説明

プロセスカートリッジ、画像形成装置及びプロセスカートリッジの組立て方法

【課題】トナーをスムーズに搬送するプロセスカートリッジ、画像形成装置及びこのプロセスカートリッジの組立て方法を提供する。
【解決手段】感光体22と、この感光体22に形成された潜像を可視像化し、現像剤収納空間62を有する現像装置34とを有するプロセスカートリッジ20において、現像剤収納空間62を分割して設けられたメインタンク68とサブタンク70と、メインタンク68に開口する現像剤取込口68aとサブタンク70に開口する現像剤供給口70aとを接続する現像剤通路72と、メインタンク68に回転自在に設けられ、該メインタンク68内の現像剤を攪拌搬送する少なくとも2つのメインタンクアジテータ107と、サブタンク70に回転自在に設けられ、サブタンク70内の現像剤を攪拌搬送するサブタンクアジテータ119とを有する。現像剤取込口68aは、少なくとも2つのメインタンクアジテータ107の間に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ、複写機又はファクシミリ等の画像形成装置、これに用いるプロセスカートリッジ及びこのプロセスカートリッジの組立て方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来画像形成装置として、画像形成装置本体にプロセスカートリッジを着脱自在に装着したものは公知である。従来のプロセスカートリッジの一つとして、現像剤が収納される現像剤収納空間を、走査光路を構成する窓部を挟んで上下方向で分割し、分割した現像剤収納部を現像剤通路で接続したものが知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−101760号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、上方に配置された現像剤収納部と下方に配置された現像剤収納部とを接続する現像剤通路において、現像剤の詰まり等が発生し、該現像剤がスムーズに搬送されないことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的とするところは、現像剤をスムーズに搬送することができるプロセスカートリッジ、画像形成装置及びこのプロセスカートリッジの組立て方法を提供することにある。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴とするところは、画像形成装置本体に着脱自在に装着され、像保持体と、この像保持体に形成された潜像を可視像化し、現像剤収納空間を有する現像装置と、を有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像剤収納空間を分割して設けられた第1の現像剤収納部と第2の現像剤収納部と、前記第1の現像剤収納部に開口する現像剤取込口と前記第2の現像剤収納部に開口する現像剤供給口とを接続する現像剤通路と、前記第1の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第1の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する第1の攪拌搬送部材と、前記第2の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第2の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する少なくとも2つの第2の攪拌搬送部材とを有し、前記現像剤供給口は前記複数の第2の攪拌搬送部材のうち1つの前記第2の攪拌搬送部材の前記第2の現像剤収納部に対する投影面に重なる位置に配置されているプロセスカートリッジにある。
【0007】
本発明の第2の特徴とするところは、画像形成装置本体に着脱自在に装着され、像保持体と、この像保持体に形成された潜像を可視像化し、現像剤収納空間を有する現像装置と、を有するプロセスカートリッジにおいて、前記現像剤収納空間を分割して設けられた第1の現像剤収納部と第2の現像材収納部と、前記第1の現像剤収納部に開口する現像剤取込口と前記第2の現像剤収納部に開口する現像剤供給口とを接続する現像剤通路と、前記第1の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第1の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材と、前記第2の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第2の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する第2の攪拌搬送部材とを有し、前記少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材の間に前記現像剤取込口が配置されているプロセスカートリッジにある。
【0008】
好適には、前記像剤供給口は前記第2の攪拌搬送部材の前記第2の現像剤収納部に対する投影面に重なる位置に配置されている。
【0009】
好適には、前記第2の攪拌搬送部材は複数有し、前記現像剤供給口は該複数の第2の攪拌搬送部材うちの1つの前記第2の現像剤収納部に対する投影面に重なる位置に配置されている。
【0010】
好適には、前記第1の攪拌搬送部材と前記第2の攪拌搬送部材とはそれぞれ2つ有し、前記2つの第2の攪拌搬送部材の中心距離が前記2つの第1の攪拌搬送部材の中心距離よりも狭くなるように設けられている。
【0011】
好適には、前記現像剤供給口の幅は前記2つの第1の攪拌搬送部材の中心距離よりも小さくなるように設けられている。
【0012】
好適には、前記現像剤取込口の幅は前記現像剤供給口の幅と同一もしくは前記現像剤供給口の幅よりも大きくなるように設けられている。
【0013】
好適には、前記第2の攪拌搬送部材の少なくとも一部は前記現像剤供給口に対峙するように設けられている。
【0014】
好適には、前記第2の攪拌搬送部材は、前記第2の現像剤収納部に回転自在に設けられた回転軸と、この回転軸に固定されたシート状のフィルム部材とを有し、前記第2の攪拌搬送部材の前記現像剤取込口に対向する位置には前記フィルム部材に少なくとも2つの切り込み部が設けられ、該切り込み部で区切られた部分が前記現像剤供給口に入り込むように設けられている。
【0015】
好適には、前記現像剤通路に前記第1の現像剤収納部と前記第2の現像剤収納部との接続を遮断する遮断部材が設けられている。
【0016】
好適には、前記現像剤通路は弾性部材からなる。
【0017】
好適には、前記第1の現像剤収納部に該第1の現像剤収納部内の現像剤が排出される現像剤排出口を有し、該排出口は前記第1の攪拌搬送部材の一方の軸方向端部近傍に設けられ、前記現像剤取込口は該第1の攪拌搬送部材の他方の軸方向端部近傍に設けられている。
【0018】
好適には、前記第2の攪拌搬送部材と前記現像剤供給口とが対峙するタイミングと、前記第1の攪拌搬送部材と前記現像剤取込口の投影面とが重なるタイミングと異なるように前記第1の攪拌搬送部材及び前記第2の攪拌搬送部材へ駆動を伝達する駆動伝達装置を有する。
【0019】
本発明は、上記のように構成されたプロセスカートリッジを有する画像形成装置を含むものである。
【0020】
本発明にかかるプロセスカートリッジの組立て方法は、画像形成装置本体に着脱自在に装着され、像保持体と、この像保持体に形成された潜像を可視像化し、現像剤収納空間を有する現像装置とを有し、前記現像剤収納空間を分割して設けられた第1の現像剤収納部と第2の現像材収納部と、前記第1の現像剤収納部に開口する現像剤取込口と前記第2の現像剤収納部に開口する現像剤供給口とを接続する現像剤通路と、前記第1の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第1の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材と、前記第2の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第2の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する第2の攪拌搬送部材とを有し、前記少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材の間に前記現像剤取込口が配置されているプロセスカートリッジにおいて、前記第2の攪拌搬送部材と前記現像剤供給口とが対峙するタイミングと、前記第1の攪拌搬送部材と前記現像剤取込口の投影面とが重なるタイミングと異なるように前記第1の攪拌搬送部材及び前記第2の攪拌搬送部材を取り付ける工程を有する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、第1の現像剤収納部に開口する現像剤供給口が少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材の間、すなわち第1の現像剤収納部における搬送力の高い位置に配置されているので、現像剤の堆積を抑制し、該現像剤をスムーズに搬送することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が示されている。この画像形成装置10は、画像形成装置本体12を有し、この画像形成装置本体12の上部に画像形成がなされたシートが排出される排出部14が設けられるとともに、画像形成装置本体12内に画像形成部16とシート供給装置18とが配設されている。
【0023】
画像形成部16は、カラー画像を形成する電子写真方式のもので、画像形成装置本体12に着脱自在に装着される4つのプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20Bと、プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20Bがそれぞれ有する感光体22Y、22M、22C、22Bに光により静電潜像を書き込む光書き込み装置24と、像保持体としての感光体22Y、22M、22C、22Bに形成された現像剤像をシートに転写する転写装置26と、転写装置26によりシートに転写された現像剤像をシートへと定着する定着装置28とを有する。
【0024】
プロセスカートリッジ20Yはイエロー用であり、プロセスカートリッジ20Mはマゼンダ用であり、プロセスカートリッジ20Cはシアン用であり、プロセスカートリッジ20Bはブラック用である。各プロセスカートリッジは、画像形成装置本体12内において、例えば上からプロセスカートリッジ20Y、プロセスカートリッジ20M、プロセスカートリッジ20C、プロセスカートリッジ20Bの順に縦方向に配列されている。各プロセスカートリッジは用いる現像剤の色が異なるものの、装置構成は同じであるので、以下、プロセスカートリッジ20と総称して説明する。
【0025】
プロセスカートリッジ20は、プロセスカートリッジ本体30を有し、このプロセスカートリッジ本体20内に、感光体22と、この感光体22を一様に帯電する帯電ロールを備えた帯電装置32と、この帯電装置32により帯電され光書き込み装置24により感光体22に書き込まれた潜像を現像剤で現像する現像装置34と、転写装置26による現像剤像の転写がなされた後に感光体22に残留する現像剤を除去するクリーニング装置36とが配設されている。
【0026】
光書き込み装置24は、例えばレーザ露光装置からなり、プロセスカートリッジ20Yに設けられた感光体22Yにイエロー画像に対応するレーザ光を、プロセスカートリッジ20Mに設けられた感光体22Mにマゼンダ画像に対応するレーザ光を、プロセスカートリッジ20Cに設けられた感光体22Cにシアン画像に対応するレーザ光を、プロセスカートリッジ20Bに設けられた感光体22Bにブラック画像に対応するレーザ光を発し、各感光体22に静電潜像を書き込む。
【0027】
転写装置26は、各プロセスカートリッジ20の感光体24に形成された現像剤像が転写される2つの1次中間転写体38、40と、1次中間転写体38、40に転写された現像剤像がさらに転写される2次中間転写体42と、2次中間転写体42に転写された現像剤像をさらにシートへと転写する3次転写ロール44とを有する。
【0028】
1次中間転写体38は、ドラム形状を有し、上述したシアン用のプロセスカートリッジ20Cに設けられた感光体22Cと、ブラック用のプロセスカートリッジ20Bに設けられた感光体22Bとに当接している。この1次中間転写体38に対して感光体22Bに形成されたブラック現像剤像と感光体22Cに形成されたシアン現像剤像とが転写され、該1次中間転写体64の表面においてシアン現像剤像とブラック現像剤像とが重ね合わされるようになっている。
【0029】
1次中間転写体40は、ドラム形状を有し、1次中間転写体38の上方に配設されている。この1次中間転写体40は、イエロー用のプロセスカートリッジ20Yに設けられた感光体22Yと、マゼンダ用のプロセスカートリッジ20Mに設けられた感光体22Mとに当接している。この1次中間転写体40に対して感光体22Yに形成されたイエロー現像剤像と感光体22Mに形成されたマゼンダ現像剤像とが転写され、該1次中間転写体40の表面においてイエロー現像剤像とマゼンダ現像剤像とが重ね合わされるようになっている。
【0030】
2次中間転写体42は、ドラム形状を有し、1次中間転写体38と1次中間転写体40とに当接しており、1次中間転写体38表面のシアン現像剤像とブラック現像剤像とが転写され、また、1次中間転写体40表面のイエロー現像剤像とマゼンダ現像剤像とが転写される。このようにして、2次中間転写体42の表面にイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色の現像剤像が重ねられる。
【0031】
3次転写ロール44は、2次中間転写体42に当接しており、2次中間転写体42との間にニップ部を形成し、このニップ部を通過するシートにイエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの4色の現像剤像が重ねられたカラー現像剤像をシートへと転写する。
【0032】
定着装置28は、加熱ロール28aと加圧ロール28bとからなり、加熱ロール28aと加圧ロール28bとの間を通過するシートを加熱し加圧することで、このシートに現像剤像を定着させる。
【0033】
シート供給装置18は、シートが積層された状態で保持されるシート供給カセット46と、シート供給カセット46からシートをピックアップすると共にシート搬送路48に向けて搬送する搬送ロール50とを有する。シート搬送路48は、シート供給カセット46から排出ローラ52までシートが搬送される経路であり、このシート搬送路48には、シート搬送方向上流側から順に、搬送ロール50、レジストローラ54、3次転写ロール44と2次中間転写体42とで形成されるニップ部、定着装置28及び排出ローラ52が配置されている。
【0034】
したがって、各感光体22は、帯電装置32により一様に帯電され、光書込み装置24により潜像が形成され、現像装置34により潜像が現像剤により可視像化される。各感光体22に形成された現像剤像は、1次中間転写体38、40に転写された後、2次中間転写体42に転写される。一方、シート供給カセット46のシートは、搬送ロール50によりシート搬送路48に搬送され、2次中間転写体22と3次転写ロールとのニップ部において現像剤像が転写され、定着装置28により現像剤像が定着され、排出ローラ52により排出部14に排出される。
【0035】
図2乃至4に本発明の第1の実施形態におけるプロセスカートリッジ20の詳細が示されている。
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、プロセスカートリッジ本体30を有し、このプロセスカートリッジ本体30には、水平方向における一端部から他端部近傍まで至る走査光路30cが設けられており、光書き込み装置24からの走査光がこの走査光路30cを通過して感光体22へと到達するようになっている。またプロセスカートリッジ本体30は、走査光路30aを介して上部に位置するカートリッジ上部本体30aと走査光路30cを介して下部に位置するカードリッジ下部本体30bとを有する。カートリッジ上部本体30aには感光体22及びクリーニング装置36等が配設され、カートリッジ下部本体30bには現像装置34が配置されている。
【0036】
クリーニング装置36は、クリーニングブレード56と廃現像剤収容部58とを有する。クリーニングブレード56は、感光体22の表面に残留した現像剤を掻き落として除去し、廃現像剤収容部58は、該クリーニングブレード56により除去された廃現像剤を収容するようになっている。
【0037】
本発明の現像装置34は、例えば二成分現像方式を採用したものである。
現像装置34は、現像装置本体60を有し、この現像装置本体60内は現像剤収納空間62と現像ロール64が配置された現像部66とに分かれている。現像剤収納空間62は、潜像書き込み位置Pから延ばした水平線(この実施形態においては、光書き込み装置からの走査光路)を境として、下部に位置する第1の現像剤収納部としてのメインタンク68と、上部に位置する第2の現像剤収納部としてのサブタンク70とに分けられている。メインタンク68及びサブタンク70は、断面略矩形状に形成されており、メインタンク68の現像剤収納容積は、サブタンク70の現像剤収納容積よりも大きくなっている。現像剤通路72は、メインタンク68とサブタンク70との間に配設され、該メインタンク68とサブタンク70とを接続させている。
【0038】
現像剤通路72は、発泡ウレタン等の弾性部材からなり、メインタンク68上部に接着剤等により接着され、サブタンク70下部に圧接されている。現像剤通路72は、後述するメインタンク68に開口する現像剤取込口68aとサブタンク70に開口する現像剤供給口70aとを接続するように設けられている。このように、現像剤取込口72a、現像剤通路72及び現像剤取込口68aによってメインタンク68とサブタンク70とが接続するようになっている。また、現像剤通路72が弾性部材で形成されることで、カートリッジ上方本体30aとカートリッジ下部本体30bとが独立に振動又は変位してもトナーの漏れを防止することができる。
【0039】
カートリッジ下部本体30aは、ハウジング74を有している。ハウジング74は感光体22の下方側に設けられており、該感光体22側に向かって開口した開口部76が形成されている。また、ハウジング74内には現像室66が形成されており、この現像室66内には、トナー及びキャリアからなる現像剤Gが収容されている。また、ハウジング74内にはハウジング74の開口部76から一部が露出するように現像ロール64が配設されており、該現像ロール64はハウジング74の周壁に回転自在に支持されている。現像ロール64は、現像剤G中に含まれたキャリアを磁力で吸着し、該現像ロール64表面に現像剤Gの磁気ブラシを形成し、キャリアに吸着したトナーを感光体22と対向する現像領域へ搬送する。そして、感光体22上に形成された潜像が、現像ロール64表面に形成されたキャリアとトナーとからなる現像剤Gの磁気ブラシによって可視化される。
【0040】
第1の攪拌搬送オーガ78及び第2の攪拌搬送オーガ80は、現像ロール64の軸方向に沿って該現像ロール64の下方に配設されている。図3にも示すように、第1の攪拌搬送オーガ78及び第2の攪拌搬送オーガ80は、それぞれ回転軸78a、80aを備えており、該回転軸78a、80aはハウジング74の周壁にそれぞれ回転自在に支持されている。第1の攪拌搬送オーガ78及び第2の攪拌搬送オーガ80には、螺旋羽根78b、80bが所定のピッチで螺旋状に巻き付けられて形成されている。第1の攪拌搬送オーガ78及び第2の攪拌搬送オーガ80がそれぞれ回転すると、螺旋羽根78b、80bによって、現像室66内に収容された現像剤Gが攪拌されながら第1の攪拌搬送オーガ78及び第2の攪拌搬送オーガ80の軸方向へ搬送されるようになっている。
【0041】
第1の仕切り壁82は、第1の攪拌搬送オーガ78と第2の攪拌搬送オーガ80との間に設けられており、この第1の仕切り壁82によって現像室66内は、第1の攪拌搬送オーガ78が配設された第1の攪拌路84と、第2の攪拌搬送オーガ80が配設された第2の攪拌路86との2つに分割されている。この第1の仕切り壁82の長手方向の両端部には、接続口88、90が形成されており、これら接続口88、90によって第1の攪拌路84と第2の攪拌路86とが接続されている。したがって、現像室66内の現像剤Gは、第1の攪拌搬送オーガ78及び第2の攪拌搬送オーガ80の回転によって、それぞれ第1の攪拌路84及び第2の攪拌路86内を攪拌されると共に搬送され、第1の攪拌路84と第2の攪拌路86との間を循環するようになっている。
【0042】
メインタンク68と現像室66との間には、第2の仕切り壁92、湾曲壁94及び第3の仕切り壁96が設けられている。湾曲壁94は第2の仕切り壁92の下部からメインタンク68側へ延びるように形成され、ハウジング74の底部にトンネル状のディスペンス室98を形成している。ディスペンス室98内には、長手方向に沿ってトナーの攪拌搬送を行なうディスペンスオーガ100が設けられている。湾曲壁94の長手方向の一方の端部近傍には、メインタンク68とディスペンス室98を接続する第1のトナー排出口102が形成されている。メインタンク68内に収容されたトナーTは、後述する第1アジテータ108によって攪拌されると共にメインタンク68内を該第1アジテータ108の軸方向に搬送され、第1のトナー排出口102からディスペンス室98に排出されるようになっている。
【0043】
一方、第3の仕切り壁96の長手方向の他方の端部には、ディスペンス室98と現像室66とを接続する第2のトナー排出口104が形成されている。ディスペンス室98内のトナーTは、ディスペンスオーガ100によって該ディスペンスオーガ100の軸方向に搬送され、第2のトナー排出口104から現像室66に供給されるようになっている。このトナー供給口104は、下端部が現像室66に収容されている現像剤Gの表面位置よりも下方に位置するように形成されている。これにより、第2のトナー排出口104の少なくとも一部が、現像室66に収容された現像剤Gに埋もれた状態となっており、ディスペンス室98から現像室66へ供給されたトナーTが現像剤Gの中に潜り込み、現像室66に収容された現像剤GとトナーTとが混合しやすくなっている。
【0044】
ディスペンスオーガ100は、第1の攪拌搬送オーガ78及び第2の攪拌搬送オーガ80とほぼ同一の構成となっており、図3にも示すように、回転軸100aを備え、該回転軸100aがメインタンク68の周壁に回転自在に支持されている。この回転軸100aには螺旋羽根100bが所定のピッチで巻き付けられている。また、ディスペンスオーガ100の回転軸100aには、第2のトナー排出口104と対向する位置に板片106が形成されている。板片106は、回転軸100aの径方向に突出し、長手方向が該回転軸100aの軸に沿って設けられている。したがって、トナーTは、ディスペンスオーガ100の回転によってディスペンス室98内を該ディスペンスオーガ100の回転軸方向に搬送され、第2のトナー排出口104と対向する位置に到達すると、螺旋羽根100bで攪拌されると共に板片106でも攪拌され、第2のトナー排出口104から現像室66へ供給される。
【0045】
第1の攪拌搬送部材としてのメインタンクアジテータ107は、第1アジテータ108と第2アジテータ114とを有する。第1アジテータ108は、第1の回転軸108a、第1の支持部108b、フィルム部材としての第1の攪拌搬送フィルム110及び補助フィルム112を有し、メインタンク68の周壁に回転自在に支持されている。第2アジテータ114は、第2の回転軸114a,第2の支持部114b及びフィルム部材としての第2の攪拌搬送フィルム116を備え、メインタンク68の周壁に回転自在に支持されている。
【0046】
第1の回転軸108aからの第1の攪拌搬送フィルム110の延出方向と、第2の回転軸114aからの第2の攪拌搬送フィルム116の延出方向とが、略90度の角度をなすように配置さており、第1アジテータ108と第2アジテータ114とは、略90度の角度を維持しながら回転するようになっている。これにより、第1アジテータ108が回転すると共にトナーTを攪拌搬送しトナーTが少なくなった領域に対して、遅れて回転してくる第2アジテータ114がトナーTを攪拌搬送して補充するので、メインタンク68内のトナーTの攪拌搬送が安定するようになっている。
【0047】
また、第1の攪拌搬送フィルム110は、例えば50〜300μmの厚さを有するPET等の可撓性の樹脂フィルムからなり、第1アジテータ108の第1の支持部108bの軸方向に亘って接着剤等により固定されている。図3にも示すように、この第1の攪拌搬送フィルム110短手方向の一方の端部(先端部)には、第1の切り込み110a、第2の切り込み110b及び第3の切り込み110cが形成されている。この第1の切り込み110a及び第2の切り込み110bは、第1の支持部108bの軸方向と略45度の角度をなし、且つ該第1の搬送フィルム110の長手方向の両端部からトナー排出口102に向かう方向に複数設けられている。第1の切り込み110aの長さは第2の切り込み110bの長さよりも長くなっている。第3の切り込み110cは、一対の第1の切り込み110aの間に設けられている。この第3の切り込み110cは、第1のトナー排出口102と対向する位置に、後述する補助フィルム118の幅方向の両側に一対設けらており、該第3の切り込み110aの切り込み方向は、第1の支持部108bの回転半径方向となっている。
【0048】
第1の攪拌搬送フィルム110の一対の第3の切り込み110cで挟まれる領域に補助フィルム118が設けられている。この補助フィルム110は、PET等の可撓性の樹脂フィルムからなり、第1の攪拌搬送フィルム110に重ねられ、一端が接着剤等により第1の攪拌搬送フィルム110に張り付けられて第1の支持部108bに保持され、他端が自由端となっている。
【0049】
図2にも示すように、現像剤取込口68aは、第1アジテータ108の第1の回転軸108aと第2のアジテータ114の第2の回転軸114aとの間に配置されている。したがって、サブタンク70内のトナーが現像剤通路72及び現像剤取込口68aを介してメインタンク68内に搬送される際に、回転軸等の障害となるものがなく、該トナーがスムーズに搬送される。また、メインタンク68内における第1の回転軸108aと第2の回転軸114aとの間の領域は、他の領域と比較すると搬送能力が高い領域(1サイクルで第1の攪拌搬送フィルム110と第2の攪拌搬送フィルム116とに搬送される領域)であるので、現像剤取込口68a近傍おけるトナーの堆積が抑制され、トナー詰まりを防止することができる。
【0050】
また、図3に示すように、現像剤取込口68aは、第1の回転軸108aの一方の端部近傍に配置され、第1のトナー排出口102は該第1の回転軸108aの他方の端部近傍に配置されている。すなわち、トナーが搬送される上流側に現像剤取込口68aが配置され、下流側に第1のトナー排出口102が配置されている。したがって、現像剤取込口68aから過剰にトナーが供給された場合であっても、第1の攪拌搬送フィルム110及び第2の攪拌搬送フィルム116により攪拌搬送している間に該トナーが均され、第1のトナー排出口102からほぼ一定量のトナーを排出することができる。また、メインタンク68内のトナーがほぼ空になる直前まで第1のトナー排出口102からほぼ一定量のトナーを排出することができる。
【0051】
また、現像剤取込口68aの幅(図2のLb)は、後述する現像剤供給口70aの幅(図2のLu)と同一もしくは該現像剤供給口70aの幅よりも大きくなっている。このように、現像剤取込口68aの幅を現像剤供給口70aの幅よりも大きくすることで、現像通路72内における現像剤の詰まりを抑制することができる。
【0052】
第2の攪拌搬送部材としてのサブタンクアジテータ119は、第3アジテータ120と第4アジテータ126とからなる。第3アジテータ120は、第3の回転軸120a、第3の支持部120b及びフィルム部材としての第3の攪拌搬送フィルム122を備え、サブタンク70の周壁に回転自在に支持されている。第4アジテータ126は、第4の回転軸126a、第4の支持部126b及びフィルム部材としての第4の攪拌搬送フィルム128を備え、サブタンク68の周壁に回転自在に支持されている。
【0053】
第3アジテータ120及び第4アジテータ126は、これら第3アジテータ120の第3の回転軸120aと第4アジテータ126の第4の回転軸126aとの中心距離(図2のLs)が、上述した第1アジテータ108の第1の回転軸108aと第2アジテータ114の第の回転軸114aとの中心距離(図2のLm)よりも狭くなるように配置されている。したがって、メインタンク68の現像剤収納容積を、サブタンク70の現像剤収納容積よりも大きくすることができ、またサブタンクアジテータ119がメインタンクアジテータ107よりも小サイズとなるため、メインタンク内68でのトナー搬送量に対してサブタンク70からメインタンク68へのトナー搬送量が小さくなり、サブタンク70からメインタンク68へのトナー搬送をスムーズにすることができる。
【0054】
また、第3の回転軸120aからの第3の攪拌搬送フィルム110の延出方向と、第4の回転軸126aからの第4の攪拌搬送フィルム128の延出方向とが、略180度の角度をなすように配置さており、第3アジテータ120と第4アジテータ126とは、略180度の角度を維持しながら回転するようになっている。これにより、第3アジテータ120が回転すると共にトナーを攪拌、搬送し該トナーが少なくなった領域に対して、遅れて回転してくる第4アジテータ126がトナーを攪拌、搬送して補充するので、サブタンク70内のトナーの攪拌、搬送が安定するようになっている。
【0055】
また、図4にも示すように第3の攪拌搬送フィルム122は、例えば50〜300μmの厚さを有するPET等の可撓性の樹脂フィルムからなり、第3アジテータ120の第3の支持部120bの軸方向に亘って接着剤等により固定されている。この第3の攪拌搬送フィルム122の短手方向の一方の端部(先端部)には、第1の切り込み122a、第2の切り込み122b及び第3の切り込み122cが形成されている。この第1の切り込み122a及び第2の切り込み122bは、第3の支持部120bの軸方向と略45度の角度をなし、且つ該第3の攪拌搬送フィルム122の長手方向の両端部から後述する現像剤供給口70aに向かう方向に複数設けられている。第1の切り込み122aの長さは第2の切り込み122bの長さよりも長くなっている。第3の切り込み122cは、一対の第1の切り込み122aの間に設けられている。この第3の切り込み122cは、後述するトナー取込口70aと対向する位置設けられており、該第3の切り込み122aの切り込み方向は、第3の支持部120bの回転半径方向となっている。したがって、サブタンク68に収容されたトナーは、第3アジテータ120が回転すると、第3の攪拌搬送フィルム122の作用により該第3アジテータ120の軸方向に搬送され、現像剤供給口70aに取り込まれるようになっている。
【0056】
図2にも示すように、現像剤供給口70aは、第3アジテータ120のサブタンク70に対する投影面に重なる位置に配置されている。より具体的には、現像剤供給口70aは、第3の攪拌搬送フィルム122が鉛直方向(真下を向いた)時、該第3の攪拌搬送フィルム122の直下の位置に配置されている。この第3アジテータ120のサブタンク70に対する投影面に重なる配置は、第3アジテータのサブタンク70に対する投影面から離れた位置と比較すると、サブタンク70内のトナーに対する第3の攪拌搬送フィルム122の搬送力が強い位置であるため、サブタンク70内のトナーが現像剤供給口70aに確実に取り込まれ、もってサブタンク70内の残量を低減することができる。なお、現像剤供給口70aを第3アジテータ120の第3の回転軸120aの直下に位置するように配置してもよい。この場合、第3の回転軸120aの中心と現像剤供給口70aとの距離が近くなり、サブタンク70内のトナーに対する第3の攪拌搬送フィルム122の搬送力がより強くなり、サブタンク70内のトナーが現像剤供給口70aにより確実に取り込まれるようになる。
【0057】
また、現像剤供給口70aの幅(図2のLu)は、第1アジテータ108の第1の回転軸108aと第2アジテータ114の第2の回転軸114aとの中心距離(図2のLm)よりも小さくなっている。このように、現像剤供給口70aの幅を回転軸108aと回転軸114aの中心距離以内にすることで、該現像剤供給口70aの幅を回転軸108aと回転軸114aの中心距離以上にした場合と比較すると、第3アジテータ120によるトナーの搬送量を安定させることができる。
【0058】
図4に示すように、上述した第3の攪拌搬送フィルム122の一対の第3の切り込み122cで挟まれる領域は、現像剤供給口70aに対峙する位置に設けられ、現像剤供給口70aに入り込む大きさとなっており、現像剤通路72内に発生したソフトブロッキングを粉砕するほぐし部124として用いられる。このように、ほぐし部124は、簡易な構成となっており、軽量化及びコストの低減を実現している。なお、このほぐし部124は、第3の攪拌搬送フィルム122のトナー取込口70aと対向する位置に可撓性部材130を設けたものでもよい。この可撓性部材は第3の攪拌搬送フィルム122と一体に形成されたものでもよいし、該第3の攪拌搬送フィルム122と別部材を設けてもよい。また、ほぐし部124の短手方向の長さ(図4(a)L1及び(b)のL2)は、第3の回転軸120aの中心から現像剤供給口70aまでの距離(図4(c)のL3)よりも長くなるように形成されている。このように、ほぐし部124aは、現像剤供給口70aを介して現像剤通路72の少なくとも一部に入り込むように形成されているので、現像剤通路72内に発生したソフトブロッキングを粉砕することができ、現像剤通路72内の詰まりを解消することができる。
【0059】
次に本実施形態におけるプロセスカートリッジ20の組立て方法を図2に基づいて説明する。
まず、図2に示すカートリッジ下部本体30bのメインタンク68にメインタンクアジテータ107を取り付ける。このとき、第1アジテータ108と第2アジテータ114とは異なる位相となるよう互いに異なる所定の角度で取り付ける。本例においては、第1アジテータ108を第2アジテータ114に対して回転方向に略90度進んだ角度で取り付ける。続いて、カートリッジ上部本体30aのサブタンク70にサブタンクアジテータ119を取り付ける。このとき、第3アジテータ120と第4アジテータ126とは異なる位相となるように互いに異なる所定の角度で取り付ける。本例においては、第3アジテータ120と第4アジテータ126との位相が略180度となるように取り付ける。
なお、各アジテータのプロセスカートリッジ30に対する取り付け順序は、上述した順序に限定することなく、どのような順番で取り付けてもよい。
【0060】
このように、プロセスカートリッジ本体30に対して第1アジテータ108、第2アジテータ114、第3アジテータ120及び第4アジテータ126をそれぞれ所定の角度となるよう取り付けることで、それぞれのアジテータを等速で駆動した際に、第3アジテータ120の第3の攪拌搬送フィルム122及び第4アジテータ126の第4の攪拌搬送フィルム128と現像剤供給口70aとが対峙するタイミングと、第1アジテータ108の第1の攪拌搬送フィルム110及び第2アジテータ114の第2の攪拌搬送フィルム116と現像剤取込口68aの投影面とが重なるタイミングとが異なるようになる。
【0061】
図5に本発明の実施形態における駆動伝達装置131が示されている。
駆動伝達装置131は、プロセスカートリッジ20側面部に設けられ、駆動源(図示省略)に接続された駆動ギア132、第1のアイドルギア134、第2のアイドルギア136、第1アジテータ駆動ギア138、第2アジテータ駆動ギア140、第3アジテータ駆動ギア142、第4アジテータ駆動ギア144及び連結ギア146を有する。
【0062】
第1アジテータ駆動ギア138は第1アジテータ108に連結されており、第2アジテータ駆動ギア140は第2アジテータ114に連結されている。また、第3アジテータ駆動ギア142は第3アジテータ120に連結されており、第4アジテータ駆動ギア144は第4アジテータ126に連結されている。駆動ギア132は、第1のアイドルギア134と連結されており、該第1のアイドルギア134は第2のアイドルギア136及び第3アジテータ駆動ギア142と連結されている。また、第2のアイドルギア136は、第1アジテータ駆動ギア138及び第2アジテータ駆動ギア140と連結されており、第3アジテータ駆動ギア142は第4アジテータ駆動ギア144と連結されている。それぞれのギアのギア比は、第1アジテータ108、第2アジテータ114、第3アジテータ120及び第4アジテータ126が等速で回転するように設定されている。したがって、駆動源(図示省略)から駆動ギア132に駆動力が伝達されると、第1アジテータ108が矢印A方向、第2アジテータ114が矢印B方向、第3アジテータ120が矢印C方向及び第4アジテータ126が矢印D方向にそれぞれ等速で回転するようになっている。
【0063】
このように第1アジテータ108、第2アジテータ114、第3アジテータ及び第4アジテータ120を等速に回転させることにより、上述したように第3の攪拌搬送フィルム122と現像剤供給口70aとが対峙するタイミングと、第1の攪拌搬送フィルム110及び第2の攪拌搬送フィルムと現像剤取込口68aの投影面とが重なるタイミングとが異なるようになっている。したがって、サブタンク70内のトナーが現像剤通路72を介してスムーズにメインタンク68に供給される。
【0064】
また、第1アジテータ駆動ギア138は連結ギア146と連結しており、この伝達ギア148により、ディスペンスオーガ100、第2の攪拌搬送オーガ80、第1の攪拌搬送オーガ78、現像ロール64及び感光体22に駆動力が伝達されるようになっている。
【0065】
図6にプロセスカートリッジ20に用いられるシール部材148が示されている。
図6に示すように、遮断部材としてのシール部材148は、所定の幅を有する帯状に形成されており、カートリッジ上部本体30aとカートリッジ下部本体30bとの間、すなわち走査光路30cに設けられ、該シール部材148の先端部148aがサブタンク70下部と現像剤通路72上端部との間に挟み込まれている。このシール部材148によりサブタンク70とメインタンク68との接続が遮断されている。シール部材148の後端部148bは、プロセスカートリッジ本体30の外側に位置するようになっている。したがって、このシール部材148が設けられていることにより、プロセスカートリッジ20の搬送時(運搬時)において、サブタンク70内のトナーのメインタンク68内への移動を防止し、メインタンク68内におけるトナーブロッキングの発生を防止する。なお、このシール部材148は、ユーザが後端部148bを引くことにより容易に取り除かれる。
【0066】
図7に本発明の第2の実施形態に係るプロセスカートリッジ20が示されている。
第2の実施形態に係るプロセスカートリッジ20は、上述した第1の実施形態のプロセスカートリッジ20と比較するとサブタンク68の構成が異なる。本実施形態におけるサブタンク68に配設されたサブタンクアジテータ119は、第3アジテータ120のみを有する。現像剤供給口70aは、第3アジテータ120のサブタンク70に対する投影面に重なる位置に配置されている。なお、本実施形態におけるサブタンク68の現像剤収納容積は、上述した第1の実施形態のサブタンク68の現像剤収納容積よりも小さくなっている。
【0067】
このように、サブタンク68に1つのサブタンクアジテータ119を設け、該サブタンクアジテータ119のサブタンク70に対する投影面に重なる位置に現像剤供給口70aを配置する構成とすることで、流動性の高いトナーであってもメインタンク68に対するサブタンクアジテータ119による過剰な供給を抑制することができる。
なお、本発明の第2の実施形態の説明においては、本発明の第1の実施形態と同一部分については、図面に同一番号を付してその省略した。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上述べたように、本発明は、現像剤をスムーズに搬送する必要があるプロセスカートリッジ及び画像形成装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置を示す側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置に用いられるプロセスカートリッジを示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るプロセスカートリッジを示し、図3のA−A線断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るアジテータを示し、(a)は可撓性部材によるほぐし部、(b)は切り込みによるほぐし部、(c)は搬送フィルムの長さを説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るプロセスカートリッジの駆動系を説明する正面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るプロセスカートリッジに用いられるシール部材を説明する縦断面図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係るプロセスカートリッジを示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0070】
10 画像形成装置
12 画像形成装置本体
20 プロセスカートリッジ
22 感光体
30 プロセスカートリッジ本体
30a カートリッジ上部本体
30b カートリッジ下部本体
30c 走査光路
34 現像装置
62 現像剤収納空間
68 メインタンク
68a 現像剤供給口
70 サブタンク
70a 現像剤取込口
72 現像剤通路
107 メインタンクアジテータ
108 第1アジテータ
114 第2アジテータ
119 サブタンクアジテータ
120 第3アジテータ
126 第4アジテータ
148 シール部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置本体に着脱自在に装着され、像保持体と、この像保持体に形成された潜像を可視像化し、現像剤収納空間を有する現像装置と、を有するプロセスカートリッジにおいて、
前記現像剤収納空間を分割して設けられた第1の現像剤収納部と第2の現像剤収納部と、
前記第1の現像剤収納部に開口する現像剤取込口と前記第2の現像剤収納部に開口する現像剤供給口とを接続する現像剤通路と、
前記第1の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第1の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する第1の攪拌搬送部材と、
前記第2の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第2の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する少なくとも2つの第2の攪拌搬送部材と、
を有し、
前記現像剤供給口は前記複数の第2の攪拌搬送部材のうち1つの前記第2の攪拌搬送部材の前記第2の現像剤収納部に対する投影面に重なる位置に配置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
画像形成装置本体に着脱自在に装着され、像保持体と、この像保持体に形成された潜像を可視像化し、現像剤収納空間を有する現像装置と、を有するプロセスカートリッジにおいて、
前記現像剤収納空間を分割して設けられた第1の現像剤収納部と第2の現像材収納部と、
前記第1の現像剤収納部に開口する現像剤取込口と前記第2の現像剤収納部に開口する現像剤供給口とを接続する現像剤通路と、
前記第1の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第1の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材と、
前記第2の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第2の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する第2の攪拌搬送部材と、
を有し、
前記少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材の間に前記現像剤取込口が配置されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記像剤供給口は前記第2の攪拌搬送部材の前記第2の現像剤収納部に対する投影面に重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記第2の攪拌搬送部材は複数有し、前記現像剤供給口は該複数の第2の攪拌搬送部材うちの1つの前記第2の現像剤収納部に対する投影面に重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項5】
前記第1の攪拌搬送部材と前記第2の攪拌搬送部材とはそれぞれ2つ有し、前記2つの第2の攪拌搬送部材の中心距離が前記2つの第1の攪拌搬送部材の中心距離よりも狭くなるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項6】
前記現像剤供給口の幅は前記2つの第1の攪拌搬送部材の中心距離よりも小さくなるように設けられていることを特徴とする請求項4に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記現像剤取込口の幅は前記現像剤供給口の幅と同一もしくは前記現像剤供給口の幅よりも大きくなるように設けられていることを特徴とする請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項8】
前記第2の攪拌搬送部材の少なくとも一部は前記現像剤供給口に対峙するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至6いずれか記載のプロセスカートリッジ。
【請求項9】
前記第2の攪拌搬送部材は、前記第2の現像剤収納部に回転自在に設けられた回転軸と、この回転軸に固定されたシート状のフィルム部材とを有し、前記第2の攪拌搬送部材の前記現像剤取込口に対向する位置には前記フィルム部材に少なくとも2つの切り込み部が設けられ、該切り込み部で区切られた部分が前記現像剤供給口に入り込むように設けられている特徴とする請求項1乃至7いずれか記載のプロセスカートリッジ。
【請求項10】
前記現像剤通路に前記第1の現像剤収納部と前記第2の現像剤収納部との接続を遮断する遮断部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至8いずれか記載のプロセスカートリッジ。
【請求項11】
前記現像剤通路は弾性部材からなることを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載のプロセスカートリッジ。
【請求項12】
前記第1の現像剤収納部に該第1の現像剤収納部内の現像剤が排出される現像剤排出口を有し、該排出口は前記第1の攪拌搬送部材の一方の軸方向端部近傍に設けられ、前記現像剤取込口は該第1の攪拌搬送部材の他方の軸方向端部近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載のプロセスカートリッジ。
【請求項13】
前記第2の攪拌搬送部材と前記現像剤供給口とが対峙するタイミングと、前記第1の攪拌搬送部材と前記現像剤取込口の投影面とが重なるタイミングと異なるように前記第1の攪拌搬送部材及び前記第2の攪拌搬送部材へ駆動を伝達する駆動伝達装置を有することを特徴とする請求項1乃至11いずれか記載のプロセスカートリッジ。
【請求項14】
請求項1乃至12いずれか記載のプロセスカートリッジを有する画像形成装置。
【請求項15】
画像形成装置本体に着脱自在に装着され、像保持体と、この像保持体に形成された潜像を可視像化し、現像剤収納空間を有する現像装置とを有し、前記現像剤収納空間を分割して設けられた第1の現像剤収納部と第2の現像材収納部と、前記第1の現像剤収納部に開口する現像剤取込口と前記第2の現像剤収納部に開口する現像剤供給口とを接続する現像剤通路と、前記第1の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第1の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材と、前記第2の現像剤収納部に回転自在に設けられ、該第2の現像剤収納部内の現像剤を攪拌搬送する第2の攪拌搬送部材とを有し、前記少なくとも2つの第1の攪拌搬送部材の間に前記現像剤取込口が配置されているプロセスカートリッジにおいて、
前記第2の攪拌搬送部材と前記現像剤供給口とが対峙するタイミングと、前記第1の攪拌搬送部材と前記現像剤取込口の投影面とが重なるタイミングと異なるように前記第1の攪拌搬送部材及び前記第2の攪拌搬送部材を取り付ける工程を有することを特徴とするプロセスカートリッジの組立て方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−298908(P2007−298908A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128916(P2006−128916)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】