説明

ハンドガイドローラのブレーキ装置

【課題】簡易な構造であって、前後進用レバーを中立位置に戻さなくても、ハンドガイドローラを安全に停止させることができるハンドガイドローラのブレーキ装置を提供する。
【解決手段】車体のフレームに連結され、圧油ポート35を介して外部と連通する油室36を形成したロックピンホルダ32と、ロックピンホルダ32に摺動自在に挿通されるロックピン33と、ロールの鏡板11の係止部材44に向けてロックピン33を常時付勢する圧縮コイルばね42と、を備え、エンジンが駆動しているとき、油室36に圧油が充填されその油圧を受けてロックピン33が係止部材44から外れ、エンジンが停止したとき、油室36への圧油の供給が停止し、圧縮コイルばね42の付勢力によりロックピン33が係止部材44に係止してロールの回転をロックするブレーキ装置31とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面の締固め施工等に使用されるハンドガイドローラのブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドガイドローラは、走行輪(ロール)で路面を締め固める締固め機械の中では比較的小型の非搭乗型の車両であり、アスファルト舗装の転圧や路肩、狭路地等の締固め施工に使用される。
【0003】
ハンドガイドローラの従来のブレーキ装置としてピンロック方式のブレーキ装置が挙げられ、その一例が特許文献1に記載されている。同文献に記載のブレーキ装置は操作レバーが機体フレームの側面から突出して設けられた構造であるが、この構造では路面のきわでの締固め施工中に操作レバーが建物やガードレールなどの構造物に接触するため、ロールを構造物のきわまで寄せて施工することができないという問題がある。
【0004】
この問題に対処したブレーキ装置として図13に示したものが挙げられる。図13において(a)、(b)はブレーキ装置を取り付けたロール周りの側面図、正面図(一部省略)である。ロール81内には円板状の鏡板82が固設され、この鏡板82にはその中心を貫通してロール81と同軸となる回転軸83が設けられている。走行機体(図示せず)に取り付けられてロール81の側方に位置するロール支持フレーム84には、ロール81内に位置するようにブラケット85が取り付けられており、回転軸83の先端周りが軸受86を介してこのブラケット85に支承されることで、ロール81がロール支持フレーム84に回転自在に軸装される。
【0005】
ブラケット85には、操作レバー87の回転操作によりロール幅方向に移動するロックピン88が取り付けられ、鏡板82の外側面には、円周方向に沿って複数のブロック片89が間隔をおいて取り付けられている。符号90は、ロックピン88を常時鏡板82側に付勢する圧縮コイルばねである。なお、操作レバー87の回転移動をロックピン88の直線移動に変換する機構は、操作レバー87の基端をブラケット85に形成した螺旋溝にガイドさせた構造となっており、詳細な説明は省略する。
【0006】
締固め施工時等においては、操作レバー87は図13(a)に実線で示すようにアンロック位置にあり、ロックピン88は図13(b)に示すように縮退した状態にある。そして、駐車時に操作レバー87をロック位置に回動すると、ロックピン88が鏡板82側に移動し、ピンの先端が任意の隣接し合うブロック片89間の空間まで突出する。これにより、ロックピン88を挟む一対のブロック片89がロックピン88に当接することでロール81の前進回転および後進回転が阻止される。操作レバー87はロール81内に収まるように設けられているので、ロール81を建物やガードレール、縁石などの構造物にぎりぎり寄せて施工することが可能となる。
【特許文献1】実開昭58−103205号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図13に示す従来のブレーキ装置でも次のような問題がある。現在市場に出回っている殆どのハンドガイドローラの走行系油圧回路は、エンジンによって駆動される可変容量型の走行用油圧ポンプと、この走行用油圧ポンプからの圧油を受けてロールを回転させ、受けた圧油を走行用油圧ポンプに戻す走行用油圧モータとを主な構成部品とした油圧の閉回路から構成される。そして、前後進用レバーを前方に倒すと、圧油が走行用油圧ポンプから一方向に流れ、走行用油圧モータが前進回転してハンドガイドローラが前進し、前後進用レバーを後方に倒すと、圧油が走行用油圧ポンプから他方向に流れ、走行用油圧モータが後進回転してハンドガイドローラが後進する。前後進用レバーを中立位置にすると、ポンプ作用が停止して、かつ油圧ポンプが閉回路内の作動油の流れを積極的にさせる静油圧ブレーキが働き、ハンドガイドローラは走行停止となる。
【0008】
ここで、通常の施工時の斜面より大きい勾配での走行、例えばトラックの荷台にハンドガイドローラを自走積載すべく地面と荷台とに掛け渡した歩み板での走行においては、エンジンの能力以上の負荷がエンジンに加わりエンジンが停止してしまうことがある。そのとき、前後進用レバーを中立位置に戻すことにより前記静油圧ブレーキを効かせるか、或いは前記操作レバー87をロック位置側に操作すれば、ハンドガイドローラをその場で停止させることができるが、咄嗟の事態でどちらの操作ともできなかった場合には、ハンドガイドローラがそのまま下方に走行してしまうこととなる。
【0009】
また、前記油圧の閉回路を有するハンドガイドローラにおいては、整備不良で老朽化した油圧ホース等の機器が破損した場合、前後進用レバーを中立位置にしても静油圧ブレーキが効かなくなり、その場合、前記操作レバー87を操作しない限りハンドガイドローラを走行停止させることができない。
【0010】
さらに慣れないオペレータによってはうっかり操作レバー87のブレーキ解除操作をせずに走行を開始させることも考えられ、この場合、ロックピン88やブロック片89などのブレーキ機構に無理な力がかかるおそれがあり、この回数が積み重なると、疲労により各構成部品が破損するおそれがある。
【0011】
さらに、従来のハンドガイドローラのブレーキ装置は、操縦桿の手元にあるハンドルから離れた位置にあり、またロールの内部など手を入れにくい位置にあるので、駐車ブレーキとしての使用には適するが、咄嗟の危険を避けるための非常用ブレーキとしては適さない。前記油圧の閉回路を有するハンドガイドローラにおいては、前後進用レバーを中立位置に戻して静油圧ブレーキを任意の時に効かせることは可能であるが、前後進用レバーはハンドガイドローラの前後進操作も兼ねているので、咄嗟のときに操作しづらい面がある。
【0012】
本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、簡易な構造であって、前後進用レバーを中立位置に戻さなくても、ハンドガイドローラを安全に停止させることができるハンドガイドローラのブレーキ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するため、本発明は、車体のフレームに連結され、圧油ポートを介して外部と連通する油室を形成したロックピンホルダと、前記油室に臨むように前記ロックピンホルダに摺動自在に挿通されるロックピンと、ロールの鏡板に突設した係止部材に向けて前記ロックピンを常時付勢する付勢手段と、を備え、エンジンが駆動しているとき、前記油室に圧油が充填されその油圧を受けて前記ロックピンが前記係止部材から外れ、エンジンが停止したとき、前記油室への圧油の供給が停止し、前記付勢手段の付勢力により前記ロックピンが前記係止部材に係止してロールの回転をロックする構成からなるハンドガイドローラのブレーキ装置とした。
【0014】
このブレーキ装置によれば次のような効果が奏される。
(1)エンジンが停止した場合には、圧油の供給が停止してロックピンが係止部材に係止することによりブレーキが自動でかかるため、前後進用レバーを中立位置に戻さなくてもハンドガイドローラを安全に走行停止させることができる。
また、坂道などで施工している場合で、油圧ホース等の走行系油圧閉回路の配管が破損して作動油が流出すると、ブレーキ解除のための油室への圧油の供給が絶たれることから、ロックピンが飛び出て自動的にブレーキがかかる。
(2)ロールの鏡板に突設した係止部材を利用する点については従来と同じであるため、従来既存の手動式のブレーキ装置からの改造が容易となる。
【0015】
また、本発明は、前記フレームにブラケットを取り付け、このブラケットに前記ロックピンホルダを着脱自在に取り付けたことを特徴とする。
【0016】
このブレーキ装置によれば、ブラケットとロックピンホルダとを別部材から構成し、ブラケットにロックピンホルダを着脱自在に取り付けたことにより、点検対象となるロックピンホルダやこれに内蔵されるロックピンや付勢手段のみを取り外して確認や調整などを行えるため、点検性、整備性が向上し、清掃も容易に行える。
【0017】
また、本発明は、前記ブラケットと前記ロックピンホルダとの間に、前記ロックピンが前記係止部材に衝突したときの衝撃を緩衝する緩衝部材を設けたことを特徴とする。
【0018】
このブレーキ装置によれば、走行中にエンジンが止まってブレーキ装置が作動し、ロックピンが回転している鏡板の係止部材に衝突した場合であっても、その衝撃が緩衝部材によって緩衝されるので、ロックピンやロックピンホルダにかかる負荷を低減できる。
【0019】
また、本発明は、前記ロックピンホルダに、前記ロックピンの基端面が臨む空気室を大気開放するための通気孔を穿設し、一端がこの通気孔に連通し、他端周りが前記一端よりも上方に位置し、かつ逆U字状に引き回された通気管を設けたことを特徴とする。
【0020】
このブレーキ装置によれば、ハンドガイドローラが地中の溝工事などに使用された際、泥や水などの異物の進入が通気管の逆U字部で妨げられ、通気孔の通気機能が維持される。
【0021】
また、本発明は、前記ロックピンホルダに、このロックピンホルダの内部の水分凍結を解凍するための熱抵抗線を設けたことを特徴とする。
【0022】
このブレーキ装置によれば、寒冷地や冬季などにおけるロックピンホルダの内部の水分凍結を迅速に解凍できる。
【0023】
また、本発明は、前記ロックピンの基端面に、手動ブレーキ解除用の治具に螺合するねじ部を形成したことを特徴とする。
【0024】
このブレーキ装置によれば、簡易な構造で非常時における治具とロックピンとの連結が可能となり、手動によるブレーキ解除を迅速に行える。
【0025】
また、本発明は、前記ロックピンホルダの内部に、ブレーキの状態を検知するブレーキ検知センサを設けたことを特徴とする。
【0026】
このブレーキ装置によれば、ブレーキ検知センサによりブレーキの状態が検知されるため、ランプやブザーなどを用いてオペレータに容易にブレーキの状態を知らせることができる。
【0027】
また、本発明は、エンジンの駆動状態・停止状態に拘らず、前記油室への圧油の供給を停止させる手動式のブレーキスイッチを操作パネル部に設けたことを特徴とする。
【0028】
このブレーキ装置によれば、手動式のブレーキスイッチを、通常の締固め作業における手の位置の近くである操作パネル部に設けたので、ブレーキ装置を非常用ブレーキとして簡単に使用できる。特に、前記緩衝部材の採用と併せることにより、各構成部材を破損させずに非常用ブレーキとして安心して使用できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、エンジンが停止した場合には、圧油の供給が停止してロックピンが係止部材に係止することによりブレーキが自動でかかるため、前後進用レバーを中立位置に戻さなくてもハンドガイドローラを安全に走行停止させることができる。また、坂道などで施工している場合で、油圧ホース等の走行系油圧閉回路の配管が破損して作動油が流出すると、ブレーキ解除のための油室への圧油の供給が絶たれることから、ロックピンが飛び出て自動的にブレーキがかかる。さらに、ロールの鏡板に突設した係止部材を利用する点については従来と同じであるため、従来既存の手動式のブレーキ装置からの改造が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
図1はハンドガイドローラの側面図である。ハンドガイドローラHは車体1に走行駆動源となるエンジンE及びこのエンジンEにより駆動される油圧ポンプP(図5参照)を搭載している。油圧ポンプPは例えば斜板式可変容量形ピストンポンプ等である。車体1の下部には前後一対のロール2、3を備えており、それぞれに油圧ポンプPからの圧油の供給を受けて作動する走行油圧モータM1、M2(図5参照)が内装されている。車体1の後部には連結用ブラケット4を介して操作桿5が取り付けられ、操作桿5の先端部にはオペレータが把持するハンドル6及び操作パネル部7が設けられている。操作パネル部7には前側に倒すと「前進位置」、後側に倒すと「後進位置」、中間の起立位置で「中立位置」となる前後進用レバー8やエンジン始動用のエンジンスイッチ9等が取り付けられている。また、車体1の両側にはそれぞれフレーム10が取り付けられている。
【0031】
本発明に係るブレーキ装置は本実施形態では後側のロール3に設けられている。図2はロール3の側面図、図3は図2におけるA−A断面図である。図3において、ロール3内には互いに離間した一対の円板状の鏡板11、12が固設され、鏡板11、12には各中心を貫通してロール3と同軸となる回転軸13が固設されている。左側のフレーム10には、ブラケット14が複数のボルト15によりロール3内に位置するように取り付けられ、右側のフレーム10には、ブラケット16が複数のボルト17によりロール3内に位置するように取り付けられる。ブラケット16は実際には複数のブラケットから構成されている。
【0032】
回転軸13は左端が軸受18を介してブラケット14に支承され、右端が軸受19を介してブラケット16に支承される。ブラケット16において回転軸13の支承部よりも下方にはモータ取付け座20が固設されており、このモータ取付け座20に前記した走行油圧モータM2がボルト21により固定される。走行油圧モータM2の出力軸22はモータ取付け座20を貫通したうえで軸受23を介してブラケット16に支承され、出力軸22に軸着された駆動ギヤ24が回転軸13に軸着された従動ギヤ25に噛合する。以上により、走行油圧モータM2の出力軸22が回転すると、駆動ギヤ24および従動ギヤ25からなるギヤ伝達機構により回転軸13とともにロール3が回転する。
【0033】
ブレーキ装置31は、ロール3の幅方向の重量バランスを考慮すると、図3に示すように走行油圧モータM2の配設位置と反対の側、つまりブラケット14側に設けることが好ましい。また本実施形態では、図2、図3から判るようにブレーキ装置31をロール3の中心軸よりも下方かつ車両後方寄りに位置するようにブラケット14に取り付けている。
【0034】
図4は図3に示したブレーキ装置31の拡大図であり、(a)、(b)はそれぞれ装置のブレーキ解除状態、ブレーキ状態を示している。ブレーキ装置31は、ブラケット14を介してフレーム10(図3)に連結され、圧油ポート35を介して外部と連通する油室36を形成したロックピンホルダ32と、油室36に臨むようにロックピンホルダ32に摺動自在に挿通されるロックピン33と、ロール3の鏡板11に突設した係止部材44に向けてロックピン33を常時付勢する付勢手段34と、を備える。
【0035】
係止部材44は、例えば図2に示すように、鏡板11の円周方向に沿って等間隔に複数配設されるブロック片として構成され、溶接やボルト等により鏡板11の外側面に固定されている。
【0036】
ロックピンホルダ32は外周にフランジ32dを形成した筒状の部材であって、ロール3の幅方向と平行となるように筒胴部がブラケット14の取付け孔に挿通されたうえで、フランジ32dにおいてボルト37によりブラケット14に締結固定される。ロックピンホルダ32の内径部は、鏡板11寄りから順に小内径部32a、中内径部32b、大内径部32cとして形成されている。ロックピン33はその小径部33aおよび大径部33bがそれぞれ小内径部32a,大内径部32cに摺動するようにロックピンホルダ32内に挿通され、ロックピンホルダ32の中内径部32bおよび大内径部32cの一部とロックピン33の小径部33aとによって形成される環状の空間が油室36を構成する。前記圧油ポート35は中内径部32bに臨むようにロックピンホルダ32に形成されている。また、ロックピンホルダ32の小内径部32aには一対のオイルシール38が取り付けられ、ロックピン33の大径部33bにはオイルシール39が取り付けられる。
【0037】
ハンドガイドローラHは地中の溝工事などに使用されることも多く、そのときロール3内に泥や水などが入りやすいので、可動部品であるロックピン33については防錆対策を施すことが好ましい。例としては、ロックピン33をステンレス材料から構成する、ロックピン33の表面に硬質クロムメッキなどの防錆処理を施す、ロックピン33の摺動部に防錆油を注入する、などである。
【0038】
ロックピンホルダ32の大内径部32cの端部には、ロックピン33に対向する側に圧縮コイルばね42の収容部を形成したカバー40が内嵌されている。このカバー40は、留め輪41によりロックピンホルダ32からの外れが防止されている。圧縮コイルばね42は前記付勢手段34を構成する部材であり、その先端がロックピン33の基端面、つまり大径部33bの端面を常時押圧する。符号43は、ロックピン33の基端面が臨む空気室を大気開放してロックピン33の摺動をスムースにさせるための通気孔である。
【0039】
以上により、施工時などエンジンE(図1)が駆動しているときには、図4(a)に示すように、圧油が圧油ポート35から流入して油室36に充填され、その油圧を受けてロックピン33が圧縮コイルばね42の付勢力に抗して鏡板11から離れる方向に移動し、大径部33bの端面がカバー40に突き当たってロックピン33の先端が係止部材44から外れた状態にある。
【0040】
そして、エンジンEが停止して油室36への圧油の供給が停止すると、図4(b)に示すように圧縮コイルばね42の付勢力によりロックピン33が鏡板11側に移動し、ロックピン33における小径部33aと大径部33bとの段差面がロックピンホルダ32における中内径部32bと大内径部32cとの段差面に突き当たり、ロックピン33の先端が係止部材44に係止してロール3の回転をロックし、ブレーキをかける。
【0041】
次いでブレーキ装置31への圧油の供給をエンジンEに連動させる構成例について説明する。図5は走行系に関する油圧回路図、図6は切換えバルブのソレノイドをエンジンに連動させるための電気回路図である。図5において、ハンドガイドローラの走行系に関する油圧回路は油圧ポンプPと走行油圧モータM1、M2とによって閉回路を構成しており、油圧ポンプPの一方の圧油ポートPaと走行油圧モータM1の圧油ポートM1aが管路T1により、油圧ポンプPの他方の圧油ポートPbと走行油圧モータM2の圧油ポートM2aが管路T2により、走行油圧モータM1の圧油ポートM1bと走行油圧モータM2の圧油ポートM2bが管路T3によりそれぞれ接続している。
【0042】
油圧ポンプPは前後進用レバー8(図1)を「中立位置」から「前進位置」又は「後進位置」に傾動操作することで、油圧ポンプP内の斜板(図示せず)の角度が切り換わり、閉回路において圧油の量および流れを正逆方向に切り換えるものである。そして、この圧油の正逆方向の流れに伴い走行油圧モータM1、M2が正逆回転することでハンドガイドローラが前進或いは後進する。前後進用レバー8を「中立位置」にすると、前記斜板がニュートラルの位置となりポンプ作用が停止し、油圧ポンプP内の油路を積極的に遮断することにより、いわゆる静油圧ブレーキが働き、ハンドガイドローラは走行停止となる。
【0043】
符号45,46は管路T1、T2間にわたって介設されるチェックバルブである。符号Pcは油圧ポンプPの回転とともに回転し、前記閉回路に圧油を補給するチャージポンプを示し、油圧ポンプPと一体的に設けられている。チャージポンプPcの吸入ポートはフィルタを介して油タンク47に接続し、吐出ポートは管路T4に接続している。管路T4は管路T5、T6、T7に分岐形成され、管路T5はリリーフバルブ48を介して油タンク47に接続するとともに、管路T6はチェックバルブ45、46間に接続している。これによりチャージポンプPcは、チェックバルブ45またはチェックバルブ46を経て低圧となった管路T1、T2のいずれかに圧油の不足流量を補給する。
【0044】
管路T7は2位置3ポートの電磁式の切換えバルブ49を介して管路T8と管路T9に分岐し、一方の管路T8は油タンク47に接続し、他方の管路T9はロール3に取り付けられたブレーキ装置31の圧油ポート35に接続する。切換えバルブ49はエンジンEが駆動しているときにはソレノイドS(図6)が励磁されて管路T7と管路T9を連通した状態とし、これによりチャージポンプPcから圧油がブレーキ装置31に供給され、ブレーキ装置31はブレーキ解除の状態となる。エンジンEが停止してソレノイドSが非励磁になると、切換えバルブ49の位置が切り換わって管路T8と管路T9とが連通し、管路T7からの圧油の供給が遮断されるとともにブレーキ装置31内の圧油が管路T9、T8を通って油タンク47内に流れ出し、圧縮コイルばね42の付勢力によりロックピン33がロックピンホルダ32より突出する。突出したロックピン33の先端はロール3を隣り合った係止部材44の回動範囲内で動かないようにロックする。
【0045】
図6において、符号50はエンジンオイル圧力センサを示す。一般にハンドガイドローラには従来からエンジンの焼付等を防止する目的で、エンジン駆動時におけるエンジンオイル(潤滑油)の圧力を検知する前記エンジンオイル圧力センサが取り付けられており、ある圧力値以下になるとエンジンが停止したものとして警報ランプや警報ブザーで作業者に注意を促すようになっている。本実施形態ではエンジンの駆動・停止の検知手段としてこのエンジンオイル圧力センサを利用している。なお、エンジンの駆動・停止の検知手段の他の例としては、エンジンの発電コイルからの電圧,電流を検知する方法や、エンジン回転数センサを利用する方法、エンジンの吸気圧力を検知する方法などが挙げられる。
【0046】
エンジンオイル圧力センサ50はリレー51のコイルおよびスイッチ67を介してバッテリ52の+端子側に接続している。スイッチ67はエンジンスイッチ9(図1)と連動したスイッチである。リレー51の共通端子であるC端子はスイッチ67を介してバッテリ52の+端子側に接続し、NC端子は図5に示した切換えバルブ49のソレノイドSに接続している。エンジンが駆動してエンジンオイルの圧力が十分あるときにはエンジンオイル圧力センサ50には通電されず、リレー51のコイルが非励磁となって図6に示すようにC端子とNC端子が接続し、ソレノイドSが励磁される。エンジンが停止するなどしてエンジンオイルの圧力が所定値よりも下がると、エンジンオイル圧力センサ50が通電し、リレー51のコイルが励磁されてC端子とNO端子が接続し、ソレノイドSは非励磁となる。
【0047】
以上のように、ブラケット14を介してフレーム10に連結され、圧油ポート35を介して外部と連通する油室36を形成したロックピンホルダ32と、油室36に臨むようにロックピンホルダ32に摺動自在に挿通されるロックピン33と、ロール3の鏡板11に突設した係止部材44に向けてロックピン33を常時付勢する付勢手段34と、を備え、エンジンEが駆動しているとき、油室36に圧油が充填されその油圧を受けてロックピン33が係止部材44から外れ、エンジンEが停止したとき、油室36への圧油の供給が停止し、付勢手段34の付勢力によりロックピン33が係止部材44に係止してロール3の回転をロックする構成からなるブレーキ装置31とすれば以下のような効果が奏される。
【0048】
(1)エンジンが停止した場合には、圧油の供給が停止してロックピンが係止部材に係止することによりブレーキが自動でかかるため、前後進用レバーを中立位置に戻さなくてもハンドガイドローラを安全に走行停止させることができる。
また、坂道などで施工している場合で、油圧ホース等の走行系油圧閉回路の配管が破損して作動油が流出すると、ブレーキ解除のための油室への圧油の供給が絶たれることから、ロックピンが飛び出て自動的にブレーキがかかる。
(2)ロールの鏡板に突設した係止部材を利用する点については従来と同じであるため、従来既存の手動式のブレーキ装置からの改造が容易となる。
【0049】
「第1変形例」
発明が解決しようとする課題の欄でも述べたが、従来のハンドガイドローラのブレーキ装置は、操縦桿の手元にあるハンドルから離れた位置にあり、またロールの内部など手を入れにくい位置にあるので、駐車ブレーキとしての使用には適するが、咄嗟の危険を避けるための非常用ブレーキとしては適さない。油圧の閉回路を有するハンドガイドローラにおいては、前後進用レバーを中立位置に戻して静油圧ブレーキを任意の時に効かせることは可能であるが、前後進用レバーはハンドガイドローラの前後進操作も兼ねているので、咄嗟のときに操作しづらい面がある。
【0050】
この問題に対して第1変形例では、エンジンの駆動状態・停止状態に拘らず、ブレーキ装置31への圧油の供給を停止させる手動式のブレーキスイッチが設けられる。図7は図6の回路にこのブレーキスイッチ等を追加した電気回路図である。図7に示したブレーキスイッチ53は、2回路2接点型のスイッチを一対備え、両スイッチが連動するタイプである。一方のスイッチにおいては、スイッチのC端子がリレー51のNC端子に接続し、スイッチのNC端子は切換えバルブ49(図5)のソレノイドSに接続する。他方のスイッチはランプLやブザーBなどの警告手段に用いられ、スイッチのC端子はバッテリ52の+端子に常時通ずる回路に接続し、スイッチのNO端子がランプLやブザーBに接続する。以上のブレーキスイッチ53、ランプLなどは図1に示した操作パネル部7に設けられる。スイッチ型式は、押ボタン式、トグル式、ロータリ式などである。
【0051】
ブレーキスイッチ53は通常時は図7に示す状態にあり、何らかの事態が生じてオペレータがブレーキスイッチ53をスイッチ操作すると、スイッチのC端子とNO端子とが接続する。したがって、ソレノイドSが非励磁となってブレーキがかかるとともに、スイッチ操作された旨がランプLやブザーBにより警告される。ブレーキスイッチ53は、通常の締固め作業における手の位置の近くである操作パネル部7に設けられるので、ブレーキ装置31を非常用ブレーキとして簡単に、かつ迅速に使用できる。
【0052】
「第2変形例」
ハンドガイドローラの走行中に何らかの理由によりブレーキ装置31を作動させた場合、慣性でまだ回転している鏡板11の係止部材44に突き出たロックピン33が勢いよく衝突することになる。この衝突の繰り返しによる疲労等によりブレーキ装置31の構成部品に損傷をきたすおそれがある。
【0053】
この問題に対し、図8に示す第2変形例のブレーキ装置31は、フレーム10とロックピンホルダ32との間、具体的にはブラケット14とロックピンホルダ32との間に、ロックピン33が係止部材44に衝突したときの衝撃を緩衝する緩衝部材54が設けられている。図8において、(a)は第2変形例のブレーキ装置31の側面図、(b)は(a)におけるB−B断面図である。
【0054】
図8では緩衝部材54を一対の緩衝ゴムユニット55から構成した場合を示している。この緩衝ゴムユニット55は、略円柱形状のゴム材55aの両端に座板55bが固設され、一方の座板55bにボルト55cが形成されたものからなり、他方の座板55bが図示しない螺子によりブラケット14に取り付けられ、一方の座板55bはボルト55cおよびナット56によりロックピンホルダ32のフランジ32dに取り付けられる。ゴム材55aの変形に伴うロックピンホルダ32の所定の変位を許容するため、ロックピンホルダ32とこのロックピンホルダ32を通すためのブラケット14の挿通孔57との間には隙間が形成される。また、一対の緩衝ゴムユニット55は、図8(a)に示すように、係止部44が配設される鏡板11の円周線上に配設される。
【0055】
以上により、走行中にブレーキ装置31が作動し、突き出たロックピン33が回転している鏡板11の係止部材44に衝突した場合であっても、その衝撃が緩衝ゴムユニット55によって緩衝されるので、ロックピン33やロックピンホルダ32にかかる負荷が低減される。一対の緩衝ゴムユニット55は、係止部材44が配設される鏡板11の円周線上、すなわち衝撃がかかる方向線上に配設されているため、ゴム材55aの円周方向の捻れが生じにくくなって緩衝ゴムユニット55の劣化が低減される。また、衝撃が大きく緩衝ゴムユニット55で緩衝しきれない場合は、ロックピンホルダ32が挿通孔57の内周縁に接触することで吸収される。このように挿通孔57に緊急のストッパ機能を持たせることで、緩衝部材54にかかる力を制限内に抑えることができ、緩衝部材54の損傷を低減できる。なお、緩衝部材54としてはスプリングを利用してもよい。
【0056】
「第3変形例」
図9は第3変形例のブレーキ装置31の正断面図である。第3変形例のブレーキ装置31では、ロックピン33の基端面が臨む空気室を大気開放する通気孔43に対し、一端がこの通気孔43に連通する通気管58が設けられる。通気管58の他端周りは一端よりも上方に位置し、かつ逆U字状に引き回されたうえでフレーム10やブラケット14などに固定される。これにより、ハンドガイドローラが地中の溝工事などに使用された際、泥や水などの異物の進入が通気管58の逆U字部で妨げられ、通気孔43の通気機能が維持される。通気管58としてはホースやパイプなどが用いられる。なお、通気管58はロックピンホルダ32の内部に注入する防錆油の供給管として用いることができる。
【0057】
また、通気管58の途中には、水を通さずに空気のみを通す機能に優れたフィルタ(例えばゴアテックス(登録商標)など)59を介在させることが好ましく、これにより寒冷地や冬季などにおけるロックピンホルダ32の内部の水分凍結が防止され、ロックピン33の可動機能が維持される。
【0058】
「第4変形例」
図10は第4変形例のブレーキ装置31の正断面図である。寒冷地や冬季などにおけるロックピンホルダ32の内部の水分凍結の対策として、第4変形例のブレーキ装置31は、ロックピンホルダ32に熱抵抗線60からなる解凍手段を備えている。ロックピンホルダ32の空気室近傍の胴部の外周には螺旋溝61が形成され、該螺旋溝61に被覆処理された熱抵抗線60が配線される。ロックピンホルダ32の内部が凍結した場合、操作パネル部7(図1)に設けた図示しないスイッチを操作すると、バッテリ電源により熱抵抗線60に電流が流れて発熱し、ロックピンホルダ32の内部が解凍する。
【0059】
「第5変形例」
図11は第5変形例のブレーキ装置31の説明図であり、(a)は治具62の外観斜視図、(b)は通常時のブレーキ装置31の正断面図、(c)は治具62によるブレーキ解除時のブレーキ装置31の正断面図である。第5変形例のブレーキ装置31は、ロックピン33の基端面に、手動ブレーキ解除用の治具62に螺合するねじ部63が形成されており、図では雌ねじとした場合を示している。カバー40にはキャップ70が圧入嵌合やねじ止めなどにより着脱可能に取り付けられる。また、ロックピンホルダ32の外側の環状の端面には、一対の雌ねじ64がロックピンホルダ32の中心軸を挟むように螺設されている。
【0060】
治具62は、図11(a)に示すように、円板状の基部62aを有し、基部62aの一側面にはねじ部63と螺合するねじ部(雄ねじ)62bが螺設されるとともに、ロックピンホルダ32の雌ねじ64の位置に対応して基部62aを貫通する一対の雌ねじ62cが螺設されている。
【0061】
以上により、例えばエンジンの故障などでエンジンを始動できず、ハンドガイドローラを人力で移動させたい場合や錆の発生や異物の挿入などで万一油圧による自動のブレーキ解除が行われなかった場合には、キャップ70を外し、治具62のねじ部62bをロックピンホルダ32の内部に挿入してロックピン33のねじ部63に螺合させる。次いで、ロックピンホルダ32の雌ねじ64の位置に治具62の雌ねじ62cを合わせ、一対の両雌ねじ62c、64にそれぞれボルト65を螺合させて各ボルト65を締めると、送りねじ作用により治具62が図11(c)に示すように図の左側に移動し、この治具62に螺合したロックピン33が係止部材44から外れ、ブレーキ解除がなされる。
【0062】
ロックピン33の基端面に、手動ブレーキ解除用の治具62に螺合するねじ部63を形成しておくことにより、簡易な構造で非常時における治具62とロックピン33との連結が可能となる。また、送りねじ作用を利用して治具62を移動させる構造とすれば、ロックピン33の引き抜き力を大きくとれるので、ロックピン33が堅固に固着している場合にも対応できる。送りねじの機構としてロックピンホルダ32に形成した雌ねじ64を利用する構造とすれば、簡易な構造となって迅速にブレーキ解除の操作を行える。
【0063】
「第6変形例」
図12は第6変形例のブレーキ装置31の説明図であり、(a)はブレーキがかかっている状態のブレーキ装置31の正断面図、(b)はブレーキ解除時のブレーキ装置31の正断面図である。第6変形例のブレーキ装置31は、ブレーキの状態、つまりブレーキがかかっているか否かを検知するブレーキ検知センサ66を有する。図12ではブレーキ検知センサ66をリミットスイッチとした場合を示しており、カバー40に取り付けている。図12(b)に示すようにロックピン33が係止部材44から外れてブレーキ解除されたとき、ロックピン33の基端面がリミットスイッチに接触することで、ブレーキ解除の信号が出力される。このブレーキ解除の信号に基づき、例えばブレーキがかかっているときに点灯させていた図示しないブレーキランプを消灯させるなどの措置がなされる。
【0064】
第6変形例のブレーキ装置31によれば、ブレーキ検知センサ66によりブレーキの状態が検知されるため、ランプやブザーなどを用いてオペレータにブレーキの状態を知らせることができる。ブレーキ検知センサ66は、接触式に限らず近接センサなどの非接触式のセンサでも差し支えない。
【0065】
以上、本発明に係るハンドガイドローラのブレーキ装置について好適な実施形態を説明したが、各構成手段は図面に記載した内容に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。また、各変形例の構造についてはそれぞれ個別に説明したが、それぞれ組み合わせた構造とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】ハンドガイドローラの側面図である。
【図2】ロールの側面図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】本発明に係るブレーキ装置の説明図であり、(a),(b)はそれぞれ装置のブレーキ解除状態、ブレーキ状態を示す。
【図5】走行系に関する油圧回路図である。
【図6】切換えバルブのソレノイドをエンジンに連動させるための電気回路図である。
【図7】第1変形例のブレーキ装置における電気回路図である。
【図8】(a)は第2変形例のブレーキ装置の側面図、(b)は(a)におけるB−B断面図である。
【図9】第3変形例のブレーキ装置の正断面図である。
【図10】第4変形例のブレーキ装置の正断面図である。
【図11】第5変形例のブレーキ装置の説明図であり、(a)は治具の外観斜視図、(b)は通常時のブレーキ装置の正断面図、(c)は治具によるブレーキ解除時のブレーキ装置の正断面図である。
【図12】第6変形例のブレーキ装置の説明図であり、(a)はブレーキがかかっている状態のブレーキ装置の正断面図、(b)はブレーキ解除時のブレーキ装置の正断面図である。
【図13】従来のブレーキ装置の説明図であり、(a)、(b)はそれぞれブレーキ装置を取り付けたロール周りの側面図、正面図である。
【符号の説明】
【0067】
1 車体
2,3 ロール
10 フレーム
11,12 鏡板
14 ブラケット
31 ブレーキ装置
32 ロックピンホルダ
33 ロックピン
34 付勢手段
35 圧油ポート
36 油室
42 圧縮コイルばね
43 通気孔
44 係止部材
50 エンジンオイル圧力センサ
53 ブレーキスイッチ
54 緩衝部材
55 緩衝ゴムユニット
58 通気管
60 熱抵抗線
66 ブレーキ検知センサ
E エンジン
H ハンドガイドローラ
M1,M2 走行油圧モータ
P 油圧ポンプ
Pc チャージポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のフレームに連結され、圧油ポートを介して外部と連通する油室を形成したロックピンホルダと、
前記油室に臨むように前記ロックピンホルダに摺動自在に挿通されるロックピンと、
ロールの鏡板に突設した係止部材に向けて前記ロックピンを常時付勢する付勢手段と、
を備え、
エンジンが駆動しているとき、前記油室に圧油が充填されその油圧を受けて前記ロックピンが前記係止部材から外れ、
エンジンが停止したとき、前記油室への圧油の供給が停止し、前記付勢手段の付勢力により前記ロックピンが前記係止部材に係止してロールの回転をロックする構成としたことを特徴とするハンドガイドローラのブレーキ装置。
【請求項2】
前記フレームにブラケットを取り付け、このブラケットに前記ロックピンホルダを着脱自在に取り付けたことを特徴とする請求項1に記載のハンドガイドローラのブレーキ装置。
【請求項3】
前記ブラケットと前記ロックピンホルダとの間に、前記ロックピンが前記係止部材に衝突したときの衝撃を緩衝する緩衝部材を設けたことを特徴とする請求項2に記載のハンドガイドローラのブレーキ装置。
【請求項4】
前記ロックピンホルダに、前記ロックピンの基端面が臨む空気室を大気開放するための通気孔を穿設し、
一端がこの通気孔に連通し、他端周りが前記一端よりも上方に位置し、かつ逆U字状に引き回された通気管を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のハンドガイドローラのブレーキ装置。
【請求項5】
前記ロックピンホルダに、このロックピンホルダの内部の水分凍結を解凍するための熱抵抗線を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のハンドガイドローラのブレーキ装置。
【請求項6】
前記ロックピンの基端面に、手動ブレーキ解除用の治具に螺合するねじ部を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のハンドガイドローラのブレーキ装置。
【請求項7】
前記ロックピンホルダの内部に、ブレーキの状態を検知するブレーキ検知センサを設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のハンドガイドローラのブレーキ装置。
【請求項8】
エンジンの駆動状態・停止状態に拘らず、前記油室への圧油の供給を停止させる手動式のブレーキスイッチを操作パネル部に設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のハンドガイドローラのブレーキ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−64616(P2010−64616A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−232819(P2008−232819)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000182384)酒井重工業株式会社 (29)
【Fターム(参考)】