ブランケットCVD膜についてアークを検出及び防止する非侵入プラズマ監視システム
半導体ウェーハ・プロセス・チャンバにおけるアーク発生問題を診断する方法及びシステムが説明される。方法は、プロセス・チャンバで電圧プローブをプロセス・ガス分配面板へ結合し、RF電源を活性化して、面板と基板ウェーハとの間にプラズマを生成することを含む。方法は、更に、RF電源の活性化中に、時間の関数としての面板DCバイアス電圧を測定することを含む。この場合、面板における測定電圧のスパイクは、アーク発生事象がプロセス・チャンバ内で出現したことを表示する。半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生を低減する方法及びシステムも説明される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]該当しない。
【発明の背景】
【0002】
[0002]現代の半導体デバイスの製作は、普通、ガスの化学反応を介して半導体ウェーハ基板上に薄膜を形成することを伴う。そのような堆積プロセスは化学気相堆積法(CVD)と呼ばれる。従来の熱CVDプロセスは反応ガスを基板表面へ供給する。基板表面では、熱誘因化学反応が起こって所望の膜を生産する。
【0003】
[0003]基板の上に層を堆積する代替の方法は、プラズマ増強型CVD(PECVD)手法を含む。プラズマ増強型CVD手法は、無線周波(RF)エネルギーを基板表面近くの反応ゾーンへ印加することによって反応ガスの励起及び/又は解離を促進し、それによってプラズマを作り出す。プラズマ内のイオン種の高反応性は、化学反応が起こるために必要なエネルギーを低減し、熱CVDプロセスと比較すると、そのようなCVDプロセスの温度を低下させる。幾つかのPECVDプロセスの比較的に低い温度は、半導体製造業者が幾つかの集積回路の製造で全体的熱予算を低下させることを助ける。
【0004】
[0004]半導体デバイスの形状は、数十年前に最初に導入されてから、サイズを劇的に減少させた。そのようなサイズ減少は、部分的には、半導体製造機器、例えば、PECVDプロセスで使用される基板プロセス・チャンバの進歩によって可能にされた。技術的進歩の或るものは、今日の製作施設で使用されるCVD堆積システムの設計及び製造で反映される進歩を含み、技術的進歩の他のものは様々な発展段階にあって、まもなく明日の製作施設の全体で広く使用されるであろう。
【0005】
[0005]今日の製作施設で普通に使用される1つの技術的進歩は、しばしば混合周波数PECVDと呼ばれるPECVD手法の使用を含む。混合周波数PECVDでは、高及び低の周波数RF電力が使用されてプラズマを生成し、基板のイオン爆撃を促進する。1つのそのような混合周波数方法は、高及び低の周波数RF電力を金属ガス分配マニホールドへ結合する。このマニホールドは、更に、RF電力をプロセス・チャンバへ導く電極として作用する。高周波RF電力は、プラズマ前駆物質を解離する主なメカニズムであり、低周波RF電力の印加は、接地された基板支持体の上に配備された基板のイオン爆撃を促進する。基板支持体も第2の電極として機能する。混合周波数方法の追加の実施形態において、高周波RF電力はガス分配マニホールドへ結合され、低周波RF電力は基板保持器へ結合される。現在利用可能な幾つかのPECVD堆積チャンバで使用される他の技術的進歩は、ガス分配マニホールド内で円錐孔を使用して、チャンバの中へ導入されたガスの解離を増加させることを含む。
【0006】
[0006]技術の進歩、例えば、前述した進歩には制約がないわけではない。例えば、混合周波数PECVD手法は多様な応用で利点を証明したが、高及び低周波RF波形の同時印加は、干渉を避けるために制御されなければならない。この干渉は、ガス分配マニホールドで高電圧及びアーク発生を生じる。このアーク発生は、ガス分配マニホールドの保持器内のグローによって立証され、また高周波電圧の振幅が増加されるときの堆積速度の低減によって立証される。更に、プロセス・チャンバ内のプラズマに不安定性が存在するとき、PECVDプロセスのアーク発生がガス分配面板と基板ウェーハとの間に出現する。このアーク発生は基板ウェーハ表面の欠陥を引き起こし、これはウェーハ上で製造される有効半導体デバイスの歩留まりを低減する。
【0007】
[0007]PECVDプロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断する現在の方法は、著しい限界を有する。1つの方法は、電圧プローブ(典型的にはSプローブと呼ばれる)をチャンバプラズマの中へ挿入し、プラズマの不安定性及びアーク発生を表示する電圧変化を測定することを伴う。残念ながら、Sプローブ自体は、測定しようと試みているプラズマと干渉し、プラズマを非安定化する。Sプローブの表面の汚染及び腐食も、根底の基板ウェーハを汚染する微粒子の源を作り出す。他の問題は、1つ(又は複数)のRF電源のVRMSを取ることを伴う。RF電源はRF電力を供給して、プロセス・チャンバ内でプラズマを生成する。この方法はプラズマ内にプローブを直接置くことを避けるが、測定は一般的に貧弱な信号対雑音比及び貧弱な時間分解能の悪影響を受ける。これらはアーク発生の立証(例えば、電圧スパイク)の検出を困難にする。こうして、非侵襲的で一層信頼性のあるアーク発生検出を提供するプラズマ・プロセス・チャンバ内アーク発生診断方法及びシステムの必要性が存在する。
【発明の簡単な概要】
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断する方法に関する。方法は、プロセス・チャンバ内で電圧プローブをプロセス・ガス分配面板へ結合し、RF電源を活性化して、面板と基板ウェーハとの間にプラズマを生成することを含む。方法は、更に、RF電源の活性化中に時間の関数としての面板DCバイアス電圧を測定することを含んでもよい。その場合、面板での測定電圧のスパイクは、アーク発生事象がプロセス・チャンバ内で出現したことを表示する。
【0009】
[0009]本発明の実施形態は、更に、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内でアーク発生問題を診断するシステムに関する。システムは、プロセス・チャンバ内でプロセス・ガス分配面板へ結合された電圧プローブ、及び時間の関数としての面板DCバイアス電圧を測定する電圧測定デバイスを含んでもよい。システムは、更に、電圧測定デバイスへ結合されたディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、プラズマがプロセス・チャンバ内で生成されるとき面板電圧測定値の描画を表示する。その場合、描画中のスパイクは、アーク発生事象がプロセス・チャンバ内で出現したことを表示する。
【0010】
[0010]本発明の実施形態は、更に、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内でアーク発生を低減する方法に関する。方法は、プラズマがプロセス・チャンバ内で形成されるとき、プロセス・ガス分配面板のDCバイアス電圧におけるスパイクを測定するステップを含む。この場合、スパイクはチャンバ内にアーク発生が存在することを表示する。方法は、更に、チャンバへ供給されたプラズマ前駆物質の流量を調整し、チャンバへ供給されるRF電力の傾斜率を調整して、プラズマ前駆物質からプラズマを形成することを含んでもよい。
【0011】
[0011]追加の実施形態及び特徴は、一部分は後続の説明の中に記述され、一部分は明細書を吟味するとき当業者に明らかとなるか、本発明の実施によって学習されてもよい。本発明の特徴及び利点は、明細書の中で説明された手段、結合物、及び方法によって実現及び取得される。
【発明の詳細な説明】
【0012】
[0020]本発明は、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断する方法及びシステムに関する。方法及びシステムはプロセス・ガス分配面板の電圧測定を含む。プロセス・ガス分配面板は、更に、RF電力をプロセス・チャンバの中へ導いてプラズマを生成する電極として作用する。電圧測定は、面板へ結合された電圧プローブを用いて取られてもよい。電圧プローブはプラズマと直接接触しない。電圧プローブは、更に、電圧測定デバイスへ結合される。電圧測定デバイスは、時間の関数としての面板DCバイアス電圧を測定する。プローブ及び測定デバイスは、約100,000回/秒(即ち、100kHz)以上の速度で面板電圧をサンプリングすることのできる高速応答時間を有する。
【0013】
[0021]本発明の方法及びシステムは、更に、時間の経過に従って面板電圧の描画を生成し、アーク発生がプラズマチャンバ内で出現したことを表示する特徴を描画内で同定することを含んでもよい。これらの特徴は、例えば、電圧の急激な変化(例えば、電圧スパイク)を含んでもよい。プラズマ堆積過程中の電圧スパイクの特色及びタイミングは、アーク発生の原因を診断し、更なる出現を最小化又は防止するステップを示唆するために使用されてもよい。アーク発生を避けるために使用される手法は、プロセス・チャンバ内の圧力を堆積プロセスの僅少レベルに維持すること、低周波数RF電力を全RF電力の30%より少なく設定すること、及び/又はプラズマを生成するために使用される全RF電力を低減することを含んでもよい。
【0014】
[0022]追加の手法は、更に、プラズマを生成するために使用される前駆物質の1つ又は複数がプロセス・チャンバへ導入されるときのタイミング及び/又は流量を調整することを含んでもよい。例えば、前駆物質ガスをプロセス・チャンバへ導入するタイミングは、RF電力の供給後の導入から、RF電力の活性化前の導入へ動かされてもよい。手法は、更に、RF電力が活性化される傾斜率の調整を含んでもよい。RF電力の従来の活性化は、できるだけ短い期間に電力をゼロからピーク電力へ進ませ、典型的には、高周波RF電力の傾斜率は約5000ワット/秒以上であり、低周波電力の傾斜率は約350ワット/秒以上である。例えば、高周波RF電力については約600ワット/秒以下に傾斜率を低下させ、低周波RF電力については250ワット/秒以下に傾斜率を低下させることによって、アーク発生が低減される。
【0015】
例示的基板プロセス方法
[0023]ここで図1を参照すると、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内でアーク発生を検出する方法100が示される。方法100は、プロセス・チャンバの前駆物質分配面板102へ電圧プローブを結合することを含む。前駆物質分配面板は、前駆物質流体(例えば、TEOS、SiH4、He、Ar、N2、N2O、O2、O3など)をプロセス・チャンバへ引き渡すマニホールド、及びRF電力をチャンバへ引き渡すためRF電源へ結合される電極として作用する。プラズマ堆積動作の間、面板へ印加されるDCバイアス電圧は約200ボルト〜約600ボルトの範囲であり、電圧プローブは典型的には100:1分割比を有して、約2〜6ボルトの信号出力を提供する。電圧プローブは、更に、面板電圧をサンプリングする電圧測定デバイスへ結合されてもよい。
【0016】
[0024]電圧プローブが面板へ結合される場合、104でRF電源が活性化され、RF電源はRF電力をプロセス・チャンバへ供給してプラズマを生成する。RF電源は複数のユニットを含み、異なる周波数でRF電力を生成する。例えば、RF電源は、HF RF電力を供給してプラズマ前駆物質をプラズマへイオン化する高周波(例えば、10MHz以上、13.56MHz)発電機、及びLF RF電力を供給してイオン化プラズマを基板ウェーハの表面へ向ける低周波(例えば、約50〜500kHz)電源を含んでもよい。電圧プローブは面板へ結合され、プロセス・チャンバ内で生成されたプラズマとプローブが直接接触しないようにする。
【0017】
[0025]106では、電圧測定デバイスを使用して、プラズマ堆積の過程で面板電圧が測定される。デバイスは、1秒当たり100,000回以上の速度(即ち、100kHz)で面板電圧をサンプリングする高速獲得デバイスであってもよい。電圧測定デバイスは、更に、108で、プラズマ堆積プロセス中に時間の関数としての面板電圧を作図する能力を有する。描画は、アーク発生がプロセス・チャンバ内で出現したことを表示するシグネチャ特徴を含んでもよく、プラズマ堆積プロセス中の過剰なアーク発生を診断及び補正する助けとして使用されてもよい。
【0018】
[0026]図2は、本発明の実施形態に従って半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内でアーク発生を低減する方法200を図示するフローチャートを示す。方法200は、202で、プロセス・チャンバ(例えば、PECVDプロセス・チャンバ、HDPCVDプロセス・チャンバなど)の前駆物質分配面板へ電圧プローブを結合することからスタートし、204で面板電圧を測定する。高速電圧測定デバイスが電圧プローブへ結合され、206で時間の経過に従った面板電圧測定描画を生成してもよい。描画はプロセス・チャンバ内のアーク発生を表示する特徴(例えば、電圧スパイク)を含んでもよく、これらの特徴はアーク発生の根底原因を診断及び補正するために使用されてもよい。
【0019】
[0027]方法200において、3つの調整がプラズマ堆積プロセスに行われ、プラズマ堆積中のアーク発生を低減(又は削除)する。これらの調整はRF電力レベル208を変えること、例えば、プロセス・チャンバへ供給される全体的RF電力を低減することを含んでもよい。RF電力の複数の周波数がプロセス・チャンバへ供給されるとき、電力調整は1つ又は複数のRF周波数へ行われてもよい(例えば、2周波数RF源では、LF RF電力レベル又はHF RF電力レベルのいずれかを調整する)。電力レベルの調整は、更に、堆積が終わる前にRF電力を減少又は停止させて、プロセス・チャンバ内の電圧上昇によって引き起こされたアーク発生を避けることを含んでもよい。
【0020】
[0028]調整は、更に、210で、RF電力がプロセス・チャンバへ供給される傾斜率へ行われてもよい。従来のPECVD堆積プロセスにおいて、HF RF電力は、通常できるだけ速く(例えば、5000ワット/秒以上の速さで)ピーク電力レベルへ傾斜される。傾斜率への調整は、HF RF電力及び/又はLF RF電力について傾斜率を低下させることを含んでもよく、更に、ゼロ・ワットからピーク電力レベルまでの1つの連続的増加の代わりに、電力を階段状に傾斜させることを含んでもよい。例えば、もしピークHF RF電力レベルが1600ワットであれば、傾斜率は、0から1250ワットへ電力を増加する第1の傾斜階段、及び1250ワットから1600ワットのピーク電力へ増加する第2の傾斜階段を含んでもよい。
【0021】
[0029]調整は、更に、プラズマを形成するために使用される前駆物質ガス212の1つ又は複数の流量へ行われてもよい。例えば、フッ素ドープド・ケイ酸塩ガラス(FSG)膜のプラズマ堆積において、シリコン又はフッ素前駆物質ガスの流量が低減され、アーク発生を避けてもよい。調整は、更に、1つ又は複数の前駆物質をプロセス・チャンバへ導入するタイミングの変化を含んでもよい。例えば、フッ素前駆物質の導入は、RF電力の活性化前にスタートするように変更され、プロセス・チャンバにおけるプラズマ初期形成中のアーク発生を低減してもよい。
【0022】
[0030]調整208、210、及び212の全てを行って、PECVD堆積中にアーク発生を低減する必要があるわけではないことを理解すべきである。アーク発生を低減又は削除するためには、堆積プロセスの特性に依存して、調整の1つ又は複数を任意に組み合わせることで十分である。更に、本発明は、前述した調整208、210、及び212に加えて(又は、これらの代わりに)、他の調整が行われることを想定する(例えば、堆積プロセスの僅少のレベルにプロセス・チャンバの圧力を維持すること、全RF電力の30%より少なく低周波RF電力を設定すること、プラズマ生成に使用される全RF電力を低減すること、など)。
【0023】
例示的な基板プロセス・システム
[0031]本発明の方法が実施される1つの適切な基板プロセス・システムは、図3A及び図3Bで示される。これらの図面はCVDシステム10の垂直断面図である。CVDシステム10は、チャンバ壁15a及びチャンバ蓋アセンブリ15bを含む真空又はプロセス・チャンバ15を有する。チャンバ壁15a及びチャンバ蓋アセンブリ15bは、図3C及び図3Dで組立分解斜視図として示される。
【0024】
[0032]CVDシステム10は、基板(示されていない)へプロセス・ガスを分散するガス分配マニホールド11を含有する。ガス分配マニホールド11は、プロセス・チャンバ15の中心にある加熱ペデスタル12の上に載っている。プロセス中、基板(例えば、半導体ウェーハ)は、ペデスタル12の平坦な(又は少し凸の)表面12aの上に配備される。ペデスタル12は、下方のロード/オフロード位置(図3Aで図示される)と上方プロセス位置(図3Aのダッシュ線14で表示され、図3Bで示される)との間で制御可能に動かされる。上方プロセス位置はマニホールド11に密接している。センターボード(示されていない)は、ウェーハの位置情報を提供するセンサを含む。
【0025】
[0033]堆積及びキャリア・ガスは、従来の平坦な円形ガス分配面板13aの貫通孔13b(図3D)を介してチャンバ15の中へ導入される。更に具体的には、堆積プロセス・ガスは、入口マニホールド11を通り(図3Bの矢印40によって表示される)、次に従来の貫通された妨害板42、次にガス分配面板13aの孔13bを介してチャンバの中へ流れる。
【0026】
[0034]マニホールド11へ達する前に、堆積及びキャリア・ガスは、ガス供給管路8(図3B)を介してガス源7から混合システム9の中へ入力される。混合システム9において、堆積及びキャリア・ガスは組み合わせられ、マニホールド11へ送られる。一般的に、各々のプロセス・ガスの供給管路は、(i)チャンバの中へのプロセス・ガスの流れを自動的又は手動で締め切るために使用される幾つかの安全締め切り弁(示されていない)、(ii)供給管路を通るガスの流れを測定する質量流量コントローラ(同様に、示されていない)を含む。有毒ガスがプロセスで使用されるとき、幾つかの安全締め切り弁が従来の構成で各々のガス供給管路の上に配備される。
【0027】
[0035]CVDシステム10の中で達成される堆積プロセスは、熱プロセス又はプラズマ増強型プロセスのいずれかであってもよい。プラズマ増強型プロセスにおいて、RF電力供給44はガス分配面板13aとペデスタル12との間に電力を印加し、プロセス・ガスの混合物を励起して、面板13aとペデスタル12との間の円筒形領域の中でプラズマを形成する。(この領域は、本明細書では「反応領域」と呼ばれる)。プラズマの成分は、ペデスタル12の上に支持された半導体ウェーハの表面上に所望の膜を堆積するように反応する。RF電力供給装置44は混合周波数RF電力供給装置である。これは典型的には13.56MHzの高周波数(RF1)及び360KHzの低RF周波数(RF2)で電力を供給し、真空チャンバ15の中へ導入された反応種の分解を増強する。熱プロセスにおいて、RF電力供給装置44は利用されず、プロセス・ガスの混合物が熱的に反応して、ペデスタル12の上に支持された半導体ウェーハの表面上に所望の膜を堆積する。ペデスタル12は抵抗加熱され、反応用熱エネルギーを提供する。
【0028】
[0036]図3Aで示されたシステムの実施形態において、ガス分配面板13a及びガス分配マニホールド11を含むプロセス・チャンバ15の蓋アセンブリ15bの上に、遠隔プラズマ生成器60が取り付けられる。取り付けアダプタ64は、プラズマ生成器60を蓋アセンブリ15bの上に取り付ける。アダプタ64は金属から作られてもよく、生成器60とチャンバ15との間を移動するプロセス・ガスのために導管95を含んでもよい。混合デバイス70はガス分配マニホールド11の上流側へ結合されてもよい。混合デバイス70は、プロセス・ガスを混合するため混合ブロック76のスロット74の内部に配置された混合インサート72を含んでもよい。取り付けアダプタ64と混合デバイス70との間に、セラミック絶縁装置66が置かれてもよい。セラミック絶縁装置66はセラミック物質、例えば、アルミナ又はポリマー、例えば、特にTeflon(商標)他の材料から作られる。設置されたとき、混合デバイス70及びセラミック絶縁装置66は蓋アセンブリ15bの一部分を形成する。絶縁装置66は、混合デバイス70及びガス分配マニホールド11からアダプタ64を絶縁し、二次プラズマが蓋アセンブリ15bの中で形成される可能性を低減する。
【0029】
[0037]プラズマ増強型堆積プロセス中、プラズマは、排気通路23及び締め切り弁24を取り巻くチャンバ本体15aの壁を含む全体のプロセス・チャンバ10を加熱する。プラズマがオンにされないか熱堆積プロセス中では、熱い液体がプロセス・チャンバ15の壁15aの中を循環し、高められた温度にチャンバを維持する。チャンバ15の蓋アセンブリ15b内にあるこれらの熱交換経路18の一部分は、図3Bに示される。チャンバ壁15aの残りの経路は示されない。チャンバ壁15aを加熱するために使用される流体は、典型的な流体タイプ、即ち、水をベースにしたエチレングリコール又は油をベースにした熱移転流体を含む。この加熱(「熱交換器」による加熱と呼ばれる)は、有利には、所望されない反応生産物の濃縮を低減又は削除し、プロセス・ガスの揮発性生産物及び他の汚染物質の削除を改善する。汚染物質は、もし冷たい真空経路の壁の上で濃縮し、ガスが流れない期間にプロセス・チャンバへ逆移行するならば、プロセスを汚染するかも知れない。
【0030】
[0038]層の中に堆積されず、反応副産物を含むガス混合物の残りは、真空ポンプ(示されていない)によってチャンバ15から排出される。具体的には、ガスは、反応領域を取り巻く環状スロット形オリフィス16を介して、環状排気プレナム17の中へ排気される。環状スロット16及びプレナム17は、チャンバの円筒形側壁15aの頂部(壁の上方誘電体ライニング19を含む)と円形チャンバ蓋20の底部との間のギャップによって画成される。スロットオリフィス16及びプレナム17の360°円対称及び均等性は、ウェーハ上でプロセス・ガスの均一の流れを達成し、ウェーハ上に均一の膜を堆積するために重要である。
【0031】
[0039]排気プレナム17から、ガスは、排気プレナム17の横伸長部分21の下を流れて観察ポート(示されていない)を通過し、下方伸長ガス経路23を介して真空締め切り弁24(この本体は下方チャンバ壁15aと一体化されている)を通過し、フォアライン(foreline)(同様に、示されていない)を介して外部真空ポンプ(示されていない)へ接続する排気出口25の中へ入る。
【0032】
[0040]ペデスタル12のウェーハ支持皿(好ましくは、アルミニウム、セラミック、又はこれらの組み合わせ)は、平行同心円の形態で2つの完全な巻きを作るように構成された埋め込み単一ループ型埋め込み加熱素子を使用して抵抗加熱される。加熱素子の外側部分は支持皿の周辺と隣接して這っており、内側部分は小さい半径を有する同心円の道の上を這っている。加熱素子への配線はペデスタル12の幹を通っている。
【0033】
[0041]典型的には、チャンバライニング、ガス入口マニホールド面板、及び様々な他の反応部ハードウェアのいずれか又は全ては、例えば、アルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、又はセラミックから作られる。そのようなCVD装置の例は、Zhaoらへ発行された「CVD Processing Chamber」と題する米国特許第5,558,717号で説明されている。米国特許第5,558,717号は、本発明の譲受人であるApplied Materials,Inc.へ譲渡され、全ての目的のために参照して全体をここに組み入れられる。
【0034】
[0042]ウェーハが、チャンバ10の側面にある挿入/除去開口26を介して、ロボット・ブレード(示されていない)によってチャンバ15の本体の内外へ移転されるとき、リフト機構及びモータ32(図3A)はヒータ・ペデスタル・アセンブリ12及びウェーハ・リフト・ピン12bを上昇及び低下させる。モータ32は、プロセス位置14と下方ウェーハ・ロード位置との間でペデスタル12を上昇及び低下させる。モータ、弁、又は供給管路8、ガス引き渡しシステム、絞り弁、RF電力供給装置44、及びチャンバ及び基板加熱システムへ接続された流量コントローラは、全て制御線36を媒体としてシステム・コントローラ34(図3B)によって制御される。制御線36の或るものだけが示される。コントローラ34は光センサからのフィードバックに依存して、可動機械アセンブリ、例えば、コントローラ34の制御のもとで適当なモータによって動かされる絞り弁及びサセプタ(susceptor)の位置を決定する。
【0035】
[0043]図3Bで示される例示的実施形態において、システム・コントローラはハードディスク・ドライブ(メモリ38)、フロッピーディスク・ドライブ、及びプロセッサ37を含む。プロセッサはシングルボード・コンピュータ(SBC)、アナログ及びディジタル入力/出力ボード、インタフェース・ボード、及びステッパモータ・コントローラ・ボードを含む。CVDシステム10の様々な部品は、バーサ・モジュラ・ヨーロッパ(Versa Modular European(VME))標準と合致する。VME標準はボード、カードケージ、及びコネクタの寸法及び型を規定している。VME標準は、更に、バス構造が16ビット・データ・バス及び24ビット・アドレス・バスを有するものと規定している。
【0036】
[0044]システム・コントローラ34はCVD機械の活動の全てを制御する。システム・コントローラはシステム制御ソフトウェアを実行する。このソフトウェアはコンピュータ読み取り可能メディア、例えば、メモリ38に記憶されたコンピュータ・プログラムである。好ましくは、メモリ38はハードディスク・ドライブであるが、他の種類のメモリであってもよい。コンピュータ・プログラムは命令の集合を含む。命令の集合は、特定のプロセスのタイミング、ガスの混合、チャンバの圧力、チャンバの温度、RF電力レベル、サセプタの位置、及び他のパラメータを指図する。例えば、フロッピーディスク又は他の適切なドライブを含む他のメモリ・デバイスに記憶された他のコンピュータ・プログラムは、更に、コントローラ34を動作させるために使用されてもよい。
【0037】
[0045]基板上に膜を堆積するプロセス又はチャンバ15を清掃するプロセスは、コントローラ34によって実行されるコンピュータ・プログラムプロダクトを使用して実現される。コンピュータ・プログラム・コードは、任意の従来のコンピュータ読み取り可能プログラミング言語、例えば、68000アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortran、又はその他で書かれてもよい。適切なプログラム・コードは、従来のテキスト・エディタを使用して単一ファイル又は複数ファイルへ入れられ、コンピュータで使用可能なメディア、例えば、コンピュータのメモリ・システムの中に記憶又は具体化される。もし入れられたコード・テキストが高水準言語であれば、コードはコンパイルされ、結果のコンパイラ・コードは、前もってコンパイルされたWindows(商標)ライブラリ・ルーチンのオブジェクト・コードとリンクされる。リンク及びコンパイルされたオブジェクト・コードを実行するため、システム・ユーザはオブジェクト・コードを起動し、コードをメモリにロードすることをコンピュータ・システムに引き起こさせる。次に、CPUはコードを読み取って実行して、プログラムの中で識別されるタスクを達成する。
【0038】
[0046]ユーザとコントローラ34との間のインタフェースは、図3Eで示されるCATモニタ50a及びライトペン50bを経由する。図3Eは、基板プロセス・システムにおけるシステム・モニタ及びCVDシステム10の簡単な図である。基板プロセス・システムは1つ又は複数のチャンバを含んでもよい。好ましい実施形態において、2つのモニタ50aが使用され、1つは作業者のためにクリーンルーム壁に取り付けられ、他の1つはサービス技術員のために壁の後ろに取り付けられる。モニタ50aは同じ情報を同時に表示するが、1つのライトペン50bだけが動作可能にされる。ライトペン50bの先端にある光センサは、CRTディスプレイによって放出された光を検出する。特定のスクリーン又は機能を選択するため、作業者はディスプレイ・スクリーンの指示区域に触れ、ペン50b上のボタンを押す。触れられた区域は強調色を変化させるか、新しいメニュー又はスクリーンが表示され、ライトペンとディスプレイ・スクリーンとの間の通信を確認する。ライトペン50bの代わり、又はそれに加えて、他のデバイス、例えば、キーボード、マウス、又は他のポインティング又は通信デバイスが使用されてもよく、ユーザがコントローラ34と通信できるようにする。
【実施例】
【0039】
実施例1−FSG膜の堆積中のアーク発生
[0047]これらの実施例では、フッ素ドープド・ケイ酸塩(FSG)層(一般的に、8μmの厚さを有する)が、PECVDプロセスで300mmシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板ウェーハの上に堆積された。堆積に使用されたPECVDプロセス・チャンバは、カリフォルニア州、サンタ・クララにあるApplied Materials,Inc.によって作られたプロデューサ(Producer(商標)SE)チャンバであった。二重周波RF電源を使用して、プラズマが基板ウェーハ上に生成及び堆積された。二重周波RF電源は、高周波(即ち、13.56MHz)RF電力及び低周波(即ち、350kHz)RF電力をプロセス・チャンバへ供給した。表1はチャンバの標準堆積運転の様々な段階について、追加のプロセス詳細を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
[0048]電圧プローブはプラズマ前駆物質分配面板へ接続され、時間の経過に従って面板のDCバイアス電圧内の変化を監視した。面板上のDCバイアスは、典型的には、200〜600ボルトの範囲であり、プローブ出力信号の範囲を1〜10ボルトへ低減するため100:1xプローブが使用された。100kHzの速度で面板電圧をサンプリングする信号獲得デバイスへプローブが接続され、堆積の過程における時間経過の関数としての面板電圧から描画が作られた。図4Aは基線堆積運転の描画であり、初期ステップの間で電圧スパイクを示す。RF電源が全電力へ傾斜されるにつれてアーク発生事象が起こることを電圧スパイクが表示する。
【0042】
[0049]図4Aの描画は、アーク発生とRF電力供給装置の活性化との間の相関を示し、基板ウェーハ上でプラズマを生成及び堆積するために供給されたRF電力の傾斜率に伴う問題を診断するために使用された。診断をテストするため、他のFSG堆積運転が達成された。この場合、高周波RF電力傾斜率は5000ワット/秒から600ワット/秒へ低減され、低周波RF電力傾斜率は350ワット/秒から250ワット/秒へ低減された。これに加えて、ピーク低周波RF電力は700ワットから500ワットへ低減された。表2は、プロセス・チャンバにおける新しい堆積運転の様々な段階について、追加のプロセス詳細を示す。
【0043】
【表2】
【0044】
[0050]図4Bの描画は、PECVD堆積の間に、より低い傾斜率及びピーク低周波RF電力が使用されたとき、電圧スパイクが消滅したことを示し、より高いRF電力傾斜率及びピークLF RF電力がプロセス・チャンバ内のアーク発生を引き起こしたことの診断を確証する。
【0045】
[0051]追加のテストが遂行され、RF電源の活性化中にアーク発生を防止するには、傾斜率及び低周波RFピーク電力レベルの双方を低減すべきかどうかを決定した。この実験的運転において、LF RF傾斜率は高い350ワット/秒の速度に保たれ、LF RFピーク電力は350ワットへ低減された。図5A〜図5Bは、700ワット(図5A)及び350ワット(図5B)のLF RFピーク電力について、面板上のDCバイアス電圧の描画を時間の関数として示す。基線プロセス運転と首尾一貫して、図5Aの描画は運転のスタート時に著しい電圧スパイクを示し、RF電源の活性化中にアーク発生が出現したことを表示する。対照的に、図5Bは、LF RFピーク電力レベルが半分にカットされるとき、同じLF RF電力傾斜率でアーク発生が防止されることを示す。
【0046】
[0052]図5A〜図5Bは、LF RF傾斜率及び/又はピークLF RF電力を低減することによって、RF電源の活性化中にアーク発生が防止されることを実証する。いずれか(又は双方)のプロセス・パラメータへ行われた調整は、遂行されている運転に依存して変動してもよい。高及び低周波RF傾斜率をあまりに低下させると、形成されるプラズマの不安定を作り出し、また基板ウェーハ上で堆積されている層の化学的性質を変化させる。ピークLF RF電力をあまりに低下させると、基板ウェーハ上のプラズマ堆積速度を遅くし、製作プロセスの全体的効率を低減する。追加の実験が遂行されてもよく、この実験によってプロセスのスタート時にアーク発生を引き起こさず、堆積層の高水準の品質及び効率を提供するRF傾斜率及び電力レベルを発見してもよい。
【0047】
実施例2−集積USG−FGS膜の堆積中のアーク発生
[0053]この実施例において、集積された無ドープケイ酸塩ガラス(USG)及びフッ素ドープド・ケイ酸塩(FSG)膜が、PECVDプロセスで300mmシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板ウェーハ上に堆積された。堆積に使用されたPECVDプロセス・チャンバは、カリフォルニア州、サンタ・クララにあるApplied Materials,Inc.によって作られたプロデューサ(Producer(商標)SE)チャンバであった。二重周波RF電源を使用してプラズマが基板ウェーハ上で生成及び堆積された。二重周波RF電源は、高周波(即ち、13.56MHz)RF電力及び低周波(即ち、350kHz)RF電力をプロセス・チャンバへ供給した。堆積は基板ウェーハ上のUSG物質の堆積でスタートし、FSG物質の堆積への遷移によって後続された。
【0048】
[0054]基線プロセスの実施例において、USGからFSG堆積への遷移は不連続であり、FSGプロセス・ガス及びRF電力が開始される前に、USGプロセス・ガス及びRF電力が終了された。図6は、基線プロセス中のプロセス・チャンバ面板におけるDCバイアス電圧の描画を示し、FSG堆積段階の開始及び終了の双方で電圧スパイクが現れた。描画は、FSG堆積の両端でのアーク発生問題を診断するために使用された。
【0049】
[0055]図6の描画に基づく診断は、プロセス・チャンバ内でプロセス・ガス及びRF電力をほぼ同時に導入したことによって作り出されたプラズマ内の不安定性によって、初期アーク発生が引き起こされたということであった。このアーク発生は、RF電力の活性化前に1つ又は複数のプロセス・ガスを導入することによって緩和されてもよい。FSG堆積の終了時におけるアーク発生は、電極での電圧上昇によって引き起こされたものと思われた。電極は、プロセス・ガス及びRF電力が殆ど同時に停止されたときに放電された。このアーク発生は、堆積ステップが完全に終了される前に、LF RF電力をパワーダウンすることによって緩和されてもよい。
【0050】
[0056]上記の診断に基づいて修正されたFSG堆積段階を用いて、新しい実験的運転が遂行された。修正されたFSG堆積では、RF電力が活性化される前にSiF4がチャンバへ導入され、FSG堆積の終了中にDCバイアス・スパイクを最小にするため低周波RF電力が終了段階のスタート時に止められた。図6の第2の描画は、FSG堆積へ行われた修正が、堆積の始めと終わりに観察された電圧スパイクを削除したことを示す。
【0051】
[0057]幾つかの実施形態を説明したが、様々な修正、代替の構造、及び同等物が、本発明の趣旨から逸脱することなく使用されてもよいことが、当業者によって認識されるであろう。加えて、多数の周知のプロセス及び要素は説明されなかったが、これは必要でないほどに本発明を不明瞭にすることを避けるためである。したがって、上記の説明は本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
【0052】
[0058]値の範囲が提供される場合、この範囲の上限と下限の間で、文脈がそうでないことを明瞭に指図していない限り、下限の単位の十分の一まで、各々の介在値も具体的に開示されていることが理解される。陳述された範囲内の任意の陳述値又は介在値と、この陳述された範囲にある任意の他の陳述値又は介在値との間の各々の一層小さい範囲が包含される。これらの一層小さい範囲の上限及び下限は、範囲内で独立的に含まれるか除外されてもよく、一層小さな範囲の中に、いずれかの限度が含まれるか、いずれの限度も含まれないか、双方の限度が含まれる各々の範囲も、陳述された範囲内の具体的に除外された限度に従って、本発明の中に包含される。陳述された範囲が限度の1つ又は双方を含む場合、これらの含まれた限度のいずれか又は双方を除外する範囲も含まれる。
【0053】
[0059]本明細書及び添付された特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明瞭に指図していない限り、複数の参照対象を含む。こうして、例えば、「a process」への参照は複数のそのようなプロセスを含み、「the electrode」への参照は1つ又は複数の電極、及び当業者に知られた同等物への参照を含む。以下同様である。
【0054】
[0060]更に、語「備える」(comprise、comprising)、「含む」(include、including、及びncludes)は、本明細書及び下記の特許請求の範囲で使用されるとき、陳述された特徴、整数、コンポーネント、又はステップの存在を指定するように意図されるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、コンポーネント、ステップ、行為、又はグループの存在又は付加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に従って半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生を検出する方法を図示するフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に従って半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生を低減する方法を図示するフローチャートである。
【図3A】本発明の実施形態に従ったプラズマ増強型化学気相堆積システムの断面図を示す。
【図3B】本発明の実施形態に従ったプラズマ増強型化学気相堆積システムの断面図を示す。
【図3C】図1Aで示されたPECVDチャンバの部品の組立分解図を示す。
【図3D】図1Aで示されたPECVDチャンバの部品の組立分解図を示す。
【図3E】本発明の実施形態に従った多チャンバシステムにおけるシステム・モニタ及びCVDシステムの簡単な図を示す。
【図4A】FSG層をプラズマ堆積する間の時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【図4B】FSG層をプラズマ堆積する間の時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【図5A】異なる低周波RF電力レベルの時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【図5B】異なる低周波RF電力レベルの時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【図6】集積USG/FSG層をプラズマ堆積する間の時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【符号の説明】
【0056】
7…ガス源、9…混合システム、10…CVDシステム、12…加熱ペデスタル、12b…ウェーハ・リフト・ピン、13a…ガス分配面板、14…プロセス位置、15…真空又はプロセス・チャンバ、26…挿入/除去開口、32…リフト機構及びモータ、34…システム・コントローラ、37…プロセッサ、38…ハードディスク・ドライブ(メモリ)、44…RF電力供給装置、50a…CATモニタ、50b…ライトペン、60…遠隔プラズマ生成器、70…混合デバイス。
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]該当しない。
【発明の背景】
【0002】
[0002]現代の半導体デバイスの製作は、普通、ガスの化学反応を介して半導体ウェーハ基板上に薄膜を形成することを伴う。そのような堆積プロセスは化学気相堆積法(CVD)と呼ばれる。従来の熱CVDプロセスは反応ガスを基板表面へ供給する。基板表面では、熱誘因化学反応が起こって所望の膜を生産する。
【0003】
[0003]基板の上に層を堆積する代替の方法は、プラズマ増強型CVD(PECVD)手法を含む。プラズマ増強型CVD手法は、無線周波(RF)エネルギーを基板表面近くの反応ゾーンへ印加することによって反応ガスの励起及び/又は解離を促進し、それによってプラズマを作り出す。プラズマ内のイオン種の高反応性は、化学反応が起こるために必要なエネルギーを低減し、熱CVDプロセスと比較すると、そのようなCVDプロセスの温度を低下させる。幾つかのPECVDプロセスの比較的に低い温度は、半導体製造業者が幾つかの集積回路の製造で全体的熱予算を低下させることを助ける。
【0004】
[0004]半導体デバイスの形状は、数十年前に最初に導入されてから、サイズを劇的に減少させた。そのようなサイズ減少は、部分的には、半導体製造機器、例えば、PECVDプロセスで使用される基板プロセス・チャンバの進歩によって可能にされた。技術的進歩の或るものは、今日の製作施設で使用されるCVD堆積システムの設計及び製造で反映される進歩を含み、技術的進歩の他のものは様々な発展段階にあって、まもなく明日の製作施設の全体で広く使用されるであろう。
【0005】
[0005]今日の製作施設で普通に使用される1つの技術的進歩は、しばしば混合周波数PECVDと呼ばれるPECVD手法の使用を含む。混合周波数PECVDでは、高及び低の周波数RF電力が使用されてプラズマを生成し、基板のイオン爆撃を促進する。1つのそのような混合周波数方法は、高及び低の周波数RF電力を金属ガス分配マニホールドへ結合する。このマニホールドは、更に、RF電力をプロセス・チャンバへ導く電極として作用する。高周波RF電力は、プラズマ前駆物質を解離する主なメカニズムであり、低周波RF電力の印加は、接地された基板支持体の上に配備された基板のイオン爆撃を促進する。基板支持体も第2の電極として機能する。混合周波数方法の追加の実施形態において、高周波RF電力はガス分配マニホールドへ結合され、低周波RF電力は基板保持器へ結合される。現在利用可能な幾つかのPECVD堆積チャンバで使用される他の技術的進歩は、ガス分配マニホールド内で円錐孔を使用して、チャンバの中へ導入されたガスの解離を増加させることを含む。
【0006】
[0006]技術の進歩、例えば、前述した進歩には制約がないわけではない。例えば、混合周波数PECVD手法は多様な応用で利点を証明したが、高及び低周波RF波形の同時印加は、干渉を避けるために制御されなければならない。この干渉は、ガス分配マニホールドで高電圧及びアーク発生を生じる。このアーク発生は、ガス分配マニホールドの保持器内のグローによって立証され、また高周波電圧の振幅が増加されるときの堆積速度の低減によって立証される。更に、プロセス・チャンバ内のプラズマに不安定性が存在するとき、PECVDプロセスのアーク発生がガス分配面板と基板ウェーハとの間に出現する。このアーク発生は基板ウェーハ表面の欠陥を引き起こし、これはウェーハ上で製造される有効半導体デバイスの歩留まりを低減する。
【0007】
[0007]PECVDプロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断する現在の方法は、著しい限界を有する。1つの方法は、電圧プローブ(典型的にはSプローブと呼ばれる)をチャンバプラズマの中へ挿入し、プラズマの不安定性及びアーク発生を表示する電圧変化を測定することを伴う。残念ながら、Sプローブ自体は、測定しようと試みているプラズマと干渉し、プラズマを非安定化する。Sプローブの表面の汚染及び腐食も、根底の基板ウェーハを汚染する微粒子の源を作り出す。他の問題は、1つ(又は複数)のRF電源のVRMSを取ることを伴う。RF電源はRF電力を供給して、プロセス・チャンバ内でプラズマを生成する。この方法はプラズマ内にプローブを直接置くことを避けるが、測定は一般的に貧弱な信号対雑音比及び貧弱な時間分解能の悪影響を受ける。これらはアーク発生の立証(例えば、電圧スパイク)の検出を困難にする。こうして、非侵襲的で一層信頼性のあるアーク発生検出を提供するプラズマ・プロセス・チャンバ内アーク発生診断方法及びシステムの必要性が存在する。
【発明の簡単な概要】
【0008】
[0008]本発明の実施形態は、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断する方法に関する。方法は、プロセス・チャンバ内で電圧プローブをプロセス・ガス分配面板へ結合し、RF電源を活性化して、面板と基板ウェーハとの間にプラズマを生成することを含む。方法は、更に、RF電源の活性化中に時間の関数としての面板DCバイアス電圧を測定することを含んでもよい。その場合、面板での測定電圧のスパイクは、アーク発生事象がプロセス・チャンバ内で出現したことを表示する。
【0009】
[0009]本発明の実施形態は、更に、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内でアーク発生問題を診断するシステムに関する。システムは、プロセス・チャンバ内でプロセス・ガス分配面板へ結合された電圧プローブ、及び時間の関数としての面板DCバイアス電圧を測定する電圧測定デバイスを含んでもよい。システムは、更に、電圧測定デバイスへ結合されたディスプレイを含んでもよい。ディスプレイは、プラズマがプロセス・チャンバ内で生成されるとき面板電圧測定値の描画を表示する。その場合、描画中のスパイクは、アーク発生事象がプロセス・チャンバ内で出現したことを表示する。
【0010】
[0010]本発明の実施形態は、更に、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内でアーク発生を低減する方法に関する。方法は、プラズマがプロセス・チャンバ内で形成されるとき、プロセス・ガス分配面板のDCバイアス電圧におけるスパイクを測定するステップを含む。この場合、スパイクはチャンバ内にアーク発生が存在することを表示する。方法は、更に、チャンバへ供給されたプラズマ前駆物質の流量を調整し、チャンバへ供給されるRF電力の傾斜率を調整して、プラズマ前駆物質からプラズマを形成することを含んでもよい。
【0011】
[0011]追加の実施形態及び特徴は、一部分は後続の説明の中に記述され、一部分は明細書を吟味するとき当業者に明らかとなるか、本発明の実施によって学習されてもよい。本発明の特徴及び利点は、明細書の中で説明された手段、結合物、及び方法によって実現及び取得される。
【発明の詳細な説明】
【0012】
[0020]本発明は、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断する方法及びシステムに関する。方法及びシステムはプロセス・ガス分配面板の電圧測定を含む。プロセス・ガス分配面板は、更に、RF電力をプロセス・チャンバの中へ導いてプラズマを生成する電極として作用する。電圧測定は、面板へ結合された電圧プローブを用いて取られてもよい。電圧プローブはプラズマと直接接触しない。電圧プローブは、更に、電圧測定デバイスへ結合される。電圧測定デバイスは、時間の関数としての面板DCバイアス電圧を測定する。プローブ及び測定デバイスは、約100,000回/秒(即ち、100kHz)以上の速度で面板電圧をサンプリングすることのできる高速応答時間を有する。
【0013】
[0021]本発明の方法及びシステムは、更に、時間の経過に従って面板電圧の描画を生成し、アーク発生がプラズマチャンバ内で出現したことを表示する特徴を描画内で同定することを含んでもよい。これらの特徴は、例えば、電圧の急激な変化(例えば、電圧スパイク)を含んでもよい。プラズマ堆積過程中の電圧スパイクの特色及びタイミングは、アーク発生の原因を診断し、更なる出現を最小化又は防止するステップを示唆するために使用されてもよい。アーク発生を避けるために使用される手法は、プロセス・チャンバ内の圧力を堆積プロセスの僅少レベルに維持すること、低周波数RF電力を全RF電力の30%より少なく設定すること、及び/又はプラズマを生成するために使用される全RF電力を低減することを含んでもよい。
【0014】
[0022]追加の手法は、更に、プラズマを生成するために使用される前駆物質の1つ又は複数がプロセス・チャンバへ導入されるときのタイミング及び/又は流量を調整することを含んでもよい。例えば、前駆物質ガスをプロセス・チャンバへ導入するタイミングは、RF電力の供給後の導入から、RF電力の活性化前の導入へ動かされてもよい。手法は、更に、RF電力が活性化される傾斜率の調整を含んでもよい。RF電力の従来の活性化は、できるだけ短い期間に電力をゼロからピーク電力へ進ませ、典型的には、高周波RF電力の傾斜率は約5000ワット/秒以上であり、低周波電力の傾斜率は約350ワット/秒以上である。例えば、高周波RF電力については約600ワット/秒以下に傾斜率を低下させ、低周波RF電力については250ワット/秒以下に傾斜率を低下させることによって、アーク発生が低減される。
【0015】
例示的基板プロセス方法
[0023]ここで図1を参照すると、半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内でアーク発生を検出する方法100が示される。方法100は、プロセス・チャンバの前駆物質分配面板102へ電圧プローブを結合することを含む。前駆物質分配面板は、前駆物質流体(例えば、TEOS、SiH4、He、Ar、N2、N2O、O2、O3など)をプロセス・チャンバへ引き渡すマニホールド、及びRF電力をチャンバへ引き渡すためRF電源へ結合される電極として作用する。プラズマ堆積動作の間、面板へ印加されるDCバイアス電圧は約200ボルト〜約600ボルトの範囲であり、電圧プローブは典型的には100:1分割比を有して、約2〜6ボルトの信号出力を提供する。電圧プローブは、更に、面板電圧をサンプリングする電圧測定デバイスへ結合されてもよい。
【0016】
[0024]電圧プローブが面板へ結合される場合、104でRF電源が活性化され、RF電源はRF電力をプロセス・チャンバへ供給してプラズマを生成する。RF電源は複数のユニットを含み、異なる周波数でRF電力を生成する。例えば、RF電源は、HF RF電力を供給してプラズマ前駆物質をプラズマへイオン化する高周波(例えば、10MHz以上、13.56MHz)発電機、及びLF RF電力を供給してイオン化プラズマを基板ウェーハの表面へ向ける低周波(例えば、約50〜500kHz)電源を含んでもよい。電圧プローブは面板へ結合され、プロセス・チャンバ内で生成されたプラズマとプローブが直接接触しないようにする。
【0017】
[0025]106では、電圧測定デバイスを使用して、プラズマ堆積の過程で面板電圧が測定される。デバイスは、1秒当たり100,000回以上の速度(即ち、100kHz)で面板電圧をサンプリングする高速獲得デバイスであってもよい。電圧測定デバイスは、更に、108で、プラズマ堆積プロセス中に時間の関数としての面板電圧を作図する能力を有する。描画は、アーク発生がプロセス・チャンバ内で出現したことを表示するシグネチャ特徴を含んでもよく、プラズマ堆積プロセス中の過剰なアーク発生を診断及び補正する助けとして使用されてもよい。
【0018】
[0026]図2は、本発明の実施形態に従って半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内でアーク発生を低減する方法200を図示するフローチャートを示す。方法200は、202で、プロセス・チャンバ(例えば、PECVDプロセス・チャンバ、HDPCVDプロセス・チャンバなど)の前駆物質分配面板へ電圧プローブを結合することからスタートし、204で面板電圧を測定する。高速電圧測定デバイスが電圧プローブへ結合され、206で時間の経過に従った面板電圧測定描画を生成してもよい。描画はプロセス・チャンバ内のアーク発生を表示する特徴(例えば、電圧スパイク)を含んでもよく、これらの特徴はアーク発生の根底原因を診断及び補正するために使用されてもよい。
【0019】
[0027]方法200において、3つの調整がプラズマ堆積プロセスに行われ、プラズマ堆積中のアーク発生を低減(又は削除)する。これらの調整はRF電力レベル208を変えること、例えば、プロセス・チャンバへ供給される全体的RF電力を低減することを含んでもよい。RF電力の複数の周波数がプロセス・チャンバへ供給されるとき、電力調整は1つ又は複数のRF周波数へ行われてもよい(例えば、2周波数RF源では、LF RF電力レベル又はHF RF電力レベルのいずれかを調整する)。電力レベルの調整は、更に、堆積が終わる前にRF電力を減少又は停止させて、プロセス・チャンバ内の電圧上昇によって引き起こされたアーク発生を避けることを含んでもよい。
【0020】
[0028]調整は、更に、210で、RF電力がプロセス・チャンバへ供給される傾斜率へ行われてもよい。従来のPECVD堆積プロセスにおいて、HF RF電力は、通常できるだけ速く(例えば、5000ワット/秒以上の速さで)ピーク電力レベルへ傾斜される。傾斜率への調整は、HF RF電力及び/又はLF RF電力について傾斜率を低下させることを含んでもよく、更に、ゼロ・ワットからピーク電力レベルまでの1つの連続的増加の代わりに、電力を階段状に傾斜させることを含んでもよい。例えば、もしピークHF RF電力レベルが1600ワットであれば、傾斜率は、0から1250ワットへ電力を増加する第1の傾斜階段、及び1250ワットから1600ワットのピーク電力へ増加する第2の傾斜階段を含んでもよい。
【0021】
[0029]調整は、更に、プラズマを形成するために使用される前駆物質ガス212の1つ又は複数の流量へ行われてもよい。例えば、フッ素ドープド・ケイ酸塩ガラス(FSG)膜のプラズマ堆積において、シリコン又はフッ素前駆物質ガスの流量が低減され、アーク発生を避けてもよい。調整は、更に、1つ又は複数の前駆物質をプロセス・チャンバへ導入するタイミングの変化を含んでもよい。例えば、フッ素前駆物質の導入は、RF電力の活性化前にスタートするように変更され、プロセス・チャンバにおけるプラズマ初期形成中のアーク発生を低減してもよい。
【0022】
[0030]調整208、210、及び212の全てを行って、PECVD堆積中にアーク発生を低減する必要があるわけではないことを理解すべきである。アーク発生を低減又は削除するためには、堆積プロセスの特性に依存して、調整の1つ又は複数を任意に組み合わせることで十分である。更に、本発明は、前述した調整208、210、及び212に加えて(又は、これらの代わりに)、他の調整が行われることを想定する(例えば、堆積プロセスの僅少のレベルにプロセス・チャンバの圧力を維持すること、全RF電力の30%より少なく低周波RF電力を設定すること、プラズマ生成に使用される全RF電力を低減すること、など)。
【0023】
例示的な基板プロセス・システム
[0031]本発明の方法が実施される1つの適切な基板プロセス・システムは、図3A及び図3Bで示される。これらの図面はCVDシステム10の垂直断面図である。CVDシステム10は、チャンバ壁15a及びチャンバ蓋アセンブリ15bを含む真空又はプロセス・チャンバ15を有する。チャンバ壁15a及びチャンバ蓋アセンブリ15bは、図3C及び図3Dで組立分解斜視図として示される。
【0024】
[0032]CVDシステム10は、基板(示されていない)へプロセス・ガスを分散するガス分配マニホールド11を含有する。ガス分配マニホールド11は、プロセス・チャンバ15の中心にある加熱ペデスタル12の上に載っている。プロセス中、基板(例えば、半導体ウェーハ)は、ペデスタル12の平坦な(又は少し凸の)表面12aの上に配備される。ペデスタル12は、下方のロード/オフロード位置(図3Aで図示される)と上方プロセス位置(図3Aのダッシュ線14で表示され、図3Bで示される)との間で制御可能に動かされる。上方プロセス位置はマニホールド11に密接している。センターボード(示されていない)は、ウェーハの位置情報を提供するセンサを含む。
【0025】
[0033]堆積及びキャリア・ガスは、従来の平坦な円形ガス分配面板13aの貫通孔13b(図3D)を介してチャンバ15の中へ導入される。更に具体的には、堆積プロセス・ガスは、入口マニホールド11を通り(図3Bの矢印40によって表示される)、次に従来の貫通された妨害板42、次にガス分配面板13aの孔13bを介してチャンバの中へ流れる。
【0026】
[0034]マニホールド11へ達する前に、堆積及びキャリア・ガスは、ガス供給管路8(図3B)を介してガス源7から混合システム9の中へ入力される。混合システム9において、堆積及びキャリア・ガスは組み合わせられ、マニホールド11へ送られる。一般的に、各々のプロセス・ガスの供給管路は、(i)チャンバの中へのプロセス・ガスの流れを自動的又は手動で締め切るために使用される幾つかの安全締め切り弁(示されていない)、(ii)供給管路を通るガスの流れを測定する質量流量コントローラ(同様に、示されていない)を含む。有毒ガスがプロセスで使用されるとき、幾つかの安全締め切り弁が従来の構成で各々のガス供給管路の上に配備される。
【0027】
[0035]CVDシステム10の中で達成される堆積プロセスは、熱プロセス又はプラズマ増強型プロセスのいずれかであってもよい。プラズマ増強型プロセスにおいて、RF電力供給44はガス分配面板13aとペデスタル12との間に電力を印加し、プロセス・ガスの混合物を励起して、面板13aとペデスタル12との間の円筒形領域の中でプラズマを形成する。(この領域は、本明細書では「反応領域」と呼ばれる)。プラズマの成分は、ペデスタル12の上に支持された半導体ウェーハの表面上に所望の膜を堆積するように反応する。RF電力供給装置44は混合周波数RF電力供給装置である。これは典型的には13.56MHzの高周波数(RF1)及び360KHzの低RF周波数(RF2)で電力を供給し、真空チャンバ15の中へ導入された反応種の分解を増強する。熱プロセスにおいて、RF電力供給装置44は利用されず、プロセス・ガスの混合物が熱的に反応して、ペデスタル12の上に支持された半導体ウェーハの表面上に所望の膜を堆積する。ペデスタル12は抵抗加熱され、反応用熱エネルギーを提供する。
【0028】
[0036]図3Aで示されたシステムの実施形態において、ガス分配面板13a及びガス分配マニホールド11を含むプロセス・チャンバ15の蓋アセンブリ15bの上に、遠隔プラズマ生成器60が取り付けられる。取り付けアダプタ64は、プラズマ生成器60を蓋アセンブリ15bの上に取り付ける。アダプタ64は金属から作られてもよく、生成器60とチャンバ15との間を移動するプロセス・ガスのために導管95を含んでもよい。混合デバイス70はガス分配マニホールド11の上流側へ結合されてもよい。混合デバイス70は、プロセス・ガスを混合するため混合ブロック76のスロット74の内部に配置された混合インサート72を含んでもよい。取り付けアダプタ64と混合デバイス70との間に、セラミック絶縁装置66が置かれてもよい。セラミック絶縁装置66はセラミック物質、例えば、アルミナ又はポリマー、例えば、特にTeflon(商標)他の材料から作られる。設置されたとき、混合デバイス70及びセラミック絶縁装置66は蓋アセンブリ15bの一部分を形成する。絶縁装置66は、混合デバイス70及びガス分配マニホールド11からアダプタ64を絶縁し、二次プラズマが蓋アセンブリ15bの中で形成される可能性を低減する。
【0029】
[0037]プラズマ増強型堆積プロセス中、プラズマは、排気通路23及び締め切り弁24を取り巻くチャンバ本体15aの壁を含む全体のプロセス・チャンバ10を加熱する。プラズマがオンにされないか熱堆積プロセス中では、熱い液体がプロセス・チャンバ15の壁15aの中を循環し、高められた温度にチャンバを維持する。チャンバ15の蓋アセンブリ15b内にあるこれらの熱交換経路18の一部分は、図3Bに示される。チャンバ壁15aの残りの経路は示されない。チャンバ壁15aを加熱するために使用される流体は、典型的な流体タイプ、即ち、水をベースにしたエチレングリコール又は油をベースにした熱移転流体を含む。この加熱(「熱交換器」による加熱と呼ばれる)は、有利には、所望されない反応生産物の濃縮を低減又は削除し、プロセス・ガスの揮発性生産物及び他の汚染物質の削除を改善する。汚染物質は、もし冷たい真空経路の壁の上で濃縮し、ガスが流れない期間にプロセス・チャンバへ逆移行するならば、プロセスを汚染するかも知れない。
【0030】
[0038]層の中に堆積されず、反応副産物を含むガス混合物の残りは、真空ポンプ(示されていない)によってチャンバ15から排出される。具体的には、ガスは、反応領域を取り巻く環状スロット形オリフィス16を介して、環状排気プレナム17の中へ排気される。環状スロット16及びプレナム17は、チャンバの円筒形側壁15aの頂部(壁の上方誘電体ライニング19を含む)と円形チャンバ蓋20の底部との間のギャップによって画成される。スロットオリフィス16及びプレナム17の360°円対称及び均等性は、ウェーハ上でプロセス・ガスの均一の流れを達成し、ウェーハ上に均一の膜を堆積するために重要である。
【0031】
[0039]排気プレナム17から、ガスは、排気プレナム17の横伸長部分21の下を流れて観察ポート(示されていない)を通過し、下方伸長ガス経路23を介して真空締め切り弁24(この本体は下方チャンバ壁15aと一体化されている)を通過し、フォアライン(foreline)(同様に、示されていない)を介して外部真空ポンプ(示されていない)へ接続する排気出口25の中へ入る。
【0032】
[0040]ペデスタル12のウェーハ支持皿(好ましくは、アルミニウム、セラミック、又はこれらの組み合わせ)は、平行同心円の形態で2つの完全な巻きを作るように構成された埋め込み単一ループ型埋め込み加熱素子を使用して抵抗加熱される。加熱素子の外側部分は支持皿の周辺と隣接して這っており、内側部分は小さい半径を有する同心円の道の上を這っている。加熱素子への配線はペデスタル12の幹を通っている。
【0033】
[0041]典型的には、チャンバライニング、ガス入口マニホールド面板、及び様々な他の反応部ハードウェアのいずれか又は全ては、例えば、アルミニウム、陽極処理されたアルミニウム、又はセラミックから作られる。そのようなCVD装置の例は、Zhaoらへ発行された「CVD Processing Chamber」と題する米国特許第5,558,717号で説明されている。米国特許第5,558,717号は、本発明の譲受人であるApplied Materials,Inc.へ譲渡され、全ての目的のために参照して全体をここに組み入れられる。
【0034】
[0042]ウェーハが、チャンバ10の側面にある挿入/除去開口26を介して、ロボット・ブレード(示されていない)によってチャンバ15の本体の内外へ移転されるとき、リフト機構及びモータ32(図3A)はヒータ・ペデスタル・アセンブリ12及びウェーハ・リフト・ピン12bを上昇及び低下させる。モータ32は、プロセス位置14と下方ウェーハ・ロード位置との間でペデスタル12を上昇及び低下させる。モータ、弁、又は供給管路8、ガス引き渡しシステム、絞り弁、RF電力供給装置44、及びチャンバ及び基板加熱システムへ接続された流量コントローラは、全て制御線36を媒体としてシステム・コントローラ34(図3B)によって制御される。制御線36の或るものだけが示される。コントローラ34は光センサからのフィードバックに依存して、可動機械アセンブリ、例えば、コントローラ34の制御のもとで適当なモータによって動かされる絞り弁及びサセプタ(susceptor)の位置を決定する。
【0035】
[0043]図3Bで示される例示的実施形態において、システム・コントローラはハードディスク・ドライブ(メモリ38)、フロッピーディスク・ドライブ、及びプロセッサ37を含む。プロセッサはシングルボード・コンピュータ(SBC)、アナログ及びディジタル入力/出力ボード、インタフェース・ボード、及びステッパモータ・コントローラ・ボードを含む。CVDシステム10の様々な部品は、バーサ・モジュラ・ヨーロッパ(Versa Modular European(VME))標準と合致する。VME標準はボード、カードケージ、及びコネクタの寸法及び型を規定している。VME標準は、更に、バス構造が16ビット・データ・バス及び24ビット・アドレス・バスを有するものと規定している。
【0036】
[0044]システム・コントローラ34はCVD機械の活動の全てを制御する。システム・コントローラはシステム制御ソフトウェアを実行する。このソフトウェアはコンピュータ読み取り可能メディア、例えば、メモリ38に記憶されたコンピュータ・プログラムである。好ましくは、メモリ38はハードディスク・ドライブであるが、他の種類のメモリであってもよい。コンピュータ・プログラムは命令の集合を含む。命令の集合は、特定のプロセスのタイミング、ガスの混合、チャンバの圧力、チャンバの温度、RF電力レベル、サセプタの位置、及び他のパラメータを指図する。例えば、フロッピーディスク又は他の適切なドライブを含む他のメモリ・デバイスに記憶された他のコンピュータ・プログラムは、更に、コントローラ34を動作させるために使用されてもよい。
【0037】
[0045]基板上に膜を堆積するプロセス又はチャンバ15を清掃するプロセスは、コントローラ34によって実行されるコンピュータ・プログラムプロダクトを使用して実現される。コンピュータ・プログラム・コードは、任意の従来のコンピュータ読み取り可能プログラミング言語、例えば、68000アセンブリ言語、C、C++、Pascal、Fortran、又はその他で書かれてもよい。適切なプログラム・コードは、従来のテキスト・エディタを使用して単一ファイル又は複数ファイルへ入れられ、コンピュータで使用可能なメディア、例えば、コンピュータのメモリ・システムの中に記憶又は具体化される。もし入れられたコード・テキストが高水準言語であれば、コードはコンパイルされ、結果のコンパイラ・コードは、前もってコンパイルされたWindows(商標)ライブラリ・ルーチンのオブジェクト・コードとリンクされる。リンク及びコンパイルされたオブジェクト・コードを実行するため、システム・ユーザはオブジェクト・コードを起動し、コードをメモリにロードすることをコンピュータ・システムに引き起こさせる。次に、CPUはコードを読み取って実行して、プログラムの中で識別されるタスクを達成する。
【0038】
[0046]ユーザとコントローラ34との間のインタフェースは、図3Eで示されるCATモニタ50a及びライトペン50bを経由する。図3Eは、基板プロセス・システムにおけるシステム・モニタ及びCVDシステム10の簡単な図である。基板プロセス・システムは1つ又は複数のチャンバを含んでもよい。好ましい実施形態において、2つのモニタ50aが使用され、1つは作業者のためにクリーンルーム壁に取り付けられ、他の1つはサービス技術員のために壁の後ろに取り付けられる。モニタ50aは同じ情報を同時に表示するが、1つのライトペン50bだけが動作可能にされる。ライトペン50bの先端にある光センサは、CRTディスプレイによって放出された光を検出する。特定のスクリーン又は機能を選択するため、作業者はディスプレイ・スクリーンの指示区域に触れ、ペン50b上のボタンを押す。触れられた区域は強調色を変化させるか、新しいメニュー又はスクリーンが表示され、ライトペンとディスプレイ・スクリーンとの間の通信を確認する。ライトペン50bの代わり、又はそれに加えて、他のデバイス、例えば、キーボード、マウス、又は他のポインティング又は通信デバイスが使用されてもよく、ユーザがコントローラ34と通信できるようにする。
【実施例】
【0039】
実施例1−FSG膜の堆積中のアーク発生
[0047]これらの実施例では、フッ素ドープド・ケイ酸塩(FSG)層(一般的に、8μmの厚さを有する)が、PECVDプロセスで300mmシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板ウェーハの上に堆積された。堆積に使用されたPECVDプロセス・チャンバは、カリフォルニア州、サンタ・クララにあるApplied Materials,Inc.によって作られたプロデューサ(Producer(商標)SE)チャンバであった。二重周波RF電源を使用して、プラズマが基板ウェーハ上に生成及び堆積された。二重周波RF電源は、高周波(即ち、13.56MHz)RF電力及び低周波(即ち、350kHz)RF電力をプロセス・チャンバへ供給した。表1はチャンバの標準堆積運転の様々な段階について、追加のプロセス詳細を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
[0048]電圧プローブはプラズマ前駆物質分配面板へ接続され、時間の経過に従って面板のDCバイアス電圧内の変化を監視した。面板上のDCバイアスは、典型的には、200〜600ボルトの範囲であり、プローブ出力信号の範囲を1〜10ボルトへ低減するため100:1xプローブが使用された。100kHzの速度で面板電圧をサンプリングする信号獲得デバイスへプローブが接続され、堆積の過程における時間経過の関数としての面板電圧から描画が作られた。図4Aは基線堆積運転の描画であり、初期ステップの間で電圧スパイクを示す。RF電源が全電力へ傾斜されるにつれてアーク発生事象が起こることを電圧スパイクが表示する。
【0042】
[0049]図4Aの描画は、アーク発生とRF電力供給装置の活性化との間の相関を示し、基板ウェーハ上でプラズマを生成及び堆積するために供給されたRF電力の傾斜率に伴う問題を診断するために使用された。診断をテストするため、他のFSG堆積運転が達成された。この場合、高周波RF電力傾斜率は5000ワット/秒から600ワット/秒へ低減され、低周波RF電力傾斜率は350ワット/秒から250ワット/秒へ低減された。これに加えて、ピーク低周波RF電力は700ワットから500ワットへ低減された。表2は、プロセス・チャンバにおける新しい堆積運転の様々な段階について、追加のプロセス詳細を示す。
【0043】
【表2】
【0044】
[0050]図4Bの描画は、PECVD堆積の間に、より低い傾斜率及びピーク低周波RF電力が使用されたとき、電圧スパイクが消滅したことを示し、より高いRF電力傾斜率及びピークLF RF電力がプロセス・チャンバ内のアーク発生を引き起こしたことの診断を確証する。
【0045】
[0051]追加のテストが遂行され、RF電源の活性化中にアーク発生を防止するには、傾斜率及び低周波RFピーク電力レベルの双方を低減すべきかどうかを決定した。この実験的運転において、LF RF傾斜率は高い350ワット/秒の速度に保たれ、LF RFピーク電力は350ワットへ低減された。図5A〜図5Bは、700ワット(図5A)及び350ワット(図5B)のLF RFピーク電力について、面板上のDCバイアス電圧の描画を時間の関数として示す。基線プロセス運転と首尾一貫して、図5Aの描画は運転のスタート時に著しい電圧スパイクを示し、RF電源の活性化中にアーク発生が出現したことを表示する。対照的に、図5Bは、LF RFピーク電力レベルが半分にカットされるとき、同じLF RF電力傾斜率でアーク発生が防止されることを示す。
【0046】
[0052]図5A〜図5Bは、LF RF傾斜率及び/又はピークLF RF電力を低減することによって、RF電源の活性化中にアーク発生が防止されることを実証する。いずれか(又は双方)のプロセス・パラメータへ行われた調整は、遂行されている運転に依存して変動してもよい。高及び低周波RF傾斜率をあまりに低下させると、形成されるプラズマの不安定を作り出し、また基板ウェーハ上で堆積されている層の化学的性質を変化させる。ピークLF RF電力をあまりに低下させると、基板ウェーハ上のプラズマ堆積速度を遅くし、製作プロセスの全体的効率を低減する。追加の実験が遂行されてもよく、この実験によってプロセスのスタート時にアーク発生を引き起こさず、堆積層の高水準の品質及び効率を提供するRF傾斜率及び電力レベルを発見してもよい。
【0047】
実施例2−集積USG−FGS膜の堆積中のアーク発生
[0053]この実施例において、集積された無ドープケイ酸塩ガラス(USG)及びフッ素ドープド・ケイ酸塩(FSG)膜が、PECVDプロセスで300mmシリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板ウェーハ上に堆積された。堆積に使用されたPECVDプロセス・チャンバは、カリフォルニア州、サンタ・クララにあるApplied Materials,Inc.によって作られたプロデューサ(Producer(商標)SE)チャンバであった。二重周波RF電源を使用してプラズマが基板ウェーハ上で生成及び堆積された。二重周波RF電源は、高周波(即ち、13.56MHz)RF電力及び低周波(即ち、350kHz)RF電力をプロセス・チャンバへ供給した。堆積は基板ウェーハ上のUSG物質の堆積でスタートし、FSG物質の堆積への遷移によって後続された。
【0048】
[0054]基線プロセスの実施例において、USGからFSG堆積への遷移は不連続であり、FSGプロセス・ガス及びRF電力が開始される前に、USGプロセス・ガス及びRF電力が終了された。図6は、基線プロセス中のプロセス・チャンバ面板におけるDCバイアス電圧の描画を示し、FSG堆積段階の開始及び終了の双方で電圧スパイクが現れた。描画は、FSG堆積の両端でのアーク発生問題を診断するために使用された。
【0049】
[0055]図6の描画に基づく診断は、プロセス・チャンバ内でプロセス・ガス及びRF電力をほぼ同時に導入したことによって作り出されたプラズマ内の不安定性によって、初期アーク発生が引き起こされたということであった。このアーク発生は、RF電力の活性化前に1つ又は複数のプロセス・ガスを導入することによって緩和されてもよい。FSG堆積の終了時におけるアーク発生は、電極での電圧上昇によって引き起こされたものと思われた。電極は、プロセス・ガス及びRF電力が殆ど同時に停止されたときに放電された。このアーク発生は、堆積ステップが完全に終了される前に、LF RF電力をパワーダウンすることによって緩和されてもよい。
【0050】
[0056]上記の診断に基づいて修正されたFSG堆積段階を用いて、新しい実験的運転が遂行された。修正されたFSG堆積では、RF電力が活性化される前にSiF4がチャンバへ導入され、FSG堆積の終了中にDCバイアス・スパイクを最小にするため低周波RF電力が終了段階のスタート時に止められた。図6の第2の描画は、FSG堆積へ行われた修正が、堆積の始めと終わりに観察された電圧スパイクを削除したことを示す。
【0051】
[0057]幾つかの実施形態を説明したが、様々な修正、代替の構造、及び同等物が、本発明の趣旨から逸脱することなく使用されてもよいことが、当業者によって認識されるであろう。加えて、多数の周知のプロセス及び要素は説明されなかったが、これは必要でないほどに本発明を不明瞭にすることを避けるためである。したがって、上記の説明は本発明の範囲を限定するものと考えてはならない。
【0052】
[0058]値の範囲が提供される場合、この範囲の上限と下限の間で、文脈がそうでないことを明瞭に指図していない限り、下限の単位の十分の一まで、各々の介在値も具体的に開示されていることが理解される。陳述された範囲内の任意の陳述値又は介在値と、この陳述された範囲にある任意の他の陳述値又は介在値との間の各々の一層小さい範囲が包含される。これらの一層小さい範囲の上限及び下限は、範囲内で独立的に含まれるか除外されてもよく、一層小さな範囲の中に、いずれかの限度が含まれるか、いずれの限度も含まれないか、双方の限度が含まれる各々の範囲も、陳述された範囲内の具体的に除外された限度に従って、本発明の中に包含される。陳述された範囲が限度の1つ又は双方を含む場合、これらの含まれた限度のいずれか又は双方を除外する範囲も含まれる。
【0053】
[0059]本明細書及び添付された特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明瞭に指図していない限り、複数の参照対象を含む。こうして、例えば、「a process」への参照は複数のそのようなプロセスを含み、「the electrode」への参照は1つ又は複数の電極、及び当業者に知られた同等物への参照を含む。以下同様である。
【0054】
[0060]更に、語「備える」(comprise、comprising)、「含む」(include、including、及びncludes)は、本明細書及び下記の特許請求の範囲で使用されるとき、陳述された特徴、整数、コンポーネント、又はステップの存在を指定するように意図されるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、コンポーネント、ステップ、行為、又はグループの存在又は付加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に従って半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生を検出する方法を図示するフローチャートである。
【図2】本発明の実施形態に従って半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生を低減する方法を図示するフローチャートである。
【図3A】本発明の実施形態に従ったプラズマ増強型化学気相堆積システムの断面図を示す。
【図3B】本発明の実施形態に従ったプラズマ増強型化学気相堆積システムの断面図を示す。
【図3C】図1Aで示されたPECVDチャンバの部品の組立分解図を示す。
【図3D】図1Aで示されたPECVDチャンバの部品の組立分解図を示す。
【図3E】本発明の実施形態に従った多チャンバシステムにおけるシステム・モニタ及びCVDシステムの簡単な図を示す。
【図4A】FSG層をプラズマ堆積する間の時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【図4B】FSG層をプラズマ堆積する間の時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【図5A】異なる低周波RF電力レベルの時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【図5B】異なる低周波RF電力レベルの時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【図6】集積USG/FSG層をプラズマ堆積する間の時間経過に従った面板電圧の実験的描画を示す。
【符号の説明】
【0056】
7…ガス源、9…混合システム、10…CVDシステム、12…加熱ペデスタル、12b…ウェーハ・リフト・ピン、13a…ガス分配面板、14…プロセス位置、15…真空又はプロセス・チャンバ、26…挿入/除去開口、32…リフト機構及びモータ、34…システム・コントローラ、37…プロセッサ、38…ハードディスク・ドライブ(メモリ)、44…RF電力供給装置、50a…CATモニタ、50b…ライトペン、60…遠隔プラズマ生成器、70…混合デバイス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断する方法であって、
前記プロセス・チャンバ内のプロセス・ガス分配面板へ電圧プローブを結合するステップと、
RF電源を活性化して、前記面板と基板ウェーハとの間にプラズマを生成するステップと、
前記RF電源の前記活性化中に前記面板の前記DCバイアス電圧を時間の関数として測定し、前記面板で測定された前記電圧内のスパイクが、前記プロセス・チャンバ内でアーク発生事象が出現したことを表示するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記半導体ウェーハ・プロセス・チャンバがプラズマ増強型化学気相堆積チャンバである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記面板の前記DCバイアス電圧が約100kHz以上のサンプリング速度で測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に、前記アーク発生事象に応答して、前記RF電源のために電力傾斜率を調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記RF電源の前記電力傾斜率が、前記プロセス・チャンバで低周波RF電力を提供するための低周波傾斜率及び前記プロセス・チャンバで高周波RF電力を提供するための高周波傾斜率を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記低周波傾斜率が約250ワット/秒以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記高周波傾斜率が約600ワット/秒以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
更に、前記アーク発生事象に応答して前記RF電源のRF電力レベルを調整するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記RF電力レベルを調整する前記ステップが、低周波RF電力レベルを約25%以上低減する工程を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
更に、前記アーク発生事象に応答してプラズマ前駆物質の流量を調整するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記プラズマ前駆物質がテトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プラズマ前駆物質がSiF4を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記電圧プローブが前記プラズマと接触しない、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断するシステムであって、
前記プロセス・チャンバ内でプロセス・ガス分配面板へ結合された電圧プローブと、
前記面板の前記DCバイアス電圧を時間の関数として測定する電圧測定デバイスと、
プラズマが前記プロセス・チャンバ内で生成されるとき面板電圧測定の描画を表示するため前記電圧測定デバイスへ結合されたディスプレイであって、前記プロセス・チャンバ内でアーク発生事象が出現したことを前記描画内のスパイクが表示するディスプレイと
を備えるシステム。
【請求項15】
前記電圧測定デバイスが約100kHz以上のサンプリング速度で前記面板の前記DCバイアス電圧を測定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記電圧プローブが前記プラズマと接触しない、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記半導体ウェーハ・プロセス・チャンバがプラズマ増強型化学気相堆積チャンバである、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生を低減する方法であって、
プラズマが前記プロセス・チャンバ内で形成されるときプロセス・ガス分配面板のDCバイアス電圧内のスパイクを測定し、前記チャンバ内にアーク発生が存在することを前記スパイクが表示するステップと、
前記チャンバへ供給されるプラズマ前駆物質の流量を調整するステップと、
前記チャンバへ供給されるRF電力の傾斜率を調整して、前記プラズマ前駆物質から前記プラズマを形成するステップと
を備える方法。
【請求項19】
更に、前記チャンバへ供給されるRF電力レベルを低減して前記プラズマを形成するステップを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記RF電力の前記傾斜率を調整する前記ステップが、低周波RF電力傾斜率を約250ワット/秒以下に減少させる工程及び高周波RF電力傾斜率を約600ワット/秒以下に減少させる工程を備える、請求項18に記載の方法。
【請求項1】
半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断する方法であって、
前記プロセス・チャンバ内のプロセス・ガス分配面板へ電圧プローブを結合するステップと、
RF電源を活性化して、前記面板と基板ウェーハとの間にプラズマを生成するステップと、
前記RF電源の前記活性化中に前記面板の前記DCバイアス電圧を時間の関数として測定し、前記面板で測定された前記電圧内のスパイクが、前記プロセス・チャンバ内でアーク発生事象が出現したことを表示するステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記半導体ウェーハ・プロセス・チャンバがプラズマ増強型化学気相堆積チャンバである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記面板の前記DCバイアス電圧が約100kHz以上のサンプリング速度で測定される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
更に、前記アーク発生事象に応答して、前記RF電源のために電力傾斜率を調整するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記RF電源の前記電力傾斜率が、前記プロセス・チャンバで低周波RF電力を提供するための低周波傾斜率及び前記プロセス・チャンバで高周波RF電力を提供するための高周波傾斜率を備える、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記低周波傾斜率が約250ワット/秒以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記高周波傾斜率が約600ワット/秒以下である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
更に、前記アーク発生事象に応答して前記RF電源のRF電力レベルを調整するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記RF電力レベルを調整する前記ステップが、低周波RF電力レベルを約25%以上低減する工程を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
更に、前記アーク発生事象に応答してプラズマ前駆物質の流量を調整するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記プラズマ前駆物質がテトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記プラズマ前駆物質がSiF4を備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記電圧プローブが前記プラズマと接触しない、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生問題を診断するシステムであって、
前記プロセス・チャンバ内でプロセス・ガス分配面板へ結合された電圧プローブと、
前記面板の前記DCバイアス電圧を時間の関数として測定する電圧測定デバイスと、
プラズマが前記プロセス・チャンバ内で生成されるとき面板電圧測定の描画を表示するため前記電圧測定デバイスへ結合されたディスプレイであって、前記プロセス・チャンバ内でアーク発生事象が出現したことを前記描画内のスパイクが表示するディスプレイと
を備えるシステム。
【請求項15】
前記電圧測定デバイスが約100kHz以上のサンプリング速度で前記面板の前記DCバイアス電圧を測定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記電圧プローブが前記プラズマと接触しない、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記半導体ウェーハ・プロセス・チャンバがプラズマ増強型化学気相堆積チャンバである、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
半導体ウェーハ・プロセス・チャンバ内のアーク発生を低減する方法であって、
プラズマが前記プロセス・チャンバ内で形成されるときプロセス・ガス分配面板のDCバイアス電圧内のスパイクを測定し、前記チャンバ内にアーク発生が存在することを前記スパイクが表示するステップと、
前記チャンバへ供給されるプラズマ前駆物質の流量を調整するステップと、
前記チャンバへ供給されるRF電力の傾斜率を調整して、前記プラズマ前駆物質から前記プラズマを形成するステップと
を備える方法。
【請求項19】
更に、前記チャンバへ供給されるRF電力レベルを低減して前記プラズマを形成するステップを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記RF電力の前記傾斜率を調整する前記ステップが、低周波RF電力傾斜率を約250ワット/秒以下に減少させる工程及び高周波RF電力傾斜率を約600ワット/秒以下に減少させる工程を備える、請求項18に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【公表番号】特表2009−505441(P2009−505441A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528032(P2008−528032)
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/032559
【国際公開番号】WO2007/024765
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【国際出願番号】PCT/US2006/032559
【国際公開番号】WO2007/024765
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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