説明

マーク付き迂回路を使用する交通障害周辺のルート計算法

マーク付き迂回路を用いて交通事故を回避できるように動作可能であるルート計算モジュール(図2の204)を備える車両ナビゲーション・システム(図1の100)。ナビゲーション・システムは、移動目的地までのルートに沿って発生し得る交通事故をシミュレートするために用いられるシミュレーション・モジュール(212)を備えている。迂回路モジュール(214)を用いて、ルートに沿って発生し得る交通事故を回避する複数のマーク付き迂回路が計算される。ルートに沿って交通事故が発生すると、ルート計算モジュールは、マーク付き迂回路を含む道路のみを検索して、交通事故を迂回する代替的なルートを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(本発明の背景)
1.技術分野
本発明は一般に、車両ナビゲーション・システムに関し、より詳細には、マーク付き迂回路を用いることによる交通障害の迂回ルート計算の簡単化に関する。
【背景技術】
【0002】
2.関連技術
自動車業界において、車両ナビゲーション・システムは急速に普及している。典型的な車両ナビゲーション・システムには、車両のどこかに取り付けられるグローバル・ポジショニング・システム(「GPS」)受信器が含まれ得る。GPS受信器は、人工衛星ベースのグローバル・ポジショニング・システムまたは他の局地的なポジショニング・システムと連絡し合うことができる。GPS受信器が得た地理的な位置情報は、車両オペレータに対するある表示形式に変換される。そして車両の位置を、所定の地図データベース上における事前に決定した基準点または他の既知の目印に対して示す。車両の地理的位置を決定するために、他のシステムおよびデバイスを用いても良い。
【0003】
また典型的な車両ナビゲーション・システムには、デジタル化された地図情報を含むデジタル地図データベースが含まれ得る。デジタル化された地図情報は、地図関連の機能を取り扱うようにデザインされたナビゲーション・コンピュータによって処理することができる。ポジショニング・モジュールによって測定された位置または軌跡を、デジタル地図データベースから得られる地図上の箇所またはルートに付随する位置に、地図マッチング・モジュールを用いてマッチングしても良い。ポジショニング・モジュールはその情報を、GPS受信器から受け取っても良い。
【0004】
また典型的な車両ナビゲーション・システムには、人間−機械インターフェース・モジュールが含まれ得る。人間−機械インターフェース・モジュールによって、ユーザは、ナビゲーション・システムと連絡し合う方法を得る。通常は、視覚的ディスプレイを用いて信号を視覚画像にリアル・タイムで変換し、ユーザが直接観察できるようにする。したがってディスプレイを用いて、視覚的に運転手への推奨が示される。運転手への推奨は、通常は、ディスプレイ上に生成されるデジタル地図によって伝えられる。ディスプレイ自体は通常は、電気光学的なデバイスであり、たとえば液晶ディスプレイ(「LCD」)、陰極線管(「CRT」)ディスプレイ、エレクトロルミネセント・ディスプレイ(「ELD」)、ヘッド・アップ・ディスプレイ(「HUD」)、プラズマ・ディスプレイ・パネル(「PDP」)、真空蛍光ディスプレイ(「VFD」)、またはタッチ・スクリーン・ディスプレイである。
【0005】
またルート計画モジュールが含まれる場合もある。ルート計画モジュールは、移動前または移動中にルートを計画するために用いられる。広く用いられる技術の1つは、走行コストが最小のルートを見つけることである。この技術は、走行距離と所定の目的地に到達することに付随するコストとを最小にするように、デザインされる。他の技術としては、専用道路を用いる場合に必要な時間を積算するもの、またはルート上の交通混雑についての情報を用いて交通混雑を回避するルートを計算し得るものが存在する。またルート案内モジュールも含まれる。ルート案内モジュールは、ルート計画モジュールが生成するルートに沿って運転手を案内するために用いられる。通常は、リアル・タイムまたはエン・ルート案内は、ディスプレイ上での視覚的な運転手への推奨によって生成される。リアル・タイムまたはエン・ルート案内には、聴覚的な運転手への推奨が含まれる場合もある。
【0006】
計画されたルートに沿って交通混雑または他の障害が報告された場合、車両ナビゲーション・システムは、計画されたルートからの変更を見つける必要がある。この変更は、主要ではない道路を用いることが必要となる場合がある。現在のルーティング・アルゴリズムでは、時間およびメモリが限られているために、すべての道路をチェックして、これが最良の代替ルートに対して有用であるかどうかを調べることは不可能である。標準的な検索では、移動起点および目的地から遠い距離においては、主要な道路のみが考慮され、移動起点および目的地の付近においては通常、細い道路のみが考慮される。したがって最良の代替ルートにおいて、障害を回避する局所的な変更が、細い道路上で必要となる場合には、車両ナビゲーション・システムは、これらの細い道路の位置を見つける必要がある。
【0007】
長距離移動の計算は、道路網を機能別道路クラスに再分割することで行なうことがある。現在、ナビゲーション・デバイス上で実施されているルーティング技術では、行程の途中で検索するのは、最も重要な道路接続部だけである。これらの技術では、推奨できるような代替ルートを見つけることはできない。すなわちナビゲーション・デバイスは、最初に計算されたルートに、このルートが1つまたは複数の交通障害または事故によって最良とは言えなくなっても、固執することがある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
(概要)
本発明によって、マーク付き迂回路を用いて交通事故または障害を回避することができるルート計算モジュールを含む車両ナビゲーション・システムが提供される。車両ナビゲーション・システムには、ナビゲーション・コントロール・ユニットが含まれていても良い。ナビゲーション・コントロール・ユニットは、ディスプレイ、ユーザ入力デバイス、デジタル地図データベース、ポジショニング・システム、記憶デバイス、および交通事故通知デバイスと接続されていても良い。ディスプレイを用いて、所定の目的地までのルートに沿って運転手を案内するために用いても良いデジタル地図データベースに含まれる道路網地図の図解表現を生成しても良い。加えて、ディスプレイにタッチ・スクリーン・ディスプレイが含まれている場合には、ディスプレイを入力デバイスとして用いても良い。運転手が、ユーザ入力デバイスを用いて、移動目的地についての情報、および車両運転手の要求に応じて他の走行オプションまたは制約を入力しても良い。
【0009】
デジタル地図データベースは、CD−ROM、ハード・ディスク記憶デバイス、または好適であれば他のどんな記憶媒体上に設けても良い。デジタル地図データベースには、種々の地理的箇所に対する道路網のデジタル地図、および他のタイプのデータが含まれていても良い。特にデジタル地図データベースには、道路網地図に含まれる種々の車道または道路の機能別道路クラスについての情報が含まれていても良い。機能別道路クラスによって、道路を、異なる多くのカテゴリで指定しても良い。たとえば、州間高速道路、高速道路、有料道路、市街道路、都市幹線道路、地方の街路、近郊の街路などである。また他の道路データが、デジタル地図データベースに含まれていても良い。たとえば個々の道路に付随する車線数表示および速度規制表示である。
【0010】
デジタル地図データベースは、地理的な座標と地理的な座標に対してポジショニングされた複数の車道とに基づいて、生成しても良い。地図をデジタル地図データベースに変換するプロセスは、地図変換と呼んでも良い。所定のどんな領域の地図にも、目的地へ走行するために運転手が用いても良い複数の車道が含まれる。車道は、前述した機能別道路クラスの1つに分類しても良いし、または任意の他のタイプの機能別道路クラスに分類しても良い。
【0011】
地図変換の際に、複数の障害または交通事故を、デジタル地図データベースに含まれる車道の個々のノード間でまたはセグメント上でシミュレートする。本発明において、ノードまたはセグメントは、地図要素と考えても良い。交通事故シミュレーション・モジュールを用いて、車道の個々のノード間でまたはセグメント上で発生し得る交通事故をシミュレートしても良い。加えて、交通事故シミュレーション・モジュールを用いて、車道の複数セグメントに沿って交通事象をシミュレートしても良い。いったん交通事故がシミュレートされたら、少なくとも1つのマーク付き迂回路を、道路網地図に含まれる車道の各セグメントに対して、計算しても良い。したがって、車道の個々のセグメントまたは車道の複数セグメントに付随する複数のマーク付き迂回路を生成しても良い。マーク付き迂回路は、デジタル地図データベースに、デジタル地図データベースに記憶されているその他のデータに加えて、記憶しても良い。
【0012】
車両ナビゲーション・システム上に設けられたルート案内モジュールを用いて、車両の運転手を、ルート計算モジュールが計算したルートに沿って案内しても良い。車両ナビゲーション・システムが、ルートの道路セグメントの1つまたは複数に沿って交通事故が発生したことを示す情報を受け取った場合には、ルート計算モジュールは、特定の道路セグメントに付随するマーク付き迂回路を調べて、運転手を交通事故を回避する代替的なルートに沿って案内しても良い。前述したように、地図変換プロセスの間にデジタル地図データベースが形成されるときに、特定の道路セグメントまたはセクションに付随する少なくとも1つのマーク付き迂回路が、すでに交通事故シミュレーション・モジュールによって計算されてデジタル地図データベースに記憶されている。
【0013】
メモリ記憶デバイスを用いて、車両ナビゲーション・システムによって用いられる種々のタイプのデータを記憶する。移動起点および移動目的地をメモリ記憶デバイスに記憶しても良く、移動目的地までの計算されたルートについても同様である。加えて、地図変換プロセスの間に計算されたマーク付き迂回路も、メモリ記憶デバイスに記憶して良い。言い換えれば、マーク付き迂回路は、デジタル地図と一緒に(その一部として)記憶しても良い。他の種々のタイプのデータおよび情報を、車両ナビゲーション・システムによって使用され得るメモリ記憶デバイスに記憶しても良い。
【0014】
地図変換の間に、複数のマーク付き迂回路が、デジタル地図データベースに含まれる各道路セグメントに対して生成される。いったんルートが計算されたら、車両ナビゲーション・システムは、ルート内に含まれる各道路セグメントを識別することができる。またルート計算モジュールは、ルート内に含まれる道路セグメントに付随するマーク付き迂回路を決定するように動作可能であっても良い。
【0015】
また本発明の他の例においては、車両ナビゲーション・システムに、交通事故シミュレーション・モジュールが含まれていても良い。交通事故シミュレーション・モジュールは、ルート計算モジュールが計算したルートに沿って発生し得る任意の種類の交通事故をシミュレートするために用いられる。交通事故シミュレーション・モジュールは、ルートを複数の道路セグメントに分割し、およびこれらの道路セグメントのそれぞれに沿って、シミュレートされた交通事故を形成しても良い。道路セグメントは、2つの道路交差点の間に位置する部分もしくは車道、または任意の他の指定された距離からなっていても良い。
【0016】
またマーク付き迂回路を、交通事故シミュレーション・モジュールが形成した交通事故の関数として計算するために、迂回路モジュールが含まれていても良い。マーク付き迂回路を構成する道路によって、車両の運転手が、移動目的地まで走行している際に交通事故または障害を回避することが容易になる。マーク付き迂回路は、目的地まで移動する間に走行されている道路セグメントに接続される任意の道路からなっていても良い。
【0017】
ルート計算モジュールは、長距離移動に対するルートを計算するために主要な道路のみを用いるが、迂回路モジュールは、交通事故を回避するためにどんな機能別道路クラスを用いても良い。したがって迂回路モジュールは、マーク付き迂回路を、交通事故または障害を迂回する局所的な変更に対して形成することで、より細いまたは局所的な道路を、交通事故を回避するために用いても良い。迂回路モジュールがマーク付き迂回路を決定したら、マーク付き迂回路をメモリ記憶デバイスに記憶して、後で車両ナビゲーション・システムが使えるようにしても良い。
【0018】
ナビゲーション・コントロール・ユニットが、目的地まで走行している間に交通事故通知デバイスから、交通事故を事前に示す通知をある道路セグメントにおいて受け取った場合には、ルート計算モジュールは、その特定の道路セグメントに対してメモリ内に記憶されるマーク付き迂回路を検索して、交通事故を回避するルートを得ることが好ましい。したがって、その特定の地理的領域の道路網地図に含まれ得る他の道路はすべて、ルート計算モジュールによって無視される。この結果、ナビゲーション・コントロール・ユニットが、マーク付き道路に集中する一方で、マーク付けされていない道路を無視できることによって、時間および処理能力が節約される。
【0019】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の詳細な説明を検討することで、当業者には明らかであるかまたは明らかとなる。このようなさらなるシステム、方法、特徴、および利点はすべて、本説明に含まれ、本発明の範囲内であり、また添付の特許請求の範囲によって保護されることが、意図されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
好ましい実施形態の詳細な説明
図1において、交通障害または事故を回避するためのマーク付き迂回路を決定することができるルート計算モジュールを有するナビゲーション・システム100が示されている。図示したように、ナビゲーション・システム100には、ナビゲーション・コントロール・ユニット102が含まれている。ナビゲーション・コントロール・ユニット102には、起点から目的地までのルートを計算するようにプログラムされたソフトウェア・モジュールが含まれている。具体的には図示していないが、ナビゲーション・コントロール・ユニット102には、中央処理演算装置(「CPU」)、システム・バス、ランダム・アクセス・メモリ(「RAM」)、読み出し専用メモリ(「ROM」)、周辺機器たとえばハード・ディスク・ドライブおよびCD−ROMドライブを接続するためのI/Oアダプタ、通信アダプタ、ならびにディスプレイ・アダプタが、含まれていても良い。ナビゲーション・コントロール・ユニット102の機能性を得るために、種々のコンピューティング・デバイスおよびコンポーネントを用いても良い。
【0021】
ナビゲーション・コントロール・ユニット102は、ディスプレイ104と接続しても良い。一例においては、ディスプレイ104は、ディスプレイおよびユーザ入力デバイスの両方として機能するタッチ・スクリーン・ディスプレイであっても良い。さらに他の例においては、ナビゲーション・コントロール・ユニット102を、ユーザ入力デバイス106と接続しても良い。ユーザ入力デバイス106は、キーパッド、パーソナル・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、ポケットPC、携帯情報端末、無線アクセス・デバイスもしくは電話、または操作中にナビゲーション・システム100のユーザがデータを入力できるものであれば他のどんなタイプのデバイスであっても良い。
【0022】
ユーザ入力デバイス106が、ナビゲーション・コントロール・ユニット102と無線で通信する場合には、ナビゲーション・コントロール・ユニット102およびユーザ入力デバイス106の両方を、無線通信デバイスに接続しても良い。無線通信デバイスによって、必要なデータを、ユーザ入力デバイス106とナビゲーション・コントロール・ユニット102との間で、相互に送ることができる.ユーザ入力デバイス106をナビゲーション・コントロール・ユニット102と接続する方法として用いても良い例示的なものとしては、赤外線、ブルートゥース、無線LAN、ユニバーサル・シリアル・バス、光ファイバ、直接ワイヤ、パラレル・ポート、シリアル・ポート、および直列ネットワーク接続が、挙げられる。
【0023】
さらに例示したように、ナビゲーション・コントロール・ユニット102は、デジタル地図データベース108に接続しても良い。デジタル地図データベース108は、ハード・ディスク記憶デバイス、CD−ROM、または任意の他の好適な記憶媒体上に設けても良い。デジタル地図データベース108には、種々の地理的箇所用の道路網のデジタル地図だけでなく、他のタイプのデータが収容されている。デジタル地図データベース108によって、ナビゲーション・コントロール・ユニット102は、道路網を含む地理的箇所の地図を表示することができ、また街路住所または近くの交差点を用いて住所または目的地を位置付けることを容易にすることができる。加えて、デジタル地図データベース108によって、走行ルートの計算を容易にすることができ、センサが検出した車両軌跡を既知の道路網とマッチングさせて車両の実際の位置をより正確に決定することができ、または走行情報たとえば道路分類データ、走行ガイド、目印、ホテルおよびレストラン情報を得ることができる。
【0024】
またナビゲーション・コントロール・ユニット102を、少なくとも1つのポジショニング・システム110に接続しても良い。ポジショニング・システム110を用いて、ナビゲーション・システム100の一部が設置された車両の地理的箇所または座標を決定しても良い。加えて、ポジショニング・システム110によって、車両の軌跡を決定しても良い。ポジショニングには、地球の表面上の車両の地理的座標を決定することが含まれる。車両の位置および軌跡を知ることによって、ナビゲーション・コントロール・ユニット102は、道路網地図に対する車両の正確な位置を決定することができる。またナビゲーション・コントロール・ユニット102は、車両の地理的箇所および軌跡を知ることによって、操縦命令を車両の運転手に送ることができる。
【0025】
ポジショニング・システム110の用いても良い典型的な3つのタイプとして、スタンド・アローン・システム、人工衛星ベースのシステム、および地上のラジオ・ベースのシステムが挙げられる。推測航法システムは、ナビゲーション・システム100が用いても良い例示的なスタンド・アローン・システムである。用いても良い人工衛星ベースのシステムには、車両に、グローバル・ポジショニング・システム(「GPS」)受信器、または人工衛星を用いて地理的箇所を決定する任意の他のタイプのシステムを、取り付けることが含まれる。地上のラジオ・ベースのシステムは、測定技術を用いて車両の箇所を決定するシステムである。地上でのポジショニングのために広く用いられている3つの測定技術は、到着時間(「TOA」)、到着角度(「AOA」)、および到着時間差(「TDOA」)である.ナビゲーション・システム100は、前述したすべてのポジショニング・システムの例の組み合わせ、および他のものを、用いても良い。
【0026】
無線アクセス・デバイス112を、ナビゲーション・コントロール・ユニット102と接続しても良い。一例においては、無線アクセス・デバイス112は、ナビゲーション・コントロール・ユニット102をナビゲーション・サーバ114と接続するように動作可能である。この例では、ルート計算およびデータ記憶を、ナビゲーション・サーバ114によって行なっても良い。この実施形態では、サーバ・ベースの解決方法を示している。この解決方法では、処理の大部分が、車両ナビゲーション・システム100のナビゲーション・コントロール・ユニット102ではなく、ナビゲーション・サーバ114で行なわれる。ナビゲーション・コントロール・ユニット102は、ナビゲーション・サーバ114に、無線アクセス・デバイス112を用いてログ・インしても良い。ナビゲーション・サーバ114が生成したデータおよびルート計画情報を、ナビゲーション・コントロール・ユニット102に送信するために、無線データ送信プロトコル(たとえばWAP)を用いても良い。
【0027】
またナビゲーション・コントロール・ユニット102を、メモリ記憶デバイス116と接続しても良い。メモリ記憶デバイス116は、ナビゲーション・システム100によって用いられる種々のタイプのデータを記憶するために、用いても良い。移動起点および移動目的地を、メモリ記憶デバイス116に記憶しても良い。加えて、移動目的地までのルートをメモリ記憶デバイス116に記憶しても良い。以下に詳細に述べるように、ナビゲーション・システム100によって計算されるマーク付き迂回路も、メモリ記憶デバイス116に記憶しても良い。あるいは、メモリ記憶デバイス116を、ナビゲーション・サーバ114に付随させても良い。関連するデータを、ナビゲーション・サーバ114に関係させて記憶しても良い。そしてデータを、ナビゲーション・コントロール・ユニット102に、無線アクセス・デバイス112を用いて転送しても良い。
【0028】
またナビゲーション・システム100には、入ってくる交通事故の通知を受け取る交通事故通知デバイス118が含まれていても良い。交通事故通知デバイス118を、ナビゲーション・コントロール・ユニット102と接続しても良い.ナビゲーション・コントロール・ユニット102は、交通事故通知デバイス118から受け取った信号を用いて、ナビゲーション・システム100が設けられた車両を、運転手の前方にあり得る交通障害または事象を迂回するように、動的にルーティングしても良い。複数の異なるタイプの交通事故通知デバイス118を、ナビゲーション・システム100において用いても良い。
【0029】
図2において、ナビゲーション・コントロール・ユニット102には、デジタル地図データベース108が含まれていても良い。デジタル地図データベース108には、地図情報が、ナビゲーション・コントロール・ユニット102またはナビゲーション・サーバ114が読み取って用いることができる所定のフォーマットで収容されている。ナビゲーション・コントロール・ユニット102は、箇所、アドレス情報、道路分類、道路規制、道路名称、交通規則、走行情報等を識別して提供するなどの地図関連機能に対する地図情報を用いても良い。またデジタル地図データベース108には、種々の地理的箇所の道路網地図が収容されていても良い。道路網地図には、所定の目的地へ走行するために車両が用いる道路を構成するノードおよびセグメントが含まれていても良い。ノードは、本明細書で用いる場合、道路交差点としてまたは道路からの出口が存在する箇所として定義しても良く、セグメントは、ノード間に存在する道路部分として定義される。
【0030】
ナビゲーション・コントロール・ユニット102には、車両の地理的箇所および軌跡をポジショニング・デバイス110を用いて決定するポジショニング・モジュール200が、含まれていても良い。前述したように、複数の異なるポジショニング・デバイス110を、車両の軌跡および地理的位置を決定するために用いても良い。ポジショニング・モジュール200には、種々のポジショニング・デバイス110が生成する出力信号を用いて車両の正確な地理的箇所および軌跡を決定する統合アルゴリズムが含まれていても良い。
【0031】
いったん車両の地理的箇所および軌跡が決定されたら、地図マッチング・モジュール202を用いて、車両の地理的箇所を、デジタル地図データベース108によって生成された道路網地図上の位置とマッチングしても良い。地図マッチング・モジュール202の地図マッチング・アルゴリズムを用いて、車両を、道路網地図上の適切な箇所に配置しても良い。地図マッチング・モジュール202は、ポジショニング・モジュール200からの車両の箇所および軌跡を道路網地図に関連させることを、車両軌跡および位置をデジタル地図データベース108内にある地図データと比較することによって行なっても良い。
【0032】
またナビゲーション・コントロール・ユニット102には、ルート計算モジュール204が含まれていても良い。ルート計算は、所定の目的地へ移動する前または移動中に、ルートを計画するプロセスである。ルート計算モジュール204は、最短経路アルゴリズムを用いて、移動起点から移動目的地までの推奨ルートを決定しても良い。またサーバ・ベースの解決方法においては、ナビゲーション・サーバ114にルート計算モジュール204が含まれていても良い。種々の最短経路アルゴリズムおよび最短経路アルゴリズムの変形を、ナビゲーション・システム100において用いても良く、他のタイプのアルゴリズムについても同様である。
【0033】
また最短経路アルゴリズムには、計画基準を用いてルートを計画するルート最適化モジュールが含まれていても良い。所定のどんなルートの品質も、多くの因子および選択基準に依存し得る。たとえば距離、道路タイプ、速度規制、箇所、停止数、曲がる数、および交通情報などである。ルート選択基準は、製造時に決定することもできるし、ユーザ・インターフェース・モジュール206を通して具体化しても良い。最良のルートを決定する際には、選択基準とデジタル地図データベース108から取り出したデジタル道路網地図とを用いて、距離および走行時間を最小限にする。またナビゲーション・システム100によって、運転手が、道路網地図におけるノードまたはセグメントを開閉することによってルートを対話式で算出することができても良い。
【0034】
図2において、ナビゲーション・コントロール・ユニット102には、ユーザ・インターフェース・モジュール206が含まれていても良い。ユーザ・インターフェース・モジュール206によって、ディスプレイ104上にグラフィカル・ユーザ・インターフェース(「GUI」)が生成されても良い。またユーザ・インターフェース・モジュール206によって、ナビゲーション・システム100のユーザが、車両ナビゲーション・システム100と連絡し合うことおよびナビゲーション・システム100に入力を入れることが可能になっても良い。ユーザ・インターフェース・モジュール206は、ディスプレイ104がタッチ・スクリーン・ディスプレイであるならば、ディスプレイ104から入力を受け取っても良い。またユーザ入力デバイス106を用いて、ユーザ・インターフェース・モジュール206に入力を入れても良い。ユーザ入力を、ルート計算モジュール204に対して行なっても良い。そしてルート計算モジュール204において、運転手が入力した目的地までのルートを計算しても良い。
【0035】
またナビゲーション・コントロール・ユニット102には、ルート案内モジュール208が含まれていても良い。ルート案内モジュール208は、運転手を、ルート計算モジュール204が生成したルートに沿って案内しても良い。ルート案内モジュール208では、ポジショニング・モジュール200、デジタル地図データベース108、および地図マッチング・モジュール202を用いて、運転手を、その個々の目的地までのルートに沿って案内しても良い。またルート案内モジュール208によって、ユーザ・インターフェース・モジュール206が、ディスプレイ104上に道路網地図GUIを生成して、車両が位置している道路網地図上の場所および車両が走行している方向を示すことができても良い。
【0036】
図示したように、ナビゲーション・コントロール・ユニット102には、適応ルーティング・モジュール210が含まれていても良い。前述したように、ルート計算モジュール204を用いて、移動起点と移動目的地との間の最短ルートが計算される。適応ルーティング・モジュール210によって、車両のユーザまたは運転手が、ユーザの選好に基づいて、ルート計算モジュール204が計算したルートを調整することができても良い。適応ルーティング・モジュール210によって、ユーザが、道路網地図におけるノードおよびセグメントを開閉することができても良い。いったんノードまたはセグメントが開閉されたら、適応ルーティング・モジュール210は、この情報をルート計算モジュール204に送っても良い。そしてルート計算モジュール204では、所定の目的地までの新しいルートを、ユーザの選好に基づいて再計算する。また適応ルーティング・モジュール210が、車両の新しいルートを決定しても良い。
【0037】
また図2に示したナビゲーション・システム100には、交通事故シミュレーション・モジュール212が含まれていても良い。交通事故シミュレーション・モジュール212は、目的地まで計算されたルートに沿って、交通事故をシミュレートしても良い。またナビゲーション・システム100には、迂回路モジュール214が含まれていても良い。迂回路モジュール214は、交通事故シミュレーション・モジュール212がルートに沿ってシミュレートした交通事故を迂回するマーク付き迂回路を計算するために用いられる。それから迂回路モジュール214は、マーク付き迂回路を、メモリ記憶デバイス116のメモリ箇所に記憶しても良い。交通事故がルートに沿ってある箇所で発生した場合には、迂回路モジュール214を用いて、マーク付き迂回路を取り出して交通事故を回避しても良い。図3に、所定の地理的領域に対してデジタル地図データベース108に含まれ得る例示的な道路網地図300を示す。示したように、道路網地図300には複数の機能別道路クラス302〜310が含まれていて、これらが道路網地図300を構成していても良い。例示だけを目的として、機能別道路クラス302には、州間高速道路が含まれていても良い。機能別道路クラス304は、ハイウェイまたは幹線の高速道路からなっていても良い。また機能別道路クラス306は、市街道路からなっていても良い。加えて、機能別道路クラス308は、地方の道路からなっていても良い。また機能別道路クラス310は、近郊の街路からなっていても良い。道路網地図300は例示だけを目的としており、他のタイプの機能別道路クラスが他の道路網地図において存在していても良いことに留意することは、重要である。したがって、図3に示した道路網地図300だけでなく同図に示した機能別道路クラスも、この説明で述べた本発明を限定するものと考えてはならず、例示的な場合であると考えなければならない。
【0038】
運転手がナビゲーション・システム100を用いて、移動起点312および移動目的地314を含む場合があるルートを計画しても良い。ナビゲーション・システム100のルート計算モジュール204を用いて、移動目的地314までのルートを計算しても良い。ルート計算モジュール204によって、ルートに沿って走行される最短時間または距離を取るルートを計算しても良い。例示だけを目的として、図3において、ルート計算モジュール204によって計算され得たルートが、地方の道路316、州間高速道路318、および地方の道路320からなっていても良い。この例においてこのルートが計算された理由は、車両の運転手が大部分の時間および走行距離を州間高速道路318上で使うからである。この結果、運転手は図3に示した他の道路を使う場合よりも早く走行することができるため、運転手は最短の走行時間で移動目的地314に到着することができる。
【0039】
図4に、他の例示的な道路網地図400を示す。道路網地図400は、図3に示した道路網地図300と似ているが、機能別道路クラス302〜310が取り除かれていて、本発明をより良好に理解できるようになっている。前述したように、ナビゲーション・システム100には、移動目的地314までのルートに沿った所定の数の道路セグメント上で交通事故をシミュレートすることができる交通事故シミュレーション・モジュール212が含まれている。交通事故を、ルートに沿った主要な道路上のすべての道路セグメント上でシミュレートしても良い。また道路セグメントは、2つの道路が交差する箇所に位置するかまたは主要な道路から外れる出口に沿って位置しても良い。一例として、交通事故シミュレーション・モジュール212は、交通事故を、道路セグメント402〜412においてシミュレートしても良い。
【0040】
図4では、迂回路モジュール214によって、複数のマーク付き迂回路414が生成されている。マーク付き迂回路414によって、ルート計算モジュール204が計算した通常のルートに沿った道路セグメントで発生し得る交通事故が回避される。図4において、マーク付き迂回路を含まない道路が、ノン・マークの迂回路416として指定されている。したがって迂回路モジュール214によって、移動目的地314までのルートに沿って発生し得る任意の交通事故が回避される代替的なルートが計算されても良い。迂回路モジュール214では、任意の機能別道路クラスを用いて、マーク付き迂回路414を生成しても良い。従来のルート計算モジュール204では、道路ルートを計算するのに、より細い道路を用いることはあり得ない。マーク付き迂回路414は、交通事故より所定の距離だけ前で開始しおよび交通事故から第2の所定の距離だけ後方で終了するように、計算しても良い。
【0041】
迂回路モジュール214が、マーク付き迂回路414を計算した後で、この迂回路414をメモリ記憶デバイス116のメモリ箇所に記憶しても良い。したがって、運転手が通常のルートに沿って移動目的地314まで走行しているときに交通事故が発生した場合には、ルート計算モジュール204は、交通事故付近の全ての道路を検索することを避けても良く、マーク付き迂回路414としてすでに指定されている道路を用いる代替的なルートのみを探す。したがってナビゲーション・システム100では、マーク付き道路に集中する一方で、マーク付き迂回路414の属性を含まない道路を無視することによって、交通事故を回避する時間が節約される。
【0042】
図4では、混雑領域418が、移動目的地314までのルートに沿って発生し得る交通事故の例として示されている。ルート計算モジュール204は、道路網地図400上のすべての道路を検索する代わりに、代替的なルートとして、マーク付き迂回路414により事前に指定された、道路上の交通事故を回避するルートのみを検索する。この例では、ルート計算モジュール204が、交通事故を回避するために車両の運転手が使えるように、市街道路420を指定しても良い。しかし他の代替的な機能別道路クラス、たとえば道路、街路、州間高速道路、および高速道路を代替的なルートとして用いて、交通事故を回避しても良い。ルート計算モジュール204では、代替的なルートとして、最早の走行時間および/または最小の走行距離が得られるルートを用いても良い。またルート計算モジュール204では、代替的なルートを用いて、交通事故から所定の距離だけ後で終了し、運転手を本来のルートへ戻すようにしても良い。
【0043】
図5に、ナビゲーション・コントロール・ユニット102によって行なわれる例示的なプロセス・ステップを示す。ステップ500において、ルート計算モジュール204は、ディスプレイ104またはユーザ入力デバイス106から受け取ったユーザ入力に基づいて、移動目的地までのルートを計算しても良い。ルート計算モジュール204では、デジタル地図データベース108および地図マッチング・モジュール202を用いて、目的地までのルートを決定する。加えて、道路属性も、ルートを計算するときに考慮しても良い。通常、ルート計算モジュール204では、運転手を目的地までできるだけ短い時間で運ぶ道路を選択しても良い。これには通常、主要な車道または州間高速道路がルートに沿って利用可能であるならば、これらを用いることが含まれる。より細い車道は、無視されるか用いられない。加えて、運転手に、通行料金が必要であり得るルート、トンネル、または特別な高速道路の使用を運転手が回避できるようなルート・オプションを与えても良い。
【0044】
目的地までのルートを計算した後に、ステップ502において、交通事故シミュレーション・モジュール212を呼んで、ルートに沿って発生し得る複数の交通事故をシミュレートしても良い。交通事故シミュレーション・モジュール212による交通事故のシミュレートは、ルートを複数の道路セグメントに分割すること、およびこれらの道路セグメントのそれぞれに沿ってまたは選択された数の道路セグメントに沿って、交通事故をシミュレートすることによって、行なっても良い。道路セグメントは、2つの車道が交差するルート沿い箇所または車道から他の車道上への出口が存在するルート沿い箇所によって、構成されていても良い。加えて、交通事故シミュレーション・モジュール212では、ルート沿いの複数の道路セグメントを閉鎖することによって、交通事故の組み合わせをシミュレートしても良い。
【0045】
ステップ504において、迂回路モジュール214を用いて、ルートに沿ってシミュレートされたそれぞれの交通事故に対して、少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算しても良い。マーク付き迂回路は、ルートに沿って発生し得る交通事故を回避するために運転手が用いても良い代替的な道路からなる。複数のマーク付き迂回路を、ルート沿いのそれぞれの道路セグメントにおいて発生するそれぞれの交通事故に対して計算しても良い。加えて、迂回路モジュール214は、マーク付き迂回路を計算するときに、機能別道路クラスを無視しても良い。こうすることで、運転手はより細い道路を用いることができる。より細い道路は、その他の場合には、ルート計算モジュール204によって使用されることが考慮されない。ステップ506において、迂回路モジュール214は、計算されたマーク付き迂回路をすべて、記憶デバイス116の所定のメモリ箇所に記憶しても良い。ステップ507において、車両ナビゲーション・システム100は、交通事故が発生したかどうかを判定するためにモニタする。交通事故が発生している場合には、車両ナビゲーション・システム100は、ステップ508へ進む。交通事故が発生していない場合には、車両ナビゲーション・システムは、運転手をルートに沿って案内する。
【0046】
いったん運転手が目的地への移動を開始したら、交通事故通知デバイス118は、ナビゲーション・コントロール・ユニット102に、ルートに沿った交通事故の通知を与えても良い。交通事故が発生している場合には、ステップ508において、ナビゲーション・コントロール・ユニット102は、ルート計算モジュール204を用いて、交通事故を回避するルートを決定する。ルート計算モジュール204では、交通事故を回避するルートを決定するために、記憶デバイス116のメモリ箇所に記憶されているマーク付き迂回路のみを検索する。通知には、交通事故の影響を受ける道路セグメントを指定する情報が含まれていても良い。したがってルート計算モジュール204が検索する必要があるマーク付き迂回路は、その特定の道路セグメントに付随するものだけであっても良い。したがって、ナビゲーション・システム100は、交通事故を回避するルートを決定するのに、ルート沿いのすべての道路を検索する必要はないため、時間および処理能力が節約される。
【0047】
ステップ510において、ルート案内モジュール208を用いて、車両の運転手を、マーク付き迂回路に基づいて交通事故を回避するルート計算モジュール204が決定した代替的なルートに沿って、案内しても良い。マーク付き迂回路によって、運転手を移動目的地まで導いても良いし、または交通事故から所定の距離だけ過ぎたところで運転手を本来のルートに戻しても良い。迂回路モジュール214では、マーク付き迂回路を、目的地までの本来のルート上でまたはこのルートから外れたところで、交通事故の前方の箇所で開始しおよび交通事故を過ぎた箇所で終了するように計算しても良い。
【0048】
あるいは、本発明の他の例において、ナビゲーション・サーバ114がマーク付き迂回路を計算して記憶しても良い。無線アクセス・デバイス112をナビゲーション・サーバ114が用いて、データを車両ナビゲーション・システム100に送信しても良い。前述したように、これは、車両ナビゲーション・システム100に対するサーバ・ベースの解決方法を示している。前述した各ソフトウェア・モジュールは、ナビゲーション・サーバ114上に設けても良く、また前述した各タスクを行なっても良い。車両ナビゲーション・システム100のポジショニング・デバイス110は、車両の地理的な座標だけでなく移動目的地を示すデータを、ナビゲーション・サーバ114に送信しても良い。またナビゲーション・サーバ114には、ルートに沿った交通事故についてナビゲーション・サーバ114に通知する交通事故通知デバイスが含まれていても良い。そしてナビゲーション・サーバ114は、マーク付き迂回路を用いて、運転手を、交通事故を迂回しておよび最終的な移動目的地へと案内しても良い。
【0049】
本発明の他の例においては、デジタル地図データベース108には、種々の地理的箇所に対する道路網のデジタル地図だけでなく、他のタイプのデータが含まれていても良い。特に、デジタル地図データベース108には、道路網地図に含まれる種々の車道または道路の機能別道路クラスについての情報が含まれていても良い。機能別道路クラスによる道路の指定は、多くの異なるカテゴリで行なっても良い。たとえば、州間高速道路、高速道路、有料道路、市街道路、都市幹線道路、地方の街路、近郊の街路などである。
【0050】
デジタル地図データベース108を、地理的な座標と地理的な座標に対してポジショニングされた複数の車道とに基づいて、生成しても良い。地図をデジタル地図データベースに変換するプロセスを、地図変換と呼んでも良い。所定のどんな領域の地図にも、目的地へ走行するために運転手が用いても良い複数の車道が含まれる。車道は、前述した機能別道路クラスの1つに分類しても良いし、または任意の他のタイプの機能別道路クラスに分類しても良い。また他のデータたとえば速度規制および車線総数を、デジタル地図データベースに記憶しても良い。
【0051】
地図変換の間、デジタル地図データベース108に含まれる道路網地図に含まれる車道の個々のノードまたはセグメントの間において、複数の障害または交通事故をシミュレートしても良い。具体的には示していないが、交通事故シミュレーション・モジュールを用いて、車道のセグメント上で発生し得る交通事故をシミュレートしても良い。加えて、交通事故シミュレーション・モジュールを用いて、車道の複数セグメントに沿って交通事故をシミュレートしても良い。
【0052】
いったん交通事故がシミュレートされたら、少なくとも1つのマーク付き迂回路を、道路網地図に含まれる車道のそれぞれのセグメントに対して、または車道の複数セグメントに対して、生成しても良い。したがって、車道の個々のセグメントまたは車道の複数セグメントに付随する複数のマーク付き迂回路を、生成しても良い。マーク付き迂回路をデジタル地図データベース108に加えることを、デジタル地図データベース108に記憶されるその他のデータに加えて、行なっても良い。
【0053】
車両ナビゲーション・システム100上に設けられたルート案内モジュール208を用いて、ガイド車両の運転手を、ルート計算モジュール204が計算したルートに沿って案内しても良い。車両ナビゲーション・システム100が、ルートの1つまたは複数の道路セグメントに沿って交通事故が発生したことを示す情報を受け取った場合には、ルート計算モジュール204は、その特定の道路セグメントに付随するマーク付き迂回路を調べて、運転手を、交通事故を回避する代替的なルートに沿って案内しても良い。
【0054】
この例においては、マーク付き迂回路を計算して、デジタル地図データベース108内に記憶する。マーク付き迂回路を交通事故シミュレーション・モジュール212が前もって決定することにより、車両ナビゲーション・システム100は、ユーザが目的地まで走行している間に交通事故が発生した際にそれらを迂回する迂回路を計算する必要がない。交通事故通知デバイス118が、ナビゲーション・コントロール・ユニット102に、ルートに含まれる道路セグメントに沿っての交通事故を通知した場合には、迂回路モジュール214は、デジタル地図データベース108にすでに含まれているマーク付き迂回路を調べることによって、交通事故を回避する代替的なルートの位置を示しても良い。
【0055】
車両ナビゲーション・システム100には、ユーザが入力する移動目的地までのルートを計算するように動作可能であるルート計算モジュール204が含まれていても良い。交通事故通知デバイス118を、個々の道路セグメント上で発生し得た交通事故の表示が含まれる交通事故通知メッセージを生成しても良いナビゲーション・コントロール・ユニット102と接続しても良い。交通事故が発生した個々の道路セグメントに付随するデジタル地図データベースに含まれるマーク付き迂回路のリストから、交通事故を回避する代替的なルートを検索する迂回路モジュール214が、含まれていても良い。迂回路モジュール214は、ルート計画モジュール204のソフトウェア・コンポーネントであっても良いし、または別個のソフトウェア・モジュールであっても良い。
【0056】
さらに他の例においては、車両ナビゲーション・システム100で用いる、交通事故を回避するために用いても良いマーク付き迂回路が含まれるデジタル地図データベース108の形成方法が開示される。複数の道路セグメントを含む道路網地図が形成される。道路網地図は、デジタル地図ファイルに記憶しても良い。交通事故シミュレーション・モジュール212を用いて、道路網地図のそれぞれの個々の道路セグメントに沿って交通事故をシミュレートしても良い。そして、それぞれの道路セグメントに対する交通事故を回避する少なくとも1つのマーク付き迂回路を、計算しても良い。そして、計算されたマーク付き迂回路を、デジタル地図データベース108に記憶して、車両が走行しているルートに沿って交通事故に遭遇した場合に車両ナビゲーション・システム100が用いるようにしても良い。
【0057】
前述したように、本発明によって、車両ナビゲーション・システム100は、道路セグメントに沿って発生し得る交通事故を回避するように計算されたマーク付き迂回路を用いることができる。本発明のいくつかの例においては、マーク付き迂回路の計算を地図変換プロセスの間に行なう。このプロセスにおいては、デジタル地図データベース108が、車両ナビゲーション・システム100が用いるように形成されている。こうすることによって、車両ナビゲーション・システム100は、動作中の処理能力を温存することができる。と言うのは、交通事故を回避する代替的なルートが、地図変換プロセス中にすでに計算されて記憶されているからである。加えて、こうすることによって、交通事故を回避する代替的なルートを計算しているときに、長い運搬移動の際に通常は用いられない細い機能別道路クラスを用いることができる。
【0058】
本発明の種々の実施形態について説明してきたが、はるかに多い実施形態および具体化が本発明の範囲内で可能であることが、当業者には明らかである。したがって本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって考慮される以外に、限定してはならない。
【0059】
本発明は、以下の図面および説明を参照して、より良好に理解することができる。図中の構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、むしろ本発明の原理を示すために強調がなされている。さらに図においては、同様の参照数字は、様々な図の全体を通して、対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、車両ナビゲーション・システムを示すブロック・ダイアグラムである。
【図2】図2は、図1の車両ナビゲーション・システムにおけるナビゲーション・コントロール・ユニット上に設けられたアプリケーション・モジュールを示すブロック・ダイアグラムである。
【図3】図3は、複数のタイプの機能別道路クラスに分類される複数の道路セグメントを示す例示的な道路網地図である。
【図4】図4は、迂回路モジュールによって計算された、交通事故に対するマーク付き迂回路を示す例示的な道路網地図である。
【図5】図5は、マーク付き迂回路を計算および使用するときにナビゲーション・システムが行なう典型的なプロセス・ステップを示すフロー・チャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の道路セグメントに分割された道路網地図を含むデジタル地図データベースと、
道路網地図を用いて移動目的地までのルートを計算するルート計画モジュールと、
ルートの個々の道路セグメントに沿って交通事故が発生したことを知らせる交通事故通知メッセージを受け取るように動作可能である交通事故通知デバイスと、
交通事故が発生した個々の道路セグメントに付随するデジタル地図データベースに含まれる少なくとも1つのマーク付き迂回路の位置を示すことによって、交通事故を回避する代替的なルートを取り出す迂回路モジュールと、を備える車両に対するナビゲーション・システム。
【請求項2】
デジタル地図データベースを形成するために用いられる地図変換プロセスの間に用いられる交通事故シミュレーション・モジュールにより、マーク付き迂回路が計算される請求項1に記載のナビゲーション・システム。
【請求項3】
ルートおよび代替的なルートに沿って車両を案内するためのルート案内モジュールをさらに備える請求項1に記載のナビゲーション・システム。
【請求項4】
個々の道路セグメントが、他の道路セグメントとの少なくとも2つの交差点の間に位置する請求項1に記載のナビゲーション・システム。
【請求項5】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、第1の交通事故より所定の距離だけ前で開始しおよび第2の交通事故から所定の距離だけ後で終了するように計算される請求項1に記載のナビゲーション・システム。
【請求項6】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、細い機能別道路クラスを用いて交通事故を回避するように計算される請求項1に記載のナビゲーション・システム。
【請求項7】
細い機能別道路クラスの位置が、デジタル地図データベース内に見出される道路クラス属性を検索することによって示される請求項6に記載のナビゲーション・システム。
【請求項8】
複数の道路セグメントを含む道路網地図をデジタル地図ファイルに変換することと、
道路網地図のそれぞれの個々の道路セグメントに沿って交通事故をシミュレートすることと、
それぞれの道路セグメントに対する交通事故を回避する少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算することと、
マーク付き迂回路をデジタル地図ファイルに記憶することと、を含むナビゲーション・システム内で用いるためのデジタル地図データベースの形成方法。
【請求項9】
道路網地図を変換することが、道路セグメントを、他の道路セグメントとの少なくとも2つの交差点の間にあると識別することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算することが、少なくとも1つのマーク付き迂回路を、交通事故より第1の所定の距離だけ前方で開始しおよび交通事故から所定の距離だけ後方で終了するように計算することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
マーク付き迂回路が、細い機能別道路クラスを用いて交通事故を回避するように計算される請求項8に記載の方法。
【請求項12】
細い機能別道路クラスの位置が、道路網地図内の各道路セグメントに付随する道路クラス属性を検索することによって示される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
車両ナビゲーション・システムとともに用いるデジタル地図データベースを形成するためのコンピュータ・プログラム製品であって、
交通事故を回避するためのコンピュータ読取可能なプログラム・コードが組み入れられたコンピュータ利用可能な媒体を備え、前記コンピュータ・プログラム製品は、
複数の道路セグメントを含む道路網地図を生成するコンピュータ読取可能なプログラム・コードと、
道路網地図に含まれる少なくとも1つの道路セグメントにおける交通事故をシミュレートするコンピュータ読取可能なプログラム・コードと、
交通事故を回避する少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算するコンピュータ読取可能なプログラム・コードと、
少なくとも1つのマーク付き迂回路をデジタル地図データベースに記憶するコンピュータ読取可能なプログラム・コードと、を有するコンピュータ・プログラム製品。
【請求項14】
各道路セグメントが、道路セグメントの少なくとも2つの交差点の間に位置する請求項13に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項15】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、最短走行時間の因子に基づいて計算される請求項13に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項16】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故を回避するための細い機能別道路クラスを用いて計算される請求項13に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項17】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故より第1の所定の距離だけ前で開始しおよび交通事故から第2の所定の距離だけ後で終了するように計算される請求項13に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項18】
交通事故が、連続する道路セグメントに上でシミュレートされる請求項13に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項19】
デジタル地図データベースを形成するための地図変換システムであって、
複数の道路セグメントを含む道路網地図を生成するための手段と、
道路網地図内に含まれる少なくとも1つの道路セグメントにおける交通事故をシミュレートするための手段と、
交通事故を回避する少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算するための手段と、
少なくとも1つのマーク付き迂回路をデジタル地図データベース内に記憶するための手段と、を備える地図変換システム。
【請求項20】
少なくとも1つの道路セグメントが、他の道路セグメントの2つの交差点の間に位置する請求項19に記載の地図変換システム。
【請求項21】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、最短距離の因子を用いて交通事故を回避するように計算される請求項19に記載の地図変換システム。
【請求項22】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故より第1の所定の距離だけ前で開始しおよび交通事故から第2の所定の距離だけ後で終了するように計算される請求項19に記載の地図変換システム。
【請求項23】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、細い機能別道路クラスを用いて交通事故を回避するように計算される請求項19に記載の地図変換システム。
【請求項24】
細い機能別道路クラスが、道路クラス属性の関数として決定される請求項23に記載の地図変換システム。
【請求項25】
複数の道路セグメントを含む道路網地図を用いて移動目的地までのルートを計算するように構成されたルート計画モジュールと、
ルートに沿って複数の道路セグメントのそれぞれにおける交通事故をシミュレートするように構成されたシミュレーション・モジュールと、
道路セグメントのそれぞれにおける交通事故を回避する少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算するように構成された迂回路モジュールと、
少なくとも1つのマーク付き迂回路を、個々の交通事故がルートに沿って個々の道路セグメントの1つにおいて発生したときに用いるために記憶するメモリ・デバイスと、備えるナビゲーション・システム。
【請求項26】
各道路セグメントが、他の道路セグメントとの少なくとも2つの交差点の間に位置する請求項25に記載のナビゲーション・システム。
【請求項27】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故より第1の所定の距離だけ前で開始しおよび交通事故から第2の所定の距離だけ後で終了するように計算される請求項25に記載のナビゲーション・システム。
【請求項28】
マーク付き迂回路が、細い機能別道路クラスを用いて交通事故を回避するように計算される請求項25に記載のナビゲーション・システム。
【請求項29】
細い機能別道路クラスの位置が、デジタル地図データベース内に見出される道路クラス属性を検索することによって示される請求項28に記載のナビゲーション・システム。
【請求項30】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故から所定の距離だけ後で終了するように計算される請求項25に記載のナビゲーション・システム。
【請求項31】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、ルートに沿って連続する道路セグメントに沿った連続する交通事故を回避するように計算される請求項25に記載のナビゲーション・システム。
【請求項32】
交通事故の通知を受け取るための交通メッセージ受け取りデバイスをさらに備える請求項25に記載のナビゲーション・システム。
【請求項33】
ナビゲーション・システムによって交通事故を回避する方法であって、
道路網地図上に所定の目的地までのルートを形成することと、
道路網地図上のルートを複数の道路セグメントに分割することと、
ルートに沿って各道路セグメント上で交通事故をシミュレートすることと、
それぞれの個々のシミュレートされた交通事故を迂回する少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算することと、
少なくとも1つのマーク付き迂回路をメモリ箇所に記憶することと、
実際の交通事故が個々の道路セグメント上で発生したときに、少なくとも1つのマーク付き迂回路によって代替的なルートを形成することと、を含む方法。
【請求項34】
少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算するときに機能別道路クラスを無視する請求項33に記載の方法。
【請求項35】
ルートを分割することが、道路網地図内の少なくとも2つの道路交差点の間の各道路セグメントの位置を示すことを含む請求項33に記載の方法。
【請求項36】
交通事故を、連続する道路セグメント上でシミュレートする請求項33に記載の方法。
【請求項37】
代替的なルートを形成するために用いられる少なくとも1つのマーク付き迂回路が、最短時間の因子に基づいて選択される請求項33に記載の方法。
【請求項38】
代替的なルートを形成するために用いられる少なくとも1つのマーク付き迂回路が、最短距離の因子に基づいて選択される請求項33に記載の方法。
【請求項39】
交通事故通知デバイスから交通事故通知を受け取ることをさらに含む請求項33に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故より第1の所定の距離だけ前で開始しおよび交通事故から所定の距離だけ後で終了するように計算される請求項33に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、細い機能別道路クラスを用いて交通事故を回避するように計算される請求項33に記載の方法。
【請求項42】
細い機能別道路クラスが、デジタル地図データベース内に見出される道路クラス属性を検索することによって決定される請求項41に記載の方法。
【請求項43】
車両ナビゲーション・システムとともに用いるためのコンピュータ・プログラム製品であって、
交通事故を回避するためのコンピュータ読取可能なプログラム・コードが組み入れられたコンピュータ利用可能な媒体を備え、前記コンピュータ・プログラム製品は、
複数の道路セグメントを含むデジタル道路網地図を用いて目的地までのルートを計算するコンピュータ読取可能なプログラム・コードと、
ルートに沿った道路セグメントにおける複数の交通事故をシミュレートするコンピュータ読取可能なプログラム・コード
デジタル道路網地図から決定される代替的なルートを用いて交通事故を迂回する複数のマーク付き迂回路を計算するコンピュータ読取可能なプログラム・コードと、
マーク付き迂回路をメモリ箇所に記憶するコンピュータ読取可能なプログラム・コードと、を有するコンピュータ・プログラム製品。
【請求項44】
ルートの個々の道路セグメントに沿って交通事故に遭遇したときに少なくとも1つのマーク付き迂回路を用いるコンピュータ読取可能なプログラム・コードをさらに備える請求項43に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項45】
用いられる少なくとも1つのマーク付き迂回路が、最短走行時間の因子に基づいて選択される請求項44に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項46】
ルートに沿って最短のマーク付き迂回路を決定するコンピュータ読取可能なプログラム・コードをさらに備え、ルートに沿った道路セグメントにおいて交通事故に遭遇したときに最短のマーク付き迂回路が用いられる請求項43に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項47】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故を回避するための細い機能別道路クラスを用いて計算される請求項43に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項48】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故より第1の所定の距離だけ前で開始しおよび交通事故から第2の所定の距離だけ後で終了するように計算される請求項43に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項49】
交通事故が、連続する道路セグメント上でシミュレートされる請求項43に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項50】
交通事故について記述する交通事故通知デバイスからの交通事故通知を受け取るコンピュータ読取可能なプログラム・コードをさらに備える請求項43に記載のコンピュータ・プログラム製品。
【請求項51】
複数の道路セグメントを有する道路網地図を用いて目的地までのルートを計算するための手段と、
ルートに沿って少なくとも1つの個々の道路セグメント上で少なくとも1つの交通事故をシミュレートするための手段と、
ルートに沿って少なくとも1つの交通事故を回避する少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算するための手段と、
マーク付き迂回路をメモリ箇所に記憶するための手段と、を備えるナビゲーション・システム。
【請求項52】
ルートに沿って個々の交通事故に遭遇したときに個々のマーク付き迂回路を取り出すための手段をさらに備える請求項51に記載のナビゲーション・システム。
【請求項53】
ルートに沿って個々の交通事故に遭遇したときに個々のマーク付き迂回路に沿ってユーザを案内するための手段をさらに備える請求項52に記載のナビゲーション・システム。
【請求項54】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、最短距離の因子を用いて少なくとも1つの交通事故を回避するように計算される請求項51に記載のナビゲーション・システム。
【請求項55】
各道路セグメントが、道路セグメントの少なくとも2つの交差点の間に位置する請求項51に記載のナビゲーション・システム。
【請求項56】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、交通事故より第1の所定の距離だけ前で開始しおよび交通事故から所定の距離だけ後で終了するように計算される請求項51に記載のナビゲーション・システム。
【請求項57】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、細い機能別道路クラスを用いて交通事故を回避するように計算される請求項51に記載のナビゲーション・システム。
【請求項58】
細い機能別道路クラスが、デジタル地図データベース内に見出される道路クラス属性の関数として決定される請求項57に記載のナビゲーション・システム。
【請求項59】
少なくとも1つのマーク付き迂回路が、ルートに沿って交通事故から所定の距離だけ過ぎたところで終了するように計算される請求項51に記載のナビゲーション・システム。
【請求項60】
少なくとも1つの交通事故が複数の交通事故であり、および少なくとも1つのマーク付き迂回路が、ルートに沿った複数の道路セグメントに沿った連続する交通事故を回避するように計算される請求項51に記載のナビゲーション・システム。
【請求項61】
少なくとも1つの交通事故の通知を受け取るための交通事故通知デバイスをさらに含む請求項51に記載のナビゲーション・システム。
【請求項62】
ナビゲーション・システムによって交通事故を回避する方法であって、
複数の道路セグメントを含む道路網地図上で所定の目的地までのルートを形成するステップと、
ルートに沿ってそれぞれの道路セグメント上で交通事故をシミュレートするステップと、
各道路セグメントに対する各個々の交通事故を迂回する少なくとも1つのマーク付き迂回路を計算するステップと、
それぞれのマーク付き迂回路を、道路セグメントに付随するメモリ箇所に記憶するステップと、
交通事故通知デバイスから、ルートに沿った所定の道路セグメントにおける個々の交通事故の通知を受け取るステップと、
個々のマーク付き迂回路を、通知内で記述される交通事故を回避する際に用いるためにメモリ箇所から取り出すステップと、を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−512587(P2006−512587A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507813(P2005−507813)
【出願日】平成15年7月17日(2003.7.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/022349
【国際公開番号】WO2005/017855
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】