説明

ニコチンアミド系キナーゼ阻害薬

下記一般式(I)の化合物、または薬剤として許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形もしくはジアステレオマーが開示される。式(I)の化合物を使用して、対象のチロシンキナーゼ関連疾患状態を治療する方法も開示される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下記式(I)で表される化合物、前記化合物を含む薬剤組成物、ならびに癌および他の増殖性疾患の増殖を抑制する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
正常な細胞増殖は、細胞周期の進行速度とプログラム細胞死(アポトーシス)との間の平衡が良く制御されている。この平衡は、細胞内情報の伝達回路網による細胞外情報の適当な伝達によって維持されている。腫瘍では、この平衡が、細胞周期の抑制のない完了または正常なアポトーシス性細胞死の喪失によって妨げられるようになる。多くの場合、この調節の喪失は、細胞周期およびアポトーシス経路を制御する細胞内情報伝達回路網の自律的活性化によって起こる。これらの経路の調節の中核を成しているのがプロテインキナーゼファミリーのメンバーであり、癌などの過剰増殖性疾患に対する治療法の開発に将来有望な方法は、この調節に関与するキナーゼ群を標的とする化合物である。
【0003】
プロテインキナーゼは、蛋白質中の特定の残基のリン酸化を触媒する酵素ファミリーである。通常、プロテインキナーゼは、いくつかのグループに分かれる。すなわち、セリン残基および/またはトレオニン残基を優先的にリン酸化するグループ、チロシン残基を優先的にリン酸化するグループ、およびチロシン残基とセリン残基/トレオニン残基の双方をリン酸化するグループである。したがって、プロテインキナーゼは、情報伝達経路において、その受容体に対するサイトカインの作用を含めて、細胞外情報を核へ伝達し、種々の生物学的事象をトリガーする役割を担う重要な要素である。正常な細胞の生理系におけるプロテインキナーゼの多くの役割には、細胞周期の制御および細胞増殖、分化、アポトーシス、細胞移動および有糸分裂誘発が含まれる。
【0004】
不適切に高いプロテインキナーゼ活性は、異常な細胞機能に起因する多くの疾患に関係があるとされている。これは、例えば、酵素の変異、過剰発現、または不適当な活性化に関連した、キナーゼの適切な制御機序の不具合によって、あるいは、やはりキナーゼの上流または下流における情報伝達に関与しているサイトカインまたは増殖因子の過剰産生または過少産生によって、直接的にまたは間接的に起こる可能性がある。これらの事例のすべてにおいて、キナーゼの作用の選択的阻害が、有益な効果を有すると予測できる可能性がある。キナーゼの異常活性が関係するとされている疾患には、糖尿病;再狭窄;アテローム性動脈硬化症;肝臓および腎臓の線維症;眼の疾患;骨髄増殖性疾患およびリンパ球増殖性疾患;前立腺癌、大腸癌、乳癌、頭頸部癌、白血病、リンパ腫などの癌;ならびに、アトピー性皮膚炎、喘息、リウマチ様関節炎、クローン病、乾癬、クルーゾン症候群、軟骨形成不全症、致死性異形成症などの自己免疫疾患が含まれる。
【0005】
プロテインキナーゼには、それだけには限らないが、例えば、プロテインチロシンキナーゼ(PTK)のメンバーが含まれ、PTKは、細胞質PTK(CTK)および受容体PTK(RTK)に分けることができる。細胞質PTKには、SRCファミリー(BLK、FGR、FYN、HCK、LCK、LYN、SRC、YES、およびYRKを含む)、BRKファミリー(BRK、FRK、SAD、およびSRMを含む)、CSKファミリー(CSKおよびCTK)、BTKファミリー(BTK、ITK、TEC、MKK2、およびTXKを含む)、Janusキナーゼファミリー(JAK1、JAK2、JAK3、およびTyk2を含む)、FAKファミリー(FAKおよびPYK2を含む)、Fesファミリー(FESおよびFERを含む)、ZAP70ファミリー(ZAP70およびSYKを含む)、ACKファミリー(ACK1およびACK2を含む)、ならびにAblファミリー(ABLおよびARGを含む)が含まれる。RTKファミリーには、EGF受容体ファミリー(EGFR、HER2、HER3、およびHER4を含む)、インスリン受容体ファミリー(INS-RおよびIGF1-Rを含む)、PDGF受容体ファミリー(PDGFRα、PDGFRβ、CSF1R、KTT、およびFLK2を含む)、VEGF受容体ファミリー(FLT1、FLK1、およびFLT4を含む)、FGF受容体ファミリー(FGFR1、FGFR2、FGFR3、およびFGFR4を含む)、CCK4ファミリー(CCK4を含む)、METファミリー(METおよびRONを含む)、TRKファミリー(TRKA、TRKB、およびTRKCを含む)、AXLファミリー(AXL、MER、およびSKYを含む)、TIE/TEKファミリー(TIEおよびTIE2/TEKを含む)、EPHファミリー(EPHA1、EPHA2、EPHA3、EPHA4、EPHA5、EPHA6、EPHA7、EPHA8、EPHB1、EPHB2、EPHB3、EPHB4、EPHB5、およびEPHB6を含む)、RYKファミリー(RYKを含む)、MCKファミリー(MCKおよびTYRO10を含む)、ROSファミリー(ROSを含む)、RETファミリー(RETを含む)、LTKファミリー(LTKおよびALKを含む)、RORファミリー(ROR1およびROR2を含む)、Muskファミリー(Muskを含む)、LMRファミリー(LMR1、LMR2、およびLMR3を含む)、ならびにSuRTK106ファミリー(SuRTK106を含む)が含まれる。
【0006】
同様に、セリン/トレオニンに特異的なキナーゼ(STK)は、細胞外情報調節キナーゼ(p42/ERK2およびp44/ERKI)、c-Jun NH2-末端キナーゼ(JNK)、cAMP応答性エレメント結合プロテインキナーゼ(CREBK)、cAMP依存性キナーゼ(CAPK)、分裂促進因子活性化プロテインキナーゼ活性化プロテインキナーゼ(MAPKおよびその類縁体)、ストレス活性化プロテインキナーゼ(p38/SAPK2)、分裂促進因子およびストレス活性化キナーゼ(MSK)、ならびにプロテインキナーゼ、とりわけPKA、PKB、およびPKCを含めて、いくつかの異なるサブファミリーを含む。さらに、一部の病原体生物のゲノムは、プロテインキナーゼをコードする遺伝子を有する。例えば、マラリア寄生虫の熱帯熱マラリア原虫およびHPVや肝炎ウイルスなどのウイルスは、キナーゼ関連遺伝子を有していると思われる。
【0007】
一実施形態では、本発明の方法は、肉腫、癌腫、および/または白血病の治療で使用される。この対象の方法を、単独でまたは治療レジメンの一部として使用できる代表的な疾患には、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、および網膜芽細胞腫が含まれる。
【0008】
ある実施形態では、本発明の方法は、乳房、前立腺、腎臓、膀胱、または大腸組織から発症する癌などの疾患を治療するために使用される。
【0009】
他の実施形態では、本発明の方法は、脂肪細胞腫瘍、例えば脂肪腫、線維脂肪腫、脂肪芽細胞腫、脂肪腫症、冬眠腺腫、血管腫および/または脂肪肉腫など、脂肪組織で発生する増殖性または新生物性疾患を治療するために使用される。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、二置換ピリジン骨格を基にした化合物群が癌細胞の成長および増殖の阻害薬であることを発見した。
【0011】
さらに、第1の態様では、本発明は、下記一般式の化合物、または薬剤として許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形もしくはジアステレオマーを提供する。
【0012】
【化1】

【0013】
[式中、
Aは、O、S、NR1から選択される、R1はH、C1〜4アルキルから選択される;
Bは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、CN、アリール、ヘタリール(hetaryl)、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR2R3、Oアリール、Oヘタリール、CO2R2、CONR2R3、NR2R3、C1〜4アルキルNR2R3、NR4C1〜4アルキルNR2R3、NR2COR3、OC(O)NR2R3、NR4CONR2R3、NR2SO2R3からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリール、ヘタリールである;およびR2、R3は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル(alkyl heterocyclyl)、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR5から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R4は、H、C1〜4アルキルから選択される;R5は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Qは、結合、またはC1〜4アルキルである;
Wは、H、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニルから選択される;ただし、C1〜4アルキルまたはC2〜6アルケニルは任意にC1〜4アルキル、OH、OC1〜4アルキル、NR6C(O)R7、CONR6R7、OR6、NR6R7で置換されてもよい;R6およびR7は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルシクロアルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR8から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R8は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Yは、H、あるいは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、CN、C2〜4アルキニル、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR9R10、Oアリール、Oヘタリール、CO2R9、CONR9R10、NR9R10、C1〜4アルキルNR9R10、NR11C1〜4アルキルNR9R10、NR9COR10、NR11CONR9R10、NR9SO2R10からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘタリールである;R9、R10はそれぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR12から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R11は、H、C1〜4アルキルから選択される;R12は、H、C1〜4アルキルから選択される]
【0014】
第2の態様では、本発明は、担体および本発明の第1の態様の少なくとも1種の化合物を含む組成物を提供する。
【0015】
第3の態様では、本発明は、対象のチロシンキナーゼ関連疾患状態の治療方法であって、本発明の第1の態様の少なくとも1種の化合物を治療有効量で、または本発明の第2の態様の組成物を治療有効量で、投与することを含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の第1の態様では、下記一般式の化合物、または薬剤として許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形もしくはジアステレオマーを提供する。
【0017】
【化2】

【0018】
[式中、
Aは、O、S、NR1から選択される、R1はH、C1〜4アルキルから選択される;
Bは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、CN、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR2R3、Oアリール、Oヘタリール、CO2R2、CONR2R3、NR2R3、C1〜4アルキルNR2R3、NR4C1〜4アルキルNR2R3、NR2COR3、OC(O)NR2R3、NR4CONR2R3、NR2SO2R3からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリール、ヘタリールである;R2、R3は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR5から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R4は、H、C1〜4アルキルから選択される;R5は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Qは、結合、またはC1〜4アルキルである;
Wは、H、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニルから選択される;ただし、C1〜4アルキルまたはC2〜6アルケニルは任意にC1〜4アルキル、OH、OC1〜4アルキル、NR6C(O)R7、CONR6R7、OR6、NR6R7で置換されてもよい;R6およびR7は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルシクロアルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR8から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R8は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Yは、H、あるいは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、CN、C2〜4アルキニル、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR9R10、Oアリール、Oヘタリール、CO2R9、CONR9R10、NR9R10、C1〜4アルキルNR9R10、NR11C1〜4アルキルNR9R10、NR9COR10、NR11CONR9R10、NR9SO2R10からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘタリールである;R9、R10はそれぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR12から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R11は、H、C1〜4アルキルから選択される;R12は、H、C1〜4アルキルから選択される]
【0019】
上記の記載では、以下のことを理解されたい。
C1〜4アルキルとは、置換されないかまたは任意に置換された、直鎖または分枝鎖のアルキル鎖を意味する。
アリールとは、置換されないかまたは任意に置換された、フェニルまたはナフチルを意味する。
ヘタリールとは、置換されないかまたは任意に置換された、O、N、Sから選択される1または複数のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロ芳香族環を意味する。
シクロアルキルとは、3〜8員の飽和環を意味する。
ヘテロシクリルとは、O、S、NR13(R13はH、C1〜4アルキル、アリール、ヘタリールである)から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む3〜8員の飽和環を意味する。
【0020】
好ましくは、この化合物は表1および表2の化合物から選択される。
【0021】
さらに好ましい実施形態では、この化合物は下記一般式IIの化合物、または薬剤として許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形もしくはジアステレオマーから選択される。
【0022】
【化3】

【0023】
[式中、
R1は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Bは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR2R3、Oアリール、Oヘタリール、CO2R2、CONR2R3、NR2R3、C1〜4アルキルNR2R3、NR4C1〜4アルキルNR2R3、NR2COR3、NR4CONR2R3、NR2SO2R3からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリール、ヘタリールである;R2、R3は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR5から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R4は、H、C1〜4アルキルから選択される;R5は、H、C1〜4から選択される;
Qは、結合またはC1〜4アルキルである;
Wは、H、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニルから選択される;ただし、C1〜4アルキルまたはC2〜6アルケニルは、任意にC1〜4アルキル、OH、OC1〜4アルキル、NR6R7で置換されてもよい;R6およびR7は、それぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルシクロアルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR8から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R8は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Yは、H、あるいは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR9R10、Oアリール、Oヘタリール、CO2R9、CONR9R10、NR9R10、C1〜4アルキルNR9R10、NR11C1〜4アルキルNR9R10、NR9COR10、NR11CONR9R10、NR9SO2R10からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘタリールである;R9、R10は、それぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR12から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R11は、H、C1〜4アルキルから選択される;R12は、H、C1〜4アルキルから選択される]
【0024】
上記の記載では、以下のことを理解されたい。
C1〜4アルキルとは、置換されないかまたは任意に置換された、直鎖または分枝鎖のアルキル鎖を意味する。
アリールとは、置換されないかまたは任意に置換された、フェニルまたはナフチルを意味する。
ヘタリールとは、置換されないかまたは任意に置換された、O、N、Sから選択される1または複数のヘテロ原子を含む5員または6員のヘテロ芳香族環を意味する。
シクロアルキルとは、3〜8員の飽和環を意味する。
ヘテロシクリルとは、O、S、NR13(R13はH、C1〜4アルキル、アリール、ヘタリールである)から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む3〜8員の飽和環を意味する。
【0025】
本発明の化合物は、すべての立体配座異性体(例えばシスおよびトランス異性体)を含む。本発明の化合物は、不斉中心を有していてもよく、したがって、種々のエナンチオマー形およびジアステレオマー形で存在してもよい。本発明は、本発明の化合物のあらゆる光学異性体および立体異性体、それらの混合物、ならびにそれらを使用するまたは含むことのできるすべての薬剤組成物および治療方法に関する。式Iの化合物はまた、互変異性体として存在してもよい。本発明は、このような互変異性体およびその混合物すべての使用に関する。
【0026】
本発明はまた、式Iの化合物のプロドラッグを含む薬剤組成物を含む。本発明はまた、式Iの化合物のプロドラッグを投与することを含む、プロテインキナーゼの阻害によって治療または予防できる疾患の治療または予防方法を含む。遊離のアミノ基、アミド基、ヒドロキシ基、またはカルボキシル基を有する式Iの化合物は、プロドラッグに変換できる。プロドラッグには、アミノ酸残基、またはペプチド結合によって式Iの化合物の遊離のアミノ基、ヒドロキシ基、およびカルボン酸基に共有結合しているアミノ酸残基2個以上(例えば2、3、または4個)からなるポリペプチド鎖である化合物が含まれる。これらのアミノ酸残基には、通常3文字の記号で示される20種の天然アミノ酸が含まれ、また、4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デスモシン、イソデスモシン、3-メチルヒスチジン、ノルバリン、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン、およびメチオニンスルホンも含まれる。プロドラッグにはまた、プロドラッグの側鎖のカルボニル炭素を介して式Iの上記の置換基に共有結合した炭酸エステル、カルバミン酸エステル、アミド、およびアルキルエステルである化合物が含まれる。プロドラッグにはまた、式Iの化合物の遊離ヒドロキシル基へのリン-酸素結合を介して結合した、式Iの化合物のリン酸誘導体(酸、酸の塩、またはエステルなど)が含まれる。プロドラッグにはまた、アシルオキシアルキル部分またはホスホノオキシアルキル部分が遊離ヒドロキシル基を有する式Iの化合物に共有結合した化合物が含まれる。アシルオキシアルキル残基またはホスホノオキシアルキル残基は、N-(アシルオキシアルキル)-またはN-(ホスホノオキシアルキル)-ピリジニウム塩の形成を介して、ピリジル環を有する式Iの化合物に共有結合していてもよい。本発明はまた、式Iの化合物のプロドラッグを含む薬剤組成物を包含する。
【0027】
第2の態様では、本発明は、担体および本発明の第1の態様の少なくとも1種の化合物を含む組成物を提供する。
【0028】
第3の態様では、本発明は、チロシンキナーゼ関連疾患状態の治療方法であって、本発明の第1の態様の少なくとも1種の化合物を治療有効量で、または本発明の第2の態様の組成物を治療有効量で、投与することを含む方法を提供する。
【0029】
本発明の好ましい実施形態では、疾患状態は、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎(湿疹)、およびアレルギー性鼻炎などのアトピー;アレルギー性接触皮膚炎や過敏症性肺臓炎などの細胞媒介過敏症;全身性紅斑性狼瘡(SLE)、リウマチ様関節炎、若年性関節炎、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎などのリウマチ性疾患;I型糖尿病、自己免疫性甲状腺疾患、アルツハイマー病などの他の自己免疫疾患;エプスタインバーウイルス(EBV)、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV1、水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)などのウイルス性疾患;線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、ならびに網膜芽細胞腫、および、乳房、前立腺、腎臓、膀胱、または大腸組織から発症する癌などの癌;ならびに脂肪細胞腫瘍、例えば脂肪腫、線維脂肪腫、脂肪芽細胞腫、脂肪腫症、冬眠腺腫、血管腫および/または脂肪肉腫など、脂肪組織で発生する新生物性疾患からなる群から選択される。
【0030】
本明細書では、「チロシンキナーゼ関連疾患状態」という用語は、異常なチロシンキナーゼ活性に起因し、かつ/または1種または複数のこれらの酵素を阻害することによって緩和される疾患を指す。
【0031】
本発明は、その有効量を用いてキナーゼ関連疾患を治療できる式IまたはIIの化合物のうちの少なくとも1種、および製薬上許容される賦形剤または希釈剤を含む薬剤組成物を提供する。本発明の組成物は、下記に記載する他の治療薬を含んでもよく、例えば、製薬製剤の分野で公知の技術に従って、従来の固体状または液体状の賦形剤または希釈剤、および所望の投与法に適したタイプの製薬添加物(例えば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定化剤、矯味剤など)を使用することによって調製してもよい。
【0032】
式IまたはIIの化合物は、任意の適切な手段によって、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、または散剤などの形での経口投与;舌下投与;口腔内投与;皮下、静脈内、筋肉内、または大槽内への注射または輸液技術などによる非経口投与(例えば、無菌の注射用の水性または非水性の液剤または懸濁剤として);吸入スプレーなどによる経鼻投与;クリーム剤または軟膏などの形での局所投与;あるいは、坐剤などの形での直腸投与などによって、非毒性の製薬上許容される賦形剤または希釈剤を含む単位用量の製剤として投与することができる。これらの組成物は、例えば、即時放出または持続放出に適した形で投与することができる。即時放出または持続放出は、本発明の化合物を含む適切な薬剤組成物を使用することによって、あるいは、特に持続放出の場合には、皮下挿入管や浸透圧ポンプなどの装置を使用することによって、実現することができる。
【0033】
ヒトなどの霊長類に加えて、他の種々の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。例えば、それだけには限らないが、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、または、他のウシ亜科、ヒツジ亜科、ウマ科、イヌ科、ネコ科、齧歯類もしくはネズミ科の種を含めて、哺乳動物を治療することができる。しかし、この方法は、鳥類(例えばニワトリ)などの他種においても実施することができる。
【0034】
炎症および感染を伴う疾患および症状を、本発明の方法を使用して治療することができる。好ましい実施形態では、疾患または症状は、好酸球および/またはリンパ球の作用が阻害または促進されることにより炎症反応を調節するものである。
【0035】
細胞増殖の阻害が望まれる、上記の方法で治療される対象は、それだけには限らないが、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラット、または、他のウシ亜科、ヒツジ亜科、ウマ科、イヌ科、ネコ科、齧歯類もしくはネズミ科の種を含めて、哺乳動物であり、好ましくは、ヒトの男性または女性である。
【0036】
「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医学者によって求められている、組織、系、または動物もしくはヒトの生物学的または医学的反応を導き出す対象組成物の量を意味する。
【0037】
本明細書において、「組成物」という用語は、指定した諸成分を指定した各量で含む生成物、ならびに、直接的にまたは間接的に、指定した諸成分を指定した各量で組み合わせて得られる任意の生成物を包含するものとする。「製薬上許容される」とは、担体および希釈剤または賦形剤が、製剤の他の成分と相容性がなければならず、その受容者に有害であってはならないことを意味する。
【0038】
化合物「の投与」または「を投与すること」という用語は、治療を必要とする個体に本発明の化合物を提供することを意味すると理解されたい。
【0039】
本発明の化合物を投与するための薬剤組成物は、単位用量の形で好都合に提供することができ、薬学分野で公知の方法のどれによって調製することもできる。すべての方法は、1種または複数の補助成分を構成する担体に有効成分を結合させる工程を含む。一般に、薬剤組成物は、液体状の担体、微細に分割された固体状の担体、またはその双方に有効成分を均一かつ密接に結合させ、次いで、必要であればその生成物を成形して所望の製剤にすることによって調製される。薬剤組成物中には、有効な対象化合物が、疾患の進行過程または症状に対して所望の効果を生じるのに十分な量で含まれている。本明細書では、「組成物」という用語は、指定した諸成分を指定した各量で含む生成物、ならびに、直接的にまたは間接的に、指定した諸成分を指定した各量で組み合わせて得られる任意の生成物を包含するものとする。
【0040】
有効成分を含む薬剤組成物は、経口使用に適した形、例えば、錠剤、トローチ剤、ドロップ剤、水性もしくは油性の懸濁剤、分散性の散剤もしくは顆粒剤、エマルション、硬もしくは軟カプセル剤、または、シロップ剤もしくはエリキシル剤の形とすることができる。経口使用を目的とした組成物は、薬剤組成物の製造分野で公知のどの方法に従って調製することもでき、これらの組成物は、薬剤として見た目がよく口当たりのよい製剤を提供するために、甘味剤、矯味剤、着色剤、および保存剤からなる群から選択される1種または複数の添加剤を含んでもよい。錠剤は、有効成分を、錠剤の製造に適した非毒性の製薬上許容される賦形剤と混合した状態で含む。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなどの不活性な希釈剤;例えばコーンスターチまたはアルギン酸などの造粒剤および崩壊剤;例えばデンプン、ゼラチン、アラビアゴムなどの結合剤;例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルクなどの滑剤でよい。これらの錠剤は、コーティングしなくても、または、消化管での分解と吸収を遅らせ、それによってより長期間にわたる持続性作用を提供するために、既知の技術によってコーティングしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を使用してもよい。これらはまた、制御放出用の浸透圧性治療用錠剤を形成するためにコーティングしてもよい。
【0041】
経口使用用製剤はまた、有効成分を不活性な固体状希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合した、硬ゼラチンカプセル剤として、または有効成分を、水性もしくは油性の媒体、例えばピーナツ油、液状パラフィン、もしくはオリーブ油と混合した、軟ゼラチンカプセル剤として提供することができる。
【0042】
水性懸濁剤は、有効な物質を、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合した状態で含む。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントゴム、およびアラビアゴムであり、分散剤または湿潤剤は、天然に存在するリン脂質、例えばレシチン;酸化アルキレンと脂肪酸との縮合生成物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン;または、酸化エチレンと長鎖の脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール;または、酸化エチレンと脂肪酸およびヘキシトールから誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレアート;または、酸化エチレンと脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導された部分エステルとの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレアートでもよい。水性懸濁剤はまた、1種または複数の保存剤、例えばエチル、n-プロピルもしくはp-ヒドロキシベンゾエート、1種または複数の着色剤、1種または複数の矯味剤、および、スクロースやサッカリンなどの1種または複数の甘味剤を含んでもよい。
【0043】
油性懸濁剤は、植物油、例えば落花生油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココヤシ油中に、または液状パラフィンなどの鉱油中に有効成分を懸濁させることによって調製することができる。これらの懸濁剤は、増粘剤、例えば蜜蝋、硬パラフィン、またはセチルアルコールを含んでもよい。前述したような甘味剤、および矯味剤を、口当たりのよい経口製剤を提供するために加えてもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤を添加することにより保存してもよい。
【0044】
水を加えて水性懸濁剤を調製するのに適した分散性の散剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および1種または複数の保存剤と混合した状態で有効成分を提供する。適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁化剤の例としては、既に述べたものなどがある。付加的な賦形剤、例えば甘味剤、矯味剤、および着色剤を加えてもよい。
【0045】
本発明の薬剤組成物は、水中油エマルションの形でもよい。その油相は、植物油、例えばオリーブ油もしくは落花生油、または鉱油、例えば液状パラフィン、あるいはこれらの混合物でもよい。適切な乳化剤は、天然に存在するゴム、例えばアラビアゴムもしくはトラガカントゴム;天然に存在するリン脂質、例えば大豆、レシチン;脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導されたエステルもしくは部分エステル、例えばソルビタンモノオレエート;ならびに、前記の部分エステルと酸化エチレンとの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでもよい。エマルションは、甘味剤および矯味剤を含んでもよい。
【0046】
シロップ剤およびエリキシル剤には、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロースを配合してもよい。このような製剤はまた、緩和剤、保存剤、ならびに矯味剤および着色剤を含んでもよい。
【0047】
薬剤組成物は、無菌の注射用の水性または油脂性懸濁剤の形でもよい。この懸濁剤は、前述した適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、公知の技術に従って調製することができる。無菌の注射用製剤は、非毒性の非経口投与で許容される希釈液または溶媒中の注射用無菌液剤または懸濁剤、例えば1,3-ブタンジオールに溶解した液剤などでもよい。使用可能な許容される賦形剤および溶媒としては、水、リンガー液、および等張食塩水溶液などがある。さらに、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として通常使用されている。この用途に対しては、合成のモノまたはジグリセリドを含めて、任意の無刺激性の不揮発性油を使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製の際に使用される。
【0048】
本発明の化合物はまた、薬物を直腸投与するための坐剤の形で投与することができる。これらの組成物は、薬物を、常温では固体状であるが直腸の温度では液体状となり、したがって直腸内で溶解してその薬物を放出する、適当な非刺激性の賦形剤と混合することにより調製することができる。このような材料は、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。
【0049】
局所使用のためには、本発明の化合物を含むクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、液剤または懸濁剤などが使用される(本出願においては、局所適用には口内洗剤および含嗽剤が含まれるものとする)。
【0050】
本発明の化合物はまた、リポソームの形で投与することができる。当分野で公知のように、リポソームは、一般にリン脂質または他の脂質から誘導される。リポソームは、水性媒体中に分散された、単層または多層状の水和液晶によって形成される。リポソームを形成することができる、非毒性で生理的に許容され、かつ代謝可能などんな脂質も使用することができる。リポソームの形の本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて、安定化剤、保存剤、賦形剤などを含むことができる。好ましい脂質は、リン脂質およびホスファチジルコリンであり、天然でも合成のものでもよい。リポソームを形成する方法は、当分野で公知である。
【0051】
本発明の薬剤組成物および方法は、さらに、前述した病態の治療で通常適用される、本明細書で記述した治療に有効な他の化合物を含むことができる。併用療法で使用するのに適した薬剤は、通常の製薬上の原則に従って、当業者が選択することができる。治療薬を併用すると、相乗的に作用して、前述した種々の疾患の治療効果または予防効果を生むことができる。この方法を使用して、各薬剤をより少ない用量で用いて治療効果を得ることができ、したがって、有害な副作用の潜在的可能性を軽減することができる。
【0052】
他の治療薬の例には以下のものが含まれる。
シクロスポリン(例えばシクロスポリンA);CTLA4-Ig;ICAM-3、抗IL-2受容体(抗Tac)、抗CD45RB、抗CD2、抗CD3(OKT-3)、抗CD4、抗CD80、抗CD86などの抗体;CD40および/またはgp39(すなわちCD154)に特異的な抗体など、CD40とgp39との相互作用を遮断する薬剤;CD40およびgp39から構築した融合蛋白質(CD401gおよびCD8gp39);デオキシスパーガリン(DSG)などの核内移行阻害剤のようなNFκB機能の阻害剤;HMG CoA還元酵素阻害剤などのコレステロール生合成阻害剤(ロバスタチンおよびシンバスタチン);イブプロフェン、アスピリン、アセトアミノフェンなどの非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)、およびロフェコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ阻害剤;プレドニゾロンやデキサメタゾンなどのステロイド剤;金剤;メトトレキセート、FK506(タクロリムスまたはプログラフ)、ミコフェノール酸モフェチルなどの抗増殖性薬剤;アザチオプリン、VP-16、エトポシド、フルダラビン、シスプラチン、ドキソルビシン、アドリアマイシン、アムサクリン、カンプトセシン、シタラビン、ゲムシタビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、フルオロデオキシウリジン、メルファラン、シクロホスファミドなどの抗悪性腫瘍剤;抗炎症剤(tenidap)、抗TNF抗体、可溶性TNF受容体などのTNF-α阻害剤;およびラパマイシン(シロリムスまたはラパミューン)またはその誘導体
【0053】
他の治療薬を本発明の化合物と併用するときは、例えば医師用便覧に記載されている分量で、または当業者によって決定された別の方法で使用してもよい。
【0054】
本発明の薬剤組成物および方法はさらに、薬剤流出系または薬物解毒系および排出系の既知の阻害剤または基質である、本明細書に記載した治療に有効な他の化合物を含んでもよい。これらの系は、P糖蛋白質、多剤耐性関連蛋白質、肺耐性蛋白質(lung resistance protein)、およびグルタチオンS-トランスフェラーゼのイソ酵素のα、μ、π、σ、θ、ζ、κ型を含む。これらの系の活性を阻害しまたは低減することが知られている薬物を同時投与すると、細胞中の治療薬の量を増加させることによって、本発明で記載した化合物の効力を増大させることができる。この方法を使用することにより、より少ない用量で治療効果を得ることができ、したがって、有害な副作用の潜在的可能性を低減することができる。これらの系の阻害剤または基質の例としては、ベラパミル、プロベネシッド、ジピリダモール、エタクリン酸、インドメタシン、スルファサラジン、ブチオニンスルフォキシミン、シクロスポリンA、およびタモキシフェンが挙げられる。
【0055】
蛋白質チロシンキナーゼの阻害を要する症状の治療または予防では、適切な用量濃度は、一般に1日当たり患者の体重1kg当たり約0.01〜500mgであり、1回または複数回で投与することができる。用量濃度は、1日当たり約0.1〜250mg/kgとすることが好ましく、1日当たり約0.5〜100mg/kgがより好ましい。適切な用量濃度は、1日当たり約0.01〜250mg/kg、1日当たり約0.05〜100mg/kg、または1日当たり約0.1〜50mg/kgでもよい。この範囲内であれば、用量は、1日当たり0.05〜0.5、0.5〜5、または5〜50mg/kgでもよい。経口投与の場合は、組成物は、1.0〜1000mgの有効成分、具体的には、治療対象の患者に対して症状に基づいた用量調節をするために1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、および1000.0mgの有効成分を含む錠剤の形で提供することが好ましい。化合物は、1日1〜4回、好ましくは1日1回または2回の養生法に基づいて投与することができる。
【0056】
しかしながら、任意の具体的な患者に対する個々の用量濃度および投与頻度は変わることがあり、使用される個々の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用時間の長さ、年齢、体重、全体的健康、性別、食生活、投与方法と時間、排出速度、薬物の組合せ、個々の症状の重症度、ならびにホストが受けている治療法を含めて、種々の因子によって決まる。
【0057】
本明細書を通じて、「comprise(含む)」という用語、または「comprises」や「comprising」などその変形は、記載した要素、全体、もしくは段階、または、要素、全体、もしくは段階の群を包括するが、他のいかなる要素、全体、もしくは段階、および、要素、全体、もしくは段階の群も除外しないことを意味することを理解されたい。
【0058】
本明細書で言及した文献はすべて、本願に援用する。
【0059】
本明細書に含まれる文書、書類、資料、装置、論文などに関するいかなる考察も、本発明の背景を提供するためのものにすぎない。ただし、これらの内容のいずれかまたはすべてが、従来技術の一部を形成するものである、あるいは、本出願の各請求項の優先日より以前に豪州で存在した、本発明に関連する分野で共通の一般知識であったことを認めるものとみなすべきではない。
【0060】
本発明の本質をより明確に理解するために、その好ましい形式を、以下の非限定的な実施例の参照によって、次に記載する。
【0061】
[実施例]
[材料および方法]
(化合物合成)
化合物は、通常、保護された5-ブロモニコチン酸から開始する2工程プロセスで調製する。
【0062】
合成の第1工程では、通常は、保護された5-ブロモニコチン酸を適切に官能化したカップリング相手とパラジウムを触媒としてクロスカップリングさせる。通常のカップリング相手は、ホウ酸化合物(鈴木カップリング;例えばMiyaura、N.およびSuzuki、Chem Rev.1995年、952457を参照)または有機スズ化合物(Stilleカップリング;例えばStille、J.K.、Angew.Chem.、Int. Ed. Engl.、1986年、25,508を参照)である(スキーム1)。
【0063】
【化4】

【0064】
鈴木カップリングは、好ましいカップリング方法であり、通常は、DME、THF、DMF、エタノール、プロパノール、トルエン、1,4-ジオキサンなどの溶媒中で、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸セシウム、水酸化ナトリウム、フッ化カリウム、リン酸カリウムなどの塩基の存在下で、実施される。反応は高温で実施することができ、使用するパラジウム触媒は、Pd(PPh3)4、Pd(OAc)2、[PdCl2(dppf)]、Pd2(dba)3/P(t-Bu)3、パラジウム炭素から選択することができる。
【0065】
5-ブロモニコチン酸を保護する方法は、当業者に公知であり、2-(トリメチルシリル)エチルエステル、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルエステル、テトラヒドロフラニルエステル、またはt-ブチルエステルの形成を含むものでよい。t-ブチルエステルが、好ましい保護基である。
【0066】
第1工程で使用する5-ブロモニコチン酸t-ブチルは、当業者に公知の従来方法を使用して、市販の5-ブロモニコチン酸から容易に調製することができる。これらの方法は、ジクロロメタンなどの溶媒中で、ジシクロヘキシルカルボジイミドや1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドなどのカップリング試薬を使用して5-ブロモニコチン酸をt-ブタノールにカップリングさせること、または、テトラヒドロフランなどの溶媒中で、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、ジ-t-ブチルジカルボネートで5-ブロモニコチン酸を処理することを含む。
【0067】
合成の第2工程では、5-アリールニコチン酸を、第一級アミンもしくは第二級アミン、アルコールもしくはフェノール、またはアルキルもしくはアリールメルカプタンとカップリングさせることによりアミド、エステル、またはチオエステルを形成する。(スキーム2)
【0068】
【化5】

【0069】
最初に、スキーム1の方法で調製した、保護されたエステル形の5-アリールニコチン酸エステル誘導体を、当業者に公知の方法を使用して開裂させて、対応する酸にする。
【0070】
5-アリールニコチン酸誘導体を、通常、ジクロロメタンやテトラヒドロフランなどの溶媒中で、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミドまたはカルボニルジイミダゾールなどのカップリング試薬を使用して、アミン、アルコール、フェノール、チオールまたはチオフェノールとカップリングさせる。
【0071】
別法として、スキーム1の方法で調製した保護されていない5-アリールニコチン酸誘導体を、当業者に既知の方法を用いて、塩化チオニルもしくは塩化オキサリルを使用してそれぞれの酸塩化物誘導体に、または、例えばt-ブチルクロロギ酸を使用して混合無水物種に変換することができる。この酸塩化物誘導体または混合無水物誘導体を、次いで、室温または高温で、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチルなどの溶媒中で、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、または固相の相当物などの塩基の存在下で、所望のアミン、アルコール、フェノール、チオール、またはチオフェノールと反応させて、所望の5-アリールニコチン酸誘導体を生成することができる。
【0072】
さらなる代替方法として、スキーム1の方法で調製した保護されていない5-アリールニコチン酸誘導体を、スクシンイミジルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、p-ニトロフェニルエステルなどの対応する活性なエステル中間体に変換することができる。これは、5-アリールニコチン酸誘導体を、ジシクロメタンやテトラヒドロフランなどの溶媒中で、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、カルボニルジイミダゾールなどのカップリング試薬を使用して、N-ヒドロキシスクシンイミド、ペンタフルオロフェノール、またはp-ニトロフェノールとカップリングさせることによって、得ることができる。活性なアシル中間体も、当業者に公知の方法を使用して、5-アリールニコチン酸誘導体をジフェニルホスホリルアジド、ペンタフルオロフェニルアセテート、ペンタフルオロフェニルジフェニルホスフィネートまたは塩化シアヌリルなどの試薬と反応させることによって、直接形成することができる。
【0073】
この一連の反応から形成した生成物を、当業者に公知の技術を使用して、さらに誘導体化してもよい。
【0074】
[実施例1]
(5-ブロモニコチン酸t-ブチル)
THF(15mL)中の5-ブロモニコチン酸(0.30g、1.49mmol)およびジ-t-ブチルジカルボネート(0.45g、2.06mmol)の混合物に、トリエチルアミン(0.25mL、1.79mmol)、次いで4-(ピロリジノ)ピリジン(30mg、0.20mmol)を加えた。得られた溶液を室温で48時間攪拌した。次いで、減圧して揮発性物質を除去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2から3%MeOH/CH2Cl2までの濃度勾配)によって精製して、白色固体の生成物(0.35g、純度91%)を得た。
1H-NMR(CDCl3)の化学シフト値(σ)1.60(s、9H、t-ブチル)、8.35(m、1H、Ar)、8.79(d、J=2.5Hz、1H、Ar)、9.06(d、J=1.4Hz、1H、Ar)
【0075】
[実施例2]
(5-(3,4-メチレンジオキシフェニル)ニコチン酸t-ブチル)
フラスコ内に、5-ブロモニコン酸t-ブチル(1.00g、3.87mmol)、重量比10%のパラジウム炭素(210mg、〜0.2mmolパラジウム)、炭酸カリウム(1.10g、7.96mmol)、3,4-メチレンジオキシ-フェニルホウ酸(0.96g、5.79mmol)、ジメチルホルムアミド(50mL)、および水(250L)を入れた。フラスコを窒素ガスでパージし、次いで、攪拌しながら、90℃まで15時間加熱した。反応混合物は、放置して冷却させ、水(350mL)で希釈し、CH2Cl2(4回)で抽出した。結合した抽出物を水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、真空下で濃縮した。粗製の残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2から50%エーテル/CH2Cl2までの濃度勾配)によって精製して、オフホワイトの固形物を得た(1.02g、純度88%)。
1H-NMR(CDCl3)の化学シフト値(σ)1.63(s、9H、t-ブチル)、6.04(s、2H、CH2)、6.90(m、1H、Ar)、7.08(m、2H、Ar)、8.34(m、1H、Ar)、8.89(d、J=1.9Hz、1H、Ar)、9.09(d、J=2.0Hz、1H、Ar)
【0076】
[実施例3]
(5-(3,4-メチレンジオキシフェニル)ニコチノイルクロリド)
トリフルオロ酢酸(10mL)に5-(3,4-メチレンジオキシフェニル)ニコチン酸t-ブチル(0.80g、2.67mmol)を溶解した溶液を、室温で2時間攪拌した。トリフルオロ酢酸を真空下で除去し、真空除去の後、残留物を2回トルエンで処理した(残りのTFAを除去するため)。次いで、黄色/緑色の残留物を塩化チオニル(10mL)およびジメチルホルムアミド(100L)で処理し、混合物を加熱して15時間還流させた。反応混合物は、放置して室温まで冷却させ、次いで、水流アスピレーターによって揮発性物質を除去した。残留物を、真空除去の後、トルエンで2回処理すると、黄色の固体が残った。粗製な酸塩化物に1,4-ジオキサン(16mL)を加えて0.167Mの懸濁液を作り、これをそれ以上の処理はせずに次の工程で使用した。
【0077】
[実施例4]
(96穴フォーマットによるニコチンアミドの形成)
96穴深型ウェルプレートの各ウェルに、アンバーリストA-21樹脂(70mg、0.33mmol)を加えた。次に、各ウェルに1,4-ジオキサンに溶解した0.19Mのアミン溶液(0.30mL、57mol)、続いて0.167Mの5-アリールニコチノイルクロリド懸濁液(0.48mL、80mol)を加えた。プレートは、ウェブシールマット(webseal mat)でシールし、超音波処理槽で1時間、超音波処理した。アンバーライトIRA-67(30mg、0.17mmol)を各ウェルに加え、プレートを再びシールし、超音波処理をさらに30分間継続した。96穴プレートの内容物を、ピペットを用いて96穴フィルタープレートに移し、濾過して第2の96穴深型ウェルプレート内へ入れた。1,4-ジオキサン(0.40mL)を、最初の96穴ウェルプレートの各ウェルに入れた(すすぐため)。これをピペットで吸引し、次いでフィルタープレートに移し、濾過して第2の96穴プレートへ入れた。Crist社の回転真空濃縮機によって第2の96穴プレートから揮発性物質を完全に除去し、次いで、各ウェルの残留物をCH2Cl2(0.50mL)中に再溶解させた。このCH2Cl2溶液を、シリカゲルを充填した(200mg/ウェル)第2のフィルタープレートに移し、濾過して第3の96穴深型プレート内へ入れた。10%メタノール/CH2Cl2溶液(0.50mL)を、第2のフィルタープレートの各ウェルに加え、濾過して第3の深型ウェルプレートに入れた。第3のプレートの内容物を、LC-MSによって分析し、続いて、Christ社の回転真空濃縮機を使用して真空下で濃縮した。
【0078】
5-アリールニコチンアミドのさらなる例を、それらの質量電荷比(m/z)の実験値とともに、表1に示す。
【0079】
【表1】





【0080】
[スクリーニング]
(JAK型チロシンキナーゼドメインの生成)
JAK型キナーゼドメインは、以下の方法で生成した。
【0081】
JAK1
ヒトJAK1のキナーゼドメインを、以下のプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応を行って、U937mRNAから増幅させた。
XHOI-J1 5'-CCG CTC GAG ACT GAA GTG GAC CCC ACA CAT-3'
J1-KPNI 5'-CGG GGT ACC TTA TTT TAA AAG TGC TTC AAA-3'
【0082】
JAK1のPCR生成物を、XhoI部位およびKpnI部位を媒介としてpFastBac HTb発現ベクター(Gibco社)にクローニングした。次いで、JAK1プラスミドをコンピテントなDH10Bac細胞(Gibco社)中に入れて形質転換し、生成した組換えバキュロウイルスを、Sf9昆虫細胞中にトランスフェクションするために調製した。
【0083】
JAK2
ヒトJAK2のキナーゼドメインを、以下のプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応を行って、U937mRNAから増幅させた。
SALI-jk2 5'-ACG CGT CGA CGG TGC CTT TGA AGA CCG GGA T-3'
Jk2-NOTI 5'-ATA GTT TAG CGG CCG CTC AGA ATG AAG GTC ATT T-3'
【0084】
JAK2のPCR生成物を、SalI部位およびNotI部位を媒介としてpFastBac HTc発現ベクター(Gibco社)にクローニングした。次いで、JAK2プラスミドをコンピテントなDH10Bac細胞(Gibco社)中に入れて形質転換し、生成した組換えバキュロウイルスをSf9昆虫細胞中にトランスフェクションするために調製した。
【0085】
JAK3
ヒトJAK3のキナーゼドメインを、以下のプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応を行って、U937mRNAから増幅させた。
XHOI-J3 5'-CCG CTC GAG TAT GCC TGC CAA GAC CCC ACG-3'
J3-KPNI 5'-CGG GGT ACC CTA TGA AAA GGA CAG GGA GTG-3'
【0086】
JAK3のPCR生成物を、XhoI部位およびKpnI部位を媒介としてpFastBac HTb発現ベクター(Gibco社)にクローニングした。次いで、JAK3のプラスミドをコンピテントなDH10Bac細胞(Gibco社)中に入れて形質転換し、生成した組換えバキュロウイルスをSf9昆虫細胞中にトランスフェクションするために調製した。
【0087】
TYK2
ヒトTYK2のキナーゼドメインを、以下のプライマーを用いたポリメラーゼ連鎖反応を行って、A549mRNAから増幅させた。
HT2EK 5'-GGA GCA CTC GAG ATG GTA GCA CAC AAC CAG GTG-3'
ITY2.2R 5'-GGA GCA GGA ATT CCG GCG CTC CCG GTC AAA TCT GG-3'
【0088】
TYK2のPCR生成物を、EcoRI部位を媒介としてpBlueBacHis2A(Invitrogen社)にクローニングした。生成した組換えTYK2バキュロウイルスをSf9昆虫細胞中にトランスフェクションするために調製した。
【0089】
(キナーゼドメインのラージスケール生産)
JAKファミリーの各メンバーに由来するバキュロウイルス調製物を、High Five無血清培地(Invitrogen社)中で、約1〜2×106細胞/mlの細胞密度まで増殖させた5リットルのHigh Five細胞(Invitrogen社)に感染させた。細胞を、MOI(感染多重度)0.8〜3.0で、ウイルスに感染させた。細胞を回収し分離させた。JAKキナーゼドメインを、プロボンド(Invitrogen社)のニッケルキレートアフィニティカラムを用いてアフィニティクロマトグラフィーによって精製した。
【0090】
(アッセイプロトコール)
キナーゼの検定は、captured-ELISA(抗原抗体反応に基づく酵素免疫検定法)で96穴プレートで、またはアルファスクリーン用の蛋白質チロシンキナーゼキットを使用して384穴Optiplate(Packard)で実施した。どちらの場合も、50Mm HEPES、pH7.5、10mM MgCl2、150mM NaCl、および10μM〜1mMのATPの存在下で、約1.5μgのアフィニティー精製したPTKドメインを使用した。ビオチン化基質のビオチン-EGPWLEEEEEAYGWMDF-NH2(最終濃度5μM)を基質として使用した。ELISA分析では、アビジンでコーティングしたELISAプレートに移した後、ペルオキシダーゼを結合させた抗ホスホチロシン抗体PY20を使用して、チロシンのリン酸化を定量した。アルファスクリーン分析では、弱い光の下で、アルファスクリーン用ホスホチロシンアクセプタービーズ、次いでストレプトアビジンドナービーズを加えた。ELISAプレートは、BMG Fluorostarで読み取り、アルファスクリーンプレートは、Packard Fusion Alphaで読み取った。阻害剤を、ATPを加える15分前に分析物に加えた。阻害剤は、DMSO水溶液に溶解して加え、DMSOの濃度は決して1%を超えないようにした。
【0091】
(結果)
化合物の活性範囲を表2に示す。10μMの濃度で酵素活性を50%以上阻害する阻害能を示した化合物(標準の条件下で測定、方法の項を参照のこと)を「+」として示す。試験していない化合物を「NT」とし、10μMで酵素活性を50%阻害しなかった化合物を「-」で示す。
【0092】
【表2】




























【0093】
個々の実施形態で示したように、概括的に記述した本発明の趣旨または範囲から逸脱せずに本発明の多くの変形および/または変更を加えることができることが、当業者には理解されよう。したがって、本明細書の実施形態は、すべての点において例示的で非限定的なものとみなすべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式:
【化1】

[式中、
Aは、O、S、NR1から選択される、R1はH、C1〜4アルキルから選択される;
Bは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、CN、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR2R3、Oアリール、Oヘタリール、CO2R2、CONR2R3、NR2R3、C1〜4アルキルNR2R3、NR4C1〜4アルキルNR2R3、NR2COR3、OC(O)NR2R3、NR4CONR2R3、NR2SO2R3からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリール、ヘタリールである;R2およびR3は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR5から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R4は、H、C1〜4アルキルから選択される;R5はH、C1〜4アルキルから選択される;
Qは、結合、またはC1〜4アルキルである;
Wは、H、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニルから選択される;ただし、C1〜4アルキルまたはC2〜6アルケニルは任意にC1〜4アルキル、OH、OC1〜4アルキル、NR6C(O)R7、CONR6R7、OR6、NR6R7で置換されてもよい;R6およびR7は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルシクロアルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR8から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい、R8は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Yは、H、あるいは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、CN、C2〜4アルキニル、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR9R10、Oアリール、Oヘタリール、CO2R9、CONR9R10、NR9R10、C1〜4アルキルNR9R10、NR11C1〜4アルキルNR9R10、NR9COR10、NR11CONR9R10、NR9SO2R10からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘタリールである;R9およびR10はそれぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR12から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R11はH、C1〜4アルキルから選択される;R12はH、C1〜4アルキルから選択される]
の化合物、または薬剤として許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形もしくはジアステレオマー。
【請求項2】
下記一般式II:
【化2】

[式中、
R1は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Bは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR2R3、Oアリール、Oヘタリール、CO2R2、CONR2R3、NR2R3、C1〜4アルキルNR2R3、NR4C1〜4アルキルNR2R3、NR2COR3、NR4CONR2R3、NR2SO2R3からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリール、ヘタリールである;R2およびR3は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR5から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R4は、H、C1〜4アルキルから選択される;R5は、H、C1〜4から選択される;
Qは、結合、またはC1〜4アルキルである;
Wは、H、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニルから選択される;ただし、C1〜4アルキルまたはC2〜6アルケニルは任意にC1〜4アルキル、OH、OC1〜4アルキル、NR6R7で置換されてもよい;R6およびR7は、それぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルシクロアルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR8から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R8は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Yは、H、あるいは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR9R10、Oアリール、Oヘタリール、CO2R9、CONR9R10、NR9R10、C1〜4アルキルNR9R10、NR11C1〜4アルキルNR9R10、NR9COR10、NR11CONR9R10、NR9SO2R10からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘタリールである;R9、R10は、それぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR12から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R11は、H、C1〜4アルキルから選択される;R12は、H、C1〜4アルキルから選択される]
の請求項1に記載の化合物、または薬剤として許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形もしくはジアステレオマー。
【請求項3】
前記化合物が、下記式:
【化3】





からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
担体および請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物のうちの少なくとも1つを含む組成物。
【請求項5】
担体および請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物のうちの少なくとも1つを含む組成物。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物のうちの少なくとも1種を治療有効量で、あるいは請求項5に記載の組成物を治療有効量で、投与することを含む、対象のチロシンキナーゼ関連疾患状態の治療方法。
【請求項7】
前記疾患状態が、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎(湿疹)、およびアレルギー性鼻炎などのアトピー;アレルギー性接触皮膚炎や過敏症性肺臓炎などの細胞媒介過敏症;全身性紅斑性狼瘡(SLE)、リウマチ様関節炎、若年性関節炎、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎などのリウマチ性疾患;I型糖尿病、自己免疫性甲状腺疾患、アルツハイマー病などの他の自己免疫疾患;エプスタインバーウイルス(EBV)、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV1、水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)、およびヒト乳頭腫ウイルス(HPV)などのウイルス性疾患;線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、ならびに網膜芽細胞腫、および、乳房、前立腺、腎臓、膀胱、または大腸組織から発症する癌などの癌;ならびに脂肪細胞腫瘍、例えば脂肪腫、線維脂肪腫、脂肪芽細胞腫、脂肪腫症、冬眠腺腫、血管腫および/または脂肪肉腫などの、脂肪組織で発生する新生物性疾患からなる群から選択される請求項6に記載の方法。
【請求項8】
チロシンキナーゼ関連疾患状態の治療のための医薬品の調製における、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物のうちの少なくとも1種の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式:
【化1】

[式中、
Aは、O、S、NR1から選択される、R1はH、C1〜4アルキルから選択される;
Bは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、CN、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR2R3、Oアリール、Oヘタリール、CO2R2、CONR2R3、NR2R3、C1〜4アルキルNR2R3、NR4C1〜4アルキルNR2R3、NR2COR3、OC(O)NR2R3、NR4CONR2R3、NR2SO2R3からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリール、ヘタリールである;R2およびR3は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR5から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R4は、H、C1〜4アルキルから選択される;R5はH、C1〜4アルキルから選択される;
Qは、結合、またはC1〜4アルキルである;
Wは、H、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニルから選択される;ただし、C1〜4アルキルまたはC2〜6アルケニルは任意にC1〜4アルキル、OH、OC1〜4アルキル、NR6C(O)R7、CONR6R7、OR6、NR6R7で置換されてもよい;R6およびR7は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルシクロアルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR8から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい、R8は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Yは、H、あるいは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、CN、C2〜4アルキニル、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR9R10、Oアリール、Oヘタリール、CO2R9、CONR9R10、NR9R10、C1〜4アルキルNR9R10、NR11C1〜4アルキルNR9R10、NR9COR10、NR11CONR9R10、NR9SO2R10からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘタリールである;R9およびR10はそれぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR12から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R11はH、C1〜4アルキルから選択される;R12はH、C1〜4アルキルから選択される]
の化合物、または薬剤として許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形もしくはジアステレオマー。
【請求項2】
下記一般式II:
【化2】

[式中、
R1は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Bは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR2R3、Oアリール、Oヘタリール、CO2R2、CONR2R3、NR2R3、C1〜4アルキルNR2R3、NR4C1〜4アルキルNR2R3、NR2COR3、NR4CONR2R3、NR2SO2R3からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリール、ヘタリールである;R2およびR3は、それぞれ独立にH、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR5から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R4は、H、C1〜4アルキルから選択される;R5は、H、C1〜4から選択される;
Qは、結合、またはC1〜4アルキルである;
Wは、H、C1〜4アルキル、C2〜6アルケニルから選択される;ただし、C1〜4アルキルまたはC2〜6アルケニルは任意にC1〜4アルキル、OH、OC1〜4アルキル、NR6R7で置換されてもよい;R6およびR7は、それぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルシクロアルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR8から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R8は、H、C1〜4アルキルから選択される;
Yは、H、あるいは、ハロゲン、C1〜4アルキル、CF3、アリール、ヘタリール、OH、OCF3、OC1〜4アルキル、OC2〜5アルキルNR9R10、Oアリール、Oヘタリール、CO2R9、CONR9R10、NR9R10、C1〜4アルキルNR9R10、NR11C1〜4アルキルNR9R10、NR9COR10、NR11CONR9R10、NR9SO2R10からそれぞれ独立に選択される0〜3個の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘタリールである;R9、R10は、それぞれ独立に、H、C1〜4アルキル、C1〜4アルキルヘテロシクリル、アリール、ヘタリール、C1〜4アルキルアリール、C1〜4アルキルヘタリールであり、あるいは、互いに結合して、O、S、NR12から選択される原子を任意に含む任意に置換された3〜8員環を形成してもよい;R11は、H、C1〜4アルキルから選択される;R12は、H、C1〜4アルキルから選択される]
の請求項1に記載の化合物、または薬剤として許容されるそのプロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、結晶形もしくはジアステレオマー。
【請求項3】
前記化合物が、下記式:
【化3】





からなる群から選択される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
担体および請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物のうちの少なくとも1つを含む組成物。
【請求項5】
チロシンキナーゼ関連疾患状態の治療のための医薬品の調製における、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物のうちの少なくとも1種または請求項4に記載の化合物の使用。
【請求項6】
前記疾患状態が、アレルギー性喘息、アトピー性皮膚炎(湿疹)、およびアレルギー性鼻炎などのアトピー;アレルギー性接触皮膚炎や過敏症性肺臓炎などの細胞媒介過敏症;全身性紅斑性狼瘡(SLE)、リウマチ様関節炎、若年性関節炎、シェーグレン症候群、強皮症、多発性筋炎、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎などのリウマチ性疾患;I型糖尿病、自己免疫性甲状腺疾患、アルツハイマー病などの他の自己免疫疾患;エプスタインバーウイルス(EBV)、B型肝炎、C型肝炎、HIV、HTLV1、水痘-帯状疱疹ウイルス(VZV)、およびヒト乳頭腫ウイルス(HPV)などのウイルス性疾患;線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨原性肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、脂腺癌、乳頭癌、乳頭状腺癌、嚢胞腺癌、髄様癌、気管支原性癌、腎細胞癌、肝細胞癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎生期癌、ウィルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星状細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣細胞腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、希突起神経膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽細胞腫、ならびに網膜芽細胞腫、および、乳房、前立腺、腎臓、膀胱、または大腸組織から発症する癌などの癌;ならびに脂肪細胞腫瘍、例えば脂肪腫、線維脂肪腫、脂肪芽細胞腫、脂肪腫症、冬眠腺腫、血管腫および/または脂肪肉腫などの、脂肪組織で発生する新生物性疾患からなる群から選択される請求項5に記載の使用。

【公表番号】特表2006−510737(P2006−510737A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502389(P2005−502389)
【出願日】平成15年12月15日(2003.12.15)
【国際出願番号】PCT/AU2003/001666
【国際公開番号】WO2004/054977
【国際公開日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【出願人】(504430433)サイトピア・リサーチ・ピーティーワイ・リミテッド (9)
【Fターム(参考)】