説明

ナビゲーション装置

【課題】走りやすさデータベース(走りやすさDB)及び地図データベース(地図DB)が誤って関連付けられていたこと。
【解決手段】ナビゲーション装置40が関連付けるのは、地図DB21及び走りやすさDB22である。ナビゲーション装置40が関連付け時に用いるのは、VICS(登録商標)リンクである。地図DB21のリンク及びVICSリンクの対応関係を定義するのは、周知のVICSテーブル31でよい。他方、走りやすさDB22のリンク及びVICSリンクの対応関係を定義するのは、VICSテーブル32である。本発明者が着目したのは、VICSリンクの流用先が地図DB以外でもよい点である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が関連するのは、ナビゲーション装置である。
【背景技術】
【0002】
近年、我が国の行政機関が提供しようとしているものは、走りやすさデータベース(走りやすさDB)である。このDBが定義するのは、道路毎の走りやすさである。このDBが応用される先は、ナビゲーション装置である。この装置がルート探索時に参照するのは、地図データベース(地図DB)である。この応用が実現されると、ナビゲーション装置が案内するルートは、走りやすさが考慮されたものとなる。
【0003】
走りやすさDB及び地図DBが独立に存在する場合、ナビゲーション装置が要するのは、両DBを関連付けることである。関連付けの方法が現時点で具現化されたものは、形状マッチングである。形状マッチングを開示するのは、特許文献1である。
【特許文献1】特開2005−11377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
形状マッチングの課題は、誤マッチングが生じることである。つまり、ナビゲーション装置が要するのは、走りやすさDB及び地図DBの関連付けを誤りなく行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るナビゲーション装置が関連付けるのは、地図DB及び走りやすさDBである。この装置が関連付け時に用いるのは、VICS(登録商標)リンクである。走りやすさDBのリンク及びVICSリンクの対応関係を定義するのは、VICSテーブルである。地図DBのリンク及びVICSリンクの対応関係を定義するのは、周知のVICSテーブルでよい。
【0006】
VICSリンクの役割は、本来、交通情報をルート探索等に反映することである。VICSリンクは、地図DB間で共通している。本発明者が着目したのは、VICSリンクの流用先が地図DB以外でもよい点である。
【発明の効果】
【0007】
本発明が奏する効果は、走りやすさDBを地図DBに誤りなく関連付けられることである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1乃至図3が示すのは、本発明を実施するための最良の形態(本実施の形態)である。
【0009】
図1が示すのは、本実施の形態に係る処理の概念である。この処理が出力するのは、画面10である。画面10が含む要素は、ルート線10A及びマーク10Bである。ルート線10Aが反映するのは、走りやすさである。マーク10Bが示すのは、走り難さである。
【0010】
これらの出力が源泉とするのは、地図DB及び走りやすさDBである。地図DBのみが出力されたものは、画面11である。画面11が含む要素は、ルート線11Aである。ルート線11Aが反映するのは、道路区分(国道、県道及び市道)である。走りやすさDBのみが出力されたものは、画面12である。画面12が含む要素は、マーク12Bである。マーク12Bが示すのは、走り難さである。
【0011】
地図DB及び走りやすさDBが処理される時に用いられるのは、VICS(登録商標)リンクである。VICSリンクの役割は、本来、交通情報をルート探索等に反映することである。VICSリンクは、地図DB間で共通している。
【0012】
図2が示すのは、本実施の形態に係るデータの構造である。地図DB21が定義するのは、周知のとおり、リンク、ノードやそれらの探索コスト等である。
【0013】
走りやすさDB22が定義するのは、ノードや走りやすさなどである。2つのノード(ノードセット)が定義するのは、リンクである。このリンク及び走りやすさは、関連している。
【0014】
VICSテーブル31が定義するのは、周知のとおり、地図DB21のリンク及びVICSリンクの対応関係である。
【0015】
VICSテーブル32が定義するのは、走りやすさDB22のリンク及びVICSリンクの対応関係である。
【0016】
図3が示すのは、本実施の形態に係るナビゲーション装置のハードウエアである。ナビゲーション装置40が可能にするのは、主に、2点である。1つ目は、走りやすいルートを案内することである。2つ目は、走りやすい箇所又は走り難い箇所を知らせることである。ナビゲーション装置40が備えるのは、少なくとも、処理装置41である。
【0017】
処理装置41が備えるのは、いわゆる、コンピュータの基本要素である。この要素が具現化されたものは、ROM、RAM、CPUやI/O等である。
【0018】
処理装置41の接続先は、センサ42、GPSユニット43、入力装置44、2次記憶装置45、周辺機器46、スピーカ47及び表示装置48である。
【0019】
センサ42が検出するのは、車速や方位等である。これらの値が記憶されるのは、RAMである。センサ42の設置場所は、車両である。
【0020】
GPSユニット43が得るのは、車両の現在位置(緯度経度)及び現在時刻である。これらの値が記憶されるのは、RAMである。GPSユニット43の設置場所は、車両である。もちろん、GPSユニット43の組込み先は、ナビゲーション装置40でもよい。
【0021】
入力装置44が入力するのは、操作値である。その入力先は、RAMである。入力装置44が具現化されたものは、リモートコントローラ、メカニカルスイッチやタッチパネル等である。もちろん、これらの具体例は、限定列挙ではない。入力装置44が組み込まれ得る先は、ナビゲーション装置40である。
【0022】
2次記憶装置45が記憶するのは、地図DB21、走りやすさDB22やプログラム等である。プログラムを記憶するのは、ROMでもよい。プログラムが具現化されたものは、ナビゲーションプログラム等である。これらのデータの展開先は、RAMである。これらのプログラムを実行するのは、CPUである。2次記憶装置45が具現化されたものは、HDDや光ディスクなどである。もちろん、これらの具体例は、限定列挙ではない。2次記憶装置45が組み込まれ得る先は、ナビゲーション装置40である。
【0023】
周辺機器46が具現化されたものは、通信ユニットである。この通信ユニットが可能にするのは、地図DB21や走りやすさDB22などの更新である。通信ユニットが具現化されたものは、例えば、ブルートゥースユニットや読み取り装置等である。もちろん、この具体例は、限定列挙ではない。周辺機器46が組み込まれうる先は、ナビゲーション装置40である。
【0024】
スピーカ47が出力するのは、音声である。この音声が関連するのは、走りやすいルートの案内、走りやすい箇所又は走り難い箇所の報知である。スピーカ47の組込み先は、通常、車両である。
【0025】
表示装置48が出力するのは、画像である。この画像が関連するのは、走りやすいルートの案内、走りやすい箇所又は走り難い箇所の報知である。この画像が具現化されたものは、図1が示す画像10等である。表示装置48が組み込まれうる先は、ナビゲーション装置40である。
【0026】
本実施の形態に係るナビゲーション処理は、以下のとおりである。この処理が実現されるのは、前述のナビゲーションプログラムが実行されるときである。このプログラムは、周知のナビゲーションプログラムが改良されたものである。改良された点は、主に2つである。
【0027】
ルート探索処理が参照するのは、VICSテーブル31、VICSテーブル32及び走りやすさDB22である。これらのデータが展開される先は、RAMである。また、処理結果が一時的に記憶されるのは、RAMである。例えば、地図DB21のリンク「0101」の走りやすさが得られるのは、以下の手順による。まず、特定されるのは、地図DB21のリンク「0101」である。リンク「0101」が特定された後、VICSテーブル31が参照されて特定されるのは、VICSリンク「10018」である。このリンクが対応するのは、地図DB21のリンク「0101」である。VICSリンク「10018」が特定された後、VICSテーブル32が参照されて特定されるのは、走りやすさDB22のリンク(011,012)である。このリンクが対応するのは、VICSリンク「10018」である。走りやすさDB22のリンク(011,012)が特定された後、走りやすさDB22が参照されて得られるのは、リンク(011,012)に対応付けられた走りやすさである。この走りやすさが反映される先は、探索コストである。例えば、リンク(011,012)が対応するのは走り難い道路であれば、この道路を避けたルート10Aが表示(又は音声案内)される。
【0028】
案内処理が参照するのは、VICSテーブル31、VICSテーブル32及び走りやすさDB22である。例えば、地図DB21のリンク「0101」の走りやすさが得られる手順は、前述のとおりである。この走りやすさが反映される先は、地点案内である。例えば、リンク(011,012)が対応するのは走り難い道路であれば、マーク10Bが表示される。マーク10Bが示すのは、走り難さである。この走り難さは、音声報知されてもよい。
【0029】
本実施の形態が奏する効果は、走りやすさDB及び既存の地図DBを誤りなく関連付け得る点である。両DBを関連づけるのは、VICSテーブル31及びVICSテーブル32だからである。
【0030】
本実施の形態が奏する効果は、走りやすさDBを既存の地図DBに埋め込む作業を不要とする点である。もし、この作業が行われる場合、当業者が作業時に参照するのは、やはり、VICSデータである。この作業による成果物は、地図DBと走りやすさDBとの対応付けが予めなされているものである。この作業が奏する効果も、走りやすさDB及び既存の地図DBを誤りなく関連付け得る点である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明が有用なのは、ナビゲーション装置及びその機能を有する携帯電話等である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施の形態に係る処理の概念を示す図
【図2】本実施の形態に係るデータの構造を示す図
【図3】本実施の形態に係るナビゲーション装置のハードウエア構成を示す図
【符号の説明】
【0033】
10A ルート
10B マーク
21 地図DB
22 走りやすさDB
31 VICSテーブル
32 VICSテーブル
40 ナビゲーション装置
41 処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の事項で特定されるナビゲーション装置。
この装置が備えるのは、処理装置及び2次記憶装置であり、
前記2次記憶装置が記憶するのは、地図データベース、走りやすさデータベース、第1のVICSテーブル及び第2のVICSテーブルであり、
前記第1のVICSテーブルが定義するのは、前記地図DBのリンク及びVICSリンクの対応関係であり、
前記第2のVICSテーブルが定義するのは、前記走りやすさデータベースのリンク及び前記VICSリンクの対応関係であり、
前記処理装置が実行するのは、前記地図データベース及び前記走りやすさデータベースを関連付けることであり、その関連付け時に用いるのは、前記VICSリンクである。
【請求項2】
以下の事項で特定される処理装置。
この装置の組込み先は、ナビゲーション装置であり、
この装置が実行するのは、地図データベース及び走りやすさデータベースを関連付けることであり、その関連付け時に用いるのは、VICSリンクである。
【請求項3】
以下の事項で特定されるナビゲーションプログラム。
このプログラムを実行するのは、処理装置であり、その実行によって実現するのは、地図データベース及び走りやすさデータベースを関連付けることであり、その関連付け時に用いるのは、VICSリンクである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−270953(P2009−270953A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−121962(P2008−121962)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】