説明

ポリウレタン水性分散体に基づく硬質被覆物系の製造方法

本発明は、放射線によって硬化するポリウレタン水性分散体の合成およびバインダーとしてのその使用を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン水性分散体に基づく放射線硬化性硬質被覆物系の製造方法、該方法によって得られる被覆物系、塗料および/または接着剤としての被覆物系の使用、並びにこれらの塗料および/または接着剤を含む物品および基材を記載する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンポリマーに基づく放射線硬化性水性被覆物系は、木材、プラスチックおよび皮革を含む基材の被覆に用途を見出し、多数の有益な性質、例えば高い化学薬品耐性および機械安定性等によって区別される。特に有利な点は、高エネルギー放射による、ポリマー中のエチレン二重結合の架橋によるポリウレタントップコートの数秒以内での超高速硬化性である。
【0003】
放射線硬化性ポリウレタン水性分散体を着色塗料用の被覆物系に用いる場合には、光化学硬化性は顔料の吸収および散乱に起因して妨げられる。この結果、被覆物は部分的に硬化するだけであり、透明ポリウレタン塗料の高水準の品質特性は得られない。
【0004】
EP−B743531およびEP−B942022には、ヒドロキシル含有ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびポリエポキシアクリレートに基づくポリエステリアクリレートウレタン分散体が記載されている。本明細書に成分(E)として記載された種類のオリゴメタクリレートは、EP−B753531およびEP−B942022に現れない。記載された被覆物系は、物理乾燥透明塗料に、より具体的には木材およびプラスチックへの塗布に適している。この種のバインダー系が着色されている場合には、不適切な反応性によって低い硬度並びに化学薬品および着色液体に対する不適切な耐性が得られる。ヒドロキシル含有ポリエステルアクリレートおよびポリエーテルアクリレートに基づく放射線硬化性ポリウレタン水性分散体は、EP−B872502に見出される。そこでもまた、被覆物系の好適な用途は透明塗料に存在する。本明細書に成分(E)として記載された種類のオリゴメタクリレートは、EP−B872502に現れない。着色塗料の(No.10)に示された実施例は、わずか10重量%の顔料含有量でコーヒー、マスタードおよび赤ワインへの感度を証明する。印のある感度は、さらなる透明塗料の適用により改善し得るといわれている。着色系の硬度は記載されていない。他の全ての実施例とは対照的に、弾性および硬度が記載されていない。
【0005】
EP−B1311639には、ポリウレタン分散体に基づく、化粧板用の被覆物系の製造および使用が記載されている。ポリウレタンアクリレートの他に、分散体は、溶媒成分、好適には、N−メチルピロリドンを含んでなる。後成形法におけるその用途が記載されており、重要な要素は化粧板側での高い柔軟性である。透明塗料でさえ、得られる被覆物は非常に軟質である。記載されたバインダーに基づく着色系は極めて不適当である。さらに、N−メチルピロリドンの使用は、その催寄性効果に起因して望ましくない。このような溶媒成分を用いずに、硬質被覆物系の使用に適したポリウレタン水性分散体を得るといういかなる指摘もEP−B1311639には存在しない。
【0006】
EP−B181486には、ポリエーテル−、ポリエステル−、ポリラクトン−およびカーボネートジオールおよび/またはこれらの混合物に基づくポリウレタン分散体が記載されているが、ポリウレタン骨格上にアクリレート官能基を有さない。アクリレート含有化合物を混合することによって、UV硬化性ポリウレタン水性分散体が皮革の高光沢被覆物用に得られる。光誘起架橋をアクリレート含有化合物とポリウレタンとの間で実施することができないので、得られる塗膜は、非常に柔軟かつ軟質であり、低い化学薬品耐性を有する。ポリウレタン骨格上にアクリレート官能基を有するポリウレタン水性分散体を硬質被覆物系の製造に用いることができるという効果へのいかなる開示もEP−B181486には存在しない。
【0007】
最小限の引掻傷可能性、最大限の化学薬品耐性、接着性および魅力的な光学品質が要求される携帯電話のケーシングのような過酷な課題に直面する日用品について用いられる被覆物系は、水性バインダー、例えば本明細書に記載の先行技術における水性バインダーが、高光沢および日焼け止めクリーム耐性のような特性の全体において十分に良好な結果を未だ達成していないので、未だ常に溶媒による被覆物系である。また、環境的な理由のために水性系への交代が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第743531号明細書
【特許文献2】欧州特許第942022号明細書
【特許文献3】欧州特許第753531号明細書
【特許文献4】欧州特許第872502号明細書
【特許文献5】欧州特許第1311639号明細書
【特許文献6】欧州特許第181486号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、本発明の課題は、放射線硬化性水性分散体に基づき、および着色可能であり、機械安定性、化学薬品耐性および高光沢によって区別される被覆物系を得ることを可能とする方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題は、以下の工程:
I)A)A1)ポリエステル、ポリエーテル、ポリエポキシ(メタ)アクリレートおよび40〜300mgKOH/gの範囲内のOH価を有し、高エネルギー放射線への暴露によりエチレン性不飽和二重結合と重合反応する基を有するポリウレタンの群から選択される、成分(A)〜(F)の合計を基準として10重量%〜80重量%の1以上のヒドロキシル含有プレポリマー、および必要に応じて、
A2)(メタ)アクリレート基を有し、および35〜1000mgKOH/gの範囲内のOH価を有する、成分(A)〜(F)の合計を基準として0重量%〜50重量%の1以上のアルコール
を含有する、40重量%〜80重量%のヒドロキシル含有成分と、
B)イソシアネート基に対して反応性であり、ポリウレタン分散体のために分散的に働く、0.1重量%〜20重量%の1以上の化合物と、
C)いずれの場合にも62〜242g/molの範囲内の分子量を有するジオール、トリオール、いずれの場合にも700〜4000g/molの範囲内の分子量を有するポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、C、Cおよび/またはCポリエーテル、ポリエーテルエステルおよびポリカーボネートポリエステルの群から選択される、0重量%〜30重量%のヒドロキシ官能性化合物とを、
D)10重量%〜50重量%の1以上のポリイソシアネート
と反応させてポリウレタンを形成する工程、および次いで、
II)E)物質1kgあたり二重結合が2.0molを越える二重結合密度を有し、高エネルギー放射線への暴露によりエチレン性不飽和化合物と重合反応する成分(A1)の群から選択される、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート
を添加する工程、
III)次いで、工程II)に従って得られる生成物を水に分散して、ポリウレタン水性分散体を形成する工程、および
IV)工程III)から得られるポリウレタン水性分散体と、
F)0.1重量%〜10重量%の1以上のモノ−、ジ−またはポリアミンおよび/またはアミノアルコールと
を反応させる工程
を含む、ポリウレタン分散体に基づく放射線硬化性硬質被覆物系の製造方法によって達成され、成分(A)〜(F)までの画分は合計100重量%となり、該硬化物系は、硬化後、150μmの湿潤厚みを有する塗膜について60秒を越えるDIN 53157に対するケーニッヒペンジュラム硬度および250μmの湿潤厚みを有する塗膜について150%未満のEN ISO 527に対する破断伸びを有する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の方法は、成分(A)、(B)および(C)を初期投入原料として反応器へ、必要に応じてイソシアネート基に対して不活性である水混和性溶媒で希釈して導入し、および該初期投入原料を30〜80℃の温度に加熱する際に有利であり、イソシアネート付加反応触媒をポリイソシアネートまたはポリイソシアネート(D)との反応を実施する前に化合物(A)、(B)および(C)の混合物に必要に応じて添加し、(A)、(B)および(C)におけるイソシアネート反応性基と(D)におけるイソシアネート基のモル比が0.8:1〜2.5:1の範囲にあり、工程I)に従って得られるポリウレタンをアセトン中にオリゴ(メタ)クリレート(E)と共に溶解して、オリゴ(メタ)アクリレート−アセトン溶液を形成し、工程III)およびIV)に従って強く撹拌しながら、この溶液をポリアミン(F)を含む分散水に導入するか、または分散水/ポリアミン混合物をポリウレタン−オリゴ(メタ)アクリレート−アセトン溶液に添加する。必要に応じて、次いでアセトンを蒸留によって除去する。
【0012】
本発明は、本発明の方法によって得られる放射線硬化性硬質硬化物系をさらに提供する。
【0013】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、成分(B)によって導入される酸および/または塩基の中和度が50%および125%との間である場合に有利である。
【0014】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、成分(F)によるプレポリマーの残存遊離イソシアネート基の反応V)を35%〜150%の範囲まで実施する際に有利である。
【0015】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、(メタ)アクリル酸とのジオール、トリオール、テトロールおよびヘキソールの群から選択されるアルコールとのエステル化から得られる(メタ)アクリレートエステルに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレートが存在する場合に有利である。
【0016】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、30〜300mgKOH/gの範囲内のOH価を有するポリエステル(メタ)アクリレートに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する場合に有利である。
【0017】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、5〜200mgKOH/gの範囲内のOH価を有するポリエーテル(メタ)アクリレートに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する場合に有利である。
【0018】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、20〜300mgKOH/gの範囲内のOH価を有するポリエポキシ(メタ)アクリレートに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する場合に有利である。
【0019】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、20〜300mgKOH/gの範囲内のOH価を有するポリウレタン(メタ)アクリレートに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する場合に有利である。
【0020】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエポキシ(メタ)アクリレート並びに(メタ)アクリル酸とジオール、トリオール、テトロールおよびヘキソールの群から選択されるアルコールとのエステル化によって得られる(メタ)アクリレートエステルの群から選択される2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)の混合物が存在する場合に有利である。
【0021】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、工程IV)を成分Eの添加前または添加後にアセトン溶液中で実施する場合に有利である。
【0022】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、工程III)に従って得られるポリウレタン水性分散体が、少なくともさらなる開始剤および必要に応じて、高エネルギー放射線で硬化を可能とするさらなる助剤および添加剤を含む場合に有利である。
【0023】
本発明の方法によって得られる被覆物系は、工程III)に従って得られるポリウレタン水性分散体が5重量%未満の有機溶媒を含有する場合に有利である。
【0024】
本発明は、接着剤および/または透明または着色された硬質塗料を製造するための本発明の方法によって得られる被覆物系の使用をさらに提供する。
【0025】
本発明は、溶媒および着色物質へ高い耐性を示す接着剤および/または透明または着色された硬質塗料を製造するための本発明の方法によって得られる被覆物系の使用をさらに提供する。
【0026】
本発明の方法によって得られる被覆物系の使用は、接着剤および/または透明または着色された硬質塗料が150μmの湿潤厚みを有する塗膜について60秒を越えるDIN 53157のケーニッヒペンジュラム硬度および250μmの湿潤厚みを有する塗膜について150%未満のEN ISO 527に対する破断伸びを有する。
【0027】
本発明は、本発明の方法によって得られる被覆物系を含む透明または着色された硬質塗料をさらに提供する。
【0028】
本発明は、本発明の方法によって得られる被覆物系を含む接着剤をさらに提供する。
【0029】
本発明は、被覆基材を製造するための、本発明の方法によって得られる被覆物系を含む透明または着色された硬質塗料の使用をさらに提供する。
【0030】
本発明には、少なくとも2以上の物質から構成された物品を製造するための、本発明の方法によって得られる被覆物系を含む接着剤の使用をさらに提供する。
【0031】
本発明は、本発明の方法によって得られる被覆物系を含む透明または着色された硬質塗料を含む基材をさらに提供する。
【0032】
本発明の方法によって得られる被覆物系を含む透明または着色された硬質塗料を含む基材は、基材が木材、木質系材料、家具、木材ブロック床、ドア、窓枠、金属物品、プラスチック、紙、ボール紙、コルクまたは皮革の群から選択される場合に有利である。
【0033】
本発明は、本発明の方法によって得られる被覆物系を含む接着剤を含む物品をさらに提供する。
【0034】
本発明の方法によって得られる被覆物系を含む接着剤を含む接着剤は、物品が、木材、木質系材料、家具、木材ブロック床、ドア、窓枠、金属物品、プラスチック、紙、ボール紙、コルクまたは皮革の群から選択される同類および/または異なった少なくとも2つの材料から構成される場合に有利である。
【0035】
成分(A)は、成分(A1)および必要に応じて成分(A2)を含んでなる。
成分(A1)は、不飽和基を有するポリマーおよびオリゴマーを含んでなる。不飽和基を有するこれらのポリマーおよびオリゴマーは好適には、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテルエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、アリルエーテル構造単位を有する不飽和ポリエステルおよび前記化合物の組み合わせの群から選択される。
【0036】
ポリエステル(メタ)アクリレートの中でも、成分(A1)として、30〜300mgKOH/g、好適には60〜200、より好適には70〜120mgKOH/gの範囲内のOH価を有するヒドロキシル含有ポリエステル(メタ)アクリレートが用いられる。ヒドロキシル官能性ポリエステル(メタ)アクリレート(A1)の製造のために、合計7グループのモノマー成分を用いることができる。
【0037】
第1グループ(a)は、アルカンジオールまたはジオールまたはこれらの混合物を含んでなる。アルカンジオールは、62〜286g/molの範囲内の分子量を有する。エタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−および1,4−ブタンジオール、1,5 ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,2−および1,4−シクロヘキサンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールの群から選択されるアルカンジオールは好適である。好適なジオールは、エーテル酸素を有するジオール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレン、ポリプロピレンまたは200〜4000、好適には300〜2000、より好適には450〜1200g/molの範囲内の分子量を有するポリブチレングリコールなどである。上記のジオールとε−カプロラクトンまたは他のラクトンとの反応生成物もジオールとして用い得る。
【0038】
第2グループ(b)は、3以上の官能価および92〜254g/molの範囲内の分子量を有するアルコールおよび/またはこれらのアルコールから出発して調製されたポリエーテルを含んでなる。3以上の官能価を有する特に好適なアルコールは、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトールおよびソルビトールである。ある特に好適なポリエーテルは、1モルのトリメチロールプロパンと4モルのエチレンオキシドとの反応生成物である。
【0039】
第3グループ(c)はモノアルコールを含んでなる。特に好適なモノアルコールは、エタノール、1−および2−プロパノール、1−および2−ブタノール、1−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノールおよびベンジルアルコールの群から選択される。
【0040】
第4グループ(d)は、104〜600g/molの範囲内の分子量を有するジカルボン酸および/またはその無水物を含んでなる。好適なジカルボン酸およびその無水物は、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、第6グループ(f)に記載の種類の脂肪酸の水素化二量体の群から選択される。
【0041】
第5グループ(e)は、トリメリット酸または無水トリメリット酸を含んでなる。
【0042】
第6グループ(f)は、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、2−エチルヘキサン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、並びにラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、セロチン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、イコセン酸、リノール酸、リノレン酸およびアラキドン酸の群から選択される天然および合成の脂肪酸の群から選択されるモノカルボン酸を含んでなる。
【0043】
第7グループは、アクリル酸、メタクリル酸および/または二量体アクリル酸を含んでなる。適当なヒドロキシル含有ポリエステル(メタ)アクリレート(A1)は、グループ(a)または(b)からの少なくとも1つの成分とグループ(d)または(e)からの少なくとも1つの成分およびグループ(g)からの少なくとも1つの成分との反応生成物を含んでなる。
【0044】
グループ(a)からの特に好適な成分は、エタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,2−および1,4−シクロヘキサンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、およびジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコールから選択されるエーテル酸素を有するジオールの群から選択される。グループ(b)からの好適な成分は、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトールまたは1モルのトリメチロールプロパンと4モルのエチレンオキシドとの反応生成物の群から選択される。グループ(d)および(e)からの特に好適な成分は、無水フタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水マレイン酸、フマル酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ドデカン二酸、第6グループ(f)に記載の種類の脂肪酸の水素化二量体および無水トリメリット酸の群から選択される。グループ(g)からの好適な成分はアクリル酸である。
【0045】
必要に応じて、先行技術から一般に既知の分散作用を有する基を、これらのポリエステル(メタ)アクリレートに組み入れることもできる。従って、アルコール成分として、ポリエチレングリコールおよび/またはメトキシポリエチレングリコールを部分的に使用することができる。化合物として、例えば、アルコールから出発するポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、前記グリコールのブロック共重合体ならびにこれらのポリグリコールのモノメチルエーテルを用いることが可能である。500〜1500g/molの範囲内の分子量を有するポリエチレングリコールモノメチルエーテルは特に適当である。
【0046】
さらなる可能性は、残存する未エステル化遊離カルボキシル基の一部、より具体的には(メタ)アクリル酸の残存する未エステル化遊離カルボキシル基を、エステル化後にモノ−、ジ−またはポリエポキシドと反応させることである。好適なエポキシドは、例えば、単量体、オリゴマーまたは重合体のビスフェノールA、ビスフェノールF、ヘキサンジオールおよび/またはブタンジオールまたはエポキシ(メタ)アクリレートの合成にも用いる種類(以下参照)の、エトキシル化および/またはプロポキシル化されたこれらの誘導体、のエポキシド(グリシジルエーテル)またはそれらのエトキシ化および/またはプロポキシル化誘導体である。エポキシド−酸反応はいずれの場合にも1つのOH基を形成するので、この反応を、特に、ポリエステル(メタ)アクリレートのOH価を増加させるために用い得る。得られる生成物の酸価は0および20mgKOH/gの間、好ましくは0および10mgKOH/gの間、より好ましくは0および5mgKOH/gの間である。反応は、触媒、例えばトリフェニルホスフィン、チオジグリコール、アンモニウムハライドおよび/またはホスホニウムハライドおよび/またはジルコニウム化合物または錫化合物、例えばエチルヘキサン酸錫(II)などによって好ましく触媒作用を受ける。
【0047】
ポリエステル(メタ)アクリレートの調製は、DE−A4040290の第3頁25行〜第6頁24行、DE−A−3316592の第5頁14行〜第11頁30行およびP.K.T Oldring(編)、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulations For Coatings,Inks & Paints」、第2巻、1991年、SITA Technology、ロンドン、123〜135頁に記載されている。
【0048】
成分(A1)として同様に好適なものは、20〜300mgKOH/g、好ましくは100〜280mgKOH/g、より好ましくは150〜250mgKOH/gの範囲内のOH価を有する、通常のヒドロキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレート、または20〜300mgKOH/g、好ましくは40〜150mgKOH/g、より好ましくは50〜100mgKOH/gのOH価を有するヒドロキシル基含有ポリウレタン(メタ)アクリレート、ならびに互いにそれらの混合物およびヒドロキシル含有不飽和ポリエステルとそれらの混合物およびポリエステル(メタ)アクリレートとそれらの混合物またはヒドロキシル含有不飽和ポリエステルとポリエステル(メタ)アクリレートとの混合物である。この種の化合物は、P.K.T Oldring(編)、「Chemistry & Technology of UV & EB Formulations For Coatings,Inks & Paints」、第2巻、1991年、SITA Technology、ロンドン、第37〜56頁にも記載されている。ヒドロキシル含有エポキシ(メタ)アクリレートは、特にアクリル酸および/またはメタクリル酸と、単量体のエポキシド(グリシジル化合物)、オリゴマーまたはポリマーのビスフェノールA、ビスフェノールF、ヘキサンジオールおよび/またはブタンジオールまたはエトキシル化および/またはプロポキシル化されたそれらの誘導体との反応生成物に基づく。
【0049】
アクリル酸および/またはメタクリル酸とポリエーテルとの反応に由来するヒドロキシル含有(ポリ)エーテルアクリレートはまた、成分(A1)として適当である。ポリエーテルは、トリメチロールプロパン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、ペンタエリトリトール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオールおよび/またはヘキサンジオールの群から選択される任意の所望のヒドロキシ官能性および/またはアミン官能性出発分子に基づく、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはテトラヒドロフランの、ホモポリマー、コポリマーまたはブロックコポリマーの群から選択される。
【0050】
不飽和化合物に加えて、成分(A1)はまた、NCO反応性化合物、特にヒドロキシル基を好ましく含んでなる。このヒドロキシル基により、ポリウレタン骨格へ部分的または完全に組み込まれる。
【0051】
好ましい成分(A1)は、不飽和基に加えてヒドロキシル基をも含有する、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートおよびポリエーテルエステル(メタ)アクリレートの群から選択される化合物である。
【0052】
ヒドロキシ官能性ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートおよびポリエポキシ(メタ)アクリレートは成分(A1)として特に好適である。
【0053】
さらに、成分(A1)の化合物を単独でまたは以下の化合物(A2)と組み合わせて用いることが可能である。
【0054】
成分(A2)は、(メタ)アクリレート基を有し、35〜1000mgKOH/gの範囲、好適には130〜966mgKOH/gの範囲内のOH価を有する1以上のアルコールを含む。(メタ)アクリレート基を有するこの種のアルコールは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキシドモノ(メタ)アクリレート、Pemcure(登録商標)12A(Cognis、独国)のようなポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル(メタ)アクリレート、例えばトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、エトキシル化、プロポキシル化またはアルコキシル化されたトリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトールのような多価アルコールのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−またはペンタ(メタ)アクリレートまたはそれらの工業混合物の群から選択され、成分(A)〜(D)の付加物への(A2)の組み込みは、残存する遊離ヒドロキシ官能基によって行う。
【0055】
さらに、成分(A2)として、二重結合含有酸と、必要に応じて二重結合を含有するモノマーエポキシド化合物との反応から得られるアルコールを用いることもできる。好適な反応生成物は、(メタ)アクリル酸とグリシドール(メタ)アクリレート、または(メタ)アクリル酸と第三級飽和モノカルボン酸のグリシジルエステルの群から選択される。第三級飽和モノカルボン酸は、2,2−ジメチル酪酸、エチルメチル酪酸、エチルメチルペンタン酸、エチルメチルヘキサン酸、エチルメチルヘプタン酸およびエチルメチルオクタン酸に由来する。
【0056】
成分A2として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ジペンタエリトリトールペンタアクリレートおよびグリシジルエチルメチルヘプタノエートと(メタ)アクリル酸との付加物およびこれらの工業混合物は、極めて特に好適である。
【0057】
成分(B)は、イソシアネート基に対して反応性であり、およびポリウレタン水性分散体のために分散的に働く1以上の化合物を含んでなる。イソシアネート基に対して反応性であり、および分散的に働く化合物とは、酸、塩基、イオン化合物およびエーテル基を含有する化合物を意味する。好適な酸および塩基はヒドロキシル基、アミノ基およびチオール基の群から選択され、これにより、成分(A)、(C)および(D)の反応生成物への組み込みが行われ、次いでイソシアネート反応性基はスルホニウム塩、アンモニウム塩、カルボキシレート塩およびスルホネート塩の群から選択される相当する分散性基に変換される。特に好適な酸、塩基およびイオン化合物は、モノ−およびジヒドロキシカルボン酸、モノ−およびジアミノカルボン酸、モノ−およびジヒドロキシスルホン酸、モノ−およびジアミノスルホン酸およびモノ−およびジヒドロキシホスホン酸、モノ−およびジアミノホスホン酸およびそれらの塩、例えばジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ヒドロキシピバリン酸、N−(2−アミノエチル)アラニン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタンスルホン酸、エチレンジアミン−プロピル−またはブチルスルホン酸、1,2−または1,3−プロピレンジアミン−エチルスルホン酸、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸、グリシン、アラニン、タウリン、リシン、3,5−ジアミノ安息香酸、イソホロンジアミン(1−アミノ−3,3,5−トリメチル−5−アミノメチルシクロヘキサンまたはIPDI)とアクリル酸の付加生成物(EP−A916647、実施例1)およびそのアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、亜硫酸水素ナトリウムとブテ−2−エン−1,4−ジオールとの付加化合物、ポリエーテル−スルホン酸、DE−A2446440(5〜9頁)式I〜III)に記載された2−ブテンジオールおよびNaHSOのプロポキシル化付加化合物、並びにN−メチルジエタノールアミン、カルボキシル基またはカルボキシレート基および/またはスルホネート基および/またはアンモニウム基を含有する化合物の群から選択される。特に好適なイオン化合物は、カルボキシル基および/またはスルホネート基をイオン基として含有するイオン化合物、例えば2−(2−アミノエチルアミノ)エタンスルホン酸の塩、またはイソホロンジアミンおよびアクリル酸の付加物の塩(EP916647A1、実施例1)並びにジメチロールプロピオン酸の塩などである。
【0058】
エーテル基を有する好適な化合物は、アルコールから出発して調製されたポリプロピレングリコールおよびポリエチレングリコール、そのブロックコポリマーおよびこれらのポリグリコールのモノメチルエーテルの群から選択される。直鎖構造の、1および3の間の官能価を有するポリエーテル、ならびに一般式(I):
【化1】

(式中、
およびRは、互いに独立して、それぞれ、二価の、1〜18個のC原子を有する、脂肪族、脂環式または芳香族の基を示し、それらは酸素および/または窒素原子により中断されていてよく、Rはアルコキシ末端ポリエチレンオキシド基である)
で示される化合物は好適である。
【0059】
好適なポリエーテルは、1分子あたり平均5〜70個、好ましくは7〜55個のエチレンオキシド単位を有する単官能性のポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールの群から選択され、そのようなアルコールは、適当な出発分子のアルコキシル化によって従来法により得られる種類であり、「Ullmanns Encyclopaedie der technischen Chemie」、第4版、第19巻、Verlag Chemie、ワインハイム、第31〜38頁に記載されている。
【0060】
この目的のための好適な出発分子は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、異性体のペンタノール、ヘキサノール、オクタノールおよびノナノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、シクロヘキサノール、異性体のメチルシクロヘキサノールまたはヒドロキシメチルシクロヘキサン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンまたはテトラヒドロフルフリルアルコール、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルのようなジエチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばアリルアルコール、1,1−ジメチルアリルアルコールまたはオレイルアルコールのような不飽和アルコール、例えばフェノール、異性体のクレゾールまたはメトキシフェノールのような芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール、アニスアルコールまたは桂皮アルコールのような芳香脂肪族アルコール、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ビス(2−エチルヘキシル)アミン、N−メチル−およびN−エチルシクロヘキシルアミンまたはジシクロヘキシルアミンのような第二級モノアミンならびに例えばモルホリン、ピロリジン、ピペリジンおよび1H−ピラゾールのようなヘテロ環第二級アミンの群から選択される。特に好ましい出発分子は、飽和モノアルコールおよびジエチレングリコールのモノメチル、モノエチルおよびモノブチルエーテルの群から選択される。ジエチレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテルは特により好ましい。
【0061】
アルコキシル化反応に適したアルキレンオキシドは、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドであり、これらは、アルコキシル化反応において、いずれかの順番であるいは混合物中で用いてよい。
【0062】
ポリアルキレンオキシドポリエーテルアルコールは純粋なポリエチレンオキシドポリエーテルまたは混合ポリアルキレンオキシドポリエーテルのいずれかであり、アルキレンオキシド単位の少なくとも30mol%、好ましくは少なくとも40mol%はエチレンオキシド単位から構成される。好ましい非イオン化合物は、少なくとも40mol%のエチレンオキシド単位および60mol%以下のプロピレンオキシド単位を含有する、単官能性の混合ポリアルキレンオキシドポリエーテルである。
【0063】
上記の酸を、中和剤、例えばトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア、N−エチルモルホリン、LiOH、NaOHおよび/またはKOHとの反応により、相当する塩へ変換する。この場合、中和度は50%および125%の間である。
【0064】
成分(C)は、いずれの場合にも62〜242g/molの範囲内の分子量を有するジオールおよびトリオール、いずれの場合にも700〜4000g/molの範囲内の分子量を有する、ヒドロキシ官能性のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、C、Cおよび/またはCポリエーテル、ポリエーテルエステル、ポリカーボネートポリエステルの群から選択されるヒドロキシ官能性化合物を含んでなる。
【0065】
成分Cの好適なジオールおよびトリオールは、脂肪族、芳香脂肪族または脂環式のジオールまたは2〜20個の炭素原子を含有するトリオールの群から選択される。好適なジオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、トリメチルペンタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−および1,4−シクロヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートの群から選択される。1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび1,6−ヘキサンジオールが特に好適である。
【0066】
好適なオリゴマーおよび/または高分子量のポリオール、例えば、500〜4000g/molの範囲内の数平均分子量を有するジオールまたはポリオールまたはアミノアルコール、例えば、ヒドロキシ官能性オリゴマーまたはポリマー、例えば、ヒドロキシ官能性のポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、C2−、C3−および/またはC4−ポリエーテル、ポリエーテルエステルまたはポリカーボネートポリエステルなどは、1.5〜3.5、好ましくは1.8〜2.5の平均ヒドロキシル官能価を有する。
【0067】
好適なヒドロキシ官能性ポリエステルアルコールは、脂肪族、脂環式および/または芳香族のジ−、トリ−および/またはポリカルボン酸とジ−、トリ−および/またはポリオールならびにラクトンに基づくポリエステルアルコールに基づくヒドロキシ官能性ポリエステルアルコールである。特に好ましいポリエステルアルコールは、例えば、アジピン酸、イソフタル酸および無水フタル酸と、ヘキサンジオール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、モノエチレングリコールもしくはネオペンチルグリコールまたは500〜4000、好ましくは800〜2500の分子量の上記のジオールの混合物との反応生成物の群から選択される。
【0068】
好適なヒドロキシ官能性ポリエーテルオールは、環式エーテルの重合により、またはアルキレンオキシドと出発分子との反応により得られる反応生成物の群から選択される。500〜4000g/molの平均分子量を有するポリエチレンおよび/またはポリプロピレングリコール並びに500〜4000g/mol、好ましくは800〜3000g/molの平均分子量を有するポリテトラヒドロフランは特に好適である。
【0069】
好適なヒドロキシ官能性ポリカーボネートは、ジオールまたはラクトン変性ジオールまたはビスフェノールAの群から選択されるビスフェノールと、ホスゲンまたはジフェニルカーボネートもしくはジメチルカーボネートのようなカルボン酸ジエステルとの反応により入手できるポリカーボネートであるヒドロキシル末端ポリカーボネート、500〜8000g/molの範囲内の平均分子量を有する1,6−ヘキサンジオールのポリマーカーボネート、および1,6−ヘキサンジオールとε−カプロラクトンとの1〜0.33の範囲のモル比での反応生成物としてのカーボネートである。1,6−ヘキサンジオールに基づく800〜3000g/molの範囲内の平均分子量を有する上記のポリカーボネートジオールおよび/または1,6−ヘキサンジオールとε−カプロラクトンとの1〜0.33の範囲のモル比での反応生成物のカーボネートは特に好適である。
【0070】
好適なヒドロキシル官能性ポリアミドアルコールは、ヒドロキシル末端ポリ(メタ)アクリレートジオールである。
【0071】
ヒドロキシ官能性ポリエステルは、成分(C)として特に好適である。
【0072】
成分(D)のポリイソシアネートは、芳香族、芳香脂肪族、脂肪族または脂環式ポリイソシアネートまたはこのようなポリイソシアネート(D)の混合物の群から選択される。好適なポリイソシアネートは、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジイソシアナトシクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、2,4−ジイソシアナトトルエン、2,6−ジイソシアナトトルエン、α,α,α’,α’−テトラメチル−m−またはp−キシリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、並びにこれらと任意に他のイソシアネートおよび/または高官能価の同族体および/またはウレタン基、ビウレット基、カルボジイミド基、イソシアヌレート基、アロファネート基、イミノオキサジアジンジオン基および/またはウレットジオン基を有するオリゴマーとの混合物の群から選択される。
【0073】
ポリイソシネート成分(D)は好適には、少なくとも2の官能価を有する、少なくとも60重量%の脂環式および/または脂肪族のイソシアネートを含有する。
【0074】
特に好適には、ポリイソシアネート成分(D)は、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、1−メチル−2,4/(2,6)−ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタンおよび/または1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートを含んでなる。
【0075】
適当なオリゴ(メタ)アクリレート(E)は、物質1kgあたり二重結合が2.0molを越える、好適には物質1kgあたり二重結合が3.0molを越える(より好適には物質1kgあたり二重結合が5.0molを越える)二重結合密度を有する成分(A1)の化合物を含む。
【0076】
成分(E)は好適には、テトロールおよびヘキソールの(メタ)アクリレート、例えばペンタエリトリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、ソルビトール、エトキシル化、プロポキシル化またはアルコキシル化されたペンタエリトリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリトリトール、ソルビトールおよび/または上記の化合物の(メタ)アクリル化により得られる工業混合物などの群から選択される。オリゴ(メタ)アクリレート(E)は混合物として用いることもできる。
【0077】
モル質量を、成分(F)として、モノアミン、ジアミン、ポリアミンおよび/またはアミノアルコールを用いることによって上昇させる。好適なジアミンおよび/またはポリアミンは、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートの延長が必要に応じて、水性媒体中で実施されるので、水よりもイソシアネート基に対してより反応性であるものである。エチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−、1,4−フェニレンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、アミノ官能性ポリエチレンオキシド、アミノ官能性ポリプロピレンオキシド(名称Jeffamin(登録商標) Dシリーズ(Huntsman Corp.Europe、ザベンテム、ベルギー国)として既知)、トリエチレンテトラミンおよびヒドラジンの群から選択されるジアミンおよび/またはポリアミンは特に好適である。エチレンジアミンが特に好ましい。
【0078】
好適なモノアミンは、ブチルアミン、エチルアミンおよびJeffamin(登録商標) Mシリーズ(Huntsman Corp.Europe、ザベンテム、ベルギー国)のアミンなど、アミノ官能性ポリエチレンオキシド、アミノ官能性ポリプロピレンオキシドおよび/またはアミノアルコールの群から選択される。
【0079】
本発明のポリエステル(メタ)アクリレートウレタン分散体の製造のために、先行技術から知られている全ての方法、例えば乳化/剪断力法、アセトン法、プレポリマー混合法、溶融乳化法、ケチミンおよび固体/自然分散法またはそれらの派生方法等を用いることができる。これらの方法は、「Methoden der Organischen Chemie」、Houben−Weyl、第4巻、volume E20/パート2, 第1682頁、Georg Thieme Verlag、シュトゥットガルト、1987年参照に編集されている。アセトン法は特に好適である。
【0080】
工程I)による反応生成物の製造のために、成分(A)、(B)および(C)を初期投入原料として反応器に導入し、該初期投入原料を必要に応じてアセトンで希釈する。イソシアネートの付加を促進させるために、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、錫ジオクトエートまたはジブチル錫ジラウレートの群から選択されるイソシアネート付加反応触媒が添加され、該混合物を、反応を開始させるために加熱する。一般に、これは30〜60℃の温度が必要である。次いで、ポリイソシアネートまたはポリイソシアネート(D)を液滴状に添加する。ポリイソシアネート(D)を初期投入原料として投入し、イソシアネート反応性成分(A)、(B)および(C)を添加する、逆の変法も可能である。
【0081】
反応を監視するために、NCO含有量を滴定、赤外分光法または近赤外分光法により一定の間隔で決定する。
【0082】
(A)、(B)および(C)におけるイソシアネート反応性基と(D)におけるイソシアネート基のモル比は、0.8:1〜2.5:1、好適には1.2:1〜1.5:1である。
【0083】
成分(A)〜(D)からの本発明の方法の工程I)による生成物の製造の準備に続いて、出発分子中でこれが未だ実施されていない場合には、化合物(B)のイオン分散中心の塩が形成される。これは、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルエタノールアミン、アンモニア、N−エチルモルホリン、LiOH、NaOHおよび/またはKOHの群から選択される塩基を用いて実施される。エーテル基を含有する化合物だけが成分(B)として用いられる場合には、この中和工程は省略される。
【0084】
工程I)の前に、オリゴ(メタ)アクリレート(E)またはオリゴ(メタ)アクリレート(E)の混合物を添加する。これを溶解させるとすぐに、水性媒体中でモル質量を増加させ、本発明の被覆物系に必要とされるポリエステル(メタ)アクリレートウレタン分散体が形成される最終反応工程が続く:成分(A)〜(D)およびオリゴ(メタ)アクリレートまたはアクリレート(E)から工程I)に従って合成された、アセトン中の溶液状態のポリウレタンを、ポリアミンまたはポリアミン(F)を含む分散水に強撹拌して導入するか、または反対に、分散水/ポリアミン混合物をポリウレタン−オリゴ(メタ)アクリレートアセトン溶液中に撹拌投入する。次いで、必要に応じて、(A)〜(D)とアミン化合物(F)からの工程I)に従う反応生成物の残存するイソシアネート基の反応によりモル質量の増加が続く。本発明の被覆物系に存在する分散体も形成される。用いるポリアミン(F)の量は、なお存在する未反応イソシアネート基に依存する。残存する遊離イソシアネート基とポリアミン(F)との反応は、35%〜150%の範囲まで実施し得る。準化学両論量のポリアミン(F)を用いる場合には、遊離イソシアネート基は水との反応によってゆっくりと消費させる。過剰量のポリアミンを用いる場合には、任意の未反応イソシアネート基はもはや存在せず、アミン官能性ポリエステル(メタ)アクリレートウレタンが得られる。好適には50%〜100%、より好適には60%〜96%の残存する遊離イソシアネート基をポリアミン(F)と反応させる。
【0085】
該方法のある変形では、まず分散工程を実施して、次いで成分(F)を、有利には水に希釈して添加することも可能である。
【0086】
さらなる変法では、オリゴ(メタ)アクリレート(E)の添加前または添加後にアセトン溶液中でポリアミン(F)によってモル質量を増加させることができる。
【0087】
必要に応じて、存在する場合には、有機溶媒を蒸留によって除去することができる。この場合、分散体は、20重量%〜60重量%、特に30重量%〜58重量%の固形分を有する。
【0088】
分散工程および蒸留工程は、平行して、すなわち同時に実施することもできる。
【0089】
分散工程直前のオリゴ(メタ)アクリレート(E)の添加により、成分(E)は、成分(A)〜(D)から合成されたポリウレタンと共分散する。ヒドロキシル基を含有することができるオリゴ(メタ)アクリレート(E)のポリウレタン骨格への組み込みは、望ましくなく、また、分散工程直前の添加によって防止する。
【0090】
水の蒸発の後、本発明の分散体は透明皮膜を生じさせる。引き続きの放射線化学誘起架橋および/または遊離ラジカル誘起架橋により、該皮膜は硬化して、特に高品質で耐引掻性および化学薬品耐性の被覆物を形成する。
【0091】
UV、電子線、X線またはガンマ線による放射線化学誘起重合の場合には、UV硬化が特に好適である。UV硬化は光開始剤の存在下で開始する。光開始剤の中では、原則として2つのタイプ:単分子(I型)開始剤および二分子(II型)開始剤の間で区別される。適当なI型系は、三級アミンとの組み合わせにおけるベンゾフェノン、アルキルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(ミヒラーズケトン)、アントロンおよびハロゲン化ベンゾフェノンまたは上記の型の混合物の群から選択される化合物である。「II型」開始剤、例えばベンゾインおよびその誘導体、ベンジルケタール、アシルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビスアシルホスフィンオキシド、フェニルグリオキシル酸エステル、カンファーキノン、α−アミノアルキルフェノン、α,α−ジアルコキシアセトフェノンおよびα−ヒドロキシアルキルフェノンはさらに適当である。水性塗料へ容易に組み込みすることができる光開始剤は好ましい。そのような生成物の例は、Irgacure(登録商標)500(ベンゾフェノンおよび1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンの混合物、Ciba、ランペルトハイム、ドイツ国)、Irgacure(登録商標)819DW(フェニルビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、Ciba、ランペルトハイム、ドイツ国)、Esacure(登録商標)KIP EM(オリゴ−[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン]、ランベルティ、Aldizzate、イタリア国)である。これらの化合物の混合物を用いてもよい。
【0092】
光開始剤の組み込みのために、アセトンおよびイソプロパノールの群から選択される極性溶媒を用いることもできる。
【0093】
必要に応じて、UV硬化は有利には30〜70℃で実施するが、高温では(メタ)アクリレート基の変換度が増加し易いからである。これにより、より良好な耐性特性が生じ得る。しかしながら、UV硬化の場合には、基材の可能な感温性を考慮して、特に塗料/基材の組み合わせについての最適硬化条件を、当業者による簡単な予備試験により決定しなければならないことも必要である。
【0094】
必要に応じて、硬化は、不活性ガス雰囲気下で、すなわちフリーラジカル架橋の酸素阻害を防止するために、酸素を存在させずに実施する。
【0095】
硬化を熱フリーラジカル的に行う場合には、水溶性パーオキシドまたは非水溶性開始剤の水性エマルションが適当な開始剤である。これらのラジカル発生剤は、既知の方法により促進剤と組み合わせることもできる。
【0096】
本発明の被覆物系は、典型的技術、好適には噴霧法、ロール法、流入法、印刷法、ナイフ塗り、キャスト法、延展法および浸漬法によって極めて広範な種類の任意の基材に塗布することができる。
【0097】
本発明の被覆物系を用いて、原則として全ての基材をペイントまたは被覆することができる。
【0098】
好適な基材は、鉱物基材、木材、木質系材料、家具、木材ブロック床、ドア、窓枠、金属物品、プラスチック、紙、ボール紙、コルクまたは皮革の群から選択される。これらは、プライマーおよび/またはトップコート材料として適している。さらに、本発明の被覆物系は、接触接着剤、熱活性接着剤または積層接着剤のような接着剤として、または接着剤中に用いることができる。
【0099】
本発明の被覆物系は、単独で用いてよく、また、他の分散体でのバインダー混合物中に用いてもよい。これらは、重合性基を有し、およびポリエステル、ポリウレタン、ポリエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリカーボネート、エポキシアクリレート、付加重合体、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンポリアクリレートおよび/またはポリアクリレートに基づく不飽和分散体の群から選択される、不飽和基を同じく有する分散体であり得る。
【0100】
ポリエステル、ポリウレタン、ポリエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル、ポリアミド、ポリビニルエステル、ポリビニルエーテル、ポリシロキサン、ポリカーボネート、付加重合体および/またはポリアクリレートに基づくこの種の分散体は、必要に応じてブロックト形態で存在する、アルコキシラン基、ヒドロキシ基および/またはイソシアネート基のような官能基を有する本発明の被覆物系中に存在させてもよい。このようにして、2つの異なった機構により硬化させることができる二重硬化系を製造することも可能である。
【0101】
ポリエステル、ポリウレタン、ポリエポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリビニルエーテル、ポリブタジエン、ポリイソプレン、塩化ゴム、ポリカーボネート、ポリビニルエステル、ポリ塩化ビニル、付加重合体、ポリアクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリエポキシ、エポキシアクリレートベースに基づく分散体を、官能基を有さない本発明の被覆物系に存在させることも可能である。このようにして、物理的乾燥性に影響を与える、例えば物理的乾燥を促進させる架橋密度の程度を減少させるか、または弾性化または接着の適合を行うことも可能である。
【0102】
本発明の被覆物系を含む塗料はまた、メラミンまたはウレアに基づくアミノ架橋剤樹脂、および/または親水性化基を必要に応じて有し、およびウレタン、ウレットジオン、イミノオキサジアジンジオン、イソシアヌレート、ビウレットおよび/またはアロファネート構造を有する、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよび/またはトルイリデンジイソシアネートから誘導されるポリイソシアネートに基づく、遊離ポリイソシアネート基を有するかまたはブロックトポリイソシアネート基を有するポリイソシアネートを有してもよい。さらに可能性のある架橋剤として、カルボジイミドまたはポリアジリジンが挙げられる。
【0103】
本発明の被覆物系は、顔料、染料または艶消剤の群から選択される、通常の塗料技術バインダー、助剤およびアジュバントと組み合わせておよび/または混合して用いることもできる。これらは、流れ調節および湿潤性添加剤、スリップ添加剤、顔料、金属効果顔料、充填剤、ナノ粒子、光防護粒子、耐黄変性添加剤、増粘剤および表面張力を低減させる添加剤である。
【0104】
本発明の被覆物系は、処方物全体を基準として10重量%以上の顔料含有量で、木材塗布およびプラスチック塗布に特に適している。
【0105】
本発明の被覆物系は、重摩耗に曝される日用品、例えば高光沢、低い引掻傷可能性および日焼け止めクリームのような化学薬品への耐性などが重要な要素の例である携帯電話ケーシングなどについて木質塗布およびプラスチック塗布に同じく特に適している。
【実施例】
【0106】
1)着色性硬質塗料のためのバインダーとして用いるための、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体の調製
241.5部のポリエポキシアクリレートEbecryl(登録商標) 600(Cytec Surface Specialties SA/NV、ドロゲンボス、ベルギー国)、成分(A)、127.27部のポリエステルDesmophen(登録商標)PE 170 HN(Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、ドイツ国)、成分(A)、5.25部のネオペンチルグリコール、成分(C)、31.98部のジメチロールプロピオン酸、成分(B)、323.10部の4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、成分(D)、および0.7部のジブチル錫ジラウレートを200部のアセトンに溶解させ、および撹拌しながら50℃で3.7重量%のNCO含有量まで反応させる。得られるプレポリマー溶液に、80.50部のプロポキシル化グリセロールトリアクリレートOTA480(Cytec Surface Specialties SA/NV、ドロゲンボス、ベルギー国)、成分(E)、および78.32部のジトリメチロールプロパンテトラアクリレートEbecryl(登録商標)140(Cytec Surface Specialties SA/NV、ドロゲンボス、ベルギー国)、成分(E)の混合物を添加し、撹拌する。次いで、22.93部のトリエチルアミンに添加および撹拌することによって得られる中和を行う。透明溶液を1150部の水に撹拌しながら導入する。このとき、22.36部のエチレンジアミン、成分(F)、および134.2部の水の混合物を撹拌しながら分散体に添加する。アセトンを穏やかな真空下で蒸留によって分散体から除去する。これにより、固形分42重量%、平均粒度121nmおよびpH8.4を有する、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体1)を得る。
【0107】
2)着色性硬質塗料のためのバインダーとして用いるための、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体の調製
322.00部のポリエポキシアクリレートEbecryl(登録商標) 6040(Cytec Surface Specialties SA/NV、ドロゲンボス、ベルギー国)、成分(A)、127.5部のポリエステルDesmophen(登録商標)PE 170 HN(Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、ドイツ国)、成分(A)、5.25部のネオペンチルグリコール、成分(C)、31.98部のジメチロールプロピオン酸、成分(B)、323.10部の4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、成分(D)、および0.7部のジブチル錫ジラウレートを200部のアセトンに溶解させ、および撹拌しながら50℃で3.7重量%のNCO含有量まで反応させる。得られるプレポリマー溶液に、16.29部のポリエーテルアクリレートDesmolux(登録商標) 6958(Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、ドイツ国)、成分(E)、および62.5部のジトリメチロールプロパンテトラアクリレートEbecryl(登録商標)140(Cytec Surface Specialties SA/NV、ドロゲンボス、ベルギー国)、成分(E)の混合物を添加し、撹拌する。次いで、22.93部のトリエチルアミンに添加および撹拌することによって得られる中和を行う。透明溶液を1150部の水に撹拌しながら導入する。このとき、22.36部のエチレンジアミン、成分(F)、および134.2部の水の混合物を撹拌しながら分散体に添加する。次いで、アセトンを穏やかな真空下で蒸留によって分散体から除去する。これにより、固形分41重量%、平均粒度61nmおよびpH8.7を有する、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体2)を得る。
【0108】
3)着色性硬質塗料のためのバインダーとして用いるための、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体の調製
322.00部のポリエポキシアクリレートEbecryl(登録商標) 6040(Cytec Surface Specialties SA/NV、ドロゲンボス、ベルギー国)、成分(A)、127.5部のポリエステルDesmophen(登録商標)PE 170 HN(Bayer MaterialScience AG、レーフェルクーゼン、ドイツ国)、成分(A)、5.25部のネオペンチルグリコール、成分(C)、31.98部のジメチロールプロピオン酸、成分(B)、323.10部の4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、成分(D)、および0.7部のジブチル錫ジラウレートを200部のアセトンに溶解させ、および撹拌しながら50℃で3.7重量%のNCO含有量まで反応させる。得られるプレポリマー溶液に、16.83部のポリエステルアクリレートLaromer(登録商標) PE 44 F(BASF AG、ルートウィヒスハーフェン、ドイツ国)、成分(E)、および62.5部のジトリメチロールプロパンテトラアクリレートEbecryl(登録商標)140(Cytec Surface Specialties SA/NV、ドロゲンボス、ベルギー国)、成分(E)の混合物を添加し、撹拌する。次いで、22.93部のトリエチルアミンに添加および撹拌することによって得られる中和を行う。透明溶液を1150部の水に撹拌しながら導入する。このとき、22.36部のエチレンジアミン、成分(F)、および134.2部の水の混合物を撹拌しながら分散体に添加する。次いで、アセトンを穏やかな真空下で蒸留によって分散体から除去する。これにより、固形分43.6重量%、平均粒度66nmおよびpH8.7を有する、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体3)を得る。
【0109】
4)EP−B872502における実施例1によるポリエステルアクリレートA1の調製
224.9部のヘキサン−1,6−ジオール、96.6部のトリメチロールプロパン、146.0部のアジピン酸、144.3部のアクリル酸、3.1部のp−トルエンスルホン酸、1.7部のヒドロキノンモノメチルエーテル、0.6部の2,6−ジ−tert−ブチルクレゾールおよび250部のn−ヘプタンを10時間96℃で撹拌、還流
および水を分離させながら反応させる。次いで溶媒を蒸留によって除去する。OH価は165mgKOH/g、酸価は1.0mgKOH/gおよびDIN53018について23℃で測定される動的粘度は520mPasである。
【0110】
5)EP−B872502における実施例1による付加物f1)の調製
撹拌機、温度計、滴下漏斗、還流冷却器および制御可能な加熱機を備える反応容器に、55.0部の2−ヒドロキシエチルアクリレートおよび0.059部のジブチル錫オキシドを仕込む。該初期投入原料に空気を激しく通過させながら、該原料を110℃に加熱し、45.94部のε−カプロラクトンを1時間にわたって滴下漏斗により計量投入する。該混合物を、粘度が23℃で66〜70秒の範囲の粘度(DIN EN ISO 2431)に達するまで、110℃で3時間以上撹拌しながら加熱する。
【0111】
6)EP−B872502における実施例1によるUV硬化性ポリウレタン水性分散体の調製
200部のポリエステルアクリレート4)、68.4部の付加物5)、36.0部のジメチロールプロピオン酸および23.9部のトリエチルアミンの混合物を、撹拌しながら、3時間にわたって55〜70℃の温度で滴下して、214.0部の1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサンと混合した。75〜80℃の温度での引き続きの反応の間に、NCO含有量は2.2重量%の一定濃度になる。次いで、得られるプレポリマーを749.4部の水に38〜42℃の温度で、強撹拌しながら分散する。得られる分散体を、同じ温度で15分にわたって9.6部のエチレンジアミンおよび14.3部の水の混合物での滴下により混合した。その後、2270cm−1でのイソシアネートがIR分析法により検出できなくなるまで撹拌を継続する。これにより、固形分40重量%、平均粒度99nmおよびpH7.6を有する、EP−B872502における実施例1によるUV硬化性水性ポリウレンタン分散体6)を得る。
【0112】
7)EP−B1311639における実施例A.1によるUV硬化性ポリウレタン水性分散体の調製
KPG撹拌機、環流冷却器および窒素ブランケットを備える四口フラスコに、36.47部のポリエステルアクリレートLaromer(登録商標)LR 8800(BASF AG、 ルートウィヒスハーフェン、ドイツ国)、145.90部のポリエステルBester(登録商標)42 H (Poliolchimica S.p.A.、Parona パローナロメッリーナ、イタリア国)、14.59部の1,4−ブタンジオール、21.88部のジメチロールプロピオン酸、0.58部の2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールおよび72.95部のN−メチルピロリドンを含む予備調製ポリオール混合物の最初の半分を136.14部の1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサンと80〜90℃で窒素ブランケット下で約1時間撹拌する。予備調製ポリオール混合物の第2の半分の添加後、3.70重量%のNCO含有量に達するまで80〜90℃で窒素ブランケットしながら撹拌を継続する。反応の経過を滴定により監視する。次いで、該プレポリマーを547部の主要な水および16.51部のトリエチルアミンの混合物中に強撹拌しながら分散し、次いで分散体を、ポリウレタン分散体を構成するために11.32部のエチレンジアミンで鎖延長する。これにより、固形分39重量%、平均粒度173nmおよびpH8.5を有する、EP−B1311639における実施例A.1によりUV硬化性ポリウレタン水性分散体7)を得る。
【0113】
8)高光沢塗料のためのバインダーとして用いるための、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体の調製
400.62部のポリエステルアクリレートLaromer(登録商標)PE 44 F(BASF AG、ルートウィヒスハーフェン、ドイツ国)、成分(A)、4.78部のネオペンチルグリコール、成分(C)、33.99部のジメチロールプロピオン酸、成分(B)、199.74部の4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、成分(D)、および0.6部のジブチル錫ジラウレートを200部のアセトンに溶解し、撹拌しながら50℃で1.4重量%のNCO含有量まで反応させる。得られるプレポリマー溶液に、200.00部のエトキシル化ペンタエリトリトールテトラアクリレートMiramer(登録商標) M4004 (Rahn AG、チューリッヒ、スイス国)、成分(E)を添加し、撹拌する。次いで、22.93部のトリエチルアミンに添加および撹拌することによって得られる中和を行う。透明溶液を1235部の水に撹拌しながら導入する。このとき、7.99部のエチレンジアミン、成分(F)、および24.00部の水の混合物を撹拌しながら分散体に添加する。次いで、アセトンを穏やかな真空下で蒸留によって分散体から除去する。これにより、固形分42.0重量%、平均粒度86nmおよびpH8.3を有する、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体3)を得る。
【0114】
9)高光沢塗料のためのバインダーとして用いるための、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体の調製
400.62部のポリエステルアクリレートLaromer(登録商標)PE 44 F(BASF AG、ルートウィヒスハーフェン、ドイツ国)、成分(A)、4.78部のネオペンチルグリコール、成分(C)、33.99部のジメチロールプロピオン酸、成分(B)、199.74部の4,4’−ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン、成分(D)、および0.6部のジブチル錫ジラウレートを200部のアセトンに溶解し、撹拌しながら50℃で1.4重量%のNCO含有量まで反応させる。得られるプレポリマー溶液に、200.00部のペンタエリトリトールトリアクリレートAgiSyn(登録商標) 2884(AGI Co.、台北、台湾国)、成分(E)を添加し、撹拌する。次いで、23.58部のトリエチルアミンに添加および撹拌することによって得られる中和を行う。透明溶液を1235部の水に撹拌しながら導入する。このとき、7.99部のエチレンジアミン、成分(F)、および24.00部の水の混合物を撹拌しながら分散体に添加する。次いで、アセトンを穏やかな真空下で蒸留によって分散体から除去する。これにより、固形分42.5重量%、平均粒度173nmおよびpH8.3を有する、本発明のUV硬化性ポリウレタン水性分散体3)を得る。
【0115】
【表1】

【0116】
【表2】

【0117】
BYK、ヴェーゼル、ドイツ国からのポリグリコール中の、泡破壊性ポリシロキサンおよび疎水性固体の混合物
Ciba、ランペルトハイム、ドイツ国からのベンゾフェノンおよび1−ヒドロキシシクロヘキシルフェノルケトンの混合物
Ciba、ランペルトハイム、ドイツ国からのフェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド
BYK、ヴェーゼル、ドイツ国からのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの溶液
BYK、ヴェーゼル、ドイツ国からのウレア変性ポリウレタンの溶液
Barberaen製UV装置、モデルHOK−6/2(約80W/cm)
反応試験のために、硬化後に得られる硬度を、異なったベルト走行時間に応じてペンジュラム秒により測定する。ペンジュラム硬度が最も速いベルト速度でさえ100ペンジュラム秒を越える水準のままである場合、被覆により付与される反応性は優秀である。
【0118】
UV硬化後、被覆基材を16時間室温で貯蔵し、次いで試験を実施する。
【0119】
【表3】

【0120】
皮膜透明性は、ガラス板上に皮膜を延展し、次いで物理乾燥させることによって目視的に評価する:
等級5:透明、目に見えるヘイズや曇りがない
等級4:約10〜20°の視角で軽い曇りが確認できる
等級3:約45〜80°の視角で軽いヘイズが確認できる
等級2:顕著なヘイズ
等級1:艶消し面またはザラつき感のある表面
【0121】
耐性特性は、目視検査により16時間の暴露後に評価する。
等級5:目に見える変化がない(損傷なし)
等級4:光源が、観察者の目に直接に印でまたは印に近い試験表面によって、または単に目で見えるだけの少数の孤立したマーキングによって反射する場合に単に目視できる、光沢および色相における軽い変化
等級3:多くの視角から見える軽いマーキング、例えば単に目視可能なだけのほとんど完全な円または円形領域(目に見えるリング、目視可能な指爪の引掻跡)
等級2:重度のマーキングであるが、表面構造は、あまり変化せず(閉じた膨潤環、観測可能な引掻跡)
等級1:重度のマーキングであるが、表面構造はほとんど変化せず、マーキングは基材の下まで引っ掻くことができる。
等級0:重度のマーキング、表面構造は変化するか、または表面物質は完全にまたは部分的に破壊されるか、またはフィルター紙が表面に付着する。
【0122】
【表4】

【0123】
10引掻後の白化は、コインで引掻くことによって試験する。まったく引掻いた側で白化が全く現れない場合、この結果は優秀(等級5)と評価する。
【0124】
【表5】

【0125】
【表6】

【0126】
UV硬化後、被覆基材は、室温で16時間貯蔵し、次いで試験する。
11BYK、ヴェーゼル、ドイツ国からのポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンの溶液
12Ciba、ランペルトハイム、ドイツ国からのアセトン中のヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オンの31%強度溶液
13Lanxess、レーフェルクーゼン、ドイツ国からのポリブチレンテレフタレート
14CeflaからのUV装置、1(約120W/cm、約1000mJ/cm
【0127】
【表7】

【0128】
15プラスチック[A−6]上に延展した硬化透明被覆物の光沢(20°角)をBYK Gardner製「micro−trigloss」を用いて決定した。
16耐性特性は、目視検査(脚注9参照)により暴露の16時間後に評価する。加えて、クロスカットによる接着性をDIN EN ISO 2409に従って露光領域上で実施する(GT=0は分離がない、完全な接着)。
17決定について、メタノール含浸綿パッドでの5往復摩擦を[A−6]を延展した硬化プラスチック上で実施した。評価は検査(脚注9参照)によるものであった。
18Zehntner Testing Instruments製「CH−ZSH 2090 Pencilhardness Tester」、ISO 15184、EN 13523−4、角度45°、塗布量1000g、5サイクル、三菱鉛筆
19破断伸びの決定のために、透明塗料[A−5]を延展した硬化ガラス板のガラス板を水中で約5分間貯蔵した。該時間の経過において、皮膜をガラス板から分離させた。次いで、50℃で16時間乾燥させ、その後、破断伸びをEN ISO 527に従って決定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン水性分散体に基づく放射線硬化性硬質被覆物系の製造方法であって、以下の工程:
I)A)A1)ポリエステル、ポリエーテル、ポリエポキシ(メタ)アクリレートおよび40〜300mgKOH/gの範囲内のOH価を有し、高エネルギー放射線への暴露下でエチレン性不飽和二重結合と重合反応する基を有するポリウレタンの群から選択される、成分(A)〜(F)の合計を基準として10重量%〜80重量%の1以上のヒドロキシル含有プレポリマー、および必要に応じて、
A2)(メタ)アクリレート基を有し、および35〜1000mgKOH/gの範囲内のOH価を有する、成分(A)〜(F)の合計を基準として0重量%〜50重量%の1以上のアルコール
を含有する、40重量%〜80重量%のヒドロキシル含有成分と、
B)イソシアネート基に対して反応性であり、ポリウレタン分散体のために分散的に働く、0.1重量%〜20重量%の1以上の化合物と、
C)いずれの場合にも62〜242g/molの範囲内の分子量を有する、ジオール、トリオール、いずれの場合にも700〜4000g/molの範囲内の分子量を有する、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、C、Cおよび/またはCポリエーテル、ポリエーテルエステルおよびポリカーボネートポリエステルの群から選択される、0重量%〜30重量%のヒドロキシ官能性化合物とを、
D)10重量%〜50重量%の1以上のポリイソシアネート
と反応させてポリウレタンを形成する工程、および次いで、
II)E)物質1kgあたり二重結合が2.0molを越える二重結合密度を有し、高エネルギー放射線への暴露によりエチレン性不飽和化合物と重合反応する成分(A1)の群から選択される2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート
を添加する工程、
III)次いで、工程II)に従って得られる生成物を水に分散して、ポリウレタン水性分散体を形成する工程、および
IV)工程III)から得られたポリウレタン水性分散体と、
F)0.1重量%〜10重量%の1以上のモノ−、ジ−またはポリアミンおよび/またはアミノアルコールと
を反応させる工程
を含み、成分(A)〜(F)の画分は合計100重量%となり、該硬化物系は、硬化後、150μmの湿潤厚みを有する塗膜について60秒を越えるDIN 53157に対するケーニッヒペンジュラム硬度および250μmの湿潤厚みを有する塗膜について150%未満のEN ISO 527に対する破断伸びを有する、前記方法。
【請求項2】
成分(A)、(B)および(C)を初期投入原料として反応器に、必要に応じてイソシアネート基に対して不活性である水混和性溶媒で希釈して導入し、および該初期投入原料を30〜60℃の温度に加熱し、イソシアネート付加反応触媒を、ポリイソシアネートまたはポリイソシアネート(D)との反応を実施する前に化合物(A)、(B)および(C)の混合物に必要に応じて添加し、(A)、(B)および(C)におけるイソシアネート反応性基と(D)におけるイソシアネート基のモル比が0.8:1〜2.5:1の範囲であり、工程I)に従って得られるポリウレタンをアセトン中に反応性オリゴ(メタ)クリレート(E)と共に溶解して、オリゴ(メタ)アクリレート−アセトン溶液を形成し、工程III)およびIV)に従って強撹拌しながら、該溶液をポリアミン(F)を含む分散水に導入するか、または反対に、分散水/ポリアミン混合物をポリウレタン−オリゴ(メタ)アクリレート−アセトン溶液に添加し、次いで、必要に応じて、アセトンを蒸留によって除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法によって得られる、放射線硬化性硬質被覆物系。
【請求項4】
成分(B)によって導入される酸および/または塩基の中和度は、50%および125%の間である、請求項3に記載の被覆物系。
【請求項5】
成分(F)によるプレポリマーの残存遊離イソシアネート基の反応V)は、35%〜150%の範囲まで行われる、請求項3または4に記載の被覆物系。
【請求項6】
(メタ)アクリル酸とテトロールおよびヘキソールの群から選択されるアルコールとのエステル化から得られる(メタ)アクリレートエステルに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する、請求項3〜5のいずれかに記載の被覆物系。
【請求項7】
30〜300mgKOH/gの範囲内のOH価を有するポリエステル(メタ)アクリレートに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する、請求項3〜6のいずれかに記載の被覆物系。
【請求項8】
5〜200mgKOH/gの範囲内のOH価を有するポリエーテル(メタ)アクリレートに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する、請求項3〜7のいずれかに記載の被覆物系。
【請求項9】
20〜300mgKOH/gの範囲内のOH価を有するポリエポキシ(メタ)アクリレートに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する、請求項3〜8のいずれかに記載の被覆物系。
【請求項10】
20〜300mgKOH/gの範囲内のOH価を有するポリウレタン(メタ)アクリレートに基づく、2重量%〜40重量%のオリゴ(メタ)アクリレート(E)が存在する、請求項3〜9のいずれかに記載の被覆物系。
【請求項11】
ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリエポキシ(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル酸とテトロールおよびヘキソールの群から選択されるアルコールとのエステル化によって得られる(メタ)アクリレートエステルの群から選択されるオリゴ(メタ)アクリレート(E)の、2重量%〜40重量%の混合物が存在する、請求項3〜10のいずれかに従って得られる被覆物系。
【請求項12】
工程IV)は、成分Eの添加前または添加後にアセトン溶液中で行われる、請求項3〜11のいずれかに記載の被覆物系。
【請求項13】
工程III)に従って得られるポリウレタン水性分散体は、少なくともさらなる開始剤および必要に応じて、高エネルギー放射線での硬化を可能とするさらなる助剤および添加剤を含んでなる、請求項3〜12のいずれかに記載の被覆物系。
【請求項14】
工程III)に従って得られるポリウレタン水性分散体は、5重量%未満の有機溶媒を含有する、請求項3〜13のいずれかに記載の被覆物系。
【請求項15】
接着剤および/または透明または着色された硬質塗料を製造するための、請求項3〜14のいずれかに記載の被覆物系の使用。
【請求項16】
接着剤および/または透明または着色された硬質塗料は、150μmの湿潤厚みを有する塗膜について60秒を越えるDIN 53157のケーニッヒペンジュラム硬度および250μmの湿潤厚みを有する塗膜について150%未満のEN ISO 527に対する破断伸びを有する、請求項15に記載の被覆物系の使用。
【請求項17】
請求項3〜14のいずれかに記載の被覆物系を含んでなる、透明または着色された硬質塗料。
【請求項18】
請求項3〜14のいずれかに記載の被覆物系を含んでなる接着剤。
【請求項19】
被覆基材を製造するための、請求項17に記載の透明または着色された硬質塗料の使用。
【請求項20】
少なくとも2以上の物質から構成される物品を製造するための、請求項18に記載の接着剤の使用。
【請求項21】
請求項17に記載の透明または着色された硬質塗料を含んでなる基材。
【請求項22】
基材は、木材、木質系材料、家具、木材ブロック床、ドア、窓枠、金属物品、プラスチック、紙、ボール紙、コルクまたは皮革の群から選択される、請求項21に記載の基材。
【請求項23】
請求項18に記載の接着剤を含んでなる物品。
【請求項24】
物品は、木材、木質系材料、家具、木材ブロック床、ドア、窓枠、金属物品、プラスチック、紙、ボール紙、コルクまたは皮革の群から選択される少なくとも2つの類似材料および/または異なった材料から選択される、請求項23に記載の基材。

【公表番号】特表2010−535909(P2010−535909A)
【公表日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520455(P2010−520455)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006337
【国際公開番号】WO2009/021640
【国際公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】