ナビゲーション装置
【課題】 渋滞や交通規制等で急に運転状況が変化したときに現在再生している音楽のテンポと異なるテンポの音楽を選曲し再生するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 音楽をリッピングする際にテンポ検出部でテンポ情報を検出して音楽データと一緒に記憶部に保存し、この記憶部に保存された音楽データを音楽データ選曲部で選曲するとき、車両の走行状態判定部の判定結果に応じて現在再生中の音楽データのテンポ情報とは異なったテンポ情報を有する音楽データを音楽データ選曲部で選曲するように制御部で制御するので、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽データのテンポ情報とは全くことなったテンポ情報を有した音楽データを選曲して現在再生している音楽データの次曲として再生する。
【解決手段】 音楽をリッピングする際にテンポ検出部でテンポ情報を検出して音楽データと一緒に記憶部に保存し、この記憶部に保存された音楽データを音楽データ選曲部で選曲するとき、車両の走行状態判定部の判定結果に応じて現在再生中の音楽データのテンポ情報とは異なったテンポ情報を有する音楽データを音楽データ選曲部で選曲するように制御部で制御するので、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽データのテンポ情報とは全くことなったテンポ情報を有した音楽データを選曲して現在再生している音楽データの次曲として再生する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に搭載されるオーディオ機能を有したナビゲーション装置に関するものであって、より詳しくは、車両の走行状態に応じて再生ソースを自動的に選択して再生するオーディオ機能を備えたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置に備えたオーディオ機能は、CD、MD、チューナー、チェンジャー、HDDオーディオ等といった複数のソースで構成されることが多く、この複数のソースからユーザが選択することで、車内で音楽を再生することができるように構成されている。このようなナビゲーション装置のオーディオ機能は、車両位置、外気温、天候、昼夜等の車両環境を考慮して運転者が好むジャンルのオーディオを再生するものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−145322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、予め、外気温、天候、昼夜等を設定しないと車両環境を考慮してオーディオを再生することができず、また、予めオーディオを再生する場所を指定しないと再生することができないため渋滞や交通規制等で急に運転状況が変化したときに再生するオーディオを変更することができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、渋滞や交通規制等で急に運転状況が変化したときに現在再生している音楽のテンポと異なるテンポの音楽を選曲し再生するナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のナビゲーション装置は、音楽をリッピングして音楽データとして保存すると共に再生可能に構成されたナビゲーション装置において、前記音楽のテンポ情報を検出するテンポ検出部と、前記音楽データと前記テンポ検出部で検出したテンポ情報を保存する記憶部と、前記記憶部に保存された複数の音楽データから次曲を選曲する音楽データ選曲部と、前記車両の走行状態を検出する走行状態判定部と、前記走行状態判定部の判定結果に基づいて前記音楽データ選曲部を制御する制御部と、を備えて構成されている。
【0007】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、音楽をリッピングする際にテンポ検出部でテンポ情報を検出して音楽データと一緒に記憶部に保存し、この記憶部に保存された音楽データを音楽データ選曲部で選曲するとき、車両の走行状態判定部の判定結果に応じて現在再生中の音楽データのテンポ情報とは異なったテンポ情報を有する音楽データを音楽データ選曲部で選曲するように制御部で制御するので、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽データのテンポ情報とは全くことなったテンポ情報を有した音楽データを選曲して現在再生している音楽データの次曲として再生することができる。
【0008】
また、本発明のナビゲーション装置の前記走行状態判定部は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出部と、前記車両の走行している道路の交通情報を受信する交通情報受信部とを備え、前記走行速度検出部で検出した速度と前記交通情報受信部で受信した交通情報から前記車両が渋滞による減速か否かを判定するように構成されている。
【0009】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、車両の走行速度を検出する走行速度検出部と、車両の走行している道路の交通情報を受信する交通情報受信部とを備えて走行状態判定部を構成することで、運転者の意思で車両の速度が落ちたのか、渋滞によって車両の速度が減速したのかを判定することができ、走行状態判定部で渋滞による減速であると判定されると、現在再生している音楽データとは異なった音楽データを自動的に選曲するように音楽データ選曲部を制御部で制御するように構成しているので、渋滞時に再生している音楽とは違った音楽を再生して運転者の気分転換を図ることができる。
【0010】
また、本発明のナビゲーション装置の前記制御部は、前記走行状態判定部で渋滞による減速と判定すると前記ナビゲーション装置で再生中の音楽データと異なる前記テンポ情報を有した音楽データを前記音楽データ選曲部に選曲させ、前記再生中の音楽データの再生終了後に前記音楽データを異なる前記テンポ情報を有した音楽データを再生するように構成されている。
【0011】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、走行状態判定部で車両が渋滞によって減速したと判定すると、制御部はナビゲーション装置で再生している音楽データとは異なった音楽データを音楽データ選曲部に選曲をさせると共に、現在再生している音楽データの後に音楽データ選曲部で選曲された現在再生している音楽データとは異なったテンポ情報を有する音楽データを再生することができるので、渋滞時における運転者の気分転換やイライラや集中力欠如等を防止することができる。
【0012】
さらに、本発明の集積回路は、音楽をリッピングして音楽データに変換する変換部と、前記音楽のテンポ情報を検出するテンポ検出部と、音楽データに付加されたテンポ情報から再生する音楽を検索する音楽データ選曲部と、車両の走行状態を検出する走行状態判定部と、前記走行状態判定部の判定結果に基づいて次曲に異なるテンポ情報を有した音楽データを再生するように前記音楽データ選曲部を制御する制御部とを備えるように構成されている。このように集積回路を構成することで、この集積回路をナビゲーション装置に備えることで機能を使用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、車両の走行状態を走行状態判定部で判定し、走行状態応じて現在再生している音楽データのテンポ情報とは全くことなったテンポ情報を有した音楽データを音楽データ選曲部で選曲して再生することができ、渋滞中にスローテンポの音楽が再生しているときにアップテンポの音楽を再生するように音楽データ選曲部を制御部で制御して選曲するので、スローテンポの音楽によって眠気が誘発されても、テンポの違うアップテンポの音楽を再生するので、運転者の気分転換させることで眠気や集中力の欠如等の誘発を抑制することができる。また、VICSによる渋滞情報と走行速度により選曲を行う手段を設けることにより、ドライバーの走行状態の中で単調な運転をしていることを判断できこれをきっかけに、テンポや曲調を変化させる選曲を行い、運転者の気分転換を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本発明のナビゲーション装置Nは、ナビゲーション装置Nを制御するCPU1と、BIOS等の基本プログラムを記憶するROM2と、ナビゲーション装置Nの各種データやプログラムが保存されたHDD3と、ナビゲーション装置Nの各種データを一時的に保持するRAM4と、音声データを処理する音声LSI5と、画像データを処理する描画LSI6と、描画LSI6で処理された画像データを保持するVRAM7と
、CD/DVDドライブ10や外部入力部14から入力された音楽をHDD3に保存するために圧縮する圧縮LSI8と、CD/DVDドライブ10や外部入力部14から入力された音楽のテンポを抽出するテンポ抽出LSI9と、音楽を再生及び読み取り可能なCD/DVDドライブ10と、データの入出力を行うI/O(Input/Output)11と、I/O11に接続されたGPSデータを受信するGPS受信機12と、渋滞情報などを受信するVICS受信機13と、ナビゲーション装置Nに外部機器等を接続して音楽・画像を入力する外部入力部14と、車両の速度を検出する速度センサ15と、車の進行方向を検出する自律航法ユニットであるジャイロセンサ16と、音声データに対応する音声を出力するスピーカ17と、地図表示や経路案内等の情報を表示する表示部18とを備え、各部品はバスVで接続されて構成されている。
【0016】
なお、音楽や映像を外部から取り込むために(ダウンロード)外部サーバーやインターネットに接続する通信部を備えるように構成し、外部サーバーやインターネットが提供するコンテンツから音楽や映像等をダウンロードしてナビゲーション装置Nで使用するようにしてもよい。なお、CPU1、ROM2、RAM4、音声LSI5、描画LSI6、VRAM7、圧縮LSI8、テンポ抽出LSI9を一つの集積回路Cとして構成してもよく、また、音声LSI5、描画LSI6、圧縮LSI8、テンポ抽出LSI9をまとめて集積回路としてもよい。
【0017】
ここで、CPU1は、ナビゲーション装置Nの経路案内や地図表示や渋滞情報を表示等の動作を制御すると共に音声LSI5、圧縮LSI8、テンポ抽出LSI9等を制御するように構成されている。また、CPU1は、GPS受信機12、VICS受信機13、速度センサ15から得られる現在走行している道路の状態及び車両の状態から走行状態を判定する走行状態判定部をそなえると共に、走行状態判定部で渋滞による減速だと判定されたときに現在再生している音楽よりも速いテンポ情報を持った音楽を選択する音楽データ選曲部と、音楽データ選曲部で選曲された音楽を現在再生している音楽の終了後に再生させるように制御する制御部を備えて構成されている。
【0018】
HDD3は、ナビゲーション装置Nの経路案内を行う際に必要な地図データや音声案内に用いる音声データやナビゲーション装置Nを動作させるプログラム等が保存されると共にCD/DVDドライブ10や外部入力部14から入力される音楽や、音楽のテンポ情報が保存可能に構成されている。なお、HDD3に音楽を保存する際には、圧縮LSI8を用いてリッピングして音楽データとして保存可能に構成されると共にテンポ抽出LSI9を用いて音楽のテンポを抽出して音楽データを関連して保存可能に構成されている。
【0019】
テンポ抽出LSI9は、CD/DVDドライブ9から入力された音楽信号から各構成音の発音時刻及びそのレベルを検出し、発音時系列信号として出力する発音時刻検出手段と、前記発音時刻検出手段で検出された発音時系列信号の自己相関関数を算出する自己相関算出手段と、前記自己相関算出手段の出力信号からピーク部分の位置及びレベルを検出するピーク位置検出手段と、前記ピーク位置検出手段で検出されたピーク部分の位置及び出力レベルのパターンより、入力された音楽信号のビート構造を解析するビート構造解析手段と、前記ピーク位置検出手段で検出されたピーク部分の位置及び出力レベルより、音楽信号のテンポ候補を算出する仮テンポ算出手段と、前記仮テンポ算出手段で算出したテンポ候補と前記ビート構造解析手段で求めたビート構造とに基づいて、入力された音楽信号のテンポを判定するテンポ判定手段を用いて音楽のテンポを抽出するように構成されている。なお、テンポ抽出に関しては、出願人が先に出願した特開2002−116754号公報に記載されており詳細な説明は省略する。
【0020】
CD/DVDドライブ10は、音楽CDや音楽DVDから音楽を再生することができ、また、映像DVD等も再生することができるように構成されている。CD/DVDドライ
ブ10から再生される音楽は、圧縮LSI8でリッピングし、テンポ抽出LSI9で検出したテンポ情報をHDD3に音楽データとして保存するように構成されている。
【0021】
GPS受信機12は、ナビゲーション装置Nにおいて、車両の自車位置を検出するものであり、ナビゲーション装置Nの表示部18にGPS受信機で検出した自車位置に対応した地図を表示すると共に自車位置を表示することができる。
【0022】
VICS受信機13は、外部の公共機関や情報提供会社から提供される渋滞情報を受信するものである。また、渋滞情報の受信するものとして、FM多重放送や光ビーコンを用いて渋滞情報を取得して利用することができる。
【0023】
外部入力部14は、ナビゲーション装置Nと外部機器とを接続する際に使用することができるように構成されている。例えば、外部入力部14に接続する外部機器としては、例えば、携帯オーディオ等を接続することができ、外部入力部14に接続して携帯オーディオに保存されている音楽をナビゲーション装置Nで再生することができる。また、外部入力部14に接続することで携帯オーディオの操作をナビゲーション装置Nでできるように構成してもよい。
【0024】
速度センサ15は、車両の速度を検出するものであり、例えば、車両から出力される車速パルスから車両の速度を検出するように構成されている。
【0025】
表示部18は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることができ、ナビゲーション装置Nで地図を表示したり地図上に表示された道路に渋滞情報を重ね合わせて表示することができると共に、表示部18に表示された項目に指などで触れることでナビゲーション装置Nの動作や設定などを行えるタッチパネル式で構成されている。
【0026】
ここで、HDD3に音楽を保存(リッピング)してテンポを抽出する処理について図面を用いて詳細に説明する。図2は、ナビゲーション装置で音楽を保存する際の処理を示すフロー図。図3は、HDDに保存された音楽データをとテンポ情報の状態を示す模式図である。
【0027】
図2に示すように、ナビゲーション装置NのCD/DVDドライブ10に音楽メディアが挿入されると(S1)、圧縮LSI8を用いて音楽CDや音楽DVD等の音楽メディアに記録されている楽曲をリッピングして音楽データに保存する(S2)。このとき、音楽データのテンポ情報がナビゲーション装置N(HDD3)に保存されたCDDB(Cd DataBase)等のデータベースから楽曲のテンポ情報の有無を検索する(S3)。
【0028】
そして、データベースに楽曲のテンポ情報が無いと判断されると(S3、NO)、テンポ抽出LSI9を用いて楽曲(音楽)のテンポを抽出し(S4)、音楽データとテンポ情報を関連付けてHDD3に保存する(S5)。また、データベースに楽曲のテンポ情報があったときには(S3,YES)、音楽データとテンポ情報を関連付けてHDD3に保存する(S5)。
【0029】
このように本発明のナビゲーション装置Nにおける音楽のリッピング及びテンポ抽出は、音楽メディアを挿入すると音楽データにリッピングし、各音楽データに対してテンポ情報がCDDB等のデータベースに有るか否かを判定して、データベースに音楽データに対応したテンポ情報があるときは、そのテンポ情報と音楽データをHDD3に保存し、データベースに音楽データに対応したテンポ情報が無いときには、テンポ抽出LSI9を用いて音楽データのテンポを抽出して、抽出したテンポ情報と音楽データをHDD3に保存す
るように構成されている。ない、HDD3に保存された音楽データには、図3に示すように、曲番、テンポ情報、データの種類、更新日時、アーティスト名等が保存されている。
【0030】
次に、このように構成されたナビゲーション装置Nの動作について図面を用いて詳細を説明する。図4は、車両の走行状態の変化によって再生している楽曲を変更する処理を示すフロー図である。なお、HDD3に複数の音楽データと音楽データに対応したテンポ情報が保存されている状態とする。
【0031】
図4に示すように、ナビゲーション装置NのHDD3から音楽を再生しているときに、CPU1はVICS受信機13を用いて現在車両が走行している道路の渋滞情報を取得する(S10)。次に、ナビゲーション装置Nの速度センサ15を用いて車両の走行速度を検出し車両の速度が減速したか否かを判定する(S11)。車両の速度が減速したと判定されると(S11、YES)、取得している渋滞情報と車両の減速状態比較を行い(S12)、渋滞による減速であるか否かを判定する(S13)。S13で渋滞による減速であると判定されると(S13、YES)、現在再生している音楽のテンポ情報を確認し(S14)、再生している音楽よりも速いテンポ情報を持った音楽をHDD3に保存されている音楽から検索する(S15)。そして、現在再生している音楽が終了後に現在再生している音楽のテンポよりも速いテンポ情報を持った音楽を現在再生している音楽の後に再生する(S16)。
なお、車両の速度の減速があるか否かを検出しているときに(S11)、車両の速度が減速していないときは(S11,NO)、再度車両の速度が減速するまで監視する。
【0032】
このように構成された第1の実施形態における本発明のナビゲーション装置Nは、車両の走行状態を走行状態判定部で判定し、走行状態判定部で車両の速度の減速は渋滞による減速だと判定されると、現在再生している音楽よりも速いテンポの音楽を再生するように制御部で制御するので、例えば、図5(a)に示すように、現在再生している音楽L1a、音楽L1aの後に再生する音楽L1b、音楽L1bの後に再生する音楽L1cというように再生リストL1に基づいて再生する場合でもあっても、図5(b)に示すように、現在再生している音楽L1aのテンポ情報の170BPMの後に音楽L1aよりも速いテンポ情報を有するテンポ情報224BPMである音楽L1dを再生するように再生リストL2を変更するので渋滞や交通規制等で急に運転状況が変化したときに現在再生している音楽のテンポ情報よりも速いテンポ情報の音楽を次曲として再生することで、適度な気分転換を行うことができ、渋滞時における集中力の低下やストレス、眠気を防止することができる。
【0033】
また、ナビゲーション装置NにおいてHDD3の保存された音楽を再生する際に、図5(a)、(b)に示したような再生リストL1、L2に基づいて再生しているときだけではなく、例えば、図5(c)に示すように、再生リストに基づいて再生していないときでも、渋滞によって車両が減速したときに、現在再生している音楽のテンポ情報よりも速いテンポ情報の音楽を次曲として再生するように構成してもよい。
【0034】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成は、第1の実施の形態と同じ符号を付し詳細な説明は省略する。第1の実施の形態では、HDDに保存された音楽に対して選曲を行うように構成したが、第2の実施の形態では、外部入力から携帯オーディオ等が接続された状態について詳細に説明する。図6は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置に外部入力部に携帯オーディオを接続した状態を示すブロック図である。図7は、ナビゲーション装置の外部入力部に携帯オーディオを接続した処理を示すフロー図である。図8は、車両の走行状況の変化によって再生する音楽を変更する処理を示すフロー図である。
【0035】
図6に示すように、ナビゲーション装置Nの外部入力部14に携帯オーディオAuを接続すると、ナビゲーション装置Nは携帯オーディオAuに保存されている音楽について音楽データであるか、テンポ情報を有しているか等の処理を行う。ここで、携帯オーディオがナビゲーション装置Nに接続されたときの処理について図面を用いて説明する。
【0036】
図7に示すように、ナビゲーション装置Nに携帯オーディオAuが接続するとナビゲーション装置Nは、携帯オーディオAuが接続された否かを判断する(S20)。このとき、携帯オーディオAuが接続されたと判断すると(S20、YES)、携帯オーディオAuの保存されている音楽は音楽データか否かを判定する(S26)。携帯オーディオAuに保存されているが音楽データであると判定されると(S26、YES)、音楽データにテンポ情報があるか否かを判断(判定)する(S27)。そして、テンポ情報があると判断されると(S27、YES)、ナビゲーション装置NのHDD3に音楽データとテンポ情報を保存する(S25)。また、S27において、テンポ情報があるか否かを判断した際に、テンポ情報がないと判断されると(S27、NO)、携帯オーディオAuに保存されている音楽のテンポを抽出し(S28)、音楽データとテンポ情報をHDD3に保存する(S25)。
【0037】
また、S26において、携帯オーディオAuから入力される音楽が音楽データではないと判断されると(S26、NO)、ナビゲーション装置Nでリッピングして音楽データに変換する(S22)。そして、入力された音楽のテンポ情報がデータベースにあるか否かを判定し(S23)、テンポ情報があった時には(S23、YES)、音楽データとテンポ情報をHDD3に保存する(S25)。S23においてデータベースにテンポ情報が無い場合には(S23、NO)、音楽のテンポを抽出して(S24)、音楽データとテンポ情報をHDD3に保存する(S25)。なお、S20において、携帯オーディオAuが接続されていないと判断されると(S20、NO)、CD/DVDドライブ10にメディアが挿入されたか否かを判断し(S21)、CD/DVDドライブ10にメディアが挿入されたときは(S21、YES)、リッピングして音楽データに変換する処理を行い(S22)、他の処理に関しては前記した同様の処理を行う。また、携帯オーディオAuが接続されておらず(S20、No)、CD/DVDドライブ10にメディアが挿入されていないときには(S21、NO)、テンポ情報を抽出する処理を終了する。
【0038】
次に走行状況の変化に応じたナビゲーション装置Nの動作についてフロー図を用いて詳細に説明する。なお、ナビゲーション装置Nに接続された携帯オーディオに保存されている音楽が全てナビゲーション装置NのHDD3に保存されている場合には、第1実施の形態の図4で示した処理と同じ処理を行うことで走行状態に応じて再生している音楽を変更することができ詳細な説明は省略する。
【0039】
図8に示すように、まず、ナビゲーション装置Nは、HDD3に保存されている音楽を再生しているか否かを判断する(S30)。このときHDD3に保存された音楽を再生ではなく、携帯オーディオAuから再生している状態であるとナビゲーション装置Nが認識すると(S30、NO)、車両が走行している道路や経路に関する渋滞情報を取得する(S31)。この状態で車両が走行しているときに、車両の速度が減速したと判定されると(S32、YES)、取得している渋滞情報と車両の減速状態を比較し(S33)、渋滞による減速であるか否かを判定する(S34)。S34で渋滞による減速であると判定されると(S34、YES)、現在再生している音楽のテンポ情報を確認し(S35)、再生している音楽よりも速いテンポ情報を持った音楽が携帯オーディオAuに保存されている音楽から検索し(S36)、現在再生している音楽の終了後に現在再生している音楽のテンポよりも速いテンポ情報を持った音楽を選曲して再生する(S37)。
なお、車両の速度の減速を監視しているときに(S32)、車両の速度が減速してい
ないときは(S32,NO)、車両の速度が減速するまで監視を行う。
【0040】
また、HDD3に保存されている音楽データを再生していると判断されると(S30、YES)、車両が走行している道路の渋滞情報を取得する(S31)。そして、次に、ナビゲーション装置Nの速度センサ15を用いて車両の走行速度を検出し車両の速度が減速したか否かを判定する(S32)。車両の速度が減速したと判定されると(S32、YES)、取得している渋滞情報と車両の減速状態を比較し(S33)、渋滞による減速であるか否かを判定する(S34)。S34で渋滞による減速であると判定されると(S34、YES)、現在再生している音楽のテンポ情報を確認し(S35)、再生している音楽よりも速いテンポ情報を持った音楽をHDD3に保存されている音楽から検索する(S36)。そして、現在再生している音楽が終了後に現在再生している音楽のテンポよりも速いテンポ情報を持った音楽を現在再生している音楽の後に再生する(S37)。
なお、HDD3の音楽データを再生しているわけでもなく(S30、NO)、携帯オーディオAuの音楽データを再生していない(S38、NO)場合は、他のソースが選択されていると判断して、他のソースの出力を維持する。
【0041】
このように構成された第2の実施形態における本発明のナビゲーション装置Nは、ナビゲーション装置Nに接続された携帯オーディオAuや内部のHDD3に保存された音楽データを再生している際に、車両の走行状態を走行状態判定部で判定し、走行状態判定部で車両の速度の減速が渋滞による減速だと判定されると、現在再生している音楽よりも速いテンポの音楽を再生することで適度な気分転換を行うことができ、渋滞時における集中力の低下やストレスや眠気を防止することができる。
【0042】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成は、第2の実施の形態で示した構成に外部通信手段を加えた構成となっており、第2の実施の形態のナビゲーション装置の同じ構成の箇所には、同じ符号を付し詳細な説明を省略する。図9は、第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図10は、第3の実施の形態における車両の走行状況の変化によって再生する音楽を変更する処理を示すフロー図である。
【0043】
図9に示すように、第3のナビゲーション装置Nは、図6で示した第2の実施形態の構成に外部通信手段19を備えた構成であり、詳細な説明は省略する。ここで、外部通信手段19は、外部のネットワークやインターネット等と接続することができるように構成されており、外部のネットワークを介してナビゲーション装置Nに音楽データや楽曲情報や渋滞情報等の情報を取得することができるように構成されている。
【0044】
次に、図10を用いて車両の走行状況の変化によってナビゲーション装置Nで再生している音楽を変更する処理について説明する。
【0045】
ナビゲーション装置Nは、外部通信手段19を用いてインターネット等の外部ネットワークから音楽をダウンロードして音楽を再生している状態において(S40)、車両の走行している道路の状態情報の受信を常に行うと共に(S41)、車両の速度が減速を監視している(S42)。このとき、車両の速度が減速すると(S42、YES)、車両の減速が渋滞による減速か否かをVICS等などから受信している渋滞情報と比較する(S43)。このとき渋滞による減速だと判断されると(S44、YES)、再生している音楽のテンポ情報を確認し(S45)、再生している音楽とは違うテンポ情報の音楽を外部ネットワークを用いて検索する(S46)。そして、再生中の音楽のテンポとは違うテンポが見つかるまで検索を繰り返し(S47)、再生中の音楽とは異なったテンポの音楽があった判断されると(S47、YES)、再生している音楽の次にテンポの異なる音楽が再
生できるように外部ネットワークからダウンロードして(S48)、現在再生している音楽の終了後にダウンロードした音楽を再生する(S49)。
なお、S42において、車両の速度の減速が検出されないときや(S42、NO)、渋滞による減速ではないと判断されると(S44、NO)、再度、車両の速度が減速されるのを監視する(S42)。
【0046】
このように構成された第3の実施の形態におけるナビゲーション装置Nは、外部ネットワークから音楽データをダウンロードして再生している場合でも、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽よりもテンポの速い曲を自動的に検索してダウンロードして再生することができる。
【0047】
また、外部ネットワークからダウンロードして音楽を再生している際に、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽よりも早いテンポの音楽を外部ネットワークで検索してダウンロードする構成としたが、本発明を限定するものではなく、例えば、ナビゲーション装置Nに搭載されているHDD3やナビゲーション装置Nに接続されている携帯オーディオAuに保存されている音楽データから検索して再生するように構成してもよい。このように構成することで、外部ネットワークを用いて音楽をダウンロードして再生している場合でも、HDD3や携帯オーディオAuに保存されている音楽データを用いることができる。
【0048】
さらに、ナビゲーション装置NのHDD3や携帯オーディオAuの音楽データを再生しているときに、車両の走行状態の変化に応じて現在再生している音楽よりも速いテンポの音楽を、外部ネットワークを用いて検索を行いダウンロードして再生するように構成してもよい。このように構成することで、HDD3や携帯オーディオAuに保存されていない音楽をダウンロードして再生することができる。
【0049】
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態から第3の実施の形態まで、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽のテンポの速度よりも早いテンポの速度の音楽を検索して再生するように構成したが、本発明を限定するものではなく、例えば、テンポの速度に応じた、スローテンポ、ミディアムテンポ、アップテンポというようにジャンルを分類して、その分類に基づいて再生する音楽を選択するように構成してもよい。図11(a)は、テンポの速度に応じたジャンルの分類を示す模式図であり、図11(b)は、ジャンルの分類を含む楽曲リストを示す模式図である。図12は、第4の実施の形態におけるナビゲーション装置の処理を示すフロー図である。また、第4の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成は、第1の実施の形態から第3の実施の形態のいずれかを用いることができ、詳細な説明は省略する。
【0050】
第4の実施の形態におけるナビゲーション装置Nは、リッピング時に抽出した音楽データのテンポ情報から、図11(a)に示すように、40−80BPMをスローテンポ、81−160BPMをミディアムテンポ、160−240BPMをアップテンポとして分類し、図11(b)に示すように、ナビゲーション装置NのHDD3に音楽データをリッピングする際にテンポの速度と共に、スローテンポ、ミディアムテンポ、アップテンポと記録しておく。なお、リッピングを行わない携帯オーディオAuや外部通信手段19を用いて外部ネットワークを用いて音楽をダウンロードした場合でも、テンポ情報があればテンポ情報を用いて、テンポ情報がなければテンポ情報を抽出して使用することができる。
【0051】
次に第4の実施の形態のナビゲーション装置Nの処理について図面を用いて説明する。
図12に示すように、ナビゲーション装置Nで音楽を再生している状態において、ナビゲーション装置Nは、VICS受信機13から交通情報を取得する(S50)。そして、
車両の走行中に車両の速度が減速したか否かを速度センサ15から送信される信号から検出し(S51)、速度が減速したことが検出されると(S51、YES)、VICS受信機13で取得した渋滞情報と減速状態を比較し(S52)、渋滞による減速だと判定されると(S53、YES)、再生している音楽のジャンルを確認し(S54)、再生している音楽とは異なったジャンルの音楽を検索する(S55)。そして、検索された再生している音楽とは異なったジャンルの音楽を現在再生している音楽が終わり次第再生する(S56)。
なお、S51において、車両の速度の減速が検出されないときは(S51、NO)、車両の速度の減速が検出するまで監視を行う(S51)。また、S53において、渋滞による減速ではない(S53、NO)と判断されると、再度車両の速度の減速が検出されるまで監視を行う(S51)。
【0052】
例えば、図11(b)を用いて説明すると、現在再生している音楽が、タイトル4のスローテンポの曲が再生しているときに、渋滞によって車両の速度が減速したと判断されると、ミディアムテンポの曲であるタイトル3をタイトル4の音楽の再生終了後に再生させることができる。
【0053】
このように構成された第4の実施の形態のナビゲーション装置は、テンポ情報から予め、スローテンポ、ミディアムテンポ、アップテンポというようにジャンルを分類しておき、再生しているジャンルと異なったジャンルを再生することで、運転者の気分転換を行うことができ、渋滞時における集中力の低下やストレス、眠気を防止することができる。
【0054】
また、第4の実施の形態においてスローテンポ、ミディアムテンポ、アップテンポをジャンルとして分類して使用するようにしたが、本発明を限定するものではなく、テンポオ情報を元に、ロック、バラード、ポップス等のジャンルに別けて、渋滞時に再生する楽曲を自動的に選択するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上より、このように構成された本発明のナビゲーション装置は、音楽をリッピングする際にテンポ検出部でテンポ情報を検出して音楽データと一緒に記憶部に保存し、この記憶部に保存された音楽データを音楽データ選曲部で選曲するとき、車両の走行状態判定部の判定結果に応じて現在再生中の音楽データのテンポ情報とは異なったテンポ情報を有する音楽データを音楽データ選曲部で選曲するように制御部で制御するので、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽データのテンポ情報とは全くことなったテンポ情報を有した音楽データを選曲して現在再生している音楽データの次曲として再生することができ、渋滞時における運転者の注意力や眠気などを抑制することができるナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】ナビゲーション装置で音楽を保存する際の処理を示すフロー図
【図3】HDDに保存された音楽データをとテンポ情報の状態を示す模式図
【図4】車両の走行状態の変化によって再生している楽曲を変更する処理を示すフロー図
【図5】(a)車両の速度が減速するまえの再生リストを示す模式図(b)車両の速度が減速したあとの再生リストを示す模式図(c)車両の速度が減速したときに再生する音楽を変更する状態を示す模式図
【図6】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置に外部入力部に携帯オーディオを接続した状態を示すブロック図
【図7】ナビゲーション装置の外部入力部に携帯オーディオを接続した処理を示すフロー図
【図8】車両の走行状況の変化によって再生する音楽を変更する処理を示すフロー図
【図9】第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図10】第3の実施の形態における車両の走行状況の変化によって再生する音楽を変更する処理を示すフロー図
【図11】(a)テンポの速度に応じたジャンルの分類を示す模式図(b)ジャンルの分類を含む楽曲リストを示す模式図
【図12】第4の実施の形態におけるナビゲーション装置の処理を示すフロー図
【符号の説明】
【0057】
1 CPU
2 ROM
3 HDD
4 RAM
5 音声LSI
6 描画LSI
7 VRAM
8 圧縮LSI
9 テンポ抽出LSI
10 CD/DVDドライブ
11 I/O
12 GPS受信機
13 VICS受信機
14 外部入力部
15 速度センサ
16 ジャイロセンサ
17 スピーカ
18 表示部
19 外部通信手段
Au 携帯オーディオ
C 集積回路
V バス
N ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に搭載されるオーディオ機能を有したナビゲーション装置に関するものであって、より詳しくは、車両の走行状態に応じて再生ソースを自動的に選択して再生するオーディオ機能を備えたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置に備えたオーディオ機能は、CD、MD、チューナー、チェンジャー、HDDオーディオ等といった複数のソースで構成されることが多く、この複数のソースからユーザが選択することで、車内で音楽を再生することができるように構成されている。このようなナビゲーション装置のオーディオ機能は、車両位置、外気温、天候、昼夜等の車両環境を考慮して運転者が好むジャンルのオーディオを再生するものがある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−145322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、予め、外気温、天候、昼夜等を設定しないと車両環境を考慮してオーディオを再生することができず、また、予めオーディオを再生する場所を指定しないと再生することができないため渋滞や交通規制等で急に運転状況が変化したときに再生するオーディオを変更することができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、渋滞や交通規制等で急に運転状況が変化したときに現在再生している音楽のテンポと異なるテンポの音楽を選曲し再生するナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のナビゲーション装置は、音楽をリッピングして音楽データとして保存すると共に再生可能に構成されたナビゲーション装置において、前記音楽のテンポ情報を検出するテンポ検出部と、前記音楽データと前記テンポ検出部で検出したテンポ情報を保存する記憶部と、前記記憶部に保存された複数の音楽データから次曲を選曲する音楽データ選曲部と、前記車両の走行状態を検出する走行状態判定部と、前記走行状態判定部の判定結果に基づいて前記音楽データ選曲部を制御する制御部と、を備えて構成されている。
【0007】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、音楽をリッピングする際にテンポ検出部でテンポ情報を検出して音楽データと一緒に記憶部に保存し、この記憶部に保存された音楽データを音楽データ選曲部で選曲するとき、車両の走行状態判定部の判定結果に応じて現在再生中の音楽データのテンポ情報とは異なったテンポ情報を有する音楽データを音楽データ選曲部で選曲するように制御部で制御するので、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽データのテンポ情報とは全くことなったテンポ情報を有した音楽データを選曲して現在再生している音楽データの次曲として再生することができる。
【0008】
また、本発明のナビゲーション装置の前記走行状態判定部は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出部と、前記車両の走行している道路の交通情報を受信する交通情報受信部とを備え、前記走行速度検出部で検出した速度と前記交通情報受信部で受信した交通情報から前記車両が渋滞による減速か否かを判定するように構成されている。
【0009】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、車両の走行速度を検出する走行速度検出部と、車両の走行している道路の交通情報を受信する交通情報受信部とを備えて走行状態判定部を構成することで、運転者の意思で車両の速度が落ちたのか、渋滞によって車両の速度が減速したのかを判定することができ、走行状態判定部で渋滞による減速であると判定されると、現在再生している音楽データとは異なった音楽データを自動的に選曲するように音楽データ選曲部を制御部で制御するように構成しているので、渋滞時に再生している音楽とは違った音楽を再生して運転者の気分転換を図ることができる。
【0010】
また、本発明のナビゲーション装置の前記制御部は、前記走行状態判定部で渋滞による減速と判定すると前記ナビゲーション装置で再生中の音楽データと異なる前記テンポ情報を有した音楽データを前記音楽データ選曲部に選曲させ、前記再生中の音楽データの再生終了後に前記音楽データを異なる前記テンポ情報を有した音楽データを再生するように構成されている。
【0011】
このように構成された本発明のナビゲーション装置によれば、走行状態判定部で車両が渋滞によって減速したと判定すると、制御部はナビゲーション装置で再生している音楽データとは異なった音楽データを音楽データ選曲部に選曲をさせると共に、現在再生している音楽データの後に音楽データ選曲部で選曲された現在再生している音楽データとは異なったテンポ情報を有する音楽データを再生することができるので、渋滞時における運転者の気分転換やイライラや集中力欠如等を防止することができる。
【0012】
さらに、本発明の集積回路は、音楽をリッピングして音楽データに変換する変換部と、前記音楽のテンポ情報を検出するテンポ検出部と、音楽データに付加されたテンポ情報から再生する音楽を検索する音楽データ選曲部と、車両の走行状態を検出する走行状態判定部と、前記走行状態判定部の判定結果に基づいて次曲に異なるテンポ情報を有した音楽データを再生するように前記音楽データ選曲部を制御する制御部とを備えるように構成されている。このように集積回路を構成することで、この集積回路をナビゲーション装置に備えることで機能を使用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、車両の走行状態を走行状態判定部で判定し、走行状態応じて現在再生している音楽データのテンポ情報とは全くことなったテンポ情報を有した音楽データを音楽データ選曲部で選曲して再生することができ、渋滞中にスローテンポの音楽が再生しているときにアップテンポの音楽を再生するように音楽データ選曲部を制御部で制御して選曲するので、スローテンポの音楽によって眠気が誘発されても、テンポの違うアップテンポの音楽を再生するので、運転者の気分転換させることで眠気や集中力の欠如等の誘発を抑制することができる。また、VICSによる渋滞情報と走行速度により選曲を行う手段を設けることにより、ドライバーの走行状態の中で単調な運転をしていることを判断できこれをきっかけに、テンポや曲調を変化させる選曲を行い、運転者の気分転換を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本発明のナビゲーション装置Nは、ナビゲーション装置Nを制御するCPU1と、BIOS等の基本プログラムを記憶するROM2と、ナビゲーション装置Nの各種データやプログラムが保存されたHDD3と、ナビゲーション装置Nの各種データを一時的に保持するRAM4と、音声データを処理する音声LSI5と、画像データを処理する描画LSI6と、描画LSI6で処理された画像データを保持するVRAM7と
、CD/DVDドライブ10や外部入力部14から入力された音楽をHDD3に保存するために圧縮する圧縮LSI8と、CD/DVDドライブ10や外部入力部14から入力された音楽のテンポを抽出するテンポ抽出LSI9と、音楽を再生及び読み取り可能なCD/DVDドライブ10と、データの入出力を行うI/O(Input/Output)11と、I/O11に接続されたGPSデータを受信するGPS受信機12と、渋滞情報などを受信するVICS受信機13と、ナビゲーション装置Nに外部機器等を接続して音楽・画像を入力する外部入力部14と、車両の速度を検出する速度センサ15と、車の進行方向を検出する自律航法ユニットであるジャイロセンサ16と、音声データに対応する音声を出力するスピーカ17と、地図表示や経路案内等の情報を表示する表示部18とを備え、各部品はバスVで接続されて構成されている。
【0016】
なお、音楽や映像を外部から取り込むために(ダウンロード)外部サーバーやインターネットに接続する通信部を備えるように構成し、外部サーバーやインターネットが提供するコンテンツから音楽や映像等をダウンロードしてナビゲーション装置Nで使用するようにしてもよい。なお、CPU1、ROM2、RAM4、音声LSI5、描画LSI6、VRAM7、圧縮LSI8、テンポ抽出LSI9を一つの集積回路Cとして構成してもよく、また、音声LSI5、描画LSI6、圧縮LSI8、テンポ抽出LSI9をまとめて集積回路としてもよい。
【0017】
ここで、CPU1は、ナビゲーション装置Nの経路案内や地図表示や渋滞情報を表示等の動作を制御すると共に音声LSI5、圧縮LSI8、テンポ抽出LSI9等を制御するように構成されている。また、CPU1は、GPS受信機12、VICS受信機13、速度センサ15から得られる現在走行している道路の状態及び車両の状態から走行状態を判定する走行状態判定部をそなえると共に、走行状態判定部で渋滞による減速だと判定されたときに現在再生している音楽よりも速いテンポ情報を持った音楽を選択する音楽データ選曲部と、音楽データ選曲部で選曲された音楽を現在再生している音楽の終了後に再生させるように制御する制御部を備えて構成されている。
【0018】
HDD3は、ナビゲーション装置Nの経路案内を行う際に必要な地図データや音声案内に用いる音声データやナビゲーション装置Nを動作させるプログラム等が保存されると共にCD/DVDドライブ10や外部入力部14から入力される音楽や、音楽のテンポ情報が保存可能に構成されている。なお、HDD3に音楽を保存する際には、圧縮LSI8を用いてリッピングして音楽データとして保存可能に構成されると共にテンポ抽出LSI9を用いて音楽のテンポを抽出して音楽データを関連して保存可能に構成されている。
【0019】
テンポ抽出LSI9は、CD/DVDドライブ9から入力された音楽信号から各構成音の発音時刻及びそのレベルを検出し、発音時系列信号として出力する発音時刻検出手段と、前記発音時刻検出手段で検出された発音時系列信号の自己相関関数を算出する自己相関算出手段と、前記自己相関算出手段の出力信号からピーク部分の位置及びレベルを検出するピーク位置検出手段と、前記ピーク位置検出手段で検出されたピーク部分の位置及び出力レベルのパターンより、入力された音楽信号のビート構造を解析するビート構造解析手段と、前記ピーク位置検出手段で検出されたピーク部分の位置及び出力レベルより、音楽信号のテンポ候補を算出する仮テンポ算出手段と、前記仮テンポ算出手段で算出したテンポ候補と前記ビート構造解析手段で求めたビート構造とに基づいて、入力された音楽信号のテンポを判定するテンポ判定手段を用いて音楽のテンポを抽出するように構成されている。なお、テンポ抽出に関しては、出願人が先に出願した特開2002−116754号公報に記載されており詳細な説明は省略する。
【0020】
CD/DVDドライブ10は、音楽CDや音楽DVDから音楽を再生することができ、また、映像DVD等も再生することができるように構成されている。CD/DVDドライ
ブ10から再生される音楽は、圧縮LSI8でリッピングし、テンポ抽出LSI9で検出したテンポ情報をHDD3に音楽データとして保存するように構成されている。
【0021】
GPS受信機12は、ナビゲーション装置Nにおいて、車両の自車位置を検出するものであり、ナビゲーション装置Nの表示部18にGPS受信機で検出した自車位置に対応した地図を表示すると共に自車位置を表示することができる。
【0022】
VICS受信機13は、外部の公共機関や情報提供会社から提供される渋滞情報を受信するものである。また、渋滞情報の受信するものとして、FM多重放送や光ビーコンを用いて渋滞情報を取得して利用することができる。
【0023】
外部入力部14は、ナビゲーション装置Nと外部機器とを接続する際に使用することができるように構成されている。例えば、外部入力部14に接続する外部機器としては、例えば、携帯オーディオ等を接続することができ、外部入力部14に接続して携帯オーディオに保存されている音楽をナビゲーション装置Nで再生することができる。また、外部入力部14に接続することで携帯オーディオの操作をナビゲーション装置Nでできるように構成してもよい。
【0024】
速度センサ15は、車両の速度を検出するものであり、例えば、車両から出力される車速パルスから車両の速度を検出するように構成されている。
【0025】
表示部18は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等を用いることができ、ナビゲーション装置Nで地図を表示したり地図上に表示された道路に渋滞情報を重ね合わせて表示することができると共に、表示部18に表示された項目に指などで触れることでナビゲーション装置Nの動作や設定などを行えるタッチパネル式で構成されている。
【0026】
ここで、HDD3に音楽を保存(リッピング)してテンポを抽出する処理について図面を用いて詳細に説明する。図2は、ナビゲーション装置で音楽を保存する際の処理を示すフロー図。図3は、HDDに保存された音楽データをとテンポ情報の状態を示す模式図である。
【0027】
図2に示すように、ナビゲーション装置NのCD/DVDドライブ10に音楽メディアが挿入されると(S1)、圧縮LSI8を用いて音楽CDや音楽DVD等の音楽メディアに記録されている楽曲をリッピングして音楽データに保存する(S2)。このとき、音楽データのテンポ情報がナビゲーション装置N(HDD3)に保存されたCDDB(Cd DataBase)等のデータベースから楽曲のテンポ情報の有無を検索する(S3)。
【0028】
そして、データベースに楽曲のテンポ情報が無いと判断されると(S3、NO)、テンポ抽出LSI9を用いて楽曲(音楽)のテンポを抽出し(S4)、音楽データとテンポ情報を関連付けてHDD3に保存する(S5)。また、データベースに楽曲のテンポ情報があったときには(S3,YES)、音楽データとテンポ情報を関連付けてHDD3に保存する(S5)。
【0029】
このように本発明のナビゲーション装置Nにおける音楽のリッピング及びテンポ抽出は、音楽メディアを挿入すると音楽データにリッピングし、各音楽データに対してテンポ情報がCDDB等のデータベースに有るか否かを判定して、データベースに音楽データに対応したテンポ情報があるときは、そのテンポ情報と音楽データをHDD3に保存し、データベースに音楽データに対応したテンポ情報が無いときには、テンポ抽出LSI9を用いて音楽データのテンポを抽出して、抽出したテンポ情報と音楽データをHDD3に保存す
るように構成されている。ない、HDD3に保存された音楽データには、図3に示すように、曲番、テンポ情報、データの種類、更新日時、アーティスト名等が保存されている。
【0030】
次に、このように構成されたナビゲーション装置Nの動作について図面を用いて詳細を説明する。図4は、車両の走行状態の変化によって再生している楽曲を変更する処理を示すフロー図である。なお、HDD3に複数の音楽データと音楽データに対応したテンポ情報が保存されている状態とする。
【0031】
図4に示すように、ナビゲーション装置NのHDD3から音楽を再生しているときに、CPU1はVICS受信機13を用いて現在車両が走行している道路の渋滞情報を取得する(S10)。次に、ナビゲーション装置Nの速度センサ15を用いて車両の走行速度を検出し車両の速度が減速したか否かを判定する(S11)。車両の速度が減速したと判定されると(S11、YES)、取得している渋滞情報と車両の減速状態比較を行い(S12)、渋滞による減速であるか否かを判定する(S13)。S13で渋滞による減速であると判定されると(S13、YES)、現在再生している音楽のテンポ情報を確認し(S14)、再生している音楽よりも速いテンポ情報を持った音楽をHDD3に保存されている音楽から検索する(S15)。そして、現在再生している音楽が終了後に現在再生している音楽のテンポよりも速いテンポ情報を持った音楽を現在再生している音楽の後に再生する(S16)。
なお、車両の速度の減速があるか否かを検出しているときに(S11)、車両の速度が減速していないときは(S11,NO)、再度車両の速度が減速するまで監視する。
【0032】
このように構成された第1の実施形態における本発明のナビゲーション装置Nは、車両の走行状態を走行状態判定部で判定し、走行状態判定部で車両の速度の減速は渋滞による減速だと判定されると、現在再生している音楽よりも速いテンポの音楽を再生するように制御部で制御するので、例えば、図5(a)に示すように、現在再生している音楽L1a、音楽L1aの後に再生する音楽L1b、音楽L1bの後に再生する音楽L1cというように再生リストL1に基づいて再生する場合でもあっても、図5(b)に示すように、現在再生している音楽L1aのテンポ情報の170BPMの後に音楽L1aよりも速いテンポ情報を有するテンポ情報224BPMである音楽L1dを再生するように再生リストL2を変更するので渋滞や交通規制等で急に運転状況が変化したときに現在再生している音楽のテンポ情報よりも速いテンポ情報の音楽を次曲として再生することで、適度な気分転換を行うことができ、渋滞時における集中力の低下やストレス、眠気を防止することができる。
【0033】
また、ナビゲーション装置NにおいてHDD3の保存された音楽を再生する際に、図5(a)、(b)に示したような再生リストL1、L2に基づいて再生しているときだけではなく、例えば、図5(c)に示すように、再生リストに基づいて再生していないときでも、渋滞によって車両が減速したときに、現在再生している音楽のテンポ情報よりも速いテンポ情報の音楽を次曲として再生するように構成してもよい。
【0034】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、第2の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成は、第1の実施の形態と同じ符号を付し詳細な説明は省略する。第1の実施の形態では、HDDに保存された音楽に対して選曲を行うように構成したが、第2の実施の形態では、外部入力から携帯オーディオ等が接続された状態について詳細に説明する。図6は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置に外部入力部に携帯オーディオを接続した状態を示すブロック図である。図7は、ナビゲーション装置の外部入力部に携帯オーディオを接続した処理を示すフロー図である。図8は、車両の走行状況の変化によって再生する音楽を変更する処理を示すフロー図である。
【0035】
図6に示すように、ナビゲーション装置Nの外部入力部14に携帯オーディオAuを接続すると、ナビゲーション装置Nは携帯オーディオAuに保存されている音楽について音楽データであるか、テンポ情報を有しているか等の処理を行う。ここで、携帯オーディオがナビゲーション装置Nに接続されたときの処理について図面を用いて説明する。
【0036】
図7に示すように、ナビゲーション装置Nに携帯オーディオAuが接続するとナビゲーション装置Nは、携帯オーディオAuが接続された否かを判断する(S20)。このとき、携帯オーディオAuが接続されたと判断すると(S20、YES)、携帯オーディオAuの保存されている音楽は音楽データか否かを判定する(S26)。携帯オーディオAuに保存されているが音楽データであると判定されると(S26、YES)、音楽データにテンポ情報があるか否かを判断(判定)する(S27)。そして、テンポ情報があると判断されると(S27、YES)、ナビゲーション装置NのHDD3に音楽データとテンポ情報を保存する(S25)。また、S27において、テンポ情報があるか否かを判断した際に、テンポ情報がないと判断されると(S27、NO)、携帯オーディオAuに保存されている音楽のテンポを抽出し(S28)、音楽データとテンポ情報をHDD3に保存する(S25)。
【0037】
また、S26において、携帯オーディオAuから入力される音楽が音楽データではないと判断されると(S26、NO)、ナビゲーション装置Nでリッピングして音楽データに変換する(S22)。そして、入力された音楽のテンポ情報がデータベースにあるか否かを判定し(S23)、テンポ情報があった時には(S23、YES)、音楽データとテンポ情報をHDD3に保存する(S25)。S23においてデータベースにテンポ情報が無い場合には(S23、NO)、音楽のテンポを抽出して(S24)、音楽データとテンポ情報をHDD3に保存する(S25)。なお、S20において、携帯オーディオAuが接続されていないと判断されると(S20、NO)、CD/DVDドライブ10にメディアが挿入されたか否かを判断し(S21)、CD/DVDドライブ10にメディアが挿入されたときは(S21、YES)、リッピングして音楽データに変換する処理を行い(S22)、他の処理に関しては前記した同様の処理を行う。また、携帯オーディオAuが接続されておらず(S20、No)、CD/DVDドライブ10にメディアが挿入されていないときには(S21、NO)、テンポ情報を抽出する処理を終了する。
【0038】
次に走行状況の変化に応じたナビゲーション装置Nの動作についてフロー図を用いて詳細に説明する。なお、ナビゲーション装置Nに接続された携帯オーディオに保存されている音楽が全てナビゲーション装置NのHDD3に保存されている場合には、第1実施の形態の図4で示した処理と同じ処理を行うことで走行状態に応じて再生している音楽を変更することができ詳細な説明は省略する。
【0039】
図8に示すように、まず、ナビゲーション装置Nは、HDD3に保存されている音楽を再生しているか否かを判断する(S30)。このときHDD3に保存された音楽を再生ではなく、携帯オーディオAuから再生している状態であるとナビゲーション装置Nが認識すると(S30、NO)、車両が走行している道路や経路に関する渋滞情報を取得する(S31)。この状態で車両が走行しているときに、車両の速度が減速したと判定されると(S32、YES)、取得している渋滞情報と車両の減速状態を比較し(S33)、渋滞による減速であるか否かを判定する(S34)。S34で渋滞による減速であると判定されると(S34、YES)、現在再生している音楽のテンポ情報を確認し(S35)、再生している音楽よりも速いテンポ情報を持った音楽が携帯オーディオAuに保存されている音楽から検索し(S36)、現在再生している音楽の終了後に現在再生している音楽のテンポよりも速いテンポ情報を持った音楽を選曲して再生する(S37)。
なお、車両の速度の減速を監視しているときに(S32)、車両の速度が減速してい
ないときは(S32,NO)、車両の速度が減速するまで監視を行う。
【0040】
また、HDD3に保存されている音楽データを再生していると判断されると(S30、YES)、車両が走行している道路の渋滞情報を取得する(S31)。そして、次に、ナビゲーション装置Nの速度センサ15を用いて車両の走行速度を検出し車両の速度が減速したか否かを判定する(S32)。車両の速度が減速したと判定されると(S32、YES)、取得している渋滞情報と車両の減速状態を比較し(S33)、渋滞による減速であるか否かを判定する(S34)。S34で渋滞による減速であると判定されると(S34、YES)、現在再生している音楽のテンポ情報を確認し(S35)、再生している音楽よりも速いテンポ情報を持った音楽をHDD3に保存されている音楽から検索する(S36)。そして、現在再生している音楽が終了後に現在再生している音楽のテンポよりも速いテンポ情報を持った音楽を現在再生している音楽の後に再生する(S37)。
なお、HDD3の音楽データを再生しているわけでもなく(S30、NO)、携帯オーディオAuの音楽データを再生していない(S38、NO)場合は、他のソースが選択されていると判断して、他のソースの出力を維持する。
【0041】
このように構成された第2の実施形態における本発明のナビゲーション装置Nは、ナビゲーション装置Nに接続された携帯オーディオAuや内部のHDD3に保存された音楽データを再生している際に、車両の走行状態を走行状態判定部で判定し、走行状態判定部で車両の速度の減速が渋滞による減速だと判定されると、現在再生している音楽よりも速いテンポの音楽を再生することで適度な気分転換を行うことができ、渋滞時における集中力の低下やストレスや眠気を防止することができる。
【0042】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成は、第2の実施の形態で示した構成に外部通信手段を加えた構成となっており、第2の実施の形態のナビゲーション装置の同じ構成の箇所には、同じ符号を付し詳細な説明を省略する。図9は、第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図10は、第3の実施の形態における車両の走行状況の変化によって再生する音楽を変更する処理を示すフロー図である。
【0043】
図9に示すように、第3のナビゲーション装置Nは、図6で示した第2の実施形態の構成に外部通信手段19を備えた構成であり、詳細な説明は省略する。ここで、外部通信手段19は、外部のネットワークやインターネット等と接続することができるように構成されており、外部のネットワークを介してナビゲーション装置Nに音楽データや楽曲情報や渋滞情報等の情報を取得することができるように構成されている。
【0044】
次に、図10を用いて車両の走行状況の変化によってナビゲーション装置Nで再生している音楽を変更する処理について説明する。
【0045】
ナビゲーション装置Nは、外部通信手段19を用いてインターネット等の外部ネットワークから音楽をダウンロードして音楽を再生している状態において(S40)、車両の走行している道路の状態情報の受信を常に行うと共に(S41)、車両の速度が減速を監視している(S42)。このとき、車両の速度が減速すると(S42、YES)、車両の減速が渋滞による減速か否かをVICS等などから受信している渋滞情報と比較する(S43)。このとき渋滞による減速だと判断されると(S44、YES)、再生している音楽のテンポ情報を確認し(S45)、再生している音楽とは違うテンポ情報の音楽を外部ネットワークを用いて検索する(S46)。そして、再生中の音楽のテンポとは違うテンポが見つかるまで検索を繰り返し(S47)、再生中の音楽とは異なったテンポの音楽があった判断されると(S47、YES)、再生している音楽の次にテンポの異なる音楽が再
生できるように外部ネットワークからダウンロードして(S48)、現在再生している音楽の終了後にダウンロードした音楽を再生する(S49)。
なお、S42において、車両の速度の減速が検出されないときや(S42、NO)、渋滞による減速ではないと判断されると(S44、NO)、再度、車両の速度が減速されるのを監視する(S42)。
【0046】
このように構成された第3の実施の形態におけるナビゲーション装置Nは、外部ネットワークから音楽データをダウンロードして再生している場合でも、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽よりもテンポの速い曲を自動的に検索してダウンロードして再生することができる。
【0047】
また、外部ネットワークからダウンロードして音楽を再生している際に、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽よりも早いテンポの音楽を外部ネットワークで検索してダウンロードする構成としたが、本発明を限定するものではなく、例えば、ナビゲーション装置Nに搭載されているHDD3やナビゲーション装置Nに接続されている携帯オーディオAuに保存されている音楽データから検索して再生するように構成してもよい。このように構成することで、外部ネットワークを用いて音楽をダウンロードして再生している場合でも、HDD3や携帯オーディオAuに保存されている音楽データを用いることができる。
【0048】
さらに、ナビゲーション装置NのHDD3や携帯オーディオAuの音楽データを再生しているときに、車両の走行状態の変化に応じて現在再生している音楽よりも速いテンポの音楽を、外部ネットワークを用いて検索を行いダウンロードして再生するように構成してもよい。このように構成することで、HDD3や携帯オーディオAuに保存されていない音楽をダウンロードして再生することができる。
【0049】
(第4の実施の形態)
第1の実施の形態から第3の実施の形態まで、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽のテンポの速度よりも早いテンポの速度の音楽を検索して再生するように構成したが、本発明を限定するものではなく、例えば、テンポの速度に応じた、スローテンポ、ミディアムテンポ、アップテンポというようにジャンルを分類して、その分類に基づいて再生する音楽を選択するように構成してもよい。図11(a)は、テンポの速度に応じたジャンルの分類を示す模式図であり、図11(b)は、ジャンルの分類を含む楽曲リストを示す模式図である。図12は、第4の実施の形態におけるナビゲーション装置の処理を示すフロー図である。また、第4の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成は、第1の実施の形態から第3の実施の形態のいずれかを用いることができ、詳細な説明は省略する。
【0050】
第4の実施の形態におけるナビゲーション装置Nは、リッピング時に抽出した音楽データのテンポ情報から、図11(a)に示すように、40−80BPMをスローテンポ、81−160BPMをミディアムテンポ、160−240BPMをアップテンポとして分類し、図11(b)に示すように、ナビゲーション装置NのHDD3に音楽データをリッピングする際にテンポの速度と共に、スローテンポ、ミディアムテンポ、アップテンポと記録しておく。なお、リッピングを行わない携帯オーディオAuや外部通信手段19を用いて外部ネットワークを用いて音楽をダウンロードした場合でも、テンポ情報があればテンポ情報を用いて、テンポ情報がなければテンポ情報を抽出して使用することができる。
【0051】
次に第4の実施の形態のナビゲーション装置Nの処理について図面を用いて説明する。
図12に示すように、ナビゲーション装置Nで音楽を再生している状態において、ナビゲーション装置Nは、VICS受信機13から交通情報を取得する(S50)。そして、
車両の走行中に車両の速度が減速したか否かを速度センサ15から送信される信号から検出し(S51)、速度が減速したことが検出されると(S51、YES)、VICS受信機13で取得した渋滞情報と減速状態を比較し(S52)、渋滞による減速だと判定されると(S53、YES)、再生している音楽のジャンルを確認し(S54)、再生している音楽とは異なったジャンルの音楽を検索する(S55)。そして、検索された再生している音楽とは異なったジャンルの音楽を現在再生している音楽が終わり次第再生する(S56)。
なお、S51において、車両の速度の減速が検出されないときは(S51、NO)、車両の速度の減速が検出するまで監視を行う(S51)。また、S53において、渋滞による減速ではない(S53、NO)と判断されると、再度車両の速度の減速が検出されるまで監視を行う(S51)。
【0052】
例えば、図11(b)を用いて説明すると、現在再生している音楽が、タイトル4のスローテンポの曲が再生しているときに、渋滞によって車両の速度が減速したと判断されると、ミディアムテンポの曲であるタイトル3をタイトル4の音楽の再生終了後に再生させることができる。
【0053】
このように構成された第4の実施の形態のナビゲーション装置は、テンポ情報から予め、スローテンポ、ミディアムテンポ、アップテンポというようにジャンルを分類しておき、再生しているジャンルと異なったジャンルを再生することで、運転者の気分転換を行うことができ、渋滞時における集中力の低下やストレス、眠気を防止することができる。
【0054】
また、第4の実施の形態においてスローテンポ、ミディアムテンポ、アップテンポをジャンルとして分類して使用するようにしたが、本発明を限定するものではなく、テンポオ情報を元に、ロック、バラード、ポップス等のジャンルに別けて、渋滞時に再生する楽曲を自動的に選択するように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上より、このように構成された本発明のナビゲーション装置は、音楽をリッピングする際にテンポ検出部でテンポ情報を検出して音楽データと一緒に記憶部に保存し、この記憶部に保存された音楽データを音楽データ選曲部で選曲するとき、車両の走行状態判定部の判定結果に応じて現在再生中の音楽データのテンポ情報とは異なったテンポ情報を有する音楽データを音楽データ選曲部で選曲するように制御部で制御するので、車両の走行状態に応じて現在再生している音楽データのテンポ情報とは全くことなったテンポ情報を有した音楽データを選曲して現在再生している音楽データの次曲として再生することができ、渋滞時における運転者の注意力や眠気などを抑制することができるナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図2】ナビゲーション装置で音楽を保存する際の処理を示すフロー図
【図3】HDDに保存された音楽データをとテンポ情報の状態を示す模式図
【図4】車両の走行状態の変化によって再生している楽曲を変更する処理を示すフロー図
【図5】(a)車両の速度が減速するまえの再生リストを示す模式図(b)車両の速度が減速したあとの再生リストを示す模式図(c)車両の速度が減速したときに再生する音楽を変更する状態を示す模式図
【図6】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置に外部入力部に携帯オーディオを接続した状態を示すブロック図
【図7】ナビゲーション装置の外部入力部に携帯オーディオを接続した処理を示すフロー図
【図8】車両の走行状況の変化によって再生する音楽を変更する処理を示すフロー図
【図9】第3の実施の形態におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図
【図10】第3の実施の形態における車両の走行状況の変化によって再生する音楽を変更する処理を示すフロー図
【図11】(a)テンポの速度に応じたジャンルの分類を示す模式図(b)ジャンルの分類を含む楽曲リストを示す模式図
【図12】第4の実施の形態におけるナビゲーション装置の処理を示すフロー図
【符号の説明】
【0057】
1 CPU
2 ROM
3 HDD
4 RAM
5 音声LSI
6 描画LSI
7 VRAM
8 圧縮LSI
9 テンポ抽出LSI
10 CD/DVDドライブ
11 I/O
12 GPS受信機
13 VICS受信機
14 外部入力部
15 速度センサ
16 ジャイロセンサ
17 スピーカ
18 表示部
19 外部通信手段
Au 携帯オーディオ
C 集積回路
V バス
N ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音楽をリッピングして音楽データとして保存すると共に再生可能に構成された車両に搭載されたナビゲーション装置において、
前記音楽のテンポ情報を検出するテンポ検出部と、
前記音楽データと前記テンポ検出部で検出したテンポ情報を保存する記憶部と、
前記記憶部に保存された複数の音楽データから前記テンポ情報の異なる次曲を選曲する音楽データ選曲部と、
前記車両の走行状態を検出する走行状態判定部と、
前記走行状態判定部の判定結果に基づいて前記音楽データ選曲部を制御する制御部とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記走行状態判定部は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出部と、前記車両の走行している道路の交通情報を受信する交通情報受信部とを備え、前記走行速度検出部で検出した速度と前記交通情報受信部で受信した交通情報から前記車両が渋滞による減速か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記走行状態判定部で渋滞による減速と判定すると前記ナビゲーション装置で再生中の音楽データと異なる前記テンポ情報を有した音楽データを前記音楽データ選曲部に選曲させ、前記再生中の音楽データの再生終了後に前記音楽データを異なる前記テンポ情報を有した音楽データを再生することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
音楽をリッピングして音楽データに変換する変換部と、
前記音楽のテンポ情報を検出するテンポ検出部と、
音楽データに付加されたテンポ情報から再生する音楽を検索する音楽データ選曲部と、
車両の走行状態を検出する走行状態判定部と、
前記走行状態判定部の判定結果に基づいて次曲に異なるテンポ情報を有した音楽データを再生するように前記音楽データ選曲部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする集積回路。
【請求項1】
音楽をリッピングして音楽データとして保存すると共に再生可能に構成された車両に搭載されたナビゲーション装置において、
前記音楽のテンポ情報を検出するテンポ検出部と、
前記音楽データと前記テンポ検出部で検出したテンポ情報を保存する記憶部と、
前記記憶部に保存された複数の音楽データから前記テンポ情報の異なる次曲を選曲する音楽データ選曲部と、
前記車両の走行状態を検出する走行状態判定部と、
前記走行状態判定部の判定結果に基づいて前記音楽データ選曲部を制御する制御部とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記走行状態判定部は、前記車両の走行速度を検出する走行速度検出部と、前記車両の走行している道路の交通情報を受信する交通情報受信部とを備え、前記走行速度検出部で検出した速度と前記交通情報受信部で受信した交通情報から前記車両が渋滞による減速か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記走行状態判定部で渋滞による減速と判定すると前記ナビゲーション装置で再生中の音楽データと異なる前記テンポ情報を有した音楽データを前記音楽データ選曲部に選曲させ、前記再生中の音楽データの再生終了後に前記音楽データを異なる前記テンポ情報を有した音楽データを再生することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
音楽をリッピングして音楽データに変換する変換部と、
前記音楽のテンポ情報を検出するテンポ検出部と、
音楽データに付加されたテンポ情報から再生する音楽を検索する音楽データ選曲部と、
車両の走行状態を検出する走行状態判定部と、
前記走行状態判定部の判定結果に基づいて次曲に異なるテンポ情報を有した音楽データを再生するように前記音楽データ選曲部を制御する制御部とを備えたことを特徴とする集積回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−303981(P2007−303981A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133311(P2006−133311)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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