説明

ナビゲーションプロンプトをブロードキャストするためのシステム及び方法

電子装置(12)を用いてナビゲーションプロンプトを無線レシーバシステム(14)へブロードキャストするシステム及び方法を開示する。メッセージが無線レシーバシステムへブロードキャストされる。このメッセージには、音量レベルの増大又はオーディオソースの切替えの少なくとも一方を実行するようプログラムされた無線レシーバシステムによる応答を呼び出すためのデータが含まれている。無線レシーバシステムによる可聴再生を行うためのナビゲーションプロンプトであって指定された目的地へ進むための指示をユーザに与えるナビゲーションプロンプトもブロードキャストされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、ドライバを目的地へ向けて導くための音声プロンプトを生成するナビゲーションシステムなどのナビゲーション機器に関する。さらに詳細には、本発明は、無線データシステム(RDS)に基づいて動作するFMトランスミッタなどの送信機を用いてナビゲーション音声プロンプトをブロードキャストするためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカを通じて可聴プロンプトを出力するナビゲーションシステムが知られている。可聴プロンプトは、ドライバが指定した目的地に到着するための指示を車両のドライバに提供することを意図するものである。移動電話機のような移動通信装置のなかには、指定された目的地までの、耳に聞こえる「どこで曲がるかの」指示を生成するナビゲーション機能を含むものもある。不都合なことに、これらの装置の内蔵型スピーカによって生成されるナビゲーションプロンプトが聞え難くなることがある。騒音の多い状況ではこのプロンプトの聞え難さという問題はさらに厄介な問題となる。高騒音な状況は車両による走行中ではありふれた状況であり、(風と道路騒音などのような)速度に関連する音や、車両のオーディオシステムによって再生される音楽に起因して高騒音な状況が生じることが考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
携帯電子装置の一部として実現されるナビゲーションシステムから出されるナビゲーションプロンプトの可聴性を高めるために、ナビゲーションシステムを車両のオーディオシステムとインタフェースするシステム及び方法が必要である。これによって、車載オーディオシステムによるナビゲーションプロンプトを聞こえるように出力して、ナビゲーションプロンプトの音質及び音量の改善を図ることが可能となる。車載オーディオシステムを通じて再生される(音楽などの)オーディオコンテンツとナビゲーションプロンプトとを一体化するか、ナビゲーションプロンプトの出力中に再生をミュートするかの少なくともいずれかを行う必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの側面によれば、電子装置を用いて、無線レシーバシステムに対してナビゲーションプロンプトをブロードキャストする方法は、音量レベルを上げるかオーディオソースを切り替えるかの少なくとも一方を実行するようプログラムされた前記無線レシーバシステムによる応答を呼び出すためのデータを含むメッセージを、前記無線レシーバシステムに対してブロードキャストするステップと、前記無線レシーバシステムによる可聴再生を行うためのナビゲーションプロンプトであって指定された目的地へ進むための指示をユーザに与えるナビゲーションプロンプトをブロードキャストするステップとを有することを特徴とする。
【0005】
1つの実施形態によれば、本方法は、前記電子装置を用いて前記ナビゲーションプロンプトを生成するステップを更に有する。
【0006】
1つの実施形態によれば、本方法は、前記電子装置を用いて前記ナビゲーションプロンプトを受信するステップを更に有する。
【0007】
1つの実施形態によれば、本方法は、前記無線レシーバシステムによる可聴再生を行うためのオーディオコンテンツをブロードキャストするステップと、前記ナビゲーションプロンプトを前記オーディオコンテンツと混合するステップとを更に有する。
【0008】
本方法の1つの実施形態によれば、前記電子装置は移動電話機である。
【0009】
1つの実施形態によれば、本方法は、無線局の存在を求めて前記ナビゲーションプロンプトをブロードキャストするために用いられるブロードキャスト周波数を監視するステップと、無線局の存在が検出された場合、前記ブロードキャスト周波数を変更するようにユーザにプロンプトを発するステップとを更に有する。
【0010】
本方法の1つの実施形態によれば、前記監視は前回の監視からの経過時間に基づいて反復ベースで実行される。
【0011】
本方法の1つの実施形態によれば、前記監視は前回の監視からの走行距離に基づいて反復ベースで実行される。
【0012】
本方法の1つの実施形態によれば、前記メッセージ及び前記ナビゲーションプロンプトをブロードキャストするステップはFMトランスミッタを用いて実行される。
【0013】
本方法の1つの実施形態によれば、前記ブロードキャストは無線データシステム(RDS)に基づいて行われる。
【0014】
本方法の1つの実施形態によれば、前記メッセージはトラフィック通知フラグ又はトラフィックプログラムフラグのうちの少なくとも一方のフラグを含む。
【0015】
本発明の別の側面によれば、移動無線端末は、無線データシステム(RDS)に基づいてFMブロードキャストを生成するためのブロードキャスト・トランシーバと、音量レベルを上げるかオーディオソースを切り替えるかの少なくとも一方を実行するようプログラムされた前記無線レシーバシステムによる応答を呼び出すためのデータを含むメッセージを、無線レシーバシステムに対してブロードキャストするとともに、前記無線レシーバシステムによる可聴再生を行うためのナビゲーションプロンプトであって指定された目的地へ進むための指示をユーザに与えるナビゲーションプロンプトをブロードキャストするよう、前記ブロードキャスト・トランシーバを制御するコントローラとを備えることを特徴とする。
【0016】
前記移動無線端末の1つの実施形態によれば、前記コントローラが前記ナビゲーションプロンプトを生成する。
【0017】
前記移動無線端末の1つの実施形態によれば、前記移動無線端末は前記ナビゲーションプロンプトを外部装置から受信する。
【0018】
前記移動無線端末の1つの実施形態によれば、前記コントローラは更に、前記無線レシーバシステムによる可聴再生を行うためのオーディオコンテンツをブロードキャストするよう前記ブロードキャスト・トランシーバを制御し、前記ナビゲーションプロンプトはオーディオコンテンツと混合される。
【0019】
前記移動無線端末の1つの実施形態によれば、前記移動無線端末は、通信ネットワークを介して呼を確立するための発呼回路を備えた移動電話機である。
【0020】
前記移動無線端末の1つの実施形態によれば、前記コントローラは更に、無線局の存在を求めて前記ナビゲーションプロンプトをブロードキャストするために用いられるブロードキャスト周波数を監視するよう前記ブロードキャスト・トランシーバを制御する。
【0021】
前記移動無線端末の1つの実施形態によれば、前記監視は、前回の監視からの経過時間又は前回の監視からの走行距離に基づいて反復ベースで実行される。
【0022】
前記移動無線端末の1つの実施形態によれば、前記メッセージはトラフィック通知フラグ又はトラフィックプログラムフラグの少なくとも一方のフラグを含む。
【0023】
本発明のこれらの特徴並びにさらなる特徴は、以下の説明及び添付図面を参照することによって明らかになろう。説明及び図面においては、本発明の原理を採用できる方法のうちのいくつかの方法を示すものとして本発明の特定の実施形態が詳細に開示されているが、これに対応して本発明がこれらの実施形態に範囲を限定されるものではないことは明らかである。むしろ、本発明は特許請求の範囲に記載される主旨及び文言に含まれるすべての変更、修正及び均等物を含むものである。
【0024】
1つの実施形態に関して説明及び例示の少なくともいずれかを行った上記特徴は、1以上の他の実施形態において、もしくは、その他の実施形態の特徴とを組み合わせた形か、その他の実施形態の特徴の代わりの形かの少なくともいずれかの形で、同じ方法もしくは同様の方法で利用することが可能である。
【0025】
本明細書で使用される場合、「備える(comprises)」及び「備えている(comprising)」という用語は、言及された特徴、整数、ステップ又は構成の存在を特定するために用いられるが、これら以外の1以上の他の特徴、整数、ステップ、構成、又はこれらのグループの存在又は追加を除外するものではないことを強調しておく。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による例示のナビゲーションシステムの概略図である。
【図2】図1のシステムの一部を形成することができる例示の電子装置を表す移動電話機の概略ブロック図である。
【図3】図2の移動電話機を用いてナビゲーションプロンプトをブロードキャストする例示の方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明するが、図面中、同一の参照番号は同じ要素を指すものとする。理解されるように、これらの図は必ずしも縮尺どおりではない。
【0028】
交換可能な用語である「電子機器(electronic equipment)」と「電子装置(electronic device)」という用語には携帯用無線通信機器が含まれるものとする。「携帯用無線通信機器」という用語は、本明細書では以後「移動無線端末」と呼ぶことにするが、この用語には、移動電話機、ページャ、コミュニケータ、電子手帳、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、スマートフォン、携帯用通信装置などのようなすべての機器が含まれるものとする。
【0029】
ここでは、主として移動電話機に関連して本発明について説明する。ただし、本発明が移動電話機という文脈に限定されることを意図するものではないこと、及び、本発明が任意の種類の好適な電子機器に関するものであってもよいことは理解できよう。このことを示す例には、ナビゲーション専用の補助装置、メディアプレーヤ、ゲーム用装置及びコンピュータが含まれている。
【0030】
最初に図1を参照すると、可聴ナビゲーションプロンプトを電子装置のユーザへ提供する例示のシステム10が示されている。システム10は移動電話機12として例示の実施形態において描かれている電子装置を含んでもよい。以下説明するように、移動電話機12は、互換性を有するレシーバで受信されるデータをブロードキャストするように構成することができる。1つの実施形態では、移動電話機12は周波数変調(FM)信号をブロードキャストし、レシーバは(車両無線などの)車両用オーディオシステムの一部である。このような無線レシーバシステム14は典型的には、FM放送を受信するための少なくともチューナと、受信された放送に対応して聴覚的に音を出力するための1以上のスピーカとを含むことになる。無線レシーバシステム14はまた、(コンパクトディスク(CD)プレーヤ、テープ再生装置、MP3プレーヤなどの)代替のオーディオソース、(無線データシステム(RDS)コントローラなどの)適切な制御回路、アンテナ、デコーダ、増幅器、等々を含んでもよい。図示した無線レシーバシステムの送信装置用の移動電話機は例示を目的とするものである。別のタイプの装置は、同様にシステム10において動作するように構成することができ、かつ、移動電話機と無線レシーバシステムのうちの少なくともいずれかを交換することができる。
【0031】
移動電話機12は通信システム16の一部として動作するように構成してもよい。システム16は、移動電話機12によって送信され、かつ、移動電話機12へ向けて送られる呼を管理すると共に、データを移動電話機12へ送信し、さらに、他の任意のサポート機能も実行するためのサーバ20(又は複数のサーバ)を有する通信ネットワーク18を含んでもよい。サーバ20を含むネットワークコンポーネントは送信媒体を介して移動電話機12と通信を行うことができる。送信媒体は、例えば、(セルタワーなどの)通信タワー、他の移動電話機、無線アクセスポイント、衛星などを含む任意の適切な装置又はアセンブリであってもよい。ネットワークの一部は無線伝送路を含んでもよい。ネットワーク18は複数の移動電話機の通信動作をサポートすることができる。通信ネットワーク18はサービスプロバイダによって管理され、運用されることができる。ネットワーク18は、符号分割多元接続(CDMA)又は移動通信用グローバルシステム(GSM)などのプロトコルの下で移動通信装置とインタフェースを行う典型的な移動電話機をサポートするネットワークであってもよいこと、あるいは、IEEE規格IEEE802.11の下で作動するWiFiネットワーク又はIEEE802.16の下で作動するWiMAXネットワークのような何らかの別のタイプのネットワークであってもよいことは理解できよう。
【0032】
さらに図2を参照すると、移動電話機12の概略ブロック図が例示されている。移動電話機12は、指定された場所へユーザを向かわせるためのナビゲーションプロンプトを生成するように構成されたナビゲーション機能22を含む。これらのプロンプトを生成するステップは移動電話機12の位置を追跡し、次いで、移動電話機12の現在の所在位置から目的地までのルートを特定するステップを含むことができる。これらの機能は、ナビゲーション機能22の中に含まれるか、リモートサーバによって実行されるかの少なくともいずれかを行うことが可能であるが、GPS支援によるナビゲーション技術では上記機能は比較的公知の機能であるため本明細書では詳細には説明しない。ナビゲーション機能22の追加の詳細及び動作について以下さらに詳述することにする。ナビゲーション機能22は、移動電話機12の中に常駐し、かつ、移動電話機12によって実行される実行可能コードとして具現化することができる。1つの実施形態では、ナビゲーション機能22はコンピュータ又は機械可読媒体に記憶されたプログラムであってもよい。ナビゲーション機能22は、スタンドアロン型ソフトウェアアプリケーションであってもよいし、移動電話機12に関係する追加タスクを実行するソフトウェアアプリケーションの一部を形成するものであってもよい。
【0033】
移動電話機12はディスプレイ24を含んでもよい。ディスプレイ24は、動作状態、時刻、電話番号、連絡先情報、各種ナビゲーション用メニューなどのような情報をユーザに対して表示し、これらの情報によってユーザは移動電話機12の種々の特徴を利用することが可能になる。ディスプレイ24は、移動電話機12によって受信されるか、メモリ26から抽出されるかの少なくともいずれかの方法によって得られたコンテンツを視覚的に表示するために用いることができる。ディスプレイ24は、テキスト、画像、ビデオ、並びに、写真、移動体用テレビコンテンツ及びゲームに関連づけられたビデオのようなその他の画像をユーザへ提示するために用いることができる。
【0034】
キーパッド28は種々のユーザ入力操作を与えるものである。例えば、キーパッド28には、典型的には、電話番号、電話リスト、連絡先情報、メモ、テキストなどのような英数字情報を入力するための英数字キーが含まれる。さらに、キーパッド28には、典型的には呼を起動するか、呼に応答するための「呼送信」キー、並びに、呼を終了するか、「呼を停止」するための「呼終了」キーのような特別のファンクションキーが含まれる。特別なファンクションキーとして、ディスプレイ24に表示されるメニューを通じてナビゲートするステップを容易にするためのメニューナビゲーションキー及び選択キーを含んでもよい。特別なファンクションキーとして、再生の開始、停止、及び中断と、トラックのスキップ又は反復などを行うためのオーディオビジュアルコンテンツ再生キーを含んでもよい。移動電話機と関連づけられた他のキーとして、音量キー、音声ミュートキー、電源オン/オフキー、ウェブブラウザ開始キー、カメラ・キーなどを含むものであってもよい。キー又はキー様の機能はディスプレイ24に関連づけられたタッチスクリーンとして具現化することも可能である。また、ソフトキー機能を実現するために互いに組み合わされたディスプレイ24とキーパッド28とを用いてもよい。
【0035】
移動電話機12には、移動電話機12が被呼/発呼装置(典型的には別の移動電話機又は陸線電話)と呼信号及び交換信号の少なくともいずれかの信号の確立を可能にする発呼回路が含まれる。しかし、被呼/発呼装置は、別の電話機である必要はなく、インターネットウェブサーバ、コンテンツ提供サーバなどのような別の何らかの装置であってもよい。呼は任意の好適な形をとることが可能である。例えば、呼は、セルラ回線交換ネットワークを介して確立される従来方式の呼であってもよいし、あるいは、セルラネットワークのパケット交換機能を介して、又は、WiFi、WiMAX、などのような別のパケット交換ネットワークを介して確立されるボイス・オーバ・インターネットプロトコル(VoIP)コールであってもよい。別の例には、セルラネットワーク又は代替ネットワークを介して確立されるビデオイネーブルドコール(video enabled call)が含まれる。
【0036】
移動電話機12は、(例えば、シンプルメッセージサービスを表し、テキストメッセージを処理するための共通規格である「SMS」と呼ばれることも多い)テキストメッセージ、電子メールメッセージ、(マルチメディアメッセージサービスを表し、マルチメディアメッセージを処理するための共通規格である「MMS」と呼ばれることも多い)マルチメディアメッセージ、インスタント・メッセージ、画像ファイル、ビデオファイル、音声ファイル、着信音、ストリーミングオーディオ、ストリーミングビデオ、(ポッドキャストを含む)データフィードのようなデータの送信と、受信と、処理とのうちの少なくともいずれかを行うように構成することができる。このようなデータの処理は、データをメモリ26に格納するステップと、このデータとのユーザインタラクションを可能にするためのアプリケーションを実行するステップと、テキストと、ビデオと、データに関連づけられた画像コンテンツとのうちの少なくともいずれかを表示するステップと、データに関連づけられたオーディオサウンドを出力するステップなどを含んでもよい。
【0037】
移動電話機12は、移動電話機12の機能及び動作の制御全体を実行するように構成された主制御回路30を含む。制御回路30はCPU、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサのような処理装置32を含んでもよい。処理装置32は、メモリ26のような制御回路30の内部にあるメモリ(図示せず)と独立のメモリの少なくともいずれかのメモリの中に記憶されているコードを実行して、移動電話機12の動作の実行を目的とする装置である。メモリ26は、例えば、1以上のバッファ、フラッシュメモリ、ハードドライブ、取り外し可能媒体、揮発性メモリ、不揮発性メモリ又は他の好適な装置であってもよい。
【0038】
さらに、処理装置32はナビゲーション機能22を実現するコードを実行することができる。ナビゲーション機能22に関連づけられた論理機能を動作させるために移動電話機12をプログラムする方法は、コンピュータプログラミング、及び、特に、移動電話機用又は他の電子装置用のアプリケーションプログラミングの当業者には明らかなことである。したがって、具体的なプログラミングコードに関する詳細については簡潔さを旨として省略した。また、本発明の好適な実施形態に基づいて処理装置32によってナビゲーション機能22が実行される一方で、専用のハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせを介して、本発明の範囲から逸脱することなく上記のような機能を実行することも可能である。
【0039】
続けて図2を参照すると、移動電話機12は無線回路36と結合されたアンテナ34を含む。無線回路36には、アンテナ34を介して信号を送受信するための無線周波数送受信器が含まれる。無線回路36は、(システム16などの)移動通信システムにおいて動作するように構成することができると共に、データとオーディオビジュアルコンテンツとのうちの少なくともいずれかの送受信を行うために用いることができる。移動無線ネットワークとブロードキャストネットワークの少なくともいずれかのネットワークとインタラクションを行うためのレシーバタイプには、例えば、GSM、CDMA、WCDMA、GPRS、WiFi、WiMAX、DVB−H、ISDB−Tなどのみならずこれらの規格の上位バージョンなども含まれる。
【0040】
移動電話機12には、無線回路36により送信され/無線回路36から受信されるオーディオ信号の処理を行う音声信号処理回路38もさらに含まれる。一般に行われているように、移動電話機12を介してユーザが聴いたり、話したりすることができるように、スピーカ40及びマイク42が音声信号処理回路38と結合される。無線回路36及び音声信号処理回路38は処理全体を実行する制御回路30と個別に結合されている。ユーザに対して再生を行うために、制御回路30から音声信号処理回路38へ音声データを渡すことができる。音声データは、例えば、メモリ26によって記憶されていて、制御回路30により抽出されたオーディオファイルから得られる音声データ、あるいは、移動無線サービスから得られるストリーミング音声データの形などで受信される音声データを含むものであってもよい。音声信号処理回路38は任意の適当なバッファ、デコーダ、増幅器などを含むものであってもよい。
【0041】
ディスプレイ24は、ディスプレイ24を駆動するために用いられるビデオ信号にビデオデータを変換することによって、映像処理回路44により制御回路30と結合されたものであってもよい。映像処理回路44は、任意の適当なバッファ、デコーダ、ビデオデータプロセッサなどを含むものであってもよい。ビデオデータは、制御回路30によって生成されるか、メモリ26内に記憶されているビデオファイルから抽出されるか、無線回路36によって受信される着信ビデオデータストリームから導き出されるか、あるいは他の任意の好適な方法によって取得することができる。
【0042】
移動電話機12は1以上のI/Oインタフェース46をさらに含むものであってもよい。I/Oインタフェース46は一般的な移動電話機用I/Oインタフェースの形のものであってもよく、1以上の電気コネクタを含むものであってもよい。一般に行われているように、I/Oインタフェース46を用いて移動電話機12をバッテリ充電器と結合して移動電話機12内の電力供給装置(PSU)48のバッテリ充電を行うことができる。さらに、あるいは、代替例において、I/Oインタフェース46は、移動電話機12との有線インタフェースを有する移動電話機12を(個人用ハンズフリー(PHF)装置などのヘッドセットアセンブリと接続する役割を果たすことができる。さらに、I/Oインタフェース46は、データの交換を行うためにパーソナルコンピュータ又は他の装置と接続する移動電話機12をデータケーブルを介して接続する役割を果たすようにすることも可能である。移動電話機12は、車両用電源アダプタ又は電気コンセントの電源アダプタに接続されているとき、I/Oインタフェース46を介して動作電力を受け取るようにしてもよい。
【0043】
移動電話機12はまた、時間計測機能を実行するためのタイマ50を含むことができる。このような諸機能は通話時間の計測機能、あるいは、タイムスタンプと日付スタンプのコンテンツなどを生成する機能を含むことができる。
【0044】
移動電話機12は、デジタル画像と動画の少なくともいずれかを撮影するためのカメラ52を含んでもよい。画像と動画の少なくともいずれかに対応する画像ファイルとビデオファイルの少なくともいずれかのファイルをメモリ26に記憶することができる。
【0045】
移動電話機12は、全地球測位システム(GPS)レシーバ、ガリレオ衛星システムレシーバなどのような位置データ受信装置54を含むものであってもよい。ナビゲーション機能22は、位置データ受信装置54とインタラクションを行って、指定された目的地へユーザを向かわせるためのナビゲーションプロンプトを生成するようにすることができる。別の実施形態では、位置データ受信装置54は有線又は無線インタフェースを用いて移動電話機10とインタフェースを行う別個のアクセサリであってもよい。例えば、移動電話機12は、アクセサリ、コンピュータ又は他の装置との通信を確立するための赤外線トランシーバと、(ブルートゥースインタフェースなどの)RFアダプタとの少なくともいずれかのようなローカルな無線インタフェース56を含むものであってもよい。例えば、ヘッドセットアセンブリが対応する無線インタフェースを有しているある実施形態では、ローカルな無線インタフェース56は、移動電話機12を(PHF装置などの)ヘッドセットアセンブリと動作的に結合してもよい。
【0046】
移動電話機12はブロードキャスト・トランシーバ58も含んでいる。ブロードキャスト・トランシーバ58は、トランシーバ58の放送周波数に同調される互換性を有する装置によって受信できるFM放送又は他の任意の適当な放送あるいは信号送信を生成する能力を備えることが可能である。トランスミッタの送信範囲内に位置するレシーバによって受信される音楽、音声又はその他のコンテンツを放送するためにトランシーバ58を用いることができる。移動電話機12のような装置内に含まれている装置用の最新のトランスミッタは、一般に約20乃至30メートルのブロードキャスト範囲を有し、承認されたブロードキャスト規格の下で動作する。このような1つの規格として、ヨーロッパ放送連合から得られる無線データシステム(RDS)がある。RDSは、従来方式のFM無線放送を用いてデジタル情報を送信するための規格である。RDSは、データ送信フォーマットと、タイムデータ及び局識別番号の送信とを標準化したものである。米国における同様のシステムは、無線ブロードキャストデータシステム(RDBS)である。RDBSはRDSの場合と非常に類似しているため、これは(RDBSではなく)RDSと呼ばれる場合が多い。したがって、本明細書で用いられているように、RDSという用語はヨーロッパ規格、US規格及び無線ブロードキャストへの他の同様のアプローチも含むものとして意図されている。
【0047】
移動電話機12の場合、ブロードキャスト・トランシーバ58は信号を送信するための少なくともトランスミッタを含むと共に、別の装置により送信された信号を受信するためのレシーバも含みうる。例示の実施形態では、ブロードキャスト・トランシーバ58は移動電話機12の不可欠な一部である。別の実施形態では、ブロードキャスト・トランシーバ58はI/Oインタフェース46を介して行われるような、移動電話機12と作動してインタフェースを行うアクセサリであってもよい。別の実施形態では、ブロードキャスト・トランシーバ58は無線回路36と組み合わされたものであってもよい。
【0048】
さらに図3を参照すると、受信装置による可聴再生を行うためにナビゲーションプロンプトをブロードキャストする例示の方法を実装するための論理処理が例示されている。この例示の方法は移動電話機12を用いてナビゲーション機能22を実行する実施形態を実施することができる。したがって、図3のフローチャートは、移動電話機12によって実行される方法を描くステップと考えることができる。図3は機能論理ブロックを実行するある特定の順序を示すものではあるが、ブロックのこの順序は図示の順序に対応して変更することも可能である。また、連続して示される2以上のブロックは同時に又は部分一致によって実行することができる。或る種のブロックは省くことも可能である。さらに、強化されたユーティリティ、課金、パフォーマンス、測定、トラブル・シューティング等を目的として、任意の数の機能、論理処理、コマンド、状態変数、セマフォ、又はメッセージを論理フローに追加することが可能である。すべてのこのような変更例は本発明の範囲内に属するものと理解されたい。
【0049】
例示の実施形態のブロードキャストはRDS規格の下で行われるFM放送のような無線放送である。ある特定の単複の電子装置にアドレス指定されていない別のタイプのブロードキャストも可能であり、ブロードキャストという用語の本願による使用の範囲に含まれる。例えば、振幅変調(AM)無線放送と、超短波(VHF)放送と、極超短波(UHF)放送とのうちの少なくともいずれかを用いることもできる。ブロードキャストの一部として送信されるコンテンツは、任意のタイプのオーディオビジュアルコンテンツを含むことができる。「オーディオビジュアルコンテンツ」という用語は、任意のタイプのオーディオベースの発明主題とビデオベースの発明主題とのうちの少なくともいずれかの発明主題を概括的に意味する用語であると共に、例えば(英数キャラクタセットなどの)テキスト、画像、音楽、オーディオ、音声、ビデオ、並びにこれらのコンテンツタイプの組み合わせを含むことができる。
【0050】
ナビゲーション機能22のための論理フローは、移動電話機12がナビゲーションモードに入るブロック60から開始することができる。例えば、ユーザは、グラフィックユーザインタフェースの一部として提供されるメニュー選択を通じてナビゲーションを行った結果としてナビゲーションモードを選択することが可能となる。
【0051】
ナビゲーションモードに入るとすぐに、ユーザは自分の向かいたい希望の目的地を指定することができる。所定の技術を用いて、ナビゲーション機能22は、指定された目的地へユーザを向かわせるためのナビゲーションプロンプトを決定する。理解されるように、ナビゲーションプロンプトは、典型的には、「左折してください。」とか、「右折してください。」というような音声ベースの方向を示すキューである。他のプロンプトは特定の距離を運転するようにユーザに指示を与えることができる。プロンプトはランドマークや道路の少なくともいずれかの名称を含むものであってもよい(例:「右折してメインストリートに入ってください。」)。例えば、テキストを音声に変換して英数キャラクタを「発音する」シンセサイザを用いることによってプロンプトを生成することができる。ナビゲーションプロンプト用として通常用いられる一般的な用語は人間の話し手によって予め録音されて、オーディオクリップのデータベースに記憶させておき、ナビゲーションプロンプトの一部として使用することができる。
【0052】
ブロック62において、ナビゲーションプロンプトをユーザへ告知するための適当な時点であるかどうかに関する判定を行う。この判定は、移動電話機12の所在位置を追跡し、かつ、指定された目的地へユーザを向かわせるナビゲーションプロンプトを生成するための種々の公知技術に基づいて行うことができる。ブロック62において肯定の判定が行われれば、論理フローはブロック64へ進むことができる。
【0053】
ブロック64において、移動電話機12が無線レシーバシステム14用のオーディオコンテンツのソースとして用いられているかどうかを判定する。例えば、移動電話機12は、無線レシーバシステム14が同調される周波数を介して、ブロードキャスト・トランシーバ58を用いて信号をブロードキャストするために用いることができる。信号は、移動電話機12のメモリ26によって記憶されているオーディオファイルから得られた音声データを含むものであってもよい。このようにして、MP3フォーマット又は他の好適なファイル形式で記憶されている曲を、移動電話機12を用いて「再生」すると共に、無線レシーバシステム14に関連づけられたスピーカによって聴覚的に出力されることが可能となる。上記とは別に、ブロードキャスト・トランシーバ58によってブロードキャストされる信号は移動電話機12によって受信されたデータストリームから導き出される音声データを含んでもよい。例えば、(RSS(Really Simple Syndication)フィード又はポッドキャストなどの)データフィードから導き出されるオーディオコンテンツ、ウェブサイト、デジタル移動無線ソース又は他のソースを(無線回路36などによって)移動電話機12により受信すると共に、無線レシーバシステム14に関連づけられたスピーカによって可聴出力用として、ブロードキャスト・トランシーバ58を用いて無線レシーバシステム14へ再ブロードキャストすることが可能である。
【0054】
ブロック64において肯定の判定が行われた場合、論理フローはブロック66へ進み、このブロックにおいてナビゲーション機能22はブロードキャスト・トランシーバ58を制御して、無線レシーバシステム14へRDSメッセージのブロードキャストを行う。1つの実施形態では、メッセージはトラフィック通知(TA)フラグを中に含む。追加の又は代替のメッセージと、トラフィックプログラム(TP)フラグのようなフラグとの少なくともいずれかを用いてもよい。TAフラグとTPフラグの少なくともいずれかのフラグが受信されると、ほとんどのRDS互換無線機が指定されたアクションを実行するようにプログラムされる。プログラムされたアクションは、ブロードキャストソースからの次のオーディオコンテンツの再生用として音量を上げるステップを含む傾向がある。また、無線機の音量がミュートされた場合、(無線機の「ミュート解除」などの)プログラムされたアクションは、ブロードキャストソースから次のオーディオコンテンツを再生するために音量を設定するステップを含む傾向がある。(CDなどの)非ブロードキャストソースからのコンテンツを再生するために無線レシーバシステム14を用いる場合、プログラムされたアクションは非ブロードキャストソースを停止するか、中断するステップと共に、ユーザ指定の無線周波数への切り替えを行い、それによってブロードキャストソースからのオーディオコンテンツをユーザに対して再生できるようにするステップを含む傾向がある。したがって、ブロック66におけるメッセージのブロードキャストは、無線レシーバシステム14が音量の増加とオーディオソースの切り替えの少なくともいずれかを行うことによってナビゲーションプロンプトに対する準備を行うことができる。
【0055】
その後、ブロック68において、ナビゲーションプロンプトが、無線レシーバシステム14へのブロードキャストを行っているオーディオコンテンツと混合され、その混合されたオーディオ信号がブロードキャスト・トランシーバ58によってブロードキャストされる。1つの実施形態では、ナビゲーションプロンプトの相対的音量レベル及びオーディオコンテンツの制御を行うことが可能である。例えば、ナビゲーションプロンプトの音量の方をオーディオコンテンツの音量よりも大きくすることが可能であり、それによって混合信号が無線レシーバにより受信され、次いで、対応するオーディオが出力されると、ナビゲーションプロンプトの方がオーディオコンテンツよりも顕著に聞こえることになる。別の実施形態では、オーディオコンテンツは、ナビゲーションプロンプトの送信中に中断することができるか、あるいは、ナビゲーションプロンプトに対して耳に聞こえないレベルまで相対的にオーディオコンテンツの音量を下げることができる。ナビゲーションプロンプトのブロードキャストに後続して、論理ブロック68の前に存在している(音量設定値などの)パラメータの下でのオーディオコンテンツの再生を回復することができる。また、他のRDSメッセージを無線レシーバシステム14へブロードキャストすることが可能であり、それによって、論理ブロック66の復旧ができるようになる前に、無線レシーバシステム14の(音量とオーディオソースの少なくともいずれかなどの)パラメータの提示ができるようにする。
【0056】
ブロック64において否定の判定が行われた場合、論理フローはブロック70へ進む。ブロック70では、ナビゲーション機能22は、TAフラグとTPフラグの少なくともいずれかのフラグを有するRDSメッセージを無線レシーバシステム14へブロードキャストするようブロードキャスト・トランシーバ58を制御する。ブロック66のメッセージの場合と同様に、ブロック70のメッセージは、無線レシーバシステム14が音量の増加とオーディオソースの切り替えの少なくともいずれかを行うことによってナビゲーションプロンプトに対する準備を行うことができる。その後、ブロック72において、無線レシーバシステム14による受信と可聴出力とを行うためのナビゲーションプロンプトをブロードキャスト・トランシーバ58によりブロードキャストする。ナビゲーションプロンプトのブロードキャストに続いて、他のRDSメッセージを無線レシーバシステム14へブロードキャストすることが可能となり、それによって、論理ブロック66の復旧ができるようになる前に、(音量とオーディオソースの少なくともいずれかなどの)無線レシーバシステム14のパラメータを提示できるようになる。
【0057】
上記の論理フローは3回の処理シナリオで処理を行い、それによって、シナリオの各々においてナビゲーションプロンプトがユーザの耳に聞こえるようにするものである。このシナリオには無線レシーバシステム14のミュート状態が含まれる。このシナリオでは、上記TAメッセージは、ナビゲーションプロンプトの再生を行うために無線レシーバシステム14の「ミュート解除」を行う傾向がある。別のシナリオとして、ユーザが、移動電話機12から無線レシーバシステム14へブロードキャストされるオーディオコンテンツを聴いている場合がある(例えば、移動電話機12がメディア・プレーヤとして用いられたり、あるいは、逆にFM放送によってコンテンツを無線レシーバシステム14へ提供するレシーバとして移動電話機12が用いられたりする場合など)。このシナリオでは、ナビゲーションプロンプトはオーディオコンテンツと混合されたり、オーディオコンテンツの代わりに再生されうる。別のシナリオとして、ユーザが、無線レシーバシステム14によってCD又は他のオーディオソースを聴いている場合がある。このシナリオでは、上記TAメッセージは、ナビゲーションプロンプトの再生を行うために無線レシーバシステム14のオーディオソースを変更する傾向がある。
【0058】
当業者には理解されるように、無線レシーバシステム14の同調周波数とブロードキャスト・トランシーバ58のブロードキャスト周波数との調整を行うことが望ましい。さらに、この周波数は他のブロードキャスト、特に無線局のブロードキャストを含まないことが望ましい。これらの望ましい作動条件を考慮して、方法はブロードキャスト・トランシーバ58のブロードキャスト用として構成された周波数を監視するステップを含むようにすることができる。1つの実施形態では、ブロック68と72に後続して、かつ、ブロック62における否定の判定に従って、論理フローはブロック74へ進む。ブロック74では、ブロードキャスト周波数のチェックを行う時点であるかどうかの判定を行う。例えば、ナビゲーション機能22は、(5分毎又は10分毎などの)最後のチェックからの経過時間に基づくか、(5マイル毎又は5キロメートル毎などの)最後のチェックからの走行距離に基づくかの少なくともいずれかに基づいてブロードキャスト周波数のチェックを行うように構成することができる。ブロック74において否定の判定が行われた場合、論理フローはブロック62へ戻る。
【0059】
ブロック74において肯定の判定が行われた場合、論理フローはブロック76へ進む。ブロック76において、ブロードキャスト周波数の監視が可能となる。例えば、ブロードキャスト・トランシーバは受信モードに入り、必要な場合に入力信号の強度を検出するために信号強度監視を用いることができる。着信信号の強度が所定のしきい値以上であれば、そのブロードキャスト周波数で無線局又は他のブロードキャストソースが存在していると判断することができる。着信信号の強度が所定のしきい値未満であれば、そのブロードキャスト周波数では無線局又は他のブロードキャストソースが存在していないこと、並びに、そのブロードキャスト周波数がナビゲーションプロンプトとオーディオコンテンツの少なくともいずれかの継続される送信用としてクリアされているか、未使用であると判断することができる。ブロードキャスト周波数が未使用であるとブロック78において判定された場合には、論理フローはブロック62へ戻る。ブロードキャスト周波数が未使用でないことがブロック78において判定された場合には、論理フローはブロック80へ進む。
【0060】
ブロック80では、移動電話機12はブロードキャスト周波数を変更するためにユーザに対してプロンプトを発する。プロンプトは、ブロードキャスト・トランシーバ58から無線レシーバシステム14へブロードキャストされる可聴プロンプトと、無線レシーバシステム14による表示と可聴出力の少なくともいずれかを行うためのRDSメッセージと、移動電話機12によって表示される目に見えるプロンプトとのうちの少なくともいずれかであってもよい。ブロック80に続いて、論理フローはブロック62へ戻る。1つの実施形態では、ユーザアクションがブロードキャスト周波数を変更しなければ、論理フローはブロードキャスト周波数を自動的に変更することができる。あるいは、ブロードキャスト周波数を変更するユーザアクションがとられなければ、論理フローは終了することができる。
【0061】
方法とナビゲーション機能22の少なくともいずれかは、代替の装置と、移動電話機12と無線レシーバシステム14間のインタフェースとの少なくともいずれか一方に適合させることが可能である。例えば、移動電話機12は、(オーディオケーブル又はUSBケーブルなどの)ケーブル又はドッッキングコネクタのような物理接続を用いて車載オーディオシステムと結合させることができる。データと音声信号の少なくともいずれかを車載オーディオシステムへ出力して、上述のTAメッセージが用いられる方法と同様の方法で、ナビゲーションプロンプトの可聴出力を行うための車載オーディオシステムを作成することが可能となる。別の配置構成では、ブルートゥース、WiFi又はWiMAXインタフェースによって行われるように、移動電話機12を無線で車載オーディオシステムと結合することも可能である。この配置構成では、データと音声信号の少なくともいずれかを車載オーディオシステムへ出力して、上述のTAメッセージが用いられる方法と同様の方法で、上記ナビゲーションプロンプトの可聴出力を行うための車載オーディオシステムを作成することが可能である。別の変更例として、専用のナビゲーション装置、あるいは、ナビゲーション機能22を含む(メディア・プレーヤ、PDA又はコンピュータなどの)別の何らかの装置によって移動電話機12を置き換えることも可能である。さらに別の変更例では、移動電話機12は、(サーバ、若しくは、移動電話機12の有線又は無線のインタフェースを介して移動電話機12とインタフェースを行う専用のナビゲーション装置などの)別の装置からナビゲーションプロンプトを受信することが可能である。この実施形態では、ナビゲーション機能22は、外部装置によって生成されるナビゲーションプロンプトを上述のように無線レシーバシステム14へリレーする役割を果たすものとなる。
【0062】
或る好ましい実施形態に関連して本発明について図示し説明したが、本明細書を読み理解すれば、当業者においては均等物や変更が想起されるであろう。本発明は、すべてのこのような均等物並びに変更を含むものであり、さらに、請求項の範囲によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置(12)を用いて、無線レシーバシステム(14)に対してナビゲーションプロンプトをブロードキャストする方法であって、
音量レベルを上げるかオーディオソースを切り替えるかの少なくとも一方を実行するようプログラムされた前記無線レシーバシステムによる応答を呼び出すためのデータを含むメッセージを、前記無線レシーバシステムに対してブロードキャストするステップと、
前記無線レシーバシステムによる可聴再生を行うためのナビゲーションプロンプトであって指定された目的地へ進むための指示をユーザに与えるナビゲーションプロンプトをブロードキャストするステップと、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記電子装置を用いて前記ナビゲーションプロンプトを生成するステップを更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電子装置を用いて前記ナビゲーションプロンプトを受信するステップを更に有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記無線レシーバシステムによる可聴再生を行うためのオーディオコンテンツをブロードキャストするステップと、
前記ナビゲーションプロンプトを前記オーディオコンテンツと混合するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記電子装置は移動電話機であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
無線局の存在を求めて前記ナビゲーションプロンプトをブロードキャストするために用いられるブロードキャスト周波数を監視するステップと、
無線局の存在が検出された場合、前記ブロードキャスト周波数を変更するようにユーザにプロンプトを発するステップと、
を更に有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記メッセージ及び前記ナビゲーションプロンプトをブロードキャストするステップはFMトランスミッタを用いて実行されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ブロードキャストは無線データシステム(RDS)に基づいて行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記メッセージはトラフィック通知フラグ又はトラフィックプログラムフラグのうちの少なくとも一方のフラグを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
無線データシステム(RDS)に基づいてFMブロードキャストを生成するためのブロードキャスト・トランシーバ(58)と、
音量レベルを上げるかオーディオソースを切り替えるかの少なくとも一方を実行するようプログラムされた前記無線レシーバシステムによる応答を呼び出すためのデータを含むメッセージを、無線レシーバシステム(14)に対してブロードキャストするとともに、前記無線レシーバシステムによる可聴再生を行うためのナビゲーションプロンプトであって指定された目的地へ進むための指示をユーザに与えるナビゲーションプロンプトをブロードキャストするよう、前記ブロードキャスト・トランシーバを制御するコントローラ(30)と、
を備えることを特徴とする移動無線端末(12)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−518388(P2010−518388A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548756(P2009−548756)
【出願日】平成19年7月30日(2007.7.30)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002183
【国際公開番号】WO2008/099231
【国際公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502087507)ソニー エリクソン モバイル コミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】