説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション方法

【課題】本発明は、自車の現在位置との関係において目的地として設定した表示対象がどれであるかを確実に通知できるようにする。
【解決手段】現在位置を測位するGPSユニット15と、現在位置から目的地までの探索経路に従ってルートガイドを行うためのルート案内画面MG1を生成して表示部14に表示する制御部10と、ルート案内画面MG1を介してルートガイドを行っている最中に、現在位置から目的地までの残り距離が200m以内になったとき、目的地のエリアAR1を周辺よりも目立つように赤色でハイライト表示したルート案内画面MG2を生成して表示部14に表示する制御部10とを設けるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置及びナビゲーション方法に関し、例えば車載用のカーナビゲーション装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、地図表示を行う際、目的対象の建物を立体化して表示するものがある(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-65428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述した特許文献1に記載されたナビゲーション装置においては、目的対象の建物が立体表示されるだけであって、目的対象の建物と自車の現在位置との関係については不明であり、近くに他の複数の建物があった場合、ユーザにとって目の前にある建物が目的対象の建物であるかどうかを判別し難いという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、自身の現在位置との関係において目的地として設定した表示対象がどれであるかを確実に通知し得るナビゲーション装置及びナビゲーション方法を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明では、現在位置を測位する測位手段と、現在位置から目的地までの探索経路に従ってルートガイドを行うためのルート案内画面を生成して表示手段に表示するルート案内画面生成手段と、ルート案内画面を介してルートガイドを行っている最中に、現在位置から目的地までの残り距離が所定値以内になったとき、目的地の表示対象を周辺よりも目立つようにハイライト表示した案内画像を生成して表示手段に表示する案内画像生成手段とを設けるようにする。
【0007】
これにより、ルート案内画面を介して現在位置から目的地までの探索経路に従いルートガイドを行っている最中に、現在位置から目的地までの残り距離が所定値以内になったとき、目的地の表示対象を周辺よりも目立つようにハイライト表示した案内画像を表示することにより、ユーザに対して目的地の表示対象を確実に目視確認させて案内することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ルート案内画面を介して現在位置から目的地までの探索経路に従いルートガイドを行っている最中に、現在位置から目的地までの残り距離が所定値以内になったとき、目的地の表示対象を周辺よりも目立つようにハイライト表示した案内画像を表示することにより、ユーザに対して目的地の表示対象を確実に目視確認させて案内することができ、かくして自車の現在位置との関係において目的地として設定した表示対象がどれであるかを確実に通知し得るナビゲーション装置及びナビゲーション方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の外観構成を示す略線的斜視図である。
【図2】第1の実施の形態におけるPNDの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における目的地到着案内処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態におけるルート案内画面を示す略線図である。
【図5】第2の実施の形態におけるナビゲーションシステムの全体構成を示す略線的斜視図である。
【図6】第2の実施の形態におけるPNDの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図7】第2の実施の形態におけるサーバの回路構成を示す略線的ブロック図である。
【図8】第2の実施の形態における目的地到着案内処理シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図9】第2の実施の形態におけるルート案内画面を示す略線図である。
【図10】ガイドポイントの説明に供する概略図である。
【図11】ガイドポイント画像の生成概念を示す略線図である。
【図12】到着時表示用建物画像の生成概念を示す略線図である。
【図13】ガイドポイント通過直後のルート案内画面を示す略線図である。
【図14】目的地周辺のルート案内画面を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.他の実施の形態
【0011】
<1.第1の実施の形態>
[1−1.PNDの構成]
図1において、2は全体として本発明における第1の実施の形態におけるPND(Personal Navigation Device)を示し、当該PND2の背面側に設けられたクレードル5が、車両のダッシュボード上に吸盤5Aを介して取付けられると共に、車両のバッテリと電気的に接続される。
【0012】
このPND2は、クレードル5を介して車両に装着されたり、又は取り外されるようになされており、車両に装着されたときにはクレードル5によって保持され、当該PND2とクレードル5とが機械的かつ電気的に接続される。
【0013】
これによりPND2は、クレードル5を介して車両のバッテリから供給される電力により動作すると共に、当該クレードル5から取り外されたときには内蔵のバッテリから供給される電力によって独立した状態でも動作するようになされている。
【0014】
またPND2は、当該PND2における前面に表示部14が設けられており、当該PND2に内蔵された記憶部(図示せず)に格納されている地図データに応じた地図画像等を表示部14に対して表示するようになされている。
【0015】
[1−2.PNDの回路構成]
図2に示すようにPND2は、CPU(Central Processing Unit)構成でなる制御部10を有している。この制御部10は、ROM(Read Only Memory)11に格納された基本プログラムをRAM(Random Access Memory)12に展開した後、当該基本プログラムに従って全体を統括制御するようになされている。
【0016】
またPND2の制御部10は、記憶部13に格納された経路探索プログラム31や目的地到着案内プログラム32等の各種アプリケーションプログラムをRAM12に展開し、当該アプリケーションプログラムに従って、ナビゲーション等の各種処理を実行するようになされている。
【0017】
また、PND2にはGPS(Global Positioning System)ユニット15が設けられている。このGPSユニット15は、複数のGPS衛星からの衛星信号を受信して復調することにより得られる軌道データと、複数のGPS衛星から車両までの距離データとに基づいて車両の現在地を正確に測位する。そしてGPSユニット15は、その結果得られる緯度経度により表される現在位置情報や衛星信号に含まれる時刻情報等からなるGPS情報を制御部10へ供給する。
【0018】
記憶部13には、地図データ30が格納されているほか、基本的な経路探索プログラム31や目的地到着案内プログラム32等の各種アプリケーションプログラムが予めインストールされている。
【0019】
この地図データ30は、表示用の道路データ、経路探索用の道路データ、各種施設や物件の位置等に関する物件データ等が含まれており、各データは、ノード(緯度経度により表現された座標)の座標集合と、各ノード間を接続するリンクとによって表されている。
【0020】
制御部10は、GPS情報を基に車両の現在地が含まれる周辺の地図データ部分を、記憶部13の地図データ30からRAM12に読み出す。そして制御部10は、当該読み出した地図データ部分に基づいて現在位置が含まれる地図画像を生成した後、表示部14のLCD(Liquid Crystal Display)14Aを介して当該地図画像を表示するようになされている。
【0021】
また表示部14の表面には、ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチパネル14Bが設けられている。制御部10は、タッチパネル14Bのタッチ操作により目的地が指定されると、記憶部13の経路探索プログラム31に従って、現在位置から目的地までの探索経路を探索して探索経路情報を生成し、RAM12に記憶させる。
【0022】
因みに経路探索プログラム31は、目的地の指定以外に、どの経路を通って目的地へ行くのかを示す経由地の指定や、走行距離の短縮又は走行時間の短縮又は有料道路等の所要金額が安くなるか等の各種条件をユーザに設定させることも可能である。
【0023】
なお、この探索経路情報は、制御部10によって探索された探索経路の出発地から目的地までの全てのノードに関するノード列のデータで表されている。
【0024】
制御部10は探索経路情報に基づいて、当該探索経路を他の道路とは異なる表示態様(色を変える、線幅を太くする等)で表したルート案内画面(後述する)をLCD14Aに出力し表示させる。
【0025】
このとき制御部10は、探索経路が表されたルート案内画面をLCD14Aに表示させると共に、車両が探索経路に従って目的地まで走行する間、ユーザの運転を誘導及び補助する(ルートガイドを行う)ための音声情報を生成する。そして制御部10は、当該音声情報をルートガイド時のナビゲート音声としてスピーカ(図示せず)から出力させる。
【0026】
このようにしてPND2では、ユーザ所望の目的地まで車両をナビゲーションするナビゲーション機能を提供し得るようになされている。
【0027】
またPND2の制御部10は、記憶部13に格納されている目的地到着案内プログラム32をRAM12に展開して目的地到着案内処理手順(後述する)を実行することにより、ユーザを戸惑わせることなく確実に目的地へ導くようになされている。
【0028】
[1−3.目的地到着案内処理手順]
図3に示すようにPND2の制御部10は、目的地到着案内プログラム32に従いルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1へ移り、経路探索プログラム31に従って探索した現在位置から目的地までの探索経路を含むルート案内画面を介してルートガイドを実行し、次のステップSP2へ移る。
【0029】
この場合、制御部10は、例えば図4(A)に示すように、表示部14に表示した所定縮尺のルート案内画面MG1を介して、目的地を示す旗マークDE1及び、探索経路に沿った旗マークDE1の手前側に車両の現在位置を示す自車マークNP1を表示する。
【0030】
これにより制御部10は、このルート案内画面MG1を介して、車両が旗マークDE1の目的地へ向かって走行中であることを、自車マークNP1を介してユーザに目視確認させながらルートガイドを行うようになされている。
【0031】
ステップSP2において制御部10は、車両の現在位置から目的地までの残り距離が例えば200m以内になったか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは車両の現在位置と目的地との残り距離が未だ200m以上あり、目的地からは未だ遠いことを表しており、このとき制御部10はステップSP1に戻る。
【0032】
これに対してステップSP2で肯定結果が得られると、このことは車両の現在位置から目的地までの残り距離が200mを切り、もうすぐ目的地に到着することを表しており、このとき制御部10は次のステップSP3へ移る。
【0033】
ステップSP3において制御部10は、図4(B)に示すように、旗マークDE1のある目的地のエリアAR1を赤色でハイライト表示(斜線で示す)すると共に、その目的地の例えば建物の外観写真PT1をエリアAR1の隣に貼り付けることによりガイドポイント画像GP1を生成し、次のステップSP4へ移る。
【0034】
このガイドポイント画像GP1は、ルート案内画面MG1よりも縮尺が拡大表示されており、旗マークDE1のある目的地のエリアAR1だけでなく、その周辺についても詳細に表示されると共に、自車マークNP1についても表示されているので、旗マークDE1と自車マークNP1との位置関係をユーザに対して直感的に認識させ得るようになされている。
【0035】
また、ガイドポイント画像GP1では、目的地である建物の外観写真PT1が旗マークDE1のエリアAR1近傍に表示されることになるので、周辺に複数ある建物のうち、どれが目的地の建物なのかをユーザに対して確実に目視確認させ得るようになされている。
【0036】
ステップSP4において制御部10は、ルート案内画面MG1(図4(A))に対して、ステップSP3で生成したガイドポイント画像GP1を重ねることにより、新たなルート案内画面MG2を生成して表示部14に表示し、次のステップSP5へ移って処理を終了する。
【0037】
[1−4.動作及び効果]
以上の構成においてPND2の制御部10は、ルート案内画面MG1における目的地を示す旗マークDE1及び自車の現在位置を示す自車マークNP1を介してルートガイドを行っている最中、車両の現在位置から目的地までの残り距離が200mを切った目的地近郊になると、ガイドポイント画像GP1が重ねられたルート案内画面MG2を表示する。
【0038】
これにより制御部10は、ガイドポイント画像GP1を介して自車マークNP1と赤色でハイライト表示した目的地のエリアAR1との位置関係をユーザに対して容易に認識させることができるので、自車位置から目的地までの距離をおおまかに把握させ、どの建物が目的地であるかを直感的に理解させることができる。
【0039】
また制御部10は、ガイドポイント画像GP1のエリアAR1の隣に貼り付けた目的地の外観写真PT1を介して、実際の建物の外観と見比べさせることができるので、ユーザに目的地の建物を見間違わせることなく、確実に目的の建物まで誘導することができる。
【0040】
以上の構成によれば、制御部10は、ガイドポイント画像GP1の自車マークNP1と赤色でハイライト表示した目的地のエリアAR1との位置関係をユーザに認識させると共に、エリアAR1の隣に貼り付けた目的地の外観写真PT1を介して、目的地の建物を正確に理解させることが出来るので、目的地の建物までユーザを確実に誘導できる。
【0041】
<2.第2の実施の形態>
[2−1.ナビゲーションシステムの構成]
図1との対応部分に同一符号を付した図5において、1は全体として本発明における第2の実施の形態におけるナビゲーションシステムを示し、第1の実施の形態におけるPND2と同様の基本構成を有するPND20、複数の無線アクセスポイント3a、3b、3c、……、及びサーバ4により構築されている。
【0042】
PND20は、複数の無線アクセスポイント3a、3b、3c、……、の何れかに無線接続すると、その無線アクセスポイント3a、3b、3c、……、及びインターネットNTを介してサーバ4と接続するようになされている。
【0043】
またPND20は、第1の実施の形態と同様に、当該PND20の背面側に設けられたクレードル5が、車両のダッシュボード上に吸盤5Aを介して取付けられると共に、車両のバッテリと電気的に接続されている。
【0044】
更にPND20は、クレードル5を介して車両に装着されたり、又は取り外されるようになされており、車両に装着されたときにはクレードル5によって保持され、当該PND20とクレードル5とが機械的かつ電気的に接続される。
【0045】
これによりPND20は、クレードル5を介して車両のバッテリから供給される電力により動作すると共に、当該クレードル5から取り外されたときには内蔵のバッテリから供給される電力によって独立した状態でも動作するようになされている。
【0046】
またPND20は、当該PND20における前面に表示部14が設けられており、当該PND20に内蔵された記憶部(図示せず)に格納されている地図データに応じた地図画像等を表示部14に対して表示し得るようになされている。
【0047】
[2−2.PNDの回路構成]
図2との対応部分に同一符号を付した図6に示すように、PND20は無縁通信ユニット16以外、第1の実施の形態におけるPND2と同様の基本構成を有している。
【0048】
PND20の制御部10は、ROM11に格納された基本プログラムをRAM12上に展開することにより全体を統括制御したり、記憶部13に格納された各種アプリケーションプログラムをRAM12上に展開することによりナビゲーション等の各種処理を実行するようになされている。
【0049】
また、PND20のGPSユニット15は、複数のGPS衛星からの衛星信号を受信して復調することにより得られる軌道データと、複数のGPS衛星から車両までの距離データとに基づいて車両の現在位置を正確に測位し、その結果得られる現在位置情報や時刻情報等からなるGPS情報を制御部10へ供給する。
【0050】
制御部10は、GPS情報を基に車両の現在地が含まれる周辺の地図データ部分を、記憶部13の地図データ30からRAM12に読み出し、当該読み出した地図データ部分に基づいて現在位置が含まれる地図画像を生成した後、これを表示部14のLCD14Aを介して表示する。
【0051】
また制御部10は、表示部14のタッチパネル14Bに対するユーザのタッチ操作により目的地が指定されると、記憶部13の経路探索プログラム31に従い、現在位置から目的地までの経路を探索して探索経路情報を生成し、RAM12に記憶させる。
【0052】
制御部10は当該探索経路情報に基づいて、当該探索経路を他の道路とは異なる表示態様(色を変える、線幅を太くする等)で表したルート案内画面MG1(図4(A))をLCD14Aに出力し表示させる。
【0053】
このとき制御部10は、探索経路が表されたルート案内画面MG1をLCD14Aに表示させると共に、車両が探索経路に従って目的地まで走行する間、ユーザの運転を誘導及び補助する(ルートガイドを行う)ための音声情報をナビゲート音声としてスピーカ(図示せず)から出力させる。
【0054】
このようにしてPND20においても、ユーザ所望の目的地まで車両のルートガイドを行うナビゲーション機能を提供し得るようになされている。
【0055】
なおPND20は、例えばWI−FI(登録商標)モジュール等でなる無線通信ユニット16が設けられており、当該無線通信ユニット16により無線通信可能な無線アクセスポイント3a〜3c(図5)を検索する。
【0056】
そしてPND20は、無線通信可能な無線アクセスポイント3a〜3cを発見した場合、その発見した無線アクセスポイント3a〜3cと無線接続することにより、当該無線アクセスポイント3a〜3c及びインターネットNTを介してサーバ4と接続するようになされている。
【0057】
またPND20の制御部10は、記憶部13に格納されている目的地到着案内プログラム37をRAM12に展開して目的地到着案内処理手順(後述する)を実行することにより、ユーザを戸惑わせることなく確実に目的地へ導くようになされている。
【0058】
[2−3.サーバの回路構成]
図7に示すように、サーバ4はCPU構成でなる制御部40がROM41に格納された基本プログラムをRAM42に展開し、当該基本プログラムに従って全体を統括制御するようになされている。
【0059】
またサーバ4の制御部40は、記憶部43に格納された各種アプリケーションプログラムをRAM42に展開し、当該アプリケーションプログラムに従って、PND20の目的地到着案内処理手順を補助するための立体的なガイドポイント画像(後述する)を生成するようになされている。
【0060】
記憶部43には、立体的なガイドポイント画像を生成するための画像生成プログラム45が格納されていると共に、建物描画情報データベース46が格納されている。
【0061】
また制御部40は、ネットワークインターフェース44を介してPND20と通信を行い、立体的なガイドポイント画像等をPND20へ送信するようになされている。
【0062】
[2−4.目的地到着案内処理手順]
図8に示すようにナビゲーションシステム1では、ステップSP11においてPND20の制御部10が経路探索プログラム31に従って生成した図9(A)に示すようなルート案内画面MG3を介して現在位置から目的地までルートガイドを実行し、次のステップSP12へ移る。
【0063】
この場合、PND20の制御部10は、表示部14に表示したルート案内画面MG3(図9(A))を介して、目的地を示す旗マークDE2及び、探索経路に沿った旗マークDE2の手前側に車両の現在位置を示す自車マークNP1を表示する。
【0064】
これによりPND20の制御部10は、このルート案内画面MG3を介して、車両が旗マークDE2の目的地へ向かって走行中であることを、自車マークNP1を介してユーザに目視確認させながらルートガイドを実行するようになされている。
【0065】
ステップSP12においてPND20の制御部10は、車両の現在位置から目的地までの残り距離が例えば2Km以内になったか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは車両の現在位置と目的地との距離が未だ2Km以上残っており、目的地から十分遠いことを表しており、このときPND20の制御部10はステップSP11に戻る。
【0066】
これに対してステップSP12で肯定結果が得られると、このことは車両の現在位置から目的地までの残り距離が2Kmを切り、目的地に近くなっていることを表しており、このときPND20の制御部10は次のステップSP13へ移る。
【0067】
ステップSP13においてPND20の制御部10は、ルート案内画面MG3を介してルートガイドを実行中の目的地に関する目的地情報、出発地から目的地までの探索経路を示すルート情報を、無線通信ユニット16によりサーバ4へ無線送信することにより通知し、次のステップSP14へ移る。
【0068】
このときステップSP21においてサーバ4の制御部40は、PND20から受け取った目的地情報に基づいて、その目的地の住所、名称、緯度経度、電話番号等を認識することにより当該目的地に存在する具体的な建物を特定し、次のステップSP22へ移る。
【0069】
ステップSP22においてサーバ4の制御部40は、ステップSP22で特定した建物に関する形状やテクスチャ等の3次元形状を表現するための画像情報が建物描画情報データベース46に存在するか否かを判定する。
【0070】
ここで否定結果が得られると、このことは建物を3次元的に表示するための画像情報が建物描画情報データベース46に保持されていないことを表しており、このときサーバ4の制御部40は次のステップSP23へ移る。
【0071】
ステップSP23においてサーバ4の制御部40は、図9(B)に示したように、旗マークDE2のある目的地のエリアAR2を赤色でハイライト表示すると共に、その目的地の例えば建物の外観写真PT2をエリアAR2の隣に貼り付けることによりガイドポイント画像GP2を生成し、次のステップSP24へ移る。
【0072】
このガイドポイント画像GP2(図9(B))は、ルート案内画面MG3(図9(A))よりも拡大表示されており、旗マークDE2のある目的地のエリアAR2だけでなく、その周辺についても詳細に表示されると共に、自車マークNP1についても表示されている。
【0073】
従って、ナビゲーションシステム1では、ガイドポイント画像GP2を介して旗マークDE2と自車マークNP1との位置関係をユーザに対して直感的に認識させ得るようになされている。
【0074】
またガイドポイント画像GP2では、目的地である建物の外観写真PT2が旗マークDE2のエリアAR2近傍に表示されることになるので、周辺に複数ある建物のうち、どれが目的地の建物なのかをユーザに対して確実に目視確認させ得るようになされている。
【0075】
ステップSP24においてサーバ4の制御部40は、ステップSP23で生成したガイドポイント画像GP2をネットワークインターフェース44によりPND20へ無線送信し、次のステップSP29へ移って処理を終了する。
【0076】
これに対してステップSP22で肯定結果が得られると、このことは建物を3次元的に表示するための画像情報が建物描画情報データベース46に格納されていることを表しており、このときサーバ4の制御部40は次のステップSP25へ移る。
【0077】
ステップSP25においてサーバ4の制御部40は、PND20から受け取ったルート情報に基づいて、PND20がナビゲート音声をスピーカ出力するときに用いられるガイドポイントを参照し、次のステップSP26へ移る。
【0078】
ここで図10に示すようにPND20の制御部10は、目的地の建物が存在するエリアAR2に対する例えば400m手前の位置を、例えば「400m先、目的地周辺です。」のナビゲート音声を出力するためのガイドポイントとして設定するようになされている。
【0079】
具体的に制御部40は、道なりに進行する車両Aについては目的地のエリアAR2に対する400m手前の位置をガイドポイントPP1として設定する。
【0080】
ここでガイドポイントPP1は、当該ガイドポイントPP1の通過直後にPND20の制御部10がガイドポインド画像(後述する)を表示する際のトリガーとなるべき地点として用いられるようになされている。
【0081】
またPND20の制御部10は、目的地の建物が存在するエリアAR2に対する400m手前の位置(例えばエリアAR2に対する250m手前)に右左折の交差点がある道路を進行する車両Bについては、その右左折の交差点を、例えば「250m先、目的地周辺です」というナビゲート音声をスピーカ出力するガイドポイントPP2として設定する。
【0082】
このガイドポイントPP2についても、当該ガイドポイントPP2の通過直後にPND20の制御部10がガイドポインド画像(後述する)を表示する際のトリガーとなるべき地点として用いられるようになされている。
【0083】
但し、目的地のエリアAR2とガイドポイントPP2との距離が例えば50m以内の場合、ガイドポイントPP2の通過直後にガイドポインド画像(後述する)を表示したならば、当該ガイドポイント画像を表示するタイミングが遅過ぎてしまうので、PND20の制御部10はその一つ手前にある通常の案内ポイントをガイドポイントとして設定する。
【0084】
ステップSP26においてサーバ4の制御部40は、PND20がガイドポイントPP1又はPP2を通過直後に表示すべき立体的なガイドポイント画像(後述する)を生成し、次のステップSP27へ移る。
【0085】
サーバ4の制御部40は、図11(A)に示すように、目的地のエリアAR2に対する100m手前から当該目的地の建物をユーザが見たときの角度を想定する。
【0086】
そしてサーバ4の制御部40は、図11(B)に示すような、その角度に応じて立体的に見えるように建物画像がハイライト表示されたガイドポイント画像GP3を、記憶部43に格納されている建物描画情報データベース46の画像情報を用いて生成する。
【0087】
ステップSP27においてサーバ4の制御部40は、図10に示したように、PND20では目的地のエリアAR2の例えば5m手前の位置を目的地到着案内ポイントPP3として設定することを想定し、画像生成プログラム45に従って到着時表示用建物画像(後述する)を生成し、次のステップSP28へ移る。
【0088】
このときサーバ4の制御部40は、図12(A)に示すように、目的地の建物が存在するエリアAR2に対する5m手前から当該目的地の建物をユーザが見たときの角度として約45度を想定する。
【0089】
そしてサーバ4の制御部40は、図12(B)に示すような、その角度に応じて立体的に見えるように建物画像がハイライト表示された到着時表示用建物画像GGを、記憶部43に格納されている建物描画情報データベース46の画像情報を用いて生成する。
【0090】
なお、サーバ4の制御部40は、このとき目的地と重なる他の建物が存在するときは、その重なる他の建物が存在しないかのように、目的地となる立体的な建物画像だけの到着時表示用建物画像GGを生成するようになされている。
【0091】
ステップSP28において、サーバ4の制御部40は、ステップSP26で生成したガイドポイント画像GP3と、ステップSP27で生成した到着時表示用建物画像GGとを、ネットワークインターフェース44によりPND20へ無線送信し、次のステップSP29へ移って処理を終了する。
【0092】
ステップSP14においてPND20の制御部10は、ステップSP24でサーバ4からガイドポイント画像GP2が送られてきた場合、ルート案内画面MG3にガイドポイント画像GP2を重ねて新たなルート案内画面MG4を生成し、ガイドポイントPP1又はPP2を自車マークNP1が通過した直後にルート案内画面MG4を表示部14に表示し、次のステップSP15へ移る。
【0093】
またステップSP14においてPND20の制御部10は、ステップSP28でサーバ4からガイドポイント画像GP2及び到着時表示用建物画像GGが送られてきた場合、図13に示すように、ルート案内画面MG3にガイドポイント画像GP3を重ねて新たなルート案内画面MG5を生成する。そしてPND20の制御部10は、ガイドポイントPP1又はPP2を自車マークNP1が通過した直後にルート案内画面MG5を表示部14に表示し、次のステップSP15へ移る。
【0094】
ステップSP15においてPND20の制御部10は、目的地のエリアAR2に対する5m手前の目的地到着案内ポイントPP3に自車マークNP1が到着したとき、図14に示すように、ルート案内画面MG3に到着時表示用建物画像GGを重ねて新たなルート案内画面MG6を生成して表示部14に表示し、次のステップSP16へ移って処理を終了する。
【0095】
[2−5.動作及び効果]
以上の構成において、ナビゲーションシステム1のPND20は、ルート案内画面MG3を介してルートガイドを行っている最中に、自車マークNP1の現在位置から旗マークDE2の目的地までの残り距離が2Km以内に入ったとき、目的地情報及びルート情報をサーバ4に通知する。
【0096】
サーバ4は、PND20から通知された目的地情報に基づいて旗マークDE2の目的地に存在する建物を特定し、その建物を3次元的に立体表示するための画像情報が建物描画情報データベース46に保持されていれば、PND20のガイドポイントPP1又はPP2を通過直後に表示させるためのガイドポイント画像GP3を生成する。
【0097】
またサーバ4は、PND20が目的地のエリアAR2の例えば5m手前の目的地到着案内ポイントPP3に到着したときにユーザが見えるであろう到着時表示用建物画像GGを、建物描画情報データベース46の画像情報を用いて生成する。
【0098】
そしてサーバ4は、ガイドポイント画像GP3及び到着時表示用建物画像GGをPND20へ送信することにより、PND20に対してガイドポイントPP1又はPP2の通過直後にガイドポイント画像GP3が重ねられたルート案内画面MG5を表示させた後、目的地のエリアAR2に対する5m手前の目的地到着案内ポイントPP3で到着時表示用建物画像GGが重ねられたルート案内画面MG6を表示させることができる。
【0099】
これによりPND20は、目的地のエリアAR2の400m以下に設定したガイドポイントPP1又はPP2を通過直後に、これからユーザが実際に見えるであろう目的地の立体的な建物をガイドポイント画像GP3により予め目視確認させることができるので、目的地の建物を通り過ぎてしまう事態を回避させることができる。
【0100】
またPND20は、目的地到着案内ポイントPP3に到着したときにユーザが実際に見えるのと同じ到着時表示用建物画像GGを目視確認させることにより、ユーザを目的地の建物へ確実に誘導することができる。
【0101】
なおPND20は、目的地情報及びルート情報をサーバ4へ通知さえすれば、後はガイドポイント画像GP3及び到着時表示用建物画像GGをサーバ4から受け取ることができるので、画像生成プログラム45及び建物描画情報データベース46を自身で保持しなくて済み、その分だけ構成を簡素化することができる。
【0102】
以上の構成によれば、ナビゲーションシステム1ではPND20がガイドポイントPP1又はPP2を通過した直後や、目的地到着案内ポイントPP3に到着したときに、ガイドポイント画像GP3及び到着時表示用建物画像GGを介して実際に見えるであろう目的地の建物をリアルに表現してユーザに目視確認させ、確実に目的地へ導くことができる。
【0103】
<3.他の実施の形態>
なお上述した第1の実施の形態においては、PDN2の制御部10がルート案内画面MG1に対してガイドポイント画像GP1を重ねることにより新たなルート案内画面MG2を生成するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、PND2の制御部10がルート案内画面MG1に代えてガイドポイント画像GP1だけを表示するようにしても良い。
【0104】
また上述した第2の実施の形態においては、PDN20の制御部10がルート案内画面MG3に対してガイドポイント画像GP3を重ねることにより新たなルート案内画面MG5を生成するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、PND20の制御部10がルート案内画面MG3に代えてガイドポイント画像GP3だけを表示するようにしても良い。
【0105】
さらに上述した第2の実施の形態においては、PDN20の制御部10がルート案内画面MG3に対して到着時表示用建物画像GGを重ねることにより新たなルート案内画面MG6を生成するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、PND20の制御部10がルート案内画面MG3に代えて到着時表示用建物画像GGだけを表示するようにしても良い。
【0106】
さらに上述した第1の実施の形態においては、PND2の制御部10が目的地のエリアAR1だけを赤色で表示するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、PND2の制御部10が例えば手前の交差点に存在するエリア等を他の異なる色で表示することにより右左折し忘れないように注意を喚起するようにしても良い。
【0107】
さらに上述した第2の実施の形態においては、サーバ4によって生成されたガイドポイント画像GP2及び到着時表示用建物画像GGをPND20が受け取って表示するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、PND20の制御部10が画像生成プログラム45及び建物描画情報データベース46を持ち、自身でガイドポイント画像GP2及び到着時表示用建物画像GGを生成して表示するようにしても良い。
【0108】
さらに上述した第2の実施の形態においては、ガイドポイント画像GP3及び到着時表示用建物画像GGにより建物画像が立体的に見えるようにハイライト表示するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、PND20の制御部10が画像生成プログラム45及び建物描画情報データベース46に従って、立体的な建物画像を赤色で色付けしてハイライト表示を強調するようにしても良い。
【0109】
さらに上述した第1の実施の形態においては、PND2の制御部10が目的地到着案内プログラム32に従ってルーチンRT1の目的地到着案内処理手順(図3)を実行するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、PND2の制御部10が所定の記録媒体からインストールし、又はインターネットからダウンロードし、又はその他種々のルートによってインストールした目的地到着案内プログラム32に従って上述したルーチンRT1の目的地到着案内処理手順を実行するようにしても良い。
【0110】
さらに上述した第2の実施の形態においては、PND20の制御部10が目的地到着案内プログラム37に従って上述したステップSP11〜SP16までの処理(図8)を実行するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、PND20の制御部10が所定の記録媒体からインストールし、又はインターネットからダウンロードし、又はその他種々のルートによってインストールした目的地到着案内プログラム37に従ってステップSP11〜SP16までの処理を実行するようにしても良い。
【0111】
さらに上述した第2の実施の形態においては、サーバ4の制御部40が画像生成プログラム45に従ってステップSP21〜SP29(図8)までの処理を実行するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、サーバ4の制御部40が所定の記録媒体からインストールし、又はインターネットからダウンロードし、又はその他種々のルートによってインストールした画像生成プログラム45に従ってステップSP21〜SP29までの処理を実行するようにしても良い。
【0112】
さらに上述した第1及び第2の実施の形態においては、測位手段としてのGPSユニット15、ルート案内画面生成手段及び案内画像生成手段としての制御部10、40によって本発明のナビゲーション装置を構成するようにした場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる測位手段、ルート案内画面生成手段及び案内画像生成手段によって本発明のナビゲーション装置を構成するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明のナビゲーション装置及びナビゲーション方法は、例えばPND以外にもGPSモジュールを搭載した携帯電話機、PDA(Personal Data Assistance)、ノートブック型パーソナルコンピュータ、ゲーム機等のその他種々のモバイル機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0114】
1……ナビゲーションシステム、2、20……PND、3a、3b、3c……無線アクセスポイント、4……サーバ、5……クレードル、10、40……制御部、11、41……ROM、12、42……RAM、13、43……記憶部、14……表示部、15……GPSユニット、44……ネットワークインターフェース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を測位する測位手段と、
上記現在位置から目的地までの探索経路に従ってルートガイドを行うためのルート案内画面を生成して表示手段に表示するルート案内画面生成手段と、
上記ルート案内画面を介してルートガイドを行っている最中に、上記現在位置から上記目的地までの残り距離が所定値以内になったとき、上記目的地の表示対象を周辺よりも目立つようにハイライト表示した案内画像を生成して上記表示手段に表示する案内画像生成手段と
を具えるナビゲーション装置。
【請求項2】
上記案内画像生成手段は、上記表示対象が所定角度から眺められたときに見えるであろう立体的な形態に上記ハイライト表示した上記案内画像を表示する
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
上記案内画像生成手段は、上記目的地から所定距離だけ離れた地点で当該目的地に近いことを喚起するガイドポイントを通過した直後に見えるであろう立体的な形態に上記ハイライト表示した上記案内画像を表示する
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
上記案内画像生成手段は、上記目的地の周辺に到達したことを喚起する目的地到着案内ポイントから見えるであろう立体的な形態に上記ハイライト表示した上記案内画像を表示する
請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
上記案内画像生成手段は、上記目的地から所定距離だけ離れた地点で当該目的地に近いことを喚起するガイドポイントを通過した直後に見えるであろう立体的な形態に上記ハイライト表示した上記案内画像を表示した後、上記目的地の周辺に到達したことを喚起する目的地到着案内ポイントから見えるであろう立体的な形態に上記ハイライト表示した上記案内画像を表示する
請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
上記案内画像生成手段は、上記表示対象を所定色に色付けして表示すると共に、当該表示対象の画像を表示する
請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
現在位置から目的地までの探索経路に従ってルートガイドを行うためのルート案内画面をルート案内画像生成手段により生成して表示手段に表示するルート案内画面出力ステップと、
上記ルート案内画面を介してルートガイドを行っている最中に、測位手段によって測位している現在位置から上記目的地までの残り距離が所定値以内になったとき、案内画像生成手段により上記目的地の表示対象を周辺よりも目立つようにハイライト表示した案内画像を生成して上記表示手段に表示する案内画像出力ステップと
を有するナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−230551(P2010−230551A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−79615(P2009−79615)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】