説明

ポリ乳酸を含んでなる重合体状組成物並びにそれらの製造および使用方法

生分解性重合体を含んでなる第一成分、並びにポリオレフィンおよび反応性改質剤を含んでなる第二成分を含んでなる多成分製品。第一および第二フィルム層を共押し出しすることを含んでなる多層フィルムの製造方法であって、ここで第一層がポリ乳酸を含んでなりそして第二層がポリオレフィンおよびエポキシ−官能化されたポリオレフィンを含んでなる方法。芯成分および鞘成分を共押し出しすることを含んでなる多成分繊維の製造方法であって、ここで芯成分がポリオレフィンおよびエポキシ−官能化されたポリオレフィンを含んでなりそして鞘成分がポリ乳酸を含んでなる方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
この開示は重合体状組成物に関する。より具体的には、この開示は生分解性重合体を含んでなる重合体状組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
合成重合体状物質、例えばポリプロピレンおよびポリエチレン樹脂、は医学装置から食品容器までの範囲にわたる種々の最終用途製品の製造において広く使用されている。多くの産業、例えば包装産業、は二成分繊維および多層フィルムを包含する種々の完成品を作成するための種々の製造方法においてポリプロピレン物質を使用する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
合成重合体状物質から構成される製品は広範な用途を有するが、それらの使用に対する1つの欠点はこれらの物質が自然環境において半永久的に残る傾向があることである。環境的関心に応えて、より容易に生分解可能な重合体状物質の製造および利用における興味が増大してきた。グリーン物質としても知られるこれらの物質は自然環境において加速された分解を受けうる。これらの生分解性重合体状物質の使用はそれらの劣悪な機械的および/または物理的性質によりしばしば限定される。それ故、望ましい物理的および/または機械的性質を有する生分解性重合体状組成物に対する要望が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
生分解性重合体を含んでなる第一成分、並びにポリオレフィンおよび反応性改質剤を含んでなる第二成分を含んでなる多成分製品がここに開示される。
【0005】
第一および第二フィルム層を共押し出しすることを含んでなり、ここで第一層がポリ乳酸を含んでなりそして第二層がポリオレフィンおよびエポキシ−官能化されたポリオレフィンを含んでなる多層フィルムの製造方法もここに開示される。
【0006】
芯成分および鞘成分を共押し出しすることを含んでなり、ここで芯成分がポリオレフィンおよびエポキシ−官能化されたポリオレフィンを含んでなりそして鞘成分がポリ乳酸を含んでなる多成分繊維の製造方法もここに開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面の簡単な記述
この開示およびその利点のさらに完全な理解のために、次に添付図面および詳細な記述と関連させて以下の簡単な記述が参考にされ、ここで等しい整理番号は等しい部品を表す。
【図1】図1は二成分繊維の態様の説明図である。
【図2】図2は多層フィルムの態様の説明図である。
【図3−4】図3および4は実施例1からの試料に関するフーリエ変換赤外分光法(FTIR)スペクトルである。
【詳細な記述】
【0008】
以下で1つもしくはそれ以上の態様の説明的な実施法が示されるが、開示されたシステムおよび/または方法は現在知られているかまたは存在しているかにかかわらずいずれの技術を使用しても実行できることを最初に理解すべきである。開示はここに示されそして記述されている例示設計および実施法を包含する説明的な実施法、図面および技術に何ら限定されるべきでなく、添付された特許請求の範囲内でそれらの同等物の完全な範囲と共に改変されうる。
【0009】
少なくとも1つの成分が生分解性重合体を含んでなりそして少なくとも1つの成分がポリオレフィンおよび反応性改質剤を含んでなる多成分製品がここに開示される。ここでは生分解性とは生存している物質の作用により特に無毒な生成物に破壊されうる物質をさす。ある態様では、多成分製品は追加成分を含んでなることができ、ここでこの成分はポリオレフィンを含んでなりそして反応性改質剤は種々の成分を互いに接着させるために配置されている。ある態様では、生分解性重合体はポリ乳酸(PLA)を含んでなりそして多成分製品はPLAを含んでなる少なくとも1つの成分並びにポリオレフィンおよび反応性改質剤を含んでなる少なくとも1つの成分を含んでなる。多成分製品の種々の成分は以下にさらに詳細に記述される。ここに記述されるタイプの多成分製品は、ポリオレフィンもしくはポリ乳酸を単独で含んでなる成分を有するかまたはポリオレフィンを含んでなる少なくとも1つの成分、生分解性重合体を含んでなる少なくとも1つの成分を有しそして反応性改質剤を含んでなる成分を欠く製品と比べる時には、望ましい物理的および/または機械的性質を示しうる。
【0010】
多成分製品はポリオレフィンを含んでなる少なくとも1つの成分を含んでなりうる。ある態様では、ポリオレフィンはポリプロピレンである。別の態様では、ポリオレフィンはポリエチレンである。
【0011】
ある態様では、ポリオレフィンはポリプロピレンである。ポリプロピレンはホモ重合体で供給されうるが、ホモ重合体は5%までの例えばエチレンおよび1−ブテンの如きC−Cアルファ−オレフィン類を包含するがそれらに限定されない別のアルファ−オレフィンを含有しうる。少量の他のアルファ−オレフィン類の可能な存在にもかかわらず、このポリプロピレンはポリプロピレンホモ重合体として一般的に称される。
【0012】
ある態様では、ポリプロピレンホモ重合体は多成分製品の成分中に多成分製品の合計重量の1重量パーセント(重量%)〜99重量%、または5重量%〜70重量%、または10重量%〜50重量%、の量で存在する。
【0013】
この開示における使用に適するポリプロピレンホモ重合体はこの開示の助けによって当該技術で既知であるいずれのタイプのポリプロピレンも包含しうる。例えば、ポリプロピレンホモ重合体はアタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、半−アイソタクチック、シンジオタクチックポリプロピレン、またはそれらの組み合わせでありうる。重合体はその懸垂基が無作為方式で重合体連鎖の両側に配置されている時には「アタクチック」である。対照的に、重合体はその懸垂基の全てが連鎖の同一側に配置されている時には「アイソタクチック」でありそしてその懸垂基が連鎖の反対側に交互にある時には「シンジオタクチック」である。半−アイソタクチック重合体では、一つおきの繰り返し単位が無作為置換基を有する。
【0014】
ある態様では、この開示における使用に適するポリプロピレンはASTM D1505に従い測定される0.895g/cc〜0.920g/cc、或いは0.900g/cc〜0.915g/cc、および或いは0.905g/cc〜0.915g/cc、の密度;示差走査熱量法により測定される150℃〜170℃、或いは155℃〜168℃、および或いは160℃〜165℃、の溶融温度;ASTM D1238条件“L”に従い測
定される0.5g/10分〜30g/10分、或いは1.0g/10分〜15g/10分、および或いは1.5g/10分〜5.0g/10分、のメルトフローレート;ASTM
D638に従い測定される200,000psi〜350,000psi、或いは220,000psi〜320,000psi、および或いは250,000psi〜320,000psi、の引張り弾性率;ASTM D638に従い測定される3,000psi〜6,000psi、或いは3,500psi〜5,500psi、および或いは4,000psi〜5,500psi、の降伏時の引張り応力;ASTM D638に従い測定される5%〜30%、或いは5%〜20%、および或いは5%〜15%、の降伏時の引張り歪み;ASTM D790に従い測定される120,000psi〜330,000psi、或いは190,000psi〜310,000psi、および或いは220,000psi〜300,000psi、の曲げ弾性率;ASTM D2463に従い測定される3インチ−ポンド〜50インチ−ポンド、或いは5インチ−ポンド〜30インチ−ポンド、および或いは9インチ−ポンド〜25インチ−ポンド、のガードナー衝撃;ASTM D256Aに従い測定される0.2フィートポンド/インチ〜20フィートポンド/インチ、或いは0.5フィートポンド/インチ〜15フィートポンド/インチ、および或いは0.5フィートポンド/インチ〜10フィートポンド/インチ、の切欠きアイゾット衝撃強さ;ASTM D2240に従い測定される30〜90、或いは50〜85、および或いは60〜80、のショア硬度;並びにASTM D648に従い測定される50℃〜125℃、或いは80℃〜115℃、および或いは90℃〜110℃、の熱歪み温度を有することができる。
【0015】
この開示における使用に適するポリプロピレンホモ重合体の例はトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッド(Total Petrochemicals USA,Inc.)から市販されているポリプロピレンホモ重合体である3371、3271、3270、および3276を包含するが、それらに限定されない。ある態様では、ポリプロピレンホモ重合体(例えば、3371)は一般的に表1に示された物理的性質を有する。
【0016】
【表1】

【0017】
別の態様では、ポリプロピレンは高結晶性ポリプロピレンホモ重合体(HCPP)でありうる。HCPPは主としてアイソタクチックポリプロピレンを含有しうる。重合体におけるアイソタクチック性はメソペンダット(meso pentads)を用いる13
NMR分光法により測定できそしてメソペンダットの百分率(%mmmm)として表示できる。ここで使用される際には、用語「メソペンダット」は重合体連鎖の同一側に置かれた連続するメチル基をさす。ある態様では、HCPPは97%より大きい、または98%より大きい、または99%より大きい、メソペンダット百分率を有する。HCPPは幾らかの量のアタクチックまたは非晶質重合体を含んでなりうる。重合体のアタクチック部分はキシレン中に可溶性であり、そしてそのためにキシレン可溶性部分(XS%)と称される。XS%の測定では、重合体を沸騰しているキシレンの中に溶解させそして次に溶液を0℃に冷却すると、重合体のアイソタクチックまたは結晶性部分の沈殿をもたらす。XS%は、冷たいキシレン中に可溶性のまま残る元の量の部分である。従って、重合体中のXS%は製造される結晶性重合体の程度の指示値である。重合体の合計量(100%)はASTM D5492−98に従い測定されるキシレン可溶性部分およびキシレン不溶性部分の合計である。ある態様では、HCPPは1.5%より少ない、または1.0%より少ない、または0.5%より少ない、キシレン可溶性部分を有する。
【0018】
ある態様では、この開示における使用に適するHCPPはASTM D1505に従い測定される0.895g/cc〜0.920g/cc、或いは0.900g/cc〜0.915g/cc、および或いは0.905g/cc〜0.915g/cc、の密度;ASTM D1238に従い測定される0.5g/10分〜30g/10分、或いは1.0g/10分〜15g/10分、および或いは1.5g/10分〜5.0g/10分、のメルトフローレート;ASTM D882に従い測定される350,000psi〜420,000psi、或いは380,000psi〜420,000psi、および或いは400,000psi〜420,000psi、の機械方向(MD)における割線モジュラス;ASTM D882に従い測定される400,000psi〜700,000psi、
或いは500,000psi〜700,000psi、および或いは600,000psi〜700,000psi、の横方向(TD)における割線モジュラス;ASTM D882に従い測定される19,000psi〜28,000psi、或いは22,000psi〜28,000psi、および或いは25,000psi〜28,000psi、のMDにおける破壊時の引張り強さ;ASTM D882に従い測定される20,000psi〜40,000psi、或いは30,000psi〜40,000psi、および或いは35,000psi〜40,000psi、のTDにおける破壊時の引張り強さ;ASTM D882に従い測定される50%〜200%、或いは100%〜180%、および或いは120%〜150%、のMDにおける破壊時の伸び;ASTM D882に従い測定される50%〜150%、或いは60%〜100%、および或いは80%〜100%、のTDにおける破壊時の伸び;示差走査熱量法により測定される150℃〜170℃、或いは155℃〜170℃、および或いは160℃〜170℃、の溶融温度;ASTM D2457に従い測定される70〜95、或いは75〜90、および或いは80〜90、の45°における光沢;ASTM D1003に従い測定される0.5%〜2.0%、或いは0.5%〜1.5%、および或いは0.5%〜1.0%、の百分率ヘイズ;並びにASTM F−1249−90に従い測定される0.15〜0.30g−ミル/100インチ/日、或いは0.15〜0.25g−ミル/100インチ/日、および或いは0.20〜0.21g−ミル/100インチ/日、の水蒸気透過率を有することができる。
【0019】
この開示における使用に適するHCPPの例はトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドから市販されているHCPPである3270を包含するが、それらに限定されない。HCPP(例えば、3270)は一般的に表2に示された物理的性質を有することができる。
【0020】
【表2】

【0021】
別の態様では、ポリプロピレンはポリプロピレン共重合体、例えばポリプロピレン衝撃共重合体としても知られるポリプロピレン異相共重合体(PPHC)、であることができ、ここではポリプロピレンホモ重合体相または成分が共重合体相または成分と一緒になっている。PPHCはPPHCの合計重量の6.5重量%より多く〜11.5重量%より少ない、或いは8.5重量%より多く〜10.5重量%より少ない、或いは9.5重量%からの、エチレンを含んでなりうる。
【0022】
PPHCの共重合体相はエチレン/プロピレンゴム(EPR)とも称するプロピレンおよびエチレンのランダム共重合体でありうる。PP異相共重合体は、エチレンおよびプロプレンのランダム配置を有する短い順列またはブロックにより中断されている明白なホモ重合体相を示す。ランダム共重合体と比べて、EPRを含んでなるブロック断片は共重合体全体としてのものとは異なるある種の重合体特性(例えば、固有粘度)を有する。理論により限定されることは望まないが、PPHCのEPR部分はゴム状特性を有し、それらはホモ重合体成分のマトリックス内に組み入れられる時にPPHCに増加した衝撃強さを与えるために機能しうる。ある態様では、PPHCのEPR部分はPPHCの14重量%より多く、或いはPPHCの18重量%より多く、或いはPPHCの14重量%〜18重量%、を構成する。
【0023】
PPHCのEPR部分中に存在するエチレンの量はEPR部分の合計重量を基準として38重量%〜50重量%、或いは40重量%〜45重量%、でありうる。PPHCのEPR部分中に存在するエチレンの量はフーリエ変換赤外分光(FTIR)方法を用いて分光写真法で測定できる。具体的には、重合体状試料のFTIRスペクトルを既知のEPRエチレン含有量を有する一連の試料に関して記録する。各エチレン濃度に関して720cm−1/900cm−1における透過率の比を計算しそして次に目盛り曲線を作成できる。目盛り曲線上での線状回帰分析を次に行って式を誘導し、それを次に使用して試料物質に関するEPRエチレン含有量を測定することができる。
【0024】
PPHCのEPR部分はプロピレンホモ重合体成分のものとは異なる固有粘度を示しうる。ここでは固有粘度は溶液中の重合体が該溶液の粘度を増加させる能力をさす。粘度はここでは内部摩擦による流の抵抗として定義される。ある態様では、PPHCのEPR部分の固有粘度は2.0dl/gより大きく、或いは2.0dl/g〜3.0dl/g、或いは2.4dl/g〜3.0dl/g、或いは2.4dl/g〜2.7dl/g、或いは2.6dl/g〜2.8dl/g、でありうる。PPHCのEPR部分の固有粘度はASTM D5225に従い測定される。
【0025】
ある態様では、PPHCは65g/10分〜130g/10分、或いは70g/10分〜120g/10分、或いは70g/10分〜100g/10分、或いは70g/10分〜90g/10分、或いは75g/10分〜85g/10分、或いは90g/10分、のメルトフローレート(MFR)を有することができる。高いMFRにより示されるような優れた流動性質は成型された重合体状成分の高生産量製造を可能にする。ある態様では、PPHCは改質なしで反応器等級樹脂であり、それは低水準PPとも称することができる。ある種の態様では、PPHCは調節されたレオロジー等級樹脂であり、そこではメルトフローレートは例えば粘度変更(visbreaking)の如き種々の技術により調節されていた。例えば、MFRは引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,503,990号明細書に記述されているように粘度変更により増加させることができる。この公報に記述されているように、樹脂のMFRを増加させる量の過酸化物が片、粉末、またはペレット形態の重合体樹脂と混合される。ここで定義されるMFRは特定温度においてそして特定負荷下でオリフィス中を流れるであろう溶融重合体樹脂の量をさす。MFRは特定寸法のオリフィスの中を230℃の温度および2.16kgの負荷においてポリプロピレンを押し出す死荷重ピストンであるプラストメーター(Plastometer
)を用いてASTM D1238に従い測定することができる。
【0026】
適するPPHC類の代表例はトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドから市販されている衝撃共重合体樹脂である4920Wおよび4920WZを包含するが、それらに限定されない。ある態様では、PPHC(例えば、4920W)は一般的に表3に示された物理的性質を有する。
【0027】
【表3】

【0028】
ある態様では、ポリオレフィンはポリエチレン、或いは高密度ポリエチレン、或いは低密度ポリエチレン、或いは線状低密度ポリエチレンである。
【0029】
ある態様では、ポリエチレンは多成分製品の合計重量の1重量%〜99重量%、或いは5重量%〜70重量%、或いは10重量%〜50重量%、の量で存在する。
【0030】
ある態様では、ポリオレフィンは高密度ポリエチレン(HDPE)を含んでなる。ここでは、HDPEは0.941g/ccに等しいかまたはそれより大きい、或いは0.941g/cc〜0.965g/cc、或いは0.945g/cc〜0.960g/cc、の密度を有する。HDPEはホモ重合体または共重合体、例えばエチレンと1種もしくはそれ以上のアルファ−オレフィン単量体、例えばプロピレン、ブテン、ヘキセンなど、との共重合体、でありうる。ある態様では、HDPEはホモ重合体である。この開示における使用に適するHDPEは、ASTM D1238に従い測定される0.01g/10分〜50g/10分、または0.5g/10分〜20g/10分、または1.0g/10分〜10g/10分、のメルト−マス・フローレートを一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するHDPEは、ASTM D638に従い測定される100,000psi〜350,000psi、または150,000psi〜300,000psi、または180,000psi〜220,000psi、の引張り弾性率を一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するHDPEは、ASTM D790に従い測定される30,000psi〜350,000psi、または100,000psi〜300,000psi、または150,000psi〜200,000psi、の曲げ弾性率を一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するHDPEは、示差走査熱量法(DSC)により測定される12
0℃〜140℃、または125℃〜135℃、または130℃〜133℃、の溶融温度を一般的に有することができる。
【0031】
この開示における使用に適するHDPEの例は両者ともトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドから市販されているポリエチレン樹脂である6450 HDPEおよびメタロセン高密度ポリエチレン樹脂であるmPE ER 2283 POLYETHYLENEを包含するが、それらに限定されない。ある態様では、適するHDPEは表4(例えば、6450 HDEP)または表5(例えば、ER 2283)に示された物理的性質を一般的に有する。
【0032】
【表4】

【0033】
【表5】

【0034】
ある態様では、ポリオレフィンは低密度ポリエチレン(LDPE)を含んでなる。ここでは、LDPEは0.910g/cm3〜0.940g/cm3、或いは0.917g/cm3〜0.935g/cm3、および或いは0.920g/cm3〜0.930g/cm3、の密度範囲を有するとして定義される。LDPEはHDPEと比べた時の増加した枝分かれの存在によりさらに特徴づけられうる。LDPEはホモ重合体または共重合体、例えばエチレンと1種もしくはそれ以上のアルファ−オレフィン単量体、例えばプロピレン、ブテン、ヘキセンなど、との共重合体、でありうる。ある態様では、LDPEはホモ重合体である。この開示における使用に適するLDPEは、ASTM D1238により測定される0.1g/10分〜60g/10分、または0.5g/10分〜30g/10分、または1g/10分〜20g/10分、のメルト−マス・フローレートを一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するLDPEはASTM D638により測定される10,000psi〜70,000psi、または15,000psi〜65,000psi、または20,000psi〜60,000psi、の引張り弾性率を一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するLDPEはASTM D790により測定される9,000psi〜60,000psi、または10,000psi〜55,000psi、または15,000psi〜50,000psi、の曲げ弾性率を一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するLDPEは、示差走査熱量法(DSC)により測定される85℃〜125℃、または90℃〜120℃、または95℃〜120℃、の溶融温度を一般的に有することができる。
【0035】
適するLDPEの代表例は1020 FN 24であり、それはトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドから市販されているLDPEである。LDPE(例えば、1020 FN 24)は表6に示される物理的性質を一般的に有することができる。
【0036】
【表6】

【0037】
ある態様では、ポリオレフィンは線状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含んでなる。LLDPEは有意数の短い枝分かれを有する実質的に線状のポリエチレンである。LLDPEはエチレンとより長い連鎖のオレフィン類との共重合により一般に製造される。LLDPEは、長鎖枝分かれの不存在のために、低密度ポリエチレンとは構造的に異なる。ある態様では、LLDPEは共重合体、例えばエチレンと1種もしくはそれ以上のアルファ−オレフィン単量体、例えばプロピレン、ブテン、ヘキセンなど、との共重合体、である。この開示における使用に適するLLDPEは、ASTM D792により測定される0.900g/cc〜0.920g/cc、または0.905g/cc〜0.918g/cc、または0.910g/cc〜0.918g/cc、の密度を一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するLLDPEは、ASTM D1238により測定される0.1g/10分〜50g/分、または0.5g/10分〜30g/10分、または1g/10分〜20g/10分、のメルト−マス・フローレートを一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するLLDPEは、ASTM D638により測定される20,000psi〜250,000psi、または50,000psi〜220,000psi、または100,000psi〜200,000psi、の引張り弾性率を一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するLLDPEは、ASTM D790により測定される5,000psi〜150,000psi、または10,000psi〜130,000psi、または50,000psi〜110,000psi、の曲げ弾性率を一般的に有することができる。ある態様では、この開示における使用に適するLLDPEは、示差走査熱量法(DSC)により測定される70℃〜140℃、または80℃〜130℃、または90℃〜120℃、の溶融温度を一般的に有することができる。
【0038】
適するLLDPEの代表例はFINATHENE LL 4010 FE 18であり、それはトータル・ペトロケミカルズ(Total Petrochemicals)から市販されているLLDPEである。LLDPE(例えば、FINATHENE LL 4010 FE 18)は表7に示された物理的性質を一般的に有することができる。
【0039】
【表7】

【0040】
この開示における使用に適するポリオレフィン類(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン)はいずれかの適する方法を用いて製造することができる。例えば、ポリオレフィンはチーグラー−ナッタ触媒、メタロセン触媒、またはそれらの組み合わせを用いて製造することができる。ポリエチレンは、例えば、酸化クロム触媒はまたはいずれかの他の適する触媒を用いて製造することができる。
【0041】
ある態様では、ポリオレフィンは典型的にはチタンおよび有機金属アルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム(CAl、をベースとするチーグラー−ナッタ触媒を用いて製造される。チーグラー−ナッタ触媒およびそのような触媒の製造方法は米国特許第4,298,718号明細書、第4,544,717号明細書、および第4,767,735号明細書に記述されており、それらのそれぞれは引用することにより本発明の内容となる。
【0042】
別の態様では、ポリオレフィンはメタロセン触媒を用いて製造できる。メタロセン触媒はπ結合を通して遷移金属と配位されている1個もしくはそれ以上のシクロペンタジエニル(Cp)基(これは置換されていてもまたは未置換であってもよく、それぞれの置換は同一もしくは相異なる)と結合している配位化合物として一般に特徴づけることができる。メタロセン触媒の例およびそのような触媒の製造方法は米国特許第4,794,096号明細書および米国特許第4,975,403号明細書に詳細に記述されており、それらのそれぞれは引用することにより本発明の内容となる。メタロセン触媒の使用により製造されるポリオレフィン類の例は米国特許第5,158,920号明細書、第5,416,228号明細書、第5,789,502号明細書、第5,807,800号明細書、第5,968,864号明細書、第6,225,251号明細書、第6,777,366号明細書、第6,777,367号明細書、第6,579,962号明細書、第6,468,936号明細書、第6,579,962号明細書、および第6,432,860号明細書
にさらに詳細に記述されており、それらのそれぞれは引用することにより本発明の内容となる。
【0043】
ポリオレフィンはいずれかの他の触媒または触媒系、例えばそれぞれが引用することにより本発明の内容となる米国特許第7,056,991号明細書および第6,653,254号明細書に記述されているような、チーグラー−ナッタ触媒およびメタロセン触媒の組み合わせ、を用いて製造することもできる。
【0044】
ポリオレフィンは1種もしくはそれ以上のオレフィン単量体(例えば、エチレン、プロピレン)を単独でまたは他の単量体と共に適当な反応容器中に触媒(例えば、チーグラー−ナッタ、メタロセン、など)の存在下でそしてそれらの重合用に適する反応条件下で入れることにより製造できる。オレフィンを重合体に重合するためのいずれかの適当な装置および方法を使用できる。例えば、そのような方法は溶液相、気相、スラリー相、塊状相、高圧方法またはそれらの組み合わせを包含しうる。そのような方法は米国特許第5,525,678号明細書、米国特許第6,420,580号明細書、米国特許第6,380,328号明細書、米国特許第6,359,072号明細書、米国特許第6,346,586号明細書、米国特許第6,340,730号明細書、米国特許第6,339,134号明細書、米国特許第6,300,436号明細書、米国特許第6,274,684号明細書、米国特許第6,271,323号明細書、米国特許第6,248,845号明細書、米国特許第6,245,868号明細書、米国特許第6,245,705号明細書、米国特許第6,242,545号明細書、米国特許第6,211,105号明細書、米国特許第6,207,606号明細書、米国特許第6,180,735号明細書、および米国特許第6,147,173号明細書に詳細に記述されており、それらは引用することにより本発明の内容となる。
【0045】
ある態様では、ポリオレフィンは気相重合方法により製造される。気相重合方法の一例は連続的循環系を包含し、そこでは循環気流(或いは再循環流または流動化媒体として知られる)が反応器中で重合熱により加熱される。循環気流から循環の別の部分中へ反応器外部の冷却系により熱が除かれる。1種もしくはそれ以上の単量体を含有する循環気流を流動床を通して触媒の存在下で反応条件下で連続的に循環させることができる。循環気流は一般的に流動床から引かれそして反応器中に逆に戻される。同時に、重合体生成物を反応器から引くことができそして新しい単量体を加えて重合した単量体を置換することができる。気相方法における反応器圧力は100psig〜500psig、または200psig〜400psig、または250psig〜350psig、に変動しうる。気相方法における反応器温度は、引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,543,399号明細書、米国特許第4,588,790号明細書、米国特許第5,028,670号明細書、米国特許第5,317,036号明細書、米国特許第5,352,749号明細書、米国特許第5,405,922号明細書、米国特許第5,436,304号明細書、米国特許第5,456,471号明細書、米国特許第5,462,999号明細書、米国特許第5,616,661号明細書、米国特許第5,627,242号明細書、米国特許第5,665,818号明細書、米国特許第5,677,375、および米国特許第5,668,228号明細書に記述されているように、30℃〜120℃、または60℃〜115℃、または70℃〜110℃、または70℃〜95℃、に変動しうる。
【0046】
ある態様では、ポリオレフィンはスラリー相重合方法により製造される。スラリー相は一般に固体粒状重合体の液体重合媒体中懸濁液の製造を包含し、それに単量体および場合により水素が触媒と共に加えられる。懸濁液(これは希釈剤を包含しうる)は間欠的にまたは連続的に反応器から除去することができ、そこでは揮発性成分を重合体から分離しそして、場合により蒸留後に、反応器に再循環させることができる。重合媒体中で使用される液化した希釈剤はC〜Cアルカン(例えば、ヘキサンまたはイソブテン)を包含し
うる。使用される媒体は一般的に重合条件下で液体でありそして比較的不活性である。塊状相方法はスラリー方法のものと同様である。しかしながら、ある方法は塊状方法、スラリー方法または塊状スラリー方法でありうる。
【0047】
ある態様では、多成分製品はポリ乳酸を含んでなる少なくとも1つの成分を含んでなる。いずれかの適当なポリ乳酸をこの開示において使用できる。例えば、ポリ乳酸はポリ−L−ラクチド(PLLA)、ポリ−D−ラクチド(PDLA)、ポリ−LD−ラクチド(PDLLA)、またはそれらの組み合わせを含んでなりうる。ポリ乳酸はいずれかの適当な方法を用いて製造できる。例えば、引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,310,865号明細書に記述されているようにポリ乳酸は乳酸の脱水縮合により製造できる。或いは、ポリ乳酸は乳酸からの環式ラクチド(環式二量体としても知られる)の合成およびその後の環式ラクチドの開環重合により製造できる。そのような方法の例は引用することにより本発明の内容となる米国特許第2,758,987号明細書に記述されている。
【0048】
触媒をポリ乳酸の製造において使用することができる。触媒はその方法に適するいずれのタイプであってもよい。そのような触媒の例はオクチル酸錫の如き錫化合物、チタン酸テトライソプロピルの如きチタン化合物、ジルコニウムイソプロポキシドの如きジルコニウム化合物、および三酸化アンチモンの如きアンチモン化合物を包含するが、それらに限定されない。
【0049】
これまでに記述されたもののような添加剤をポリ乳酸組成物の中に加えることができる。ポリ乳酸を製造するための別の方法は米国特許第5,821,327号明細書、米国特許第5,770,682号明細書、米国特許第5,508,378号明細書、米国特許第5,470,944号明細書、および米国特許第4,797,468号明細書に記述されており、それらは引用することにより本発明の内容となる。
【0050】
ある態様では、この開示における使用に適するポリ乳酸はASTM D792に従い測定される1.238g/cc〜1.265g/cc、或いは1.24g/cc〜1.26g/cc、および或いは1.245g/cc〜1.255g/cc、の密度;ASTM D1238に従い測定される5g/10分〜35g/10分、或いは10g/10分〜30g/10分、および或いは10g/10分〜20g/10分、のメルトインデックス(210℃、2.16kg);ASTM D3418に従い測定される150℃〜180℃、或いは160℃〜175℃、および或いは160℃〜170℃、の結晶溶融温度;ASTM D3417に従い測定される45℃〜85℃、或いは50℃〜80℃、および或いは55℃〜75℃、のガラス転移温度;ASTM D638に従い測定される4,000psi〜25,000psi、或いは5,000psi〜20,000psi、および或いは5,500psi〜20,000psi、の引張り降伏強さ;ASTM D638に従い測定される1.5%〜10%、或いは2%〜8%、および或いは3%〜7%、の引張り伸び;ASTM D790に従い測定される250,000psi〜600,000psi、或いは300,000psi〜550,000psi、および或いは400,000psi〜500,000psi、の曲げ弾性率;ASTM D256に従い測定される0.1フィート−ポンド/インチ〜0.8フィート−ポンド/インチ、或いは0.2フィート−ポンド/インチ〜0.7フィート−ポンド/インチ、および或いは0.4フィート−ポンド/インチ〜0.6フィート−ポンド/インチ、の切欠きアイゾット衝撃を有することができる。
【0051】
この開示における使用に適するポリ乳酸の例は、ネーチャー・ウォークス(Nature Works)LLCから市販されているNatureWorks 3051Dを包含するが、それに限定されない。ある態様では、この開示における使用に適するポリ乳酸(
例えば、NatureWorks 3051D)は一般的に表8に示された物理的性質を有することができる。
【0052】
【表8】

【0053】
ある態様では、ポリ乳酸は成分中に多成分製品の合計重量の1重量%〜99重量%、或いは5重量%〜70重量%、或いは10重量%〜50重量%、の量で存在する。ある態様では、ポリ乳酸は成分中に多成分製品の合計重量の1重量%〜99重量%、或いは5重量%〜70重量%、或いは10重量%〜50重量%、の量で存在する。
【0054】
ある態様では、多成分製品は反応性改質剤を含んでなる少なくとも1つの成分を含んでなる。ここでは、反応性改質剤は溶融ポリオレフィンおよびPLA(例えば、PP/PLA配合物またはPE/PLA配合物)に加えられた時にポリオレフィンおよびPLAの間の界面を安定化させるために作用する化合物をその場で生成する重合体状添加剤をさす。その場で生成した化合物は融和剤として作用しそして反応性改質剤はこれらの融和剤への前駆体である。
【0055】
ある態様では、反応性改質剤はエポキシ−官能化されたポリオレフィンを含んでなる。この開示における使用に適するエポキシ−官能化されたポリオレフィン類の例はエポキシ−官能化されたポリプロピレン、例えばグリシジルメタクリレートグラフト化されたポリプロピレン(PP−g−GMA)、エポキシ−官能化されたポリエチレン、例えばポリエチレンコグリシジルメタクリレート(PE−co−GMA)、またはそれらの組み合わせを包含するが、それらに限定されない。この開示における使用に適するエポキシ−官能化されたポリエチレンの例はLOTADER AX8840を包含し、それはアルケマ(Arkema)から市販されている8%のGMAを含有するPE−co−GMAである。
【0056】
別の態様では、反応性改質剤はPP−g−GMAを含んでなる。PP−g−GMAはいずれかの適当な方法により、例えばGMAをポリプロピレン上に開始剤、例えば過酸化物、の存在下でグラフト化することにより、製造できる。この開示における使用に適する開始剤の例はアルケマから市販されている過酸化物であるLUPERSOL 101およびTRIGANOX 301を包含するが、それらに限定されない。ある態様では、開始剤は生分解性重合体状組成物の合計重量の0.03%〜2重量%、或いは0.2重量%〜0.8重量%、或いは0.3重量%〜0.5重量%、の量で使用できる。
【0057】
PP上へのGMAのグラフト化反応は溶融状態で例えば単一押し出し器またはツイン−スクリュー押し出し器の如き押し出し器の内部で実施できる。以下で、そのような方法は反応性押し出しと称する。PP、GMA、および開始剤(すなわち、過酸化物)を含んでなる供給原料を押し出し反応器内に連続的に押し出し器に沿って供給することができ、或いは供給原料(すなわち、PP、GMA、および開始剤)を外部で予備混合しそして押し出し器に供給することができる。
【0058】
別の態様では、PP−g−GMAはGMAをポリプロピレン上に開始剤および多官能性アクリレート共単量体の存在下でグラフト化することにより製造される。多官能性アクリレート共単量体はポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、またはそれらの組み合わせを含んでなりうる。
【0059】
多官能性アクリレート共単量体は高い引火点によりさらに特徴づけることができる。物質の引火点はそれが空気中で発火可能混合物を生成しうるASTM D93に従い測定される最低温度である。引火点が高くなればなるほど、物質の引火性が小さくなり、それは溶融反応性押し出しに寄与する利点である。ある態様では、多官能性アクリレート共単量体は50℃〜120℃、或いは70℃〜100℃、或いは80℃〜100℃、の引火点を有することができる。この開示における使用に適する多官能性アクリレート共単量体の例はサルトマー(Sartomer)から市販されているSR259(ポリエチレングリコールジアクリレート)、CD560(アルコキシル化されたヘキサンジオールジアクリレート)、およびSR351(TMPTA)を包含するが、それらに限定されない。
【0060】
過酸化物および多官能性アクリレート共単量体であるポリエチレングリコールジアクリレートの存在下におけるポリプロピレン上へのGMAのグラフト化反応はスキーム1に示される。
【0061】
【化1】

【0062】
理論により限定されることは望まないが、ポリプロピレン分子の第三級炭素上の水素は過酸化物の存在下で反応性押し出し中に容易に分離されて、対を形成しない電子を有する
ポリプロピレン巨大ラジカルを生成できる。一般的に不安定であるポリプロピレン巨大ラジカルは「s−分離」と称する段階によりフリーラジカルを生成する傾向がある。β−分離はラジカルに対してベータ−位置にある結合が開裂して二重結合および新ラジカルの形成をもたらす反応群をさす。β−分離反応は主として内部二重結合の形成に起因するためその発生は最終的重合体のアリル系含有量に関連すると信じられている。β−分離は典型的にはグラフト化反応(すなわち、GMAの添加)より起き易いため、GMAのより低いグラフト化およびより低い平均分子量を有するポリプロピレンをもたらす。しかしながら、多官能性アクリレート共単量体を含んでなる反応では、多官能性アクリレート共単量体はポリプロピレン巨大ラジカルを容易に捕獲してより安定な中間体(すなわち、ポリプロピレン−アクリレートラジカル)の生成をもたらすために作用しうる。比較的安定なプロピレン−アクリレートラジカルはアクリレートタイプ単量体であるGMAとより容易に反応する傾向があり、そしてその結果としてグラフト化反応を起こし易い。
【0063】
さらに、スキーム1に示されているように、複数のフリーラジカルがグラフト化されたプロピレン−アクリレート分子上に存在しうるため、捕獲およびGMAの反応の開始を容易にする。アクリレートフリーラジカルに対するGMAの反応性はポリプロピレン第三級巨大ラジカルに対するものより高いことがありうる。従って、多官能性アクリレート共単量体を含んでなる反応混合物を用いて製造されるPP−g−GMAは多官能性アクリレート共単量体の不存在下で他の同様な組成物を用いて製造されるPP−g−GMAより高いグラフト化度を示しうる。多官能性アクリレート共単量体を用いて製造されるPP−g−GMAは以下では高度にグラフト化されたGMA(HGGMA)と称する。
【0064】
ある態様では、反応性改質剤であるHGGMAは80重量%〜99.5重量%、或いは90重量%〜99重量%、および或いは95重量%〜99重量%、の量で存在するポリプロピレン、0.5重量%〜20重量%、或いは1.0重量%〜10重量%、および或いは1.0重量%〜5.0重量%、の量で存在するGMA、0.5重量%〜15重量%、或いは1.0重量%〜10重量%、および或いは1.0重量%〜5.0重量%、の量で存在する多官能性アクリレート共単量体(例えば、SE259)、並びに0.05重量%〜1.5重量%、或いは0.2重量%〜0.8重量%、および或いは0.3重量%〜0.5重量%、の量で存在する開始剤(例えば、LUPERSOL 101)を含んでなる反応混合物から製造される。HGGMA中のGMA:多官能性アクリレート共単量体の比は1:5〜10:1、或いは1:2〜5:1、および或いは1:1〜3:1、の範囲でありうる。
【0065】
ポリオレフィン上へのGMAのグラフト化の量は種々の要素、例えば使用される物質のタイプおよび処理条件、に依存して変動しうる。そのようなパラメーターは当業者によりこの開示の助けによって変動して使用者の所望するグラフト化率を有する反応性改質剤を製造しうる。
【0066】
グラフト化率はいずれかの適する方法を用いて測定できる。例えば、グラフト化率はフーリエ変換赤外分光(FTIR)分光法により測定できる。ある態様では、グラフト化率の測定方法は、各成分の量が既知であるPPおよびGMAの混合物を有する重合体状試料のFTIRスペクトルを得ることを含んでなる。1つもしくはそれ以上の波長を成分濃度の関数としてプロットすることにより目盛り曲線を作成できる。PP−g−GMA試料のFTIRスペクトルを次に測定しそしてグラフト化率を測定するために目盛り曲線と比較する。この方法はAngew.Makromol.Chem,1995,V229,1−13頁にさらに詳細に記述されている。ある態様では、HGGMAは0.2重量%〜15重量%、或いは0.5重量%〜10重量%、或いは1.0重量%〜5.0重量%、のグラフト化率を有することができる。
【0067】
ある態様では、反応性改質剤は成分中に多成分製品の合計重量を基準として0.5重量
%〜15重量%、或いは1.0重量%〜10重量%、或いは3.0重量%〜5.0重量%、の量で存在する。
【0068】
ある態様では、多成分製品の少なくとも1つの成分はPLAおよびポリオレフィンの適合化された配合物を含んでなる。配合物は、ここに記述されている全てのタイプ、のPLA、ポリオレフィン、および反応性開始剤の反応性押し出し混和により融和される。
【0069】
ある態様では、PP、PE、PLA、および/またはそれらの配合物は所望する物理的性質、例えば印刷性、増加した光沢、または減じられた遮断傾向、を付与するための添加剤も含有しうる。添加剤の例は安定剤、紫外線遮断剤、酸化剤、抗−酸化剤、抗−静電剤、紫外線吸収剤、難燃剤、加工油、型抜き剤、着色剤、顔料/染料、充填剤、および/または他の適する添加剤を包含するが、それらに限定されない。上記の添加剤は単独でまたは組み合わせて使用して重合体の種々の調合物を製造することができる。例えば、安定剤すなわち安定化剤を使用して重合体樹脂を過度の温度および/または紫外線への露呈による劣化から保護することを助けうる。これらの添加剤は所望する性質を与えるために有効な量で含有されうる。
【0070】
ある態様では、この開示の組成物から製造される多成分製品のPLA成分を着色できる。そのような態様では、例えば染料または顔料の如き着色剤をPLAに加えることができる。これは以下でさらに詳細に記述されるであろう。有効な添加量およびこれらの添加剤の重合体状組成物への包含方法は当業者によりこの開示の助けによって決めることができる。
【0071】
ある態様では、多成分製品はPLAを含んでなる一成分並びにポリオレフィンおよび反応性改質剤を含んでなる第二成分を含んでなりうる。別の態様では、多成分製品はPLAおよびポリオレフィンの配合物を含んでなる一成分並びにポリオレフィンおよび反応性改質剤を含んでなる第二成分を含んでなる。ある態様では、多成分製品は、これまでにここに記述されている全てのタイプ、のポリオレフィン(例えば、PPまたはPE)を含んでなる少なくとも1つの成分、PLAを含んでなる少なくとも1つの成分、並びにポリオレフィン(例えば、PPまたはPE)および反応性改質剤を含んでなる少なくとも1つの成分を含んでなる。ここでは、ポリオレフィンおよび反応性改質剤を含んでなる成分はPORM、例えばPP/PP−g−GMA、PE/PE−co−GMA、などと称する。
【0072】
ある態様では、多成分製品は、これまでにここに記述されている全てのタイプ、のPPを含んでなる少なくとも1つの成分、PLAを含んでなる少なくとも1つの成分、およびPP/PP−g−GMAを含んでなる少なくとも1つの成分を含んでなる。別の態様では、多成分製品は、これまでにここに記述されている全てのタイプ、のPEを含んでなる少なくとも1つの成分、PLAを含んでなる少なくとも1つの成分、およびPE/PE−co−GMAを含んでなる少なくとも1つの成分を含んでなる。
【0073】
理論により限定されることは望まないが、反応性改質剤はポリオレフィンを含んでなる成分類およびPLAを含んでなる成分類を化学的に内部結合させ並びに/または該成分類を接着させるために作用する。
【0074】
ある態様では、多成分製品は多成分繊維である。多成分繊維は、これまでにここに記述されている全てのタイプ、のポリオレフィン(例えば、PP、PE)を含んでなる少なくとも1つの成分、PLAを含んでなる少なくとも1つの成分、およびPORMを含んでなる少なくとも1つの成分を含んでなる。ある態様では、多成分繊維はPLAを含んでなる第一成分およびPORM(例えば、PP/PP−g−GMA、PE/PE−co−GMA)を含んでなる第二成分を有する二成分繊維である。
【0075】
二成分繊維はそのような繊維の製造に適するいずれかの方法を用いて製造することができる。例えば、二成分繊維はPLAを含んでなる少なくとも1つの成分およびPORMを含んでなる少なくとも1つの成分の共押し出しにより製造することができる。ある態様では、二成分繊維の成分類を溶融し、紡糸口金オリフィスに供給し、そして繊維に共押し出しする。ある態様では、繊維の成分類は押し出された時に接着を促進する物質または処理の不存在下で互いに接着する。
【0076】
このようにして形成された繊維を例えば空気中でクエンチカラム中で冷却しそして次に紡糸仕上げ器、ガイドを通して送り、そして集めることができる。集められた繊維をさらに処理することができ、例えばそれらを延伸して延伸繊維を製造することができる。繊維または延伸繊維を種々の最終用途製品に製造することができる。
【0077】
ある態様では、二成分繊維を例えば図1に示されているような種々の構造を製造することができる。図1に言及すると、二成分繊維は鞘−芯110または並行120構造に構成することができる。110構造は鞘110A外層および芯110B内層を含んでなる。鞘−芯110構造は物体の芯112Bの中心が鞘の物体112Aの中心と一致する同心112または物体の芯112Bの中心が鞘の物体112Aの中心と異なる偏心114であることができる。鞘芯構造の側面図116も図1に示されている。ある態様では、二成分繊維の芯層がPLAを含んでなり、或いは二成分繊維の鞘層がPLAを含んでなる。
【0078】
並行120構造はPLA側面120AおよびPORM側面120Bを含んでなりうる。並行構造の前面図122および側面図124も図1に示されている。
【0079】
二成分繊維はフィラメント当たり1〜20デニール(dpf)、或いは1〜15dpf、或いは2〜10dpf、の全成分の合計線状質量密度を有することができる。個別成分(例えば、PLA、ポリオレフィン、またはPORM)の線状質量密度を当業者によりこの開示の助けによって選択して1種もしくはそれ以上の所望する性質(すなわち、物理的性質、機械的性質など)を得ることができる。例えば、二成分繊維を鞘層がPLAを含んでなりそして芯層がPP/PP−g−GMAを含んでなる芯鞘構造に製造することができる。そのような態様では、芯層は二成分繊維の合計線状質量密度の50%〜95%、或いは60%〜90%、或いは70%〜90%、の線状質量密度を有することができる。
【0080】
ある態様では、多成分製品は多層フィルムである。多層フィルムはPLAを含んでなる少なくとも1つの層、ポリオレフィン(例えば、PP、PE)を含んでなる少なくとも1つの層、およびPORMを含んでなる少なくとも1つの層を含んでなる。ここでは、反応性改質剤はポリオレフィン成分およびPLA成分を化学的に内部結合させそして付着性を改良するために作用する。ある態様では、ここに記述されているタイプの多層フィルムはPORMを欠く同様な多層フィルムと比べてポリオレフィンおよびPLAの間の増加した接着強さを有することができる。ポリオレフィンおよびPLAの間の接着強さはASTM
D3330/3330M−00に従い測定されるようにポリオレフィンをPLAから剥離するために必要な強さを測定することにより決めることができる。ある態様では、ここに記述されているタイプの多層フィルムは1インチ幅当たりにかけられた0.01ポンド(ポンドf/1幅)に等しいかまたはそれより大きい、或いは0.1ポンドf/1幅に等しいかまたはそれより大きい、或いは0.5ポンドf/1幅に等しいかまたはそれより大きい、或いは1ポンドf/1幅に等しいかまたはそれより大きい、或いは2ポンドf/1幅に等しいかまたはそれより大きい、ポリオレフィンおよびPLAの間の接着強さを有することができる。
【0081】
さらに、反応性改質剤を含んでなるPORM層はPPおよびPLAまたはPEおよびP
LAの間の界面結合を改良して反応性改質剤を欠く他の同様な多層フィルムと比べた時に改良された結合を有する多層フィルムを生ずるために作用する接着または結合層として作用しうる。理論により限定されることは望まないが、反応性改質剤は配合物(例えば、PPおよびPLA)の界面に泳動しそして結合層として作用しうる。
【0082】
ポリオレフィンおよび反応性改質剤は共押し出し前に接触してPORM混合物を製造することができる。ある態様では、PORMはポリプロピレンおよびPP−g−GMAであり、或いはPORMはポリエチレンおよびPE−co−GMAである。ある態様では、押し出されたシートが出ていきそして複合押し出しシート(すなわち、多層フィルム)を製造するように配置された2つもしくはそれ以上のオリフィスを有するスロットまたはダイを通してPLA、ポリオレフィン、およびPORMを共押し出し、そこでフィルムの層が互いに接着する。複合押し出しシートは1つもしくはそれ以上のPLA層、1つもしくはそれ以上のポリオレフィン層、および1つもしくはそれ以上のPORM層を有することができる。ある態様では、PLA、ポリオレフィン(例えば、PP、PE)、およびPORM層が多層フィルム内で接着を促進する物質または処理の不存在下で互いに直接的に接着する。そのような物質および処理はこれまでに記述されてきた。
【0083】
ある態様では、多層フィルムは配向される。一般的に、重合体組成物の配向はそれにより方向性(互いに関する分子の配向)がフィルム内の重合体構造に付与される工程をさす。そのような配向を使用してフィルムに所望する性質、例えば靭性および不透明性、を付与する。ここで使用される際には、用語「二軸配向」は重合体状組成物がそのガラス−転移温度以上であるがその結晶融点より下にある温度に加熱される工程をさす。加熱直後に、物質を次に押し出してフィルムにし、そして縦方法(すなわち、機械方向)および横断または横方向(すなわち、幅方向)の両方に延伸する。
【0084】
ある態様では、ここに記述されているタイプの生分解性重合体状組成物を押し出し器の中で加熱する。溶融重合体は次にダイを通って出ていきそして溶融プラークを使用して押し出しフィルム、流し込み成型フィルム、二軸延伸フィルムなどを製造することができる。ある態様では、溶融プラークはダイを通って出ていきそして追加延伸なしにローラー上で取り上げられて押し出しフィルムを製造することができる。或いは、溶融プラークはダイを通って出ていきそして冷却ローラー上で取り上げられながら一軸延伸され、そこでそれが冷却されて流し込み成型フィルムを製造することができる。
【0085】
ある態様では、溶融プラークはダイを通って出ていきそして第一のローラー(例えば、冷却ローラー)上に送られて、それが重合体状組成物を固化させて多層フィルムにする。次に、多層フィルムを縦方向および横方向に延伸することによりそのようなフィルムを配向することができる。縦配向は一般的に2つの連続的に配置されたローラーの使用により行われ、第二(または速いローラー)は所望する配向比に対応してより遅いローラーに関連する速度で操作される。或いは、縦配向は速度が高まる一連のローラーを通して、時には温度調節および他の機能用の追加の中間ローラーを用いて、行うことができる。
【0086】
縦配向後に、多層フィルムを冷却し、予備加熱し、そして横配向区域に送ることができる。横配向区域は、例えば、幅枠機構を包含しており、そこで多層フィルムは横方向に圧力が加えられる。アニーリングおよび/または追加の処理をそのような配向後に行うことができる。或いは、多層フィルムを両方向に同時に延伸することができる。
【0087】
理論により限定されることは望まないが、冷却時に、延伸により課される分子整列は結晶化と競う傾向があり、そして引張られた重合体分子が延伸力の方向に整列された結晶領域を有する結晶性網目構造に縮合する。二軸フィルム製造に関するさらなる開示は、引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,029,876号明細書および米国特
許第2,178,104号明細書に見られる。
【0088】
多層フィルムの種々の態様が図2に示される。図2に言及すると、示された構造では、PLA層はAと表示され、PORM層はBと表示され、そしてポリオレフィン層はCと表示される。多層フィルムは例えば、PORM層が210に示されるような底層、220に示されるような芯層、または230に示されるようなキャップ層であるように構成されうる。他の態様では、PORMは結合層として機能することができ、そこではPORMはそれが配置された層の間の接着を促進する。例えば、PORMは3−層フィルム240内で結合層として作用することができ、そこではそれはPLA層Aおよびポリオレフィン層Cの間に配置することができる。別の態様では、PORMは5−層フィルム250内で結合層として作用することができ、そこでは第一のPORMは第一のPLA層Aおよびポリオレフィン層Cの間に配置することができそして第二のPORMはポリオレフィン層Cおよび第二のPLA層Aの間に配置することができる。
【0089】
多層フィルムは0.5〜150ミル、或いは1〜50ミル、或いは2〜20ミル、の合計厚さ(全ての層の合計厚さ)を有することができる。個別層(PLA、PORM、またはポリオレフィン)の厚さを当業者によりこの開示の助けによって選択して使用者に望まれる性質(すなわち、物理的性質、機械的性質など)を得ることができる。例えば、図2に示される構造の多層フィルム240は、多層フィルムの合計厚さの3%〜45%、或いは5%〜20%、或いは5%〜10%、の厚さを有するポリオレフィン層;0.2%〜30%、或いは1.0%〜15%、および或いは5%〜10%、の厚さを有する結合層としてのPORM;並びに1%〜50%、或いは5%〜40%、および或いは10%〜30%、の厚さを有するPLA層を有することができる。
【0090】
この開示の多成分製品をいずれかの適当な方法により最終用途製品に転化することができる。ある態様では、この転化はプラスチックス成形方法、例えば吹き付け成型、押し出し、射出吹き付け成型、射出延伸吹き付け成型、熱成形など、である。ここに記述されているタイプの生分解性重合体状組成物をその中で製造できる最終用途製品の例は食品包装、事務用品、プラスチック製材、代用製材、パティオデッキ、構造支持材、積層床組成物、重合体状フォーム基質、装飾表面(すなわち、王冠成型など)、耐候性屋外材料、販売地点の標識および表示、家庭用品および消費物品、建築絶縁材、化粧品包装、屋外代用材料、蓋および容器(すなわち、例えば食品、果実、飴およびクッキー)、器具、道具、電子部品、自動車部品、囲い、保護ヘッドギア、再使用可能な塗装ボール、玩具(例えば、レゴブロック)、楽器、ゴルフクラブヘッド、パイプ、事業用機器および電話部品、シャワーヘッド、ドアハンドル、蛇口ハンドル、車輪カバー、自動車フロントグリルなどを包含する。
【0091】
ある態様では、この開示の多成分製品は織られた繊維、例えば織り、編み、クローシュ編み、結び、繊維加圧、またはそれらの組み合わせによりさらに処理してテクスタイルを製造できる布の如き織られた繊維における使用のための繊維(例えば、多成分繊維、二成分繊維など)である。別の態様では、これらの繊維は集中強化および織り繊維、例えば多繊維織り布中の結合繊維としての使用のための糸および布、の中で使用することができる。そのような多繊維織り布はカーペット製造において使用することができる。
【0092】
ある態様では、多成分製品は多層フィルムであり、そこでは反応性改質剤を含んでなる層は芯層、結合層、キャップ層、またはそれらの組み合わせとして機能しうる。さらなる最終用途製品は当業者にこの開示の助けによって明らかになるであろう。
【0093】
ここに開示されている多成分製品は反応性改質剤を欠く他の同様な製品と比べて改良された成分(例えば、PLAおよびポリオレフィン)間の界面接着性を示すことができる。
ここでは界面接着性は成分間の界面が成分の界面を回転する分子内力、連鎖絡み、または両者により維持される接着性をさす。
【0094】
ここに開示されている多成分製品は反応性改質剤を欠く他の同様な製品と比べて改良されたレジリエンスを示すことができる。ここではレジリエンスは物質が弾性的に変形した時にエネルギーを吸収しそして負荷をかけられない時にそれを戻す能力をさす。PLAはPEまたはPPより高いレジリエンスを有するため、ここに記述されているタイプの生分解性重合体状組成物はPLAを欠く他の同様な製品と比べる時に増加したレジリエンスを示すことができる。例えば、ここに開示されているタイプの二成分繊維から製造されるカーペットは力が適用される時にマッティングまたは粉砕に抵抗しうる。別の例として、ここに開示されているタイプの二成分繊維から製造される布は改良された耐皺性を示すことができる。
【0095】
ここに開示されている多成分製品はPLA成分を欠く他の同様な製品と比べる時に改良された剛性を示すことができる。PLAはPEまたはPPより高い剛性を有するため、多成分製品はPLA成分を欠く他の同様な製品と比べる時に増加した剛性を有する。ここでは剛性は形状の変化に対する物質の耐性をさす。例えば、ここに記述されているようにして製造される多層フィルムでは、PLA成分は外層(例えば、キャップ層)であることができ、それは表面摩耗、例えば引っ掻き、圧印、チップなど、に対する増加した耐性を示す。
【0096】
ここに開示されている多成分製品はPLA成分を欠く他の同様な製品と比べる時に改良された染色性を示すことができる。PLAの有極性はこれらも典型的には有極性である染料および/または着色剤との増加した相容性を与えることができる。例えば、二成分繊維はここでこれまでに記述されているタイプの芯−鞘配置に構成することができ、そこでは鞘がPLAを含んでなることができる。或いは、多層フィルムは外層がPLAを含んでなるように構成することができる。いずれの態様でも、PLAはPLA成分を欠く他の同様な製品より容易に冷却剤または染料を吸収しうる。
【0097】
ここに開示されている多成分製品はPLA成分を欠く他の同様な製品と比べる時に改良された印刷性を示すことができる。理論により限定されることは望まないが、PLAの有極性質は改良された印刷性および/または改良された印刷用の表面処理を与えうる。ある態様では、PLAをキャップ層として有するポリオレフィンの共押し出しシートおよびフィルムは純粋なPLAフィルムおよび/またはシートで観察されたものと同様な表面印刷性または表面処理特性を有することができる。
【0098】
ここに開示されている多成分製品はPLA成分を欠く他の同様な製品と比べる時に改良された引っ掻き耐性を示すことができる。PLAはポリオレフィン類よりはるかに高い硬さおよびより良好な引っ掻き耐性を有する。例えば、PLAをキャップ層として有するポリオレフィンの共押し出しシートおよびフィルムは純粋なPLAフィルムおよびシートと同様な表面引っ掻き耐性を有することができる。
【0099】
ここに開示されている多成分製品はPLA成分を欠く他の同様な製品と比べる時に改良された衝撃耐性を示すことができる。理論により限定されることは望まないが、ポリオレフィンシートおよびフィルムはPLAシートおよびフィルムより靭性がある。それ故、PLAをキャップ層として有するポリオレフィンの共押し出しシートおよびフィルムはPLAホモ重合体から製造される同様なフィルムおよびシートと比べる時に増加した衝撃耐性を有することができる。
【発明を実施するための形態】
【0100】
実施例
開示を一般的に記述してきたが、以下の実施例は開示の特定態様としてそしてその実施法および利点を示すために提示される。実施例は説明のために提示されそして明細書または特許請求の範囲をいずれかの方法により限定する意図がないことを理解すべきである。以下では、断らない限り、組成物または調合物中の成分の量は組成物の合計重量を基準とした成分の重量パーセントを示す百分率として表示される。
【実施例1】
【0101】
反応性改質剤(すなわち、PP−g−GMA)の製造中にポリプロピレン上にグラフト化するGMAの程度を試験した。試料をベースポリプロピレン樹脂である3276並びに85℃の引火点および2.7cpsの粘度を有するGMAを用いて製造した。ベース樹脂である3276はトータル・ペトロケミカルズから市販されているポリプロピレンホモ重合体であり、GMAはダウ・ケミカルズ(Dow Chemicals)から市販されている。多官能性アクリレート共単量体は25cpsの粘度を有するSR259ポリエチレングリコール(200)ジアクリレートおよび106cpsの粘度を有するSR351トリメチロールプロパントリアクリレート(TMTPA)エステル類であり、それらの両者はサルトマー(Sartomer)から市販されている。使用された開始剤は過酸化物LUPERSOL 101(L101)であった。調合物は表3にベース樹脂の百部当たりの重量部(phr)として示される。
【0102】
3276フラッフを多官能性アクリレート共単量体(すなわち、GMA)および開始剤と50リットルミキサー中で30ポンドの量で混合した。次に、混合されたフラッフをMICRO−27ツイン−スクリュー押し出し器の中に100rpmのスクリュー速度で真空液化可能方式でそして10ポンド/時の生産量で供給した。領域プロフィルは400°F-400°F-395°F-390°F-380°F-375°F-370°F-365°F-360°F-360°F-360°F-360°Fであった。実験工程パラメーターは表9にまとめられている。
【0103】
【表9】

【0104】
グラフト化率を次に生じたPP−g−GMA生成物のフーリエ変換赤外分光(FTIR)スペクトルに基づき測定した。PP−g−GMA生成物を熱いキシレンの中に溶解させそして過剰量のアセトンの中で沈殿させた。GMAオリゴマーはアセトン中に可溶性である。沈殿したPP−g−GMAを次に真空下で乾燥し、そしてKBrと共にFTIR分析
用ディスクに圧縮した。図1は種々のPP−g−GMA試料のFTIRスペクトルである。図1に言及すると、ポリプロピレンの存在は全ての試料に関して2722cm−1におけるピークの出現により検出できる。試料1は0.05phrの過酸化物を有するベース樹脂の再押し出し物である。試料2はGMA−グラフト化されたPPであり、それは通常(すなわち、多官能性アクリレート共単量体の不存在下)の反応性押し出し調合物を用いて製造され、1730cm−1における無視できるC=Oピーク強度を示し、そのピークはグラフト化されたGMAに指定されており、最小のGMAグラフト化率が得られたことを示す。しかしながら、多官能性アクリレート共単量体が存在する時(試料3および4)には、強いC=Oピークが観察された。
【0105】
図2に示された試料3および4に関する1730cm−1におけるC=Oピークのより限定的な試験は信号が実際に2つの重複するピークであることを示唆しており、GMAおよび多官能性アクリレート共単量体の両方がポリプロピレン骨格上にグラフト化されたことを示す。ポリプロピレン主鎖上にグラフト化されたGMA分子に指定された約860cm−1における弱いエポキシピークもFTIRスペクトル中で可視的である。
【0106】
グラフト化率(GMA%)を次にFTIR結果を基準として計算しそしてそれらも表9にまとめられている。純粋な単量体としてのGMAを用いる時(多官能性アクリレート共単量体なし)には、試料2で観察されたグラフト化率は無視できた。しかしながら、3:1のGMA:多官能性アクリレート共単量体の比では、試料3および4で示されるようにグラフト化率は増加した。この実施例で記述されたようにして製造されたPP−g−GMAをここに記述されている他の成分(例えば、PPおよびPLA)と組み合わせて生分解性の重合体状組成物を製造することができる。理論により限定しようとは望まないが、高グラフト性PP−g−GMAは生分解性の重合体状組成物中のポリオレフィンおよびPLAの融和においてさらに有効になりうる。
【実施例2】
【0107】
ポリオレフィン、反応性改質剤、および分解性重合体を含んでなる多層フィルム(例えば、二層フィルム)の剥離強さを試験した。試料5−8に指定される4種の二層フィルム試料を製造して、1.5ミルのPP層および0.5ミル厚さのPLA層を有する2ミル厚さのフィルムを形成した。対照試料である試料5をトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドから市販されているポリプロピレンホモ重合体であるPP3371(3371)から製造しそしてネイチャー・ワークス(Nature Works)LLCから市販されているポリ乳酸であるPLA6201D(PLA)と共に押し出した。試料6を3371と3%のPP−g−GMA(ここで、PP−g−GMAは2.5%のGMAを有する)の配合物から製造しそしてPLAと共に押し出した。試料7を3371と3%のLOTADER AX8900(アルケマ(Arkema)から市販されている反応性改質剤)の配合物から製造しそしてPLAと共に押し出した。比較試料である試料7を3371とケムチュラ(Chemtura)から市販されている2.7%の無水マレイン酸を有する気孔形成ブースターである3%のPOLYBOND 3200の配合物から製造しそしてPLAと共に押し出した。試料5−8は押し出し後に透明でありそして透過性に見えた。次に、各試料の剥離強さをASTM D3330/3330 M−00に従い測定した。各試料の成分および剥離試験結果は表10にまとめられている。
【0108】
【表10】

【0109】
結果は、試験した全ての調合物に関して生じたフィルムが容易に剥離したことを示し、フィルムの層間の接着性が弱かったことを示す。理論により限定しようとは望まないが、3%だけの反応性改質剤(例えば、LOTADER AX8900またはPP−g−GMA)を含んでなる試料から製造されたフィルムに関してはPPおよびPLA層間の界面における反応性改質剤濃度が不充分であるかもしれない。そのような反応性改質剤を含んでなる試料から製造されたフィルムに関しては、PPバルク中に存在する反応性改質剤はPPおよびPLA間の界面内に泳動するには不充分な時間を有していたかもしれない。反応性改質剤の不存在下におけるPPおよびPLAは共押し出し中に充分な化学結合を失って劣悪な接着性を示すフィルム層を生じたかもしれない。
【実施例3】
【0110】
ポリオレフィン、反応性改質剤、および分解性重合体を含んでなる多層フィルムの剥離強さを試験した。試料9と指定される対照試料をPLAと共に押し出された3371から製造して1.2ミルのPPおよび0.5ミルのPLAを有する2ミル厚さのフィルムを形成した。
【0111】
試料10−12と指定された3種の試料を1.2ミルのPP層、0.3ミルの連結層、および0.5ミル厚さのPLA層を用いて製造した。試料10をPLAおよびPP−g−GMAの連結層と共に押し出された3371から製造した。試料11をPLAおよびLOTADER AX8900の連結層と共に押し出された3371から製造した。比較試料である試料12をPLAおよびPOLYBOND 3200の連結層と共に押し出された3371から製造した。試料11をPLAおよびLOTADER AX8900の連結層と共に押し出された3371から製造した。次に、各試料の剥離強さを実施例2に記述された通りにして測定した。各試料の成分および剥離強さ試験の結果は表11にまとめられている。
【0112】
【表11】

【0113】
結果は、連結層なしのフィルム(試料9)および連結層としてPOLYBONDを有するフィルム(試料12)が容易に剥離したことを示す。PP−g−GMA連結層を有する試料10はインチ幅当たり約0.3ポンドfの剥離強さを有する層間の増加した接着性を示した。LOTADER連結層を有する試料11は剥離できず、それはLOTADERがPPおよびPLA間の接着性を改良したことを示した。理論により限定しようとは望まないが、PP−g−GMAより多い官能基(例えば、エポキシ基)を有するLOTADERはPLAとより大程度まで反応しうる。試料11で見られるように、LOTADERの増加した反応性はPLAおよびPP間の増加した化学結合量並びに改良された層内接着性をもたらした。
【実施例4】
【0114】
ここに記述されているタイプの多層フィルムの剥離強さを試験した。試料13と指定された対照試料をPLAと共に押し出された3371から製造して14ミルのPPおよび1.5ミルのPLAを有する16ミル厚さのフィルムを形成した。
【0115】
試料14−16と指定された3種の試料を製造しそして各々は14ミルのPP層、0.5ミルの連結層、および1.5ミル厚さのPLA層を有していた。試料14をPLAおよびPP−g−GMAの連結層と共に押し出された3371から製造した。試料15をPLAおよびLOTADER AX8900の連結層と共に押し出された3371から製造した。比較試料である試料16をPLAおよびPOLYBOND 3200の連結層と共に押し出された3371から製造した。次に、各試料の剥離強さを実施例2に記述された通りにして測定した。各試料の成分および剥離強さ試験の結果は表12にまとめられている。
【0116】
【表12】

【0117】
結果は、連結層なしのフィルム(試料13)およびPOLYBONDを連結層として有するフィルム(試料16)が、実施例3からの試料9および12に関する結果と同様に、0の剥離強さを有しそして容易に剥離したことを示す。PP−g−GMA連結層を有する試料14はインチ幅当たり0.2ポンドfの剥離強さを有する改良された接着性を示した。LOTADER連結層を有する試料16はインチ幅当たり2.1ポンドfの剥離強さを有する改良された接着性を示した。
【0118】
層の接着性に対するフィルムの配向の影響を試験した。フィルムを4x4面積延伸比で30m/分の延伸速度において二軸配向した。ここでも、試料13および16から製造されたフィルムは容易に剥離した。試料14はくしゃくしゃにされそして剥離され得なかった。試料15は二軸配向後に単一透明層となりそしてフィルムがひどくくしゃくしゃにされた時でも剥離できなかった。
【0119】
態様を示しそして記述してきたが、開示の精神および教示から逸脱せずにそれらの改変を当業者により行うことができる。ここに記述されている態様は例示用のみであり、そして限定することを意図しない。ここに開示されている態様の多くの変更および改質は可能でありそして発明の範囲内である。多くの範囲または限定が明白に述べられている場合には、そのような明白な範囲または限定は明白に述べられた範囲または限定内に入る同様な程度の相互作用する範囲または限定を包括すると理解すべきである(例えば、約1〜約10は2、3、4などを包括し、0.10より大きいは0.11、0.12、0.13などを包括する)。例えば、下限Rおよび上限Rを有する数範囲が表わされている場合には常に、その範囲に入るいずれの数も具体的に表わされる。特に、範囲内のそれに続く数が具体的に表わされる:R=R+k(R−R)、ここでkは1パーセント増分での1パーセント〜100パーセントの範囲にわたる変数であり、すなわち、kは1パーセント、2パーセント、3パーセント、4パーセント、5パーセント、...50パーセント、51パーセント、52パーセント、.....、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセント、または100パーセントである。さらに、以上で定義された2つのRにより定義されるいずれの数範囲も具体的に表わされる。特許請求の範囲のいずれかの要素に関する用語「場合により」の使用は、当該要素が必要であるか或いは必要でないかを意味することが意図される。両方の場合とも請求の範囲内であることが意図される。例えば含んでなる、包含する、有するなどの如きより広い用語の使用は、例えば本質的になる、実質的に含んでなるなどの如きより狭い用語を包括すると理解すべきである。
【0120】
従って、保護の範囲は以上で示された記述により限定されるのではなく、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲は特許請求の範囲の全ての同等物を包含する。それぞれのおよび全ての特許請求の範囲は本発明の態様として明細書に組み入れられる。それ故、特許請求の範囲はさらなる記述でありそして本開示の追加である。参考文献、特に本出願の優先権日後の発行日付を有するかもしれないいずれかの参考文献、の論議はそれが本発明の先行技術であることの承認ではない。ここに引用される全ての特許、特許出願、および文献は、ここに示されたものを補充する例示、工程、または他の詳細事項を与える程度までは、引用することにより本発明の内容となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生分解性重合体を含んでなる第一成分、並びに
ポリオレフィンおよび反応性改質剤を含んでなる第二成分
を含んでなる多成分製品。
【請求項2】
ポリオレフィンを反応性改質剤の不存在下で含んでなる第三成分をさらに含んでなる請求項1の製品。
【請求項3】
反応性改質剤がエポキシ−官能化されたポリオレフィンを含んでなる請求項1の製品。
【請求項4】
エポキシ−官能化されたポリオレフィンがエポキシ−官能化されたポリプロピレン、エポキシ−官能化されたポリエチレン、またはそれらの組み合わせを含んでなる請求項3の製品。
【請求項5】
エポキシ−官能化されたポリオレフィンがグリシジルメタクリレートグラフト化されたポリプロピレン、ポリエチレンコグリシジルメタクリレート、またはそれらの組み合わせを含んでなる請求項3の製品。
【請求項6】
生分解性重合体がポリ乳酸を含んでなる請求項1の製品。
【請求項7】
ポリ乳酸がポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ−LD−ラクチド、またはそれらの組み合わせを含んでなる請求項6の製品。
【請求項8】
第一成分が着色剤をさらに含んでなる請求項6の製品。
【請求項9】
ポリオレフィンがポリプロピレン、ポリエチレン、またはそれらの組み合わせを含んでなる請求項1の製品。
【請求項10】
ポリオレフィンが5重量%までの別のC−Cアルファオレフィンを有するポリプロピレン、高結晶性ポリプロピレンホモ重合体、ポリプロピレン異相共重合体、またはそれらの組み合わせを含んでなる請求項1の製品。
【請求項11】
ポリオレフィンが高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、またはそれらの組み合わせを含んでなる請求項1の製品。
【請求項12】
ポリオレフィンがポリエチレンを1重量%〜99重量%の量で含んでなり、
生分解性重合体がポリ乳酸を1重量%〜99重量%の量で含んでなり、そして
反応性改質剤がポリエチレンコグリシジルメタクリレートを0.5重量%〜15重量%の量で含んでなり、ここで重量百分率は製品の合計重量を基準とする、請求項1の製品。
【請求項13】
ポリオレフィンがポリプロピレンを1重量%〜99重量%の量で含んでなり、
生分解性重合体がポリ乳酸を1重量%〜99重量%の量で含んでなり、そして
反応性改質剤がグリシジルメタクリレートグラフト化されたポリプロピレンを0.5重量%〜15重量%の量で含んでなり、ここで重量百分率は製品の合計重量を基準とする、請求項1の製品。
【請求項14】
請求項1の製品を含んでなる多成分繊維。
【請求項15】
フィラメント当たり1〜20デニールの合計線状質量密度を有する請求項14の多成分
繊維。
【請求項16】
第二成分が多成分繊維の合計線状質量密度を基準として50%〜90%の線状質量密度を有する請求項14の多成分繊維。
【請求項17】
同心鞘芯、偏心鞘芯、または並行構成を有する請求項14の多成分繊維。
【請求項18】
請求項1の製品を含んでなる多層フィルム。
【請求項19】
0.5〜150ミルの合計厚さを有する請求項18の多層フィルム。
【請求項20】
ポリオレフィンを反応性改質剤の不存在下で含んでなる第三成分をさらに含んでなり、ここで
第三成分を含んでなる層が多層フィルムの合計厚さの3%〜45%の厚さを有し、
第二成分を含んでなる層が多層フィルムの合計厚さの0.2%〜30%の厚さを有し、そして
第一成分を含んでなる層が多層フィルムの合計厚さの1%〜50%の厚さを有する、
請求項18の多層フィルム。
【請求項21】
第二成分を含んでなる層がキャップ層、芯層、連結層、またはそれらの組み合わせとして構成される請求項18の多層フィルム。
【請求項22】
インチ幅当たりにかけられた0.01ポンド(インチ幅当たりのポンドf)に等しいかまたはそれより大きい第一および第二成分間の剥離強さを有する請求項18の多層フィルム。
【請求項23】
第一および第二フィルム層を共押し出しすることを含んでなる多層フィルムの製造方法であって、ここで第一層がポリ乳酸を含んでなりそして第二層がポリオレフィンおよびエポキシ−官能化されたポリオレフィンを含んでなる方法。
【請求項24】
第三フィルム層を第一および第二フィルム層と共に押し出すことをさらに含んでなり、ここで第三層がポリオレフィンをエポキシ−官能化されたポリオレフィンの不存在下で含んでなる、請求項23の方法。
【請求項25】
芯成分および鞘成分を共押し出しすることを含んでなる多成分繊維の製造方法であって、ここで芯成分がポリオレフィンおよびエポキシ−官能化されたポリオレフィンを含んでなりそして鞘成分がポリ乳酸を含んでなる方法。
【請求項26】
第三繊維成分を芯および鞘繊維成分と共に押し出すことをさらに含んでなり、ここで第三繊維成分がポリオレフィンをエポキシ−官能化されたポリオレフィンの不存在下で含んでなる、請求項25の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−526951(P2011−526951A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516616(P2011−516616)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/US2009/048503
【国際公開番号】WO2010/002670
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(391024559)フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツド (98)
【氏名又は名称原語表記】FINA TECHNOLOGY, INCORPORATED
【Fターム(参考)】