説明

ペプチドの抱合

ペプチドの選択的抱合のための方法であって、ペプチドのC末端への官能基の酵素的取り込みに続いて、ペプチドに抱合されるべき部分を含む第二の化合物との反応を含んでなり、該第二の化合物は、前記取り込まれた官能基と選択的に反応する官能基を含んでなる方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
抱合型ペプチドを調製する方法であって:
i)ペプチドと、該ペプチドを構成する何れのアミノ酸残基にも接近不能な1以上の官能基を有する前記第一の化合物とを、前記ペプチドのC末端への第一の化合物の取り込みを触媒することができる酵素の存在下において1以上の段階で反応させて、アシル転移されたペプチドを形成させる工程と、
ii)前記アシル転移されたペプチドと一以上の官能基を含む第二の化合物とを、1以上の段階において反応させる工程であって、前記官能基は、前記ペプチドを構成するアミノ酸残基における接近可能な官能基と反応せず、また前記第二の化合物における官能基は、前記アシル転移されたペプチドと前記第二の化合物との間に1以上の共有結合が形成されるように、前記第一の化合物中の前記官能基と反応することができる工程と、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって:
ペプチドPを、カルボキシペプチダーゼの存在下に、1以上の段階で、次式
【化1】

によって表されるαアミノ酸アミドである第一の化合物と反応させて、次式のアシル転移されたペプチドを形成し、
【化2】

前記アシル転移されたペプチドを、1以上の段階において、次式
式 Y−E−Z
の第二の化合物と更に反応させて、次式
【化3】

の抱合型ペプチドを形成する方法:
但し、
Rは、リンカー又は結合を表し;
P’は、ペプチドPからC末端アミノ酸を除去することによって形成されたペプチドを表し;
Xは、ペプチドP’を構成するアミノ酸残基中に接近できない1以上の官能基を含む基を表し;
Yは、ペプチドP’を構成するアミノ酸残基に接近不能な官能基と反応しない1以上の官能基を含む基を表し、該官能基はX中に存在する前記官能基と反応し;
Eは、リンカー又は結合を表し;
Aは、X及びY中に含まれる官能基間の反応によって形成される部分を表し;
Zは、ペプチドに抱合されるべき部分を含み、該部分がPのクリアランスに比較して、式[a]の化合物のクリアランスを減少させる。
【請求項3】
Aが、オキシム、ヒドラゾン、フェニルヒドラゾン、セミカルバゾン又はトリアゾール部分を表す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
X中に存在する官能基が、ケト、アルデヒド、−NH−NH、−O−C(O)−NH−NH、−NH−C(O)−NH−NH、−NH−C(S)−NH−NH、−NHC(O)−NH−NH−C(O)−NH−NH、−NH−NH−C(O)−NH−NH、−NH−NH−C(S)−NH−NH、−NH−C(O)−C−NH−NH、−C(O)−NH−NH2、−O−NH、−C(O)−O−NH、−NH−C(O)−O−NH、−NH−C(S)−O−NH、アルキン、ニトリルオキシド及びアジドの中から選択される、請求項2から3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
Y中に存在する官能基が、ケト、アルデヒド、−NH−NH、−O−C(O)−NH−NH、−NH−C(O)−NH−NH、−NH−C(S)−NH−NH、−NHC(O)−NH−NH−C(O)−NH−NH、−NH−NH−C(O)−NH−NH、−NH−NH−C(S)−NH−NH、−NH−C(O)−C−NH−NH、−C(O)−NH−NH、−O−NH、−C(O)−O−NH、−NH−C(O)−O−NH、−NH−C(S)−O−NH、アルキン、ニトリルオキシド及びアジドの中から選択される、請求項2から4の何れかに記載の方法。
【請求項6】
Xが、ケト及びアルデヒド誘導体から選択され、Yが、−NH−NH、−O−C(O)−NH−NH、−NH−C(O)−NH−NH、−NH−C(S)−NH−NH、−NHC(O)−NH−NH−C(O)−NH−NH、−NH−NH−C(O)−NH−NH、−NH−NH−C(S)−NH−NH、−NH−C(O)−C−NH−NH、−C(O)−NH−NH、−O−NH、−C(O)−O−NH、−NH−C(O)−O−NH、−NH−C(S)−O−NHから選択される、請求項2から5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
Xがアルキンを表し、Yがアジド又はニトリルオキシドを表す、請求項2から5の何れかに記載の方法。
【請求項8】
Xがアジド又はニトリルオキシドを表し、Yがアジドを表す、請求項2から5の何れかに記載の方法。
【請求項9】
R及びEが、独立に、1以上の単素環芳香族化合物ビラジカル又は複素環化合物ビラジカルが挿入され得る、直鎖、分岐及び/又は環状C1−10アルカン、C2−10アルケン、C2−10アルキン、C1−10ヘテロアルカン、C2−10ヘテロアルケン、C2−10ヘテロアルキンのビラジカルを表す、請求項2から8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
前記α−アミノ酸アミドが、2−アミノ−3−オキソ−ブチラミド、2−アミノ−6−(4−オキソ−ペンタノイルアミノ)−ヘキサン酸アミド,2−アミノ−3−(2−オキソ−2−フェニル−エチルスルファニル)−プロピオンアミド、2−アミノ−5−オキソ−ヘキサン酸アミド、2−アミノ−3−オキソ−プロピオンアミド、2−アミノ−6−(4−アセチルベンゾイルアミノ)ヘキサン酸アミド、2−アミノ−3−オキソプロピオン酸アミド、(2S)−アミノ−3−[4−(2−オキソプロポキシ)フェニル]プロピオンアミド、(2S)−アミノ−3−[4−(2−オキソブトオキシ)フェニル]プロピオンアミド、(2S)−アミノ−3−[4−(2−オキソペントキシ)フェニル]プロピオンアミド、(2S)−アミノ−3−[4−(4−オキソペントキシ)フェニル]プロピオンアミド、(2S)−2−アミノ−6−(4−オキソ−4−フェニルブチリルアミノ)ヘキサン酸アミド、4−アセチル−N−((5S)−5−アミノ−5−カルバモイルペンチル)ベンズアミド、(2S)−2−アミノ−6−(4−オキソ−4−(4−クロロフェニルブチリルアミノ)ヘキサン酸アミド、3−アセチル−N−((5S)−5−アミノ−5−カルバモイルペンチル)ベンズアミド、2−アセチル−N−((5S)−5−アミノ−5−カルバモイルペンチルベンズアミド、(2S)−2−アミノ−3−(4−(プロプ−2−イニルオキシ)フェニル)プロピオンアミド、(S)−2−アミノペント−4−イノイック酸アミド及びS−フェニルアシルシステインアミドの中から選択される化合物を表す、請求項2から9に記載の方法。
【請求項11】
Zが、1以上のポリエチレングリコール又はメトキシポリエチレングリコール基及びそれらのアミノ誘導体;1以上の単素環芳香族化合物ビラジカル又は複素環化合物ビラジカルが挿入され得る、直鎖、分岐及び/又は環状C1−22アルカン、C2−22アルケニル、C2−22アルキニル、C1−22ヘテロアルキル、C2−22ヘテロアルケニル、C2−22ヘテロアルキニル(前記C1−22又はC2−22基は、必要に応じて、ヒドロキシル、ハロゲン、カルボキシル及びアリールから選択される1以上の置換基で置換されることができ、前記アリールは、ヒドロキシル、ハロゲン及びカルボキシルから選択される1以上の置換によって、必要に応じてさらに置換されることができる。);ステロイド基;脂質基;多糖基;デキストラン基;ポリアミド基;ポリアミノ酸基;PVP基;PVA基;ポリ(1−3−ジオキサラン)基;ポリ(1,3,6−トリオキサン)基;エチレン/無水マレイン酸ポリマー基;Cibacron色素染料基;及びCibacron Blue 3GA基を含む、請求項2から10の何れかに記載の方法。
【請求項12】
Zが、約10、20、30又は40kDaの分子量を有する1以上のポリエチレングリコール又はメトキシポリエチレングリコール基を含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
Zが、必要に応じてカルボキシ基で置換された1以上のC10−20アルキルを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
Zがウンデカン酸基を表す、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
Zが、1以上のC15アルキル、C17アルキル、Cibacron Blue 3GA又は式
【化4】

の基を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
Zが、アルブミンに結合する1以上の部分を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記酵素がカルボキシペプチダーゼYである、請求項1から16の何れかに記載の方法。
【請求項18】
Pが、インシュリン化合物、GLP−1化合物、GLP−2化合物、成長ホルモン化合物、サイトカイン、TFF、メラノコルチン受容体修飾物質及び第VII因子化合物から選択されるペプチドを表す、請求項2から17の何れかに記載の方法。
【請求項19】
前記抱合型ペプチドを薬学的組成物中に調合する工程をさらに含む、請求項2から18の何れかに記載の方法。
【請求項20】
次式に記載の抱合型ペプチド:
【化5】

式中、
P’、R、A、E及びZは、請求項2〜18に定義した通りであり、
【化6】

は、ペプチド結合を介して、P’のC末端に付着されている。
【請求項21】
下記から選択される、請求項20に記載のペプチド:
Lysε(4−((2−(1−(mPEGカルボニル)ピペリジン−イル)エトキシ)イミノ)ペンタノイル)192)hGH(1−192)アミド、mPEGは20kDaの分子量を有する;
(Lysε(4−((3−(パルミトイルアミノ)プロポキシ)イミノ)ペンタノイル)192)hGH(1−192)アミド;
(Lysε(4−((3−((2S)−2,6−mPEGカルボニルアミノ)ヘキサノイルアミノ)プロポキシ)イミノ)ペンタノイル)34)GLP−2(1−34)アミド、mPEGは20kDaの分子量を有する;
(Lysε(4−(1−(2−(3−(mPEG)プロパノイルアミノ)ヒドラジノ)エチル)ベンゾイル)192)hGH(1−92)アミド、mPEGは10kDaの分子量を有する;
(S)−3−(4−((3−(3−クロロフェニル)イソキサゾール−5−イル)メトキシ)フェニル)−2−([Glu,Leu10]GLP−2イルロイシニルアミノ)プロピオンアミド;
(S)−3−(4−((3−(3−クロロフェニル)イソキサゾール−5−イル)メトキシ)フェニル)−2−([Glu]GLP−2イルロイシニルアミノ)プロピオンアミド;
3−(3−(3−((4−((S)−2−カルバモイル−3−([Glu,Leu10]GLP−2イルロイシニルアミノ)エチル)フェノキシル)メチル)イソキサゾール−3−イル)ベンジルカルバモイル)プロピオン酸;
11−(4−(4−((2S)−2−カルバモイル−2−(([Glu,Leu10]GLP−2イルロイシニルアミノ)エチル)フェノキシメチル)−1,2,3−トリアゾリル)ウンデカン酸;
11−(5−(4−((2S)−2−カルバモイル−2−(([Glu,Leu10]GLP−2イルロイシニルアミノ)エチル)フェノキシメチル)−1,2,3−トリアゾリル)ウンデカン酸11−(4−(4−((S)−2−カルバモイル−2−([Glu]GLP−2イルロイシニルアミノ))フェノキシメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ウンデカン酸;
11−(5−(4−((S)−2−カルバモイル−2−([Glu]GLP−2イルロイシニルアミノ))フェノキシメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)ウンデカン酸;
2−([Glu]GLP−2イルロイシニル)−3−(4−((1−((N−(mPeg20kDaイル)カルバモイル)デカニル)−1H−1,2,3−テトラゾル−4−イル)メトキシ)フェニル)プロピオンアミド;及び
2−([Glu]GLP−2イルロイシニル)−3−(4−((1−((N−(mPeg20kDaイル)カルバモイル)デカニル)−1H−1,2,3−テトラゾル−5−イル)メトキシ)フェニル)プロピオンアミド。
【請求項22】
治療に使用するための、請求項20又は21に記載の化合物。
【請求項23】
請求項20又は21に記載の1以上のペプチドを含む薬学的組成物。
【請求項24】
次式Iに記載の化合物:
【化7】

式中、
A及びEは、独立にC1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレン又はアリーレンを表し(全て、ハロゲン、アミノ、シアノ及びニトロから選択される1以上の置換基で必要に応じて置換され得る);
B及びDは、−C(O)−又は−NH−を表し(但し、Bが−C(O)−を表す場合には、Dは−NH−を表さなければならず、Bが−NH−を表す場合には、Dは−C(O)−を表さなければならない);
Fは、水素、又はC1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレン若しくはアリーレンを表す(全て、ハロゲン、アミノ、シアノ及びニトロから選択される1以上の置換基で必要に応じて置換され得る)。
【請求項25】
下記から選択される請求項24に記載の化合物:
(2S)−2−アミノ−6−(4−オキソ−4−フェニルブチリルアミノ)ヘキサン酸アミド、
4−アセチル−N−((5S)−5−アミノ−5−カルバモイルペンチル)ベンズアミド、
(2S)−2−アミノ−6−(4−オキソ−4−(4−クロロフェニルブチリルアミノ)ヘキサン酸アミド、
3−アセチル−N−((5S)−5−アミノ−5−カルバモイルペンチル)ベンズアミド及び
2−アセチル−N−((5S)−5−アミノ−5−カルバモイルペンチル)ベンズアミド。
【請求項26】
次式IIに記載の化合物:
【化8】

式中、
J及びLは、独立に、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレン又はアリーレンを表し(全て、ハロゲン、アミノ、シアノ及びニトロから選択される1以上の置換基で必要に応じて置換され得る);
Mは、水素又はC1−6アルキルを表す。
【請求項27】
下記から選択される請求項26に記載の化合物:
(2S)−アミノ−3−[4−(2−オキソプロポキシ)フェニル]プロピオンアミド、
(2S)−アミノ−3−[4−(2−オキソブトオキシ)フェニル]プロピオンアミド、
(2S)−アミノ−3−[4−(2−オキソペントキシ)フェニル]プロピオンアミド、及び
(2S)−アミノ−3−[4−(4−オキソペントキシ)フェニル]プロピオンアミド。
【請求項28】
次式IIIに記載の化合物:
【化9】

式中、
Qは、C1−6アルキレン、C2−6アルケニレン、C2−6アルキニレン又はアリーレンを表し(全て、ハロゲン、アミノ、シアノ及びニトロから選択される1以上の置換基で必要に応じて置換され得る);
Tは、水素又はC1−6アルキルを表す。
【請求項29】
次式IVに記載の化合物:
【化10】

式中、
J’’及びL’’は、独立に、C1−6アルキレン又はアリーレンを表す(全て、ハロゲンアミノ、シアノ及びニトロから選択される1以上の置換基で必要に応じて置換され得る。
【請求項30】
(S)−2−アミノ−3−(4−プロパルギルオキシ)フェニル)プロピオニルアミドからなるリストから選択される、請求項29に記載の化合物。
【請求項31】
請求項2〜18の何れか1項に記載の方法によって取得できる抱合型ペプチド。
【請求項32】
第一のペプチドを抱合する方法であって、前記ペプチドがアルキン基を含み、前記方法が、前記第一のペプチドを第二の化合物と反応させることを含み、前記第二の化合物が抱合型ペプチドを形成するためのニトリオキシドを含み、前記第一のペプチドが、イソキサゾリン部分を介して前記第二の化合物に結合される方法。
【請求項33】
第一のペプチドを抱合する方法であって、前記ペプチドがニトリルオキシド基を含み、前記方法が、前記第一のペプチドを第二の化合物と反応させることを含み、前記第二の化合物が抱合型ペプチドを形成するためのアルキンを含み、前記第一のペプチドが、イソキサゾリン部分を介して前記第二の化合物に結合される方法。

【公表番号】特表2008−502301(P2008−502301A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529653(P2006−529653)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000685
【国際公開番号】WO2005/035553
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【Fターム(参考)】