プラスチック組成物を押し出しするプロセス
本発明は、プラスチック組成物の押し出しプロセスに関する。プロセスは、特に、プラスチック組成物、特に高分子溶融物および高分子溶融物の混合物、とりわけ、熱可塑性プラスチックおよびエラストマ、特に好ましくはポリカーボネートおよび例えば固体、液体または気体のような他の物質、或いは、他の高分子または他の高分子混合物が混入し得るポリカーボネート混合物の搬送、混練および/または混合に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック組成物を押し出しするプロセスに関する。プロセスは、特に、プラスチック組成物、特に高分子溶融物および高分子溶融物、とりわけ、熱可塑性プラスチックおよびエラストマ、特に望ましくはポリカーボネートおよびポリカーボネート混合物、および、例えば固体、液体、気体または他の高分子または高分子混合物のような他の物質を含有するそれらの混合物の搬送、混練および/または混合に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック組成物の押し出しは、特に、高分子の製造、合成および処理における大きな役割を果たす。押し出しは、これ以降、非特許文献1に総合的に記載されているように、共に回転する2軸または多軸のスクリュエクストルーダにおいて物質または混合物質の処理を意味するものとする。
【0003】
本出願において、多軸スクリュエクストルーダという用語は、例えば、リングエクストルーダまたは2軸スクリュエクストルーダをも含む。
【0004】
そのロータが完全に自己払拭する共回転2軸または多軸スクリュエクストルーダは、古くから知られている(例えば、特許文献1)。自己払拭形状の原則に基づくエクストルーダは、高分子製造および高分子処理において、多くの異なった使用がなされている。これは、完全自己払拭スクリュの自己清掃作用により防止される、従来の処理温度において溶融高分子が表面に付着および経時劣化するという事実の最初の結果である。完全自己払拭スクリュの形状を製造するための規範は、非特許文献1の第96−109頁に与えられている。その中には、予め定めた2軸スクリュエクストルーダの第1のスクリュのスクリュ形状が、2軸スクリュエクストルーダの第2のスクリュのスクリュ形状をどのように定めるかも記載されている。2軸スクリュエクストルーダの第2のスクリュのスクリュ形状は、2軸スクリュエクストルーダの第1のスクリュのスクリュ形状(形成スクリュ形状)に従い、このため、形成されたスクリュ形状(被形成スクリュ形状)であると知られている。多軸スクリュエクストルーダの場合、隣接するスクリュは、常に形成スクリュ形状と被形成スクリュ形状とが交互に配置される。
【0005】
昨今の2軸スクリュエクストルーダは、コアシャフトに様々なスクリュエレメントを配設したブロック構成システムを有する。このようにして、当業者は、2軸スクリュエクストルーダを手持ちの特定の目的に適応させてもよい。
【0006】
当業者に知られており、非特許文献1の96−109頁に見られるように、従来技術に係る密に咬合する自己清掃共回転スクリュ形状(これより元の発明者ちなんでエルドメンガースクリュ形状と称する)は、3つの変数:行路数z、スクリュ外側半径raおよび中心線間隔aを定めることによって曖昧でなく定められる。行路数zは、1以上の整数である。さらに重要なスクリュ形状の特徴的パラメータは、コア半径riである。さらに重要なスクリュ形状の特徴的パラメータは、行路深さhである。
【0007】
スクリュ外側半径と等しいスクリュ形状の領域は、頂部領域として知られる。コア半径と等しいスクリュ形状の領域は、溝領域として知られる。スクリュ外側半径より小さくコア半径より大きいスクリュ形状の領域は、側腹領域として知られる。2つのバレル穴が互いに貫通し合う多軸スクリュエクストルーダの領域は、咬合領域として知られる。2つのバレル穴の2つの交点は、バレル交点として知られる。
【0008】
行路数zのエルドメンガースクリュ形状の頂角δ_kwは、δ_kw=π/z−2*arccos(0.5*a/ra)によって計算される。但し、πは、円周率(π≒3.14159)意味する(非特許文献1)。頂角を算出する式に基づいて、等しい中心線間隔および等しい外側スクリュ半径では、単行路エルドメンガースクリュ形状と2行路エルドメンガースクリュ形状との頂角は、π/2だけ異なると結論付けられるであろう。もしもバレル半径rgが他の外側半径raと等しいなら、2つのバレル交点の間の開口角δ_gzは、δ_gz=2*arccos(0.5*a/ra)として算出される。単行路エルドメンガースクリュ形状のために、スクリュ外側半径の中心線間隔に対する比が約0.707であるとき、咬合領域は、スクリュ形状の頂部領域によってシールされる。
【0009】
2つのバレル交点の近傍バレル領域は、バレル交点領域として知られる。以下の説明のために、各バレル穴において、2つのバレル交点からの開始するこの領域は、バレル穴の中心点に対して角度δ_gbを有する。角度δ_gbは単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角と2つのバレル交点の間の開口角との差から算出される:δ_gb=π−4*arccos(0.5*a/ra)。
【0010】
加えて、式1は、2軸および多軸スクリュエクストルーダの構造、機能および作用を詳細に説明する。1つの章全体(227−248頁)は、スクリュエレメントおよびそれらの動作様式に費やされている。ここに、搬送エレメント、混練エレメントおよび混合エレメントの構造および機能を詳細に説明する。異なる数のスクリュエレメントの間を通過可能にするために、しばしばワッシャがスペーサとして使用される。特別な場合、行路の数が異なる2つのスクリュ形状の間を連続的に移行可能にし、各移行点に自己清掃スクリュ形状の対が与えられた「遷移エレメント」が使用される。
【0011】
プラスチック組成物は、これ以降、変形可能な組成物を意味する。プラスチック組成物の例は、高分子溶融物、特に、熱可塑性プラスチックおよびエラストマであり、特に好ましくは、ポリカーボネートおよびポリカーボネート混合物、高分子溶融物の混合物、或いは、個体、液体または気体を分散した高分子溶融物である。
【0012】
高分子製造の間、例えば、高分子の脱気のために(例えば非特許文献1の191−212頁参照)、押し出しが行われる。
【0013】
高分子を合成する間、例えば、添加物を包含させるために(例えば非特許文献1の59−93頁参照)、押し出しが行われる。合成は、プラスチック原料を用い、充填剤および/または補強材料、可塑剤、結合剤、スリップ剤、安定剤等を添加して、高分子を最終プラスチックモールディング化合物(または組成物)に変性させることを含む。
【0014】
押し出しの間のプラスチック組成物の処理は、1以上の作用:搬送、溶融、分散、混合、脱気、圧力形成を含む。
【0015】
高分子の合成中、押し出しは、添加剤、助剤、補強材および色素を含む高分子の混合物を形成するために、および、例えば、化学品組成物において、分子量および分子構造の異なる高分子の混合物を形成するために(例えば非特許文献1の59−93頁参照)、全て使用される。合成は、従来通りに溶融されたプラスチック原料を用い、高分子に充填剤および/または補強材、可塑剤、結合剤、スリップ剤、安定剤、色素等を加えて、高分子を最終プラスチックモールディング化合物(または組成物)への変性させることを含む。合成は、しばしば、例えば空気および水のような揮発成分の除去をも含む。合成は、例えば、接合、官能基の改変または分子量の意図的増減による分子量改変のような化学反応を含んでもよい。
【0016】
公知であり、例えば非特許文献1の169−190頁に記載されているように、混合は、分配混合と分散混合とに区別してもよい。分配混合は、所定量の様々な要素の均一な分配の意味に使用される。分配混合は、例えば、類似する高分子を混合したときに生じる。分散混合において、固形粒子、液滴または気泡が最初に細分される。細分化は、例えば、高分子と添加物との境界面の表面張力を乗り越えるために、十分に大きな剪断力を加えることをともなう。混合は、以下では常に、分配混合および分散混合を意味するものとする。
【0017】
溶融物搬送および圧力形成は、非特許文献1の73頁以降に記載されている。溶融物搬送領域は、製品を1つの処理領域から次の処理領域に搬送し、そして、充填剤を吸い込む役目を果たす。溶融物搬送領域は、通常、例えば、部分的に1つの処理領域から次の処理領域への製品の搬送の間、脱気の間、および、保持領域中のように、部分的に充填される。例えばエクストルーダダイ、逆搬送エレメント、混合エレメントおよび溶融物フィルタのような圧力消費部の上流に背圧領域が形成され、そこでは、完全な状態で搬送が行われ、圧力消費部を超えるための圧力が形成されなければならない。高分子溶融物に導入されるエネルギーは、溶融物を搬送する実効的力と、溶融物の温度上昇によって明示される損失である放散される力とに分けられる。このため、可能なかぎり最低限のエネルギーを溶融物搬送領域において放散させなければならない。1×内部エクスルーダ直径(1D)のピッチを有するねじエレメントが、単純な溶融物搬送に慣用されている(非特許文献1)。
【0018】
高分子処理中に、高分子は、好ましくは、準最終製品、使用可能な製品または部品の形態に変換される。処理は、例えば、射出成型、押し出し成型、ブロー成型、カレンダ加工またはスピニング加工によってもよい。処理は、また、高分子の充填剤および外部物質および添加物との混合、および、例えば加硫のような化学的改質を含んでもよい。
【0019】
当業者は、高分子押し出しは、2本または選択的にそれより多いスクリュを備えるエクストルーダにおいて有利にも行われることに気付く。
【0020】
圧力形成領域は、エクストルーダのダイプレートおよび/または溶融物フィルタ上流、および、例えば混合エレメント或いは逆搬送または中立搬送混練ブロックのような圧力を消費する「流れ制限」スクリュエレメントの上流の溶融領域に配置される。流れ制限エレメントを乗り越えるために必要な圧力が、圧力形成領域において形成されなければならない。ダイプレート、工具、および、例えばフィルタのような任意の下流ユニットにおいて消費される圧力は、溶融領域において形成されねばならない。圧力形成領域において、スクリュの頂部を越える溶融物の強い逆流は、高い熱入力をもたらす(非特許文献1)。
【0021】
スクリュの頂部において、特に大量のエネルギーが溶融物中に放散し、それが製品を局所的に過熱させることが、当業者には知られている。これは、例えば、非特許文献1の160頁以降に説明されている。この局所的な過熱は、匂い、色、化学組成または分子量の変化、或いは、ゲル状プラスチックまたは小片状のような製品の不均一性の形成等、製品に危害をもたらす。大きな頂角は、これについて特に有害である。
【0022】
当業者は、同様に、従来のスクリュエレメントを使用する際、2行路エレメントの場合よりも低いエネルギー入力および短い背圧長さの単行路搬送エレメントの場合、共回転2軸スクリュエクストルーダの作用範囲の大半に亘って完全に充填された状態で、必要な圧力が形成され得ることを知っている(非特許文献1)。
【0023】
しかしながら、単行路搬送エレメントは、非常に脈動し易い傾向にあること、つまり、それらは、例えば膨張の分割によって、処理品の膨張減衰ができないことを注記しなければならない。その理由は、2行路搬送エレメントでは、3つの製品の流れがあるのに対して、単行路搬送エレメントに1つの製品の流れしかないことにある。そのため、分配した膨張は、エクストルーダ出口における処理品を、2行路または3行路搬送エレメントよりも急速に膨張させる。1つの製品の流れだけしかないので、単行路エレメントの混合作用は、2行路または3行路搬送エレメントと比較して同様に低い。
【0024】
当業者は、さらに、公知の単行路スクリュエレメントは、それらの広い頂部がもたらす部分的充填領域における非常に高いエネルギー入力を有することを知っている。これは、製品の品質に有害である。このため、公知の単行路スクリュエレメントは、滅多に使用されない。
【0025】
直接自己払拭スクリュ形状は、2軸スクリュエクストルーダには直接挿入できず、スクリュエレメントとバレルとの間、および/または、スクリュエレメント同士の間にクリアランスが必要であることが、当業者には知られている。当業者は、例えば非特許文献1に説明されている公知の方法を使用して、完全自己払拭スクリュの外形に基づいて、実施するスクリュ形状のための幾何学データを得る。搬送エレメントのための様々な可能な戦略が、非特許文献1の28頁以降に記載されている。長手方向断面または3次元オフセット法を使用するとき、例えば非特許文献1の100頁に説明されているように、実際に製造されたスクリュの頂角KWA0は、角度KW0に対して減少している。スクリュの間の大きなクリアランスは、特に、KWA0の減少をもたらす。しかしながら、頂角を減少させるスクリュの間の大きなクリアランスは、スクリュの相互自己清掃作用を低減し、スクリュエレメントの表面での滞留時間を長くして局所的な製品のダメージを生じて製品の品質を損なうので好ましくない。また、クリアランスの拡大は、搬送作用および圧力形成に関してスクリュエレメントの効率に悪影響があり、もしも所定の作業目的が達成されるなら、過剰に大きなクリアランスは選択されない。
【0026】
特許文献2は、単行路密接咬合自己清掃共回転スクリュ形状を示す。そのようなスクリュ形状は、頂部領域が咬合領域をシールし、それによって、このスクリュ形状に基づく搬送エレメント高い圧力形成能力を有するという利点を有する。そのようなスクリュ形状は、頂部領域が非常に大きく、それによって、加圧すべき粘性流体が望まない熱および機械的ストレスを受けるという欠点がある。
【0027】
特許文献3および特許文献4は、偏芯3行路密密接咬合自己清掃共回転スクリュ形状を示す。偏芯は、常に1つの頂部だけがバレルを掻き取るようなものである。そのようなスクリュ形状は、咬合領域がシールされず、それによって、そのようなスクリュ形状に基づく搬送エレメントの圧力形成能力が低いという欠点を有する。
【0028】
特許文献5は、3つの頂部の頂角が異なる大きさである3行路自己清掃スクリュ形状を記載する。最も大きい頂角を有する頂部だけがバレルに当接する。その湯同スクリュ形状は、咬合領域がシールされず、それによって、そのようなスクリュ形状に基づく搬送エレメントの圧力形成能力が低いという欠点を有する。
【0029】
特許文献6は、とりわけ、2つの頂部領域がバレルを擦り取り、2つの溝領域の間に位置する側腹領域のバレルからの距離が行路深さの半分以下である密接咬合自己清掃共回転スクリュ形状を示す。そのようなスクリュ形状は、前記側腹領域のバレルからの距離が非常に小さく、前記側腹領域が流れを阻害し、そのような形状に基づく搬送エレメントの圧力形成を抑制するという欠点を有する。
【0030】
従来の共回転2軸スクリュエクストルーダおよび多軸スクリュエクストルーダにおける圧力形成および溶融物搬送は、低いエクストルーダ効率のために、製品の加熱および製品の品質を損なう熱的ストレスを与えることが付随する。
【0031】
ポリエチレンおよびポリエチレン共重合体の押し出しに際し、過度に高い温度が分子量の増加、分岐および架橋を引き起こす。ポリエチレンおよびポリエチレン共重合体は、さらに、当業者に知られた自動酸化サイクル(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)において、周囲の酸素と反応し、強い臭気、並びに、例えばケトン、アルデヒド、カルボン酸、ヒドロペルオキシド、エステル、ラクトンおよびアルコールのような分裂した低分子成分を形成する。
【0032】
ポリエチレンおよび酢酸ビニルベースの共重合体の押し出しの際、過剰な高温は、さらに、強い匂いと腐食性酢酸とをもたらす。
【0033】
ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体の押し出しの際、高温は、分子量の減少をもたらす。ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体は、さらに、自動酸化サイクルにおいて周囲の酸素と反応し、強い匂いと、例えば、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、ヒドロペルオキシド、エステル、ラクトンおよびアルコールのような分裂した低分子成分を形成する。
【0034】
ポリ塩化ビニルの押し出しの際、過剰に高い温度は、ポリ塩化ビニルの変色、および、塩酸がさらなる塩酸の除去を触媒する腐食性塩酸ガスの除去をもたらす。
【0035】
ポリスチレンの押し出しの際、過剰に高い温度は、分子量が減少した、機械的特性において機能しない有害なスチレン並びに二量体および三量体スチレンの形成をもたらす。
【0036】
ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)の押し出しの際、製品は、熱的ストレスに晒されて黄色味を帯びた色に変わり、透明性が減少し、分子量が減少し、機械的特性において機能しない発ガン性のある単量体アクリロニトリルおよびスチレンの形成をもたらす。
【0037】
芳香族ポリカーボネートの押し出しの際、製品は、過剰な熱的ストレスに晒されて、特に、酸素の作用により、透明性の減少をもたらす黄色味を帯びた色に変わり、特に水の作用により、分子量の減少を呈する。例えばビスフェノールAのような単分子体は、高温に晒されることによっても分離する。
【0038】
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリラクチドのようなポリエステルの押し出しの際、過剰に高い温度および水の作用は、分子量の減少および分子の末端基の置換をもたらす。これは、ポリエチレンテレフタレートのリサイクルの際に、特に問題である。ポリエチレンテレフタレートは、高温において、例えば飲料ボトルの中身の香りを変化させるかもしれないアセトアルデヒドを排出する。
【0039】
ジエンゴム、特にブタジエンゴムによる耐衝撃性改質熱可塑性プラスチック、特にポリスチレンの耐衝撃性改質品(HIPS)および耐衝撃性改質SAN(アクロニトリルブタジレンスチレン、ABS)の押し出しの際、過剰に高い温度は、発ガン性ブタジエンおよび有毒なビニルシクロヘキセンの分離をもたらす。さらに、ジエンゴムの架橋は、製品の機械的特性の低下をもたらす。
【0040】
ポリオキシメチレンの押し出しの際、過剰に高い温度は、有毒なホルムアルデヒドの分離をもたらす。
【0041】
ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11およびポリアミド12のようなポリアミドの押し出しの際、過剰に高い温度は、製品の脱色および分子量減少をもたらし、単量体および二量体の変成をもたらし、特に、水の存在下で機械的特性の低下をもたらす。
【0042】
ポリウレタン熱可塑性プラスチックの押し出しに際し、過剰に高い温度は、トランスウレタン化による分子構造の変化、および、水の存在下における分子量の減少をもたらす。これらの両方は、熱可塑性ポリウレタンの特性に悪影響を与える。
【0043】
ポリメチルメタクリレートの押し出しに際し、リメチルメタクリレートは、過剰な熱的ストレスに晒されて、分離され、分子量が減少し、不快な匂いおよび機械的特性の低下をもたらす。
【0044】
硫化ポリフェニレンの押し出しに際し、過剰に高い温度は、不快な匂いをもたらし、押し出しダイの腐食をもたらすかもしれない含硫有機物および無機化合物の分離をもたらす。低分子量オリゴマーおよび単量体も形成されて分子量が減少し、硫化ポリフェニレンの機械的特性を低下させる。
【0045】
ポリフェニルサルホンの押し出しに際し、過剰に高い温度は、特に水の存在下における有機化合物の分離をもたらす。分離量も減少し、機械的特性が低下する。
【0046】
ポリフェニレンエーテルの押し出しにおいて、過剰に高い温度は、低分子有機化合物の分離をもたらし、分子量が減少する。これは、製品の機械的特性の低下をもたらす。
【0047】
例えば、ポリブタジエン(BR)天然ゴム(NR)および、合成ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)クロロブチルゴム(CIIR)、ブロモブチルゴム(BIIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリクロロプレン(CR)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)部分水素化アクリロニトリルゴム(HNBR)およびエチレンプロピレンジエン共重合体(EPDM)のようなジエンゴムの押し出しに際し、過剰に高い温度は、架橋によるゲル化をもたらし、それにより製造された部品の機械的特性を低下させる。クロモブチルゴムおよびブロモブチルゴムの場合、高い温度は、塩酸または臭化水素酸腐食性ガスをもたらして、高分子のさらなる分解を触媒するかもしれない。
【0048】
硫黄または過酸化物のような加硫剤を含むゴム化合物の押し出しに際し、過剰に高い温度は、早すぎる硫化をもたらす。これは、それらのゴム化合物からそれ以上何も製造できないという結果をもたらす。
【0049】
1以上の高分子の混合物の過剰に高い温度での押し出しに際し、個々の高分子の押し出しの欠点がそれぞれの場合に生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】独国特許発明第862668号明細書
【特許文献2】独国特許発明第813154号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第4131371号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3412258号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第4239220号明細書
【特許文献6】欧州特許第2131号明細書
【非特許文献】
【0051】
【非特許文献1】コールグルーバー(Kohlgruber)、「共回転2軸エクストルーダ(Der gleichlaufige Doppelschneckenextruder)」、ハンサー出版、ミュンヘン、2007年
【非特許文献2】ヘッパール(Hepperle, J.)、「高分子の損傷メカニズム(Schadigungsmechanismen bei Polymeren )」、「高分子コンピューティング(Polymeraufbereitung)」、VDI−K、VDI−フェルラーク社(VDI-K, VDI-Verlag GmbH)、2002年
【非特許文献3】ツヴァイフェル(Zweifel, H.)、「高分子材料の安定化(Stabilization of Polymeric Materials)」、シュプリンガー社、ベルリン、1997年
【非特許文献4】シュヴァルツェンバッハ(Schwarzenbach, K.)ら、「抗酸化物質(Antioxidants)」、ツヴァイフェル(Zweifel, H.)編、「プラスチック添加物ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」、ハンサー出版、ミュンヘン、2001年
【非特許文献5】チェン(Cheng, H.N.)・シリング(Schilling, F.C.)・ボベイ(Bovey, F.A.)、「ポリエチレン酸化の13C核磁気共鳴観察(13C Nuclear Magnetic Resonance Observation of the Oxidation of Polyethylene)」、「高分子(Macromolecules)9」、1976年、p.363−365
【非特許文献6】「多様なポリエチレン製造技術の比較分析」「化学と石油工学(Chem. & Petroleum Eng.)」、44巻、7−8号、2008年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0052】
このため、特に高分子溶融物および高分子溶融物の混合物のようなプラスチック化合物、特に溶融物の搬送、混練および/または混合のための、押し出し処理を提供するという課題が生じる。全ての熱可塑性プラスチックおよびエラストマは、特に好ましくは、できるだけ効率のよい、つまり、低いエネルギー入力しか要求せず、高い圧力形成が保証され、プラスチック組成物が優しく取り扱われるポリカーボネートおよびポリカーボネート混合物である。顕著な課題は、比較的長い滞留時間と組み合わされた高い温度を防止するポリカーボネートの押し出し処理を提供することにあった。
【課題を解決するための手段】
【0053】
驚くべきことに、対になって共回転し、且つ、対になって完全に自己払拭するスクリュを備えるスクリュエレメントを使用したときに、低いエネルギー入力で、高い圧力形成および良好な搬送作用を両立し、成功裡にプラスチック組成物を押し出しできることが発見された。それは、形成スクリュおよび被形成スクリュの形状が、シール領域−遷移領域−流路領域−遷移領域の順番を含み、前記シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番であり、前記流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番であり、前記遷移領域は、側腹領域に始まり側腹領域に終わるスクリュ形状領域の順番であることを特徴とする。
【0054】
したがって、本発明は、形成スクリュおよび被形成スクリュの形状が、シール領域−遷移領域−流路領域−遷移領域の順番を含み、前記シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番であり、前記流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番であり、前記遷移領域は、側腹領域に始まり側腹領域に終わるスクリュ形状領域であることを特徴とする、対になって共回転し、且つ、対になって完全に自己払拭するスクリュを備えるスクリュエレメントを使用する2軸または多軸スクリュエクストルーダにおけるプラスチック組成物の押し出しプロセスを提供する。
【0055】
シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番をとると理解される。流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番をとると理解される。遷移領域は、側腹領域に始まり側腹領域に終わるスクリュ形状領域であると理解される。
【0056】
本発明によると、好ましくは、使用すべきスクリュエレメントのシール領域は、
−前記スクリュ形状の回転中心から見て、前記側腹領域が、2つのバレル交点の間の開口角の半分以上の角度δ_fb1を有し(δ_fb1≧arccos(0.5*a/ra)))、好ましくは、角度δ_fb1は、前記2つのバレル交点の開口角以上であり(δ_fb1≧2*arccos(0.5*a/ra)))、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、1つの前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_kb1を有し(δ_kb1≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、角度δ_kb1は、2行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下であり(δ_kb1≧π/2−2*arccos(0.5*a/ra))、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、他の前記頂部領域は、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_kb2を有し(δ_kb2≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、角度δ_kb2は、2行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下である(δ_kb2≧π/2−2*arccos(0.5*a/ra))、ことを特徴とする。
【0057】
シール領域の頂部領域および側腹領域の角度δ_kb1,δ_kb2およびδ_fb1の合計は、好ましくは、0.75*δ_gzから2*δ_gb+δ_gzまでの範囲である。1つの好ましい実施形態において、シール領域の頂部領域および側腹領域の角度δ_kb1,δ_kb12およびδ_fb1の合計は、δ_gzからδ_gb+δ_gzまでの範囲である。
【0058】
本発明によると、好ましくは、使用すべきスクリュエレメントのシール領域は、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、前記側腹領域が、2つのバレル交点の間の開口角の半分以上の角度δ_fb2を有し(δ_fb2≧arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、前記角度δ_fb2は、前記2つのバレル交点の開口角以上であり(δ_fb2≧2*arccos(0.5*a/ra)))、前記側腹領域から前記バレル交点までの距離は、行路深さhの半分よりも大きく、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、1つの前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_nb1を有し(δ_nb1≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、前記角度δ_nb1は、2行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下であり(δ_nb1≧π/2−2*arccos(0.5*a/ra))、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、他の前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_nb2を有する(δ_nb2≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、前記角度δ_nb2は、2行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下である(δ_nb2≧π/2−2*arccos(0.5*a/ra))、ことを特徴とする。
【0059】
流路領域の頂部領域および側腹領域の角度δ_nb1,δ_nb12およびδ_fb2の合計は、好ましくは、0.75*δ_gzから2*δ_gb+δ_gzまでの範囲である。1つの好ましい実施形態において、シール領域の頂部領域および側腹領域の角度δ_nb1,δ_nb12およびδ_fb2の合計は、δ_gzからδ_gb+δ_gzまでの範囲である。
【0060】
遷移領域は、側腹領域に始まり、側腹領域に終わることを特徴とする。遷移領域は、好ましくは、側腹領域−頂部領域−側腹領域の順番、側腹領域−溝領域−側腹領域の順番、側腹領域−頂部領域−側腹領域−溝領域−側腹領域の順番、または、側腹領域−溝領域−側腹領域−頂部領域の順番からなる。特に好ましい1つの実施形態において、遷移領域は、1つの側腹領域からなる。この場合、遷移領域は、この1つの前記側腹領域に始まり、この1つの前記側腹領域に終わる。
【0061】
スクリュエレメントは、ここでは、スクリュエレメントとコアシャフトを備えるスクリュ構成の従来のモジュール構造に限定せず、一体構造のスクリュも含む。このため、「スクリュエレメント」という用語は、一体構造のスクリュも意味する。
【0062】
本発明によれば、使用するスクリュエレメントは、搬送エレメント、混練エレメントおよび/または混合エレメントとして使用してもよい。
【0063】
搬送エレメントは、スクリュ形状が軸方向に螺旋状に連続して回転および延伸すること(例えば非特許文献1の227−248頁参照)を特徴とするものとして知られている。搬送エレメントは、右側または左側の行路を有してもよい。搬送エレメントのピッチは、好ましくは、中心線距離の0.1倍から10倍の範囲であり、ピッチとは、スクリュ形状の完全な1回転のために必要な軸方向の長さを意味し、搬送エレメントの軸方向の長さは、好ましくは、中心線間隔の0.1倍から10倍の範囲である。
【0064】
混練エレメントは、スクリュ形状が、軸方向に不連続に延伸する混練ディスクの形態であること(例えば非特許文献1の227−248頁参照)を特徴とするものとして知られている。混練ディスクは、右側または左側或いは中立に配置されてもよい。混練ディスクの軸方向の長さは、好ましくは、中心線距離の0.05倍から10倍の範囲である。2つの隣接する混練ディスクの間の軸方向の距離は、好ましくは、中心距離の0.002倍から0.1倍の範囲である。
【0065】
公知であるように、混合エレメントは、スクリュ頂部に開口を備える搬送エレメントを構成することによって形成される(例えば非特許文献1の227−248頁参照)。混合エレメントは、右側でも左側でもよい。それらのピッチは、好ましくは、中心線距離の0.1倍から10倍の範囲であり、エレメントの軸方向の長さは、好ましくは、中心線距離の0.1倍から10倍の範囲である。開口は、好ましくは、U型またはV型の溝の形態をとり、好ましくは、逆搬送するようにまたは軸方向に平行に配設される。
【0066】
直接自己払拭するスクリュ形状は、2軸スクリュエクストルーダには直接挿入できず、スクリュの間にクリアランスが必要であることが当業者には知られている。このために可能な多様な戦略は、非特許文献1の23頁以降に記載されている。本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状のために、スクリュ形状の直径に対して0.001から0.1の範囲の、好ましくは、0.002から0.05の範囲の、特に好ましくは、0.004から0.02の範囲のクリアランスが使用される。クリアランスは、当業者には知られているように、スクリュとバレルの間、および、スクリュとスクリュの間で異なる寸法または同じであってもよい。クリアランスは、一定であっても、所定限度内で変化してもよい。スクリュ形状をクリアランス内で変化させることも可能である。可能なクリアランス戦略は、非特許文献1の28頁以降に記載されている、すべてが当業者に知られた中心線距離の延長、長手方向断面オフセットおよび3次元オフセットの可能性である。中心線距離の延長の場合、比較的小さい径のスクリュ形状は、スクリュの間のクリアランスの大きさによりさらに離れて構成および距離を開けられる。長手方向断面オフセット法では、長手方向断面形状曲線(軸に平行)は、スクリュ−スクリュクリアランスの半分だけ内側に移動させられる。3次元オフセット法では、スクリュエレメントは、スクリュエレメントが互いに清掃し合う3次元曲線から、完全自己払拭形状の面に直角な方向に、スクリュ−スクリュクリアランスの半分だけサイズが減じられる。長手方向断面オフセット法および3次元オフセット法が好ましく、3次元オフセット法が特に好ましい。
【0067】
本発明は、さらに、プラスチック組成物、特に、高分子溶融物および高分子溶融物の混合物、とりわけ、熱可塑性プラスチックおよびエラストマ、特に好ましくは、ポリカーボネートおよびポリカーボネート混合物を製造する、多軸スクリュエクストルーダにおいて用いられることを特徴とするプロセスを提供する。本発明に係るスクリュエレメントは、好ましくは2軸スクリュエクストルーダに使用される。スクリュエレメントは、多軸スクリュエクストルーダ中に混練エレメントまたは搬送エレメントの形態で存在する。混練エレメントおよび搬送エレメントを1つのエクストルーダ内で組み合わせることも可能である。本発明に係るスクリュエレメントは、従来技術で知られた他のスクリュエレメントと組み合わせてもよい。
【0068】
本発明に係る新規なスクリュエレメントは、それらが従来技術により公知のスクリュエレメントの上述の欠点を呈しないことを特徴とする。特に、本発明に係るスクリュエレメントは、いずれの場合もバレルの咬合領域に位置する頂部領域によって咬合領域のシールを可能にし、それにより、そのようなスクリュ形状の搬送エレメントの圧力形成能力が高い。特に、本発明は、その頂部領域が小さく、それにより、製品が熱的ストレスおよび機械的ストレスに晒されることを最小化したスクリュエレメントを提供する。特に、本発明は、2つの溝領域の間に位置する側腹領域のバレルからの距離が行路深さの半分より大きく、それにより、流れ抵抗が低く保持される。特に、本発明は、多軸スクリュエクストルーダの全てのスクリュまたは2軸スクリュエクストルーダの2本のスクリュのために同一のスクリュ形状を有するスクリュエレメントを提供する。
【0069】
スクリュエレメントを製造するために好ましい材料は、鋼、特に窒化鋼および特殊鋼である。
【0070】
本発明によって高効率に押し出しされるであろうが、同時に製品の処理が穏やかであるプラスチック組成物は、例えば、懸濁液、ペースト、ガラス、セラミック組成物、溶融した状態の金属、プラスチック、プラスチック溶融物、高分子溶液、エラストマおよびゴム組成物である。
【0071】
好ましくはプラスチックおよび高分子溶液が、特に好ましくは熱可塑性高分子が使用される。好ましい熱可塑性プラスチックは、好ましくは、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリラクチド、ポリステル、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、フッ素重合体、特にポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルホン、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリイミド、ポリアクリル樹脂、特にポリ(メチル)メタクリル樹脂、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、スチレンポリマー、特にポリスチレン、スチレン共重合体、特にスチレンアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレンブロック共重合体、塩化ポリビニルの少なくとも1つである。列挙したプラスチックの混合物は、同様に好ましく使用され、当業者には2以上のプラスチックの組み合わせがあると理解される。特に優先されるものとして、ポリカーボネートおよびポリカーボネートを含む混合物が挙げられ、特に、相境界プロセスまたは溶融エステル交換プロセスを使用して得られるポリカーボネートが好適である。
【0072】
さらに好ましい供給材料は、ゴムである。好ましいゴムは、好ましくは、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ゴム、フロロプレンゴム、酢酸エチレンビニルゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、グッタペルカ、アクリルゴム、フッ化ゴム、シリコンゴム、硫化ゴム、クロロスルホニルポリエチレンゴムの少なくとも1つである。上記ゴムの2つ以上の組み合わせ、または、1つ以上のゴムと1以上のプラスチックの組み合わせが、当然に可能である。
【0073】
熱可塑性プラスチックおよびエラストマは、純粋体、或いは、特にグラスファイバのような充填剤および補強材との混合物、異なる高分子との混合物または従来の高分子添加剤との混合物の形態で使用されてもよい。
【0074】
1つの好ましい実施形態において、プラスチック組成物、特に高分子溶融物および高分子溶融物の混合物は、添加剤が混合されている。それらは、エクストルーダの中に固体、液体または溶液で供給されてもよく、高分子または全ての添加剤の少なくともいくらかは、エクストルーダに側部流れを介して供給されてもよい。
【0075】
添加剤は、高分子に多くの異なる特性を与える。それらは、例えば、着色剤、色素、加工助剤、充填剤、抗酸化剤、補強材、紫外線吸収剤および光安定剤、金属不活性剤、過酸化捕集剤、基礎安定剤、核形成剤、安定剤または抗酸化剤として作用するベンゾフランおよびインドリノン、モールド剥離剤、難燃剤、帯電防止剤、ダイ処理剤および溶融安定剤である。これらの例は、カーボンブラック、グラスファイバ、クレイ、マイカ、グラファイトファイバ、酸化チタン、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、イオン液および天然繊維である。
【0076】
本発明によるプロセスにおいて、エクストルーダは、想定される高分子の形態に応じた様々な製品が供給されてもよい。好ましい変形において、高分子に加えて、溶剤および選択的に残留単量体を含んだままの液体が供給される。高分子が反応および選択的に予備蒸発して得られる高分子の形態は、当業者には公知である。例えば、
−残留スチレンおよび場合によりエチルベンゼン、トルエン、キシレン、ブタノンまたは他の溶剤を含むポリスチレン、
−残留スチレン、残留アクリロニトリルおよび場合によりエチルベンゼン、トルエン、キシレン、ブタノンまたは他の溶剤を含むスチレン共重合体およびアクリロニトリル共重合体、
−ヘキサン、テクニカルヘキサン、プロパン、イソブタン、および、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1のような単量体溶剤を含む鎖状低密度ポリエチレンまたは鎖状高密度ポリエチレン、分岐ポリエチレン(懸濁を含むプロセスは、三井化学CXプロセス(ヘキサン)、バゼルのホスタレンプロセス(ヘキサン)、米国シェブロンフィリップス(イソブタン)、ベルギーボレアリスのボルスター(Borstar)プロセス(プロパン)、および、溶剤プロセス中で使用するヘキサンのDSMであり、これに関する詳細は、非特許文献6に記載されている)、
−クロロベンゼンおよび塩化メチレンの等の溶剤を含むポリカーボネート、
−単量体、つまり、メタクリル酸メチルを含むポリメチルメタクリル樹脂、である。
【0077】
本発明によるプロセスにおいて、エクストルーダは、例えば、粒子が供給されてもよい。この場合、本発明に係るエクストルーダは、とりわけ、変換および添加剤との混合のための溶融の機能を果たす。高分子が反応および選択的に予備蒸発または沈殿して得られる高分子の形態は、当業者には公知である。例えば、
−高分子が最終反応後に粉末形態で得られるポロプロピレン、
−気相プロセスまたはスラリープロセスからの高密度ポリスチレン、
−沈殿および選択的に乾燥後のアクリロニトリルブタジエンスチレンのようなエマルジョン高分子、である。
【0078】
合成の間、本発明による2軸または多軸スクリュエクストルーダは、特に脱気を含む役割に適する。顕著な利点は、ボトル材料からの再生ポリエチレンテレフタレートの直接合成の間に達せられる熱的ストレスに晒されることが最低限度の脱気を含む。
【0079】
本発明によるプロセスは、特に好ましくは、ポリカーボネートの製造および合成に使用される。それは、とりわけ、無色のポリカーボネートにおいて、黄色度(YI)によって測定されるポリカーボネートの色に関する利点を有する。本発明によるスクリュエレメントは、特に、脱気領域に用いられることが特に好ましい。
【0080】
本発明の目的のポリカーボネートは、ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートであり、ポリカーボネートは、直鎖または分岐の態様が知られている。
【0081】
本発明に使用する炭酸ポリエステルを含むポリカーボネートの好ましい製造方法は、公知の相境界プロセスおよび公知の溶融エステル交換プロセスである。
【0082】
使用する炭酸誘導体は、好ましくは、第1にはホスゲンであり、最後には炭酸ジフェニルである。ポリカーボネート製造のための触媒、溶剤、検査、反応条件等は、いずれの場合も、十分に説明され、十分に公知である。
【0083】
本発明に係る好ましいポリカーボネートにおいて、80%/molまで、好ましくは20%/molから50%/molまでの炭酸塩基は、芳香族ジカルボン酸エステル塩基によって置換されてもよい。分子鎖に取り込まれた炭酸の酸残留物および芳香族時カルボン酸の酸残留物の両方を含むそのようなポリカーボネートは、芳香族ポリエステルカーボネートとしてまさに定義されている。簡略化のために、それらは、本願において、「熱可塑性プラスチック、芳香族ポリカーボネート」という包括的用語に含まれる。
【0084】
本発明に係るプロセスは、特に、ポリカーボネートの製造に使用される。したがって、本発明は、本発明に係る押し出しプロセスを含む製造プロセスの少なくとも1つの行程を特徴とするポリカーボネートの製造プロセスも提供する。
【0085】
本発明に係るプロセスを使用するポリカーボネートの製造は、ジフェノール、炭酸誘導体、選択的に連鎖停止剤、および、選択的に分岐剤から公知の方で進行され、ポリエステルカーボネートの製造のために、具体的には、芳香族ポリカーボネートにおいて芳香族ジカルボン酸エステル構成単位に置換すべきカーボネート構成単位に応じて、炭酸誘導体のいくつかが芳香族カルボン酸またはジカルボン酸誘導体に置き換えられる。
【0086】
ポリカーボネートの製造の例として、スネル(Schnell)の「ポリカーボネートの化学と物理(Chemistry and Physics of Polycarbonates)」、「高分子評論(Polymer Reviews)」第9巻、インターサイエンス出版、ニューヨーク、ロンドン、シドニー、1964年が、ここに参照される。
【0087】
好ましくは本発明に係るプロセスに使用される熱可塑性プラスチック、芳香族ポリエステルカーボネートを含む熱可塑性ポリカーボネートは、12000から120000、好ましくは15000から80000、特に15000から60000の平均分子量MW(25℃のCH2Cl2および100mlあたり0.5gのCH2Cl2濃度における相対粘度の測定により定められる)を有する。
【0088】
ポリカーボネートの製造のための本発明に係るプロセスに好ましいジフェニルは、しばしば従来技術に記載されている。
【0089】
好ましいジフェニルは、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、ビス−(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)硫化物、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス−(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、α,α’−ビス−(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼンおよびそれらのアルキル化物、環状アルキル化物および環状ハロゲン化物である。
【0090】
好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルエタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,3−ビス−[2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン、および、1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
【0091】
特に好ましジフェノールは、4,4’−ヒドロキシフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、および、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
【0092】
これらおよび他の好ましいジヒドロキシアリール化合物は、例えば、DE−A3832396、FR−A1561518、スネルの「ポリカーボネートの化学と物理(Chemistry and Physics of Polycarbonates)」、28頁以下、102ページ以下、インターサイエンス出版、ニューヨーク、1964年、および、レグランドおよびベンドラー(D.G. Legrand, J.T. Bendler)の「(Handbook of Polycarbonate Science and Technology)」、マルセルデッカー社(Marcel Dekker)ニューヨーク、72頁以下に記載されている。
【0093】
コポリカーボネートの場合は2以上のジフェノールが使用されるのに、ホモポリカーボネートの場合は1つのジフェノールだけが使用される。合成に加えられる他の化学品および助剤の全てのように使用されるジフェノールは、明らかに、それらの合成、輸送および保管に由来する不純物が混入してもよいが、最も清浄な原材料を使用することが好ましい。
【0094】
溶融エステル交換に適するジヒドロキシアリール化合物との反応に好ましいジアリールカーボネートは、化学式1であり、
【0095】
【化1】
但し、
R,R’およびR”は、相互に独立して、または、別々に、水素、直鎖または分岐C1−C34アルキル、C7−C34アルキルアリールまたはC6−C34アリールを示し、Rは、さらに、−COOR'''(R'''は、水素、直鎖または分岐C1−C34アルキル、C7−C34アルキルアリールまたはC6−C34アリールを示す)であってもよい。
【0096】
好ましいジアリ−ルカーボネートは、例えば、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(メチルフェニル)カーボネート、4−エチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−エチルフェニル)カーボネート、4−n−プロピルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−プロピルフェニル)カーボネート、4−イソ−プロピルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−イソ−プロピルフェニル)カーボネート、4−n−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−ブチルフェニル)カーボネート、4−イソ−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−イソ−ブチルフェニル)カーボネート、4−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−tert−ブチルフェニル)カーボネート、4−n−ペンチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−ペンチルフェニル)カーボネート、4−n−ヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−ヘキシルフェニル)カーボネート、4−イソ−オクチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−イソ−オクチルフェノール)カーボネート、4−n−ノニルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−ノニルフェニル)カーボネート、4−シクロヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−シクロヘキシルフェニル)カーボネート、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェニルフェニルカーボネート、ジ−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェニル]カーボネート、ビフェニル4−yl−フェニルカーボネート、ジ−(ビフェニル4−イル)カーボネート、4−(1−ナフチル)−フェニルフェニルカーボネート、4−(2−ナフチル)−フェニルフェニルカーボネート、ジ−[4−(1−ナフチル)−フェニル]カーボネート、ジ−[4−(2−ナフチル)フェニル]カーボネート、4−フェノキシフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−フェノキシフェニル)カーボネート、3−ペンタデシルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(3−ペンタデシルフェニル)カーボネート、4−トリチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−トリチルフェニル)カーボネート、メチルサリチル酸フェニルカーボネート、ジ−(サリチル酸メチル)カーボネート、サリチル酸エチルフェニルカーボネート、ジ−(サリチル酸エチル)カーボネート、n−サリチル酸プロピルフェニルカーボネート、ジ−(n−サリチル酸プロピル)カーボネート、イソ−サリチル酸プロピルフェニルカーボネート、ジ−(イソ−サリチル酸プロピル)カーボネート、n−サリチル酸ブチルフェニルカーボネート、ジ−(n−サリチル酸ブチル)カーボネート、イソ−サリチル酸ブチルフェニルカーボネート、ジ−(イソ−サリチル酸ブチル)カーボネート、tert−サリチル酸ブチルフェニルカーボネート、ジ−(tert−サリチル酸ブチル)カーボネート、ジ−(サリチル酸フェニル)カーボネート、および、ジ−(サリチル酸ベンジル)カーボネートである。
【0097】
特に好ましいジアリール化合物は、ジフェニルカーボネート、4−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−tert−ブチルフェニル)カーボネート、ビフェニル−4−イル)カーボネート、4−(1メチル−1−フェニルエチル)−フェニルカーボネート、ジ−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェニル]カーボネート、および、ジ−(サリチル酸メチル)カーボネートである。
【0098】
ジフェニルカーボネートは、非常に好ましい。
【0099】
1つのジアリールカーボネートだけでなく、様々なジアリールカーボネートを使用してもよい。
【0100】
ジアリールカーボネートも、それらが製造時のモノヒドロキシアリール化合物の残留物を有していれば使用できる。モノヒドロキシアリール化合物の残留物は、20重量%まで、好ましくは、10重量%まで、特に好ましくは、5重量%まで、よりさらに好ましくは2重量%までの量であるかもしれない。
【0101】
ジヒドロキシアリール化合物に関し、ジアリールカーボネートが、ジヒドロキシアリール化合物のモル当たり、1.02から1.30mol、好ましくは1.04から1.25mol、特に好ましくは1.045から1.22mol、よりさらに好ましくは1.04から1.20molの量で通常使用される。ジアリールカーボネート混合物の全分子量に関する上述のジヒドロキシアリール化合物のモル当たりの分子量である場合に、上記ジアリールカーボネートの混合物を使用してもよい。
【0102】
例えば、フェノールまたはアルキルフェノール、特に、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、イソ-オクチルフェノール、クミルフェノール、それらのクロロギ酸エステル、モノカルボン酸の酸塩化物、または、それら連鎖停止剤の混合物のような、分子量の制御に必要な単官能基連鎖停止剤は、いずれも、合成の間の所望の時間に、ホスゲンまたはクロロギ酸末端基を提供する1または複数のビスフェノラートと反応させられ、或いは加えられ、連鎖停止剤としてクロロ酸塩およびクロロギ酸エステルが反応混合物中に存在するようにし、形成されている高分子が十分なフェノール末端基を利用できるようにする。しかしながら、好ましくは、連鎖停止剤は、ホスゲン化の後、ホスゲンがもはや存在しないが、触媒が未だ分散されていない場所および時間に加えられる。代案として、それらは、触媒の前、触媒と共に、または、平行して分散されてもよい。
【0103】
分岐剤または分岐剤混合物は、選択的に、同じ方法で合成に加えられる。しかしながら、従来、分岐剤は、連鎖停止剤の前に加えられる。トリスフェノール、クオターフェノール或いはトリまたはテトラカルボン酸の酸塩化物或いはポリへノースまたは酸塩化物の混合物が使用される。分岐剤として好ましい3以上のフェノール性水酸基を有する化合物のいくつかは、例えば、フロログルシノール、1,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−(4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル)プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェノール、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)メタンである。
【0104】
他のいくつかの三官能基化合物は、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌル、および、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールである。
【0105】
好ましい分岐剤は、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−ジヒドロインドールおよび1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)エタンである。
【0106】
ポリカーボネートの相界面合成に好適に使用される触媒は、三級アミン、特に、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−エチルピペリジン、N−メチルピペリジン、N−i/n−プロピルピペリジン、テトラブチルアンモニウム、トリブチルベンジルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム水酸化物、塩化物、臭化物、硫酸水素化物、テトラフルオロホウ酸塩のような第四アンモニウム塩、および、アンモニウム化合物に対応するホスホニウム化合物である。典型的な相界面触媒として文献に記載されているこれらの化合物は、市場入手可能であり、当業者にはなじみ深いものである。触媒は、合成に、別に、合物として、或いは、平行してまたは連続して、選択的には、ホスゲン化の前にも、加えられてもよいが、それらは、好ましくはホスゲン化の後には分散され、オニウム化合物またはオニウム化合物の混合物が触媒として使用される。この場合、添加は、ホスゲンが分散される前に行うことが好ましい。1または複数の触媒は、溶剤なしに、不活性溶剤中に、好ましくは、ポリカーボネート合成溶剤中に分散してもよく、また、酸、好ましくは鉱酸、典型的には塩酸とそれらのアンモニウム塩であるtert−アミンの場合は、水溶液として分散してもよい。複数の触媒を使用するとき、または、触媒の総量が比例して分配されるとき、当然に、異なる場所または異なる時間で分散の異なる方法が使用されてもよい。触媒の総量は、導入されたビスフェノールのモル数に対して0.001から10モル%、好ましくは0.1から8モル%、特に好ましくは0.05から5モル%の量で使用される。
【0107】
ポリカーボネートの製造のための溶融エステル交換プロセスに使用されるであろう触媒は、例えばアルカリ金属、およびアルカリ土類金属水酸化物および酸化物、および/または、アンモニウム塩またはホスホニウム塩のようなオニウム塩のように、文献から公知の基本的触媒である。オニウム塩、好ましくはホスホニウム塩が、好ましくは合成に使用される。そのようなホスホニウム塩は、例えば、一般化学式2に表され、
【0108】
【化2】
但し、
R7−10は、同一または異なる、場合により置換されたC1−C10アルキル、C6−C14アリール、C7−C15アリールアルキル、または、C5−C6シクロアルキル残留物、好ましくはメチルまたはC6−C14アリール、特に好ましくは、メチルまたはフェニルを示し、
X−は、水酸化物、硫化物、硫酸水素塩、炭素水素塩、炭酸塩、ハロゲン化物、好ましくは塩化物、および、アルキル化物またはアリール化物、化学式で、OR11(R11は、選択的に、置換されたC6−C14アリール、C7−C15アリールアルキルまたはC7−C6シクロアルキル残留物、C1−C20アルキル好ましくはフェノールである)を示す。
【0109】
特に好ましい触媒は、塩化テトラフェニルホスホニウム、水酸化テトラフェニルホスホニウムおよびテトラフェニルホスホニウムフェノラートであり、テトラフェニルホスホニウムフェノラートが非常に好ましい。
【0110】
触媒は、ジヒドロキシアリール1molに対して、好ましくは、10−8から10−3molの量、特に好ましくは10−7から10−4molの量、で使用される。
【0111】
触媒は、選択的に、重縮合速度を増大させるために使用されてもよい。
【0112】
それらは、例えば、選択的に、リチウム、ナトリウム、およびポタジウムの置換されたC1−C10アルコキシドおよびC6−C14アリールオキシド水酸化物、好ましくは、選択的に、ナトリウムの置換されたC1−C10アルコキシドおよびC6−C14アリールオキシド水酸化物のような、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルカリ作用を有する塩類であってもよい。水酸化ナトリウム、ナトリウムフェノラートまたは2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンの二ナトリウム塩が好ましい。
【0113】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンは、それらの塩の形態で導入され、例えば、原子吸光分光法によって測定されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンの量は、形成すべきポリカーボネートに対して、1から500ppb、好ましくは5kら300ppb、最も好ましくは5から200ppbの量である。しかしながら、本発明に係るプロセスの好ましい実施形態では、アルカリ金属塩は使用しない。
【0114】
ポリカーボネート合成は、連続的または不連続に行われてもよい。このため、反応は、撹拌タンク反応器、チューブ反応器、ポンプ循環反応器、または、撹拌タンク反応器の連続、或いは、それらの組み合わせにおいて進行する。ここで、上記混合エレメントの使用により、合成混合物が完全に反応するまで、含水性且つ有機性の相が可能なかぎり分離しないこと、つまり、ホスゲンまたはクロロギ酸エステルのけん化性塩素を含まないことを確実にしなければならない。
【0115】
ホスゲンを相界面プロセスに導入した後、選択的に分岐剤を加える前に、もし、分岐剤がビスフェノラート、連鎖停止剤および触媒と一緒に分散されなければ、しばらくの間じっくりと有機相と水相とを混合することが有利であるかもしれない。そのような反応後時間は、核分散の後に有効であるかもしれない。これらの反応後時間は、10秒から60分、好ましくは30秒から40分、特に好ましくは1分から15分である。
【0116】
有機相は、1つの溶剤または複数の溶剤の混合物からなってもよい。好ましい溶剤は、塩素化炭化水素(脂肪族および/または芳香族)、好ましくは、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンおよびクロロベンゼンおよびそれらの混合物である。しかし、ベンゼン、トルエン、m/p/o−キシレンまたはアニソールのような芳香族エーテルなどの芳香族塩素化炭化水素は、単独で、塩素化炭化水素との混合物で、または、塩素化炭化水素に添加しても使用できる。ポリカーボネートを溶解しない溶剤を使用する合成の他の実施形態は、むしろそれを増大させるだけである。このため、溶剤と組み合わせてポリカーボネートに対する非溶剤をしようすることもできる。溶剤パートナーが第2の有機相を形成するのであれば、水相に溶解可能なテトラヒドラフラン、1,3/1,4−ジオキサンまたは1,3−ジオキソランのような溶剤を溶剤としてここで使用してもよい。
【0117】
完全に反応してもせいぜい微量(<2ppm)ではあるがクロロギ酸エステルを含んでいる少なくとも二層性反応混合物が、相分離したままになる。水性アルカリ相は、全体的または部分的に水相としてポリカーボネート合成に戻すことができ、或いは、溶剤および少量の触媒を分離および再循環する排水処理に送ってもよい。他の変形例において、一度有機性不純物、特に溶剤および高分子残留物が分離され、選択的に、例えば水酸化ナトリウムを加えることにより特定のpH値に調整した後、水相が必要であれば合成に戻される一方、例えば塩素アルカリ電気分解に送られ得る塩類が分離される。
【0118】
ポリカーボネートを含む有機相は、アルカリ、イオンまたは触媒の混入物が取り除かれてもよい。1以上の沈殿処理の後も、有機相は、ある割合の微細な水滴の水性アルカリ相および触媒、通常はtert−アミンを依然として含む。沈殿処理は、必要であれば沈殿タンク、撹拌タンク反応器、コアレッサーまたは分離器或いはそれらの組み合わせを通過する有機相によって補助してもよく、それぞれまたは個別の分離行程において能動的または受動的混合エレメントを使用する所定の状況で水を分散してもよい。
【0119】
このアルカリ、水相のコア分離の後、有機相は、1回以上希酸、鉱酸、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸および/またはスルホン酸で洗浄される。水性鉱酸が好ましく、特に塩酸、亜リン酸およびリン酸、または、それらの混合物が好ましい。これらの酸の濃度は、0.001から50重量%でなければならず、好ましくは0.01から5重量%である。
【0120】
有機相は、さらに、脱イオン蒸留水で繰り返し洗浄される。必要であれば水相が分散された有機相の分離は、個々の洗浄行程の後で、沈殿タンク、撹拌タンク反応器、コアレッサーまたは分離器、或いはそれらの組み合わせによって進行し、洗浄水が洗浄行程の間に必要に応じて能動的または受動的混合エレメントを使用して分散される。
【0121】
これらの洗浄行程の間、或いは、洗浄後にも、必要に応じて、酸が、好ましくは高分子溶液の基礎となる溶剤に溶解したものが加えられる。ここでは、必要に応じて混合物としても使用される塩化水素ガスおよびリン酸または亜リン酸が、好ましくは使用される。
【0122】
ポリエステルカーボネートの製造に適する芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、tert−ブチルイソフタル酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,3’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2−2−ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパン、トリメチル−3−-フェニルインダン4,5’ジカルボン酸である。
【0123】
芳香族ジカルボン酸の、テレフタル酸および/またはイソフタル酸が特に好ましく使用される。
【0124】
ジカルボン酸誘導体は、ジカルボン酸ジハロゲン化物、ジカルボン酸ジアルキルエステル、特にジカルボン酸ジ塩化物およびジカルボン酸ジメチルエステルである。
【0125】
芳香族ジカルボン酸エステル基による炭酸基の置換は、反応物のモル比が完成したポリエステルカーボネートにおいても維持されるように、化学量的および定量的に進行する。芳香族ジカルボン酸エステル基の取り込みは、ランダムおよびブロック単位で進行するかもしれない。
【0126】
本発明のために、C1−C4アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを表す。さらに、C1−C6アルキルは、例えば、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピルまたは1−エチル−2−メチルプロピルを表す。さらに、C1−C10アルキルは、例えば、n−ヘプチルおよびn−オクチル、ピナシル、アダマンチル、イソメリックメンチル、n−ノニル、n−デシルを表す。さらに、C1−C34アルキルは、例えば、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシルを現す。同じことが、対応するアルキル残留物、例えば、アラルキルまたはアルキルアリール内の、アルキルフェノールまたはアルキルカルボニル残留物に適用される。対応するヒドロキシアルキルまたはアラルキルまたはアルキルアリール中のアルキレン残留物は、例えば、前記アルキル残留物に対応するアルキレン残留物を表す。
【0127】
アリールは、6から36の炭素骨格原子を有する炭素環式芳香族残留物を表す。同じことが、アルキルアリール残留物として知られたアリールアルキル残留物の芳香族部分、および、例えばアリールカルボニル残留物のようなより複雑な官能基のアルキル要素に適用される。
【0128】
C6−C34アリールの例は、フェニル、O−,p−,m−トリル、フェナントレニル、アントラセニルまたはフルオレニルである。
【0129】
アリールアルキルまたはアラルキルは、上記定義によれば、それぞれの場合に独立して、上記定義によるアリール残留物によって一置換、多置換または全置換されるかもしれない直鎖、環状、分岐または非分岐アルキル残留物を意味する。
【0130】
上述の列挙は、非限定的例として参照されなければならない。
【0131】
本発明のために、ppbおよびppmは、明示する場合を除いて、重量割合を意味するものとして用いられなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0132】
本発明は、例示の方法ではあるがそれらに限定されない図を参照しながら以下に詳細に説明される。図28から33を除いて、全ての図は、コンピュータソフトウェアパッケージを利用して作成されている。
【図1a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図1b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図1c】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図1d】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図2a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図2b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図2c】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図2d】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図3a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図3b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図4a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図4b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図5】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図6a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図6b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図7】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図8a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図8b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図9】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図10a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図10b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図11a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図11b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図12a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図12b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図13a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図13b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図14a】本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す図である。
【図14b】本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す図である。
【図14c】本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す図である。
【図14d】本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す図である。
【図15a】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図15b】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図15c】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図15d】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図16a】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図16b】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図16c】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図16d】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図17a】本発明に使用される単行路搬送エレメントの対を例示する図である。
【図17b】本発明に使用される単行路混練エレメントの対を例示する図である。
【図18a】3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す図である。
【図18b】3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す図である。
【図18c】3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す図である。
【図18d】3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す図である。
【図19a】3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図19b】3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図19c】3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図19d】3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図20a】さらなる3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図20b】さらなる3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図20c】さらなる3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図20d】さらなる3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図21a】3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図21b】3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図21c】3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図22a】さらなる3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図22b】さらなる3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図22c】さらなる3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図23a】本発明に使用される3行路搬送エレメントの対を例示する図である。
【図23b】本発明に使用される3行路混練エレメントの対を例示する図である。
【図24a】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24b】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24c】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24d】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24e】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24f】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図25】本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の半分の断面を示す図である。
【図26】2つの穴を有する8の字型のスクリュバレルを示す図である。
【図27】本発明に使用されるスクリュ形状に関する角度δ_fb1,δ_fb2,δ_nb1,δ_2b2,δ_kb1,δ_kb2およびδ_gbを示す図である。
【図28】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図29】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図30】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図31】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図32】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図33】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0133】
スクリュ形状およびエレメントを形成および説明するために、異なるエクストルーダサイズへの転用性を簡単にするように、無次元特性値が、好ましくは使用される。例えば長さまたは半径のような幾何学的変数の変更の適切な基準変数は、エクストルーダにおいて変更できない変数である中心線間隔である。無次元中心線間隔は、A=a/a=1である。スクリュ形の状無次元外側スクリュ半径は、RA=ra/aである。スクリュ形状の無次元コア半径は、RI=ri/aである。スクリュ形状の無次元行路深さは、H=h/a=RA−RIである。
【0134】
図において、全ての幾何学的変数は、無次元数を用いて表す。全ての角度は、ラジアンで表す。
【0135】
図25は、本発明に係るスクリュエレメントをスクリュ形状の断面の半分を示す。図の中央にxy座標が配置されて、その原点は、スクリュ形状の回転中心に位置する。スクリュ形状の円弧は、太い実線により記載され、それぞれの円弧の番号が与えられている。円弧の中心点は、小さい点によって図示されている。円弧の中心点は、関連する円弧の始点および終点と細い実線で接続されている。直線FPは、細い破線で図示されている。外側スクリュ半径RAは、細い細線により識別され、その数値が図の右下に有効数字4桁で示されている。図の右には、半径Rの隣に、角度αと、中心点のx座標Mxおよびy座標Myが、各円弧のためにそれぞれ有効数字4桁で記載されている。これらの詳細は、スクリュ形状を明確に定義する。スクリュ形状は、x軸に対して線対称であり、スクリュ形状全体は、x軸上に図示した半分を鏡写しにすることで得られる。
【0136】
外側スクリュ半径と等しいスクリュ形状の領域は、頂部領域として知られている。図25の例では、頂部領域は、外側スクリュ半径に接触する円弧3’のみである。それは、半径R_3’=0つまり、形状はこの位置で角を有する。円弧3’の中心点は、角に一致する。角の大きさは、角度α_3’(α_3’=0.8501)により定められ、つまり、円弧3から円光2’への変化が角度α_3’の回転によりもたらされる。換言すると、円弧3’の中心点における円弧3の接線は、円弧3’の中心点における円弧2’の接線と角度α_3’で交差する。しかしながら、円弧3’を考慮して、全ての隣接する円弧3→3’、3’→2’は、互いに結合する。
【0137】
スクリュ形状のコア径と等しい領域は、溝領域として知られる。図25の例では、溝領域は、円弧3の点Nだけである。点Nは、円光3の中心点M_3および回転中心を通る直線Gを描くことによって得られる。この直線Gは点Nにおいて円弧3と交差する。
【0138】
スクリュ形状の外側スクリュ半径より小さくコア半径より大きい領域は、側腹領域として知られる。図25の例では、円弧1、円弧2、円弧2’、円弧1’および点Nを除く円弧3がある。これに関し、次の領域の順番が、円弧1’で始まり、円弧1で終わる図示した形状のために読み取られるであろう:側腹−側腹−頂部−側腹−溝−側腹−側腹−側腹。形状に軸対称性により、領域は、x軸について鏡写しにコピーされ、本発明に係る順番を有する完全な形状を与える。
【0139】
本発明によれば、図示した形状は、順番A−U−K−Uを有する。但し、Aはシール領域、Uは遷移領域、Kは流路領域を表す。シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番を有する。流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番を有する。遷移領域は、側腹領域を有する。
【0140】
シール領域は、スクリュ形状が側腹領域から頂部領域への移行部に角を含むことを特徴とする。この図のスクリュ形状は、さらに、シール領域から遷移領域への移行部が角を含むことを特徴とする。無次元外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域の無次元距離は、0.1001であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0141】
さらに、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントは、以下に示される。明確化のために、領域(側腹領域、頂部領域、溝領域、シール領域、流路領域、遷移領域)は図には記載しない。しかしながら、図は、領域を決定するための原則を用いた詳細の全てを含む。加えて、2つのバレル交点の間の開口角度と、頂角とが、図の記載に基づいて簡単に算出され得る。
【0142】
図1から13は、それぞれの場合について、本発明に使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の半分の断面を示す。これらの図は、すべて、以下に詳細に説明する同じ構造を有する。図の中程には、xy座標が配置されており、その原点は、スクリュ形状の回転中心である。スクリュ形状の円弧は、太い実線で記載され、それぞれ円弧の番号が与えられている。円弧の中心は、小さい点で図示されている。円弧の中心は、細い実線で関連する円弧の始点および終点に接続されている。直線FPは、細い破線で図示されている。外側スクリュ半径RAは、細い細線により識別され、その数値が図の右下に有効数字4桁で示されている。図の右には、半径Rの隣に、角度αと、中心点のx座標Mxおよびy座標Myが、各円弧のためにそれぞれ有効数字4桁で記載されている。これらの詳細は、スクリュ形状を明確に定義する。スクリュ形状は、それぞれの場合について、x軸に対して線対称であり、スクリュ形状全体は、x軸上に図示した半分を鏡写しにすることで得られる。
【0143】
スクリュ形状の半分に合計2つの円弧を含むスクリュ形状は、これ以降、2円スクリュ形状と呼ぶ。スクリュ形状の半分に合計4つの円弧を含むスクリュ形状は、これ以降、4円スクリュ形状と呼ぶ。スクリュ形状の半分に合計6つの円弧を含むスクリュ形状は、これ以降、6円スクリュ形状と呼ぶ。スクリュ形状の半分に合計8つの円弧を含むスクリュ形状は、これ以降、8円スクリュ形状と呼ぶ。
【0144】
図1:
図1aから1dは、それぞれの場合の、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示し、その形状は、それぞれ、8つの円弧からなる。図1aから1dにおいて、それぞれ、無次元外側スクリュ半径はRA=0.58である。図1aから1dにおいて、それぞれ、無次元行路深さはH=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学変数は、図から得られる。図1aから1dのスクリュ形状の特徴は、シール領域が1から4の円弧を含み、そこでは、側腹領域が円弧1を含み、頂部領域が円弧2から4を含み、円弧2および4の無次元半径がそれぞれ0に等しく、円弧3の無次元半径が外側スクリュ半径の無次元半径RAに等しく、頂部領域の円弧が無次元外側スクリュ半径RAに一致して延伸し、これにより、咬合領域の線状のシールが得られる。これらのスクリュ形状のさらなる特徴は、遷移領域が無次元中心線距離Aと等しい無次元半径の円弧4’を含むことである。これらのスクリュ形状は、さらに、流路領域が円弧1’,3’を含み、その側腹領域が円弧1’および2’を含むこと、および、溝領域が円弧3’を含み、その円弧2’の無次元半径が無次元中心距離Aと等しく、その円弧3’の無次元コア半径RIと等しく、溝領域の円弧が無次元コア半径の上に完全に一致することを特徴とする。図1aから1dにおいて、シール領域は、それぞれの場合にスクリュ形状が側腹領域から頂部領域への移行部に角を有することを特徴とする。加えて、これらの図のスクリュ形状は、それぞれの場合にシール領域から遷移領域への移行部が角を有することを特徴とする。図1dは、無次元外側スクリュ半径RAから流路領域の側腹領域までの距離が最も小さい。図1dにおいて、前記距離は、0.0801までであり、よって、無次元行路深さの半分H/2=0.08より大きい。
【0145】
図1aから1dより、シール領域の頂部領域の大きさを調節してもよいことが明らかである。さらに、これらの図から、シール領域の側腹領域の外側スクリュ半径からの距離を調節してもよいことが明らかである。
【0146】
図1bおよび1cは、さらに、円弧1の始点の位置および円弧1’の終点の位置が、それぞれの場合で同一であることを特徴とする。図1bまたは図1cをx軸で鏡写しにすること、および、図1bのスクリュ形状と鏡写しにした図1cのスクリュ形状とを、或いは、図1cのスクリュ形状と鏡写しにした図1bのスクリュ形状とを繋ぎ合わせることは、シール領域の頂部領域が異なる大きさである本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状を形成する。
【0147】
図2:
図2aから2dは、それぞれ8つの円弧からなる本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分をそれぞれの場合について示す。図2aから2dにおいて、無次元外側スクリュ半径はRA=0.55からRA=0.67まで変化する。図2aから2dにおいて、無次元行路深さは、H=0.10からH=0.34まで変化する。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学変数は、図から得られるであろう。図2aから2dの特徴は、シール領域が円弧1から4を含み、その円弧2および4の無次元半径はそれぞれ0と等しく、円弧3の無次元半径が無次元外側スクリュ半径RAと等しく、頂部領域の円弧が完全に無次元外側スクリュ半径RAの上に位置し、それにより咬合領域の線状のシールが得られることである。これらのスクリュ形状のさらなる特徴は、遷移領域が、無次元中心線間隔Aと等しい無次元半径の円弧4’を含むことである。これらのスクリュ形状は、さらに、流路領域が円弧1’から3’を含み、その側腹領域が円弧1’および2’を含み、溝領域が円弧3’を含み、円弧2’の無次元半径が無次元中心距離と等しく、円弧3’の無次元半径が無次元コア半径RIと等しく、溝領域の円弧が完全に無次元コア半径RIの上に位置することを特徴とする。
【0148】
図2aから2dにおいて、シール領域は、それぞれの場合に、スクリュ形状が側腹領域から頂部領域への移行部に角を有することを特徴とする。加えて、これらの図のスクリュ形状は、それぞれの場合に、シール領域から遷移領域への移行部が角を有することを特徴とする。図2dは、流路領域の側腹領域までの無次元外側スクリュ半径RAからの無次元距離が最も小さい。図2dにおいて、前記距離は、0.06であり、よって無次元行路深さの半分H/2=0.05よりも大きい。
【0149】
図3:
図3aおよび図3bは、それぞれ8つの円弧からなる本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分をそれぞれ示す。図3aおよび3bにおいて、無次元外側スクリュ半径は、それぞれRA=0.58である。図3aから3dにおいて、無次元行路深さは、それぞれH=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。図3aおよび3bのスクリュ形状の特徴は、シール領域が円弧1から4を含み、その側腹領域が円弧1および2を含み、頂部領域が円弧3および4を含み、円弧3の無次元半径が無次元外側スクリュ半径RAに等しく、円弧4の無次元半径が0に等しく、頂部領域の円弧が完全に無次元外側スクリュ半径RA上に位置し、それにより咬合領域の線状のシールが得られることである。これらのスクリュ形状のさらなる特徴は、遷移領域が、無次元半径が無次元中心距離Aに等しい円弧4’を含むことである。これらのスクリュ形状は、さらに、流路領域が円弧1’から3’を含み、その側腹領域が円弧1’および2’を含み、溝領域が円弧3’を含み、円弧3’の無次元半径が無次元コア半径RIと等しく、溝領域の円弧が完全に無次元コア半径RIの上に位置することである。図3aおよび3bにおいて、シール領域は、スクリュ形状がそれぞれ側腹領域から頂部領域への移行部に角を有しないことを特徴とする。加えて、これらの図のスクリュ形状は、シール領域から側腹領域への移行部がそれぞれ角を有することを特徴とする。図3bは、流路領域の側腹領域までの無次元外側スクリュ半径RAからの距離が最も小さい。図3bにおいて、前記距離は、0.0924であり、このため、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0150】
図4:
図4および4bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ8つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。図4aおよび4bにおいて、無次元外側スクリュ半径は、それぞれRA=0.58である。図4aから4dにおいて、無次元行路深さは、それぞれH=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。図4aおよび4bのスクリュ形状の特徴は、シール領域が円弧1から3を含み、その側腹領域が円弧1および2を含み、頂部領域が円弧3を含み、円弧3の無次元半径が無次元外側スクリュ半径RAに等しく、頂部領域の円弧が完全に無次元外側スクリュ半径RA上に位置し、それにより咬合領域の線状のシールが得られることである。遷移領域が円弧4および4’を含むこともこれらのスクリュ形状の特徴である。これらのスクリュ形状は、さらに、流路領域が円弧1’から3’を含み、その側腹領域が円弧1’および2’を含み、溝領域が円弧3’を含み、円弧3’の無次元半径は、無次元コア半径RIに等しく、溝領域の円弧が完全に無次元コア半径RIの上に位置することを特徴とする。図4aおよび4bにおいて、シール領域は、それぞれのスクリュ形状が側腹領域から頂部領域への移行部に角を有しないことを特徴とする。加えて、これらの図のスクリュ形状は、シール領域から遷移領域への移行部にそれぞれ角を有しないことを特徴とする。流路領域の側腹流域の無次元外側スクリュ半径RAからの最も小さい無次元距離は、図4aおよび4bにおける大きさと等しい。前記距離は、0.0924であり、このため無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0151】
図3a,3b,4aおよび4bのスクリュ形状に加えて、当業者が知っているように、円弧2の半径が0に等しく、円弧4の半径が0より大きいスクリュ形状を形成することもできる。このように、スクリュ形状の側腹領域から頂部領域までのシール領域が角を有し、スクリュ形状のシール領域から遷移領域までの移行部が角を有しないことを特徴とするスクリュ形状が得られる。
【0152】
図1から4は、咬合領域の線状のシールをするスクリュエレメントのスクリュ形状を示す。図から明らかなように、線状のシールの長さは、円弧のパラメータの選択によって調節してもよい。さらに、スクリュ形状の頂部領域と側腹領域との間またはシール領域と遷移領域との間の移行部を、角を有するようにも角を有しないようにも形成できる。
【0153】
以下の図は、咬合領域の点状にシールするスクリュエレメントのスクリュ形状を示す。ここでは、スクリュ形状の頂部領域と側腹領域との間またはシール領域と遷移領域との間の移行部も、角を有するようにも角を有しないようにも形成できる。
【0154】
図5:
図5は、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントの6つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。図5において、無次元外側スクリュ半径はRA=0.58である。図5において、無次元行路深さは、H=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。スクリュ形状は、図25に示したものと同一である。円弧3’の半径は0に等しい。円弧3’は、外側スクリュ半径RAの上に位置し、シール領域の先端領域を形成する。咬合領域は、点状にシールが設けられ、スクリュ形状がシール点において角を有する。流路領域は、円弧2の半径が0に等しいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有する。図5において、流路領域の側腹領域までの外側スクリュ半径RAまでの最も小さい無次元距離は、0.1001であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0155】
図6:
図6aから6bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ6つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.58である。図6aおよび6bにおいて、無次元行路深さは、H=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。両方の図において、図6aおよび6bのスクリュ形状の特徴は、円弧3’の半径が、一点でスクリュ半径RAに接することである。接点は、シール領域の頂部領域を形成する。咬合領域は、点状のシールが提供され、そこでは、スクリュ形状がシール点に角を有しない。接線は円弧3’を2つの部分に分割する。一方の部分は、円弧1’および2’と共にシール領域に属する。他方の部分は、円弧3の一部と共に遷移領域に属する。流路領域は、円弧2の半径が0に等しいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有する。図6aおよび6bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1448または0.1166であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0156】
図7:
図7は、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ6つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.58である。図7において、無次元行路深さは、H=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。咬合領域は、図5と同様に、円弧3’によってシールされている。図7の流路領域は、図5と比較して、円弧2の半径が0より大きいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有しない。図7において、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、0.1194であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0157】
図8:
図8aから8bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ6つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.58である。図8aおよび8bにおいて、無次元行路深さは、H=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。咬合領域は、図6と同様に、一点で外側スクリュ半径RAに接する円弧3’によってシールされている。図6と比較すると、図8の流路領域は、円弧2の半径が0より大きいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有しない。図8aおよび8bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1531または0.1252であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0158】
図9:
図9は、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ4つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.63である。図9において、無次元行路深さは、H=0.26である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。円弧2’の半径は0に等しい。円弧2’は、外側スクリュ半径RAの上に位置し、シール領域の頂部領域を形成する。咬合領域は、点状のシールが提供され、スクリュ形状はシール点に角を有する。流路領域は、円弧1の半径が0に等しいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有する。図9において、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、0.1473であり、無次元行路深さの半分H/2=0.13よりも大きい。
【0159】
図10:
図10aから10bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ4つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.63である。図10aおよび10bにおいて、無次元行路深さは、H=0.26である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。咬合領域は、図9と同様に、一点で外側スクリュ半径RAに接する円弧2’によってシールされている。図9と比較すると、図10の流路領域は、円弧1の半径が0より大きいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有しない。図10aおよび10bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1650または0.1888であり、無次元行路深さの半分H/2=0.13よりも大きい。
【0160】
図11aから11bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ4つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.63である。図11aおよび11bにおいて、無次元行路深さは、H=0.26である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。図11aおよび11bにおいて、円弧2’は、0.1572または0.2764に等しい。図11aおよび11bのスクリュ形状の特徴は、円弧2’が一点でスクリュ半径RAに接することである。接点は、シール領域の頂部領域を形成する。咬合領域は、点状のシールが提供されており、スクリュ形状は、シール点に角を有しない。接点は、円弧2’を2つの部分に分割する。一方の部分は円弧1’と共にシール領域に属する。他方の部分は、円弧2の一部と共に遷移領域に属する。流路領域は、円弧1の半径が0に等しいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有する。図11aおよび11bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1857または0.2158であり、無次元行路深さの半分H/2=0.13よりも大きい。
【0161】
図12aから12bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ4つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.63である。図11aおよび11bにおいて、無次元行路深さは、H=0.26である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。咬合領域は、図11と同様に、一点で外側スクリュ半径RAに接する円弧2’によってシールされている。図11と比較すると、図12の流路領域は、円弧1の半径が0より大きいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有しない。図12aおよび12bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1849または0.2184であり、無次元行路深さの半分H/2=0.13よりも大きい。円弧2’の外側スクリュ半径RAとの接点は、座標原点および円弧2’の中心を通る直線と、前記円弧2’との交点を算出することによって得られる。円弧2とスクリュコア半径RIとの接点は、座標原点と円弧2の中心とを通る直線と、前記円弧2との交点を算出することによって得られる。
【0162】
図1から4は、咬合領域の線状のシールを示し、図5から12は、咬合領域の点状のシールを示し、スクリュ形状は、図5,7,9および10では角を有し、図6,8,11および12では角を有しない。当業者であれば分かるように、本発明にしたがって使用されるスクリュ形状で、処理すべき粘性流体が目的を持って作用および処理要求に晒される熱的および機械的ストレスに合わせることができる。
【0163】
図1から12は、最大8つの円弧からなる本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の半分を示す。しかしながら、本発明は、8つの円弧までに限られない。むしろ、説明したような多くの円弧を、本発明にしたがって使用されるスクリュ形状を形成するのに使用してもよい。
【0164】
図13:
全ての単行路スクリュ形状は、それらの自己清掃効果をなくすことなく、ある範囲でx軸に沿ってxの正方向または負方向に移動されてもよい。x軸に沿った移動の後も直線FPとの1点での接触条件が満たされたままになるからである。図13は、そのような移動を示す。図13aから13bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ8つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.6である。図13aおよび13bにおいて、無次元行路深さは、H=0.2である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。図13aおよび13bにおいて、スクリュ形状全体は、中心線距離の0.01倍または0.03倍だけ左側に移動させられている。それぞれの円弧の半径および角度は、移動によって変化していないことを注記する。円弧3による咬合領域の直線状シールの度合いは、これによって調節可能である。通常、咬合領域の線状または点状のシールは、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の移動によって調節可能である。特に、シールの範囲において粘性流体に与えられる機械的および熱的ストレスが、好ましくは調節されてもよい。本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状は、好ましくは、中心線距離の0から0.05倍だけ、好ましくは中心間距離の0から0.025倍だけ移動させられる。
【0165】
スクリュ形状のx方向への移動は、スクリュ形状の自己清掃を結果的に失うことのない正または負のy方向への移動の第2ステップに遅らせてもよい。このようにして、咬合領域の非対称なシールが達成される。例えば、咬合領域のシールの度合いは、スクリュエレメントの回転方向の頂部領域において行ってもよい。スクリュ形状のシール領域の頂部領域までのバレルからの最大距離は、好ましくは中心線距離の0から0.5倍の範囲、特に好ましくは中心線距離の0から0.025倍の範囲である。
【0166】
図14から16は、8の字型スクリュバレルの内側のスクリュ形状の形成および形成されたものを示す。2つのスクリュ形状の変数は、次のスクリュ変数として与えられる。
RG:2つのバレル穴の半径
RV:バレル半径RG以下の実バレル半径、
RA:密に咬合し、自己清掃するスクリュ形状の外側スクリュ半径
RF:製造すべきスクリュ形状の外側スクリュ半径
S:製造すべき2つのスクリュ形状の間のクリアランス
D:製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランス
T:搬送エレメント、混合エレメントまたは移送エレメントのピッチ
VPR:それらを偏芯して配置する場合のスムーズで密に咬合する自己清掃スクリュ形状の移動の大きさ
VPW:それらを偏芯して配置する場合のスムーズで密に咬合する自己清掃スクリュ形状の移動の角度(方向の表示)
VLR:左回転の製造すべきスクリュ形状のクリアランスの中での移動の大きさ
VLW:左回転の製造すべきスクリュ形状のクリアランスの中での移動の角度
VRR:右回転の製造すべきスクリュ形状のクリアランスの中での移動の大きさ
VRW:右回転の製造すべきスクリュ形状のクリアランスの中での移動の角度
【0167】
両者の半径RGおよび距離Aが1である相互に貫通し合う2つの穴から得られるスクリュバレルは、細い破線で図示されている。2つのバレル穴が貫通し合う部分は、細い点線で区別されている。1つのバレル穴の中心点は、スクリュ形状の回転の2点と同一であり、それぞれ小さい円で示されている。密に咬合し、自己清掃するスクリュ形状は、太い実線で示されている。製品におけるスクリュ形状は、細い実線で示されている。
【0168】
当業者には、密に咬合し自己清掃するスクリュ形状の外側スクリュ半径RAと、実バレル半径RVと、製造すべき2つのスクリュ形状の間のクリアランスSと、製造すべきスクリュ形状とスクリュバレルとの間のクリアランスDとの間に次の関係が適用されることが知られている:RA=RV−D+S/2。
【0169】
さらに、当業者には、製造すべきスクリュ形状の外側スクリュ半径RFと、実バレル半径VRと、製造すべきスクリュ形状とスクリュバレルとの間のクリアランスDとの間に次の関係が適用されることが知られている:RF=RV−D。
【0170】
典型的には、実バレル半径RVは、前記バレル半径RGと等しい。もしも、実バレル半径RVがバレル半径RGより小さいものが選択されたなら、スクリュ形状とバレルとの間にさらなるクリアランスが生じる。このクリアランスを、自己清掃を維持しながら偏芯させてスクリュ形状の形成、および、形成したスクリュ形状を移動させるのに使用してもよい。偏芯は、移動の大きさVPRと、角度VPWの形の移動の方向とによって明確に定義される。
【0171】
図14:
図14aから14dは、本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す。幾何学的パラメータは、個々の図から得られるであろう。偏芯して配置された単行路の密に咬合し自己清掃するスクリュ形状は、スクリュ形状からバレルまでの距離が、移動の方向に関係なく右側でも左側でも同一であることを特徴とする。図14aのスクリュ形状は、スクリュ形状の2つの回転点の接続線にそって移動させられ、咬合領域のシールが達成できるようにそれぞれスクリュ形状のシール領域の頂部領域の一点がバレルに当接している。図14aから14bのスクリュ形状は、それぞれ、スクリュ形状のシール領域の頂部領域の一点がバレルに当接するように移動させられている。このために必要な移動の大きさは、移動の方向による。偏芯位置は、さらに、スクリュ形状のシール領域の頂部領域の点がバレルに当接しないスクリュ形状によって選択されてもよい。通常、咬合領域の線状または点状のシールの度合いは、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯した配置により調節可能である。特に、シールの領域で粘性流体に加わる機械的および熱的ストレスは、意図的に調節されてもよい。例えば、咬合領域のシールの度合いは、スクリュエレメントの回転方向の頂部領域に依存してもよい。スクリュ形状のシール領域の頂部領域までのバレルからの最大距離は、好ましくは中心線距離の0から0.05倍の範囲、特に好ましくは中心線距離の0から0.025倍の範囲である。
【0172】
図15:
当業者に知られているように、実際問題、全てのスクリュエレメントは、互いに対して、およびバレルに対して、ある程度のクリアランスが必要である。図15aから15dは、異なるクリアランス戦略を示す。幾何学的パラメータは、個々の図から得られるであろう。図15aは、製造すべきスクリュ形状の間のクリアランスおよび製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスが等しい大きさであるクリアランス戦略を示す。図15bは、製造すべきスクリュ形状の間のクリアランスが製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスよりも小さいクリアランス戦略を示す。図15cは、製造すべきスクリュ形状の間のクリアランスが製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスよりも大きいクリアランス戦略を示す。図15dは、特に大きいクリアランスを有する図15cに係るさらなる実施形態を示す。製造すべきスクリュ形状の間のクリアランスのために、実際に発生する典型的なクリアランスは、0.002から0.1の範囲にある。製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスのために、実際に発生する典型的なクリアランスは、0.002から0.1の範囲にある。実際に発生する典型的なクリアランスは、スクリュ形状の周りで一定である。しかしながら、スクリュ形状の周囲の、製造すべきスクリュ形状の間のクリアランス、および、製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスは、変化が許容される。
【0173】
図16:
さらに、製造すべきスクリュ形状をクリアランスの中で移動できる。図16aから16dは、可能な移送の選択肢を示す。図16aは、幾何学的パラメータは、個々の図から得あれるであろう。図16aから16dにおいて、それぞれ両方の製造すべきスクリュ形状の移動の大きさは、VLR=VRR=0.02である。図16aから16dにおいて、それぞれ両方の製造すべきスクリュ形状の移動の方向は、VLW=VRW=0と、VLW=VRW=πとの間で段階的に変化する。製造すべき2つのスクリュ形状を相互に独立して異なる方向に異なる量だけ移動することが許容される。これは、当業者に、本発明にしたがって使用されるスクリュ形状のシール領域の頂部領域による咬合領域のシールの度合の調節のさらなる選択肢を提供する。特に、シールの領域で粘性流体に作用する機械的および熱的ストレスを、意図的に調節してもよい。
【0174】
図17a:
図17aは、本発明にしたがって使用されるそのスクリュ形状が図1および2のように8つの円弧からなる単行路搬送エレメントの対を例示する。バレル半径はRG=0.6である。2つの搬送エレメントの間のクリアランスは、S=0.02である。2つの搬送エレメントとバレルとの間のクリアランスは、D=0.01である。搬送エレメントのピッチは、T=1.2である。搬送エレメントの長さは、スクリュ形状の角度2πの回転に対して1.2である。バレルは、2つの搬送エレメントの左右に細い実線で図示されている。可能なコンピュータによるグリッドが2つの搬送エレメントの表面にさらに図示されており、このグリッドは、2軸および多軸スクリュエクストルーダにおける流れの計算に用いられてもよい。
【0175】
図17b:
図17bは、本発明にしたがって使用されるそのスクリュ形状が図1および2のように8つの円弧からなる単行路混練エレメントの対を例示する。バレル半径はRG=0.6である。2つの混練ディスクの間のクリアランスは、S=0.02である。2つの混練ディスクとバレルとの間のクリアランスは、D=0.01である。混練エレメントは、それぞれ互いにπ/3だけ右回りにオフセットされた7つの混練ディスクからなる。最初と最後の混練ディスクは、0.09の長さを有する。間のディスクは、0.18の長さを有する。混練ディスクの間の溝は、0.02の長さを有する。バレルは、2つの混練ディスクの左右に細い実線で図示されている。可能なコンピュータによるグリッドが2つの混練ディスクの表面にさらに図示されており、このグリッドは、2軸および多軸スクリュエクストルーダにおける流れの計算に用いられてもよい。
【0176】
図1から17は、スクリュエレメントのスクリュ形状を示す。無次元外側スクリュ半径RAが0.55,0.58,0.59,0.6,0.63および0.67の値を有する。本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状は、これら個別の値の無次元外側スクリュ半径に限定されない。本発明に係るプロセスにおいて、本発明に係る単行路スクリュ形状は、RA=0.51からRA=0.707の範囲、好ましくはRA=0.52からRA=0.7の範囲の無次元外側スクリュ半径を有するものが使用されてもよい。
【0177】
驚くべきことに、3行路スクリュ形状であって実質的に3行路スクリュ形状の溝領域の方向に偏芯して配置されたものも、シール領域−遷移領域−溝領域−遷移領域−の順番をもたらし、それにより本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントをもたらす。
【0178】
図18から20は、3つの行路数を有する中心に配置されたスクリュ形状を記述する。図18から20において、3行路のスクリュ形状の6分の1が示されている。
【0179】
図18:
図18aから18dは、3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す。図18aから18dは、外側スクリュ半径RAが異なる。図18aから18dにおいて、第1円弧の半径R_1は、外側スクリュ半径RAに依存する。図18aから18dにおいて、第1円弧は、それぞれ角度α_1=π/6を有する。
【0180】
図19:
図19aから19dは、3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す。図19aから19dは、外側スクリュ半径RAが異なる。図19aから19dにおいて、第1円弧の半径は、R_1=RAである。図19aから19dにおいて、第2円弧の半径は、R_2=0である。図19aから19dにおいて、第1円弧の角度α_1は、外側スクリュ半径RAに依存する。図19aから19dにおいて、第2円弧の角度α_2は、外側スクリュ半径RAに依存する。
【0181】
図20:
図20aから20dは、3行路スクリュ形状のさらなる好ましい4円スクリュ形状を示す。図20aから20dは、外側スクリュ半径RAが異なる。図20aから20dにおいて、第1円弧の半径は、R_1=0である。図20aから20dにおいて、第2円弧の半径は、R_2=A=1である。図20aから20dにおいて、第1円弧の角度α_1は、外側スクリュ半径RAに依存する。図20aから20dにおいて、第2円弧の角度α_2は、外側スクリュ半径RAに依存する。
【0182】
図18から20は、最大4つの円弧からなる3行路スクリュ形状の6分の1を示す。しかしながら、3行路スクリュ形状は、4つの円弧までに限定されない。むしろ、多数の説明したような円弧を3行路スクリュ形状を形成するのに使用してもよい。
【0183】
図21:
図21aから21は、3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す。図21aは、図18cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。図21bは、図19cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。図21aは、図20cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。実バレル半径は、RV=0.5567であり、バレル半径RG(RG=0.63)よりも小さい。さらなる幾何学的パラメーは、個々の図から得られるであろう。偏芯して配置した3行路の密に咬合して自己清掃するスクリュ形状は、スクリュ形状からバレルまでの最小距離が、移動方向に関係なく左周りのスクリュと右側のスクリュとで同一であることを特徴とする。図21aから21cの3行路スクリュ形状は、それぞれ、咬合領域のシールを達成するように、スクリュ形状のシール領域の頂部領域の一点がバレルに当接するように偏芯している。偏芯して配置された3行路スクリュ形状は、シール領域−遷移領域−流路領域遷移領域の順番を有する本発明にしたがって使用されるスクリュ形状をもたらす。こうして、シールは、3行路スクリュエレメントの3つの頂部の2つにより行われる。
【0184】
3行路スクリュ形状は、中心位置から外れて、それらの溝領域に向かって移動させられている。図21aから21cにおいて、移動は、スクリュ形状に回転点の接続線に沿って行われている。咬合領域のシールができる移動の大きさは、選択したスクリュ形状に依存して得られる。
【0185】
図22:
図22aから22は、3行路スクリュ形状の偏芯配置のさらなる好ましい実施形態を示す。図22aは、図18cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。図22bは、図19cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。図22aは、図20cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。実バレル半径は、RV=0.5567であり、バレル半径RG(RG=0.63)よりも小さい。さらなる幾何学的パラメーは、個々の図から得られるであろう。図22aから22cのスクリュ形状は、それぞれ、スクリュ形状のシール領域の頂部の一点だけがバレルに当接するように偏芯して配置されている。移動の大きさは、このため、移動方向に依存する。
【0186】
偏芯位置は、スクリュ形状のシール領域の頂部領域のどの点もバレルに当接しないスクリュ形状のためにさらに選択されてもよい。通常、咬合領域の線状または点状のシールの度合いは、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置により調節される。特に、シールの領域において粘性流体に作用する機械的および熱的ストレスは、意図的に調節されてもよい。例えば、咬合領域のシールの度合いは、スクリュエレメントの回転方向の頂部領域に依存してもよい。バレルからのスクリュ形状のシール領域の頂部領域までの距離は、好ましくは中心線距離の0から0.05倍の範囲であり、特に好ましくは中心線距離の0から0.025倍の範囲である。
【0187】
当業者に知られているように、現実に、全てのスクリュエレメントは、ある程度のクリアランスが必要である。偏芯して配置された3行路スクリュ形状および結果的に得られるスクリュ形状のために、図15に関する上述のクリアランスの戦略および上述のクリアランスの大きさが適用される。クリアランス内で製造すべきスクリュ形状の移動が加えて可能である。これについては、図16に関する記述が適用される。
【0188】
図21から22は、スクリュ形状の6分の1が最大4つの円弧からなる偏芯して配置された3行路スクリュ形状を示す。しかしながら、本発明は、スクリュ形状の6分の1が最大4つの円弧からなる偏芯して配置された3行路スクリュ形状に限定されない。代わって、所望の多数の円弧を、本発明にしたがって使用されるスクリュ形状を形成するのに使用してもよい。
【0189】
図23a:
図23aは、例として、本発明にしたがって使用される図19cに係るスクリュ形状を基にした偏芯した3行路搬送エレメントの対を示す。バレル半径は、RG=0.63であり、実バレル半径は、RV=0.5567である。2つの搬送エレメントの間のクリアランスは、S=0.02である。2つの搬送エレメントとバレルとの間のクリアランスは、D=0.01である。搬送エレメントのピッチは、T=1.2である。搬送エレメントの長さは、角度2πのスクリュ形状の回転に対応する1.2である。バレルは、2つの搬送エレメントの左右に細い実線で図示されている。可能なコンピュータによるグリッドが2つの搬送エレメントの表面にさらに図示されており、このグリッドは、2軸および多軸スクリュエクストルーダにおける流れの計算に用いられてもよい。
【0190】
図23b:
図23bは、例として、本発明にしたがって使用される図19cに係るスクリュ形状を基にした偏芯した3行路混練エレメントの対を示す。バレル半径は、RG=0.63であり、実バレル半径は、RV=0.5567である。2つの混練エレメントの混練ディスクの間のクリアランスは、S=0.02である。2つの混練エレメントの混練ディスクとバレルとの間のクリアランスは、D=0.01である。混練エレメントは、互いに角度π/3だけ右回りにずらされた7つの混円ディスクからなる。最初と最後の混練ディスクは、0.09の長さを有する。中間の混練ディスクは、0.18の長さを有する。混練ディスクの間の溝は0.02の長さを有する。バレルは、2つの搬送エレメントの左右に細い実線で図示されている。可能なコンピュータによるグリッドが2つの搬送エレメントの表面にさらに図示されており、このグリッドは、2軸および多軸スクリュエクストルーダにおける流れの計算に用いられてもよい。
【0191】
図18から20は、無次元外側スクリュ半径RAが0.53、0.5433、0.5567および0.57である3行路スクリュ形状を示す。3行路スクリュ形状は、これらの個別の値の無次元外側スクリュ半径に限定されない。しかし、RA=0.505からRA=0.577までの範囲、好ましくは、RA=0.51からRA=0.57までの範囲の無次元外側スクリュ半径を有する3行路スクリュ形状が使用される。
【0192】
図21から23は、偏芯して配置された、無次元バレル半径RGが6.63に等しく、実バレル半径RVが0.5567に等しい3行路スクリュ形状およびスクリュエレメントを示す。本発明に係るスクリュエレメントの偏芯して配置された3行路スクリュ形状は、この個別のバレル半径または個別の実半径に限定されない。本発明に係るプロセスにおいて、偏芯して配置された3行路スクリュ形状は、半径RGが0.51から0.707の範囲の、好ましくは、0.52から0.7の範囲であるバレルの中に配置され、そこでは、実バレル半径RVが0.505から0.577の範囲、好ましくは0.51から0.57の範囲である。
【0193】
図24:
図24aから24fは、2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対までの変形を示す。これら全ての図は、以下に詳述する同じ構成を有する。形成スクリュ形状は、左側のスクリュ形状により図示されている。被形成スクリュ形状は、右側スクリュ形状により図示されている。2つのスクリュ形状は、16本の円弧からなる。形成スクリュ形状および被形成スクリュ形状は、それぞれの円弧に番号が付けられた太い実線で図示されている。複数の円弧の結果およびコンピュータソフトウェアを使用した作図の結果、例えば図24aにおける円弧3’,4’や円弧5’,6’,7’のように、個々の円弧の番号が重なり、それ故非常に分かり易くはないかもしれない。ときに個々の数字の低い判読性にもかかわらず、この説明との関連により形状の構成は明確である。
【0194】
円弧の中心点は、小さい円によって図示されている。円弧の中心点は、関連する円弧の始点と終点との両方に細い実線で接続されている。外側スクリュ半径は、それぞれ形成スクリュ形状と被形成スクリュ形状とでは略等しい。外側スクリュ半径は、スクリュバレルの部分では細い破線で示され、咬合領域では細い点線で示されている。
【0195】
図24aは、変形を開始した2行路スクリュ形状の対を示す。形成スクリュと被形成スクリュとは、互いに対称である。形成スクリュ形状の円弧1および9は、それらの全長に亘って外側スクリュ半径に当接する。形成スクリュ形状の円弧4,5および12,13は、それらの全長に亘ってコア半径に当接する。被形成スクリュ形状の円弧4’,5’および12’,13’は、それらの全長に亘って外側スクリュ半径に当接する。被形成スクリュ形状の円弧1’および9’は、それらの全長に亘ってコア半径に当接する。
【0196】
図24fは、変形を終えた2行路スクリュ形状の対を示す。形成スクリュと被形成スクリュとは、互いに対称である。形成スクリュ形状の円弧1および12は、それらの全長に亘って外側スクリュ半径に当接する。形成スクリュ形状の円弧4および9は、それらの全長に亘ってコア半径に当接する。被形成スクリュ形状の円弧4’および9’は、それらの全長に亘って外側スクリュ半径に当接する。被形成スクリュ形状の円弧1’および12’は、それらの全長に亘ってコア半径に当接する。
【0197】
図24bは、2行路スクリュ形状から単行程スクリュ形状への変形が20%完了した変形中の形状の対を示す。図24cは、変形が40%完了した変形中の形状の対を示す。図24dは、変形が60%完了した変形中の形状の対を示す。図24eは、変形が80%完了した変形中の形状の対を示す。
【0198】
変形は、形成スクリュ形状の円弧1が常にその全長に亘って無次元外側スクリュ半径RAに当接し、それにより、関連する被形成スクリュ形状の円弧1’が全長に亘って無次元コア半径RI’に当接するように進行する。変形は、被形成スクリュ形状の円弧4’が常にその全長に亘って無次元外側スクリュ半径RAに当接し、それにより、関連する形成スクリュ形状の円弧4が全長に亘って無次元コア半径RI’に当接するように進行する。作スクリュ形状および被形成スクリュ形状の円弧が常に外側スクリュ半径新地または当接するので、全ての変形の間のバレルの内面の清掃が確保される。加えて、形成スクリュ形状と被形成スクリュ形状とが非対称であることは、図24bから24eより明らかである。変形エレメントの対は、常に、形成変形形状に基づく第1変形エレメントと、被形成変形形状に基づく第2変形エレメントとからなる。
【0199】
図24は、形成スクリュ形状の無次元外側スクリュ半径および被形成スクリュ形状の無次元外側スクリュ半径がRA=0.6146からRA=0.6288の範囲である変形形状を示す。本発明に係るプロセスにおいて、スクリュ形状の無次元外側スクリュ半径が0より大きいRA且つ1以下のRA、好ましくはRA=0.52からRA=0.707の範囲であるスクリュ形状が使用されてもよい。
【0200】
図26:
図26は、2つの穴を有する8の字型スクリュバレルを示す。2つのバレル穴が貫通し合う領域は、咬合領域として知られる。2つのバレル交点の間の開口角度δ_gzが、さらに示されている。
【0201】
図27:
図27は、本発明したがって使用されるスクリュ形状に関する角度δ_fb1,δ_fb2,δ_nb1,δ_2b2,δ_kb1,δ_kb2およびδ_gbを示す。
【0202】
図28:
図28は、2軸スクリュエクストルーダを示す。エクストルーダは、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された5つのバレル部(1−5)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(6)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(10)を有する。バレル(3)は、脱気開口(7)を有する。バレル(4)は、閉鎖されており、バレル(5)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(8)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(12)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(9)が設けられている。バルブ(9)およびライン(8)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。溶融物ラインにおいて、符号(13)は圧力センサであり、符号(11)は、温度センサである。
【0203】
図29:
図29は、2軸スクリュエクストルーダを示す。エクストルーダは、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された8つのバレル部(1−8)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第1バレル(1)に供給される。溶融物温度センサ(11)は、パイプの内部に位置する。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(12)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(10)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(13)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(8)は、バレルの8の字型穴が見えるように端部で開放されている。手持ち温度計(15)が溶融物温度を測定する機能を果たす。
【0204】
図30:
図30は、2軸スクリュエクストルーダを示す。エクストルーダは、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部(1−9)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。溶融物温度センサ(18)は、パイプの内部に位置する。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(10)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。圧力センサ(19)が、パイプ(19)に取り付けられている。
【0205】
図31:
図31は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された6つのバレル(1−6)からなる構成を含む2軸スクリュエクストルーダを示す。装置は、バレル直径が32mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK32Scである。ペレットが、第1バレル(1)に供給される(12)。他のバレル(2−6)は閉鎖され、端部にフラットフィルムダイ(7)がある。
【0206】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(9)において、スクリュは、42mmおよび63.5mmのピッチの2行路搬送エレメントを備える。供給領域は、第4バレル(4)の半ばまで延伸し、そこから溶融領域(10)が始まる。溶融領域(10)は、第5バレル(5)の終盤まで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。
【0207】
図32:
図32は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された11のバレル(1−11)からなる構成を含む2軸スクリュエクストルーダを示す。装置は、バレル直径が32mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK32Scである。ペレットが、第1バレル(1)に供給される(12)。脱気開口(13)のあるバレル(9)を除く他のバレル(2,3,4,5,6,7,8,10)は閉鎖されている。4穴ダイ(11)が端部に配設されている。
【0208】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(14)のスクリュは、最初に、2行路搬送エレメントを備える。供給領域(14)は、バレル(7)の始めまで延伸し、そこから溶融領域(15)が始まる。溶融領域(15)は、バレル(8)の半ばまで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。圧力形成領域の測定領域(16)は、溶融領域の後のバレル(9)の半ばから始まる。
【0209】
図33:
図33は、2軸スクリュエクストルーダを示す。エクストルーダは、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレル(1−7)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。圧力センサ(11)が、出口における溶融物温度を測定する役目を果たす。
【0210】
例:
例1−11は、コペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Sc、および、コペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK32Scの試験を示す。ZSK32Scは、26.2mmの中心線距離と31.8mmのバレル直径を有する。ZSK40Scは、33.4mmの中心線距離と40.3mmのバレル直径を有する。2つのバレル交点の間の角度δ?gzは、ZSK32Scにおいて約69°、ZSK40Scにおいて約68°である。従来技術によるエルドメンガースクリュ形状を備える例において使用される2行路搬送エレメントは、ZSK32Scにおいて約20°、ZSK40Scにおいて約21°の頂角を有する。従来技術によるエルドメンガースクリュ形状を備える例において使用される単行路搬送エレメントは、ZSK40Scにおいて約110°の頂角を有する。本発明により例において使用される搬送エレメントは、ZSK32Scにおいて、約9°の頂角δ_kb1、約88°の側腹角δ_fb1および約9°の頂角δ_kb2からなる約106°のシール角と、約12°の溝角δ_nb1、約86°の側腹角δ_fb2および約12°の溝角δ_nb2からなる約110°の流路角とを有する。本発明により例において使用される搬送エレメントは、ZSK40Scにおいて、約3°の頂角δ_kb1、約98°の側腹角δ_fb1および約3°の頂角δ_kb2からなる約104°のシール角と、約8°の溝角δ_nb1、約94°の側腹角δ_fb2および約8°の溝角δ_nb2からなる約110°の流路角とを有する。
【0211】
中間プレートが、ZSK40Scの多くの位置に導入され、測定システムを収容する役目を果たす(図29の中間プレート(2)参照)。これらの中間プレートは、以降のバレルでも同様に、簡素化して記載されている。
【0212】
比較例1
2軸スクリュエクストルーダ(図28)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された共5つのバレル部からなる構成を有する。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(6)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(10)を有する。バレル(3)は、脱気開口(7)を有する。バレル(4)は、閉鎖されており、バレル(5)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(8)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(9)が設けられている。バルブ(9)およびライン(8)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0213】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(10)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ40mmで長さ40mmの8つの2行路搬送エレメントと、ピッチ40mmで長さ20mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。
【0214】
250rpmのスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(12)は、エクストルーダの最後においてフランジ(5)内で、バルブ(9)の上流の圧力センサによって調整された様々な圧力で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度も測定された(11)。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。結果は、表1に示す。
【0215】
【表1】
【0216】
例2
エクストルーダは、例1と同じである。例1と比べて、ブシュの下流のスクリュの構成が次のように変更されている。40mmのピッチと40mmの長さを有する8つの2行路搬送エレメントと、40mmのピッチと20mmの長さを有する1つの搬送エレメントとが、本発明の搬送エレメントに置き換えられている。搬送エレメントは、30mmのピッチと30mmの長さを有し、スクリュ上に11ユニットが配置されている。250rpmのスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(12)は、エクストルーダの最後においてフランジ(5)内で、バルブ(9)の上流で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。
【0217】
溶融物の入口温度と溶融物の出口温度との間の増加は、本発明によるスクリュエレメントを使用するとき、例1の従来の2行路エレメントの場合と比較して、表2の結果に示されるように、明らかに低い。
【0218】
【表2】
【0219】
例3
エクストルーダは、例1と同じである。例1と比べて、ブシュの下流のスクリュの構成が次のように変更されている。40mmのピッチと40mmの長さを有する8つの2行路搬送エレメントと、40mmのピッチと20mmの長さを有する1つの搬送エレメントとが、本発明の搬送エレメントと従来の単行路エレメントとに置き換えられている。両種類のエレメントは、30mmのピッチと30mmの長さを有し、スクリュ上に、5ユニットの保発明に係るスクリュエレメントと、その後に6つの30mmのピッチで30mmの長さの従来の単行路エレメントとが配置されている。250rpmのスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(12)は、エクストルーダの最後においてフランジ(5)内で、バルブ(9)の上流で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。
【0220】
この例は従来の単行路搬送エレメントを本発明による搬送エレメントと比較する。表3の結果は、従来の単行路エレメントの場合に明らかに高い温度を明示する。
【0221】
【表3】
【0222】
比較例4
エクストルーダ(図29)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された8つのバレル部(1−8)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(12)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(10)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(13)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(8)は、バレルの8の字型穴が見えるように端部で開放されている。
【0223】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(13)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ40mmで長さ40mmの8つの2行路搬送エレメントが設けられている。
【0224】
多様なスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(14))は、エクストルーダの最後において測定された。温度はさらに、開放出口において溶融物内に保持された手持ち温度計(15)で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。結果は表4に示される。
【0225】
【表4】
【0226】
例5
エクストルーダ(図29)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された8つのバレル部(1−8)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(12)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(10)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(13)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(8)は、バレルの8の字型穴が見えるように端部で開放されている。
【0227】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(13)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの11の2行路搬送エレメントが設けられている。
【0228】
多様なスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(14))は、エクストルーダの最後において測定された。温度はさらに、開放出口において溶融物内に保持された手持ち温度計(15)で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。結果は表5に示される。表5の結果は、例4の表4のものよりも明らかに低い温度および入口(11)と出口(15)との間の温度差を明示する。
【0229】
【表5】
【0230】
例6
エクストルーダ(図29)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された8つのバレル部(1−8)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(12)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(10)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(13)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(8)は、バレルの8の字型穴が見えるように端部で開放されている。
【0231】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(13)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの5つの2行路搬送エレメントが設けられている。そして、スクリュは、長さ30mmでピッチ30mmの6つの従来の単行路搬送エレメントが設けられている。
【0232】
多様なスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(14))は、エクストルーダの最後において測定された。温度はさらに、開放出口において溶融物内に保持された手持ち温度計(15)で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。結果は表5に示される。表5の結果は、例5の表5の本発明によるプロセスよりも明らかに低い温度および入口(11)と出口(15)との間の温度差を明示する。
【0233】
【表6】
【0234】
比較例7
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0235】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ40mmで長さ40mmの8つの2行路搬送エレメントが設けられている。
【0236】
多様なスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、エクストルーダの最後において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ11)は、240°に加熱された。バルブ(11)は完全に開放されている。結果は表7に示される。
【0237】
【表7】
【0238】
例8
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0239】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの11の2行路搬送エレメントが設けられている。
【0240】
多様なスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、エクストルーダの最後において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ11)は、240°に加熱された。バルブ(11)は完全に開放されている。結果は表8に示され、例7の表7よりも低い温度を明示する。
【0241】
【表8】
【0242】
比較例9
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0243】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ40mmで長さ40mmの8つの2行路搬送エレメントが設けられている。
【0244】
250rpmのスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、エクストルーダの最後において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ(11)は、240°に加熱された。結果は表9に示される。
【0245】
【表9】
【0246】
例10
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0247】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの11の2行路搬送エレメントが設けられている。
【0248】
250rpmのスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、エクストルーダの最後において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ(11)は、240°に加熱された。結果は表10に示され、例9の表9よりも低い温度を明示する。
【0249】
【表10】
【0250】
例11
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0251】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの5つの本発明に係る搬送エレメントが設けられている。そして、その後に、ピッチ30mmで長さ30mmの6つの従来の単行路搬送エレメントが続く。
【0252】
250rpmのスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、バルブ11の上流で、測定センサ(19)エクストルーダの最後においてフランジ(9)の中で様々な圧力(測定点(18))において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ(11)は、240°に加熱された。結果は表11に示され、例10の表10よりも低い温度を明示する。
【0253】
【表11】
【0254】
図12および13において、溶融は、ZSK32Mc(コペリオンウェルナアンドフライドラー社)においてマクロロン(登録商標)3108(バイエルマテリアルサイエンス社製)およびODS(登録商標)2015(バイエルマテリアルサイエンス社製)を用いて行われる。マクロロン(登録商標)3108は、1%の着色マクロロン(登録商標)420により紫色に着色されている。実験は図31の構成で行われた。マクロロン(登録商標)3108とODS(登録商標)2015は、25%:75%(%=質量%)である。
【0255】
エクストルーダは、24L/Dの長さを有する。エクストルーダは、搬送エレメントを備える供給領域(9)と、混練ブロックに占有された溶融領域(10)と、多様な構成の測定領域(11)とからなる。ペレットが供給される。エクストルーダ出口のダイ(7)は、1mmのスロット高さで140mmの幅のフラットフィルムダイである。
【0256】
ダイから出現する高分子フィルムは、CCDカメラによって撮影され、光源で逆光になる。カメラは、1280×960ピクセルで29μm/ピクセルの解像度を有する。高分子フィルムの画像は、毎秒、1実験当たり合計180画像撮影される。
【0257】
最も高粘度のマクロロン(登録商標)3108が完全に溶融しなければ、高分子フィルム中の暗い紫色の染みがカメラにより記録される。高分子フィルムの端は、カメラによって認知され、画像中の高分子フィルムの面積が計算される。前記面積の暗い紫色の染みの面積に対する比が計算される。これは、スクリュ構成の溶融能力の測定の役目を果たす。溶融していないペレットの比率が大きいと、スクリュの形成がよくない。
【0258】
比較例12
2軸スクリュエクストルーダ(図31)は、その中に共回転して攻防するスクリュが配置される6つのバレル(1−6)の構成を有する。装置は、バレル直径が32mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK32Scである。ペレットが第1バレル(1)に供給される(12)。他のバレル(2−6)は閉鎖され、最後にフラットフィルムダイ(7)がある。
【0259】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(9)において、スクリュは、42mmおよび63.5mmのピッチの2行路搬送エレメントを備える。供給領域は、第4バレル(4)の半ばまで延伸し、そこから測定領域(10)が始まる。溶融領域(10)は、第5バレル(5)の終盤まで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。流れは、溶融領域の最後においてZMEエレメントおよび/または右側の混練ブロックによって制限される。
【0260】
測定領域(11)または圧力形領域は、第5バレルの終わりから始まる。それは、長さ28mmでピッチ28mmの2行路搬送エレメントからなる。そして、長さ42mmでピッチ42mmの2つの搬送エレメントが続いている。そして、ピッチ28mmで長さ42mmのスクリュ頂部が続いている。
【0261】
130kg/hの処理量および400rpmのスクリュ回転速度で、溶融していないペレットが高分子フィルムの面積の4.53%を占める(表12参照)。
【0262】
例13
構成は比較例と同じである。測定領域または圧力形成領域だけが、本発明によるスクリュエレメントを備える。
【0263】
搬送領域(11)は、第1バレルの終わりで開始する。それは、長さ28mmでピッチ28mmの本発明による5つのスクリュエレメントからなる。
【0264】
正確に同じ運転条件が比較実験において達成された。それは驚くべきことに、溶融していないペレットの染みの割合が1.89%であることが分かった。このため、本発明によるスクリュエレメントは、従来技術と比較して溶融の間の明かな改善を示す。
【0265】
【表12】
【0266】
合成に関する例14および15は、ZSK32Sc(コペリオンウェルナアンドフライドラー社)において行われた。実験は、図32の構成で行われた。組成物は、40.17質量%の組物成A、47.60質量%の組成物Bおよび3.33質量%の組成物Cからなる。
【0267】
組成物A
25℃の溶液であるCH2Cl2中で0.5g/100mlの濃度で測定したηrel=1.275の相対溶液粘度を有するビスフェノールAベースの直鎖ポリカーボネート。
【0268】
組成物B
27重量%のアクリロニトリルと73重量%のスチレンとの混合物のABSポリマーに対して50重量%のエマルジョン重合による微粒子架橋ポリブタジエンゴム(平均粒子径d50=0.35μm)がABSポリマーに対して50重量%存在するABSポリマー製品。
【0269】
組成物C
72:28の重量比のスチレンアクリロニトリルを有し、0.55dl/gの固有粘度(20℃のジメチルホルムアミド中で測定)を有するスチレンアクリロニトリル共重合体。
【0270】
組成物D
組成物Cは、金型剥離剤および熱安定剤のような添加物からなる。
【0271】
エクストルーダは、40L/Dの長さを有し、搬送エレメントを備える供給領域(14)と、混練ブロックに占有された溶融領域(15)と、ダイ(11)の上流の多様な構成の測定領域(16)とからなる。ペレットが供給される。エクストルーダ出口のダイ(11)は、4穴ダイである。ダイ(11)の下流において、ベイブレンド(Bayblend)は、水槽を通して引き抜かれペレット化される。
【0272】
ペレットのサンプルは、達成された運転点において採取された。50粒が顕微鏡で分析された。円筒形のペレットは、端面に照明を当てられ、反対側から顕微鏡で観察された。ペレットは不透明であるが、スクリュの形成および運転点に依存して溶融していないポリカーボネートの領域が光輝いて視認可能である。これらの領域は、ウィンドウとして知られる。50粒のサンプル当たりのウィンドウの数が溶融の測定である。理想的には、ウィンドウはない。
【0273】
比較例14
2軸スクリュエクストルーダ(図32)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された11のバレルからなる構成を含む。装置は、32mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK32Scである。ペレットが、第1バレル(1)に供給される(12)。脱気開口(13)のあるバレル(9)を除く他のバレル(2,3,4,5,6,7,8,10)は閉鎖されている。4穴ダイ(11)が端部に配設されている。
【0274】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(14)のスクリュは、最初に、2行路搬送エレメントを備える。供給領域(14)は、バレル(7)の始めまで延伸し、そこから溶融領域(15)が始まる。溶融領域(15)は、バレル(8)の半ばまで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。流れは、溶融領域の最後においてZMEエレメントおよび/または右側の混練ブロックによって制限される。
【0275】
測定領域(16)または圧力形領域は、溶融領域の後のバレル(9)の半ばに始まる。それは、長さ28mmでピッチ28mmの2行路搬送エレメントからなる。そして、13mmの長さと13.5mmのピッチを有する2つのZMEエレメントが続いている。そして、長さ42mmでピッチ28mmの3つの2行路搬送エレメントが続いている。そして、その後にピッチ28mmで長さ14mmの搬送エレメントが続く長さ28mmでピッチ42mmの3つの2行路搬送エレメントがある。最後に、長さ42mmでピッチ28mmのスクリュ頂部がある。
【0276】
145kg/hの処理量および600rpmのスクリュ回転速度で、50粒中に100ウィンドウが視認可能であった(表13参照)。160kg/hの処理量および600rpmのスクリュ回転速度で、50粒中に211ウィンドウが視認可能であった。
【0277】
例15
2軸スクリュエクストルーダ(図32)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された11のバレルからなる構成を含む。装置は、32mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK32Scである。ペレットが、第1バレル(1)に供給される(12)。脱気開口(13)のあるバレル(9)を除く他のバレル(2,3,4,5,6,7,8,10)は閉鎖されている。4穴ダイ(11)が端部に配設されている。
【0278】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(14)のスクリュは、最初に、2行路搬送エレメントを備える。供給領域(14)は、バレル(7)の始めまで延伸し、そこから溶融領域(15)が始まる。溶融領域(15)は、バレル(8)の半ばまで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。流れは、溶融領域の最後においてZMEエレメントおよび/または右側の混練ブロックによって制限される。
【0279】
測定領域(16)または圧力形領域は、溶融領域の後のバレル(8)の半ばに始まる。それは、長さ28mmでピッチ28mmの本発明によるスクリュエレメントからなる。そして、13mmの長さと13.5mmのピッチを有する2つのZMEエレメントが続いている。そして、10の長さ28mmでピッチ28mmの本発明によるスクリュエレメントが続いている。
【0280】
正確に同じ運転条件が比較実験において達成された。それは驚くべきことに、新規なスクリュエレメントによりウィンドウの数が明らかに減少させられることが分かった(表13)。このため、本発明によるスクリュエレメントは、従来技術と比較してベイブレンド(登録商標)T45の溶融の間の明かな改善を示す。
【0281】
【表13】
【0282】
高分子搬送に関する例16−19は、ZSK40Sc(コペリオンウェルナアンドフライドラー社)において行われた。実験は、図33の構成で行われた。
【0283】
2軸エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレル(1−7)からなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有する。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。バルブ(12)の上流において、センサ(11)によって圧力が測定される。出口における溶融物温度は、圧力センサ(11)に保持された手持ち温度計で測定される。
【0284】
比較例16
エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレルからなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0285】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する3つの2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する5つの2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(14)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの2つの2行路搬送エレメントと、ピッチ60mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントが設けられている。
【0286】
そして、スクリュは、40mのピッチと40mmの長さを有する8つの2行路搬送エレメントを備える。
【0287】
250rpmのスクリュ回転速度および80kg/hの処理量において、温度の上昇が様々な圧力で測定された(バルブ(12)の上流の圧力測定センサ(11))。次の材料を取り扱った:ポリプロピレン(登録商標(Polypropylen))、ポリスチロール(登録商標)(Polystyrol)、ポカン(登録商標)(Pocan)。温度は、さらに、チューブの出口において手持ち温度計(15)で測定された。温度計はチューブの中の溶融物内に保持された。表14は、(14)から(15)までの温度上昇を示す。
【0288】
【表14】
温度上昇(K)
【0289】
例17
エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレルからなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0290】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する3つの2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する5つの2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(14)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの2つの2行路搬送エレメントと、ピッチ60mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントが設けられている。
【0291】
そして、スクリュは、30mのピッチと30mmの長さを有する11の2行路搬送エレメントを備える。
【0292】
250rpmのスクリュ回転速度および80kg/hの処理量において、温度の上昇が様々な圧力で測定された(バルブ(12)の上流の圧力測定センサ(11))。次の材料を取り扱った:ポリプロピレン(登録商標)、ポリスチロール(登録商標)、ポカン(登録商標)(Pocan)。温度は、さらに、チューブの出口において手持ち温度計(15)で測定された。温度計はチューブの中の溶融物内に保持された。表15は、(14)から(15)までの温度上昇を示す。新規な発明は、全ての製品において低い温度上昇を示す。
【0293】
【表15】
温度上昇(K)
【0294】
比較例18
エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレルからなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0295】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する3つの2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する5つの2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(14)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの2つの2行路搬送エレメントと、ピッチ60mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントが設けられている。
【0296】
そして、スクリュは、40mのピッチと40mmの長さを有する8つの2行路搬送エレメントを備える。
【0297】
150から350rpmの間のスクリュ回転速度および80kg/hの処理量において、温度の上昇を張る津(12)を開放して測定した。次の材料を取り扱った:イネオス社(Ineos)のルストラン(登録商標)(Lustran)DN50、ポリプロピレン(登録商標)、ポリスチロール(登録商標)。2軸スクリュエクストルーダ内の溶融物の温度(測定点14)が測定された。温度は、さらに、チューブの出口において手持ち温度計(15)で測定された。温度計はチューブの中の溶融物内に保持された。表16は、(14)から(15)までの温度上昇を示す。
【0298】
【表16】
温度上昇(K)
【0299】
例19
エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレルからなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0300】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する3つの2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する5つの2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(14)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの2つの2行路搬送エレメントと、ピッチ60mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントが設けられている。
【0301】
そして、スクリュは、28mのピッチと28mmの長さを有する11のスクリュエレメントを備える。
【0302】
150から350rpmの間のスクリュ回転速度および80kg/hの処理量において、温度の上昇を張る津(12)を開放して測定した。次の材料を取り扱った:イネオス社(Ineos)のルストラン(登録商標)(Lustran)DN50、ポリプロピレン(登録商標)、ポリスチロール(登録商標)。2軸スクリュエクストルーダ内の溶融物の温度(測定点14)が測定された。温度は、さらに、チューブの出口において手持ち温度計(15)で測定された。温度計はチューブの中の溶融物内に保持された。表16は、(14)から(15)までの温度上昇を示す。本発明によるスクリュエレメントでの温度上昇は、従来技術よりも低い。
【0303】
【表17】
温度上昇(K)
【図1a−1d】
【図2a−2d】
【図3a−4b】
【図5−7】
【図8a−9】
【図10a−11b】
【図12a−13b】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック組成物を押し出しするプロセスに関する。プロセスは、特に、プラスチック組成物、特に高分子溶融物および高分子溶融物、とりわけ、熱可塑性プラスチックおよびエラストマ、特に望ましくはポリカーボネートおよびポリカーボネート混合物、および、例えば固体、液体、気体または他の高分子または高分子混合物のような他の物質を含有するそれらの混合物の搬送、混練および/または混合に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック組成物の押し出しは、特に、高分子の製造、合成および処理における大きな役割を果たす。押し出しは、これ以降、非特許文献1に総合的に記載されているように、共に回転する2軸または多軸のスクリュエクストルーダにおいて物質または混合物質の処理を意味するものとする。
【0003】
本出願において、多軸スクリュエクストルーダという用語は、例えば、リングエクストルーダまたは2軸スクリュエクストルーダをも含む。
【0004】
そのロータが完全に自己払拭する共回転2軸または多軸スクリュエクストルーダは、古くから知られている(例えば、特許文献1)。自己払拭形状の原則に基づくエクストルーダは、高分子製造および高分子処理において、多くの異なった使用がなされている。これは、完全自己払拭スクリュの自己清掃作用により防止される、従来の処理温度において溶融高分子が表面に付着および経時劣化するという事実の最初の結果である。完全自己払拭スクリュの形状を製造するための規範は、非特許文献1の第96−109頁に与えられている。その中には、予め定めた2軸スクリュエクストルーダの第1のスクリュのスクリュ形状が、2軸スクリュエクストルーダの第2のスクリュのスクリュ形状をどのように定めるかも記載されている。2軸スクリュエクストルーダの第2のスクリュのスクリュ形状は、2軸スクリュエクストルーダの第1のスクリュのスクリュ形状(形成スクリュ形状)に従い、このため、形成されたスクリュ形状(被形成スクリュ形状)であると知られている。多軸スクリュエクストルーダの場合、隣接するスクリュは、常に形成スクリュ形状と被形成スクリュ形状とが交互に配置される。
【0005】
昨今の2軸スクリュエクストルーダは、コアシャフトに様々なスクリュエレメントを配設したブロック構成システムを有する。このようにして、当業者は、2軸スクリュエクストルーダを手持ちの特定の目的に適応させてもよい。
【0006】
当業者に知られており、非特許文献1の96−109頁に見られるように、従来技術に係る密に咬合する自己清掃共回転スクリュ形状(これより元の発明者ちなんでエルドメンガースクリュ形状と称する)は、3つの変数:行路数z、スクリュ外側半径raおよび中心線間隔aを定めることによって曖昧でなく定められる。行路数zは、1以上の整数である。さらに重要なスクリュ形状の特徴的パラメータは、コア半径riである。さらに重要なスクリュ形状の特徴的パラメータは、行路深さhである。
【0007】
スクリュ外側半径と等しいスクリュ形状の領域は、頂部領域として知られる。コア半径と等しいスクリュ形状の領域は、溝領域として知られる。スクリュ外側半径より小さくコア半径より大きいスクリュ形状の領域は、側腹領域として知られる。2つのバレル穴が互いに貫通し合う多軸スクリュエクストルーダの領域は、咬合領域として知られる。2つのバレル穴の2つの交点は、バレル交点として知られる。
【0008】
行路数zのエルドメンガースクリュ形状の頂角δ_kwは、δ_kw=π/z−2*arccos(0.5*a/ra)によって計算される。但し、πは、円周率(π≒3.14159)意味する(非特許文献1)。頂角を算出する式に基づいて、等しい中心線間隔および等しい外側スクリュ半径では、単行路エルドメンガースクリュ形状と2行路エルドメンガースクリュ形状との頂角は、π/2だけ異なると結論付けられるであろう。もしもバレル半径rgが他の外側半径raと等しいなら、2つのバレル交点の間の開口角δ_gzは、δ_gz=2*arccos(0.5*a/ra)として算出される。単行路エルドメンガースクリュ形状のために、スクリュ外側半径の中心線間隔に対する比が約0.707であるとき、咬合領域は、スクリュ形状の頂部領域によってシールされる。
【0009】
2つのバレル交点の近傍バレル領域は、バレル交点領域として知られる。以下の説明のために、各バレル穴において、2つのバレル交点からの開始するこの領域は、バレル穴の中心点に対して角度δ_gbを有する。角度δ_gbは単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角と2つのバレル交点の間の開口角との差から算出される:δ_gb=π−4*arccos(0.5*a/ra)。
【0010】
加えて、式1は、2軸および多軸スクリュエクストルーダの構造、機能および作用を詳細に説明する。1つの章全体(227−248頁)は、スクリュエレメントおよびそれらの動作様式に費やされている。ここに、搬送エレメント、混練エレメントおよび混合エレメントの構造および機能を詳細に説明する。異なる数のスクリュエレメントの間を通過可能にするために、しばしばワッシャがスペーサとして使用される。特別な場合、行路の数が異なる2つのスクリュ形状の間を連続的に移行可能にし、各移行点に自己清掃スクリュ形状の対が与えられた「遷移エレメント」が使用される。
【0011】
プラスチック組成物は、これ以降、変形可能な組成物を意味する。プラスチック組成物の例は、高分子溶融物、特に、熱可塑性プラスチックおよびエラストマであり、特に好ましくは、ポリカーボネートおよびポリカーボネート混合物、高分子溶融物の混合物、或いは、個体、液体または気体を分散した高分子溶融物である。
【0012】
高分子製造の間、例えば、高分子の脱気のために(例えば非特許文献1の191−212頁参照)、押し出しが行われる。
【0013】
高分子を合成する間、例えば、添加物を包含させるために(例えば非特許文献1の59−93頁参照)、押し出しが行われる。合成は、プラスチック原料を用い、充填剤および/または補強材料、可塑剤、結合剤、スリップ剤、安定剤等を添加して、高分子を最終プラスチックモールディング化合物(または組成物)に変性させることを含む。
【0014】
押し出しの間のプラスチック組成物の処理は、1以上の作用:搬送、溶融、分散、混合、脱気、圧力形成を含む。
【0015】
高分子の合成中、押し出しは、添加剤、助剤、補強材および色素を含む高分子の混合物を形成するために、および、例えば、化学品組成物において、分子量および分子構造の異なる高分子の混合物を形成するために(例えば非特許文献1の59−93頁参照)、全て使用される。合成は、従来通りに溶融されたプラスチック原料を用い、高分子に充填剤および/または補強材、可塑剤、結合剤、スリップ剤、安定剤、色素等を加えて、高分子を最終プラスチックモールディング化合物(または組成物)への変性させることを含む。合成は、しばしば、例えば空気および水のような揮発成分の除去をも含む。合成は、例えば、接合、官能基の改変または分子量の意図的増減による分子量改変のような化学反応を含んでもよい。
【0016】
公知であり、例えば非特許文献1の169−190頁に記載されているように、混合は、分配混合と分散混合とに区別してもよい。分配混合は、所定量の様々な要素の均一な分配の意味に使用される。分配混合は、例えば、類似する高分子を混合したときに生じる。分散混合において、固形粒子、液滴または気泡が最初に細分される。細分化は、例えば、高分子と添加物との境界面の表面張力を乗り越えるために、十分に大きな剪断力を加えることをともなう。混合は、以下では常に、分配混合および分散混合を意味するものとする。
【0017】
溶融物搬送および圧力形成は、非特許文献1の73頁以降に記載されている。溶融物搬送領域は、製品を1つの処理領域から次の処理領域に搬送し、そして、充填剤を吸い込む役目を果たす。溶融物搬送領域は、通常、例えば、部分的に1つの処理領域から次の処理領域への製品の搬送の間、脱気の間、および、保持領域中のように、部分的に充填される。例えばエクストルーダダイ、逆搬送エレメント、混合エレメントおよび溶融物フィルタのような圧力消費部の上流に背圧領域が形成され、そこでは、完全な状態で搬送が行われ、圧力消費部を超えるための圧力が形成されなければならない。高分子溶融物に導入されるエネルギーは、溶融物を搬送する実効的力と、溶融物の温度上昇によって明示される損失である放散される力とに分けられる。このため、可能なかぎり最低限のエネルギーを溶融物搬送領域において放散させなければならない。1×内部エクスルーダ直径(1D)のピッチを有するねじエレメントが、単純な溶融物搬送に慣用されている(非特許文献1)。
【0018】
高分子処理中に、高分子は、好ましくは、準最終製品、使用可能な製品または部品の形態に変換される。処理は、例えば、射出成型、押し出し成型、ブロー成型、カレンダ加工またはスピニング加工によってもよい。処理は、また、高分子の充填剤および外部物質および添加物との混合、および、例えば加硫のような化学的改質を含んでもよい。
【0019】
当業者は、高分子押し出しは、2本または選択的にそれより多いスクリュを備えるエクストルーダにおいて有利にも行われることに気付く。
【0020】
圧力形成領域は、エクストルーダのダイプレートおよび/または溶融物フィルタ上流、および、例えば混合エレメント或いは逆搬送または中立搬送混練ブロックのような圧力を消費する「流れ制限」スクリュエレメントの上流の溶融領域に配置される。流れ制限エレメントを乗り越えるために必要な圧力が、圧力形成領域において形成されなければならない。ダイプレート、工具、および、例えばフィルタのような任意の下流ユニットにおいて消費される圧力は、溶融領域において形成されねばならない。圧力形成領域において、スクリュの頂部を越える溶融物の強い逆流は、高い熱入力をもたらす(非特許文献1)。
【0021】
スクリュの頂部において、特に大量のエネルギーが溶融物中に放散し、それが製品を局所的に過熱させることが、当業者には知られている。これは、例えば、非特許文献1の160頁以降に説明されている。この局所的な過熱は、匂い、色、化学組成または分子量の変化、或いは、ゲル状プラスチックまたは小片状のような製品の不均一性の形成等、製品に危害をもたらす。大きな頂角は、これについて特に有害である。
【0022】
当業者は、同様に、従来のスクリュエレメントを使用する際、2行路エレメントの場合よりも低いエネルギー入力および短い背圧長さの単行路搬送エレメントの場合、共回転2軸スクリュエクストルーダの作用範囲の大半に亘って完全に充填された状態で、必要な圧力が形成され得ることを知っている(非特許文献1)。
【0023】
しかしながら、単行路搬送エレメントは、非常に脈動し易い傾向にあること、つまり、それらは、例えば膨張の分割によって、処理品の膨張減衰ができないことを注記しなければならない。その理由は、2行路搬送エレメントでは、3つの製品の流れがあるのに対して、単行路搬送エレメントに1つの製品の流れしかないことにある。そのため、分配した膨張は、エクストルーダ出口における処理品を、2行路または3行路搬送エレメントよりも急速に膨張させる。1つの製品の流れだけしかないので、単行路エレメントの混合作用は、2行路または3行路搬送エレメントと比較して同様に低い。
【0024】
当業者は、さらに、公知の単行路スクリュエレメントは、それらの広い頂部がもたらす部分的充填領域における非常に高いエネルギー入力を有することを知っている。これは、製品の品質に有害である。このため、公知の単行路スクリュエレメントは、滅多に使用されない。
【0025】
直接自己払拭スクリュ形状は、2軸スクリュエクストルーダには直接挿入できず、スクリュエレメントとバレルとの間、および/または、スクリュエレメント同士の間にクリアランスが必要であることが、当業者には知られている。当業者は、例えば非特許文献1に説明されている公知の方法を使用して、完全自己払拭スクリュの外形に基づいて、実施するスクリュ形状のための幾何学データを得る。搬送エレメントのための様々な可能な戦略が、非特許文献1の28頁以降に記載されている。長手方向断面または3次元オフセット法を使用するとき、例えば非特許文献1の100頁に説明されているように、実際に製造されたスクリュの頂角KWA0は、角度KW0に対して減少している。スクリュの間の大きなクリアランスは、特に、KWA0の減少をもたらす。しかしながら、頂角を減少させるスクリュの間の大きなクリアランスは、スクリュの相互自己清掃作用を低減し、スクリュエレメントの表面での滞留時間を長くして局所的な製品のダメージを生じて製品の品質を損なうので好ましくない。また、クリアランスの拡大は、搬送作用および圧力形成に関してスクリュエレメントの効率に悪影響があり、もしも所定の作業目的が達成されるなら、過剰に大きなクリアランスは選択されない。
【0026】
特許文献2は、単行路密接咬合自己清掃共回転スクリュ形状を示す。そのようなスクリュ形状は、頂部領域が咬合領域をシールし、それによって、このスクリュ形状に基づく搬送エレメント高い圧力形成能力を有するという利点を有する。そのようなスクリュ形状は、頂部領域が非常に大きく、それによって、加圧すべき粘性流体が望まない熱および機械的ストレスを受けるという欠点がある。
【0027】
特許文献3および特許文献4は、偏芯3行路密密接咬合自己清掃共回転スクリュ形状を示す。偏芯は、常に1つの頂部だけがバレルを掻き取るようなものである。そのようなスクリュ形状は、咬合領域がシールされず、それによって、そのようなスクリュ形状に基づく搬送エレメントの圧力形成能力が低いという欠点を有する。
【0028】
特許文献5は、3つの頂部の頂角が異なる大きさである3行路自己清掃スクリュ形状を記載する。最も大きい頂角を有する頂部だけがバレルに当接する。その湯同スクリュ形状は、咬合領域がシールされず、それによって、そのようなスクリュ形状に基づく搬送エレメントの圧力形成能力が低いという欠点を有する。
【0029】
特許文献6は、とりわけ、2つの頂部領域がバレルを擦り取り、2つの溝領域の間に位置する側腹領域のバレルからの距離が行路深さの半分以下である密接咬合自己清掃共回転スクリュ形状を示す。そのようなスクリュ形状は、前記側腹領域のバレルからの距離が非常に小さく、前記側腹領域が流れを阻害し、そのような形状に基づく搬送エレメントの圧力形成を抑制するという欠点を有する。
【0030】
従来の共回転2軸スクリュエクストルーダおよび多軸スクリュエクストルーダにおける圧力形成および溶融物搬送は、低いエクストルーダ効率のために、製品の加熱および製品の品質を損なう熱的ストレスを与えることが付随する。
【0031】
ポリエチレンおよびポリエチレン共重合体の押し出しに際し、過度に高い温度が分子量の増加、分岐および架橋を引き起こす。ポリエチレンおよびポリエチレン共重合体は、さらに、当業者に知られた自動酸化サイクル(非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)において、周囲の酸素と反応し、強い臭気、並びに、例えばケトン、アルデヒド、カルボン酸、ヒドロペルオキシド、エステル、ラクトンおよびアルコールのような分裂した低分子成分を形成する。
【0032】
ポリエチレンおよび酢酸ビニルベースの共重合体の押し出しの際、過剰な高温は、さらに、強い匂いと腐食性酢酸とをもたらす。
【0033】
ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体の押し出しの際、高温は、分子量の減少をもたらす。ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体は、さらに、自動酸化サイクルにおいて周囲の酸素と反応し、強い匂いと、例えば、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、ヒドロペルオキシド、エステル、ラクトンおよびアルコールのような分裂した低分子成分を形成する。
【0034】
ポリ塩化ビニルの押し出しの際、過剰に高い温度は、ポリ塩化ビニルの変色、および、塩酸がさらなる塩酸の除去を触媒する腐食性塩酸ガスの除去をもたらす。
【0035】
ポリスチレンの押し出しの際、過剰に高い温度は、分子量が減少した、機械的特性において機能しない有害なスチレン並びに二量体および三量体スチレンの形成をもたらす。
【0036】
ポリスチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)の押し出しの際、製品は、熱的ストレスに晒されて黄色味を帯びた色に変わり、透明性が減少し、分子量が減少し、機械的特性において機能しない発ガン性のある単量体アクリロニトリルおよびスチレンの形成をもたらす。
【0037】
芳香族ポリカーボネートの押し出しの際、製品は、過剰な熱的ストレスに晒されて、特に、酸素の作用により、透明性の減少をもたらす黄色味を帯びた色に変わり、特に水の作用により、分子量の減少を呈する。例えばビスフェノールAのような単分子体は、高温に晒されることによっても分離する。
【0038】
例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートおよびポリラクチドのようなポリエステルの押し出しの際、過剰に高い温度および水の作用は、分子量の減少および分子の末端基の置換をもたらす。これは、ポリエチレンテレフタレートのリサイクルの際に、特に問題である。ポリエチレンテレフタレートは、高温において、例えば飲料ボトルの中身の香りを変化させるかもしれないアセトアルデヒドを排出する。
【0039】
ジエンゴム、特にブタジエンゴムによる耐衝撃性改質熱可塑性プラスチック、特にポリスチレンの耐衝撃性改質品(HIPS)および耐衝撃性改質SAN(アクロニトリルブタジレンスチレン、ABS)の押し出しの際、過剰に高い温度は、発ガン性ブタジエンおよび有毒なビニルシクロヘキセンの分離をもたらす。さらに、ジエンゴムの架橋は、製品の機械的特性の低下をもたらす。
【0040】
ポリオキシメチレンの押し出しの際、過剰に高い温度は、有毒なホルムアルデヒドの分離をもたらす。
【0041】
ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド4,6、ポリアミド11およびポリアミド12のようなポリアミドの押し出しの際、過剰に高い温度は、製品の脱色および分子量減少をもたらし、単量体および二量体の変成をもたらし、特に、水の存在下で機械的特性の低下をもたらす。
【0042】
ポリウレタン熱可塑性プラスチックの押し出しに際し、過剰に高い温度は、トランスウレタン化による分子構造の変化、および、水の存在下における分子量の減少をもたらす。これらの両方は、熱可塑性ポリウレタンの特性に悪影響を与える。
【0043】
ポリメチルメタクリレートの押し出しに際し、リメチルメタクリレートは、過剰な熱的ストレスに晒されて、分離され、分子量が減少し、不快な匂いおよび機械的特性の低下をもたらす。
【0044】
硫化ポリフェニレンの押し出しに際し、過剰に高い温度は、不快な匂いをもたらし、押し出しダイの腐食をもたらすかもしれない含硫有機物および無機化合物の分離をもたらす。低分子量オリゴマーおよび単量体も形成されて分子量が減少し、硫化ポリフェニレンの機械的特性を低下させる。
【0045】
ポリフェニルサルホンの押し出しに際し、過剰に高い温度は、特に水の存在下における有機化合物の分離をもたらす。分離量も減少し、機械的特性が低下する。
【0046】
ポリフェニレンエーテルの押し出しにおいて、過剰に高い温度は、低分子有機化合物の分離をもたらし、分子量が減少する。これは、製品の機械的特性の低下をもたらす。
【0047】
例えば、ポリブタジエン(BR)天然ゴム(NR)および、合成ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)クロロブチルゴム(CIIR)、ブロモブチルゴム(BIIR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリクロロプレン(CR)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)部分水素化アクリロニトリルゴム(HNBR)およびエチレンプロピレンジエン共重合体(EPDM)のようなジエンゴムの押し出しに際し、過剰に高い温度は、架橋によるゲル化をもたらし、それにより製造された部品の機械的特性を低下させる。クロモブチルゴムおよびブロモブチルゴムの場合、高い温度は、塩酸または臭化水素酸腐食性ガスをもたらして、高分子のさらなる分解を触媒するかもしれない。
【0048】
硫黄または過酸化物のような加硫剤を含むゴム化合物の押し出しに際し、過剰に高い温度は、早すぎる硫化をもたらす。これは、それらのゴム化合物からそれ以上何も製造できないという結果をもたらす。
【0049】
1以上の高分子の混合物の過剰に高い温度での押し出しに際し、個々の高分子の押し出しの欠点がそれぞれの場合に生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】独国特許発明第862668号明細書
【特許文献2】独国特許発明第813154号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第4131371号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第3412258号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第4239220号明細書
【特許文献6】欧州特許第2131号明細書
【非特許文献】
【0051】
【非特許文献1】コールグルーバー(Kohlgruber)、「共回転2軸エクストルーダ(Der gleichlaufige Doppelschneckenextruder)」、ハンサー出版、ミュンヘン、2007年
【非特許文献2】ヘッパール(Hepperle, J.)、「高分子の損傷メカニズム(Schadigungsmechanismen bei Polymeren )」、「高分子コンピューティング(Polymeraufbereitung)」、VDI−K、VDI−フェルラーク社(VDI-K, VDI-Verlag GmbH)、2002年
【非特許文献3】ツヴァイフェル(Zweifel, H.)、「高分子材料の安定化(Stabilization of Polymeric Materials)」、シュプリンガー社、ベルリン、1997年
【非特許文献4】シュヴァルツェンバッハ(Schwarzenbach, K.)ら、「抗酸化物質(Antioxidants)」、ツヴァイフェル(Zweifel, H.)編、「プラスチック添加物ハンドブック(Plastics Additives Handbook)」、ハンサー出版、ミュンヘン、2001年
【非特許文献5】チェン(Cheng, H.N.)・シリング(Schilling, F.C.)・ボベイ(Bovey, F.A.)、「ポリエチレン酸化の13C核磁気共鳴観察(13C Nuclear Magnetic Resonance Observation of the Oxidation of Polyethylene)」、「高分子(Macromolecules)9」、1976年、p.363−365
【非特許文献6】「多様なポリエチレン製造技術の比較分析」「化学と石油工学(Chem. & Petroleum Eng.)」、44巻、7−8号、2008年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0052】
このため、特に高分子溶融物および高分子溶融物の混合物のようなプラスチック化合物、特に溶融物の搬送、混練および/または混合のための、押し出し処理を提供するという課題が生じる。全ての熱可塑性プラスチックおよびエラストマは、特に好ましくは、できるだけ効率のよい、つまり、低いエネルギー入力しか要求せず、高い圧力形成が保証され、プラスチック組成物が優しく取り扱われるポリカーボネートおよびポリカーボネート混合物である。顕著な課題は、比較的長い滞留時間と組み合わされた高い温度を防止するポリカーボネートの押し出し処理を提供することにあった。
【課題を解決するための手段】
【0053】
驚くべきことに、対になって共回転し、且つ、対になって完全に自己払拭するスクリュを備えるスクリュエレメントを使用したときに、低いエネルギー入力で、高い圧力形成および良好な搬送作用を両立し、成功裡にプラスチック組成物を押し出しできることが発見された。それは、形成スクリュおよび被形成スクリュの形状が、シール領域−遷移領域−流路領域−遷移領域の順番を含み、前記シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番であり、前記流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番であり、前記遷移領域は、側腹領域に始まり側腹領域に終わるスクリュ形状領域の順番であることを特徴とする。
【0054】
したがって、本発明は、形成スクリュおよび被形成スクリュの形状が、シール領域−遷移領域−流路領域−遷移領域の順番を含み、前記シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番であり、前記流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番であり、前記遷移領域は、側腹領域に始まり側腹領域に終わるスクリュ形状領域であることを特徴とする、対になって共回転し、且つ、対になって完全に自己払拭するスクリュを備えるスクリュエレメントを使用する2軸または多軸スクリュエクストルーダにおけるプラスチック組成物の押し出しプロセスを提供する。
【0055】
シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番をとると理解される。流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番をとると理解される。遷移領域は、側腹領域に始まり側腹領域に終わるスクリュ形状領域であると理解される。
【0056】
本発明によると、好ましくは、使用すべきスクリュエレメントのシール領域は、
−前記スクリュ形状の回転中心から見て、前記側腹領域が、2つのバレル交点の間の開口角の半分以上の角度δ_fb1を有し(δ_fb1≧arccos(0.5*a/ra)))、好ましくは、角度δ_fb1は、前記2つのバレル交点の開口角以上であり(δ_fb1≧2*arccos(0.5*a/ra)))、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、1つの前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_kb1を有し(δ_kb1≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、角度δ_kb1は、2行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下であり(δ_kb1≧π/2−2*arccos(0.5*a/ra))、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、他の前記頂部領域は、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_kb2を有し(δ_kb2≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、角度δ_kb2は、2行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下である(δ_kb2≧π/2−2*arccos(0.5*a/ra))、ことを特徴とする。
【0057】
シール領域の頂部領域および側腹領域の角度δ_kb1,δ_kb2およびδ_fb1の合計は、好ましくは、0.75*δ_gzから2*δ_gb+δ_gzまでの範囲である。1つの好ましい実施形態において、シール領域の頂部領域および側腹領域の角度δ_kb1,δ_kb12およびδ_fb1の合計は、δ_gzからδ_gb+δ_gzまでの範囲である。
【0058】
本発明によると、好ましくは、使用すべきスクリュエレメントのシール領域は、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、前記側腹領域が、2つのバレル交点の間の開口角の半分以上の角度δ_fb2を有し(δ_fb2≧arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、前記角度δ_fb2は、前記2つのバレル交点の開口角以上であり(δ_fb2≧2*arccos(0.5*a/ra)))、前記側腹領域から前記バレル交点までの距離は、行路深さhの半分よりも大きく、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、1つの前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_nb1を有し(δ_nb1≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、前記角度δ_nb1は、2行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下であり(δ_nb1≧π/2−2*arccos(0.5*a/ra))、
−前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、他の前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_nb2を有する(δ_nb2≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、好ましくは、前記角度δ_nb2は、2行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下である(δ_nb2≧π/2−2*arccos(0.5*a/ra))、ことを特徴とする。
【0059】
流路領域の頂部領域および側腹領域の角度δ_nb1,δ_nb12およびδ_fb2の合計は、好ましくは、0.75*δ_gzから2*δ_gb+δ_gzまでの範囲である。1つの好ましい実施形態において、シール領域の頂部領域および側腹領域の角度δ_nb1,δ_nb12およびδ_fb2の合計は、δ_gzからδ_gb+δ_gzまでの範囲である。
【0060】
遷移領域は、側腹領域に始まり、側腹領域に終わることを特徴とする。遷移領域は、好ましくは、側腹領域−頂部領域−側腹領域の順番、側腹領域−溝領域−側腹領域の順番、側腹領域−頂部領域−側腹領域−溝領域−側腹領域の順番、または、側腹領域−溝領域−側腹領域−頂部領域の順番からなる。特に好ましい1つの実施形態において、遷移領域は、1つの側腹領域からなる。この場合、遷移領域は、この1つの前記側腹領域に始まり、この1つの前記側腹領域に終わる。
【0061】
スクリュエレメントは、ここでは、スクリュエレメントとコアシャフトを備えるスクリュ構成の従来のモジュール構造に限定せず、一体構造のスクリュも含む。このため、「スクリュエレメント」という用語は、一体構造のスクリュも意味する。
【0062】
本発明によれば、使用するスクリュエレメントは、搬送エレメント、混練エレメントおよび/または混合エレメントとして使用してもよい。
【0063】
搬送エレメントは、スクリュ形状が軸方向に螺旋状に連続して回転および延伸すること(例えば非特許文献1の227−248頁参照)を特徴とするものとして知られている。搬送エレメントは、右側または左側の行路を有してもよい。搬送エレメントのピッチは、好ましくは、中心線距離の0.1倍から10倍の範囲であり、ピッチとは、スクリュ形状の完全な1回転のために必要な軸方向の長さを意味し、搬送エレメントの軸方向の長さは、好ましくは、中心線間隔の0.1倍から10倍の範囲である。
【0064】
混練エレメントは、スクリュ形状が、軸方向に不連続に延伸する混練ディスクの形態であること(例えば非特許文献1の227−248頁参照)を特徴とするものとして知られている。混練ディスクは、右側または左側或いは中立に配置されてもよい。混練ディスクの軸方向の長さは、好ましくは、中心線距離の0.05倍から10倍の範囲である。2つの隣接する混練ディスクの間の軸方向の距離は、好ましくは、中心距離の0.002倍から0.1倍の範囲である。
【0065】
公知であるように、混合エレメントは、スクリュ頂部に開口を備える搬送エレメントを構成することによって形成される(例えば非特許文献1の227−248頁参照)。混合エレメントは、右側でも左側でもよい。それらのピッチは、好ましくは、中心線距離の0.1倍から10倍の範囲であり、エレメントの軸方向の長さは、好ましくは、中心線距離の0.1倍から10倍の範囲である。開口は、好ましくは、U型またはV型の溝の形態をとり、好ましくは、逆搬送するようにまたは軸方向に平行に配設される。
【0066】
直接自己払拭するスクリュ形状は、2軸スクリュエクストルーダには直接挿入できず、スクリュの間にクリアランスが必要であることが当業者には知られている。このために可能な多様な戦略は、非特許文献1の23頁以降に記載されている。本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状のために、スクリュ形状の直径に対して0.001から0.1の範囲の、好ましくは、0.002から0.05の範囲の、特に好ましくは、0.004から0.02の範囲のクリアランスが使用される。クリアランスは、当業者には知られているように、スクリュとバレルの間、および、スクリュとスクリュの間で異なる寸法または同じであってもよい。クリアランスは、一定であっても、所定限度内で変化してもよい。スクリュ形状をクリアランス内で変化させることも可能である。可能なクリアランス戦略は、非特許文献1の28頁以降に記載されている、すべてが当業者に知られた中心線距離の延長、長手方向断面オフセットおよび3次元オフセットの可能性である。中心線距離の延長の場合、比較的小さい径のスクリュ形状は、スクリュの間のクリアランスの大きさによりさらに離れて構成および距離を開けられる。長手方向断面オフセット法では、長手方向断面形状曲線(軸に平行)は、スクリュ−スクリュクリアランスの半分だけ内側に移動させられる。3次元オフセット法では、スクリュエレメントは、スクリュエレメントが互いに清掃し合う3次元曲線から、完全自己払拭形状の面に直角な方向に、スクリュ−スクリュクリアランスの半分だけサイズが減じられる。長手方向断面オフセット法および3次元オフセット法が好ましく、3次元オフセット法が特に好ましい。
【0067】
本発明は、さらに、プラスチック組成物、特に、高分子溶融物および高分子溶融物の混合物、とりわけ、熱可塑性プラスチックおよびエラストマ、特に好ましくは、ポリカーボネートおよびポリカーボネート混合物を製造する、多軸スクリュエクストルーダにおいて用いられることを特徴とするプロセスを提供する。本発明に係るスクリュエレメントは、好ましくは2軸スクリュエクストルーダに使用される。スクリュエレメントは、多軸スクリュエクストルーダ中に混練エレメントまたは搬送エレメントの形態で存在する。混練エレメントおよび搬送エレメントを1つのエクストルーダ内で組み合わせることも可能である。本発明に係るスクリュエレメントは、従来技術で知られた他のスクリュエレメントと組み合わせてもよい。
【0068】
本発明に係る新規なスクリュエレメントは、それらが従来技術により公知のスクリュエレメントの上述の欠点を呈しないことを特徴とする。特に、本発明に係るスクリュエレメントは、いずれの場合もバレルの咬合領域に位置する頂部領域によって咬合領域のシールを可能にし、それにより、そのようなスクリュ形状の搬送エレメントの圧力形成能力が高い。特に、本発明は、その頂部領域が小さく、それにより、製品が熱的ストレスおよび機械的ストレスに晒されることを最小化したスクリュエレメントを提供する。特に、本発明は、2つの溝領域の間に位置する側腹領域のバレルからの距離が行路深さの半分より大きく、それにより、流れ抵抗が低く保持される。特に、本発明は、多軸スクリュエクストルーダの全てのスクリュまたは2軸スクリュエクストルーダの2本のスクリュのために同一のスクリュ形状を有するスクリュエレメントを提供する。
【0069】
スクリュエレメントを製造するために好ましい材料は、鋼、特に窒化鋼および特殊鋼である。
【0070】
本発明によって高効率に押し出しされるであろうが、同時に製品の処理が穏やかであるプラスチック組成物は、例えば、懸濁液、ペースト、ガラス、セラミック組成物、溶融した状態の金属、プラスチック、プラスチック溶融物、高分子溶液、エラストマおよびゴム組成物である。
【0071】
好ましくはプラスチックおよび高分子溶液が、特に好ましくは熱可塑性高分子が使用される。好ましい熱可塑性プラスチックは、好ましくは、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリラクチド、ポリステル、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、フッ素重合体、特にポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルホン、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリイミド、ポリアクリル樹脂、特にポリ(メチル)メタクリル樹脂、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、スチレンポリマー、特にポリスチレン、スチレン共重合体、特にスチレンアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレンブロック共重合体、塩化ポリビニルの少なくとも1つである。列挙したプラスチックの混合物は、同様に好ましく使用され、当業者には2以上のプラスチックの組み合わせがあると理解される。特に優先されるものとして、ポリカーボネートおよびポリカーボネートを含む混合物が挙げられ、特に、相境界プロセスまたは溶融エステル交換プロセスを使用して得られるポリカーボネートが好適である。
【0072】
さらに好ましい供給材料は、ゴムである。好ましいゴムは、好ましくは、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ゴム、フロロプレンゴム、酢酸エチレンビニルゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、グッタペルカ、アクリルゴム、フッ化ゴム、シリコンゴム、硫化ゴム、クロロスルホニルポリエチレンゴムの少なくとも1つである。上記ゴムの2つ以上の組み合わせ、または、1つ以上のゴムと1以上のプラスチックの組み合わせが、当然に可能である。
【0073】
熱可塑性プラスチックおよびエラストマは、純粋体、或いは、特にグラスファイバのような充填剤および補強材との混合物、異なる高分子との混合物または従来の高分子添加剤との混合物の形態で使用されてもよい。
【0074】
1つの好ましい実施形態において、プラスチック組成物、特に高分子溶融物および高分子溶融物の混合物は、添加剤が混合されている。それらは、エクストルーダの中に固体、液体または溶液で供給されてもよく、高分子または全ての添加剤の少なくともいくらかは、エクストルーダに側部流れを介して供給されてもよい。
【0075】
添加剤は、高分子に多くの異なる特性を与える。それらは、例えば、着色剤、色素、加工助剤、充填剤、抗酸化剤、補強材、紫外線吸収剤および光安定剤、金属不活性剤、過酸化捕集剤、基礎安定剤、核形成剤、安定剤または抗酸化剤として作用するベンゾフランおよびインドリノン、モールド剥離剤、難燃剤、帯電防止剤、ダイ処理剤および溶融安定剤である。これらの例は、カーボンブラック、グラスファイバ、クレイ、マイカ、グラファイトファイバ、酸化チタン、カーボンファイバ、カーボンナノチューブ、イオン液および天然繊維である。
【0076】
本発明によるプロセスにおいて、エクストルーダは、想定される高分子の形態に応じた様々な製品が供給されてもよい。好ましい変形において、高分子に加えて、溶剤および選択的に残留単量体を含んだままの液体が供給される。高分子が反応および選択的に予備蒸発して得られる高分子の形態は、当業者には公知である。例えば、
−残留スチレンおよび場合によりエチルベンゼン、トルエン、キシレン、ブタノンまたは他の溶剤を含むポリスチレン、
−残留スチレン、残留アクリロニトリルおよび場合によりエチルベンゼン、トルエン、キシレン、ブタノンまたは他の溶剤を含むスチレン共重合体およびアクリロニトリル共重合体、
−ヘキサン、テクニカルヘキサン、プロパン、イソブタン、および、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1のような単量体溶剤を含む鎖状低密度ポリエチレンまたは鎖状高密度ポリエチレン、分岐ポリエチレン(懸濁を含むプロセスは、三井化学CXプロセス(ヘキサン)、バゼルのホスタレンプロセス(ヘキサン)、米国シェブロンフィリップス(イソブタン)、ベルギーボレアリスのボルスター(Borstar)プロセス(プロパン)、および、溶剤プロセス中で使用するヘキサンのDSMであり、これに関する詳細は、非特許文献6に記載されている)、
−クロロベンゼンおよび塩化メチレンの等の溶剤を含むポリカーボネート、
−単量体、つまり、メタクリル酸メチルを含むポリメチルメタクリル樹脂、である。
【0077】
本発明によるプロセスにおいて、エクストルーダは、例えば、粒子が供給されてもよい。この場合、本発明に係るエクストルーダは、とりわけ、変換および添加剤との混合のための溶融の機能を果たす。高分子が反応および選択的に予備蒸発または沈殿して得られる高分子の形態は、当業者には公知である。例えば、
−高分子が最終反応後に粉末形態で得られるポロプロピレン、
−気相プロセスまたはスラリープロセスからの高密度ポリスチレン、
−沈殿および選択的に乾燥後のアクリロニトリルブタジエンスチレンのようなエマルジョン高分子、である。
【0078】
合成の間、本発明による2軸または多軸スクリュエクストルーダは、特に脱気を含む役割に適する。顕著な利点は、ボトル材料からの再生ポリエチレンテレフタレートの直接合成の間に達せられる熱的ストレスに晒されることが最低限度の脱気を含む。
【0079】
本発明によるプロセスは、特に好ましくは、ポリカーボネートの製造および合成に使用される。それは、とりわけ、無色のポリカーボネートにおいて、黄色度(YI)によって測定されるポリカーボネートの色に関する利点を有する。本発明によるスクリュエレメントは、特に、脱気領域に用いられることが特に好ましい。
【0080】
本発明の目的のポリカーボネートは、ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートであり、ポリカーボネートは、直鎖または分岐の態様が知られている。
【0081】
本発明に使用する炭酸ポリエステルを含むポリカーボネートの好ましい製造方法は、公知の相境界プロセスおよび公知の溶融エステル交換プロセスである。
【0082】
使用する炭酸誘導体は、好ましくは、第1にはホスゲンであり、最後には炭酸ジフェニルである。ポリカーボネート製造のための触媒、溶剤、検査、反応条件等は、いずれの場合も、十分に説明され、十分に公知である。
【0083】
本発明に係る好ましいポリカーボネートにおいて、80%/molまで、好ましくは20%/molから50%/molまでの炭酸塩基は、芳香族ジカルボン酸エステル塩基によって置換されてもよい。分子鎖に取り込まれた炭酸の酸残留物および芳香族時カルボン酸の酸残留物の両方を含むそのようなポリカーボネートは、芳香族ポリエステルカーボネートとしてまさに定義されている。簡略化のために、それらは、本願において、「熱可塑性プラスチック、芳香族ポリカーボネート」という包括的用語に含まれる。
【0084】
本発明に係るプロセスは、特に、ポリカーボネートの製造に使用される。したがって、本発明は、本発明に係る押し出しプロセスを含む製造プロセスの少なくとも1つの行程を特徴とするポリカーボネートの製造プロセスも提供する。
【0085】
本発明に係るプロセスを使用するポリカーボネートの製造は、ジフェノール、炭酸誘導体、選択的に連鎖停止剤、および、選択的に分岐剤から公知の方で進行され、ポリエステルカーボネートの製造のために、具体的には、芳香族ポリカーボネートにおいて芳香族ジカルボン酸エステル構成単位に置換すべきカーボネート構成単位に応じて、炭酸誘導体のいくつかが芳香族カルボン酸またはジカルボン酸誘導体に置き換えられる。
【0086】
ポリカーボネートの製造の例として、スネル(Schnell)の「ポリカーボネートの化学と物理(Chemistry and Physics of Polycarbonates)」、「高分子評論(Polymer Reviews)」第9巻、インターサイエンス出版、ニューヨーク、ロンドン、シドニー、1964年が、ここに参照される。
【0087】
好ましくは本発明に係るプロセスに使用される熱可塑性プラスチック、芳香族ポリエステルカーボネートを含む熱可塑性ポリカーボネートは、12000から120000、好ましくは15000から80000、特に15000から60000の平均分子量MW(25℃のCH2Cl2および100mlあたり0.5gのCH2Cl2濃度における相対粘度の測定により定められる)を有する。
【0088】
ポリカーボネートの製造のための本発明に係るプロセスに好ましいジフェニルは、しばしば従来技術に記載されている。
【0089】
好ましいジフェニルは、例えば、ヒドロキノン、レゾルシノール、ジヒドロキシジフェニル、ビス−(ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)硫化物、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス−(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルホキシド、α,α’−ビス−(ヒドロキシフェニル)ジイソプロピルベンゼンおよびそれらのアルキル化物、環状アルキル化物および環状ハロゲン化物である。
【0090】
好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルエタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン(ビスフェノールM)、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,3−ビス−[2−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン、および、1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
【0091】
特に好ましジフェノールは、4,4’−ヒドロキシフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、および、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)である。
【0092】
これらおよび他の好ましいジヒドロキシアリール化合物は、例えば、DE−A3832396、FR−A1561518、スネルの「ポリカーボネートの化学と物理(Chemistry and Physics of Polycarbonates)」、28頁以下、102ページ以下、インターサイエンス出版、ニューヨーク、1964年、および、レグランドおよびベンドラー(D.G. Legrand, J.T. Bendler)の「(Handbook of Polycarbonate Science and Technology)」、マルセルデッカー社(Marcel Dekker)ニューヨーク、72頁以下に記載されている。
【0093】
コポリカーボネートの場合は2以上のジフェノールが使用されるのに、ホモポリカーボネートの場合は1つのジフェノールだけが使用される。合成に加えられる他の化学品および助剤の全てのように使用されるジフェノールは、明らかに、それらの合成、輸送および保管に由来する不純物が混入してもよいが、最も清浄な原材料を使用することが好ましい。
【0094】
溶融エステル交換に適するジヒドロキシアリール化合物との反応に好ましいジアリールカーボネートは、化学式1であり、
【0095】
【化1】
但し、
R,R’およびR”は、相互に独立して、または、別々に、水素、直鎖または分岐C1−C34アルキル、C7−C34アルキルアリールまたはC6−C34アリールを示し、Rは、さらに、−COOR'''(R'''は、水素、直鎖または分岐C1−C34アルキル、C7−C34アルキルアリールまたはC6−C34アリールを示す)であってもよい。
【0096】
好ましいジアリ−ルカーボネートは、例えば、ジフェニルカーボネート、メチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(メチルフェニル)カーボネート、4−エチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−エチルフェニル)カーボネート、4−n−プロピルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−プロピルフェニル)カーボネート、4−イソ−プロピルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−イソ−プロピルフェニル)カーボネート、4−n−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−ブチルフェニル)カーボネート、4−イソ−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−イソ−ブチルフェニル)カーボネート、4−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−tert−ブチルフェニル)カーボネート、4−n−ペンチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−ペンチルフェニル)カーボネート、4−n−ヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−ヘキシルフェニル)カーボネート、4−イソ−オクチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−イソ−オクチルフェノール)カーボネート、4−n−ノニルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−n−ノニルフェニル)カーボネート、4−シクロヘキシルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−シクロヘキシルフェニル)カーボネート、4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェニルフェニルカーボネート、ジ−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェニル]カーボネート、ビフェニル4−yl−フェニルカーボネート、ジ−(ビフェニル4−イル)カーボネート、4−(1−ナフチル)−フェニルフェニルカーボネート、4−(2−ナフチル)−フェニルフェニルカーボネート、ジ−[4−(1−ナフチル)−フェニル]カーボネート、ジ−[4−(2−ナフチル)フェニル]カーボネート、4−フェノキシフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−フェノキシフェニル)カーボネート、3−ペンタデシルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(3−ペンタデシルフェニル)カーボネート、4−トリチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−トリチルフェニル)カーボネート、メチルサリチル酸フェニルカーボネート、ジ−(サリチル酸メチル)カーボネート、サリチル酸エチルフェニルカーボネート、ジ−(サリチル酸エチル)カーボネート、n−サリチル酸プロピルフェニルカーボネート、ジ−(n−サリチル酸プロピル)カーボネート、イソ−サリチル酸プロピルフェニルカーボネート、ジ−(イソ−サリチル酸プロピル)カーボネート、n−サリチル酸ブチルフェニルカーボネート、ジ−(n−サリチル酸ブチル)カーボネート、イソ−サリチル酸ブチルフェニルカーボネート、ジ−(イソ−サリチル酸ブチル)カーボネート、tert−サリチル酸ブチルフェニルカーボネート、ジ−(tert−サリチル酸ブチル)カーボネート、ジ−(サリチル酸フェニル)カーボネート、および、ジ−(サリチル酸ベンジル)カーボネートである。
【0097】
特に好ましいジアリール化合物は、ジフェニルカーボネート、4−tert−ブチルフェニルフェニルカーボネート、ジ−(4−tert−ブチルフェニル)カーボネート、ビフェニル−4−イル)カーボネート、4−(1メチル−1−フェニルエチル)−フェニルカーボネート、ジ−[4−(1−メチル−1−フェニルエチル)−フェニル]カーボネート、および、ジ−(サリチル酸メチル)カーボネートである。
【0098】
ジフェニルカーボネートは、非常に好ましい。
【0099】
1つのジアリールカーボネートだけでなく、様々なジアリールカーボネートを使用してもよい。
【0100】
ジアリールカーボネートも、それらが製造時のモノヒドロキシアリール化合物の残留物を有していれば使用できる。モノヒドロキシアリール化合物の残留物は、20重量%まで、好ましくは、10重量%まで、特に好ましくは、5重量%まで、よりさらに好ましくは2重量%までの量であるかもしれない。
【0101】
ジヒドロキシアリール化合物に関し、ジアリールカーボネートが、ジヒドロキシアリール化合物のモル当たり、1.02から1.30mol、好ましくは1.04から1.25mol、特に好ましくは1.045から1.22mol、よりさらに好ましくは1.04から1.20molの量で通常使用される。ジアリールカーボネート混合物の全分子量に関する上述のジヒドロキシアリール化合物のモル当たりの分子量である場合に、上記ジアリールカーボネートの混合物を使用してもよい。
【0102】
例えば、フェノールまたはアルキルフェノール、特に、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、イソ-オクチルフェノール、クミルフェノール、それらのクロロギ酸エステル、モノカルボン酸の酸塩化物、または、それら連鎖停止剤の混合物のような、分子量の制御に必要な単官能基連鎖停止剤は、いずれも、合成の間の所望の時間に、ホスゲンまたはクロロギ酸末端基を提供する1または複数のビスフェノラートと反応させられ、或いは加えられ、連鎖停止剤としてクロロ酸塩およびクロロギ酸エステルが反応混合物中に存在するようにし、形成されている高分子が十分なフェノール末端基を利用できるようにする。しかしながら、好ましくは、連鎖停止剤は、ホスゲン化の後、ホスゲンがもはや存在しないが、触媒が未だ分散されていない場所および時間に加えられる。代案として、それらは、触媒の前、触媒と共に、または、平行して分散されてもよい。
【0103】
分岐剤または分岐剤混合物は、選択的に、同じ方法で合成に加えられる。しかしながら、従来、分岐剤は、連鎖停止剤の前に加えられる。トリスフェノール、クオターフェノール或いはトリまたはテトラカルボン酸の酸塩化物或いはポリへノースまたは酸塩化物の混合物が使用される。分岐剤として好ましい3以上のフェノール性水酸基を有する化合物のいくつかは、例えば、フロログルシノール、1,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−(4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシル)プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェノール、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)メタンである。
【0104】
他のいくつかの三官能基化合物は、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌル、および、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールである。
【0105】
好ましい分岐剤は、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−ジヒドロインドールおよび1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)エタンである。
【0106】
ポリカーボネートの相界面合成に好適に使用される触媒は、三級アミン、特に、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、N−エチルピペリジン、N−メチルピペリジン、N−i/n−プロピルピペリジン、テトラブチルアンモニウム、トリブチルベンジルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム水酸化物、塩化物、臭化物、硫酸水素化物、テトラフルオロホウ酸塩のような第四アンモニウム塩、および、アンモニウム化合物に対応するホスホニウム化合物である。典型的な相界面触媒として文献に記載されているこれらの化合物は、市場入手可能であり、当業者にはなじみ深いものである。触媒は、合成に、別に、合物として、或いは、平行してまたは連続して、選択的には、ホスゲン化の前にも、加えられてもよいが、それらは、好ましくはホスゲン化の後には分散され、オニウム化合物またはオニウム化合物の混合物が触媒として使用される。この場合、添加は、ホスゲンが分散される前に行うことが好ましい。1または複数の触媒は、溶剤なしに、不活性溶剤中に、好ましくは、ポリカーボネート合成溶剤中に分散してもよく、また、酸、好ましくは鉱酸、典型的には塩酸とそれらのアンモニウム塩であるtert−アミンの場合は、水溶液として分散してもよい。複数の触媒を使用するとき、または、触媒の総量が比例して分配されるとき、当然に、異なる場所または異なる時間で分散の異なる方法が使用されてもよい。触媒の総量は、導入されたビスフェノールのモル数に対して0.001から10モル%、好ましくは0.1から8モル%、特に好ましくは0.05から5モル%の量で使用される。
【0107】
ポリカーボネートの製造のための溶融エステル交換プロセスに使用されるであろう触媒は、例えばアルカリ金属、およびアルカリ土類金属水酸化物および酸化物、および/または、アンモニウム塩またはホスホニウム塩のようなオニウム塩のように、文献から公知の基本的触媒である。オニウム塩、好ましくはホスホニウム塩が、好ましくは合成に使用される。そのようなホスホニウム塩は、例えば、一般化学式2に表され、
【0108】
【化2】
但し、
R7−10は、同一または異なる、場合により置換されたC1−C10アルキル、C6−C14アリール、C7−C15アリールアルキル、または、C5−C6シクロアルキル残留物、好ましくはメチルまたはC6−C14アリール、特に好ましくは、メチルまたはフェニルを示し、
X−は、水酸化物、硫化物、硫酸水素塩、炭素水素塩、炭酸塩、ハロゲン化物、好ましくは塩化物、および、アルキル化物またはアリール化物、化学式で、OR11(R11は、選択的に、置換されたC6−C14アリール、C7−C15アリールアルキルまたはC7−C6シクロアルキル残留物、C1−C20アルキル好ましくはフェノールである)を示す。
【0109】
特に好ましい触媒は、塩化テトラフェニルホスホニウム、水酸化テトラフェニルホスホニウムおよびテトラフェニルホスホニウムフェノラートであり、テトラフェニルホスホニウムフェノラートが非常に好ましい。
【0110】
触媒は、ジヒドロキシアリール1molに対して、好ましくは、10−8から10−3molの量、特に好ましくは10−7から10−4molの量、で使用される。
【0111】
触媒は、選択的に、重縮合速度を増大させるために使用されてもよい。
【0112】
それらは、例えば、選択的に、リチウム、ナトリウム、およびポタジウムの置換されたC1−C10アルコキシドおよびC6−C14アリールオキシド水酸化物、好ましくは、選択的に、ナトリウムの置換されたC1−C10アルコキシドおよびC6−C14アリールオキシド水酸化物のような、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルカリ作用を有する塩類であってもよい。水酸化ナトリウム、ナトリウムフェノラートまたは2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンの二ナトリウム塩が好ましい。
【0113】
アルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンは、それらの塩の形態で導入され、例えば、原子吸光分光法によって測定されるアルカリ金属またはアルカリ土類金属イオンの量は、形成すべきポリカーボネートに対して、1から500ppb、好ましくは5kら300ppb、最も好ましくは5から200ppbの量である。しかしながら、本発明に係るプロセスの好ましい実施形態では、アルカリ金属塩は使用しない。
【0114】
ポリカーボネート合成は、連続的または不連続に行われてもよい。このため、反応は、撹拌タンク反応器、チューブ反応器、ポンプ循環反応器、または、撹拌タンク反応器の連続、或いは、それらの組み合わせにおいて進行する。ここで、上記混合エレメントの使用により、合成混合物が完全に反応するまで、含水性且つ有機性の相が可能なかぎり分離しないこと、つまり、ホスゲンまたはクロロギ酸エステルのけん化性塩素を含まないことを確実にしなければならない。
【0115】
ホスゲンを相界面プロセスに導入した後、選択的に分岐剤を加える前に、もし、分岐剤がビスフェノラート、連鎖停止剤および触媒と一緒に分散されなければ、しばらくの間じっくりと有機相と水相とを混合することが有利であるかもしれない。そのような反応後時間は、核分散の後に有効であるかもしれない。これらの反応後時間は、10秒から60分、好ましくは30秒から40分、特に好ましくは1分から15分である。
【0116】
有機相は、1つの溶剤または複数の溶剤の混合物からなってもよい。好ましい溶剤は、塩素化炭化水素(脂肪族および/または芳香族)、好ましくは、ジクロロメタン、トリクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタンおよびクロロベンゼンおよびそれらの混合物である。しかし、ベンゼン、トルエン、m/p/o−キシレンまたはアニソールのような芳香族エーテルなどの芳香族塩素化炭化水素は、単独で、塩素化炭化水素との混合物で、または、塩素化炭化水素に添加しても使用できる。ポリカーボネートを溶解しない溶剤を使用する合成の他の実施形態は、むしろそれを増大させるだけである。このため、溶剤と組み合わせてポリカーボネートに対する非溶剤をしようすることもできる。溶剤パートナーが第2の有機相を形成するのであれば、水相に溶解可能なテトラヒドラフラン、1,3/1,4−ジオキサンまたは1,3−ジオキソランのような溶剤を溶剤としてここで使用してもよい。
【0117】
完全に反応してもせいぜい微量(<2ppm)ではあるがクロロギ酸エステルを含んでいる少なくとも二層性反応混合物が、相分離したままになる。水性アルカリ相は、全体的または部分的に水相としてポリカーボネート合成に戻すことができ、或いは、溶剤および少量の触媒を分離および再循環する排水処理に送ってもよい。他の変形例において、一度有機性不純物、特に溶剤および高分子残留物が分離され、選択的に、例えば水酸化ナトリウムを加えることにより特定のpH値に調整した後、水相が必要であれば合成に戻される一方、例えば塩素アルカリ電気分解に送られ得る塩類が分離される。
【0118】
ポリカーボネートを含む有機相は、アルカリ、イオンまたは触媒の混入物が取り除かれてもよい。1以上の沈殿処理の後も、有機相は、ある割合の微細な水滴の水性アルカリ相および触媒、通常はtert−アミンを依然として含む。沈殿処理は、必要であれば沈殿タンク、撹拌タンク反応器、コアレッサーまたは分離器或いはそれらの組み合わせを通過する有機相によって補助してもよく、それぞれまたは個別の分離行程において能動的または受動的混合エレメントを使用する所定の状況で水を分散してもよい。
【0119】
このアルカリ、水相のコア分離の後、有機相は、1回以上希酸、鉱酸、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸および/またはスルホン酸で洗浄される。水性鉱酸が好ましく、特に塩酸、亜リン酸およびリン酸、または、それらの混合物が好ましい。これらの酸の濃度は、0.001から50重量%でなければならず、好ましくは0.01から5重量%である。
【0120】
有機相は、さらに、脱イオン蒸留水で繰り返し洗浄される。必要であれば水相が分散された有機相の分離は、個々の洗浄行程の後で、沈殿タンク、撹拌タンク反応器、コアレッサーまたは分離器、或いはそれらの組み合わせによって進行し、洗浄水が洗浄行程の間に必要に応じて能動的または受動的混合エレメントを使用して分散される。
【0121】
これらの洗浄行程の間、或いは、洗浄後にも、必要に応じて、酸が、好ましくは高分子溶液の基礎となる溶剤に溶解したものが加えられる。ここでは、必要に応じて混合物としても使用される塩化水素ガスおよびリン酸または亜リン酸が、好ましくは使用される。
【0122】
ポリエステルカーボネートの製造に適する芳香族ジカルボン酸は、例えば、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、tert−ブチルイソフタル酸、3,3’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,3’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2−2−ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパン、トリメチル−3−-フェニルインダン4,5’ジカルボン酸である。
【0123】
芳香族ジカルボン酸の、テレフタル酸および/またはイソフタル酸が特に好ましく使用される。
【0124】
ジカルボン酸誘導体は、ジカルボン酸ジハロゲン化物、ジカルボン酸ジアルキルエステル、特にジカルボン酸ジ塩化物およびジカルボン酸ジメチルエステルである。
【0125】
芳香族ジカルボン酸エステル基による炭酸基の置換は、反応物のモル比が完成したポリエステルカーボネートにおいても維持されるように、化学量的および定量的に進行する。芳香族ジカルボン酸エステル基の取り込みは、ランダムおよびブロック単位で進行するかもしれない。
【0126】
本発明のために、C1−C4アルキルは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを表す。さらに、C1−C6アルキルは、例えば、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、n−ヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピルまたは1−エチル−2−メチルプロピルを表す。さらに、C1−C10アルキルは、例えば、n−ヘプチルおよびn−オクチル、ピナシル、アダマンチル、イソメリックメンチル、n−ノニル、n−デシルを表す。さらに、C1−C34アルキルは、例えば、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシルまたはn−オクタデシルを現す。同じことが、対応するアルキル残留物、例えば、アラルキルまたはアルキルアリール内の、アルキルフェノールまたはアルキルカルボニル残留物に適用される。対応するヒドロキシアルキルまたはアラルキルまたはアルキルアリール中のアルキレン残留物は、例えば、前記アルキル残留物に対応するアルキレン残留物を表す。
【0127】
アリールは、6から36の炭素骨格原子を有する炭素環式芳香族残留物を表す。同じことが、アルキルアリール残留物として知られたアリールアルキル残留物の芳香族部分、および、例えばアリールカルボニル残留物のようなより複雑な官能基のアルキル要素に適用される。
【0128】
C6−C34アリールの例は、フェニル、O−,p−,m−トリル、フェナントレニル、アントラセニルまたはフルオレニルである。
【0129】
アリールアルキルまたはアラルキルは、上記定義によれば、それぞれの場合に独立して、上記定義によるアリール残留物によって一置換、多置換または全置換されるかもしれない直鎖、環状、分岐または非分岐アルキル残留物を意味する。
【0130】
上述の列挙は、非限定的例として参照されなければならない。
【0131】
本発明のために、ppbおよびppmは、明示する場合を除いて、重量割合を意味するものとして用いられなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0132】
本発明は、例示の方法ではあるがそれらに限定されない図を参照しながら以下に詳細に説明される。図28から33を除いて、全ての図は、コンピュータソフトウェアパッケージを利用して作成されている。
【図1a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図1b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図1c】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図1d】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図2a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図2b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図2c】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図2d】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図3a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図3b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図4a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図4b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図5】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図6a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図6b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図7】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図8a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図8b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図9】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図10a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図10b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図11a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図11b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図12a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図12b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図13a】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図13b】本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示す図である。
【図14a】本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す図である。
【図14b】本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す図である。
【図14c】本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す図である。
【図14d】本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す図である。
【図15a】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図15b】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図15c】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図15d】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図16a】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図16b】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図16c】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図16d】スクリュ形状の異なる配置を示す図である。
【図17a】本発明に使用される単行路搬送エレメントの対を例示する図である。
【図17b】本発明に使用される単行路混練エレメントの対を例示する図である。
【図18a】3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す図である。
【図18b】3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す図である。
【図18c】3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す図である。
【図18d】3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す図である。
【図19a】3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図19b】3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図19c】3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図19d】3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図20a】さらなる3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図20b】さらなる3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図20c】さらなる3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図20d】さらなる3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す図である。
【図21a】3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図21b】3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図21c】3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図22a】さらなる3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図22b】さらなる3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図22c】さらなる3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態示す図である。
【図23a】本発明に使用される3行路搬送エレメントの対を例示する図である。
【図23b】本発明に使用される3行路混練エレメントの対を例示する図である。
【図24a】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24b】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24c】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24d】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24e】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図24f】2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対への移行を示す図である。
【図25】本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の半分の断面を示す図である。
【図26】2つの穴を有する8の字型のスクリュバレルを示す図である。
【図27】本発明に使用されるスクリュ形状に関する角度δ_fb1,δ_fb2,δ_nb1,δ_2b2,δ_kb1,δ_kb2およびδ_gbを示す図である。
【図28】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図29】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図30】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図31】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図32】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【図33】2軸スクリュエクストルーダを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0133】
スクリュ形状およびエレメントを形成および説明するために、異なるエクストルーダサイズへの転用性を簡単にするように、無次元特性値が、好ましくは使用される。例えば長さまたは半径のような幾何学的変数の変更の適切な基準変数は、エクストルーダにおいて変更できない変数である中心線間隔である。無次元中心線間隔は、A=a/a=1である。スクリュ形の状無次元外側スクリュ半径は、RA=ra/aである。スクリュ形状の無次元コア半径は、RI=ri/aである。スクリュ形状の無次元行路深さは、H=h/a=RA−RIである。
【0134】
図において、全ての幾何学的変数は、無次元数を用いて表す。全ての角度は、ラジアンで表す。
【0135】
図25は、本発明に係るスクリュエレメントをスクリュ形状の断面の半分を示す。図の中央にxy座標が配置されて、その原点は、スクリュ形状の回転中心に位置する。スクリュ形状の円弧は、太い実線により記載され、それぞれの円弧の番号が与えられている。円弧の中心点は、小さい点によって図示されている。円弧の中心点は、関連する円弧の始点および終点と細い実線で接続されている。直線FPは、細い破線で図示されている。外側スクリュ半径RAは、細い細線により識別され、その数値が図の右下に有効数字4桁で示されている。図の右には、半径Rの隣に、角度αと、中心点のx座標Mxおよびy座標Myが、各円弧のためにそれぞれ有効数字4桁で記載されている。これらの詳細は、スクリュ形状を明確に定義する。スクリュ形状は、x軸に対して線対称であり、スクリュ形状全体は、x軸上に図示した半分を鏡写しにすることで得られる。
【0136】
外側スクリュ半径と等しいスクリュ形状の領域は、頂部領域として知られている。図25の例では、頂部領域は、外側スクリュ半径に接触する円弧3’のみである。それは、半径R_3’=0つまり、形状はこの位置で角を有する。円弧3’の中心点は、角に一致する。角の大きさは、角度α_3’(α_3’=0.8501)により定められ、つまり、円弧3から円光2’への変化が角度α_3’の回転によりもたらされる。換言すると、円弧3’の中心点における円弧3の接線は、円弧3’の中心点における円弧2’の接線と角度α_3’で交差する。しかしながら、円弧3’を考慮して、全ての隣接する円弧3→3’、3’→2’は、互いに結合する。
【0137】
スクリュ形状のコア径と等しい領域は、溝領域として知られる。図25の例では、溝領域は、円弧3の点Nだけである。点Nは、円光3の中心点M_3および回転中心を通る直線Gを描くことによって得られる。この直線Gは点Nにおいて円弧3と交差する。
【0138】
スクリュ形状の外側スクリュ半径より小さくコア半径より大きい領域は、側腹領域として知られる。図25の例では、円弧1、円弧2、円弧2’、円弧1’および点Nを除く円弧3がある。これに関し、次の領域の順番が、円弧1’で始まり、円弧1で終わる図示した形状のために読み取られるであろう:側腹−側腹−頂部−側腹−溝−側腹−側腹−側腹。形状に軸対称性により、領域は、x軸について鏡写しにコピーされ、本発明に係る順番を有する完全な形状を与える。
【0139】
本発明によれば、図示した形状は、順番A−U−K−Uを有する。但し、Aはシール領域、Uは遷移領域、Kは流路領域を表す。シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番を有する。流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番を有する。遷移領域は、側腹領域を有する。
【0140】
シール領域は、スクリュ形状が側腹領域から頂部領域への移行部に角を含むことを特徴とする。この図のスクリュ形状は、さらに、シール領域から遷移領域への移行部が角を含むことを特徴とする。無次元外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域の無次元距離は、0.1001であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0141】
さらに、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントは、以下に示される。明確化のために、領域(側腹領域、頂部領域、溝領域、シール領域、流路領域、遷移領域)は図には記載しない。しかしながら、図は、領域を決定するための原則を用いた詳細の全てを含む。加えて、2つのバレル交点の間の開口角度と、頂角とが、図の記載に基づいて簡単に算出され得る。
【0142】
図1から13は、それぞれの場合について、本発明に使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の半分の断面を示す。これらの図は、すべて、以下に詳細に説明する同じ構造を有する。図の中程には、xy座標が配置されており、その原点は、スクリュ形状の回転中心である。スクリュ形状の円弧は、太い実線で記載され、それぞれ円弧の番号が与えられている。円弧の中心は、小さい点で図示されている。円弧の中心は、細い実線で関連する円弧の始点および終点に接続されている。直線FPは、細い破線で図示されている。外側スクリュ半径RAは、細い細線により識別され、その数値が図の右下に有効数字4桁で示されている。図の右には、半径Rの隣に、角度αと、中心点のx座標Mxおよびy座標Myが、各円弧のためにそれぞれ有効数字4桁で記載されている。これらの詳細は、スクリュ形状を明確に定義する。スクリュ形状は、それぞれの場合について、x軸に対して線対称であり、スクリュ形状全体は、x軸上に図示した半分を鏡写しにすることで得られる。
【0143】
スクリュ形状の半分に合計2つの円弧を含むスクリュ形状は、これ以降、2円スクリュ形状と呼ぶ。スクリュ形状の半分に合計4つの円弧を含むスクリュ形状は、これ以降、4円スクリュ形状と呼ぶ。スクリュ形状の半分に合計6つの円弧を含むスクリュ形状は、これ以降、6円スクリュ形状と呼ぶ。スクリュ形状の半分に合計8つの円弧を含むスクリュ形状は、これ以降、8円スクリュ形状と呼ぶ。
【0144】
図1:
図1aから1dは、それぞれの場合の、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分を示し、その形状は、それぞれ、8つの円弧からなる。図1aから1dにおいて、それぞれ、無次元外側スクリュ半径はRA=0.58である。図1aから1dにおいて、それぞれ、無次元行路深さはH=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学変数は、図から得られる。図1aから1dのスクリュ形状の特徴は、シール領域が1から4の円弧を含み、そこでは、側腹領域が円弧1を含み、頂部領域が円弧2から4を含み、円弧2および4の無次元半径がそれぞれ0に等しく、円弧3の無次元半径が外側スクリュ半径の無次元半径RAに等しく、頂部領域の円弧が無次元外側スクリュ半径RAに一致して延伸し、これにより、咬合領域の線状のシールが得られる。これらのスクリュ形状のさらなる特徴は、遷移領域が無次元中心線距離Aと等しい無次元半径の円弧4’を含むことである。これらのスクリュ形状は、さらに、流路領域が円弧1’,3’を含み、その側腹領域が円弧1’および2’を含むこと、および、溝領域が円弧3’を含み、その円弧2’の無次元半径が無次元中心距離Aと等しく、その円弧3’の無次元コア半径RIと等しく、溝領域の円弧が無次元コア半径の上に完全に一致することを特徴とする。図1aから1dにおいて、シール領域は、それぞれの場合にスクリュ形状が側腹領域から頂部領域への移行部に角を有することを特徴とする。加えて、これらの図のスクリュ形状は、それぞれの場合にシール領域から遷移領域への移行部が角を有することを特徴とする。図1dは、無次元外側スクリュ半径RAから流路領域の側腹領域までの距離が最も小さい。図1dにおいて、前記距離は、0.0801までであり、よって、無次元行路深さの半分H/2=0.08より大きい。
【0145】
図1aから1dより、シール領域の頂部領域の大きさを調節してもよいことが明らかである。さらに、これらの図から、シール領域の側腹領域の外側スクリュ半径からの距離を調節してもよいことが明らかである。
【0146】
図1bおよび1cは、さらに、円弧1の始点の位置および円弧1’の終点の位置が、それぞれの場合で同一であることを特徴とする。図1bまたは図1cをx軸で鏡写しにすること、および、図1bのスクリュ形状と鏡写しにした図1cのスクリュ形状とを、或いは、図1cのスクリュ形状と鏡写しにした図1bのスクリュ形状とを繋ぎ合わせることは、シール領域の頂部領域が異なる大きさである本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状を形成する。
【0147】
図2:
図2aから2dは、それぞれ8つの円弧からなる本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分をそれぞれの場合について示す。図2aから2dにおいて、無次元外側スクリュ半径はRA=0.55からRA=0.67まで変化する。図2aから2dにおいて、無次元行路深さは、H=0.10からH=0.34まで変化する。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学変数は、図から得られるであろう。図2aから2dの特徴は、シール領域が円弧1から4を含み、その円弧2および4の無次元半径はそれぞれ0と等しく、円弧3の無次元半径が無次元外側スクリュ半径RAと等しく、頂部領域の円弧が完全に無次元外側スクリュ半径RAの上に位置し、それにより咬合領域の線状のシールが得られることである。これらのスクリュ形状のさらなる特徴は、遷移領域が、無次元中心線間隔Aと等しい無次元半径の円弧4’を含むことである。これらのスクリュ形状は、さらに、流路領域が円弧1’から3’を含み、その側腹領域が円弧1’および2’を含み、溝領域が円弧3’を含み、円弧2’の無次元半径が無次元中心距離と等しく、円弧3’の無次元半径が無次元コア半径RIと等しく、溝領域の円弧が完全に無次元コア半径RIの上に位置することを特徴とする。
【0148】
図2aから2dにおいて、シール領域は、それぞれの場合に、スクリュ形状が側腹領域から頂部領域への移行部に角を有することを特徴とする。加えて、これらの図のスクリュ形状は、それぞれの場合に、シール領域から遷移領域への移行部が角を有することを特徴とする。図2dは、流路領域の側腹領域までの無次元外側スクリュ半径RAからの無次元距離が最も小さい。図2dにおいて、前記距離は、0.06であり、よって無次元行路深さの半分H/2=0.05よりも大きい。
【0149】
図3:
図3aおよび図3bは、それぞれ8つの円弧からなる本発明に使用されるスクリュエレメントの好ましいスクリュ形状の半分をそれぞれ示す。図3aおよび3bにおいて、無次元外側スクリュ半径は、それぞれRA=0.58である。図3aから3dにおいて、無次元行路深さは、それぞれH=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。図3aおよび3bのスクリュ形状の特徴は、シール領域が円弧1から4を含み、その側腹領域が円弧1および2を含み、頂部領域が円弧3および4を含み、円弧3の無次元半径が無次元外側スクリュ半径RAに等しく、円弧4の無次元半径が0に等しく、頂部領域の円弧が完全に無次元外側スクリュ半径RA上に位置し、それにより咬合領域の線状のシールが得られることである。これらのスクリュ形状のさらなる特徴は、遷移領域が、無次元半径が無次元中心距離Aに等しい円弧4’を含むことである。これらのスクリュ形状は、さらに、流路領域が円弧1’から3’を含み、その側腹領域が円弧1’および2’を含み、溝領域が円弧3’を含み、円弧3’の無次元半径が無次元コア半径RIと等しく、溝領域の円弧が完全に無次元コア半径RIの上に位置することである。図3aおよび3bにおいて、シール領域は、スクリュ形状がそれぞれ側腹領域から頂部領域への移行部に角を有しないことを特徴とする。加えて、これらの図のスクリュ形状は、シール領域から側腹領域への移行部がそれぞれ角を有することを特徴とする。図3bは、流路領域の側腹領域までの無次元外側スクリュ半径RAからの距離が最も小さい。図3bにおいて、前記距離は、0.0924であり、このため、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0150】
図4:
図4および4bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ8つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。図4aおよび4bにおいて、無次元外側スクリュ半径は、それぞれRA=0.58である。図4aから4dにおいて、無次元行路深さは、それぞれH=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。図4aおよび4bのスクリュ形状の特徴は、シール領域が円弧1から3を含み、その側腹領域が円弧1および2を含み、頂部領域が円弧3を含み、円弧3の無次元半径が無次元外側スクリュ半径RAに等しく、頂部領域の円弧が完全に無次元外側スクリュ半径RA上に位置し、それにより咬合領域の線状のシールが得られることである。遷移領域が円弧4および4’を含むこともこれらのスクリュ形状の特徴である。これらのスクリュ形状は、さらに、流路領域が円弧1’から3’を含み、その側腹領域が円弧1’および2’を含み、溝領域が円弧3’を含み、円弧3’の無次元半径は、無次元コア半径RIに等しく、溝領域の円弧が完全に無次元コア半径RIの上に位置することを特徴とする。図4aおよび4bにおいて、シール領域は、それぞれのスクリュ形状が側腹領域から頂部領域への移行部に角を有しないことを特徴とする。加えて、これらの図のスクリュ形状は、シール領域から遷移領域への移行部にそれぞれ角を有しないことを特徴とする。流路領域の側腹流域の無次元外側スクリュ半径RAからの最も小さい無次元距離は、図4aおよび4bにおける大きさと等しい。前記距離は、0.0924であり、このため無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0151】
図3a,3b,4aおよび4bのスクリュ形状に加えて、当業者が知っているように、円弧2の半径が0に等しく、円弧4の半径が0より大きいスクリュ形状を形成することもできる。このように、スクリュ形状の側腹領域から頂部領域までのシール領域が角を有し、スクリュ形状のシール領域から遷移領域までの移行部が角を有しないことを特徴とするスクリュ形状が得られる。
【0152】
図1から4は、咬合領域の線状のシールをするスクリュエレメントのスクリュ形状を示す。図から明らかなように、線状のシールの長さは、円弧のパラメータの選択によって調節してもよい。さらに、スクリュ形状の頂部領域と側腹領域との間またはシール領域と遷移領域との間の移行部を、角を有するようにも角を有しないようにも形成できる。
【0153】
以下の図は、咬合領域の点状にシールするスクリュエレメントのスクリュ形状を示す。ここでは、スクリュ形状の頂部領域と側腹領域との間またはシール領域と遷移領域との間の移行部も、角を有するようにも角を有しないようにも形成できる。
【0154】
図5:
図5は、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントの6つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。図5において、無次元外側スクリュ半径はRA=0.58である。図5において、無次元行路深さは、H=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。スクリュ形状は、図25に示したものと同一である。円弧3’の半径は0に等しい。円弧3’は、外側スクリュ半径RAの上に位置し、シール領域の先端領域を形成する。咬合領域は、点状にシールが設けられ、スクリュ形状がシール点において角を有する。流路領域は、円弧2の半径が0に等しいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有する。図5において、流路領域の側腹領域までの外側スクリュ半径RAまでの最も小さい無次元距離は、0.1001であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0155】
図6:
図6aから6bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ6つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.58である。図6aおよび6bにおいて、無次元行路深さは、H=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。両方の図において、図6aおよび6bのスクリュ形状の特徴は、円弧3’の半径が、一点でスクリュ半径RAに接することである。接点は、シール領域の頂部領域を形成する。咬合領域は、点状のシールが提供され、そこでは、スクリュ形状がシール点に角を有しない。接線は円弧3’を2つの部分に分割する。一方の部分は、円弧1’および2’と共にシール領域に属する。他方の部分は、円弧3の一部と共に遷移領域に属する。流路領域は、円弧2の半径が0に等しいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有する。図6aおよび6bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1448または0.1166であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0156】
図7:
図7は、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ6つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.58である。図7において、無次元行路深さは、H=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。咬合領域は、図5と同様に、円弧3’によってシールされている。図7の流路領域は、図5と比較して、円弧2の半径が0より大きいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有しない。図7において、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、0.1194であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0157】
図8:
図8aから8bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ6つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.58である。図8aおよび8bにおいて、無次元行路深さは、H=0.16である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。咬合領域は、図6と同様に、一点で外側スクリュ半径RAに接する円弧3’によってシールされている。図6と比較すると、図8の流路領域は、円弧2の半径が0より大きいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有しない。図8aおよび8bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1531または0.1252であり、無次元行路深さの半分H/2=0.08よりも大きい。
【0158】
図9:
図9は、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ4つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.63である。図9において、無次元行路深さは、H=0.26である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。円弧2’の半径は0に等しい。円弧2’は、外側スクリュ半径RAの上に位置し、シール領域の頂部領域を形成する。咬合領域は、点状のシールが提供され、スクリュ形状はシール点に角を有する。流路領域は、円弧1の半径が0に等しいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有する。図9において、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、0.1473であり、無次元行路深さの半分H/2=0.13よりも大きい。
【0159】
図10:
図10aから10bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ4つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.63である。図10aおよび10bにおいて、無次元行路深さは、H=0.26である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。咬合領域は、図9と同様に、一点で外側スクリュ半径RAに接する円弧2’によってシールされている。図9と比較すると、図10の流路領域は、円弧1の半径が0より大きいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有しない。図10aおよび10bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1650または0.1888であり、無次元行路深さの半分H/2=0.13よりも大きい。
【0160】
図11aから11bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ4つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.63である。図11aおよび11bにおいて、無次元行路深さは、H=0.26である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。図11aおよび11bにおいて、円弧2’は、0.1572または0.2764に等しい。図11aおよび11bのスクリュ形状の特徴は、円弧2’が一点でスクリュ半径RAに接することである。接点は、シール領域の頂部領域を形成する。咬合領域は、点状のシールが提供されており、スクリュ形状は、シール点に角を有しない。接点は、円弧2’を2つの部分に分割する。一方の部分は円弧1’と共にシール領域に属する。他方の部分は、円弧2の一部と共に遷移領域に属する。流路領域は、円弧1の半径が0に等しいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有する。図11aおよび11bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1857または0.2158であり、無次元行路深さの半分H/2=0.13よりも大きい。
【0161】
図12aから12bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ4つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.63である。図11aおよび11bにおいて、無次元行路深さは、H=0.26である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。咬合領域は、図11と同様に、一点で外側スクリュ半径RAに接する円弧2’によってシールされている。図11と比較すると、図12の流路領域は、円弧1の半径が0より大きいことを特徴とする。このため、スクリュ形状は、この位置に角を有しない。図12aおよび12bにおいて、外側スクリュ半径RAからの流路領域の側腹領域までの最も小さい距離は、それぞれ0.1849または0.2184であり、無次元行路深さの半分H/2=0.13よりも大きい。円弧2’の外側スクリュ半径RAとの接点は、座標原点および円弧2’の中心を通る直線と、前記円弧2’との交点を算出することによって得られる。円弧2とスクリュコア半径RIとの接点は、座標原点と円弧2の中心とを通る直線と、前記円弧2との交点を算出することによって得られる。
【0162】
図1から4は、咬合領域の線状のシールを示し、図5から12は、咬合領域の点状のシールを示し、スクリュ形状は、図5,7,9および10では角を有し、図6,8,11および12では角を有しない。当業者であれば分かるように、本発明にしたがって使用されるスクリュ形状で、処理すべき粘性流体が目的を持って作用および処理要求に晒される熱的および機械的ストレスに合わせることができる。
【0163】
図1から12は、最大8つの円弧からなる本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の半分を示す。しかしながら、本発明は、8つの円弧までに限られない。むしろ、説明したような多くの円弧を、本発明にしたがって使用されるスクリュ形状を形成するのに使用してもよい。
【0164】
図13:
全ての単行路スクリュ形状は、それらの自己清掃効果をなくすことなく、ある範囲でx軸に沿ってxの正方向または負方向に移動されてもよい。x軸に沿った移動の後も直線FPとの1点での接触条件が満たされたままになるからである。図13は、そのような移動を示す。図13aから13bは、それぞれ、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのそれぞれ8つの円弧からなる好ましいスクリュ形状の半分を示す。無次元外側スクリュ半径は、RA=0.6である。図13aおよび13bにおいて、無次元行路深さは、H=0.2である。スクリュ形状を正確に記述するさらなる幾何学的変数は、図から得られるであろう。図13aおよび13bにおいて、スクリュ形状全体は、中心線距離の0.01倍または0.03倍だけ左側に移動させられている。それぞれの円弧の半径および角度は、移動によって変化していないことを注記する。円弧3による咬合領域の直線状シールの度合いは、これによって調節可能である。通常、咬合領域の線状または点状のシールは、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の移動によって調節可能である。特に、シールの範囲において粘性流体に与えられる機械的および熱的ストレスが、好ましくは調節されてもよい。本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状は、好ましくは、中心線距離の0から0.05倍だけ、好ましくは中心間距離の0から0.025倍だけ移動させられる。
【0165】
スクリュ形状のx方向への移動は、スクリュ形状の自己清掃を結果的に失うことのない正または負のy方向への移動の第2ステップに遅らせてもよい。このようにして、咬合領域の非対称なシールが達成される。例えば、咬合領域のシールの度合いは、スクリュエレメントの回転方向の頂部領域において行ってもよい。スクリュ形状のシール領域の頂部領域までのバレルからの最大距離は、好ましくは中心線距離の0から0.5倍の範囲、特に好ましくは中心線距離の0から0.025倍の範囲である。
【0166】
図14から16は、8の字型スクリュバレルの内側のスクリュ形状の形成および形成されたものを示す。2つのスクリュ形状の変数は、次のスクリュ変数として与えられる。
RG:2つのバレル穴の半径
RV:バレル半径RG以下の実バレル半径、
RA:密に咬合し、自己清掃するスクリュ形状の外側スクリュ半径
RF:製造すべきスクリュ形状の外側スクリュ半径
S:製造すべき2つのスクリュ形状の間のクリアランス
D:製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランス
T:搬送エレメント、混合エレメントまたは移送エレメントのピッチ
VPR:それらを偏芯して配置する場合のスムーズで密に咬合する自己清掃スクリュ形状の移動の大きさ
VPW:それらを偏芯して配置する場合のスムーズで密に咬合する自己清掃スクリュ形状の移動の角度(方向の表示)
VLR:左回転の製造すべきスクリュ形状のクリアランスの中での移動の大きさ
VLW:左回転の製造すべきスクリュ形状のクリアランスの中での移動の角度
VRR:右回転の製造すべきスクリュ形状のクリアランスの中での移動の大きさ
VRW:右回転の製造すべきスクリュ形状のクリアランスの中での移動の角度
【0167】
両者の半径RGおよび距離Aが1である相互に貫通し合う2つの穴から得られるスクリュバレルは、細い破線で図示されている。2つのバレル穴が貫通し合う部分は、細い点線で区別されている。1つのバレル穴の中心点は、スクリュ形状の回転の2点と同一であり、それぞれ小さい円で示されている。密に咬合し、自己清掃するスクリュ形状は、太い実線で示されている。製品におけるスクリュ形状は、細い実線で示されている。
【0168】
当業者には、密に咬合し自己清掃するスクリュ形状の外側スクリュ半径RAと、実バレル半径RVと、製造すべき2つのスクリュ形状の間のクリアランスSと、製造すべきスクリュ形状とスクリュバレルとの間のクリアランスDとの間に次の関係が適用されることが知られている:RA=RV−D+S/2。
【0169】
さらに、当業者には、製造すべきスクリュ形状の外側スクリュ半径RFと、実バレル半径VRと、製造すべきスクリュ形状とスクリュバレルとの間のクリアランスDとの間に次の関係が適用されることが知られている:RF=RV−D。
【0170】
典型的には、実バレル半径RVは、前記バレル半径RGと等しい。もしも、実バレル半径RVがバレル半径RGより小さいものが選択されたなら、スクリュ形状とバレルとの間にさらなるクリアランスが生じる。このクリアランスを、自己清掃を維持しながら偏芯させてスクリュ形状の形成、および、形成したスクリュ形状を移動させるのに使用してもよい。偏芯は、移動の大きさVPRと、角度VPWの形の移動の方向とによって明確に定義される。
【0171】
図14:
図14aから14dは、本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す。幾何学的パラメータは、個々の図から得られるであろう。偏芯して配置された単行路の密に咬合し自己清掃するスクリュ形状は、スクリュ形状からバレルまでの距離が、移動の方向に関係なく右側でも左側でも同一であることを特徴とする。図14aのスクリュ形状は、スクリュ形状の2つの回転点の接続線にそって移動させられ、咬合領域のシールが達成できるようにそれぞれスクリュ形状のシール領域の頂部領域の一点がバレルに当接している。図14aから14bのスクリュ形状は、それぞれ、スクリュ形状のシール領域の頂部領域の一点がバレルに当接するように移動させられている。このために必要な移動の大きさは、移動の方向による。偏芯位置は、さらに、スクリュ形状のシール領域の頂部領域の点がバレルに当接しないスクリュ形状によって選択されてもよい。通常、咬合領域の線状または点状のシールの度合いは、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯した配置により調節可能である。特に、シールの領域で粘性流体に加わる機械的および熱的ストレスは、意図的に調節されてもよい。例えば、咬合領域のシールの度合いは、スクリュエレメントの回転方向の頂部領域に依存してもよい。スクリュ形状のシール領域の頂部領域までのバレルからの最大距離は、好ましくは中心線距離の0から0.05倍の範囲、特に好ましくは中心線距離の0から0.025倍の範囲である。
【0172】
図15:
当業者に知られているように、実際問題、全てのスクリュエレメントは、互いに対して、およびバレルに対して、ある程度のクリアランスが必要である。図15aから15dは、異なるクリアランス戦略を示す。幾何学的パラメータは、個々の図から得られるであろう。図15aは、製造すべきスクリュ形状の間のクリアランスおよび製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスが等しい大きさであるクリアランス戦略を示す。図15bは、製造すべきスクリュ形状の間のクリアランスが製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスよりも小さいクリアランス戦略を示す。図15cは、製造すべきスクリュ形状の間のクリアランスが製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスよりも大きいクリアランス戦略を示す。図15dは、特に大きいクリアランスを有する図15cに係るさらなる実施形態を示す。製造すべきスクリュ形状の間のクリアランスのために、実際に発生する典型的なクリアランスは、0.002から0.1の範囲にある。製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスのために、実際に発生する典型的なクリアランスは、0.002から0.1の範囲にある。実際に発生する典型的なクリアランスは、スクリュ形状の周りで一定である。しかしながら、スクリュ形状の周囲の、製造すべきスクリュ形状の間のクリアランス、および、製造すべきスクリュ形状とバレルとの間のクリアランスは、変化が許容される。
【0173】
図16:
さらに、製造すべきスクリュ形状をクリアランスの中で移動できる。図16aから16dは、可能な移送の選択肢を示す。図16aは、幾何学的パラメータは、個々の図から得あれるであろう。図16aから16dにおいて、それぞれ両方の製造すべきスクリュ形状の移動の大きさは、VLR=VRR=0.02である。図16aから16dにおいて、それぞれ両方の製造すべきスクリュ形状の移動の方向は、VLW=VRW=0と、VLW=VRW=πとの間で段階的に変化する。製造すべき2つのスクリュ形状を相互に独立して異なる方向に異なる量だけ移動することが許容される。これは、当業者に、本発明にしたがって使用されるスクリュ形状のシール領域の頂部領域による咬合領域のシールの度合の調節のさらなる選択肢を提供する。特に、シールの領域で粘性流体に作用する機械的および熱的ストレスを、意図的に調節してもよい。
【0174】
図17a:
図17aは、本発明にしたがって使用されるそのスクリュ形状が図1および2のように8つの円弧からなる単行路搬送エレメントの対を例示する。バレル半径はRG=0.6である。2つの搬送エレメントの間のクリアランスは、S=0.02である。2つの搬送エレメントとバレルとの間のクリアランスは、D=0.01である。搬送エレメントのピッチは、T=1.2である。搬送エレメントの長さは、スクリュ形状の角度2πの回転に対して1.2である。バレルは、2つの搬送エレメントの左右に細い実線で図示されている。可能なコンピュータによるグリッドが2つの搬送エレメントの表面にさらに図示されており、このグリッドは、2軸および多軸スクリュエクストルーダにおける流れの計算に用いられてもよい。
【0175】
図17b:
図17bは、本発明にしたがって使用されるそのスクリュ形状が図1および2のように8つの円弧からなる単行路混練エレメントの対を例示する。バレル半径はRG=0.6である。2つの混練ディスクの間のクリアランスは、S=0.02である。2つの混練ディスクとバレルとの間のクリアランスは、D=0.01である。混練エレメントは、それぞれ互いにπ/3だけ右回りにオフセットされた7つの混練ディスクからなる。最初と最後の混練ディスクは、0.09の長さを有する。間のディスクは、0.18の長さを有する。混練ディスクの間の溝は、0.02の長さを有する。バレルは、2つの混練ディスクの左右に細い実線で図示されている。可能なコンピュータによるグリッドが2つの混練ディスクの表面にさらに図示されており、このグリッドは、2軸および多軸スクリュエクストルーダにおける流れの計算に用いられてもよい。
【0176】
図1から17は、スクリュエレメントのスクリュ形状を示す。無次元外側スクリュ半径RAが0.55,0.58,0.59,0.6,0.63および0.67の値を有する。本発明に係るスクリュエレメントのスクリュ形状は、これら個別の値の無次元外側スクリュ半径に限定されない。本発明に係るプロセスにおいて、本発明に係る単行路スクリュ形状は、RA=0.51からRA=0.707の範囲、好ましくはRA=0.52からRA=0.7の範囲の無次元外側スクリュ半径を有するものが使用されてもよい。
【0177】
驚くべきことに、3行路スクリュ形状であって実質的に3行路スクリュ形状の溝領域の方向に偏芯して配置されたものも、シール領域−遷移領域−溝領域−遷移領域−の順番をもたらし、それにより本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントをもたらす。
【0178】
図18から20は、3つの行路数を有する中心に配置されたスクリュ形状を記述する。図18から20において、3行路のスクリュ形状の6分の1が示されている。
【0179】
図18:
図18aから18dは、3行路スクリュ形状の好ましい2円スクリュ形状を示す。図18aから18dは、外側スクリュ半径RAが異なる。図18aから18dにおいて、第1円弧の半径R_1は、外側スクリュ半径RAに依存する。図18aから18dにおいて、第1円弧は、それぞれ角度α_1=π/6を有する。
【0180】
図19:
図19aから19dは、3行路スクリュ形状の好ましい4円スクリュ形状を示す。図19aから19dは、外側スクリュ半径RAが異なる。図19aから19dにおいて、第1円弧の半径は、R_1=RAである。図19aから19dにおいて、第2円弧の半径は、R_2=0である。図19aから19dにおいて、第1円弧の角度α_1は、外側スクリュ半径RAに依存する。図19aから19dにおいて、第2円弧の角度α_2は、外側スクリュ半径RAに依存する。
【0181】
図20:
図20aから20dは、3行路スクリュ形状のさらなる好ましい4円スクリュ形状を示す。図20aから20dは、外側スクリュ半径RAが異なる。図20aから20dにおいて、第1円弧の半径は、R_1=0である。図20aから20dにおいて、第2円弧の半径は、R_2=A=1である。図20aから20dにおいて、第1円弧の角度α_1は、外側スクリュ半径RAに依存する。図20aから20dにおいて、第2円弧の角度α_2は、外側スクリュ半径RAに依存する。
【0182】
図18から20は、最大4つの円弧からなる3行路スクリュ形状の6分の1を示す。しかしながら、3行路スクリュ形状は、4つの円弧までに限定されない。むしろ、多数の説明したような円弧を3行路スクリュ形状を形成するのに使用してもよい。
【0183】
図21:
図21aから21は、3行路スクリュ形状の偏芯配置の好ましい実施形態を示す。図21aは、図18cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。図21bは、図19cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。図21aは、図20cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。実バレル半径は、RV=0.5567であり、バレル半径RG(RG=0.63)よりも小さい。さらなる幾何学的パラメーは、個々の図から得られるであろう。偏芯して配置した3行路の密に咬合して自己清掃するスクリュ形状は、スクリュ形状からバレルまでの最小距離が、移動方向に関係なく左周りのスクリュと右側のスクリュとで同一であることを特徴とする。図21aから21cの3行路スクリュ形状は、それぞれ、咬合領域のシールを達成するように、スクリュ形状のシール領域の頂部領域の一点がバレルに当接するように偏芯している。偏芯して配置された3行路スクリュ形状は、シール領域−遷移領域−流路領域遷移領域の順番を有する本発明にしたがって使用されるスクリュ形状をもたらす。こうして、シールは、3行路スクリュエレメントの3つの頂部の2つにより行われる。
【0184】
3行路スクリュ形状は、中心位置から外れて、それらの溝領域に向かって移動させられている。図21aから21cにおいて、移動は、スクリュ形状に回転点の接続線に沿って行われている。咬合領域のシールができる移動の大きさは、選択したスクリュ形状に依存して得られる。
【0185】
図22:
図22aから22は、3行路スクリュ形状の偏芯配置のさらなる好ましい実施形態を示す。図22aは、図18cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。図22bは、図19cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。図22aは、図20cに係る3行路スクリュ形状の偏芯配置を示す。実バレル半径は、RV=0.5567であり、バレル半径RG(RG=0.63)よりも小さい。さらなる幾何学的パラメーは、個々の図から得られるであろう。図22aから22cのスクリュ形状は、それぞれ、スクリュ形状のシール領域の頂部の一点だけがバレルに当接するように偏芯して配置されている。移動の大きさは、このため、移動方向に依存する。
【0186】
偏芯位置は、スクリュ形状のシール領域の頂部領域のどの点もバレルに当接しないスクリュ形状のためにさらに選択されてもよい。通常、咬合領域の線状または点状のシールの度合いは、本発明にしたがって使用されるスクリュエレメントのスクリュ形状の偏芯配置により調節される。特に、シールの領域において粘性流体に作用する機械的および熱的ストレスは、意図的に調節されてもよい。例えば、咬合領域のシールの度合いは、スクリュエレメントの回転方向の頂部領域に依存してもよい。バレルからのスクリュ形状のシール領域の頂部領域までの距離は、好ましくは中心線距離の0から0.05倍の範囲であり、特に好ましくは中心線距離の0から0.025倍の範囲である。
【0187】
当業者に知られているように、現実に、全てのスクリュエレメントは、ある程度のクリアランスが必要である。偏芯して配置された3行路スクリュ形状および結果的に得られるスクリュ形状のために、図15に関する上述のクリアランスの戦略および上述のクリアランスの大きさが適用される。クリアランス内で製造すべきスクリュ形状の移動が加えて可能である。これについては、図16に関する記述が適用される。
【0188】
図21から22は、スクリュ形状の6分の1が最大4つの円弧からなる偏芯して配置された3行路スクリュ形状を示す。しかしながら、本発明は、スクリュ形状の6分の1が最大4つの円弧からなる偏芯して配置された3行路スクリュ形状に限定されない。代わって、所望の多数の円弧を、本発明にしたがって使用されるスクリュ形状を形成するのに使用してもよい。
【0189】
図23a:
図23aは、例として、本発明にしたがって使用される図19cに係るスクリュ形状を基にした偏芯した3行路搬送エレメントの対を示す。バレル半径は、RG=0.63であり、実バレル半径は、RV=0.5567である。2つの搬送エレメントの間のクリアランスは、S=0.02である。2つの搬送エレメントとバレルとの間のクリアランスは、D=0.01である。搬送エレメントのピッチは、T=1.2である。搬送エレメントの長さは、角度2πのスクリュ形状の回転に対応する1.2である。バレルは、2つの搬送エレメントの左右に細い実線で図示されている。可能なコンピュータによるグリッドが2つの搬送エレメントの表面にさらに図示されており、このグリッドは、2軸および多軸スクリュエクストルーダにおける流れの計算に用いられてもよい。
【0190】
図23b:
図23bは、例として、本発明にしたがって使用される図19cに係るスクリュ形状を基にした偏芯した3行路混練エレメントの対を示す。バレル半径は、RG=0.63であり、実バレル半径は、RV=0.5567である。2つの混練エレメントの混練ディスクの間のクリアランスは、S=0.02である。2つの混練エレメントの混練ディスクとバレルとの間のクリアランスは、D=0.01である。混練エレメントは、互いに角度π/3だけ右回りにずらされた7つの混円ディスクからなる。最初と最後の混練ディスクは、0.09の長さを有する。中間の混練ディスクは、0.18の長さを有する。混練ディスクの間の溝は0.02の長さを有する。バレルは、2つの搬送エレメントの左右に細い実線で図示されている。可能なコンピュータによるグリッドが2つの搬送エレメントの表面にさらに図示されており、このグリッドは、2軸および多軸スクリュエクストルーダにおける流れの計算に用いられてもよい。
【0191】
図18から20は、無次元外側スクリュ半径RAが0.53、0.5433、0.5567および0.57である3行路スクリュ形状を示す。3行路スクリュ形状は、これらの個別の値の無次元外側スクリュ半径に限定されない。しかし、RA=0.505からRA=0.577までの範囲、好ましくは、RA=0.51からRA=0.57までの範囲の無次元外側スクリュ半径を有する3行路スクリュ形状が使用される。
【0192】
図21から23は、偏芯して配置された、無次元バレル半径RGが6.63に等しく、実バレル半径RVが0.5567に等しい3行路スクリュ形状およびスクリュエレメントを示す。本発明に係るスクリュエレメントの偏芯して配置された3行路スクリュ形状は、この個別のバレル半径または個別の実半径に限定されない。本発明に係るプロセスにおいて、偏芯して配置された3行路スクリュ形状は、半径RGが0.51から0.707の範囲の、好ましくは、0.52から0.7の範囲であるバレルの中に配置され、そこでは、実バレル半径RVが0.505から0.577の範囲、好ましくは0.51から0.57の範囲である。
【0193】
図24:
図24aから24fは、2行路スクリュ形状の対から単行路スクリュ形状の対までの変形を示す。これら全ての図は、以下に詳述する同じ構成を有する。形成スクリュ形状は、左側のスクリュ形状により図示されている。被形成スクリュ形状は、右側スクリュ形状により図示されている。2つのスクリュ形状は、16本の円弧からなる。形成スクリュ形状および被形成スクリュ形状は、それぞれの円弧に番号が付けられた太い実線で図示されている。複数の円弧の結果およびコンピュータソフトウェアを使用した作図の結果、例えば図24aにおける円弧3’,4’や円弧5’,6’,7’のように、個々の円弧の番号が重なり、それ故非常に分かり易くはないかもしれない。ときに個々の数字の低い判読性にもかかわらず、この説明との関連により形状の構成は明確である。
【0194】
円弧の中心点は、小さい円によって図示されている。円弧の中心点は、関連する円弧の始点と終点との両方に細い実線で接続されている。外側スクリュ半径は、それぞれ形成スクリュ形状と被形成スクリュ形状とでは略等しい。外側スクリュ半径は、スクリュバレルの部分では細い破線で示され、咬合領域では細い点線で示されている。
【0195】
図24aは、変形を開始した2行路スクリュ形状の対を示す。形成スクリュと被形成スクリュとは、互いに対称である。形成スクリュ形状の円弧1および9は、それらの全長に亘って外側スクリュ半径に当接する。形成スクリュ形状の円弧4,5および12,13は、それらの全長に亘ってコア半径に当接する。被形成スクリュ形状の円弧4’,5’および12’,13’は、それらの全長に亘って外側スクリュ半径に当接する。被形成スクリュ形状の円弧1’および9’は、それらの全長に亘ってコア半径に当接する。
【0196】
図24fは、変形を終えた2行路スクリュ形状の対を示す。形成スクリュと被形成スクリュとは、互いに対称である。形成スクリュ形状の円弧1および12は、それらの全長に亘って外側スクリュ半径に当接する。形成スクリュ形状の円弧4および9は、それらの全長に亘ってコア半径に当接する。被形成スクリュ形状の円弧4’および9’は、それらの全長に亘って外側スクリュ半径に当接する。被形成スクリュ形状の円弧1’および12’は、それらの全長に亘ってコア半径に当接する。
【0197】
図24bは、2行路スクリュ形状から単行程スクリュ形状への変形が20%完了した変形中の形状の対を示す。図24cは、変形が40%完了した変形中の形状の対を示す。図24dは、変形が60%完了した変形中の形状の対を示す。図24eは、変形が80%完了した変形中の形状の対を示す。
【0198】
変形は、形成スクリュ形状の円弧1が常にその全長に亘って無次元外側スクリュ半径RAに当接し、それにより、関連する被形成スクリュ形状の円弧1’が全長に亘って無次元コア半径RI’に当接するように進行する。変形は、被形成スクリュ形状の円弧4’が常にその全長に亘って無次元外側スクリュ半径RAに当接し、それにより、関連する形成スクリュ形状の円弧4が全長に亘って無次元コア半径RI’に当接するように進行する。作スクリュ形状および被形成スクリュ形状の円弧が常に外側スクリュ半径新地または当接するので、全ての変形の間のバレルの内面の清掃が確保される。加えて、形成スクリュ形状と被形成スクリュ形状とが非対称であることは、図24bから24eより明らかである。変形エレメントの対は、常に、形成変形形状に基づく第1変形エレメントと、被形成変形形状に基づく第2変形エレメントとからなる。
【0199】
図24は、形成スクリュ形状の無次元外側スクリュ半径および被形成スクリュ形状の無次元外側スクリュ半径がRA=0.6146からRA=0.6288の範囲である変形形状を示す。本発明に係るプロセスにおいて、スクリュ形状の無次元外側スクリュ半径が0より大きいRA且つ1以下のRA、好ましくはRA=0.52からRA=0.707の範囲であるスクリュ形状が使用されてもよい。
【0200】
図26:
図26は、2つの穴を有する8の字型スクリュバレルを示す。2つのバレル穴が貫通し合う領域は、咬合領域として知られる。2つのバレル交点の間の開口角度δ_gzが、さらに示されている。
【0201】
図27:
図27は、本発明したがって使用されるスクリュ形状に関する角度δ_fb1,δ_fb2,δ_nb1,δ_2b2,δ_kb1,δ_kb2およびδ_gbを示す。
【0202】
図28:
図28は、2軸スクリュエクストルーダを示す。エクストルーダは、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された5つのバレル部(1−5)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(6)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(10)を有する。バレル(3)は、脱気開口(7)を有する。バレル(4)は、閉鎖されており、バレル(5)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(8)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(12)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(9)が設けられている。バルブ(9)およびライン(8)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。溶融物ラインにおいて、符号(13)は圧力センサであり、符号(11)は、温度センサである。
【0203】
図29:
図29は、2軸スクリュエクストルーダを示す。エクストルーダは、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された8つのバレル部(1−8)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第1バレル(1)に供給される。溶融物温度センサ(11)は、パイプの内部に位置する。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(12)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(10)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(13)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(8)は、バレルの8の字型穴が見えるように端部で開放されている。手持ち温度計(15)が溶融物温度を測定する機能を果たす。
【0204】
図30:
図30は、2軸スクリュエクストルーダを示す。エクストルーダは、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部(1−9)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。溶融物温度センサ(18)は、パイプの内部に位置する。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(10)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。圧力センサ(19)が、パイプ(19)に取り付けられている。
【0205】
図31:
図31は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された6つのバレル(1−6)からなる構成を含む2軸スクリュエクストルーダを示す。装置は、バレル直径が32mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK32Scである。ペレットが、第1バレル(1)に供給される(12)。他のバレル(2−6)は閉鎖され、端部にフラットフィルムダイ(7)がある。
【0206】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(9)において、スクリュは、42mmおよび63.5mmのピッチの2行路搬送エレメントを備える。供給領域は、第4バレル(4)の半ばまで延伸し、そこから溶融領域(10)が始まる。溶融領域(10)は、第5バレル(5)の終盤まで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。
【0207】
図32:
図32は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された11のバレル(1−11)からなる構成を含む2軸スクリュエクストルーダを示す。装置は、バレル直径が32mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK32Scである。ペレットが、第1バレル(1)に供給される(12)。脱気開口(13)のあるバレル(9)を除く他のバレル(2,3,4,5,6,7,8,10)は閉鎖されている。4穴ダイ(11)が端部に配設されている。
【0208】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(14)のスクリュは、最初に、2行路搬送エレメントを備える。供給領域(14)は、バレル(7)の始めまで延伸し、そこから溶融領域(15)が始まる。溶融領域(15)は、バレル(8)の半ばまで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。圧力形成領域の測定領域(16)は、溶融領域の後のバレル(9)の半ばから始まる。
【0209】
図33:
図33は、2軸スクリュエクストルーダを示す。エクストルーダは、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレル(1−7)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。圧力センサ(11)が、出口における溶融物温度を測定する役目を果たす。
【0210】
例:
例1−11は、コペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Sc、および、コペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK32Scの試験を示す。ZSK32Scは、26.2mmの中心線距離と31.8mmのバレル直径を有する。ZSK40Scは、33.4mmの中心線距離と40.3mmのバレル直径を有する。2つのバレル交点の間の角度δ?gzは、ZSK32Scにおいて約69°、ZSK40Scにおいて約68°である。従来技術によるエルドメンガースクリュ形状を備える例において使用される2行路搬送エレメントは、ZSK32Scにおいて約20°、ZSK40Scにおいて約21°の頂角を有する。従来技術によるエルドメンガースクリュ形状を備える例において使用される単行路搬送エレメントは、ZSK40Scにおいて約110°の頂角を有する。本発明により例において使用される搬送エレメントは、ZSK32Scにおいて、約9°の頂角δ_kb1、約88°の側腹角δ_fb1および約9°の頂角δ_kb2からなる約106°のシール角と、約12°の溝角δ_nb1、約86°の側腹角δ_fb2および約12°の溝角δ_nb2からなる約110°の流路角とを有する。本発明により例において使用される搬送エレメントは、ZSK40Scにおいて、約3°の頂角δ_kb1、約98°の側腹角δ_fb1および約3°の頂角δ_kb2からなる約104°のシール角と、約8°の溝角δ_nb1、約94°の側腹角δ_fb2および約8°の溝角δ_nb2からなる約110°の流路角とを有する。
【0211】
中間プレートが、ZSK40Scの多くの位置に導入され、測定システムを収容する役目を果たす(図29の中間プレート(2)参照)。これらの中間プレートは、以降のバレルでも同様に、簡素化して記載されている。
【0212】
比較例1
2軸スクリュエクストルーダ(図28)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された共5つのバレル部からなる構成を有する。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(6)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(10)を有する。バレル(3)は、脱気開口(7)を有する。バレル(4)は、閉鎖されており、バレル(5)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(8)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(9)が設けられている。バルブ(9)およびライン(8)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0213】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(10)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ40mmで長さ40mmの8つの2行路搬送エレメントと、ピッチ40mmで長さ20mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。
【0214】
250rpmのスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(12)は、エクストルーダの最後においてフランジ(5)内で、バルブ(9)の上流の圧力センサによって調整された様々な圧力で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度も測定された(11)。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。結果は、表1に示す。
【0215】
【表1】
【0216】
例2
エクストルーダは、例1と同じである。例1と比べて、ブシュの下流のスクリュの構成が次のように変更されている。40mmのピッチと40mmの長さを有する8つの2行路搬送エレメントと、40mmのピッチと20mmの長さを有する1つの搬送エレメントとが、本発明の搬送エレメントに置き換えられている。搬送エレメントは、30mmのピッチと30mmの長さを有し、スクリュ上に11ユニットが配置されている。250rpmのスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(12)は、エクストルーダの最後においてフランジ(5)内で、バルブ(9)の上流で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。
【0217】
溶融物の入口温度と溶融物の出口温度との間の増加は、本発明によるスクリュエレメントを使用するとき、例1の従来の2行路エレメントの場合と比較して、表2の結果に示されるように、明らかに低い。
【0218】
【表2】
【0219】
例3
エクストルーダは、例1と同じである。例1と比べて、ブシュの下流のスクリュの構成が次のように変更されている。40mmのピッチと40mmの長さを有する8つの2行路搬送エレメントと、40mmのピッチと20mmの長さを有する1つの搬送エレメントとが、本発明の搬送エレメントと従来の単行路エレメントとに置き換えられている。両種類のエレメントは、30mmのピッチと30mmの長さを有し、スクリュ上に、5ユニットの保発明に係るスクリュエレメントと、その後に6つの30mmのピッチで30mmの長さの従来の単行路エレメントとが配置されている。250rpmのスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(12)は、エクストルーダの最後においてフランジ(5)内で、バルブ(9)の上流で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。
【0220】
この例は従来の単行路搬送エレメントを本発明による搬送エレメントと比較する。表3の結果は、従来の単行路エレメントの場合に明らかに高い温度を明示する。
【0221】
【表3】
【0222】
比較例4
エクストルーダ(図29)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された8つのバレル部(1−8)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(12)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(10)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(13)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(8)は、バレルの8の字型穴が見えるように端部で開放されている。
【0223】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(13)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ40mmで長さ40mmの8つの2行路搬送エレメントが設けられている。
【0224】
多様なスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(14))は、エクストルーダの最後において測定された。温度はさらに、開放出口において溶融物内に保持された手持ち温度計(15)で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。結果は表4に示される。
【0225】
【表4】
【0226】
例5
エクストルーダ(図29)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された8つのバレル部(1−8)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(12)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(10)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(13)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(8)は、バレルの8の字型穴が見えるように端部で開放されている。
【0227】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(13)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの11の2行路搬送エレメントが設けられている。
【0228】
多様なスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(14))は、エクストルーダの最後において測定された。温度はさらに、開放出口において溶融物内に保持された手持ち温度計(15)で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。結果は表5に示される。表5の結果は、例4の表4のものよりも明らかに低い温度および入口(11)と出口(15)との間の温度差を明示する。
【0229】
【表5】
【0230】
例6
エクストルーダ(図29)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された8つのバレル部(1−8)からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(12)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(10)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(13)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(8)は、バレルの8の字型穴が見えるように端部で開放されている。
【0231】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(13)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの5つの2行路搬送エレメントが設けられている。そして、スクリュは、長さ30mmでピッチ30mmの6つの従来の単行路搬送エレメントが設けられている。
【0232】
多様なスクリュ回転速度および登録商標マクロロン(Makrolon)2805(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(14))は、エクストルーダの最後において測定された。温度はさらに、開放出口において溶融物内に保持された手持ち温度計(15)で測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(11)も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5)、ライン(6,8)およびバルブ(9)は、290°に加熱された。結果は表5に示される。表5の結果は、例5の表5の本発明によるプロセスよりも明らかに低い温度および入口(11)と出口(15)との間の温度差を明示する。
【0233】
【表6】
【0234】
比較例7
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0235】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ40mmで長さ40mmの8つの2行路搬送エレメントが設けられている。
【0236】
多様なスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、エクストルーダの最後において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ11)は、240°に加熱された。バルブ(11)は完全に開放されている。結果は表7に示される。
【0237】
【表7】
【0238】
例8
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0239】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの11の2行路搬送エレメントが設けられている。
【0240】
多様なスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、エクストルーダの最後において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ11)は、240°に加熱された。バルブ(11)は完全に開放されている。結果は表8に示され、例7の表7よりも低い温度を明示する。
【0241】
【表8】
【0242】
比較例9
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0243】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ40mmで長さ40mmの8つの2行路搬送エレメントが設けられている。
【0244】
250rpmのスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、エクストルーダの最後において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ(11)は、240°に加熱された。結果は表9に示される。
【0245】
【表9】
【0246】
例10
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0247】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの11の2行路搬送エレメントが設けられている。
【0248】
250rpmのスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、エクストルーダの最後において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ(11)は、240°に加熱された。結果は表10に示され、例9の表9よりも低い温度を明示する。
【0249】
【表10】
【0250】
例11
エクストルーダ(図30)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された9つのバレル部からなる構成を含む。装置は、バレル直径が40mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社(Coperion Werner & Pfleiderer)のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(12)によって第1バレル(1)に供給される。バレル(2)は、溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は脱気開口(13)を有する。バレル(5)は、溶融物温度センサのための測定点(15)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されており、バレル(8)は溶融物温度センサのための測定点(16)を有する。バレル(9)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(10)(丸形)に断面を変化させるフランジである。溶融物温度センサ(17)が、フランジに配設されている。フランジの後に、調整のためのバルブ(11)が設けられている。バルブ(11)およびライン(10)の内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0251】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(12)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ30mmで長さ30mmの5つの本発明に係る搬送エレメントが設けられている。そして、その後に、ピッチ30mmで長さ30mmの6つの従来の単行路搬送エレメントが続く。
【0252】
250rpmのスクリュ回転速度およびベイブレンド(bayblend)(登録商標)T45(バイエルマテリアルサイエンス社(Bayer MaterialScience AG)製)を80kg/hの処理量において、溶融物の温度(測定点(17))は、バルブ11の上流で、測定センサ(19)エクストルーダの最後においてフランジ(9)の中で様々な圧力(測定点(18))において測定された。溶融物の2軸エクストルーダへの入口温度(測定点(18))も測定された。エクストルーダバレル(1,2,3,4,5,6,7,8,9)、ライン(10,12)およびバルブ(11)は、240°に加熱された。結果は表11に示され、例10の表10よりも低い温度を明示する。
【0253】
【表11】
【0254】
図12および13において、溶融は、ZSK32Mc(コペリオンウェルナアンドフライドラー社)においてマクロロン(登録商標)3108(バイエルマテリアルサイエンス社製)およびODS(登録商標)2015(バイエルマテリアルサイエンス社製)を用いて行われる。マクロロン(登録商標)3108は、1%の着色マクロロン(登録商標)420により紫色に着色されている。実験は図31の構成で行われた。マクロロン(登録商標)3108とODS(登録商標)2015は、25%:75%(%=質量%)である。
【0255】
エクストルーダは、24L/Dの長さを有する。エクストルーダは、搬送エレメントを備える供給領域(9)と、混練ブロックに占有された溶融領域(10)と、多様な構成の測定領域(11)とからなる。ペレットが供給される。エクストルーダ出口のダイ(7)は、1mmのスロット高さで140mmの幅のフラットフィルムダイである。
【0256】
ダイから出現する高分子フィルムは、CCDカメラによって撮影され、光源で逆光になる。カメラは、1280×960ピクセルで29μm/ピクセルの解像度を有する。高分子フィルムの画像は、毎秒、1実験当たり合計180画像撮影される。
【0257】
最も高粘度のマクロロン(登録商標)3108が完全に溶融しなければ、高分子フィルム中の暗い紫色の染みがカメラにより記録される。高分子フィルムの端は、カメラによって認知され、画像中の高分子フィルムの面積が計算される。前記面積の暗い紫色の染みの面積に対する比が計算される。これは、スクリュ構成の溶融能力の測定の役目を果たす。溶融していないペレットの比率が大きいと、スクリュの形成がよくない。
【0258】
比較例12
2軸スクリュエクストルーダ(図31)は、その中に共回転して攻防するスクリュが配置される6つのバレル(1−6)の構成を有する。装置は、バレル直径が32mmのコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK32Scである。ペレットが第1バレル(1)に供給される(12)。他のバレル(2−6)は閉鎖され、最後にフラットフィルムダイ(7)がある。
【0259】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(9)において、スクリュは、42mmおよび63.5mmのピッチの2行路搬送エレメントを備える。供給領域は、第4バレル(4)の半ばまで延伸し、そこから測定領域(10)が始まる。溶融領域(10)は、第5バレル(5)の終盤まで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。流れは、溶融領域の最後においてZMEエレメントおよび/または右側の混練ブロックによって制限される。
【0260】
測定領域(11)または圧力形領域は、第5バレルの終わりから始まる。それは、長さ28mmでピッチ28mmの2行路搬送エレメントからなる。そして、長さ42mmでピッチ42mmの2つの搬送エレメントが続いている。そして、ピッチ28mmで長さ42mmのスクリュ頂部が続いている。
【0261】
130kg/hの処理量および400rpmのスクリュ回転速度で、溶融していないペレットが高分子フィルムの面積の4.53%を占める(表12参照)。
【0262】
例13
構成は比較例と同じである。測定領域または圧力形成領域だけが、本発明によるスクリュエレメントを備える。
【0263】
搬送領域(11)は、第1バレルの終わりで開始する。それは、長さ28mmでピッチ28mmの本発明による5つのスクリュエレメントからなる。
【0264】
正確に同じ運転条件が比較実験において達成された。それは驚くべきことに、溶融していないペレットの染みの割合が1.89%であることが分かった。このため、本発明によるスクリュエレメントは、従来技術と比較して溶融の間の明かな改善を示す。
【0265】
【表12】
【0266】
合成に関する例14および15は、ZSK32Sc(コペリオンウェルナアンドフライドラー社)において行われた。実験は、図32の構成で行われた。組成物は、40.17質量%の組物成A、47.60質量%の組成物Bおよび3.33質量%の組成物Cからなる。
【0267】
組成物A
25℃の溶液であるCH2Cl2中で0.5g/100mlの濃度で測定したηrel=1.275の相対溶液粘度を有するビスフェノールAベースの直鎖ポリカーボネート。
【0268】
組成物B
27重量%のアクリロニトリルと73重量%のスチレンとの混合物のABSポリマーに対して50重量%のエマルジョン重合による微粒子架橋ポリブタジエンゴム(平均粒子径d50=0.35μm)がABSポリマーに対して50重量%存在するABSポリマー製品。
【0269】
組成物C
72:28の重量比のスチレンアクリロニトリルを有し、0.55dl/gの固有粘度(20℃のジメチルホルムアミド中で測定)を有するスチレンアクリロニトリル共重合体。
【0270】
組成物D
組成物Cは、金型剥離剤および熱安定剤のような添加物からなる。
【0271】
エクストルーダは、40L/Dの長さを有し、搬送エレメントを備える供給領域(14)と、混練ブロックに占有された溶融領域(15)と、ダイ(11)の上流の多様な構成の測定領域(16)とからなる。ペレットが供給される。エクストルーダ出口のダイ(11)は、4穴ダイである。ダイ(11)の下流において、ベイブレンド(Bayblend)は、水槽を通して引き抜かれペレット化される。
【0272】
ペレットのサンプルは、達成された運転点において採取された。50粒が顕微鏡で分析された。円筒形のペレットは、端面に照明を当てられ、反対側から顕微鏡で観察された。ペレットは不透明であるが、スクリュの形成および運転点に依存して溶融していないポリカーボネートの領域が光輝いて視認可能である。これらの領域は、ウィンドウとして知られる。50粒のサンプル当たりのウィンドウの数が溶融の測定である。理想的には、ウィンドウはない。
【0273】
比較例14
2軸スクリュエクストルーダ(図32)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された11のバレルからなる構成を含む。装置は、32mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK32Scである。ペレットが、第1バレル(1)に供給される(12)。脱気開口(13)のあるバレル(9)を除く他のバレル(2,3,4,5,6,7,8,10)は閉鎖されている。4穴ダイ(11)が端部に配設されている。
【0274】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(14)のスクリュは、最初に、2行路搬送エレメントを備える。供給領域(14)は、バレル(7)の始めまで延伸し、そこから溶融領域(15)が始まる。溶融領域(15)は、バレル(8)の半ばまで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。流れは、溶融領域の最後においてZMEエレメントおよび/または右側の混練ブロックによって制限される。
【0275】
測定領域(16)または圧力形領域は、溶融領域の後のバレル(9)の半ばに始まる。それは、長さ28mmでピッチ28mmの2行路搬送エレメントからなる。そして、13mmの長さと13.5mmのピッチを有する2つのZMEエレメントが続いている。そして、長さ42mmでピッチ28mmの3つの2行路搬送エレメントが続いている。そして、その後にピッチ28mmで長さ14mmの搬送エレメントが続く長さ28mmでピッチ42mmの3つの2行路搬送エレメントがある。最後に、長さ42mmでピッチ28mmのスクリュ頂部がある。
【0276】
145kg/hの処理量および600rpmのスクリュ回転速度で、50粒中に100ウィンドウが視認可能であった(表13参照)。160kg/hの処理量および600rpmのスクリュ回転速度で、50粒中に211ウィンドウが視認可能であった。
【0277】
例15
2軸スクリュエクストルーダ(図32)は、その中に共回転して咬合するスクリュが配置された11のバレルからなる構成を含む。装置は、32mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK32Scである。ペレットが、第1バレル(1)に供給される(12)。脱気開口(13)のあるバレル(9)を除く他のバレル(2,3,4,5,6,7,8,10)は閉鎖されている。4穴ダイ(11)が端部に配設されている。
【0278】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。供給領域(14)のスクリュは、最初に、2行路搬送エレメントを備える。供給領域(14)は、バレル(7)の始めまで延伸し、そこから溶融領域(15)が始まる。溶融領域(15)は、バレル(8)の半ばまで延伸し、3行路混練ブロックと2行路から3行路またはその逆の変形を提供する変形混練ブロックとからなる。流れは、溶融領域の最後においてZMEエレメントおよび/または右側の混練ブロックによって制限される。
【0279】
測定領域(16)または圧力形領域は、溶融領域の後のバレル(8)の半ばに始まる。それは、長さ28mmでピッチ28mmの本発明によるスクリュエレメントからなる。そして、13mmの長さと13.5mmのピッチを有する2つのZMEエレメントが続いている。そして、10の長さ28mmでピッチ28mmの本発明によるスクリュエレメントが続いている。
【0280】
正確に同じ運転条件が比較実験において達成された。それは驚くべきことに、新規なスクリュエレメントによりウィンドウの数が明らかに減少させられることが分かった(表13)。このため、本発明によるスクリュエレメントは、従来技術と比較してベイブレンド(登録商標)T45の溶融の間の明かな改善を示す。
【0281】
【表13】
【0282】
高分子搬送に関する例16−19は、ZSK40Sc(コペリオンウェルナアンドフライドラー社)において行われた。実験は、図33の構成で行われた。
【0283】
2軸エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレル(1−7)からなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有する。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。バルブ(12)の上流において、センサ(11)によって圧力が測定される。出口における溶融物温度は、圧力センサ(11)に保持された手持ち温度計で測定される。
【0284】
比較例16
エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレルからなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0285】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する3つの2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する5つの2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(14)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの2つの2行路搬送エレメントと、ピッチ60mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントが設けられている。
【0286】
そして、スクリュは、40mのピッチと40mmの長さを有する8つの2行路搬送エレメントを備える。
【0287】
250rpmのスクリュ回転速度および80kg/hの処理量において、温度の上昇が様々な圧力で測定された(バルブ(12)の上流の圧力測定センサ(11))。次の材料を取り扱った:ポリプロピレン(登録商標(Polypropylen))、ポリスチロール(登録商標)(Polystyrol)、ポカン(登録商標)(Pocan)。温度は、さらに、チューブの出口において手持ち温度計(15)で測定された。温度計はチューブの中の溶融物内に保持された。表14は、(14)から(15)までの温度上昇を示す。
【0288】
【表14】
温度上昇(K)
【0289】
例17
エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレルからなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0290】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する3つの2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する5つの2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(14)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの2つの2行路搬送エレメントと、ピッチ60mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントが設けられている。
【0291】
そして、スクリュは、30mのピッチと30mmの長さを有する11の2行路搬送エレメントを備える。
【0292】
250rpmのスクリュ回転速度および80kg/hの処理量において、温度の上昇が様々な圧力で測定された(バルブ(12)の上流の圧力測定センサ(11))。次の材料を取り扱った:ポリプロピレン(登録商標)、ポリスチロール(登録商標)、ポカン(登録商標)(Pocan)。温度は、さらに、チューブの出口において手持ち温度計(15)で測定された。温度計はチューブの中の溶融物内に保持された。表15は、(14)から(15)までの温度上昇を示す。新規な発明は、全ての製品において低い温度上昇を示す。
【0293】
【表15】
温度上昇(K)
【0294】
比較例18
エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレルからなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0295】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する3つの2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する5つの2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(14)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの2つの2行路搬送エレメントと、ピッチ60mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントが設けられている。
【0296】
そして、スクリュは、40mのピッチと40mmの長さを有する8つの2行路搬送エレメントを備える。
【0297】
150から350rpmの間のスクリュ回転速度および80kg/hの処理量において、温度の上昇を張る津(12)を開放して測定した。次の材料を取り扱った:イネオス社(Ineos)のルストラン(登録商標)(Lustran)DN50、ポリプロピレン(登録商標)、ポリスチロール(登録商標)。2軸スクリュエクストルーダ内の溶融物の温度(測定点14)が測定された。温度は、さらに、チューブの出口において手持ち温度計(15)で測定された。温度計はチューブの中の溶融物内に保持された。表16は、(14)から(15)までの温度上昇を示す。
【0298】
【表16】
温度上昇(K)
【0299】
例19
エクストルーダ(図33)は、その中でスクリュが共回転および咬合する7つのバレルからなる構成を含む。装置は、40mmのバレル直径を有するコペリオンウェルナアンドフライドラー社のZSK40Scである。高分子溶融物が、加熱パイプ(9)によって第2バレル(2)に供給される。バレル(3)は閉鎖されており、バレル(4)は溶融物温度センサのための測定点(14)を有する。バレル(5)は、脱気開口(10)を有する。バレル(6)および(7)は閉鎖されている。バレル(8)は、2軸スクリュエクストルーダの8の字型穴からパイプ(丸形)(13)に断面を変化させるフランジである。フランジの後に、調整のためのバルブ(12)が設けられている。バルブおよびラインの内径はともに15mmであり、バルブの長さは95mmであり、ラインの長さは120mmである。
【0300】
2つのスクリュ(不図示)は、対称にスクリュエレメントが設けられている。スクリュは、最初に、それぞれ25mmのピッチと25mmの長さを有する3つの2行路搬送エレメントを備える。そして、60mmのピッチと60mmの長さを有する5つの2行路搬送エレメントが後に続く。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(14)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後に続く。スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの5つの2行路搬送エレメントと、ピッチ30mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントとが設けられている。取り付けられた状態で溶融物温度センサ(15)の下に配置される30mmの長さと26mmの直径とを有するブシュが後にその後に続く。そして、スクリュは、ピッチ60mmで長さ60mmの2つの2行路搬送エレメントと、ピッチ60mmで長さ30mmの1つの搬送エレメントが設けられている。
【0301】
そして、スクリュは、28mのピッチと28mmの長さを有する11のスクリュエレメントを備える。
【0302】
150から350rpmの間のスクリュ回転速度および80kg/hの処理量において、温度の上昇を張る津(12)を開放して測定した。次の材料を取り扱った:イネオス社(Ineos)のルストラン(登録商標)(Lustran)DN50、ポリプロピレン(登録商標)、ポリスチロール(登録商標)。2軸スクリュエクストルーダ内の溶融物の温度(測定点14)が測定された。温度は、さらに、チューブの出口において手持ち温度計(15)で測定された。温度計はチューブの中の溶融物内に保持された。表16は、(14)から(15)までの温度上昇を示す。本発明によるスクリュエレメントでの温度上昇は、従来技術よりも低い。
【0303】
【表17】
温度上昇(K)
【図1a−1d】
【図2a−2d】
【図3a−4b】
【図5−7】
【図8a−9】
【図10a−11b】
【図12a−13b】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
形成スクリュおよび被形成スクリュの形状は、シール領域−遷移領域−流路領域−遷移領域の順番を含み、前記シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番であり、前記流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番であり、前記遷移領域は、側腹領域に始まり側腹領域に終わるスクリュ形状領域の順番であることを特徴とする、対になって共回転し、且つ、対になって完全に自己払拭するスクリュを備えるスクリュエレメントを使用する2軸または多軸スクリュエクストルーダにおけるプラスチック組成物の押し出しプロセス。
【請求項2】
前記スクリュエレメントの前記シール領域は、
前記スクリュ形状の回転中心から見て、前記側腹領域が、2つのバレル交点の間の開口角の半分以上の角度δ_fb1を有し(δ_fb1≧arccos(0.5*a/ra))、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、1つの前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_kb1を有し(δ_kb1≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、他の前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_kb2を有する(δ_kb2≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、ことを特徴とし、
前記流路領域は、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、前記側腹領域が、2つのバレル交点の間の開口角の半分以上の角度δ_fb2を有し(δ_fb2≧arccos(0.5*a/ra))、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、1つの前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_nb1を有し(δ_nb1≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、他の前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_nb2を有する(δ_nb2≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記シール領域の前記頂部領域および前記側腹領域の角度δ_kb1,δ_kb12およびδ_fb1の合計は、好ましくは、0.75*δ_gzから2*δ_gb+δ_gzまでの範囲、特に好ましくは、δ_gzからδ_gb+δ_gzまでの範囲であり、前記流路領域の前記頂部領域および前記側腹領域の角度δ_nb1,δ_nb12およびδ_fb2の合計は、好ましくは、0.75*δ_gzから2*δ_gb+δ_gzまでの範囲、特に好ましくは、δ_gzからδ_gb+δ_gzまでの範囲である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記遷移領域は、側腹領域を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
前記スクリュ形状は、咬合領域の線形のシールをもたらすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
前記スクリュ形状は、前記咬合領域の点状のシールをもたらすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
前記スクリュ形状の前記シール領域の前記頂部領域から前記バレルまでの最大距離は、好ましくは、中心線距離の0倍から0.05倍までの範囲であり、特に好ましくは、前記中心線距離の0倍から0.025倍であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
前記スクリュエレメントは、前記スクリュ形状を螺旋状に軸方向に延伸させることによって、搬送エレメントまたは混合エレメントとして構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプロセス。
【請求項9】
前記スクリュエレメントは、前記スクリュ形状の一部を軸方向にオフセットする方法で延伸させることによって、混練エレメントして構成されていることと特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
前記スクリュ形状の直径に対して0.1から0.001の範囲のクリアランスが、前記スクリュエレメントと前記バレルおよび/または隣接するスクリュエレメントの間に存在することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
前記プラスチック組成物は、熱可塑性プラスチックまたはエラストマであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
使用する前記熱可塑性プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリラクチド、ポリステル、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、フッ素重合体、特にポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルホン、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリイミド、ポリアクリル樹脂、特にポリ(メチル)メタクリル樹脂、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、スチレンポリマー、特にポリスチレン、スチレン共重合体、特にスチレンアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレンブロック共重合体、塩化ポリビニル、或いは、上記熱可塑性プラスチックの少なくとも2つの混合物であることを特徴とする請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
ポリカーボネートまたはポリカーボネートを含む混合物が前記熱可塑性プラスチックとして使用されることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
使用する前記エラストマは、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、酢酸エチレンビニルゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、グッタペルカ、アクリルゴム、フッ化ゴム、シリコンゴム、硫化ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、或いは、上記エラストマの少なくとも2つの組み合わせであることを特徴とする請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
充填剤または補強材または高分子添加剤または有機色素または無機色素、或いは、それらの混合物が、前記高分子に添加されていることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のプロセス。
【請求項16】
少なくとも1つの製造行程が、請求項1から12のいずれかに記載の押し出しプロセスを含んでいることを特徴とするポリカーボネートの製造プロセス。
【請求項17】
前記ポリカーボネートは、相界面プロセスまたはエステル交換プロセスによって製造されたことを特徴とする請求項15に記載のプロセス。
【請求項1】
形成スクリュおよび被形成スクリュの形状は、シール領域−遷移領域−流路領域−遷移領域の順番を含み、前記シール領域は、頂部領域−側腹領域−頂部領域の順番であり、前記流路領域は、溝領域−側腹領域−溝領域の順番であり、前記遷移領域は、側腹領域に始まり側腹領域に終わるスクリュ形状領域の順番であることを特徴とする、対になって共回転し、且つ、対になって完全に自己払拭するスクリュを備えるスクリュエレメントを使用する2軸または多軸スクリュエクストルーダにおけるプラスチック組成物の押し出しプロセス。
【請求項2】
前記スクリュエレメントの前記シール領域は、
前記スクリュ形状の回転中心から見て、前記側腹領域が、2つのバレル交点の間の開口角の半分以上の角度δ_fb1を有し(δ_fb1≧arccos(0.5*a/ra))、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、1つの前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_kb1を有し(δ_kb1≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、他の前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_kb2を有する(δ_kb2≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、ことを特徴とし、
前記流路領域は、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、前記側腹領域が、2つのバレル交点の間の開口角の半分以上の角度δ_fb2を有し(δ_fb2≧arccos(0.5*a/ra))、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、1つの前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_nb1を有し(δ_nb1≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、
前記スクリュ形状の前記回転中心から見て、他の前記頂部領域が、単行路エルドメンガースクリュ形状の頂角から前記2つのバレル交点の間の前記開口角を減じた差以下の角度δ_nb2を有する(δ_nb2≧π−4*arccos(0.5*a/ra))、ことを特徴とする請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記シール領域の前記頂部領域および前記側腹領域の角度δ_kb1,δ_kb12およびδ_fb1の合計は、好ましくは、0.75*δ_gzから2*δ_gb+δ_gzまでの範囲、特に好ましくは、δ_gzからδ_gb+δ_gzまでの範囲であり、前記流路領域の前記頂部領域および前記側腹領域の角度δ_nb1,δ_nb12およびδ_fb2の合計は、好ましくは、0.75*δ_gzから2*δ_gb+δ_gzまでの範囲、特に好ましくは、δ_gzからδ_gb+δ_gzまでの範囲である、ことを特徴とする請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記遷移領域は、側腹領域を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
前記スクリュ形状は、咬合領域の線形のシールをもたらすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
前記スクリュ形状は、前記咬合領域の点状のシールをもたらすことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項7】
前記スクリュ形状の前記シール領域の前記頂部領域から前記バレルまでの最大距離は、好ましくは、中心線距離の0倍から0.05倍までの範囲であり、特に好ましくは、前記中心線距離の0倍から0.025倍であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のプロセス。
【請求項8】
前記スクリュエレメントは、前記スクリュ形状を螺旋状に軸方向に延伸させることによって、搬送エレメントまたは混合エレメントとして構成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプロセス。
【請求項9】
前記スクリュエレメントは、前記スクリュ形状の一部を軸方向にオフセットする方法で延伸させることによって、混練エレメントして構成されていることと特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
前記スクリュ形状の直径に対して0.1から0.001の範囲のクリアランスが、前記スクリュエレメントと前記バレルおよび/または隣接するスクリュエレメントの間に存在することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のプロセス。
【請求項11】
前記プラスチック組成物は、熱可塑性プラスチックまたはエラストマであることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のプロセス。
【請求項12】
使用する前記熱可塑性プラスチックは、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、特にポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンテレフタレート、ポリラクチド、ポリステル、ポリエーテル、熱可塑性ポリウレタン、ポリアセタール、フッ素重合体、特にポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルホン、ポリオレフィン、特にポリエチレンおよびポリプロピレン、ポリイミド、ポリアクリル樹脂、特にポリ(メチル)メタクリル樹脂、酸化ポリフェニレン、硫化ポリフェニレン、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、スチレンポリマー、特にポリスチレン、スチレン共重合体、特にスチレンアクリロニトリル共重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレンブロック共重合体、塩化ポリビニル、或いは、上記熱可塑性プラスチックの少なくとも2つの混合物であることを特徴とする請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
ポリカーボネートまたはポリカーボネートを含む混合物が前記熱可塑性プラスチックとして使用されることを特徴とする請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
使用する前記エラストマは、スチレンブタジエンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、ブタジエンアクリロニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、酢酸エチレンビニルゴム、ポリウレタンゴム、熱可塑性ポリウレタン、グッタペルカ、アクリルゴム、フッ化ゴム、シリコンゴム、硫化ゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、或いは、上記エラストマの少なくとも2つの組み合わせであることを特徴とする請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
充填剤または補強材または高分子添加剤または有機色素または無機色素、或いは、それらの混合物が、前記高分子に添加されていることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のプロセス。
【請求項16】
少なくとも1つの製造行程が、請求項1から12のいずれかに記載の押し出しプロセスを含んでいることを特徴とするポリカーボネートの製造プロセス。
【請求項17】
前記ポリカーボネートは、相界面プロセスまたはエステル交換プロセスによって製造されたことを特徴とする請求項15に記載のプロセス。
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図14d】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図15d】
【図16a】
【図16b】
【図16c】
【図16d】
【図17a】
【図17b】
【図18a−18d】
【図19a−19d】
【図20a−20d】
【図21a】
【図21b】
【図21c】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図23a】
【図23b】
【図24a】
【図24b】
【図24c】
【図24d】
【図24e】
【図24f】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図14b】
【図14c】
【図14d】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図15d】
【図16a】
【図16b】
【図16c】
【図16d】
【図17a】
【図17b】
【図18a−18d】
【図19a−19d】
【図20a−20d】
【図21a】
【図21b】
【図21c】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図23a】
【図23b】
【図24a】
【図24b】
【図24c】
【図24d】
【図24e】
【図24f】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公表番号】特表2011−524278(P2011−524278A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513902(P2011−513902)
【出願日】平成21年5月30日(2009.5.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003889
【国際公開番号】WO2009/152947
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月30日(2009.5.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/003889
【国際公開番号】WO2009/152947
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】
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