ブロックカウンタの内容が待避される(ステップST18)。すなわち、データ読込処理部21は、地図更新処理は継続不可能である旨を認識し、その時点でブロックカウンタに保持されている内容を、図示しない待避レジスタに待避する。その後、シーケンスはステップST12に戻り、イグニッションONになるのを待つ待機状態に入る。
【0041】
次に、データ生成処理部22で行われるデータ生成処理を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。データ生成処理では、まず、データコピー処理が実行される(ステップST21)。すなわち、データコピー処理部31は、地図データ記憶部15の旧地図データ領域41に記憶されている旧地図データを読み込み、地図データ記憶部15の新地図データ領域42に書き込む。このデータコピー処理の詳細は後述する。
【0042】
次いで、データ編集処理が実行される(ステップST22)。すなわち、データ編集処理部32は、第2更新データ記憶部14から1ブロックの更新データを読み込むとともに、この読み込んだブロックに対応する地図データを、新地図データ領域42から読み込み、この読み込んだ地図データを、1ブロックの更新データを用いて更新する編集処理を実行する。この編集処理により得られた地図データは、新地図データ領域42の地図データを読み込んだ位置に格納される。このデータ編集処理の詳細は後述する。
【0043】
次に、図5のフローチャートに示すデータ生成処理のステップST21で実行されるデータコピー処理の詳細を、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。このデータコピー処理では、まず、ブロックカウンタが初期化されて待避される(ステップST31)。すなわち、データコピー処理部31は、自己の内部に設けられているブロックカウンタ(図示は省略する)の内容を「0」に初期化して、自己の内部に設けられている待避レジスタ(図示は省略する)に待避する。
【0044】
次いで、イグニッションOFFであるかどうかが調べられる(ステップST32)。すなわち、データコピー処理部31は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示しているかどうかを調べる。このステップST32において、イグニッションOFFでないことが判断されると、このステップST32を繰り返し実行しながら待機状態に入る。
【0045】
このステップST32の繰り返し実行による待機状態において、イグニッションOFFになったことが判断されると、次いで、ブロックカウンタが復元される(ステップST33)。すなわち、データコピー処理部31は、待避レジスタに待避されている内容をブロックカウンタに戻して復元する。
【0046】
次いで、ブロックカウンタの内容がインクリメントされる(ステップST34)。すなわち、データコピー処理部31は、ブロックカウンタの内容に「1」を加える。次いで、旧地図データの1データ単位が新地図データ領域42にコピーされる(ステップST35)。すなわち、データコピー処理部31は、地図データ記憶部15の旧地図データ領域41に格納されている1データ単位の旧地図データを読み出し、新地図データ領域42の該当する位置に書き込む。
【0047】
次いで、全データコピー完了であるかどうかが調べられる(ステップST36)。すなわち、データコピー処理部31は、ブロックカウンタの内容が予め定められた値になったかどうかを調べる。このステップST36において、全データコピー完了であることが判断されると、データコピー処理は終了する。
【0048】
一方、ステップST36において、全データコピー完了でないことが判断されると、次いで、イグニッションOFFであるかどうかが調べられる(ステップST37)。すなわち、データコピー処理部31は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示しているかどうかを調べる。このステップST37において、イグニッションOFFであることが判断されると、地図更新処理は継続可能である旨が認識され、シーケンスはステップST34に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0049】
一方、ステップST37において、イグニッションOFFでないことが判断されると、ブロックカウンタの内容が待避される(ステップST38)。すなわち、データコピー処理部31は、地図更新処理は継続不可能である旨を認識し、その時点でブロックカウンタに保持されている内容を、図示しない待避レジスタに待避する。その後、シーケンスはステップST32に戻り、イグニッションOFFになるのを待つ待機状態に入る。
【0050】
以上のように、データ読込処理では、イグニッションスイッチ12がONの場合に脱着可能な記憶媒体(第2更新データ記憶部14)にアクセスするので、比較的大きな消費電力が必要である一方、処理負荷は小さい。
【0051】
次に、図5のフローチャートに示すデータ生成処理のステップST22で実行されるデータ編集処理の詳細を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。データ編集処理では、まず、ブロックカウンタが初期化されて待避される(ステップST41)。すなわち、データ編集処理部32は、ブロックカウンタの内容を「0」に初期化して、図示しない待避レジスタに待避する。
【0052】
次いで、イグニッションOFFであるかどうかが調べられる(ステップST42)。すなわち、データ編集処理部32は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示しているかどうかを調べる。このステップST42において、イグニッションOFFでないことが判断されると、このステップST42を繰り返し実行しながら待機状態に入る。
【0053】
このステップST42の繰り返し実行による待機状態において、イグニッションOFFになったことが判断されると、次いで、ブロックカウンタが復元される(ステップST43)。すなわち、データ編集処理部32は、待避レジスタに待避されている内容をブロックカウンタに戻して復元する。
【0054】
次いで、ブロックカウンタの内容がインクリメントされる(ステップST44)。すなわち、データ編集処理部32は、ブロックカウンタの内容に「1」を加える。次いで、ブロックカウンタの内容で指されるブロックが、第2更新データ記憶部14に読込済みであるかどうかが調べられる(ステップST45)。すなわち、データ編集処理部32は、ブロックカウンタの内容で指されるブロックの更新データが、第2更新データ記憶部14に既に読み込まれているかどうかを調べる。
【0055】
このステップST45において、ブロックカウンタの内容で指されるブロックが、第2更新データ記憶部14に読込済みでないことが判断されると、イグニッションONになるまでアイドリング状態にされる(ステップST46)。すなわち、データ編集処理部32は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示すようになるまで待機する。
【0056】
このステップST46のアイドリング中に、イグニッションONになると、次いで、イグニッションOFFになるまでアイドリング状態にされる(ステップST47)。すなわち、データ編集処理部32は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示すようになるまで待機する。このステップST47のアイドリング中に、イグニッションOFFになると、シーケンスはステップST45に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0057】
上記ステップST45において、ブロックカウンタの内容で指されるブロックが、第2更新データ記憶部14に読込済みであることが判断されると、次いで、該当ブロックの内容によって示される道路または施設の削除または追加が行われる(ステップST48)。すなわち、データ編集処理部32は、その時点でブロックカウンタの内容によって示されるブロックの更新データに応じて、道路の削除、道路の追加、施設の削除または施設の追加などを実行する。
【0058】
次いで、全ブロックに対する処理が完了したかどうかが調べられる(ステップST49)。すなわち、データ編集処理部32は、ブロックカウンタの内容が予め定められた値になったかどうかを調べる。このステップST49において、全ブロックに対する処理が完了したことが判断されると、データ編集処理は終了する。
【0059】
一方、ステップST49において、全ブロックに対する処理が完了していないことが判断されると、次いで、イグニッションOFFであるかどうかが調べられる(ステップST50)。すなわち、データ編集処理部32は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示しているかどうかを調べる。このステップST50において、イグニッションOFFであることが判断されると、地図更新処理は継続可能である旨が認識され、シーケンスはステップST44に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0060】
一方、ステップST50において、イグニッションOFFでないことが判断されると、ブロックカウンタの内容が待避される(ステップST51)。すなわち、データ編集処理部32は、地図更新処理は継続不可能である旨を認識し、その時点でブロックカウンタに保持されている内容を、図示しない待避レジスタに待避する。その後、シーケンスはステップST42に戻り、イグニッション信号がOFFになるのを待つ待機状態に入る。
【0061】
以上のように、データ生成処理は、データコピー処理とデータ編集処理といった2段階で行われ、各処理では、イグニッションスイッチ12がONの場合はアイドリングし、イグニッションスイッチ12がOFFの場合のみ実質的に動作する。したがって、データ生成処理では、脱着可能な記憶媒体(第2更新データ記憶部14)に対するアクセスは発生しないので消費電力が少ないが、処理負荷は大きい。
【0062】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムによれば、次の効果を奏する。すなわち、地図更新部13におけるデータ読込処理では、例えば第1更新データ記憶部11を構成するDVDドライブ等を駆動するので、一般に、消費電力が大きい。一方、このデータ読込処理は、データの加工を伴わない単純な転送処理であるため、処理負荷は小さい。イグニッションスイッチ12がONの時は、電力が安定して供給されるのでデータ読込処理を実行するのに好適であって、かつ、車両が走行している場合にナビゲーション機能演算部18でナビゲーション機能を実現するための処理と並行して実行しても、データ読込処理の処理負荷は小さいので、ナビゲーション機能の性能劣化は起こらない。
【0063】
また、データ生成処理は、地図データを加工して編集する演算を実行するので、処理負荷は大きい。イグニッションスイッチ12がOFFの時は、ナビゲーション機能を実現する処理を行う必要がないから、処理負荷が大きいデータ生成処理の実行に好適である。一方、このデータ生成処理では、内部の地図データ記憶部15および第2更新データ記憶部14を読み書きする処理を実行するだけでよいから電力の消費量は少なくて済む。したがって、停車中の地図更新処理の実行による電力消費量を削減することができる。
【0064】
すなわち、この実施の形態1に係るナビゲーションシステムによれば、ナビゲーション機能の性能を確保することと、電源を供給するバッテリの消耗を抑止することを両立させることができる。
【0065】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るナビゲーションシステムは、実施の形態1に係るナビゲーションシステムの地図データ記憶部15に記憶されている地図データに対し、デフラグメンテーション(以下、「デフラグ」と略する)を実施するようにしたものである。なお、デフラグについては、特開2007−102998号公報などに記載されているので、必要に応じて参照されたい。地図更新処理を実行すると、地図データ記憶部15に書き込みが行われるため、フラグメンテーション(空き領域の断片化)が発生し、地図データ記憶部15に格納されている地図データの読み出し速度の低下を招き、その結果、ナビゲーション機能の性能が劣化する場合がある。この実施の形態2に係るナビゲーションシステムは、このような事態の発生を解消するものである。
【0066】
図8は、この発明の実施の形態2に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。このナビゲーションシステムは、上述した実施の形態1に係るナビゲーションシステムにデフラグ演算部19が追加されて構成されている。
【0067】
デフラグ演算部19は、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図データ記憶部15の空き領域の断片化を解消するデフラグ演算を実行し、イグニッションスイッチ12から送られてくるイグニッション信号がONを示している場合にデフラグ演算を中断する。このデフラグ演算は、処理負荷は大きいが、消費電力は少ない。すなわち、処理負荷と消費電力の観点からは、上述したデータ生成処理と同じ性質をもつ。したがって、イグニッションスイッチ12がOFFにされているときにデフラグ演算を実行し、イグニッションスイッチ12がONにされているときにデフラグ演算を中断する制御が行われる。なお、デフラグ演算の起動は、地図更新処理が完了した後に行われる。
【0068】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るナビゲーションシステムによれば、イグニッションスイッチ12がOFFのときにデフラグ演算を実行するように構成したので、地図更新処理により発生したフラグメンテーションを解消することができ、地図更新処理を実行した場合であっても、ナビゲーション機能の性能劣化を防止することができる。
【0069】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムは、更新データを着脱可能な記憶媒体(第1更新データ記憶部11)から取得するのではなく、外部から通信によって取得するようにしたものである。
【0070】
図9は、この発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。このナビゲーションシステムは、上述した実施の形態1に係るナビゲーションシステムの第1更新データ記憶部11が、受信部20によって置き換えられて構成されている。
【0071】
受信部20は、外部から送信されてくる更新データを受信して地図更新部13に送る。この受信部20は、専用の通信機器から構成されているので、通信により更新データを取得する処理には大きい消費電力を必要とする一方、処理負荷は小さい。すなわち、処理負荷と消費電力の観点からは、上述した実施の形態1に係るナビゲーションシステムのデータ読込処理と同じ性質をもつ。したがって、実施の形態1に係るナビゲーションシステムと同様の動作が行われる。
【0072】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムによれば、実施の形態1に係るナビゲーションシステムと同様の効果を奏する。
【0073】
実施の形態4.
上述した実施の形態1〜実施の形態3に係るナビゲーションシステムでは、差分データを用いて地図更新を行う差分更新方式が採用されているが、地図更新処理が以下の性質をもつ2個の処理から構成される限り、この発明は差分更新方式に限定されない。
(a)データ読込処理
脱着可能媒体(第1更新データ記憶手段11)または受信部20から更新データを取り込み、そのまま、つまりデータの加工または編集を伴わないで第2更新データ記憶部14に転送する。
(b)データ生成処理
更新データの加工または編集処理を、第2更新データ記憶部14および地図データ記憶部15のみにアクセスすることによって実施する。
【0074】
この発明の実施の形態4に係るナビゲーションシステムは、地図データの部分更新を行う部分更新方式を採用したものである。この実施の形態4に係るナビゲーションシステムの構成は、図1に示した実施の形態1に係るナビゲーションシステムの構成と同じである。
【0075】
この実施の形態4に係るナビゲーションシステムで行われる部分更新は、例えば地図データ記憶部15に日本全土の地図データが記憶されている場合に、兵庫県に該当する部分的な地図データのみを差し替えることであり、ユーザにとって真に必要な地方の地図データのみを更新することによって、地図更新時間の短縮および地図データのライセンス費用の縮小が可能になる。なお、部分更新については、例えば、特開2003−44992号公報等に記載されているので、必要に応じて参照されたい。
【0076】
このナビゲーションシステムでは、地図をメッシュに分割し、この分割に対応するように、地図データが部分地図データに分割されているという前提のもとで、メッシュの部分を更新する。図10は、地図をエリア1〜9のメッシュに分割した例を示す図である。図10において、A、BおよびCは一本の道路を構成する要素であって、エリア4、5および6にそれぞれ属する部分道路を示す。
【0077】
以下、図10におけるエリア5の地図データのみを更新する部分更新を例に挙げて説明する。図11は、部分更新による地図更新を説明するための図である。この場合、第1更新データ記憶部11には、エリア5の新部分地図データが記憶されており、データ読込処理部21は、第1更新データ記憶部11からこの新部分地図データを取り込んで第2更新データ記憶部14に送る。
【0078】
データ生成処理部22では、旧地図データにおける、「エリア5の旧部分地図データ」を「エリア5の新部分地図データ」に差し替える処理が行われる。加えて、「エリア4の旧部分地図データ」および「エリア6の旧部分地図データ」に対して以下の編集処理が実施され、「エリア4の編集済み部分地図データ」および「エリア6の編集済み部分地図データ」が得られる。
【0079】
エリア5に属する部分道路Bは、旧地図と新地図で属性が異なる。その結果、全土の地図データ内で一意に対応させている「部分道路」を識別する識別番号について、旧地図データにおける部分道路Bの識別番号と、新地図データにおける部分道路Bの識別番号が異なる。
【0080】
一方、「エリア4の旧部分地図データ」および「エリア6の旧部分地図データ」は、部分道路Aの接続先の識別番号および部分道路Cの接続先の識別番号をそれぞれ含む。これらが新地図データにおける部分道路Bの識別番号に置き換えられる。これにより、新旧地図データが部分的に混在することによる矛盾が解消される。データ生成処理では、これらの編集処理が行われることによって、新地図データが得られる。
【0081】
以上説明したように、この発明の実施の形態4に係るナビゲーションシステムによれば、部分更新方式を採用して地図更新を行う場合であっても、実施の形態1に係るナビゲーションシステムと同様の効果を奏する。
【0082】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5に係るナビゲーションシステムは、圧縮された地図データを用いて地図データの更新を行うようにしたものである。この実施の形態5に係るナビゲーションシステムの構成は、図1に示した実施の形態1に係るナビゲーションシステムの構成と同じである。
【0083】
この実施の形態5に係るナビゲーションシステムでは、上述した差分更新方式または部分更新方式を採用した場合とは異なり、旧地図データを参照することなく、新地図データの全体を、新たに地図データ記憶部15に生成する。
【0084】
図12は、実施の形態5に係るナビゲーションシステムで行われる地図更新を説明するための図である。地図メーカは、更新データを提供するための記憶媒体(第1更新データ記憶部11)の記憶容量を節約するとともに、転送時のデータ量を削減するために、地図データを圧縮して媒体に格納し、ユーザに供給する。ただし、地図更新部13における逐次処理を可能にするため、地図データ全体をまとめて圧縮するのではなく、新地図データを複数のブロックに分割し、分割された各ブロックを圧縮して記憶媒体(第1更新データ記憶部11)に格納する。
【0085】
ナビゲーションシステムにおいは、地図更新部13は、第1更新データ記憶部11の内容を読み出して第2更新データ記憶部14に転送し、その後に、第1更新データ記憶部11の内容を作成する過程と逆の処理、すなわち、圧縮された複数のブロックから成る地図データを解凍し、解凍された複数のブロックを結合する演算を実施して、新地図データの全体を復元する。この解凍と結合する演算が「データ生成処理」に該当する。
【0086】
以上説明したように、この発明の実施の形態5に係るナビゲーションシステムによれば、圧縮された地図データを用いて地図の全体を更新する場合であっても、実施の形態1に係るナビゲーションシステムと同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで使用される更新データの一例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムの地図更新部内のデータ生成処理部の詳細な構成を、その周辺の構成要素を含めて示すブロック図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで実行される地図更新処理のうちのデータ読込処理を示すフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで実行されるデータ生成処理を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで実行されるデータ生成処理のうちのデータコピー処理を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係るナビゲーションシステムで実行されるデータ生成処理のうちのデータ編集処理を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態2に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態3に係るナビゲーションシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係るナビゲーションシステムで使用される地図のメッシュ分割の例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態4に係るナビゲーションシステムで行われる部分更新による地図更新を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態5に係るナビゲーションシステムで行われる地図更新を説明するための図である。
【符号の説明】
【0088】
11 第1更新データ記憶部、12 イグニッションスイッチ、13 地図更新部、14 第2更新データ記憶部、15 地図データ記憶部、16 自車位置検出部、17 マンマシンインタフェース、18 ナビゲーション機能演算部、19 デフラグ演算部、20 受信部、21 データ読込処理部、22 データ生成処理部、31 データコピー処理部、32 データ編集処理部、41 旧地図データ領域、42 新地図データ領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作に応じてイグニッション信号を生成するイグニッションスイッチと、
地図データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい地図データ記憶部と、
地図データを更新する更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が大きい第1更新データ記憶部と、
前記イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、前記第1更新データ記憶部から小さい処理負荷で更新データを読み込むデータ読込処理部と、
前記データ読込処理部で読み込まれた更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい第2更新データ記憶部と、
前記イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、前記地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、前記第2更新データ記憶部から読み込んだ更新データに基づき大きい処理負荷で更新して新しい地図データを生成し、前記地図データ記憶部に格納するデータ生成処理部
とを備えたナビゲーションシステム。
【請求項2】
地図データ記憶部に記憶されている地図データのデフラグメンテーションを実行するデフラグ演算部
を備えたことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
第1更新データ記憶部は、外部から更新データを受信する、アクセス時の消費電力が大きい受信部からなり、
データ読込処理部は、前記受信部から更新データを読み込む
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
第1更新データ記憶部は、地図データの一部である部分地図データを記憶し、
前記データ読込処理部は、イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、前記第1更新データ記憶部から部分地図データを読み込み、
第2更新データ記憶部は、前記データ読込処理部で読み込まれた部分地図データを記憶し、
データ生成部は、前記イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、前記第2更新データ記憶部から読み込んだ部分地図データに基づき部分的に更新することにより新しい地図データを生成し、前記地図データ記憶部に格納する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
第1更新データ記憶部は、複数のブロックに分割されて圧縮された地図データを記憶し、
前記データ読込処理部は、イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、前記第1更新データ記憶部から圧縮された地図データを読み込み、
第2更新データ記憶部は、前記データ読込処理部で読み込まれた圧縮された地図データを記憶し、
データ生成部は、前記イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、前記第2更新データ記憶部から読み込んだ圧縮された地図データを解凍することにより得られた複数のブロックを結合することにより新しい地図データを生成し、地図データ記憶部に格納する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項1】
操作に応じてイグニッション信号を生成するイグニッションスイッチと、
地図データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい地図データ記憶部と、
地図データを更新する更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が大きい第1更新データ記憶部と、
前記イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、前記第1更新データ記憶部から小さい処理負荷で更新データを読み込むデータ読込処理部と、
前記データ読込処理部で読み込まれた更新データを記憶する、アクセス時の消費電力が小さい第2更新データ記憶部と、
前記イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、前記地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、前記第2更新データ記憶部から読み込んだ更新データに基づき大きい処理負荷で更新して新しい地図データを生成し、前記地図データ記憶部に格納するデータ生成処理部
とを備えたナビゲーションシステム。
【請求項2】
地図データ記憶部に記憶されている地図データのデフラグメンテーションを実行するデフラグ演算部
を備えたことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
第1更新データ記憶部は、外部から更新データを受信する、アクセス時の消費電力が大きい受信部からなり、
データ読込処理部は、前記受信部から更新データを読み込む
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
第1更新データ記憶部は、地図データの一部である部分地図データを記憶し、
前記データ読込処理部は、イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、前記第1更新データ記憶部から部分地図データを読み込み、
第2更新データ記憶部は、前記データ読込処理部で読み込まれた部分地図データを記憶し、
データ生成部は、前記イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、前記第2更新データ記憶部から読み込んだ部分地図データに基づき部分的に更新することにより新しい地図データを生成し、前記地図データ記憶部に格納する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
第1更新データ記憶部は、複数のブロックに分割されて圧縮された地図データを記憶し、
前記データ読込処理部は、イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がONを示している場合に、前記第1更新データ記憶部から圧縮された地図データを読み込み、
第2更新データ記憶部は、前記データ読込処理部で読み込まれた圧縮された地図データを記憶し、
データ生成部は、前記イグニッションスイッチから送られてくるイグニッション信号がOFFを示している場合に、地図データ記憶部から読み込んだ地図データを、前記第2更新データ記憶部から読み込んだ圧縮された地図データを解凍することにより得られた複数のブロックを結合することにより新しい地図データを生成し、地図データ記憶部に格納する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーションシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−127899(P2010−127899A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306454(P2008−306454)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]