説明

パーキングブレーキ装置

【課題】オペレーティングレバーの円滑な回動を実現しながらオペレーティングレバーのガタ付きによる異音を抑制する。
【解決手段】パーキングブレーキ装置10において、オペレーティングレバー16は、ウエブ14aとバックプレート20の間において第2ブレーキシュー14に回動可能に支持され、回動されることにより第1ブレーキシュー12との間に介在するシューストラット15を押圧して一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付ける。凸部14fは、パーキングブレーキが解除されているときにオペレーティングレバー16のウエブ14aに近づく方向への移動を規制し、パーキングブレーキが作動されたときにオペレーティングレバー16のウエブ14aに近づく方向への移動の規制を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーキングブレーキ装置に関し、特にオペレーティングレバーを備えるパーキングブレーキ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に設けられるパーキングブレーキの多くにはドラムブレーキが採用されている。ドラムブレーキは一対のブレーキシュー、および回動可能なオペレーティングレバーを有する。運転者によってパーキングブレーキレバーが操作されることによって、または電動パーキングブレーキの場合はアクチュエータが作動することによって、オペレーティングレバーの先端が引っ張られて回動され、ブレーキシューストラットを押圧して一対のブレーキシューの各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる。こうしてブレーキシューとブレーキドラムとの摩擦力によって車両に制動力が与えられる。
【0003】
パーキングブレーキがこのように作動しているときは、オペレーティングレバーは先端部が引っ張られ、中間部がブレーキシューストラットによって押し返されることから、そのガタ付きは抑制される。しかし、パーキングブレーキが解除されているときは、先端部が引っ張られる力や中間部が押し返される力は小さく、オペレーティングレバーはガタ付き易い状態となる。また、パーキングブレーキが解除されているときは車両が走行中である場合が多く、この場合の車輪の振動がオペレーティングレバーに伝達してオペレーティングレバーも振動し易い状態となる。オペレーティングレバーは、一般的にブレーキシューのウエブと、車両中心側のバックプレートとの間に設けられるため、このようにオペレーティングレバーが移動しまたは振動することによってウエブやバックプレートと断続的に接触し、異音が発生する場合がある。バックプレートはウエブよりも薄い板厚によって形成されていることが多いので、特にバックプレートと接触することにより発生する異音は耳障りなものとなり得る。
【0004】
このため、たとえば特許文献1では、圧縮スプリングを介してケーブルエンドとオペレーティングレバー34とが係合させられ、ケーブルエンドの直角方向のガタつきを抑制するパーキングケーブルの連結構造が提案されている。また、たとえば特許文献2では、ウエブに設けられた切込み片にパーキングレバーを挿通してパーキングレバーのガタ付きを抑制する車両用ドラムブレーキが提案されている。また、たとえば特許文献3では、パーキングレバー11とブレーキシューのウエブとの間に当接機構を設けて、パーキングレバーの過回動を防止するドラムブレーキ用パーキングレバーの過回動防止装置が提案されている。
【特許文献1】特開2004−196227号公報
【特許文献2】実開平1−89634号公報
【特許文献3】実開平5−89984号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
たとえば特許文献1および特許文献3に記載される技術では、オペレーティングレバーがウエブまたはバックプレートに近づく方向への移動や振動を抑制することは困難である。また、たとえば特許文献2に記載される技術では、パーキングブレーキが作動しているときもオペレーティングレバーのウエブまたはバックプレートに近づく方向への移動が規制される。このため、パーキングブレーキが作動された状態から解除されるときに摩擦やかじりなどが発生した場合、オペレーティングレバーが円滑に戻ることが困難となる。
【0006】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、オペレーティングレバーの円滑な回動を実現しながらオペレーティングレバーのガタ付きによる異音を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のパーキングブレーキ装置は、ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、前記ウエブとバックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、パーキングブレーキが解除されているときに前記オペレーティングレバーの前記ウエブに近づく方向または前記バックプレートに近づく方向への移動を規制し、パーキングブレーキが作動されたときに前記オペレーティングレバーの前記ウエブに近づく方向または前記バックプレートに近づく方向への移動の規制を解除する規制部と、を備える。
【0008】
この態様によれば、パーキングブレーキが解除されているときには、オペレーティングレバーがウエブまたはバックプレートに断続的に接触することが抑制されるので、オペレーティングレバーのガタ付きによる異音を抑制することができる。また、パーキングブレーキが作動されたときには、オペレーティングレバーの移動の規制が解除されるので、その後パーキングブレーキが解除された場合にもオペレーティングレバーは円滑に戻ることが可能となる。
【0009】
前記規制部は、パーキングブレーキが解除されているときに前記オペレーティングレバーと前記ウエブまたは前記オペレーティングレバーと前記バックプレートとを相互に当接させ、パーキングブレーキが作動されたときに前記オペレーティングレバーと前記ウエブまたは前記オペレーティングレバーと前記バックプレートとの相互の当接を解除させるよう、前記オペレーティングレバー、前記ウエブ、および前記バックプレートのいずれかに設けられてもよい。この態様によれば、前記オペレーティングレバー、前記ウエブ、および前記バックプレートのいずれかにこのような規制部材を設けるという簡易な構成によって、オペレーティングレバーのガタ付きによる異音の発生を抑制することができる。
【0010】
本発明の別の態様もまた、パーキングブレーキ装置である。この装置は、ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、パーキングブレーキが解除されたときに前記オペレーティングレバーの共振周波数を変更させる共振周波数変更手段と、を備える。
【0011】
オペレーティングレバーは、ある一定の範囲の周波数で振動することによって共振し、他の周波数で振動する場合よりも大きな異音を発生する。この態様によれば、パーキングブレーキが解除されている状態では、与えられにくい振動の周波数に共振周波数を変更するなどが可能となり、オペレーティングレバーのガタ付きによる異音の発生を抑制することができる。
【0012】
前記共振周波数変更手段は、パーキングブレーキが解除されたときに前記オペレーティングレバーと前記ブレーキシューとを接続し、パーキングブレーキが作動したときに前記オペレーティングレバーと前記ブレーキシューとの接続を解除してもよい。この態様によれば、パーキングブレーキが解除されている状態ではオペレーティングレバーのガタ付きによる異音を抑制することができ、パーキングブレーキが作動している状態では、オペレーティングレバーの円滑な回動が可能となる。
【0013】
前記共振周波数変更手段は、前記オペレーティングレバーと前記ブレーキシューとを接続する弾性部材を含んでもよい。この態様によれば、弾性部材によってオペレーティングレバーの振動を抑制することが可能となる。
【0014】
前記共振周波数変更手段は、前記オペレーティングレバーと前記ブレーキシューとを接続する磁石を含んでもよい。この態様によれば、オペレーティングレバーとブレーキシューとの接続および接続の解除を、簡易な構成によって実現することができる。
【0015】
本発明のさらに別の態様もまた、パーキングブレーキ装置である。この装置は、ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、を備える。前記オペレーティングレバーには、重量部材が設けられる。この態様によれば、オペレーティングレバーに重量部材を設けるという簡易な構成によって、オペレーティングレバーの共振周波数を、与えられにくい振動の周波数に変更することが可能となり、オペレーティングレバーの振動を抑制することができる。
【0016】
本発明のさらに別の態様もまた、パーキングブレーキ装置である。この装置は、ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、を備える。前記オペレーティングレバーには、肉抜き部が設けられる。この態様によれば、オペレーティングレバーに肉抜き部を設けるという簡易な構成によって、オペレーティングレバーの共振周波数を、与えられにくい振動の周波数に変更することが可能となり、オペレーティングレバーの振動を抑制することができる。
【0017】
本発明のさらに別の態様もまた、パーキングブレーキ装置である。この装置は、ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、を備える。前記オペレーティングレバーの重心位置は、ブレーキドラムの回転中心より前記オペレーティングレバーの回動中心側に位置する。この態様によれば、オペレーティングレバーの重心位置を変更するという簡易な構成によって、オペレーティングレバーの共振周波数を、与えられにくい振動の周波数に変更することが可能となり、オペレーティングレバーの振動を抑制することができる。
【0018】
本発明のさらに別の態様もまた、パーキングブレーキ装置である。この装置は、ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、前記オペレーティングレバーと前記ウエブとの間、または前記オペレーティングレバーと前記バックプレートとの間に配置された緩衝部材と、を備える。この態様によれば、オペレーティングレバーが振動してもオペレーティングレバーとウエブ、またはオペレーティングレバーとバックプレートとが直接当接することが抑制されるため、オペレーティングレバーの振動による異音の発生を抑制することができる。
【0019】
本発明のさらに別の態様もまた、パーキングブレーキ装置である。この装置は、ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、軸孔が設けられ、該軸孔に回動軸が挿入されることにより前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、を備える。前記オペレーティングレバーは、前記軸孔を軸方向に延長する軸孔延長部を有する。この態様によれば、軸孔と回動軸との間のガタによるオペレーティングレバーのガタ付きを抑制することができる。また回動軸の外周と接触する軸孔の内周の面積を増加させることができるので、回動軸の外周または軸孔の内周が摩耗してオペレーティングレバーのガタ付きが増加することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のパーキングブレーキ装置によれば、オペレーティングレバーの円滑な回動を実現しながらオペレーティングレバーのガタ付きによる異音を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という。)について詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
図1(a)は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aの全体構成図であり、図1(b)は第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10AのA−A断面図である。図1(a)は、パーキングブレーキ装置10Aをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。
【0023】
パーキングブレーキ装置10Aは、第1ブレーキシュー12、第2ブレーキシュー14、オペレーティングレバー16、シューストラット15、係止部材13、および調整用ストラット17、バックプレート20などを有する。
【0024】
第1ブレーキシュー12は、ウエブ12a、リム12b、およびライニング12cを有する。ウエブ12aは板状に形成され、外形がブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在する円弧状に形成される。リム12bは、外形が長方形に形成された板状の部材がウエブ12aの外径と同一の内径を形成する曲面を有するよう曲げられた形状に形成される。リム12bは、内周の幅方向中央においてウエブ12aの外周と一体的に結合される。
【0025】
ライニング12cは、外形が長方形に形成された板状の部材がリム12bの外形と同一の内径を形成する曲面を有するよう曲げられた形状に形成される。ライニング12cは、ブレーキドラムの内周との摩擦によるブレーキドラムを摩耗を抑制するため、ブレーキドラムよりも硬度の低い、たとえば軟鋼や鋳鋼などの金属類などによって形成される。リム12bの外周とライニング12cの内周とは接着などによって固定される。
【0026】
第2ブレーキシュー14は、ウエブ14a、リム14b、およびライニング14cを有する。ウエブ14a、リム14b、およびライニング14cは、第1ブレーキシュー12のウエブ12a、リム12b、およびライニング12cと略線対称に形成される以外はウエブ12a、リム12b、およびライニング12cと同様である。
【0027】
ブレーキドラム(図示せず)は円筒状に形成され、車輪と共に回転するよう車輪に取り付けられる。このブレーキドラムの内部に、第1ブレーキシュー12、および第2ブレーキシュー14が配置される。第1ブレーキシュー12および第2ブレーキシュー14は、ブレーキドラムの内周と間隔を開けて円周方向に並設される。本実施形態では、第1ブレーキシュー12は本図右側、第2ブレーキシュー14は本図左側に配置にそれぞれ向かい合うようにブレーキドラムの内部に配置される。
【0028】
第1ブレーキシュー12のウエブ12aの一方(本図における上方)の端部である第1端部12dは凹状に形成される。また、第1ブレーキシュー12の第1端部12dと隣接する、第2ブレーキシュー14のウエブ14aの一方(本図における上方)の端部である第1端部14dも凹状に形成される。第1ブレーキシュー12の第1端部12dおよび第2ブレーキシュー14の第1端部14dは、相互に向かい合うように形成される。第1ブレーキシュー12の第1端部12dと第2ブレーキシュー14の第1端部14dとの間に係止部材13が配置される。係止部材13はバックプレート20に固定される。
【0029】
第1ブレーキシュー12のウエブ12aの他方(本図における下方)の端部である第2端部12eもまた凹状に形成される。また第1ブレーキシュー12の第2端部12eと隣接する、第2ブレーキシュー14のウエブ14aの他方(本図における下方)の端部である第2端部14eも凹状に形成される。第1ブレーキシュー12の第2端部12eおよび第2ブレーキシュー14の第2端部14eは、相互に向かい合うように形成される。第1ブレーキシュー12の第2端部12eと第2ブレーキシュー14の第2端部14eとの間に調整用ストラット17が配置される。
【0030】
第1ブレーキシュー12および第2ブレーキシュー14は、シュースプリング(図示せず)によって、相互に近づく方向に引っ張られる。このため、第1ブレーキシュー12の第1端部12dおよび第2ブレーキシュー14の第1端部14dが係止部材13に係止され、また第1ブレーキシュー12の第2端部12eおよび第2ブレーキシュー14の第2端部14eが調整用ストラット17に係止される。この状態において、パーキングブレーキが解除されているときは、ブレーキドラムの内周と、第1ブレーキシュー12の外周および第2ブレーキシュー14の外周との間に間隔が形成される。
【0031】
オペレーティングレバー16は板状に形成され、外形はブレーキドラムの内周に沿うように延在する円弧状に形成される。オペレーティングレバー16は、第2ブレーキシュー14のウエブ14aの車両中心側を覆うように配置される。オペレーティングレバー16の一端には、軸孔16aが設けられている。ウエブ14aにも軸孔(図示せず)が設けられており、ウエブ14aの軸孔およびオペレーティングレバー16の軸孔にレバーピン18が挿入される。オペレーティングレバー16はレバーピン18を中心に回動可能に第2ブレーキシュー14に支持される。
【0032】
オペレーティングレバー16は、軸孔16aからブレーキドラムの内径の半分の長さ程度離れた箇所に、第1ブレーキシュー12側に開口するコ字状の凹部が形成されている。また、第1ブレーキシュー12のウエブ12aにも、オペレーティングレバー16の凹部と向かい合う位置に、オペレーティングレバー16側に開口するコ字状の凹部が形成されている。
【0033】
オペレーティングレバー16の凹部および第1ブレーキシュー12の凹部との間に、シューストラット15が介在する。シューストラット15は、中央部がなだらかな円弧状に形成された軸状に形成される。シューストラット15の一端がウエブ12aの凹部に係止され、他端がオペレーティングレバー16の凹部に係止される。シューストラット15の第1ブレーキシュー12側には、バネ15aが設けられており、これによって、オペレーティングレバー16の凹部および第ウエブ12aの凹部が、相互に離間する方向に押圧され、シューストラット15のガタ付きが抑制される。
【0034】
オペレーティングレバー16の先端部は、ワイヤ(図示せず)によって、車両室内に設けられたパーキングブレーキレバー(図示せず)に連結されている。運転者によってパーキングブレーキレバーが操作されることによって、オペレーティングレバー16の先端部が第1ブレーキシュー12に向かう方向に引っ張られる。オペレーティングレバー16の先端部が引っ張られると、オペレーティングレバー16は第1ブレーキシュー12に向かう方向(本図において反時計回り)にレバーピン18を中心に回動され、シューストラット15が押圧される。
【0035】
オペレーティングレバー16が回動されるにしたがって、レバーピン18とウエブ12aの凹部とが離間させられ、ウエブ12aの第1端部12dとウエブ14aの第1端部14dとは離間させられる。第1ブレーキシュー12の第2端部12eおよび第2ブレーキシュー14の第2端部14eは調整用ストラット17によって係止されているため、第1ブレーキシュー12は第2端部12eを中心に、第2ブレーキシュー14は第2端部14eを中心に、第1端部12dと第1端部14dとが拡開するように回動される。
【0036】
このようにして第1ブレーキシュー12および第2ブレーキシュー14はオペレーティングレバー16によって駆動され、第1ブレーキシュー12のライニング12cおよび第2ブレーキシュー14のライニング14cがブレーキドラムの内周にそれぞれ押し付けられる。このときブレーキドラムの内周と第1ブレーキシュー12のライニング12cおよび第2ブレーキシュー14のライニング14cとの間に摩擦力が生じ、車輪に制動力が与えられる。以下、このような状態をパーキングブレーキが作動している状態として説明する。
【0037】
運転者によってパーキングブレーキレバーが解除されると、オペレーティングレバー16の先端部に与えられていたワイヤによる引張り力が低減され、オペレーティングレバー16がシューストラット15を押圧する力が低減される。これによって、第1ブレーキシュー12と第2ブレーキシュー14とを近づく方向に付勢するシュースプリングの付勢力によって、離間されていた第1ブレーキシュー12の第1端部12dおよび第2ブレーキシュー14の第1端部14dが係止部材13に当接するまで第1ブレーキシュー12は第2端部12eを中心に、第2ブレーキシュー14は第2端部14eを中心に回動する。こうして第1ブレーキシュー12のライニング12cおよび第2ブレーキシュー14のライニング14cとブレーキドラムとの接触が解除され、車輪に与えられていた制動力が解除される。以下、このような状態をパーキングブレーキが解除された状態として説明する。
【0038】
バックプレート20は、第1ブレーキシュー12および第2ブレーキシュー14の車両中心側(本図における紙面手前側)を覆うように配置される。したがって、オペレーティングレバー16は、バックプレート20と第2ブレーキシュー14のウエブ14aとの間に配置される。
【0039】
パーキングブレーキが作動し、オペレーティングレバー16が第1ブレーキシュー12に向かう方向に回動されているときは、オペレーティングレバー16は、先端部がワイヤによって引っ張られ、凹部がシューストラット15によって押し返されるため、そのガタ付きは抑制される。しかし、パーキングブレーキが解除されており、オペレーティングレバー16が図1(a)に示されるような位置に戻されている場合、先端部や凹部に与えられる力が小さいため、オペレーティングレバー16はガタ付き易い状態となる。
【0040】
このため、本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aの第2ブレーキシュー14におけるウエブ14aには、凸部14fが形成されている。図1(a)に示されるように、凸部14fは、パーキングブレーキが作動していない状態で、ウエブ14aにおける、オペレーティングレバー16の延在方向略中央の車両外方向の側面に対向する位置に設けられる。また、凸部14fは、パーキングブレーキが作動した状態で、ウエブ14aにおける、オペレーティングレバー16と重ならない領域に設けられる。さらに、図1(b)に示されるように、凸部14fは、ウエブ14aにプレス加工などを施すことによってオペレーティングレバー16側に突出するように形成される。
【0041】
パーキングブレーキが解除されているとき、凸部14fは、オペレーティングレバー16の側面に当接し、オペレーティングレバー16のウエブ14aに近づく方向への移動を規制する。このため、オペレーティングレバー16がウエブまたはバックプレート20に断続的に接触することが抑制され、オペレーティングレバー16のガタ付きによる異音が抑制される。
【0042】
また、パーキングブレーキが作動されたとき、オペレーティングレバー16は、側面における凸部14fとの当接が解除され、ウエブ14aに近づく方向の移動の規制が解除される。このため、第2ブレーキシュー14とオペレーティングレバー16との間の摩擦力の発生が抑制され、その後パーキングブレーキが解除された場合にもオペレーティングレバー16の円滑な回動が可能となる。このように、凸部14fは、パーキングブレーキが解除されているときにオペレーティングレバー16のウエブ14aに近づく方向への移動を規制し、パーキングブレーキが作動されたときにオペレーティングレバー16のウエブ14aに近づく方向への移動の規制を解除する規制部として機能する。
【0043】
また、凸部14fの、パーキングブレーキが作動するときにオペレーティングレバー16が回動する側には、テーパーが設けられている。パーキングブレーキ作動している状態から解除されるときに、オペレーティングレバー16はこのテーパー上を摺動してオペレーティングレバー16に乗り上げる。これによってオペレーティングレバー16の円滑な回動が担保される。
【0044】
なお、パーキングブレーキが解除されているとき、オペレーティングレバー16の側面とバックプレート20の凸部20aとが当接し、オペレーティングレバー16のバックプレート20に近づく方向への移動を規制するよう凸部20aが形成されてもよい。また、パーキングブレーキが作動されたとき、オペレーティングレバー16は、側面における凸部20aとの当接が解除され、バックプレート20に近づく方向の移動の規制が解除されてもよい。これによって、オペレーティングレバー16の円滑な回動を実現しながら、オペレーティングレバー16のガタ付きによる異音の発生を抑制することができる。
【0045】
(第2の実施形態)
図2(a)は、第2の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Bの全体構成図であり、図2(b)は第2の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10BのB−B断面図である。図1と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Bをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Bは、凸部14fの代わりにワイヤブラシ22が設けられている点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0046】
図2(a)に示されるように、ワイヤブラシ22は、パーキングブレーキが作動していない状態で、オペレーティングレバー16の延在方向略中央の車両中心側に設けられる。また、図2(b)に示されるように、バックプレート20には凸部20aが設けられている。凸部20aは、オペレーティングレバー16に向かう方向に、プレス加工などによって突出して形成されている。
【0047】
パーキングブレーキが解除されているとき、ワイヤブラシ22は、バックプレート20の凸部20aに当接し、オペレーティングレバー16のバックプレート20に近づく方向への移動を規制する。このため、パーキングブレーキが解除されているときにおける、オペレーティングレバー16のガタ付きによる異音が抑制される。
【0048】
また、パーキングブレーキが作動されたとき、オペレーティングレバー16とともにワイヤブラシ22は第1ブレーキシュー12に向かう方向(図2(b)における右側)に移動されるため、ワイヤブラシ22とバックプレート20の凸部20aとの当接が解除され、オペレーティングレバー16のバックプレート20に近づく方向の移動の規制が解除される。このため、その後パーキングブレーキが解除された場合にもオペレーティングレバー16の円滑な回動が可能となる。
【0049】
このように、ワイヤブラシ22および凸部20aは、パーキングブレーキが解除されているときにオペレーティングレバー16のバックプレート20に近づく方向への移動を規制し、パーキングブレーキが作動されたときにオペレーティングレバー16のバックプレート20に近づく方向への移動の規制を解除する規制部として機能する。
【0050】
また、凸部14fの、パーキングブレーキが作動するときにオペレーティングレバー16が回動する側には、テーパーが設けられている。パーキングブレーキ作動している状態から解除されるときに、バックプレート20の凸部20aはこのテーパー上を摺動してワイヤブラシ22に乗り上げる。これによって、オペレーティングレバー16の円滑な回動が担保される。
【0051】
また、凸部20aの、パーキングブレーキが作動するときにオペレーティングレバー16が回動する側には、テーパーが設けられている。これによってワイヤブラシ22はこのテーパー上を摺動し、円滑に凸部20a上に乗り上げることができる。
【0052】
なお、ワイヤブラシ22は、オペレーティングレバー16のウエブ14a側に設けられてもよい。この場合、ウエブ14aのオペレーティングレバー16側に凸部が設けられていてもよい。この場合、パーキングブレーキが解除されているとき、ワイヤブラシ22とウエブ14aに設けられた凸部が当接し、オペレーティングレバー16のウエブ14aに近づく方向への移動を規制してもよい。また、パーキングブレーキが作動されたとき、ワイヤブラシ22とウエブ14aに設けられた凸部との当接が解除され、オペレーティングレバー16のウエブ14aに近づく方向の移動の規制が解除されてもよい。これによって、オペレーティングレバー16の円滑な回動を実現しながら、オペレーティングレバー16のガタ付きによる異音の発生を抑制することができる。
【0053】
(第3の実施形態)
図3は、第3の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Cの全体構成図である。図1等と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Cをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Cは、凸部14fの代わりにバネ24が設けられている点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0054】
弾性部材としてのバネ24は、オペレーティングレバー16の、延在方向略中央における、リム14bの内周に対向する部分に設けられる。パーキングブレーキが解除されたときに、オペレーティングレバー16とリム14bとが近接する。このときバネ24は、オペレーティングレバー16とリム14bによって圧縮され、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とを接続する。
【0055】
パーキングブレーキが作動されたときは、オペレーティングレバー16が回動されてバネ24がリム14bの内周から離間する。このため、パーキングブレーキが作動されたときは、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14との接続は解除される。パーキングブレーキが解除されたときは、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とがバネ24により接続されることによって、オペレーティングレバー16の共振周波数が変更させられる。したがって、バネ24は、パーキングブレーキが解除されたときにオペレーティングレバー16の共振周波数を変更させる共振周波数変更手段として機能する。
【0056】
バネ24のバネ定数やバネ24が取り付けられる位置は、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とがバネ24によって接続された場合に、オペレーティングレバー16の共振周波数が、与えられる可能性が低い振動の周波数となるように設定される。バネ24が設けられることによって、オペレーティングレバー16が共振することが抑制され、オペレーティングレバー16による異音の発生が抑制される。
【0057】
またバネ24は弾性部材であるため、バネ24のバネ定数などを適切に設定することによって、オペレーティングレバー16の振動を減衰させ、オペレーティングレバー16による異音の発生をさらに抑制することができる。また、パーキングブレーキが作動している状態ではバネ24とウエブ14aとが離間するので、バネ24によるオペレーティングレバー16の回動への影響が抑制される。なお、バネ24は、オペレーティングレバー16にではなく、リム14bの内面に設けられていてもよいことは勿論である。
【0058】
(第4の実施形態)
図4は、第4の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Dの全体構成図である。図1等と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Dをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Dは、凸部14fの代わりに永久磁石26が設けられている点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0059】
永久磁石26は、リム14bの内周における、オペレーティングレバー16の延在方向略中央に対向する部分に設けられる。パーキングブレーキが解除されたときには、オペレーティングレバー16はリム14bと近接する。オペレーティングレバー16は鉄などの磁性体材料によって形成されているため、永久磁石26はその磁力によりオペレーティングレバー16と付着し、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とを接続する。
【0060】
パーキングブレーキが作動したときには、オペレーティングレバー16とウエブ14aとが離間するため、永久磁石26は、オペレーティングレバー16とが離間し、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14との接続を解除する。
【0061】
パーキングブレーキが解除されたときにオペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とが永久磁石26により接続されることによって、オペレーティングレバー16の共振周波数が変更させられる。したがって、永久磁石26は、パーキングブレーキが解除されたときにオペレーティングレバー16の共振周波数を変更させる共振周波数変更手段として機能する。
【0062】
永久磁石26が取り付けられる位置は、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とが永久磁石26によって接続された場合に、オペレーティングレバー16の共振周波数が、与えられる可能性が低い振動の周波数となるように設定される。このような永久磁石26が設けられることによって、オペレーティングレバー16が共振することが抑制され、オペレーティングレバー16による異音の発生が抑制される。また、パーキングブレーキが作動している状態では永久磁石26とオペレーティングレバー16とが離間するので、永久磁石26によるオペレーティングレバー16の回動への影響が抑制される。なお、永久磁石26は、ウエブ14aにではなく、オペレーティングレバー16に設けられていてもよいことは勿論である。
【0063】
(第5の実施形態)
図5は、第5の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Eの全体構成図である。図1等と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Eをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Eは、凸部14fの代わりに電磁石28が設けられている点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0064】
電磁石28は、リム14bの内周における、オペレーティングレバー16の延在方向略中央に対向する部分に設けられる。電磁石28は、車両に設けられた電子制御ユニット(以下「ECU」という)に接続されている。ECUは、電磁石28へ供給する電流を制御することによって、電磁石28の磁力の発生およびその停止を制御する。
【0065】
パーキングブレーキレバーには、パーキングブレーキセンサ(図示せず)が設けられている。パーキングブレーキセンサは、パーキングブレーキレバーが運転者によってパーキングブレーキを作動させる所定位置まで操作されたか、パーキングブレーキの作動を解除する所定位置まで操作されたかを検出する。パーキングブレーキセンサは、ECUに接続されており、パーキングブレーキセンサの検出結果はECUに出力される。ECUは、パーキングブレーキセンサの検出結果を利用して、パーキングブレーキレバーが運転者によってパーキングブレーキを作動させる所定位置まで操作されたか、パーキングブレーキの作動を解除する所定位置まで操作されたかを判定する。
【0066】
パーキングブレーキレバーがパーキングブレーキを作動させる所定位置まで操作された場合、ECUは、電磁石28への電流の供給を停止し、電磁石28による磁力の発生を停止させる。オペレーティングレバー16は電磁石28の磁力による外力が与えられないので、オペレーティングレバー16の円滑な回動が可能となる。また、パーキングブレーキレバーがパーキングブレーキの作動を解除する所定位置まで操作された場合、ECUは、電磁石28へ電流を供給するよう制御し、電磁石28の磁力を発生させる。電磁石28はその磁力によりオペレーティングレバー16と付着し、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とが接続される。
【0067】
パーキングブレーキが解除されたときにオペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とが電磁石28により接続されることによって、オペレーティングレバー16の共振周波数が変更させられる点は、第3の実施形態と同様である。したがって、電磁石28は、パーキングブレーキが解除されたときにオペレーティングレバー16の共振周波数を変更させる共振周波数変更手段として機能する。
【0068】
電磁石28が取り付けられる位置は、第4の実施形態における永久磁石26が取り付けられる位置と同様に、オペレーティングレバー16と第2ブレーキシュー14とが電磁石28によって接続された場合に、オペレーティングレバー16の共振周波数が、与えられる可能性が低い振動の周波数となるように設定される。これによってオペレーティングレバー16が共振することが抑制され、オペレーティングレバー16による異音の発生が抑制される。なお、電磁石28は、ウエブ14aにではなく、オペレーティングレバー16に設けられていてもよいことは勿論である。
【0069】
(第6の実施形態)
図6は、第6の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Fの全体構成図である。図1等と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Fをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Fは、凸部14fの代わりにウエイト30が設けられている点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0070】
ウエイト30は、オペレーティングレバー16の延在方向略中央に設けられる。ウエイト30が設けられることによって、オペレーティングレバー16の共振周波数は変更される。ウエイト30の位置や重さは、ウエイト30が設けられた場合のオペレーティングレバー16の共振周波数が、与えられる可能性が低い振動の周波数となるように設定される。ウエイト30が設けられることによって、オペレーティングレバー16の共振が抑制され、オペレーティングレバー16による異音の発生が低減される。
【0071】
(第7の実施形態)
図7は、第7の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Gの全体構成図である。図1等と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Gをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Gは、凸部14fの代わりに肉抜き部16bが設けられている点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0072】
肉抜き部16bは、オペレーティングレバー16の延在方向略中央に設けられる。肉抜き部16bが設けられることによって、オペレーティングレバー16の共振周波数は変更される。肉抜き部16bの位置、形状、および大きさは、肉抜き部16bが設けられた場合のオペレーティングレバー16の共振周波数が、与えられる可能性が低い振動の周波数となるように設定される。肉抜き部16bが設けられることによって、オペレーティングレバー16の共振が抑制され、オペレーティングレバー16による異音の発生が低減される。
【0073】
(第8の実施形態)
図8は、第8の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Hの全体構成図である。図1等と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Hをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Hは、凸部14fがなくオペレーティングレバー16の形状が異なる点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0074】
本実施形態に係るオペレーティングレバー16は、その重心位置Gが、ブレーキドラムの回転中心よりオペレーティングレバー16の回動中心側に位置するよう形成される。このため、本実施形態に係るオペレーティングレバー16は、その長さが短く形成されている。オペレーティングレバー16の形状は、オペレーティングレバー16の共振周波数が、与えられる可能性が低い振動の周波数となるように設定される。このように重心位置Gがオペレーティングレバー16の回動中心側に位置するように形成されることによって、オペレーティングレバー16の共振が抑制され、オペレーティングレバー16による異音の発生が低減される。
【0075】
(第9の実施形態)
図9(a)は、第9の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Jの全体構成図であり、図9(b)は第9の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10JのC−C断面図である。図1と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Bをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Jは、凸部14fの代わりにゴム部材32が設けられる点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0076】
図9(a)に示されるように、ゴム部材32は、オペレーティングレバー16の延在方向略中央に配置される。また、図9(b)に示されるように、ゴム部材32は、オペレーティングレバー16の両側にそれぞれ取り付けられる。ゴム部材32は、パーキングブレーキが作動していない状態で、オペレーティングレバー16の側面のうち、車両外方向(図9(b)における上方向)に向かってウエブ14a、およびバックプレート20の凸部20aとが重なる領域に設けられる。
【0077】
このため、パーキングブレーキが解除されているときにオペレーティングレバー16が振動した場合は、ゴム部材32がウエブ14aまたはバックプレート20の凸部20aに接触する。ゴム部材32は弾性部材であり、緩衝部材として機能するため、ウエブ14aまたはバックプレート20の凸部20aに接触しても、異音は発生しにくい。このようにゴム部材32を設けることによって、オペレーティングレバー16とウエブ14aまたはオペレーティングレバー16とバックプレート20の凸部20aとの接触が抑制され、オペレーティングレバー16のガタ付きによる異音が抑制される。
【0078】
また、パーキングブレーキが解除されているときには、ゴム部材32とウエブ14aとの間、およびゴム部材32とバックプレート20の凸部20aとの間には微小な間隔が設けられる。このため、ゴム部材32とウエブ14aとの間、およびゴム部材32とバックプレート20の凸部20aとの間の摩擦によって、オペレーティングレバー16が回動する際の円滑性が阻害されることが抑制される。
【0079】
また、ゴム部材32は、パーキングブレーキが作動した状態で、オペレーティングレバー16の側面のうち、車両外方向に向かってウエブ14aおよびバックプレート20の凸部20aと重ならない領域に設けられる。このため、オペレーティングレバー16が回動する際の円滑性が阻害されることがさらに抑制される。
【0080】
なお、ゴム部材32は、ウエブ14aのオペレーティングレバー16側の側面、またはバックプレート20の凸部20aのオペレーティングレバー16側の側面に設けられてもよいことは勿論である。
【0081】
(第10の実施形態)
図10(a)は、第10の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Kの全体構成図であり、図10(b)は第10の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10KのD−D断面図である。図1と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Kをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Kは、凸部14fの代わりに突出部16cが設けられる点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0082】
パーキングブレーキが解除されている状態では、オペレーティングレバー16は、オペレーティングレバー16の軸孔16aとレバーピン18との微小な間隔によって、車輪軸方向への揺動が規制される。したがって、レバーピン18の軸部18aと軸孔16aとの軸方向の接触長さと、オペレーティングレバー16の車輪軸方向への揺動幅とは密接に関連する。
【0083】
このため、図10(a)および図10(b)に示されるように、本実施形態に係るオペレーティングレバー16には突出部16cが設けられている。オペレーティングレバー16は、たとえば第1の実施形態に係るオペレーティングレバー16の軸孔16aと同軸に、軸孔16aと同一の内径を有する円筒状に形成された突出部16cが、オペレーティングレバー16に一体的に形成された形状となる。これによって、軸孔16aが軸方向に延長される。レバーピン18の軸部18aは、軸孔16aを貫通する長さに形成される。
【0084】
突出部16cが設けられることによって、レバーピン18の軸部18aと軸孔16aとの軸方向の接触長さを長くすることができる。このため、オペレーティングレバー16の車輪軸方向への揺動幅を抑制することが可能となり、オペレーティングレバー16による異音を低減することができる。
【0085】
また、レバーピン18とオペレーティングレバー16の軸孔16aとは、径方向に力が与えられながら回動する。このため、ユーザがパーキングブレーキの操作を繰り返すことによって、軸孔16aまたはレバーピン18が摩耗する可能性がある。本実施形態では、レバーピン18の外周とオペレーティングレバー16の軸孔16aの内周との接触面積が大きいので、軸孔16aまたはレバーピン18の摩耗が抑制される。したがって、オペレーティングレバー16の車輪軸方向への揺動幅が抑制された状態を維持することが可能となる。
【0086】
(第11の実施形態)
図11(a)は、第11の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Lの全体構成図であり、図11(b)は第11の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10LのE−E断面図である。図1と同様に、本図はパーキングブレーキ装置10Bをバックプレート20とオペレーティングレバー16との間から車両外方向に向かって見た図である。本実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Jは、凸部14fの代わりに突出部16cが設けられる点以外は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置10Aと同様である。第1の実施形態と同様の箇所については説明を省略する。
【0087】
第10の実施形態における説明のように、パーキングブレーキが解除されている状態では、オペレーティングレバー16は、軸孔16aとレバーピン18との微小な間隔によって、車輪軸方向への揺動が規制される。一方、前述した通り、オペレーティングレバー16とウエブ14a、またはオペレーティングレバー16と凸部20aとの間において重なる領域が大きい。また、前述した通り、パーキングブレーキが解除されているときは車両が走行中である場合が多い。このためパーキングブレーキが解除されているときはオペレーティングレバー16の振動を抑制する必要性は高い。
【0088】
このため、本実施形態に係るオペレーティングレバー16は、図11(a)および図11(b)に示されるように、オペレーティングレバー16には突出部16cが設けられている。突出部16cは第10の実施形態と同様であることから説明を省略する。突出部16cには、突出部16cの中心に形成された軸孔16aのウエブ14a側に雌ネジ部16dが形成されている。レバーピン18は、軸部18aに雄ネジ部18bが形成されている。雄ネジ部18bは、オペレーティングレバー16の雌ネジ部16dとわずかに嵌合する長さを有する。
【0089】
図11(b)において、左図はパーキングブレーキが解除されているときのE−E断面図であり、右図はパーキングブレーキが作動しているときのE−E断面図である。パーキングブレーキが解除された状態では、オペレーティングレバー16の雌ネジ部16dとレバーピン18の雄ネジ部18bとが嵌合する。これによってオペレーティングレバー16の車輪軸方向への揺動幅が規制され、オペレーティングレバー16による異音を低減することができる。
【0090】
パーキングブレーキが作動されると、オペレーティングレバー16の雌ネジ部16dとレバーピン18の雄ネジ部18bとの嵌合が緩められ、パーキングブレーキ装置10が所定の角度回動するとこれらの嵌合が解除される。このため、パーキングブレーキが作動された状態では、オペレーティングレバー16の回動の円滑性が担保される。
【0091】
本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態の各要素を適宜組み合わせたものも、本発明の実施形態として有効である。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうる。以下、そうした例をあげる。
【0092】
上述の実施形態に係るパーキングブレーキ装置は、電動パーキングブレーキ装置に搭載されてもよい。これによって、電動パーキングブレーキ装置においてもオペレーティングレバーの円滑な回動を実現しながらオペレーティングレバー16のガタ付きによる異音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】(a)は、第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図であり、(b)は第1の実施形態に係るパーキングブレーキ装置のA−A断面図である。
【図2】(a)は、第2の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図であり、(b)は第2の実施形態に係るパーキングブレーキ装置のB−B断面図である。
【図3】第3の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図である。
【図4】第4の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図である。
【図5】第5の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図である。
【図6】第6の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図である。
【図7】第7の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図である。
【図8】第8の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図である。
【図9】(a)は、第9の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図であり、(b)は第9の実施形態に係るパーキングブレーキ装置のC−C断面図である。
【図10】(a)は、第10の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図であり、(b)は第10の実施形態に係るパーキングブレーキ装置のD−D断面図である。
【図11】(a)は、第11の実施形態に係るパーキングブレーキ装置の全体構成図であり、(b)は第11の実施形態に係るパーキングブレーキ装置のE−E断面図である。
【符号の説明】
【0094】
10 パーキングブレーキ装置、 12 第1ブレーキシュー、 12a ウエブ、 12b リム、 12c ライニング、 14 第2ブレーキシュー、 14a ウエブ、 14b リム、 14c ライニング、 14f 凸部、 15a バネ、 16 オペレーティングレバー、 16a 軸孔、 16b 肉抜き部、 16c 突出部、 16d 雌ネジ部、 18 レバーピン、 18a 軸部、 18b 雄ネジ部、 20 バックプレート、 20a 凸部、 22 ワイヤブラシ、 24 バネ、 26 永久磁石、 28 電磁石、 30 ウエイト、 32 ゴム部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、
前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、
前記ウエブとバックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、
パーキングブレーキが解除されているときに前記オペレーティングレバーの前記ウエブに近づく方向または前記バックプレートに近づく方向への移動を規制し、パーキングブレーキが作動されたときに前記オペレーティングレバーの前記ウエブに近づく方向または前記バックプレートに近づく方向への移動の規制を解除する規制部と、を備えることを特徴とするパーキングブレーキ装置。
【請求項2】
前記規制部は、パーキングブレーキが解除されているときに前記オペレーティングレバーと前記ウエブまたは前記オペレーティングレバーと前記バックプレートとを相互に当接させ、パーキングブレーキが作動されたときに前記オペレーティングレバーと前記ウエブまたは前記オペレーティングレバーと前記バックプレートとの相互の当接を解除させるよう、前記オペレーティングレバー、前記ウエブ、および前記バックプレートのいずれかに設けられることを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキ装置。
【請求項3】
ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、
前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、
前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、
パーキングブレーキが解除されたときに前記オペレーティングレバーの共振周波数を変更させる共振周波数変更手段と、
を備えることを特徴とするパーキングブレーキ装置。
【請求項4】
前記共振周波数変更手段は、パーキングブレーキが解除されたときに前記オペレーティングレバーと前記ブレーキシューとを接続し、パーキングブレーキが作動したときに前記オペレーティングレバーと前記ブレーキシューとの接続を解除することを特徴とする請求項3に記載のパーキングブレーキ装置。
【請求項5】
前記共振周波数変更手段は、前記オペレーティングレバーと前記ブレーキシューとを接続する弾性部材を含むことを特徴とする請求項4に記載のパーキングブレーキ装置。
【請求項6】
前記共振周波数変更手段は、前記オペレーティングレバーと前記ブレーキシューとを接続する磁石を含むことを特徴とする請求項4に記載のパーキングブレーキ装置。
【請求項7】
ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、
前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、
前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、を備え、
前記オペレーティングレバーには、重量部材が設けられることを特徴とするパーキングブレーキ装置。
【請求項8】
ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、
前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、
前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、を備え、
前記オペレーティングレバーには、肉抜き部が設けられることを特徴とするパーキングブレーキ装置。
【請求項9】
ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、
前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、
前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、を備え、
前記オペレーティングレバーの重心位置は、ブレーキドラムの回転中心より前記オペレーティングレバーの回動中心側に位置することを特徴とするパーキングブレーキ装置。
【請求項10】
ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、
前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、
前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、
前記オペレーティングレバーと前記ウエブとの間、または前記オペレーティングレバーと前記バックプレートとの間に配置された緩衝部材と、
を備えることを特徴とするパーキングブレーキ装置。
【請求項11】
ブレーキドラムの内周に沿うように円周方向に延在するウエブを有し、パーキングブレーキが作動されるときに各々がブレーキドラムの内周に押し付けられる一対のブレーキシューと、
前記ブレーキシューの車両中心側を覆うバックプレートと、
軸孔が設けられ、該軸孔に回動軸が挿入されることにより前記ウエブと前記バックプレートの間において一方のブレーキシューに回動可能に支持され、回動されることにより他方のブレーキシューとの間に介在するシューストラットを押圧して前記一対のブレーキシューを相互に離間させブレーキドラムの内周に押し付けるオペレーティングレバーと、を備え、
前記オペレーティングレバーは、前記軸孔を軸方向に延長する軸孔延長部を有することを特徴とするパーキングブレーキ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−211967(P2007−211967A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−35862(P2006−35862)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】