説明

ハイブリッド車両の変速機

【課題】 ハイブリッド車両がエンジンの駆動力のみによって走行している場合に、車両の駆動力の減少を抑制可能な変速機を提供する。
【解決手段】 変速機は、モータMG1の駆動力及びエンジンENGの駆動力が入力される第1入力軸11及び第2入力軸12と、モータMG1の駆動力を第2入力軸12に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第3クラッチC3と、モータMG1の駆動力を第1入力軸11に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第4クラッチC4とを備える。エンジンENGの駆動力による走行中に、第3クラッチC3及び第4クラッチC4を非伝達状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関及び電動機を備えたハイブリッド車両の変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、内燃機関(エンジン)と電動機(モータ)とを駆動源とするハイブリッド車両のデュアルクラッチ式変速機を含む駆動装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
この駆動装置は、エンジンの駆動力が第1クラッチを介して入力される第1出力軸と、第2クラッチを介して入力される第2出力軸とを備え、モータが第2出力軸に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−123773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、第2クラッチを締結して、モータが接続されている第2出力軸にエンジンの駆動力を伝達して走行するときには、第2出力軸を介してモータが回転させられる。従って、モータによる回転抵抗力が発生し、車両の駆動力は、エンジンの駆動力からこの回転抵抗力分減少する。
【0006】
そこで、本発明では、ハイブリッド車両がエンジンの駆動力のみによって走行している場合に、車両の駆動力の減少を抑制可能な変速機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、内燃機関と電動機とを駆動源とするハイブリッド車両の変速機であって、
前記電動機の駆動力及び前記内燃機関の駆動力が入力される第1入力軸と、
前記電動機の駆動力及び前記内燃機関の駆動力が入力される第2入力軸と、
前記内燃機関の駆動力を前記第1入力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第1クラッチと、
前記内燃機関の駆動力を前記第2入力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第2クラッチと、
前記電動機の駆動力を前記第2入力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第3クラッチと、
前記電動機の駆動力を前記第1入力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第4クラッチと、
前記第1入力軸又は前記第2入力軸に入力された駆動力を変速するための複数の駆動ギアと、
前記複数の駆動ギアと噛合する複数の従動ギアと、
前記駆動ギア及び前記従動ギアを介して変速された駆動力を出力する出力軸と、
前記第1入力軸又は前記第2入力軸に入力された駆動力を前記駆動ギア及び前記従動ギアを介して前記出力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切替可能な断接手段とを備え、
前記複数の駆動ギアは、前記従動ギアと噛合うことで決定される変速比の大きさの順に、前記第1入力軸と前記第2入力軸とに交互に配置されることを特徴とする(第1発明)。
【0008】
本発明の変速機によれば、第3クラッチ及び第4クラッチを非伝達状態にすると、電動機が第1入力軸及び第2入力軸から切り離される。従って、第1クラッチ又は第2クラッチを伝達状態にして内燃機関の駆動力で走行するときは、第3クラッチ及び第4クラッチを非伝達状態にすると、内燃機関の駆動力は電動機に伝達されず、従来のように内燃機関の駆動力で電動機が回転することがなくなる。よって、内燃機関の駆動力による走行中に、車両の駆動力の低下が抑えられる。
【0009】
また、本発明によれば、第1クラッチ及び第3クラッチを伝達状態にし、且つ第2クラッチ及び第4クラッチを非伝達状態にすることで、内燃機関の駆動力は第1入力軸に、電動機の駆動力は第2入力軸にそれぞれ伝達可能となる。このとき、第1入力軸に配置された駆動ギア及びこの駆動ギアに噛合う従動ギアによって、内燃機関の駆動力を変速して出力軸に伝達し、且つ、第2入力軸に配置された駆動ギア及びこの駆動ギアに噛合う従動ギアによって、電動機の駆動力を変速して出力軸に伝達可能な状態となる。
【0010】
あるいは、第2クラッチ及び第4クラッチを伝達状態にし、且つ第1クラッチ及び第3クラッチを非伝達状態にすることで、内燃機関の駆動力は第2入力軸に、電動機の駆動力は第1入力軸にそれぞれ伝達可能となる。このとき、第1入力軸に配置された駆動ギア及びこの駆動ギアに噛合う従動ギアによって、電動機の駆動力を変速して出力軸に伝達し、且つ、第2入力軸に配置された駆動ギア及びこの駆動ギアに噛合う従動ギアによって、内燃機関の駆動力を変速して出力軸に伝達可能な状態となる。
【0011】
本発明によれば、駆動ギアと従動ギアとが噛合うことで決定される変速比の大きさの順に、第1入力軸と第2入力軸とに交互に駆動ギアが配置されるため、第1入力軸の駆動ギア及びこの駆動ギアに噛合う従動ギアによる変速比と、第2入力軸の駆動ギア及びこの駆動ギアに噛合う従動ギアによる変速比とは異なる。
【0012】
従って、上記2つの伝達可能状態のいずれでも、内燃機関の駆動力と電動機の駆動力とを異なる変速比で変速して出力できるため、内燃機関の駆動力出力効率が最大になる変速比と電動機の駆動力出力効率が最大になる変速比とを選択することにより、車両を高い効率で走行させることができる。
【0013】
上記第1発明において、前記内燃機関の出力軸に接続される前記電動機とは別の電動機を備え、前記別の電動機は、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチと前記内燃機関との間に設けられることが好ましい(第2発明)。
【0014】
これによれば、内燃機関の出力軸に別の電動機が接続されているため、この別の電動機を駆動することによって内燃機関の出力軸の回転数を制御できる。
【0015】
従って、第1クラッチを伝達状態にするときに、内燃機関の出力軸の回転数を第1入力軸の回転数に合わせることができるため、第1クラッチの摩耗を抑制できる。また、第2クラッチを伝達状態にするときに、内燃機関の出力軸の回転数を第2入力軸の回転数に合わせることができるため、第2クラッチの摩耗を抑制できる。
【0016】
更に、断接手段を伝達状態にするときに、内燃機関の出力軸の回転数を第1入力軸又は第2入力軸の回転数に合わせることができるため、断接手段の摩耗を抑制できる。また、断接手段として、摩擦によって回転数を合わせる同期機構(いわゆる、シンクロ機構)を搭載する必要がなくなる。
【0017】
また、第3クラッチ又は第4クラッチを伝達状態にして、電動機の駆動力で走行しているときに、第1クラッチ及び第2クラッチを非伝達状態にして、内燃機関を駆動させることで、走行に影響を与えることなく別の電動機を回生発電させることができる。
【0018】
また、別の電動機を駆動することにより、内燃機関を回転させて点火することで内燃機関を始動することができる。従って、内燃機関の始動専用のスタータモータの搭載が不要となる。
【0019】
上記第1発明又は第2発明において、前記出力軸は、前記第1入力軸の駆動ギアに噛合う前記従動ギアを備える第1出力軸と、前記第2入力軸の駆動ギアに噛合う前記従動ギアを備える第2出力軸とによって構成されることが好ましい(第3発明)。
【0020】
これによれば、第1出力軸及び第2出力軸の2つの出力軸で構成しているため、1つの出力軸の従動ギアの数を減らすことができる。
【0021】
第1入力軸、第2入力軸及び出力軸の配置は、駆動ギア及び従動ギアによる変速比を決定する要素(歯数や大きさなど)に応じて決定する必要がある。出力軸の従動ギアの数が増加すると、各軸の距離などの構造上の理由により希望する変速比に設定できない可能性が高くなる。
【0022】
従って、出力軸を2つ設けることで、1つの出力軸に備える従動ギアを減らし、各変速段の変速比の設定自由度を高くできる。
【0023】
上記第1発明から第3発明のいずれかにおいて、前記第3クラッチ及び前記第4クラッチは、前記駆動源としての電動機の内側に設けられることが好ましい(第4発明)。
【0024】
これによれば、第3クラッチ及び第4クラッチを電動機の内側に設けることで、第1入力軸や第2入力軸の軸方向の長さを短縮することができる。
【0025】
上記第2発明において、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチは、前記別の電動機の内側に設けられることが好ましい(第5発明)。
【0026】
これによれば、第1クラッチ及び第2クラッチを別の電動機の内側に設けることで、第1入力軸や第2入力軸の軸方向の長さを短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明におけるハイブリッド車両の変速機の概略構成を示す図。
【図2】図1の変速機において、ENG走行時又はEV走行時の各変速段を確立するときの、クラッチC1、C2、C3及びC4と噛合機構SM1及びSM2の状態を示す図。
【図3】図1の変速機において、HEV走行時の各変速段を確立するときの、クラッチC1、C2、C3及びC4と噛合機構SM1及びSM2の状態を示す図。
【図4】図1の変速機において、HEV走行時のエンジンENG(1速段)とモータMG1(1速段)の駆動力の伝達経路を示す図。
【図5】図1の変速機において、HEV走行時のエンジンENG(1速段)とモータMG1(2速段)の駆動力の伝達経路を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の変速機の概略構成を示す図である。
【0029】
本実施形態のハイブリッド車両は、駆動源としてエンジンからなる内燃機関ENGと、電動機(モータ)MG1とを備える。モータMG1は、ステータMG1aとロータMG1bとを備える。モータMG1の電源であるバッテリBATTから電力を供給されて駆動すると共に、モータMG1を回生発電することでバッテリBATTを充電可能である。
【0030】
変速機は、第1入力軸11及び第2入力軸12の2つの入力軸と、第1出力軸21及び第2出力軸22の2つの出力軸と、ファイナルディファレンシャルギアGFを介して駆動輪としての左右の前輪に動力を出力する出力ギアからなる出力部23と、変速比の異なる複数のギア列G1〜G4とを備える。第1入力軸11はエンジンENGの出力軸と同一軸線上に配置され、第1出力軸21及び第2出力軸22は、第1入力軸11に平行に配置されている。
【0031】
第1入力軸11には、変速比順位で奇数番目の各変速段を確立する奇数番ギア列G1、G3の駆動ギアG1a、G3aが固定される。第2入力軸12には、変速比順位で偶数番目の変速段を確立する偶数番ギア列G2、G4の駆動ギアG2a、G4aが固定される。すなわち、各変速段の駆動ギアは、駆動ギアと従動ギアとが噛合うことで決定される変速比の大きさ順に、第1入力軸11と第2入力軸とに交互に配置されている。
【0032】
第1出力軸21には、駆動ギアG1a、G3aと噛合する従動ギアG1b、G3bが回転可能に軸支される。第2出力軸22には、駆動ギアG2a、G4aと噛合する従動ギアG2b、G4bが回転可能に軸支される。また、第1出力軸21に固定された第1出力ギアGo1と第2出力軸22に固定された第2出力ギアGo2とが出力部23のファイナルディファレンシャルギアGFと噛合する。
【0033】
第1入力軸11は、第1クラッチC1を介してエンジンENGの駆動力が入力されると共に、第4クラッチC4を介してモータMG1の駆動力が入力される。第2入力軸12は、第2クラッチC2を介してエンジンENGの駆動力が入力されると共に、第3クラッチC3を介してモータMG1の駆動力が入力される。
【0034】
第1クラッチC1、第2クラッチC2、第3クラッチC3、及び第4クラッチC4は、油圧作動型の乾式摩擦クラッチ又は湿式摩擦クラッチで構成される。
【0035】
第1クラッチC1は、エンジンENGの駆動力を第1入力軸11に伝達度合いを変化させて伝達することができる伝達状態と、この伝達を断つ非伝達状態とに切替可能に構成されている。第2クラッチC2は、エンジンENGの駆動力を第2入力軸12に伝達度合いを変化させて伝達することができる伝達状態と、この伝達を断つ非伝達状態とに切替可能に構成されている。
【0036】
第3クラッチC3は、モータMG1の駆動力を第2入力軸12に伝達度合いを変化させて伝達することができる伝達状態と、この伝達を断つ非伝達状態とに切替可能に構成されている。第4クラッチC4は、モータMG1の駆動力を第1入力軸11に伝達度合いを変化させて伝達することができる伝達状態と、この伝達を断つ非伝達状態とに切替可能に構成されている。
【0037】
また、駆動源としてのモータMG1とは別にモータMG2を備える。モータMG2は、ステータMG2aとロータMG2bとを備える。
【0038】
モータMG2はエンジンENGの回転数を制御可能に接続されており、第1クラッチC1及び第2クラッチC2とエンジンENGとの間に構成される。モータMG2は、エンジンENGの駆動力によって、モータMG2の電源であるバッテリBATTへの回生発電が可能である。このバッテリBATTはモータMG1の電源と共用している。
【0039】
また、モータMG2を駆動し、エンジンENGを回転させて点火することで、エンジンENGを始動できる。従って、エンジン始動用の専用のスタータモータを搭載する必要がなく、車両の軽量化、コストダウンを実現できる。
【0040】
モータMG2が、第2発明における別の電動機に相当する。
【0041】
第1クラッチC1及び第2クラッチC2は、モータMG2の内側に配置されている(第5発明に相当)。また、第3クラッチC3及び第4クラッチC4は、モータMG1の内側に配置されている(第4発明に相当)。これによって、変速機の軸長の短縮化を図ることができる。なお、本実施形態では、軸長の短縮化を図るためにクラッチC1〜C4を、モータMG1、MG2の内側に配置しているが、軸長の短縮化が必要ない場合には、内側に配置しなくてもよい。
【0042】
第1出力軸21には、シンクロメッシュ機構で構成され、1速従動ギアG1bと第1出力軸21とを連結(伝達状態)した1速側連結状態、3速従動ギアG3bと第1出力軸21とを連結(伝達状態)した3速側連結状態、1速従動ギアG1b及び3速従動ギアG3bと第1出力軸21との連結を断つ(非伝達状態)ニュートラル状態の何れかの状態に切換選択可能な第1断接手段である第1噛合機構SM1が設けられている。
【0043】
第2出力軸22には、シンクロメッシュ機構で構成され、2速従動ギアG2bと第2出力軸22とを連結(伝達状態)した2速側連結状態、4速従動ギアG4bと第2出力軸22とを連結(伝達状態)した4速側連結状態、2速従動ギアG2b及び4速従動ギアG4bと第2出力軸22との連結を断つ(非伝達状態)ニュートラル状態の何れかの状態に切換選択可能な第2断接手段である第2噛合機構SM2が設けられている。
【0044】
第1噛合機構SM1及び第2噛合機構SM2が本発明における断接手段に相当する。
【0045】
上述のように、本実施形態では、第1出力軸21及び第2出力軸22の2つの出力軸を設けている(第3発明の出力軸の構成に相当)。出力軸が1つのみの場合には、駆動ギア及び従動ギアによって確立される変速段の変速比を決定する要素(ギアの歯数や大きさ)について、全ての変速段を考慮した上で、入力軸及び出力軸の配置を決定する必要がある。出力軸の従動ギアの数が増加すると、各軸の距離などの構造上の理由により希望する変速比に設定できない可能性が増加する。
【0046】
そこで、出力軸を2つ設けることで、1つの出力軸に配置する変速段を分散させる。こうすることで、1つの出力軸の変速段が減り、各変速段の変速比の設定自由度が高くなる。
【0047】
従って、出力軸を2つ設けることで、変速機を搭載する車両のコンセプト(例えば、燃費優先、走行性重視など)に合う変速比に対する設定自由度を高めることができる。
【0048】
本実施形態の変速機を備えた車両は、エンジンENGのみの駆動力によるENG走行、モータMG1を駆動させて、エンジンENGの駆動力を補助するHEV(Hybrid Electric Vehicle)走行、モータMG1のみの駆動力で走行するEV(Electric Vehicle)走行を行なうことができる。また、ENG走行時に、モータMG1を回生させて、モータMG1の蓄電池を充電することもできる。
【0049】
これらの走行の切り替えは、モータMG1の蓄電池の蓄電量や車両の走行速度に応じて、車両に搭載されたECU(Electronic Control Unit。図示省略)によって制御される。このECUは走行の切り替えのみではなく変速機の変速段の切り替えも行なう。
【0050】
上記のように構成された変速機の作動について図2及び図3を参照しながら説明する。
【0051】
図2は、ENG走行及びEV走行によって各変速段を確立するときの、クラッチC1〜C4及び噛合機構SM1、SM2の状態を示す。また、図3は、HEV走行によって各変速段を確立するときの、クラッチC1〜C4及び第1噛合機構SM1、SM2の状態を示す。クラッチC1〜C4の列は、「○」が伝達状態になっているクラッチを表し、噛合機構SM1、SM2の列は、第1出力軸21又は第2出力軸22に連結される従動ギア(G1b、G2b、G3b、G4b)が記載されている。
【0052】
また、1stは1速段、2ndは2速段、3rdは3速段、4thは4速段を表す。「N」は変速段が確立されていないニュートラル状態を表し、ENG走行時のモータMG1及びEV走行時のエンジンENGは、駆動力を出力しないためNとしている。
【0053】
ENG走行の1速段を確立する場合には、図2に示されるように、第1噛合機構SM1を1速従動ギアG1bと第1出力軸21とを連結させた1速側連結状態とし、第1クラッチC1を伝達状態とする。エンジンENGの駆動力が、第1クラッチC1、第1入力軸11、1速ギア列G1、第1出力軸21、第1出力ギアGo1、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0054】
EV走行の1速段を確立する場合には、図2に示されるように、ENG走行の1速段を確立する場合に比べて、第1クラッチC1ではなく第4クラッチC4を伝達状態とする。モータMG1の駆動力が、第4クラッチC4、第1入力軸11、1速ギア列G1、第1出力軸21、第1出力ギアGo1、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0055】
1速段によるHEV走行をする場合又は減速回生をする場合には、図3に示されるように、第1噛合機構SM1を1速従動ギアG1bと第1出力軸21とを連結させた1速側連結状態とし、第1クラッチC1及び第4クラッチC4を伝達状態とする。このとき、モータMG1から駆動力を伝達させればHEV走行を行なうことができ、図4に示されるように、エンジンENGの駆動力の伝達経路はENG走行時と同じく、第1クラッチC1、第1入力軸11、1速ギア列G1、第1出力軸21、第1出力ギアGo1、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力され、モータMG1の駆動力の伝達経路はEV走行時と同じく、第4クラッチC4、第1入力軸11、1速ギア列G1、第1出力軸21、第1出力ギアGo1、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。また、モータMGによりブレーキをかければ減速回生を行なうことができる。
【0056】
1速段において、ECUがアップシフトを予測している場合には、第2噛合機構SM2を2速従動ギアG2bと第2出力軸22とを連結させた2速側連結状態としたプレシフト状態とする。これにより、アップシフトを、第2クラッチC2又は第3クラッチC3を伝達状態とし、第1クラッチC1又は第4クラッチC4を非伝達状態とするだけで行なうことができ、変速段の切り換えを駆動力が途切れることなくスムーズに行うことができる。
【0057】
ENG走行の2速段を確立する場合には、図2に示されるように、第2噛合機構SM2を2速従動ギアG2bと第2出力軸22とを連結させた2速側連結状態とし、第2クラッチC2を伝達状態とする。エンジンENGの駆動力が、第2クラッチC2、第2入力軸12、2速ギア列G2、第2出力軸22、第2出力ギアGo2、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0058】
EV走行の2速段を確立する場合には、図2に示されるように、ENG走行の2速段を確立する場合に比べて、第2クラッチC2ではなく、第3クラッチC3を伝達状態とする。モータMG1の駆動力が、第3クラッチC3、第2入力軸12、2速ギア列G2、第2出力軸22、第2出力ギアGo2、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0059】
2速段によるHEV走行をする場合又は減速回生をする場合には、図3に示されるように、第2噛合機構SM2を2速従動ギアG2bと第2出力軸22とを連結させた2速側連結状態とし、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を伝達状態とする。このとき、モータMG1から駆動力を伝達させればHEV走行を行なうことができ、エンジンENGの駆動力の伝達経路はENG走行時と同じになり、モータMG1の駆動力の伝達経路はEV走行時と同じになる。また、モータMGによりブレーキをかければ減速回生を行なうことができる。
【0060】
2速段において、ECUがアップシフトを予測している場合には、第1噛合機構SM1を3速従動ギアG3bと第1出力軸21とを連結させた3速側連結状態としたプレシフト状態とする。これにより、アップシフトを、第1クラッチC1又は第4クラッチC4を伝達状態とし、第2クラッチC2又は第3クラッチC3を非伝達状態とするだけで行なうことができ、変速段の切り換えを駆動力が途切れることなくスムーズに行うことができる。
【0061】
逆に、2速段において、ECUがダウンシフトを予測している場合には、第1噛合機構SM1を1速従動ギアG1bと第1出力軸21とを連結させた1速側連結状態としたプレシフト状態とする。これにより、ダウンシフトを、第1クラッチC1又は第4クラッチC4を伝達状態とし、第2クラッチC2又は第3クラッチC3を非伝達状態とするだけで行なうことができ、変速段の切り換えを駆動力が途切れることなくスムーズに行うことができる。
【0062】
ENG走行の3速段を確立する場合には、図2に示されるように、第1噛合機構SM1を3速従動ギアG3bと第1出力軸21とを連結させた3速側連結状態とし、第1クラッチC1を伝達状態とする。エンジンENGの駆動力が、第1クラッチC1、第1入力軸11、3速ギア列G3、第1出力軸21、第1出力ギアGo1、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0063】
EV走行の3速段を確立する場合には、図2に示されるように、ENG走行の3速段を確立する場合に比べて、第1クラッチC1ではなく、第4クラッチC4を伝達状態とする。モータMG1の駆動力が、第4クラッチC4、第1入力軸11、3速ギア列G3、第1出力軸21、第1出力ギアGo1、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0064】
3速段によるHEV走行をする場合又は減速回生をする場合には、図3に示されるように、第1噛合機構SM1を3速従動ギアG3bと第1出力軸21とを連結させた3速側連結状態とし、第1クラッチC1及び第4クラッチC4を伝達状態とする。このとき、モータMG1から駆動力を伝達させればHEV走行を行なうことができ、エンジンENGの駆動力の伝達経路はENG走行時と同じになり、モータMG1の駆動力の伝達経路はEV走行時と同じになる。また、モータMGによりブレーキをかければ減速回生を行なうことができる。
【0065】
3速段において、ECUがアップシフトを予測している場合には、第2噛合機構SM2を4速従動ギアG4bと第2出力軸22とを連結させた4速側連結状態としたプレシフト状態とする。これにより、アップシフトを、第2クラッチC2又は第3クラッチC3を伝達状態とし、第1クラッチC1又は第4クラッチC4を非伝達状態とするだけで行なうことができ、変速段の切り換えを駆動力が途切れることなくスムーズに行うことができる。
【0066】
逆に、3速段において、ECUがダウンシフトを予測している場合には、第2噛合機構SM2を2速従動ギアG2bと第2出力軸22とを連結させた2速側連結状態としたプレシフト状態とする。これにより、ダウンシフトを、第2クラッチC2又は第3クラッチC3を伝達状態とし、第1クラッチC1又は第4クラッチC4を非伝達状態とするだけで行なうことができ、変速段の切り換えを駆動力が途切れることなくスムーズに行うことができる。
【0067】
ENG走行の4速段を確立する場合には、図2に示されるように、第2噛合機構SM2を4速従動ギアG4bと第2出力軸22とを連結させた4速側連結状態とし、第2クラッチC2を伝達状態とする。エンジンENGの駆動力が、第2クラッチC2、第2入力軸12、4速ギア列G4、第2出力軸22、第2出力ギアGo2、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0068】
EV走行の4速段を確立する場合には、図2に示されるように、ENG走行の4速段を確立する場合に比べて、第2クラッチC2ではなく、第3クラッチC3を伝達状態とする。モータMG1の駆動力が、第3クラッチC3、第2入力軸12、4速ギア列G4、第2出力軸22、第2出力ギアGo2、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0069】
4速段によるHEV走行をする場合又は減速回生をする場合には、図3に示されるように、第2噛合機構SM2を4速従動ギアG4bと第2出力軸22とを連結させた4速側連結状態とし、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を伝達状態とする。このとき、モータMG1から駆動力を伝達させればHEV走行を行なうことができ、エンジンENGの駆動力の伝達経路はENG走行時と同じになり、モータMG1の駆動力の伝達経路はEV走行時と同じになる。また、モータMGによりブレーキをかければ減速回生を行なうことができる。
【0070】
4速段において、ECUがダウンシフトを予測している場合には、第1噛合機構SM1を3速従動ギアG3bと第1出力軸21とを連結させた3速側連結状態としたプレシフト状態とする。これにより、ダウンシフトを、第1クラッチC1又は第4クラッチC4を伝達状態とし、第2クラッチC2又は第3クラッチC3を非伝達状態とするだけで行なうことができ、変速段の切り換えを駆動力が途切れることなくスムーズに行うことができる。
【0071】
また、エンジンENGとモータMG1とが異なる変速段によるHEV走行もできる。
【0072】
1速側連結状態及び2速側連結状態のときに、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を連結状態にすることで、エンジンENGを1速段、モータMG1を2速段としたHEV走行を行なうことができ、第2クラッチC2及び第4クラッチC4を連結状態にすることで、エンジンENGを2速段、モータMG1を1速段としたHEV走行を行なうことができる。
【0073】
図5は、エンジンENGを1速段、モータMG1を2速段としたHEV走行の各駆動力の伝達経路を示す。エンジンENGの駆動力は、1速段のENG走行と同じく、第1クラッチC1、第1入力軸11、1速ギア列G1、第1出力軸21、第1出力ギアGo1、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。モータMG1の駆動力は、2速段のEV走行と同じく、第3クラッチC3、第2入力軸12、2速ギア列G2、第2出力軸22、第2出力ギアGo2、及びファイナルディファレンシャルギアGFを介して、出力部23から出力される。
【0074】
2速側連結状態及び3速側連結状態のときに、第2クラッチC2及び第4クラッチC4を連結状態にすることで、エンジンENGを2速段、モータMG1を3速段としたHEV走行を行なうことができ、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を連結状態にすることで、エンジンENGを3速段、モータMG1を2速段としたHEV走行を行なうことができる。
【0075】
3速側連結状態及び4速側連結状態のときに、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を連結状態にすることで、エンジンENGを3速段、モータMG1を4速段としたHEV走行を行なうことができ、第2クラッチC2及び第4クラッチC4を連結状態にすることで、エンジンENGを4速段、モータMG1を3速段としたHEV走行を行なうことができる。
【0076】
上記のようなエンジンENGとモータMG1とが異なる変速段の場合に、モータMG1から駆動力を伝達するのではなく、モータMG1によりブレーキをかければ減速回生もできる。
【0077】
このように、本実施形態の変速機は、モータMG1を第3クラッチC3及び第4クラッチC4によって、エンジンENGから切り離すことが可能であるため、モータMG1とエンジンENGの変速段を自由に選択できる。そのため、車両の走行状態やバッテリBATTの状態などに応じて、減速回生時の制動力の制御やモータMG1又はエンジンENGの駆動力出力効率を重視した走行などに柔軟な対応ができる。
【0078】
また、モータMG1の駆動力を各変速段によって変速ができるので、大きな駆動力を出力する必要がないため、モータMG1の出力を小さくすることが可能になり、車両の軽量化ができる。
【0079】
例えば、3速段でENG走行中に減速する場合、バッテリBATTの残容量が低くて充電を優先したいときには、2速段連結状態で減速回生をさせることができる。
【0080】
本実施形態では、第1噛合機構SM1で1速側連結状態及び3速側連結状態のいずれかを実現させ、第2噛合機構SM2で2速側連結状態及び4速側連結状態のいずれかを実現させているが、各変速段毎に噛合機構を用意してもよい。こうすることで、1速段と3速段とによるHEV走行や2速段と4速段とによるHEV走行を実現することもでき、より自由度の高い変速段の選択が可能になる。従って、車両の走行状態やバッテリBATTの状態などに応じて、減速回生時の制動力の制御やモータMG1又はエンジンENGの駆動力出力効率を重視した走行などに更に柔軟な対応ができる。
【0081】
また、各変速段においてENG走行中に、第3クラッチC3及び第4クラッチC4を非伝達状態にすることで、モータMG1を完全に切り離すことができる。従って、車両の走行のための駆動力に加え、モータMG1を回転させるための駆動力をエンジンENGが出力する必要がなく、車両の駆動力の減少を抑制でき、更に、燃費の悪化を抑制できる。
【0082】
また、エンジンENGの回転数を制御するためのモータMG2は、駆動源としてのモータMG1よりも出力する駆動力を小さくできるため、小型にできる。従って、モータMG2の回転抵抗をモータMG1より低くすることができ、車両の駆動力の減少を抑制でき、更に、燃費の悪化を抑制できる。
【0083】
また、各変速段のEV走行時において、エンジンENGの駆動力を第1入力軸11及び第2入力軸12に伝達されないように第1クラッチC1及び第2クラッチC2を非伝達状態として、エンジンENGの駆動によってモータMG2を回転させて回生を行なえる。これによって、走行に影響を与えることなく、モータMG1及びモータMG2の電源であるバッテリBATTを充電することが可能である。
【0084】
また、本実施形態では、モータMG1が第3クラッチC3及び第4クラッチC4によって、エンジンENGと完全に切り離すことができるため、第1噛合機構SM1及び第2噛合機構SM2をシンクロメッシュ機構ではなく、シンクロ機構のないドグクラッチで構成してもよい。ドグクラッチで構成されている場合には、これから確立する変速段の出力軸の回転数に応じて、モータMG1の回転数を制御する。
【0085】
例えば、2速段から3速段に変速する場合には、2速段で走行することで、第2出力軸22の第2出力ギアGo2、ファイナルディファレンシャルギアGF、第1出力ギアGo1を介して第1出力軸21が回転している。第4クラッチC4を伝達状態として、モータMG1を回転することで、第1入力軸11、3速駆動ギアG3aを介して3速従動ギアG3bが回転している。この3速従動ギアG3bと第1出力軸21との回転数が合うようにモータMG1の回転数を制御して、第1噛合機構SM1を伝達状態にする。
【0086】
このように、エンジンENGをモータMG1とを完全に切り離せるため、変速ギアを固定する噛合機構としてシンクロ機構のないドグクラッチを採用することができ、コストダウンを実現することができる。
【0087】
また、モータMG2によってエンジンENGの回転数を制御可能に構成されているため、第1噛合機構SM1及び第2噛合機構SM2をシンクロ機構のないドグクラッチで構成してもよい。ドグクラッチで構成されている場合には、これから確立する変速段の出力軸の回転数に応じて、モータMG2によってエンジンENGの回転数を制御する。
【0088】
例えば、3速段から2速段に変速する場合には、3速段で走行することで、第1出力軸21の第1出力ギアGo1、ファイナルディファレンシャルギアGF、第2出力ギアGo2を介して第2出力軸22が回転している。また、第2クラッチC2を伝達状態として、エンジンENGを駆動することで、第2入力軸12、2速駆動ギアG2aを介して2速従動ギアG2bが回転している。この2速従動ギアと第2出力軸22との回転数が合うようにエンジンENGの回転数を制御して、第2噛合機構SM2を伝達状態にする。
【0089】
このように、エンジンENGの回転数をモータMG2で制御可能なため、変速ギアを固定する噛合機構としてシンクロ機構のないドグクラッチを採用することができ、コストダウンを実現することができる。
【0090】
本実施形態では、変速機を1速段から4速段までの4速段変速機としているが、変速段の数はいくつであってもよい。例えば、5速段変速機、7速段変速機であってもよい。
【符号の説明】
【0091】
11…第1入力軸、12…第2入力軸、21…第1出力軸、22…第2出力軸、C1…第1クラッチ、C2…第2クラッチ、C3…第3クラッチ、C4…第4クラッチ、ENG…エンジン(内燃機関)、G1a…1速駆動ギア(第1入力軸の駆動ギア)、G1b…1速従動ギア、G2a…2速駆動ギア(第2入力軸の駆動ギア)、G2b…2速従動ギア、G3a…3速駆動ギア(第1入力軸の駆動ギア)、G3b…3速従動ギア、G4a…4速駆動ギア(第2入力軸の駆動ギア)、G4b…4速従動ギア、MG1…モータ(電動機)、MG2…別のモータ、SM1…第1噛合機構(断接手段)、SM2…第2噛合機構(断接手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関と電動機とを駆動源とするハイブリッド車両の変速機であって、
前記電動機の駆動力及び前記内燃機関の駆動力が入力される第1入力軸と、
前記電動機の駆動力及び前記内燃機関の駆動力が入力される第2入力軸と、
前記内燃機関の駆動力を前記第1入力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第1クラッチと、
前記内燃機関の駆動力を前記第2入力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第2クラッチと、
前記電動機の駆動力を前記第2入力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第3クラッチと、
前記電動機の駆動力を前記第1入力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切換可能な第4クラッチと、
前記第1入力軸又は前記第2入力軸に入力された駆動力を変速するための複数の駆動ギアと、
前記複数の駆動ギアと噛合する複数の従動ギアと、
前記駆動ギア及び前記従動ギアを介して変速された駆動力を出力する出力軸と、
前記第1入力軸又は前記第2入力軸に入力された駆動力を前記駆動ギア及び前記従動ギアを介して前記出力軸に伝達する伝達状態及びこの伝達を断つ非伝達状態に切替可能な断接手段とを備え、
前記複数の駆動ギアは、前記従動ギアと噛合うことで決定される変速比の大きさの順に、前記第1入力軸と前記第2入力軸とに交互に配置されることを特徴とする変速機。
【請求項2】
請求項1に記載の変速機において、
前記内燃機関の出力軸に接続される前記電動機とは別の電動機を備え、
前記別の電動機は、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチと前記内燃機関との間に設けられることを特徴とする変速機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の変速機において、
前記出力軸は、
前記第1入力軸の駆動ギアに噛合う前記従動ギアを備える第1出力軸と、
前記第2入力軸の駆動ギアに噛合う前記従動ギアを備える第2出力軸とによって構成されることを特徴とする変速機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の変速機において、前記第3クラッチ及び前記第4クラッチは、前記駆動源としての電動機の内側に設けられることを特徴とする変速機。
【請求項5】
請求項2に記載の変速機において、前記第1クラッチ及び前記第2クラッチは、前記別の電動機の内側に設けられることを特徴とする変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−1094(P2012−1094A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137586(P2010−137586)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】