説明

メラノコルチン−4受容体作働薬としてのアシル化ピペリジン誘導体

新規4アルキル置換Nアシル化ピペリジン誘導体の幾つかはヒトメラノコルチン受容体のリガンドであり、特にヒトメラノコルチン−4受容体(MC−4R)の選択的リガンドである。従って、肥満、糖尿病、ニコチン中毒、アルコール依存症、性機能不全(例えば勃起不全、女性性機能不全)等、MC−4Rの変調に応答する疾患及び障害の治療、制御、又は予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アシル化ピペリジン誘導体及びその合成、並びに体重調整に有用なメラノコルチン受容体(MC−R)リガンドとしての該誘導体の使用に関する。より詳細には、本発明の化合物はメラノコルチン−4受容体(MC−4R)のリガンドであり、そのためメラノコルチン−4受容体の変調に応答する疾患、例えば肥満、糖尿病、男性性機能不全、女性性機能不全、悪液質、食欲不振、消耗性疾患、体重減少等の治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
肥満は西洋社会において重大な健康上の関心事となっている。米国では約9700万人の成人が過体重又は肥満であると推定されている。疫学的研究によって、過体重及び肥満の進行は、平均余命低下の重要な予測因子であることが明らかになっている。肥満は、それ単独で又は他の疾患を伴って、多くの健康問題を引き起こたり悪化させたりする。肥満に関連した生命にかかわる深刻な医学的問題としては、高血圧;II型糖尿病;高インスリン血症;インスリン抵抗症;異脂肪血症;高脂血症;子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、及び結腸癌;骨関節炎;閉塞型睡眠時無呼吸症等の呼吸合併症;胆嚢炎;胆石症;動脈硬化;心疾患;心調律動異常;並びに不整脈が挙げられる(コペルマン(Kopelman,P.G.)、ネイチャー(Nature)、404、635−643(2000))。更に、肥満は早期死亡に関連し、また脳卒中、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、及び突然死による死亡率及び疾病率の有意な増加を引き起こす。
【0003】
プロオピオメラノコルチン(POMC)由来ペプチド類は、食物摂取に影響することが知られている。メラノコルチン受容体(MC−R)群(幾つかは脳で発現する)のGタンパク質共役受容体(GPCR)が、摂食及び代謝の制御に関与するPOMC由来ペプチド類の標的であると考えられ、この認識は幾つかの系統の証拠により支持されている。肥満抑制のために標的とされる単一のMC−Rが具体的に特定されているわけではないが、MC−4R信号伝達が摂食媒介に重要であることを示す証拠が既に知られている(ジラウド(S.Q.Giraudo)ら、「Feeding effects of hypothalamic injection of melanocortin−4 receptor ligands」、ブレイン・リサーチ(Brain Research)、80:302−306(1998))。MC−R類の肥満への関与を示す証拠としては、i)異所的にMC−1R、−3R、及び−4Rの拮抗薬を発現するアグーチ(Avy)マウスが肥満であり、これら3種のMC−R類の作用が阻害されると過食及び代謝異常が起こりうると示されていること;ii)MC−4Rノックアウトマウス(ハスザー(D.Huszar)ら、セル(Cell)、88:131−141(1997))がアグーチマウスの表現型を反復し、それらマウスが肥満であること;iii)環状ヘプタペプチドMT−II(非選択的MC−1R、−3R、−4R、及び−5R作働薬)を齧歯類に脳室内投与(ICV)すると、幾つかの動物給餌モデル(NPY、ob/ob、アグーチ、絶食)において摂食量が低下し、一方でICV投与したSHU−9119(MC−3R及び4R拮抗薬;MC−1R及び−5R作働薬)はこの効果を逆転させ、過食を促進しうること;iv)α−NDP−MSH誘導体(HP228)を用いてズッカー(Zucker)肥満ラットの長期腹腔内治療を行うと、MC−1R、−3R、−4R、及び−5Rが活性化され、12週間にわたって摂食量及び体重増が低下すると報告されていること(コーコス(I.Corcos)ら、「HP228 is a potent agonist of melanocortin receptor−4 and significantly attenuates obesity and diabetes in Zucker fatty rats」、ソサエティ・フォー・ニューロサイエンス・アブストラクツ(Society for Neuroscience Abstracts)、23:673(1997));等が挙げられる。
【0004】
メラノコルチン系が摂食行動及び体重の調整に寄与することが研究により示されている。メラノコルチン拮抗薬を投与すると摂食量及び体重が増加し、一方メラノコルチン作働薬を投与すると摂食量及び体重が減少する。体内でのメラノコルチン−4受容体の欠乏は、肥満患者に最も典型的に見られる変化であり(肥満患者の約5〜6%がこの変化を示す)、このことがエネルギー収支におけるMC4Rサブタイプの役割を裏付けている。更に、表現型の重症度は、機能を完全に失うような変化を示す個体においてより大きいようである。これらの発見に基づき、上記メラノコルチン系が肥満治療用の小分子作働薬及び悪液質治療用の小分子拮抗薬の開発のターゲットとされてきた。
【0005】
近年、肥満の単剤治療に使用されている減量薬は、効力が限定的であり、また有意な副作用がある。減量薬であるオルリスタット(デビッドソン(Davidson,M.H.)ら、1999、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)、281:235−42)、デキスフェンフルラミン(ガイ・グランド(Guy Grand,B.)ら、1989、ランセット(Lancet)、2:1142−5)、シブトラミン(ブレイ(Bray,G.A.)ら、1999、オビシティ・リサーチ(Obes.Res.)、&:189−98)、及びフェンテルミン(ダグラス(Douglas,A.)ら、1983、インターナショナル・ジャーナル・オブ・オビシティ(Int.J.Obes.)、7:591−5)についての研究では、プラセボと比較して、体重の減少は約5〜10%に限られていた。特に、シブトラミン及びオルリスタットの場合は、6ヶ月又は1年で10%未満の体重減少にとどまる。また、副作用のためにこれら薬剤及び抗肥満薬の使用は制限されている。デキスフェンフルラミンは心弁膜症を引き起こす疑いがあることから市場から回収され、オルリスタットは胃腸の副作用のために制限されており、トピラメートの使用は中枢神経系での作用のために制限されており、シブトラミンの使用は心血管の副作用のために制限されており、イタリアではこの副作用による死亡例が報告され市場から回収された。
【0006】
効力がより高く、望ましくない副作用がより少ない減量処理が必要とされている。本発明では、肥満や糖尿病等の肥満関連疾患の治療及び予防に有用なメラノコルチン受容体(MC−R)作働薬、特にメラノコルチン−4受容体(MC−4R)の選択的作働薬を提供し、この問題に対処する。
【0007】
メラノコルチン受容体の男性及び女性の性機能不全への関与についても報告されている。世界で約1億4000万人の男性がインポテンス又は勃起不全を患っている。最近では、クエン酸シルデナフィル(バイアグラ(登録商標))、塩酸バルデナフィル(レビトラ(登録商標))、タダラフィル(シアリス(登録商標))等のホスホジエステラーゼV阻害剤が勃起不全の治療の選択肢として含まれる。シルデナフィルは約70%の患者に有効だが、心機能が不安定な患者や心血管疾患の患者、特に狭心症治療のためにニトログリセリン等の硝酸塩を用いている患者には禁忌である。バルデナフィル及びタダラフィルは、急激な動脈圧低下が起こり、失神、心臓発作又は脳卒中を引き起こすおそれがあるため、硝酸塩やアルファ遮断薬を用いている患者には禁忌である。これらPDE−5阻害剤の臨床使用による他の副作用としては、頭痛、フラッシング、消化不良、めまい、消化障害、及び視覚異常(視覚の蒼白化、光に対する感度の増加、かすみ目等)が挙げられる。シルデナフィルは女性性機能不全の治療に関しても評価されている。
【0008】
望ましくない副作用がより少ない性機能不全治療が必要とされている。本発明では、肥満や糖尿病等の肥満関連疾患の治療及び予防に有用なメラノコルチン受容体(MC−R)作働薬、特にメラノコルチン−4受容体(MC−4R)の選択的作働薬を提供し、この問題に対処する。
【0009】
合成メラノコルチン受容体作働薬(メラニン親和性ペプチド)は、心因性勃起不全の男性の勃起を引き起こすことが分かっている。中枢作用性のα−メラニン細胞刺激ホルモン類似体であるメラノタン−II(MT−II)を、心因性勃起不全の男性に筋肉内注射又は皮下注射すると、75%の反応率を示した[ヴェッセルズ(H.Wessells)ら、「Synthetic Melanotropic Peptide Initiates Erections in Men With Psychogenic Erectile Dysfunction: Double−Blind,Placebo Controlled Crossover Study」、ジャーナル・オブ・ウロロジー(J.Urol.)、160:389−393(1998);第15回アメリカペプチドシンポジウム(Fifteenth American Peptide Symposium)、6月14〜19日、1997年(テネシー州ナッシュビル)参照]。MT−IIは、環状ヘプタペプチドAc−Nle−c[Asp−His−DPhe−Arg−Trp−Lys]−NHであり、非選択的なMC−1R、−3R、−4R、及び−5Rの作働薬である(ドア(Dorr)ら、ライフ・サイエンス(Life Sciences)、58巻、1777−1784、1996)。MT−IIにより見られる副作用としては、吐き気、フラッシング、食欲不振、ストレッチング及びあくびが挙げられ、これら副作用はMC−1R、MC−2R、MC−3R及び/又はMC−5Rの活性化の結果として起こっている可能性がある。MT−IIを経口投与すると体循環内に吸収されないため、皮下経路、静脈内経路、筋肉内経路等の非経口経路から投与しなければならない。
【0010】
心因性勃起不全の治療のためのメラニン親和性ペプチド組成物及び方法が、米国特許第5,576,290号に開示されている。メラニン親和性ペプチドを用いた女性の性的応答を刺激する方法が、米国特許第6,051,555号に開示されている。スピロピペリジン誘導体、ピペリジン誘導体及びピペラジン誘導体が、WO99/64002;WO00/74679;WO01/70708;WO01/70337;WO01/91752;WO02/059095;WO02/059107;WO02/059108;WO02/059117;WO02/068387;WO02/068388;WO03/007949;WO03/009847;WO04/024720;WO04/089307;WO04/078717;WO04/087159;及びWO05/009950にメラノコルチン受容体作働薬として、特に選択的MC−4R受容体作働薬として開示されており、従って、肥満、糖尿病、勃起不全や女性性機能不全のような性機能不全等の疾患及び障害の治療に有用である。
【0011】
上記の各種薬剤の欠陥が未解決であるため、医療分野において、心因性及び/又は器官性の性機能不全を患う人を治療するための改善された方法及び組成物が継続して求められている。このような方法は、現在利用可能な薬剤と比較して、広い適用範囲、高い利便性、高いコンプライアンス達成容易性、短い作用発現時間、適切な長さの作用時間及び最小限の副作用と少ない禁忌を有するべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明の目的は、メラノコルチン受容体作働薬であって、肥満、糖尿病、男性性機能不全、女性性機能不全、ニコチン中毒及びアルコール依存症の治療に有用なアシル化ピペリジン誘導体を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、メラノコルチン−4(MC−4R)受容体の選択的リガンドであるアシル化ピペリジン誘導体を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、上記本発明のメラノコルチン受容体作働薬又はリガンドを、薬学的に許容される担体と共に含有する医薬組成物を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、処置を必要とする対象に上記本発明の化合物又は医薬組成物を投与することによる、メラノコルチン−4受容体の変調に応答する障害、疾患、症状を治療又は予防する方法を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、処置を必要とする対象に上記本発明の化合物又は医薬組成物を投与することによる、肥満、糖尿病、男性性機能不全、女性性機能不全、ニコチン中毒又はアルコール依存症を治療又は予防する方法を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、処置を必要とする対象に上記本発明の化合物又は医薬組成物を投与することによる、勃起不全を治療する方法を提供することである。
【0018】
上記の目的及び他の目的は、以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。
【発明を解決するための手段】
【0019】
本発明は、下記構造式Iの新規4−アルキル置換ピペリジンに関する。
【0020】
【化1】

【0021】
構造式Iの化合物は、メラノコルチン受容体リガンドとして有効であり、メラノコルチン−4受容体の選択的リガンドとして特に有効である。従って、これら化合物は、肥満、糖尿病、肥満関連疾患、ニコチン中毒、アルコール依存症、女性性機能不全及び男性性機能不全、特に男性勃起不全等のメラノコルチン−4受容体の変調に応答する障害の治療及び/又は予防に有用である。
【0022】
また、本発明は、本発明の化合物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物にも関する。
【0023】
また、本発明は、処置を必要とする哺乳動物に上記本発明の化合物又は医薬組成物を投与することによる、メラノコルチン−4受容体の変調に応答する障害、疾患、症状を治療又は予防する方法にも関する。
【0024】
更に、本発明は、上記本発明の化合物を薬剤の調製に使用する方法にも関し、該薬剤は、処置を必要とする哺乳動物に本発明の化合物又は医薬組成物を投与することによる、メラノコルチン−4受容体の変調に応答する障害、疾患、症状を治療又は予防するのに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、メラノコルチン受容体モジュレーターとして、特に選択的メラノコルチン−4受容体リガンドとして有用な4−アルキル置換N−アシル化ピペリジン誘導体に関する。該誘導体は、下記構造式Iで表される化合物又はその薬学的に許容される塩である。
【0026】
【化2】

【0027】
式中、
Zは、N又はCRであり;
は、
(1)アミジノ、
(2)−C1−4アルキルイミノイル、
(3)−C1−8アルキル、
(4)−(CHN(R
(5)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CHフェニル、
(8)−(CHナフチル、
(9)−(CHヘテロアリール、
(10)−(CHC(O)C1−8アルキル、
(11)−(CHC(O)C3−8シクロアルキル、
(12)−(CHC(O)C2−9ヘテロシクロアルキル、
(13)−(CHC(O)フェニル、
(14)−(CHC(O)ナフチル、
(15)−(CHC(O)ヘテロアリール、
(16)−(CHCOH、
(17)−(CHCO1−8アルキル、
(18)−(CHCO3−8シクロアルキル、
(19)−(CHCO2−9ヘテロシクロアルキル、
(20)−(CHCOフェニル、
(21)−(CHCOナフチル、及び
(22)−(CHCOヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(CHは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、
(1)フェニル、
(2)ナフチル、及び
(3)ヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してR10から選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、それぞれ独立して、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−(CH−フェニル、
(3)−(CH−ヘテロアリール、
(4)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(5)−(CH3−7シクロアルキル、
(6)ハロゲン、
(7)−OR
(8)−(CHC≡N、
(9)−(CHN(R
(10)−(CHC(O)N(R
(11)−(CHC(O)NRN(R
(12)−(CHC(O)NRNRC(O)R、及び
(13)−(CHCF
からなる群から選択され、ここでフェニル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−OC1−6アルキル
からなる群から選択され;
は、
(1)−CF
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−C2−8アルキニル、
(5)−OC1−8アルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH−フェニル、
(9)−(CH−ナフチル、及び
(10)−(CHヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CHはいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−OC1−6アルキル
からなる群から選択され;
は、
(1)−(CHN(R
(2)−(CHNRC(O)R
(3)−(CHOR
(4)−(CHC≡N、
(5)−(CHC(O)OR
(6)−(CHC(O)N(R
(7)−(CHNRC(O)N(R
(8)−(CHNRC(O)ヘテロアリール、
(9)−(CHヘテロアリール、
(10)−(CHNRS(O)
(11)−(CHSR、及び
(12)−(CHS(O)
からなる群から選択され、ここでヘテロアリールは無置換であるか、C1−4アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており、またR中のいずれかのメチレン(CH)上に存在する2個のC1−4アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に3、4、5又は6員環を形成していてもよく、該環は更にO、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子を含んでよく;
は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−C1−8アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−C2−8アルキニル、
(5)−OC1−8アルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH−フェニル、
(9)−(CH−ナフチル、及び
(10)−(CHヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してN(C1−6アルキル)、−NH、NH(C1−6アルキル)、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており;
は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−OH、
(3)C1−8アルキル、
(4)−OC1−8アルキル、
(5)ハロゲン、
(6)−NR
(7)−SR、及び
(8)−CF
からなる群から選択され、ここで2個のC1−8アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に4〜8員環を形成していてもよく;
10は、それぞれ独立して、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−C2−8アルケニル、
(3)−(CH−フェニル、
(4)−(CH−ナフチル、
(5)−(CH−ヘテロアリール、
(6)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(7)−(CH3−7シクロアルキル、
(8)ハロゲン、及び
(9)−OR
からなる群から選択され、ここでアルケニル、フェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R10中のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR10置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよく;
rは、1又は2であり;
sは、0、1又は2であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
pは、0、1又は2である。
【0028】
本発明の化合物の、別の実施態様においては、フェニル基とピペラジンカルボニル置換基がトランス配置した相対立体化学配置を有する、構造式IIa又はIIbの化合物、又はその薬学的に許容される塩が提供される。
【0029】
【化3】

【0030】
式中、
Zは、N又はCRであり;
は、
(1)アミジノ、
(2)−C1−4アルキルイミノイル、
(3)−C1−8アルキル、
(4)−(CHN(R
(5)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CHフェニル、
(8)−(CHナフチル、
(9)−(CHヘテロアリール、
(10)−(CHC(O)C1−8アルキル、
(11)−(CHC(O)C3−8シクロアルキル、
(12)−(CHC(O)C2−9ヘテロシクロアルキル、
(13)−(CHC(O)フェニル、
(14)−(CHC(O)ナフチル、
(15)−(CHC(O)ヘテロアリール、
(16)−(CHCOH、
(17)−(CHCO1−8アルキル、
(18)−(CHCO3−8シクロアルキル、
(19)−(CHCO2−9ヘテロシクロアルキル、
(20)−(CHCOフェニル、
(21)−(CHCOナフチル、及び
(22)−(CHCOヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(CHは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、
(1)フェニル、
(2)ナフチル、及び
(3)ヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してR10から選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、それぞれ独立して、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−(CH−フェニル、
(3)−(CH−ヘテロアリール、
(4)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(5)−(CH3−7シクロアルキル、
(6)ハロゲン、
(7)−OR
(8)−(CHC≡N、
(9)−(CHN(R
(10)−(CHC(O)N(R
(11)−(CHC(O)NRN(R
(12)−(CHC(O)NRNRC(O)R、及び
(13)−(CHCF
からなる群から選択され、ここでフェニル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−OC1−6アルキル
からなる群から選択され;
は、
(1)−CF
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−C2−8アルキニル、
(5)−OC1−8アルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH−フェニル、
(9)−(CH−ナフチル、及び
(10)−(CHヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−OC1−6アルキル
からなる群から選択され;
は、
(1)−(CHN(R
(2)−(CHNRC(O)R
(3)−(CHOR
(4)−(CHC≡N、
(5)−(CHC(O)OR
(6)−(CHC(O)N(R
(7)−(CHNRC(O)N(R
(8)−(CHNRC(O)ヘテロアリール、
(9)−(CHヘテロアリール、
(10)−(CHNRS(O)
(11)−(CHSR、及び
(12)−(CHS(O)
からなる群から選択され、ここでヘテロアリールは無置換であるか、C1−4アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており、またR中のいずれかのメチレン(CH)上に存在する2個のC1−4アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に3、4、5又は6員環を形成していてもよく、該環は更にO、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子を含んでよく;
は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−C1−8アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−C2−8アルキニル、
(5)−OC1−8アルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH−フェニル、
(9)−(CH−ナフチル、及び
(10)−(CHヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してN(C1−6アルキル)、−NH、NH(C1−6アルキル)、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており;
は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−OH、
(3)C1−8アルキル、
(4)−OC1−8アルキル、
(5)ハロゲン、
(6)−NR
(7)−SR、及び
(8)−CF
からなる群から選択され、ここで2個のC1−8アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に4〜8員環を形成していてもよく;
11は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−C1−8アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−(CH−フェニル、
(5)−(CH−ナフチル、
(6)−(CH−ヘテロアリール、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH3−7シクロアルキル、
(9)ハロゲン、及び
(10)−OR
からなる群から選択され、ここでアルケニル、フェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R11中のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR11置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよく;
rは、1又は2であり;
sは、0、1又は2であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
pは、0、1又は2である。
【0031】
上記本発明の実施態様の一形態においては、ZはNである。
【0032】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、ZはCRである。
【0033】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rはアミジノ、−C1−4アルキルイミノイル、−C1−8アルキル、−(CHN(R、−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、−(CH3−8シクロアルキル、−(CHフェニル、−(CHナフチル及び−(CHヘテロアリールからなる群から選択される。本形態の一下位形態においては、Rは−(CHN(Rである。本形態の他の下位形態においては、Rは−(CH2−9ヘテロシクロアルキルである。本形態の他の下位形態においては、Rは−(CHヘテロアリールである。
【0034】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rはフェニルであり、該フェニルは無置換であるか、それぞれ独立してR10から選択される1〜3個の置換基で置換されている。本形態の一下位形態においては、Rはそれぞれ独立してR10から選択された1〜3個の置換基で置換されたフェニルである。本形態の他の下位形態においては、Rはそれぞれ独立してR10から選択された2個の置換基で置換されたフェニルである。本形態の他の下位形態においては、Rは2,6−ジフルオロフェニルである。
【0035】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rはそれぞれ独立してC1−8アルキル、ハロゲン及び−(CHN(Rからなる群から選択され、ここでR中のアルキル及びメチレン(CH)炭素原子は無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよい。本形態の一下位形態においては、Rは−C1−8アルキルである。本形態の他の下位形態においては、Rはハロゲンである。本形態の他の下位形態においては、Rは−(CHN(Rである。
【0036】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rは水素である。本実施態様の他の形態においては、Rは−C1−6アルキルである。
【0037】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rは−C1−6アルキル及び−(CH0−13−8シクロアルキルから選択され、ここでアルキル及びシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されている。本形態の一下位形態においては、Rは−C1−6アルキルである。本形態の他の下位形態においては、Rは−(CH0−13−8シクロアルキルである。本形態の他の下位形態においては、Rは−CF、−(CH)C(CH、−(CH0−1CH(CH、−CH(CHCH、−シクロブチル、−シクロペンチル、−シクロヘキシル及び−フェニルからなる群から選択され、ここでフェニルは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル及びシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されている。本形態の更に他の下位形態においては、Rは−(CH)C(CH及び−シクロヘキシルから選択され、ここでシクロヘキシルは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0038】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rは水素である。本実施態様の更に他の形態においては、Rは−C1−6アルキルである。
【0039】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rは−(CH0−2NRC(O)R、−(CH0−2OR、−(CH0−2C≡N、−(CH0−2C(O)OR、−(CHC(O)N(R、−(CH0−2NRC(O)N(R、−(CH0−2NRC(O)ヘテロアリール、−(CH0−2ヘテロアリール及び−(CHNRS(O)からなる群から選択され、ここでヘテロアリールは無置換であるか、C1−4アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており、またR中のいずれかのメチレン(CH)上に存在する2個のC1−4アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に3、4、5又は6員環を形成していてもよく、該環は更にO、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子を含んでよい。本形態の一下位形態においては、Rは−(CH0−2NRC(O)R及び−(CH0−2NRS(O)から選択され、ここでR中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており、またR中のいずれかのメチレン(CH)上に存在する2個のC1−4アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に3、4、5又は6員環を形成していてもよく、該環は更にO、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子を含んでよい。本下位形態の更なる下位形態においては、Rは−(CHNRC(O)Rであり、ここでR中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されている。本下位形態の更なる他の下位形態においては、Rは−(CH)NRS(O)であり、ここでR中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0040】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rは水素又は−C1−8アルキルであり、ここでアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してN(C1−6アルキル)、−NH、NH(C1−6アルキル)、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されている。
【0041】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、Rはそれぞれ独立してC1−6アルキル及び水素からなる群から選択され、ここで2個のC1−6アルキル置換基は、それらが結合する原子と共に4〜8員環を形成していてもよい。本形態の一下位形態においては、Rはメチルである。本形態の他の下位形態においては、Rは水素である。
【0042】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、R10は−C1−8アルキル、ハロゲン、−OR、−(CHC≡N、−(CHS(O)及び−CFからなる群から選択され、R10中のアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されている。本形態の一下位形態においては、R10は−C1−8アルキル、フルオロ、クロロ、−OCH、−NO、−C≡N、−S(O)0−1及び−CFからなる群から選択され、ここでアルキルはいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されている。本形態の他の下位形態においては、R10はクロロ、ブロモ、フルオロ、−CF、−SC1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−C1−6アルキル、−NO、アリール又はヘテロアリールである。本下位形態の更なる下位形態においては、R10はフルオロである。
【0043】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、R11は水素、−C1−8アルキル、ハロゲン、−OR、−(CHC≡N、−(CHS(O)及び−CFからなる群から選択され、ここでR11中のアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR11置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよい。本形態の一下位形態においては、R11は水素、−C1−8アルキル、フルオロ、クロロ、−OCH、−NO、−C≡N、−S(O)0−1及び−CFからなる群から選択され、ここでアルキルはいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR11置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよい。本形態の他の下位形態においては、R11はクロロ、ブロモ、フルオロ、−CF、−SC1−6アルキル、−OC1−6アルキル、−C1−6アルキル、−NO、アリール又はヘテロアリールである。本下位形態の更なる下位形態においては、R11はフルオロである。
【0044】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、rは1であり、且つsは1である。本発明の実施態様の他の形態においては、rは2であり、且つsは1である。
【0045】
上記本発明の実施態様の他の形態においては、nは0、1又は2である。本発明の実施態様の他の形態においては、pは2である。
【0046】
以下、メラノコルチン−4受容体作働薬として有用な本発明の化合物の例を示すが、それらは単なる例示にすぎず本発明を限定するものではない。
【0047】
【化4】

【0048】
【化5】

【0049】
並びにこれらの薬学的に許容される塩。
【0050】
構造式Iの化合物はメラノコルチン受容体リガンドとして有効であり、メラノコルチン−4受容体の選択的リガンドとして特に有効である。従って、これら化合物は、肥満、糖尿病、肥満関連疾患、ニコチン中毒、アルコール依存症、さらには男性及び女性の性機能不全(特に男性勃起不全)、悪液質、消耗性疾患、食欲不振、体重減少等のメラノコルチン−4受容体の変調に応答する障害の治療及び/又は予防に有用である。
【0051】
より詳細には、式Iの選択的メラノコルチン−4受容体(MC−4R)作働薬は、肥満、糖尿病、ニコチン中毒、アルコール依存症、男性性機能不全、女性性機能不全等のメラノコルチン−4受容体の活性化に応答する障害の治療に有用である。更には、式Iの選択的メラノコルチン−4受容体(MC−4R)拮抗薬は、悪液質、消耗性疾患、食欲不振、虚弱、筋肉減弱症、体重減少等のメラノコルチン−4受容体の不活性化に応答する障害の治療に有用である。
【0052】
本発明の他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を投与して、肥満、糖尿病又は肥満関連疾患を治療又は予防する方法を提供する。本発明の更に他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与して、肥満を治療又は予防する方法を提供する。本発明の更に他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与して、糖尿病を治療又は予防する方法を提供する。本発明の更に他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与して、肥満関連疾患を治療又は予防する方法を提供し、ここで肥満関連疾患は、過食、多食、食欲亢進、高血圧、高インスリン血症、インスリン抵抗症、異脂肪血症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、骨関節炎、閉塞型睡眠時無呼吸症、胆嚢炎、胆石症、心疾患、心調律動異常、不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、脳卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダーウィリ症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠損、正常変異型低身長、ターナー症候群、メタボリック症候群、インスリン抵抗症候群、性的及び生殖的機能障害、不妊症、性腺機能低下症、多毛症、肥満関連胃食道逆流、ピックウィック症候群、心血管疾患、炎症、血管系の全身性炎症、動脈硬化、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、心肥大、左心室肥大、ニコチン中毒及びアルコール依存症からなる群から選択される。
【0053】
また、本発明は、本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を治療的又は予防的有効量の治療又は予防に有効な公知薬剤と組み合わせて投与して、肥満を治療又は予防する方法にも関する。更に、本発明は、本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を治療的又は予防的有効量の治療又は予防に有効な公知薬剤と組み合わせて投与して、糖尿病を治療又は予防する方法にも関する。
【0054】
本発明の他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を投与して、女性又は男性の性機能不全(男性勃起不全を含む)を治療又は予防する方法を提供する。本発明の更に他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の請求項1記載の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与して、勃起不全を治療又は予防する方法を提供する。本発明は、本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を治療的又は予防的有効量の治療に有効な公知薬剤と組み合わせて投与して、勃起不全を治療又は予防する方法にも関する。
【0055】
本発明の他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を投与して、アルコール依存症を治療又は予防する方法を提供する。本発明は、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を投与して、アルコール消費を低減する方法も提供する。
【0056】
本発明の他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を投与して、ニコチン中毒を治療又は予防する方法を提供する。本発明は、処置を必要とする対象に治療的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を投与して、ニコチン消費を低減する方法も提供する。本発明の更に他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体作働薬を投与して、物質依存症を治療又は予防する方法を提供する。
【0057】
本発明の更に他の態様では、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体拮抗薬を投与して、悪液質を治療又は予防する方法を提供する。本発明は、処置を必要とする対象に治療的又は予防的有効量の本発明のメラノコルチン−4受容体拮抗薬を投与して、食欲不振、消耗性疾患又は体重減少を治療又は予防する方法も提供する。
【0058】
本発明の他の態様では、構造式Iの化合物及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供する。
【0059】
本発明の更に他の態様は、処置を必要とする対象へのメラノコルチン−4受容体により媒介される疾患の治療、予防又は抑制に有効な薬剤の製造のための式Iの化合物の使用方法に関するものである。
【0060】
本発明の更に他の態様は、処置を必要とする対象への肥満、糖尿病及び肥満関連疾患から選択されるメラノコルチン−4受容体により媒介される疾患の治療、予防又は抑制に有効な薬剤の製造のための本発明のメラノコルチン−4作働薬の使用方法に関する。
【0061】
本発明の更に他の態様は、処置を必要とする対象に男性及び女性の性機能不全、並びに男性の勃起不全の治療、予防又は抑制に有効な薬剤の製造のための本発明のメラノコルチン−4作働薬の使用方法に関する。
【0062】
本発明の更に他の態様は、処置を必要とする対象にアルコール依存症の治療又は予防に有効な薬剤の製造のための本発明のメラノコルチン−4作働薬の使用方法に関する。本発明は、処置を必要とする対象にアルコール消費の低減に有効な薬剤の製造のための本発明のメラノコルチン−4作働薬の使用方法に関する。
【0063】
本発明の更に他の態様は、処置を必要とする対象にニコチン中毒の治療又は予防に有効な薬剤の製造のための本発明のメラノコルチン−4作働薬の使用方法に関する。本発明は、処置を必要とする対象にニコチン消費の低減に有効な薬剤の製造のための本発明の選択的メラノコルチン−4受容体作働薬の使用方法に関する。
【0064】
本発明の更に他の態様は、処置を必要とする対象に物質依存症の治療に有効な薬剤の製造のための本発明の選択的メラノコルチン−4受容体作働薬の使用方法に関する。
【0065】
本発明の更に他の態様は、処置を必要とする対象に悪液質の治療又は予防に有効な薬剤の製造のための本発明の選択的メラノコルチン−4受容体拮抗薬の使用方法に関する。本発明は、処置を必要とする対象に食欲不振、消耗性疾患、虚弱、筋肉減弱症又は体重減少の治療又は予防に有効な薬剤の製造のための本発明の選択的メラノコルチン−4受容体拮抗薬の使用方法にも関する。
【0066】
本発明の更に他の態様は、処置を必要とする対象に肥満、糖尿病又は肥満関連疾患の治療、制御又は予防のための薬剤の製造のために治療的有効量の式Iのメラノコルチン−4受容体作働薬又はその薬学的に許容される塩を、治療的有効量の他の成分又はその薬学的に許容される塩と共に、使用する方法に関し、治療的有効量の他の成分は、インスリン増感剤、インスリン模倣剤、スルホニル尿素、α−グルコシダーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、セロトニン作動薬、β3−アドレナリン受容体作働薬、神経ペプチドY1拮抗薬、神経ペプチドY2作働薬、神経ペプチドY5拮抗薬、膵リパーゼ阻害剤、カンナビノイドCB受容体拮抗薬又は逆作働薬、メラニン凝集ホルモン受容体拮抗薬、ボンベシン受容体サブタイプ3作働薬、グレリン受容体拮抗薬及びNK−1拮抗薬からなる群から選択される。本発明の更に他の態様は、治療的有効量の式Iのメラノコルチン−4受容体作働薬、その薬学的に許容される塩、又はそのエステルを、治療的有効量の他の成分又はその薬学的に許容される塩と共に、肥満、糖尿病又は肥満関連疾患の治療又は予防のための薬剤の製造に使用する方法に関し、有効量の式Iのメラノコルチン−4受容体作働薬及び有効量の他の成分を一緒に又は別々に含有し、また他の成分は、インスリン増感剤、インスリン模倣剤、スルホニル尿素、α−グルコシダーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、セロトニン作動薬、β3−アドレナリン受容体作働薬、神経ペプチドY1拮抗薬、神経ペプチドY2作働薬、神経ペプチドY5拮抗薬、膵リパーゼ阻害剤、カンナビノイドCB受容体拮抗薬又は逆作働薬、メラニン凝集ホルモン受容体拮抗薬、ボンベシン受容体サブタイプ3作働薬、グレリン受容体拮抗薬及びNK−1拮抗薬からなる群から選択される。本発明の更に他の態様は、治療的有効量の式Iのメラノコルチン−4受容体作働薬又はその薬学的に許容される塩と、治療的有効量の他の成分又はその薬学的に許容される塩とを含有し、これらを同時、別々又は逐次的に使用して肥満、糖尿病、又は肥満関連疾患を処置する混合型製剤製品に関し、ここで他の成分は、インスリン増感剤、インスリン模倣剤、スルホニル尿素、α−グルコシダーゼ阻害剤、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、セロトニン作動薬、β3−アドレナリン受容体作働薬、神経ペプチドY1拮抗薬、神経ペプチドY2作働薬、神経ペプチドY5拮抗薬、膵リパーゼ阻害剤、カンナビノイドCB受容体拮抗薬又は逆作働薬、メラニン凝集ホルモン受容体拮抗薬、ボンベシン受容体サブタイプ3作働薬、グレリン受容体拮抗薬及びNK−1拮抗薬からなる群から選択される。
【0067】
本発明の更に他の態様は、治療的有効量の式Iのメラノコルチン−4受容体作働薬又はその薬学的に許容される塩を、治療的有効量の他の成分又はその薬学的に許容される塩と共に、処置を必要とする対象に男性勃起不全の治療、制御又は予防のための薬剤の製造に使用する方法に関するものであり、他の成分は、V型環式GMP選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤、α−アドレナリン作動性受容体拮抗薬及びドーパミン作動剤からなる群から選択される。本発明の更に他の態様は、治療的有効量の式Iのメラノコルチン−4受容体作働薬又はその薬学的に許容される塩を、治療的有効量の他の成分、その薬学的に許容される塩、又はそのエステルと共に、男性勃起不全の治療又は予防のための薬剤の製造に使用する方法に関し、有効量の式Iの化合物及び有効量の他の成分を一緒に又は別々に含有し、また他の成分は、V型環式GMP選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤、α−アドレナリン作動性受容体拮抗薬及びドーパミン作動剤からなる群から選択される。本発明の更に他の態様は、治療的有効量の式Iのメラノコルチン−4受容体作働薬又はその薬学的に許容される塩と、治療的有効量の他の成分、その薬学的に許容される塩、又はそのエステルとを含有し、これらを同時、別々、又は逐次的に使用して男性勃起不全を処置する混合型製剤製品に関し、ここで他の成分は、V型環式GMP選択的ホスホジエステラーゼ阻害剤、α−アドレナリン作動性受容体拮抗薬及びドーパミン作動剤からなる群から選択される。
【0068】
メラノコルチン受容体作働薬化合物は、キットとして提供できる。通常、このようなキットは投与に適した製剤内に活性化合物を含有する。この製剤は、一日以上の期間、一日に1、2、3、4、5、6回などの一定の間隔で患者に投与した際に有利な効果が得られるよう、十分な量の活性化合物を含有する。キットには、減量のため(例えば肥満治療のため)の製剤の使用法と、特定期間に服用すべき製剤の量とを示す説明書を添付するのが好ましい。
【0069】
本出願全体において、下記用語は以下に示す意味を有する。
【0070】
「アルキル」、並びにアルコキシやアルカノイル等の接頭語「アルク(alk)」は、直鎖状又は分岐状の構造、或いはこれらの組み合わせの構造を有する、所定の長さの炭素鎖を意味する。ここで「アルキル」は(CH)で示されるメチレン基も包含する。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、1−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、1−エチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、4−エチルペンチル、1−プロピルブチル、2−プロピルブチル、3−プロピルブチル、1,1−ジメチルペンチル、1,2−ジメチルペンチル、1,3−ジメチルペンチル、1,4−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、3,4−ジメチルペンチル、4,4−ジメチルペンチル、1−メチル−1−エチルブチル、1−メチル−2−エチルブチル、2−メチル−2−エチルブチル、1−エチル−2−メチルブチル、1−エチル−3−メチルブチル、1,1−ジエチルプロピル、n−オクチル、n−ノニル等が挙げられる。
【0071】
「アルケニル」は、少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を含み、直鎖状又は分岐状の構造、或いはこれらの組み合わせの構造を有する炭素鎖を意味する。アルケニルの例としては、ビニル、アリル、イソプロペニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル等が挙げられる。
【0072】
「アルキニル」は、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を含み、直鎖状又は分岐状の構造或いはこれらの組み合わせの構造を有する炭素鎖を意味する。アルキニルの例としては、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニル等が挙げられる。
【0073】
「ハロゲン」は、ハロゲン原子のフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を包含することを意図している。
【0074】
「C1−4アルキルイミノイル」は、C1−3アルキルC(=NH)−を意味する。
【0075】
「アリール」は、フェニル及びナフチルを包含する。
【0076】
「ヘテロアリール」は、単環式芳香環、又は少なくとも一つの芳香環を含む二環式構造を有し、窒素、酸素、硫黄、スルホン、及びスルホキシドから選択される1〜4のヘテロ原子を有するものを包含する。その例としては、ピリジニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル等が挙げられ、これらに限定されない。本発明の一実施態様においては、ヘテロアリールは、ピリジニル、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、チアジアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサチアゾリル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、ベンゾチアゾリル及びベンゾオキサゾリルからなる群から選択される。
【0077】
二環式ヘテロ芳香環としては、ベンゾチアジアゾール、インドール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、キノリン、キナゾリン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、イソキノリン、プリン、フロピリジン、チエノピリジン、ベンゾイソジアゾール、トリアゾロピリミジン及び5,6,7,8−テトラヒドロキノリンが挙げられ、これらに限定されない。
【0078】
「シクロアルキル」は、環中に炭素原子のみを有する単環式又は二環式の非芳香族環基を包含する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられ、これらに限定されない。
【0079】
「ヘテロシクロアルキル」は、2〜9の炭素原子を有し、各環が窒素、酸素、硫黄、スルホン及びスルホキシドから選択されるヘテロ原子を1〜4個有しうる、単環式又は二環式の非芳香族環基を包含する。ヘテロシクロアルキル環上の置換の例としては、炭素の1置換又は2置換、及び/又は窒素の1置換が挙げられる。ヘテロシクロアルキルの例としては、アゼチジン、ピペリジン、モルホリン、チアモルホリン、テトラヒドロピラン、チアテトラヒドロピラン、ピロリジン、イミダゾリジン、テトラヒドロフラン、ピペラジン、1−チア−4−アザ−シクロヘキサン及び1,3−オキサゾリジンからなる基が挙げられ、これらに限定されない。
【0080】
上記のように定義したものは上記式中に複数存在する場合があり、そのような場合は、それぞれ他のものとは独立して定義される。従って、例えばNRは、NH、NHCH、N(CH)CHCH等であってよい。
【0081】
「対象」は、哺乳動物を意味する。「哺乳動物」の一例としては「ヒト」が挙げられ、「ヒト」は男性であっても女性であってもよい。本発明の化合物は、猫や犬の肥満及び肥満関連疾患の治療又は予防にも有用である。このように、「哺乳動物」は猫や犬等のコンパニオン動物を包含する。「処置を必要とする哺乳動物」は、研究者、獣医、医師又は他の臨床医学者が決定した、治療又は予防が必要な哺乳動物を指す。
【0082】
医薬組成物等の「組成物」は、有効成分と担体を構成する不活性成分とを含有する製品を包含し、また2種以上の成分の組み合わせ、複合化又は凝集、1種以上の成分の解離、或いは1種以上の成分の他の反応や相互作用により、直接又は間接的に得られる製品も包含する。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と薬学的に許容される担体とを混合して得られるあらゆる組成物を包含する。
【0083】
メラノコルチン受容体「作働薬」は、メラノコルチン受容体と相互作用し、メラノコルチン受容体活性化の薬理学的又は生化学的反応特性を示す内因性物質、薬物又は化合物を意味する。メラノコルチン受容体「拮抗薬」は、作働薬により誘発されたメラノコルチン受容体関連応答を阻害する薬物又は化合物を意味する。本発明の化合物の作働薬特性及び拮抗薬特性は、後述する機能分析によって測定した。この機能分析では、メラノコルチン受容体作働薬とメラノコルチン受容体拮抗薬とが区別される。
【0084】
「結合親和性」は、化合物/薬物の生物学的標的に結合する能力、本発明では構造式Iの化合物のメラノコルチン受容体に結合する能力を意味する。本発明では、化合物の結合親和性を後述する結合分析で測定し、IC50値として表す。
【0085】
「効力」は、異なる複数の作働薬が同数の受容体を同じ親和性で占める場合であっても、その作働薬が引き起こす応答の相対強度を表す。効力とは、応答の規模を表す特性である。化合物の特性は2つの群、受容体に結合する特性(結合親和性)と刺激を生じる特性(効力)とに分類できる。「効力」という語は、作働薬が誘発した応答の最大レベルを述べるために用いられる。全ての受容体作働薬が同じ最大応答レベルを示すわけではない。最大応答は、受容体とのカップリング効率、即ち所望の生物学的効果を引き起こす薬物の受容体への結合という一連の事象に応じて変動する。
【0086】
本発明の化合物の、特定の濃度におけるEC50で表される機能活性及び「作働薬効力」は、後述する機能分析で測定した。
【0087】
構造式Iの化合物は1以上の不斉中心を有し、そのためラセミ体、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物又は単一のジアステレオマーとして得られる場合がある。本発明は、構造式Iの化合物のそのような異性体全てを包含し、オレフィン二重結合のE及びZの幾何異性体も包含する。本明細書に記載の化合物の幾つかは、ケト−エノール互変異性体のような互変異性体として存在しうる。個々の互変異性体並びにその混合物は、構造式Iの化合物に含まれる。
【0088】
構造式Iの化合物を、例えば適当な溶媒(メタノール、酢酸エチル、これらの混合物等)からの分別結晶化や、光学活性固定相を用いたキラルクロマトグラフィーに供することにより、個々のジアステレオマーに単離することができる。絶対立体化学は、結晶性の生成物又は中間体をX線結晶解析することで決定され、この際必要に応じて生成物又は中間体を既知の絶対配置を有する不斉中心を有する試薬を用いて誘導体化する。
【0089】
或いは、既知の絶対配置を有する光学的に純粋な出発物質又は試薬を用いて、立体特異的合成により、一般式I、IIa及びIIbの化合物の各立体異性体を得てもよい。
【0090】
本発明の化合物及びその薬学的に許容される塩は、水和物、溶媒和物、多形体、結晶、水和結晶又は非晶質を含むことは明らかであろう。
【0091】
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される非毒性の無機又は有機塩基、或いは無機又は有機酸から調製された塩を指す。無機塩基から得られる塩としては、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウムの塩が特に好ましい。薬学的に許容される非毒性有機塩基から得られる塩としては、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然置換アミンを含む置換アミン、環状アミン並びに塩基性イオン交換樹脂の塩が挙げられる。
【0092】
本発明の化合物が塩基性である場合、薬学的に許容される非毒性の無機又は有機酸から塩を得ることができる。このような酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸等が挙げられる。クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸及び酒石酸が特に好ましい。
【0093】
ここで、式Iの化合物についての記載は、塩酸塩等の薬学的に許容される塩についても適用されることは明らかであろう。
【0094】
式Iの化合物はメラノコルチン受容体リガンドであり、1以上のメラノコルチン受容体の変調に応答する疾患、障害又は症状の治療、制御又は予防に有用である。ここでメラノコルチン受容体としてはMC−1、MC−2、MC−3、MC−4及びMC−5が挙げられるが、これらに限定されない。特に、式Iの化合物は、メラノコルチン−4受容体の活性化又は不活性化に応答する疾患、障害又は症状の治療、制御又は予防に有用なメラノコルチン−4受容体作働薬又は拮抗薬として作用する。このような疾患、障害又は症状としては、肥満(食欲の低減、代謝速度の増加、脂肪摂取の低減、又は炭水化物渇望の低減による)、糖尿病(耐糖能の増強、インスリン抵抗性の低減による)、高血圧、高脂血症、骨関節炎、癌、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、うつ病、不安神経症、強迫衝動、ノイローゼ、不眠症/睡眠障害、薬物乱用、疼痛、男性及び女性の性機能不全(男性のインポテンス、性欲減弱、女性の性的興奮障害、女性のオルガスム障害、性的欲求低下障害、性的疼痛障害、男性の勃起不全等)、発熱、炎症、免疫修飾、関節リウマチ、日焼け、にきび及び他の皮膚障害、並びに神経保護、認知、及び記憶増強(アルツハイマー病治療等)が挙げられ、これらに限定されない。式Iで表される作働薬のうち幾つかは、MC−1R、MC−2R、MC−3R、及びMC−5Rよりも、メラノコルチン−4受容体(MC−4R)に対して高選択的親和性を示し、そのため肥満、女性性機能不全、男性性機能不全(勃起不全等)、アルコール依存症及びニコチン中毒の予防及び治療に特に有用である。式Iで表される拮抗薬のうち幾つかは、MC−1R、MC−2R、MC−3R、及びMC−5Rよりも、メラノコルチン−4受容体(MC−4R)に対して高選択的親和性を示し、そのため悪液質、消耗性疾患及び食欲不振の予防及び治療に特に有用である。
【0095】
本発明の組成物は、肥満や肥満関連疾患等の、過食に関連する障害の治療又は予防に有用である。ここでの肥満は、遺伝的原因や環境的原因等、どのような原因によるものであってもよい。
【0096】
ここでの肥満関連疾患とは、肥満に関連した疾患、肥満により引き起こされた疾患、或いは肥満の結果発症した疾患である。肥満関連疾患の例としては、過食、多食、食欲亢進、高血圧、糖尿病、高インスリン血症、インスリン抵抗症、異脂肪血症、高脂血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、骨関節炎、閉塞型睡眠時無呼吸症、胆嚢炎、胆石症、心疾患、心調律動異常、不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、脳卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プラダーウィリ症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠損、正常変異型低身長、ターナー症候群、並びに代謝活性の低下、又は総除脂肪質量に対するパーセンテージで示される安静時エネルギー消費量の低下を生じる他の病的状態(例えば小児の急性リンパ性白血病)が挙げられる。肥満関連疾患の更なる例としては、メタボリック症候群、インスリン抵抗症候群、性的又は生殖的機能障害(不妊症、男性の性腺機能低下症等)、女性の多毛症、胃腸の消化管運動障害(肥満関連胃食道逆流等)、呼吸器障害(肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)等)、心血管疾患、炎症(全身性血管炎症等)、動脈硬化、高コレステロール血症、高尿酸血症、腰痛、胆嚢疾患、痛風、腎臓癌、ニコチン中毒、物質依存症、並びにアルコール依存症が挙げられる。本発明の組成物は、左心室肥大の危険性の低減等、肥満の二次的症状の発症リスクの低減にも有用である。
【0097】
X症候群としても知られる「メタボリック症候群」は、フォード(E.S.Ford)ら、「the Third Report of the National Cholesterol Education Program Expert Panel on Detection,Evaluation and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults(ATP−III)」、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(JAMA)、287(3)巻、2002年1月16日、356−359頁において定義されている。簡潔に説明すると、ある人が腹部肥満、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール症、高血圧、及び高空腹時血糖のうち、3つ以上の症状を示す場合、その人はメタボリック症候群であると定義される。これら症状の基準はATP−IIIにおいて定義されている。
【0098】
本発明において、「糖尿病」は、インスリン依存性糖尿病(即ちI型糖尿病としても知られるIDDM)及び非インスリン依存性糖尿病(即ちII型糖尿病としても知られるNIDDM)の両方を包含する。I型糖尿病或いはインスリン依存性糖尿病は、グルコース利用を調節するホルモン、即ちインスリンの絶対的欠乏の結果、発症するものである。II型糖尿病、或いはインスリン非依存性糖尿病(即ち非インスリン依存性糖尿病)は、インスリン濃度が正常又は高い場合にも発生することがあり、組織がインスリンに対して適切に応答できないために発症するようである。II型糖尿病患者の多くは肥満でもある。本発明の組成物は、I型及びII型の双方の糖尿病を治療するのに有用であり、II型糖尿病の治療に特に有効である。また本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤は、妊娠性糖尿病の治療及び/又は予防に有用である。
【0099】
糖尿病の治療とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することによる糖尿病治療を指す。この治療の結果、グルコースレベルが上昇した対象のグルコースレベルが低下する場合がある。また、治療により血糖コントロールが改善される場合もある。治療によりインスリンレベルの上昇した対象のインスリンレベルが低下する場合もある。治療により高血漿トリグリセリドの対象の血漿トリグリセリドが低下する場合もある。治療により高LDLコレステロールの対象のLDLコレステロールレベルが低下する場合もある。治療により低HDLコレステロールの対象のHDLコレステロール濃度が向上する場合もある。治療により処置を必要とする対象のLDL/HDL比が低下する場合もある。治療によりインスリン感受性が向上する場合もある。治療により耐糖能障害対象の耐糖能が向上する場合もある。治療により高インスリン抵抗又はインスリンレベルの上昇した対象のインスリン抵抗が低下する場合もある。治療によりトリグリセリドレベルの上昇した対象のトリグリセリドレベルが低下する場合もある。更に、治療によりLDLコレステロール、非HDLコレステロール、トリグリセリド、HDLコレステロール又は他の脂質の特性が改善される場合もある。
【0100】
糖尿病の予防とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、糖尿病の危険性がある対象において、糖尿病発症を予防することを指す。
【0101】
「肥満」とは、体脂肪が過剰な状態である。実務上は肥満度指数(BMI)に基づいて肥満を定義し、この肥満度指数(BMI)は体重を身長(m)の二乗で割って計算される(kg/m)。「肥満」とは、それ以外は健常な対象が30kg/m以上の肥満度指数(BMI)を示す状態、或いは少なくとも1つの併存疾患を患う対象が27kg/m以上のBMIを示す状態を指す。「肥満の対象」とは、それ以外は健常で30kg/m以上の肥満度指数(BMI)を示す対象、或いは少なくとも1つの併存疾患を患い27kg/m以上のBMIを示す対象を指す。「肥満の危険性がある対象」とは、それ以外は健常で25kg/m以上、30kg/m未満のBMIを示す対象、或いは少なくとも1つの併存疾患を患い25kg/m以上、27kg/m未満のBMIを示す対象を指す。
【0102】
アジア人においては、より低い肥満度指数(BMI)で肥満関連の危険性が増加する。日本を含むアジア諸国では、「肥満」は、減量を必要とするか又は減量により改善が見込める肥満由来又は肥満関連の併存疾患を少なくとも一つ患う対象が25kg/m以上のBMIを示す状態を指す。日本を含むアジア諸国では、「肥満の対象」とは、減量を必要とするか又は減量により改善が見込める肥満由来又は肥満関連の併存疾患を少なくとも一つ患い且つ25kg/m以上のBMIを示す対象を指す。アジア太平洋においては、「肥満の危険性がある対象」とは、23kg/m以上、25kg/m未満のBMIを示す対象を指す。
【0103】
本発明において、「肥満」は上述した肥満の定義を全て包含する。
【0104】
肥満由来又は肥満関連の併存疾患としては、糖尿病、非インスリン依存性糖尿病−II(2)型、耐糖能障害、空腹時血糖異常、インスリン抵抗症候群、異脂肪血症、高血圧、高尿酸血症、痛風、冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、睡眠時無呼吸症候群、ピックウィック症候群、脂肪肝、脳梗塞、脳血栓症、一過性脳虚血発作、整形外科的障害、変形性関節炎、腰椎痛(lumbodynia)、月経異常及び不妊症が挙げられ、これらに限定されない。併存疾患としては特に、高血圧、高脂血症、異脂肪血症、耐糖能障害、心血管疾患、睡眠時無呼吸、糖尿病及び他の肥満関連状態が挙げられる。
【0105】
肥満及び肥満関連疾患の治療とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、肥満の対象の体重を低減又は維持することを指す。この治療の結果、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与する直前の状態と比較して、肥満対象の体重が減少する場合がある。また、この治療により、節食、運動又は薬物療法により一旦減量したものの元の体重に戻ってしまうという事態を予防できる場合もある。治療により肥満関連疾患の発生及び/又はその重症度が低下する場合もある。好適には、この治療によって、対象の食物摂取又はカロリー摂取の低減(例えば総摂食量の低減、炭水化物や脂肪等の特定食品成分の摂取量の低減);及び/又は栄養吸収の抑制;及び/又は代謝速度減少の抑制;並びに処置を必要とする対象の減量が可能である。治療により、代謝速度の変更(例えば、代謝速度減少の抑制ではない、或いは該抑制に加えた、代謝速度の上昇);及び/又は体重減少により通常起こる代謝抵抗の最小化が起こる場合もある。
【0106】
肥満及び肥満関連疾患の予防とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、肥満の危険性がある対象において、体重を低減又は維持することを指す。この予防の結果、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与する直前と比べて、肥満の危険性がある対象の体重が減少する場合がある。また、この予防により、節食、運動、又は薬物療法により一旦減量したものの元の体重に戻ってしまうという事態を予防できる場合もある。肥満発症前の段階でその危険性がある対象に投与すると、肥満の発症を防げることもある。肥満発症前の段階でその危険性がある対象に投与すると、肥満関連疾患の発生率及び/又は重症度が低下する場合もある。更に、既に肥満の状態にある対象を治療すると、この治療により、動脈硬化、II型糖尿病、多嚢胞性卵巣疾患、心血管疾患、骨関節炎、皮膚疾患、高血圧、インスリン抵抗症、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症及び胆石症などの肥満関連疾患の発症、進行、又は重症化を予防できる場合があるが、これらに限定されない。
【0107】
「男性性機能不全」は、インポテンス、性欲減弱及び勃起不全を含む。
【0108】
「勃起不全」は、勃起、射精又はその両方の機能不全を含む男性の障害である。勃起不全の症状としては、勃起状態を達成又は維持できないこと、射精障害、早漏及びオルガスムが得られないこと、等が挙げられる。勃起不全及び性機能不全の増加は多くの根本的な理由に因るものであり、その理由としては(1)加齢、(b)外傷、手術及び末梢血管疾患等による基礎的身体機能不全、並びに(3)薬物治療の副作用、うつ病及び他のCNS障害が挙げられ、これらに限定されない。
【0109】
男性性機能不全の治療とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、処置を必要とする男性の対象において、インポテンス、性欲減弱及び/又は勃起不全を治療することを指す。この治療の結果、インポテンス発症が減少する場合がある。また、治療により性欲が増加する場合もある。更に、治療により勃起不全の程度及び頻度が減少する場合もある。男性勃起不全の治療とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、処置を必要とする男性の対象において、男性勃起不全の1以上の症状を治療することを指す。この治療の結果、勃起能力が向上する場合がある。また、治療により勃起維持能力が向上する場合もある。治療により射精障害の症状が減少する場合もある。治療により早漏の症状が減少する場合もある。更に、治療によりオルガスム達成能が向上する場合もある。男性性機能不全及び男性勃起不全の予防とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、危険性のある男性の対象において、性機能不全及び勃起不全の症状を予防することを指す。
【0110】
「女性性機能不全」は、欲求、性的興奮、性的受容性及び陰核、膣、尿道周囲腺に関連したオルガスムの機能不全及び他の性機能発現部位の障害等、複数の要素の結果として発症すると見られる。特に、乳癌や婦人科癌の患者においては、このような部位が解剖学的に機能修飾され、オルガスムの可能性が低減されうる。MC−4受容体作働薬による女性性機能不全の治療によって、血流の改善、潤滑の改善、感覚の改善、オルガスム到達の容易化、オルガスム間の不応時間の短縮、並びに覚醒及び欲求の改善が可能である。より広義には、「女性性機能不全」は、性的疼痛、早期分娩及び月経困難症も包含する。
【0111】
本発明の組成物は、肥満、肥満関連疾患等の過食に関連する障害の治療又は予防に有用である。
【0112】
「悪液質」は、体重減少、筋タンパク減少、除脂肪体重減少、食欲不振、及び虚弱といった症状を特徴とした、消耗性疾患であり、通常は慢性病に関連して発症し、例えば、癌悪液質、並びにエイズ、慢性閉塞性肺疾患、関節リウマチ、結核及びクローン病に関連した悪液質を含む。癌悪液質は、悪性腫瘍に応答して進行性体重減少、食欲不振及び体内持続性糜爛症の症状を示す症候群であり、この悪液質の症状は悪性腫瘍の兆候や症状が発現する前の早い段階から現れうる。
【0113】
悪液質の治療とは、処置を必要とする対象に本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより1種以上の悪液質の症状を治療することを指す。
【0114】
悪液質の予防とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、その危険性のある対象(例えば癌と診断された対象、これに限定されない)において、悪液質又は消耗性疾患の症状を防ぐことを指す。
【0115】
本発明の組成物は、ニコチン中毒、物質依存症及びアルコール依存症、更にはニコチン中毒に関連する障害、薬物乱用に関連する障害及びアルコール依存症に関連する障害の治療又は予防に有用である。
【0116】
本発明において、「ニコチン」は、タバコや他の天然源に含まれるニコチン、合成ニコチン及びそれらの塩(例えばサリチル酸塩や二酒石酸塩、これらに限定されない)を指す。ニコチン中毒は、社会的、職業的又は医学的に有意な機能障害を引き起こす、有害な形でのニコチン使用であり、ニコチン中毒患者は、下記症状のうち3種以上を発現する:1)ニコチン耐性(陶酔を得るために著しく多い量のニコチンを必要とすること、又は同量のニコチンを継続的に使用することにより効果が著しく低減されること);2)ニコチン離脱症状(発汗、速脈、手の震えの増加、不眠症、吐き気、嘔吐、身体的興奮、不安神経症、一過性の視覚、触覚、又は聴覚的な幻覚又は錯覚、大発作);3)離脱症状を軽減又は回避するためのニコチン摂取;4)予定より多量のニコチン使用;5)ニコチン使用の低減又は制御の失敗;6)ニコチン使用の低減又は制御の持続性欲求又は失敗;7)ニコチン使用のための長時間の浪費;8)ニコチンによる社会的、職業的又は娯楽的活力の低下;並びに9)ニコチン使用により悪化するであろう持続性又は再発性の身体的又は心理的な問題を有することを自覚していながら、継続的にニコチンを使用すること。ニコチン中毒関連の障害としては、ニコチン離脱症状とともに、肺、口腔、咽頭、喉頭、食道、子宮頸部腺、腎臓、尿管及び膀胱の癌;慢性気管支炎;肺気腫;ぜんそく;心疾患(脳卒中、心臓発作、血管疾患、及び動脈瘤を含む);早期分娩;自然流産;並びに低出生体重児が挙げられ、これらに限定されない。「(ニコチン中毒の)治療」とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、対象のニコチン使用を低減又は抑制することを指す。この治療の結果、治療前と比べて対象のニコチン使用が減少しうる。また、治療により対象のニコチン使用が抑制される場合もある。治療により対象のニコチン消費量の減少等、ニコチン摂取の重症度が低下する場合もある。「(ニコチン中毒の)予防」とは、ニコチン使用前に本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、対象のニコチン乱用、ニコチン中毒、又はニコチン中毒関連障害の発症を防ぐことを指す。この予防の結果、ニコチン使用開始前の投与によって対象のニコチン使用を防げる場合がある。また、予防により対象のニコチン中毒を予防できる場合もある。予防により対象のニコチン中毒関連障害の発症を予防できる場合もある。ニコチン使用前に投与することで、対象のニコチン使用を予防できる場合もある。本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することで、ニコチン中毒発症の危険性のある対象がニコチンを使用するのを予防できる場合もある。
【0117】
物質依存症は、オピエート中毒、コカイン中毒、マリファナ中毒、及びアンフェタミン中毒を含む。ここで「オピエート」としては、ヘロイン、麻薬(narcotic、モルヒネ等)、アヘン、コデイン、オキシコドン(オキシコンチン(登録商標))、プロポキシフェン(ダルボン(登録商標))、ヒドロコドン(バイコディン(登録商標))、ヒドロモルフォン(ジラウジッド(登録商標))、メペリジン(デメロール(登録商標))、及びロモチル(登録商標)が挙げられ、これらに限定されない。ここで「アンフェタミン」としては、アンフェタミン、デキストロアンフェタミン及びメタンフェタミンが挙げられ、これらに限定されない。「(物質依存症の)治療」とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、対象の当該物質の使用を低減又は抑制することを指す。この治療の結果、治療前と比較して対象の物質使用が低減される場合がある。また、治療により対象の物質使用が抑制される場合もある。治療により対象の物質摂取回数が減少する場合もある。治療により、対象の物質消費量の減少等、物質摂取の重症度が低下する場合もある。本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤の投与により、処置を必要とする対象の物質消費が低減又は抑制される場合もある。「(物質依存症の)予防」とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、対象における物質依存症又は物質依存症関連障害の発症を防ぐことを指す。この予防の結果、物質使用開始前の投与によって対象の物質使用を防げる場合がある。また、予防により対象の物質依存症を予防できる場合もある。予防により対象の物質依存症中毒関連障害の発症を予防できる場合もある。物質使用前に投与することで、対象の物質使用を予防できる場合もある。
【0118】
本発明の化合物は、自発的アルコール消費の抑制又は低減、並びにアルコール依存症、アルコール乱用、及びアルコール関連障害の治療又は予防に有用である。アルコール依存症は異常にアルコールを求めて飲酒の制御に障害をきたす疾患であり、アルコール依存症患者は、下記症状の幾つか又は全てを示す:飲酒レパートリーの狭小化(1銘柄又は1種類のアルコール飲料のみ飲酒);欲(飲酒への強い要求又は衝動)、制御不能(一旦飲酒を始めると止められない)、飲酒を求める行動(飲酒を含む社交行事のみに関心);身体的依存(吐き気、発汗、震え、飲酒中止時の不安等の離脱症状)、離脱症状を軽減又は回避するための飲酒;耐性(過去の効果を得るためにより多量のアルコールが必要);飲酒衝動又はアルコール切望の自覚;並びに、再発(禁酒期間後の飲酒への回帰)。アルコール関連障害としては、肝疾患(肝炎、肝臓炎症及びアルコール性肝硬変等);心疾患;高血圧;脳卒中;ある種の癌(食道癌、口腔癌、咽喉癌、喉頭癌、乳癌、結腸癌及び直腸癌等);膵炎;アルコール性認知症、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、脳障害、骨折治癒遅延;創傷治癒障害;免疫防御機能低下;並びに死亡が挙げられ、これらに限定されない。「(アルコール依存症の)治療」とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、対象のアルコール消費を低減又は抑制することを指す。この治療の結果、治療前と比較して対象のアルコール消費が低減される場合がある。また、治療により対象のアルコール消費が抑制される場合もある。治療により対象のアルコール摂取回数が減少する場合もある。治療により、対象のアルコール消費量の減少等、アルコール摂取の重症度が低下する場合もある。本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤の投与により、処置を必要とする対象のアルコール消費が低減又は抑制される場合もある。「(アルコール依存症の)予防」とは、本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することにより、対象におけるアルコール摂取、アルコール消費、アルコール乱用、アルコール依存症、又はアルコール関連障害の発症を防ぐことを指す。この予防の結果、アルコール消費開始前の投与によって対象のアルコール摂取を防げる場合がある。また、予防により対象のアルコール依存症を予防できる場合もある。本発明の化合物又はその組み合わせ薬剤を投与することで、アルコール依存症やアルコール関連障害発症の危険性のある対象において、アルコール摂取を防げることもある。更に、既にアルコールを消費している対象を処置する場合は、上記治療によりアルコール関連障害の発生、進行又は重症化を防ぐことができる。
【0119】
「(化合物の)投与」及び/又は「(化合物を)投与すること」は、処置を必要とする対象に、本発明の化合物又はそのプロドラッグを与えることを意味すると解すべきである。本発明の療法を実施するために、治療又は予防を必要とする対象に、治療的有効量の本発明の化合物を投与する。本発明の方法による予防的投与の必要性は、よく知られた危険因子を用いて決定される。
【0120】
本発明において「治療的有効量」は、組織、系、対象、哺乳動物又は人間において、研究者、獣医、医師又は他の臨床医学者が求める生物学的又は医学的応答(治療される障害の症状緩和を含む)を引き起こす、活性化合物の量を意味する。本発明の新規な治療方法は、当業者に公知の障害を治療することを意図したものである。本発明において「予防的有効量」は、組織、系、対象、哺乳動物又は人間において、肥満又は障害の危険性がある対象が発症するのを予防するために研究者、獣医、医師、又は他の臨床医学者が求める生物学的又は医学的応答を引き起こす、活性化合物の量を意味する。個々の化合物の治療的有効量又は予防的有効量、或いは用量は、最終分析において担当の医師により決定されるが、治療する疾患の詳細、その疾患の重症度、患者が患う他の疾患や状態、選択する投与経路、患者が同時に必要とし得る他の薬物及び治療、並びに医師の判断によるその他の要因等に応じて決定される。
【0121】
投与及び用量範囲
対象又は哺乳動物、特にヒトに本発明の化合物の有効量を与えるために、任意の適当な投与経路を用いてよい。例えば、経口投与、経直腸投与、局所性投与、非経口投与、眼内投与、経肺投与、経鼻投与等を用いてよい。投与剤形の例としては、錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾル等が挙げられる。式Iの化合物を経口投与又は局所性投与するのが好ましい。
【0122】
用いる有効成分の有効量は、用いる特定の化合物、投与方法、治療する状態、及び治療する状態の重症度に応じて変化しうる。当業者は容易にこのような用量を確認できる。
【0123】
肥満を、糖尿病及び/又は高血糖症と併せて、又は単独で治療する場合は、式Iの化合物は、通常は一日用量を動物の体重1キログラム当たり約0.001〜約50ミリグラムとし、好ましくは単回投与又は一日2〜6回の分割投与、或いは徐放剤の形態での投与を行うと、満足できる結果が得られる。70kgの成人の場合、合計一日用量は通常約0.07ミリグラム〜約3500ミリグラムである。最適な治療応答を得るためにこの用量処方計画を調整してよい。
【0124】
糖尿病及び/又は高血糖症、並びに該化合物が有効な他の疾患又は障害を治療する場合は、式Iの化合物は、通常は一日用量を動物の体重1キログラム当たり約0.001ミリグラム〜約50ミリグラムとし、好ましくは単回投与又は一日2〜6回の分割投与、或いは徐放剤の形態での投与を行うと、満足できる結果が得られる。70kgの成人の場合、合計一日用量は通常約0.07ミリグラム〜約3500ミリグラムである。最適な治療応答を得るためにこの用量処方計画を調整してよい。
【0125】
性機能不全を治療する場合、式Iの化合物の用量範囲を体重1キログラム当たり0.001ミリグラム〜約50ミリグラムとし、好ましくは経口単回投与又は経鼻スプレー投与する。
【0126】
悪液質又は体重減少を治療する場合は、式Iの化合物は、通常は一日用量を動物の体重1キログラム当たり約0.001ミリグラム〜約50ミリグラムとし、好ましくは単回投与又は一日2〜6回の分割投与、或いは徐放剤の形態での投与を行うと、満足できる結果が得られる。70kgの成人の場合、合計一日用量は通常約0.07ミリグラム〜約3500ミリグラムである。最適な治療応答を得るためにこの用量処方計画を調整してよい。
【0127】
経口組成物を用いる場合、式Iの化合物の適当な一日用量範囲は、例えば約0.01mg〜約1500mgであり、好ましくは約0.1〜約600mgであり、より好ましくは約0.1mg〜約100mgである。経口投与の場合、錠剤の形態で組成物を投与するのが好ましく、該錠剤は、治療する患者に対する用量の症状調整のために、0.01〜1000mg、好ましくは0.01、0.05、0.1、0.5、1、2.5、5、10、15、20、25、30、40、50、100、250、500、600、750、1000、1250又は1500mgの有効成分を含む。
【0128】
鼻腔内投与用の組成物を用いる場合、許容できる処方中に式Iの化合物の0.001〜10重量%の溶液又は懸濁液を含有する鼻腔内投与用製剤が使用できる。
【0129】
静脈内投与用の組成物を用いる場合、体重1kg当たりの式Iの化合物の一日用量範囲は約0.001mg〜約50mgが適当であり、好ましくは0.01mg〜約50mgであり、より好ましくは0.1mg〜10mgである。最適な治療応答を得るためにこの用量処方計画を調整してよい。この範囲外の用量を使用する必要が生じる場合もある。
【0130】
眼疾患の治療の場合、許容できる処方中に式Iの化合物の0.001〜1重量%の溶液又は懸濁液を含有する眼内投与用眼科製剤が使用できる。
【0131】
当然ながら、本発明の化合物の予防用量又は治療用量は、用いる特定の化合物、投与形態、治療する症状及び治療する症状の重症度に応じて変動する。また、個々の患者の年齢、体重及び応答によっても変動する。当業者は容易にこの用量を確認することができる。
【0132】
式Iの化合物を他の薬物(式Iの化合物が有効な疾患又は状態の治療/予防/抑制又は改善に用いられる薬物)と組み合わせて使用することもできる。このような他の薬物は、通常用いられる経路及び量で、式Iの化合物と同時に又は逐次的に投与してよい。式Iの化合物を1種以上の他の薬物と同時に使用する場合、式Iの化合物とこれら他の薬物を含有する医薬組成物を用いるのが好ましい。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1種以上の他の有効成分を含有するものを包含する。
【0133】
肥満及び/又は糖尿病の治療又は予防のために式Iの化合物と併用でき、式Iの化合物と別々に投与でき、また式Iの化合物と共に医薬組成物に用いることが可能な、他の有効成分の例としては、以下のものが挙げられるが、それらに限定されない:
【0134】
(a)インスリン増感剤、例えば
(i)PPARγ拮抗薬(グリタゾン類(シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン(MCC−555)、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、トログリタゾン、ツラリク、BRL49653、CLX−0921、5−BTZD)、GW−0207、LG−100641、LY−300512等)、WO97/10813、WO97/27857、WO97/28115、WO97/28137及びWO97/27847に開示の化合物等)、
(iii)ビグアニド類(メトホルミン、フェンホルミン等)等;
【0135】
(b)インスリン又はインスリン模倣剤、例えばビオタ、LP−100、ノバラピド、インスリンデテミル、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、インスリン亜鉛懸濁液(レンテ及びウルトラレンテ)、Lys−Proインスリン、GLP−1(73−7)(インスリントロピン)及びGLP−1(7−36)−NH)等;
【0136】
(c)スルホニル尿素類、例えばアセトヘキサミド、クロルプロパミド、ジアビネース、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド及びトルブタミド等;
【0137】
(d)α−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラジミシン−Q、サルボスタチン、CKD−711、MDL−25637、MDL−73945及びMOR14等;
【0138】
(e)コレステロール低下剤、例えば
(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(アトルバスタチン、イタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン及び他のスタチン類等)、
(ii)胆汁酸吸収剤/隔離剤(コレスチラミン、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体、コレスチド(登録商標)、ロコレスト(登録商標)等)、
(ii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、又はその塩、
(iii)増殖因子活性化受容体α作働薬(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート、ベンザフィブレート等のフェノフィブリン酸誘導体等)、
(iv)コレステロール吸収阻害剤(スタノールエステル類、ベータシトステロール、チクエシド等のステロールグリコシド類及びエゼチミベ等のアゼチジノン類等)、及び(アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT))阻害剤(アバシミベ、メリナミド等)、
(v)抗酸化剤(プロブコール等)、
(vi)ビタミンE、
(vii)甲状腺模倣剤(thyromimetic)等;
【0139】
(f)PPARα作働薬、例えばベクロフィブレート、ベンザフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、エトフィブレート、フェノフィブレート、ゲンフィブロジル、他のフィブリン酸誘導体(アトロミド(登録商標)、ロピッド(登録商標)及びトリコル(登録商標)等)、及びグラクソ社のWO97/36579に記載のもの等;
【0140】
(g)PPARδ作働薬、例えばWO97/28149に開示のもの等;
【0141】
(h)PPARα/δ作働薬、例えばムラグリタザール、US6,414,002号に開示の化合物等;
【0142】
(i)禁煙剤、例えばニコチン作働薬又は部分ニコチン作働薬(バレニクリン等)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、禁煙補助効力を示す他の有効成分等(ブプロピオン、ドキセピン、ノルトリプチリン等の抗うつ剤、ブスピロン、クロニジン等の抗不安薬等);並びに
【0143】
(j)抗肥満薬、例えば
(1)成長ホルモン分泌促進剤、成長ホルモン分泌促進剤受容体作働薬/拮抗薬(NN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429、L−163,255、米国特許第5,536,716号及び6,358,951号、米国特許出願第2002/049196号及び2002/022637号、並びにPCT出願WO01/56592及びWO02/32888に開示のもの等)、
(2)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、
(3)カンナビノイドCB受容体拮抗薬又は逆作働薬等のカンナビノイド受容体リガンド(リモナバント(サノフィ・サンテラボ)、AMT−251、SR−14778及びSR−141716A(サノフィ・サンテラボ)、SLV−319(ソルベー)、BAY65−2520(バイエル)、米国特許第5,532,237号、4,973,587号、5,013,837号、5,081,122号、5,112,820号、5,292,736号、5,624,941号、及び6,028,084号、PCT出願WO96/33159、WO98/33765、WO98/43636、WO98/43635、WO01/09120、WO98/31227、WO98/41519、WO98/37061、WO00/10967、WO00/10968、WO97/29079、WO99/02499、WO01/58869、WO01/64632、WO01/64633、WO01/64634、WO02/076949、WO03/007887、WO04/048317、及びWO05/000809、並びにEPO出願EP−658546、EP−656354、及びEP−576357に開示のもの等)、
(4)抗肥満セロトニン作動薬(フェンフルラミン、デキスフェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン等)、
(5)β3−アドレナリン受容体作働薬(AD9677/TAK677(大日本/タケダ)、CL−316,243、SB418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、トレカドリン、ゼネカD7114、SR59119A、米国特許出願第5,705,515号及びUS5,451,677、並びにPCT特許公開WO94/18161、WO95/29159、WO97/46556、WO98/04526、WO98/32753、WO01/74782及びWO02/32897に開示のもの等)
(6)膵リパーゼ阻害剤(オルリスタット(キセニカル(登録商標))、トリトンWR1339、RHC80267、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン、テアサポニン、ジエチルウンベリフェリルホスフェート、PCT出願WO01/77094に開示のもの等)、
(7)神経ペプチドY1拮抗薬(BIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、米国特許第6,001,836号並びにPCT特許公開WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173、及びWO01/89528に開示のもの等)、
(8)神経ペプチドY5拮抗薬(GW−569180A、GW−594884A、GW−587081X、GW−548118X、FR226928、FR240662、FR252384、1229U91、GI−264879A、CGP71683A、LY−377897、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A、JCF−104、米国特許第6,057,335号、6,043,246号、6,140,354号、6,166,038号、6,180,653号、6,191,160号、6,313,298号、6,335,345号、6,337,332号、6,326,375号、6,329,395号、6,340,683号、6,388,077号、6,462,053号、6,649,624号、及び6,723,847号(これら全てがこの参照により開示に含まれる)、欧州特許EP−01010691及びEP−01044970、並びにPCT国際特許公開WO97/19682、WO97/20820、WO97/20821、WO97/20822、WO97/20823、WO98/24768、WO98/25907、WO98/25908、WO98/27063、WO98/47505、WO98/40356、WO99/15516、WO99/27965、WO00/64880、WO00/68197、WO00/69849、WO01/09120、WO01/14376、WO01/85714、WO01/85730、WO01/07409、WO01/02379、WO01/02379、WO01/23388、WO01/23389、WO01/44201、WO01/62737、WO01/62738、WO01/09120、WO02/22592、WO0248152、WO02/49648、WO02/094825、WO03/014083、WO03/10191、WO03/092889、WO04/002986及びWO04/031175に開示のもの等)、
(9)メラニン凝集ホルモン(MCH)受容体拮抗薬(WO01/21577及びWO01/21169に開示のもの等)、
(10)メラニン凝集ホルモン1受容体(MCH1R)拮抗薬(T−226296(タケダ)、PCT特許出願WO01/82925、WO01/87834、WO02/051809、WO02/06245、WO02/076929、WO02/076947、WO02/04433、WO02/51809、WO02/083134、WO02/094799、及びWO03/004027、並びに日本特許出願JP13226269及びJP2004−139909に開示のもの等)、
(11)メラニン凝集ホルモン2受容体(MCH2R)作働薬/拮抗薬、
(12)オレキシン−1受容体拮抗薬(SB−334867−A、PCT特許出願WO01/96302、WO01/68609、WO02/51232、及びWO02/51838に開示のもの等)、
(13)セロトニン再摂取阻害剤(フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、米国特許出願第6,365,633号、並びにPCT特許出願WO01/27060及びWO01/162341に開示のもの等)、
(14)メラノコルチン作働薬(メラノタンII、WO99/64002及びWO00/74679に記載のもの等)、
(15)他のMc4r(メラノコルチン4受容体)作働薬(CHIR86036(カイロン)、ME−10142及びME−10145(メラキュア)、CHIR86036(カイロン)、PT−141及びPT−14(パラティン)、米国特許第6,410,548号、6,294,534号、6,350,760号、6,458,790号、6,472,398号、6,376,509号、及び6,818,658号、米国特許公開US2002/0137664、US2003/0236262、US2004/009751、及びUS2004/0092501、並びにPCT出願WO99/64002、WO00/74679、WO01/70708、WO01/70337、WO01/74844、WO01/91752、WO01/991752、WO02/15909、WO02/059095、WO02/059107、WO02/059108、WO02/059117、WO02/067869、WO02/068387、WO02/068388、WO02/067869、WO02/11715、WO02/12166、WO02/12178、WO03/007949、WO03/009847、WO04/024720、WO04/078716、WO04/078717、WO04/087159、WO04/089307、及びWO05/009950に開示のもの等)、
(16)5HT−2作働薬、
(17)5HT2C(セロトニン受容体2C)作働薬(BVT933、DPCA37215、WAY161503、R−1065、米国特許第3,914,250号、並びにPCT出願WO02/36596、WO02/48124、WO02/10169、WO01/66548、WO02/44152、WO02/51844、WO02/40456、及びWO02/40457に開示のもの等)、
(18)ガラニン拮抗薬、
(19)CCK作働薬、
(20)CCK−A(コレシストキニン−A)作働薬(AR−R15849、GI181771、JMV−180、A−71378、A−71623、SR146131、米国特許第5,739,106号に記載のもの等)、
(21)GLP−1作働薬、
(22)コルチコトロピン放出ホルモン作働薬、
(23)ヒスタミン受容体−3(H3)モジュレーター、
(24)ヒスタミン受容体−3(H3)拮抗薬/逆作働薬(ヒオペラミド(hioperamide)、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル−N−(4−ペンテニル)カルバメート、クロベンプロピット、ヨードフェンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(グリアテック)、PCT出願WO02/15905に記載又は開示のもの、O−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]−カルバメート類(Kiec−Kononowicz,K.ら、ファルマジー(Pharmazie)、55:349−55(2000))、ピペリジン含有ヒスタミンH3−受容体拮抗薬(Lazewska,D.ら、ファルマジー(Pharmazie)、56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体及びその関連化合物(Sasse,A.ら、Archiv der Pharmazie(Weinheim)、334:45−52(2001))、置換N−フェニルカルバメート類(Reidemeister,S.ら、ファルマジー(Pharmazie)、55:83−6(2000))、プロキシファン(proxifan)誘導体(Sasse,A.ら、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、43:3335−43(2000))等)、
(25)β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1阻害剤(β−HSD−1)、
(26)PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤(テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラム、シロミラスト等)、
(27)ホスホジエステラーゼ−3B(PDE3B)阻害剤、
(28)NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤(GW320659、デスピラミン、タルスプラム、ノミフェンシン等)、
(29)グレリン受容体拮抗薬(PCT出願WO01/87335及びWO02/08250に開示のもの等)、
(30)レプチン類(組み換えヒトレプチン(PEG−OB、ホフマン・ラ・ロシュ)、組み換えメチオニルヒトレプチン(アムジェン)等)、
(31)レプチン誘導体(米国特許第5,552,524号、5,552,523号、5,552,522号、及び5,521,283号、並びにPCT国際特許公開WO96/23513、WO96/23514、WO96/23515、WO96/23516、WO96/23517、WO96/23518、WO96/23519、及びWO96/23520に開示のもの等)、
(32)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)作働薬([D−Phe6,β−Ala11,Phe13,Nle14]Bn(6−14)、[D−Phe6,Phe13]Bn(6−13)プロピルアミド、ペプチド・サイエンス(Pept.Sci.)、2002、8月、8(8):461−75に開示の化合物等)、
(33)CNTF(毛様体神経栄養因子)(GI−181771(グラクソ・スミスクライン)、SR146131(サノフィ・サンテラボ)、ブタビンジド(butabindide)、PD170,292及びPD149164(ファイザー)等)、
(34)CNTF誘導体(アキソキン(axokine、リジェネロン)、PCT出願WO94/09134、WO98/22128、及びWO99/43813に開示のもの等)、
(35)モノアミン再摂取阻害剤(シブトラミン、米国特許第4,746,680号、4,806,570号、及び5,436,272号、米国特許公開第2002/0006964号、並びにPCT出願WO01/27068及びWO01/62341に開示のもの等)、
(36)UCP(脱共役タンパク)−1、2、又は3活性剤(フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、レチノイン酸、PCT特許出願WO99/00123に開示のもの等)、
(37)甲状腺ホルモンβ作働薬(KB−2611(KaroBioBMS)、PCT出願WO02/15845及び日本特許出願JP2000256190に開示のもの等)、
(38)FAS(脂肪酸シンターゼ)阻害剤(セルレニン、C75等)、
(39)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤、
(40)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤、
(41)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)阻害剤、
(42)グルココルチコイド拮抗薬、
(43)アシルエストロゲン類(del Mar−Grasa,M.ら、オビシティ・リサーチ(Obesity Research)、9:202−9(2001)に開示のオレオイルエストロン等)、
(44)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)阻害剤(イソロイシンチアゾリダイド、バリンピロリダイド、NVP−DPP728、LAF237、P93/01、TSL225、TMC−2A/2B/2C、FE999011、P9310/K364、VIP0177、SDZ274−444、米国特許US6,699,871(これらはこの参照により開示に含まれる)、並びに国際特許出願WO03/004498、WO03/004496、EP1258476、WO02/083128、WO02/062764、WO03/000250、WO03/002530、WO03/002531、WO03/002553、WO03/002593、WO03/000180、及びWO03/000181に開示の化合物等)、
(46)ジカルボキシレート輸送体阻害剤、
(47)グルコース輸送体阻害剤、
(48)ホスフェート輸送体阻害剤、
(49)メトホルミン(グルコファージ(登録商標))、
(50)トピラメート(トピマックス(登録商標))、
(50)ペプチドYY、PYY3−36、ペプチドYYの類似体、誘導体、及び断片(BIM−43073D、BIM−43004C(Olitvak,D.A.ら、ディジェスティブ・ディズィーズ・アンド・サイエンス(Dig.Dis.Sci.)、44(3):643−48(1999))、US5,026,685、US5,604,203、US5,574,010、US5,696,093、US5,936,092、US6,046,162、US6,046,167、US6,093,692、US6,225,445、US5,604,203、US4,002,531、US4,179,337、US5,122,614、US5,349,052、US5,552,520、US6,127,355、WO95/06058、WO98/32466、WO03/026591、WO03/057235、WO03/027637、及びWO2004/066966(これらはこの参照により開示に含まれる)に開示のもの等)、
(51)神経ペプチドY2(NPY2)受容体作働薬(NPY3−36、Nアセチル[Leu(28,31)]NPY24−36、TASP−V、シクロ−(28/32)−Ac−[Lys28−Glu32]−(25−36)−pNPY等)、
(52)神経ペプチドY4(NPY4)作働薬(Batterhamら、ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム(J.Clin.Endocrinol.Metab.)、88:3989−3992(2003)に記載のような膵臓ペプチド(PP)、及び1229U91のような他のY4作働薬等)、
(54)シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、ルミラコキシブ、BMS347070、チラコキシブ、JTE522、ABT963、CS502、GW406381、これらの薬学的に許容される塩等)、
(55)神経ペプチドY1(NPY1)拮抗薬(BIBP3226、J−115814、BIBO3304、LY−357897、CP−671906、GI−264879A、米国特許第6,001,836号、並びにPCT出願WO96/14307、WO01/23387、WO99/51600、WO01/85690、WO01/85098、WO01/85173、及びWO01/89528に開示のもの等)、
(56)オピオイド拮抗薬(ナルメフェン(リベックス(登録商標))、3−メトキシナルトレキソン、ナロキソン、ナルトレキソン、PCT出願WO00/21509に開示のもの等)、
(57)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型)阻害剤(BVT3498、BVT2733、WO01/90091、WO01/90090、WO01/90092、米国特許US6,730,690、及び米国特許公開US2004−0133011(これらは全てこの参照により開示に含まれる)に開示のもの等)、
(58)アミノレックス、
(59)アンフェクローラル、
(60)アンフェタミン、
(61)ベンズフェタミン、
(62)クロルフェンテルミン、
(63)クロベンゾレックス、
(64)クロフォレックス、
(65)クロミノレックス、
(66)クロルテルミン、
(67)シクレキセドリン、
(68)デキストロアンフェタミン、
(69)ジフェメトキシジン、
(70)N−エチルアンフェタミン、
(71)フェンブトラゼート、
(72)フェンイソレックス(fenisorex)、
(73)フェンプロポレックス、
(74)フルドレックス、
(75)フルミノレックス(fluminorex)、
(76)フルフリルメチルアンフェタミン、
(77)レバンフェタミン、
(78)レボファセトペラン(levophacetoperane)、
(79)メフェノレックス、
(80)メタンフェプラモン、
(81)メタンフェタミン、
(82)ノルプソイドエフェドリン(norpseudoephedrine)、
(83)ペントレックス(pentorex)、
(84)フェンジメトラジン、
(85)フェンメトラジン、
(86)ピシロレックス、
(87)フィトファーム(phytopharm)57、
(88)ゾニサミド、
(89)ニューロキニン−1受容体拮抗薬(NK−1拮抗薬)(米国特許第5,162,339号、5,232,929号、5,242,930号、5,373,003号、5,387,595号、5,459,270号、5,494,926号、5,496,833号、及び5,637,699号、並びにPCT国際特許公開WO90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942、97/21702、及び97/49710に開示の化合物等)等。
【0144】
式Iの化合物と併用できる他の抗肥満薬の例は、「Patent focus on new anti−obesity agents」、エキスパート・オピニオン・オン・セラピューティック・パテンツ(Exp.Opin.Ther.Patents)、10:819−831(2000);「Novel anti−obesity drugs」、エキスパート・オピニオン・オン・インヴェスティゲーショナル・ドラッグス(Exp.Opin.Invest.Drugs)、9:1317−1326(2000);及び「Recent advances in feeding suppressing agents: potential therapeutic strategy for the treatment of obesity」、エキスパート・オピニオン・オン・セラピューティック・パテンツ(Exp.Opin.Ther.Patents)、11:1677−1692(2001)に開示されている。肥満における神経ペプチドYの役割については、エキスパート・オピニオン・オン・インヴェスティゲーショナル・ドラッグス(Exp.Opin.Invest.Drugs)、9:1327−1346(2000)において論じられている。カンナビノイド受容体リガンドについては、エキスパート・オピニオン・オン・インヴェスティゲーショナル・ドラッグス(Exp.Opin.Invest.Drugs)、9:1553−1571(2000)で論じられている。
【0145】
男性又は女性の性機能不全(特に男性勃起不全)の治療又は予防のために式Iの化合物と組み合わせて使用でき、式Iの化合物と別々に投与でき、また式Iの化合物と共に医薬組成物に用いることが可能な他の有効成分の例としては、(a)シルデナフィル、(6R、12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351)等のV型サイクリックGMP特異的ホスホジエステラーゼ(PDE−V)阻害剤;(b)フェントールアミン、ヨヒンビン、これらの薬学的に許容される塩等のアルファアドレナリン作動性受容体拮抗薬;(c)アポモルヒネ、その薬学的に許容される塩等のドーパミン受容体作働薬;(d)一酸化窒素(NO)ドナー類等が挙げられ、これらに限定されない。
【0146】
本発明では、MC−4R作働薬を第二の有効成分と共に含有する単一の医薬製剤を投与してもよく、また各活性成分をそれぞれ含有する複数の医薬製剤を別々に投与してもよい。複数の医薬製剤を投与する場合、個々の組成分を実質的に同じ時間に、即ち同時に投与してもよく、また時間を変えて、即ち他の組成分を投与する前又は後に逐次的に投与してもよい。そこで本発明はこのような同時又は交互での全ての投与形態を包含すると解すべきであり、それに従って「投与」や「投与する」といった語を解釈すべきである。このような様々な方法による投与は、患者においてMC−4R作働薬と第二の有効成分の有利な医薬的効果が実質的に同時に得られる限り、本発明の組成物に適している。好ましくは、各有効成分の所望の血中レベル濃度が実質的に同時に維持される時に、このような有利な効果が得られる。MC−4R作働薬と第二の有効成分を1日1回の投与スケジュールで同時に投与するのが好ましいが、1日にMC−4R作働薬を1回投与し且つ第二の有効成分を1回又は2回以上投与する、1日にMC−4R作働薬を3回投与し且つ第二の有効成分を1回又は2回以上投与するといった、様々な投与スケジュールを用いてよい。MC−4R作働薬と第二の有効成分の両方を含有する単一の経口製剤が好ましい。単一製剤は患者にとって便利であり、利便性は特に複数の薬剤を必要とする糖尿病や肥満の患者にとって重要な考慮事項である。
【0147】
本発明の化合物を組み合わせ薬剤に用いる場合は各成分を別々に投与してもよく、従って本発明は複数の別個の医薬組成物をキットの形で組み合わせることにも関する。本発明のキットは、2つの別個の医薬組成物、即ち、予防的又は治療的有効量のメラノコルチン−4受容体作働薬(或いはその薬学的に許容される塩又はエステル)と薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含有する第一の単位製剤、並びに予防的又は治療的有効量の第二の有効成分又は薬物(或いはその薬学的に許容される塩又はエステル)と薬学的に許容される担体又は希釈剤とを含有する第二の単位製剤を含む。ある実施態様においては、キットは更に容器を有する。このようなキットは、特に錠剤やカプセルといった固体経口製剤の送達に適している。該キットは好ましくは単位用量複数回分の製剤を含む。またキットは所定の使用順序に合わせて用量を記載したカードを含んでもよい。このようなキットの一例として「ブリスターパック」がある。ブリスターパックは包装産業でよく知られており、医薬単位製剤の包装に広く使用されている。所望であれば、記憶を助けるために、例えば数字、文字又は他の印や、投与可能な治療スケジュールの日程や時間を指定するカレンダーを添付してもよい。
【0148】
本発明の他の態様では、有効成分として式Iの化合物又はその薬学的に許容される塩を含有し、また任意に薬学的に許容される担体や他の治療用成分も含有する、医薬組成物を提供する。「薬学的に許容される塩」は、無機の塩基若しくは酸、又は有機の塩基若しくは酸を含む薬学的に許容される非毒性の塩基又は酸から調製された塩を指す。
【0149】
上記組成物は、経口投与、直腸投与、局所性投与、非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内等)、眼内投与(眼科的)、経肺投与(経鼻又は口腔内)、又は経鼻投与に適するものであってよいが、各事例において最適な経路は治療する症状の性質及び重症度や有効成分の特性に因ると考えられる。該組成物は単位製剤として簡便に提供でき、製薬学分野でよく知られるいかなる方法で調製してもよい。
【0150】
実用に供する際には、従来の医薬調合法により、有効成分である式Iの化合物を医薬担体と十分に混合し組み合わせて使用できる。例えば経口投与や非経口投与(静脈内投与等)といった投与方法に望ましい製剤の形態に応じて、担体は多様な形態を取り得る。経口投与用の組成物を調製する際には通常の医薬媒体を使用し、液体経口製剤(懸濁液、エリキシル剤、溶液等)の場合は、例えば水、グリコール類、油類、アルコール類、香味剤、防腐剤、着色剤等を使用し、固体経口製剤(粉末、ハードカプセル、ソフトカプセル、錠剤等)の場合は、例えばデンプン、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤等の担体等を使用するが、固体経口製剤は液体経口製剤よりも好ましい。
【0151】
投与が容易であることから、経口単位製剤として錠剤及びカプセルが典型的に使用されており、この場合、通常は固体の医薬担体を使用する。所望により、錠剤を、通常の水性又は非水性の手法によりコーティングしてもよい。このような組成物及び製剤は、少なくとも0.1%の活性化合物を含むべきである。当然ながら、組成物中の活性化合物の割合を変えてもよく、該割合を単位製剤の約2%〜約60%とすると便宜である。治療に有用な組成物において、活性化合物の量は、有効な投与量が得られるようなものとする。例えば液滴又はスプレーの形態で、活性化合物を鼻腔内投与することも可能である。
【0152】
錠剤、丸剤、カプセル等は、トラガカントガム、アカシア、トウモロコシデンプン、ゼラチン等の結合剤;リン酸二カルシウム等の賦形剤;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸等の崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;及びショ糖、乳糖、サッカリン等の甘味剤を含有していてもよい。単位製剤がカプセルである場合、上記材料に加えて、脂肪油等の液体担体を含有してもよい。コーティングとして、又は単位製剤の物理的形態を修飾するために、他の様々な材料が使用できる。例えば錠剤は、シェラック、糖類、又はその両方でコーティングしてよい。シロップ剤やエリキシル剤は、有効成分の他に、甘味剤としてのショ糖、防腐剤としてのメチルパラベンやプロピルパラベン、色素、及びチェリーやオレンジの香味剤を含有してよい。
【0153】
式Iの化合物を非経口投与してもよい。活性化合物の溶液又は懸濁液は、水中でヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と適宜混合することにより調製できる。該活性化合物の分散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコール又はそれらの油中混合物中で調製できる。通常の保存又は使用条件下では、微生物の成長を防ぐために、これら製剤に防腐剤を加える。
【0154】
注射剤としての使用に適した医薬製剤としては、無菌の水溶液及び分散液、並びにこれらの即時調製に使用できる無菌粉末が挙げられる。いずれの場合も、製剤は無菌状態であり、また容易に注射投与できる流動性を有している必要がある。このような製剤は製造及び保管の条件下で安定でなければならず、また細菌や真菌等の微生物の汚染作用から保護して保存しなければならない。担体は溶媒又は分散媒であってよく、その例としては、水、エタノール、ポリオール類(グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール等)、これらの適当な混合物及び植物油が挙げられる。
【0155】
本発明の構造式Iの化合物は、適当な原料を用いて下記スキーム及び実施例の手順により調製でき、更に下記具体例により例示される。以下、中間体及び実施例の化合物を示して本発明を説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、以下に開示する手順を利用することによって、本発明の特許請求の範囲に記載の他の化合物も容易に調製できる。しかしながら、実施例で示す化合物のみが本発明の化合物と見なされると解釈すべきではない。実施例では、本発明の化合物の調製についても詳細に述べる。当業者は、これら化合物を得るために、下記調製手順の条件や工程を種々変更しうることを容易に理解するであろう。通常、該化合物は、上記のような薬学的に許容される塩として単離される。単離した塩を適当な塩基(炭酸水素ナトリウム水溶液、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)で中和し、遊離したアミン塩基を有機溶媒で抽出し、続いて溶媒を留去することで、対応する遊離アミン塩基が得られる。このように単離した遊離アミン塩基を有機溶媒に溶解し、適当な酸を添加し、続いて溶媒留去、沈殿化、又は結晶化を行うことで、他の薬学的に許容される塩に変換することが可能である。特に断らない限り、温度は全て摂氏温度である。質量スペクトル(MS)は、エレクトロンスプレーイオン質量分析により測定した。
【0156】
「標準ペプチドカップリング反応条件」という表現は、ジクロロメタン等の不活性溶媒中、HOBT等の触媒の存在下、EDC、DCC、BOP等の酸活性化剤を用いて、カルボン酸とアミンをカップリングすることを意味する。アミン及びカルボン酸の官能基に保護基を用い、所望の反応を促進し、望ましくない反応を最小限に抑える技術は、十分に確立されている。保護基除去の条件は、グリーン(Greene,T)及びワッツ(Wuts,P.G.M.)、「Protective Groups in Organic Synthesis」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・インク、ニューヨーク、ニューヨーク州、1991等の標準的な教科書に見られる。CBZ及びBOCは有機合成で広く用いられている保護基であり、その除去条件は当業者に公知である。例えば、貴金属又はその酸化物(パラジウム/活性炭等)の存在下、プロトン性溶媒(メタノール、エタノール等)中での接触水素化によって、CBZを除去することができる。他の反応性官能基の存在のため接触水素化を利用できない場合、酢酸中で臭化水素溶液で処理することによって、或いはTFAとジメチルスルフィドの混合物で処理することによって、CBZ基を除去することができる。BOC保護基は、塩化メチレン、メタノール、酢酸エチル等の溶媒中、トリフルオロ酢酸、塩酸、塩化水素ガス等の強酸を用いて除去する。
【0157】
本発明化合物の調製の説明に用いる略語:Acはアセテートであり、BOC(boc)はt−ブチルオキシカルボニルであり、BOPはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートであり、Buはブチルであり、calc.は計算(値)であり、CBZ(Cbz)はベンジルオキシカルボニルであり、DEADはジエチルアゾジカルボキシレートであり、DIEA及びDIPEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり、DMAPは4−ジメチルアミノピリジンであり、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、EDCは1−(3−ジメチルアミノプロピル)3−エチルカルボジイミド・HClであり、eq.は当量であり、ES−MS及びESI−MSはエレクトロンスプレーイオン質量分析であり、Etはエチルであり、EtOAcは酢酸エチルであり、HATUはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロ−ホスフェートであり、HOAtは1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールであり、HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物であり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、hr(s)は時間であり、IPAはイソプロピルアルコールであり、LiHMDSはリチウムヘキサメチルジシラザンであり、LDAはリチウムジイソプロピルアミドであり、Meはメチルであり、MeOHはメタノールであり、MFは分子式であり、mmolはミリモルであり、MPLCは中圧液体クロマトグラフィーであり、MSはマススペクトルであり、Msはメタンスルホニルであり、MTBEはtert−ブチルメチルエーテルであり、NMMはN−メチルモルホリンであり、OTfはトリフルオロメタンスルホニルであり、Phはフェニルであり、Prはプロピルであり、prep.は調製(した)であり、PyBOPはベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジンホスホニウムヘキサフルオロホスフェートであり、r.t.は室温であり、(S)−2−メチル−CBS−オキサザボロリジンは(S)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロールであり、TEAはトリエチルアミンであり、TFAはトリフルオロ酢酸であり、THFはテトラヒドロフランであり、TLC及びtlcは薄層クロマトグラフィーである。
【0158】
本発明の構造式Iの化合物を合成する際に用いる方法を反応スキームA〜Gに示す。特に断らない限り、置換基はいずれも上記の定義のとおりである。
【0159】
構造式Iの新規化合物を合成する際の鍵反応を反応スキームAに示す。スキームAに示したとおり、タイプ1のピペリジン又はピペラジン誘導体(式中、ZはN又はCR)と、式2のカルボン酸誘導体との反応によって、構造式Iの表題化合物が得られる。反応スキームAに示すアミド結合カップリング反応は、適当な不活性溶媒(塩化メチレン等)を用い、様々なアミドカップリング反応に適した試薬(EDC、HATU、PyBOP等)を利用して行う。反応スキームAのアミド結合カップリング反応の好ましい条件は、有機合成の当業者に公知である。反応条件を変更する場合の例としては、NMM、TEA、DIPEA等の塩基性試薬の使用、HOAt、HOBt等の添加剤の添加等が挙げられ、これらに限定されない。或いは、式1の4−置換ピペリジンを、カルボン酸2に由来する活性エステル又は酸塩化物と反応させてもよく、この場合も構造式Iの化合物が得られる。反応スキームAに示すアミド結合カップリングは、通常は0℃から室温の間の温度で行い、高温で行う場合もあり、また通常は1〜24時間行う。
【0160】
【化6】

【0161】
スキームAのアミド結合カップリング反応で用いる一般式2のカルボン酸の合成については、WO02/067869(2002年9月6日)に記載されている。反応スキームAのアミド結合カップリング反応に用いる一般式2のカルボン酸の合成方法を、反応スキームB〜Fに示す。また、ピペリジン又はピペラジン化合物1の調製方法をスキームG及びHに示す。
【0162】
上記のように塩基性置換基Rを導入する前にアミド結合カップリングを行うのが好ましい場合の、構造式Iの新規化合物の合成を反応スキームB及びCに示す。一般式1のピペリジン又はピペラジンと、そのアミド結合カップリングの相手となる一般式3のシクロアルカノンカルボン酸とを用いた構造式Iの化合物の合成方法を、反応スキームBに示す。まず、反応スキームAに示した一般的なアミドカップリングの試薬及び条件の下で、式1のピペリジン/ピペラジンと式3のカルボン酸をカップリングし、一般式4のアミドを得る。続いて、一般式5のアミンとの還元的アミノ化反応を行い、R置換基(R=N含有ヘテロシクロアルキル又はNR)をカルボニル基の位置に導入できる。スキームBに示すように、第二級又は第一級アミンNRで処理することによって、式Iの第三級アミン置換シクロペンチル化合物(R=NR)が得られ、一方、ピペリジン等のヘテロシクロアルキル含有アミンで処理すると、式Iのヘテロシクロアルキル置換シクロペンチル化合物(R=ヘテロシクロアルキル)が得られる。還元的アミノ化に効果的な典型的条件としては、ケトン3及びアミン5からまずイミン6を調製し、その後、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の還元剤でこのイミン中間体を還元することが含まれる。ピペリジン1及び酸3からイミン中間体6を形成する過程は、溶液中で自然に起こる場合もあり、メタノール等の溶媒中でチタン(IV)イソプロポキシド等の試薬により促進される場合もあり、またクロロホルム中で無水硫酸マグネシウムにより促進される場合もある。イミン6の調製は、通常は0℃から使用溶媒の還流温度の間で行い、室温で行うことが多い。通常、還元ステップ前のイミン形成ステップは数時間〜1日で完了し、このようにすることで一般式4の化合物のケト基が還元されて第二級アルコールを生じるという事態が最小限に抑えられる。場合によってはイミン中間体6を単離・精製してもよいが、通常は直接還元ステップに用いるのが好ましい。イミン6の還元は、典型的にはメタノール、エタノール等のアルコール性溶媒中、0℃〜室温の温度で行い、通常は数時間以下で完了する。
【0163】
【化7】

【0164】
一般式1のピペリジン又はピペラジンと、そのアミド結合カップリングの相手となる一般式7のヒドロキシル置換シクロアルキルカルボン酸とを用いた、構造式Iの化合物の好ましい合成方法を反応スキームCに示す。典型的には、まず、上述したようにカップリングを促進するEDC等のカルボジイミド試薬を用いて、ピペリジン1とカルボン酸7のアミド結合カップリングを行う。続いて、構造式Iの表題化合物のR置換基を導入するために、得られたヒドロキシル置換アミド8を更に合成的に修飾する。R置換基の導入には、有機合成の当業者に公知の様々な方法が使用できる。例えば、一般式8の化合物中のヒドロキシル基を様々な方法で酸化して一般式4のカルボニル化合物を得てもよく、続いて、反応スキームBの還元的アミノ化反応を用いて、得られた一般式4のケトアミドを構造式Iの表題化合物に変換してもよい。
【0165】
場合によっては、反応スキームCに示すように、一般式8のヒドロキシル置換化合物を用いて福山−光延反応(福山透(Fukuyama,T.)、チャン(Cheung,M.)、ジョウ(Jow,C.K.)、ヒダイ(Hidai,Y.)、管(Kan,T.)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)、1997、33、5831−4)を行うのが好ましい。この構造式Iの新規表題化合物の合成方法では、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボキシレート試薬(ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)等)の存在下、ヒドロキシル置換シクロアルキルアミド中間体8を、一般式9の2,4−ジニトロベンゼンスルホンアミドと反応させる。この反応は、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン等の適当な非プロトン性溶媒中、典型的には室温で行い、通常は0.5〜3時間で完了する。この反応の生成物は一般式10の第二級2,4−ジニトロベンゼンスルホンアミドであり、該生成物は直ちにRがHである構造式Iの表題化合物へと変換される。化合物10を塩化メチレン等の溶媒中でn−プロピルアミン等の塩基と反応させる、或いは化合物10を塩化メチレン中でトリエチルアミン及びメルカプト酢酸等の求核剤と反応させることによって、スルホンアミド基の脱保護が可能である。どちらの場合も、通常は室温で5分間〜1時間反応させる。福山−光延反応シーケンスの利点は、置換される炭素原子の立体化学が完全に反転することである。即ち、ヒドロキシル置換シクロアルキルアミド8が単一のジアステレオマーである場合、生成物10もまた単一のジアステレオマーとなる。このことは反応スキームBの還元的アミノ化戦略と対照的であり、反応スキームBの場合は通常エピマー混合物が得られる。
【0166】
有機合成分野で公知の様々な方法により、反応スキームCに示す式Iの第二級アミン(R=H)を更に合成的修飾し、他の実施態様によるR置換基を導入してもよい。例えば、反応スキームBに関して記載した条件下で、構造式Iの化合物(ただしR=H)を適当なアルデヒド又はケトンを用いた還元的アミノ化反応に供してもよい。
【0167】
【化8】

【0168】
得られる炭素環が6員環となるようr及びsの値を選択する場合の、一般式3のシクロアルキルカルボン酸の好ましい合成方法を反応スキームDに示す。この方法では、一般式11のα,β−不飽和エステルと、2−トリメチルシリルオキシブタジエン(12)とのディールス・アルダー反応によって、2種のシリルエノールエーテル位置異性体13及び14の混合物が得られる。通常、これらシリルエノールエーテル13及び14を、メタノール等の溶媒中で塩酸を用いて加水分解し、得られた2種のケトン位置異性体15及び16を従来のクロマトグラフ法により分離する。一般式11の出発物質α,β−不飽和エステルのオレフィンの幾何構造により、6員環上の2つの置換基の相対立体化学が決定される。即ち、トランスα,β−不飽和エステル(11)を用いるとスキームに示すようにトランス置換生成物13及び14が得られ、一方、一般式11の化合物に対応するシス異性体を用いると生成物13及び14のシス異性体が得られる。一般式15及び16のシクロヘキサノン位置異性体を分離した後、それぞれ加水分解してもよい。例えばテトラヒドロフラン還流下で水酸化リチウムを用いた加水分解を行うと、一般式3(r=2、s=1)及び一般式3(r=1、s=2)のカルボン酸が得られる。最終的には、一般式3の酸は、反応スキームBの方法を用いて構造式Iの新規表題化合物へと変換される。
【0169】
【化9】

【0170】
得られる炭素環が5員環となるようr及びsの値を選択する場合の、一般式3のシクロアルキルカルボン酸の好ましい合成方法を反応スキームEに示す。この方法では、一般式11のα,β−不飽和エステルのトリメチレンメタン付加環化反応することによって、一般式18のシクロペンタン誘導体を得る(トロスト(Trost,B.M.)、チャン(Chan,D.M.T.)、ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1979、101、6429)。付加環化は、テトラヒドロフラン等の溶媒中、パラジウム(0)触媒の存在下、一般式11のα,β−不飽和エステルを2−[(トリメチルシリル)メチル]−2−プロペン−1−イルアセテート(17)と反応させることにより行う。反応混合物中でパラジウムアセテートと亜リン酸トリイソプロピルを混合することで、付加環化に好ましいパラジウム(0)触媒が得られる。通常、付加環化反応は溶媒の還流温度(例えば65℃)で行い、2〜8時間で完了する。一般式11の出発物質α,β−不飽和エステルのオレフィンの幾何構造により、5員環上の2つの置換基の相対立体化学が決定される。即ち、トランスα,β−不飽和エステル(11)を用いるとスキームに示すようにトランス置換生成物18が得られ、一方、一般式11の化合物に対応するシス異性体を用いると生成物18のシス異性体が得られる。次いで、一般式18の化合物の環外オレフィンを酸化的に除去することで、一般式19のシクロペンタノン誘導体が得られる。酸化的開裂の方法としては、反応スキームEの下部に示す2ステップ工程が好ましい。まず、N−メチルモルホリンN−酸化物等の化学量論的再酸化剤の存在下、アセトン−水等の溶媒系で、四酸化オスミウム触媒を用いて式18のメチレンシクロペンタン誘導体を1,2−ジオール誘導体へと酸化する。通常は形成された1,2−ジオール中間体を単離せず、順次、メタノール−水等の溶媒系中での過ヨウ素酸ナトリウムによる開裂反応に用い、一般式19のケトンを得る。通常、この2ステップの酸化的開裂過程は数分間〜数時間で完了し、どちらのステップも低温(例えば0℃〜室温)で行う。或いは、オゾンにより、又は有機合成分野で公知の他の方法を用いて、一般式18のオレフィンの酸化的開裂を行ってもよい。続いて、例えばメタノール中で水酸化ナトリウムを用いて、一般式19のシクロペンタノンを加水分解することにより、一般式3のカルボン酸(r=1、s=1)が得られる。最終的には、一般式3の酸は、反応スキームBの方法を用いて構造式Iの新規表題化合物へと変換される。
【0171】
【化10】

【0172】
構造式Iの新規表題化合物の、個々のエナンチオマーを調製したい場合には、有機合成分野で公知の方法を用いて該化合物の分割を行ってよい。例えば、構造式Iの化合物のラセミ体と光学活性カルボン酸とから複数のジアステレオマー塩を調製し、これを結晶化することで、鏡像異性的に純粋な化合物(I)が得られる。即ち、2つのジアステレオマー塩を分別結晶化により分離し、その後精製した塩を塩基で処理して、エナンチオピュアな構造式Iの化合物を再生する。或いは、構造式Iの化合物のラセミ体を市販されているキラル−固定相カラムを用いて分取HPLCによって分離してもよい。他には、反応スキームAに概略を示すアミド結合形成反応に先立ってエナンチオピュアな一般式2の化合物を調製することで、純粋な構造式Iのエナンチオマーを得る方法もある。また、一般式2の化合物、又は上記反応スキームに示した中間体(即ち、酸3及び7、エステル15、16、及び19)のラセミ混合物を、上述した古典的方法を用いて分割してもよい。
【0173】
適当なキラル補助基が共有結合した出発物質から、上記のような合成変換法を用いて鏡像異性的に純粋な化合物を調製することもできる。共有結合性キラルオキサゾリジノン補助基を用いて一般式19のシクロペンタノンの純粋なエナンチオマーを調製する方法を、反応スキームFに示す。この調製方法では、一般式20のα,β−不飽和アシルオキサゾリドンと、反応スキームEにおいて上述した化合物17との、トリメチレンメタン付加環化反応を行う。一般式20のα,β−不飽和アシルオキサゾリドンは、既に公開されている方法(ホー(Ho,G.−J.)、マスレ(Mathre,D.J.)、ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、1995、60、2271、及びその引用文献)を用いて、α,β−不飽和カルボン酸及び(S)−(−)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノンから容易に調製できる。一般式20の化合物は、一般式11の化合物(スキームE)と同じ条件でトリメチレンメタン付加環化され、シクロペンタンジアステレオマー21及び22が生成する。一般式21及び22の化合物は、クロマトグラフ法又は再結晶により容易に分離され、それぞれ一般式19の化合物へと変換できる。式21で示す絶対立体化学を有するシクロペンタンの場合、反応スキームFの下部に示すプロセスを行う。まず、水性テトラヒドロフラン等の適当な溶媒系中、リチウムヒドロペルオキシド等の試薬を用いてエナンチオピュアな一般式21の化合物を加水分解し、カルボン酸中間体と(S)−(−)−4−ベンジル−2−オキサゾリジノンを得る。通常、ジアゾメタンやトリメチルシリルジアゾメタンを用いて、又は有機合成分野で一般的なエステル化法を用いて、形成されたカルボン酸をメチルエステル23に変換する。次いで、反応スキームEについて既に説明した手法により、一般式23のエステル中のオレフィンを酸化的に開裂し、エナンチオピュアな一般式19の化合物を得る。上述したとおり、その後、一般式19の化合物をエナンチオピュアな構造式Iの化合物に変換してもよい。
【0174】
【化11】

【0175】
構造式Iの化合物の調製に有用なR、R、R置換ピペリジン側鎖の合成方法を、反応スキームG及びHに示す。スキームGに示すとおり、THF等の溶媒中で3−クロロピリジン24を3,3−ジメチルブタナールで処理し、ヒドロキシアルキルピリジン25を得る。化合物25のヒドロキシ基をケトンへと酸化し、続いてトリエチルホスホノアセテートで処理して、ホーナー・エモンズ反応によりアルケン酸27を得る。このピリジン誘導体をPtO触媒を用いて水添し、これを無水bocで処理してピペリジン化合物28が得られる。得られたエステル29を加水分解して酸に変換し、一連の保護及び脱保護を経た後、得られたエステル34を更に誘導体化してよく、MeMgBrを用いたグリニャール反応によってアルコール35が得られ、このアルコールをHSOの存在下でCHCN処理するとアミド36が得られる。
【0176】
【化12】

【0177】
或いは、スキームHに示すように、3−クロロピリジン37をN−メトキシ−N−メチル−3−シクロペンタンカルボキサミド38(この化合物は、HOBT及びEDCの存在下でシクロペンタン酸をN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩で処理して形成される)で処理してシクロアルキル置換誘導体を得てもよい。このピリジン誘導体のシクロペンチルケトン側鎖を、スキームGのステップC〜Lのように更に誘導体化してもよい。
【0178】
【化13】

【0179】
一般式I−1の4−置換ピペラジン中間体と、ピロリジン酸I−2、或いはピペリジン酸I−4又はI−6とのカップリングによって、構造式Iのピペラジン化合物を合成するための一般的な方法を、反応スキームIに示す。一般式I−1のピペラジン類の調製については、一般スキームJ〜T及び実施例に示す。ピロリジン酸I−2、ピペリジン酸I−4、及びピペリジン酸I−6の調製については、スキームD〜Fに示す。特に断らない限り、これらスキーム中の全ての置換基は上記の定義のとおりである。
【0180】
スキームIに示すように化合物I−3、I−5、及びI−7を得るための化合物I−1のアミド結合カップリング反応は、適当な不活性溶媒(DMF、塩化メチレン等)中で、該反応に適した種々の試薬(HATU、EDC、PyBOP等)を用いて行われる。反応スキームIに示すアミド結合カップリング反応の好ましい条件は、有機合成の当業者に公知である。このような修飾においては、TEAやNMM等の塩基性試薬を使用してよく、またHOAtやHOBt等の添加剤を添加してもよいが、これらに限定されない。或いは、式I−1の4−置換ピペラジンを、カルボン酸I−2、I−4、又はI−6から誘導される活性エステル又は酸塩化物で処理して、構造式I−3、I−5、又はI−7の化合物を得ることもできる。反応スキームIに示すアミド結合カップリングは、通常は0℃〜室温の温度で行い、ときには高温で行い、また、例えば塩化メチレン等の溶媒中でトリフルオロ酢酸を用いる、又は酢酸エチル等の溶媒中で塩化水素を用いる、といった室温酸性脱保護条件下で行ってもよい。
【0181】
【化14】

【0182】
[式中、X、R、R、及びRは上記定義のとおりである。]
【0183】
一般構造式I−2、I−4、及びI−6の化合物の合成については、WO02/068387(2002年9月6日)やWO02/068388(2002年9月6日)に記載されており、これらは全てこの参照により開示に含まれる。
【0184】
Xが(CHC(R)(R)(R)であり、Rが(CHN(R)であり、nが1であり、RがスキームJに示すとおり定義される場合の、ピペラジン類I−1の調製をスキームJに示す。ニトロアルドール反応によって、アルデヒドJ−1をヒドロキシニトロ化合物J−2に変換する。続いて脱水を行い、化合物J−2からアルケンJ−3を形成する。塩化メチレン等の有機溶媒中、室温でBocピペラジンJ−4を化合物J−3にマイケル付加させ、化合物J−5を得る。ニトロ化合物J−5を還元してアルキルアミンJ−7を形成し、保護基PGを除去して一般式I−1の化合物に相当するピペラジンJ−8を得る。
【0185】
【化15】

【0186】
[式中、R、R、R、R、R、R、及びnは上記定義のとおりであり、Yはハロゲンである。Rは、R、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)N(R、−S(O)R、−S(O)、及び−S(O)N(Rから選択してよく、PGはBoc、CBZ等のアミン保護基である。]
【0187】
Xが(CHC(R)(R)(R)であり、Rが(CHN(R)であり、nが3である場合の、ピペラジン類I−1の調製をスキームKに示す。スキームKに示すように、メチルアクリレートにニトロピペラジンJ−5をマイケル付加させてエステルK−2を形成し、水素化トリブチルスズ及びAIBNでニトロ基を除去して、エステルK−3が得られる。このエステルK−3を加水分解して対応する酸K−4へと変換し、続いてDPPAで処理してCBZ保護アミンK−5を形成してもよい。CBZ基を当業者に公知の通常条件下で除去し、遊離アミンK−6が得られる。化合物K−6の保護基PGを除去し、式I−1の化合物に相当する化合物K−7が得られる。或いは、スキームJに示すように化合物K−6を置換し、その後保護基を除去して、式I−1の化合物(式中、Xは(CHC(R)(R)(R)であり、Rは(CHN(R)であり、nは3であり、RはスキームJの定義のとおりである)を得てもよい
【0188】
【化16】

【0189】
[式中、R、R、及びRは上記定義のとおりであり、PGはBoc、CBZ等の保護基である。]
【0190】
構造式Iの化合物の調製に有用なアルキルピペリジン及びピペラジン中間体の好ましい合成方法を、反応スキームL〜Qに示す。
【0191】
【化17】

【0192】
ステップA:
THF(40mL)中の3−クロロピリジン(L−1、4.54g、40mmol)の溶液に、LDAの溶液(2M、20mL、40mmol)を、−78°で15分間かけてゆっくり加えた。この反応混合物を−78°で20分間撹拌した後、THF(5mL)中の3,3−ジメチルブタナール(4.0g、40mmol)の溶液を10分間かけて滴下した。反応混合物を更に−78°で1時間撹拌し、室温に戻し、NaHCO水溶液で反応を停止した。混合物を酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮して、L−2を得た。このL−2は、更に精製することなく次のステップに用いた。
ES−MS:C1116ClNO 計算値213;測定値214(M+1)。
【0193】
ステップB:
塩化メチレン(50mL)中のL−2(8.45g、39.6mmol)の溶液に、4Åモレキュラーシーブ(4g)、4−メチルモルホリンN−オキシド(6.96g、59.5mmol)、及び過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(694mg、1.98mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をヘキサンで希釈し、シリカゲル充填物でろ過した。シリカゲル充填物を3:1ヘキサン/塩化メチレンで洗浄し、抽出混合物を濃縮して、ケトンL−3を得た。このケトンL−3は、そのまま更なる反応に用いた。
ES−MS:C1114ClNO 計算値211;測定値212(M+1)。
【0194】
ステップC:
THF(100mL)中のL−3の溶液に、4Åモレキュラーシーブ(5g)、LiOH・HO(3.35g、80mmol)、及びトリエチルホスホノアセテート(17.93g、80mmol)を加えた。室温で2日間撹拌した後、反応混合物をろ過し、残渣を酢酸エチルで洗浄した。併せた有機抽出を食塩水で洗浄し、乾燥、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中10%酢酸エチル)で精製して、L−4を得た。
ES−MS:C1520ClNO 計算値281;測定値282(M+1)。
【0195】
ステップD:
酢酸(50mL)中の化合物L−4の溶液に酸化白金(750mg)を加え、水素雰囲気下、得られた混合物を80°で一晩撹拌した。反応容器を窒素置換し、混合物をろ過し、濃縮して、L−5を得た。
ES−MS:C1529NO 計算値255;測定値256(M+1)。
【0196】
ステップE:
塩化メチレン(75mL)中のL−5(7.1g、22.53mmol)の溶液に、トリエチルアミン(6.8g、67.59mmol)及びジ−t−ブチルジカーボネート(4.91mmol)を加えた。室温で4時間撹拌した後、反応混合物を塩化メチレンで希釈し、水で洗浄し、乾燥、濃縮して、L−6を得た。
ES−MS:C2037NO 計算値355;測定値356(M+1)。
【0197】
ステップF:
エタノール(50mL)中のL−6(7.5g、21.26mmol)の溶液に、水(30mL)中のLiOH・HO(3.54g、84.5mmol)の溶液を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濃縮し、酸性化し、酢酸エチル層と水層に分液した。有機層を乾燥、濃縮してL−7を得た。
ES−MS:C1833NO 計算値327;測定値328(M+1)。
【0198】
ステップG:
塩化メチレン(40mL)中のL−7(4.7g、14.37mmol)の溶液に、EDC(4.82g、25.15mmol)、HOBT(3.39g、25.15mmol)、NMM(4.37g、43.11mmol)、及び(1S)−フェニルエチルアミン(1.74g、14.37mmol)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を塩化メチレンで希釈し、水及びHCl水溶液で洗浄し、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン中4%t−ブチルメチルエーテル)に供し、L−8D1及びF−8D2を得た。
ES−MS:C2642 計算値430;測定値431(M+1)。
【0199】
ステップH:
濃HCl(15mL)中のL−8(D1、1.73g、4.02mmol)の溶液を、密封した管内で一晩、130°で加熱した。反応混合物を冷却し、濃縮して、白色固体状のL−9を得た。このL−9は、更に精製することなく次のステップに用いた。
ES−MS:C1325NO 計算値227;測定値228(M+1)。
【0200】
ステップI:
メタノール(30mL)中のL−9(913mg、4.02mmol)の溶液に、5mLのHClジオキサン溶液(4N)を加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物を濃縮してL−10を得た。
ES−MS:C1427NO 計算値241;測定値242(M+1)。
【0201】
ステップJ:
塩化メチレン中のF−10(1.1g、4.03mmol)の溶液に、トリエチルアミン(1.938g、1916mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(1.046g、4.8mmol)を加えた。一晩撹拌した後、反応混合物を塩化メチレンで希釈し、水で洗浄し、乾燥、濃縮して、L−11を得た。
ES−MS:C1935NO 計算値341;測定値342(M+1)。
【0202】
ステップK:
THF(15mL)中のL−11(1.36g、4.0mmol)の溶液に、MeMgBr(3M、4.66mL、14mmol)を0℃で10分間かけて滴下した。反応混合物を室温まで戻し、一晩撹拌した。NaHCO水溶液で反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮して、L−12を得た。このL−12は、更に精製することなく次のステップに用いた。
ES−MS:C2039NO 計算値341;測定値364(M+23)。
【0203】
ステップL:
CHCN(15mL)中のL−12(1.35g、3.95mmol)の溶液に、濃HSO(1.759mL、31.65mmol)を0℃で加えた。反応混合物を室温まで戻し、2日間撹拌した。続いて、混合物を5NのNaOH(15mL)で塩基性とし、濃縮し、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥、濃縮して、粗生成物L−13を得た。
ES−MS:C1734O 計算値282;測定値283(M+1)。
【0204】
スキームLに示した合成経路に従い、適当な試薬を用いて、下記中間体を調製した。
【0205】
【表1】

【0206】
シクロヘキシルBOCピペラジンアミン中間体M−6の調製をスキームMに示す。シクロヘキサンカルボキシアルデヒドM−1のシクロヘキシル基に換えて適当なアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を用いることで、他のピペラジン中間体もスキームMのとおりに調製できる。
【0207】
【化18】

【0208】
ステップA:
テトラヒドロフラン(10.5mL)及びtert−ブタノール(10.5mL)中のシクロヘキサンカルボキシアルデヒドM−1(4.5g、40.1mmol、アルドリッチ)の溶液に、ニトロメタン(3.3mL、60.2mmol)を加え、更に0℃でカリウムtert−ブトキシドを加えた。反応混合物を0℃で2時間撹拌し、室温まで戻し、一晩撹拌した。反応混合物を水(150mL)に注ぎ、t−ブチルメチルエーテル(3×150mL)で抽出した。併せた有機抽出物を食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮して、化合物M−2を得た。
ESI−MS:C15NO 計算値173;測定値196(M+Na)。
【0209】
ステップB:
ジクロロメタン(50mL)中の化合物M−2(6.8g、39.3mmol)の溶液に、無水トリフルオロ酢酸(5.8mL、41.2mmol)を−10℃で加えた。得られた溶液を2分間撹拌し、トリエチルアミン(11.5mL、82.5mmol)を15分間かけてゆっくり加えた。この混合物を−10℃で30分間撹拌し、CHCl(250mL)に注ぎ、飽和NHCl(2×100mL)で洗浄した。水層をCHCl(100mL)で逆抽出した。併せた有機層を食塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮して、黄色油を得て、この黄色油をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)で精製して、化合物M−3を得た。
ESI−MS:C13NO 計算値155;測定値156(M+H)。
【0210】
ステップC:
CHCl(20mL)中の化合物M−3(2.41g、15.6mmol)の溶液に、BocピペラジンM−4(2.63g、14.1mmol、アルドリッチ)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)で精製して、化合物M−5を得た。
ESI−MS:C1731 計算値341;測定値342(M+H)。
【0211】
ステップD:
メタノール(50mL)中の化合物M−5(1.1g、3.2mmol)の溶液に、塩化ニッケル(II)6水和物(1.92g、8.1mmol)を加えた。得られた溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(3.1g、80.6mmol)をゆっくり加えた。混合物を0℃で2時間撹拌し、濃縮して残渣を得た。この残渣にCHCl(250mL)及びNaOH(1N、250mL)を加え、得られた乳濁液をセライトろ過した。有機層と水層を分離し、水層をCHClで抽出し、NaSOで乾燥し、濃縮して、化合物M−6を得た。
ESI−MS:C1733 計算値311;測定値312(M+H)。
【0212】
【化19】

【0213】
ステップA:
CHCl(10mL)中の中間体J−6(0.67g、2.15mmol)の溶液に、イソブチルアルデヒド(0.59mL、6.46mmol)及び酢酸(0.25mL、4.3mmol)を加えた。10分間撹拌した後、この混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.83g、8.62mmol)を加えた。反応混合物を室温で3.5時間撹拌し、CHClで希釈し、飽和NaHCOで洗浄し、この水溶液をCHClで抽出した。併せた有機層を食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜酢酸エチル)で精製して、中間体N−1を得た。
ESI−MS:C2549 計算値423;測定値424(M+H)。
【0214】
ステップB:
中間体N−1(0.45g)に塩化水素(ジオキサン中4.0M)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、溶媒を真空除去して、中間体N−2を得た。
ESI−MS:C2041 計算値323;測定値324(M+H)。
【0215】
【化20】

【0216】
ステップA:
上記中間体N−1の調製と類似の手順により、中間体J−6から中間体O−1を調製した。
ESI−MS:C2039 計算値353;測定値354(M+H)。
【0217】
ステップB:
中間体O−1(0.45g)に塩化水素(ジオキサン中4.0M)を加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌し、溶媒を真空除去して、中間体O−2を得た。
ESI−MS:C1531 計算値253;測定値254(M+H)。
【0218】
【化21】

【0219】
ステップA:
ピリジン(10mL)中の中間体O−1(482mg、1.365mmol)の溶液に、無水酢酸(0.13mL、1.38mmol)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌し、濃縮して残渣を得た。この残渣をCHClに溶解し、水及び食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、中間体P−1を得た。
ESI−MS:C2241 計算値395.6;測定値396(M+H)、418(M+Na)。
【0220】
ステップB:
上記中間体O−2の調製と類似の手順により、中間体P−1から中間体P−2を調製した。
ESI−MS:296(m+1)。
【0221】
【化22】

【0222】
ステップA:
CHCl(20mL)中の中間体O−1(500mg、1.42mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.40mL、2.83mmol)及びメタンスルホニルクロライド(0.12mL、1.56mmol)を加えた。この混合物を室温で18時間撹拌し、濃縮して残渣を得た。残渣をCHClに溶解し、水及び食塩水で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、中間体Q−1を得た。
ESI−MS:C2141S 計算値431.3;測定値432(M+H)。
【0223】
ステップB:
上記中間体O−2の調製と類似の手順により、中間体Q−1から中間体Q−2を調製した。
ESI−MS:C1633S 計算値331;測定値332(M+H)。
【実施例】
【0224】
以下、実施例により本発明を説明するが、それらは本発明を限定するものではない。
実施例1
【0225】
【化23】

【0226】
ステップA:
THF(150mL)中のトランス−2,4−ジフルオロ桂皮酸1−1(7.6g、41.3mmol、アルドリッチ)の溶液に、トリエチルアミン(17.3mL、123.8mmol)を加えた。反応混合物を−40℃に冷却し、トリメチル酢酸クロライド(5.1mL、47.3mmol)をゆっくり加えた。−40℃で更に2時間撹拌した後、反応混合物にリチウムクロライド(1.93g、45.40mmol)を加え、更にs−4−ベンジル−2−オキサゾリジノン(7.31g、41.3mmol)を加えた。−40℃で更に20分間撹拌した後、反応混合物を室温まで戻し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を飽和アンモニウムクロライド水溶液(180mL)に注ぎ、各相を分離し、水相を酢酸エチルで抽出した。併せた酢酸エチル抽出物を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮して、残渣を得た。この残渣をEtOAc/ヘキサンから結晶化することで精製し、化合物1−2を得た。
ESI−MS:C1915NO 計算値343;測定値344(M+H)、366(M+Na)。
【0227】
ステップB:
THF(30mL)中の化合物1−2(2.3g、6.55mmol)の溶液に、パラジウムアセテート(73.6mg、0.33mmol)及び2−[(トリメチルシリル)メチル]−2−プロペノリルアセテート(1.8mL、8.52mmol)を加えた。反応容器内を減圧し、窒素パージを3回行った後、トリイソプロピルホスフェート(0.45mL、1.97mmol)を加えた。反応混合物を65℃で18時間加熱し、室温に冷却し、濃縮して残渣を得た。この残渣を酢酸エチル層と水層に分液し、水層を酢酸エチルで抽出した。併せた抽出物を食塩水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濃縮して残渣を得た。得られた残渣をHPFC(ヘキサン中2〜30%酢酸エチル)で精製して、黄色油1−4(0.89g、速く溶出)及び白色固体1−3(0.85g、遅く溶出)を得た。
ESI−MS:C2321NO 計算値397;測定値398(M+H)、420(M+Na)。
【0228】
ステップC:
THF(24mL)及び水(6mL)中の化合物1−3(1.7g、4.28mmol)の溶液に、水酸化リチウム1水和物(0.36g、8.56mmol)及びH(30%溶液、2.5mL、25.7mmol)を、窒素雰囲気下、0℃で加えた。0℃で1時間30分間撹拌した後、反応混合物を室温に戻し、1.5時間撹拌した。溶媒を除去し、飽和NaHCO溶液でpHを9〜10に調整した後、混合物をCHClで抽出した。水層をHCl(2N)でpH1〜2の酸性とし、該混合物をCHClで抽出した。併せた塩化メチレン層をMgSOで乾燥し、濃縮して、無色の油1−5を得た。
ESI−MS:C1312 計算値238;測定値239(M+H)。
【0229】
ステップD:
ジクロロメタン(30mL)中の化合物1−5(0.41g、1.73mmol)の溶液に、NMM(0.26mL、2.36mmol)、HOBt(0.23g、1.73mmol)、EDC(0.45g、2.36mmol)、及びアミンL−13(0.50g、1.58mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、ジクロロメタンで希釈し、水及び食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、濃縮して残渣を得た。この残渣をHPFC(ヘキサン中20%〜100%EtOAc)で精製して、化合物1−7を得た。
ESI−MS:C3044 計算値502;測定値503(M+H)。
【0230】
ステップE:
THF(10mL)及び水(10mL)中の化合物1−7(0.35g、0.70mmol)の溶液に、室温でOsO(t−BuOH中2.5重量%溶液、0.87mL、0.070mmol)を加えた。室温で10分間撹拌した後、反応混合物に過ヨウ素酸ナトリウム(4.5mLのHO中、0.497g、2.32mmol)を15分間かけてゆっくり加え、1.5時間撹拌した。この反応混合物にチオ硫酸ナトリウム5水和物(2.1mmol、0.52g、sat)を加え、更に15分間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAcで抽出し、MgSOで乾燥し、ろ過及び濃縮を行って、黒色固体状の1−8を得た(0.35g)。
ESI−MS:C2942 計算値504;測定値505(M+H)。
【0231】
ステップF:
ジクロロメタン(2mL)中のN−テトラヒドロピランメチルアミン塩酸塩(34mg、0.225mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.0766mL、0.55mmol)を加えた。室温で10分間撹拌した後、化合物1−8(25mg、0.050mmol)及び酢酸(0.021mL、0.36mmol)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(84mg、0.40mmol)を加えた。18時間撹拌した後、反応混合物をCHClで希釈し、飽和NaHCO及び食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過及び濃縮を行って残渣を得た。この残渣を分取TLC(CHCl:2N−NH/CHOH)=10:1)で精製し、化合物1−9を得た。
ESI−MS:C3555の計算値604;測定値605(M+H)。
H NMR(500HMz、CDOD):7.6−7.4(m,1H)、7.0−6.8(m,2H)、4.6−4.5(m,1H)、4.0−3.9(m,2H)、3.7−3.6(m,1H)、3.5−3.4(m,2H)、2.95−2.75(m,1H)、2.5−2.38(m,1H)、2.3(s,3H)、2.27−2.05(m,2H)、2.05−1.9(m,3H)、1.85(s,3H)、1.8−1.6(m,5H)、1.6−1.4(m,2H)、1.4−1.2(m,10H)、1.0−0.9(m,15H)、0.25−0.15(m,1H)。
【0232】
中間体1−8と適当なアミンとを共に用いて、実施例1のステップFの合成と類似の方法により、実施例2〜4の化合物を調製した。
【0233】
【表2】

【0234】
化合物4と適当なアルデヒドとを用いて、実施例1のステップFの合成と類似の方法により、実施例5〜13の化合物を調製した。
【0235】
【表3】

【0236】
実施例14
【0237】
【化24】

【0238】
ステップA:
中間体1−8及びモルホリンを用いて、実施例1のステップFと類似の手順により、化合物14−1を調製した。
ESI−MS:化合物14−1(C3351) 計算値576;測定値577(M+H)。
【0239】
実施例15
【化25】

【0240】
ステップA:
実施例1のステップDと類似の手順によって、アルケン1−5及びピペラジンQ−2からアミド15−1を調製した。
ESI−MS:アミド15−1(C2943S) 計算値551;測定値552(M+H)。
【0241】
ステップB:
実施例1のステップEと類似の手順によって、アミドアルケン15−1からケトン15−2を調製した。
ESI−MS:ケトン15−2(C2841S) 計算値553;測定値554(M+H)。
【0242】
ステップC:
実施例1のステップFと類似の手順によって、中間体15−2及び2−オキサ−5−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン塩酸塩から化合物15−3を調製した。
ESI−MS:化合物15−3(C3350S) 計算値636;測定値637(M+H)。
H NMR(500HMz、CDOD):7.5−7.35(m,1H)、7.0−6.8(m,2H)、4.5−4.4(m,1H)、4.1−4.0(m,1H)、3.9−3.7(m,3H)、3.7−3.6(m,2H)、3.6−3.4(m,2H)、3.4−3.2(m,4H)、3.2−3.1(m,1H)、3.1−2.9(m,1H)、2.95(s,3H)、2.9−2.4(m,4H)、2.4−2.1(m,3H)、2.1−1.9(m,3H)、1.9−1.6(m,6H)、1.6−1.4(m,1H)、1.4−1.2(m,9H)、1.2−1.0(m,3H)。
【0243】
中間体13−3と適当なアミンとを用いて、実施例1のステップFと類似の方法により、実施例16〜17の化合物を調製した。
【0244】
【表4】

【0245】
生物学的試験
A.結合試験
膜結合分析を用いて、マウスL細胞又はチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現したクローンヒトMCRに結合する125I−NDP−アルファ−MSHの競合阻害剤を確認した。
【0246】
メラノコルチン受容体を発現する細胞系をT−180フラスコ内で増殖させた。このT−180フラスコには、組成物の選択的培地(4.5gのL−グルコース及び25mMのヘペス(Hepes)を含有し、ピルビン酸ナトリウムを含有しない、1Lのダルベッコ修飾イーグル培地(DMEM))(ギブコ/BRl);100mLの10%熱失活ウシ胎仔血清(シグマ);10mLの10000ユニット/mLペニシリン及び10000μg/mLのストレプトマイシン(ギブコ/BRl);10mLの200mM L−グルタミン(ギブコ/BRl);1mg/mLジェネテシン(G418)(ギブコ/BRl)を入れた。所望の細胞密度及び細胞数が得られるまで、CO及び湿度を制御しながら、37℃で細胞を成長させた。
【0247】
培地を注ぎ出し、10mL/単層の酵素を含まない解離培地(スペシャリティ・メディア・インク)を加えた。細胞を37℃で10分間、又はフラスコを手に当てた際に細胞が剥がれ落ちるまで、培養した。
【0248】
細胞を200mL遠心管に採取し、1000rpm及び4℃の条件下で10分間回転させた。上澄を廃棄し、細胞を5mL/単層の膜調製緩衝液に再懸濁させた。この緩衝液は、10mMトリスpH7.2〜7.4;4μg/mLロイペプチン(シグマ);10μMホスホラミドン(ベーリンガー・マンハイム);40μg/mLバシトラシン(シグマ);5μg/mLアプロチニン(シグマ);10mMペファブロック(ベーリンガー・マンハイム)という組成を有するものであった。上記細胞をモーター駆動ダウンス(Talboy setting 40)を用いて10ストロークで、6000rpm、4℃で15分間ホモジナイズした。
【0249】
ペレットを0.2mL/単層膜調製緩衝液に再懸濁し、試験管に分割し(500〜1000μL/試験管)、液体窒素で急速に凍結し、−80℃で保存した。
【0250】
被験化合物又は非標識NDP−α−MSHを、最終濃度が1μMとなるよう100μLの膜結合緩衝液に加えた。膜結合緩衝液は、50mMトリスpH7.2;2mMのCaCl;1mMのMgCl;5mMのKCl;0.2%BSA;4μg/mLロイペプチン(シグマ);10μMホスホラミドン(ベーリンガー・マンハイム);40μg/mLバシトラシン(シグマ);5μg/mLアプロチニン(シグマ);及び10mMペファブロック(ベーリンガー・マンハイム)という組成を有するものであった。10〜40μgの膜タンパクを含有する100μLの膜結合緩衝液を加え、次いで100μMの125I−NDP−α−MSHを最終濃度が100pMとなるよう加えた。得られた混合物を簡単に渦動させ、室温で振盪しながら90〜120分間インキュベートした。
【0251】
この混合物をパッカード・マイクロプレート196ろ過装置(Packard Microplate 196 filter apparatus)で、パッカード・ユニフィルター96ウェルGF/Cフィルター(Packard Unifilter 96−well GF/C filter)及び0.1%ポリエチレンイミン(シグマ)を用いてろ過した。50mMトリスHCl(pH7.2)及び20mMのNaClの組成を有するフィルター洗浄液を用いて、フィルターを室温で洗浄した(1ウェル当たり5回、総量10mL)。フィルターを乾燥し、底部を封止し、50μLのパッカード・マイクロシンチ−20(Packard Microscint−20)を各ウェルに加えた。また、上部を封止し、パッカード・トップカウント・マイクロプレート・シンチレーション・カウンター(Packard Topcount Microplate Scintillation counter)で放射活性を測定した。
【0252】
B.機能分析
作働薬の効力を決定し、メラノコルチン受容体の作働薬と拮抗薬を区別するために、細胞レベルでの機能分析法を開発した。
【0253】
ヒトメラノコルチン受容体を発現する細胞(CHO細胞、L細胞、他の真核細胞等、例えばヤン(Yang−YK)、オルマン(Ollmann−MM)、ウィルソン(Wilson−BD)、ディッキンソン(Dickinson−C)、ヤマダ(Yamada−T)、バーシュ(Barsh−GS)、ガンツ(Gantz−I)、モレキュラー・エンドクリノロジー(Mol−Endocrinol.)、1997年3月、11(3)、274−80)参照)を、Ca及びMgを含まないリン酸緩衝生理食塩水(14190−136、ライフ・テクノロジーズ、メリーランド州ガイサーズバーグ)で流すことによって、組織培養フラスコから解離させ、酵素を含まない解離緩衝液(S−014−B、スペシャリティ・メディア、ニュージャージー州ラベレッテ)を用いて37℃で5分間培養した後、分離した。遠心分離によって細胞を回収し、10mMのヘペス(HEPES)pH7.5)、5mMのMgCl、1mMグルタミン、及び1mg/mLのウシ血清アルブミンを添加したアール平衡塩類溶液(14015−069、ライフ・テクノロジーズ、メリーランド州ガイサーズバーグ)に再懸濁した。細胞をカウントし、1〜5×10/mLに希釈した。細胞に、ホスホジエステラーゼ阻害剤である3−イソブチル−1−メチルキサンチンを0.6mMまで加えた。
【0254】
1.作働薬試験
被験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈し(10−5〜10−10M)、0.1容量部の化合物溶液を0.9容量部の細胞懸濁液に加えた。最終的なDMSO濃度は1%であった。室温で45分間インキュベートした後、更に100℃で5分間インキュベートすることで細胞を溶解し、蓄積したcAMPを放出させた。アマシャム(イリノイ州アーリントンハイツ)のcAMP検出アッセイ(RPA556)を用いて、細胞溶解物分割試料のcAMPを測定した。未知化合物から産出されたcAMP量を、効力100%の完全な作働薬として定義されるアルファ−MSHに応答して産出されたcAMP量と比較した。EC50は、それ自体の最大刺激レベルと比較して、半分の刺激レベルを示す化合物濃度と定義される。化合物がほぼ0%の応答を示す場合、該化合物は拮抗薬であると予想され、拮抗薬としての機能分析で確認される。
【0255】
2.拮抗薬試験
「拮抗薬活性」は、アルファ−MSH又は作働薬に応答したcAMP産生を抑制する能力として定義した。被験化合物の溶液と受容体含有細胞の懸濁液とを調製し、上記のとおり混合した。この混合物を15分間インキュベートし、EC50用量のアルファ−MSH(約10nMアルファ−MSH)を細胞に加えた。この試験は45分間で終了し、cAMPを上記のように定量した。被験化合物の存在下でのcAMP産出量を、被験化合物の非存在下でのcAMP産出量と比較することによって、阻害パーセンテージを決定した。拮抗薬は、それ自体は作働薬様の応答を示さず、作働薬と併用した際には作働薬が促進する応答を阻害する化合物として定義される。
【0256】
C.インビボ食物摂取モデル及び体重モデル
1)ラットの食物摂取及び体重
暗周期(12時間)開始の1時間前に、スプレーグ・ドーリー(Sprague Dawley)ラットに被験化合物を投与する。事前に食物を秤量しておき、投与の翌朝に残量を測定することによって、或いは各ラットの食物をコンピュータでモニタリングできる天秤に置くコンピュータ化システムを用いて、食物摂取量を決定する。化合物投与後の16時間での累積食物摂取量を測定する。場合によっては、2週間もの期間にわたって食物摂取量測定を続ける。体重は毎日測定し、またDEXA走査分析によって脂肪過多について測定したり、組織重量や血漿中薬物濃度を測定する場合もある。多数の投与経路を用いて動物に投薬することができる。投与経路の例としては、静脈内(IV)、腹腔内(IP)、皮下(SC)、及び脳室内(ICV)の経路が挙げられる。
【0257】
本発明の有用な化合物を使用すると、プラシーボとの比較で、食物摂取量が著しく低下し(20%以上)、且つ/或いは体重が減少する(2週間で4%以上)。
【0258】
2)食餌誘発肥満マウスの食物摂取
高脂肪飼料(30%〜60%脂肪カロリー)を維持した雄C57/B16Jマウスに、1〜30日間、被験化合物を投与する。最大30日間の間、食物摂取及び体重を、毎日、夜及び数回測定する。肥満に関連する生化学的パラメータ(レプチン、インスリン、トリグリセリド、遊離脂肪酸、コレステロール、血糖値等)及び薬物動態学的パラメータを測定する。多数の投与経路を用いて動物に投薬することができる。投与経路の例としては、静脈内、腹腔内、皮下、及び脳室内の経路が挙げられる。肥満に関連する生化学的パラメータ(レプチン、インスリン、トリグリセリド、遊離脂肪酸、コレステロール、血糖値等)を測定する。
【0259】
本発明の有用な化合物を使用すると、プラシーボとの比較で、体重が4%以上減少する。
【0260】
D.雄性機能不全:マウスの海綿体神経電気刺激(ESCN)試験
雄のC57BL6マウスに麻酔をかけ、動脈圧(MAP)を測定するために頸動脈を露出し、カニューレを挿入した。PE10管に30G針を装着し、ヘパリン化生理食塩水で満たし、動脈に挿入して固定した。グールド(Gould)8チャンネルオシロスコープで直接MAPを測定するために、この管を圧力変換器と増幅器に接続した。なお、このオシロスコープは、Po−ne−mahソフトを用いたコンピュータに接続され、1分おきにデータを収集できる。化合物又は賦形剤を投与するために、30G針を装着した他のPE10ラインを頸静脈に挿入した。正中切開により海綿体神経及び陰茎を露出させた。海綿体神経の視認性を向上するために、同側骨盤神経節から延び背部から前立腺にかけて存在する周囲の筋肉を焼灼し、除去した。30G針を装着した他のPE10ライン管をヘパリン化生理食塩水で満たし、陰茎脚近傍の海綿体基部に挿入し、グールドシステムに接続した。このカニューレを海綿体に挿入すると、海綿間静脈圧(ICP)の若干の上昇(約5〜10mmHg)が観測された。カニューレからヘパリン化生理食塩水(200ユニット/mL)を流し、勃起状態を含めて、カニューレの配置を安定させた。続いて、曲線状#5デュモン(Dumont)鉗子を用いて海綿体神経を単離し、双極銀電極(ハーバード・アパレイタス)の適当な位置に置いた。電極はプラスチックケース内に配置され、周囲組織を刺激することなく、神経のみを刺激する。電極を極微操作装置によって操作及び保持し、四角波刺激発生器に装着し、0.5〜6.0v、2〜16Hz、1ms、30秒間といった刺激パラメータで電気的刺激を与えた。各動物に5分間おきに電気的刺激を与えた。各時点で得られる応答は、2種の刺激の平均値である。実験期間中、ICP、MAP、及びICP/MAPの応答を1秒間隔で継続的に記録した。
【0261】
ICP、MAP、及びICP/MAP比の測定結果を分析し、上記化合物又は賦形剤の存在下と非存在下での神経刺激応答を比較する。各パラメータに関して、二種の電気的刺激が引き起こした応答の平均値を求め、比較に用いた。海綿体神経への電気的刺激に応答したICPの変化を評価するために、10s(ベースライン)、+30s(刺激)、+150s(刺激後)の応答区分を使用した。化合物投与のICPに対する直接的な効果を評価するために、300sのプレ−コンパウンド応答区分を、化合物投与直後の区分と比較した。
【0262】
本発明の有用な化合物を使用すると、少なくとも15分間、プラシーボとの比較で、海綿体脈圧が上昇する(25%以上)。
【0263】
E.雌性機能不全モデル
雌の性的受容性に関連した齧歯類試験には、脊柱前弯挙動モデルや交尾活動性の直接観察等がある。また、雄及び雌の両方のラットでオルガスムを測定するための、麻酔脊髄切除ラットでの泌尿性器反射モデルもある。これらの雌性機能不全の動物モデル、並びに他の確立された動物モデルは、マッケナ(McKenna KE)ら、「A Model For The Study of Sexual Function In Anesthetized Male And Female Rats」、アメリカン・ジャーナル・オブ・フィジオロジー(Am.J.Physiol.)、レギュレイトリー・インテグレイティブ・コンパラティブ・フィジオロジー・30(Regulatory Integrative Comp.Physiol 30)、R1276−R1285、1991;マッケナ(McKenna KE)ら、「Modulation By Peripheral Serotonin of The Threshold For Sexual Reflexes In Female Rats」、ファーマコロジー・バイオケミストリー・アンド・ビヘイビア(Pharm.Bioch.Behav.)、40:151−156、1991;及びタカハシ(Takahashi LK)ら、「Dual Estradiol Action In The Diencephalon And The Regulation Of Sociosexual Behavior In Female Golden Hamsters」、ブレイン・リサーチ(Brain Res.)、359:194−207、1985に記載されている。
【0264】
F.悪液質モデル
悪液質に関連した齧歯類試験には、腫瘍由来細胞をマウスに注射する腫瘍悪液質モデル等がある。1〜3週間の期間にわたって、移植されたマウス内で腫瘍が形成され成長する。腫瘍を有するマウスでは、食物摂取量及び体重が減少する。このような腫瘍マウスを効果的なMC4R拮抗薬で治療することで、食物摂取及び体重が増加すると考えられる。この動物悪液質モデルは、コーン(Cone,R.D.)ら、「Role of the Central Melanocortin System in Cachexia」、キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、61、1432−38、2001年2月15日に記載されている。
【0265】
本発明の代表的な化合物を分析したところ、メラノコルチン−4受容体に結合することが分かった。また、このような化合物は、通常10μM未満のIC50値を示すことが明らかとなった。また本発明の代表的な作働薬化合物を機能分析した結果、通常5μM未満のEC50値でメラノコルチン−4受容体を活性化することが分かった。
【0266】
本発明の代表的な拮抗薬化合物を機能分析したところ、通常効力は5%未満で、メラノコルチン−4受容体を活性化しないことが分かった。また、拮抗薬試験によって、通常IC50値が10μMであることも明らかになった。
【0267】
医薬組成物の例
本発明による経口組成物の一具体的実施態様においては、5mgの実施例1の化合物と十分に微粉化した乳糖とを用いて総量が580〜590mgとなるように調合し、サイズOの硬質ゼラチンカプセルに詰める。
【0268】
本発明による経口組成物の他の具体的実施態様においては、2.5mgの実施例1の化合物と十分に微粉化した乳糖とを用いて総量が580〜590mgとなるように調合し、サイズOの硬質ゼラチンカプセルに詰める。
【0269】
以上、幾つかの好ましい実施態様を参照して本発明を記載及び説明したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、種々の変更、修正、及び置換を行い得ることは当業者に明らかであろう。例えば、再吸収による骨障害の程度や上記本発明の化合物による他の適応症に応じて、治療される対象又は哺乳動物の応答は変化し、この変化の結果、上述した好ましい用量以外の量を適用できる場合がある。同様に、選択される特定の活性化合物、医薬担体を使用するか否か、更には製剤の種類、並びに投与形態に因って又は応じて、観察される具体的薬理応答は変化する。このような予期される変化又は差異は、本発明の目的及び実施に従って想到されるものである。従って、本発明は添付の特許請求の範囲のみによって限定されるものであり、特許請求の範囲は妥当な限り広く解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、
Zは、N又はCRであり;
は、
(1)アミジノ、
(2)−C1−4アルキルイミノイル、
(3)−C1−8アルキル、
(4)−(CHN(R
(5)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CHフェニル、
(8)−(CHナフチル、
(9)−(CHヘテロアリール、
(10)−(CHC(O)C1−8アルキル、
(11)−(CHC(O)C3−8シクロアルキル、
(12)−(CHC(O)C2−9ヘテロシクロアルキル、
(13)−(CHC(O)フェニル、
(14)−(CHC(O)ナフチル、
(15)−(CHC(O)ヘテロアリール、
(16)−(CHCOH、
(17)−(CHCO1−8アルキル、
(18)−(CHCO3−8シクロアルキル、
(19)−(CHCO2−9ヘテロシクロアルキル、
(20)−(CHCOフェニル、
(21)−(CHCOナフチル、及び
(22)−(CHCOヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(CHは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、
(1)フェニル、
(2)ナフチル、及び
(3)ヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してR10から選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、それぞれ独立して、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−(CH−フェニル、
(3)−(CH−ヘテロアリール、
(4)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(5)−(CH3−7シクロアルキル、
(6)ハロゲン、
(7)−OR
(8)−(CHC≡N、
(9)−(CHN(R
(10)−(CHC(O)N(R
(11)−(CHC(O)NRN(R
(12)−(CHC(O)NRNRC(O)R、及び
(13)−(CHCF
からなる群から選択され、ここでフェニル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−OC1−6アルキル
からなる群から選択され;
は、
(1)−CF
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−C2−8アルキニル、
(5)−OC1−8アルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH−フェニル、
(9)−(CH−ナフチル、及び
(10)−(CHヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−OC1−6アルキル
からなる群から選択され;
は、
(1)−(CHN(R
(2)−(CHNRC(O)R
(3)−(CHOR
(4)−(CHC≡N、
(5)−(CHC(O)OR
(6)−(CHC(O)N(R
(7)−(CHNRC(O)N(R
(8)−(CHNRC(O)ヘテロアリール、
(9)−(CHヘテロアリール、
(10)−(CHNRS(O)
(11)−(CHSR、及び
(12)−(CHS(O)
からなる群から選択され、ここでヘテロアリールは無置換であるか、C1−4アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており、またR中のいずれかのメチレン(CH)上に存在する2個のC1−4アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に3、4、5又は6員環を形成していてもよく、該環は更にO、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子を含んでよく;
は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−C1−8アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−C2−8アルキニル、
(5)−OC1−8アルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH−フェニル、
(9)−(CH−ナフチル、及び
(10)−(CHヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してN(C1−6アルキル)、−NH、NH(C1−6アルキル)、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており;
は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−OH、
(3)C1−8アルキル、
(4)−OC1−8アルキル、
(5)ハロゲン、
(6)−NR
(7)−SR、及び
(8)−CF
からなる群から選択され、ここで2個のC1−8アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に4〜8員環を形成していてもよく;
10は、それぞれ独立して、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−C2−8アルケニル、
(3)−(CH−フェニル、
(4)−(CH−ナフチル、
(5)−(CH−ヘテロアリール、
(6)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(7)−(CH3−7シクロアルキル、
(8)ハロゲン、及び
(9)−OR
からなる群から選択され、ここでアルケニル、フェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており、 R10中のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR10置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよく;
rは、1又は2であり;
sは、0、1又は2であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
pは、0、1又は2である。]で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が水素である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
がアミジノ、−C1−4アルキルイミノイル、−C1−8アルキル、−(CHN(R、−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、−(CH3−8シクロアルキル、−(CHフェニル、−(CHナフチル及び−(CHヘテロアリールからなる群から選択され、前記フェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(CHは無置換であるか、R及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
がフェニルであり、前記フェニルは、それぞれ独立してR10から選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
が水素である、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
が−C1−6アルキル及び−(CH0−13−8シクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル及びシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が−(CH0−2NRC(O)R、−(CH0−2OR、−(CH0−2C≡N、−(CH0−2C(O)OR、−(CHC(O)N(R、−(CH0−2NRC(O)N(R、−(CH0−2NRC(O)ヘテロアリール、−(CH0−2ヘテロアリール及び−(CHNRS(O)からなる群から選択され、前記ヘテロアリールは無置換であるか、C1−4アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CHはいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており、またR中のいずれかのメチレン(CH上に存在する2個のC1−4アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に3、4、5又は6員環を形成していてもよく、該環は更にO、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子を含んでよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
10が−C1−8アルキル、ハロゲン、−OR、−(CHC≡N、−(CHS(O)及び−CFからなる群から選択され、R10中のアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
ZがCHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
ZがNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が、下記トランス相対立体化学配置を有する構造式IIa又はIIb:
【化2】

[式中、
Zは、N又はCRであり;
は、
(1)アミジノ、
(2)−C1−4アルキルイミノイル、
(3)−C1−8アルキル、
(4)−(CHN(R
(5)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CHフェニル、
(8)−(CHナフチル、
(9)−(CHヘテロアリール、
(10)−(CHC(O)C1−8アルキル、
(11)−(CHC(O)C3−8シクロアルキル、
(12)−(CHC(O)C2−9ヘテロシクロアルキル、
(13)−(CHC(O)フェニル、
(14)−(CHC(O)ナフチル、
(15)−(CHC(O)ヘテロアリール、
(16)−(CHCOH、
(17)−(CHCO1−8アルキル、
(18)−(CHCO3−8シクロアルキル、
(19)−(CHCO2−9ヘテロシクロアルキル、
(20)−(CHCOフェニル、
(21)−(CHCOナフチル、及び
(22)−(CHCOヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及び(CHは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、
(1)フェニル、
(2)ナフチル、及び
(3)ヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してR10から選択される1〜3個の置換基で置換されており;
は、それぞれ独立して、
(1)−C1−8アルキル、
(2)−(CH−フェニル、
(3)−(CH−ヘテロアリール、
(4)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(5)−(CH3−7シクロアルキル、
(6)ハロゲン、
(7)−OR
(8)−(CHC≡N、
(9)−(CHN(R
(10)−(CHC(O)N(R
(11)−(CHC(O)NRN(R
(12)−(CHC(O)NRNRC(O)R、及び
(13)−(CHCF
からなる群から選択され、ここでフェニル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよく;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−OC1−6アルキル
からなる群から選択され;
は、
(1)−CF
(2)−C1−6アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−C2−8アルキニル、
(5)−OC1−8アルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH−フェニル、
(9)−(CH−ナフチル、及び
(10)−(CHヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してRから選択される1〜3個の置換基で置換されており、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してR及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており;
は、
(1)水素、
(2)−C1−6アルキル、及び
(3)−OC1−6アルキル
からなる群から選択され;
は、
(1)−(CHN(R
(2)−(CHNRC(O)R
(3)−(CHOR
(4)−(CHC≡N、
(5)−(CHC(O)OR
(6)−(CHC(O)N(R
(7)−(CHNRC(O)N(R
(8)−(CHNRC(O)ヘテロアリール、
(9)−(CHヘテロアリール、
(10)−(CHNRS(O)
(11)−(CHSR、及び
(12)−(CHS(O)
からなる群から選択され、ここでヘテロアリールは無置換であるか、C1−4アルキルから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CHはいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており、またR中のいずれかのメチレン(CH上に存在する2個のC1−4アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に3、4、5又は6員環を形成していてもよく、該環は更にO、S、−NH及び−NC1−4アルキルから選択されるヘテロ原子を含んでよく;
は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−C1−8アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−C2−8アルキニル、
(5)−OC1−8アルキル、
(6)−(CH3−8シクロアルキル、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH−フェニル、
(9)−(CH−ナフチル、及び
(10)−(CHヘテロアリール
からなる群から選択され、ここでフェニル、ナフチル、ヘテロアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル及びヘテロシクロアルキルは無置換であるか、それぞれ独立してN(C1−6アルキル)、−NH、NH(C1−6アルキル)、ハロゲン、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ及びオキソから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R中のメチレン(CH)はいずれも無置換であるか。それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ及びC1−4アルキルから選択される1〜2個の置換基で置換されており;
は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−OH、
(3)C1−8アルキル、
(4)−OC1−8アルキル、
(5)ハロゲン、
(6)−NR
(7)−SR、及び
(8)−CF
からなる群から選択され、ここで2個のC1−8アルキル置換基が、それらが結合する原子と共に4〜8員環を形成していてもよく;
11は、それぞれ独立して、
(1)水素、
(2)−C1−8アルキル、
(3)−C2−8アルケニル、
(4)−(CH−フェニル、
(5)−(CH−ナフチル、
(6)−(CH−ヘテロアリール、
(7)−(CH2−9ヘテロシクロアルキル、
(8)−(CH3−7シクロアルキル、
(9)ハロゲン、及び
(10)−OR
からなる群から選択され、ここでアルケニル、フェニル、ナフチル及びヘテロアリールは無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜3個の置換基で置換されており、R11中のアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル及びメチレン(CH)炭素原子はいずれも無置換であるか、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、C1−4アルキル、トリフルオロメチル及びC1−4アルコキシから選択される1〜2個の置換基で置換されており、また同一の炭素原子上に存在する2個のR11置換基が該炭素原子と共にシクロプロピル基を形成していてもよく;
rは、1又は2であり;
sは、0、1又は2であり;
nは、0、1、2、3又は4であり;
pは、0、1又は2である。]で表される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
前記化合物が、
【化3】

【化4】

からなる群から選択される、請求項11に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
前記化合物が、
【化5】

である、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
前記化合物が、
【化6】

である、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
前記化合物が、
【化7】

である、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
前記化合物が、
【化8】

である、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
請求項1に記載の化合物と、薬学的に許容される担体とを含有する医薬組成物。
【請求項18】
前記薬学的に許容される塩がHCl塩である、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
処置を必要とする対象へのメラノコルチン−4受容体により媒介される疾患の治療又は予防に有効な薬剤を製造するための請求項1に記載の化合物の使用方法。
【請求項20】
前記メラノコルチン−4受容体により媒介される疾患が肥満である、請求項19に記載の使用方法。
【請求項21】
前記メラノコルチン−4受容体により媒介される疾患が糖尿病である、請求項19に記載の使用方法。
【請求項22】
前記メラノコルチン−4受容体により媒介される疾患が男性の勃起不全である、請求項19に記載の使用方法。
【請求項23】
前記化合物を、肥満関連疾患を治療又は予防するための薬剤の製造に使用する、請求項19に記載の使用方法。

【公表番号】特表2009−510069(P2009−510069A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533478(P2008−533478)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/037243
【国際公開番号】WO2007/041061
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】