説明

ハイドロニューマチックサスペンション

【課題】 比較的簡便かつ安価な構成を採りながら、制御応答性や耐久性に優れたハイドロニューマチックサスペンションを提供する。
【解決手段】 アクティブサスペンションシステムは、車体側部材Cと車輪側部材Aとを接近または離反させる車高調整機構1と、ホイールWから車体側部材Cへの上下方向入力を緩衝する緩衝機構2とを有している。アクチュエータ31は、その上端が車体側部材Cに連結されたシリンダチューブ41や、シリンダチューブ41をHCFが貯留された車高調整液室42とMRFが貯留された緩衝液室43とに画成するフリーピストン44と、緩衝液室43を第1液室45と第2液室46とに画成するピストン47、ピストン47に形成されてMRFを第1液室45と第2液室46との間で流通させる流路48、ピストン47と車輪側部材Aとを連結するピストンロッド49を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブサスペンションシステム等に好適なハイドロニューマチックサスペンションに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車用のサスペンションとして、スカイフック理論に基づくアクティブサスペンションシステムの開発が進められている(例えば、特許文献1〜3参照)。アクティブサスペンションシステムでは、各車輪における車体−路面間の距離(以下、地上高と記す)やダンパの減衰力を路面状況や車両の運動状態等に応じてリアルタイムに制御するため、車体の姿勢変化が抑制されて良好な乗り心地が得られると同時に、タイヤの路面追従性が良好となることで操縦安定性や駆動/制動性も向上する。
【0003】
アクティブサスペンションシステムでは、各車輪の地上高制御等が容易であることから、ハイドロニューマチック方式を採用したものが一般的である。ハイドロニューマチック方式のアクティブサスペンションシステムは、サスペンションの変位や、車体の加速度(上下G、前後Gおよび横G)、車高等を検出する多数のセンサを始め、車体側部材と車輪側部材との間に介装される油圧アクチュエータ、油圧アクチュエータに接続されてばね/ダンパを構成する緩衝用アキュムレータ、油圧アクチュエータに圧油を供給する油圧ポンプ、油圧アクチュエータに対して圧油の給排を行う油圧バルブユニット等から構成されている。
【0004】
一方、減衰力可変式ダンパとしては、ロータリアクチュエータや電磁アクチュエータによってオリフィスの断面積を機械的に変化させるものが一般的であったが、作動流体として磁性流体を用い、ピストンに形成された流路を通過する磁性流体の粘度をコイルによって変化させるもの(特許文献4参照)が開発されている。この減衰力可変式ダンパによれば、精密な加工を要する減衰力可変機構が不要となって製造コストや構成部品点数の大幅な削減が可能となるだけでなく、磁性流体の粘度変化が極めて短時間(数ミリセカンド)で行われるために制御応答性も著しく向上する。なお、近年では、磁性流体に代えて、磁気粘性流体を用いた減衰力可変式ダンパの開発も進められている。
【特許文献1】特開2004−149046号公報
【特許文献2】特開平8−58342号公報
【特許文献3】特開平7−276950号公報
【特許文献4】特開昭60−113711号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者等が、製造コストの削減や制御応答性の向上等を図るべく、アクティブサスペンションシステムの作動油に磁気粘性流体を採用することを試みたところ、以下のような問題が生じることが判明した。すなわち、磁気粘性流体は鉱物油等に強磁性微粒子(フェライト等)を分散させたものであるため、アクティブサスペンションシステムの作動油に用いた場合、強磁性微粒子が油圧ポンプや油圧バルブユニット等の作動部材間に入り込んでこれらの摺動面等を徐々に摩耗させてしまう。その結果、長期間の運転が行われると、油圧ポンプの吐出圧の低下や、油圧バルブユニットの作動不良等が避けられず、アクティブサスペンションシステムの耐久性が低下するのである。
【0006】
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、比較的簡便かつ安価な構成を採りながら、制御応答性や耐久性に優れたハイドロニューマチックサスペンションを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明に係るハイドロニューマチックサスペンションは、車体側部材と車輪側部材とのどちらか一方に連結されたシリンダチューブ、当該シリンダチューブを車高調整用流体が貯留された車高調整液室と緩衝用流体が貯留された緩衝液室とに画成するフリーピストン、前記緩衝液室を第1液室と第2液室とに画成するピストン、当該ピストンと当該シリンダチューブとの少なくとも一方に形成されて前記緩衝用流体を当該第1液室と当該第2液室との間で移動させる流路、および当該車体側部材と当該車輪側部材とのどちらか他方を当該ピストンに連結するピストンロッドを有し、当該車高調整液室に車高調整用流体が給排されることによって当該車体側部材と当該車輪側部材とを接近または離反させるアクチュエータと、前記緩衝液室に連通路を介して接続された圧液室と、当該圧液室と隔壁によって区画された加圧ガス室とを有する緩衝用アキュムレータと、前記車高調整液室に前記車高調整用流体を供給する車高調整用流体供給手段とを備えたハイドロニューマチックサスペンションであって、前記緩衝用流体が磁気粘性流体であり、前記流路と前記連通路との少なくとも一方を通過する前記磁気粘性流体に対して磁界を印可する磁界印可手段が設けられたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2の発明に係るハイドロニューマチックサスペンションは、請求項1に記載のハイドロニューマチックサスペンションにおいて、前記車体側部材と前記車輪側部材との間に介装され、当該車体側部材と当該車輪側部材とを離反させる弾性部材を更に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のハイドロニューマチックサスペンションによれば、車高調整機構がフリーピストンによって緩衝機構から隔離されるため、緩衝機構の作動流体として磁気粘性流体を用いても、油圧ポンプや油圧バルブユニット等の摩耗や損傷が起こらなくなる。また、請求項2のハイドロニューマチックサスペンションによれば、例えば弾性部材によって車重を負担させることにより、作動液供給手段の駆動力が小さくなってエネルギー損失の低減等が図れるとともに、緩衝用アキュムレータにも比較的小さいものを採用できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を4輪自動車用のアクティブサスペンションシステムに適用した一実施形態と、その一部変形例とを詳細に説明する。
図1は実施形態に係るアクティブサスペンションシステムの模式的構成図であり、図2は減衰力制御用MLV(Magnetizable Liquid Valve)の概略構造図である。また、図3は実施形態の第1変形例に係るアクティブサスペンションシステムの要部構成図であり、図4は実施形態の第2変形例に係るアクティブサスペンションシステムの要部構成図である。
【0011】
〔実施形態〕
本実施形態のアクティブサスペンションシステムは、車高調整用流体として比較的低粘度の鉱物油であるHCF(Height Control Fluid:車高調整油)を用い、緩衝用流体としてMRF(Magneto-Rheological Fluid:磁気粘性流体)を用いている。本実施形態のMRFは、分散媒である鉱物油中に真球状で微細(直径10μm程度)な強磁性微粒子を分散させたものであり、外部から磁界が印可されることにより強磁性微粒子が凝集して鎖状のクラスタを形成し、これにより見かけ上の粘度(以下、単に粘度と記す)が上昇する。
【0012】
《実施形態の構成》
図1に示すように、本実施形態のアクティブサスペンションシステムは、車体側部材(ホイールハウスアッパ等)Cと車輪側部材(サスペンションアームやナックル等)Aとを接近または離反させる車高調整機構1と、ホイールW(車輪側部材A)から車体側部材
Cへの上下方向入力を緩衝する緩衝機構2と、車高調整機構1および緩衝機構2の駆動制御を行うECU3とから構成されている。なお、緩衝機構2は、各ホイールWごとに同一構成のものがそれぞれ設けられているが、説明が煩雑になることを避けるため、図1には1つのホイールWに対するもののみを示す。
【0013】
<車高調整機構>
車高調整機構1は、HCFを貯留するオイルパン11や、サクションパイプ12を介してオイルパン11内のHCFを吸い込んでフィードパイプ13に吐出するエンジン駆動のオイルポンプ14、フィードパイプ13の管路に設けられた調圧用アキュムレータ15、フィードパイプ13からHCFの供給を受ける油圧バルブユニット16、油圧バルブユニット16を後述するアクチュエータ31の上部に接続させるコネクトパイプ17、油圧バルブユニット16からオイルパン11にHCFを還流させるリターンパイプ18等から構成されている。
【0014】
油圧バルブユニット16は、多数の電磁比例圧力制御弁等から構成されており、前述したECU3によって駆動制御される。また、フィードパイプ13とリターンパイプ18とはリリーフパイプ19により連結されており、フィードパイプ13の内圧が設定値以上となるとリリーフパイプ19の管路に設けられたリリーフバルブ20が開弁し、フィードパイプ13からリターンパイプ18に余剰なHCFが排出される。そして、調圧用アキュムレータ15からフィードパイプ13側へのHCFの逆流を防止すべく、フィードパイプ13の管路にはチェックバルブ21が設けられている。
【0015】
<緩衝機構>
緩衝機構2は、車体側部材Cと車輪側部材Aとの間に介装されたアクチュエータ31と、アクチュエータ31の下部に連通パイプ32を介して接続された緩衝用アキュムレータ33とから構成されている。
【0016】
(アクチュエータ)
アクチュエータ31は、その上端が車体側部材Cに連結されたシリンダチューブ41や、シリンダチューブ41をHCFが貯留された車高調整液室42とMRFが貯留された緩衝液室43とに画成するフリーピストン44と、緩衝液室43を第1液室45と第2液室46とに画成するピストン47、ピストン47に形成されてMRFを第1液室45と第2液室46との間で流通させる流路48、ピストン47と車輪側部材Aとを連結するピストンロッド49を備えている。なお、前述した車高調整機構1のコネクトパイプ17は、車高調整液室42に接続している。
【0017】
(緩衝用アキュムレータ)
緩衝用アキュムレータ33は、ブラダ(弾性隔壁)51によって金属ケース52の内部を加圧ガス室53と作動液室54とに区画したブラダ型である。加圧ガス室53には高圧窒素ガスが充填される一方、ブラダ51を介して加圧された作動液室54にはMRFが充填されている。作動液室54とアクチュエータ31の第2液室46とは前述した連通パイプ32を介して接続されているため、車輪側部材Aの上下動によってピストンロッド49のシリンダチューブ41内への進入量が変化すると、MRFが作動液室54と第2液室46との間を移動する。また、連通パイプ32の管路には減衰力制御用MLV55が設けられており、この減衰力制御用MLV55によって連通パイプ32を通過するMRFの流量が制御される。
【0018】
(減衰力制御用MLV)
図2に示すように、減衰力制御用MLV55は、連通孔(連通路)56と、連通孔56を囲繞するコイル57とを備えている。減衰力制御用MLV55では、ECU3からコイル57に電流が供給されると、連通孔56を流通するMRFにコイル57から磁界が印可される。
【0019】
≪実施形態の作用≫
自動車のエンジンが始動されると、オイルパン11内のHCFは、サクションパイプ12からオイルポンプ14に吸い込まれて昇圧された後、フィードパイプ13を介して油圧バルブユニット16に圧送される。この際、エンジン回転速度(すなわち、オイルポンプ14の回転速度)に応じてフィードパイプ13の内圧が変動するが、その圧力変動は調圧用アキュムレータ15によって吸収される。また、エンジン回転速度が高くなる急加速走行時等には、フィードパイプ13の内圧が設定値を超えてリリーフバルブ20が開弁し、フィードパイプ13からリターンパイプ18に余剰なMRFが排出される。
【0020】
油圧バルブユニット16からアクチュエータ31の車高調整液室42に所定量のHCFが供給されると、車高調整液室42の容積の増大に伴ってフリーピストン44が図1中で下方に移動し(緩衝液室43の容積が減少し)、緩衝液室43の内圧Pが増加する。すると、アクチュエータ33では、緩衝液室43の内圧をP、ピストン47における第1液室45側の受圧面積をS1、第2液室46側の受圧面積をS2とすると、ピストン47に次式で示す押下げ力Fが発生する。
F=Px(S1−S2)
その結果、ピストン47(すなわち、ピストンロッド49)は、路面からの入力と押下げ力Fとが釣り合う位置に移動し、所定の地上高が確保される。
【0021】
<車高制御>
ECU3は、路面状況や車両の運動状態によって車両の挙動変化を検知あるいは予測すると、その挙動変化に対応すべく、各ホイールWにおける目標地上高を算出して油圧バルブユニット16に供給する制御電流を増減させる。すると、油圧バルブユニット16は、ECU3からの制御電流に応じて、アクチュエータ31の車高調整液室42へのHCFの供給や、車高調整液室42からのHCFの排出を行う。車高調整液室42にHCFが供給された場合、フリーピストン44が図1中で下方に移動し、緩衝液室43では容積の減少に伴ってその内圧Pが増大し、押下げ力Fが増加することで車体側部材Cと車輪側部材A(すなわち、ホイールW)との距離が増大する。また、車高調整液室42から油圧バルブユニット16側にHCFが排出されると、フリーピストン44が図1中で上方に移動し、緩衝液室43では容積の増大に伴ってその内圧Pが減少し、押下げ力Fが減少することで車体側部材Cと車輪側部材Aとの距離が逆に減少する。車高調整機構1は、鉱物油であるHCFを作動流体として用いているため、長期間の運転が行われてもオイルポンプ14や油圧バルブユニット16の作動部材の摩耗が殆ど起こらない。
【0022】
<減衰力制御>
また、ECU3は、車両の挙動変化を検知あるいは予測すると、これらの挙動変化に対応すべく、各車輪の目標減衰力を新たに算出して減衰力制御用MLV55に供給する電流も増減させる。減衰力制御用MLV55では、ECU3からの制御電流がコイル57に供給されると、図2に示すように、MRF中の強磁性微粒子59が磁界の方向に所定の凝集度をもって瞬時に凝集して鎖状のクラスタを形成し、連通孔56内を流通するMRFの流動抵抗(すなわち、減衰力)が非常に高い制御応答性をもって変化する。例えば、路面の凹凸やうねり等によって車輪側部材A(すなわち、ホイールW)が上下動すると、MRFがアクチュエータ31と緩衝用アキュムレータ33との間を移動して緩衝(車体への衝撃入力の緩和)が行われるが、バウンド時に減衰力制御用MLV55の連通孔56内でのMRFの流動抵抗を増大させることによって車体振動が効果的に減衰される。
【0023】
本実施形態では、このように、HCFを作動流体とする車高調整機構1とMRFを作動流体とする緩衝機構2とをアクチュエータ31内のフリーピストン44で区画するようにしたため、高い耐久性を確保しながら、製造コストの低減や減衰力制御の応答性向上等を実現することができた。
【0024】
〔第1変形例〕
図3に示すように、第1変形例のアクティブサスペンションシステムは、上述した実施形態と略同様の構成を採っているが、減衰力制御用MLV55がピストン47に内装されている。本実施形態では、ECU3から減衰力制御用MLV55に制御電流が供給されると、流路48内を流通するMRFの粘度が瞬時に変化し、ピストン47の上下動に伴うMRFの第1液室45と第2液室46との間での流動抵抗(すなわち、減衰力)を非常に高い制御応答性をもって制御することができる。
【0025】
〔第2変形例〕
図4に示すように、第2変形例のアクティブサスペンションシステムも、上述した実施形態と略同様の構成を採っているが、アクチュエータ31と車輪側部材Aとの間に圧縮コイルスプリング(弾性部材)61が付加されている。圧縮コイルスプリング61は車体の空車重量(いわゆる、1G)を支持するもので、エンジン(すなわち、オイルポンプ14)の停止時においても自動車の地上高が所定の値に維持される。第2変形例では、このような構造としたため、オイルポンプ14やアクチュエータ31、緩衝用アキュムレータ33に吐出圧や体格の小さいものが採用でき、エンジンの動力損失や装置重量等を軽減することができた。また、エンジンの停止後に車高が低下することがないため、路面に段差がある場所での駐車等も容易となる。
【0026】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態は4輪自動車のアクティブサスペンションシステムに本発明を適用したものであるが、2輪車や6輪以上の貨物車等にも適用できるし、通常のハイドロニューマチックサスペンション等にも適用できる。また、上記実施形態では緩衝用アキュムレータとしてプラダ型を採用したが、ピストン型やダイヤフラム型等も採用可能である。また、上記実施形態のアクチュエータではピストン側に連通孔を設け、更に第1変形例ではピストン側に減衰力制御用MLVを設けたが、これらの一方あるいは双方をシリンダチューブ側に設けるようにしてもよい。また、上記実施形態では作動液供給手段としてエンジン駆動のオイルポンプを用いたが、電動のオイルポンプを用いてもよく、その場合には調圧用アキュムレータを省略することが可能である。また、上記実施形態ではシリンダチューブの下方にピストンロッドが位置するアクチュエータを採用したが、シリンダチューブの上方にピストンロッドが位置するものを採用してもよい。その他、アクティブサスペンションシステムの具体的構成等についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態に係るアクティブサスペンションシステムの模式的構成図である。
【図2】減衰力制御用MLVの概略構造図である。
【図3】第1変形例に係るアクティブサスペンションシステムの要部構成図である。
【図4】第2変形例に係るアクティブサスペンションシステムの要部構成図である。
【符号の説明】
【0028】
1 車高調整機構
2 緩衝機構
3 ECU
4 オイルポンプ(車高調整用流体供給手段)
16 油圧バルブユニット(車高調整用流体供給手段)
31 アクチュエータ
32 連通パイプ(連通路)
33 緩衝用アキュムレータ
41 シリンダチューブ
42 車高調整液室
43 緩衝液室
44 フリーピストン
45 第1液室
46 第2液室
47 ピストン
48 流路
49 ピストンロッド
51 ブラダ(隔壁)
53 加圧ガス室
54 作動液室
55 減衰力制御用MLV(磁界印可手段)
61 圧縮コイルスプリング(弾性部材)
A 車輪側部材
C 車体側部材
W ホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側部材と車輪側部材とのどちらか一方に連結されたシリンダチューブ、当該シリンダチューブを車高調整用流体が貯留された車高調整液室と緩衝用流体が貯留された緩衝液室とに画成するフリーピストン、前記緩衝液室を第1液室と第2液室とに画成するピストン、当該ピストンと当該シリンダチューブとの少なくとも一方に形成されて前記緩衝用流体を当該第1液室と当該第2液室との間で移動させる流路、および当該車体側部材と当該車輪側部材とのどちらか他方を当該ピストンに連結するピストンロッドを有し、当該車高調整液室に車高調整用流体が給排されることによって当該車体側部材と当該車輪側部材とを接近または離反させるアクチュエータと、
前記緩衝液室に連通路を介して接続された圧液室と、当該圧液室と隔壁によって区画された加圧ガス室とを有する緩衝用アキュムレータと、
前記車高調整液室に前記車高調整用流体を供給する車高調整用流体供給手段と
を備えたハイドロニューマチックサスペンションであって、
前記緩衝用流体が磁気粘性流体であり、
前記流路と前記連通路との少なくとも一方を通過する前記磁気粘性流体に対して磁界を印可する磁界印可手段が設けられたことを特徴とするハイドロニューマチックサスペンション。
【請求項2】
前記車体側部材と前記車輪側部材との間に介装され、当該車体側部材と当該車輪側部材とを離反させる弾性部材を更に備えたことを特徴とする、請求項1に記載のハイドロニューマチックサスペンション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−153173(P2007−153173A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−352320(P2005−352320)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】