説明

プログラム可能な触覚アクチュエータを用いた集積化したマイクロ流体コントロール

バルブ、蠕動ポンプ、混合部などの能動特徴を有するマイクロ流体デバイスが、能動特徴を覆う薄いエラストマメンブレインを有するように製造されている。能動特徴は、このメンブレインに外付した、例えば商業的に入手可能な点字ディスプレイなどの触覚アクチュエータで活性化する。このディスプレイは、例えば単純なテキスト編集ソフトウエアによって、コンピュータ制御を行って、個々の点字突起部または複数の突起部を活性化して、マイクロ流体デバイスの能動部を作動させる。一体化したデバイスは、触覚アクチュエータを単一の装置に取り込むことができるが、アクチュエータはあくまでメンブレインに外付されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
1. 発明の属する技術分野
本発明は能動マイクロ流体デバイスに関する。
【0002】
2. 背景技術
マイクロ流体デバイスは通常、相互接続した複数の、非常にサイズの小さい、マイクロチャネル、リザーバなどを含む小型装置である。マイクロチャネルは、より小さいあるいは大きいものでもよいが、一般に、例えば10μmから300μmの幅と高さを有する。小型化とコスト低減の目的で、外付の液体供給源と、適切な場合は、電気、磁気、あるいは空気のエネルギィ供給源以外の、すべての必要な機能を具える実験室チップ(lab on a chip)を構成することが望まれる。
【0003】
マイクロ流体デバイスの例には、K. Kurabayasi, et al. によるPCT出願第WO 03/008937 A2 号で公開されている「小サイズのフローサイトメータと検出システム(Flow Cytometers and Detection System of Lesser Size)」に開示されているマイクロフローサイトメータや、S. Takayama, et al. によって2003年2月27日に米国特許庁に出願された第10/375,373号「小サイズの運動粒子から運動粒子を選別するプロセスとその装置(Process for Sorting Motile Particles from Lesser-Motile Particles and Apparatus Suitable Therefor)」に開示されている運動精子ソータがある。しかしながら、その他の多くのマイクロ流体デバイスが文献に開示されており、化学マイクロ反応器、マイクロキャブレタ、マイクロ分光光度計、細胞選別装置、細胞成長装置などを含む様々なアプリケーションが提案され、その数は増加している。新規な、定流重力駆動ポンピングシステムが、S. Takayama et al. のPCT出願第WO 03/008102 A1 号で公開され、2002年7月18日に米国特許庁に第10/198,477号として出願された「定流量マイクロ流体重力フローポンプ(Microfluidic Gravity Flow Pump with Constant Flow Rate)」に開示されている。
【0004】
簡単な装置では、様々なフローチャネル内のガスあるいは液体の流れが、シリンジ、ピペット、マイクロポンプ、などといった外付装置によって開始し、制御される。しかしながら、これら装置の複雑化が進み、液体を「オンチップ」で汲み上げる必要性、流れを停止、開始あるいは調整する必要性、及びチャネル間の接続を多様にする必要性から、能動装置を「オンチップ」にまとめることが所望されるようになった。残念なことに、能動バルブやポンプを一体化しようとするこれまでの試みは、装置の製造に多くの困難を生じさせ、しばしば能動装置を空気供給チューブ、その他の肉眼で見える付勢補助装置に接続することが必要であった。
【0005】
例えば、Quakeグループは、個別にアドレス可能な2000以上の液体リザーバアレイを用いた細胞選別器などの集積マイクロ流体システムを開示した。しかしながら、チャネル数は制限されていないものの、肉眼で見える空気供給チューブに各空気制御チャネルを連結させる必要があるため、個別に作動する部品の数は制限される。これを補填するために、複雑なクラスタ能動化スキームが提案されている。しかしながら、このスキームはコントロールサイトに個別にアドレスすることができない。更に、このような装置は製造が困難である。Science, Jan. 2002, 295, pp. 647-651, Thorsen et al, Microfluidic Large-Scale Integration, Science, Oct. 2002, 298, pp. 580-584, 及びMEMS, June 2000, 9, pp.190-197を参照されたい。これらの装置は複雑であり製造コストが高い。
【0006】
蠕動空気ポンプが、M.A. Unger et al. によってScience 2000, 288, p. 113に開示されており、ここでは一連の空気通路が一本のマイクロチャンネルと直角に交差し、連続したアプリケーションによって、そのマイクロチャネルに液体を汲み上げる。ここでも、肉眼で見えるエネルギィ供給源が必要であり、複数のポンプ及び/又は複数のチャンネルが必要になると、すぐに装置が複雑になる。
【0007】
ある種の細胞培養、胚増殖、その他は、環境を変化させる必要があることが良く知られている。この環境の変化は生体内培養を擬似し、養分、成長因子、ビタミンなどの濃度の変化、pHの変化、成長阻害因子、その他の存在あるいは欠如を含む。この環境の変化は、また、液体の流量の変化、または液体フローの定期的な変動であってもよい。このようなファクタの変化は通常非常に複雑である。
【0008】
発明の概要
本発明は、電子的に起動されるアドレス可能な触覚ディスプレイがマイクロ流体デバイス上の能動コンポーネントアクチュエータとして動作するものである。この触覚ディスプレイは、肉眼で見えるコネクタを必要とせずに、マイクロ流体デバイスに外付することができるという利点がある。複数のバルブ、ポンプ、ミキサを含む、バルブ配設、ポンピング、混合、細胞粉砕、その他の機能が低コストで容易に行われる。
【0009】
好適な実施例の詳細な説明
本発明のマイクロ流体デバイスは、フロー特性が活発に変化する、圧縮可能または歪曲可能なエラストマ系材料でできているマイクロチャネルを具える。従って、実質的にマイクロ流体デバイス全体が、以下に述べるように、有機ポリシロキサンエラストマ(「PDMS」)などのフレキシブルなエラストマ系材料で構成されていることが好ましい。しかしながら、一般的に構造的に複雑になり高価にはなるが、装置の基板はハードに、すなわち、能動コントロールが不要な箇所は実質的に非エラスチック材料で構成されていても良い。いくつかのデバイスでは、両主表面からの作動のためにサポートがないことを、あるいはサポートがエラストマ系デバイス自体から離れたところに位置していることが要求されることもあるが、一般的な平面的デバイスは、好ましくは、ガラス、シリカ、剛性プラスチック、金属などの剛性サポートを装置の一方の側に具え、適当なサポートを提供している。
【0010】
本発明のマイクロ流体デバイスは、チャンバあるいは通路(「空スペース」)の形状及び/又は体積、特にデバイスの液体流量能力を変化させる少なくとも一の能動部を具える。このような能動部は、限定することなく、混合部、ポンプ部、バルブ部、流動部、チャネルまたはリザーバの選択部、細胞粉砕部、目詰まり除去部、その他を具える。これらの能動部はすべて、デバイスの相当する部位に圧力をかけ、従って、それら特徴を構成する空スペースの形状及び/又は体積を変化させることによって、液体流量、液体の特性、チャネルあるいはリザーバの特性、その他に何らかの変化を起こさせる。「空スペース」という用語は、基板材料が存在しないことを意味する。使用時、この空スペースは通常、液体や微生物などで満たされている。
【0011】
このデバイスの能動部は、圧力によって作動可能であり、所望の能動コントロールを行うためにその部分の各チャネルを閉じたり、あるいはチャネルの断面積を制限したりする。この目的を達成するために、チャネル、リザーバ、その他は、マイクロ流体デバイスの外部からの適度な圧力がチャネル、リザーバ、その他(「マイクロ流体の特徴」)を圧迫して、各特徴を部分的に制限したり、または全体的に閉鎖するように構成されている。この結果を得るために、前記特徴をとり囲むデバイス平面内の壁はエラストマ系であることが好ましく、外側表面(例えば、平らな装置では外側主表面)がエラストマ系であることが必要であり、小量の圧力が外側面と、選択的に内部特徴の壁を歪ませて、この位置における断面積を低減するか、あるいは前記特徴を完全に閉鎖するようにしている。
【0012】
このデバイスの能動部を「作動」させるのに必要な圧力は、回復可能な点字ディスプレイで用いられているような外付触覚デバイスによって供給される。この触覚アクチュエータは、デバイスの能動部に接触して、付勢された時に、伸張して、変形可能なエラストマの上を押圧して、その能動部の特徴を制限あるいは閉鎖する。この動作は、図1、2a、2bおよび2cを参照することによって明らかになる。
【0013】
図1は、エラストマ系材料でできた基板10内にチャネル2を有するマイクロ流体デバイス1を示す図であり、この基板10の上側はエラストマ系カバー4である。このカバーの上側表面5に接触しているのが触覚デバイス6であり、ワイヤ8、9を通して作動信号を与えると下側に伸張可能な触覚アクチュエータ7を有する。図2aには、図1のデバイスの2−2の断面、すなわち、触覚アクチュエータを含む面が示されている。図2aのチャネル3は遮るものがない、すなわち、触覚アクティベータが付勢されていない状態が示されている。
【0014】
図2bでは、図1の2−2線の拡大断面図が示されており、触覚アクティベータが部分的に付勢された結果、触覚デバイス6から離れて突出して、装置の上側面5に圧力が加わり、カバー4とチャネル3の壁11が歪んでいる。この結果、チャネル断面が小さくなり、従って流量が制限される。チャネル3の一部は付勢された触覚アクティベータの膨隆部12によって閉鎖されている。このようなデバイスでは、特徴、ここではチャネル3、を囲むエラストマ系材料は、所望であればエラストマカバー4に制限されてもよい。言い換えれば、基板10内にあるチャネルの壁が剛性である、すなわち、マイクロマシーン加工されたシリカ、シリコン、ガラス、硬性プラスチック、金属、その他であっても良い。フレキシブルなエラストマ部分は、本実施例ではカバーに限定される。
【0015】
図2cでは、アクチュエータが更に(全面的に)付勢されており、その結果チャネル3が完全に覆い隠されている。この場合、触覚アクチュエータは、調整可能なフローコントローラでなく、むしろオン/オフバルブとして働く。
【0016】
図に示す実施例では、付勢されることによって特徴を閉鎖するまたは制限するのではなく、触覚アクチュエータを伸張した状態に作り、付勢したときに引っ込むようにする、あるいは、付勢した状態でマイクロ流体デバイスに適用して、通路を閉じたりあるいは制限したりして、更に、付勢を解除したときに通路を開けるようにしても良い。
【0017】
本発明のデバイスのみならず、デバイスの特徴を作動させるのに圧力、すなわち空気圧を用いるその他のマイクロ流体デバイスの性能を、チャネル壁の近傍に一またはそれ以上の空洞を設けるようにデバイスをモールディングすることによって、大幅に改善することができる。この空洞は各特徴をより完全に封鎖するか、あるいは歪ませる。このような構成の一例が図3に記載されている。図3において、上から見たデバイスはエラストマカバー(図1における符号4)が除去されており、チャネル20には供給リザーバ21、22から“能動”供給チャネル23、24を介して液体が供給される。チャネル20からの液体は出口リザーバ25内に出てゆく。デバイス中に5つの能動部が符号26、27、28、29および30に示されている。能動部27から30において、各チャネル(24、20)は空洞27aと27b、28aと28b、29aと29b、30aと30bに挟まれている。能動部26は、一の空洞26aのみを側面に有する。能動部中の点線で示す円は、触覚アクチュエータが付勢されこの地点でチャネルを制限するか閉鎖するであろう位置を示す。
【0018】
図4において、チャネル24と能動部27がチャネル長に直交する面内に示されており、この場合、カバー4と触覚デバイス6および正規の位置にある触覚アクティベータ7を伴う。アクチュエータ7が下側に膨らむと、チャネル27とそれを挟む空洞27a及び27bとの間の壁27c、27dが歪み、これらの能動部におけるたわみを増加させる。
【0019】
図3は、直列につないだ3つの能動部、すなわち、能動部28、29および30を使用して動作する蠕動ポンプも示している。端から端まで連続的に作動させることによって、どちらの方向にもポンプ動作を行うことができる。ポンプ動作を前後に循環させることによって、あるいは、代替パターンにおいて能動部を付勢することによって、ポンプ動作ではなく混合動作を続けることができる。
【0020】
現在ある好ましいアクチュエータは、既にTelesensory社から商業的に入手可であるスクリーン上のテキストを点字コードに直接翻訳するGatewayTMソフトウエアつきのNavigatorTM点字ディスプレイなどのプログラム可能な点字ディスプレイである。これらのデバイスは一般的に「8−ドット」セルのリニアアレイでできており、各セル及び各セル「ドット」が個別にプログラム可能である。このようなデバイスは視覚障害者によって用いられテキストメッセージ、本などを読むためにテキスト列を一度に一列、点字シンボルに変換する。これらのデバイスは現在、すでに商業的に入手できるので好まれている。マイクロ流体デバイスの能動部は、点字ディスプレイ上の各作動可能な「ドット」または突出部の下に位置できるように設計されている。点字ディスプレイは、なかんずく、Handy Tech社、Blazie社、Alva社から入手することができる。
【0021】
しかしながら、フレキシビリティを上げるために、例えば、10×10、16×16、20×100、100×100、又はその他のアレイを有する複数のマイクロ流体デバイスと共に使用可能な規則的な長方形アレイを使用することができる。間隔がより狭くなり、プログラム可能で延長可能な凸部の数が多くなるにつれて、マイクロデバイスの設計のフレキシビリティが大きくなる。このようなデバイスの製造は、公知の工法による。アドレス指定能力も慣例的な方法から得られる。規則性のないアレイ、すなわち所望のところにのみアクチュエータを有するパターンも可能である。ここに参照することにより本書に含まれる米国特許第5,842,867号に開示されているように、アクチュエーティングピンを使用してもよい。
【0022】
触覚アクチュエータをマイクロ流体デバイスに一体化したデバイスを構成することもできる。アクチュエータはマイクロ流体デバイス自体の外側に位置しているが、一体にするために装置に取り付けるか、あるいは貼り付けられている。例えば、ここに参照することにより本書に含まれる米国特許第5,580,251号は、正負の電極を有する複数のキャビティをもつ点字ディスプレイ装置を開示しており、このキャビティは平坦なエラストマ性フィルムでキャビティ内に保持されている極性有機ゲルで満たされている。電極間に電圧差を設けると、キャビティ内のゲルが膨張してエラストマ性フィルム内のくぼみを持ち上げる。このような触覚アクチュエーティングデバイスは、金属めっきされた筒状キャビティを有するガラスで構成し、この筒状キャビティの端部に配置するように金属電極を設けたガラスまたは剛性プラスチックのトップシートが上に載せられていても良い(ただし、筒状金属めっき電極に接触はさせない)。キャビティは、ポリアクリルアミドゲルなどの極性有機ゲルで満たされている。作動時に凸部を持ち上げるエラストマ性フィルムは、エラストマ性シリコンフィルムであっても良く、本題のマイクロ流体デバイスのエラストマ性フィルム4(図1)を形成することができる。
【0023】
ここに参照することにより本書に含まれる米国特許第5,496,174号には、更に若干複雑な触覚アクチュエータデバイスが記載されており、このアクチュエータは電気粘性流体で組み立てたものを使用している。このようなデバイスは、一体的なアクチュエータデバイスよりむしろ別体の触覚アクチュエータ装置に適している。米国特許第5,718,588号は、「オン」部分と「オフ」部分間の変換に形状記憶ワイヤを用いた単純な電気機械的な点字型デバイスを開示している。すべての公知の装置またはいま尚開発中の装置では、特にこれらの電気又は磁気粘性作動流体またはゲルを用いたものを好適に使用することができる。空気式で作動する点字デバイスがここに参照することにより本書に含まれる米国特許第6,354,839号に開示されている。「ボイスコイル」型構造、特に強力な永久磁石を使用したものも考えられている。形状記憶合金を用いた、及び、内在的導電性ポリマシートを用いたその他のデバイスが、ここに参照することにより本書に含まれる米国特許第5,685,721号、第5,766,013号にそれぞれ開示されている。熟練電気エンジニアは、このような装置を容易に製造することができる。
【0024】
9つの層と5つのサブアッセンブリで構成された完全に一体化されたデバイスの例が図5に記載されている。マイクロ流体デバイス40自体は、この場合、例えば30μmといった所望のチャネル高さに応じた厚さの単層のエラストマ内に鋳造されている。2つのインレットリザーバ41と42は、インレットチャネル43および44を介してアウトレットリザーバ46まで延びている中央チャネル45に液体を送り込む。4つの能動部が示されており、各インレットチャネルに一ずつある能動部がチャネル間の切り替えを含めて、各チャネル43、44の流量制御を行い、中央チャネル45に沿った更に2つの能動部が、チャネル内での液体の流れを混合するか、チャネル内の細胞を粉砕するか、選択的に脈動できる。デバイス40の各能動部は、能動部内に選択的に置ける側面空洞48によって特定することができる。本実施例のリザーバ、チャネルおよび空洞は、本デバイスの単層40を厚さ方向に貫通している。しかしながら、多層のデバイスもまた有用である。
【0025】
装置40の上に配置可能なのはサブアッセンブリ50であり、これは、例えば、ガラス、セラミック、あるいは剛性プラスチックなどの剛性物質でできた基板51と、エラストマ層52でできている。サブアッセンブリ50は、層を組み合わせたときにリザーバ42、41および46とそれぞれ連通する3つの貫通孔53、54及び55を含む。サブアッセンブリ50は、また、基板51は貫通するがエラストマフィルム52へは延在しない4つのキャビティ又はウエル56、57、58、59を有する。内側表面56a乃至59aは金属めっきが施されており、アクチュエータ電極として作用する。これらの電極は通常、金属箔またはトレース59bによって接続されており、これは共通電圧源として全てのキャビティに作用する。上述したとおり、最終組み立ての前にキャビティは有機極性液体またはゲルで満たされる。
【0026】
サブアッセンブリ60は、剛性のカバー61とエラストマ性絶縁シール62でできている。カバー61とシール62には、孔63、64、および65が穿孔たれており、組み立て時に、サブアッセンブリ50の対応する孔53、54、51と、また、最後にマイクロ流体デバイスのリザーバ42、41および46と連通する。これらの組み合わせで、例えばシリンジなどを用いて、液体リザーバを一杯にしたり空にしたりする。剛性カバー61からシール62を通って下側へ延びているのは電極ボタン66、67、68、および69であり、シール62と剛性カバー61の間でこれらの電極と電気的に接続するのは、導電トレース66a、67a、68a、および69aである。
【0027】
サブアッセンブリ70は、実質的にサブアッセンブリ50のミラーイメージであるが、リザーバと連通する孔は設けられていない。様々な特徴がサブアッセンブリ50内にあるようにラベル付けされている。導電トレースは、サブアッセンブリ50のトレースとオフセットされており、各アクチュエータは独立して制御することができる。
【0028】
サブアッセンブリ80は、実質的にサブアッセンブリ60のミラーイメージであるが、ここでもリザーバと連通する孔は設けられていない。ディップピンコネクタ71、72の総数の一部が、サブアッセンブリ70、80に示されている。サブアッセンブリ50、60の電気トレースに接続する為に対応するコネクタが用いられるが、明確化のために省略されている。電極86、87、88および89によって、伸張可能な突起部が個別に作動する。
【0029】
図6は、リザーバへの液体サプライを容易にするためにカバー61に取り付けた液体コネクタ91、92,93を伴う、完成したデバイスの外観を示す。デバイスの後側のディップピンコネクタはこの方向からは見えていない。液体コネクタ91、92、93と集積装置の外に伸張する電気コネクタ71、72を残して通常の集積回路のようにデバイス全体を熱硬化性樹脂に封入することができる。
【0030】
図5及び図6に示す集積装置は、別々の部品として作ることもできる。この場合、アクチュエータアッセンブリ、すなわち、サブアッセンブリ50、60、および70、80は別ユニットとして用意しても良い。この場合、マイクロ流体デバイス40は、上部と底に追加のエラストマ層を載置する。このような非集積構造を用いることによって、アクチュエータ部分を繰り返して使用して、マイクロ流体デバイス層のみを交換することが可能である。
【0031】
非集積での使用に好適な点字ディスプレイデバイスは、24×16の触覚ピンアレイを有するGraphic Window ProfessionalTM(GWP)として、ドイツ国、Horbの、Handy Tech Electronik GmbH社から入手可能である。Orbital Research社によって開示されたマイクロバルブで動作する空気式ディスプレイは、点字触覚セルのコストをセル当たり70米ドルから、セル当たり5−10カナダドルに引き下げると言われている。例えば、図5及び6に示す装置では、電気粘性流体を圧電エレメントに置き換えて電極の位置をそれに従って変更して、圧電アクチュエータも使用することができる。
【0032】
本発明のマイクロ流体デバイスは多くの用途がある。細胞の成長において、供給される養分は、生体システム内の有効性をシュミレートするために変更する必要があることがある。様々なチャネルを閉じたり、制限したりするための能動部を持つ幾つもの供給チャネルを設けることによって、養分および他の液体の供給を意図に応じて変化させることができる。一つの例は骨組織を作るための3次元足場システムであり、この足場にはリザーバから様々な養分が供給され、自然な循環をシュミレートするために蠕動ポンピングに連結される。
【0033】
更なるアプリケーションは細胞粉砕である。細胞は、能動部を通ってチャネル内に送られ、チャネル内を流れる細胞を粉砕するためにチャネルを閉じることによって粉砕することができる。例えば、透明なマイクロ流体デバイスと好適な検出器を用いたフローサイトメトリ技術によって、細胞検出を行うことができる。チャネルに対して様々な角度で光ファイバを埋め込むことによって、検出と適切なアクティベータの作動を行いやすくすることができる。チャネルから各回収サイトまたはリザーバへの送出を変化させるようにバルブを使用した同様の検出技術を、バクテリア、菌、藻、イースト、ウイルス、精子細胞などを含む胚や微生物の分類に使用することができる。
【0034】
胚の成長には、一般的に胚を収容し、続いて成長させることのできるチャネルあるいは成長チャンバが必要である。しかしながら、このような深いチャネルは効率よく閉鎖することができない。胚の成長が可能なマイクロ流体デバイスは、二つのマスクを用いた多重露光フォトリソグラフィによって製造することができる。まず、大きな、いくらか矩形(幅200μm×深さ200μm)のチャネルであって、選択的により大きい深さ200μm×長さ300μm×幅300μmの成長チャンバを一端に有するチャネルを製造する。その200μm×200μmのチャネルに、深さ約30μmの、点字ピンで容易に閉じることができるより小さいチャネルを併合する。球形の成長チャンバから一またはそれ以上の細い(30μm)チャネルが出ている。操作中、胚と媒体は大きなチャネルに導入され、球状の成長チャンバに移動する。成長チャンバからの出口チャネルはとても小さいので、胚がチャンバ内に捕らえられる。併合したチャネルと出口チャネルは、あらゆる態様、すなわち、連続的、パルス状、逆フローなどの態様で養分、その他の供給に使用することができる。胚を分光法及び/又は顕微鏡法で観察することができ、様々なチャネルを収納するPDMS本体を覆うエラストマ層を切り離すことによって胚を除去することもできる。
【0035】
流体デバイスの組立は、好ましくは、例えば、D.C. duffy et al., Rapid Prototyping of Microfluidic Systems in Poly(dimethylsiloxane), ANALYTICAL CHEMISTRY 70, 4974-4984 (1998)に述べられているようなソフトリソグラフィ技術で行われることが好ましい。また、J.R. Anderson et al., ANALYTICAL CHEMISTRY 72, 3158-64 (2000); およびM.A. Unger et al., SCIENCE 288, 113-16 (2000)も参照されたい。Dow Corning Co.社のSYLGARD R184などの添加剤硬化性RTV-2シリコーンエラストマをこの目的に使用することができる。
【0036】
様々なフローチャネル、リザーバ、成長チャンバ、その他の大きさは、体積とフローレート特性、その他によって容易に決定される。完全に閉鎖するように設計されたチャネルは、マイクロチャネルとアクチュエータ間のエラストマ層がチャネルの底に届きうるような深さでなければならない。通常特に最も遠い角(アクチュエータから遠い)が丸い断面であるようにエラストマ材料の基板を製造することによっても、完全な閉鎖を容易にすることができる。深さも、例えば、アクチュエータの伸縮可能な突起が行いうる伸張量によってきまるであろう。従って、チャネルの深さは、かなり多様となろう。100μm未満、より好ましくは50μm未満の深さが好ましい。10μmから40μmの範囲のチャネル深さが、ほとんどのアプリケーションに好適であるが、1nmといった非常に小さいチャネル深さも可能であり、特に部分的は閉鎖(部分バルビング)で十分な場合は深さ500μmのチャネルも適切なアクチュエータを用いることによって可能である。
【0037】
基板は、単層であっても、複数の層であってもよい。各層は、レーザ切断、プラズマエッチング、湿式化学法、射出成形、プレス成形、その他を含む様々な方法で作ることができる。しかしながら、上述したとおり、特に光学特性が重要な場合は、硬化性シリコンの鋳造が最も好ましい。ネガモールドの生成は、様々な方法で行うことができ、すべて当業者に良く知られている。次に、シリコンをモールドに注いで、必要に応じてガス抜きを行い、硬化させる。多層の相互接着は、従来の技術によって行うことができる。
【0038】
いくつかのデバイスを製造するのに好ましい方法は、ネガのフォトレジストを使用しマスタをつくる方法である。マサチューセッツ州、ニュートンに所在のMicro Chem Corp., 社のSU-8 50フォトレジストが好ましい。このフォトレジストはガラス基板に塗布することができ、適当なマスクを用いて非被覆側から露光することができる。硬化深さは、露光時間と光源の強度のような要因に依存するので、大変薄いものからフォトレジストの深さまで深いものまでの範囲の特徴を作れる。露光されなかったレジストは除去され、ガラス基板上に盛り上がったパターンを残す。硬化性エラストマをこのマスタ上で鋳造し、取り外す。
【0039】
SU-8フォトレジストの材料特性と、値段の安い光源からの散乱光を用いて、端部が「丸くスムーズ」であり、上部がフラットな(即ち、ベル形の)断面プロファイルを持つマイクロ構造とチャネルをつくることができる。短時間の露光は丸みのついた先端を作る傾向にあり、一方、長時間の露光は角が丸いフラットな先端を作る傾向にある。より長時間の露光は、より広いチャネルを作る傾向にある。これらのプロファイルは、M.A. Unger, et al., SCIENCE 2000, 288, 113に記載されているように、液体の流れを止めるためにチャネル構造を完全につぶす必要がある圧縮、変形ベースのバルブとしての使用に理想的である。このようなチャネルによって、点字タイプのアクチュエータはマイクロチャネルの完全な閉鎖を実現し、つまり、非常に利用価値の高いバルブ付マイクロチャネルを作り出している。このような形状は、また、均一のフローフィールドを作り、良好な光学特性を有するものでもある。
【0040】
典型的な手順では、フォトレジスト層を基板の後側から、例えばフォトプロットされたフィルムなどのマスクを介して、紫外線(UV)トランスイルミネータで発生した散乱光によって露光させる。散乱光によって生じる球形の波面がネガのフォトレジスト内を通過するので、ベル型の断面ができる。SU-8の吸収係数の照射線量による依存的変化が(365nmにおいて非露光時3985m−1から露光されて9700m−1)、端部の露光深さを制限する。
【0041】
製造した構造体の正確な断面形状と幅は、フォトマスクの特徴サイズと、露出時間/強度、レジスト厚さ、及びフォトマスクとフォトレジスト間の距離によって決まる。後側からの露光は、フォトマスクで規定されるサイズより広い特徴をつくり、また、いくつかの場合、元のフォトレジストコーティングの厚さに比較して高さが低いものを作るが、転写されるパターンの大きさの変化は、マスクの大きさと露光時間から容易に予測することができる。フォトマスクパターンの幅と得られたフォトレジストパターンの幅の関係は、一定のフォトマスクの開口サイズを超えると原則的には直線的である(1のスロープ)。この直線的な関係によって、フォトマスク上の開口サイズは単に一定値を差し引くことで簡単に補正することができる。露光時間が一定に保たれている場合、それ以下になると不完全な露光がマイクロチャネルの高さを元のフォトレジストの厚さより低くするというスレッシュホールド開口サイズがある。より低い照射線量はよりスムーズで、より丸い断面プロファイルをもつチャネルをつくる。しかしながら、ゆっくり過ぎる(あるはフォトレジストの厚さが大きすぎる)光の照射線量は、フォトレジストへの貫通が不十分であり、その結果断面がもとのフォトレジストの厚さより薄くなる。
【0042】
変形ベースのバルブとして用いる厚さ30μmのベル型断面のマイクロチャネルの適合性を、商業的に入手可能なリフレッシュ可能な点字ディスプレイの圧電縦型アクチュエータを用いてチャネルに外圧を加えることによって評価した。チャネルの断面が矩形断面などのように不連続タンジェントを有する場合、メンブレインと壁の間にスペースが残ることがある。一方、ベル形状の断面を持つチャネルは、同じ条件の下で完全に閉じられる。点字ピンが、断面がベル形状あるいは矩形のマイクロチャネルに対して200μmのポリ(ジメチルシクロキサン)(PDMS)メンブレインを介して押圧されると、ベル形状のチャネルは完全に閉じ、一方、幅を同じくする矩形チャネルにはかなりの量の漏出がある。
【0043】
上述の技術は、グレイスケールマスクリソグラフィや、レーザビーム重合化といった、丸型プロファイルをなすウエルを作るその他のフォトリソグラフ法に比べてコスト的にも時間的にも効率が良い。なぜなら、レーザや、平行光源(マスクアライナ)、あるいはサブマイクロン解像度のフォトマスクといった特別な装置を必要としないからである。唯一必要なのは多くのバイオロジカル研究所で入手可能なトランスイルミネータのみである。さらに、この後方露光技術は、マイクロ流体マスクリソグラフィや、既存のマイクロチャネルにエッチング液のパターン化した層流を使用するなどの、他のソフトリソグラフィベースのパターニング法に比べて、より多くのプロファイルを作ることができる。
【0044】
変形ベースのマイクロ液体バルブとして使用する場合、これらのベル型マイクロチャネルは、シミュレーションおよび、実験によって実証されているように、従来の矩形または半円形断面チャネルに比べて、圧縮したときの自己シーリングが改善されている。ベル形状のチャネル(幅30μm;高さ30μm)は、点字ピンを18gfの力で圧迫することによって、完全に閉じられた。側壁がゆるやかに傾斜したベル形状の断面を有するチャネルは、フォトマスクで規定可能な丸いパターンを作るために最も便利な方法のうちの一つである、溶解レジスト技術で作ることはできない。なぜなら、このプロファイルは表面張力で作られるからである。このベル型チャネルは、変形する際にチャネルを完全に閉じる能力と妥協することなく、マイクロ液体チャネル内の断面積を最大にする。例えば、ここで述べたチャネル断面は、これまでに報告されている空気式で作動する変形型のバルブ(幅100μm、高さ20μm)より大きく、且つ、哺乳動物の細胞培養により好適であろう。更に、ベル形状の断面は平坦な天井と床をチャネルに提供する。このことは、光学顕微鏡の収差を低減し、チャネル幅に渡ってより均一な速度プロファイルをもつフローフィールドを得るのに有利である。ベル形の断面形状を有するマイクロチャネルのこれら利点は、便利で、高価でなく、商業的に入手可能なリフレッシュ可能な点字ディスプレイに基づくバルブアクチュエーション機構と組み合わせ、マイクロ流体細胞培養と分析システム、バイオセンサや、マイクロレンズなどのオンチップの光学装置などの幅広い分野にわたるマイクロ流体アプリケーションに有益であろう。
【0045】
触覚アクチュエータの外側への伸張は、所望の目的に対して十分なものでなくてはならない。深さ40μmのマイクロチャネルを完全に閉塞するには、例えば、単一のアクチュエータを使う場合は通常40μmかそれ以上の伸張(「突出部」)が必要であり、チャネルの両側に置いた2個のアクチュエータを使用する場合は約20μmまたはそれ以上が必要である。蠕動ポンピング、ミキシング、および流量調整のためには、チャネルの高さより少ない伸張を使用できる。触覚アクチュエータの面積サイズは、チャネル幅と機能(閉鎖、流量調整、ポンピングなど)と共に適宜変化するものであっても良く、40μmから約2mmまでの範囲であることが好ましく、0.5mmから1.5mmの範囲がより好ましい。より大きいサイズ、およびより小さいサイズも同様に可能である。アクチュエータは十分な出力を生じさせるものでなくてはならない。ある点字タイプのディスプレイピンによって生じる力は、約176mNであり、他のディスプレイではこれより高いか、あるいは低い力となる。
【0046】
従って、ある態様においては、本発明は、流体チャネルまたは容器でできており、エラストマカバーと、選択的に、しかし好ましくは、エラストマの壁と、マイクロ流体デバイスに外付した触覚アクチュエータからの圧力を与えることによって選択的に変化する容積及び/又は断面積を有する、少なくとも一の能動部を有するマイクロ流体デバイスに関する。本発明の更なる態様では、触覚アクチュエータアレイを、例えば単純なコンピュータプログラム又はASCII文字列の入力によって各触覚突起を個別に、或いは、グループでアドレスすることができるようにして、作動圧力を供給するのに使用しても良い。
【0047】
本発明の更なる態様によれば、マイクロ流体チャネルに外付した一連の触覚アクチュエータは、パターンで作動して、蠕動ポンピング動作、あるいはチャネルに含まれる液体と混合する動作を提供する。
【0048】
本発明の更なる態様によれば、触覚アクチュエータは、選択的にマイクロ流体デバイスの一又はそれ以上のチャネル内の液体あるいは粒子の通路によって作られる信号に応じて、マイクロ流体デバイスの供給チャネルまたは出口チャネルを選択的に開閉するのに使用される。
【0049】
本発明の更なる態様によれば、触覚アクチュエータはマイクロ流体デバイス自体に外付にして維持されているが、液体注入口と出口、及び各触覚アクチュエータを付勢するための電気的接続を含む一体化構造に組み立てられる。
【0050】
本発明の更なる態様によれば、本発明のデバイスは、マイクロリアクター、組織培養デバイス、細胞培養デバイス、細胞分類装置、あるいは細胞粉砕装置として使用される。
【0051】
商業的に入手可能なソフトウエア付標準点字ディスプレイの使用は、バルブ閉鎖、ポンプによる送出、および混合などのデバイスの特徴を作動させるための特に簡潔な手段である。このエラストママイクロ流体デバイスは、適切な特徴が、8ドットの点字セル内の相当する点字突出部の下、もしくは、ディスプレイ内の様々なセル内に位置する突出部の下に位置するように設計されている。スクロール能力を伴うテキストエディタは、ASCII文字の単一または複数の文字列をスキャンすることができ、適当な信号をディスプレイに転送することができる。可変スクロール速度は、アクチュエーションの速度を変えるのに使用することができる。
【0052】
例えば、ASCIIの「a」は、デジタルコード10000000によって表されるが、「coma」は、00000100で表される。これらの各コードは、8ドットのセルにおいて単一の突出部を作動させるであろう。点字ソフトウエアは、様々な環境で動作するコンピュータで使用することができる。例えば、Windows(登録商標)のオペレーティングシステムは、JAWS4.0で使用できる。しかしながら、概念は単純であり、Fortran、Basic、Visual Basicなどの様々なプログラム言語に簡単に実装することができる。
【0053】
本発明を使用することによって、様々な機能を一つのデバイスに実装することができる。養分、成長因子、その他を供給するための複数のリザーバを使用可能である。様々なリザーバは、液体供給のどのような組み合わせ、すなわち、一回に一つのリザーバから供給したり、あるいはリザーバのいろいろな組み合わせからの供給したり、などが可能である。これは、上述したようにリザーバとの液体連通をバルブ化したマイクロチャネルによって構築することで実現される。点字ディスプレイやアクチュエータアレイをプログラミングすることによって、各リザーバを個別に成長チャネルやチャンバに、好きなように接続することができる。マイクロチャネルサプライに沿って伸張可能な複数の突出部を設けることによっても、蠕動ポンピングをさまざまなフローレートで実行することができる。脊椎動物の循環系に典型的な均一でない脈動するフローを容易に作り出すことができる。本発明のシステムはフレキシビリティを提供しているにもかかわらず、構造は簡易である。単純で、プログラム可能な外付アクチュエータに接続したマイクロ流体デバイス自体の単純性により、費用対効果がすぐれたシステムを提供することが可能であり、ここでは、その技術的な能力にもかかわらず、マイクロ流体デバイスは比較的安く、使い捨て可能である。
【0054】
ラップトップからハンドヘルドサイズまでのシステム内でのマイクロ流体細胞研究に更なるフレキシビリティを提供する、複数のポンプ及バルブを伴う連結され調整されたフローが、リフレッシュ可能な点字ディスプレイ上で小さなアクチュエータのグリッドを使用することによって、作られる。これらのディスプレイは、通常、コンピュータモニタに対する触覚類似物として視覚障害者によって使用される。ディスプレイは、通常20〜80列のセルを含み、各々のセルが8本(4×2)の垂直に動くピン(〜1−1.3mm)を保持している。同じセル上の二つのピンは中央から中央まで通常2.45mm、他のセル上のピンとは3.8mm離れている。各ピンは、圧電機構を使用して上側に0.7〜1mm突き出る潜在力を持ち、15−20cNまでの力を保持することができる。点字ピンアクチュエータの制御は、コンピュータプログラムにおけるテキストのラインを変更することによって行われる。点字ピンのユニークな組み合わせが、表示されている文字に応じて所定時間に突出するであろう。点字ディスプレイは、ソフトウエアが予め搭載されており、使用が容易であり、容易にアクセスすることができる。これらのディスプレイは、個人用に設計されており、AC電源またはバッテリ電源を用いたウォークマンからラップトップサイズの範囲のものである。エラストマ系、透明ゴムの中のチャネルに対してこの動く点字ピンを用いることによって、チャネルを変形させ、インサイチューでポンプとバルブを作ることが可能である。
【0055】
実施例1
マイクロ流体デバイスは、PDMS(SYLGARD(登録商標)184)で製造され、8ドットのセルを有する商業的な点字ディスプレイの下に能動部を有しており、その突出部は約直径1mmであり、各セル内のセンターからセンターへのスペースは2.5mmであり、セル間の距離は3.2mmである。各突出部は、作動したときにディスプレイの表面から1.5mm突出することができる。エラストマPDMSデバイスのチャネルは、比較的薄い100−200μmの底部PDMSメンブレインを有する。このメンブレインは点字ディスプレイの上に載っている。マイクロ流体デバイスは、一の共通の観察チャネルと二つのバルブ化した供給チャネルを有し、点字ディスプレイで作動したバルビング動作を観察するのに使用される。バルブは、上述したとおり、能動部の近傍に空洞を伴うように構成されており、マイクロ流体デバイスの上に商業的な点字ディスプレイ上の窪みの下にくるように配置されている。一の注入チャネルには注入リザーバから蛍光塗料溶液が供給され、一方で、他の注入リザーバは塗料を含んでいない。各バルブは、交互に「a」と「,」を含むテキスト全体をスクロールすることによって繰り返し開閉する。共通チャネル内の蛍光がモニタされている。液体フローが、共通チャネルの出口に連通するシリンジによって誘導される。この装置は、従って、図3の装置と同様である。
【0056】
図7は、各注入バルブが交互に閉じるときにチャネル内で観察された蛍光を、バックグラウンドノイズを除去して示す図である。図に見られるとおり、バルビングは高効率である。プロットは、M.A.Unger et al., SCIENCE 288, 113 (2000) に示されているものと同様である。
【0057】
実施例2
フォトプロットしたフィルムは、CAD/Art Service, Inc.社(カリフォルニア、ポーウエイ)に注文した。両面を仕上げた4インチのボロシリケートグラスウエハ(厚さ200μm)をPlan Optik GmbH社(ドイツ国、エルソッフ)から、48mm×65mmのボロシリケートカバーグラス(厚さ160μm)をFisher Scientific社から、ネガのフォトレジストSU−8 50をMicroChem Corp.社(マサチューセッツ州、ニュートン)から、PDMS(Sylgard 184)をダウコーニング社(ミシガン州、ミッドランド)から入手した。フォトレジストは、6つの交換済み蛍光バックライトランプ(TL-D15W/08、Philips社製)付トランスイルミネータ(FB-TIV-816A, Fisher Scientific社製)と、Canon U.S.A. Inc.社(ニューヨーク州、レイクサクセス)製のPLA-501FAマスクアライナによって露光した。酸化は、プラズマエッチング装置(Plasma Prep II; ペンシルバニア州、ウエストチェスタ所在のStructure Probe Inc.社製)を用いて行った。点字ディスプレイであるDotView DV-1は、KGS Corp.社(日本、埼玉)から入手した。リン酸緩衝生理食塩水(PBS)は、Fisher Scientific社から入手した。
【0058】
20,000dpiでフォトプロットすることによって、マイクロチャネルのフォトマスク(幅:10μm〜400μm)を作り、露光マスクを形成した。4500rpmのスピンコーティングで30μmのSU−850の層をガラス基板上にコーティングし、95℃でソフト焼成し、最大強度(8mW/cm)で、トランスイルミネータを用いて後方から露光した。フォトマスクフィルムを基板の非被覆側におき、2枚の5インチ合成クオーツガラスフォトマスクブランク(厚さ2.38mm)でクランプした。基板の被覆した側は、黄色のビニルフィルムで覆われており、SU-8コーティング内に紫外線が再度入射することを防いでいる。これらは、トランスイルミネータ上の移動可能なキャリッジに配置した。トランスイルミネータの表面と基板との間のギャップは19mmであった。キャリッジは、5cm/sの速度で、半径方向において前後に移動する。95℃で後露光焼成し、現像した後、チャネル特徴が得られた。
【0059】
シリコーンプレポリマを鋳造することによって、モールドのパターンを厚さ5mmのポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)スラブに移した。更に、シラン化ガラスウエハ上にプレポリマをスピンコーティングして、厚さ200μmのPDMSメンブレインを作った。スラブとメンブレインの双方共に、室温で1日間、平面上で硬化させた後、60℃の温度で1時間硬化処理を行った。スラブは、最終的に150℃の温度で、15分間硬化した。スラブとメンブレインを酸化させた後、Duffy, ANALYTICAL CHEMISTRY 70,op.cit.に記載されている方法で接合した。
【0060】
製造したPDMSマイクロ流体デバイスを点字ディスプレイ表面に機械的に固定した。チャネルの漏れを観察するために、チャネルの中心線を蛍光立体顕微鏡の下で点字ピンの中心に整列させた。次いで、点字ピンを制御して、チャネルを上に押し上げた。最大力は176.4mNである。チャネルの閉鎖(バルビング)は染料溶液を満たしたチャネルを介して点字ピンの蛍光を視覚化することによって分析した。導電性の溶液を含むチャネルの端部に二本のプラチナワイヤ(直径254μm)の先端を固定させることによって、チャネル内の液体の電気抵抗を測定する方法を用いることもできる。通路の制限が増えるにつれて、測定する抵抗も増える。マイクロチャネルの内部は緑色のフード色で満たされた。
【0061】
実施例3
各シリコンチップは、ポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)の多層アッセンブリである。1:10(硬化剤:ベース)の割合のプレポリマ(Sylgard 184、 Dow-Corning社)をシラン化ガラスウエハの上に200rpmの速度で4分間スピンコーティングすることによって厚さ120μmのボトム層を形成する。正のレリーフ構造を持つシリコンマスタは、実施例2で述べた背面からの拡散光フォトリソグラフィを介して規定されたフォトレジスト(SU−8、MicroChem社)でできている。プレポリマ(比1:10)は、この正のレリーフ特徴に対して鋳造され、〜1mmの中間層を形成する。結果としてできたネガのレプリカは、ボトム層によって密封されるときにチャネルを形成した。14−ゲージの鋭い太い針でパンチして上側層に向けて中間層にホールを形成する。比率1:10、従って1:20のプレポリマが機械加工されたブラスモールドの上に連続的に注がれ、プレポリマベースの上側層の天井が厚くなり、続く針による注入に対するより良好なシーラントを提供した。三つの硬化層のすべてを酸素プラズマに30秒間さらした後、互いに強固に張り合わせた。このアッセンブリを、60℃で10分間インキュベートした。組み立てた装置を、水性流体(例えば、細胞培地)で満たして、チャネルの親水性表面特性を保存し、37℃のインキュベータで一晩インキュベートした。
【0062】
実施例4
マイクロ流体デバイスは、更なる配管を防ぐために、マイクロ流体アッセンブリの上にリザーバ層を具える。このリザーバとチャネルは、無菌でない環境において流出と汚染を防ぐために、閉鎖系(ガスを除く)を維持している。PDMSはシーラントとして作用するので、ゲージ30の針を用いてこの閉鎖系に試薬を加え、あるいは、抜き取ることができる。用意した装置は、点字ピンの上に整列させ、締め付けて、蒸留水の皿の近辺に置かれ、サランラップでゆるく覆う。設備全体が、各装置内部の液体の移動を制御するラップトップの近くの、ドライインキュベータ内に置かれる。
【0063】
チャネルの構造は、播種を行う間は内部連結されている複数のループでできており、液体が循環する間は互いにバルブで遮断されている。各ループは、主リザーバに連結されており、他のループにリンクされているセグメントを含む。各ループは、同じリザーバに連結されている注入口と出口を有するので、二端部間の静水圧は同じであった。一の播種手順が、各リサイクルループを整えている間、各ループは、バルブで分離され、他のループから独立して稼動することができる。チャネルに播種するためには、一本の針を播種回路の一端に排出口として挿入して、他端に細胞を持っている別の針を挿入する。バルブは注入された細胞をナビゲートするための一の通路のみを規定し、細胞が付着するように停滞した流れを与えるようにする。これによって、正確な播種を従来の方法に比べてより適切かつ効率よく行うことができる。
【0064】
この設計は、細胞フロー分析を作るのに使用される。播種した細胞には、まず、豊かな成長因子(15%の胎児ウシ血清)の媒体が注がれ、次いで制限された媒体(2%のウマ血清)を注ぐ。制限媒体において、適度のフローレートがセルを成長させ、遅いフローレートは成長を妨げてセルを死亡させる。一般的に、上流端で増殖が生じ、下流端では生じない。このことは、ループの一方の端部から他端へ濃度勾配が存在していることを示唆している。このことは、ポンプの人為的影響であるかもしれないが、この傾向は25秒に1回アクチュエートする最も遅いポンプを含めて、すべてのフローレートにおいて言える。
【0065】
このフロー分析は、細胞を選択的に位置させる能力と、延長された時間内に流体環境を調整する能力を特徴とする。これらの特徴は、模擬的にインビボ環境においてセルの研究を可能とする。ちょうど循環系が多細胞生物内においてゆっくりとした大量輸送を克服するように、調整されたマイクロ循環も同様に、活発にフレッシュな栄養を送り出し、細胞の廃棄物を除去し、また、濃度を与えて、マイクロ流体チャネル内に住む細胞に利益をもたらす。任意に細胞を扱い、識別し、成長させ、或いは、細胞自然死を遂げさせることができる。細胞から細胞への化学的信号伝達は、液体の方向を変更することによって研究することができる。これらの細胞分析は、毒物学、薬理学に、あるいはバイオセンサとして使用することができる。
【0066】
実施例5
本発明は、さらに、ラミナストリーム間の切り替えと、プログラミングによる混合、および播種、区分け、およびC2C12マウスの筋芽細胞を長期間に亘って(3週間まで)マイクロ液体チップ内に保持し、異なるフローパターンの下で筋芽細胞の増殖を調べることによって、さらに明らかになる。
【0067】
点字ディスプレイ(Navigator, Telesensory, CA, USA)を、マイクロアクチュエータピンのグリッドとした。これらのピンは、コンピュータに表示されているテキストを反映したものである。最もアクセス可能な制御法は、テキストエディタ(Boxer)を用いて、正しい点字ピンが作動するように設計された予め整えたテキストを自動スクロールする。よりフレキシブルなプログラムが、Visual Basic (Micorosoft)でコード化されており、所望のピンアクチュエーションに対応する文字ラインを常にアップデートする。点字スクリーンリーダ(HAL, JAWS)は、文字のリフレッシングラインに基づいてピンアクチュエーションを直接制御した。8本のピン(4×2)が、全ての可能な文字を表している。文字は256の可能な組み合わせのうちの213のユニークな組み合わせ、すなわち、可能な組み合わせの83%に対応している。各文字を表す最初の3列のピンの全ての組み合わせが、対応する文字を有しており、完全な制御下にある。
【0068】
マウスC2C12の間葉系前駆細胞を、通常の方法で培養して取り入れる。細胞は、ペトリ皿(Fisher)上で5%のCOの下、15%の胎児ウシ血清と、100μg/mlのストレプトマイシンと、100μg/mlのペニシリンを含むDulbecco’s Modified Eagle Medium (DMEM) (Invitrogen)媒体の中で培養する。細胞は、トリプシン/EDTAを用いて皿からはずしPBS(Invitrogen)で洗浄した。これらの細胞を毛細チャネルに注入し、同じ媒体の下で保持した。マイクロチャネルは媒体で一晩インキュベートして前処理を行った。細胞は5%のCO、37℃で点字ディスプレイ上のデバイスに培養される。
【0069】
本発明の実施例を図に示し、説明したが、これらの実施例は本発明のすべての形状を図示し、説明しようとしたものではない。むしろ、明細書に使用されている用語は、限定ではなく説明のための用語であり、本発明の精神と範囲からはずれることなく様々な変更がなされ得ると解される。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】図1は、外付、非集積の触覚アクチュエータを用いた本発明の一実施例を示す図である。
【図2】図2a乃至2cは、図1のデバイスの動作を示す図である。
【図3】図3は、触覚アクチュエータを用いて流入を選択あるいは制御し、流体をポンプで送り込むまたは混合するマイクロ流体デバイスを示す図である。
【図4】図4は、触覚アクチュエータによるチャネルの制限を容易にするために、側面空洞を有するマイクロ流体チャネルを示す図である。
【図5】図5は、二つの触覚アクチュエータセンサアレイを用いた集積デバイスを示す図である。
【図6】図6は、図5の組み立てたデバイスを示す図である。
【図7】図7は、点字ディスプレイ装置上でテキストをスクロールすることによって生じる非集積デバイス内のバルブ調節動作を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
形状、及び/又は容積の変更を所望する少なくとも一の空スペースを中に有し、前記空スペースが変形可能なエラストマ層によってその一方の側部に規定されている基板と、前記エラストマ層の一の側部の近位に前記空スペースから離隔して配置した電気的にアドレス可能な触覚アクチュエータであって、スペースを空けて個別にアドレス可能で、延長可能な複数の突出部を有し、少なくとも一の突出部が、作動時に前記変形可能なエラストマ層の上に支持され、前記層を変形し、前記空スペースの形状及び/又は容積を変える突出部を有する触覚アクチュエータを具えることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記空スペースがフローチャネル、リザーバ、又はセル粉砕チャンバを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記触覚アクチュエータが伸張可能な突出部の規則的なジオメトリックアレイを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記触覚アクチュエータがプログラム可能な点字ディスプレイを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のデバイスが、少なくとも一つの液体ポンピング部を含み、この液体ポンピング部がフローチャネルと、前記フローチャネルに沿って直列に配置した複数の伸張可能な突出部を具える触覚アクチュエータとを具え、前記触覚アクチュエータが前記フローチャネル内で液体をポンピングするシーケンスで前記突出部を伸張および収縮するようにプログラムされていることを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のデバイスが、少なくとも一のバルブ付フローチャネルを含み、このバルブ付フローチャネルが触覚アクチュエータの伸張可能な突出部近位にあり、前記チャネルが前記伸張可能な突出部の最大延長が前記エラストマ層を前記フローチャネルの深さまで変形させるような深さを有し、前記フローチャネルを閉鎖することを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のデバイスが、少なくとも一のバルブ付マイクロチャネルを具え、このマイクロチャネルが1μmから100μmの深さを有し、前記マイクロチャネルが厚さ1μmから1mmのエラストマ層によってその一方の側部に規定されていることを特徴とするデバイス。
【請求項8】
請求項1のデバイスにおいて、前記基板がエラストマ材料であることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のデバイスにおいて、前記基板と前記エラストマ層の双方がシリコーンエラストマを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
液体中の生きた生物体の培養に適するデバイスにおいて、前記液体組成物が液体フローとして供給され、前記デバイスが請求項1に記載のマイクロ流体デバイスを具え、少なくとも一の空スペースが前記生物体の成長チャンバを具え、前記成長チャンバは少なくとも一のリザーバと、少なくとも一の液体ポンピング部と液体が連通しており、前記液体ポンピング部がフローチャネルと、前記フローチャネルに沿って直列に位置した複数の伸張可能な突出部を具える触覚アクチュエータを具え、前記触覚アクチュエータが前記フローチャネル内で液体をポンピングするシーケンスで前記突出部を伸張および収縮するようにプログラムされており、前記フローチャネルが、液体が前記リザーバから前記成長チャンバに流れるように前記リザーバと前記成長チャンバと連通していることを特徴とするデバイス。
【請求項11】
請求項10に記載のデバイスが、複数のリザーバを具え、前記リザーバの各々が、前記成長チャンバと液体を連通するバルブ付フローチャネルと連結しており、前記成長チャンバへの液体の流れが一または複数のリザーバから選択することができるようにしたことを特徴とするデバイス。
【請求項12】
生物体の培養のプロセスにおいて、前記生物体またはその先駆体を請求項1に記載のデバイス内の空スペースに入れるステップと、前記触覚アクチュエータで作動するマイクロチャネル蠕動ポンプによって、前記生物体を過ぎて成長媒体液をポンピングするステップとを具えることを特徴とするプロセス。
【請求項13】
請求項12に記載のプロセスにおいて、前記デバイスが複数の液体リザーバと、複数の関連するバルブ付マイクロチャネルとを具え、前記生物体を過ぎてポンピングされた液体を、前記感触覚アクチュエータによって選択されたバルブを開く及び/又は閉じることによって一又はそれ以上の選択されたリザーバから取り出し得ることを特徴とするプロセス。
【請求項14】
請求項13に記載のプロセスにおいて、各バルブ付マイクロチャネルがさらに、蠕動ポンプを具えることを特徴とするプロセス。
【請求項15】
請求項13に記載のプロセスにおいて、前記生物体を通過する液体のフローレートが、前記生物体を含む空のスペースと液体連通するマイクロチャネルに沿って連続的に位置している伸張可能な突出部のアクチュエーションレートを変化させることによって変わることを特徴とするプロセス。
【請求項16】
請求項15に記載のプロセスにおいて、前記液体の流れが、複数の液体供給マイクロチャネルと関連する各マイクロチャネルバルブを閉じるまたは開くことによって変わることを特徴とするプロセス。
【請求項17】
マイクロ流体デバイスに液体コントロールを実装するプロセスにおいて、請求項1に記載のマイクロ流体デバイスを選択するステップと、伸張可能な突出部のジオメトリックアレイを前記触覚アクチュエータとして選択するステップと、コンピュータプログラムによって前記ジオメトリアレイ内に個々の伸張可能な突出部を選択するステップと、を具えることを特徴とするプロセス。
【請求項18】
請求項14に記載のプロセスにおいて、前記ジオメタリックアレイが点字ディスプレイであり、前記独立した突出部が前記ディスプレイにASCII文字を供給することによって作動することを特徴とするプロセス。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−527093(P2006−527093A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507019(P2006−507019)
【出願日】平成16年3月10日(2004.3.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/007246
【国際公開番号】WO2004/081741
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(501279741)ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン (22)
【Fターム(参考)】