説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラム

【課題】小さい分岐角度を有する分岐においても、従来に比較してより正確に自車位置を算出する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、現在位置情報算出部21とY字分岐判定部22とを備える。現在位置情報算出部21はGPS衛星からの無線信号に基づいて現在位置Pを測位し、所定の地図データと現在位置Pとに基づいて地図データ上の自車位置Qを特定する。Y字分岐判定部22は、測位された現在位置Pから進行方向の所定範囲内に分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、現在位置Pと当該現在位置Pに対応する自車位置Qが存在する分岐元道路候補の道路リンクとの距離D2と、現在位置Pと当該現在位置Pに対応する仮想自車位置Rが存在する分岐道路候補の道路リンクとの距離D3とを算出し、距離D2と距離D3とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラムに関し、特に、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムからの信号に基づいて位置を測定するナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるナビゲーション装置は、GPS衛星からの信号、自立センサによる検出信号等を用いて車両の現在位置、移動速度、方位等の現在位置情報を算出し、算出された現在位置情報と記憶媒体に予め記憶された道路地図情報とのマッチング処理を行うことにより、地図データ上での自車位置を特定する。このようなナビゲーション装置では、従来、車両が小さい分岐角度を有するY字分岐に進入したとき、自車位置を間違って表示することがあった。これに対して、分岐点付近を通過時に車両の減速を検出したとき車両が分岐道路を走行していると判定し、車両の減速を検出しないとき車両が分岐元道路を走行していると判定する従来例に係るナビゲーション装置が例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−17644号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来例に係るナビゲーション装置では、分岐点付近で分岐元道路が混雑している場合、分岐元道路を走行しているにも関わらず減速することがあり、その場合、車両が分岐道路を走行していると誤判定する可能性があった。また、分岐道路及び分岐元道路が共に高速道路である場合、分岐道路で必ずしも減速するとは限らない。そのため、従来例に係るナビゲーション装置は、必ずしも正確に自車位置を判定することができないという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、小さい分岐角度を有する分岐においても、従来に比較してより正確に自車位置を算出するナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係るナビゲーション装置は、所定の測位システムの各送信局からの無線信号に基づいて現在位置を測位し、所定の地図データと前記現在位置とに基づいて、地図データ上の自車位置を特定する現在位置情報算出手段と、前記測位された現在位置から進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、(a)前記現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの第1の距離と、(b)前記現在位置と、当該現在位置に対応する仮想自車位置が存在する分岐道路候補の道路リンクとの第2の距離とを算出し、第1の距離と第2の距離とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する分岐判定を行う分岐判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
上記ナビゲーション装置において、前記分岐判定手段は、分岐点通過前における現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在した道路リンクとの第3の距離を算出し、第3の距離だけ第1の距離を補正することを特徴とする。
【0008】
とって代わって、上記ナビゲーション装置において、前記分岐判定手段は、前記現在位置から進行方向の所定範囲内に分岐が存在すると判定してから分岐点を通過するまでの間、所定期間又は所定距離毎に複数の第4の距離を算出し、前記算出された複数の第4の距離の平均値を第3の距離として算出し、第3の距離だけ第1の距離を補正することを特徴とする。ここで、前記分岐判定手段は、所定期間又は所定距離毎に第4の距離を算出したときに前回算出した第4の距離と今回算出した第4の距離との差を算出し、当該差が所定値以上であるとき、前回までに算出した少なくとも1つの第4の距離を前記平均値の算出に用いることを中止することを特徴とする。
【0009】
また、上記ナビゲーション装置において、前記分岐判定手段は、分岐点通過前における前記現在位置が当該現在位置に対応する自車位置が存在した道路リンクに対して前記分岐道路候補と同じ側に存在するとき、分岐点通過後において、分岐点通過後における前記現在位置に対応する仮想自車位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する前記分岐元道路候補の道路リンクとの距離が第3の距離を超えるまで分岐判定を行うことを中止する一方、分岐点通過前における前記現在位置が当該現在位置に対応する自車位置が存在した道路リンクに対して前記分岐道路候補とは異なる側に存在するとき、分岐点通過後において、分岐点通過後における前記現在位置に対応する仮想自車位置と、当該現在位置に対応する自車位置との距離が第3の距離を超えるまで分岐判定を行うことを中止することを特徴とする。
【0010】
第2の発明に係るナビゲーション方法は、所定の測位システムの各送信局からの無線信号に基づいて現在位置を測位し、所定の地図データと前記現在位置とに基づいて、地図データ上の自車位置を特定するステップと、前記測位された現在位置から進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、(a)前記現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの第1の距離と、(b)前記現在位置と、当該現在位置に対応する仮想自車位置が存在する分岐道路候補の道路リンクとの第2の距離とを算出し、第1の距離と第2の距離とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する分岐判定を行うステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
第3の発明に係るナビゲーションプログラムは、所定の測位システムの各送信局からの無線信号に基づいて現在位置を測位し、所定の地図データと前記現在位置とに基づいて、地図データ上の自車位置を特定するステップと、前記測位された現在位置から進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、(a)前記現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの第1の距離と、(b)前記現在位置と、当該現在位置に対応する仮想自車位置が存在する分岐道路候補の道路リンクとの第2の距離とを算出し、第1の距離と第2の距離とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する分岐判定を行うステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラムによれば、測位された現在位置から進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、(a)現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの第1の距離と、(b)現在位置と、当該現在位置に対応する仮想自車位置が存在する分岐道路候補の道路リンクとの第2の距離とを算出し、第1の距離と第2の距離とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する分岐判定を行うので、小さい分岐角度を有する分岐においても、従来に比較してより正確に自車位置を算出することができるという有利な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0014】
実施形態.
図1は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るナビゲーション装置は、例えば自動車等の車両に搭載されるナビゲーションシステム等の電子機器に搭載される。図1において、ナビゲーション装置は、センサ回路部1と、コントローラ2と、道路地図情報データベース6と、ディスプレイ7とを備えて構成される。センサ回路部1は、GPS受信回路11と、角度センサ12と、速度センサ13と、距離センサ14とを備えて構成され、コントローラ2は、現在位置情報算出部21と、Y字分岐判定部22とを備えて構成される。また、Y字分岐判定部22は、データメモリ22mを備え、データメモリ22m内には、分岐元道路候補道路リンク情報22aと、分岐道路候補道路リンク情報22bと、距離データ22cと、方向データ22dとが格納されている。
【0015】
GPS受信回路11は、複数のGPS衛星からの電波を受信することによって、地球上における緯度、経度及び高度を含む車両の絶対位置を算出し、算出された絶対位置のドップラーシフトから車両の移動速度を算出し、車両の絶対位置と移動速度とをコントローラ2に出力する。角度センサ12は、例えば振動ジャイロや光ファイバジャイロ等のジャイロ装置であって、車両の進行方向の角度(ロール角)、車両の進行方向に対して右方向の角度(ピッチ角)、車両の進行方向に対して鉛直下方向の角度(ヨー角)を含む車両の相対角度を検出してコントローラ2に出力する。速度センサ13は、例えば加速度センサ等であって、予め定められた座標系における加速度を検出することによって車両の相対速度を検出してコントローラ2に出力する。距離センサ14は、例えば車両の走行速度に応じてパルス周期が変化する車速パルスを発生して出力する車速パルス発生器等であって、車両の移動距離を検出してコントローラ2に出力する。
【0016】
道路地図情報データベースメモリ6は、例えば書き換え可能なハードディスクドライブ等の記憶媒体であって、地図データ、道路上に所定間隔で設定された複数のノードの座標、ノード間を接続する道路リンクの方位及び道路幅等の道路地図情報が予め格納されている。ディスプレイ7は、例えば液晶ディスプレイ等であって、コントローラ2により、道路地図情報データベースメモリ6に格納された地図データに、特定された自車位置を重畳して表示する。
【0017】
コントローラ2は、例えばCPU等であって、現在位置情報算出部21及びY字分岐判定部22の各処理は、コンピュータプログラムとして図示しないROMに予め格納されて図示しないRAMを用いて実行される。現在位置情報算出部21は、GPS受信回路11により検出された車両の絶対位置及び移動速度と、角度センサ12、速度センサ13及び距離センサ14によりそれぞれ検出された車両の相対角度、相対速度及び移動距離を用いて推測航法により算出した車両の位置及び速度とを用いて総合的に判断することで車両の現在位置を算出する(詳細は後述する。)。現在位置情報算出部21により算出された車両の現在位置は、道路地図情報データベースメモリ6に記憶されている地図データとマッチング処理されて自車位置として算出される。以下、算出された車両の位置を「現在位置」といい、地図データとのマッチングにより特定された車両の位置を「自車位置」という。
【0018】
Y字分岐判定部22は、現在位置情報算出部21によりそれぞれ算出及び特定された現在位置及び自車位置に基づいて、現在位置情報算出部21を介して道路地図情報データベースメモリ6の道路地図情報を用いて、Y字分岐における分岐判定を行う(詳細は後述する。)
【0019】
まず、現在位置情報算出部21による車両の現在位置の算出方法について説明する。図2は、図1の現在位置情報算出部21による現在位置の算出方法を説明する、車両30の車両中心O1を基準とした車両座標系を示す斜視図である。図2において、車両の進行方向をXB軸とし、車両の右方向をYB軸とし、XB−YB軸平面に対する垂直下方向をZB軸とする。なお、XB軸、YB軸、ZB軸の「B」とは車両座標系(Body frame)を表す。角度センサ12、速度センサ13及び距離センサ14は車両に直接設置され、それぞれ車両座標系に沿った出力値を検出する。例えば角度センサ12はそれぞれZB軸、YB軸、XB軸を中心とするヨー角、ピッチ角、ロール角の相対角度を検出し、速度センサ13は各軸方向の成分を有する相対速度を検出し、距離センサ14はXB軸方向の移動距離を検出する。
【0020】
図3は、図1の現在位置情報算出部21による現在位置の算出方法を説明する、推測航法に用いられる航法座標系(局地水平座標系(Locally level frame))と地球座標系とを示す図である。図2の車両座標系における各センサの出力値は、推測航法を行うために図3に示すような、地球の質量中心O2を基準としたXC軸、YC軸、ZC軸による地球座標系における、車両の現在位置O3を中心としたXL軸、YL軸、ZL軸による航法座標系に変換する必要がある。角度センサ12から得られる車両座標系におけるヨー角、ピッチ角、ロール角は、初期角度を加算された後、次式(1)で表される座標変換行列Tにより航法座標系に座標変換できる。なお、次式(1)において、θを初期角度加算後のヨー角とし、θを初期角度加算後のピッチ角θとし、θを初期角度加算後のロール角とする。
【0021】
【数1】

【0022】
したがって、上記座標変換行列Tを用いて、速度センサ13により得られた車両座標系における車両の相対速度vは、次式(2)により航法座標系における移動速度vに変換できる。なお、次式(2)において、vB,xは相対速度vのXB軸成分を示し、vB,yは相対速度vのYB軸成分を示し、vB,zは相対速度vのZB軸成分を示し、vL,xは相対速度vのXL軸成分を示し、vL,yは相対速度vのYL軸成分を示し、vL,zは相対速度vのZL軸成分を示す。また、距離センサ14で得られた車両の移動距離Rも同様に、次式(3)を用いて航法座標系における移動距離Rに変換することができる。但し、距離センサ14により得られる車両の移動距離Rは進行方向であるXB軸成分のみであるため、R=(0,0,RB,x)で表す。なお、次式(3)において、RL,xは移動距離RのXL軸成分を示し、RL,yは移動距離RのYL軸成分を示し、RL,zは移動距離RのZL軸成分を示す。
【0023】
【数2】

【0024】
【数3】

【0025】
以上のようにして得られた航法座標系における車両の移動速度v及び移動距離Rに基づいて、GPS受信回路11により得られた車両の絶対位置の初期値を考慮することにより、地図データ上における車両の現在位置を算出できる。
【0026】
しかしながら、推測航法ではそれぞれのセンサ固有の誤差が時間の経過とともに累積するため、長時間の航法に耐えることができない。そこで、現在位置情報算出部21ではGPS受信回路11から得られる車両の絶対位置及び移動速度と、推測航法によって得られる車両の現在位置及び移動速度との差をそれぞれ観測誤差である位置誤差及び速度誤差とし、カルマンフィルタを用いることによって航法誤差である位置誤差、速度誤差及び姿勢角誤差を推定して補正することで最終的な車両の現在位置、移動速度及び姿勢角を算出する。その後、例えば車両の現在位置を中心として半径10mの範囲で道路地図情報データベース6に格納された道路リンクを抽出し、それぞれの道路リンク方位と現在位置の方位が最も一致する道路リンクを現在走行している道路として決定するマッチング処理を行い、地図データ上での自車位置を特定する。一旦自車位置が決定した後は、その自車位置から道路リンク上を移動距離だけ進めることで位置を更新すればよい。
【0027】
次に、Y字分岐判定部22による分岐判定について説明する。図4は、図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、分岐角度θを有するY字分岐における分岐道路候補及び分岐元道路候補の道路リンクを示す概念図である。図4において、ノードN1〜N9と、各ノード間のリンクPn+1〜Pn+8が示され、分岐元道路候補は道路リンクPn+1〜Pn+5によって構成され、分岐道路候補は道路リンクPn+1,Pn+2,Pn+6〜Pn+8によって構成される。Y字分岐判定部22は、自車位置の存在する道路リンクの両端のノードに接続する道路リンクを、例えば進行方向に5本程度まで探索し、Y字分岐が存在するか否かを判定する。分岐が存在する場合は、現在位置情報算出部21を介して道路地図情報データベースメモリ6の道路地図情報を読み出して、分岐元道路候補の道路リンク情報22aと分岐道路候補の道路リンク情報22bとを生成してデータメモリ22mに記憶する(図5参照)。このとき、分岐前の道路リンク、即ち道路リンクPn+2の方位と道路リンクPn+3の方位との差と、道路リンクPn+2の方位と道路リンクPn+6の方位との差のうち、より小さい差を有する道路リンクPn+3側を分岐元道路候補とし、より大きい差を有する道路リンクPn+6側を分岐道路候補とする。また、分岐元道路候補と分岐道路候補との分岐角度θが例えば60度以下であるとき、その分岐がY字分岐であると判定する。
【0028】
図5(a)は図1のデータメモリ22mに格納された分岐元道路候補の道路リンク情報22aを示すテーブルであり、図5(b)は図1のデータメモリ22mに格納された分岐道路候補の道路リンク情報22bを示すテーブルであり、図5(c)は各道路リンク情報内の道路リンクPn+1に関するデータ23−1の一例を示すテーブルである。分岐元道路候補の道路リンク情報22aは、分岐元道路候補を構成する各道路リンクPn+1〜Pn+5に関するデータ23−1〜23−5を順に格納する。分岐道路候補の道路リンク情報22bは、分岐道路候補を構成する各道路リンクPn+1,Pn+2,Pn+6〜Pn+8に関するデータ23−1,23−2,23−6〜23−8を順に格納する。各道路リンクに関するデータは、例えば図5(c)に示すように、自車位置の有無、リンク番号、リンク長、当該リンクの両端のノードのノード番号、各ノードの緯度及び経度、各ノードの隣接ノード情報等を含む。
【0029】
図6は、図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、分岐点通過前の車両の現在位置Pと道路リンク上での自車位置Qとの関係を示す概念図である。また、図7は、図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、分岐点通過後の車両の現在位置Pと道路リンク上での自車位置Q及び仮想自車位置Rとの関係を示す概念図である。図6及び図7において、Y字分岐判定部22は、車両の進行方向にY字分岐が確認された場合、分岐点通過前において、現在位置Pとそれに対応する自車位置Qが存在する分岐元道路候補の道路リンクとの距離D2及び現在位置Pとそれに対応する仮想自車位置Rが存在する分岐道路候補の道路リンクD3との距離をそれぞれ測定する。自車位置Qが実際にディスプレイ7上に表示されるのに対して、仮想自車位置Rはディスプレイ7には表示されず、分岐点通過前においては自車位置Qと一致し、分岐点通過後においては分岐点から分岐元道路候補の道路リンク上を自車位置Qが進んだ距離と同じ距離だけ分岐道路候補の道路リンク上で位置を進めることによって算出される。測定された2つの距離が等しいとき、即ち図6に示すようにD2=D3であるとき、車両が分岐点通過前であると判定する一方、測定された2つの距離が等しくないとき、即ち図7に示すようにD2≠D3であるとき、車両が分岐点を通過したと判定する。
【0030】
図8は、図1のY字分岐判定部22の分岐判定に用いる補正量Wの算出方法を説明する概念図である。図8において、Y字分岐判定部22は、分岐点通過前において、前方にY字分岐が存在すると判定した時刻tから、所定時間毎に、現在位置P0〜P5とそのそれぞれに対応する自車位置Q0〜Q5が存在する道路リンクとの距離y(t)〜y(t+5)を測定して、距離データ22cとしてデータメモリ22mに格納しておく。なお、自車位置Q0〜Q5は、仮想自車位置R0〜R5と一致する。車両が分岐点を通過したと判定されたとき、次式(4)を用いて、データメモリ22mに格納された上記距離y(t)〜y(t+5)の平均値を補正量Wとして算出する。なお、次式(4)において、kは測定した距離データの個数であり、図8に示す例の場合はk=6である。また、このとき、現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と同じ側に存在したか否かを示す方向データ22dをデータメモリ22mに格納しておく。これは、道路地図情報データベースメモリ6に記憶されている道路リンクは道路の中央線を表す一方、車両が必ずしも道路の中央を走行しないことや、GPS受信回路11に含まれるGPSアンテナが必ずしも車両の中心に設置されないことを考慮するために必要である。
【0031】
【数4】

【0032】
図9は、図1のY字分岐判定部22の分岐判定方法を説明する概念図である。図9において、車両が分岐点を通過した後は、現在位置P6〜P10とそのそれぞれに対応する自車位置Q6〜Q10が存在する分岐元道路リンクとの距離D2を上記補正量Wによって補正した距離D2aとして算出する。このとき、データメモリ22mに格納された方向データ22dが、分岐点通過前における現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と同じ側にあったことを示す場合、距離D2aは次式(5)により算出され、分岐点通過前における現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と異なる側にあったことを示す場合、距離D2aは次式(6)により算出される。
【0033】
[数1]
D2a=D2−W (5)
【0034】
[数2]
D2a=D2+W (6)
【0035】
そして、現在位置P6〜P10とそのそれぞれに対応する自車位置Q6〜Q10が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの補正後の距離D2a、及び現在位置P6〜P10とそのそれぞれに対応する仮想自車位置R6〜R10が存在する分岐道路候補の道路リンクとの距離D3のうち、より短い距離を有する道路候補を、車両が実際に走行している道路であると判定し、自車位置を更新する。
【0036】
図10は、図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、分岐点通過前における現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と同じ側にあったときのY字分岐判定を説明する概念図である。図10において、分岐点通過前の現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と同じ側にあった場合、車両が分岐元道路を走行しているにも関わらず、分岐道路を走行していると誤判定する可能性がある。そのため、分岐点通過後、分岐道路候補の道路リンク上の仮想自車位置Rと分岐元道路候補の道路リンクの距離D4が補正値Wを超える位置を、現在位置P又は自車位置Qが通過するまで分岐判定を行わないようにする。これにより、分岐点通過直後における誤判定を回避することができる。
【0037】
図11は、図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、分岐点通過前における現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と異なる側にあったときのY字分岐判定を説明する概念図である。図11において、同様に、分岐点通過前の現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と異なる側にあった場合、車両が分岐道路を走行しているにも関わらず、分岐元道路を走行していると誤判定する可能性がある。そのため、分岐点通過後、自車位置と分岐道路候補の道路リンク上の仮想自車位置Rとの距離D5が補正量Wを超える位置を現在位置P又は自車位置Qが通過するまで分岐判定を行わないようにする。
【0038】
図12は、図1のコントローラ2によって実行されるY字分岐判定処理を示すフローチャートである。まず、図12のステップS1において、センサ回路部1の各出力値に基づいて現在位置Pを算出し、ステップS2において、算出された現在位置Pと、道路地図情報データベースメモリ6の道路地図情報とに基づいて、道路リンク上で自車位置Qを特定してディスプレイ7に表示した後、ステップS3に進む。ステップS3において、自車位置Qが存在する道路リンクは、進行方向の所定の道路リンク数内にY字分岐を含むか否かを判断し、YESのときはステップS4に進む一方、NOのときは当該処理を終了する。ステップS4において、値nを0に初期化した後、ステップS5に進む。ステップS5において、道路地図情報データベースメモリ6の道路地図情報に基づいて、分岐元道路候補の道路リンク情報22aと分岐道路候補の道路リンク情報22bとを作成してデータメモリ22mに格納し、ステップS6において、センサ回路部1の各出力値に基づいて現在位置Pを算出し、ステップS7において、算出された現在位置Pと、道路地図データベースメモリ6の道路地図情報とに基づいて、道路リンク上で自車位置Qを特定してディスプレイ7に更新表示したのち、ステップS8に進む。
【0039】
ステップS8において、現在位置Pとそれに対応する自車位置Qが存在する分岐元道路候補の道路リンクとの距離D2と、現在位置Pとそれに対応する仮想自車位置Rが存在する分岐道路候補の道路リンクとの距離D3とを算出した後、ステップS9において、距離D2と距離D3とが等しいか否かを判断し、YESのときはステップS10に進む一方、NOのときはステップS12に進む。ステップS10において、現在位置Pからそれに対応する自車位置Qが存在する道路リンクまでの距離y(t+n)及び方向を算出してそれぞれデータメモリ22mに距離データ22c及び方向データ22dとして格納し、ステップS11において、値nを1だけ増加させた後、ステップS5に戻って処理を繰り返す。
【0040】
ステップS12において、距離データ22cとして格納された距離y(t)〜y(t+(n−1))までの平均値を補正値Wとして算出し、ステップS13において、分岐元道路候補の道路リンク情報22aにおいて自車位置Qを距離センサ14により検出された移動距離分だけ進めて更新し、ディスプレイ7に更新表示し、ステップS14において、分岐道路候補の道路リンク情報22bにおいて仮想自車位置Rを距離センサ14により検出された移動距離分だけ進めて更新した後、ステップS15に進む。ステップS15において、方向データ22dが、分岐点通過前における現在位置Pが走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と同じ側に存在したことを示すか否かを判断し、YESのときはステップS16に進む一方、NOのときはステップS19に進む。ステップS16において、距離D2から補正値Wを減算した距離を距離D2aとして算出し、ステップS17において、仮想自車位置Rと分岐元道路候補の道路リンクとの距離D4を算出した後、ステップS18に進む。ステップS18において、距離D4が補正値Wよりも大きいか否かを判断し、YESのときはステップS22に進む一方、NOのときはステップS13に戻って処理を繰り返す。ステップS19において、距離D2に補正値Wを加算した距離を距離D2aとして算出し、ステップS20において、自車位置Qと分岐道路候補の道路リンクとの距離D5を算出した後、ステップS21に進む。ステップS21において、距離D5が補正値Wよりも大きいか否かを判断し、YESのときはステップS22に進む一方、NOのときはステップS13に戻って処理を繰り返す。
【0041】
ステップS22において、距離D2aが距離D3よりも小さいか否かを判断し、YESのときはステップS23に進む一方、NOのときはステップS24に進む。ステップS23において、車両が分岐道路に進入したと判定し、仮想自車位置Rを自車位置Qとして更新表示した後、当該処理を終了する。ステップS24において、車両は分岐道路に進入しなかったと判定し、自車位置Qを更新せずに、当該処理を終了する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態に係るナビゲーション装置によれば、測位された現在位置Pから進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、(a)現在位置Pと、当該現在位置Pに対応する自車位置Qが存在する分岐元道路候補の道路リンクとの距離D2と、(b)現在位置Pと、当該現在位置Pに対応する仮想自車位置Rが存在する分岐道路候補の道路リンクとの距離D3とを算出し、距離D2と距離D3とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定するので、小さな分岐角度を有する分岐においても、従来に比較してより正確に自車位置を算出する。
【0043】
なお、本実施形態において、ナビゲーション装置は地図データ及び道路に関する詳細情報等を格納する道路地図情報データベースメモリ6を備えたが、本発明はこれに限らず、例えば携帯電話、PHS等の無線通信装置によって、道路地図情報をセンター設備からその都度ダウンロードする構成であってもよい。
【0044】
また、ナビゲーション装置はディスプレイ7を備え、地図データと自車位置とを表示することによりユーザに自車位置を報知したが、本発明はこれに限らず、音声によりユーザに自車位置を報知する構成であってもよい。
【0045】
さらに、角度センサ12は、ロール角、ピッチ角及びヨー角を検出したが、本発明はこれに限らず、ロール角及びピッチ角を加速度センサにより検出してもよい。
【0046】
またさらに、Y字分岐判定部22は、1本の道路から2本の道路に分岐するY字分岐を判定したが、本発明はこれに限らず、コントローラ2が、1本の道路から3本以上の道路に分岐する分岐を判定してもよい。
【0047】
また、Y字分岐判定部22は、Y字分岐が存在すると判定した時刻tから自車位置が分岐点を通過するまでの距離yの平均値Wを算出した。しかしながら、例えば車両がY字分岐付近で車線変更を行った場合、平均値Wが正確に算出できないことがある。そこで、距離yの前回測定時からの変化量、即ち、前回算出された距離yと今回算出された距離yとの差が例えば3m以上であるときには、車両が車線変更を行ったと判定し、前回までに算出された距離yを無視して、車線変更以降に算出された距離yのみを用いて平均値Wを算出してもよい。
【0048】
さらに、Y字分岐判定部22は、Y字分岐が存在すると判定した時刻tから所定時間毎に距離yを測定した。しかし、本発明はこれに限らず、Y字分岐が存在すると判定した地点から所定の移動距離(例えば10m)毎に距離yを測定してもよい。
【0049】
またさらに、Y字分岐判定部22は、現在位置Pと分岐元道路候補の道路リンクとの距離D2及び現在位置Pと分岐道路候補の道路リンクとの距離D3をそれぞれ測定し、測定された2つの距離が等しいか否かに応じて、車両が分岐点を通過したか否かを判定した。しかし、本発明はこれに限らず、自車位置Qが分岐点であるノードN3を通過したか否かに応じて車両が分岐点を通過したか否かを判定してもよい。
【0050】
また、本実施形態に係るナビゲーション装置は、GPS衛星からの信号を受信して車両の現在位置を測定したが、本発明はこれに限らず、ロシアが運用するGLONASS(Global Navigation Satellite System)や欧州が計画しているガリレオ(Galileo)システム等のGPS以外の衛星測位システムからの信号を受信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上のように、本発明にかかるナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラムは、測位された現在位置から進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、(a)現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの第1の距離と、(b)現在位置と、当該現在位置に対応する仮想自車位置が存在する分岐道路候補の道路リンクとの第2の距離とを算出し、第1の距離と第2の距離とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する分岐判定を行うので、小さな分岐角度を有する分岐においても、従来に比較してより正確に自車位置を算出する。
【0052】
本発明に係るナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びナビゲーションプログラムは、例えばGPS衛星からの信号に基づいて車両の位置を測定する車載用ナビゲーション装置として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の現在位置情報算出部21による現在位置の算出方法を説明する、車両30の車両中心O1を基準とした車両座標系を示す斜視図である。
【図3】図1の現在位置情報算出部21による現在位置の算出方法を説明する、推測航法の演算を行う航法座標系と地球座標系とを示す図である。
【図4】図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、分岐角度θを有するY字分岐における分岐道路候補及び分岐元道路候補の道路リンクを示す概念図である。
【図5】(a)は図1のデータメモリ22mに格納された分岐元道路候補の道路リンク情報22bを示すテーブルであり、(b)は図1のデータメモリ22mに格納された分岐道路候補の道路リンク情報22cを示すテーブルであり、(c)は各道路リンク情報内の道路リンクPn+1に関するデータ23−1の一例を示すテーブルである。
【図6】図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、分岐点通過前の車両の現在位置Pと道路リンク上での自車位置Qとの関係を示す概念図である。
【図7】図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、分岐点通過後の車両の現在位置Pと道路リンク上での自車位置Q及び仮想自車位置Rとの関係を示す概念図である。
【図8】図1のY字分岐判定部22の分岐判定に用いる補正量Wの算出方法を説明する概念図である。
【図9】図1のY字分岐判定部22の分岐判定方法を説明する概念図である。
【図10】図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と同じ側にあるときのY字分岐判定を説明する概念図である。
【図11】図1のY字分岐判定部22による分岐判定方法を説明する、現在位置P0〜P5が走行中の道路リンクに対して分岐道路候補と異なる側にあるときのY字分岐判定を説明する概念図である。
【図12】図1のコントローラ2によって実行されるY字分岐判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
1…センサ回路部、
2…コントローラ、
6…道路地図情報データベース、
7…ディスプレイ、
11…GPS受信機、
12…角度センサ、
13…速度センサ、
14…距離センサ、
21…現在位置情報算出部、
22…Y字分岐判定部、
22a…分岐元道路候補リンク情報、
22b…分岐道路候補リンク情報、
22c…距離データ、
22d…方向データ、
22m…データメモリ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の測位システムの各送信局からの無線信号に基づいて現在位置を測位し、所定の地図データと前記現在位置とに基づいて、地図データ上の自車位置を特定する現在位置情報算出手段と、
前記測位された現在位置から進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、
(a)前記現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの第1の距離と、
(b)前記現在位置と、当該現在位置に対応する仮想自車位置が存在する分岐道路候補の道路リンクとの第2の距離とを算出し、
第1の距離と第2の距離とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する分岐判定を行う分岐判定手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記分岐判定手段は、分岐点通過前における現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在した道路リンクとの第3の距離を算出し、第3の距離だけ第1の距離を補正することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記分岐判定手段は、前記現在位置から進行方向の所定範囲内に分岐が存在すると判定してから分岐点を通過するまでの間、所定期間又は所定距離毎に複数の第4の距離を算出し、前記算出された複数の第4の距離の平均値を第3の距離として算出し、第3の距離だけ第1の距離を補正することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記分岐判定手段は、所定期間又は所定距離毎に第4の距離を算出したときに前回算出した第4の距離と今回算出した第4の距離との差を算出し、当該差が所定値以上であるとき、前回までに算出した少なくとも1つの第4の距離を前記平均値の算出に用いることを中止することを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記分岐判定手段は、分岐点通過前における前記現在位置が当該現在位置に対応する自車位置が存在した道路リンクに対して前記分岐道路候補と同じ側に存在するとき、分岐点通過後において、分岐点通過後における前記現在位置に対応する仮想自車位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する前記分岐元道路候補の道路リンクとの距離が第3の距離を超えるまで分岐判定を行うことを中止する一方、分岐点通過前における前記現在位置が当該現在位置に対応する自車位置が存在した道路リンクに対して前記分岐道路候補とは異なる側に存在するとき、分岐点通過後において、分岐点通過後における前記現在位置に対応する仮想自車位置と、当該現在位置に対応する自車位置との距離が第3の距離を超えるまで分岐判定を行うことを中止することを特徴とする請求項2乃至4のうちのいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
所定の測位システムの各送信局からの無線信号に基づいて現在位置を測位し、所定の地図データと前記現在位置とに基づいて、地図データ上の自車位置を特定するステップと、
前記測位された現在位置から進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、
(a)前記現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの第1の距離と、
(b)前記現在位置と、当該現在位置に対応する仮想自車位置が存在する分岐道路候補の道路リンクとの第2の距離とを算出し、
第1の距離と第2の距離とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する分岐判定を行うステップとを含むことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項7】
所定の測位システムの各送信局からの無線信号に基づいて現在位置を測位し、所定の地図データと前記現在位置とに基づいて、地図データ上の自車位置を特定するステップと、
前記測位された現在位置から進行方向の所定範囲内に、分岐元道路候補から分岐道路候補が分岐する分岐点を有する分岐が存在するか否かを判断し、分岐が存在するとき、
(a)前記現在位置と、当該現在位置に対応する自車位置が存在する分岐元道路候補の道路リンクとの第1の距離と、
(b)前記現在位置と、当該現在位置に対応する仮想自車位置が存在する分岐道路候補の道路リンクとの第2の距離とを算出し、
第1の距離と第2の距離とを比較することにより、分岐道路候補に進入したか否かを判定する分岐判定を行うステップとを含むことを特徴とするナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−36651(P2009−36651A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201714(P2007−201714)
【出願日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】