説明

バーストデータ再生装置

【課題】バーストデータからクロックを抽出してデータの再生を行うバーストデータ再生装置を得ること。
【解決手段】入力バーストデータ、ICLK、θCLKを入力し、入力バーストデータとICLKとの間の比較結果を出力する周波数位相比較部1と、入力バーストデータとICLKとの比較結果に基づいて準同期状態または非準同期状態を示す検出信号を出力する準同期状態検出部2と、比較結果を平滑化するループフィルタ部3と、準同期状態の場合は非準同期状態の場合よりも小さな利得でループフィルタ部3の出力信号を増幅する線形利得可変増幅部4と、線形利得可変増幅部4の出力信号に基づいてICLKおよびθCLKを生成する多位相型電圧制御発振部5と、入力バーストデータを遅延させる遅延調整部6と、遅延調整後の入力バーストデータとICLKに基づいてデータを再生する識別部7と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PON(Passive Optical Networks)システムにおいてクロックを抽出してデータの再生を行うバーストデータ再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットや高精細映像配信を代表とするブロードバンドサービスの一般加入者エリア(加入者系)への急激な拡大により、加入者系通信網では、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等に代わる新たな高速、大容量な通信システムが期待されている。このような要求に応えるため、加入者系通信網では、広帯域な光信号及び光ファイバを用いたFTTH(Fiber−to−the−home)サービスの本格的な市場展開が開始され、加入者系を対象とした光アクセスサービスへの登録加入者数は指数関数的な増大を見せている。
【0003】
加入者系光アクセスシステムとしては、伝送路である光ファイバ、および無電源の分岐用光カプラを用いて親局装置(OLT:Optical Line Terminal)と加入者装置(ONU:Optical Network Unit)を1対多接続にて双方向に結ぶPON(Passive Optical Networks)システムが主流である。下記非特許文献1には、PONシステムの詳細なシステム構成が開示されている。PONシステムでは、ONUからの光信号をバースト的に間欠(発光オン・オフ)させ、時間的に多重化したTDMA(Time Division Multiplex Access)方式が要求されている。バースト光信号を用いたTDMA方式では、各ONUからの上り信号を時間軸上で多重化するため、一芯の光ファイバ伝送路を介した1つのOLTにより、同一の送信光波長帯を有する複数のONUが収容可能となる。これにより、複数の加入者ONU間で高価なOLTを共有することが可能となり、効率よくシステムの低コスト化を実現でき、さらに光アクセスサービスへの加入者数を増加させることができる。
【0004】
一方、TDMA−PON方式は、バースト光信号を高速に受信するための技術的な課題が多く、特に、経路の異なる(位相の異なる)各ONUから発出されたバースト光信号データから、バースト光信号パケット毎に高速にクロック情報を抽出してデータをリタイミング再生するという課題がある。高速なクロック抽出は、バーストデータ再生に必要な余長時間を短縮しシステムの伝送容量(スループット)を向上させるために必須な技術である。下記非特許文献1には、余長時間に関する規定が定められているが、高速にクロックを抽出するための具体的な回路方式や構成の示唆はない。
【0005】
下記特許文献1には、高速にクロックを抽出する技術として、帰還制御型PLL(Phase Locked Loop)における同期引き込み時間(クロック抽出時間)を短縮する方法が開示されている。帰還制御型PLLループでは、入力クロックのm分周クロックとPLLループ内電圧制御発振器(VCO)出力クロックのn分周クロックとの位相差情報に基づいて、切り替え制御部が、位相差が大きい場合には増幅率の大きい増幅器を、位相差が小さい場合には増幅率の小さい増幅器を、それぞれ使用するように切り替え制御を行う。これにより、入力クロックがバースト的に瞬断した場合でもクロック抽出時間を短縮できる。なお、下記特許文献1では、具体的に帰還制御型PLLをPONシステムに適用する記載はないが、帰還制御型PLLはPONシステムへの適用が可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−237122号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】国際標準仕様書 IEEE802.3−2005
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の技術によれば、切り替え制御部は、入力クロックとVCO出力クロックとの間の周波数・位相誤差に相当するクロックパルス数(入力クロック速度換算)を必要とするが、ジッタ量の少ない安定したクロックを生成するためには周波数・位相誤差を小さくする必要がある。そのため、所要のクロックパルス数が多くなり、切り替え制御部の処理速度が低速となりクロック抽出速度を高速化できない、という問題があった。例えば、入力データとVCO出力クロックが同期状態であると判定するためには、周波数・位相誤差を数十〜数百ppm(百万分の一)以下とする必要があるが、入力データレート換算で1/(通常数十〜数百ppm)相当に対応する数万クロック以上のクロックパルス数が必要となる。そのため、PONシステムで要求される高速なクロック抽出速度を実現することができない、という問題があった。
【0009】
また、切り替え制御部では、所要クロックパルス数を少なくした場合、すなわち切り替え判断する周波数・位相誤差の許容値を大きくした場合、抽出クロックのジッタ量が大きくなり、抽出クロックを用いて正確で安定したデータの再生ができない、という問題があった。特にバースト信号入力先頭領域の様な位相誤差が大きく誤差方向が+/−の両方向にある状態を高速に繰り返す過渡応答領域では、同期状態を正しく識別出来ず、抽出クロックのジッタ量が大きくなり、さらに制御ループが不安定な状態となるため抽出速度が低下する、という問題があった。
【0010】
また、切り替え条件の最適化により抽出速度の高速化と生成クロックの低ジッタ化、制御ループの安定化が図れた場合であっても、このような論理回路を実現するためには、通常100MHz程度の動作周波数が上限となる。そのため、10Gb/s級のPONシステムを実現しようとしても、切り替え制御部では、切り替え制御が入力データに対して1/100以下の低速動作となり、要求されるクロック抽出速度を実現できない、という問題があった。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、PONシステムにおいて、バースト光信号から高速でクロックを抽出しつつ、高速かつ低ジッタで正確なデータの再生が可能なバーストデータ再生装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、帰還制御型PLLを構成し、バーストデータからクロックを抽出してデータの再生を行うバーストデータ再生装置であって、前記バーストデータ、当該バーストデータから抽出されたクロックである第1のクロック、および当該第1のクロックと所定の位相差を持つクロックである第2のクロックを入力とし、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相を比較し、当該所定の位相差に基づいて、位相の比較結果、または当該バーストデータと当該第1のクロックとの間の周波数の比較結果を出力する比較手段と、前記比較結果に基づいて、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記所定の位相差以下の場合は準同期状態を示す検出信号を出力し、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記所定の位相差よりも大きい場合は非準同期状態を示す検出信号を出力する準同期状態検出手段と、前記比較結果を積分して平滑化する積分手段と、準同期状態の場合は前記検出信号に基づいて非準同期状態の場合よりも利得を小さく設定し、前記積分手段により平滑化された信号を増幅して制御電圧レベル信号として出力する増幅手段と、前記制御電圧レベル信号に基づいて前記第1のクロックおよび前記第2のクロックを生成し、前記比較手段へ出力するクロック生成手段と、前記バーストデータを、前記第1のクロックを出力するための処理時間だけ遅延させる遅延調整手段と、遅延調整後のバーストデータと前記第1のクロックに基づいてデータ再生を行うデータ再生手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、バースト光信号から高速でクロックを抽出しつつ、高速かつ低ジッタで正確なデータの再生ができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、バーストデータ再生装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、周波数位相比較部1および準同期状態検出部2の構成例を示す図である。
【図3】図3は、シミュレーション結果を示す図である。
【図4】図4は、線形利得可変増幅部4の回路接続図を示す図である。
【図5】図5は、バーストデータ再生装置の構成例を示す図である。
【図6】図6は、シミュレーション結果を示す図である。
【図7】図7は、バーストデータ再生装置の構成例を示す図である。
【図8】図8は、制御部9の制御動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかるバーストデータ再生装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0016】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態におけるバーストデータ再生装置の構成例を示す図である。図1において、1は周波数位相比較部、2は準同期状態検出部、3はループフィルタ部、4は線形利得可変増幅部、5は多位相型電圧制御発振部(以下、多位相VCO(Voltage Controlled Oscillator)部とする)、6は遅延調整部、7は識別部である。
【0017】
周波数位相比較部1は、入力バーストデータと多位相VCO部5から出力されたクロックとの間で、周波数および位相の比較を行う。準同期状態検出部2は、周波数位相比較部1からの出力結果に基づいて検出信号を出力する。ループフィルタ部3は、周波数位相比較部1からの出力結果を平滑化する。線形利得可変増幅部4は、準同期状態検出部2からの検出信号に基づいて増幅処理を行い、多位相VCO部5を制御する制御電圧レベルを決定する。多位相VCO部5は、制御電圧レベルに基づいて帰還制御動作を行い、入力バーストデータと同期したクロックを抽出する。遅延調整部6は、入力バーストデータと抽出クロックとの間の回路遅延を補償する。識別部7は、入力バーストデータと抽出されたクロックとに基づいてデータの再生を行う。ここでは、DFF(Delay Flip Flop)で構成する。
【0018】
つづいて、バーストデータ再生装置におけるクロック抽出およびデータ再生の動作について説明する。周波数位相比較部1は、時間的に間欠した入力バーストデータと、多位相VCO部5の出力クロックとの間で周波数および位相を比較する。ここで、周波数位相比較部1では、多位相VCO部5から発出された入力バーストデータからの抽出クロックであるICLK(In−phase clock)と、ICLKからθ(θ≒π/2)だけ位相がずれたθCLK(θ−phase shifted clock)の2位相クロックをプローブとして周波数・位相比較を行う。周波数位相比較部1は、後述する詳細動作により、入力バーストデータの位相が抽出クロック(ICLK)の位相とθ以上離れている場合には、周波数比較結果として、多位相VCO部5の周波数が入力データより高い場合にはlowレベルを、低い場合にはHiレベルを出力する。また、入力バーストデータの位相とICLKの位相との差がθ以下の場合には、位相比較モードとなり位相差信号を出力する。
【0019】
準同期状態検出部2は、周波数位相比較部1の出力結果に基づき、入力バーストデータの位相とICLKの位相との差がθ以下となる場合は、準同期状態としてLowレベルを、入力バーストデータの位相がICLKの位相とθより大きい場合は、非準同期状態としてHiレベルを、検出信号として線形利得可変増幅部4へ出力する。なお、論理レベルのLow、Hiの設定は一例であり、回路の実装条件に応じて異なる設定にしてもよい。
【0020】
ループフィルタ部3は、周波数位相比較部1からの出力信号を積分し平滑化した信号を線形利得可変増幅部4へ出力する。
【0021】
線形利得可変増幅部4は、準同期状態検出部2から出力された検出信号に基づいて、ループフィルタ部3から出力された平滑化後の信号に対して増幅処理を行う。具体的に、線形利得可変増幅部4は、検出信号がLowとなる準同期状態の場合には低い線形利得に設定し、検出信号がHiとなる非準同期状態の場合には高い線形利得に設定する。これにより、準同期状態では帰還制御PLLループにおけるループ利得を低くし、非準同期状態ではループ利得を高くすることが可能となる。一般的に帰還制御型PLLでは、ループ利得の高利得化は制御ループの自然角周波数ωnの高速化となり、すなわち、応答速度の高速化を実現できる。また、ループ利得の低利得化はVCO出力位相雑音の低減、すなわち、低ジッタ化となる。これにより、非準同期状態から非同期状態における抽出速度の高速化と、準同期状態から同期状態における低ジッタ化とを両立することができる。線形利得可変増幅部4は、増幅後の信号を多位相VCO部5へ出力する。
【0022】
多位相VCO部5は、線形利得可変増幅部4の出力信号レベルを制御電圧レベルとする帰還制御動作を行い、最終的に入力バーストデータと位相・周波数が同期したクロック(ICLK)を抽出する。多位相VCO部5では、帰還制御として、ICLKとともにICLKからθだけ位相がずれたθCLKを生成し、周波数位相比較部1へ出力する。
【0023】
識別部7は、抽出されたクロックを用いて入力バーストデータを再生し、再生データを出力する。なお、遅延調整部6は、入力バーストデータと抽出クロック間の回路遅延等を補償する。
【0024】
つぎに、周波数位相比較部1および準同期状態検出部2の詳細構成について説明する。図2は、周波数位相比較部1および準同期状態検出部2の構成例を示す図である。ここで、周波数位相比較部1および準同期状態検出部2は、実際には共用回路として実現可能であり、回路構成の簡素化、小型化が可能となる利点も持つ。図2において、11はサンプリング部、12は保持部、13は周波数比較部、14はセレクタ部、15は準同期状態検出部であり、周波数位相比較部1におけるθCLK入力部と共用化されている。準同期状態検出部15は、図1における準同期状態検出部2と同一の機能を備え、ICLK入力部と同一構成のサンプリング部11および保持部12により構成されている。
【0025】
サンプリング部11は、多位相VCO部5から出力されたICLKまたはθCLKを入力バーストデータでサンプリングする。保持部12は、サンプリング結果を保持する。周波数比較部13は、ICLKサンプリング結果とθCLKサンプリング結果との比較を行う。セレクタ部14は、θCLKサンプリング結果(検出信号)に基づいて出力信号を決定する。準同期状態検出部15は、準同期状態検出部2と同様に検出信号を出力する。
【0026】
つぎに、周波数位相比較部1および準同期状態検出部2の詳細動作についてシミュレーション結果を用いて説明する。図3は、周波数位相比較部1および準同期状態検出部2において図2の測定点A〜Gにおける回路シミュレーション結果を示す図である。シミュレーションでは、一例として入力バーストデータを156.25MHzのクロックとし、多位相VCO部5からのクロックの出力周波数が212MHzの場合を示す。周波数位相比較部1に入力されたICLK入力A及びθCLK入力Bは、サンプリング部11において入力バーストデータCの立ち上がりエッジおよび立ち下りエッジで振幅レベルがサンプリングされ、保持部12により保持され、出力される。
【0027】
図3において、DはICLKのサンプリング結果であり、EはθCLKのサンプリング結果である。ここで、サンプリング結果は多位相VCO部5から出力されたCLKと入力バーストデータ間の周波数および位相誤差に対応したうなり成分を示しており、DとEはうなり成分(周波数)におけるθ位相ずれの関係にある。このようなサンプリングを行った場合、θCLKのサンプリング結果EにおけるLow区間は、入力バーストデータとICLKがθ位相以下の関係、すなわち入力データと多位相VCO部5からの出力クロック(ICLK)との位相誤差がθ以下となる準同期状態を表していることとなる。すなわち、θCLKのサンプリング結果Eは、準同期状態の検出信号として機能させることが可能である。
【0028】
周波数比較部13は、ICLKサンプリング結果DをθCLKサンプリング結果Eの立ち上がりエッジによりラッチ出力し、立ち下りエッジによりリセットする信号Fを出力する。この動作により、非準同期時(EがHiレベルの間)に多位相VCO部5からの出力クロック(ICLK)の周波数が入力バーストデータより高い場合にはHiレベルを出力することが可能であり、この論理レベルを周波数の高低を表す2値信号として使用することが出来る。
【0029】
セレクタ部14は、θCLKサンプリング結果EがHiレベル、すなわち非準同期状態では周波数比較部出力Fを出力し、θCLKサンプリング結果EがLowレベル、すなわち準同期状態ではICLKサンプリング結果Dを出力する。従って、セレクタ部14からの周波数位相比較部出力Gは、非準同期状態では周波数の高低を表す2値レベルを、準同期状態ではθ以下の位相誤差に対応した位相誤差のうなり成分を表すこととなる。これにより、周波数・位相比較結果の抽出と同時に入力バーストデータのビット速度オーダに対応した非準同期、準同期状態の検出と利得可変が可能となり、高速なループ利得の適応可変を実現することができる。
【0030】
ここで、線形利得可変増幅部4の回路の具体的な回路構成について説明する。図4は、バイポーラトランジスタを用いた場合の線形利得可変増幅部4の回路接続図を示す図である。VCCは電源電圧レベルを、VEEはグランド電圧レベルを示す。異なるエミッタ抵抗値を用いて線形領域での利得が異なる差動増幅器A、差動増幅器Bを準同期状態検出信号により高速に切り替えることにより、簡易な回路構成で簡易な利得可変増幅器を実現することが可能である。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態では、入力バーストデータと多位相VCO部の抽出クロックとの間で位相差がθ(θ≒π/2)以下の場合を準同期状態、θより大きい場合を非準同期状態とし、帰還制御型PLLにおけるループ利得を、非準同期の場合には大きく、準同期の場合には小さくすることとした。これにより、長い検出時間を有する完全同期状態を検出することなく、入力バーストデータレートに動的に適応したループ利得の切り替えができるため、高速なクロック抽出と低ジッタで安定したデータ再生を行うことが可能となる。
【0032】
実施の形態2.
本実施の形態では、準同期状態・非準同期状態のいずれかの状態に応じてデータ再生に使用するクロックを変更する。実施の形態1と異なる部分について説明する。
【0033】
図5は、本実施の形態におけるバーストデータ再生装置の構成例を示す図である。図5において、1は周波数位相比較部、2は準同期状態検出部、3はループフィルタ部、4は線形利得可変増幅部、5は多位相VCO部、6は遅延調整部、7は識別部、8はクロック選択部である。クロック選択部8は、検出信号に基づいて、識別部7へ出力するクロックを選択する。
【0034】
つづいて、バーストデータ再生装置におけるクロック抽出およびデータ再生の動作について説明する。クロック抽出動作については実施の形態1と同様のため、データ再生動作について説明する。本実施の形態では、クロック選択部8が、抽出されたICLKまたはθCLKから出力するクロックを選択する。具体的に、クロック選択部8は、検出信号に基づいて、非準同期状態の場合にはθCLKを、準同期状態の場合にはICLKをデータ再生に使用するクロック(識別クロック)として選択する。識別部7は、選択されたクロックを用いて入力バーストデータを再生する。
【0035】
ここで、非準同期状態・準同期状態に応じてデータ再生に使用するクロックを変更することによる効果について図を用いて説明する。図6は、本実施の形態におけるバーストデータ再生装置の検出信号出力および識別部7の再生データの出力結果の計算機シミュレーション結果を示す図である。ここでは、無信号入力状態から10.3Gb/sの入力バーストデータが時間1ns遅延後に瞬時に入力された場合を計算している。また、クロック選択部8を無効とし、すべての同期状態においてICLKを用いてデータの再生を行っているものとする。なお、シミュレーション結果における時間0の初期計算結果は計算アルゴリズムの都合によるものであり、実回路動作と異なるが回路動作の説明には影響しない。また、出力電圧レベルは任意であり本回路動作を制限するものではない。
【0036】
図6に示すように、バーストデータ再生装置に10.3Gb/sの入力バーストデータが入力された初期段階では非準同期状態であり、準同期状態を経て、ある収束時間(シミュレーションでは21ns以降あるいは21ns近傍)に完全同期状態に遷移している事が分かる。ここで、図6中にアイパタンとして示すICLKを抽出クロックとした識別部7の再生データは、非準同期状態ではアイパタンが完全に崩れている。すなわち、識別部7は、正確な再生データを出力していない。その後、ジッタ量が準同期状態として判定される位相差θに相当するジッタ量以下に低減し、ICLKにて完全同期状態へと遷移していることが分かる。
【0037】
従って、バーストデータ再生装置において、非準同期状態では、過大なジッタ重畳を考慮しジッタに対して位相マージンを確保可能なθCLKを用いてデータ再生を行い、準同期状態に遷移後は、入力バーストデータと最も位相余裕を確保しやすいICLKを用いてデータ再生を行うように、クロック選択部8がクロックを選択する。これにより、ジッタ量が大きい非準同期状態から準同期状態に遷移する過渡過程においても有効なデータを再生することが可能となり、入力バーストデータにおける余長部分を短縮化し、入力バーストデータの再生時間を実効的に高速化することが可能となる。
【0038】
以上説明したように、本実施の形態では、入力バーストデータの再生に使用するクロックとして、非準同期状態の場合にはθCLKを、準同期状態の場合にはICLKを選択することにより、ジッタ量が大きい非準同期状態から準同期状態に遷移する過渡過程においても有効なデータを再生することができることとした。これにより、実施の形態1と比較して、入力バーストデータにおける余長部分を短縮化し、さらに入力バーストデータの再生時間を実効的に高速化することが可能となる。
【0039】
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態1、2と比較して、準同期状態・非準同期状態の判別を詳細に行う。実施の形態1、2と異なる部分について説明する。
【0040】
図7は、本実施の形態におけるバーストデータ再生装置の構成例を示す図である。図7において、1aは周波数位相比較部、1bは周波数位相比較部、2aは準同期状態検出部、2bは準同期状態検出部、3はループフィルタ部、4aは線形利得可変増幅部、5aは多位相VCO部、6は遅延調整部、7は識別部、8はクロック選択部、9は制御部である。
【0041】
周波数位相比較部1aは、周波数位相比較部1と同一である。周波数位相比較部1bは、周波数位相比較部1と同一の構成であるが、多位相VCO部5aから入力するクロックが周波数位相比較部1aと異なる。準同期状態検出部2aは、準同期状態検出部2と同一であり、周波数位相比較部1aからの出力結果に基づいて検出信号を出力する。準同期状態検出部2bは、準同期状態検出部2と同一であり、周波数位相比較部1bからの出力結果に基づいて検出信号を出力する。線形利得可変増幅部4aは、制御部9の制御に基づいて、ループフィルタ部3からの出力結果に対する利得を変更し、多位相VCO部5aを制御する制御電圧レベルを決定する。多位相VCO部5aは、多位相VCO部5と比較して、出力するクロックが1つ増えるがその他の機能は同一である。制御部9は、入力された2つの検出信号に基づいて線形利得可変増幅部4aの利得を制御する。
【0042】
つづいて、バーストデータ再生装置におけるクロック抽出およびデータ再生の動作について説明する。周波数位相比較部1aは、入力バーストデータを入力し、多位相VCO部5aからの出力クロックとの間で周波数および位相を比較する。準同期状態検出部2aは、周波数位相比較部1aの出力結果に基づいて検出信号1を出力する。周波数位相比較部1aおよび準同期状態検出部2aの動作は、実施の形態1、2における周波数位相比較部1および準同期状態検出部2と同様である。また、本実施の形態では、周波数位相比較部1bが、入力バーストデータを入力し、多位相VCO部5aからの出力クロックとの間で周波数および位相を比較する。ここで、周波数位相比較部1bには、ICLK、およびθ以下の位相差nをもつnCLKが入力される。準同期状態検出部2bは、周波数位相比較部1bの出力結果に基づいて検出信号2を出力する。
【0043】
そして、制御部9が、検出信号1、2に基づいて、線形利得可変増幅部4aの利得を制御する。線形利得可変増幅部4aは、制御部9の制御信号に基づいて利得の設定を行う。
【0044】
多位相VCO部5aは、線形利得可変増幅部4aの出力信号レベルを制御電圧レベルとする帰還制御動作を行い、最終的に入力バーストデータと位相・周波数が同期したクロック(ICLK)を抽出する。多位相VCO部5aでは、帰還制御として、ICLK、ICLKからθだけ位相がずれたθCLK、ICLKからnだけ位相がずれたnCLKを生成し出力する。
【0045】
ここで、制御部9の制御動作について説明する。図8は、制御部9の制御動作を示す図である。制御部9は、検出信号1が非準同期状態を示す領域では、線形可変利得増幅部4aの利得が大となる制御信号を発出する。検出信号1が準同期状態を示す領域では、検出信号2に従い、検出信号2が非準同期状態の場合は利得を中とし、準同期状態では利得を小とする制御動作を行う。このように、線形可変利得増幅部4aの利得を変更することにより、実施の形態2と比較して、細かな制御が可能となる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態では、θよりも小さな位相差を示すnCLKを用いて非準同期状態・準同期状態を詳細に判別し、2つの検出信号に基づいて線形可変利得増幅部4aの利得を制御することとした。これにより、実施の形態2と比較して、さらに入力バーストデータにおける余長部分を短縮化し、入力バーストデータの再生時間を実効的に高速化することが可能となる。
【0047】
なお、クロック選択部8を備える実施の形態2を用いて説明したが、クロック選択部8を備えない実施の形態1についても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかるバーストデータ再生装置は、クロックを抽出してデータ再生を行う装置に有用であり、特に、PONシステムにおいてクロックを抽出してデータ再生を行う装置に適している。
【符号の説明】
【0049】
1、1a、1b 周波数位相比較部
2、2a、2b 準同期状態検出部
3 ループフィルタ部
4、4a 線形利得可変増幅部
5、5a 多位相型電圧制御発振部
6 遅延調整部
7 識別部
8 クロック選択部
9 制御部
11 サンプリング部
12 保持部
13 周波数比較部
14 セレクタ部
15 準同期状態検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帰還制御型PLLを構成し、バーストデータからクロックを抽出してデータの再生を行うバーストデータ再生装置であって、
前記バーストデータ、当該バーストデータから抽出されたクロックである第1のクロック、および当該第1のクロックと所定の位相差を持つクロックである第2のクロックを入力とし、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相を比較し、当該所定の位相差に基づいて、位相の比較結果、または当該バーストデータと当該第1のクロックとの間の周波数の比較結果を出力する比較手段と、
前記比較結果に基づいて、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記所定の位相差以下の場合は準同期状態を示す検出信号を出力し、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記所定の位相差よりも大きい場合は非準同期状態を示す検出信号を出力する準同期状態検出手段と、
前記比較結果を積分して平滑化する積分手段と、
準同期状態の場合は前記検出信号に基づいて非準同期状態の場合よりも利得を小さく設定し、前記積分手段により平滑化された信号を増幅して制御電圧レベル信号として出力する増幅手段と、
前記制御電圧レベル信号に基づいて前記第1のクロックおよび前記第2のクロックを生成し、前記比較手段へ出力するクロック生成手段と、
前記バーストデータを、前記第1のクロックを出力するための処理時間だけ遅延させる遅延調整手段と、
遅延調整後のバーストデータと前記第1のクロックに基づいてデータ再生を行うデータ再生手段と、
を備えることを特徴とするバーストデータ再生装置。
【請求項2】
帰還制御型PLLを構成し、バーストデータからクロックを抽出してデータの再生を行うバーストデータ再生装置であって、
前記バーストデータ、当該バーストデータから抽出されたクロックである第1のクロック、および当該第1のクロックと所定の位相差を持つクロックである第2のクロックを入力とし、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相を比較し、当該所定の位相差に基づいて、位相の比較結果、または当該バーストデータと当該第1のクロックとの間の周波数の比較結果を出力し、また、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相差が当該所定の位相差以下の場合は準同期状態を示す検出信号を出力し、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相差が当該所定の位相差よりも大きい場合は非準同期状態を示す検出信号を出力する比較手段と、
前記比較結果を積分して平滑化する積分手段と、
準同期状態の場合は前記検出信号に基づいて非準同期状態の場合よりも利得を小さく設定し、前記積分手段により平滑化された信号を増幅して制御電圧レベル信号として出力する増幅手段と、
前記制御電圧レベル信号に基づいて前記第1のクロックおよび前記第2のクロックを生成し、前記比較手段へ出力するクロック生成手段と、
前記バーストデータを、前記第1のクロックを出力するための処理時間だけ遅延させる遅延調整手段と、
遅延調整後のバーストデータと前記第1のクロックに基づいてデータ再生を行うデータ再生手段と、
を備えることを特徴とするバーストデータ再生装置。
【請求項3】
前記比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相を比較する際、当該バーストデータの立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングで当該第1のクロックおよび前記第2のクロックをサンプリングする、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のバーストデータ再生装置。
【請求項4】
前記比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記所定の位相差より大きい場合、前記周波数の比較結果を出力する、
ことを特徴とする請求項1、2または3に記載のバーストデータ再生装置。
【請求項5】
前記比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記所定の位相差以下の場合、前記位相の比較結果を出力する、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のバーストデータ再生装置。
【請求項6】
さらに、
前記第1のクロック、前記第2のクロック、および前記検出信号を入力とし、データ再生に使用するクロックとして、当該検出信号が準同期状態を示す場合は当該第1のクロックを選択し、当該検出信号が非準同期状態を示す場合は当該第2のクロックを選択するクロック選択手段、
を備え、
前記データ再生手段は、前記遅延調整後のバーストデータと前記クロック選択手段によって選択されたクロックとに基づいてデータ再生を行う、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のバーストデータ再生装置。
【請求項7】
前記増幅手段は、抵抗値の異なるエミッタ抵抗を用いて、線形領域での利得が異なる差動増幅器を前記検出信号に基づいて切り替える、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のバーストデータ再生装置。
【請求項8】
帰還制御型PLLを構成し、バーストデータからクロックを抽出してデータの再生を行うバーストデータ再生装置であって、
前記バーストデータ、当該バーストデータから抽出されたクロックである第1のクロック、および当該第1のクロックと第1の位相差を持つクロックである第2のクロックを入力とし、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相を比較し、当該第1の位相差に基づいて、位相の比較結果、または当該バーストデータと当該第1のクロックとの間の周波数の比較結果を、第1の比較結果として出力する第1の比較手段と、
前記第1の比較結果に基づいて、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記第1の位相差以下の場合は準同期状態を示す第1の検出信号を出力し、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記第1の位相差よりも大きい場合は非準同期状態を示す第1の検出信号を出力する第1の準同期状態検出手段と、
前記バーストデータ、前記第1のクロック、および当該第1のクロックと第2の位相差(第1の位相差>第2の位相差)を持つクロックである第3のクロックを入力とし、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相を比較し、当該第2の位相差に基づいて、位相の比較結果、または当該バーストデータと当該第1のクロックとの間の周波数の比較結果を、第2の比較結果として出力する第2の比較手段と、
前記第2の比較結果に基づいて、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記第2の位相差以下の場合は準同期状態を示す第2の検出信号を出力し、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記第2の位相差よりも大きい場合は非準同期状態を示す第2の検出信号を出力する第2の準同期状態検出手段と、
前記第1の比較結果を積分して平滑化する積分手段と、
前記2つの検出信号に基づいて、前記第1の検出信号が準同期状態を示し前記第2の検出信号が非準同期状態を示す場合は、前記第1の検出信号が非準同期状態を示す場合よりも利得を小さくする制御信号を出力し、また、前記第2の検出信号が準同期状態を示す場合は、前記第1の検出信号が準同期状態を示し前記第2の検出信号が非準同期状態を示す場合よりも利得を小さくする制御信号を出力する制御手段と、
前記制御信号に基づいて利得を設定し、前記積分手段により平滑化された信号を増幅して制御電圧レベル信号として出力する増幅手段と、
前記制御電圧レベル信号に基づいて前記第1のクロック、前記第2のクロック、および前記第3のクロックを生成し、当該第1のクロックおよび当該第2のクロックを前記第1の比較手段へ出力し、当該第1のクロックおよび当該第3のクロックを前記第2の比較手段へ出力するクロック生成手段と、
前記バーストデータを、前記第1のクロックを出力するための処理時間だけ遅延させる遅延調整手段と、
遅延調整後のバーストデータと前記第1のクロックに基づいてデータ再生を行うデータ再生手段と、
を備えることを特徴とするバーストデータ再生装置。
【請求項9】
前記第2の比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記第2の位相差より大きい場合、周波数の比較結果を出力する、
ことを特徴とする請求項8に記載のバーストデータ再生装置。
【請求項10】
前記第2の比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記第2の位相差以下の場合、前記位相の比較結果を出力する、
ことを特徴とする請求項8または9に記載のバーストデータ再生装置。
【請求項11】
帰還制御型PLLを構成し、バーストデータからクロックを抽出してデータの再生を行うバーストデータ再生装置であって、
前記バーストデータ、当該バーストデータから抽出されたクロックである第1のクロック、および当該第1のクロックと第1の位相差を持つクロックである第2のクロックを入力とし、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相を比較し、当該第1の位相差に基づいて、位相の比較結果、または当該バーストデータと当該第1のクロックとの間の周波数の比較結果を出力し、また、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相差が当該第1の位相差以下の場合は準同期状態を示す検出信号を出力し、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相差が当該第1の位相差よりも大きい場合は非準同期状態を示す検出信号を出力する第1の比較手段と、
前記バーストデータ、前記第1のクロック、および当該第1のクロックと第2の位相差(第1の位相差>第2の位相差)を持つクロックである第3のクロックを入力とし、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相を比較し、当該第2の位相差に基づいて、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相差が当該第2の位相差以下の場合は準同期状態を示す第2の検出信号を出力し、当該バーストデータと当該第1のクロックの位相差が当該第2の位相差よりも大きい場合は非準同期状態を示す第2の検出信号を出力する第2の比較手段と、
前記比較結果を積分して平滑化する積分手段と、
前記2つの検出信号に基づいて、前記第1の検出信号が準同期状態を示し前記第2の検出信号が非準同期状態を示す場合は、前記第1の検出信号が非準同期状態を示す場合よりも利得を小さくする制御信号を出力し、前記第2の検出信号が準同期状態を示す場合は、前記第1の検出信号が準同期状態を示し前記第2の検出信号が非準同期状態を示す場合よりも利得を小さくする制御信号を出力する制御手段と、
前記制御信号に基づいて利得を設定し、前記積分手段により平滑化された信号を増幅して制御電圧レベル信号として出力する増幅手段と、
前記制御電圧レベル信号に基づいて、前記第1のクロック、前記第2のクロック、および前記第3のクロックを生成し、当該第1のクロックおよび当該第2のクロックを前記第1の比較手段へ出力し、当該第1のクロックおよび当該第3のクロックを前記第2の比較手段へ出力するクロック生成手段と、
前記バーストデータを、前記第1のクロックを出力するための処理時間だけ遅延させる遅延調整手段と、
遅延調整後のバーストデータと前記第1のクロックに基づいてデータ再生を行うデータ再生手段と、
を備えることを特徴とするバーストデータ再生装置。
【請求項12】
前記第1の比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相を比較する際、当該バーストデータの立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングで当該第1のクロックおよび前記第2のクロックをサンプリングし、
前記第2の比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相を比較する際、当該バーストデータの立ち上がりおよび立ち下がりのタイミングで当該第1のクロックおよび前記第3のクロックをサンプリングする、
ことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1つに記載のバーストデータ再生装置。
【請求項13】
前記第1の比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記第1の位相差より大きい場合、周波数の比較結果を出力する、
ことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1つに記載のバーストデータ再生装置。
【請求項14】
前記第1の比較手段は、前記バーストデータと前記第1のクロックの位相差が前記第1の位相差以下の場合、前記位相の比較結果を出力する、
ことを特徴とする請求項8〜13のいずれか1つに記載のバーストデータ再生装置。
【請求項15】
さらに、
前記第1のクロック、前記第2のクロック、および前記第1の検出信号を入力し、データ再生に使用するクロックとして、当該第1の検出信号が準同期状態を示す場合は当該第1のクロックを選択し、当該第1の検出信号が非準同期状態を示す場合は当該第2のクロックを選択するクロック選択手段、
を備え、
前記データ再生手段は、前記遅延調整後のバーストデータと前記クロック選択手段によって選択されたクロックとに基づいてデータ再生を行う、
ことを特徴とする請求項8〜14のいずれか1つに記載のバーストデータ再生装置。
【請求項16】
前記増幅手段は、抵抗値の異なるエミッタ抵抗を用いて、線形領域での利得が異なる差動増幅器を前記制御信号に基づいて切り替える、
ことを特徴とする請求項8〜15のいずれか1つに記載のバーストデータ再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−97175(P2011−97175A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246805(P2009−246805)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】