説明

ナビゲーション装置

【課題】音声案内またはリルートが繰り返される場合に走行条件の変更を容易に行うことができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】設定された走行条件に従って計算された目的地までの走行経路を記憶する走行経路記憶部11と、現在位置を検出する現在位置検出部4と、走行経路記憶部に記憶されている走行経路と、現在位置検出部で検出された現在位置とを照合して走行経路を外れたかどうかを検出する走行経路外れ検出部12と、走行経路を外れたことが検出された場合に、設定されている走行条件に従って走行経路を再計算して新たな走行経路を再設定する走行経路再設定部14と、走行経路が設定された回数を計数する再設定回数計数部15と、計数された回数が所定値以上になった場合に走行条件を設定するための条件設定画面を生成する条件設定画面生成部16と、この生成された条件設定画面を表示する表示装置8を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載されてユーザを目的地まで案内するナビゲーション装置に関し、特に走行経路外れに対処する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置に設定されている走行経路と車が実際に走行している道路が相違すると、ナビゲーション装置は、何度も同じ音声案内をしたり、リルート(経路再計算)したりする場合がある。例えば、ナビゲーション装置は、設定されている走行経路に従って高速道路の入り口に導くための音声案内をしているが、車は一般道で目的地に向かっている場合に、このような状態が発生する。この場合、ナビゲーション装置が走行経路を計算する際の走行条件の1つである、「高速道路優先設定:[する]/[しない]」の設定内容が[する]に設定されており、いつまでたっても期待される走行案内はできない。
【0003】
このような問題を解決する技術として、特許文献1は、車両が設定された走行経路から外れたとき走行経路の再設定を自動的に行うにあたり、車両の乗員が、走行経路の再設定の繰返しに伴う音声情報提供の繰返しによる煩わしさを、簡単な操作で容易に回避できるナビゲーション装置を開示している。
【0004】
このナビゲーション装置は、現在位置検出部と、地図データ格納メモリ部と、走行経路設定部と、地図画像、車両の現在位置の画像および設定された走行経路の画像を表示する画像表示部と、車両の乗員に対する音声による情報提供を行う音声情報提供部と、走行経路設定部により設定された走行経路からの車両の外れが検出されたとき、走行経路設定部に走行経路の再設定を行わせ、再設定が所定の回数に亙って繰り返されたとき、走行経路設定部に走行経路の再設定を一旦停止させるとともに、音声情報提供部に車両の乗員に対する音声による走行経路の再設定に関する情報提供を行わせる動作制御ユニットとを備えている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−283185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来のナビゲーション装置においては、音声案内またはリルートが繰り返される場合は条件設定画面を使用して条件を変更する必要があるが、ユーザは、条件設定画面にたどり着くまでのボタン操作を知らないと走行条件の見直しができないという問題がある。また、条件設定画面にたどり着くまでのいくつかのボタン操作を知っていたとしても、ボタン操作をすることによりユーザは運転に集中できないという問題がある。さらに、走行条件の見直しが完了するまで経路違いによる音声案内が繰り返し行われるため、ユーザは煩わしく感じることがある。
【0007】
また、特許文献1に開示されたナビゲーション装置は、走行経路が再設定された場合、「走行経路の再設定をしました。」という音声案内を出力しないようにしたものであるが、根本的な走行経路を計算するための走行条件は設定されないので、リルートは繰り返し行われる。
【0008】
この発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その課題は、音声案内またはリルートが繰り返される場合に走行条件の変更を容易に行うことができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明に係るナビゲーション装置は、設定された走行条件に従って計算された目的地までの走行経路を記憶する走行経路記憶部と、現在位置を検出する現在位置検出部と、走行経路記憶部に記憶されている走行経路と、現在位置検出部で検出された現在位置とを照合して走行経路を外れたかどうかを検出する走行経路外れ検出部と、走行経路外れ検出部で走行経路を外れたことが検出された場合に、設定されている走行条件に従って走行経路を再計算して新たな走行経路を再設定する走行経路再設定部と、走行経路再設定部で走行経路が再設定された回数を計数する再設定回数計数部と、再設定回数計数部で計数された回数が所定値以上になった場合に走行条件を設定するための条件設定画面を生成する条件設定画面生成部と、条件設定画面生成部で生成された条件設定画面を表示する表示装置とを備えている。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係るナビゲーション装置によれば、走行経路の再設定により音声案内またはリルートが繰り返される場合に、走行経路を再設定した回数が所定値以上になったら条件設定画面を表示するように構成したので、ユーザは、走行条件を設定する条件設定画面にたどり着くため押下すべきボタンがわからない場合であっても、走行条件を容易に見直すことができる。また、ユーザは、走行経路の条件設定画面にたどり着くまでのボタン操作を知っている場合であっても、条件設定画面が自動的に表示されるので、条件設定画面を表示させるボタンを操作する必要が無く、ユーザは、運転に集中できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、車両に搭載されて使用され、GPS(Global Positioning System)受信機1、方位センサ2、車速センサ3、現在位置検出部4、入力装置5、地図データ記憶装置6、制御部7、表示装置8および音声出力装置9を備えている。
【0012】
GPS受信機1は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信し、この受信したGPS信号に基づき自己の現在位置を検出する。このGPS受信機1で検出された自己の現在位置は現在位置信号として現在位置検出部4に送られる。
【0013】
方位センサ2は、車両の進行方向の変化を検出する。この方位センサ2で検出された車両の進行方向の変化は、方位信号として現在位置検出部4に送られる。車速センサ3は、車輪の回転を検出し、車輪の回転に応じた車速パルスを生成する。この車速センサで生成された車速パルスは、車速信号として現在位置検出部4に送られる。
【0014】
現在位置検出部4は、GPS受信機1から送られてくる現在位置信号、方位センサ2から送られてくる方位信号および車速センサ3から送られてくる車速信号に基づき自車の現在位置を算出し、さらに、地図データ記憶装置6から読み込んだ地図情報と照合して地図上の現在位置を決定する。この現在位置検出部4で決定された現在位置は、現在位置データとして制御部7に送られる。
【0015】
入力装置5は、例えば操作パネル、タッチパネルまたは音声入力装置などの少なくとも1つから構成されており、ユーザが種々の指示をナビゲーション装置に入力するために使用される。この入力装置5が操作されることにより発生された信号は、入力信号として制御部7に送られる。
【0016】
地図データ記憶装置6は、例えばHDD(Hard Disk Drive)から構成されており、地図情報を格納している。地図情報には、道路データ、道路属性データおよび施設情報などが含まれる。この地図データ記憶装置6に格納されている地図情報は、制御部7によって読み出される。なお、地図データ記憶装置6としては、DVD(Digital Versatile Disk)に記録されている情報を再生するDVDドライブから構成することができる。この場合、DVDドライブに装着されるDVDに地図情報が格納される。
【0017】
表示装置8は、例えば液晶ディスプレイ装置から構成されており、制御部7から送られてくる表示データにしたがって、地図、自車位置マーク、目的地までの経路、経路設定時の条件設定画面、その他の種々の情報を表示する。音声出力装置9は、例えばスピーカから構成されており、制御部7から送られてくる音声データに基づき案内音声または警告音声などといった音声を出力する。
【0018】
制御部7は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、ナビゲーション装置の全体を制御する。図2は、制御部7の機能的な構成を示すブロック図であり、各ブロックは、マイクロコンピュータ上で動作するソフトウェア処理により実現されている。
【0019】
制御部7は、走行経路記憶部11、走行経路外れ検出部12、走行条件記憶部13、走行経路再設定部14、再設定回数計数部15および条件設定画面生成部16を備えている。
【0020】
走行経路記憶部11は、条件設定画面を用いて設定された走行条件に従って走行経路計算部(図示は省略する)で計算された目的地までの走行経路および走行経路再設定部14で再計算された目的地までの走行経路を記憶する。この走行経路記憶部11に記憶されている走行経路は、走行経路外れ検出部12によって読み出される。また、走行経路記憶部11に記憶されている走行経路は、表示データとして表示装置8に送られる。これにより、表示装置8に走行経路が表示される。
【0021】
走行経路外れ検出部12は、走行経路記憶部11から読み出した走行経路と、現在位置検出部4から送られてくる現在位置データによって示される現在位置とを照合して走行経路を外れたかどうかを検出する。この走行経路外れ検出部12における検出結果は、走行経路再設定部14に送られる。
【0022】
走行条件記憶部13は、条件設定画面上で入力装置5を用いて指示することにより設定された走行条件を記憶する。この走行条件記憶部13に記憶された走行条件は、走行経路再設定部14によって読み出される。
【0023】
走行経路再設定部14は、走行経路外れ検出部12から、走行経路を外れた旨の検出結果が送られてきた場合に、その時点で走行条件記憶部13に記憶されている走行条件を読み出し、この読み出した走行条件に従って目的地までの走行経路を再計算する。この際、走行経路再設定部14は、再設定回数計数部15にカウントアップを指示する。走行経路再設定部14で計算された走行経路は、走行経路記憶部11に格納される。これにより新たな走行経路が設定される。
【0024】
再設定回数計数部15は、走行経路再設定部14からのカウントアップの指示に応答して、内部に保持している、走行経路が設定された回数をインクリメントする。この再設定回数計数部15で計数された回数は、条件設定画面生成部16によって読み出される。
【0025】
条件設定画面生成部16は、再設定回数計数部15から読み込んだ回数が所定値(例えば、「3」)になると、走行条件を設定するための条件設定画面を生成する。この条件設定画面生成部16で生成された条件設定画面は、表示装置8に送られる。これにより、表示装置8に条件設定画面が表示される。
【0026】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を、図3に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0027】
ナビゲーション装置の動作が開始されると、まず、走行経路を外れたかどうかが調べられる(ステップST11)。すなわち、走行経路外れ検出部12は、走行経路記憶部11から読み出した走行経路と、現在位置検出部4から送られてくる現在位置データによって示される現在位置とを照合して走行経路を外れたかどうかを調べる。このステップST11において、走行経路を外れていないことが判断されると、このステップST11を繰り返し実行しながら、つまり、走行経路を外れたかどうかを監視しながら待機する。
【0028】
このステップST11の繰り返し実行による待機状態において、走行経路を外れたことが判断されると、次いで、走行経路の再設定が行われる(ステップST12)。すなわち、走行経路外れ検出部12は、走行経路を外れた旨の検出結果を走行経路再設定部14に送る。走行経路再設定部14は、走行経路外れ検出部12から送られてくる走行経路を外れた旨の検出結果に応答して、その時点で走行条件記憶部13に記憶されている走行条件を読み込み、この読み込んだ走行条件に従って目的地までの走行経路を再計算する。この再計算により得られた走行経路は、走行経路記憶部11に格納される。これにより新たな走行経路が設定される。この際、走行経路再設定部14は、再設定回数計数部15にカウントアップを指示する。再設定回数計数部15は、走行経路再設定部14からのカウントアップの指示に応答して、内部に保持している、走行経路が設定された回数をインクリメントする。
【0029】
次いで、走行経路再設定が所定回実行されたかどうかが調べられる(ステップST13)。すなわち、条件設定画面生成部16は、再設定回数計数部15に格納されている回数を読み込み、この回数が所定値(例えば、「3」)になったかどうかを調べる。このステップST13において、走行経路再設定が所定回実行されていないことが判断されると、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0030】
一方、ステップST13において、走行経路再設定が所定回実行されたことが判断されると、次いで、走行経路計算のための条件設定画面が表示される(ステップST14)。すなわち、条件設定画面生成部16は、走行条件を設定するための条件設定画面を生成し、表示装置8に送る。これにより、表示装置8に条件設定画面が表示される。この際、例えば「走行条件を設定してください。」という音声データを音声出力装置9に送り、この音声出力装置9から音声を出力してユーザに注意を喚起するように構成することもできる。
【0031】
次いで、走行条件の設定が行われる(ステップST15)。すなわち、ユーザは、条件設定画面上で、入力装置5を用いて指示することにより所望の走行条件を設定する。例えば、図示は省略するが、条件設定画面上の「高速道路優先設定:[する]/[しない]」が[する]に設定されている状態で、高速道路を使用しないのであれば、[しない]を押下する。この入力装置5を用いて設定された走行条件は、走行条件記憶部13に送られて記憶される。その後、再設定回数計数部15に格納されている回数を“0”とし(図示なし)、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0032】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置によれば、ユーザは、走行条件を設定する条件設定画面にたどり着くために押下すべきボタンがわからない場合であっても、走行経路再設定が所定回数繰り返されると自動的に条件設定画面が表示されるので、走行条件を見直すことができる。また、ユーザは、走行経路の条件設定画面までのボタン操作を知っている場合であっても、条件設定画面が自動的に表示されるので、条件設定画面を表示させるボタンを操作する必要が無く、ユーザは、運転に集中できる。
【0033】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置は、条件設定画面が表示されてから一定時間が経過しても走行条件が設定されない場合は、条件設定画面を消去するようにしたものである。
【0034】
実施の形態2に係るナビゲーション装置の構成は、制御部7の構成を除き、実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。以下、実施の形態1に係るナビゲーション装置と相違する部分を中心に説明する。
【0035】
図4は、実施の形態2に係るナビゲーション装置の制御部7aの構成を示すブロック図である。この制御部7aは、図2に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の制御部に、時間計数部17が追加されて構成されている。
【0036】
時間計数部17はタイマから構成されており、条件設定画面生成部16からの指示に応答して、計時を開始し、または、停止する。この時間計数部17で計時された時間は、条件設定画面生成部16によって読み出される。
【0037】
条件設定画面生成部16は、再設定回数計数部15で計数された回数が所定値になると、走行条件を設定するための条件設定画面を生成して表示装置8に送るとともに、時間計数部17に対し計時の開始を指示する。また、条件設定画面生成部16は、時間計数部17から読み込んだ時間が所定時間(例えば、1分)を経過したことを示していれば、先に生成した条件設定画面を消去する。
【0038】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下においては、図3のフローチャートに示した実施の形態1に係るナビゲーション装置における処理と同じ処理が実行されるステップには、図3で使用した符号と同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0039】
ナビゲーション装置の動作が開始されると、まず、走行経路を外れたかどうかが調べられる(ステップST11)。このステップST11において、走行経路を外れていないことが判断されると、このステップST11を繰り返し実行しながら、つまり、走行経路を外れたかどうかを監視しながら待機する。このステップST11の繰り返し実行による待機状態において、走行経路を外れたことが判断されると、次いで、走行経路の再設定が行われる(ステップST12)。
【0040】
次いで、走行経路再設定が所定回実行されたかどうかが調べられる(ステップST13)。このステップST13において、走行経路再設定が所定回実行されていないことが判断されると、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップST13において、走行経路再設定が所定回実行されたことが判断されると、再設定回数計数部15に格納されている回数を“0”とし(図示なし)、次いで、走行経路計算のための条件設定画面が表示される(ステップST14)。
【0041】
次いで、タイマによる計時が開始される(ステップST21)。すなわち、条件設定画面生成部16は、再設定回数計数部15から読み込んだ回数が所定値になると、走行条件を設定するための条件設定画面を生成して表示装置8に送るとともに、時間計数部17に対し計時の開始を指示する。これにより、時間計数部17は、計時を開始する。
【0042】
次いで、所定時間が経過したかどうかが調べられる(ステップST22)。すなわち、条件設定画面生成部16は、時間計数部17から読み込んだ時間が、所定時間の経過を示しているかどうかを調べる。このステップST22において、所定時間が経過したことが判断されると、次いで、条件設定画面が消去される(ステップST23)。すなわち、条件設定画面生成部16は、先に生成した条件設定画面を消去する。これにより、表示装置8に表示されている条件設定画面が消去される。
【0043】
次いで、タイマによる計時が停止される(ステップST25)。すなわち、条件設定画面生成部16は、時間計数部17に対し計時の開始を指示する。これにより、時間計数部17は、計時を停止する。その後、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0044】
上記ステップST22において、所定時間が経過していないことが判断されると、次いで、走行条件の修正が完了したかどうかが調べられる(ステップST24)。すなわち、ユーザが、条件設定画面上で、入力装置5を用いて走行条件を設定したかどうかが調べられる。このステップST24において、走行条件の修正が完了していないことが判断されると、シーケンスはステップST22に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップST24において、走行条件の修正が完了したことが判断されると、シーケンスはステップST25に進み、時間計数部17による計時が停止される。その後、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0045】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置によれば、条件設定画面を表示した場合に、ユーザに走行条件を修正する意思がないことを所定時間の経過(タイムアウト)で判断するように構成したので、ユーザによるボタン操作がなくても元の画面(例えば地図画面)に戻ることができる。
【0046】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置は、条件設定画面の表示に先だって切換ボタンを表示し、この切換ボタンが押下された場合に条件設定画面を表示するようにしたものである。
【0047】
実施の形態3に係るナビゲーション装置の構成は、制御部7bの構成を除き、実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。以下、実施の形態1に係るナビゲーション装置と相違する部分を中心に説明する。
【0048】
図6は、実施の形態3に係るナビゲーション装置の制御部7の構成を示すブロック図である。この制御部7bは、図2に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の制御部7aに、切換ボタン生成部18が追加されて構成されている。
【0049】
切換ボタン生成部18は、再設定回数計数部15で計数された回数が所定値になると、現在の画面を条件設定画面に切り替えるかどうかを問い合わせるための切換ボタンの画像を生成する。この切換ボタン生成部18で生成された切換ボタンの画像は、表示データとして表示装置8に送られる。これにより、表示装置8に切換ボタンが表示される。
【0050】
条件設定画面生成部16は、表示装置8に表示された切換ボタンが入力装置5からの指示により押下された場合に、走行条件を設定するための条件設定画面を生成する。この条件設定画面生成部16で生成された条件設定画面は、表示データとして表示装置8に送られる。これにより、表示装置8に条件設定画面が表示される。また、条件設定画面生成部16は、切換ボタンが入力装置5からの指示により押下された後に、切換ボタンの消去を切換ボタン生成部18に指示する。これにより、表示装置8に表示されている切換ボタンが消去される。
【0051】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下においては、図3のフローチャートに示した実施の形態1に係るナビゲーション装置における処理と同じ処理が実行されるステップには、図3で使用した符号と同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0052】
ナビゲーション装置の動作が開始されると、まず、走行経路を外れたかどうかが調べられる(ステップST11)。このステップST11において、走行経路を外れていないことが判断されると、このステップST11を繰り返し実行しながら、つまり、走行経路を外れたかどうかを監視しながら待機する。このステップST11の繰り返し実行による待機状態において、走行経路を外れたことが判断されると、次いで、走行経路の再設定が行われる(ステップST12)。次いで、走行経路再設定が所定回実行されたかどうかが調べられる(ステップST13)。このステップST13において、走行経路再設定が所定回実行されていないことが判断されると、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0053】
一方、ステップST13において、走行経路再設定が所定回実行されたことが判断されると、次いで、条件設定画面への切換ボタンが表示される(ステップST31)。すなわち、切換ボタン生成部18は、再設定回数計数部15から読み込んだ回数が所定値になると、現在の画面を条件設定画面に切り替えるかどうかを問い合わせるための切換ボタンの画像を生成し、表示データとして表示装置8に送る。これにより、表示装置8に切換ボタンが表示される。
【0054】
次いで、切換ボタンが押下されたかどうかが調べられる(ステップST32)。すなわち、条件設定画面生成部16は、表示装置8に表示された切換ボタンが入力装置5からの指示により押下されたかどうかを調べる。このステップST32において、切換ボタンが押下されていないことが判断されると、このステップST32を繰り返し実行しながら、つまり、切換ボタンが押下されたかどうかを監視しながら待機する。
【0055】
このステップST32において、切換ボタンが押下されたことが判断されると、条件設定画面への切換ボタンが消去される(ステップST33)。すなわち、条件設定画面生成部16は、切換ボタンの消去を切換ボタン生成部18に指示する。これにより、表示装置8に表示されている切換ボタンが消去される。
【0056】
次いで、走行経路計算のための条件設定画面が表示される(ステップST14)。次いで、走行条件の設定が行われる(ステップST15)。その後、シーケンスはステップST11に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0057】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置によれば、ユーザは、常に地図を表示させている状態であっても、好きなタイミングで条件設定画面への切換ボタンを押下することにより条件設定画面を表示させて走行条件を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の制御部の機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 GPS受信機、2 方位センサ、3 車速センサ、4 現在位置検出部、5 入力装置、6 地図データ記憶装置、7、7a、7b 制御部、8 表示装置、9 音声出力装置、11 走行経路記憶部、12 走行経路外れ検出部、13 走行条件記憶部、14 走行経路再設定部、15 再設定回数計数部、16 条件設定画面生成部、17 時間計数部、18 切換ボタン生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定された走行条件に従って計算された目的地までの走行経路を記憶する走行経路記憶部と、
現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記走行経路記憶部に記憶されている走行経路と、前記現在位置検出部で検出された現在位置とを照合して走行経路を外れたかどうかを検出する走行経路外れ検出部と、
前記走行経路外れ検出部で走行経路を外れたことが検出された場合に、設定されている走行条件に従って走行経路を再計算して新たな走行経路を再設定する走行経路再設定部と、
前記走行経路再設定部で走行経路が再設定された回数を計数する再設定回数計数部と、
前記再設定回数計数部で計数された回数が所定値以上になった場合に走行条件を設定するための条件設定画面を生成する条件設定画面生成部と、
前記条件設定画面生成部で生成された条件設定画面を表示する表示装置
とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
条件設定画面が生成されてからの経過時間を計数する時間計数部を備え、
前記条件設定画面生成部は、前記時間計数部で所定時間が計数された場合に、表示装置に表示されている条件設定画面を消去する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
指示を入力する入力装置と、
再設定回数計数部で計数された回数が所定値以上になった場合に切換ボタンの画像を生成する切換ボタン生成部とを備え、
表示装置は、前記切換ボタン生成部で生成された切換ボタンの画像を表示し、
条件設定画面生成部は、前記表示装置に表示された切換ボタンの画像が前記入力装置からの指示により押下された場合に、走行条件を設定するための条件設定画面を生成する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−91510(P2010−91510A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−263845(P2008−263845)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】