説明

マイクロマシニング型の構成部材およびマイクロマシニング型の構成部材に対する製造法

【課題】少なくとも1つのばねが、機械的な荷重に頻繁にさらされる場合でも、その機能を確実に満たすことが保証されているようにする。
【解決手段】マイクロマシニング型の構成部材であって、保持部材が設けられており、該保持部材に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に調節可能な構成要素が設けられており、該構成要素が、保持部材に少なくとも1つのばね20を介して結合されている。少なくとも1つのばね20に配置されたシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロマシニング型の構成部材であって、保持部材が設けられており、該保持部材に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に調節可能な構成要素が設けられており、該構成要素が、保持部材に少なくとも1つのばねを介して結合されている形式のものに関する。
【0002】
さらに、本発明は、マイクロマシニング型の構成部材の運転時に該マイクロマシニング型の構成部材の保持部材に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に前記マイクロマシニング型の構成部材の調節可能な構成要素が調節されるように、保持部材に調節可能な構成要素を少なくとも1つのばねを介して結合する、マイクロマシニング型の構成部材に対する製造法に関する。
【背景技術】
【0003】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第19728598号明細書には、マイクロマシニング型のミラー装置が記載されている。このマイクロマシニング型のミラー装置は、基体として働く基板と、この基板に少なくとも1つの細長いばねエレメントを介して結合されたミラー素子とを有している。このミラー素子は、少なくとも1つのばねエレメントに配置された少なくとも1つの平板電極を有する駆動装置によって基板に対して少なくとも1つの回動軸線を中心として回動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ連邦共和国特許出願公開第19728598号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、冒頭で述べた形式のマイクロマシニング型の構成部材を改良して、少なくとも1つのばねが、機械的な荷重に頻繁にさらされる場合でも、その機能を確実に満たすことが保証されているようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明に係るマイクロマシニング型の構成部材では、少なくとも1つのばねに配置されたシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分が設けられているようにした。
【0007】
本発明に係るマイクロマシニング型の構成部材の有利な態様によれば、前記マイクロマシニング型の構成部材が、調節可能な構成要素に配置されたシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングを有している。
【0008】
本発明に係るマイクロマシニング型の構成部材の有利な態様によれば、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分が、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングに含有された少なくとも一種類のシリサイドを有している。
【0009】
本発明に係るマイクロマシニング型の構成部材の有利な態様によれば、前記マイクロマシニング型の構成部材が、シリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクを有している。
【0010】
本発明に係るマイクロマシニング型の構成部材の有利な態様によれば、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングおよび/またはシリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクが、以下のシリサイドの少なくとも一種類:すなわち、NiSi,NaSi,MgSi,PtSi,WSiおよび/またはTiSiを有している。
【0011】
本発明に係るマイクロマシニング型の構成部材の有利な態様によれば、前記マイクロマシニング型の構成部材が、保持部材に配置された少なくとも1つのステータ電極と、調節可能な構成要素に配置された少なくとも1つのアクチュエータ電極とを備えた静電アクチュエータを有しており、少なくとも1つのアクチュエータ電極が、保持部材からばねを介して少なくとも1つのアクチュエータ電極に延びるシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分を介して電圧源に接続されている。
【0012】
さらに、前述した課題を解決するために本発明に係る製造法では、少なくとも1つのばねにシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分を配置するようにした。
【0013】
本発明に係る製造法の有利な態様によれば、調節可能な構成要素にシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングを配置する。
【0014】
本発明に係る製造法の有利な態様によれば、付加的な方法ステップとして、所定の表面を部分的に被覆するシリサイド含有のエッチングマスクを形成し、前記表面の、前記エッチングマスクによって被覆されていない少なくとも一部分面を形成し、エッチングステップを実施し、少なくとも前記エッチングマスクによって被覆されていない前記部分面の材料を除去する。
【0015】
本発明に係る製造法の有利な態様によれば、シリサイド含有の前記エッチングマスクを、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分および/またはシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングを形成する少なくとも一種類のシリサイドから形成する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、調節可能な構成要素、特に調節可能なミラー面を備えた従来のマイクロマシニング型の構成部材の改善が保証されている。少なくとも1つのばねに配置されたシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分の構成によって、この線路区分が、その配置態様に基づき機械的な荷重に頻繁にさらされているにもかかわらず、その機能を確実に満たすことが保証されている。特に少なくとも1つの線路区分のシリサイド含有の材料は、機械的な応力時でも延性を示さず、これによって、少なくとも1つの線路区分における材料破壊もヒステリシスも発生しない。したがって、調節可能な構成要素に配置された少なくとも1つの電気的な素子を、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分を介して少なくとも1つの外側のコンタクトに電気的に接続することができる。
【0017】
シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分は、通常、良好な伝導性(もしくは小さな抵抗)、有利な熱的な安定性および/または有利な化学的な安定性を有している。このことは、少なくとも1つの線路区分によって電流が供給される電気的なコンポーネントの電流消費を減少させ、少なくとも1つの線路区分を介して伝送される測定信号の測定精細度を改善し、かつ/またはシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分を備えたマイクロマシニング型の構成部材の寿命を高める。
【0018】
有利な改良態様では、マイクロマシニング型の構成部材が、調節可能な構成要素に配置されたシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングを有している。このシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングによって、高い光学的な反射性を備えたミラー面が実現される。このミラー面は、通常、良好な耐熱性を付加的に有している。シリサイドの高い反射性に基づき、シリサイド含有の反射性のコーティングを比較的薄い層厚さで形成することができる。このことは、反射性のコーティングを備えた調節可能な構成要素の重量の減少に繋がる。これによって、少なくとも1つのばねの形成時のより大きな自由度が保証されている。
【0019】
さらに、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分は、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングに含有された少なくとも一種類のシリサイドを有していてよい。この態様では、少なくとも1つの線路区分と少なくとも1つの反射性のコーティングとを1回の共通の析出法で形成することができる。このことは、マイクロマシニング型の構成部材の製造手間を減少させ、そのコストを削減する。
【0020】
マイクロマシニング型の構成部材は、シリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクを有していてよい。このような形式のシリサイド含有のエッチングマスクの有利な材料特性に基づき、このエッチングマスクをエッチングステップ後に除去することが不要となる。その代わりに、シリサイド含有のエッチングマスクをエッチングステップの実施後にマイクロマシニング型の構成部材に残すこともでき、これによって、エッチングマスクの下方に位置する材料層が防護される。これによって、このような形式のマイクロマシニング型の構成部材に対する製造法が簡単となり、このマイクロマシニング型の構成部材の運転期間が付加的に改善される。
【0021】
有利には、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングおよび/またはシリサイド含有の少なくとも1つのエッチングが、以下のシリサイドの少なくとも一種類:すなわち、NiSi,NaSi,MgSi,PtSi,WSiおよび/またはTiSiを有していてよい。ここに述べたシリサイドは、比較的高い伝導性、良好な熱的なかつ化学的な安定性、高い反射性および/または機械的な不変荷重に対する良好な抵抗能(低い延性)を有している。したがって、前述したシリサイドは、上述した利点を保証するための廉価な構成例を成している。
【0022】
有利な態様では、マイクロマシニング型の構成部材が、保持部材に配置された少なくとも1つのステータ電極と、調節可能な構成要素に配置された少なくとも1つのアクチュエータ電極とを備えた静電アクチュエータを有しており、少なくとも1つのアクチュエータ電極が、保持部材からばねを介して少なくとも1つのアクチュエータ電極に延びるシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分を介して電圧源に接続されていてよい。したがって、少なくとも1つのアクチュエータ電極と電圧源との電気的な接続の接触抵抗を減少させることができる。したがって、特に比較的高い速度で作業するかもしくは印加される電圧の迅速な変化を許容する静電アクチュエータを形成することもできる。
【0023】
上の段落に記載した利点は、マイクロマシニング型の構成部材に対する相応の製造法にも保証されている。
【0024】
有利には、調節可能な構成要素にシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングが配置される。こうして製造されたマイクロマシニング型の構成部材は、従来例に比べて著しく改善されている。
【0025】
有利な改良態様では、本発明に係る製造法が、付加的な方法ステップ:所定の表面を部分的に被覆するシリサイド含有のエッチングマスクを形成し、表面の、エッチングマスクによって被覆されていない少なくとも一部分面を形成し、エッチングステップを実施し、少なくともエッチングマスクによって被覆されていない部分面の材料を除去する:を有している。シリサイド含有のエッチングマスクは、表面に容易に形成可能であり、簡単に構造化可能であり、適切なエッチング物質、たとえばCFおよび/またはSFに対して有利な化学的な耐性を有している。付加的には、このような形式のエッチングマスクの場合、シリサイド含有の材料をエッチングステップの実施後に除去する必要がない。その代わりに、シリサイド含有の材料をその有利な材料特性に基づき、シリサイド含有の材料の下方に位置する表面を防護するために、この表面に残すことができる。
【0026】
有利には、シリサイド含有のエッチングマスクが、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分および/またはシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングを形成する少なくとも一種類のシリサイドから形成されてよい。したがって、エッチングマスク、少なくとも1つの線路区分および/または反射性のコーティングを1回の共通の析出ステップによって形成することが可能となる。その際には、エッチングマスク、少なくとも線路区分および/または少なくとも1つの反射性のコーティングの少なくとも一種類のシリサイドまたはシリコナイジングしたい少なくとも一種類の金属が同時に被着される。したがって、マイクロマシニング型の構成部材を製造するために実施したい方法ステップが減少可能となる。
【0027】
前の段落に記載した利点は、相応のマイクロマシニング型の構成部材でも実現されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1A】マイクロマシニング型の構成部材の概略図である。
【図1B】図1Aのマイクロマシニング型の構成部材に用いられる外側のばねの拡大部分図である。
【図1C】図1Aのマイクロマシニング型の構成部材に用いられる調節可能な部材の拡大部分図である。
【図2】本発明に係る製造法の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0030】
図1A〜図1Cには、マイクロマシニング型の構成部材の実施の形態の概略図が示してある。
【0031】
図1Aに概略的に示したマイクロマシニング型の構成部材は、たとえばフレームとして形成された保持部材10を有している。この保持部材10は半導体基板、特にシリコン基板から構造化することができる。ただし、本実施の形態において説明するマイクロマシニング型の構成部材は、保持部材10の規定の材料および/または規定の形状に限定されるものではない。
【0032】
マイクロマシニング型の構成部材は、調節可能な部材12も有している。この調節可能な部材12は、保持部材10に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に調節可能である。たとえば、調節可能な部材12は保持部材10に対して少なくとも1つの回動軸線14,16を中心として調節可能である。図示の実施の形態では、調節可能な部材12が保持部材10に対して、第1の回動軸線14と、この第1の回動軸線14に対して平行に方向付けられていない第2の回動軸線16とを中心として回動可能である。有利には、この第2の回動軸線16は第1の回動軸線14に対して直角に方向付けられている。なお、マイクロマシニング型の構成部材は、本実施の形態において説明する、2つの回動軸線14,16を中心とした調節可能な部材12の調節可能性に限定されるものではない。
【0033】
調節可能な部材12は保持部材10に少なくとも1つのばね18および20を介して結合されている。図示の実施の形態では、有利には第1の回動軸線14に沿って延びる少なくとも1つの内側のばね18が、調節可能な部材12を結合部材22(中間部材とも呼ばれる)に結合している。たとえば、調節可能な部材12の、互いに反対の側に位置する2つの連結点から、それぞれ1つの内側のばね18が第1の回動軸線14に沿って結合部材22に延びている。
【0034】
さらに、この結合部材22は保持部材10に少なくとも1つの外側のばね20を介して結合することができる。可能な実現形態では、中間部材22のばね連結点が第1の回動軸線14に対して鏡像対称的に形成されている。また、中間部材22のばね連結点は第2の回動軸線16に対して鏡像対称的に形成されていてもよい。このようなばね連結は、両回動軸線14,16を中心とした調節可能な部材12の有利な調節可能性を、望ましくない剪断力の回避下で保証している。有利なばね連結は、たとえば、中間部材22が、それぞれ回動軸線14,16に対して鏡像対称的に配置されていると共に方向付けられた4つの外側のばね20を介して保持部材10に結合されていることによって簡単に実現可能である。
【0035】
有利な実施の形態では、マイクロマシニング型の構成部材がアクチュエータを有している。このアクチュエータによって、調節可能な部材12が保持部材10に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に調節可能となる。たとえば、マイクロマシニング型の構成部材は静電アクチュエータを有していてよい。この静電アクチュエータは、保持部材10に配置された少なくとも1つのステータ電極(図示せず)と、マイクロマシニング型の構成部材の調節可能な構成要素にかつ/または調節可能な部材12に直接配置された少なくとも1つのアクチュエータ電極24,26とを備えている。この少なくとも1つのアクチュエータ電極24,26と、隣り合った/対応配置されたステータ電極との間に印加される零に等しくない電圧によって、アクチュエータ電極24,26とステータ電極との間の間隔を減少させることができる。本実施の形態において説明するマイクロマシニング型の構成部材は、少なくとも1つのアクチュエータ電極24,26と、隣り合った/対応配置されたステータ電極との間に零に等しくない電圧を印加するための電圧制御装置の規定の構成に限定されるものではないので、本実施の形態では、これについて引き続き説明しないことにする。
【0036】
また、本実施の形態において説明するマイクロマシニング型の構成部材は、静電アクチュエータの具備に限定されるものでもない。特にマイクロマシニング型の構成部材は磁気アクチュエータを備えてもよい。
【0037】
両回動軸線14,16を中心とした調節可能な部材12の調節可能性は、たとえば、マイクロマシニング型の構成部材が、調節可能な部材12を第1の回動軸線14を中心として調節するための少なくとも1つの第1のアクチュエータ電極24と、調節可能な部材12を第2の回動軸線16を中心として調節するための少なくとも1つの第2のアクチュエータ電極26とを有している限り保証されている。有利には、マイクロマシニング型の構成部材は、調節可能な部材12を第1の回動軸線14を中心として調節するための少なくとも2つの第1のアクチュエータ電極24および/または調節可能な部材12を第2の回動軸線16を中心として調節するための少なくとも2つの第2のアクチュエータ電極26を有している。各アクチュエータ電極24,26には、それぞれ1つのステータ電極が対応配置されている。少なくとも3つ/4つのアクチュエータ電極24,26と、対応配置されたステータ電極との間には、それぞれ異なる電圧値が印加可能である。このことは、第1の回動軸線14および/または第2の回動軸線16を中心とした互いに逆方向に向けられた二方の回動方向への調節可能な部材12の調節可能性を保証している。
【0038】
有利には、アクチュエータ電極24,26は両回動軸線14,16に対して鏡像対称的に配置されていて、形成されている。このような形式の静電駆動装置によって、調節可能な部材12の有利な調節が可能となる。
【0039】
本実施の形態では、アクチュエータ電極24,26が電極櫛歯として形成されている。それぞれ1つの第1のアクチュエータ電極24は、第1の回動軸線14の両側で2つの外側のばね20を介して保持部材10に結合されている。各第1のアクチュエータ電極24は、外側のばね20にコンタクティング(接触接続)する第1の結合ウェブ24aを有している。コンタクティングされるそれぞれ1つの外側のばね20は、第2の回動軸線16のそれぞれ一方の側に配置されている。第1の結合ウェブ24aには、任意の個数の第1の電極フィンガ24bが配置されている。有利には、この第1の電極フィンガ24bは、対応する結合ウェブ24aに対して垂直に方向付けられている。
【0040】
各第1の結合ウェブ24aから、有利には第2の回動軸線16に沿って中間部材22に第2の結合ウェブ26aが延びている。この第2の結合ウェブ26aには、任意の個数の第2の電極フィンガ26bを配置することができる。有利には、この第2の電極フィンガ26bは第2の回動軸線16の両側で第2の結合ウェブ26aから離れる方向に延びている。有利には、第2の回動軸線16の第1の側に配置された第2の電極フィンガ26bと、隣り合ったステータ電極フィンガとの間には、第1の電圧を印加することができ、第2の回動軸線16の第2の側に配置された第2の電極フィンガ26bと、隣り合ったステータ電極フィンガとの間には、第1の電極に等しくない第2の電極を印加することができる。この形態では、第2の結合ウェブ26aが、第2の回動軸線16の第1の側に配置された第2の電極フィンガ26bと一緒に、第2の回動軸線16を中心とした第1の回動方向に対する第2のアクチュエータ電極26を形成していて、第2の回動軸線16の第2の側に配置された第2の電極フィンガ26bと一緒に、第2の回動軸線16を中心とした第2の回動方向に対する第2のアクチュエータ電極26を形成している。
【0041】
なお、本実施の形態において説明するマイクロマシニング型の構成部材は、アクチュエータ電極24,26および協働するステータ電極(図示せず)の規定の個数および/または構成に限定されるものではない。たとえば、少なくとも1つのアクチュエータ電極と、これと協働するステータ電極とが、平板電極として形成されていてよい。
【0042】
有利な実施の形態では、アクチュエータ電極24,26とステータ電極との間に電圧を印加するための電圧制御装置が、第1のアクチュエータ電極24の間に印加される、第1の周波数を備えた第1の電圧信号を変化させるために設けられている。第1の周波数は、第2のアクチュエータ電極26の間に印加される第2の電圧信号の第2の周波数よりも著しく大きく設定されている。有利には、第1の周波数は、少なくとも1つの内側のばね18の撓み下での第1の回動軸線14を中心とした回動運動時の調節可能な部材12の固有周波数に相当している。この形態では、第1の回動軸線14を中心とした調節可能な部材12の共振的な調節と、第2の回動軸線16を中心とした調節可能な部材12の準静的な調節とを示している。こうして、特に第1の回動軸線14を中心とした調節可能な部材12の調節時に大きな変位が達成可能となる。
【0043】
図1Bには、外側のばね20による図1Aの拡大部分図が示してある。
【0044】
図1Bに概略的に示した外側のばね20は、保持部材10(図示せず)に第1の固着領域20aで結合されていて、第1のアクチュエータ電極24(図示せず)に第2の固着領域20bで結合されている。少なくとも第1の回動軸線14を中心とした調節可能な部材12の調節時には、外側のばね20が出発位置から撓み位置20’に変位させられる。その際には、外側のばね20の少なくとも一部領域が、特に機械的な応力の発生のもと、変化させられた形状に移る。
【0045】
外側のばね20には、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32が配置されている。「外側のばね20へのシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32の配置」とは、たとえばシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32が、外側のばね20の、第1の回動軸線14を中心とした調節可能な部材12の調節時に形状変化を引き起こすばね区分にコンタクティングしていることを意味している。また、「外側のばね20へのシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32の配置」とは、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32が、外側のばね20の、両固着領域20a,20bの間に配置された、すなわち、両固着領域20a,20bを介して懸架されかつ/または両固着領域20a,20bを介して保持部材10と第1のアクチュエータ電極24とに結合された少なくとも一部区分にコンタクティングしていることも意味している。
【0046】
少なくとも1つのばね(18,)20に配置されたシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32は、特に駆動ユニット、たとえば容量型の電極櫛歯、圧電セラミックスおよび/または磁界を発生させるための少なくとも1つのコイルへのコンタクティングのために使用することができる。さらに、センサ素子、たとえば容量型の櫛歯および/または圧電抵抗を、少なくとも1つのばね(18,)20を介して案内されたシリサイド含有の1つの線路区分30,32によって制御しかつ/または評価することができる。
【0047】
たとえば、外側のばね20は、シリサイド含有の第1の線路区分30を有していてよい。この第1の線路区分30は保持部材10から、固着領域20a,20bを介して懸架されたばね領域34に延びている。シリサイド含有の第1の線路区分30は、外側のばね20に配置された少なくとも1つの第1の電気的なコンポーネントを、保持部材10に不動に配置された電気的な装置、たとえば電流源、制御装置および/または評価装置に接続することができる。有利な実施の形態では、第1の電気的なコンポーネントがセンサ36である。このセンサ36は、出発位置から撓み位置への外側のばね20の移行時に生じるような機械的な応力を検出して、相応のセンサ信号を第1の線路区分30を介して提供するために設計されている。この形態では、ばね領域34が、有利には第1の固着領域20aまたは第2の固着領域20bに隣り合って配置されている。センサ36は、応力センサとして、圧電素子としての少なくとも一種類のシリサイドを含んでいてよい。このことは、センサ36の構成コストを減少させる。
【0048】
第1の線路区分30に対して補足的または択一的には、保持部材10から外側のばね20を介して少なくとも第2の固着領域20bにシリサイド含有の第2の線路区分32が延びていてよい。この第2の線路区分32を介して、1つのばね18、1つのアクチュエータ電極24,26、中間部材22および/または調節可能な部材12に配置された少なくとも1つの第2の電気的なコンポーネントを、保持部材10に対して不動に配置された電気的な装置、たとえばエネルギ源、制御装置および/または評価装置に接続することができる。たとえば、少なくとも1つのアクチュエータ電極24,26の伝導性の表面を、保持部材10から外側のばね20を介して少なくとも1つのアクチュエータ電極24,26に延びるシリサイド含有の少なくとも1つの第2の線路区分32を介して電圧源に接続することができる。
【0049】
少なくとも1つの外側のばね20には、第1の線路区分30のタイプおよび/または第2の線路区分32のタイプの複数の線路区分30,32が配置されていてもよい。また、シリサイド含有の線路区分30,32が少なくとも1つの内側のばね18に形成されていてもよい。有利には、シリサイド含有の線路区分30,32は低抵抗のシリサイドから形成されている。このことは、ヒステリシスの可能性を付加的に減少させる。
【0050】
概略的に図示したマイクロマシニング型の構成部材では、ばね18,20が、複数回の振動サイクルによる不変荷重に頻繁にさらされている。少なくとも1つの線路区分30;32に含有されたシリサイドに基づき、少なくとも1つの線路区分30;32は、この荷重に対する有利な抵抗性を有している。シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32は、含有されたシリサイドに基づき、機械的な不変荷重でも、付与された応力領域に延性を示さない。したがって、出発位置から撓み位置への少なくとも1つのばね18,20の頻繁な移行時でも、線路区分30,32における材料破壊もヒステリシスも発生しない。これによって、各ばね18;20を介して案内された線路区分30;32の確実な機能形式が、特に1つのばね18;20のねじり負荷および/または撓み負荷のもとで保証されている。このことは、1011回を上回る振動サイクルによる振動荷重後でも変わることなく当てはまる。したがって、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32は、第1の回動軸線14を中心とした調節可能な部材12の共振的な調節に結び付けられる少なくとも1つのばね18,20の迅速な歪み時にも、線路区分30,32の所望の機能形式を確実に満たしている。
【0051】
付加的には、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30;32が、少ない比抵抗を有している。これによって、少なくとも1つの線路区分30,32にごく僅かな出力損失しか発生しない。このことは、ばね18,20、アクチュエータ電極24,26、中間部材22および/または調節可能な部材12に配置された電気的なコンポーネントへの有利なコンタクティング可能性および/またはエネルギ供給を、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32と、保持部材10に対して不動に配置された電気的な装置、たとえば電流源、制御装置および/または評価装置とによって保証している。
【0052】
図1Cには、調節可能な部材12による図1Aの拡大部分図が示してある。
【0053】
シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32に対して補足的には、調節可能な部材12、少なくとも1つのばね18、少なくとも1つのアクチュエータ電極24,26および/または中間部材22に、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング40が配置されていてよい。ただし、本実施の形態において説明するマイクロマシニング型の構成部材は、このような形式のシリサイド含有の反射性のコーティング40に限定されるものではない。シリサイド含有の反射性のコーティング40によって、調節可能な部材12が、たとえば調節可能なミラープレートとして形成可能となる。この調節可能なミラープレートは、少なくとも出発位置から、この出発位置に対して傾けられた位置12’に調節可能である。ただし、本実施の形態において説明するマイクロマシニング型の構成部材は、ミラープレートとしての調節可能な部材12の構成に限定されるものではない。
【0054】
シリサイドは、高い光学的な反射性を有しているので、シリサイドは、特に比較的薄い層厚さを備えたミラーメタライゼーションの形成のために適している。こうして、少なくとも1つのばね18,20によって懸架される総重量が減少可能となる。これによって、少なくとも1つのばね18,20の形成時のより大きな自由度が可能となる。
【0055】
シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32および/または少なくとも1つの反射性のコーティング40に対する補足として、マイクロマシニング型の構成部材が、付加的には、特に表側および/または裏側の構造化時に使用されるようなシリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクを有していてよい。これは、たとえばマイクロマシニング型の構成部材が表側および/または裏側に、シリサイド被覆された少なくとも1つの表面を有していることで認識可能となる。エッチングマスクの少なくとも一種類のシリサイドの有利な特性、たとえばヒステリシスフリー、つまり、ヒステリシスがないことに基づき、エッチングマスクを相応のエッチングステップ後に除去することが不要となる。その代わりに、エッチングマスクをマイクロマシニング型の構成部材に残すことができ、こうして、エッチングマスクの下方に位置する材料が付加的に防護される。これによって、製造プロセスが簡単になり、マイクロマシニング型の構成部材のコストが減少させられる。
【0056】
特にシリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクは、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32および/またはシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング40を形成する少なくとも一種類のシリサイドから形成されていてよい。これによって、エッチングマスク、少なくとも1つの線路区分30,32および/または少なくとも1つの反射性のコーティング40の形成時に、少なくとも一種類のシリサイドまたは少なくとも一種類のシリサイドを形成するための少なくとも一種類の金属の同時の被着が可能となる。こうして、マイクロマシニング型の構成部材に対する作業ステップおよび製造コストを減少させることができる。
【0057】
有利には、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング40および/またはシリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクが、以下のシリサイドの少なくとも一種類:すなわち、NiSi,NaSi,MgSi,PtSi,WSiおよび/またはTiSiを含有している。特に反射性のコーティング40は、完全にこれらのシリサイドの少なくとも一種類から形成することができる。また、少なくとも1つの線路区分30,32が、この少なくとも1つの線路区分30,32を少なくとも部分的に取り囲む絶縁体を除いて、前述した少なくとも一種類のシリサイドから形成されていてもよい。列挙したシリサイドは、良好な機械的な特性、良好な耐熱性、良好な伝導性、有利な化学的な抵抗性および/または高い光学的な反射性を有している。したがって、列挙したシリサイドは、有利には、線路区分30,32、反射性のコーティング40および/またはエッチングマスク(図示せず)に対する使用のために適している。
【0058】
マイクロマシニング型の構成部材の有利な実施の形態では、このマイクロマシニング型の構成部材が、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32と、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング40とを有している。したがって、1つのばね18;20、1つのアクチュエータ電極24;26、中間部材22および/または調節可能な部材12に配置された少なくとも1つの電気的なコンポーネントと、保持部材10に固く結合された電気的な装置との有利な電気的な接続が、反射性のコーティング40の比較的薄い層厚さで同時に実現可能となる。
【0059】
この形態では、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分30,32が、少なくとも一種類のシリサイド、特に上で挙げたシリサイドの少なくとも一種類を含有していてよい。このシリサイドは、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング40に含有されている。したがって、少なくとも1つの線路区分30,32と少なくとも1つの反射性のコーティング40とに用いられる少なくとも一種類のシリサイドまたは少なくとも一種類のシリサイドを形成するための少なくとも一種類の金属の被着を1回の方法ステップで実施することができる。
【0060】
図2には、本発明に係る製造法の実施の形態を説明するためのフローチャートが示してある。
【0061】
以下に説明する製造法によって、たとえば上述したマイクロマシニング型の構成部材が実現可能となる。なお、本発明に係る製造法の使用可能性はこのマイクロマシニング型の構成部材に限定されるものではない。
【0062】
方法ステップS1では、マイクロマシニング型の構成部材の調節可能な部材が、マイクロマシニング型の構成部材の保持部材に少なくとも1つのばねを介して結合され、これによって、調節可能な部材が、マイクロマシニング型の構成部材の運転時に保持部材に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に調節されるようになっている。また、調節可能な部材を保持部材に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に調節するための駆動装置が形成されてもよい。マイクロマシニング型の構成部材が、たとえば方法ステップS1において備えることができる適切なアクチュエータは、すでに上述してある。
【0063】
少なくとも1つのばねを介した保持部材への調節可能な部材の結合は、たとえば、少なくとも1つの基板と、この基板の上面を少なくとも部分的に被覆する犠牲層と、この犠牲層を少なくとも部分的に被覆する、たとえば多結晶シリコンから成る半導体層とから層構造体が形成されることによって行うことができる。次いで、基板から保持部材を構造化することができる。また、半導体層から、少なくとも1つのばねと調節可能な部材との下側領域が少なくとも構造化されてもよい。少なくとも1つのばねの適切な構成については上記説明に記載してある。調節可能な部材および少なくとも1つのばねに対して付加的には、半導体層から少なくとも1つの駆動コンポーネント、たとえば平板電極および/または櫛形電極の少なくとも一部領域が構造化されてもよい。
【0064】
選択的には、方法ステップS1が方法ステップS11,S12を有していてもよい。選択的な方法ステップS11では、所定の表面を部分的に被覆するシリサイド含有のエッチングマスクが形成される。この方法ステップS11では、このエッチングマスクによって被覆されていない、表面に対する少なくとも一部分面が形成される。たとえば、半導体層の外面および/または基板の下面に、シリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクが被着される。
【0065】
選択的には、表面に絶縁層が形成される。次いで、この絶縁層に、金属、たとえばニッケル、ナトリウム、マグネシウム、白金、タングステンおよび/またはチタンから成る薄膜の金属層を形成することができる。その後、この薄膜の金属層の領域にマスク材料、有利には二酸化シリコンが析出される。規定の領域に多結晶シリコン層が被着される。この多結晶シリコン層の層厚さは、その下方に位置する薄膜の材料層の領域が後続の温度ステップの間にシリコナイジングされるように設定される。しかし、マスク材料で被覆されていない領域では、金属だけがシリコナイジングされる。シリサイドに変換されない多結晶シリコンは、湿式の多結晶シリコンエッチングによって除去される。マスク材料も、有利には二酸化シリコンに対して選択的である湿式のエッチングステップで除去される。選択的には、アンダカットを回避するために、二酸化シリコンの上方のシリサイドに対して選択的である湿式のエッチングステップが使用されてよい。こうして形成されたエッチングマスクは、ハロゲン含有のプラズマエッチング雰囲気において耐食性である。
【0066】
方法ステップS11が実施される限り、後続の方法ステップS12では、エッチングステップを実施することができる。この方法ステップS12では、少なくともエッチングマスクによって被覆されていない部分面の材料が除去される。適切なエッチング材料は、たとえばフッ化物、特にCFおよびSFである。
【0067】
方法ステップS2では、少なくとも1つのばねに、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分が配置される。このシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分に対する適切な実施の形態は、すでに上述してある。
【0068】
方法ステップS2に対する補足として、本発明に係る製造法は方法ステップS3を有していてもよい。この方法ステップS3では、調節可能な部材に、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングが配置される。ただし、本実施の形態において説明する製造法は、方法ステップS3の実施に限定されるものではない。
【0069】
方法ステップS11,S12が実施される限り、シリサイド含有のエッチングマスクは、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分および/またはシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティングを形成する少なくとも一種類のシリサイドから形成することができる。したがって、たとえば、エッチングマスク、少なくとも1つの線路区分および/または少なくとも1つの反射性のコーティングを形成するための少なくとも一種類のシリサイドまたは少なくとも一種類のシリサイドに変換される少なくとも一種類の金属の析出を1回の共通の析出ステップで行うことができる。
【0070】
本実施の形態において説明する製造法では、シリサイドとして、たとえばNiSi,NaSi,MgSi,PtSi,WSiおよび/またはTiSiを使用することができる。これらのシリサイドは、すでに上述した有利な材料特性を有している。ただし、本発明に係る製造法は、列挙したシリサイドの使用に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0071】
10 保持部材
12 調節可能な部材
12’ 傾けられた位置
14 第1の回動軸線
16 第2の回動軸線
18 内側のばね
20 外側のばね
20a 第1の固着領域
20b 第2の固着領域
20’ 撓み位置
22 結合部材
24 第1のアクチュエータ電極
24a 第1の結合ウェブ
24b 第1の電極フィンガ
26 第2のアクチュエータ電極
26a 第2の結合ウェブ
26b 第2の電極フィンガ
30 第1の線路区分
32 第2の線路区分
34 ばね領域
36 センサ
40 反射性のコーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロマシニング型の構成部材であって、
保持部材(10)が設けられており、
該保持部材(10)に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に調節可能な構成要素(12,18,22,24,26)が設けられており、該構成要素(12,18,22,24,26)が、保持部材(10)に少なくとも1つのばね(20)を介して結合されている形式のものにおいて、
少なくとも1つのばね(20)に配置されたシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分(30,32)が設けられていることを特徴とする、マイクロマシニング型の構成部材。
【請求項2】
前記マイクロマシニング型の構成部材が、調節可能な構成要素(12,18,22,24,26)に配置されたシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング(40)を有している、請求項1記載のマイクロマシニング型の構成部材。
【請求項3】
シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分(30,32)が、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング(40)に含有された少なくとも一種類のシリサイドを有している、請求項2記載のマイクロマシニング型の構成部材。
【請求項4】
前記マイクロマシニング型の構成部材が、シリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクを有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のマイクロマシニング型の構成部材。
【請求項5】
シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分(30,32)、シリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング(40)および/またはシリサイド含有の少なくとも1つのエッチングマスクが、以下のシリサイドの少なくとも一種類:すなわち、NiSi,NaSi,MgSi,PtSi,WSiおよび/またはTiSiを有している、請求項4記載のマイクロマシニング型の構成部材。
【請求項6】
前記マイクロマシニング型の構成部材が、保持部材(10)に配置された少なくとも1つのステータ電極と、調節可能な構成要素(12,18,22,24,26)に配置された少なくとも1つのアクチュエータ電極(24,26)とを備えた静電アクチュエータを有しており、少なくとも1つのアクチュエータ電極(24,26)が、保持部材(10)からばね(20)を介して少なくとも1つのアクチュエータ電極(24,26)に延びるシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分(32)を介して電圧源に接続されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のマイクロマシニング型の構成部材。
【請求項7】
マイクロマシニング型の構成部材の運転時に該マイクロマシニング型の構成部材の保持部材(10)に対して少なくとも第1の位置から第2の位置に前記マイクロマシニング型の構成部材の調節可能な構成要素(12,18,22,24,26)が調節されるように、保持部材(10)に調節可能な構成要素(12,18,22,24,26)を少なくとも1つのばね(20)を介して結合する、マイクロマシニング型の構成部材に対する製造法において、
少なくとも1つのばね(20)にシリサイド含有の少なくとも1つの線路区分(30,32)を配置することを特徴とする、マイクロマシニング型の構成部材に対する製造法。
【請求項8】
調節可能な構成要素(12,18,22,24,26)にシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング(40)を配置する、請求項7記載の製造法。
【請求項9】
付加的な方法ステップとして、
所定の表面を部分的に被覆するシリサイド含有のエッチングマスクを形成し、前記表面の、前記エッチングマスクによって被覆されていない少なくとも一部分面を形成し、
エッチングステップを実施し、少なくとも前記エッチングマスクによって被覆されていない前記部分面の材料を除去する、請求項7または8記載の製造法。
【請求項10】
シリサイド含有の前記エッチングマスクを、シリサイド含有の少なくとも1つの線路区分(30,32)および/またはシリサイド含有の少なくとも1つの反射性のコーティング(40)を形成する少なくとも一種類のシリサイドから形成する、請求項9記載の製造法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−251404(P2011−251404A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123682(P2011−123682)
【出願日】平成23年6月1日(2011.6.1)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】