ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体
【課題】旅行区間におけるエネルギー消費量を正確に推定し、かつ、車両の走行可能な範囲を正確に推定すること。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、所定の誘導地点ごとに誘導方向を示した複数の誘導標識を、現在地点から近い順に手前側に配置した誘導画像を用いて、目的地までの経路を誘導する。このナビゲーション装置100は、設定部101と、抽出部102と、算出部103と、表示制御部104とを備える。設定部101は、現在地点からの第1の所定距離を予め設定する。抽出部102は、経路上の所定の誘導地点を抽出する。算出部103は、現在地点から、抽出部102によって抽出された所定の誘導地点までの距離を算出する。表示制御部104は、算出部103によって算出された所定の誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせる。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、所定の誘導地点ごとに誘導方向を示した複数の誘導標識を、現在地点から近い順に手前側に配置した誘導画像を用いて、目的地までの経路を誘導する。このナビゲーション装置100は、設定部101と、抽出部102と、算出部103と、表示制御部104とを備える。設定部101は、現在地点からの第1の所定距離を予め設定する。抽出部102は、経路上の所定の誘導地点を抽出する。算出部103は、現在地点から、抽出部102によって抽出された所定の誘導地点までの距離を算出する。表示制御部104は、算出部103によって算出された所定の誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体には、目的地までの経路を探索して誘導するナビゲーション装置が搭載されている。このようなナビゲーション装置では、高速道路などを走行する際に、通常の地図表示に加えてジャンクションやサービスエリア、インターチェンジなどの誘導地点までの距離や時間のほか、各誘導地点間の距離や時間などを表示するようにしたものが知られている。
【0003】
このような技術としては、具体的には、たとえば、誘導地点ごとに誘導方向を示した複数のウィンドウを、自車位置から近い順に下方から上方へ配列し、自車位置に近い順にウィンドウを大きく表示させるようにした技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3948299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、通過する順番にどの誘導がおこなわれるかということしか表示されず、次の誘導ポイントまでにどの程度近づいているのかという距離感がひと目でわからないといった問題が一例として挙げられる。特に、二輪車に搭載されるナビゲーション装置の場合には、利用者が頻繁に表示画面を眺めることができないため、距離感が不明であると、利用者は瞬時に情報を把握することができず、場合によっては誘導経路から逸脱してしまうおそれがあるといった問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるナビゲーション装置は、所定の誘導地点ごとに誘導情報を表示して、目的地までの経路を誘導するナビゲーション装置であって、前記経路上の所定の誘導地点を抽出する抽出手段と、現在地点から、前記所定の誘導地点までの距離を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記所定の誘導地点までの距離が所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導情報の表示形態を、それまでに表示されていた表示形態と異ならせる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載のナビゲーション方法は、所定の誘導地点ごとに誘導情報を表示して、目的地までの経路を誘導するナビゲーション方法であって、前記経路上の所定の誘導地点を抽出する抽出工程と、現在地点から、前記所定の誘導地点までの距離を算出する算出工程と、前記算出工程によって算出された前記所定の誘導地点までの距離が所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導情報の表示形態を、それまでに表示されていた表示形態と異ならせる表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載のナビゲーションプログラムは、請求項3に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5の発明にかかる記録媒体は、請求項4に記載のナビゲーションプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかるナビゲーション装置のナビゲーション処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなうナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】直近誘導地点が現在位置から701m以上に位置している場合に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図6】直近誘導地点が現在位置から700m以内に位置した際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図7】直近誘導地点が現在位置から300m以内に位置した際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図8】直近誘導標識が選択された場合に表示される詳細地図画面の一例を示す説明図である。
【図9】時刻を付加した誘導画像の一例を示す説明図である。
【図10】各誘導標識間の信号機の数を付加した誘導画像の一例を示す説明図である。
【図11】直近誘導標識が示す方向の側に他の誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図12】直近誘導標識が示す方向の側に他の誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図13】各誘導標識が示す方向に対応して各誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図14】各誘導標識が示す方向に対応して各誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図15】表示される全ての誘導標識を経路と見立てた場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図16】表示される全ての誘導標識を経路と見立てた場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図17】直進方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図18】直進方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図19】左折方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図20】左折方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図21】誘導標識を立体的に表示させた際の誘導画像の表示の一例を示した説明図である。
【図22】他の形状を示した誘導標識の一例を示した説明図である。
【図23】他の形状を示した誘導標識の一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
(ナビゲーション装置の機能的構成)
この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。このナビゲーション装置100は、所定の誘導地点ごとに誘導方向を示した複数の誘導標識を、現在地点から近い順に手前側に配置した誘導画像を用いて、目的地までの経路を誘導するものである。
【0013】
所定の誘導地点は、右左折方向や直進方向などの誘導がおこなわれる全ての地点、直進方向を除いた右左折のみの誘導がおこなわれる地点、通行した履歴のない地点、利用者により誘導の設定がおこなわれた地点などである。また、目的地までの経路は、ナビゲーション装置100が内蔵する探索部によって探索された経路であってもよいし、利用者が手動で設定した経路であってもよい。
【0014】
誘導標識は、誘導地点における誘導方向を示したものであり、具体的には、右方向、左方向、直進方向を示す矢印を用いて表示される。誘導標識は、具体的には3地点表示されるが、2地点以上であれば、その数は問わない。誘導画像は、これら複数の誘導標識(矢印)を配置し、地図画像の領域とは別に設けられた領域に表示される画像である。なお、表示画面には、地図画像と並べて表示されるが、誘導画像のみを表示するようにしてもよい。
【0015】
図1において、ナビゲーション装置100は、設定部101と、抽出部102と、算出部103と、表示制御部104と、表示部105と、取得部106と、モード設定部107と、受付部108とを備えて構成される。
【0016】
設定部101は、現在地点からの第1の所定距離が予め設定される。第1の所定距離は、誘導標識の色を変更させて表示するために設定され、所定の誘導地点に近づいた距離(たとえば300m)として設定される距離である。この第1の所定距離は、デフォルト値として予め設定される値であるが、利用者により適宜、設定変更可能なものとしてもよい。
【0017】
抽出部102は、経路上の所定の誘導地点を抽出する。抽出部102は、具体的には、誘導地点の位置情報を抽出する。抽出部102による抽出のタイミングは、図示外の経路探索部により経路が探索されたときや、当該経路の誘導中のほか、利用者からの手動により経路が設定されたときなどである。
【0018】
算出部103は、現在地点から、抽出部102によって抽出された所定の誘導地点までの距離を算出する。算出部103は、複数の誘導標識の誘導地点について、現在地点から各誘導地点までの距離を算出する。
【0019】
表示制御部104は、算出部103によって算出された所定の誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせる。表示制御部104は、最も手前に配置した誘導標識のみならず、他の誘導標識についても、誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になった場合には、他の誘導標識をそれまでに表示されていた色と異ならせる制御をおこなう。すなわち、誘導画像上に複数の誘導標識に対し、色を変更して表示する場合がある。
【0020】
第1の所定距離以下になったときの誘導標識の色は、それまでに表示されていた色に比べて目立つ色であることが好ましく、たとえば、それまでに表示されていた色を青とした場合、赤などにすることが好ましい。色を異ならせる誘導標識の領域は、たとえば、矢印の背景とするが、誘導標識の形式によっては誘導方向を示す矢印自体とすることも可能である。
【0021】
表示部105は、表示制御部104の制御により、誘導標識が配置された誘導画像を表示する。表示部105は、具体的には、ディスプレイが用いられる。
【0022】
また、本実施の形態において、設定部101は、現在地点からの距離が第1の所定距離よりも長い第2の所定距離を設定してもよい。第2の所定距離は、利用者にとって誘導地点にある程度近づいていることがわかる距離(たとえば700m)として設定される。この第2の所定距離は、デフォルト値として予め設定される値であるが、利用者により適宜、設定変更可能なものとしてもよい。
【0023】
この場合、表示制御部104は、算出部103によって算出された誘導地点までの距離が第2の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式を、それまでに表示されていた表示形式と異ならせるようにする。第2の所定距離以下になったときの誘導標識の表示形式は、たとえば、色を異ならせるようにすることや、点滅させるようにすることなどのほか、後述するように誘導地点の詳細を示す情報を当該誘導標識に付加することなどが挙げられる。
【0024】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導地点までの距離が第2の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式と、誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式とを異ならせるようにすることが望ましい。表示形式を異ならせるとは、たとえば、色を異ならせたり、点滅のさせ方などを異ならせたりすることである。すなわち、第1の所定距離以下になったときの誘導標識と、第2の所定距離以下になったときの誘導標識とは、色や点滅のさせ方などの表示形式を互いに異ならせるようにすればよい。
【0025】
第2の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式と、第1の所定距離以下になったときの表示形式について、具体例を挙げると、第2の所定距離以下になったときの表示形式は、当該誘導地点の詳細を示す情報を当該誘導標識に付加して表示させ、第1の所定距離以下になったときの表示形式は、当該誘導地点の詳細を示す情報を当該誘導標識に付加して表示させるとともに当該誘導標識の色を変更させたものとすることが挙げられる。誘導地点の詳細を示す情報は、たとえば、交差点名称の情報が挙げられる。なお、交差点名称の存在しない交差点の場合、何も表示しないようにしてもよいし、当該交差点に交差点名称が存在しない旨の表示をしてもよい。
【0026】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される全ての誘導標識を、最も手前に配置されている誘導標識(以下「直近誘導標識」という)が示す方向の側に配置させるようにしてもよい。具体的には、表示制御部104は、直近誘導標識が左折を示すものである場合、次の誘導標識や、さらにその次の誘導標識を配置させる位置を、誘導画像上の左側に配置させる。なお、直近誘導標識が直進を示すものである場合には他の誘導標識を誘導画像上の中央に配置させ、直近誘導標識が右折を示すものである場合には他の誘導標識を誘導画像上の右側に配置させる。
【0027】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される各誘導標識を、各誘導標識が示す方向に対応して配置させるようにしてもよい。すなわち、本構成は、上述した、直近誘導標識の示す方向の側に他の誘導標識を配置させるのではなく、各誘導標識が示す方向の側に、それぞれ誘導標識を配置させて表示させるものである。具体例を挙げると、直近誘導標識が左折を示し、次の誘導標識が直進を示している場合、直近誘導標識を誘導画像上の左側に、次の誘導標識を誘導画像上の中央に表示させればよい。
【0028】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど大きく表示させるようにしてもよい。すなわち、本構成は、誘導地点から近く、手前側に配置される誘導標識ほど大きく表示するものである。
【0029】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど立体的に表示させるようにしてもよい。立体的とは、高さ方向の成分を持たせることである。たとえば、誘導標識を立方体として表示させた場合、現在地点からの距離が近くなるほど、立体感を増して表示させることである。具体例としては、表示制御部104が、誘導標識を重畳した表示形式とすることにより立体的に表示させ、現在地点からの距離が近くなるほど当該誘導標識の厚みを増大させて表示させることが挙げられる。本構成は、誘導地点から近く、手前側に配置される誘導標識ほど立体的に表示するものである。
【0030】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した現在地点からの距離情報を付加して表示させるようにしてもよい。
【0031】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した到達時刻の情報を付加して表示させるようにしてもよい。到着時刻は、誘導経路における指定速度または法定速度を用いたり、プローブ情報やVICS(登録商標)などからの他の車両の移動時間の情報を用いたり、当該誘導経路における自車の走行履歴に基づく速度を用いたりすることにより、算出される。
【0032】
また、本実施の形態において、取得部106は、任意の構成要素である。取得部106は、目的地までの経路上に設けられる信号機の地点情報を取得する。この場合、表示制御部104は、取得部106によって取得された信号機の地点情報を用いて、各誘導地点間を走行する際に通過する当該信号機の数を、対応する各誘導標識の間に表示させる制御をおこなう。信号機の数の表示は、具体的には、数字を列挙したものでもよいし、信号機のイラストや記号などを信号機の数に対応した数だけ表示したものでもよい。
【0033】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、直近誘導標識を、当該誘導標識が示す方向にアニメーション画像により登場させるようにしてもよい。アニメーション画像は、静止画を少しずつ移動させて表示させるようにしたものである。アニメーション画像により登場させるとは、表示画面上に直近誘導標識が表示されていない状態から、直近誘導標識を移動させて表示させることである。このアニメーション画像による登場は、1回のみとしてもよいし、直近誘導標識が示す誘導地点を通過するまでの間、複数回おこなってもよい。
【0034】
また、本実施の形態において、直近誘導標識は、タッチパネルとして表示されることが望ましい。この場合、表示制御部104は、タッチパネルとして表示される直近誘導標識が利用者によって選択された場合に、表示画面全域に直近誘導標識が示す誘導地点の詳細地図画面を表示させる制御をおこなう。詳細地図画面は、たとえば、交差点名称、レーン表示、交差点拡大図などが表示された画面である。
【0035】
また、上述した構成において、表示画面全域に表示される詳細地図画面は、タッチパネルとして表示されることが望ましい。この場合、表示制御部104は、タッチパネルとして表示される詳細地図画面が利用者によって選択された場合に、誘導画像を用いた画面を表示させる制御をおこなう。すなわち、タッチパネルとして表示される詳細地図画面が利用者によって選択されると、元の画面に戻る。
【0036】
また、本実施の形態において、モード設定部107と、受付部108とは、任意の構成要素である。モード設定部107は、誘導画像を用いて経路を誘導する誘導画像使用モードと、誘導画像を用いずに地図画面のみを用いて経路を誘導する通常モードと、を設定する。受付部108は、モード設定部107に設定されるモードの選択を受け付ける。モードの選択の受け付けは、たとえば、起動時におこなわれる。また、誘導画像使用モードは、具体的には、二輪車用の誘導モードである。利用者から誘導画像使用モードが選択されると、誘導画像を用いた経路の誘導がおこなわれるとともに、上述した表示制御部104の制御に基づく表示がおこなわれる。
【0037】
(ナビゲーション装置のナビゲーション処理手順)
つぎに、図2を用いて、ナビゲーション装置100のナビゲーション処理手順について説明する。図2は、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100のナビゲーション処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図2のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置100は、目的地が設定され、誘導開始となるまで待機状態にあり(ステップS201:Noのループ)、誘導開始となると(ステップS201:Yes)、推奨経路上の誘導地点を抽出する(ステップS202)。なお、ステップS202における誘導地点の抽出対象となる経路は、経路探索による推奨経路に限らず、利用者が手動で設定した経路であってもよい。また、誘導地点を抽出するタイミングは、ステップS201の前段階としての経路探索後におこなってもよい。
【0039】
そして、誘導地点までの距離を算出する(ステップS203)。このあと、現在地点から誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204において、現在地点から誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になるまで(ステップS204:No)、ステップS203に移行する。
【0040】
ステップS204において、現在地点から誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったと判断した場合(ステップS204:Yes)、誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせる制御をおこない(ステップS205)、一連の処理を終了する。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100によれば、誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせる制御をおこなうようにしたので、次の誘導ポイントまでにどの程度近づいているのかという距離感がひと目でわかる。したがって、利用者が頻繁に表示画面を眺めることができない場合であっても、瞬時に情報を把握することができ、誘導経路に従った経路を辿ることができる。
【0042】
また、設定部101に第1の所定距離よりも遠い第2の所定距離を設定し、誘導地点までの距離が第2の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式を、それまでに表示されていた表示形式と異ならせるようにすれば、利用者は、第1の所定距離に近づく前段階で、当該誘導地点に近づいてきていることを把握することができる。
【0043】
また、誘導地点までの距離が第2の所定距離以下になったときの誘導標識の表示形式と、誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式とを異ならせるようにすれば、利用者は、徐々に当該誘導地点に近づいてきていることを把握できるとともに、第1の所定距離以下になったことがより明確にわかる。
【0044】
また、第2の所定距離以下になったときに当該誘導地点の詳細を示す情報を付加して表示させ、第1の所定距離以下になったときに当該誘導地点の詳細を示す情報を付加して表示させるとともに当該誘導標識の色を変更させるようにすれば、利用者は、交差点名称等を知ることができ、誘導交差点を正確に把握することができる。
【0045】
また、全ての誘導標識を、直近誘導標識が示す方向の側に配置させるようにすれば、誘導画像自体に方向性を持たせることができ、利用者にとって瞬時に把握することが容易な画面を表示させることができる。
【0046】
また、誘導画像上に表示される各誘導標識を、各誘導標識が示す方向に対応して配置させるようにすれば、各誘導標識が示す誘導地点までに、それぞれどの方向に進むのかをひと目で把握しやすくなる。
【0047】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど大きく表示させるようにすれば、各誘導地点までの距離感をよりわかりやすくすることができる。
【0048】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど立体的に表示させるようにすれば、各誘導地点までの距離感をよりわかりやすくすることができる。特に、誘導標識を重畳した表示形式とすることにより立体的に表示させ、現在地点からの距離が近くなるほど当該誘導標識の厚みを増大させて表示させるようにすれば、簡単に立体感を表すことができるとともに、各誘導地点までの距離感をよりわかりやすくすることができる。
【0049】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した現在地点からの距離情報を付加して表示させるようにすれば、利用者は誘導地点までの距離を把握することができる。
【0050】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した到達時刻の情報を付加して表示させるようにすれば、利用者は誘導地点の詳細な情報を得ることができる。
【0051】
また、各誘導地点間を走行する際に通過する信号機の数を、対応する各誘導標識の間に表示させるようにすれば、利用者は信号機の数により誘導地点までの距離を把握することができる。
【0052】
また、直近誘導標識を、当該誘導標識が示す方向にアニメーション画像により登場させるようにすれば、動的な表示により直近誘導標識が示す方向を提示でき、利用者は当該誘導地点の方向をより把握しやすくなる。
【0053】
また、直近誘導標識をタッチパネルとして表示し、タッチパネルとして表示される直近誘導標識が利用者によって選択された場合に、表示画面全域に直近誘導標識が示す誘導地点の詳細地図画面を表示させるようにすれば、たとえば、利用者が手袋を装着して二輪車に乗っている場合であっても、表示画面上の広い領域に表示される直近誘導標識を容易にタッチすることができるとともに、詳細地図画面を見ることができる。
【0054】
また、表示画面全域に表示される詳細地図画面をタッチパネルとして表示し、タッチパネルとして表示される詳細地図画面が利用者によって選択された場合に、誘導画像を用いた画面を表示させるようにすれば、利用者が手袋を装着して二輪車に乗っている場合であっても、表示画面全域に表示される詳細地図画面を容易にタッチすることができるとともに、誘導画像が表示された画面に戻ることができる。
【0055】
また、誘導画像を用いて経路を誘導する誘導画像使用モードと、誘導画像を用いずに地図画面のみを用いて経路を誘導する通常モードと、を設定するようにすれば、たとえば、二輪車に乗る際に用いる場合など利用者の利用目的等に応じて、モードを設定することができる。また、普通車などに乗る際には、通常モードとして使用することができる。
【実施例】
【0056】
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の説明においては、二輪車に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明のナビゲーション装置を実施した場合の一例について説明する。
【0057】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
図3を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図3において、ナビゲーション装置300は、移動体としての二輪車に搭載されている。具体的には、たとえば、二輪車の燃料タンク上に設けたタンクバッグなどに収納され、タンクバッグ表面の透明なシートを介して、利用者が表示画面を視認できるようになっている。なお、ナビゲーション装置300の配置位置は、タンクバッグに限らず、ハンドル廻りなどに専用のステーを設け、ナビゲーション装置300を直接当該ステーに取り付けるようにしてもよい。
【0059】
ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、イヤフォン309と、入力デバイス310と、映像I/F311と、ディスプレイ312と、通信I/F313と、GPSユニット314と、各種センサ315と、を備えている。また、各構成部301〜315はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0060】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302やフラッシュROM等の書換え可能な不揮発性メモリは、ブートプログラム、現在位置算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、ナビゲーションプログラム、などの各種プログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0061】
現在位置算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット314および各種センサ315の出力情報に基づいて、車両の現在位置(ナビゲーション装置300の現在位置)を算出させる。
【0062】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305に記録されている地図データなどを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までの最短(または最速)経路やユーザが指定した条件に最も合致する経路などである。また、目的地点のみならず、立ち寄り地点や休憩地点までの経路を探索してもよい。探索された誘導経路は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0063】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在位置算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在位置情報、磁気ディスク305から読み出された地図データに基づいて、リアルタイムな経路誘導情報を生成させる。生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0064】
ナビゲーションプログラムは、設定されるモードに応じて、誘導地点ごとに誘導方向を示した複数の誘導標識を、現在地点から近い順に手前側に配置した誘導画像を用いて、目的地までの推奨経路を誘導するプログラムである。具体的には、現在地点から誘導地点までの距離が予めRAM303などに設定される第2の所定距離(たとえば700m)以内になったときに当該誘導地点における誘導標識に交差点名称を付加するとともに、第1の所定距離(たとえば300m)以内になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせて(たとえば青色から赤色に変更させて)表示させるプログラムである。
【0065】
なお、設定されるモードは、表示画面全域に地図画面を表示させた通常モードと、誘導画像を用いたバイクナビモード(誘導画像使用モードに相当)とする。バイクナビモードが設定されている場合に、上述したナビゲーションプログラムが実行されるようになっている。
【0066】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0067】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0068】
音声I/F308は、イヤフォン309に接続される。音声I/F308とイヤフォン309とは、接続コードにより接続しているが、近距離無線通信によって接続してもよい。イヤフォン309は、音声を出力する。入力デバイス310は、タッチパネルであるが、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、操作ボタンなどであってもよい。
【0069】
映像I/F311は、ディスプレイ312と接続される。映像I/F311は、具体的には、たとえば、ディスプレイ312全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ312を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0070】
ディスプレイ312には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ312は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ312は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。
【0071】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F313は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0072】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F313は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバなどによって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0073】
また、通信I/F313は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、上述した情報や交通情報などの各種情報を取得することも可能である。
【0074】
GPSユニット314は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット314の出力情報は、後述する各種センサ315の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0075】
各種センサ315は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ315の出力値は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。なお、可搬型のナビゲーション装置300としては、各種センサ315を設けない構成とすることも可能である。
【0076】
図1に示したナビゲーション装置100が備える、設定部101と、抽出部102と、算出部103と、表示制御部104と、表示部105と、取得部106と、モード設定部107と、受付部108とは、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302や不揮発性メモリ、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0077】
すなわち、本実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302や不揮発性メモリに記録されているナビゲーションプログラムを実行することにより、図1に示したナビゲーション装置100が備える機能を、図2に示したナビゲーション処理手順で実行することができる。
【0078】
(ナビゲーション装置がおこなうナビゲーション処理の一例)
つぎに、図4を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなうナビゲーション処理の一例について説明する。図4は、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなうナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
図4において、ナビゲーション装置300は、起動するまで待機状態にあり(ステップS401:Noのループ)、起動すると(ステップS401:Yes)、モード選択画面を表示する(ステップS402)。なお、モード選択画面の表示に際しては、起動時に限られることなく、モード設定用のアイコンの選択により表示させてもよいし、メニュー画面等からの機能設定の変更などが選択されることにより表示させてもよい。
【0080】
そして、バイクナビモードが選択されたか否かを判断する(ステップS403)。バイクナビモードが選択されたと判断すると(ステップS403:Yes)、バイクナビモードに移行するとともに、利用者からの入力により目的地を設定するまで待機状態となる(ステップS404:Noのループ)。
【0081】
ステップS404において、目的地を設定すると(ステップS404:Yes)、目的地までの推奨経路を探索する(ステップS405)。このあと、推奨経路上の誘導地点を抽出する(ステップS406)。そして、推奨経路の誘導を開始する(ステップS407)。なお、このとき、現在地点から、第2の所定距離として設定される700m以内の範囲内に、誘導地点がないものとする。また、ステップS407における表示画面の詳細については、図5を用いて後述するが、誘導標識は全て青色に表示されている。
【0082】
このあと、現在地点から、最も手前に配置されている誘導標識(以下「直近誘導標識」という)が示す誘導地点(以下「直近誘導地点」という)までの距離が700m以内になるまで待機状態となる(ステップS408:Noのループ)。現在地点から直近誘導地点までの距離が700m以内になると(ステップS408:Yes)、直近誘導地点に交差点名称があるか否かを判断する(ステップS409)。
【0083】
直近誘導地点に交差点名称があると判断した場合(ステップS409:Yes)、直近誘導標識に交差点名称を付加する(ステップS410)。なお、ステップS410における表示画面の詳細については、図6を用いて後述するが、誘導標識は全て青色のままの状態である。そして、現在地点から直近誘導地点までの距離が第1の所定距離として設定される300m以内になるまで待機状態となる(ステップS411:Noのループ)。一方、ステップS409において、直近誘導地点に交差点名称がないと判断した場合(ステップS409:No)、ステップS411に移行する。
【0084】
ステップS411において、現在地点から直近誘導地点までの距離が300m以内になると(ステップS411:Yes)、直近誘導標識の色を赤色に表示変更させる(ステップS412)。なお、ステップS412における表示画面の詳細については、図7を用いて後述する。このあと、直近誘導地点を過ぎるまで待機状態となる(ステップS413:Noのループ)。
【0085】
直近誘導地点を過ぎると(ステップS413:Yes)、次の誘導標識があるか否かを判断する(ステップS414)。次の誘導標識があると判断した場合(ステップS414:Yes)、ステップS408に移行する。一方、次の誘導標識がないと判断した場合(ステップS414:No)、一連の処理を終了する。また、ステップS403において、バイクナビモードが選択されなかった場合(ステップS403:No)、通常モードによる誘導をおこない(ステップS415)、一連の処理を終了する。
【0086】
なお、ステップS407において、推奨経路の誘導を開始した際に、現在地点から700m以内に直近誘導地点が存在する場合、交差点名称を付加して当該誘導標識を表示変更すればよい。また、ステップS412においては、直近誘導標識の色のみを赤色に変更させることについて説明したが、次に表示される誘導標識が示す誘導地点も300m以内に位置した場合には、次に表示される誘導標識についても赤色に表示変更する。
【0087】
(経路誘導時における表示画面の一例)
つぎに、図5〜図8を用いて、ディスプレイ312に表示される経路誘導時における表示画面の一例について説明する。図5は、直近誘導地点が現在位置から701m以上に位置している場合に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【0088】
図5において、ディスプレイ312に表示される表示画面500は、誘導画像510と、地図画像(地図画面)520とを示している。誘導画像510には、直近誘導地点を示す直近誘導標識511と、次の誘導標識(以下「第2誘導標識」という)512と、第2誘導標識512の次の誘導標識(以下「第3誘導標識」)513と、メニューボタン514と、現在位置表示515とが表示されている。
【0089】
各誘導標識511〜513は、各誘導地点における誘導方向を示している。各誘導標識511〜513の色は、青色に表示されているとともに、現在位置からの距離が表示されている。また、各誘導標識511〜513の大きさは、距離に対応しており、具体的には、現在位置からの距離が近いほど大きく表示されている。
【0090】
また、メニューボタン514が利用者から選択されると、メニュー画面に移行する。現在位置表示515は、地図画像520に表示される車両の現在位置521に相当する地名を表示したものである。このような表示画面500において、直近誘導地点が現在位置521から700m以内になると、図6に示す表示画面600に移行する。
【0091】
図6は、直近誘導地点が現在位置521から700m以内に位置した際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図6に示す表示画面600において、直近誘導標識601は、現在位置521から500mの距離にあることを示している。直近誘導標識601には、交差点名称602が表示されており、第2誘導標識512および第3誘導標識513と、表示形式が異なっている。
【0092】
なお、各誘導標識601,512,513は、いずれも青色に表示されている。なお、直近誘導標識601を、たとえば、黄色に表示変更してもよい。また、第2誘導標識512が示す誘導地点が現在位置521から700m以内に位置する場合には、第2誘導標識512についても交差点名称602を表示すればよい。このような表示画面600において、直近誘導地点が現在位置521から300m以内になると、図7に示す表示画面700に移行する。
【0093】
図7は、直近誘導地点が現在位置521から300m以内に位置した際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図7において、直近誘導標識701は、現在位置521から200mの距離にあることを示している。直近誘導標識701は、赤色に表示されており、それまでの青色から変更している。すなわち、それまでに表示されていた色が異なっている。また、図6に示した直近誘導標識601とも色が異なることにより、表示形式が異なっている。
【0094】
なお、表示画面700において、仮に第2誘導標識512も現在位置521から300m以内に位置した場合には、第2誘導標識512も赤色に表示変更される。また、図5に示した直近誘導標識511、図6に示した直近誘導標識601、および図7に示す直近誘導標識701は、タッチパネルにより表示されており、これらの直近誘導標識511,601,701がタッチされると、図8に示す詳細地図画面800に移行する。
【0095】
図8は、直近誘導標識が選択された場合に表示される詳細地図画面の一例を示す説明図である。図8において、ディスプレイ312に表示される詳細地図画面800には、地図上に、交差点名称801と、レーン情報802とが表示されている。レーン情報802は、たとえば、片側複数車線の場合における各車線の進行方向を示した情報が表示されている。この詳細地図画面800は、全領域がタッチパネルにより表示されている。詳細地図画面800が、タッチされると元の画面に戻り、すなわち、図5に示した表示画面500、図6に示した表示画面600、または図7に示した表示画面700に移行する。
【0096】
上述したナビゲーション装置300によれば、誘導地点までの距離が第1の所定距離(300m)以下になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色(青色)と異ならせる色(赤色)に表示するようにしたので、次の誘導ポイントまでにどの程度近づいているのかという距離感がひと目でわかる。したがって、利用者が頻繁に表示画面を眺めることができない場合であっても、瞬時に情報を把握することができ、誘導経路に従った経路を辿ることができる。
【0097】
また、第2の所定距離(700m)を設定し、誘導地点までの距離が700m以下になったときの当該誘導標識に交差点名称の情報を付加し、それまでに表示されていた表示形式と異ならせるようにしたので、利用者は、第1の所定距離に近づく前段階で、当該誘導地点に近づいてきていることを把握することができる。
【0098】
また、誘導地点までの距離が700m以下になったときの誘導標識の色と、誘導地点までの距離が300m以下になったときの当該誘導標識の色とを異ならせるようにしたので、利用者は、徐々に当該誘導地点に近づいてきていることを把握できるとともに、誘導地点がすぐ手前に来ていることがより明確にわかる。
【0099】
また、誘導地点までの距離が700m以下になったときに交差点名称など当該誘導地点の詳細を示す情報を付加して表示させ、300m以下になったときに交差点名称の情報を付加して表示させるとともに当該誘導標識の色を赤色に変更させるようにしたので、利用者は、交差点名称等を知ることができ、誘導交差点を正確に把握することができる。
【0100】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど大きく表示させるようにしたので、各誘導地点までの距離感をよりわかりやすくすることができる。
【0101】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した現在地点からの距離情報を付加して表示させるようにしたので、利用者は各誘導地点までの距離を把握することができる。
【0102】
また、直近誘導標識をタッチパネルとして表示し、タッチパネルとして表示される直近誘導標識が利用者によって選択された場合に、表示画面全域に直近誘導標識が示す誘導地点の詳細地図画面を表示させるようにしたので、利用者が手袋を装着している場合であっても、表示画面上の広い領域に表示される直近誘導標識を容易にタッチすることができるとともに、詳細地図画面を見ることができる。
【0103】
また、表示画面全域に表示される詳細地図画面をタッチパネルとして表示し、タッチパネルとして表示される詳細地図画面が利用者によって選択された場合に、誘導画像を用いた画面を表示させるようにしたので、利用者が手袋を装着している場合であっても、表示画面全域に表示される詳細地図画面を容易にタッチすることができるとともに、誘導画像が表示された画面に戻ることができる。
【0104】
また、誘導画像を用いて経路を誘導するバイクナビモードと、誘導画像を用いずに地図画面のみを用いて経路を誘導する通常モードと、を設定するようにしたので、たとえば、二輪車に乗る際に用いる場合に対応して、モードを設定することができる。また、普通車などに乗る際には、通常モードとして使用することができる。
【0105】
本実施の形態においては、上述した誘導画像や誘導標識の表示形式に限らず、他の表示形式とすることも可能である。以下に、上述した説明とは異なる表示形式について、順次説明する。
【0106】
(誘導画像に付加する情報の一例)
つぎに、図9および図10を用いて、経路誘導時における誘導画像に付加する情報の一例について説明する。図9は、時刻を付加した誘導画像の一例を示す説明図である。図9において、誘導画像900は、直近誘導標識901と、第2誘導標識902と、第3誘導標識903とが表示されている。
【0107】
各誘導標識901〜903には、各誘導標識901〜903のそれぞれに到着する予定時刻904が表示されている。なお、予定時刻904とともに、現在地点からの距離を表示してもよい。このような誘導画像900によれば、利用者は誘導地点の詳細な情報を得ることができる。
【0108】
図10は、各誘導標識間の信号機の数を付加した誘導画像の一例を示す説明図である。図10において、誘導画像1000には、信号機のマーク1001が表示されている。このマーク1001は、各誘導標識間に存在する信号機の数を表している。なお、信号機の数を表すには、マーク1001に限らず、数字を示してもよい。すなわち、直近誘導標識901までに「信号機数2」、第2誘導標識902と第3誘導標識903との間に「信号機数1」といった表示をおこなってもよい。
【0109】
このような誘導画像1000によれば、利用者は信号機の数により誘導地点までの距離を把握することができる。なお、マーク1001として表示される信号機の大きさについても、距離に対応させ、つまり、現在位置から近いものほど大きく表示させるようにしてもよい。
【0110】
(誘導画像の配置の一例)
つぎに、図11〜図16を用いて、経路誘導時における誘導画像の配置の一例について説明する。図11および図12は、直近誘導標識が示す方向の側に他の誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。図11において、誘導画像1100に表示される直近誘導標識1101は、左折方向を示している。第2誘導標識1102および第3誘導標識1103は、直近誘導標識1101の示す方向に対応して、左側に配置されている。なお、車両が直近誘導標識1101に示される直近誘導地点を通過すると、第2誘導標識1102に示す誘導地点の内容が(直進方向の矢印)が直近誘導標識1101に表示され、直進方向に対応させて、第2誘導標識1102および第3誘導標識1103を中央の位置に表示させる。
【0111】
また、図12おいて、誘導画像1200に表示される直近誘導標識1201は、右折方向を示している。第2誘導標識1102および第3誘導標識1103は、直近誘導標識1201の示す方向に対応して、右側に配置されている。このような誘導画像1100,1200によれば、誘導標識単体による誘導ではなく、すなわち、誘導画像1100,1200自体に方向性を持たせることができ、利用者にとって直近誘導地点の方向を瞬時に把握することが容易な画面を表示させることができる。
【0112】
図13および図14は、各誘導標識が示す方向に対応して各誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。図13において、誘導画像1300は、直近誘導標識1301と、第2誘導標識1302と、第3誘導標識1303と、領域分割線1310とを表示している。直近誘導標識1301および第3誘導標識1303は、左折方向を示しており、これに対応してそれぞれ左側に配置されている。また、第2誘導標識1302は、直進方向を示しており、これに対応して中央に配置されている。なお、領域分割線1310は、右側、左側、中央の配置位置を明瞭にするための線である。領域分割線1310は、任意に表示すればよく、表示させないようにしてもよい。
【0113】
また、図14において、誘導画像1400に表示される直近誘導標識1401は、右折方向を示しており、これに対応して右側に配置されている。また、第2誘導標識1402は、直進方向を示しており、これに対応して中央に配置されている。さらに、第3誘導標識1403は、左折方向を示しており、これに対応して左側に配置されている。このような誘導画像1300、1400によれば、各誘導標識が示す誘導地点までに、それぞれどの方向に進むのかをひと目で把握しやすくなる。
【0114】
図15および図16は、表示される全ての誘導標識を経路と見立てた場合の誘導画像の一例を示す説明図である。図15において、誘導画像1500は、左折方向を示す直近誘導標識1501と、直進方向を示す第2誘導標識1502と、左折方向を示す第3誘導標識1503と、補助線1504とが表示されている。直近誘導標識1501は、右側に配置されている。第2誘導標識1502は、直近誘導標識1501が示す矢印の先端を起点とする位置に配置されている。
【0115】
さらに、第3誘導標識1503は、第2誘導標識が示す矢印の先端を起点とする位置に配置されている。補助線1504は、各誘導標識1501〜1503を通過する際の経路を見立てたものである。なお、補助線1504は、任意に表示すればよく、表示させないようにしてもよい。
【0116】
また、図16において、誘導画像1600に表示される直近誘導標識1601は、右折方向を示している。第2誘導標識1602は、直進方向を示している。第3誘導標識1603は、左折方向を示している。これらの誘導標識1601〜1603についても、図15に示した誘導標識1501〜1503と同様に、各矢印の先端を起点とする位置に次の標識が配置されるようになっている。このような誘導画像1500、1600によれば、利用者は先々の経路をイメージすることができる。
【0117】
(誘導画像の配置の一例)
つぎに、図17〜図20を用いて、直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例について説明する。図17および図18は、直進方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。図17において、誘導画像1700には、半分だけ表示された直近誘導標識1701と、第2誘導標識1702と、第3誘導標識1703とが表示されている。
【0118】
誘導画像1700では、当該直近誘導標識1701が表示されていない状態から、当該直近誘導標識1701を徐々に上方に移動させている際の途中の状態を示している。この状態から直近誘導標識1701がさらに上方に移動すると、図18に示す表示画面1800に移行する。図18に示す表示画面1800では、直近誘導標識1801が定位置まで移動した状態を示している。
【0119】
図19および図20は、左折方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。図19において、誘導画像1900には、半分だけ表示された直近誘導標識1901と、第2誘導標識1902と、第3誘導標識1903とが表示されている。誘導画像1900では、当該直近誘導標識1901が表示されていない状態から、当該直近誘導標識1901を徐々に左方に移動させている際の途中の状態を示している。この状態から直近誘導標識1901がさらに左方に移動すると、図20に示す表示画面2000に移行する。
【0120】
図20に示す表示画面2000では、直近誘導標識2001が定位置まで移動した状態を示している。なお、このような表示画面1700〜2000は、直近誘導地点を通過した後、第2誘導標識1702(1902)が直近誘導標識1701(1901)に移行する際に表示される。このようなアニメーション画像による登場は、1回のみに限らず、連続的におこなってもよい。また、アニメーション画像による登場は、たとえば、直近誘導標識1701に移行した際に1回おこなった後、直近誘導地点までの距離が300m以内になったときから直近誘導地点を通過するまでの間、連続的におこなってもよい。
【0121】
(誘導標識を立体的に表示させた際の誘導画像の表示の一例)
つぎに、図21を用いて、誘導標識を立体的に表示させた際の誘導画像の表示の一例について説明する。図21は、誘導標識を立体的に表示させた際の誘導画像の表示の一例を示した説明図である。図21において、誘導画像2100には、直近誘導標識2101と、第2誘導標識2102と、第3誘導標識2103とが表示されている。各誘導標識2101〜2103には、それぞれ現在地点からの距離2104が表示されている。
【0122】
各誘導標識2101〜2103は、距離2104が近いものほど、立体的に表示されている。つまり、誘導標識2101〜2103は、それぞれ標識を重畳した表示形式とすることにより立体的に表示させており、さらに、現在地点からの距離が近くなるほど誘導標識2101〜2103の厚みを増大させている。なお、誘導標識2101〜2103は、距離2104が近いものほど、厚みに加えて平面の面積も大きく表示しているが、各誘導標識2101〜2103の平面の面積を一定にして、厚みのみを変動させるようにすることも可能である。
【0123】
このような表示形式においても、上述したアニメーション画像による直近誘導標識2101の登場や、直近誘導標識2101の示す方向の側に第2誘導標識2102および第3誘導標識2103を配置させることなども可能である。このような誘導画像2100によれば、各誘導地点までの距離感がわかりやすい画像を表示させることができる。
【0124】
(他の形状を示した誘導標識の一例)
つぎに、図22および図23を用いて、他の形状を示した誘導標識の一例について説明する。図22および図23は、他の形状を示した誘導標識の一例を示した説明図である。図22に示す誘導画像2200には、上述した説明の誘導標識とは異なる形状の誘導標識2201〜2203が表示されている。このような誘導標識2201〜2203についても、現在地点からの距離が表示されており、誘導地点までの距離が700m以下になると、交差点名称などの詳細を示す情報が表示されるようになっている。また、誘導地点までの距離が300m以下になると、表示されている色が変更される。
【0125】
また、図23に示す誘導画像2300には、上述した説明の誘導標識とは異なる形状の誘導標識2301〜2303が表示されている。このような誘導標識2301〜2303についても、現在地点からの距離が表示されており、誘導地点までの距離が700m以下になると、交差点名称などの詳細を示す情報が表示されるようになっている。また、誘導地点までの距離が300m以下になると、表示されている色が変更される。このような誘導画像2200,2300を用いても、図21までに示した誘導画像と同様の効果を得ることができる。
【0126】
以上説明したように、本発明のナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体によれば、次の誘導ポイントまでにどの程度近づいているのかという距離感がひと目でわかる。したがって、利用者が頻繁に表示画面を眺めることができない場合であっても、瞬時に情報を把握することができ、誘導経路に従った経路を辿ることができる。
【0127】
なお、本実施例で説明したナビゲーション方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0128】
100 ナビゲーション装置
101 設定部
102 抽出部
103 算出部
104 表示制御部
105 表示部
106 取得部
107 モード設定部
108 受付部
300 ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動体には、目的地までの経路を探索して誘導するナビゲーション装置が搭載されている。このようなナビゲーション装置では、高速道路などを走行する際に、通常の地図表示に加えてジャンクションやサービスエリア、インターチェンジなどの誘導地点までの距離や時間のほか、各誘導地点間の距離や時間などを表示するようにしたものが知られている。
【0003】
このような技術としては、具体的には、たとえば、誘導地点ごとに誘導方向を示した複数のウィンドウを、自車位置から近い順に下方から上方へ配列し、自車位置に近い順にウィンドウを大きく表示させるようにした技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3948299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術では、通過する順番にどの誘導がおこなわれるかということしか表示されず、次の誘導ポイントまでにどの程度近づいているのかという距離感がひと目でわからないといった問題が一例として挙げられる。特に、二輪車に搭載されるナビゲーション装置の場合には、利用者が頻繁に表示画面を眺めることができないため、距離感が不明であると、利用者は瞬時に情報を把握することができず、場合によっては誘導経路から逸脱してしまうおそれがあるといった問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるナビゲーション装置は、所定の誘導地点ごとに誘導情報を表示して、目的地までの経路を誘導するナビゲーション装置であって、前記経路上の所定の誘導地点を抽出する抽出手段と、現在地点から、前記所定の誘導地点までの距離を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された前記所定の誘導地点までの距離が所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導情報の表示形態を、それまでに表示されていた表示形態と異ならせる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載のナビゲーション方法は、所定の誘導地点ごとに誘導情報を表示して、目的地までの経路を誘導するナビゲーション方法であって、前記経路上の所定の誘導地点を抽出する抽出工程と、現在地点から、前記所定の誘導地点までの距離を算出する算出工程と、前記算出工程によって算出された前記所定の誘導地点までの距離が所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導情報の表示形態を、それまでに表示されていた表示形態と異ならせる表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載のナビゲーションプログラムは、請求項3に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5の発明にかかる記録媒体は、請求項4に記載のナビゲーションプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態にかかるナビゲーション装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかるナビゲーション装置のナビゲーション処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなうナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】直近誘導地点が現在位置から701m以上に位置している場合に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図6】直近誘導地点が現在位置から700m以内に位置した際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図7】直近誘導地点が現在位置から300m以内に位置した際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【図8】直近誘導標識が選択された場合に表示される詳細地図画面の一例を示す説明図である。
【図9】時刻を付加した誘導画像の一例を示す説明図である。
【図10】各誘導標識間の信号機の数を付加した誘導画像の一例を示す説明図である。
【図11】直近誘導標識が示す方向の側に他の誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図12】直近誘導標識が示す方向の側に他の誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図13】各誘導標識が示す方向に対応して各誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図14】各誘導標識が示す方向に対応して各誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図15】表示される全ての誘導標識を経路と見立てた場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図16】表示される全ての誘導標識を経路と見立てた場合の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図17】直進方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図18】直進方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図19】左折方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図20】左折方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。
【図21】誘導標識を立体的に表示させた際の誘導画像の表示の一例を示した説明図である。
【図22】他の形状を示した誘導標識の一例を示した説明図である。
【図23】他の形状を示した誘導標識の一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
(ナビゲーション装置の機能的構成)
この発明の実施の形態にかかるナビゲーション装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100の機能的構成の一例を示すブロック図である。このナビゲーション装置100は、所定の誘導地点ごとに誘導方向を示した複数の誘導標識を、現在地点から近い順に手前側に配置した誘導画像を用いて、目的地までの経路を誘導するものである。
【0013】
所定の誘導地点は、右左折方向や直進方向などの誘導がおこなわれる全ての地点、直進方向を除いた右左折のみの誘導がおこなわれる地点、通行した履歴のない地点、利用者により誘導の設定がおこなわれた地点などである。また、目的地までの経路は、ナビゲーション装置100が内蔵する探索部によって探索された経路であってもよいし、利用者が手動で設定した経路であってもよい。
【0014】
誘導標識は、誘導地点における誘導方向を示したものであり、具体的には、右方向、左方向、直進方向を示す矢印を用いて表示される。誘導標識は、具体的には3地点表示されるが、2地点以上であれば、その数は問わない。誘導画像は、これら複数の誘導標識(矢印)を配置し、地図画像の領域とは別に設けられた領域に表示される画像である。なお、表示画面には、地図画像と並べて表示されるが、誘導画像のみを表示するようにしてもよい。
【0015】
図1において、ナビゲーション装置100は、設定部101と、抽出部102と、算出部103と、表示制御部104と、表示部105と、取得部106と、モード設定部107と、受付部108とを備えて構成される。
【0016】
設定部101は、現在地点からの第1の所定距離が予め設定される。第1の所定距離は、誘導標識の色を変更させて表示するために設定され、所定の誘導地点に近づいた距離(たとえば300m)として設定される距離である。この第1の所定距離は、デフォルト値として予め設定される値であるが、利用者により適宜、設定変更可能なものとしてもよい。
【0017】
抽出部102は、経路上の所定の誘導地点を抽出する。抽出部102は、具体的には、誘導地点の位置情報を抽出する。抽出部102による抽出のタイミングは、図示外の経路探索部により経路が探索されたときや、当該経路の誘導中のほか、利用者からの手動により経路が設定されたときなどである。
【0018】
算出部103は、現在地点から、抽出部102によって抽出された所定の誘導地点までの距離を算出する。算出部103は、複数の誘導標識の誘導地点について、現在地点から各誘導地点までの距離を算出する。
【0019】
表示制御部104は、算出部103によって算出された所定の誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせる。表示制御部104は、最も手前に配置した誘導標識のみならず、他の誘導標識についても、誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になった場合には、他の誘導標識をそれまでに表示されていた色と異ならせる制御をおこなう。すなわち、誘導画像上に複数の誘導標識に対し、色を変更して表示する場合がある。
【0020】
第1の所定距離以下になったときの誘導標識の色は、それまでに表示されていた色に比べて目立つ色であることが好ましく、たとえば、それまでに表示されていた色を青とした場合、赤などにすることが好ましい。色を異ならせる誘導標識の領域は、たとえば、矢印の背景とするが、誘導標識の形式によっては誘導方向を示す矢印自体とすることも可能である。
【0021】
表示部105は、表示制御部104の制御により、誘導標識が配置された誘導画像を表示する。表示部105は、具体的には、ディスプレイが用いられる。
【0022】
また、本実施の形態において、設定部101は、現在地点からの距離が第1の所定距離よりも長い第2の所定距離を設定してもよい。第2の所定距離は、利用者にとって誘導地点にある程度近づいていることがわかる距離(たとえば700m)として設定される。この第2の所定距離は、デフォルト値として予め設定される値であるが、利用者により適宜、設定変更可能なものとしてもよい。
【0023】
この場合、表示制御部104は、算出部103によって算出された誘導地点までの距離が第2の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式を、それまでに表示されていた表示形式と異ならせるようにする。第2の所定距離以下になったときの誘導標識の表示形式は、たとえば、色を異ならせるようにすることや、点滅させるようにすることなどのほか、後述するように誘導地点の詳細を示す情報を当該誘導標識に付加することなどが挙げられる。
【0024】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導地点までの距離が第2の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式と、誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式とを異ならせるようにすることが望ましい。表示形式を異ならせるとは、たとえば、色を異ならせたり、点滅のさせ方などを異ならせたりすることである。すなわち、第1の所定距離以下になったときの誘導標識と、第2の所定距離以下になったときの誘導標識とは、色や点滅のさせ方などの表示形式を互いに異ならせるようにすればよい。
【0025】
第2の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式と、第1の所定距離以下になったときの表示形式について、具体例を挙げると、第2の所定距離以下になったときの表示形式は、当該誘導地点の詳細を示す情報を当該誘導標識に付加して表示させ、第1の所定距離以下になったときの表示形式は、当該誘導地点の詳細を示す情報を当該誘導標識に付加して表示させるとともに当該誘導標識の色を変更させたものとすることが挙げられる。誘導地点の詳細を示す情報は、たとえば、交差点名称の情報が挙げられる。なお、交差点名称の存在しない交差点の場合、何も表示しないようにしてもよいし、当該交差点に交差点名称が存在しない旨の表示をしてもよい。
【0026】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される全ての誘導標識を、最も手前に配置されている誘導標識(以下「直近誘導標識」という)が示す方向の側に配置させるようにしてもよい。具体的には、表示制御部104は、直近誘導標識が左折を示すものである場合、次の誘導標識や、さらにその次の誘導標識を配置させる位置を、誘導画像上の左側に配置させる。なお、直近誘導標識が直進を示すものである場合には他の誘導標識を誘導画像上の中央に配置させ、直近誘導標識が右折を示すものである場合には他の誘導標識を誘導画像上の右側に配置させる。
【0027】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される各誘導標識を、各誘導標識が示す方向に対応して配置させるようにしてもよい。すなわち、本構成は、上述した、直近誘導標識の示す方向の側に他の誘導標識を配置させるのではなく、各誘導標識が示す方向の側に、それぞれ誘導標識を配置させて表示させるものである。具体例を挙げると、直近誘導標識が左折を示し、次の誘導標識が直進を示している場合、直近誘導標識を誘導画像上の左側に、次の誘導標識を誘導画像上の中央に表示させればよい。
【0028】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど大きく表示させるようにしてもよい。すなわち、本構成は、誘導地点から近く、手前側に配置される誘導標識ほど大きく表示するものである。
【0029】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど立体的に表示させるようにしてもよい。立体的とは、高さ方向の成分を持たせることである。たとえば、誘導標識を立方体として表示させた場合、現在地点からの距離が近くなるほど、立体感を増して表示させることである。具体例としては、表示制御部104が、誘導標識を重畳した表示形式とすることにより立体的に表示させ、現在地点からの距離が近くなるほど当該誘導標識の厚みを増大させて表示させることが挙げられる。本構成は、誘導地点から近く、手前側に配置される誘導標識ほど立体的に表示するものである。
【0030】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した現在地点からの距離情報を付加して表示させるようにしてもよい。
【0031】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した到達時刻の情報を付加して表示させるようにしてもよい。到着時刻は、誘導経路における指定速度または法定速度を用いたり、プローブ情報やVICS(登録商標)などからの他の車両の移動時間の情報を用いたり、当該誘導経路における自車の走行履歴に基づく速度を用いたりすることにより、算出される。
【0032】
また、本実施の形態において、取得部106は、任意の構成要素である。取得部106は、目的地までの経路上に設けられる信号機の地点情報を取得する。この場合、表示制御部104は、取得部106によって取得された信号機の地点情報を用いて、各誘導地点間を走行する際に通過する当該信号機の数を、対応する各誘導標識の間に表示させる制御をおこなう。信号機の数の表示は、具体的には、数字を列挙したものでもよいし、信号機のイラストや記号などを信号機の数に対応した数だけ表示したものでもよい。
【0033】
また、本実施の形態において、表示制御部104は、直近誘導標識を、当該誘導標識が示す方向にアニメーション画像により登場させるようにしてもよい。アニメーション画像は、静止画を少しずつ移動させて表示させるようにしたものである。アニメーション画像により登場させるとは、表示画面上に直近誘導標識が表示されていない状態から、直近誘導標識を移動させて表示させることである。このアニメーション画像による登場は、1回のみとしてもよいし、直近誘導標識が示す誘導地点を通過するまでの間、複数回おこなってもよい。
【0034】
また、本実施の形態において、直近誘導標識は、タッチパネルとして表示されることが望ましい。この場合、表示制御部104は、タッチパネルとして表示される直近誘導標識が利用者によって選択された場合に、表示画面全域に直近誘導標識が示す誘導地点の詳細地図画面を表示させる制御をおこなう。詳細地図画面は、たとえば、交差点名称、レーン表示、交差点拡大図などが表示された画面である。
【0035】
また、上述した構成において、表示画面全域に表示される詳細地図画面は、タッチパネルとして表示されることが望ましい。この場合、表示制御部104は、タッチパネルとして表示される詳細地図画面が利用者によって選択された場合に、誘導画像を用いた画面を表示させる制御をおこなう。すなわち、タッチパネルとして表示される詳細地図画面が利用者によって選択されると、元の画面に戻る。
【0036】
また、本実施の形態において、モード設定部107と、受付部108とは、任意の構成要素である。モード設定部107は、誘導画像を用いて経路を誘導する誘導画像使用モードと、誘導画像を用いずに地図画面のみを用いて経路を誘導する通常モードと、を設定する。受付部108は、モード設定部107に設定されるモードの選択を受け付ける。モードの選択の受け付けは、たとえば、起動時におこなわれる。また、誘導画像使用モードは、具体的には、二輪車用の誘導モードである。利用者から誘導画像使用モードが選択されると、誘導画像を用いた経路の誘導がおこなわれるとともに、上述した表示制御部104の制御に基づく表示がおこなわれる。
【0037】
(ナビゲーション装置のナビゲーション処理手順)
つぎに、図2を用いて、ナビゲーション装置100のナビゲーション処理手順について説明する。図2は、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100のナビゲーション処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0038】
図2のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置100は、目的地が設定され、誘導開始となるまで待機状態にあり(ステップS201:Noのループ)、誘導開始となると(ステップS201:Yes)、推奨経路上の誘導地点を抽出する(ステップS202)。なお、ステップS202における誘導地点の抽出対象となる経路は、経路探索による推奨経路に限らず、利用者が手動で設定した経路であってもよい。また、誘導地点を抽出するタイミングは、ステップS201の前段階としての経路探索後におこなってもよい。
【0039】
そして、誘導地点までの距離を算出する(ステップS203)。このあと、現在地点から誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったか否かを判断する(ステップS204)。ステップS204において、現在地点から誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になるまで(ステップS204:No)、ステップS203に移行する。
【0040】
ステップS204において、現在地点から誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったと判断した場合(ステップS204:Yes)、誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせる制御をおこない(ステップS205)、一連の処理を終了する。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態にかかるナビゲーション装置100によれば、誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせる制御をおこなうようにしたので、次の誘導ポイントまでにどの程度近づいているのかという距離感がひと目でわかる。したがって、利用者が頻繁に表示画面を眺めることができない場合であっても、瞬時に情報を把握することができ、誘導経路に従った経路を辿ることができる。
【0042】
また、設定部101に第1の所定距離よりも遠い第2の所定距離を設定し、誘導地点までの距離が第2の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式を、それまでに表示されていた表示形式と異ならせるようにすれば、利用者は、第1の所定距離に近づく前段階で、当該誘導地点に近づいてきていることを把握することができる。
【0043】
また、誘導地点までの距離が第2の所定距離以下になったときの誘導標識の表示形式と、誘導地点までの距離が第1の所定距離以下になったときの当該誘導標識の表示形式とを異ならせるようにすれば、利用者は、徐々に当該誘導地点に近づいてきていることを把握できるとともに、第1の所定距離以下になったことがより明確にわかる。
【0044】
また、第2の所定距離以下になったときに当該誘導地点の詳細を示す情報を付加して表示させ、第1の所定距離以下になったときに当該誘導地点の詳細を示す情報を付加して表示させるとともに当該誘導標識の色を変更させるようにすれば、利用者は、交差点名称等を知ることができ、誘導交差点を正確に把握することができる。
【0045】
また、全ての誘導標識を、直近誘導標識が示す方向の側に配置させるようにすれば、誘導画像自体に方向性を持たせることができ、利用者にとって瞬時に把握することが容易な画面を表示させることができる。
【0046】
また、誘導画像上に表示される各誘導標識を、各誘導標識が示す方向に対応して配置させるようにすれば、各誘導標識が示す誘導地点までに、それぞれどの方向に進むのかをひと目で把握しやすくなる。
【0047】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど大きく表示させるようにすれば、各誘導地点までの距離感をよりわかりやすくすることができる。
【0048】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど立体的に表示させるようにすれば、各誘導地点までの距離感をよりわかりやすくすることができる。特に、誘導標識を重畳した表示形式とすることにより立体的に表示させ、現在地点からの距離が近くなるほど当該誘導標識の厚みを増大させて表示させるようにすれば、簡単に立体感を表すことができるとともに、各誘導地点までの距離感をよりわかりやすくすることができる。
【0049】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した現在地点からの距離情報を付加して表示させるようにすれば、利用者は誘導地点までの距離を把握することができる。
【0050】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した到達時刻の情報を付加して表示させるようにすれば、利用者は誘導地点の詳細な情報を得ることができる。
【0051】
また、各誘導地点間を走行する際に通過する信号機の数を、対応する各誘導標識の間に表示させるようにすれば、利用者は信号機の数により誘導地点までの距離を把握することができる。
【0052】
また、直近誘導標識を、当該誘導標識が示す方向にアニメーション画像により登場させるようにすれば、動的な表示により直近誘導標識が示す方向を提示でき、利用者は当該誘導地点の方向をより把握しやすくなる。
【0053】
また、直近誘導標識をタッチパネルとして表示し、タッチパネルとして表示される直近誘導標識が利用者によって選択された場合に、表示画面全域に直近誘導標識が示す誘導地点の詳細地図画面を表示させるようにすれば、たとえば、利用者が手袋を装着して二輪車に乗っている場合であっても、表示画面上の広い領域に表示される直近誘導標識を容易にタッチすることができるとともに、詳細地図画面を見ることができる。
【0054】
また、表示画面全域に表示される詳細地図画面をタッチパネルとして表示し、タッチパネルとして表示される詳細地図画面が利用者によって選択された場合に、誘導画像を用いた画面を表示させるようにすれば、利用者が手袋を装着して二輪車に乗っている場合であっても、表示画面全域に表示される詳細地図画面を容易にタッチすることができるとともに、誘導画像が表示された画面に戻ることができる。
【0055】
また、誘導画像を用いて経路を誘導する誘導画像使用モードと、誘導画像を用いずに地図画面のみを用いて経路を誘導する通常モードと、を設定するようにすれば、たとえば、二輪車に乗る際に用いる場合など利用者の利用目的等に応じて、モードを設定することができる。また、普通車などに乗る際には、通常モードとして使用することができる。
【実施例】
【0056】
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、以下の説明においては、二輪車に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明のナビゲーション装置を実施した場合の一例について説明する。
【0057】
(ナビゲーション装置のハードウェア構成)
図3を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施例にかかるナビゲーション装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図3において、ナビゲーション装置300は、移動体としての二輪車に搭載されている。具体的には、たとえば、二輪車の燃料タンク上に設けたタンクバッグなどに収納され、タンクバッグ表面の透明なシートを介して、利用者が表示画面を視認できるようになっている。なお、ナビゲーション装置300の配置位置は、タンクバッグに限らず、ハンドル廻りなどに専用のステーを設け、ナビゲーション装置300を直接当該ステーに取り付けるようにしてもよい。
【0059】
ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、イヤフォン309と、入力デバイス310と、映像I/F311と、ディスプレイ312と、通信I/F313と、GPSユニット314と、各種センサ315と、を備えている。また、各構成部301〜315はバス320によってそれぞれ接続されている。
【0060】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302やフラッシュROM等の書換え可能な不揮発性メモリは、ブートプログラム、現在位置算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、ナビゲーションプログラム、などの各種プログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
【0061】
現在位置算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット314および各種センサ315の出力情報に基づいて、車両の現在位置(ナビゲーション装置300の現在位置)を算出させる。
【0062】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク305に記録されている地図データなどを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までの最短(または最速)経路やユーザが指定した条件に最も合致する経路などである。また、目的地点のみならず、立ち寄り地点や休憩地点までの経路を探索してもよい。探索された誘導経路は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0063】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在位置算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在位置情報、磁気ディスク305から読み出された地図データに基づいて、リアルタイムな経路誘導情報を生成させる。生成された経路誘導情報は、CPU301を介して音声I/F308や映像I/F311へ出力される。
【0064】
ナビゲーションプログラムは、設定されるモードに応じて、誘導地点ごとに誘導方向を示した複数の誘導標識を、現在地点から近い順に手前側に配置した誘導画像を用いて、目的地までの推奨経路を誘導するプログラムである。具体的には、現在地点から誘導地点までの距離が予めRAM303などに設定される第2の所定距離(たとえば700m)以内になったときに当該誘導地点における誘導標識に交差点名称を付加するとともに、第1の所定距離(たとえば300m)以内になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色と異ならせて(たとえば青色から赤色に変更させて)表示させるプログラムである。
【0065】
なお、設定されるモードは、表示画面全域に地図画面を表示させた通常モードと、誘導画像を用いたバイクナビモード(誘導画像使用モードに相当)とする。バイクナビモードが設定されている場合に、上述したナビゲーションプログラムが実行されるようになっている。
【0066】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0067】
光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0068】
音声I/F308は、イヤフォン309に接続される。音声I/F308とイヤフォン309とは、接続コードにより接続しているが、近距離無線通信によって接続してもよい。イヤフォン309は、音声を出力する。入力デバイス310は、タッチパネルであるが、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、操作ボタンなどであってもよい。
【0069】
映像I/F311は、ディスプレイ312と接続される。映像I/F311は、具体的には、たとえば、ディスプレイ312全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ312を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0070】
ディスプレイ312には、アイコン、カーソル、メニュー、ウィンドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ312は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ312は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。
【0071】
通信I/F313は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F313は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0072】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F313は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバなどによって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0073】
また、通信I/F313は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、上述した情報や交通情報などの各種情報を取得することも可能である。
【0074】
GPSユニット314は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット314の出力情報は、後述する各種センサ315の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0075】
各種センサ315は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ315の出力値は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。なお、可搬型のナビゲーション装置300としては、各種センサ315を設けない構成とすることも可能である。
【0076】
図1に示したナビゲーション装置100が備える、設定部101と、抽出部102と、算出部103と、表示制御部104と、表示部105と、取得部106と、モード設定部107と、受付部108とは、図3に示したナビゲーション装置300におけるROM302や不揮発性メモリ、RAM303、磁気ディスク305、光ディスク307などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU301が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置300における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0077】
すなわち、本実施例のナビゲーション装置300は、ナビゲーション装置300における記録媒体としてのROM302や不揮発性メモリに記録されているナビゲーションプログラムを実行することにより、図1に示したナビゲーション装置100が備える機能を、図2に示したナビゲーション処理手順で実行することができる。
【0078】
(ナビゲーション装置がおこなうナビゲーション処理の一例)
つぎに、図4を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなうナビゲーション処理の一例について説明する。図4は、本実施例にかかるナビゲーション装置300がおこなうナビゲーション処理の一例を示すフローチャートである。
【0079】
図4において、ナビゲーション装置300は、起動するまで待機状態にあり(ステップS401:Noのループ)、起動すると(ステップS401:Yes)、モード選択画面を表示する(ステップS402)。なお、モード選択画面の表示に際しては、起動時に限られることなく、モード設定用のアイコンの選択により表示させてもよいし、メニュー画面等からの機能設定の変更などが選択されることにより表示させてもよい。
【0080】
そして、バイクナビモードが選択されたか否かを判断する(ステップS403)。バイクナビモードが選択されたと判断すると(ステップS403:Yes)、バイクナビモードに移行するとともに、利用者からの入力により目的地を設定するまで待機状態となる(ステップS404:Noのループ)。
【0081】
ステップS404において、目的地を設定すると(ステップS404:Yes)、目的地までの推奨経路を探索する(ステップS405)。このあと、推奨経路上の誘導地点を抽出する(ステップS406)。そして、推奨経路の誘導を開始する(ステップS407)。なお、このとき、現在地点から、第2の所定距離として設定される700m以内の範囲内に、誘導地点がないものとする。また、ステップS407における表示画面の詳細については、図5を用いて後述するが、誘導標識は全て青色に表示されている。
【0082】
このあと、現在地点から、最も手前に配置されている誘導標識(以下「直近誘導標識」という)が示す誘導地点(以下「直近誘導地点」という)までの距離が700m以内になるまで待機状態となる(ステップS408:Noのループ)。現在地点から直近誘導地点までの距離が700m以内になると(ステップS408:Yes)、直近誘導地点に交差点名称があるか否かを判断する(ステップS409)。
【0083】
直近誘導地点に交差点名称があると判断した場合(ステップS409:Yes)、直近誘導標識に交差点名称を付加する(ステップS410)。なお、ステップS410における表示画面の詳細については、図6を用いて後述するが、誘導標識は全て青色のままの状態である。そして、現在地点から直近誘導地点までの距離が第1の所定距離として設定される300m以内になるまで待機状態となる(ステップS411:Noのループ)。一方、ステップS409において、直近誘導地点に交差点名称がないと判断した場合(ステップS409:No)、ステップS411に移行する。
【0084】
ステップS411において、現在地点から直近誘導地点までの距離が300m以内になると(ステップS411:Yes)、直近誘導標識の色を赤色に表示変更させる(ステップS412)。なお、ステップS412における表示画面の詳細については、図7を用いて後述する。このあと、直近誘導地点を過ぎるまで待機状態となる(ステップS413:Noのループ)。
【0085】
直近誘導地点を過ぎると(ステップS413:Yes)、次の誘導標識があるか否かを判断する(ステップS414)。次の誘導標識があると判断した場合(ステップS414:Yes)、ステップS408に移行する。一方、次の誘導標識がないと判断した場合(ステップS414:No)、一連の処理を終了する。また、ステップS403において、バイクナビモードが選択されなかった場合(ステップS403:No)、通常モードによる誘導をおこない(ステップS415)、一連の処理を終了する。
【0086】
なお、ステップS407において、推奨経路の誘導を開始した際に、現在地点から700m以内に直近誘導地点が存在する場合、交差点名称を付加して当該誘導標識を表示変更すればよい。また、ステップS412においては、直近誘導標識の色のみを赤色に変更させることについて説明したが、次に表示される誘導標識が示す誘導地点も300m以内に位置した場合には、次に表示される誘導標識についても赤色に表示変更する。
【0087】
(経路誘導時における表示画面の一例)
つぎに、図5〜図8を用いて、ディスプレイ312に表示される経路誘導時における表示画面の一例について説明する。図5は、直近誘導地点が現在位置から701m以上に位置している場合に表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【0088】
図5において、ディスプレイ312に表示される表示画面500は、誘導画像510と、地図画像(地図画面)520とを示している。誘導画像510には、直近誘導地点を示す直近誘導標識511と、次の誘導標識(以下「第2誘導標識」という)512と、第2誘導標識512の次の誘導標識(以下「第3誘導標識」)513と、メニューボタン514と、現在位置表示515とが表示されている。
【0089】
各誘導標識511〜513は、各誘導地点における誘導方向を示している。各誘導標識511〜513の色は、青色に表示されているとともに、現在位置からの距離が表示されている。また、各誘導標識511〜513の大きさは、距離に対応しており、具体的には、現在位置からの距離が近いほど大きく表示されている。
【0090】
また、メニューボタン514が利用者から選択されると、メニュー画面に移行する。現在位置表示515は、地図画像520に表示される車両の現在位置521に相当する地名を表示したものである。このような表示画面500において、直近誘導地点が現在位置521から700m以内になると、図6に示す表示画面600に移行する。
【0091】
図6は、直近誘導地点が現在位置521から700m以内に位置した際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図6に示す表示画面600において、直近誘導標識601は、現在位置521から500mの距離にあることを示している。直近誘導標識601には、交差点名称602が表示されており、第2誘導標識512および第3誘導標識513と、表示形式が異なっている。
【0092】
なお、各誘導標識601,512,513は、いずれも青色に表示されている。なお、直近誘導標識601を、たとえば、黄色に表示変更してもよい。また、第2誘導標識512が示す誘導地点が現在位置521から700m以内に位置する場合には、第2誘導標識512についても交差点名称602を表示すればよい。このような表示画面600において、直近誘導地点が現在位置521から300m以内になると、図7に示す表示画面700に移行する。
【0093】
図7は、直近誘導地点が現在位置521から300m以内に位置した際に表示される表示画面の一例を示す説明図である。図7において、直近誘導標識701は、現在位置521から200mの距離にあることを示している。直近誘導標識701は、赤色に表示されており、それまでの青色から変更している。すなわち、それまでに表示されていた色が異なっている。また、図6に示した直近誘導標識601とも色が異なることにより、表示形式が異なっている。
【0094】
なお、表示画面700において、仮に第2誘導標識512も現在位置521から300m以内に位置した場合には、第2誘導標識512も赤色に表示変更される。また、図5に示した直近誘導標識511、図6に示した直近誘導標識601、および図7に示す直近誘導標識701は、タッチパネルにより表示されており、これらの直近誘導標識511,601,701がタッチされると、図8に示す詳細地図画面800に移行する。
【0095】
図8は、直近誘導標識が選択された場合に表示される詳細地図画面の一例を示す説明図である。図8において、ディスプレイ312に表示される詳細地図画面800には、地図上に、交差点名称801と、レーン情報802とが表示されている。レーン情報802は、たとえば、片側複数車線の場合における各車線の進行方向を示した情報が表示されている。この詳細地図画面800は、全領域がタッチパネルにより表示されている。詳細地図画面800が、タッチされると元の画面に戻り、すなわち、図5に示した表示画面500、図6に示した表示画面600、または図7に示した表示画面700に移行する。
【0096】
上述したナビゲーション装置300によれば、誘導地点までの距離が第1の所定距離(300m)以下になったときに、当該誘導地点における誘導標識の色を、それまでに表示されていた色(青色)と異ならせる色(赤色)に表示するようにしたので、次の誘導ポイントまでにどの程度近づいているのかという距離感がひと目でわかる。したがって、利用者が頻繁に表示画面を眺めることができない場合であっても、瞬時に情報を把握することができ、誘導経路に従った経路を辿ることができる。
【0097】
また、第2の所定距離(700m)を設定し、誘導地点までの距離が700m以下になったときの当該誘導標識に交差点名称の情報を付加し、それまでに表示されていた表示形式と異ならせるようにしたので、利用者は、第1の所定距離に近づく前段階で、当該誘導地点に近づいてきていることを把握することができる。
【0098】
また、誘導地点までの距離が700m以下になったときの誘導標識の色と、誘導地点までの距離が300m以下になったときの当該誘導標識の色とを異ならせるようにしたので、利用者は、徐々に当該誘導地点に近づいてきていることを把握できるとともに、誘導地点がすぐ手前に来ていることがより明確にわかる。
【0099】
また、誘導地点までの距離が700m以下になったときに交差点名称など当該誘導地点の詳細を示す情報を付加して表示させ、300m以下になったときに交差点名称の情報を付加して表示させるとともに当該誘導標識の色を赤色に変更させるようにしたので、利用者は、交差点名称等を知ることができ、誘導交差点を正確に把握することができる。
【0100】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識を、現在地点からの距離が近くなるほど大きく表示させるようにしたので、各誘導地点までの距離感をよりわかりやすくすることができる。
【0101】
また、誘導画像上に表示される複数の誘導標識とともに、当該誘導標識に対応した現在地点からの距離情報を付加して表示させるようにしたので、利用者は各誘導地点までの距離を把握することができる。
【0102】
また、直近誘導標識をタッチパネルとして表示し、タッチパネルとして表示される直近誘導標識が利用者によって選択された場合に、表示画面全域に直近誘導標識が示す誘導地点の詳細地図画面を表示させるようにしたので、利用者が手袋を装着している場合であっても、表示画面上の広い領域に表示される直近誘導標識を容易にタッチすることができるとともに、詳細地図画面を見ることができる。
【0103】
また、表示画面全域に表示される詳細地図画面をタッチパネルとして表示し、タッチパネルとして表示される詳細地図画面が利用者によって選択された場合に、誘導画像を用いた画面を表示させるようにしたので、利用者が手袋を装着している場合であっても、表示画面全域に表示される詳細地図画面を容易にタッチすることができるとともに、誘導画像が表示された画面に戻ることができる。
【0104】
また、誘導画像を用いて経路を誘導するバイクナビモードと、誘導画像を用いずに地図画面のみを用いて経路を誘導する通常モードと、を設定するようにしたので、たとえば、二輪車に乗る際に用いる場合に対応して、モードを設定することができる。また、普通車などに乗る際には、通常モードとして使用することができる。
【0105】
本実施の形態においては、上述した誘導画像や誘導標識の表示形式に限らず、他の表示形式とすることも可能である。以下に、上述した説明とは異なる表示形式について、順次説明する。
【0106】
(誘導画像に付加する情報の一例)
つぎに、図9および図10を用いて、経路誘導時における誘導画像に付加する情報の一例について説明する。図9は、時刻を付加した誘導画像の一例を示す説明図である。図9において、誘導画像900は、直近誘導標識901と、第2誘導標識902と、第3誘導標識903とが表示されている。
【0107】
各誘導標識901〜903には、各誘導標識901〜903のそれぞれに到着する予定時刻904が表示されている。なお、予定時刻904とともに、現在地点からの距離を表示してもよい。このような誘導画像900によれば、利用者は誘導地点の詳細な情報を得ることができる。
【0108】
図10は、各誘導標識間の信号機の数を付加した誘導画像の一例を示す説明図である。図10において、誘導画像1000には、信号機のマーク1001が表示されている。このマーク1001は、各誘導標識間に存在する信号機の数を表している。なお、信号機の数を表すには、マーク1001に限らず、数字を示してもよい。すなわち、直近誘導標識901までに「信号機数2」、第2誘導標識902と第3誘導標識903との間に「信号機数1」といった表示をおこなってもよい。
【0109】
このような誘導画像1000によれば、利用者は信号機の数により誘導地点までの距離を把握することができる。なお、マーク1001として表示される信号機の大きさについても、距離に対応させ、つまり、現在位置から近いものほど大きく表示させるようにしてもよい。
【0110】
(誘導画像の配置の一例)
つぎに、図11〜図16を用いて、経路誘導時における誘導画像の配置の一例について説明する。図11および図12は、直近誘導標識が示す方向の側に他の誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。図11において、誘導画像1100に表示される直近誘導標識1101は、左折方向を示している。第2誘導標識1102および第3誘導標識1103は、直近誘導標識1101の示す方向に対応して、左側に配置されている。なお、車両が直近誘導標識1101に示される直近誘導地点を通過すると、第2誘導標識1102に示す誘導地点の内容が(直進方向の矢印)が直近誘導標識1101に表示され、直進方向に対応させて、第2誘導標識1102および第3誘導標識1103を中央の位置に表示させる。
【0111】
また、図12おいて、誘導画像1200に表示される直近誘導標識1201は、右折方向を示している。第2誘導標識1102および第3誘導標識1103は、直近誘導標識1201の示す方向に対応して、右側に配置されている。このような誘導画像1100,1200によれば、誘導標識単体による誘導ではなく、すなわち、誘導画像1100,1200自体に方向性を持たせることができ、利用者にとって直近誘導地点の方向を瞬時に把握することが容易な画面を表示させることができる。
【0112】
図13および図14は、各誘導標識が示す方向に対応して各誘導標識を配置した場合の誘導画像の一例を示す説明図である。図13において、誘導画像1300は、直近誘導標識1301と、第2誘導標識1302と、第3誘導標識1303と、領域分割線1310とを表示している。直近誘導標識1301および第3誘導標識1303は、左折方向を示しており、これに対応してそれぞれ左側に配置されている。また、第2誘導標識1302は、直進方向を示しており、これに対応して中央に配置されている。なお、領域分割線1310は、右側、左側、中央の配置位置を明瞭にするための線である。領域分割線1310は、任意に表示すればよく、表示させないようにしてもよい。
【0113】
また、図14において、誘導画像1400に表示される直近誘導標識1401は、右折方向を示しており、これに対応して右側に配置されている。また、第2誘導標識1402は、直進方向を示しており、これに対応して中央に配置されている。さらに、第3誘導標識1403は、左折方向を示しており、これに対応して左側に配置されている。このような誘導画像1300、1400によれば、各誘導標識が示す誘導地点までに、それぞれどの方向に進むのかをひと目で把握しやすくなる。
【0114】
図15および図16は、表示される全ての誘導標識を経路と見立てた場合の誘導画像の一例を示す説明図である。図15において、誘導画像1500は、左折方向を示す直近誘導標識1501と、直進方向を示す第2誘導標識1502と、左折方向を示す第3誘導標識1503と、補助線1504とが表示されている。直近誘導標識1501は、右側に配置されている。第2誘導標識1502は、直近誘導標識1501が示す矢印の先端を起点とする位置に配置されている。
【0115】
さらに、第3誘導標識1503は、第2誘導標識が示す矢印の先端を起点とする位置に配置されている。補助線1504は、各誘導標識1501〜1503を通過する際の経路を見立てたものである。なお、補助線1504は、任意に表示すればよく、表示させないようにしてもよい。
【0116】
また、図16において、誘導画像1600に表示される直近誘導標識1601は、右折方向を示している。第2誘導標識1602は、直進方向を示している。第3誘導標識1603は、左折方向を示している。これらの誘導標識1601〜1603についても、図15に示した誘導標識1501〜1503と同様に、各矢印の先端を起点とする位置に次の標識が配置されるようになっている。このような誘導画像1500、1600によれば、利用者は先々の経路をイメージすることができる。
【0117】
(誘導画像の配置の一例)
つぎに、図17〜図20を用いて、直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例について説明する。図17および図18は、直進方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。図17において、誘導画像1700には、半分だけ表示された直近誘導標識1701と、第2誘導標識1702と、第3誘導標識1703とが表示されている。
【0118】
誘導画像1700では、当該直近誘導標識1701が表示されていない状態から、当該直近誘導標識1701を徐々に上方に移動させている際の途中の状態を示している。この状態から直近誘導標識1701がさらに上方に移動すると、図18に示す表示画面1800に移行する。図18に示す表示画面1800では、直近誘導標識1801が定位置まで移動した状態を示している。
【0119】
図19および図20は、左折方向を示す直近誘導標識をアニメーション画像により登場させる際の誘導画像の一例を示す説明図である。図19において、誘導画像1900には、半分だけ表示された直近誘導標識1901と、第2誘導標識1902と、第3誘導標識1903とが表示されている。誘導画像1900では、当該直近誘導標識1901が表示されていない状態から、当該直近誘導標識1901を徐々に左方に移動させている際の途中の状態を示している。この状態から直近誘導標識1901がさらに左方に移動すると、図20に示す表示画面2000に移行する。
【0120】
図20に示す表示画面2000では、直近誘導標識2001が定位置まで移動した状態を示している。なお、このような表示画面1700〜2000は、直近誘導地点を通過した後、第2誘導標識1702(1902)が直近誘導標識1701(1901)に移行する際に表示される。このようなアニメーション画像による登場は、1回のみに限らず、連続的におこなってもよい。また、アニメーション画像による登場は、たとえば、直近誘導標識1701に移行した際に1回おこなった後、直近誘導地点までの距離が300m以内になったときから直近誘導地点を通過するまでの間、連続的におこなってもよい。
【0121】
(誘導標識を立体的に表示させた際の誘導画像の表示の一例)
つぎに、図21を用いて、誘導標識を立体的に表示させた際の誘導画像の表示の一例について説明する。図21は、誘導標識を立体的に表示させた際の誘導画像の表示の一例を示した説明図である。図21において、誘導画像2100には、直近誘導標識2101と、第2誘導標識2102と、第3誘導標識2103とが表示されている。各誘導標識2101〜2103には、それぞれ現在地点からの距離2104が表示されている。
【0122】
各誘導標識2101〜2103は、距離2104が近いものほど、立体的に表示されている。つまり、誘導標識2101〜2103は、それぞれ標識を重畳した表示形式とすることにより立体的に表示させており、さらに、現在地点からの距離が近くなるほど誘導標識2101〜2103の厚みを増大させている。なお、誘導標識2101〜2103は、距離2104が近いものほど、厚みに加えて平面の面積も大きく表示しているが、各誘導標識2101〜2103の平面の面積を一定にして、厚みのみを変動させるようにすることも可能である。
【0123】
このような表示形式においても、上述したアニメーション画像による直近誘導標識2101の登場や、直近誘導標識2101の示す方向の側に第2誘導標識2102および第3誘導標識2103を配置させることなども可能である。このような誘導画像2100によれば、各誘導地点までの距離感がわかりやすい画像を表示させることができる。
【0124】
(他の形状を示した誘導標識の一例)
つぎに、図22および図23を用いて、他の形状を示した誘導標識の一例について説明する。図22および図23は、他の形状を示した誘導標識の一例を示した説明図である。図22に示す誘導画像2200には、上述した説明の誘導標識とは異なる形状の誘導標識2201〜2203が表示されている。このような誘導標識2201〜2203についても、現在地点からの距離が表示されており、誘導地点までの距離が700m以下になると、交差点名称などの詳細を示す情報が表示されるようになっている。また、誘導地点までの距離が300m以下になると、表示されている色が変更される。
【0125】
また、図23に示す誘導画像2300には、上述した説明の誘導標識とは異なる形状の誘導標識2301〜2303が表示されている。このような誘導標識2301〜2303についても、現在地点からの距離が表示されており、誘導地点までの距離が700m以下になると、交差点名称などの詳細を示す情報が表示されるようになっている。また、誘導地点までの距離が300m以下になると、表示されている色が変更される。このような誘導画像2200,2300を用いても、図21までに示した誘導画像と同様の効果を得ることができる。
【0126】
以上説明したように、本発明のナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および記録媒体によれば、次の誘導ポイントまでにどの程度近づいているのかという距離感がひと目でわかる。したがって、利用者が頻繁に表示画面を眺めることができない場合であっても、瞬時に情報を把握することができ、誘導経路に従った経路を辿ることができる。
【0127】
なお、本実施例で説明したナビゲーション方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0128】
100 ナビゲーション装置
101 設定部
102 抽出部
103 算出部
104 表示制御部
105 表示部
106 取得部
107 モード設定部
108 受付部
300 ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の誘導地点ごとに誘導情報を表示して、目的地までの経路を誘導するナビゲーション装置であって、
前記経路上の所定の誘導地点を抽出する抽出手段と、
現在地点から、前記所定の誘導地点までの距離を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記所定の誘導地点までの距離が所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導情報の表示形態を、それまでに表示されていた表示形態と異ならせる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記算出手段によって算出された前記誘導地点までの距離が前記所定距離以下になったときの当該誘導情報の表示形式の色を、それまでに表示されていた色と異ならせることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
所定の誘導地点ごとに誘導情報を表示して、目的地までの経路を誘導するナビゲーション方法であって、
前記経路上の所定の誘導地点を抽出する抽出工程と、
現在地点から、前記所定の誘導地点までの距離を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された前記所定の誘導地点までの距離が所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導情報の表示形態を、それまでに表示されていた表示形態と異ならせる表示制御工程と、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーションプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
所定の誘導地点ごとに誘導情報を表示して、目的地までの経路を誘導するナビゲーション装置であって、
前記経路上の所定の誘導地点を抽出する抽出手段と、
現在地点から、前記所定の誘導地点までの距離を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された前記所定の誘導地点までの距離が所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導情報の表示形態を、それまでに表示されていた表示形態と異ならせる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記算出手段によって算出された前記誘導地点までの距離が前記所定距離以下になったときの当該誘導情報の表示形式の色を、それまでに表示されていた色と異ならせることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
所定の誘導地点ごとに誘導情報を表示して、目的地までの経路を誘導するナビゲーション方法であって、
前記経路上の所定の誘導地点を抽出する抽出工程と、
現在地点から、前記所定の誘導地点までの距離を算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出された前記所定の誘導地点までの距離が所定距離以下になったときに、当該誘導地点における誘導情報の表示形態を、それまでに表示されていた表示形態と異ならせる表示制御工程と、
を含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション方法をコンピュータに実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーションプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公開番号】特開2012−83358(P2012−83358A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−269450(P2011−269450)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【分割の表示】特願2009−551345(P2009−551345)の分割
【原出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【分割の表示】特願2009−551345(P2009−551345)の分割
【原出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)
【Fターム(参考)】
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