説明

ホスホリパーゼ酵素の阻害剤の液剤

本発明は、細胞質型PLAなどのホスホリパーゼ酵素の阻害剤の液剤、前記液剤を含有する組成物、および前記液剤を製造するプロセスに関する。本発明は、a)医薬的有効量の、式I(式中、R、R、R、R、R、R、X、X、n、nおよびnは本明細書に記載の通りに定義される)を有する活性薬剤またはその医薬的に許容される塩と、
b)第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を含む担体系または賦形剤系とを含む医薬組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2006年10月31日出願の米国仮特許出願第60/855,663号の利益を主張し、この出願はその全体を本明細書中で参考として援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、細胞質型PLAなどのホスホリパーゼ酵素の阻害剤の液剤、前記液剤を含有する組成物、および前記液剤を製造するプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ロイコトリエンおよびプロスタグランジンは、炎症の重要なメディエーターであり、それぞれ異なる方法で炎症反応の進行の一因となっている。ロイコトリエンは、炎症部位に好中球などの炎症細胞を補充し、これらの細胞の血管外遊出を促進し、組織を損傷するスーパーオキシドおよびプロテアーゼの放出を促進する。また、ロイコトリエンは、喘息患者が経験する過敏症において病態生理学的役割も果たす(例えば、非特許文献1を参照)。プロスタグランジンは、血流を増加させて、それにより炎症部位への白血球の浸潤を増加させることにより、炎症を進行させる。また、プロスタグランジンは、刺激により誘発される疼痛反応も増強する。
【0004】
プロスタグランジンおよびロイコトリエンは不安定であり、細胞内に貯蔵されないが、その代わりに刺激に応答してアラキドン酸から合成される[非特許文献2]。プロスタグランジンは、COX−1酵素およびCOX−2酵素の活性によりアラキドン酸から生成される。また、アラキドン酸は、ロイコトリエンの生成を生じる特異な酵素経路の基質でもある。
【0005】
これらの2種の特異な炎症経路に供給されるアラキドン酸は、ホスホリパーゼA酵素(以下、PLA)により膜リン脂質のsn−2位から放出される。PLAにより触媒される反応は、脂質が媒介する生合成、ならびに炎症性プロスタグランジンおよびロイコトリエンの生成の過程において律速段階を表わすと考えられている。PLAのリン脂質基質がsn−1位にエーテル結合を有するホスファチジルコリンのクラスである場合、生成されたリゾリン脂質は、別の強力な炎症メディエーターである血小板活性化因子(以下、PAFと呼ぶ)の直接の前駆体である[非特許文献3]。
【0006】
ほとんどの抗炎症療法は、これらの特異な経路からのプロスタグランジンまたはロイコトリエンのいずれかの生成を阻止することに焦点を置いていたが、これらのすべての生成を阻止することに焦点を置いていたわけではなかった。例えば、イブプロフェン、アスピリンおよびインドメタシンはすべて、COX−1/COX−2の阻害によりプロスタグランジンの生成を阻害するNSAIDであるが、その他の経路において炎症を起こすアラキドン酸からのロイコトリエンの生成には影響を及ぼさない。逆に、ジリュートンは、プロスタグランジンの生成に影響を及ぼすことなく、アラキドン酸からロイコトリエンへの変換の経路のみを阻害する。これらの広く使用されている抗炎症剤は、いずれもPAFの生成に影響を及ぼさない。
【0007】
従って、PLAの活性の直接の阻害は、治療薬に有用な機序として、すなわち、炎症反応を阻害するものとして示唆されてきた[例えば、非特許文献4を参照]。
【0008】
配列決定され、最終的に細胞から分泌される分泌シグナルの存在を特徴とするPLA酵素ファミリーは、すでに配列が決定され、構造が定義されている。これらの分泌されたPLAは、約14kDの分子量を有し、活性に必要な7個のジスルフィド結合を含有する。これらのPLAは、哺乳動物の膵臓、ハチ毒および種々の蛇毒中に大量に認められる[例えば、上で引用したChangらの参考文献13〜15、および非特許文献5を参照]。しかし、膵臓の酵素は消化機能を果たすと考えられているため、生成を厳しく制御する必要がある炎症メディエーターの生成においては重要でないはずである。
【0009】
第1のヒト非膵臓型PLAの一次構造は、すでに決定されている。この非膵臓型PLAは、血小板、滑液および脾臓に認められ、分泌酵素でもある。この酵素は、上記のファミリーのメンバーである[非特許文献6、非特許文献7、および非特許文献8を参照]。しかし、この酵素が、プロスタグランジン、ロイコトリエンおよびPAFの合成において重要であることは疑わしい。というのも、非膵臓型PLAは制御が困難な細胞外タンパク質であり、これらの化合物の生合成経路における次の酵素は細胞内タンパク質であるためである。さらに、PLAは、タンパク質キナーゼCおよびGタンパク質により制御されるという証拠もあり[非特許文献9]、これらのタンパク質は、細胞内タンパク質に作用するとされる細胞質タンパク質である。高い還元電位がジスルフィド結合を減少させ、酵素を不活性化するため、非膵臓型PLAが細胞質ゾル中で機能することは不可能であると考えられる。
【0010】
マウスのPLAは、RAW264.7と呼ばれるマウスのマクロファージ細胞系内ですでに特定されている。還元状態に対する耐性を示す2モル/分/mgの比活性は、約60kDの分子と関連することが報告されている。しかし、このタンパク質は、均質に精製されていなかった[非特許文献10を参照]。ホスホリパーゼ酵素(特に、PLA)の機能に関する情報について、上で引用した参考文献は、参考として本明細書で援用されている。
【0011】
細胞質型ホスホリパーゼAアルファ(以下「cPLAα」)もまた、すでに特定され、クローニングされている。全体が本明細書で援用される、特許文献1および特許文献2を参照されたい。これらの特許の酵素は、その天然源から精製されるか、または精製された形態で別様に生成される細胞内PLA酵素であり、細胞内で炎症刺激に反応してアラキドン酸を生成するように機能する。
【0012】
いくつかのホスホリパーゼ酵素を特定することだけでなく、特定のホスホリパーゼ酵素の活性の化学的阻害剤を特定することにも努力が払われており、これらの阻害剤は、特に、プロスタグランジン、ロイコトリエンおよびPAFの生成の阻害がすべて所望の結果である場合に、炎症状態を治療するのに使用することができると考えられる。このような阻害剤は、例えば、それぞれ全体が参考として本明細書で援用される、特許文献3および米国特許出願第11/442199号(2006年5月26日出願)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第5322776号明細書
【特許文献2】米国特許第5354677号明細書
【特許文献3】米国特許第6797708号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】B.Samuelson et al.,Science,237:1171−76(1987)
【非特許文献2】W.L.Smith,Biochem.J.,259:315−324(1989)
【非特許文献3】S.I.Wasserman,Hospital Practice,15:49−58(1988)
【非特許文献4】J.Chang et al,Biochem.Pharmacol.,36:2429−2436(1987)
【非特許文献5】E.A.Dennis,Drug Devel.Res.,10:205−220(1987)
【非特許文献6】J.J.Seilhamer et al.,J.Biol.Chem.,264:5335−5338(1989)
【非特許文献7】R.M.Kramer et al.,J.Biol.Chem.,264:5768−5775(1989)
【非特許文献8】A.Kando et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.,163:42−48(1989)
【非特許文献9】R.Burch and J.Axelrod,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,84:6374−6378(1989)
【非特許文献10】C.C.Leslie et al.,Biochem.Biophys.Acta.,963:476−492(1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
これらの化合物の薬剤としての重要性を考慮すると、改善された生物学的利用能を有する化合物を含めた、化合物の送達に効果的な製剤がきわめて重要であり、このような新規の製剤が依然として必要とされていることが見て取れる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、
a)医薬的有効量の、式I:
【0017】
【化1】

(式中、R、R、R、R、R、R、X、X、n、nおよびnは本明細書に記載の通りに定義される)を有する活性薬剤またはその医薬的に許容される塩と、
b)第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を含む担体系または賦形剤系と
を含む医薬組成物を提供する。
【0018】
また、本発明は、
a)医薬的有効量の、式II:
【0019】
【化2】

(式中、R、R、R、R、X、n、n、nおよびnは本明細書に記載の通りに定義される)を有する活性薬剤およびその医薬的に許容される塩と、
b)第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を含む担体系または賦形剤系と
を含む医薬組成物をも提供する。
【0020】
さらに、本発明は、本発明の医薬組成物および剤形を調製するプロセス、ならびに前記プロセスの生成物をも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】種々のpHにおける本発明の製剤の溶解プロフィールを示すグラフである。
【図2】本発明の製剤の模擬の給餌状態および絶食状態における溶解プロフィールを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、向上した生物学的利用能を有する組成物を含有する医薬組成物および単位剤形を提供する。
【0023】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、
a)医薬的有効量の、式I:
【0024】
【化3】

(式中、
Rは、式−(CH−A、−(CH−S−A、および−(CH−O−Aから選択され、前記式中、Aは、
【0025】
【化4】

部分から選択され、前記部分中、DはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−CF、または−(CH1−3−CFであり、
BおよびCは、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、フリル基、チエニル基またはピロリル基から独立して選択され、これらの基はそれぞれが場合により、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)および−NOから独立して選択される、1〜3個、好ましくは1〜2個の置換基により、またはO、NおよびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を含有する5員環または6員環の複素環または複素芳香族環により置換され、
nは0〜3の整数であり、
は1〜3の整数であり、
は0〜4の整数であり、
は0〜3の整数であり、
は0〜2の整数であり、
は、化学結合、−S−、−O−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−C=C−、
【0026】
【化5】

から選択され、
は、C−Cアルキル基、C−Cフッ素化アルキル基、C−Cシクロアルキル基、テトラヒドロピラニル基、カンホリル基、アダマンチル基、−CN基、−N(C−Cアルキル)基、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、フリル基、チエニル基、ナフチル基、モルホリニル基、トリアゾリル基、ピラゾリル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、イミダゾリル基、ピペリジニル基、チアゾリジニル基、チオモルホリニル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾフラニル基、イミダゾリジン−2−チオニル基、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オニル基、ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリル基、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基、ピペラジン−2−オニル基、およびピロリル基から選択され、前記基はそれぞれが場合により、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF3、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−SO(C−Cアルキル)、−SONH、−SONH(C−Cアルキル)、−SON(C−Cアルキル)、−COOH、−CH−COOH、−CH−N(C−Cアルキル)、−CH−N(C−Cアルキル)、−CH−NH、ピリジニル、2−メチル−チアゾリル、モルホリノ、1−クロロ−2−メチル−プロピル、C−Cチオアルキル、フェニル(場合により1個以上(例えば、1〜5個、1〜4個、1〜3個または1〜2個)のハロゲン、ジアルキルアミノ、−CNまたは−OCFによりさらに置換される)、ベンジルオキシ、−(C−Cアルキル)C(O)CH、−(C−Cアルキル)OCH、−C(O)NH、または
【0027】
【化6】

から独立して選択される、1〜3個、好ましくは1〜2個の置換基により置換され、
は、−O−、−CH−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−C(O)−、
【0028】
【化7】

から選択され、
は、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、フリル基、チエニル基およびピロリル基から選択される環部分であり、前記環部分は、式−(CHn4−COHの基、または医薬的に許容される酸模倣物もしくは酸擬似体により置換され、また場合により、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、および−NOから独立して選択される1個または2個のさらなる置換基により置換され、
は、H、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、および−NOから選択され、
は、H、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−NH−C(O)−N(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−O−(C−Cアルキル)、−SO−C−Cアルキル、−S−C−Cシクロアルキル、−S−CH−C−Cシクロアルキル、−SO−C−Cシクロアルキル、−SO−CH−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル、−CH−C−Cシクロアルキル、−O−C−Cシクロアルキル、−O−CH−C−Cシクロアルキル、フェニル、ベンジル、ベンジルオキシ、モルホリノ、ピロリジノ、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、フラニル、チエニル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピラゾロニル、ピラゾリル、オキサゾリルおよびイソオキサゾリルから選択され、前記R基のそれぞれの環はそれぞれ場合により、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−SO(C−Cアルキル)、−SONH(C−Cアルキル)、−SON(C−Cアルキル)、および−OCFから選択される1〜3個の置換基により置換され、
各Rは、独立してHまたはC1−3アルキルであり、
はHまたはC1−6アルキルである)
を有する活性薬剤、あるいはその医薬的に許容される塩と、
b)i)組成物の約10〜約50重量%の第1の可溶化剤、
ii)組成物の約5〜約50重量%の第2の可溶化剤、
iii)組成物の約10〜約30重量%の第1の希釈剤、および
iv)組成物の約1〜約15重量%の第2の希釈剤
を含む担体系または賦形剤系と
を含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、Rは、場合により置換されるフェニルであり、
Rは
【0030】
【化8】

(式中、BおよびCはフェニルである)である。
【0031】
いくつかの実施形態において、本発明は、
a)医薬的有効量の、式II:
【0032】
【化9】

(式中、
は1または2であり、
は1または2であり、
は1または2であり、
は0、1または2であり、
はO、−CH−またはSOであり、
各Rは、独立してHまたはC1−3アルキルであり、
はHまたはC1−6アルキルであり、
は、−OH、ベンジルオキシ、−CH、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CHO、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、ピリジン(pyridin)−4−イル、ピリジン(pyridine)−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により場合により置換されるフェニルからなる群から選択され、
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されるフェニルからなる群から選択され、
Qは、−OH、ジアルキルアミノ、
【0033】
【化10】

であり、
20は、H、C1−3アルキルおよび−CO(C1−3アルキル)からなる群から選択され、
30は、ジアルキルアミノ、−CN、および−OCFからなる群から選択されるが、
但し、
i)各RがHであり、RがHであり、nが0であり、RがHである場合、Rは塩素であり得ず、
ii)各RがHであり、RがHであり、nが0であり、XがOまたは−CH−であり、RがHである場合、RはCHであり得ず、
iii)各RがHであり、RがHである場合、RおよびRはいずれもフッ素であり得ず、
iv)各RがHであり、RがHであり、XがOである場合、RおよびRはいずれも塩素であり得ず、
v)各RがHであり、RがHであり、XがOであり、RがNOである場合、Rはフッ素であり得ず、
vi)各RがHであり、RがHであり、XがSOであり、RがHである場合、Rはフッ素または塩素であり得ない)
を有する活性薬剤、あるいはその医薬的に許容される塩と、
b)i)組成物の約10〜約50重量%の第1の可溶化剤、
ii)組成物の約5〜約50重量%の第2の可溶化剤、
iii)組成物の約10〜約30重量%の第1の希釈剤、および
iv)組成物の約1〜約15重量%の第2の希釈剤
を含む担体系または賦形剤系と
を含む医薬組成物を提供する。
【0034】
いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIの化合物は、式III:
【0035】
【化11】

(式中、
は1または2であり、
は1または2であり、
は1または2であり、
はHまたは−CHであり、
はHまたはC1−6アルキルであり、
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、−OCH、ハロゲン、−COCH、−COOCH、ジメチルアミノ、ジエチルアミノおよび−CNからなる群から選択される)の構造、またはその医薬的に許容される塩を有する。
【0036】
いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIの化合物は、(4−(3−{1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−[2−((2−トリフルオロメチルフェニル−メタン)スルホニルアミノ)−エチル]−1H−インドール−3−イル}−プロピル)−安息香酸)またはその医薬的に許容される塩(本明細書においては4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸とも呼ばれる)、またはその医薬的に許容される塩である。
【0037】
の定義におけるC−Cフッ素化アルキル基は、−CF、トリフルオロメチル基が末端にある1〜6個の炭素原子のアルキル鎖、−CFCFなどを含むがこれらに限定されない、任意の数のフッ素置換を有する1〜6個の炭素原子のいずれのアルキル基でもある場合があることが理解されるであろう。
【0038】
本明細書で使用される「複素」または「ヘテロシクリル」という用語は、単環式の場合には1〜4個の環ヘテロ原子を、二環式の場合には1〜8個の環ヘテロ原子を、三環式の場合には1〜10個の環ヘテロ原子を有し、前記ヘテロ原子がそれぞれ、O、NおよびS(ならびにこれらの一酸化物および二酸化物(例えば、N→O−、S(O)、SO))から独立して選択される、飽和または部分不飽和(非芳香族)単環式、二環式、三環式または他の多環系を指す。環ヘテロ原子または環炭素が、複素環と別の部分との結合点としての役割を果たしてもよい。いずれの原子も、例えば1個以上の置換基により置換されてよい。ヘテロシクリル基には、例えば、テトラヒドロピラニル、ピペリジル(ピペリジノ)、ピペラジニル、モルホリニル(モルホリノ)、チオモルホリニル、ピロリニルおよびピロリジニルが含まれてよいが、これらに限定されない。
【0039】
「複素芳香族」という用語は、単環式の場合には1〜4個の環ヘテロ原子を、二環式の場合には1〜8個の環ヘテロ原子を、三環式の場合には1〜10個の環ヘテロ原子を有し、前記ヘテロ原子がそれぞれ、O、NおよびS(ならびにこれらの一酸化物および二酸化物(例えば、N→O−、S(O)、SO))から選択される、芳香族単環式、二環式、三環式または他の多環式炭化水素基を指す。いずれの原子も、例えば1個以上の置換基により置換されてよい。複素芳香族環には、例えば、ピリジニル、チオフェニル(チエニル)、フリル(フラニル)、イミダゾリル、インドリル、イソキノリル、キノリル、およびピロリルが含まれてよいが、これらに限定されない。
【0040】
本発明の化合物において有用な医薬的に許容される酸模倣物または酸擬似体には、Rが、
【0041】
【化12−1】

【0042】
【化12−2】

(式中、Rは、−CF、−CH、フェニルおよびベンジルから選択され、前記フェニル基またはベンジル基は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−CF、ハロゲン、−OHおよび−COOHから選択される1〜3個の置換基により場合により置換され、Rは、−CF、−CH、−NH、フェニルおよびベンジルから選択され、前記フェニル基またはベンジル基は、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−CF、ハロゲン、−OHおよび−COOHから選択される1〜3個の置換基により場合により置換され、Rは、−CFおよびC−Cアルキルから選択される)からなる群から選択されるものが含まれる。
【0043】
いくつかの実施形態において、本発明の医薬組成物は、周囲温度(すなわち、約25℃)の液体である。従って、本発明はさらに、本発明の組成物を含有する製剤(例えば、本発明の組成物を含有するカプセル)も含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、活性薬剤は、医薬組成物の約0.1重量%〜約30重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、活性薬剤は、組成物の約10重量%〜約25重量%、または組成物の約10重量%〜約20重量%、または組成物の約15重量%〜約25重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、活性薬剤は、組成物の約20重量%の量で存在する。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明は、本発明の組成物を含有する単位剤形を提供する。「単位剤形」という用語は、単一の容量としてヒト被験体および他の哺乳動物に適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、適切な医薬賦形剤と関連して、所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を含有する。従って、本発明の単位剤形の製剤には、カプセル、ゲル、経口液剤などを含めた、従来使用されているいずれかの形態が含まれる。いくつかの実施形態において、単位剤形はカプセルである。
【0046】
認識されるであろうが、本発明の単位剤形は、いずれの好都合な量の活性薬剤も提供することができる。いくつかの実施形態において、剤形は、重量を基準として、約0.1mg〜約250mg、例えば、約0.5mg〜約200mg、または約1mg〜約150mg、または約25mg〜約125mg、または約75mg〜約125mgの量の薬剤を含有する。いくつかの実施形態において、剤形は、約10mg、約25mg、約50mg、約75mgまたは約100mgの薬剤を含有する。いくつかの実施形態において、剤形は、約500mgの本発明の組成物(前記組成物は約20重量%の薬剤を含有する)を含有するカプセルである。
【0047】
認識されるであろうが、薬剤は、広い用量範囲で有効であり得、一般的には医薬的有効量で投与される。しかし、実際に投与される化合物の量は、治療する病態、選択した投与経路、投与される実際の化合物、個々の罹患体の年齢、体重および反応、罹患体の症状の重症度などを含めた関連する状況に応じて、医師により通常決定されることが理解されるであろう。
【0048】
一般的に、本発明の組成物は、本明細書に記載のような、液体担体系または液体賦形剤系に溶解した活性薬剤を含有する。本発明の液体製剤は、溶解度、生物学的利用能などに関連する向上した特性を有する。例えば、本発明の液体製剤は、例えば、式Iの化合物またはその塩の結晶型に比べて、向上した溶解性および生物学的利用能を有する。本発明の液体製剤に関連する向上した生物学的利用能は、より少ない用量の投与が可能であり、それによって有害な副作用の発症する可能性を減らし、罹患体の変異性を低減するといった利点を数多く有する。
【0049】
上述の通り、本発明の医薬組成物は、第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を含む担体系または賦形剤系を含む。第1の可溶化剤および第2の可溶化剤はいずれも、当該技術分野で既知の液体担体系または液体賦形剤系のための広範な可溶化剤界面活性剤のいずれか、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。適切な可溶化剤には、例えば界面活性剤が含まれる。
【0050】
いくつかの実施形態において、第1の可溶化剤は、琥珀酸D−アルファ−トコフェリルポリエチレングリコール1000(ビタミンE TPGS)、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660、およびこれらの混合物から選択される。いくつかの好適な実施形態において、第1の可溶化剤は、ビタミンE TPGSを含むか、これから構成される。
【0051】
いくつかの実施形態において、第2の可溶化剤は、ポリオキシヒマシ油(例えば、ポリオキシ35ひまし油)、ポリオキシ水素化ヒマシ油(例えば、ポリオキシ40水素化ヒマシ油)、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート80)、およびこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態において、第2の可溶化剤は、ポリオキシ35ヒマシ油を含むか、これから構成される。いくつかの実施形態において、第1の可溶化剤は、ビタミンE TPGSを含むか、これから構成され、第2の可溶化剤は、ポリオキシ35ヒマシ油を含むか、これから構成される。
【0052】
一般的に、第1の可溶化剤は、医薬組成物の約10重量%〜約50重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第1の可溶化剤は、医薬組成物の約30重量%〜約50重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第1の可溶化剤は、医薬組成物の約40重量%〜約50重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第1の可溶化剤は、医薬組成物の約45重量%の量で存在する。
【0053】
一般的に、第2の可溶化剤は、医薬組成物の約5重量%〜50重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の可溶化剤は、医薬組成物の約10重量%〜約30重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の可溶化剤は、医薬組成物の約10重量%〜約15重量%の量で、または医薬組成物の約5重量%〜約15重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の可溶化剤は、医薬組成物の約10重量%の量で存在する。
【0054】
第1の希釈剤、および第2の希釈剤はいずれも、液体担体系または液体希釈剤系において有用であることが当該技術分野で既知の広範な希釈剤および/または溶媒のいずれか、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態において、第1の希釈剤は、Captex(登録商標)355(Abitec Corporation)、カプリロカプロイルポリオキシグリセリド、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、中鎖トリグリセリド、カプリル酸のトリグリセリド、カプリン酸のトリグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、およびこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態において、第1の希釈剤は、Abitec CorporationよりCaptex(登録商標)355の商品名で販売されるものなどの中鎖トリグリセリドを含むか、これから構成される。いくつかの実施形態において、第2の希釈剤は、炭酸プロピレン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、トリアセチン、およびこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態において、第2の希釈剤は、炭酸プロピレンを含むか、これから構成される。いくつかの好適な実施形態において、第1の希釈剤は、Captex(登録商標)355を含むか、これから構成され、第2の希釈剤は、炭酸プロピレンを含むか、これから構成される。
【0055】
一般的に、第1の希釈剤は、医薬組成物の約10重量%〜約30重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第1の希釈剤は、医薬組成物の約10重量%〜約25重量%、または医薬組成物の約10重量%〜約20重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第1の希釈剤は、医薬組成物の約15重量%の量で存在する。
【0056】
一般的に、第2の希釈剤は、医薬組成物の約1重量%〜約15重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の希釈剤は、医薬組成物の約1重量%〜約10重量%、または医薬組成物の約3重量%〜約10重量%、または医薬組成物の6重量%〜約10重量%、または医薬組成物の約5重量%〜約15重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、第2の希釈剤は、医薬組成物の約10重量%の量で存在する。
【0057】
本明細書に開示される組成物の第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤について記載される重量割合は、活性薬剤を含むが、単位剤形や、カプセルなどのいずれの表面被覆にも関係しない最終的な医薬組成物を各成分が構成する重量割合であることが理解されるであろう。
【0058】
理解されるであろうが、本発明の組成物のいくつかの成分は、複数の機能を有することができる。例えば、所定の成分は、可溶化剤と希釈剤の両方として作用することができる。このようないくつかの場合には、その特性から複数の機能性が可能であっても、所定の成分の機能を単一のものとして考えることができる。
【0059】
いくつかの好適な実施形態において、第1の可溶化剤は、ビタミンE TPGSを含むか、これから構成され、第2の可溶化剤は、ポリオキシ35ヒマシ油を含むか、これから構成され、第1の希釈剤は、Captex(登録商標)355を含むか、これから構成され、第2の希釈剤は、炭酸プロピレンを含むか、これから構成される。いくつかの実施形態において、ビタミンE TPGSは、組成物の約10〜約50重量%の量で存在し、ポリオキシ35ヒマシ油は、組成物の約10〜約50重量%の量で存在し、Captex(登録商標)355は、組成物の約10〜約30重量%の量で存在し、炭酸プロピレンは、組成物の約1〜約10重量%の量で存在する。
【0060】
いくつかのさらなる実施形態において、第1の可溶化剤は、組成物の約40重量%〜約50重量%の量でビタミンE TPGSを含むか、これから構成され、第2の可溶化剤は、組成物の約5重量%〜約15重量%の量でポリオキシ35ヒマシ油を含むか、これから構成され、第1の希釈剤は、組成物の約10重量%〜約20重量%の量でCaptex(登録商標)355を含むか、これから構成され、第2の希釈剤は、組成物の約5重量%〜約15重量%の量で炭酸プロピレンを含むか、これから構成され、活性薬剤は、組成物の約15重量%〜約25重量%の量で存在する。
【0061】
本発明はさらに、
a)本明細書に記載のような、医薬的有効量の、式Iまたは式IIを有する活性薬剤、またはその医薬的に許容される塩と、
b)i)組成物の約10〜約50重量%の第1の可溶化剤、
ii)組成物の約5〜約50重量%の第2の可溶化剤、
iii)組成物の約10〜約30重量%の第1の希釈剤、および
iv)組成物の約1〜約15重量%の第2の希釈剤
を含む担体系または賦形剤系と
を含む医薬組成物を調製するプロセスであって、
(1)前記第1の可溶化剤、前記第2の可溶化剤、前記第1の希釈剤、および前記第2の希釈剤を、これらの第1の均質な溶液を形成するのに十分な温度にて混合するステップと、
(2)前記第1の均質な溶液に前記薬剤またはその医薬的に許容される塩を添加するステップと、
(3)前記薬剤および前記第1の均質な溶液を、前記薬剤が溶解し、第2の均質な溶液を形成するのに十分な温度にて混合するステップと、
(4)場合により前記第2の均質な溶液を周囲温度に冷却するステップと、
(5)場合により前記第2の均質な溶液を濾過して、前記溶液から不溶粒子を除去するステップと
を含む、プロセスも提供する。
【0062】
いくつかの実施形態において、式Iまたは式IIの化合物は、式III:
【0063】
【化13】

(式中、
は1または2であり、
は1または2であり、
は1または2であり、
はHまたは−CHであり、
はHまたはC1−6アルキルであり、
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、−OCH、ハロゲン、−COCH、−COOCH、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、および−CNからなる群から選択される)、
またはその医薬的に許容される塩を有する。いくつかのさらなる実施形態において、式Iの化合物は、(4−(3−{1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−[2−((2−トリフルオロメチルフェニル−メタン)スルホニルアミノ)−エチル]−1H−インドール−3−イル}−プロピル)−安息香酸)、またはその医薬的に許容される塩である。
【0064】
いくつかの実施形態において、本発明のプロセスはさらに、第2の均質な溶液の少なくとも一部を、本明細書に記載のような1つ以上の単位剤形に入れることも含む。
【0065】
一般的には、第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を混合中に加熱して、材料の混合と溶解の両方を促進するのが有利である。混合と溶解の両方を促進するのに十分ないずれの温度も適切である。通常は、第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を、約75℃〜約90℃の温度まで混合中に加熱することができる。いくつかの実施形態において、温度は、85+/−5℃に維持される。
【0066】
通常は、高温(例えば、約75℃〜約90℃)を維持している間に、第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を含有する第1の溶液に、薬剤を添加して、前記溶液と混合する。いくつかの実施形態において、薬剤の添加中に、温度は85+/−5℃に維持される。
【0067】
本発明のプロセスのいくつかの実施形態においては、例えば単位剤形にさらに加工する前に、第2の均質な溶液を例えば周囲温度まで冷却するのが有利である。また、場合によっては、第2の均質な溶液をふるいにかけ、所望でない不溶粒子を除去するのが有利な場合もある。
【0068】
一般的には、第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、第2の希釈剤、および薬剤を含有する第2の均質な溶液を、本明細書に記載のような単位剤形に入れる。いくつかの実施形態において、単位剤形はカプセルである。
【0069】
一般的に、使用される可溶化剤、希釈剤および薬剤の量は、単位剤形の所望の数によって決定されるであろう。理解されるであろうが、本発明のプロセスは、いずれの好都合な数の単位剤形を調製するのにも使用することができる。
【0070】
上で概説したステップの簡単な改変、および各成分の相対量によって、所望の大きさ、強度および組成の最終生成物が形成されるであろうことは、当業者であれば容易に認識するであろう。従って、上述のプロセスは、本明細書に記載の医薬組成物のいずれを製造するのにも使用することができる。いくつかの実施形態において、前記プロセスは、薬剤が組成物の約0.1重量%〜30重量%、または組成物の約0.1重量%〜約20重量%、または組成物の約15重量%〜約25重量、または組成物の約20重量%の量で存在する医薬組成物を調製するのに使用される。
【0071】
本発明はまた、本明細書に記載のプロセスにより製造される、医薬組成物および単位剤形を含めた生成物をも提供する。
【0072】
本明細書で使用される「中鎖モノグリセリド」という用語は、アシル鎖中に約8〜約18個の炭素原子を有するモノアシルグリセロールを指す。
【0073】
本明細書で使用される「中鎖ジグリセリド」という用語は、各アシル鎖中に約8〜約18個の炭素原子を独立して有するジアシルグリセロールを指す。
【0074】
本明細書で使用される「中鎖トリグリセリド」という用語は、各アシル鎖中に約8〜約18個の炭素原子を独立して有するトリアシルグリセロールを指す。中鎖トリグリセリドの例には、Abitec CorporationよりCaptex(登録商標)355の商品名で販売されるものがある。
【0075】
本明細書で使用される「医薬的有効量」または「治療有効量」という用語は、有意義な罹患体の利益(すなわち、炎症性病態または炎症性疼痛などの生理学的反応または生理学的病態の治療、治癒、予防、阻害もしくは改善、またはこのような病態の治療、治癒、予防、阻害または改善の速度の上昇を示すのに十分な医薬組成物または製剤方法の各活性成分の合計量を意味する。単独で投与される個々の活性成分に適用される場合、本用語は、当該成分のみを指す。組み合わせに適用される場合、本用語は、組み合わせて投与されるか、連続して投与されるか、同時に投与されるかにかかわらず、治療効果を生じる活性成分の組み合わせた量を指す。
【0076】
「医薬的に許容される」という用語は、1つ以上の活性成分の生物活性の有効性を妨害しない非毒性物質を意味する。
【0077】
本発明の組成物に関連して使用するのに適切な数多くのさらなる種々の賦形剤、剤形、可溶化剤、希釈剤/溶媒などは、当該技術分野で既知であり、例えば、全体が参考として本明細書で援用される、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th edition,Alfonoso R.Gennaro(ed.),Lippincott Williams&Wilkins,Baltimore,MD(2000)に記載されている。
【実施例】
【0078】
A.式Iまたは式IIの化合物の調製
式Iまたは式IIの化合物は、標準的な合成法および当業者に既知の手順を使用することにより、市販される出発材料、文献において既知の化合物、または容易に調製される中間体から好都合に調製することができる。有機分子の調製ならびに官能基の変換および操作のための標準的な合成法および手順は、関連する科学文献から、または当分野の標準的なテキストから容易に得ることができる。典型的または好適な加工条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)を指定する場合には、特に記載がない限り、他の加工条件も使用できることが理解されるであろう。最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変動する場合があるが、当業者は通常の最適化手順によりこのような条件を決定することができる。提示した合成ステップの性質および順番は、本発明の化合物の形成を最適化するために変更される場合があることを、当業者は認識するであろう。
【0079】
化合物の調製では、種々の化学基の保護および脱保護を伴ってもよい。保護および脱保護の必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者が容易に決定することができる。保護基の化学については、例えば、全体が参考として本明細書で援用される、Greene,et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed.,Wiley&Sons,2006に記載されている。
【0080】
式Iまたは式IIの化合物、および前記化合物を合成する方法の例については、それぞれ全体が参考として援用される、米国特許第6797708;、第6891065号および第6984735号、ならびに米国特許出願第10/930534号(2004年8月31日出願)、第10/948004号(2004年9月23日出願)、第10/989840号(2004年11月16日出願)、第11/014657号(2004年12月16日出願)、第11/064241号(2005年2月23日出願)、第11/088568号(2005年3月24日出願)、第11/140390号(2005年5月27日出願)、第11/207072(2005年8月18日出願)および第/442199号(2006年5月26日出願)に記載されている。
【0081】
式Iおよび式IIの化合物の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
【表1−1】

【0083】
【表1−2】

【0084】
【表1−3】

【0085】
【表1−4】

【0086】
【表1−5】

【0087】
【表1−6】

【0088】
【表1−7】

【0089】
【表1−8】

【0090】
【表1−9】

【0091】
【表1−10】

【0092】
【表1−11】

【0093】
【表1−12】

【0094】
【表1−13】


【0095】
100mg用量カプセルの調製
100mgの(4−(3−{1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−[2−((2−トリフルオロメチルフェニル−メタン)スルホニルアミノ)−エチル]−1H−インドール−3−イル}−プロピル)−安息香酸)を含有する、本発明の500mg単位用量カプセルを、表1に記載の通りに調製した。
【0096】
【表1A】

上述の医薬組成物をカプセル投与用として以下の通りに調製した。
【0097】
1. 13.38gのビタミンE TPGS、3.02gのポリオキシ35ヒマシ油(Cremophor EL)、4.49gのCaptex(登録商標)355、および3.00gの炭酸プロピレンを、温度制御装置を装備した適切な混合容器に入れた。
【0098】
2. 前記容器を、均質な溶液が得られるまで混合しながら85+/−5℃に加熱した。
【0099】
3. 6.12gの(4−(3−{1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−[2−((2−トリフルオロメチルフェニル−メタン)スルホニルアミノ)−エチル]−1H−インドール−3−イル}−プロピル)−安息香酸)を、ステップ2の溶液に緩徐に添加した。化合物が溶解し、均質な溶液が得られるまで、混合物を加熱し、85+/−5℃にて混合した。
【0100】
4. 次いで、得られた溶液を、混合しながら室温に冷却した。
【0101】
5. 次いで、ステップ4の最終溶液0.500gをサイズ番号0のカプセルに充填し、カプセルを密封した。
【0102】
C.溶解試験
4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の溶解度を、水中の酸性および塩基性条件下で室温にて測定した。遊離酸の固有溶解度は、31ng/mLのHPLC検出限界より低かったが、アニオンの溶解度は110ng/mLであった。
【0103】
上述の手順に従って製造した100mg強度のカプセルの溶解試験を実施した。pH1(0.1N HCl)、pH6.8(50mMリン酸ナトリウムバッファー)およびpH4.5(mM酢酸ナトリウムバッファー)の各水溶液900mLにカプセルを入れた。各溶液の紫外線吸収量を、種々の時点(経路長1mm、237nm)で測定し、この波長における標準反応と比較して、溶解率を計算した。図1に示すように、溶解速度は、試験した各pHでほぼ同じであることが明らかになった。
【0104】
次いで、腸内における給餌状態および絶食状態をシミュレートするため、Fasted State Simulated Intestinal Fluid(FSSIF:0.029M KHPO、5mMタウロコール酸ナトリウム、1.5mMレシチン、0.22M KCl、NaOHを使用してpHを6.8に調整)およびFed State Simulated Intestinal Fluid(FeSSIF:0.144M酢酸、15mMタウロコール酸ナトリウム、4mMレシチン、0.19M KCl、NaOHを使用してpHを5.0に調整)中において、上述の手順に従って製造した100mg強度のカプセルの溶解試験を実施した。図2に示すように、シミュレートした給餌媒体と絶食媒体とを比べても、目に付くような溶解度の上昇は見られなかった。
【0105】
D.イヌのin vivo暴露試験
4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸を含有する本発明の製剤を、イヌに約12mg/kg使用して、高脂肪給餌/絶食試験を行った。給餌状態をシミュレートするため、上の表1に記載した100mg用量のカプセルを投与する30分前に、高脂肪食餌を経口強制飼養により3匹の雌ビーグル犬に与えた。そして0時間、0.5時間、1時間、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間および24時間の時点で採血を行った。次いで、4時間の時点の採血を行った後に1日の食餌量の3分の2をイヌに与えた。血液試料を氷上で保存し、5℃で遠心分離し、血漿を収集し、−70℃で保存した。血漿試料を、LC/MS/MSで分析し、試料中の4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の量を測定した。
【0106】
絶食状態をシミュレートするため、上述の手順を3匹の同じ雌ビーグル犬で繰り返し行い、投与前に一晩イヌを絶食させた後、4時間の時点の採血を行った後に食餌を与えた。給餌試験および絶食試験の両方の結果を表2に要約する(報告した結果は、3頭の試験した動物からのデータの平均である)。
【0107】
【表2】

ラットのカラゲニン足浮腫(CPE)試験のデータでは、4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸の最小有効暴露量が1360ng*時/mLであることが示された。表2のデータでは、本発明の製剤が、絶食状態で約8倍の有効暴露量を、給餌状態で約22倍の有効暴露量をもたらすことが示されている。これらの暴露量は、静注製剤(4−(3−{5−クロロ−1−(ジフェニルメチル)−2−[2−({[2−(トリフルオロメチル)ベンジル]スルホニル}アミノ)エチル]−1H−インドール−3−イル}プロピル)安息香酸:15%、EtOH:10%、Solutol HS−15:75%、注射用蒸留水で2mg/mLに希釈)と比べると、5.9および16.8の生物学的利用能率になる。
【0108】
特許出願、特許およびその他の参考文献を含むがこれらに限定されない、本明細書で言及されるすべての刊行物は、全体が参考文献として本明細書で援用される。
【0109】
本明細書に示した材料、方法および具体例は、例示を目的としたものであり、本発明の適用範囲を限定することを目的としたものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)i)組成物の約10重量%〜約50重量%の第1の可溶化剤、
ii)組成物の約5重量%〜約50重量%の第2の可溶化剤、
iii)組成物の約10重量%〜約30重量%の第1の希釈剤、および
iv)組成物の約1重量%〜約15重量%の第2の希釈剤
を含む賦形剤系または担体系と、
b)医薬的有効量の、式I:
【化14】

(式中、
Rは、式−(CH−A、−(CH−S−A、および−(CH−O−Aから選択され、前記式中、Aは、
【化15】

部分から選択され、前記部分中、DはC−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、−CF、または−(CH1−3−CFであり、
BおよびCは、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、フリル基、チエニル基またはピロリル基から独立して選択され、前記基はそれぞれが場合により、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)および−NOから独立して選択される、1〜3個の置換基により、またはO、NおよびSから選択される1個または2個のヘテロ原子を含有する5員環または6員環の複素環または複素芳香族環により置換され、
nは0〜3の整数であり、
は1〜3の整数であり、
は0〜4の整数であり、
は0〜3の整数であり、
は0〜2の整数であり、
は、化学結合、−S−、−O−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−C=C−、
【化16】

から選択され、
は、C−Cアルキル基、C−Cフッ素化アルキル基、C−Cシクロアルキル基、テトラヒドロピラニル基、カンホリル基、アダマンチル基、−CN基、−N(C−Cアルキル)基、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、フリル基、チエニル基、ナフチル基、モルホリニル基、トリアゾリル基、ピラゾリル基、ピペリジニル基、ピロリジニル基、イミダゾリル基、ピペリジニル基、チアゾリジニル基、チオモルホリニル基、テトラゾリル基、インドリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾフラニル基、イミダゾリジン−2−チオニル基、7,7−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−オニル基、ベンゾ[1,2,5]オキサジアゾリル基、2−オキサ−5−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル基、ピペラジン−2−オニル基、およびピロリル基から選択され、前記基はそれぞれが場合により、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF3、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−SO(C−Cアルキル)、−SONH、−SONH(C−Cアルキル)、−SON(C−Cアルキル)、−COOH、−CH−COOH、−CH−NH(C−Cアルキル)、−CH−N(C−Cアルキル)、−CH−NH、ピリジニル、2−メチル−チアゾリル、モルホリノ、1−クロロ−2−メチル−プロピル、C−Cチオアルキル、フェニル(場合により1個以上のハロゲン、ジアルキルアミノ、−CNまたは−OCFによりさらに置換される)、ベンジルオキシ、−(C−Cアルキル)C(O)CH、−(C−Cアルキル)OCH、−C(O)NH、または
【化17】

から独立して選択される、1〜3個の置換基により置換され、
は、−O−、−CH−、−S−、−SO−、−SO−、−NH−、−C(O)−、
【化18】

から選択され、
は、フェニル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、フリル基、チエニル基およびピロリル基から選択される環部分であり、前記環部分は、式−(CHn4−COHの基、または医薬的に許容される酸模倣物もしくは酸擬似体により置換され、また場合により、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、および−NOから独立して選択される1個または2個のさらなる置換基により置換され、
は、H、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、および−NOから選択され、
は、H、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OCF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cチオアルキル、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−NH−C(O)−N(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−O−(C−Cアルキル)、−SO−C−Cアルキル、−S−C−Cシクロアルキル、−S−CH−C−Cシクロアルキル、−SO−C−Cシクロアルキル、−SO−CH−C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキル、−CH−C−Cシクロアルキル、−O−C−Cシクロアルキル、−O−CH−C−Cシクロアルキル、フェニル、ベンジル、ベンジルオキシ、モルホリノ、ピロリジノ、ピペリジニル(piperidinyl)、ピペリジニル(piperizinyl)、フラニル、チエニル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ピラゾロニル、ピラゾリル、オキサゾリルおよびイソオキサゾリルから選択され、前記R基のそれぞれの環はそれぞれ場合により、ハロゲン、−CN、−CHO、−CF、−OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−NH、−N(C−Cアルキル)、−NH(C−Cアルキル)、−NH−C(O)−(C−Cアルキル)、−NO、−SO(C−Cアルキル)、−SONH(C−Cアルキル)、−SON(C−Cアルキル)、および−OCFから選択される1〜3個の置換基により置換され、
各R5は、独立してHまたはC1−3アルキルであり、
はHまたはC1−6アルキルである)
を有する活性薬剤、あるいはその医薬的に許容される塩と
を含む、医薬組成物。
【請求項2】
が、場合により置換されるフェニルであり、
Rが
【化19】

(式中、BおよびCはフェニルである)である、
請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記組成物が周囲温度において液体である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記活性薬剤が、組成物の約0.1重量%〜約30重量%の量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記活性薬剤が、組成物の約10重量%〜約25重量%の量で存在する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記第1の可溶化剤が、ビタミンE TPGS、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記第1の可溶化剤がビタミンE TPGSを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記第2の可溶化剤が、ポリオキシヒマシ油、ポリオキシ硬化ヒマシ油、ポリソルベート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
前記第2の可溶化剤が、ポリオキシ35ヒマシ油、ポリオキシ40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記第2の可溶化剤がポリオキシ35ヒマシ油を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記第1の希釈剤が、Captex(登録商標)355、カプリロカプロイルポリオキシグリセリド、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、中鎖トリグリセリド、カプリル酸のトリグリセリド、カプリン酸のトリグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記第1の希釈剤がCaptex(登録商標)355を含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記第2の希釈剤が、炭酸プロピレン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、トリアセチン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記第2の希釈剤が炭酸プロピレンを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項15】
i)第1の可溶化剤が、ビタミンE TPGS、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
ii)第2の可溶化剤が、ポリオキシヒマシ油、ポリオキシ硬化ヒマシ油、ポリソルベート、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
iii)第1の希釈剤が、Captex(登録商標)355、カプリロカプロイルポリオキシグリセリド、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、中鎖トリグリセリド、カプリル酸のトリグリセリド、カプリン酸のトリグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
iv)第2の希釈剤が、炭酸プロピレン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、トリアセチン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記第1の可溶化剤がビタミンE TPGSを含み、前記第2の可溶化剤がポリオキシ35ヒマシ油を含み、前記第1の希釈剤がCaptex(登録商標)355を含み、前記第2の希釈剤が炭酸プロピレンを含む、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項17】
a)i)組成物の約10重量%〜約50重量%の第1の可溶化剤、
ii)組成物の約5重量%〜約50重量%の第2の可溶化剤、
iii)組成物の約10重量%〜約30重量%の第1の希釈剤、および
iv)組成物の約1重量%〜約15重量%の第2の希釈剤
を含む担体系または賦形剤系と、
b)医薬的有効量の式II:
【化20】

(式中、
は1または2であり、
は1または2であり、
は1または2であり、
は0、1または2であり、
はO、−CH−またはSOであり、
各Rは、独立してHまたはC1−3アルキルであり、
はHまたはC1−6アルキルであり、
は、−OH、ベンジルオキシ、−CH、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CHO、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリジン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により場合により置換されるフェニルからなる群から選択され、
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されるフェニルからなる群から選択され、
Qは、−OH、ジアルキルアミノ、
【化21】

であり、
20は、H、C1−3アルキル、および−CO(C1−3アルキル)からなる群から選択され、
30は、ジアルキルアミノ、−CN、および−OCFからなる群から選択されるが、
但し、
i)各RがHであり、RがHであり、nが0であり、RがHである場合、Rは塩素であり得ず、
ii)各RがHであり、RがHであり、nが0であり、XがOまたは−CH−であり、RがHである場合、RはCHであり得ず、
iii)各RがHであり、RがHである場合、RおよびRはいずれもフッ素であり得ず、
iv)各RがHであり、RがHであり、XがOである場合、RおよびRはいずれも塩素であり得ず、
v)各RがHであり、RがHであり、XがOであり、RがNOである場合、Rはフッ素であり得ず、
vi)各RがHであり、RがHであり、XがSOであり、RがHである場合、Rはフッ素または塩素であり得ない)
を有する活性薬剤、あるいはその医薬的に許容される塩と
を含む、医薬組成物。
【請求項18】
式IIの化合物が、式III:
【化22】

(式中、
は1または2であり、
は1または2であり、
は1または2であり、
はHまたは−CHであり、
はHまたはC1−6アルキルであり、
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、−OCH、ハロゲン、−COCH、−COOCH、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、および−CNからなる群から選択される)を有する、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
式IIの化合物が、(4−(3−{1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−[2−((2−トリフルオロメチルフェニル−メタン)スルホニルアミノ)−エチル]−1H−インドール−3−イル}−プロピル)−安息香酸)、またはその医薬的に許容される塩である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記組成物が周囲温度において液体である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記活性薬剤が、組成物の約0.1重量%〜約30重量%の量で存在する、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記活性薬剤が、組成物の約10重量%〜約25重量%の量で存在する、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記第1の可溶化剤が、ビタミンE TPGS、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記第1の可溶化剤がビタミンE TPGSを含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記第2の可溶化剤が、ポリオキシヒマシ油、ポリオキシ硬化ヒマシ油、ポリソルベート、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記第2の可溶化剤が、ポリオキシ35ヒマシ油、ポリオキシ40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記第2の可溶化剤がポリオキシ35ヒマシ油を含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記第1の希釈剤が、Captex(登録商標)355、カプリロカプロイルポリオキシグリセリド、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、中鎖トリグリセリド、カプリル酸のトリグリセリド、カプリン酸のトリグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記第1の希釈剤がCaptex(登録商標)355を含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記第2の希釈剤が、炭酸プロピレン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、トリアセチン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記第2の希釈剤が炭酸プロピレンを含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項32】
i)第1の可溶化剤が、ビタミンE TPGS、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
ii)第2の可溶化剤が、ポリオキシヒマシ油、ポリオキシ硬化ヒマシ油、ポリソルベート、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
iii)第1の希釈剤が、Captex(登録商標)355、カプリロカプロイルポリオキシグリセリド、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、中鎖トリグリセリド、カプリル酸のトリグリセリド、カプリン酸のトリグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
iv)第2の希釈剤が、炭酸プロピレン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、トリアセチン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項33】
第1の可溶化剤がビタミンE TPGSを含み、第2の可溶化剤がポリオキシ35ヒマシ油を含み、第1の希釈剤がCaptex(登録商標)355を含み、第2の希釈剤が炭酸プロピレンを含む、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項34】
i)第1の可溶化剤が、組成物の約40重量%〜約50重量%の量でビタミンE TPGSを含み、
ii)第2の可溶化剤が、組成物の約5重量%〜約15重量%の量でポリオキシ35ヒマシ油を含み、
iii)第1の希釈剤が、組成物の約10重量%〜約20重量%の量でCaptex(登録商標)355を含み、
iv)第2の希釈剤が、組成物の約5重量%〜約15重量%の量で炭酸プロピレンを含み、
v)活性薬剤が、組成物の約15重量%〜約25重量%の量で存在する、
請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項35】
請求項17〜34のいずれか一項に記載の組成物を含む、医薬剤形。
【請求項36】
剤形がカプセルである、請求項35に記載の医薬剤形。
【請求項37】
活性薬剤が、約0.1mg〜約250mgの量で剤形中に存在する、請求項35に記載の医薬剤形。
【請求項38】
活性薬剤が、約0.5mg〜約200mgの量で剤形中に存在する、請求項35に記載の医薬剤形。
【請求項39】
活性薬剤が、約1mg〜約150mgの量で剤形中に存在する、請求項35に記載の医薬剤形。
【請求項40】
活性薬剤が、約25mg〜約125mgの量で剤形中に存在する、請求項35に記載の医薬剤形。
【請求項41】
活性薬剤が、約75mg〜約125mgの量で剤形中に存在する、請求項35に記載の医薬剤形。
【請求項42】
a)i)組成物の約10重量%〜約50重量%の第1の可溶化剤、
ii)組成物の約5重量%〜約50重量%の第2の可溶化剤、
iii)組成物の約10重量%〜約30重量%の第1の希釈剤、および
iv)組成物の約1重量%〜約15重量%の第2の希釈剤
を含む担体系または賦形剤系と、
b)医薬的有効量の、式II:
【化23】

(式中、
は1または2であり、
は1または2であり、
は1または2であり、
は0、1または2であり、
はO、−CH−またはSOであり、
各Rは、独立してHまたはC1−3アルキルであり、
はHまたはC1−6アルキルであり、
は、−OH、ベンジルオキシ、−CH、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CHO、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、ピリジン−4−イル、ピリジン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により場合により置換されるフェニルからなる群から選択され、
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、C1−3アルコキシ、ハロゲン、−CO(C1−3アルキル)、−CO(OC1−3アルキル)、キノリン−5−イル、3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル、チオフェン−3−イル、−CH−Q、および1〜3個の独立して選択されるR30基により置換されるフェニルからなる群から選択され、
Qは、−OH、ジアルキルアミノ、
【化24】

であり、
20は、H、C1−3アルキル、および−CO(C1−3アルキル)からなる群から選択され、
30は、ジアルキルアミノ、−CN、および−OCFからなる群から選択されるが、
但し、
i)各RがHであり、RがHであり、nが0であり、RがHである場合、Rは塩素であり得ず、
ii)各RがHであり、RがHであり、nが0であり、XがOまたは−CH−であり、RがHである場合、RはCHであり得ず、
iii)各RがHであり、RがHである場合、RおよびRはいずれもフッ素であり得ず、
iv)各RがHであり、RがHであり、XがOである場合、RおよびRはいずれも塩素であり得ず、
v)各RがHであり、RがHであり、XがOであり、RがNOである場合、Rはフッ素であり得ず、
vi)各RがHであり、RがHであり、XがSOであり、RがHである場合、Rはフッ素または塩素であり得ない)
を有する活性薬剤、あるいはその医薬的に許容される塩と
を含む医薬組成物を調製するプロセスであって、
(1)第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を混合これらの第1の均質な溶液を形成するステップと、
(2)第1の均質な溶液に薬剤またはその医薬的に許容される塩を添加するステップと、
(3)薬剤および第1の均質な溶液を、薬剤が溶解し、第2の均質な溶液を形成するのに十分な温度にて混合するステップと
を含む、プロセス。
【請求項43】
ステップ(1)がさらに、第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤を、第1の均質な溶液を形成するのに十分な温度に加熱することも含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項44】
第1の可溶化剤、第2の可溶化剤、第1の希釈剤、および第2の希釈剤の混合が、約75℃〜約90℃の温度にて実施される、請求項43に記載のプロセス。
【請求項45】
ステップ(3)における薬剤と第1の均質な溶液との混合が、約75℃〜約90℃の温度にて実施される、請求項42に記載のプロセス。
【請求項46】
第2の均質な溶液を周囲温度に冷却するステップもさらに含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項47】
第2の均質な溶液を濾過するステップもさらに含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項48】
式IIの活性薬剤が、式III:
【化25】

(式中、
は1または2であり、
は1または2であり、
は1または2であり、
はHまたは−CHであり、
はHまたはC1−6アルキルであり、
は、H、−OH、−NO、−CF、−OCF、−OCH、ハロゲン、−COCH、−COOCH、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、および−CNからなる群から選択される)、
あるいはその医薬的に許容される塩を有する、請求項42に記載のプロセス。
【請求項49】
式IIの化合物が、(4−(3−{1−ベンズヒドリル−5−クロロ−2−[2−((2−トリフルオロメチルフェニル−メタン)スルホニルアミノ)−エチル]−1H−インドール−3−イル}−プロピル)−安息香酸)、またはその医薬的に許容される塩である、請求項42に記載のプロセス。
【請求項50】
第2の均質な溶液の少なくとも一部を1つ以上の単位剤形に入れるステップもさらに含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項51】
前記単位剤形がカプセルである、請求項50に記載のプロセス。
【請求項52】
活性薬剤が、組成物の約0.1重量%〜約30重量%の量で存在する、請求項42に記載のプロセス。
【請求項53】
第1の可溶化剤が、ビタミンE TPGS、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項42に記載のプロセス。
【請求項54】
第1の可溶化剤がビタミンE TPGSを含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項55】
第2の可溶化剤が、ポリオキシ35ヒマシ油、ポリオキシ40硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項42に記載のプロセス。
【請求項56】
第2の可溶化剤がポリオキシ35ヒマシ油を含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項57】
第1の希釈剤が、Captex(登録商標)355、カプリロカプロイルポリオキシグリセリド、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、中鎖トリグリセリド、カプリル酸のトリグリセリド、カプリン酸のトリグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項42に記載のプロセス。
【請求項58】
前記第1の希釈剤がCaptex(登録商標)355を含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項59】
第2の希釈剤が、炭酸プロピレン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、トリアセチン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項42に記載のプロセス。
【請求項60】
第2の希釈剤が炭酸プロピレンを含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項61】
i)第1の可溶化剤が、ビタミンE TPGS、ヒドロキシステアリン酸ポリエチレングリコール660、およびこれらの混合物から選択され、
ii)第2の可溶化剤が、ポリオキシヒマシ油、ポリオキシ水素化ヒマシ油、ポリソルベート、およびこれらの混合物から選択され、
iii)第1の希釈剤が、Captex(登録商標)355、カプリロカプロイルポリオキシグリセリド、中鎖モノグリセリド、中鎖ジグリセリド、中鎖トリグリセリド、カプリル酸のトリグリセリド、カプリン酸のトリグリセリド、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、炭酸プロピレン、およびこれらの混合物から選択され、
iv)第2の希釈剤が、炭酸プロピレン、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、トリアセチン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、
請求項42に記載のプロセス。
【請求項62】
第1の可溶化剤がビタミンE TPGSを含み、第2の可溶化剤がポリオキシ35ヒマシ油を含み、第1の希釈剤がCaptex(登録商標)355を含み、第2の希釈剤が炭酸プロピレンを含む、請求項42に記載のプロセス。
【請求項63】
前記活性薬剤が、約0.1mg〜約250mgの量で前記剤形中に存在する、請求項42に記載のプロセス。
【請求項64】
前記活性薬剤が、約0.5mg〜約200mgの量で前記剤形中に存在する、請求項42に記載のプロセス。
【請求項65】
前記活性薬剤が、約1mg〜約150mgの量で前記剤形中に存在する、請求項42に記載のプロセス。
【請求項66】
前記活性薬剤が、約25mg〜約125mgの量で存在する、請求項42に記載のプロセス。
【請求項67】
前記活性薬剤が、約75mg〜約125mgの量で存在する、請求項42に記載のプロセス。
【請求項68】
請求項42〜67のいずれか一項に記載のプロセスにより製造される製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−508302(P2010−508302A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534934(P2009−534934)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【国際出願番号】PCT/US2007/082966
【国際公開番号】WO2008/055136
【国際公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(591011502)ワイス エルエルシー (573)
【Fターム(参考)】