説明

ハンドガイドローラ

【課題】振動式のハンドガイドローラにおいて、ロールの内部に油圧式の走行制動装置を設けるにあたり、走行油圧モータへの振動の負担を低減する。
【解決手段】防振部材よりもばね下質量側に、振動装置と、車体の両側に設けられ、ロール3を軸支するとともにこのロール3に振動装置からの振動を伝達する一対のサイドフレーム14と、一方のサイドフレーム14に取り付けられる走行油圧モータM2と、ロール3を制動する油圧式の走行制動装置31と、を備えたハンドガイドローラHにおいて、走行制動装置31を、走行油圧モータM2と別体に構成して、走行油圧モータM2を介さずにロール3を制動するように設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面の締固め施工等に使用されるハンドガイドローラに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドガイドローラは、走行輪(ロール)で路面を締め固める締固め機械の中では比較的小型の非搭乗型の車両であり、アスファルト舗装の転圧や路肩、狭路地等の締固め施工に使用される。
【0003】
ハンドガイドローラにおける油圧式の走行制動装置の従来の取り付け構造例として特許文献1に記載のものが挙げられる。同文献には、ロールの内部において、走行制動装置を走行油圧モータにタンデム式に取り付け、ピンロック方式により走行油圧モータの出力部の回転をロックすることでロールを制動する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2001−294139号公報(段落[0023]、[0024])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハンドガイドローラが、ロールを振動させながら締め固める振動式のハンドガイドローラの場合、エンジン等の搭載機器は、振動装置の振動から保護するために防振部材を境にばね上質量側に配置される。一方、ばね下質量側に位置するロール軸支用のサイドフレームは、振動を積極的にロールに伝達させる機能を担い、したがって、このサイドフレームにブラケットを介して取り付けられる走行油圧モータは振動の伝達経路上に位置することとなり、走行油圧モータには大きな振動加速度が加わる。
【0005】
このようなハンドガイドローラにおいて、特許文献1の技術のように、走行油圧モータの出力部に制動をかけるべく走行制動装置を走行油圧モータの外側にタンデム式に取り付けると、走行油圧モータと走行制動装置とによるアッセンブリ全体が走行油圧モータの取り付け基端部から長い片持ち梁状態となって、走行油圧モータの取り付け基端部に大きな振動曲げモーメントが加わり、走行油圧モータの取り付け基端部の損傷を招くおそれがある。また、走行油圧モータの出力部を支承する軸受についても、破損防止のために高価な大型の軸受を用いたり、複数の軸受で支承するなどの構造が必要となる。さらに、前記アッセンブリ全体の長さが長いと、その分、鏡板をロールの中央部側に寄せて配置せざるを得なくなり、ロールの端部における強度が不足しがちとなる。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、振動式のハンドガイドローラにおいて、ロールの内部に油圧式の走行制動装置を設けるにあたり、走行油圧モータへの振動の負担が低減されるハンドガイドローラを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、防振部材よりもばね上質量側にエンジンが搭載され、前記防振部材よりもばね下質量側には、振動装置と、車体の両側に設けられ、ロールを軸支するとともにこのロールに前記振動装置からの振動を伝達する一対のサイドフレームと、一方のサイドフレームに取り付けられるロール駆動用の走行油圧モータと、ロールを制動する油圧式の走行制動装置と、を備えたハンドガイドローラにおいて、前記走行制動装置を、前記走行油圧モータと別体に構成して、前記走行油圧モータを介さずにロールを制動するように設けたことを特徴とする。
【0008】
走行制動装置を、走行油圧モータと別体に構成して、走行油圧モータを介さずにロールを制動するように設けることで、走行油圧モータは単体で配置されることになり、取り付け基端部から長い片持ち梁状態となることがない。したがって、取り付け基端部に大きな振動モーメントが加わることがなく、走行油圧モータ周りの損傷を防止できる。また、走行油圧モータの出力部を支承する軸受についても小型の軸受で対応できる。さらに、長い片持ち梁状態とならないため、走行油圧モータと走行制動装置とをロール内に配置させるにあたり、鏡板をロールの側面外側に寄せることが可能となり、ロールの端部の強度も確保される。
【0009】
また、本発明は、エンジンにより駆動される油圧ポンプと前記走行油圧モータとにより油圧の閉回路が形成され、かつ前記油圧ポンプとともに回転して前記閉回路に圧油を補給するチャージポンプを備え、前記走行制動装置は、エンジンが停止して前記チャージポンプからの圧油の供給が停止したときにロールを制動するネガティブブレーキ機構からなることを特徴とする。
【0010】
殆どのハンドガイドローラでは、前後進用レバーを中立位置に戻すことで走行用油圧閉回路の圧油の流れが遮断され、そのときに閉回路内に生ずる静油圧ブレーキの作用によってロールが制動される構造となっている。本発明によれば、エンジンが停止した場合にチャージポンプからブレーキ解除の油室への圧油の供給も停止となりロールの制動が自動でかかるため、閉回路の圧油の流れを遮断するべく前後進用レバーを中立位置に戻さなくてもハンドガイドローラを安全に走行停止させることができる。また、坂道などで施工している場合で、油圧ホース等の走行系油圧閉回路の配管が破損して作動油が流出すると、同様にブレーキ解除のための油室への圧油の供給が絶たれることから、同様に自動的にブレーキがかかる。
【0011】
また、本発明は、前記走行油圧モータをブラケットを介して前記一方のサイドフレームに取り付け、前記走行制動装置を前記ブラケットに取り付けたことを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、1つのブラケットを走行油圧モータの取り付け用と走行制動装置の取り付け用とに共用できるため、部品点数が少なく、走行制動装置の組み付け性に優れた構造となる。
【0013】
また、本発明は、鏡板に固設されたロール回転軸に大径の第1歯車を軸着し、前記走行制動装置の制動軸に軸着した小径の第2歯車を前記大径の第1歯車に噛合させたことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、制動に必要とされるトルクについて、歯数の比分、少なくて済むので、走行制動装置の大きさを抑えることができ、限られたロール内部のスペースに走行制動装置をバランス良く配置することができる。また、歯車の噛合による制動力伝達方式であるので、ロールの内部における走行制動装置の位置ずれ誤差は歯車の噛合部で吸収されることになる。したがって、ロール回転軸を直接制動する構造に比して、走行制動装置を取り付けるブラケットの加工精度がさほど問われることもなく、組み付け作業も容易なものとなる。
【0015】
また、本発明は、前記走行油圧モータの出力軸に第3歯車を軸着し、この第3歯車を前記第1歯車に噛合させたことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、走行油圧モータと走行制動装置とをロール内部の限られたスペースに効率良く配置させることができ、かつ部品点数も少なく構成することができる。
【0017】
また、本発明は、前記走行制動装置は、その筐体が、取付ベースと、フリクションプレートを内蔵するフリクションプレートケースとから構成され、該走行制動装置がロール内に取り付けられた状態で、前記フリクションプレートケースのみをロールの側面外側に取り外し可能に構成したことを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、磨耗品であるフリクションプレートや他の内蔵部品のメンテナンス時において、取付ベースはブラケット等に固定したままで、フリクションプレートケースのみをロールの側面外側に取り外すことができるため、迅速なメンテナンス作業が可能となる。
【0019】
また、本発明は、前記走行制動装置を他方のサイドフレームに取り付けたことを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、走行油圧モータと走行制動装置とが一対の鏡板を挟んで反対に配置されるため、ロールの幅方向の重量バランスが良好となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、走行油圧モータと走行制動装置とが長い片持ち梁状態にならないために、走行油圧モータの取り付け基端部に大きな振動モーメントが加わることがなく、走行油圧モータ周りの損傷を防止できる。また、走行油圧モータの出力部を支承する軸受についても小型の軸受で対応できる。さらに、長い片持ち梁状態とならないため、走行油圧モータと走行制動装置とをロール内に配置させるにあたり、鏡板をロールの側面外側に寄せることが可能となり、ロールの端部の強度も確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1はハンドガイドローラの側面図である。ハンドガイドローラHは車体1に走行駆動源となるエンジンE及びこのエンジンEにより駆動される油圧ポンプP(図7参照)を搭載している。車体1の下部には前後一対のロール2、3を備えており、それぞれに油圧ポンプPからの圧油の供給を受けて作動する走行油圧モータM1、M2が内装されている。車体1の後部には連結用ブラケット4を介して操作桿5が取り付けられ、操作桿5の先端部にはオペレータが把持するハンドル6及び操作パネル部7が設けられている。操作パネル部7には前側に倒すと「前進位置」、後側に倒すと「後進位置」、中間の起立位置で「中立位置」となる前後進用レバー8やエンジン始動用のエンジンスイッチ9、振動用レバー10等が取り付けられている。
【0023】
ハンドガイドローラHには、ロール2、3で路面等を締め固めるにあたりロール2、3を振動させるための振動装置が搭載されている。以下に、この振動装置用の防振部材を境としたばね上質量側とばね下質量側の各構成について説明する。図2は振動装置11周りの説明図であって、(a)〜(c)はそれぞれ正面説明図、平面説明図、側面説明図である。
【0024】
符号12は、エンジンE(図1)やその付随機器、油圧ポンプなどを載置して取り付ける機器取付板を示し、その両側縁の前後端は、図2(a)に示すように、斜め上方に屈曲して傾斜部12aとして形成されている。この機器取付板12は車体1の一部を構成する。各傾斜部12aには、防振部材(防振ゴム13)を介して鉛直状のサイドフレーム14が取り付けられる。つまり、機器取付板12の四隅に設けた計4つの防振ゴム13を介して、サイドフレーム14が機器取付板12の両側に配置される。サイドフレーム14は、ロール2、3を軸支するとともに、ロール2、3に振動装置11からの振動を伝達する機能を担う。なお、符号15は、サイドフレーム14に溶接された防振ゴム13用の台座である。機器取付板12やこれに取り付けられるエンジンE(図1)などは防振ゴム13を境としてばね上質量側の構成部材となる。
【0025】
振動装置11は、偏心錘20を有する起振軸21と、起振機ケース18と、軸受ホルダ16、17とを主な構成部材として構成され、機器取付板12の下方に設けられている。機器取付板12の下方において、各サイドフレーム14の内側面には軸受ホルダ16、17が固設され、この軸受ホルダ16、17間に円筒状の起振機ケース18が掛け渡される。軸受ホルダ16、17にはそれぞれ軸受19が取り付けられ、偏心錘20を有する起振軸21がその両端で軸受19に支承される。起振軸21の一端には従動プーリ22が軸着されており、この従動プーリ22と、エンジンの出力軸にクラッチ機構(図示せず)を介して連結した駆動プーリ23との間にVベルト24が掛け回されている。符合25は、Vベルトの張力ON―OFF用の可動プーリである。
【0026】
以上により、エンジンが所定の回転数に達したときにクラッチ機構が作動して駆動プーリ23がエンジンの出力軸と連結した状態となり、その状態で振動用レバー10(図1)を傾動操作することにより可動プーリ25を動かしてVベルト24に張力をかけると、駆動プーリ23の回転がVベルト24を介して従動プーリ22に伝達され、起振軸21が回転して振動が発生する。振動装置11の振動はサイドフレーム14とブラケット35、37(図4)を介してロール2、3に伝達される。ブラケット35に取り付けられた走行油圧モータM2にも振動が伝達される。振動装置11、サイドフレーム14、ブラケット35、37、走行油圧モータM1、M2、ロール2、3は防振ゴム13を境としてばね下質量側の構成部材となる。一方、ばね上質量側のエンジンE(図1)などの搭載機器は、防振ゴム13の介在によって振動装置11の振動から保護される。
【0027】
次に、ロールの内部構造について説明する。図1に示すように、走行制動装置31は本実施形態では後側のロール3に設けられている。図3は図1における後側のロール3の拡大図である。また、図4は走行油圧モータM2の取り付け構造の説明図であって、図3におけるA−A断面図、図5は走行制動装置31の取り付け構造の説明図であって、図3におけるB−B断面図である。
【0028】
図3に示すように、走行油圧モータM2と走行制動装置31とは、車両前後方向に関してロール3の中心を挟んで反対に配置されている。ただし、走行油圧モータM2と走行制動装置31の各中心はロール3の中心よりも若干下方に位置する。特に、走行制動装置31は、後記するようにフリクションプレートケース47のみを、サイドフレーム14と干渉することなくロール3の側面外側(図3における紙面手前方向)に取り外せるように配置されている。
【0029】
図4において、ロール3内には互いに離間した一対の円板状の鏡板32、33が固設され、鏡板32、33には各中心を貫通するロール回転軸34が固設されている。一方のサイドフレーム14には、ブラケット35が複数のボルト36によりロール3内に位置するように取り付けられ、他方のサイドフレーム14には、ブラケット37が複数のボルト38によりロール3内に位置するように取り付けられる。ブラケット35は、例えば複数の板材を溶接やボルト締め等により一体に形成したものからなる。
【0030】
ロール回転軸34は一端が軸受39を介してブラケット35に支承され、他端が軸受40を介してブラケット37に支承される。ブラケット35には走行油圧モータM2がボルト41(図4に仮想線で示す)により固定される。走行油圧モータM2の出力軸42は、ブラケット35を貫通したうえで軸受43を介してこのブラケット35に支承され、出力軸42の先端に軸着された駆動歯車(第3歯車)44がロール回転軸34に軸着された従動歯車(第1歯車)45に噛合する。従動歯車(第1歯車)45は駆動歯車(第3歯車)59よりも大径である。以上により、走行油圧モータM2の出力軸42が回転すると、駆動歯車44および従動歯車45からなる歯車伝達機構によりロール回転軸34とともにロール3が回転する。
【0031】
走行油圧モータM2の取り付け用のブラケット35は、図5に示すように走行制動装置31の取り付け用のブラケットとして共用される。本実施形態の走行制動装置31は、エンジンが停止して、後記するチャージポンプPc(図7)からの圧油の供給が停止したときにロール3を制動するネガティブブレーキ機構であり、具体的には湿式多板式ブレーキとしている。
【0032】
走行制動装置31の筐体は、ブラケット35に取り付けられる取付ベース46と、フリクションプレート61を内蔵するフリクションプレートケース47とから構成されており、図3に示すように、ロール3の側面外側にボルト頭が臨む複数の合わせボルト48により両者が互いに固定されている。図3に示す符号49のボルトは、図5において、取付ベース46をブラケット35に取り付けるための取付ボルトであり、取付ベース46に形成された貫通孔を通ってブラケット35の雌ねじ部に螺合している。磨耗品であるフリクションプレート61や他の内蔵部品のメンテナンス時などには、合わせボルト48(図3)を外すことにより、取付ベース46はブラケット35に固定したままで、フリクションプレートケース47のみをサイドフレーム14と干渉することなくロール3の側面外側に取り外すことができるようになっており、迅速なメンテナンス作業が可能である。
【0033】
図6は図5における走行制動装置31の拡大断面図である。フリクションプレートケース47は、その内径部が鏡板32寄りから大内径部47a、小内径部47bとして形成されており、大径部50aおよび小径部50bを形成したリング形状のシリンダ50が大内径部47aおよび小内径部47bに摺動可能に内蔵されている。大内径部47a、小内径部47bにはそれぞれオイルシール51a、51bが取り付けられる。取付ベース46にはガイドピン52が取り付けられており、シリンダ50は、大径部50aの端面に形成したガイド孔50cがこのガイドピン52にガイドされることで、回転不能の状態でロール3の幅方向に移動する。
【0034】
大内径部47aと小内径部47bとの間に形成される環状の段差面と、大径部50aと小径部50bとの間に形成される環状の段差面とによって囲まれる環状の空間が油室53を構成し、外部に通じる圧油ポート54がこの油室53に臨むように形成されている。取付ベース46には複数のばね収容室55が形成されており、各ばね収容室55に、シリンダ50の大径部50aを油室53側に向けて常時付勢する圧縮コイルばね56が収容されている。図3では、圧縮コイルばね56が円周方向に等間隔で6個配置された場合を示している。
【0035】
図6において、シリンダ50の内側に位置する制動軸57は、軸受58を介して取付ベース46に回転可能に支承されており、また、ロール3の幅方向には移動不能である。ブラケット35を貫通した制動軸57の先端には制動歯車(第2歯車)59が軸着され、この制動歯車59が前記従動歯車(第1歯車)45に噛合する。なお、制動歯車59はその胴部が軸受60にてブラケット35に支承される。従動歯車(第1歯車)45は制動歯車(第2歯車)59よりも大径である。すなわち、「従動歯車(第1歯車)45の歯数>制動歯車(第2歯車)59の歯数」の関係にある。
【0036】
フリクションプレートケース47の内部において、制動軸57には複数のフリクションプレート61がスプライン結合により取り付けられるとともに、各フリクションプレート61間に位置するように、リング形状のステータ62がスプライン結合により前記シリンダ50の内周面に取り付けられている。なお、通常、フリクションプレート61のフリクション面にはライニングが固設される。シリンダ50における鏡板32寄りの端部の内周面には、最も鏡板32寄りのフリクションプレート61をロール3の側面外側に向けて押圧する押圧用突部50dが突設されている。
【0037】
符号63は、ブレーキ非常解除用の六角孔付きのボルトであり、ボルトの先端はシリンダ50の小径部50bの端部に臨んでいる。通常時には、ボルト63はその先端がシリンダ50と干渉しない程度にフリクションプレートケース47に螺合されており、何らかの理由により油圧によるブレーキ解除ができない場合には、六角孔を利用してボルト63をねじこんでいき、その先端でシリンダ50の小径部50bの端部を押圧してブレーキを解除する。ボルトのねじこみを利用するため、シリンダ50に対する押圧力を大きくとれ、ブレーキ機構部が堅固に固着している場合にも迅速に対応できる。
【0038】
以上の構成からなる走行制動装置31の作用を説明すると、施工時などエンジンE(図1)が駆動しているときには、圧油が油圧ホース(図示せず)より圧油ポート54に流入して油室53に充填され、その油圧を受けてシリンダ50が圧縮コイルばね56の付勢力に抗して鏡板32側に移動した状態にある(図6の状態)。この状態では、フリクションプレート61とステータ62とは密着しておらず、ロール3が走行している場合には、従動歯車45と制動歯車59との噛合により制動軸57は空回りしている。
【0039】
そして、エンジンEが停止して油室53への圧油の供給が停止すると、圧縮コイルばね56の付勢力によりシリンダ50がロール3の側面外側に移動し、シリンダ50の押圧用突部50dがフリクションプレート61とステータ62とを密着させたうえでフリクションプレートケース47の内壁に押し付ける。シリンダ50はガイドピン52によって回転不能であるから、このシリンダ50にスプライン結合で取り付けられたステータ62とフリクションプレート61との間に発生する摩擦力によって制動軸57の回転が制動され、歯車機構を介してロール3の回転が制動される。
【0040】
以上のように、防振ゴム13よりもばね上質量側にエンジンが搭載され、防振ゴム13よりもばね下質量側には、振動装置11と、一対のサイドフレーム14と、一方のサイドフレーム14に取り付けられるロール駆動用の走行油圧モータM2と、ロール3を制動する油圧式の走行制動装置31と、を備えたハンドガイドローラHにおいて、走行制動装置31を、走行油圧モータM2と別体に構成して、走行油圧モータM2を介さずにロール3を制動するように設けた構造とすれば以下に示す効果が奏される。
【0041】
前記したように、振動装置11からの振動は一対のサイドフレーム14を通じてロール3に伝達され、走行油圧モータM2はサイドフレーム14とロール3との間の振動伝達経路上に配置されている。特に、走行油圧モータM2を取り付けるためのブラケット(ブラケット35)は振動を積極的にロール3に伝達する機能を担っているので、走行油圧モータM2には大きな振動加速度が加わる。このようなハンドガイドローラHにおいて、特許文献1の技術のように、走行油圧モータの出力部に制動をかけるべく走行制動装置を走行油圧モータの外側にタンデム式に取り付けると、走行油圧モータと走行制動装置とによるアッセンブリ全体が走行油圧モータの取り付け基端部から長い片持ち梁状態となって、走行油圧モータの取り付け基端部に大きな振動曲げモーメントが加わり、走行油圧モータの取り付け基端部の損傷を招くおそれがある。また、走行油圧モータの出力部を支承する軸受についても、破損防止のために高価な大型の軸受を用いたり、複数の軸受で支承するなどの構造が必要となる。さらに、前記アッセンブリ全体の長さが長いと、その分、鏡板をロールの中央部側に寄せて配置せざるを得なくなり、ロールの端部における強度が不足しがちとなる。
【0042】
これに対し、本発明のように、走行制動装置31を、走行油圧モータM2と別体に構成して、走行油圧モータM2を介さずにロール3を制動するように設ければ、走行油圧モータ2は単体で配置されることになるため、取り付け基端部から長い片持ち梁状態となることがない。したがって、取り付け基端部に大きな振動モーメントが加わることがなく、走行油圧モータM2周りの損傷を防止できる。また、走行油圧モータM2の出力軸42を支承する軸受43についても小型の軸受で対応できる。さらに、長い片持ち梁状態とならないため、走行油圧モータM2と走行制動装置31とをロール3内に配置させるにあたり、鏡板32をロール3の側面外側に寄せることが可能となり、ロール3の端部の強度も確保される。
【0043】
また、本実施形態のように、走行油圧モータM2をブラケット35を介して一方のサイドフレーム14に取り付け、走行制動装置31をブラケット35に取り付ける構造とすれば、ブラケット35を走行油圧モータM2の取り付け用と走行制動装置31の取り付け用とに共用できるため、部品点数が少なく、走行制動装置31の組み付け性に優れた構造となる。
【0044】
さらに、鏡板32に固設されたロール回転軸34に大径の従動歯車(第1歯車)45を軸着し、走行制動装置31の制動軸57に軸着した小径の制動歯車(第2歯車)59を従動歯車(第1歯車)45に噛合させる構造とすれば、制動に必要とされるトルクについて、歯数の比分、少なくて済むので、走行制動装置31の大きさを抑えることができ、限られたロール内部のスペースに走行制動装置31をバランス良く配置することができる。また、歯車の噛合による制動力伝達方式であるので、ロール3の内部における走行制動装置31の位置ずれ誤差は歯車の噛合部で吸収されることになる。したがって、ロール回転軸34を直接制動する構造に比して、走行制動装置31を取り付けるブラケット35の加工精度がさほど問われることもなく、組み付け作業も容易なものとなる。
【0045】
また、走行油圧モータM2の出力軸42に駆動歯車(第3歯車)44を軸着し、この駆動歯車(第3歯車)44を従動歯車(第1歯車)45に噛合させる構造とすれば、走行油圧モータM2と走行制動装置31とをロール内部の限られたスペースに効率良く配置させることができ、かつ部品点数も少なく構成することができる。
【0046】
次に、走行制動装置31への圧油の供給をエンジンEに連動させる構成例について説明する。図7は走行系に関する油圧回路図、図8は切換えバルブのソレノイドSをエンジンに連動させるための電気回路図である。図7において、ハンドガイドローラの走行系に関する油圧回路は油圧ポンプPと走行油圧モータM1、M2とによって閉回路を構成しており、油圧ポンプPの一方の圧油ポートPaと走行油圧モータM1の圧油ポートM1aが管路T1により、油圧ポンプPの他方の圧油ポートPbと走行油圧モータM2の圧油ポートM2aが管路T2により、走行油圧モータM1の圧油ポートM1bと走行油圧モータM2の圧油ポートM2bが管路T3によりそれぞれ接続している。
【0047】
油圧ポンプPは例えば斜板式可変容量形ピストンポンプ等である。油圧ポンプPは前後進用レバー8(図1)を「中立位置」から「前進位置」又は「後進位置」に傾動操作することで、油圧ポンプP内の斜板(図示せず)の角度が切り換わり、閉回路において圧油の量および流れを正逆方向に切り換える。そして、この圧油の正逆方向の流れに伴い走行油圧モータM1、M2が正逆回転することでハンドガイドローラが前進或いは後進する。前後進用レバー8を「中立位置」にすると、前記斜板がニュートラルの位置となりポンプ作用が停止し、油圧ポンプP内の油路を積極的に遮断することにより、いわゆる静油圧ブレーキが働き、ハンドガイドローラは走行停止となる。
【0048】
符号71、72は管路T1、T2間にわたって介設されるチェックバルブである。符号PcはエンジンEの回転とともに油圧ポンプPと一緒に回転し、前記閉回路に圧油を補給するチャージポンプを示し、油圧ポンプPと一体的に設けられている。チャージポンプPcの吸入ポートはフィルタを介して油タンク73に接続し、吐出ポートは管路T4に接続している。管路T4は管路T5、T6、T7に分岐形成され、管路T5はリリーフバルブ74を介して油タンク73に接続するとともに、管路T6はチェックバルブ71、72間に接続している。これによりチャージポンプPcは、チェックバルブ71またはチェックバルブ72を経て低圧となった管路T1、T2のいずれかに圧油の不足流量を補給する。
【0049】
管路T7は2位置3ポートの電磁式の切換えバルブ75を介して管路T8と管路T9に分岐し、一方の管路T8は油タンク73に接続し、他方の管路T9はロール3内に取り付けられた走行制動装置31の圧油ポート54に接続する。切換えバルブ75はエンジンEが駆動しているときにはソレノイドS(図8)が励磁されて管路T7と管路T9を連通した状態とし、これによりチャージポンプPcから圧油が走行制動装置31に供給され、走行制動装置31はブレーキ解除の状態となる。エンジンEが停止してソレノイドSが非励磁になると、切換えバルブ75の位置が切り換わって管路T8と管路T9とが連通し、管路T7からの圧油の供給が遮断されるとともに走行制動装置31内の圧油が管路T9、T8を通って油タンク73内に流れ出し、圧縮コイルばね56の付勢力によりシリンダ50(図6)が移動してフリクションプレートの摩擦力によりロール3が制動される。
【0050】
図8において、符号76はエンジンオイル圧力センサを示す。一般にハンドガイドローラには従来からエンジンの焼付等を防止する目的で、エンジン駆動時におけるエンジンオイル(潤滑油)の圧力を検知する前記エンジンオイル圧力センサが取り付けられており、ある圧力値以下になるとエンジンが停止したものとして警報ランプや警報ブザーで作業者に注意を促すようになっている。本実施形態ではエンジンの駆動・停止の検知手段としてこのエンジンオイル圧力センサを利用している。なお、エンジンの駆動・停止の検知手段の他の例としては、エンジンの発電コイルからの電圧,電流を検知する方法や、エンジン回転数センサを利用する方法、エンジンの吸気圧力を検知する方法などが挙げられる。
【0051】
エンジンオイル圧力センサ76はリレー77のコイルおよびスイッチ78を介してバッテリ79の+端子側に接続している。スイッチ78はエンジンスイッチ9(図1)と連動したスイッチである。リレー77の共通端子であるC端子はスイッチ78を介してバッテリ79の+端子側に接続し、NC端子は図7に示した切換えバルブ75のソレノイドSに接続している。エンジンが駆動してエンジンオイルの圧力が十分あるときにはエンジンオイル圧力センサ76には通電されず、リレー77のコイルが非励磁となって図8に示すようにC端子とNC端子が接続し、ソレノイドSが励磁される。エンジンが停止するなどしてエンジンオイルの圧力が所定値よりも下がると、エンジンオイル圧力センサ76が通電し、リレー77のコイルが励磁されてC端子とNO端子が接続し、ソレノイドSは非励磁となる。
【0052】
以上のように、エンジンEにより駆動される油圧ポンプPと走行油圧モータM1、M2とにより油圧の閉回路が形成され、かつ油圧ポンプPとともに回転して前記閉回路に圧油を補給するチャージポンプPcを備えたハンドガイドローラHにおいて、走行制動装置31を、エンジンEが停止してチャージポンプPcからの圧油の供給が停止したときにロール3を制動するネガティブブレーキ機構とすれば、エンジンEが停止した場合には、圧油の供給が停止してロールの制動が自動でかかるため、前後進用レバー8を中立位置に戻さなくてもハンドガイドローラHを安全に走行停止させることができる。また、坂道などで施工している場合で、油圧ホース等の走行系油圧閉回路の配管が破損して作動油が流出すると、ブレーキ解除のための油室53への圧油の供給が絶たれることから、同様に自動的にブレーキがかかる。
【0053】
次に、変形例として、エンジンの駆動状態・停止状態に拘らず、走行制動装置31への圧油の供給を停止させる手動式のブレーキスイッチを設けた場合について説明する。図9はその電気回路図である。油圧の閉回路を有するハンドガイドローラにおいては、前後進用レバー8を中立位置に戻して静油圧ブレーキを任意の時に効かせることは可能であるが、前後進用レバー8はハンドガイドローラの前後進操作も兼ねているので、咄嗟のときに操作しづらい面がある。
【0054】
図9に示したブレーキスイッチ80は、2回路2接点型のスイッチを一対備え、両スイッチが連動するタイプである。一方のスイッチにおいては、スイッチのC端子がリレー77のNC端子に接続し、スイッチのNC端子は切換えバルブ75(図7)のソレノイドSに接続する。他方のスイッチはランプLやブザーBなどの警告手段に用いられ、スイッチのC端子はバッテリ79の+端子に常時通ずる回路に接続し、スイッチのNO端子がランプLやブザーBに接続する。以上のブレーキスイッチ80、ランプなどは例えば図1に示した操作パネル部7に設けられる。スイッチ型式は、押ボタン式、トグル式、ロータリ式などである。
【0055】
ブレーキスイッチ80は通常時は図9に示す状態にあり、何らかの事態が生じてオペレータがブレーキスイッチ80をスイッチ操作すると、スイッチのC端子とNO端子とが接続する。したがって、ソレノイドSが非励磁となってブレーキがかかるとともに、スイッチ操作された旨がランプLやブザーBにより警告される。ブレーキスイッチ80は、通常の締固め作業における手の位置の近くである操作パネル部7に設けられるので、走行制動装置31を非常用ブレーキとして簡単に、かつ迅速に使用できる。
【0056】
以上、本発明の最良の形態について説明した。説明した形態では、走行制動装置31を、ブラケット35を介して走行油圧モータM2と共に一方のサイドフレーム14に取り付けたが、走行制動装置31を他方のサイドフレーム14に取り付けることも可能である。図10は走行油圧モータM2を一方のサイドフレーム14に取り付け、走行制動装置31を他方のサイドフレーム14に取り付けた例を示すロール内部の構造断面図である。なお、図10において、図4に示した構成部材と同一のものには同一の符号を付してその説明は省略する。
【0057】
他方のサイドフレーム14にはボルト38によりブラケット81が取り付けられ、ロール回転軸34の端部は、ブラケット81に取り付けた軸受40により支承されている。ブラケット81には、ボルト82により走行制動装置31が取り付けられている。図では湿式多板式のネガティブブレーキ機構とした場合を示している。機構の原理は図6の場合と同様であり、ロール回転軸34にスプライン結合等により連結した制動軸83にはフリクションプレート61がスプライン結合により取り付けられるとともに、フリクションプレートケース84の内壁にはステータ62がスプライン結合により取り付けられている。
【0058】
施工時などエンジンE(図1)が駆動しているときには、圧油が圧油ポート54から流入して油室53に充填され、その油圧を受けてシリンダ86が圧縮コイルばね85の付勢力に抗してロール3の側面外側に移動した状態にある(図10の状態)。この状態では、フリクションプレート61とステータ62とは密着しておらず、ロール3が走行している場合には制動軸83は空回りしている。そして、エンジンEが停止して油室53への圧油の供給が停止すると、圧縮コイルばね85の付勢力によりシリンダ86が鏡板33側に移動してフリクションプレート61とステータ62とを密着させたうえでフリクションプレートケース84の内壁に押し付ける。これにより、ステータ62とフリクションプレート61との間に発生する摩擦力によって制動軸83の回転が制動され、ロール3の回転が制動される。
【0059】
このように、走行油圧モータM2を一方のサイドフレーム14に取り付け、走行制動装置31を他方のサイドフレーム14に取り付ければ、走行油圧モータM2と走行制動装置31とが一対の鏡板32、33を挟んで反対に配置されるため、ロール3の幅方向の重量バランスが良好となる。
【0060】
また、走行制動装置31を他方のサイドフレーム14に取り付ける場合にも、図5に示したように、ロール回転軸34の軸心から制動軸の位置をずらして歯車伝達機構により制動伝達させることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係るハンドガイドローラの側面図である。
【図2】振動装置周りの説明図であって、(a)〜(c)はそれぞれ正面説明図、平面説明図、側面説明図である。
【図3】図1における後側のロールの拡大図である。
【図4】走行油圧モータの取り付け構造の説明図であって、図3におけるA−A断面図である。
【図5】走行制動装置の取り付け構造の説明図であって、図3におけるB−B断面図である。
【図6】走行制動装置の拡大断面図である。
【図7】走行系に関する油圧回路図である。
【図8】切換えバルブのソレノイドをエンジンに連動させるための電気回路図である。
【図9】手動用のブレーキスイッチを設けた場合の電気回路図である。
【図10】走行油圧モータを一方のサイドフレームに取り付け、走行制動装置を他方のサイドフレームに取り付けた例を示すロール内部の構造断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 車体
2,3 ロール
11 振動装置
12 機器取付板
13 防振ゴム
14 サイドフレーム
31 走行制動装置
32、33 鏡板
35 ブラケット
42 出力軸
44 駆動歯車(第3歯車)
45 従動歯車(第1歯車)
46 取付ベース
47 フリクションプレートケース
50 シリンダ
53 油室
54 圧油ポート
57 制動軸
59 制動歯車(第2歯車)
E エンジン
H ハンドガイドローラ
M1、M2 走行油圧モータ
P 油圧ポンプ
Pc チャージポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防振部材よりもばね上質量側にエンジンが搭載され、
前記防振部材よりもばね下質量側には、振動装置と、車体の両側に設けられ、ロールを軸支するとともにこのロールに前記振動装置からの振動を伝達する一対のサイドフレームと、一方のサイドフレームに取り付けられるロール駆動用の走行油圧モータと、ロールを制動する油圧式の走行制動装置と、
を備えたハンドガイドローラにおいて、
前記走行制動装置を、前記走行油圧モータと別体に構成して、前記走行油圧モータを介さずにロールを制動するように設けたことを特徴とするハンドガイドローラ。
【請求項2】
エンジンにより駆動される油圧ポンプと前記走行油圧モータとにより油圧の閉回路が形成され、かつ前記油圧ポンプとともに回転して前記閉回路に圧油を補給するチャージポンプを備え、
前記走行制動装置は、エンジンが停止して前記チャージポンプからの圧油の供給が停止したときにロールを制動するネガティブブレーキ機構からなることを特徴とする請求項1に記載のハンドガイドローラ。
【請求項3】
前記走行油圧モータをブラケットを介して前記一方のサイドフレームに取り付け、
前記走行制動装置を前記ブラケットに取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハンドガイドローラ。
【請求項4】
鏡板に固設されたロール回転軸に大径の第1歯車を軸着し、
前記走行制動装置の制動軸に軸着した小径の第2歯車を前記大径の第1歯車に噛合させたことを特徴とする請求項3に記載のハンドガイドローラ。
【請求項5】
前記走行油圧モータの出力軸に第3歯車を軸着し、この第3歯車を前記第1歯車に噛合させたことを特徴とする請求項4に記載のハンドガイドローラ。
【請求項6】
前記走行制動装置は、その筐体が、取付ベースと、フリクションプレートを内蔵するフリクションプレートケースとから構成され、
該走行制動装置がロール内に取り付けられた状態で、前記フリクションプレートケースのみをロールの側面外側に取り外し可能に構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のハンドガイドローラ。
【請求項7】
前記走行制動装置を他方のサイドフレームに取り付けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハンドガイドローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−101028(P2010−101028A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271489(P2008−271489)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(000182384)酒井重工業株式会社 (29)
【Fターム(参考)】