説明

マイクロ電子デバイスでの使用のためのオルガノシリケート樹脂調合物

電子デバイスの製造において1つもしくはそれ以上の層を形成するために用いられる硬化性オルガノシリケート組成物であって、(a)ケイ素原子に結合し、かつ、エチレン系不飽和を含有する少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシラン、(b)ケイ素原子に結合し、かつ、芳香環を含有する少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシラン、(c)潜在性酸触媒、および(d)場合によりケイ素原子に結合した少なくとも1つのC〜Cアルキル基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランを含む組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ電子デバイスの製造においてハードマスク、エッチストップ、反射防止層、接着促進層、化学/機械研磨(CMP)ストップ層、または他の層および層の組合せとしてのオルガノシリケート樹脂の使用に、かかるデバイスの製造方法に、ならびに生じる電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクス製造業界は、より低い電力消費およびより速いデバイス速度を可能にするためにそのデバイスでより小さいジオメトリーに向かって進みつつある。導体ラインがより細くなり、より密に充填されるにつれて、かかる導体間の誘電体の要件は一層厳しくなる。二酸化ケイ素、伝統的に使用される誘電性材料の誘電率より低い誘電率を有する新規材料が研究されつつある。受入れの増加を達成しつつあるより低い誘電性材料の中に、約3.0未満の誘電率を有するスピン−オン、有機、無機またはハイブリッドポリマーがある。ポリアリーレンエーテルおよびSiLKTM半導体誘電体(ダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)製の)をはじめとするポリアリーレンが考慮されつつある第一の有機ポリマー誘電体である。好適な無機ポリマーおよびハイブリッドポリマーの例には、米国特許第6,159,871号明細書および同第6,541,398号明細書などに開示されている、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)および炭素ドープ酸化物(CDO)ポリマーが挙げられる。
【0003】
これらの新規誘電性材料を使用するマイクロ電子デバイスの製造は、例えば、材料研究会誌(Material Research Society Bulletin)、Vol.22、no.10(1997)にレビューされた。しかしながら今日まで、ポリアリーレン誘電体は一般に、無機ハードマスクを用いてパターンを所望のデザインの誘電性材料へ変換する伝統的手法でパターン化されてきた。典型的には、ポリアリーレン誘電体は基材に塗布され、硬化させられ、それに無機ハードマスクのプラズマ強化化学蒸着(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)が続く。蒸着条件は、ハードマスクとポリアリーレンフィルムとの十分な接着を確実にするために注意深くモニターされなければならない。パターンは、標準パターン化技法、例えば、フォトレジストまたはソフトマスクの塗布、引き続きソフトマスクの露出および現像、ソフトマスクからハードマスクへのパターン転写、ならびにソフトマスクの除去によって無機ハードマスク中に形成される。ハードマスクのエッチングは、反応性イオンプラズマ中にフッ素反応性化学種を発生させるフッ素含有化合物を使用して典型的には行われる。下にあるポリアリーレン誘電体は、典型的にはフッ素を含有しない、異なるエッチング化合物を使用して次にパターン化することができる。
【0004】
マイクロ電子デバイスの製造における様々な方法と誘電性材料、エッチストップおよびハードマスクの実施形態とを議論している追加の刊行物には、国際公開第01/18861号パンフレットが含まれ、それは、隣接エッチストップとして使用される層と誘電性材料とが実質的に異なるエッチング選択性を有するべきであると述べている。該刊行物はまた、無機層(何の炭素原子も含有しないものと定義される)が金属間誘電体としてビアレベルおよび金属レベルで使用されるべきであり、かつ、有機の低誘電率材料がエッチストップ材料として無機層の間に使用されるべきであると教示している。
【0005】
国際公開第00/75979号パンフレットは、有機ポリマーである第1誘電性層とオルガノヒドリドシロキサンである第1層一面上の第2誘電性層とを有する構造を教示している。米国特許第6,218,078号明細書は、低誘電率ポリマー(ベンゾシクロブテン)一面に被覆されるスピンオンハードマスク組成物(ハイドロジェンシルセスキオキサン(hydrogensilsesquioxane))の使用を教示している。米国特許第6,218,317号明細書は、ポリマー中間層誘電性(ILD)材料一面のメチル化酸化物ハードマスクの使用を教示している。好都合にも、ハードマスクおよびILD調合物の両方ともスピンコーティング技術によって塗布することができる。
【0006】
オルガノシリケート樹脂は、例えば米国特許第5,994,489号明細書および国際公開第00/11096号パンフレットに開示されているように、置換アルコキシシランまたは置換アシルオキシシランの完全加水分解または部分加水分解反応生成物を含む。国際公開第02/16477号パンフレットは、電子デバイスの製造においてハードマスクとして有用に用いられるオルガノシリケート組成物を教示している。より具体的にはこの組成物は、
(a)ケイ素原子に結合し、かつ、エチレン系不飽和を含有する少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランと、
(b)ケイ素原子に結合し、かつ、芳香環を含有する少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランと、
(c)場合によりケイ素原子に結合している、C〜Cアルキルである少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランとを含む。酸触媒、例えば塩化水素酸が硬化特性を高めるために含まれ得るであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
不都合なことに、前述の組成物は高温時を例外として硬化できない。これは、加熱炉または同等の装置を用いる加熱工程の使用を必要とする。酸触媒が調合物中に含まれている場合、生じた組成物は限定された「貯蔵寿命」または「可使時間」を有する。こういう理由で、材料は、その耐用年数を引き延ばし、かつ、塗布フィルムでの欠陥および所望の薄膜厚さの達成困難につながり得る粒子およびゲルの形成を回避するために低温(20℃未満)で一般に保持されなければならない。この冷蔵要件は輸送、貯蔵、塗布、およびその後の使用で困難を課す。
【0008】
改善された貯蔵および使用特性を有する調合物が利用可能であればそれは望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
(a)ケイ素原子に結合し、かつ、エチレン系不飽和を含有する少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランと、
(b)ケイ素原子に結合し、かつ、芳香環を含有する少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランと、
(c)潜在性酸触媒と、
(d)場合によりケイ素原子に結合した少なくとも1つのC〜Cアルキル基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランと
を含む改善された硬化性オルガノシリケート組成物が提供される。
【0010】
前述の組成物は、マイクロ電子デバイスでハードマスク、埋込みエッチストップ、反射防止層、接着促進層、CMPストップ、または他の層もしくはそれらの組合せを形成するために先行の国際公開第02/16477号パンフレットに開示された方法で使用される時に特に有効である。潜在性酸触媒のおかげで、組成物は、以前には時期尚早の硬化につながったであろう条件下で輸送されても、貯蔵されてもおよび塗布されてもよい。
【0011】
さらに本発明は、
基材を提供する工程と、
3.0未満の誘電率を有し、かつ、有機、無機またはハイブリッドポリマーを含む第1(誘電性)層を基材上に形成する工程と、
オルガノシリケート組成物を第1層一面に塗布する工程と、
オルガノシリケート組成物を加水分解して(硬化させて)オルガノシリケート樹脂を形成する工程と
を含む多層フィルム物品の形成方法であって、
オルガノシリケート組成物が本明細書で前にまたは後に開示されるような組成物であることを特徴とする方法を提供する。
【0012】
さらに、光活性化される潜在性酸発生触媒を利用することによって、パターン化されてもおよび選択的に除去されてもよい選択的なハードマスク組成物が提供される。このように、本発明はさらに、
基材を提供する工程と、
3.0未満の誘電率を有し、かつ、有機、無機またはハイブリッドポリマーを含む第1層を基材上に形成する工程と、
光活性化される潜在性酸触媒を含むオルガノシリケート樹脂を含む1つもしくはそれ以上の層を第1層一面に塗布する工程と、
オルガノシリケート樹脂層を光パターンに選択的に露光させる工程と、
オルガノシリケート樹脂の露光されたまたは露光されなかった部分の少なくとも幾つかを除去して第1層の少なくとも一部分を現出させる工程と、
場合により、第1層の現出した部分の幾つかまたはすべてを除去する工程と
を含む電子デバイスでの1つもしくはそれ以上の層の形成方法を提供する。
【0013】
本発明のその上さらなる実施形態によれば、低誘電率の有機、無機またはハイブリッドポリマーの第2層がオルガノシリケート層一面に塗布されてもよい。この構造で、オルガノシリケート層は、二重ダマスク模様回路形成法で溝の深さを正確に制御するための埋込みエッチストップとしての役割を果たす。埋込みエッチストップは、光活性化される潜在性酸触媒を含んでもよく、フォトリソグラフィーによってパターン化されてもよく、ここで、バイアスは第1有機ポリマー誘電性層に浸透する。埋込みエッチストップ層のエッチングは、選択される統合スキームのタイプに依存して第2有機、無機またはハイブリッドポリマー層のコーティングの前または後に起こってもよい。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態によれば、本発明による組成物の1つもしくはそれ以上がプリント回路または他の電子デバイスの製造中に1つもしくはそれ以上のその後の露光および/または硬化工程の間ずっと反射されるまたは散乱される光、特にUV光を吸収するという目的のために提供される。かかる反射防止層は、紫外光の透過のために、空気以外の流体、特に水を用いる液浸リソグラフィー法で使用される時に特に有益である。かかる方法は、増加した光散乱を生み出しおよび/または入射角を変え、それによってより大きいUV光吸収の必要性を増加させることができる。特に望ましい実施形態では、それぞれが光吸収特性の点でわずかに異なる本発明組成物(ポリマーの芳香族基含有率の調節によって得ることができる)の多層、好ましくは2、3または4層が、複合構造に最大のUV吸収特性を与えるために堆積され、硬化させられ得る。
【0015】
より具体的には、本発明は、
基材を提供する工程と、
基材の少なくとも一部の上にまたは前記基材一面に塗布された1つもしくはそれ以上の中間層一面にオルガノシリケート組成物を層で塗布する工程と、
オルガノシリケート組成物を加水分解して(硬化させて)オルガノシリケート樹脂を形成する工程と
を含む基材上への反射防止コーティングの形成方法であって、
オルガノシリケート組成物が本明細書で前にまたは後に開示されるような組成物であることを特徴とする方法を提供する。
【0016】
本発明のその上さらなる実施形態では、本発明による1つもしくはそれ以上の層は、マルチプル能力、例えばハードマスク、エッチストップ、反射防止層、接着促進層、化学/機械研磨(CMP)ストップ層またはそれらの組合せで機能するかもしれない。特に好ましい実施形態は、本発明組成物が反射防止層およびエッチストップ層の両方として役立つものである。
【0017】
本発明はまた、電子デバイス、例えば集積回路、または同じものを含み、トランジスターと、3.0未満の誘電率を有し、かつ、有機、無機またはハイブリッドポリマーを含む層または領域によって少なくとも部分的に分離されたあるパターンの金属ラインを含有する電気的相互接続構造体とを含有する基材を含む物品であって、本明細書で前にまたは後に開示されるようなオルガノシリケート組成物の1つもしくはそれ以上の層をさらに含む物品である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
元素の周期表へのすべての言及は、本明細書ではCRCプレス社(CRC Press,Inc)によって、2003年に出版され、著作権のある「元素の周期表」(Periodic Table of the Elements)を参照するものとする。また、「族」へのいかなる言及も、族に番号をつけるための国際純正応用化学連合(IUPAC)システムを用いるこの「元素の周期表」に反映されている「族」についてであるものとする。米国特許実務の目的のために、いかなる特許、特許出願、または本明細書で参照される出版物の内容も、合成技術、原材料、および当該技術での一般知識の開示に関して特にその全体が参照により本明細書によって援用される(またはその同等の米国バージョンが参照によりそのように援用される)。
【0019】
本明細書で出現する場合、用語「含む(comprising)」およびその派生語は、同じものが本明細書に開示されていても開示されていなくても、いかなる追加の成分、工程または手順の存在も排除することを意図されない。いかなる疑念をも回避するために、用語「含む(comprising)」の使用によって本明細書で特許請求されるすべての組成物は、それと反対に記載されない限り、任意の追加の添加剤、補助剤、または化合物を含んでもよい。対照的に、用語「本質的に〜よりなる(consisting essentially of)」は、本明細書に出現する場合、実現性に本質的でないものを除いて、任意の他の成分、工程または手順を任意の後続する列挙の範囲から排除する。用語「〜よりなる(consisting of)」は、用いられる場合、具体的に描写されないまたはリストされない任意の成分、工程または手順を排除する。用語「または(or)」は、特に明記しない限り、任意の組合せでだけでなく個別にリストされたメンバーについて言及する。
【0020】
用語「アルキリデン」は、分子の残りへの両結合が同じ炭素上にある2価の脂肪族炭化水素基を意味する。用語「アルキレン」は、分子の残りへの結合が異なる炭素上にある式−(C2n)−に相当する2価基を意味する。用語「アリール」は、モリソンおよびボイド(Morrison and Boyd)著、「有機化学(Organic Chemistry)」、第3版、1973年に記載されているように、(4n+2)(ここで、nは整数である)個の電子を含有するとして定義される「芳香族」基を意味する。用語「アリーレン」は2価の芳香族基を意味する。「アシル」は−C(O)R構造を有する基を意味する(例えば、Cアシルは−C(O)CHであろう)。「アシルオキシ」は−OC(O)R構造を有する基を意味する。
【0021】
アルコキシまたはアシルオキシシランの加水分解は、加水分解されていない、部分加水分解された、完全加水分解されたおよびオリゴマー化したアルコキシシランまたはアシルオキシシランの混合物を生み出す。オリゴマー化は、加水分解されたまたは部分加水分解されたアルコキシシランまたはアシルオキシシランが別のアルコキシシランまたはアシルオキシシランと反応して水、アルコールまたは酸およびSi−O−Si結合を生み出す時に起こる。本明細書で用いるところでは、用語「加水分解されたアルコキシシラン」または「加水分解されたアシルオキシシラン」は、オリゴマー化生成物だけでなく、任意のレベルの、部分的なまたは完全な、加水分解を包含する。
【0022】
本明細書での使用のためのエチレン系不飽和を含有する少なくとも1つの基を有する好ましいアルコキシまたはアシルオキシシランは、式
【化1】

(式中、RはC〜Cアルキリデン、C〜Cアルキレン、アリーレン、または直接結合であり;YはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C〜C20アリール、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチルアミノ、3−アミノ、−SiZOX、または−OXであり;Xは独立して、各出現で、C〜CアルキルまたはC〜Cアシルであり;ZはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜20アリール、または−OXであるが、ただし、Y、ZまたはXの少なくとも1つはエチレン系不飽和である)
に相当する。
【0023】
本明細書での使用のための少なくとも1つの芳香族基を有する好ましいアルコキシまたはアシルオキシシランは、式
【化2】

(式中、RはC〜Cアルキリデン、C〜Cアルキレン、アリーレン、または直接結合であり;YはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C〜C20アリール、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチルアミノ、3−アミノ、−SiZOX、または−OXであり;Xは独立して、各出現で、C〜CアルキルまたはC〜Cアシルであり;ZはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜20アリール、または−OXであるが、ただし、Y、ZまたはXの少なくとも1つは芳香環を含む)
に相当する。
【0024】
シランは、アルコキシシラン、アシルオキシシラン、トリアルコキシシラン、トリアセトキシシラン、ジアルコキシシラン、ジアセトキシシラン、テトラアルコキシシランまたはテトラアセトキシシランであってもよい。ケイ素原子に直接結合した有機基の幾つかの例には、メチル、エチル、フェニル、アントラセニル、エタクリルオキシプロピル、アミノプロピル、3−アミノエチルアミノプロピル、ビニル、ベンジル、ビシクロヘプテニル、シクロヘキセニルエチル、シクロヘキシル、シクロペンタジエニル、7−オクタ−1−エニル、フェネチル、アリルおよびアセトキシが挙げられる。
【0025】
ケイ素原子に直接結合したまたはケイ素原子に直接結合している基中の芳香族置換基は、生じた組成物におよびそれからできたフィルムにUV吸光特性を与えるために非常に望ましい。かかるフィルムは、望ましくない光散乱および入射光の反射が、特に液浸リソグラフィ法で減らされるようにかかるUV吸光特性のおかげで反射防止特性を有する。かかる散乱および反射は、ライン変動または拡散および他の成分の望ましくないまたは時期尚早の硬化につながり得る。UV吸収置換基は本発明組成物中に一様に組み入れられるので、UV光のより一様な吸光は別々に添加される染料の添加なしに達成される。さらに、ポリマーそれ自体にUV吸収部分を組み入れることによって、不満足に組み入れられた添加剤によるフィルム特性の損失は回避される。その結果として、本発明の組成物は、改善された相分離、平坦化、ギャップ充填、化学的除去、および接着特性を有する。
【0026】
より特に、フェニル置換基は、おおよそ193nmの光を用いる硬化または画像形成工程に改善されたUV吸光特性を提供する。アントラセニル置換基は、おおよそ248nmの光を用いる用途での使用に特に望ましい。ポリマー中のかかる芳香族置換基の量およびタイプは、比較的小さい増分だけ調節して各層にわずかに異なるUV吸光度を有するかかるフィルムの多層を提供することができる。隣接する樹脂層中の0.1〜10モルパーセント、好ましくは0.1〜1.0モルパーセントの芳香族含有率に基づく差は、生じた多層の改善されたUV吸光特性をもたらす。
【0027】
反射防止コーティングを、吸収および/または相殺的干渉によってフォトリソグラフィー工程の間ずっと反射される非画像形成光の量を最小にするためにフォトレジストの層の上面上に(TARC)または直接真下に(BARC)用いることができる。非画像形成光反射の最小化は、生じるフォトレジストのライン幅変動に改善(最小化)をもたらすことができる。
【0028】
多層BARCの使用は、液浸リソグラフィ法で高いNA(>0.85)光の全反射率を最小にするために特に有用である。さらに、異なる硬化メカニズムによる多層TARCまたはBARCフィルムの形成はこの用途に特に好適であるかもしれない。このように、比較的低い使用温度で有効である熱酸発生剤(TAG)の使用、引き続きより高温TAGで活性化される1つもしくはそれ以上の追加ARC層の加工によって第1層を形成することは本技術により可能である。別の実施形態では、第1ARC層はTAGで活性化され、第2もしくはそれに続くARC層は光酸発生剤(PAG)で活性化されてもよいし、または逆もまた同様である。このように、あるパターンを様々な層上に押し付けることができるし、または光学的特性、エッチング選択性、CMP除去速度の差、または他の物理的もしくは化学的性質差を示すマルチプルARC層を製造することができる。最終工程として、光への全面露光を、全体フィルム、表面フィルムのみ、1つもしくはそれ以上の中間フィルム層、あるいはまた多層ARCの上面層上に押し付けられたパターンを硬化させるために用いることができる。
【0029】
反射防止コーティング層および電子デバイスでのそれらの組み入れ技術は次の参考文献に開示されている:クンツ、アール.アール.(Kunz R. R.)ら著、「単層193nmリソグラフィのための反射防止コーティングの材料評価(Materials evaluation of antireflective coatings for single layer 193 nm lithography)」、SPIE、(1994)、2195、447−460ページ;「反射防止コーティング、界面のストーリー(Anti-reflective Coatings, a Story of Interfaces)」、Semiconductor International、(1999)、55−60ページ;リン(Lin)ら著、「0.25umDUVハードマスク用途向けの二重層無機SiONボトムARC(Dual layer Inorganic SiON Bottom ARC for 0.25um DUV Hard Mask Applications)」、SPIE、(2000)、246;「反射防止コーティング;理論および実践(Anti-reflective Coatings; Theory and Practice)」、SPIE、(2004)、118。
【0030】
(a)50〜95モルパーセントの次式
【化3】

(式中、RはC〜Cアルキリデン、C〜Cアルキレン、アリーレン、または直接結合であり;YはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C〜C20アリール、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチルアミノ、3−アミノ、−SiZOX、または−OXであり;Xは独立して、各出現で、C〜CアルキルまたはC〜Cアシルであり;ZはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜20アリール、または−OXであるが、ただし、Y、ZまたはXの少なくとも1つはエチレン系不飽和である)
のシランと、
(b)5〜40モルパーセントの
【化4】

(式中、RはC〜Cアルキリデン、C〜Cアルキレン、アリーレン、または直接結合であり;YはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C〜C20アリール、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチルアミノ、3−アミノ、−SiZOX、または−OXであり;Xは独立して、各出現で、C〜CアルキルまたはC〜Cアシルであり;ZはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜20アリール、または−OXであるが、ただし、Y、ZまたはXの少なくとも1つは芳香環を含む)と、
(c)潜在性酸触媒と、
(d)0〜45モルパーセントの
【化5】

(式中、RはC〜Cアルキリデン、C〜Cアルキレン、アリーレン、または直接結合であり;YはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C〜C20アリール、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチルアミノ、3−アミノ、−SiZOX、または−OXであり;Xは独立して、各出現で、C〜CアルキルまたはC〜Cアシルであり;ZはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜20アリール、または−OXであるが、ただし、ZまたはR〜Yの組合せの少なくとも1つはC〜Cアルキル基を含む)と
を含む混合物の加水分解されたまたは部分加水分解された生成物であって、
前記モルパーセントが存在するシラン(a)、(b)および(d)の全モルを基準にしている生成物が特に好ましい。
【0031】
加水分解されたオルガノシラン組成物の製造は、所望の特性、例えば分子量、ポリマー構造(例えば、ブロック共重合体およびランダム共重合体)の制御を与えるために調節することができる。オルガノシランの組合せが使用され、オルガノシランの1つが他より著しく反応性である場合、より反応性の化学種を加水分解反応の間ずっと連続的に加えることが好ましい。これは、両タイプのシランの残基が生じたオリゴマーまたはポリマーの全体にわたってより一様に分配されることを確実にする。添加の速度は、生じたポリマー中のシラン残基の所望の混合物を提供するために調節される。本明細書で用いるところでは、「連続的に加える」は、反応性シランの装入が1度に加えられるのではなく、少なくとも幾つかのおおよそ一様な部分で、またはより好ましくは反応の全体にわたって一様に加えられることを意味する。
【0032】
用語「潜在性酸触媒(LAC)」は、好適な反応条件に曝されると分解し、それによって本発明硬化工程を開始するまたは触媒することができる酸を発生させる化合物を意味する。好ましくは、LACは、本発明の組成物またはその用途および使用に必要な任意の調合物中に存在する時には比較的安定である。用語「比較的安定な」とは、シラン化合物の分子量に10パーセント未満、より好ましくは5パーセント未満増加が25℃までの温度への組成物の露光の1ヶ月後に、より好ましくは6ヶ月後に生じることを意味する。
【0033】
好適な潜在性酸触媒は、熱または光に露光すると酸を発生させる物質である。かかる組成物は本明細書では熱酸発生剤(TAG)または光酸発生剤(PAG)と言われる。2つ以上の熱酸発生剤の混合物のような、1タイプの2つ以上の触媒の混合物、または熱酸発生剤および光酸発生剤のような、異なるタイプの触媒の混合物が本発明で有利に使用されるかもしれない。
【0034】
使用される潜在性酸触媒の量は、反応を触媒する任意の量であり、典型的には組成物中のシランモノマーの重量を基準にして0.1〜25重量パーセントの量である。触媒は0.5〜15重量パーセントの範囲の、より好ましくは1〜12重量パーセントの範囲の量で存在することが好ましい。
【0035】
本発明で有用な熱酸発生剤は、典型的には25〜220℃の範囲の温度で加熱すると酸を発生させる任意の化合物である。熱酸発生剤の存在のおかげで、本発明の組成物は、酸触媒を欠く調合物と比べて低下した硬化温度および時間で容易に硬化する。本発明で有用な、好適な熱酸発生剤には、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン;有機スルホン酸およびフッ素化スルホン酸、例えばジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、トリフルオロメチルスルホン酸(トリフリック酸)、およびp−トルエンスルホン酸;有機スルホン酸のアルキルエステル、例えばベンゾイントシレート、フェニルトリフレート、および2−ニトロベンジルトシレート;ベンジリックハロゲン化芳香族化合物、モノー、およびジーアルキルアシッドホスフェート、モノーおよびジ−フェニルアシッドホスフェート、アルキルフェニルアシッドホスフェート、ならびにそれらの組合せが含まれるが、それらに限定されない。ブロックされた熱酸発生剤、すなわち、酸エステル、例えばブロックされたスルホン酸エステル、ブロックされたフッ素化スルホン酸エステル、およびブロックされたホスホン酸エステルが好ましい。かかる熱酸発生剤は当該技術で周知であり、一般に商業的に入手可能であり、ナキュア(NACURE)TMまたはケイ−ピュア(K-Pure)TMブランド・ブロック酸発生剤のように、キング・インダストリー、コネチカット州ノルウォーク(King Industries, Norwalk, Connecticut)から入手可能である。
【0036】
本発明で有用な光酸発生剤は、典型的には190〜420ナノメートルの波長で、光に露光すると酸を発生させる任意の化合物であるが、他の波長も同様に好適であるかもしれない。PAGを含む本発明による組成物は、オルガノシリケート層の選択的な硬化およびエッチングが望まれる使用に理想的に好適である。好適な光酸発生剤には、ハロゲン化トリアジン、オニウム塩、およびスルホン化エステルが含まれる。
【0037】
特に有用なハロゲン化トリアジンには、ハロメチル−s−トリアジンが含まれる。好適なハロゲン化トリアジンには、例えば、2−[1−(3,4−ベンゾジオキソリル)]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,2,5−トリアジン、2−[1−(2,3−ベンゾジオキソリル)]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[1−(3,4−ベンゾジオキソリル)]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[1−(2,3−ベンゾジオキソリル)]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−フルフリルエチリデン)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4,5−ジメチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4,5−ジメトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(2−フルフリルエチリデン)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メチルフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4,5−ジメトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3−メトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(4,5−ジメトキシフリル)エチリデン]−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス−(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシ−1−ナフチル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3−クロロ−1−フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジンが含まれる。本発明で有用な他のトリアジン型光酸発生剤は、米国特許第5,366,846号明細書に開示されている。
【0038】
s−トリアジン化合物はある種のメチル−ハロメチル−s−トリアジンとある種のアルデヒドまたはアルデヒド誘導体との縮合反応生成物である。かかるs−トリアジン化合物は、米国特許第3,954,475号明細書およびワカバヤシ(Wakabayashi)ら、Bulletin of the Chemical Society of Japan、42(1969)、2924−30ページに開示された手順に従って製造されてもよい。
【0039】
弱求核性アニオンとのオニウム塩は本発明で光酸発生剤としての使用に特に好適である。かかるアニオンの例は、2価から7価の金属または非金属、例えば、アンチモン、錫、鉄、ビスマス、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スカンジウム、クロム、ハフニウム、銅、ホウ素、リンおよびヒ素のハロゲン錯体アニオンである。好適なオニウム塩の例には、ジアリール−ジアゾニウム塩および周期表の1、2、5、12、15または16族の金属またはメタロイドのオニウム塩、例えば、ハロニウム塩、第四級アンモニウム、ホスホニウムおよびアルソニウム塩、芳香族スルホニウム塩およびスルホキソニウム塩またはセレニウム塩が挙げられるが、それらに限定されない。好適なオニウム塩の例は、米国特許第4,442,197号明細書、同第4,603,101号明細書、および同第4,624,912号明細書に開示されている。
【0040】
最後に述べられたオニウム塩の例には、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、およびピリジニウム塩が挙げられる。その具体例には、ジフェニルヨードニウム−トリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−トリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムn−ドデシルベンゼンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)−ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)−ヨードニウム−ナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロ−アンチモネート、トリフェニルスルホニウム−ナフタレンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−10−カンファースルホネート、4−ヒドロキシフェニルフェニル−メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、シクロヘキシル−2−オキソシクロヘキシル−メチルスルホニウムトリフルオロメタン−スルホネート、ジシクロヘキシル−2−オキソシクロヘキシルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシフェニル−ベンジル−メチルスルホニウムp−トルエンスルホネート、1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロ−メタンスルホネート、1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロ−メタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−シアノ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ニトロ−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−メチル−1−ナフチルジエチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウム−トリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウム−トリフルオロメタンスルホネート、4−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシ−1−ナフチルテトラヒドロ−チオフェニウムトリフルオロ−メタンスルホネート、4−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、4−メトキシ−メトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシメトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウム−トリフルオロメタンスルホネート、4−(1’−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ−メタンスルホネート、4−(2’−メトキシエトキシ)−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ−メタンスルホネート、4−メトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−エトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−プロポキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウム−トリフルオロメタンスルホネート、4−i−プロポキシカルボニル−オキシ−1−ナフチル−テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−n−ブトキシ−カルボニルオキシ−1−ナフチル−テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−t−ブトキシカルボニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロ−チオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2’−テトラヒドロ−フラニルオキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタン−スルホネート、4−(2’−テトラヒドロピラニルオキシ)−1−ナフチル−テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロ−メタンスルホネート、4−ベンジルオキシ−1−ナフチル−テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタン−スルホネート、および1−(1’−ナフチルアセトメチル)−テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートが含まれる。
【0041】
本発明で光酸発生剤として有用なスルホン化エステルには、スルホニルオキシケトンが含まれる。好適なスルホン化エステルには、ベンゾイントシレート、t−ブチルフェニルアルファ−(p−トルエンスルホニルオキシ)−アセテート、およびt−ブチルアルファ−(p−トルエンスルホニルオキシ)−アセテートが挙げられるが、それらに限定されない。かかるスルホン化エステルは、Journal of Photopolymer Science and Technology、Vol.4,No.3,337−340(1991)に開示されている。
【0042】
追加の好適な光酸発生剤には、スルホン酸誘導体、例えばアルキルスルホネートエステル、アルキルスルホン酸イミド、ハロアルキルスルホネートエステル、アリールスルホネートエステル、およびイミノスルホネートが含まれる。スルホン酸誘導体の好ましい実施形態には、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ−[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタン−スルホネート、および1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネートが含まれる。
【0043】
特に好ましいスルホン酸誘導体光酸発生剤には、ジフェニルヨードニウムトリ−フルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム−トリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリ−フルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート、シクロヘキシル2−オキソシクロヘキシルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル2−オキソシクロヘキシルスルホニウム−トリフルオロメタンスルホネート、2−オキソシクロヘキシル−ジメチル−スルホニウムトリフルオロメタン−スルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1−(1−ナフチルアセトメチル)−テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボジイミド、N−ヒドロキシ−スクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート、および1,8−ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネートが含まれる。
【0044】
追加の好適な光酸発生剤には、例えば、フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−メトキシ−フェニルビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、および1−ナフチルビス−(トリクロロメチル)−s−トリアジンのような(トリクロロメチル)−s−トリアジン誘導体、1,1−ビス(4’−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタンをはじめとするハロアルキル基含有炭化水素化合物およびハロアルキル基含有複素環化合物が含まれる。
【0045】
追加の好適な光酸発生剤には、ジアゾケトン化合物、例えば、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物およびジアゾナフトキノン化合物が含まれる。ジアゾケトンの好ましい実施形態には、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホリルクロリド、1,2−ナフト−キノンジアジド−5−スルホリルクロリド;2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2−ナフトキノン−ジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;および1,1,1−トリス−(4’−ヒドロキシフェニル)エタンの1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルまたは1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルが含まれる。
【0046】
追加の好適な光酸発生剤には、スルホン化合物、例えば、ベータ−ケトスルホン、ベータ−スルホニルスルホン、およびそれらの化合物のアルファ−ジアゾ−誘導体が含まれる。スルホン化合物の好ましい実施形態として、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、およびビス(フェニルスルホニル)メタンが言及されてもよい。
【0047】
好ましいPAGの例には、米国特許第4,731,605号明細書に開示されているような、(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド(「MDT」)、オニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩およびN−ヒドロキシアミドまたは−イミドのスルホン酸塩が挙げられる。また、有機酸活性化剤を生み出すPAG、例えばN−ヒドロキシナフタルイミドのドデカンスルホネート(「DDSN」)も同様に使用されてもよい。
【0048】
本発明のオルガノシリケート組成物は、好ましくは液浸リソグラフィ法で、1つもしくはそれ以上の層として好適に塗布され、多層組成物の2、3または4層は、ダマスク模様または二重ダマスク模様法でのように、場合により1つもしくはそれ以上の層の部分エッチングで形成される。非常に望ましくは、オルガノシリケート組成物はハードマスクまたはエッチストップとして絶縁材料の第1層一面に堆積され、好ましくは有機ポリマーの層は低い誘電率を有する。
【0049】
本明細書で用いるところでは、「有機ポリマー」は、ポリマー鎖のその主鎖中に主として炭素を有するポリマーを意味するが、ヘテロ原子、例えば酸素(例えば、ポリアリーレンエーテル)または窒素、例えば「薄膜マリチチップ・モジュール(Thin Film Multichip Modules)」、104−122ページ、国際ハイブリッド・マイクロエレクトロニクス協会、パブ.(International Society for Hybrid Microelectronics)、1992年に記載されているようなポリイミドを含んでもよい。有機ポリマーは少数のケイ素原子を主鎖中に含有してもよいが、より好ましくは、主鎖中にケイ素なしまたは本質的になしである。
【0050】
有機ケイ酸塩ガラス(OSG)および炭素ドープオキシド(CDO)は両方とも、プラズマ−増強−化学蒸着(PE-CVD)と一般に言われる技術によって低圧(真空)ベースの蒸着室中で製造される。これらの材料は、トリメチルシランのようなガス状反応体と酸素または他の酸化剤とから製造され、材料を解離させ、かつ、中間化学種の反応を可能にして低い蒸着温度で進行するためのエネルギー源としてプラズマを必要とする。
【0051】
誘電性層は、前に添加された造孔剤(poragen)の除去によって形成された細孔を含有してもよい。生じた細孔は材料の誘電率をさらに下げるのに役立つかもしれない。層はまた、接着促進剤(Si含有接着促進剤をはじめとする)、コーティング助剤、および/または細孔を形成した後に残された残留材料を含有してもよい。第1層に見いだされるかかる追加の成分の量は、好ましくは比較的小さく、例えば、10重量パーセント未満、好ましくは1重量パーセント未満、最も好ましくは0.1重量パーセント未満である。
【0052】
好ましくは、誘電性層は、多孔性か非多孔性かどちらかのポリアリーレンポリマーである。ポリアリーレンの例には、米国特許第5,965,679号明細書に開示されているような芳香族シクロペンタジエノンと芳香族アセチレン化合物との環形成反応生成物、欧州特許(EP)−B−755 957号明細書に記載されているようなポリ(アリーレンエーテル)、ならびにエヌ.エッチ.ヘンドリックス(N.H.Hendricks)およびケイ.エス.ワイ.リウ(K.S.Y.Liu)著、ポリマー製造(Polym.Prepr.)(米国化学会ポリマー化学部門(Am.Chem.Soc.,Div.Polym.Chem.))、1996、37(1)、150−1ページ、また、ジェー.エス.ドレイジ(J.S.Drage)ら著、Material Res.Soc.Symp.Proc.、Volume.476(1997)(低誘電率材料III(Low Dielectric Constant Materials III))、121−128ページに開示されているような他の樹脂、ならびに米国特許第5,115,082号明細書、同第5,155,175号明細書、同第5,179,188号明細書および同第5,874,516号明細書に、および国際公開第91/09081号パンフレット、同第97/01593号パンフレットおよび欧州特許(EP)−B−755,957号明細書に記載されているものが挙げられる。追加の好適なポリマー層には、国際公開第97/10193号パンフレットに開示されているような、架橋ポリフェニレンが含まれる。
【0053】
最も好ましくは、第1層は、一般式
[A][B][EG]
のオリゴマーの硬化したまたは架橋した生成物である多孔性または非多孔性ポリアリーレンポリマーであり、
ここで、Aは構造:
【化6】

を有し、
Bは構造:
【化7】

を有し
ここで、EGは、構造:
【化8】

の1つもしくはそれ以上を有する末端基であり、
式中、RおよびRは独立してHまたは非置換または不活性置換芳香族部分であり、Arは独立して各出現で単環もしくは多環式芳香族基またはそれらの不活性置換誘導体であり、Mは結合であり、yは3以上の整数であり、pは所与のマー(mer)単位中の未反応アセチレン基の数であり、rは所与のマー単位中の反応したアセチレン基の数より1少なく、そしてp+r=y−1であり、zは1〜1000の整数であり、wは0〜1000の整数であり、vは2以上の整数である。
【0054】
かかるオリゴマーおよびポリマーは、ビスシクロペンタジエノンと、3つ以上のアセチレン部分を含有する芳香族アセチレンと、場合により、2つの芳香族アセチレン部分を含有する多官能性化合物とを反応させることによって製造することができる。かかる反応は、式
(a)式:
【化9】

のビスシクロペンタジエノンと、
(b)式:
【化10】

の多官能性アセチレンと、
(c)場合により、式:
【化11】

のジアセチレンと
の化合物の反応によって表されてもよく、
式中、R、R、Ar、およびyは前に定義された通りである。
【0055】
芳香族部分の定義には、フェニル、多環芳香族および縮合芳香族部分が含まれる。「不活性置換」は、置換基がシクロペンタジエノンおよびアセチレン重合反応に対して本質的に不活性であり、マイクロ電子デバイスでの硬化ポリマーの使用の条件下で環境化学種、例えば水と容易には反応しない置換基を意味する。かかる置換基には、例えば、F、Cl、Br、−CF、−OCH、−OCF、−O−Phおよび1〜8個の炭素原子のアルキル、3〜8個の炭素原子のシクロアルキルが含まれる。例えば、非置換または不活性置換芳香族部分であり得る部分には、
【化12】

(式中、Z’は、共有結合、−O−、−S−、アルキレン、−CF−、−CH−、−O−CF−、パーフルオロアルキレン、パーフルオロアルキレンオキシである)
【化13】

(式中、各Rは独立して−H、−CH、−CHCH、−(CHCH、またはPhであり、Phはフェニルである)
が含まれる。
【0056】
第2の好ましいクラスの有機ポリマーは式
【化14】

(式中、各ArおよびZ’は前に定義された通りであり、
各Rは独立して水素、アルキル、アリールまたは20個までの炭素を有する不活性置換アルキルもしくはアリール基であり、
nおよびmは少なくとも2の整数であり、および
qは少なくとも1の整数であり、
かつ、式中芳香環の少なくとも1つ上のエチニリック基の少なくとも2つが互いにオルトである)
の化合物の反応生成物である。
【0057】
好ましくは、これらのポリマーは、式:
【化15】

(式中、RおよびZ’は前に定義された通りである)
の繰り返し単位を有する。
【0058】
基材は好ましくは、半導体材料、例えばシリコンウェハ、シリコン−オン−絶縁体、またはガリウムヒ素を好ましくは含む電気活性な基材である。好ましくは、基材にはトランジスターが含まれる。基材は、金属相互連結および/または電気絶縁材料の早期塗布層を含んでもよい。これらの電気絶縁材料はまた、上で議論されたような有機−、無機−またはハブリッドポリマーであってもよく、他の公知の誘電体、例えば酸化ケイ素、フッ素化酸化ケイ素、窒化ケイ素、およびシルセスキオキサンであり得る。早期塗布金属相互連結は隆起した形体を有してもよく、そのケースでは有機ポリマーまたはその前駆体はこれらの形体間のギャップを埋めることができなければならない。
【0059】
有機ポリマー誘電体は、所望の厚さを達成することができる任意の公知方法によって基材に塗布される。好ましくは、有機ポリマーの未硬化ポリマーまたはオリゴマーは、500〜5000rpmの回転速度で溶剤系からスピンコートされる。有機ポリマー層の厚さは、好ましくは5000nm未満、より好ましくは50〜2000nmである。好適な溶剤には、メシチレン、ピリジン、トリエチルアミン、N−メチルピロリジノン(NMP)、メチルベンゾエート、ブチルベンゾエート、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、シクロヘキシルピロリジノン、およびエーテルまたはヒドロキシエーテル、例えばジベンジルエーテル、ジグリム、トリグリム、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル;トルエン、キシレン、ベンゼン、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジクロロベンゼン、プロピレンカーボネート、ナフタレン、ジフェニルエーテル、ブチロラクトン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドならびにそれらの混合物が含まれる。
【0060】
残存液体は次にコーティングから除去され、オリゴマー、または未硬化ポリマーは好ましくは加熱によって硬化させられる。好ましくは、初期加熱工程は、大気で窒素下にホットプレート上で起こり、引き続きホットプレート上でまたは加熱炉中で第2高温硬化が起こる。米国特許第5,965,679号明細書に開示されている、好ましいポリアリーレンのための硬化温度は、0.1〜60分間で、50℃〜600℃、より好ましくは100〜450℃の範囲にある。多孔性第1層の製造において、例えば、国際公開第00/31183号パンフレットに開示されているように、特別の工程が造孔剤を焼き尽くすまたは他のやり方で除去するために提供されることが必要であるかもしれない。
【0061】
第1層を塗布(塗布工程は残存溶剤を除去するためのベーク工程を含んでもよい)および、場合により、硬化させた後に、本発明のオルガノシリケート組成物が塗布される。任意の公知のコーティング方法、例えばモノマーの蒸着、スピンコーティング、ディップコーティング、およびスプレーコーティングが用いられてもよい。しかしながら、オリゴマー単独のもしくは溶液での、または低分子量ポリマー溶液のスピンコーティングが好ましい。硬化したオルガノシリケート層の厚さは、用途または使用に依存して一般に1〜500nmである。例えば、接着促進層は1〜20、好ましくは3〜15、最も好ましくは5〜10nmの平均厚さを典型的には有する。エッチストップ層は10〜200、好ましくは30〜150、最も好ましくは50〜100nmの平均厚さを典型的には有する。反射防止層は10〜500、好ましくは15〜400、最も好ましくは50〜200nmの平均厚さを典型的には有する。反射防止コーティングの多層は、個別に前述の平均厚さ限度内に入る。
【0062】
オルガノシリケート層の硬化は好ましくは50〜500℃、より好ましくは100〜400℃の温度で0.1〜60分の時間行われる。用いられる正確な温度および時間は、選択されたオルガノシリケート材料に依存する。
【0063】
必要ならば、フォトレジストが硬化前にオルガノシリケート材料一面に塗布されてもよい。フォトレジストは従来法によって画像形成され、現像されてフォトレジストの一部を除去し、ハードマスク上にパターンを露出させる。オルガノシリケート・ハードマスクは次に今度はエッチングされて第1層誘電体の一部を露出させる。オルガノシリケート・ハードマスクのエッチングは、マイケル・コーラー(Michael Kohler)著、「マイクロシステムにおけるエッチング(Etching in Microsystems)」、ウィリー(Wiley)−VCHに記載されているような様々な方法、例えば湿式エッチング(例えば、電気化学的、光電気化学的、もしくはオープン回路エッチング)または乾式エッチング(例えば、蒸気、プラズマ、レーザー−、電子−、もしくはイオン−ビーム)技術によって起こってもよい。フォトレジストはエッチング中にまたは別個の除去工程で除去されてもよい。第1誘電性層の露出部分が次に乾式または湿式エッチングのような方法によってエッチングされて溝、ビアまたは他の所望の形体を形成してもよい。必要ならば、第2有機ポリマー層が次にパターン化オルガノシリケート層一面に塗布され、硬化させられてもよい。任意のタイプの、しかし好ましくは再びオルガノシリケートの第2ハードマスクが標準方法により第2有機ポリマー層一面に塗布され、パターン化されてもよい。有機ポリマーは次に埋込めハードマスクまたはエッチストップまで下へエッチングすることができ、そこではパターンは有機ポリマーの第1層を通って下に、埋込みハードマスク中に開かれていた。
【0064】
別の実施形態によれば、第1の有機、無機またはハブリッドポリマー誘電性層一面に塗布された後、オルガノシリケート材料は、好ましくは50〜500℃、より好ましくは100℃〜400℃の温度で0.1〜60分間硬化させられる。正確な温度は、選択されたオルガノシリケート材料に依存するであろう。誘電性材料の第2層が次に前述したコーティング方法の任意のものによって塗布され、誘電性層の完全または部分硬化が完了されてもよい。様々な二重ダマスク模様法を用い、溝の一様性、深さ、および/または形状を制御するためにエッチストップとして埋め込まれたオルガノシリケート層を使用して、溝およびビア構造体の両方を構築することができる。オルガノシリケート・ハードマスクはまた、第1層誘電体の一部を露出させるためにエッチングされてもよい。オルガノシリケート・ハードマスクのエッチングは、前述の湿式または乾式エッチング技術の任意のものによって起こってもよい。第1誘電性層の露出部分は次に同じ湿式または乾式エッチング技術によって再びエッチングされてビアまたは他の所望の形体を生み出してもよい。
【0065】
平坦化を高めるおよび/または表面層もしくは形体を除去するための化学機械研磨もまた、公知方法に従って用いられてもよい。フォトレジストおよび他の残存層を除去するためのクリーニング工程もまた公知であるように用いられてもよい。
【0066】
オルガノシリケート・ハードマスクそれ自体は低い誘電率を有するので、それは埋込みハードマスク、すなわち、物品から除去されず、むしろ同じもの一面に塗布された追加の相互連結/誘電性層を有するハードマスクとして都合よく使用されてもよい。あるいはまた、オルガノシリケート・ハードマスクは、任意の公知方法、例えば、酸素/溶剤処理、熱分解プラス溶剤クリーニングなどによって除去されてもよい。
【0067】
オルガノシリケート樹脂が有機ポリマー誘電体用のハードマスクとして使用されることを可能にする重要な一要因は、オルガノシリケート樹脂が有機ポリマー誘電体をエッチングするために使用される化学反応に比較的耐性があることである。この理由のために、有機ポリマー誘電性層が本明細書での使用に好ましい。エッチング選択性は、同じエッチング化学反応に曝された時に除去されたオルガノシリケートの厚さで割った除去された下にあるポリマーの厚さと定義することができる。本発明によれば、好ましくは少なくとも3、より好ましくは少なくとも5のエッチング選択性が達成される。加水分解されたシランについては、エッチング選択性はより高い−およそ10より大きい、好ましくは20より大きい−かもしれない。エッチング選択性は、ある種の処理、例えばフッ素化プラズマまたは光もしくは電子ビーム(e−ビーム放射線)での照射へのオルガノシリケート層の露光によってさらにもっと高めることができる。
【0068】
本発明の便益の幾つかは、幾つかの具体的な実施例の形で調べられた時により明らかになる。
【0069】
第1アプローチは非犠牲的な(すなわち、層は除去されず、むしろデバイスの永久的部分になる)オルガノシリケート層、例えばハードマスクを使用する。これは、低誘電率スピン−オン沈積層での気相蒸着層の置換を可能にする。標準パターン化技法が依然として用いられてもよい。デバイス性能の改善は、多層化誘電体積み重ねの総誘電率の低下によって得られる。本発明のスピンオン層の相対誘電率は、9〜3の相対誘電率を有する標準気相蒸着層に比べて、望ましくは3.2〜1.8、好ましくは3.0〜1.8である。スピン−オン誘電体はまた、おまけに使用の容易さおよびより低い装置コストのために望ましい。本発明の組成物によって改善された接着性は、造孔剤分解生成物に関してその次に塗布された層の浸透性の増加で多孔性誘電性層の効率的な形成を可能にする。
【0070】
第2アプローチは犠牲的な(すなわち、層が除去される)オルガノシリケート樹脂を使用する。標準パターン化技法もまた用いられてもよい。パターン化工程の後に、例えば、CFのようなフッ素または臭素含有化合物と共にプラズマを伴う専用加工工程が沈積層を少なくとも部分的に除去するために用いられる。この層の除去によって、最低可能誘電率が得られる。収率および信頼性の増加が、マルチレベル構成における界面の数の減少のおかげで得られる。
【0071】
第3アプローチは非犠牲的な、感光性オルガノシリケートを使用する。第1アプローチで言及された便益に加えて、収率の増加が加工−誘起欠陥の低下した確率のために予想される。また、フォトレジストおよびソフトマスクの必要性も減らされるかまたは排除される。
【0072】
第4アプローチは犠牲的な、感光性オルガノシリケートを使用する。第2アプローチで言及された便益は、加工−誘起欠陥の確率の低下とフォトレジストまたはソフトマスクの必要性の排除による加工の簡略化とによる収率の増加という追加便益付きで依然として適用される。
【0073】
第5アプローチは、前に説明されたような本発明の組成物の沈積および硬化による反射防止コーティングの形成を含む。
【0074】
第6アプローチは、前に説明されたような多層での本発明の組成物の沈着および硬化による、それぞれがUV吸収特性の点で異なる多フィルム層を有するかかる反射防止コーティングの形成を含む。
【0075】
本発明の方法についての追加の変形は、例示目的のためだけに提供される、かつ、本発明の範囲を限定することを意図されない次の実施例によって典型的に示される。特に明記されない限り、すべての部および百分率は重量を基準とする。
【実施例】
【0076】
実施例1
A)90/10モルパーセント・ビニル/フェニルオルガノシリケートの合成
250ml三つ口丸底フラスコを20℃水浴に入れ、空気モーターに連結された撹拌機、水ジャケット付き冷却器、温度調節器に連結された熱電対、および滴下漏斗を備え付ける。21.6グラム(1.2モル)の酸性水(3N酢酸)をフラスコに加える。53.3グラム(0.360モル)のビニルトリメトキシシランおよび7.94グラム(0.040モル)のフェニルトリメトキシシランをプレミックスし、滴下漏斗に加える。シランを45分にわたって反応器に滴下する。滴下が完了した後、水浴を取り去り、加熱マントルをフラスコの下方に置く。滴下漏斗を取り外し、ディーン−スターク・トラップおよび窒素スイープラインを取り付ける。溶液を100℃までゆっくり加熱する。加熱しながら、メタノールおよび酢酸をトラップに集める。反応が100℃に達した時に、100グラムのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加える。追加のメタノールを集めながら溶液を125℃までゆっくり加熱する。温度が125℃に達した時、トラップを取り外し、反応を125℃に3時間保持する。3時間後に、加熱を止め、75グラムのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、溶液を室温に達するまで混合する。シラン滴下後、100℃で、125℃でおよび工程の終わりまで30分毎にアリコートを採取する。分子量測定、分子量分布(PD)および溶解度結果は表1にある。
【0077】
【表1】

【0078】
B)UV硬化性調合物調製、硬化および溶解度試験
表1からのオルガノシリケート溶液1、および4〜8をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中15パーセント固形分含有率に一様に希釈し、4インチ(10cm)シリコンウェハ上にスピンコートする。溶液を300〜420rpmで18秒間、引き続き500〜680rpmで30秒間スピンする。溶剤を除去するために、ウェハを130℃に設定したオーブン中に1分間入れる。室温まで冷却した後、ウェハの一部を現像液(シップレー・ケミカル・カンパニー(Shipley Chemical Company)から入手可能なMF−CD−26ミクロポジット現像液(Microposit Developer))に30秒間浸漬する。浸漬後ウェハを脱イオン水でリンスし、空気でブロー乾燥する。溶液7および8は30秒浸漬後に現像液に不溶性である。溶液8は120秒浸漬後に依然として不溶性であるが、溶液7はわずかにだけ可溶性である(幾らかのコーティングは残っている)。溶液5および6は、ほんのわずかにより多いフィルムが120秒浸漬後に溶解して、30秒浸漬後にわずかに可溶性である(幾らかのコーティングは依然としてウェハ上に見られる)。溶液1および4は30秒浸漬後に現像液に完全に可溶性である。
【0079】
6.000gの溶液4に、0.072gの混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩、光酸発生触媒(ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能なサイラキュア(CYRACURE)(登録商標)UVI−6976)を加え、均質になるまで混合する。4インチ(10cm)シリコンウェハを該混合物でスピンコートする。ウェハを130℃に設定したオーブン中に1分間入れる。室温まで冷却した後、ウェハを、バルブ高さへの4インチ(10cm)部分を使って10ft/分(3M/分)で空気中でUV放射線(500ワット、Hgバルブ)に露光させる。ウェハを現像液に30秒間、次にさらに120秒間浸漬する。コーティングは30秒および120秒浸漬の両方後に現像液に不溶性であり、コーティングがUV光に露光すると容易に光硬化性ハードマスクに変換するかもしれないことを実証している。
【0080】
実施例2
混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩(ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能なサイラキュア(登録商標)UVI-6976)を含む8パーセント(樹脂固形分を基準にして)のカチオン光酸発生剤を代表的なオルガノシリケート樹脂(100パーセント・ビニルトリメトキシシランまたはビニルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランとの混合物(95:5モル:モル))に添加することによって画像形成用のフォトハードマスク組成物を調製する。組成物をプロピレングリコールメチルエーテルアセテート溶剤(ダウ・ケミカル・カンパニー製のダウアノール(Dowanol)TMPMA)を使用して15パーセント固形分に希釈し、次に0.22μmPTFEフィルターを通して濾過する。おおよそ2mlのフォトハードマスク組成物を固定4インチ(10cm)シリコンウェハ上へ施す(塗りたくる)。施工後に、ウェハを最初は500RPMで5秒間、引き続き2000または5000RPMで30秒間の第2回転サイクルで回転させる。フォトハードマスク組成物を塗布した後、被覆シリコンウェハを、150℃に設定した直接ホットプレート(モデルVBS-200、ソリテック・ウェハ・プロセシング社(Solitec Wafer Processing,Inc.))上で60秒間前−露光ベーキングする。
【0081】
露光および画像形成をカール・サス・マスク・アライナ(Karl Suss Mask Aligner)(モデルMA 150)からの365nm(I−ライン)紫外光を用いて実施する。用量を、3〜100μmのバイアスよりなるマルチ透過石英マスクを用いて5〜250mJ/cmにわたって変える。露光後に、被覆シリコンウェハをホットプレート上220℃で60秒間後−ベーキングする。現像を、2.38パーセント・テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に被覆ウェハを浸漬し、次に脱イオン水でリンスすることによって行う。最終工程として、現像したウェハを回転、リンス、乾燥機具(セミツール・カンパニー(Semitool Company)から入手可能なPSC-102)中に2000RPMで600秒間入れてネガティブ画像を与える。結果は表2にある。
【0082】
【表2】

【0083】
実施例3
90:10ビニル:フェニルオルガノシリケート樹脂(MW=2120)
ビニルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシラン樹脂との90:10モル:モル混合物を用いて実施例2の反応条件を実質的に繰り返す。サンプルは、8パーセント・サイラキュア(登録商標)UVI−6976を含み、500RPMで5秒間、引き続き5000RPMでの第2回転サイクルで30秒間回転させ、次に55℃に設定したオーブン中で60秒間前−露光ベーキングする。露光後に、フィルムを180℃に設定したオーブン中で60秒間後−ベーキングする。フィルムを2.38パーセント水性TMAH中で現像する。結果は表3にある。
【0084】
【表3】

【0085】
実施例4
ビニル対フェニルの比が90/10の代わりに85/15であることを除いて実施例3の反応条件を実質的に繰り返す。反応時間を、最終分子量(Mw)が名目上5000g/モルであるように延長する。生じた濃縮物(concentrate)を12.7パーセント固形分に希釈する。0.17グラムのブロックされたトリフリック酸熱酸発生剤(キング・インダストリーズ、ノルウォーク、コネチカット州(King Industries,Norwalk,Connecticut)から入手可能な、ケイ−ピュア(K-Pure)TM2678)を28.35gのこの希釈したオルガノシラン溶液に加える。この溶液の名目上3mlを、500rpmで回転する4インチ(10cm)試験ウェハ上へ施す。回転速度を30秒間3000rpmに上げて溶剤を除去する。被覆ウェハを200℃に設定したオーブン中で空気中2分間ベーキングする。被覆し、ベーキングしたウェハの厚さを、ナノスペック(Nanospec)TM210UV−VIS反射率計(ナノメトリックス社(Nanometrics Inc.)から入手可能な)を用いてUV−VIS反射率測定法によって測定する。厚さを測定した後、名目上3mlのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を被覆ウェハ上へ500rpmで施す。回転速度を30秒間3000rpmに上げて溶剤を除去し、PGMEAリンスしたウェハを200℃のオーブン温度で空気中2分間ベーキングする。被覆し、リンスしたウェハの厚さを再測定する。PGMEAリンス前のコーティングの厚さは213.7nmであり、PGMEAリンス−オフ後の厚さは199.2nmであり、93.3パーセントのポスト−リンス保持率をもたらす。
【0086】
実施例5
85/15オルガノシリケート溶液を実施例4に記載したように製造し、PGMEAで15パーセント固形分に希釈する。1.253gのブロックされたp−トルエンスルホン酸熱酸発生剤(TAG)(キング・インダストリーズから入手可能な、ケイ−ピュアTM2278)を5.012gのエチルラクテートに加える。1.916グラムのこのTAG溶液と10.145gのエチルラクテートとを48.089gの15パーセント・オルガノシリケート溶液に加える。生じた調合物を実施例5に記載したように4インチ(10cm)ウェハ上へスピンコートする。被覆フィルムの厚さを測定した後、それをPGMEAでリンスし、厚さを測定する。このフィルムの保持率パーセントは73.3パーセントである。
【0087】
比較例A
30gの実施例5で使用した85/15オルガノシリケート溶液を、実施例5に記載した手順を用いて4インチ(10cm)ウェハ上にスピンコートする。フィルムの厚さを測定した後、ウェハをPGMEAでリンスし、厚さを再測定する。この比較フィルムの保持率パーセントはたったの9パーセントである。
【0088】
【表4】

【0089】
実施例6
混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート塩(ダウ・ケミカル・カンパニーから入手可能なサイラキュア(登録商標)UVI-6976)を含む8パーセント(樹脂固形分を基準として)のカチオン光酸発生剤を、ビニルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランとの混合物(90:10モル:モル)に添加することによって反射防止コーティング組成物を調製する。生じた組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶剤(ダウ・ケミカル・カンパニー製のダウアノールTMPMA)を使用して15パーセント固形分に希釈し、0.22μmPTFEフィルターを通して濾過する。おおよそ2mlの組成物を固定4インチ(10cm)シリコンウェハ上へ施し(塗りたくり)、500RPMで5秒間、引き続き2000RPMで30秒間の第2回転サイクルで回転させる。被覆シリコンウェハを次に225℃のオーブン温度で空気中120秒間ベーキングし、UV光に露光させる(500ワット、Hgバルブ、10秒露光、10cmウェハ−バルブ距離)。
【0090】
193nm波長光用に設計された典型的なフォトレジストを公知技術に従って塗布し、加工する。フォトレジストとARC材料との界面で何の混合も観察されない。加工フィルムの193nmでの光学的特性を試験する。屈折率は、30nmのフィルム厚さで0.5の吸光係数で1.85である。これは、1パーセント未満の非画像形成光の最小反射をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスの製造においてハードマスク、エッチストップ、反射防止、接着促進、または他の層の形成で有効に用いられる硬化性オルガノシリケート組成物であって、
(a)ケイ素原子に結合し、かつ、エチレン系不飽和を含有する少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランと、
(b)ケイ素原子に結合し、かつ、芳香環を含有する少なくとも1つの基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランと、
(c)潜在性酸触媒と、
(d)場合によりケイ素原子に結合した少なくとも1つのC〜Cアルキル基を有するアルコキシまたはアシルオキシシランと
を含む組成物。
【請求項2】
第1シラン(a)がビニルアセトキシシランであり、第2シラン(b)がアリールアルコキシシランである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
組合せが
(a)50〜95モルパーセントの次式
【化1】

(式中、RはC〜Cアルキリデン、C〜Cアルキレン、アリーレン、または直接結合であり;YはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C〜C20アリール、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチルアミノ、3−アミノ、−SiZOX、または−OXであり;Xは独立して、各出現で、C〜CアルキルまたはC〜Cアシルであり;そしてZはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜20アリール、または−OXであるが、ただし、Y、ZまたはXの少なくとも1つはエチレン系不飽和である)
のシランと、
(b)5〜40モルパーセントの
【化2】

(式中、RはC〜Cアルキリデン、C〜Cアルキレン、アリーレン、または直接結合であり;YはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C〜C20アリール、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチルアミノ、3−アミノ、−SiZOX、または−OXであり;Xは独立して、各出現で、C〜CアルキルまたはC〜Cアシルであり;そしてZはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜20アリール、または−OXであるが、ただし、Y、ZまたはXの少なくとも1つは芳香環を含む)と、
(c)潜在性酸触媒と、
(d)0〜45モルパーセントの
【化3】

(式中、RはC〜Cアルキリデン、C〜Cアルキレン、アリーレン、または直接結合であり;YはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C〜C20アリール、3−メタクリルオキシ、3−アクリルオキシ、3−アミノエチルアミノ、3−アミノ、−SiZOX、または−OXであり;Xは独立して、各出現で、C〜CアルキルまたはC〜Cアシルであり;そしてZはC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C2〜6アルキニル、C6〜20アリール、または−OXであるが、ただし、ZまたはR〜Yの組合せの少なくとも1つはC1〜6アルキル基を含む)と
を含む請求項1に記載の組成物であって、
前記モルパーセントは存在するシラン(a)、(b)および(d)の全モルを基準にしている組成物。
【請求項4】
光酸発生剤および熱酸発生剤の両方を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記芳香環を含有する基がフェニルまたはアントラセニル基である請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のシランの組合せの加水分解または部分加水分解生成物。
【請求項7】
基材を提供する工程と、
3.0未満の誘電率を有し、かつ、有機、無機またはハイブリッドポリマーを含む第1層を前記基材上に形成する工程と、
オルガノシリケート組成物を第1層一面に塗布する工程と、
前記オルガノシリケート組成物を加水分解して(硬化させて)オルガノシリケート樹脂層を形成する工程と
を含む方法であって、
前記オルガノシリケート組成物が請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物であることを特徴とする方法。
【請求項8】
前記オルガノシリケート組成物の多層が形成され、そして硬化させられる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
基材を提供する工程と、
前記基材の少なくとも一部の上にまたは前記基材一面に塗布された1つもしくはそれ以上の中間層一面にオルガノシリケート組成物を層で塗布する工程と、
前記オルガノシリケート組成物を加水分解して(硬化させて)オルガノシリケート樹脂を形成する工程と
を含む、基材上に反射防止コーティングを形成する方法であって、
前記オルガノシリケート組成物が請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物であることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記オルガノシリケート組成物の多層が形成され、そして硬化させられる請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2006−522861(P2006−522861A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509673(P2006−509673)
【出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【国際出願番号】PCT/US2004/010330
【国際公開番号】WO2004/090965
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】