説明

ナビゲーション装置およびその案内方法

【課題】 本発明の目的は、ユーザに対して不適切な案内を抑制できるナビゲーション技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、道路の所定の区間ごとに、所定の条件を満たすことにより通行可能となる車線(以下条件付き車線という)の設置状態を含む車線情報を記憶する記憶手段と、現在地を特定する現在地特定手段と、現在地特定手段により特定した現在地が、前記条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあるか否かを判定する判定手段と、前記条件付き車線が設置された道路への合流地点の手前で運転の案内を行う運転案内手段と、を備え、運転案内手段は、判定手段によって現在地が当該条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあると判定された場合に、前記条件付き車線を利用する状況にあれば、合流地点までの距離を案内し、前記条件付き車線を利用する状況になければ、前記条件付き車線が存在する旨を案内する、ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置では、HOV(High-Occupancy Vehicles)レーン等の特定の条件を満たす車両のみが走行可能な車線に対応する経路誘導の技術が用いられている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。なお、HOVレーンは、カープールレーンとも呼ばれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−131085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、ナビゲーション装置は、HOVレーンの入口手前においては、「HOVレーンにつき左側を走行してください」、「keep left」等の入口案内を、複数回(例えば3回)に分けて行う。一方で、HOVレーンを備える道路へ合流する合流地点の手前(例えばランプ道等)においては、「左側にHOVレーンがあります」等の位置案内を行う。HOVレーンの入口がある道路へ合流する場合には、入口案内と、位置案内と、の両方がなされることになるため、案内が多いためにユーザに混乱を与えることがある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザに対して不適切な案内を抑制できるナビゲーション技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、道路の所定の区間ごとに、所定の条件を満たすことにより通行可能となる車線(以下条件付き車線という)の設置状態を含む車線情報を記憶する記憶手段と、現在地を特定する現在地特定手段と、前記現在地特定手段により特定した現在地が、前記条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあるか否かを判定する判定手段と、前記条件付き車線が設置された道路への合流地点の手前で運転の案内を行う運転案内手段と、を備え、前記運転案内手段は、前記判定手段によって現在地が当該条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあると判定された場合に、前記条件付き車線を利用する状況にあれば、前記合流地点までの距離を案内し、前記条件付き車線を利用する状況になければ、前記条件付き車線が存在する旨を案内する、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るナビゲーション装置の案内方法では、前記ナビゲーション装置は、道路の所定の区間ごとに、所定の条件を満たすことにより通行可能となる車線(以下条件付き車線という)の設置状態を含む車線情報を記憶する記憶手段と、現在地を特定する現在地特定手段と、前記現在地特定手段により特定した現在地が、前記条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあるか否かを判定する判定手段と、前記条件付き車線が設置された道路への合流地点の手前で運転の案内を行う運転案内手段と、を備え、前記運転案内手段は、前記判定手段によって現在地が当該条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあると判定された場合に、前記条件付き車線を利用する状況であれば、前記合流地点までの距離を案内し、前記条件付き車線を利用する状況でなければ、前記条件付き車線が存在する旨を案内するステップ、を実施することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、ユーザに不要な分岐案内を抑制できるナビゲーション技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、カメラの搭載位置を示す図である。
【図4】図4は、撮像画像を地上面に投影する様子を示す図である。
【図5】図5は、演算処理部の機能構成図である。
【図6】図6は、位置案内処理のフロー図である。
【図7】図7は、位置案内処理の具体例を示す図である。
【図8】図8は、HOV入口案内処理のフロー図である。
【図9】図9は、HOV入口案内処理の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の第一の実施形態を適用したナビゲーション装置について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に、ナビゲーション装置100の全体構成図を示す。ナビゲーション装置100は、地図情報を表示して、ナビゲーション装置100の現在地を示す地点と、設定された目的地までの経路を誘導する情報とを示すことが可能ないわゆるナビゲーション装置である。
【0012】
ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、カメラ12と、車載ネットワーク通信装置13と、を備えている。
【0013】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報に基づいて現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。
【0014】
また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地又は現在地と、目的地(または、経由地や立ち寄り地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0015】
また、演算処理部1は、経路誘導を行う際に、HOV(High-Occupancy Vehicles)レーンへの出入り口の走行を案内することができる。なお、HOVレーンは、乗車人数が規定の乗車人数(例えば運転者を含めて2人)以上である車両や、特定の基準(低燃費、あるいは低公害)を満たす車両のみが走行可能として規定された車線のことである。
【0016】
また、演算処理部1は、経路誘導中に、HOVレーンを備える道路に合流する場面において、HOVレーンの位置を案内することができる。例えば、HOVレーンが左側に存在することをユーザに知らせるメッセージを表示させたり、スピーカ42を介して音声情報を出力したりする。
【0017】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0018】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0019】
記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0020】
この記憶媒体には、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200が記憶されている。
【0021】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。
【0022】
リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の制限速度を示す制限速度227、リンクごとのHOVレーンの設置状況に関する属性を特定するHOV属性228などを含んでいる。
【0023】
HOV属性228は、当該リンクがHOVレーンのみから構成されている道路である場合には、「専用」の属性231を備え、当該リンクがHOVレーンを備えない道路である場合には、「無」の属性234を備える。また、当該リンクがHOVレーンと通常レーンとを併せて有するものであって、かつ、HOVレーンと通常レーンとの間の車線変更ができない道路である場合には、「共用−実線」の属性232を備え、当該リンクがHOVレーンと通常レーンとを併せて有するものであって、かつ、HOVレーンと通常レーンとの間の車線変更が可能な道路である場合には、「共用−破線」の属性233を備える。すなわち、HOV属性228には、HOVレーンの設置状況を特定する情報が格納されるといえる。
【0024】
なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0025】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、ユーザやその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0026】
スピーカ42は、演算処理部1で生成されたユーザへのメッセージを音声として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0027】
入力装置5は、ユーザからの指示をユーザによる操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。また、入力装置5には、ナビゲーション装置100に対して遠隔で操作指示を行うことができるリモートコントローラが含まれる。リモートコントローラは、ダイヤルスイッチやスクロールキー、縮尺変更キーなどを備え、各キーやスイッチが操作された情報をナビゲーション装置100に送出することができる。
【0028】
タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0029】
ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0030】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0031】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0032】
FM多重放送受信装置10は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0033】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0034】
図3は、車両300の後方に取り付けられたカメラ12を示す。カメラ12は、やや下を向いており、車両の後方の地上面をCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子を用いて撮像する。なお、カメラ12が取り付けられる位置に制限はなく、例えば、カメラ12は車両300の前方に取り付けられて車両の前方の地上面を撮像するものであってもよい。
【0035】
図4は、図3のカメラ12にて撮像した画像を用いた地上投影画像の生成方法を説明するための図である。後述するカメラ制御部104は、カメラ12の視点Pの位置(車両内の所定位置を原点とする三次元空間における座標位置)と撮像方向(視線方向)Kを求める。そして、カメラ制御部104は、撮像画像510を、カメラ12の視点Pの位置から撮像方向Kに向けて、地上面520に投影し、地上投影画像530を生成する。なお、撮像方向Kは、撮像画像510の中心と垂直に交わる。また、カメラ12の視点Pから撮像画像510までの距離は、予め定められている。こうして生成される地上投影画像530は、車両の上空から車両周辺を鳥瞰したような画像となる。
【0036】
車載ネットワーク通信装置13は、ナビゲーション装置100を、図示しない車両の制御ネットワーク規格であるCAN等に対応するネットワークに接続させ、ネットワークに接続された他の車両制御装置であるECU(Electronic control unit)とCANメッセージをやり取りすることで通信を行う装置である。
【0037】
図5は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、カメラ制御部104と、車線認識部105と、HOV走行可否判定部106と、経路探索部107と、位置案内部108と、HOV入口案内部109と、経路誘導部110と、を有する。
【0038】
主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、各種センサ、GPS受信装置9等の情報を取得し、マップマッチング処理等を行って現在地を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。
【0039】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力されたユーザからの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。
【0040】
出力処理部103は、例えばポリゴン情報等の表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0041】
カメラ制御部104は、カメラ12の動作を制御する。例えば、カメラ12の撮像の開始・終了のタイミングを設定する。また、撮像した画像を車線認識部105への送信を制御する。
【0042】
車線認識部105は、カメラ12で撮像した画像を、画像データとして取得する。そして、取得した画像を、表示のための画像(地上投影画像)に変換する。また、取得した画像から、道路の路面に敷設あるいは着色された標識等を認識し、自車が走行する車線の特定を行う。例えば、後述するように、車線認識部105は、HOVレーンであることを示す標識(菱形のペイント)等の存在を認識し、画像中の左右中央付近に当該標識が存在する場合には、車両300がHOVレーンを走行しているものと判定する。あるいは、車線認識部105は、画像中の左右中央付近ではなく、左右中央付近よりも左右のいずれかに片寄った位置に当該標識が認識され、左右中央付近からみて車線の標識より端側に当該標識が認識される場合には、HOVレーンではない隣のレーンを走行しているものと判定する。
【0043】
HOV走行可否判定部106は、自車300がHOVレーンを走行可能であるか否かを判定する。当該走行可否の判定においては、HOV走行可否判定部106は、車載ネットワーク通信装置13を介して、自車300の車載ネットワークを流れる通信情報に基づいて自車300の車種等を判定し、HOVレーンを走行可能な車種であるか否かを判定する。もちろん、HOVレーンの走行可否の判定処理においては、これに限られず、HOV走行可否判定部106は、車両のシートに取り付けられた図示しない荷重センサから乗車人数を特定し、または、シートベルトの着用センサを介して乗車人数を特定して、HOVレーンを走行可能な乗車人数に達しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0044】
経路探索部107は、ユーザから指示された出発地又は現在地と、目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。当該経路探索においては、ダイクストラ法等の経路探索ロジックを用いて、道路の所定の区間(リンク)に対して予め設定されたリンクコストに基づいて経路を探索する。なお、当該処理においては、自車がHOVレーンを走行可能な状況にあるか否かについて上記HOV走行可否判定部106の判定に基づいて処理を行い、走行可能な状況にある場合に、HOVレーンを利用する経路を優先して、推奨経路を探索する。走行可能な状況にない場合には、経路探索部107は、HOVレーンを考慮しないで、リンクコストが最小となる経路を探索する。なお、経路探索部107は、当該処理において、HOVレーンを走行可能な状況にないと判定した場合であっても、既に自車がHOVレーンを走行中であれば、HOVレーンを利用する経路を優先して推奨経路を探索する。経路探索部107は、自車がHOVレーンをすでに走行しているか否かを判定する際には、現在地が属するリンクのHOV属性228を参照して、「専用」属性であれば、HOVレーンを走行していると判定し、「無」属性であれば、HOVレーンを走行していないと判定し、「共用」属性であれば、走行している車線がHOVレーンであるか否かについて車線認識部105に判定を依頼することにより判定する。
【0045】
位置案内部108は、他の道路との合流点や他の道路への分岐点等の存在や位置を、映像や音声を用いてユーザに案内する。例えば、位置案内部108は、高速道路等の支線と本線との合流位置の手前から、合流点が近い旨や合流点までの概算距離を知らせる表示を、出力処理部103を介してディスプレイ2に出力させる。また例えば、位置案内部108は、高速道路の本線からランプ道への分岐点において、いずれの車線を走行すればよいかを、スピーカ42を介して音声によりユーザへ知らせる。
【0046】
HOV入口案内部109は、HOVレーンの出入り口におけるHOVレーンと通常レーンとの間の出入りに関して、ユーザに対して案内を行う。具体的には、HOV入口案内部109は、HOVレーンの出入り口(一般的には、出口、入口は共用される)において、HOVレーンに進入すべき旨、HOVレーンから退出すべき旨、あるいは走行レーンを維持すべき旨等をユーザに対して音声・画像等を用いて案内する。
【0047】
経路誘導部110は、車両の現在地が推奨経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザの運転操作を誘導する。また、経路誘導部110は、HOVレーン入出口において、HOVレーン入口への誘導や、通常レーンへの出口の誘導をHOV入口案内部109に行うよう依頼する。また経路誘導部110は、HOVレーンを備える道路に合流する際に、位置案内部108に依頼して、HOVレーンの存在または合流までの距離を案内する。
【0048】
上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、カメラ制御部104、車線認識部105、HOV走行可否判定部106、経路探索部107、位置案内部108、HOV入口案内部109、経路誘導部110は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM22には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0049】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を、理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0050】
また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0051】
[動作の説明]次に、第一の実施形態によって、ナビゲーション装置100が実施する位置案内処理の動作について説明する。図6は、ナビゲーション装置100が実施する位置案内処理を示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100に電源が投入されて、ナビゲーション装置100が起動すると開始される。
【0052】
まず、位置案内部108は、リンクの属性が「ランプ道」である道路を走行中であるか否かを判定する(ステップS001)。具体的には、位置案内部108は、現在地を主制御部101から取得して、当該位置が属するリンクの属性である道路種別223を特定し、当該種別が「ランプ道」であるか否かを判定する。なお、ランプ道とは、主に立体交差において、異なる道路間の接続を行うために設けられた道路をいう。例えば、高速道路等と一般道等との接続を担う道路を含む斜路である。
【0053】
走行している道路のリンクの属性が「ランプ道」でない場合(ステップS001において「No」)、位置案内部108は、位置案内処理を終了させる。
【0054】
走行している道路のリンクの属性が「ランプ道」である場合(ステップS001において「Yes」)、位置案内部108は、所定距離内で合流する道路にHOVレーンが設けられているか否かを判定する(ステップS002)。具体的には、位置案内部108は、現在地から所定の距離内において合流する道路(リンク)に、HOV属性228が「専用」または「共用」である道路が含まれるか否かを判定する。なお、現在地から所定の距離内の合流点を探索する処理においては、主制御部101は、推奨経路が設定されていれば当該推奨経路上の所定距離内の合流点を探索し、推奨経路が設定されていなければ現在走行中の道路の進行方向の所定距離内の合流点を探索する。そして、位置案内部108は、探索した結果に基づいて、HOVレーンを備える道路との合流点の有無を判定する。
【0055】
所定距離内にHOVレーンが設けられている合流点がない場合(ステップS002にて「No」)、位置案内部108は、処理をステップS001に戻す。
【0056】
所定距離内にHOVレーンが設けられている合流点がある場合(ステップS002にて「Yes」)、位置案内部108は、HOVレーンの入口案内がすでに開始されているか否かを判定する(ステップS003)。具体的には、位置案内部108は、HOV入口案内部109に対して、HOV出入口の案内を行っている途中であるか否かを問い合わせて、判定する。
【0057】
HOV入口案内が開始されている場合(ステップS003にて「Yes」)、位置案内部108は、位置案内処理を終了させる。
【0058】
HOV入口案内が開始されていない場合(ステップS003にて「No」)、位置案内部108は、自車がHOVを利用する推奨経路に沿って走行しているか否かを判定する(ステップS004)。具体的には、位置案内部108は、経路誘導部110に対して、経路誘導の対象となっている推奨経路は、HOVを利用する推奨経路であるか否かを問い合わせる。
【0059】
HOVを利用する推奨経路に沿って走行していない場合(ステップS004にて「No」)、位置案内部108は、ステップS002にて特定した合流する道路の合流位置において、合流位置を案内するよう図示しない記憶領域等に登録する(ステップS005)。そして、位置案内部108は、自車位置が登録位置に到達するまで処理を中断し、登録位置に到達すると合流位置を案内する(ステップS006)。そして、位置案内部108は、位置案内処理を終了させる。
【0060】
HOVを利用する推奨経路に沿って走行している場合(ステップS004にて「Yes」)、位置案内部108は、ステップS002にて特定した合流する道路の合流位置において、合流ノードまでの距離を案内するよう図示しない記憶領域等に登録する(ステップS007)。そして、位置案内部108は、自車位置が登録位置に到達するまで処理を中断し、登録位置に到達すると合流ノードまでの距離を案内する(ステップS008)。そして、位置案内部108は、位置案内処理を終了させる。
【0061】
図7は、HOVレーン401と一または複数の通常レーンとにより共用されている道路400における車両の走行例を示す図である。道路400には、合流してくるランプ道402が設けられている。なお、道路400を構成するリンク410と、ランプ道402を構成するリンク411とは、合流ノード412にて合流し、合流後のリンク413となる。また、図7(a)においては、推奨経路にリンク410、リンク411、リンク413を含まない場合の位置案内(合流位置の案内)の例が示されている。この場合は、図6の位置案内のステップS006が実施される場合に該当し、当該位置案内は位置414においてなされる「左側にHOVレーンがあります」という位置案内によって実現される。また、図7(b)においては、推奨経路にリンク411、リンク413を含む場合の位置案内(合流ノードまでの距離の案内)の例が示されている。この場合は、図6の位置案内のステップS008が実施される場合に該当し、当該位置案内は位置414においてなされる「合流位置まであと200mです」等の合流距離案内によって実現される。
【0062】
以上が、位置案内処理の処理内容である。上記の位置案内処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、不要な案内をユーザに行ってしまうことを避けることができる。HOVレーンを使用する経路を走行している場合には、ユーザに対してHOVレーンの存在と位置とを知らせるための案内を行う必要はない。つまり、ユーザは合流までの距離を知れば足りる。これに対して、HOVレーンを使用する経路を走行していない場合には、ユーザに対してHOVレーンの存在と位置とを知らせるための案内を行う意味があるといえる。
【0063】
まとめると、位置案内処理においては、現在地がHOVレーンを備える道路へ合流する道路上にあると判定された場合に、HOVレーンを利用する状況であれば、合流地点までの距離を案内し、HOVレーンを利用する状況でなければ、HOVレーンが存在する旨を案内するものである、といえる。
【0064】
なお、上記の処理においては、高速道路におけるランプ道での走行を想定しているが、これに限られるものではない。例えば、一般道路やサービスエリア等からの復帰のための道路、一般道路から高速道路への進入ランプ道、高速道路から一般道路への退出ランプ道等を含む経路においても位置の案内を適切に行うようにしても良い。すなわち、高速道路等の乗降やジャンクションへの合流がある場合には、HOVレーンを利用する経路を走行中は位置案内を抑制し、代わりに合流までの距離案内を実施するようにしてもよい。このようにすることで、不要な案内が、高速走行時にユーザの注意力を散漫にさせるきっかけとなってしまうことを避けることができる。
【0065】
以上、本発明の第一の実施形態について説明した。本発明の第一の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、推奨経路に従ってHOVレーンを走行しているユーザに不要な案内を抑制することができる。
【0066】
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。本発明の第二の実施形態は、第一の実施形態と同様の構成を備えるが、一部相違する。第二の実施形態においては、HOV入口案内部109が実施するHOV入口案内処理において、不要な位置案内を合流までの距離案内に置き換えて実施する。当該処理について、以下に説明する。
【0067】
図8は、ナビゲーション装置100が実施するHOV入口案内処理を示すフロー図である。このフローは、ナビゲーション装置100に電源が投入されて、ナビゲーション装置100が起動すると開始される。
【0068】
まず、HOV入口案内部109は、ナビゲーション装置100がHOVレーンを利用する設定になっているか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、HOV入口案内部109は、ナビゲーション装置100が備える各種設定情報のうち、HOVレーンの利用に関する情報(例えば、HOVレーンを利用することについて真、偽のいずれの情報が設定されているか)を主制御部101から取得する。そして、HOV入口案内部109は、当該情報を参照してHOVレーンを利用する設定であるか否かを判定する。
【0069】
自車がHOVレーンを利用する設定になっていない場合(ステップS101にて「No」)、HOV入口案内部109は、HOV入口案内処理を終了させる。
【0070】
HOVレーンを利用する設定になっている場合(ステップS101にて「Yes」)、HOV入口案内部109は、自車がHOVレーンを走行可能であるか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、HOV入口案内部109は、HOV走行利用可否判定部106に依頼して、自車がHOVレーンを走行可能であるか否かを判定する。
【0071】
自車がHOVレーンを走行することができない場合(ステップS102にて「No」)、HOV入口案内部109は、HOV入口案内処理を終了させる。
【0072】
自車がHOVレーンを走行可能である場合(ステップS102にて「Yes」)、HOV入口案内部109は、所定距離内にあるリンクについて、現在時刻に応じたHOV属性228を特定する(ステップS103)。具体的には、HOV入口案内部109は、所定距離内(または推奨経路上の所定距離内)のリンクについて、現在時刻に応じたHOV属性をそれぞれ特定する。
【0073】
次に、HOV入口案内部109は、現在時刻に応じたHOV属性が「共用」以外のリンクについて、HOV入口案内対象から除外する(ステップS104)。具体的には、HOV入口案内部109は、ステップS103にて特定した各リンクについて、HOV属性228の値が「共用」以外、すなわち「専用」231または「無」234のものについて、HOV入口案内対象から除外する。言い換えると、HOV入口案内部109は、ステップS103にて特定した各リンクについて、HOV属性228の値が「共用」のものについて、HOV入口案内対象として特定する。
【0074】
そして、HOV入口案内部109は、付近のHOV入口案内の対象となっているリンクに近づいた順に、HOV入口案内を実施する(ステップS105)。具体的には、HOV入口案内部109は、ステップS104にてHOV入口案内の対象とされたリンクのうち、現在地から所定の距離内(例えば、500m内)にあるリンクについて、「500m先HOVレーンにつき左側走行してください」等の、複数回にわたる入口案内を行う登録を図示しない記憶領域に行う。
【0075】
次に、HOV入口案内部109は、HOV入口案内の複数回にわたる案内のうち一回目の案内位置と二回目の案内位置との間に、位置案内部108による位置案内の登録位置があるか否かを判定する(ステップS106)。
【0076】
位置案内の登録位置がない場合(ステップS106にて「No」)、HOV入口案内部109は、一回目および二回目以降のHOV入口案内処理を通常通り実施して、HOV入口案内処理を終了させる。
【0077】
位置案内の登録位置がある場合(ステップS106にて「Yes」)、HOV入口案内部109は、一回目のHOV入口案内の案内内容を位置案内(合流距離案内)に置き換えて実施し、二回目のHOV入口案内については通常通り実施して、HOV入口案内処理を終了させる(ステップS107)。具体的には、HOV入口案内部109は、HOV入口案内の一回目の案内(例えば、「500m先HOVレーンにつき左側走行してください」等の内容の案内)に代えて、合流ノードまでの距離案内(例えば、「合流位置まであと200mです」等)を実施し、位置案内の登録を解除する。
【0078】
図9は、HOVレーン401と一または複数の通常レーンとにより共用されている道路400における車両の走行例を示す図である。道路400には、合流してくるランプ道402が設けられている。なお、道路400を構成するリンク410と、ランプ道402を構成するリンク411とは、合流ノード412にて合流し、合流後のリンク413となる。また、合流後のリンク413は、その先のノード416においてHOV出入口となる区間のリンクである出入口リンク415と接続する。
【0079】
図9(a)においては、リンク411上の所定位置414にて合流ノード412へ合流する旨の合流距離案内(位置案内部108により実施される「合流位置まであと200mです」等の位置案内)がなされ、リンク413上の所定の位置4201においてHOV入口案内の一回目の案内(例えば、「500m先HOVレーンにつき左側走行してください」等)がHOV入口案内部109によってなされる例が示されている。なお、所定の位置4201よりもさらに出入口リンク415に近い位置4202においては、HOV入口案内の二回目の案内(例えば、「HOVレーンにつき左側走行してください」等)がHOV入口案内部109によってなされ、所定の位置4202よりもさらに出入口リンク415に近い位置4203においては、HOV入口案内の三回目の案内(例えば、ビープ音や所定のトーンの注意喚起音等)がHOV入口案内部109によってなされる。図9(a)の状況では、HOV入口案内の一回目から三回目までの案内の間に位置案内(合流距離案内)がなされることがないため、ユーザに混乱を与えるものではないためである。
【0080】
図9(b)においては、リンク411上の所定位置414においては合流ノード412へ合流する旨の合流距離案内がなされず、リンク411上の所定の位置4201においてHOV入口案内の一回目の案内の代わりに、「合流位置まであと200mです」等の合流距離案内がHOV入口案内部109によってなされる例が示されている。なお、図9(a)に示した場合と同様に、所定の位置4201よりもさらに出入口リンク415に近い位置4202においては、HOV入口案内の二回目の案内(例えば、「HOVレーンにつき左側走行してください」等)がHOV入口案内部109によってなされ、所定の位置4202よりもさらに出入口リンク415に近い位置4203においては、HOV入口案内の三回目の案内(例えば、ビープ音や所定のトーンの注意喚起音等)がHOV入口案内部109によってなされる。図9(b)の状況では、HOV入口案内の一回目から三回目までの案内の間に位置案内(合流距離案内)がなされることとなるため、ユーザに混乱を与えないように、案内の回数を減らすことが可能となっている。
【0081】
以上が、HOV入口案内処理の処理内容である。上記のHOV入口案内処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、不適切な案内をユーザに行ってしまうことを避けることができる。HOVレーンの入口を案内する入口案内の実施中には、ユーザに対してHOVレーンの存在と位置とを知らせるための案内を行う必要はない。むしろ、案内すると複数のHOVレーンが存在するように誤解を招きかねない。これに対して、HOVレーンの入口を案内する入口案内の実施中でない場合には、ユーザに対してHOVレーンの存在と位置とを知らせるための案内を行う意味がある。したがって、本実施形態によれば、ユーザに対して不適切な案内を行わないようにすることができるといえる。
【0082】
なお、上記の処理においては、高速道路におけるランプ道での走行を想定しているが、これに限られるものではない。例えば、一般道路やサービスエリア等からの復帰のための道路、一般道路から高速道路への進入ランプ道、高速道路から一般道路への退出ランプ道等を含む経路においても位置の案内を適切に行うようにしても良い。すなわち、高速道路等の乗降やジャンクションへの合流がある場合には、HOVレーンの入口案内実施中は入口案内を抑制し、代わりに合流までの距離案内を実施するようにしてもよい。このようにすることで、不要な案内が、ユーザの注意力を散漫にさせるきっかけとなってしまうことを避けることができる。
【0083】
なお、上記のHOV入口案内処理においては、複数回にわたる案内のうち一回目の案内を行う地点と二回目の案内を行う地点の間の区間に位置案内を行うべき地点が含まれる場合について説明したが、これに限られるものではない。すなわち、二回目の案内を行う地点と三回目の案内を行う地点の間の区間に位置案内を行うべき地点が含まれる場合に、一回目の案内を位置案内へ置き換えるようにしてもよい。もちろん、その場合に二回目の案内を位置案内へ置き換えるようにしてもよい。
【0084】
まとめると、所定距離内にあるHOVレーンの入口について、所定の距離内において複数回にわたって入口を案内するHOV入口案内部109は、複数回にわたる案内を実施する区間に、位置案内部108によってHOVレーンが存在する旨の案内がなされる対象となる合流地点が含まれる場合には、位置案内部109によるHOVレーンが存在する旨の案内に代えて、合流地点までの距離を案内する、といえる。
【0085】
以上、本発明の第二の実施形態について説明した。本発明の第二の実施形態によると、ナビゲーション装置100は、HOVレーンの入口案内を受けるユーザに対して不要な案内を抑制することができる。
【0086】
本発明は、上記第一の実施形態および第二の実施形態に制限されない。上記第一の実施形態および第二の実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、車線認識部105による車線の認識処理は、例えば高精度のGPSの位置情報や、車線ごとに敷設された車線認識のための発振器から受信した情報により車線の認識を行うようにしてもよい。
【0087】
また、例えば、HOVレーンを利用する推奨経路を誘導中は、HOVレーンが設けられた道路への合流地点の手前で、HOVレーンの存在を案内しない(位置案内を行わない)ものとしてもよい。このようにすることで、ユーザに対する案内をより厳選することができるため、運転に集中したいユーザにとって有益なものとなる。
【0088】
また、例えば、上記第二の実施形態においては、HOVレーンの入口の案内と重なる場合には、HOVレーンの入口の案内の最初の一回を合流地点までの距離の案内に置き換えるものとしているが、これに限らず、HOVレーンの存在を案内するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザにHOVレーンの存在を早めに知らせることができるため、ユーザに対して、合流時にHOVレーン側に寄り過ぎないで合流するように案内することができる。なお、第一の実施形態と第二の実施形態に記載した各処理、および上記した変形の各例の処理は、単独で実施するようにしてもよいし、任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
【0089】
以上、本発明について、実施形態を中心に説明した。なお、上記の両実施形態では、本発明をナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明はナビゲーション装置に限らず、移動体の経路案内を行う装置全般に適用することができる。
【0090】
なお、上記の実施形態では、主に、右側走行が規準である米国の場合を例に挙げて説明した。当然、左側走行が基準である英国や日本国においては、その左右は逆としてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、12・・・カメラ、13・・・車載ネットワーク通信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・カメラ制御部、105・・・車線認識部、106・・・HOV走行可否判定部、107・・・経路探索部、108・・・位置案内部、109・・・HOV入口案内部、110・・・経路誘導部、200・・・リンクテーブル、300・・・車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の所定の区間ごとに、所定の条件を満たすことにより通行可能となる車線(以下条件付き車線という)の設置状態を含む車線情報を記憶する記憶手段と、
現在地を特定する現在地特定手段と、
前記現在地特定手段により特定した現在地が、前記条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあるか否かを判定する判定手段と、
前記条件付き車線が設置された道路への合流地点の手前で運転の案内を行う運転案内手段と、を備え、
前記運転案内手段は、前記判定手段によって現在地が当該条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあると判定された場合に、前記条件付き車線を利用する状況にあれば、前記合流地点までの距離を案内し、前記条件付き車線を利用する状況になければ、前記条件付き車線が存在する旨を案内する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
推奨経路を探索する探索手段と、
前記探索手段により探索した推奨経路に従って経路を誘導する経路誘導手段と、を備え、
前記運転案内手段は、前記推奨経路に前記条件付き車線を利用する道路が含まれる場合に、前記条件付き車線を利用する状況にあると判定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置であって、
前記運転案内手段は、前記現在地が属する道路がランプ道の属性を備えない場合には、前記合流地点までの距離の案内と、前記条件付き車線が存在する旨の案内と、を中止する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
所定距離内にある前記条件付き車線の入口について、所定の距離内において複数回にわたって入口を案内するHOV入口案内手段を備え、
前記HOV入口案内手段は、前記複数回にわたる案内を実施する区間に、前記運転案内手段によって前記条件付き車線が存在する旨の案内がなされる合流地点が含まれる場合には、前記運転案内手段による前記条件付き車線が存在する旨の案内に代えて、前記合流地点までの距離を案内する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置であって、
前記運転案内手段は、前記HOV入口案内手段によって前記合流地点までの距離の案内がなされると、前記合流地点までの距離の案内および前記条件付き車線が存在する旨の案内のいずれも中止する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置の案内方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
道路の所定の区間ごとに、所定の条件を満たすことにより通行可能となる車線(以下条件付き車線という)の設置状態を含む車線情報を記憶する記憶手段と、
現在地を特定する現在地特定手段と、
前記現在地特定手段により特定した現在地が、前記条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあるか否かを判定する判定手段と、
前記条件付き車線が設置された道路への合流地点の手前で運転の案内を行う運転案内手段と、を備え、
前記運転案内手段は、前記判定手段によって現在地が当該条件付き車線が設置された道路へ合流する道路上にあると判定された場合に、前記条件付き車線を利用する状況であれば、前記合流地点までの距離を案内し、前記条件付き車線を利用する状況でなければ、前記条件付き車線が存在する旨を案内するステップ、
を実施することを特徴とする案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−137731(P2011−137731A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298083(P2009−298083)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】