説明

メモリセルアレイ

【課題】小型化、高密度化が可能であって、かつ、既存の半導体製造技術と整合性の良いメモリセルアレイを提供する。
【解決手段】複数のメモリセル100をアレイ状に配置したメモリセルアレイ10において、メモリセル100はMOSトランジスタ110とMOSトランジスタ110の一方の拡散層112aに接続する第1電極113を有するコンタクトホール101a内に形成されたナノギャップ素子120とを有し、ナノギャップ素子120は第1導電体121と第1導電体121の上方に設けられた第2導電体122との間への所定電圧の印加により抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有し、ワード線WLはMOSトランジスタ110のゲート領域115と接続し、第1ビット線BL1はMOSトランジスタ110の他方の拡散層112bに接続された第2電極114と接続し、第2ビット線BL2は第2導電体122と接続していることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリセルアレイに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、デバイスの小型化、高密度化に伴い、電気素子の一層の微細化が望まれている。その一例として、微細な間隙(ナノギャップ)を隔てた2つの導電体間に電圧を印加することにより、スイッチング動作が可能なスイッチング素子が知られている。
具体的には、例えば、酸化シリコンと金という安定な材料からなり、傾斜蒸着という簡便な製造方法により製造され、スイッチング動作を安定的に繰り返し行うことができるスイッチング素子が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
また、例えば、ナノギャップを隔てた2つの導電体を上下方向に並んで配置することにより、より高密度で集積でき、かつ、集積化が容易なスイッチング素子も開発されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
このようなナノギャップを有するスイッチング素子(以下「ナノギャップ素子」という)を高密度メモリに適用するためには、「ON」と「OFF」に対応する「低抵抗状態」と「高抵抗状態」をメモリの「0」、「1」に対応させるとともに、ナノギャップ素子をアレイ状に配置して、メモリセルアレイを構成する必要がある。
【0004】
従来、メモリセルアレイとしては、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)のメモリセルアレイが知られている(例えば、特許文献3参照)。
DRAMのメモリセルアレイが備えるメモリセルは、例えば、図9に示すように、MOS(metal-oxide semiconductor)トランジスタやキャパシタを有するメモリセルを備えている。
【特許文献1】特開2005−79335号公報
【特許文献2】特開2008−243986号公報
【特許文献3】特開2000−269358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、DRAMのメモリセルアレイが備えるメモリセルは、メモリ素子としてキャパシタを用いているため、更なる小型化、高密度化が困難であるという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、小型化、高密度化が可能であって、かつ、既存の半導体製造技術と整合性の良いメモリセルアレイを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
複数のメモリセルをアレイ状に配置したメモリセルアレイにおいて、
前記複数のメモリセルと接続する複数のワード線、複数の第1ビット線及び複数の第2ビット線を備え、
前記メモリセルは、MOSトランジスタと、当該MOSトランジスタの一方の拡散層に接続する第1電極を有するコンタクトホール内に形成されたナノギャップ素子と、を有しており、
前記ナノギャップ素子は、第1導電体と、当該第1導電体の上方に設けられた第2導電体と、当該第1導電体と当該第2導電体との間に形成され、当該第1導電体と当該第2導電体との間への所定電圧の印加により抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙と、を有しており、
前記ワード線は、前記MOSトランジスタのゲート電極と接続しており、
前記第1ビット線は、前記MOSトランジスタの他方の拡散層に接続された電極と接続しており、
前記第2ビット線は、前記第2導電体と接続しており、
選択された前記メモリセルと接続する前記第1ビット線に書き込み電圧を供給するとともに、当該メモリセルと接続する前記ワード線を指定することによって、当該メモリセルにデータを書き込み、選択された前記メモリセルと接続する前記第1ビット線に読み出し電圧を供給するとともに、当該メモリセルと接続する前記ワード線を指定することによって、当該メモリセルからデータを読み出すように構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のメモリセルアレイにおいて、
前記第1ビット線は、電圧センスアンプと接続しており、
前記第2ビット線は、グランドと接続していることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、
請求項1に記載のメモリセルアレイにおいて、
前記第2ビット線は、前記第1ビット線に書き込み電圧を供給する際に、グランドと接続し、前記第1ビット線に読み出し電圧を供給する際に、電流センスアンプと接続することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載のメモリセルアレイにおいて、
前記複数の第2ビット線のうちの少なくとも2つの第2ビット線は、連結しており、前記第1ビット線に書き込み電圧を供給する際に、一のグランド端子を介して前記グランドと接続し、前記第1ビット線に読み出し電圧を供給する際に、一の前記電流センスアンプと接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数のメモリセルをアレイ状に配置したメモリセルアレイにおいて、複数のメモリセルと接続する複数のワード線、複数の第1ビット線及び複数の第2ビット線を備え、メモリセルは、MOSトランジスタと、当該MOSトランジスタの一方の拡散層に接続する第1電極を有するコンタクトホール内に形成されたナノギャップ素子と、を有しており、ナノギャップ素子は、第1導電体と、当該第1導電体の上方に設けられた第2導電体と、当該第1導電体と当該第2導電体との間に形成され、当該第1導電体と当該第2導電体との間への所定電圧の印加により抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙と、を有しており、ワード線は、MOSトランジスタのゲート電極と接続しており、第1ビット線は、MOSトランジスタの他方の拡散層に接続された第2電極と接続しており、第2ビット線は、第2導電体と接続しており、選択されたメモリセルと接続する第1ビット線に書き込み電圧を供給するとともに、当該メモリセルと接続するワード線を指定することによって、当該メモリセルにデータを書き込み、選択されたメモリセルと接続する第1ビット線に読み出し電圧を供給するとともに、当該メモリセルと接続するワード線を指定することによって、当該メモリセルからデータを読み出すように構成されている。
すなわち、本発明のメモリセルアレイは、従来のメモリセルアレイ(DRAMのメモリセルアレイ)のキャパシタをナノギャップ素子に置き換えた構成となっており、ナノギャップ素子は、コンタクトホール内に形成されているためキャパシタよりも小型であり、かつ、抵抗値の変化現象(抵抗値のメモリ現象)が生じるナノメートルオーダーの間隙を隔てて第1導電体と第2導電体とが縦方向に並んで配置された縦型のナノギャップ素子であるため高密度構造となっている。したがって、小型化、高密度化が可能であって、かつ、既存の半導体製造技術と整合性の良いメモリセルアレイを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0013】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態におけるメモリセルアレイ10について説明する。
【0014】
図1は、メモリセルアレイ10を備える記憶装置1の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2は、メモリセルアレイ10の要部構成の一例を示す回路図であり、図3は、メモリセルアレイ10の要部構成の一例を示す平面図である。図4は、図3のIV−IV断面の一例を模式的に示す断面図である。
ここで、図3における二点鎖線で囲んだ領域が、メモリセルアレイ10が備える複数のメモリセル100のうちの一のメモリセル100であり、図3における網かけをした領域が、メモリセルアレイ10が備える複数のメモリセル100のうちの一のメモリセル100が有するMOSトランジスタ110が備えるゲート領域115である。
【0015】
(記憶装置)
記憶装置1は、複数のメモリセル100をアレイ状に配置したメモリセルアレイ10を備える、データの読み出し、書き込み、消去が可能な不揮発性半導体記憶装置(不揮発性RAM(Random Access Memory))である。
【0016】
具体的には、記憶装置1は、例えば、図1に示すように、メモリセルアレイ10と、第1ビット線指定部20と、ワード線指定部30と、電圧供給部40と、読み出し部50と、制御部60と、等を備えて構成される。
【0017】
(メモリセルアレイ)
メモリセルアレイ10は、例えば、複数のメモリセル100をアレイ状(例えば、2次元アレイ状)に配置した高密度メモリである。
【0018】
例えば、図2〜図4に示すように、メモリセルアレイ10は、選択素子としてのMOSトランジスタ110及びMOSトランジスタ110と直列に接続されたメモリ素子としてのナノギャップ素子120を有するメモリセル100と、複数のメモリセル100と接続する複数のワード線WL、複数の第1ビット線BL1及び複数の第2ビット線BL2と、複数の第1ビット線BL1に接続されたスイッチとして機能する第1トランジスタ11と、複数の第1ビット線BL1に接続されたスイッチとして機能する第2トランジスタ12と、複数の第1ビット線BL1の各々に接続されたスイッチとして機能する複数の第3トランジスタ13と、等を備えて構成される。
【0019】
すなわち、メモリセルアレイ10が備えるメモリセル100は、例えば、図4に示すように、DRAMのメモリセルアレイが備えるメモリセルのキャパシタを、ナノギャップ素子120で置き換えた構成となっている。
ナノギャップ素子120は、MOSトランジスタ110の一方の拡散層112aに接続する第1電極113を有するコンタクトホール101a内に形成されている。したがって、例えば、図4及び図9に示すように、メモリセルアレイ10が備えるメモリ素子(ナノギャップ素子120)は、DRAMのメモリセルアレイが備えるメモリ素子(キャパシタ)よりも小型であるため、メモリセルアレイ10は、DRAMのメモリセルアレイよりも小型化が可能である。
【0020】
メモリセル100のセル構造は、例えば、図3に示すように、3F×2Fの6F構造となっている。ここで、Fは、半導体デバイスで用いられる最小加工寸法の目安となる値(すなわち、フィーチャーサイズ)である。
【0021】
MOSトランジスタ110は、例えば、図4に示すように、半導体基板111と、半導体基板111表面に形成された高不純物濃度を有する拡散層112,112と、絶縁層101中に形成されたコンタクトホール101a内に設けられ、一方の拡散層112aを介して半導体基板111と接続する第1電極113(例えば、金属電極)と、絶縁層101中に形成されたコンタクトホール101b内に設けられ、他方の拡散層112bを介して半導体基板111と接続する第2電極114(例えば、金属電極)と、半導体基板111上における一方の拡散層112aと他方の拡散層112bとの間に形成されたゲート電極115a(例えば、ポリシリコン電極)及びゲート絶縁膜115b(例えば、SiO膜)からなるゲート領域115と、等を備えて構成される。
【0022】
ナノギャップ素子120は、例えば、ナノギャップ電極間(間隙部123が有する間隙)の抵抗状態を切り替えて、データの記憶を行うメモリ素子である。
ナノギャップ素子120は、例えば、MOSトランジスタ110の一方の拡散層112aのコンタクトホール101a内における、第1電極113上に形成されている。
【0023】
具体的には、ナノギャップ素子120は、例えば、図4に示すように、第1電極113上に設けられた第1導電体121と、第1導電体121の上方に設けられた第2導電体122と、第1導電体121と第2導電体122との間に形成され、第1導電体121と第2導電体122との間への所定電圧の印加により抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙を有する間隙部123と、等を備えて構成される。
【0024】
第1導電体121の形状は、第1導電体121が第1電極113と接続しているのであれば、特に限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、第1電極113の上面を覆うように形成されている。
第1導電体121の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、コバルト、クロム、ロジウム、銅、タングステン、タンタル、カーボン及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【0025】
第2導電体122の形状は、第2導電体122が第1導電体121の上方に設けられ、かつ、第2ビット線BL2と接続しているのであれば、特に限定されるものではなく、例えば、図4に示すように、コンタクトホール101aの内壁からコンタクトホール101aの開口縁部に亘って形成されている。
第2導電体122の材質は、特に限定されるものではなく、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、コバルト、クロム、ロジウム、銅、タングステン、タンタル、カーボン及びこれらの合金から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
【0026】
ワード線WLは、例えば、ライン状に形成されており、各ワード線WLは、例えば、半導体基板111上に、互いに平行に配置されている。
【0027】
ここで、本実施形態では、MOSトランジスタ110のゲート電極115aが、ワード線WLを兼ねていることとする。すなわち、ワード線WLは、ゲート絶縁膜115bを介して半導体基板111上に配置されており、ワード線WL及びゲート絶縁膜115bにおける、一方の拡散層112aと他方の拡散層112bとの間の部分が、MOSトランジスタ110のゲート領域115となっている。したがって、ワード線WLの所定部分(一方の拡散層112aと他方の拡散層112bとの間の部分)がゲート領域115を構成することによって、ワード線WLは、ゲート電極115aと接続している。
【0028】
第1ビット線BL1は、例えば、ワード線WLよりも上側の位置に、ライン状に形成されており、各第1ビット線BL1は、例えば、互いに平行に、かつ、ワード線WLと直交するように配置されている。
第1ビット線BL1は、例えば、MOSトランジスタ110の他方の拡散層112bに接続された第2電極114と接続している。
また、各第1ビット線BL1は、例えば、図2に示すように、一端部が、第3トランジスタ13及び第1トランジスタ11を介して書き込み電圧が供給される書き込み電圧端子11aと接続しているとともに、第3トランジスタ13及び第2トランジスタ12を介して読み出し電圧が供給される読み出し電圧端子12aと接続している。また、他端部が、読み出し部50が備える電圧センスアンプ51と接続している。
【0029】
第2ビット線BL2は、例えば、第1ビット線BL1よりも上側の位置に、ライン状に形成されており、各第2ビット線BL2は、例えば、第1ビット線BL1に平行に(すなわち、互いに平行に)、かつ、ワード線WLと直交するように配置されている。
第2ビット線BL2は、例えば、ナノギャップ素子120の第2導電体122と接続している。
また、各第2ビット線BL2は、例えば、図2に示すように、両端部が、グランドGと接続している。
【0030】
次に、メモリセルアレイ10の製造方法の一例について説明する。
【0031】
メモリセルアレイ10は、例えば、(a)メモリセルアレイ10の基板(図示省略)上にMOSトランジスタ110の半導体基板111を作成し、(b)半導体基板111表面に拡散層112a,112bを形成し、(c)半導体基板111上にゲート絶縁膜115bを作成し、(d)ゲート絶縁膜115b上にワード線WL(ゲート電極115a)を作成し、(e)半導体基板111上に、半導体基板111(拡散層112a,112bも含む)、ゲート絶縁膜115b及びワード線WL(ゲート電極115a)を覆う絶縁層101(第1絶縁層)を作成し、(f)第1絶縁層にコンタクトホール101bを形成し、(g)コンタクトホール101b内部における他方の拡散層112b上に第2電極114を作成し、(h)第1絶縁層上に第2電極114と接続する第1ビット線BL1を作成し、(i)第1絶縁層上に、第1絶縁層及び第1ビット線BL1を覆う絶縁層101(第2絶縁層)を作成し、(j)第1絶縁層及び第2絶縁層にコンタクトホール101aを形成し、(k)コンタクトホール101a内部における一方の拡散層112a上に第1電極113を作成し、(l)コンタクトホール101a内部における第1電極113上にナノギャップ素子120の第1導電体121を作成し、(m)第1導電体121の上方にナノギャップ素子120の第2導電体122を作成し、(n)第2絶縁層上に第2導電体122と接続する第2ビット線BL2を作成し、(o)第2絶縁層上に絶縁層101(第3絶縁層)を作成することによって、製造される。
ここで、ワード線WL、第1ビット線BL1、第2ビット線BL2、ナノギャップ素子120の導電体(第1導電体121、第2導電体122)等のパターン作成には、例えば、光リソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、ドライエッチング、ウェットエッチング、リフトオフ、化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposition)、物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)、化学機械的研磨法(CMP:Chemical Mechanical Polishing )等を用いることができる。
【0032】
なお、上記のメモリセルアレイ10の製造方法は、一例であって、これに限られるものではない。
【0033】
(第1ビット線指定部)
第1ビット線指定部20は、例えば、制御部60から第1ビット線BL1の所在に関するアドレス情報が入力されると、当該アドレス情報に基づいて制御部60により指定された第1ビット線BL1を判定し、当該第1ビット線BL1に接続する第3トランジスタ13をON状態(導通状態)に切り替えて、当該第1ビット線BL1を指定する。
【0034】
(ワード線指定部)
ワード線指定部30は、例えば、制御部60からワード線WLの所在に関するアドレス情報が入力されると、当該アドレス情報に基づいて制御部60により指定されたワード線WLを判定し、当該ワード線WLに所定の電圧を供給(印加)して、当該ワード線WLを指定する。
【0035】
(電圧供給部)
電圧供給部40は、例えば、制御部60から書き込み電圧を供給するよう指示されると、メモリセルアレイ10が備える第1トランジスタ11をON状態(導通状態)に切り替えて、書き込み電圧を第1ビット線BL1に供給(印加)する。
また、電圧供給部40は、例えば、制御部60から読み出し電圧を供給するよう指示されると、メモリセルアレイ10が備える第2トランジスタ12をON状態(導通状態)に切り替えて、読み出し電圧を第1ビット線BL1に供給(印加)する。
【0036】
(読み出し部)
読み出し部50は、例えば、複数(例えば、第1ビット線BL1の本数と同数)の電圧センスアンプ51を有している。
読み出し部50は、例えば、制御部60から電圧センスアンプ51をONするよう指示されると、当該電圧センスアンプ51をONして、当該電圧センスアンプ51により当該電圧センスアンプ51と接続する第1ビット線BL1の電圧を感知して増幅する。そして、当該増幅された電圧に基づいてデータを判定して、当該判定結果を制御部60に出力する。
【0037】
(制御部)
制御部60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶装置1を構成する各部の動作を集中制御する。
【0038】
(書き込み処理)
次に、記憶装置1による、メモリセル100へのデータの書き込みに関する処理の一例について説明する。
【0039】
制御部60は、選択したメモリセル100と接続する第1ビット線BL1に書き込み電圧を供給するとともに、当該メモリセル100と接続するワード線WLを指定することによって、当該メモリセル100にデータを書き込む。
【0040】
具体的には、制御部60は、まず、選択したメモリセル100と接続する第1ビット線BL1のアドレス情報を、第1ビット線指定部20に出力する。
アドレス情報が入力されると、第1ビット線指定部20は、当該アドレス情報により指定された第1ビット線BL1に接続する第3トランジスタ13をON状態に切り替える。
【0041】
次いで、制御部60は、選択したメモリセル100と接続するワード線WLのアドレス情報を、ワード線指定部30に出力する。
アドレス情報が入力されると、ワード線指定部30は、当該アドレス情報により指定されたワード線WLに所定の電圧を供給する。
【0042】
次いで、制御部60は、書き込み電圧を供給するよう電圧供給部40に指示する。
書き込み電圧を供給するよう指示されると、電圧供給部40は、第1トランジスタ11をON状態に切り替えて、書き込み電圧端子11aを介して、書き込み電圧を第1ビット線BL1に供給する。
【0043】
制御部60により選択されたメモリセル100と接続する第1ビット線BL1が指定されているとともに、当該選択されたメモリセル100と接続するワード線WLが指定されているため、当該選択されたメモリセル100が有するMOSトランジスタ110がON状態(導通状態)となる。この状態で、第1ビット線BL1に書き込み電圧が供給されると、当該選択されたメモリセル100を介して、書き込み電圧端子11aとグランドGとの間に電位差が生じる。したがって、当該選択されたメモリセル100が有するナノギャップ素子120の第1導電体121と第2導電体122との間に電圧が印加され、当該ナノギャップ素子120の抵抗状態が、例えば、低抵抗状態(例えば、データ「0」に対応する抵抗状態)から高抵抗状態(例えば、データ「1」に対応する抵抗状態)に切り替わり、当該選択されたメモリセル100(当該ナノギャップ素子120)にデータが書き込まれる。
したがって、書き込み電圧の電圧値は、ナノギャップ素子120の抵抗状態を切り替えることができる大きさである必要があり、例えば、高抵抗状態とするには10V、低抵抗状態とするには7V等である。
【0044】
(読み出し処理)
次に、記憶装置1による、メモリセル100からのデータの読み出しに関する処理の一例について説明する。
【0045】
制御部60は、選択したメモリセル100と接続する第1ビット線BL1に読み出し電圧を供給するとともに、当該メモリセル100と接続するワード線WLを指定することによって、当該メモリセル100からデータを読み出す。
【0046】
具体的には、制御部60は、まず、選択したメモリセル100と接続する第1ビット線BL1のアドレス情報を、第1ビット線指定部20に出力する。
アドレス情報が入力されると、第1ビット線指定部20は、当該アドレス情報により指定された第1ビット線BL1に接続する第3トランジスタ13をON状態に切り替える。
【0047】
次いで、制御部60は、読み出し電圧を供給するよう電圧供給部40に指示する。
読み出し電圧を供給するよう指示されると、電圧供給部40は、第2トランジスタ12をON状態に切り替えて、読み出し電圧端子12aを介して、読み出し電圧を第1ビット線BL1に供給する。
【0048】
次いで、制御部60は、選択したメモリセル100と接続するワード線WLのアドレス情報を、ワード線指定部30に出力する。
アドレス情報が入力されると、ワード線指定部30は、当該アドレス情報により指定されたワード線WLに接続する所定の電圧を供給する。
【0049】
次いで、制御部60は、読み出し部50に電圧センスアンプ51をONするよう指示する。
【0050】
制御部60により選択されたメモリセル100と接続する第1ビット線BL1が指定されているとともに、第1ビット線BL1に読み出し電圧が供給されているため、当該指定された第1ビット線BL1に読み出し電圧が供給される。この状態で、当該選択されたメモリセル100と接続するワードWLを指定すると、当該選択されたメモリセル100が有するMOSトランジスタ110がON状態(導通状態)となり、当該指定された第1ビット線BL1において、当該選択されたメモリセル100が有するナノギャップ素子120の抵抗状態に応じた電圧降下が生じる。すなわち、当該ナノギャップ素子120の抵抗状態が低抵抗状態であれば電圧降下が大きく、高抵抗状態であれば電圧降下が小さくなる。したがって、電圧センスアンプ51により当該指定された第1ビット線BL1の電圧を感知して、当該ナノギャップ素子120の抵抗状態を判定することにより、当該選択されたメモリセル100(当該ナノギャップ素子120)からデータ(「0」又は「1」)が読み出される。
したがって、読み出し電圧の電圧値は、書き込み電圧の電圧値よりも小さく、ナノギャップ素子120の抵抗状態を切り替えることができない大きさであれば任意であり、例えば、2V等である。
【0051】
以上説明した第1の実施の形態におけるメモリセルアレイ10によれば、複数のメモリセル100がアレイ状に配置され、複数のメモリセル100と接続する複数のワード線WL、複数の第1ビット線BL1及び複数の第2ビット線BL2を備え、メモリセル100は、選択素子としてのMOSトランジスタ110と、MOSトランジスタ110の一方の拡散層112aのコンタクトホール101a内に形成されたメモリ素子としてのナノギャップ素子120と、を有しており、ナノギャップ素子120は、第1導電体121と、第1導電体121の上方に設けられた第2導電体122と、第1導電体121と第2導電体122との間に形成され、第1導電体121と第2導電体122との間への所定電圧の印加により抵抗のスイッチング現象が生じるナノメートルオーダーの間隙と、を有しており、ワード線WLは、MOSトランジスタ110のゲート電極115aと接続しており、第1ビット線BL1は、MOSトランジスタ110の他方の拡散層112bに接続された第2電極114と接続するとともに、電圧センスアンプ51と接続しており、第2ビット線BL2は、第2導電体122と接続するとともに、グランドGと接続している。そして、選択されたメモリセル100と接続する第1ビット線BL1に書き込み電圧を供給するとともに、当該メモリセル100と接続するワード線WLを指定することによって、当該メモリセル100にデータを書き込み、選択されたメモリセル100と接続する第1ビット線BL1に読み出し電圧を供給するとともに、当該メモリセル100と接続するワード線WLを指定することによって、当該メモリセル100からデータを読み出すように構成されている
すなわち、メモリセルアレイ10は、従来のメモリセルアレイ(DRAMのメモリセルアレイ)のキャパシタをナノギャップ素子120に置き換えた構成となっており、ナノギャップ素子120は、コンタクトホール101a内に形成されているためキャパシタよりも小型であり、かつ、抵抗値の変化現象(抵抗値のメモリ現象)が生じるナノメートルオーダーの間隙(間隙部123が有する間隙)を隔てて第1導電体121と第2導電体122とが縦方向(上下方向)に並んで配置された縦型のナノギャップ素子120であるため高密度構造となっている。したがって、メモリセルアレイ10は、小型化、高密度化が可能であって、かつ、既存の半導体製造技術と整合性が良い。
【0052】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態におけるメモリセルアレイ10Aについて説明する。
【0053】
図5は、メモリセルアレイ10Aを備える記憶装置1Aの機能的構成の一例を示すブロック図である。図6は、メモリセルアレイ10Aの要部構成の一例を示す回路図であり、図7は、メモリセルアレイ10Aの要部構成の一例を示す平面図である。図8は、図7のVIII−VIII断面の一例を模式的に示す断面図である。
【0054】
なお、第2の実施の形態のメモリセルアレイ10Aは、電圧センスアンプ51に代えて電流センスアンプ51Aに接続されている点、ライン状の第2ビット線BL2に代えて平面状の第2ビット線BL2Aを備えている点、が第1の実施の形態のメモリセルアレイ10と異なる。したがって、異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分は同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0055】
第2ビット線BL2Aは、例えば、第1の実施の形態の第2ビット線BL2の各々が連結された平面状に形成されている。具体的には、例えば、図7及び図8に示すように、第2ビット線BL2Aは、絶縁層101(第2絶縁層)の上面略全体を覆って、ナノギャップ素子120の第2導電体122と接続している。すなわち、例えば、メモリセルアレイ10Aの上面略全体が第2ビット線BL2Aで形成されている。
なお、第2ビット線BL2Aはライン状に形成されたものでないため、図6においては、第2ビット線BL2Aを仮想線(一点鎖線)で示している。
【0056】
第2ビット線BL2Aは、例えば、図6に示すように、一端が、スイッチとして機能する第4トランジスタ14Aを介して一の電流センスアンプ51Aに接続しているとともに、スイッチとして機能する第5トランジスタ15Aを介してグランドGと接続している。
したがって、第2の実施の形態においては、第2ビット線BL2Aがセンスアンプ(電流センスアンプ51A)と接続しているため、第1ビット線BL1はセンスアンプ(電圧センスアンプ51)と接続していない。
すなわち、第2ビット線BL2Aは、第1ビット線BL1に書き込み電圧を供給する際に、一のグランド端子15Aaを介してグランドGと接続し、第1ビット線BL1に読み出し電圧を供給する際に、一のアンプ端子14aAを介して一の電流センスアンプ51Aと接続するようになっている。
【0057】
(電圧供給部)
電圧供給部40Aは、例えば、制御部60から書き込み電圧を供給するよう指示されると、メモリセルアレイ10Aが備える第1トランジスタ11及び第5トランジスタ15AをON状態(導通状態)に切り替えて、書き込み電圧を第1ビット線BL1に供給(印加)する。
また、電圧供給部40Aは、例えば、制御部60から読み出し電圧を供給するよう指示されると、メモリセルアレイ10Aが備える第2トランジスタ12及び第4トランジスタ14AをON状態(導通状態)に切り替えて、読み出し電圧を第1ビット線BL1に供給(印加)する。
【0058】
(読み出し部)
読み出し部50Aは、例えば、一の電流センスアンプ51Aを有している。
読み出し部50Aは、例えば、制御部60から電流センスアンプ51AをONするよう指示されると、当該電流センスアンプ51AをONして、当該電流センスアンプ51Aにより第2ビット線BL2Aからの電流を感知して増幅する。そして、当該増幅された電流に基づいてデータを判定して、当該判定結果を制御部60に出力する。
【0059】
(書き込み処理)
次に、記憶装置1Aによる、メモリセル100へのデータの書き込みに関する処理の一例について説明する。
【0060】
制御部60は、選択したメモリセル100と接続する第1ビット線BL1に書き込み電圧を供給するとともに、当該メモリセル100と接続するワード線WLを指定することによって、当該メモリセル100にデータを書き込む。
【0061】
具体的には、制御部60は、まず、選択したメモリセル100と接続する第1ビット線BL1のアドレス情報を、第1ビット線指定部20に出力する。
アドレス情報が入力されると、第1ビット線指定部20は、当該アドレス情報により指定された第1ビット線BL1に接続する第3トランジスタ13をON状態に切り替える。
【0062】
次いで、制御部60は、選択したメモリセル100と接続するワード線WLのアドレス情報を、ワード線指定部30に出力する。
アドレス情報が入力されると、ワード線指定部30は、当該アドレス情報により指定されたワード線WLに所定の電圧を供給する。
【0063】
次いで、制御部60は、書き込み電圧を供給するよう電圧供給部40Aに指示する。
書き込み電圧を供給するよう指示されると、電圧供給部40Aは、第1トランジスタ11及び第5トランジスタ15AをON状態に切り替えて、書き込み電圧端子11aを介して、書き込み電圧を第1ビット線BL1に供給する。
【0064】
制御部60により選択されたメモリセル100と接続する第1ビット線BL1が指定されているとともに、当該選択されたメモリセル100と接続するワード線WLが指定されているため、当該選択されたメモリセル100が有するMOSトランジスタ110がON状態(導通状態)となる。この状態で、第1ビット線BL1に書き込み電圧が供給されると、当該選択されたメモリセル100を介して、書き込み電圧端子11aとグランドGとの間に電位差が生じる。したがって、当該選択されたメモリセル100が有するナノギャップ素子120の第1導電体121と第2導電体122との間に電圧が印加され、当該ナノギャップ素子120の抵抗状態が、例えば、低抵抗状態(例えば、データ「0」に対応する抵抗状態)から高抵抗状態(例えば、データ「1」に対応する抵抗状態)に切り替わり、当該選択されたメモリセル100(当該ナノギャップ素子120)にデータが書き込まれる。
したがって、書き込み電圧の電圧値は、ナノギャップ素子120の抵抗状態を切り替えることができる大きさである必要があり、例えば、高抵抗状態とするには10V、低抵抗状態とするには7V等である。
【0065】
(読み出し処理)
次に、記憶装置1Aによる、メモリセル100からのデータの読み出しに関する処理の一例について説明する。
【0066】
制御部60は、選択したメモリセル100と接続する第1ビット線BL1に読み出し電圧を供給するとともに、当該メモリセル100と接続するワード線WLを指定することによって、当該メモリセル100からデータを読み出す。
【0067】
具体的には、制御部60は、まず、選択したメモリセル100と接続する第1ビット線BL1のアドレス情報を、第1ビット線指定部20に出力する。
アドレス情報が入力されると、第1ビット線指定部20は、当該アドレス情報により指定された第1ビット線BL1に接続する第3トランジスタ13をON状態に切り替える。
【0068】
次いで、制御部60は、読み出し電圧を供給するよう電圧供給部40Aに指示する。
読み出し電圧を供給するよう指示されると、電圧供給部40Aは、第2トランジスタ12及び第4トランジスタ14AをON状態に切り替えて、読み出し電圧端子12aを介して、読み出し電圧を第1ビット線BL1に供給する。
【0069】
次いで、制御部60は、選択したメモリセル100と接続するワード線WLのアドレス情報を、ワード線指定部30に出力する。
アドレス情報が入力されると、ワード線指定部30は、当該アドレス情報により指定されたワード線WLに所定の電圧を供給する。
【0070】
次いで、制御部60は、読み出し部50Aに電流センスアンプ51AをONするよう指示する。
【0071】
制御部60により選択されたメモリセル100と接続する第1ビット線BL1が指定されているとともに、第1ビット線BL1に読み出し電圧が供給されているため、当該指定された第1ビット線BL1に読み出し電圧が供給される。この状態で、当該選択されたメモリセル100と接続するワードWLを指定すると、当該選択されたメモリセル100が有するMOSトランジスタ110がON状態(導通状態)となり、当該選択されたメモリセル100を介して、読み出し電圧端子12aから電流センスアンプ51Aへと、当該選択されたメモリセル100が有するナノギャップ素子120の抵抗状態に応じた電流が流れる。すなわち、当該ナノギャップ素子120の抵抗状態が低抵抗状態であれば高電流値の電流が流れ、高抵抗状態であれば低電流値の電流が流れる。したがって、電流センスアンプ51Aにより第2ビット線BL2Aからの電流を感知して、当該ナノギャップ素子120の抵抗状態を判定することにより、当該選択されたメモリセル100(当該ナノギャップ素子120)からデータ(「0」又は「1」)が読み出される。
したがって、読み出し電圧の電圧値は、書き込み電圧の電圧値よりも小さく、ナノギャップ素子120の抵抗状態を切り替えることができない大きさであれば任意であり、例えば、2V等である。
【0072】
以上説明した第2の実施の形態のメモリセルアレイ10Aによれば、第1の実施の形態のメモリセルアレイ10と同様の効果が得られることは無論のこと、第2ビット線BL2Aは、平面状に形成されており、第1ビット線BL1に書き込み電圧を供給する際に、一のグランド端子15Aaを介してグランドGと接続し、第1ビット線BL1に読み出し電圧を供給する際に、一のアンプ端子14Aaを介して一の電流センスアンプ51Aと接続するようになっている。
すなわち、接続されているセンスアンプの個数が1個であり、従来のメモリセルアレイ(DRAMのメモリセルアレイ)や第1の実施の形態のメモリセルアレイ10と比較してセンスアンプの個数が削減されているため、メモリセルアレイ10Aを備える記憶装置1Aの製造コストを削減することができる。
【0073】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0074】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、メモリセル100のセル構造が6F構造となっているが、メモリセル100のセル構造は、これに限ることはなく、適宜任意に変更可能である。
【0075】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、MOSトランジスタ110のゲート電極115aが、ワード線WLを兼ねるようにしたが、これに限ることはなく、例えば、ゲート電極115aとワード線WLとを別々に形成するようにしても良い。
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、第2ビット線BL2,BL2Aとナノギャップ素子120の第2導電体122とを別々に形成したが、これに限ることはなく、例えば、一体的に形成して、第2導電体122が第2ビット線BL2,BL2Aを兼ねるようにしても良い。
【0076】
第1の実施の形態では、第2ビット線BL2はライン状となっているが、第2ビット線BL2がグランドGに接続されているのであればこれに限ることはなく、例えば、第2の実施の形態の第2ビット線BL2Aのように、複数の第2ビット線BL2のうちの少なくとも2つの第2ビット線BL2を連結した平面状であっても良い。
また、第1の実施の形態では、例えば、図2に示すように、第2ビット線BL2の全ての端部が合流(連結)した形状となっているが、第2ビット線BL2がグランドGに接続されているのであればこれに限ることはなく、例えば、第2ビット線BL2の各々が独立した形状であっても良いし、複数の第2ビット線BL2のうちの少なくとも2つの第2ビット線BL2の端部が合流(連結)した形状であっても良い。
【0077】
第2の実施の形態では、第2ビット線BL2Aの形状が、第1の実施の形態の複数の第2ビット線BL2の全てを連結した平面状となっているが、第2ビット線BL2Aは、第1の実施の形態の複数の第2ビット線BL2のうちの少なくとも2つの第2ビット線BL2を連結した平面状であれば任意である。
また、第2の実施の形態では、第2ビット線BL2Aは平面状となっているが、これに限ることはなく、例えば、第1の実施の形態の第2ビット線BL2のように、ライン状であっても良い。第2ビット線BL2Aをライン状に形成する場合、第2ビット線BL2Aの各々を独立した形状とし、各々を、一の第4トランジスタ14Aを介して一の電流センスアンプ51Aに接続するとともに、一の第5トランジスタ15Aを介して一のグランド端子15aA(グランドG)と接続しても良いし、複数の第2ビット線BL2Aのうちの少なくとも2つの第2ビット線BL2Aの端部を合流(連結)した形状とし、当該合流された端部を、一の第4トランジスタ14Aを介して一の電流センスアンプ51Aに接続するとともに、一の第5トランジスタ15Aを介して一のグランド端子15aA(グランドG)と接続しても良い。
【0078】
第1の実施の形態では、メモリセルアレイ10が備える第1ビット線BL1と同数の電圧センスアンプ51と接続するようにしたが、これに限ることはなく、例えば、複数の第1ビット線BL1のうちの少なくとも2つの第1ビット線BL1の電圧センスアンプ51側の端部を合流させて、当該合流された端部と一の電圧センスアンプ51とを接続するようにしても良い。
また、第2の実施の形態では、メモリセルアレイ10Aが第2ビット線BL2Aを1つ備える構成であるため、メモリセルアレイ10Aと接続する第4トランジスタ14A、電流センスアンプ51A及び第5トランジスタ15Aの個数をそれぞれ1個としたが、第4トランジスタ14A、電流センスアンプ51A及び第5トランジスタ15Aの個数は、メモリセルアレイ10Aが備える第2ビット線BL2Aの数に応じて適宜任意に変更可能である。また、例えば、メモリセルアレイ10Aが複数の第2ビット線BL2Aを備える場合、当該複数の第2ビット線BL2Aのうちの少なくとも2つの第2ビット線BL2Aの端部を合流させて、当該合流された端部を、一の第4トランジスタ14Aを介して一の電流センスアンプ51Aに接続するとともに、一の第5トランジスタ15Aを介して一のグランド端子15Aa(グランドG)と接続しても良い。
【0079】
第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、ナノギャップ素子120の抵抗状態を“高抵抗状態”と“低抵抗状態”との2つに区分して、1つのメモリセル100に2値のデータを記憶させるようにしたが、ナノギャップ素子120の抵抗状態は、ナノギャップ素子120の第1導電体121と第2導電体122との間に印加する電圧の電圧値の大きさに応じて3つ以上に区分することができる。したがって、本発明のメモリセルアレイ10においては、供給する書き込み電圧の電圧値を調整することにより、1つのメモリセル100に多値のデータを記憶させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1の実施の形態のメモリセルアレイを備える記憶装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態のメモリセルアレイの要部構成の一例を示す回路図である。
【図3】第1の実施の形態のメモリセルアレイの要部構成の一例を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV断面の一例を模式的に示す断面図である。
【図5】第2の実施の形態のメモリセルアレイを備える記憶装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図6】第2の実施の形態のメモリセルアレイの要部構成の一例を示す回路図である。
【図7】第2の実施の形態のメモリセルアレイの要部構成の一例を示す平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII断面の一例を模式的に示す断面図である。
【図9】従来のメモリセルの断面の一例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0081】
10,10A メモリセルアレイ
15Aa グランド端子
51 電圧センスアンプ
51A 電流センスアンプ
100 メモリセル
101a コンタクトホール
101b コンタクトホール
110 MOSトランジスタ
112a 一方の拡散層
112b 他方の拡散層
113 第1電極
114 第2電極
115 ゲート領域
120 ナノギャップ素子(スイッチング素子)
121 第1導電体
122 第2導電体
BL1 第1ビット線
BL2,BL2A 第2ビット線
G グランド
WL ワード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメモリセルをアレイ状に配置したメモリセルアレイにおいて、
前記複数のメモリセルと接続する複数のワード線、複数の第1ビット線及び複数の第2ビット線を備え、
前記メモリセルは、MOS(metal-oxide semiconductor)トランジスタと、当該MOSトランジスタの一方の拡散層に接続する第1電極を有するコンタクトホール内に形成されたスイッチング素子と、を有しており、
前記スイッチング素子は、第1導電体と、当該第1導電体の上方に設けられた第2導電体と、当該第1導電体と当該第2導電体との間に形成され、当該第1導電体と当該第2導電体との間への所定電圧の印加により抵抗値の変化現象が生じるナノメートルオーダーの間隙と、を有しており、
前記ワード線は、前記MOSトランジスタのゲート電極と接続しており、
前記第1ビット線は、前記MOSトランジスタの他方の拡散層に接続された第2電極と接続しており、
前記第2ビット線は、前記第2導電体と接続しており、
選択された前記メモリセルと接続する前記第1ビット線に書き込み電圧を供給するとともに、当該メモリセルと接続する前記ワード線を指定することによって、当該メモリセルにデータを書き込み、選択された前記メモリセルと接続する前記第1ビット線に読み出し電圧を供給するとともに、当該メモリセルと接続する前記ワード線を指定することによって、当該メモリセルからデータを読み出すように構成されていることを特徴とするメモリセルアレイ。
【請求項2】
請求項1に記載のメモリセルアレイにおいて、
前記第1ビット線は、電圧センスアンプと接続しており、
前記第2ビット線は、グランドと接続していることを特徴とするメモリセルアレイ。
【請求項3】
請求項1に記載のメモリセルアレイにおいて、
前記第2ビット線は、前記第1ビット線に書き込み電圧を供給する際に、グランドと接続し、前記第1ビット線に読み出し電圧を供給する際に、電流センスアンプと接続することを特徴とするメモリセルアレイ。
【請求項4】
請求項3に記載のメモリセルアレイにおいて、
前記複数の第2ビット線のうちの少なくとも2つの第2ビット線は、連結しており、前記第1ビット線に書き込み電圧を供給する際に、一のグランド端子を介して前記グランドと接続し、前記第1ビット線に読み出し電圧を供給する際に、一の前記電流センスアンプと接続することを特徴とするメモリセルアレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−157567(P2010−157567A)
【公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334122(P2008−334122)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(505303059)株式会社船井電機新応用技術研究所 (108)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】