説明

メッセージ送信装置、メッセージ送信方法、及び、メッセージ送信プログラム

【課題】相手の電話に対して留守番電話で設定されている録音時間や相手の属性に応じた定型の応答メッセージを送信するメッセージ送信装置等を提供する
【解決手段】顧客電話102に対して予め登録されたメッセージを送信するメッセージ送信装置100において、再生時間が異なる複数のメッセージを格納するメッセージDB180と、任意の相手に対して電話を発信する発信部110と、顧客電話102が留守番電話である場合に、その応答音声を受信する送受信部120と、応答音声に基づいて送信するメッセージの再生時間を決定する再生時間決定部130と、再生時間に基づいてメッセージDB180に格納されたメッセージを選択するメッセージ選択部140と、選択されたメッセージを再生するメッセージ再生部150とを備え、送受信部120が、メッセージ再生手段にて再生されたメッセージを顧客電話102に送信することを特徴とするメッセージ送信装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、留守番電話に対してメッセージを送信するメッセージ送信装置に関し、特に、定型メッセージを送信するメッセージ送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発信型のコールセンタ業務において、相手が不在の場合や携帯電話で通話することができない状態である場合に、留守番電話録音モード(以下、留守録モードとする)になっていることが多い。このような場合に、オペレータは同じメッセージを何度も繰り返して吹き込まなければならず、大変手間が掛かるという問題がある。
【0003】
上記問題を解決すべく、特許文献1及び2に示す技術がある。特許文献1に示す技術は、通話時に留守番電話機能に対して発声することなく簡単にメッセージを受け手に伝達可能にする技術であり、定型メッセージの記憶、再生を行う定型メッセージ記憶再生部と、定型メッセージ記憶再生部の動作を制御する記憶再生制御部と、定型メッセージに関する動作選択肢を表示する表示部と、定型メッセージの再生終了時に通信を切断する通信制御部とを備える。記憶再生制御部は、発呼した通話先の留守番電話機能に対応して、表示部による動作選択肢の表示を行い、ユーザからの入力部を介した選択指示に応じて定型メッセージ記憶再生部により該当する定型メッセージを再生し、この再生した定型メッセージを音声情報として通話先に送信する。また、定型メッセージの再生が終了した際に通信を切断する。
【0004】
また、特許文献2に示す技術は、留守番電話機にメッセージを自動的に送信する技術であり、案内音声送信部のメモリにはメッセージを表わす信号があらかじめ記憶されている。顧客に電話をかけたときにあらかじめ留守番電話機に録音されている応答メッセージを聞いて,顧客の電話機が留守番電話モードに設定されていることが分ると設定スイッチを用いてメッセージ自動送信モードがオペレータによって設定される。「ピー」音検出部において留守番電話の「ピー」音が検出され,「ピー」音の終了が「ピー」音終了検出部において検出されると,案内音声送信部においてあらかじめ記憶されているメッセージを表わすメッセージ信号が出力される。これにより顧客の留守番電話機にはメッセージが自動的に録音される。
【特許文献1】特開2007−19720号公報
【特許文献2】特開平6−253013号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
留守録モードにおける伝言の録音時間は、電話の種類や電話会社ごとに様々であり、また、個人によって録音時間の設定は様々である。特許文献1及び2に示す技術は、留守録モードでの録音時間を考慮していないため、伝えるべきメッセージが全部入り切らずにメッセージの途中で途切れてしまう可能性がある。また、メッセージの途中で途切れることを防止するために必要最低限のメッセージを用いることで、録音時間が余っているにも関わらず、必要最低限のことしか応答できないという課題を有する。
また、同じ人に何回も掛ける場合には、毎回同じメッセージとなるため、相手に複数回電話を掛けている意図が伝わりにくくなってしまうという課題を有する。
【0006】
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、相手の電話に対して留守番電話で設定されている録音時間や相手の属性に応じた定型の応答メッセージを送信するメッセージ送信装置、メッセージ送信方法、及び、メッセージ送信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1.留守録時間に応じたメッセージの送信)
本メッセージ送信装置は、留守番電話に対して予め登録されたメッセージを送信するメッセージ送信装置において、前記予め登録されたメッセージを所定の再生時間ごとに複数に分けて格納するメッセージ格納手段と、任意の相手に対して電話を発信する発信手段と、前記任意の相手の電話が留守番電話である場合に、当該留守番電話の応答音声を受信する応答音声受信手段と、前記応答音声受信手段が受信した応答音声に基づいて、送信するメッセージの再生時間を決定する再生時間決定手段と、前記再生時間決定手段が決定したメッセージの再生時間に基づいて、前記メッセージ格納手段に格納されたメッセージを選択するメッセージ選択手段と、前記メッセージ選択手段が選択したメッセージを再生するメッセージ再生手段と、前記メッセージ再生手段が再生したメッセージを前記任意の相手の電話に送信するメッセージ送信手段とを備えるものである。
【0008】
このように、本メッセージ送信装置においては、電話を掛けた相手が留守番電話に設定されている場合に、録音可能時間を決定し、決定した時間に応じて予め登録されたメッセージを選択して送信するため、メッセージが途中で途切れることなく、伝えたい内容を確実に送信することができるという効果を奏する。
【0009】
また、必要最低限の用件だけではなく、録音可能時間を最大限に使ってメッセージ内容を充実させることができるため、伝える側がより多くの情報を伝えることができるという効果を奏する。
【0010】
(2.不在回数に応じたメッセージの送信)
本メッセージ送信装置は、前記任意の相手の電話への発信において、当該相手の電話が連続して留守番電話である回数を不在回数として少なくとも格納する発信先情報格納手段を備え、前記メッセージ格納手段が、前記予め登録されたメッセージを異なる再生時間ごと及び異なる不在回数ごとに格納し、前記メッセージ選択手段が、前記再生時間決定手段にて決定されたメッセージの再生時間及び前記発信先情報格納手段にて格納された不在回数に基づいて前記メッセージ格納手段に格納されたメッセージを選択するものである。
【0011】
このように、本メッセージ送信装置においては、相手の電話が連続して留守番電話に設定されている場合に、その連続した回数を不在回数として格納しておき、録音可能時間及び不在回数に応じてメッセージを選択して送信するため、同じ相手に何度も掛ける場合にメッセージが単調にならないと共に、複数回掛けていることを相手に認識させることで、特に緊急の場合には、その緊急性認識させることができるという効果を奏する。
【0012】
(3.録音可能時間が得られなかった場合のメッセージの選択)
本メッセージ送信装置は、前記再生時間決定手段が再生時間を決定することが不可能である場合に、前記メッセージ選択手段が、前記メッセージ格納手段に格納されたメッセージから最短又は最長のメッセージを選択するものである。
【0013】
このように、本メッセージ送信装置においては、再生時間を決定することが不可能である場合に、最短又は最長のメッセージを選択するため、最短のメッセージを選択した場合は、必要最低限の用件のみを伝えることができ、最長のメッセージを選択した場合には、2回目以降に掛けた時に留守番電話に設定されていた場合のメッセージの送信時間の目安を得ることができると共に、様々に設定された留守番電話の録音可能時間に対応することができるという効果を奏する。
【0014】
(4.録音時間に応じたメッセージの生成)
本メッセージ送信装置は、前記メッセージ選択手段が、前記再生時間決定手段にて決定された再生時間に応じて、当該再生時間に収まるように前記メッセージ格納手段に格納された複数のメッセージを組み合わせて選択し、当該選択された複数のメッセージから再生メッセージを生成する再生メッセージ生成手段を備え、前記メッセージ再生手段が、前記再生メッセージ生成手段にて生成されたメッセージを再生するものである。
【0015】
このように、本メッセージ送信装置においては、決定した再生時間に収まるように複数のメッセージの組み合わせて一つのメッセージを生成するため、あらゆる再生時間に対応することができ、留守番電話の録音時間が個人ごとに異なっていても、個人に応じたメッセージを送信することができるという効果を奏する。
【0016】
なお、メッセージ格納手段には、様々な長さのメッセージが、ある所定のカテゴリごと(例えば、主語、述語、修飾語といったカテゴリや、挨拶文、前文、本文、結び文といったカテゴリ)に登録されており、カテゴリ別にメッセージを組み合わせることで、一つのメッセージを生成するようにしてもよい。
【0017】
(5.メッセージ長の微調整)
本メッセージ送信装置は、前記メッセージ選択手段が選択したメッセージを、前記再生時間決定手段にて決定された再生時間に応じて短縮するメッセージ調整手段を備え、前記メッセージ再生手段が、前記メッセージ調整手段にて調整されたメッセージを再生するものである。
【0018】
このように、本メッセージ送信装置においては、再生するメッセージを、決定された再生時間に応じて短縮するため、メッセージ長の微調整を行うことができ、様々な長さの留守番電話の設定に対応することができるという効果を奏する。
【0019】
(6.録音時間に応じたメッセージの生成)
本メッセージ送信装置は、前記再生時間決定手段が、前記応答音声受信手段にて受信された応答音声を文字変換し、当該文字変換された情報を形態素解析して再生時間を決定するものである。
【0020】
このように、本メッセージ送信装置においては、受信された応答音声を文字変換し、当該文字変換された情報を形態素解析して再生時間を決定するため、留守番電話に設定されている場合は、全ての処理を装置が自動で行うことができ、オペレータの負担を軽減することができるという効果を奏する。
【0021】
これまで、本発明を装置として示したが、所謂当業者であれば明らかであるように本発明を方法、及び、プログラムとして捉えることもできる。これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。従って、本実施形態の記載内容のみで本発明を解釈すべきではない。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
【0023】
以下の実施の形態では、主に装置について説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明は方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
【0024】
なお、以下の各実施形態において、「初回コール」とは、先回の電話が留守番電話ではなかった場合に今回のコールを「初回コール」とし、「不在再コール」とは、先回の電話が留守番電話であった場合に今回のコールを「不在再コール」とする。
【0025】
(本発明の第1の実施形態)
(1.構成と機能)
図1は、本実施形態に係るメッセージ送信装置の構成を示すブロック図である。ここでは、発信型のコールセンタから顧客に対して電話を掛ける場合の装置について説明する。メッセージ送信装置100は、発信部110と、送受信部120と、再生時間決定部130と、メッセージ選択部140と、メッセージ再生部150と、データベース書込部160と、発信先情報DB170と、メッセージDB180とを備える。
【0026】
発信部110は、オペレータ103の発信操作により発信先情報DB170から発信先の顧客の情報(電話番号等)を取得して、コールセンタに設置されている交換機101を介して顧客電話102に対して呼び情報を発信する処理を行う。
【0027】
送受信部120は、顧客電話102が留守番電話に設定されている場合に、応答音声を交換機101を介して受信したり、コールセンタからのメッセージを交換機101を介して顧客電話102に送信する処理を行う。
【0028】
再生時間決定部130は、送受信部120が受信した応答音声に含まれる録音可能時間を聞いたオペレータの指示により入力された値を、メッセージの再生時間として決定する処理を行う。
なお、オペレータの指示によらず、装置が自動で判断するようにしてもよい。その場合の装置の詳細な構成はその他の実施形態に後述する。
【0029】
メッセージ選択部140は、再生時間決定部130が決定したメッセージ再生時間や発信先情報DB170に格納された不在回数に基づいて、適切なメッセージを選択する処理を行う。ここで、不在回数とは、先回の電話が留守番電話だった場合に、連続して何回目の留守番電話だったかを示す回数である。
【0030】
メッセージ再生部150は、メッセージ選択部140が選択したメッセージを再生する処理を行う。
データベース書込部160は、顧客電話102ごとの録音可能時間や顧客ごとの不在回数を発信先情報DB170に書き込む処理を行う。
【0031】
発信先情報DB170は、顧客電話102ごとの録音可能時間や顧客ごとの不在回数の他、顧客や顧客電話102に関する様々な情報を格納するテーブルである。例えば、顧客の属性や顧客に発信した電話の履歴情報を格納している。メッセージ選択部140は、これらの情報を参照しながらメッセージの選択を行うこともできる。
【0032】
ここで、発信先情報DB170の中身について詳細に説明する。図2は、発信先情報DB170の中身の一例を示す図である。顧客ごとに複数の電話番号1〜3を登録することができ、電話番号ごとに留守番電話の録音時間を格納することができる。この録音時間に応じてメッセージの再生時間を決定する。また、顧客ごとに不在カウントの項目を持っており、連続して留守番電話になった回数をカウントする。この不在回数に基づいて、メッセージを変更することが可能となる。初回のコールの場合は更新前の状態であるが、初回のコールが留守番電話で不在となった場合には更新後のデータに書き換えられる。
なお、図2はあくまで一例であるため必要最小限の項目を挙げているに過ぎず、顧客に関する基本情報や属性情報や履歴情報等の様々な情報を格納するようにしてもよい。
【0033】
メッセージDB180は、再生時間ごと及び/又は不在回数ごとに様々なメッセージ情報を格納するデータベースである。ここでは、再生時間ごと及び/又は不在回数ごとに対応する音声ファイル名をテーブルとして格納しており、実際の音声ファイルは装置内の所定の場所(例えば、ハードディスク等の外部記憶装置)に保存されている。このメッセージDB180を読み出すことで、該当する音声ファイルを呼び出して再生する。
【0034】
ここで、メッセージDB180の中身について詳細に説明する。図3は、メッセージDB180の中身の一例を示す図である。図3(a)において、行が留守録時間(再生時間)ごとのメッセージを示し、列が不在の回数ごとのメッセージを示す。つまり、顧客Aの携帯電話の留守番電話の録音可能時間が18秒であり、設定が留守番である場合に、初回の電話では、応答メッセージ1−18を再生する。2回目の不在コールも留守番電話である場合には、応答メッセージ2−18を再生する。メッセージの音声ファイルは、例えば、図に示すように「オペレータコード_不在回数_留守録コース.WAV」となっており、テーブルに対応するファイルが選択されて再生される。図3(b)は、応答メッセージの具体例を示している。初回不在時の18秒コースでは必要最小限の用件のみを簡潔に伝える。2回目不在時の18秒コースでは、既に一度連絡済みである旨と、初回よりも緊急性を示唆するような表現を含んでいるが、伝える用件は初回と同じである。初回不在時の30秒コースでは、18秒コースに加えてキャンペーンの案内を伝えたり、より丁寧な口調で用件を伝えるメッセージとなっている。このように、メッセージDB180には再生時間ごと及び/又は不在回数ごとに様々なメッセージが格納されている。
【0035】
(2.動作)
(2−1 初回コール時の動作)
図4は、本実施形態に係るメッセージ送信装置の動作を示す第1のフローチャートである。初回コールの場合、まず、発信先情報DB170を一件ずつ読み込む(ステップS401)。読み込んだ(顧客に関する)データに基づいて発信処理を行う(ステップS402)。
【0036】
ここで、発信先情報DB170を読み込んで発信処理を行う際の画面のイメージについて説明する。図5は、初回コール処理における画面イメージ図である。顧客名欄501には、読み込んだデータの顧客名称が表示される。電話番号欄502には、登録されている顧客の電話番号が表示される。自宅、携帯、勤務先等の様々な電話番号について登録している場合は、その全てが表示される。コース欄503には、メッセージの再生時間を示すコースの一覧が表示され、いずれか1つを選択することができる。初回コールの場合は留守番電話かどうかわからないため、ここでの初期値は空白となっている。発信ボタン504は、ボタンを押下すると隣接して表示される電話番号に対して電話を発信する処理を開始する。切断ボタン505は、現在掛かっている電話を切断する処理を行う。不在回数欄506は、先回の電話が留守番電話であった場合に、連続して何回目の留守番電話であったかを表示する。メッセージ再生ボタン507は、ボタンを押下すると選択されたコースのメッセージを再生する処理を開始する。案内種別欄508は、発信先電話の留守番電話の応答音声が電子案内であるか肉声案内であるかを表示する。ここでは初回コールであるため、空白となっている。
【0037】
案内種別欄508については、電子案内と肉声案内を選択的に表示するが、電子案内の場合は自分の名前を名乗らないため、発信先の電話が本当に意図している人物かどうかを判定することができない。コールセンタ側の業種によっては、発信先が不確定である場合にメッセージを録音してはいけない場合もある。従って、発信先の電話が不確定であるかどうかを判別する目安とするために案内種別欄508が設けられている。
【0038】
図4に戻って、ステップS402で発信処理が完了すると、発信先の電話が留守番電話かどうかの判定を行う(ステップS403)。留守番電話でない場合は、そのまま会話を行う。留守番電話である場合は、応答音声を確認する(ステップS404)。応答音声は一般的には、「ただいま電話に出ることができません。ピーッとなりましたらn秒以内にメッセージをお願いします。」といった内容が多く、オペレータは応答音声中のn秒を聞き取って入力する。オペレータにより入力された秒数に従って、メッセージの再生時間を決定する(ステップS405)。
なお、再生時間の決定はオペレータの入力に拠らず、自動音声認識を利用して決定するようにしてもよい。再生時間の決定をオペレータに拠らない場合の処理については後述する。
【0039】
再生時間が決定すると、その再生時間に対応するコースの初回不在時のメッセージを選択してメッセージを再生する(ステップS406)。メッセージの音声ファイルは、前述したようにメッセージDB180のテーブルに基づいて呼び出して再生する。メッセージが再生され、送信されると、発信先情報DB170にステップS405で決定した再生時間nの値を書き込み、不在回数をカウントアップする(ステップS407)。ステップS407までの処理が完了すると、ステップS401に戻って次の顧客についての処理を行う。
【0040】
(2−2 不在再コール時の動作)
図6は、本実施形態に係るメッセージ送信装置の動作を示す第2のフローチャートである。不在再コールの場合、まず、発信先情報DB170を一件ずつ読み込むが、初回コールの場合と異なり、発信先情報DB170に格納されている不在回数が0より大きい顧客(初回コールではない顧客)についての情報を読み込む(ステップS601)。読み込んだデータに基づいて発信処理を行う(ステップS602)。
【0041】
ここで、発信先情報DB170を読み込んで発信処理を行う際の画面のイメージについて説明する。図7は、不在再コール処理における画面イメージ図である。図5の場合と異なるのは、発信ボタン504を押下した場合に対応する電話番号に対して設定されているメッセージの再生時間から自動でコース欄が選択される点と、不在回数欄506に不在回数が表示されている点と、メッセージ再生ボタン507の表示が不在回数に応じて変化している点と、案内種別欄508を備えていない点である。不在再コールの場合には先回の電話が留守番電話であるため、メッセージの再生コースや不在回数を初期値として表示することができる。案内種別欄508も初回コールの際に設定されるため、不在再コールの場合には不要となるため表示されていない。
なお、図7において、不在再コール時には電子案内から肉声案内に変更されている可能性があるため、案内種別欄508を表示して再設定できるようにしてもよい。
【0042】
図6に戻って、ステップS602で発信処理が完了すると、発信先の電話が留守番電話かどうかの判定を行う(ステップS603)。留守番電話でない場合は、そのまま会話を行う。留守番電話である場合は、応答音声に従って、所定のタイミングでメッセージを再生する(ステップS604)。この時、不在回数に応じたメッセージが自動で選択されて再生される。メッセージが再生され、送信されると、発信先情報DB170に不在回数をカウントアップする(ステップS605)。ステップS605までの処理が完了すると、ステップS601に戻って次の顧客についての処理を行う。
【0043】
図6に示すように、不在再コールの場合は、図4におけるステップS404及びステップS405の処理を省略することができる。
【0044】
このように、本実施形態に係るメッセージ送信装置によれば、電話を掛けた相手が留守番電話に設定されている場合に、録音可能時間を決定し、決定した時間に応じて予め登録されたメッセージを選択して送信するため、メッセージが途中で途切れることなく、伝えたい内容を確実に送信することができる。
【0045】
また、必要最低限の用件だけではなく、録音可能時間を最大限に使ってメッセージ内容を充実させることができるため、伝える側がより多くの情報を伝えることができるという効果を奏する。
【0046】
さらに、相手の電話が連続して留守番電話に設定されている場合に、その連続した回数を不在回数として格納しておき、録音可能時間及び不在回数に応じてメッセージを選択して送信するため、同じ相手に何度も掛ける場合にメッセージが単調にならないと共に、複数回掛けていることを相手に認識させることで、特に緊急の場合には、その緊急性認識させることができる。
【0047】
(本発明の第2の実施形態)
(1.構成と機能)
図8は、本実施形態に係るメッセージ送信装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態と異なる点は、再生メッセージ生成部810を備える点である。
再生メッセージ生成部810は、メッセージ選択部140が選択したメッセージ情報の断片を繋いで再生用のメッセージを生成する処理を行う。この時、メッセージ選択部140は、決定された再生時間に収まるようなメッセージ情報を選択する。メッセージ情報の選択処理の詳細は後述する。
その他の構成要素については、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0048】
(2.動作)
(2−1 初回コール時の動作)
図9は、本実施形態に係るメッセージ送信装置の動作を示す第1のフローチャートである。ここでは、初回コールの動作について説明する。ステップS401からステップS405までの処理は第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。ステップS405で再生時間が決定すると、決定した再生時間に収まるようにメッセージ情報の組み合わせを選択し、再生用のメッセージを生成して再生する(ステップS406a)。以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0049】
(2−2 不在再コール時の動作)
図10は、本実施形態に係るメッセージ送信装置の動作を示す第2のフローチャートである。ここでは、不在再コールの動作について説明する。ステップS601からステップS603までの処理は第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。ステップS603で留守番電話である場合は、発信先情報DB180に格納されている再生時間に収まるように不在回数に応じてメッセージ情報の組み合わせを選択し、再生用のメッセージを生成して再生する(ステップS604a)。以降の処理は、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0050】
ここで、再生時間に収まるようにメッセージ情報の組み合わせを選択する処理について説明する。図11は、メッセージ情報の組み合わせを選択する処理の一例を示す図である。メッセージDB180には、様々な長さのメッセージ情報が格納されており、それらのメッセージ情報は所定のカテゴリに分類されている。
【0051】
図11においては、挨拶カテゴリ、発信者情報カテゴリ、用件カテゴリがあり、それぞれのカテゴリの中に様々な長さのメッセージ情報が格納されている。例えば、挨拶カテゴリには、「いつも」「お世話になります」「度々申し訳ありません」「おはようございます」「お昼休み中申し訳ありません」「夜分失礼致します」等の情報が格納されており、それぞれの情報を組み合わせることで、様々な再生時間の挨拶メッセージを生成することができる。同様に、発信者情報カテゴリと用件カテゴリにおいても様々な再生時間のメッセージを生成することができる。そして、最終的に、決定した再生時間に収まるように各メッセージ情報を組み合わせて再生メッセージを生成する。
【0052】
なお、組み合わせると文章として成り立たないものについては、予め組み合わせを不可能な情報として登録しておいてもよい。
また、メッセージ情報を選択する機能に学習機能を付加して、回数を重ねるごとに学習を行う構成としてもよい。
【0053】
さらに、図11においては、カテゴリを挨拶カテゴリ、発信者情報カテゴリ、用件カテゴリの3つに分けた構成としているが、あくまでも一例を示したものであり、装置の使用環境やコールセンタ側の業種により、様々なカテゴリに分けるようにしてもよい。例えば、主語カテゴリ、述語カテゴリ、修飾語カテゴリ等でもよい。
【0054】
このように、本実施形態に係るメッセージ送信装置によれば、決定した再生時間に収まるように複数のメッセージの組み合わせて一つのメッセージを生成するため、あらゆる再生時間に対応することができ、留守番電話の録音時間が個人ごとに異なっていても、個人に応じたメッセージを送信することができる。
【0055】
(その他の実施形態)
(1.メッセージの短縮と延長)
上記各実施形態に加えて、メッセージ送信装置100は、メッセージ選択部140が選択したメッセージの長さを調整するメッセージ調整手段を備える構成とすることができる。メッセージ調整手段は、メッセージの長さを微調整する機能を有する。例えば、再生時間決定部130が決定した再生時間が25秒であり、メッセージDB180に格納されているメッセージに25秒のコースがないとする。その場合に、25秒以内に収まるように20秒のコースの選択してもよいが、多くの用件を伝えたい場合には、30秒のコースを選択し、そのコースを25秒に短縮して再生する。そうすることで、録音可能時間内に多くの用件を伝えることが可能となる。ただし、再生時間を短縮した場合に、音声が多少高音となることがあるため、音程を統一する音程調節機能を備えてもよい。
【0056】
このように、再生するメッセージを、決定された再生時間に応じて短縮することで、メッセージ長の微調整を行うことができ、様々な長さの留守番電話の設定に対応することができる。
【0057】
(2.再生時間が決定不可能な場合の再生メッセージの選択)
上記各実施形態において、留守番電話の応答音声によっては、録音可能時間をアナウンスしない場合がある。その場合には、録音可能時間に基づいて再生時間を決定することができないため、最短のメッセージ又は最長のメッセージを選択する。最短のメッセージの場合は、最小限の情報のみを再生する(例えば、○○銀行と申します。後ほどお掛け直し致します。(約5秒))。そうすることで、録音可能時間を短く設定している顧客であっても最小限の情報を伝えることができる。また、最長のメッセージの場合は、用件以外の情報も付加して再生する(例えば、○○銀行と申します。・・・(用件)・・・。また、現在××相談窓口や、△△キャンペーンをご用意しております。・・・(PR、広告)・・・。失礼致します(約120秒))。そうすることで、途中で切れた場合であっても録音可能時間を測定することができ、再コール時にメッセージ再生時間の決定に利用することができる。途中で切れなかった場合には、最長メッセージを再生することができるため、他のどのメッセージも選択して再生することができる。
【0058】
このように、再生時間を決定することが不可能である場合に、最短又は最長のメッセージを選択するため、最短のメッセージを選択した場合は、必要最低限の用件のみを伝えることができ、最長のメッセージを選択した場合には、2回目以降に掛けた時に留守番電話に設定されていた場合のメッセージの送信時間の目安を得ることができると共に、様々に設定された留守番電話の録音可能時間に対応することができる。
【0059】
(3.音声認識による再生時間の決定)
上記各実施形態において、留守番電話の応答音声を自動認識して再生時間を決定するようにしてもよい。その場合、まず、留守番電話の応答音声を文字に変換する変換手段と、変換した文字を形態素解析する解析手段と、形態素解析した結果から録音可能時間を取得する取得手段を備えることで実現することができる。録音可能時間が取得を取得すると、その録音可能時間に基づいて再生時間決定手段が再生時間を決定する。以降の処理は、上記各実施形態と同様である。
【0060】
このように、受信された応答音声を文字変換し、当該文字変換された情報を形態素解析して再生時間を決定するため、顧客の電話が留守番電話に設定されている場合は、全ての処理を装置が自動で行うことができ、オペレータの負担を軽減することができる。
【0061】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】第1の実施形態に係るメッセージ送信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】発信先情報DBの中身の一例を示す図である。
【図3】メッセージDBの中身の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態に係るメッセージ送信装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【図5】初回コール処理における画面イメージ図である。
【図6】第1の実施形態に係るメッセージ送信装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【図7】不在再コール処理における画面イメージ図である。
【図8】第2の実施形態に係るメッセージ送信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第2の実施形態に係るメッセージ送信装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【図10】第2の実施形態に係るメッセージ送信装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【図11】メッセージ情報の組み合わせを選択する処理の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
100 メッセージ送信装置
101 交換機
102 顧客電話
103 オペレータ
110 発信部
120 送受信部
130 再生時間決定部
140 メッセージ選択部
150 メッセージ再生部
160 データベース書込部
170 発信先情報DB
180 メッセージDB
501 顧客名欄
502 電話番号欄
503 コース欄
504 発信ボタン
505 切断ボタン
506 不在回数欄
507 メッセージ再生ボタン
508 案内種別欄
810 再生メッセージ生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
留守番電話に対して予め登録されたメッセージを送信するメッセージ送信装置において、
再生時間が異なる複数のメッセージを格納するメッセージ格納手段と、
任意の相手に対して電話を発信する発信手段と、
前記任意の相手の電話が留守番電話である場合に、当該留守番電話の応答音声を受信する応答音声受信手段と、
前記応答音声受信手段が受信した応答音声に基づいて、送信するメッセージの再生時間を決定する再生時間決定手段と、
前記再生時間決定手段が決定したメッセージの再生時間に基づいて、前記メッセージ格納手段に格納されたメッセージを選択するメッセージ選択手段と、
前記メッセージ選択手段が選択したメッセージを再生するメッセージ再生手段と、
前記メッセージ再生手段が再生したメッセージを前記任意の相手の電話に送信するメッセージ送信手段とを備えることを特徴とするメッセージ送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載のメッセージ送信装置において、
前記任意の相手の電話への発信において、当該相手の電話が連続して留守番電話である回数を不在回数として少なくとも格納する発信先情報格納手段を備え、
前記メッセージ格納手段が、前記予め登録されたメッセージを異なる再生時間ごと及び異なる不在回数ごとに格納し、
前記メッセージ選択手段が、前記再生時間決定手段にて決定されたメッセージの再生時間及び前記発信先情報格納手段にて格納された不在回数に基づいて前記メッセージ格納手段に格納されたメッセージを選択することを特徴とするメッセージ送信装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のメッセージ送信装置において、
前記再生時間決定手段が再生時間を決定することが不可能である場合に、前記メッセージ選択手段が、前記メッセージ格納手段に格納されたメッセージから最短又は最長のメッセージを選択することを特徴とするメッセージ送信装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のメッセージ送信装置において、
前記メッセージ選択手段が、前記再生時間決定手段にて決定された再生時間に応じて、当該再生時間に収まるように前記メッセージ格納手段に格納された複数のメッセージを組み合わせて選択し、当該選択された複数のメッセージから再生メッセージを生成する再生メッセージ生成手段を備え、
前記メッセージ再生手段が、前記再生メッセージ生成手段にて生成されたメッセージを再生することを特徴とするメッセージ送信装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載のメッセージ送信装置において、
前記メッセージ選択手段が選択したメッセージを、前記再生時間決定手段にて決定された再生時間に応じて短縮するメッセージ調整手段を備え、
前記メッセージ再生手段が、前記メッセージ調整手段にて調整されたメッセージを再生することを特徴とするメッセージ送信装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載のメッセージ送信装置において、
前記再生時間決定手段が、前記応答音声受信手段にて受信された応答音声を文字変換し、当該文字変換された情報を形態素解析して再生時間を決定することを特徴とするメッセージ送信装置。
【請求項7】
留守番電話に対して予め登録されたメッセージをコンピュータに送信させるメッセージ送信方法において、
コンピュータが、
前記予め登録されたメッセージを所定の再生時間ごとに複数に分けて格納するメッセージ格納手順と、
任意の相手に対して電話を発信する発信手順と、
前記任意の相手の電話が留守番電話である場合に、当該留守番電話の応答音声を受信する応答音声受信手順と、
前記応答音声受信手段が受信した応答音声に基づいて、送信するメッセージの再生時間を決定する再生時間決定手順と、
前記再生時間決定手段が決定したメッセージの再生時間に基づいて、前記メッセージ格納手段に格納されたメッセージを選択するメッセージ選択手順と、
前記メッセージ選択手段が選択したメッセージを再生するメッセージ再生手順と、
前記メッセージ再生手段が再生したメッセージを前記任意の相手の電話に送信するメッセージ送信手順とを含む機能として送信することを特徴とするメッセージ送信方法。
【請求項8】
留守番電話に対して予め登録されたメッセージを送信するようにコンピュータを実行させるためのメッセージ送信プログラムにおいて、
前記予め登録されたメッセージを所定の再生時間ごとに複数に分けて格納するメッセージ格納手順と、
任意の相手に対して電話を発信する発信手順と、
前記任意の相手の電話が留守番電話である場合に、当該留守番電話の応答音声を受信する応答音声受信手順と、
前記応答音声受信手段が受信した応答音声に基づいて、送信するメッセージの再生時間を決定する再生時間決定手順と、
前記再生時間決定手段が決定したメッセージの再生時間に基づいて、前記メッセージ格納手段に格納されたメッセージを選択するメッセージ選択手順と、
前記メッセージ選択手段が選択したメッセージを再生するメッセージ再生手順と、
前記メッセージ再生手段が再生したメッセージを前記任意の相手の電話に送信するメッセージ送信手順とをコンピュータに実行させるためのメッセージ送信プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−182813(P2009−182813A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−21060(P2008−21060)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】