説明

モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置及びその方法

【課題】モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置及びその方法を提供する。
【解決手段】この装置は、光源(111)及びLED光源(121)の光をそれぞれ用いて格子イメージを生成し、補正面位相と測定対象物(240)の物体位相を獲得できるようにする第1及び第2投影格子(114,124)と、第1及び第2投影格子(114,124)で生成された格子イメージがそれぞれ透過されるようにし、測定対象物(240)の高さ算出のための格子イメージを得るようにする第1及び第2投影部(116,126)と、測定対象物(240)から反射される格子イメージを受光して映像を獲得する映像獲得部(300)と、映像獲得部(300)で獲得された映像に対してアンラッピングされた物体の高さを算出する中央制御部(500)と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相遷移映写式モアレ発生装置を用いて任意の3次元形状を測定するためのものに係り、特に、投影格子のみを用いて位相を獲得し、演算を通じてモアレ縞を得た後、3次元形状を測定するときに、モアレの1周期よりも大きく、垂直段差のある物体に対して計算を行うことができるようにし、投影器による物体側の影を效果的に除去できると共に空間上の絶対座標計算を可能にすることによって自動焦点装置を使用しなくて済むように設計し、受光部に正反射される光を検査するのに適合するようにした、モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、モアレ(Moire)という言葉は、フランス人が古代中国から輸入した絹織物にあらわれた波型の模様を称したもので、モアレ現象とは、2つ以上の周期的な波紋が重なって生じる干渉縞(interference fringe)のことをいう。すなわち、モアレ現象は、脈動現象が視覚的に発生したもので、一定の間隔を持つ物体間に発生する干渉縞といえる。
【0003】
また、モアレ縞は、2つ以上の周期的なパターンが重なる時に発生する、基準パターンに比べて低周波を持つ一種の干渉縞のことをいう。脈動現象で説明されるこのような固有な低周波のモアレ縞は、工学全般において2次元変位だけでなく3次元形状測定に至るまで広い応用範囲を持つ。モアレ法は、モアレ縞を形成する方法によって、影式モアレ法(shadow moire)と映写式モアレ法(projection moire)とに大別される。なお、対象物体が鏡面の性質を多く帯びている場合には、反射式モアレ(reflection moire)を用いた3次元形状測定が可能である。
【0004】
また、映写式モアレ法を用いて非接触式の3次元形状の物体を測定する場合に、従来のモアレ装置は、投影格子と基準格子を用いる方式(大韓民国公開特許公報第1998−0007797号参照)と投影格子のみを用いる方式(大韓民国公開特許公報第2002−0039583号参照)がある。
【0005】
投影格子のみを用いる映写式モアレ装置は、半導体のリソグラフィ技術を用いて水晶ガラス基板に複数本の投影格子を作り、測定時には、該投影格子を等間隔で移動させつつ3枚以上の模様が映写された映像を撮影し、これを用いて3次元形状情報を獲得する。
【0006】
図1は、従来モアレ縞測定装置を示す構成図で、図2は、図1によって得られた変形された縞の形態を示す図である。
【0007】
図1のような投影格子のみを用いた映写式モアレ装置の動作原理は、下記の通りである。
まず、光源10からの光を集光レンズ12で集光した後、投影格子14と投影レンズ17を通して測定対象物に映射すると、映写された映像において、投影格子の映像14は、測定対象物の3次元形状18に対応して変形された縞の形態で現れる。以降、変形された縞は、結像レンズ20を通過した後、CCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)カメラ22の撮像面に結ばれ、図2のように現れる。
【0008】
上記のような映像を3枚以上得るべく、格子を一定量の等間隔で動かしてから撮影し、メモリーに保存する。このようにして得られた3枚以上の映像のそれぞれに、バケットアルゴリズムを用いて位相を計算した後、基準位相と物体位相とのずれを求めてアンラッピングし、これにより、モアレ縞を3次元で解析することが可能になる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記のような3次元測定法は、モアレ縞の周期に追従するので、測定対象体の高さがその周期よりも高いと測定が難しくなるという問題点があった。そこで、従来技術では、相対高さの測定、影の発生及び測定精密度の低下のような問題点が生じてきたし、測定誤差を減少させる場合には絶対的な空間上の3次元座標が求められないという限界もあった。
【0010】
また、上記した周期以上の周期を測定するためには、映写機の位置やカメラの位置を変化させつつ数回測定しなければならないという不具合があった。したがって、従来技術では映写機の位置やカメラの位置を変化させるための自動焦点装置を必ず設けなければならず、よって、処理時間が増加し、費用が上昇し、精密度と測定範囲に限界があり、位置変化により信頼性が低下するという問題点があった。
【0011】
本発明は、上記の従来の諸問題を解決するためのもので、その目的は、一つの投影格子を用いてモアレ縞を獲得し、これを通じて物体の空間上の絶対位置を計算した後、他の一つの投影格子を用いてモアレ縞を獲得し、3次元形状を測定できる方法を提案すると同時に、従来の投影格子のみを使用する方法の問題点を克服することで3次元形状測定装置を開発できる、モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置及びその方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、1つ以上の映写機を使用することによって上記の従来の問題点を容易に克服可能にし、測定対象物の大きさに比較的制限を受けず、高さ方向へのモアレ周期以上の段差を有する物体に対して計算を行い、映写角度による影現象を除去し、測定対象体の空間上の絶対位置計算における速度を向上させ、測定精密度を高めることができる投影格子発生器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための本発明は、測定対象物が設置される移送テーブルと、前記移送テーブルの上部あるいは下部に設置され、光を放出する光源及びLED光源と、前記光源及びLED光源の光をそれぞれ集光する第1及び第2集光レンズと、前記第1及び第2集光レンズで集光された前記光源及びLED光源の光の中でそれぞれ単色光のみが通過できるようにフィルタリングする第1及び第2周波数帯域フィルタと、前記第1及び第2周波数帯域フィルタでフィルタリングされた前記光源及びLED光源の光をそれぞれ用いて格子イメージを生成する第1及び第2投影格子と、前記第1及び第2投影格子を一定間隔で移動させる第1及び第2超音波モーターと、前記第1投影格子で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の相対位置を測定できるように補助する第1投影部と、前記第2投影格子で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の絶対位置を測定できるように補助する第2投影部と、前記第2投影部から投影された格子イメージの光経路を切り換える光経路切換手段と、前記第1投影部の一側に設置され、前記測定対象物から反射される格子イメージを受光するように光学系とカメラを備えた映像獲得部と、を含んでなる、モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置とした。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置及びその方法は、従来具現された基準格子を使用しなく、かつ、一つの投影格子のみを使用する従来技術が持つ、相対高さの測定、影の発生及び測定精密度の低下のような問題を解消でき、測定誤差を減少させながら絶対的な空間上の3次元座標を求めることができる。したがって、自動焦点装置が省かれるため、処理時間を短縮し、低費用でより高い精密度と広範囲な測定範囲の実現及び信頼性の向上という効果を得ることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明によるモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置及びその方法の好適な実施例を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。下記の説明において、関連する公知機能または構成については、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合にはその詳細な説明を適宜省略するものとする。なお、後述される用語は本発明での機能を考慮して定義されたもので、これらは使用者、運用者の意図または判例などによって変わることができ、したがって、各用語の意味は、本明細書全般にわたる内容に基づいて解釈されるべきである。
【0016】
図3は、本発明の一実施例によるモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置を示す構成図である。
【0017】
図3に示すように、モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置は、測定対象物240が載置される移送テーブル220と、前記移送テーブル220の上部あるいは下部に設置され、光を放出する光源111及びLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)光源121と、光源111及びLED光源121の光をそれぞれ集光する第1及び第2集光レンズ112,122と、第1及び第2集光レンズ112,122で集光された光源111及びLED光源121からの光の中でそれぞれ単色光のみが通過できるようにフィルタリングする第1及び第2周波数帯域フィルタ113,123と、第1及び第2周波数帯域フィルタ113,123でフィルタリングされた光源111及びLED光源121の光をそれぞれ用いて格子イメージを生成する第1及び第2投影格子114,124と、第1及び第2投影格子114,124を一定間隔で移動させる第1及び第2超音波モーター115,125と、第1投影格子114で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の相対位置を測定できるように補助する第1投影部116と、第2投影格子124で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の絶対位置を測定できるように補助する第2投影部126と、第2投影部126から投影された格子イメージの光経路を変換させる光経路切換手段130と、第1投影部116の一側に設置され、測定対象物240から反射される格子イメージを受光するように光学系310及びカメラ320を備えた映像獲得部300と、を含んでなることを特徴とする。
【0018】
第1及び第2周波数帯域フィルタ113,123は、500nm〜600nm波長の単色光が映写されるようにフィルタリングすることを特徴とする。
前記第1投影格子114、第2投影格子124及び光経路切換手段130は、超音波モーターまたはピエゾモーター(図示せず)により微小変位されることを特徴とする。
【0019】
図4は、図3において第1投影部と第2投影部が設置されうる位置を示す図である。
図4に示すように、第1投影部116は、前記測定対象物240の上方に位置し、鉛直方向に対して17°〜30°の範囲内に位置することを特徴とする。
【0020】
図5は、図3において制御モジュール部と中央制御部が結合された例を示す構成図である。
図5に示すように、光源111及びLED光源121の光をそれぞれ用いて格子イメージを生成し、補正面位相と測定対象物240の物体位相を獲得できるようにする第1及び第2投影格子114,124と、前記第1及び第2投影格子114,124で生成された格子イメージがそれぞれ透過されるようにし、測定対象物240の高さ算出のための格子イメージを得るようにする第1及び第2投影部116,126と、前記測定対象物240から反射される格子イメージを受光して映像を獲得する映像獲得部300と、前記映像獲得部300で獲得された映像に対してアンラッピングされた物体の高さを算出する中央制御部500と、を含んでなることを特徴とする。
【0021】
前記中央制御部500は、前記第1及び第2投影部116,126により獲得された補正面位相を用いて物体のバイアス大きさを求めた後、物体位相をアンラッピングし、前記第1投影部116の補正面位相を用いてアンラッピングされた物体の高さを算出することを特徴とする。
前記第1及び第2投影格子114,124は、超音波モーター115,125またはピエゾモーター(図示せず)により微小変位されることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の他の実施例によるモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置は、図5に示すように、光源111とLED光源121の光の中でそれぞれ単色光のみが通過できるようにフィルタリングする第1及び第2周波数帯域フィルタ113,123、前記第1及び第2周波数帯域フィルタ113,123でフィルタリングされた前記光源111及びLED光源121をそれぞれ用いて格子イメージを生成する第1及び第2投影格子114,124、前記第1投影格子114で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の相対位置を測定できるように補助する第1投影部116、前記第2投影格子124で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の絶対位置を測定できるように補助する第2投影部126、及び前記第2投影部126から投影された格子イメージの光経路を切り換える光経路切換手段130を含んでなる投影格子映写部100と、測定対象物240を載置する移送テーブル220、及び前記移送テーブル220を駆動する移送テーブル駆動手段230を含んでなる測定対象物移送部と、前記第1投影部116の一側に設置され、前記測定対象物240から反射される格子イメージを受光するように光学系310とカメラ320を備え、前記測定対象物240の上方一定部分に位置する映像獲得部300と、前記投影格子映写部100と前記映像獲得部300の動作を制御する制御モジュール部400と、前記制御モジュール部400を制御し、前記映像獲得部300で獲得された映像に対してアンラッピングされた物体の高さを算出する中央制御部500と、を含んでなることを特徴とする。
【0023】
前記第1及び第2周波数帯域フィルタ113,123は、500nm〜600nm波長の単色光が映写されるようにフィルタリングすることを特徴とする。
前記第1投影部116は、前記測定対象物240の上方に位置し、鉛直方向に対して17°〜30°の範囲内に位置することを特徴とする。
前記第1投影格子114、第2投影格子124及び光経路切換手段130は、超音波モーター115,125またはピエゾモーター(図示せず)により微小変位されることを特徴とする。
【0024】
前記制御モジュール部400は、前記測定対象物移送部内の前記移送テーブル駆動手段230を駆動するモータードライバ410と、前記映像獲得部300内の前記カメラ320に電源を供給するカメラ電源装置420と、前記投影格子映写部100内の前記光源111及び前記LED光源121に電源を供給する照明電源装置430と、前記投影格子映写部100内の第1及び第2超音波モーター115,125の動作を制御する超音波モーター駆動ドライバ440と、を含んでなることを特徴とする。
【0025】
前記中央制御部500は、前記第1及び第2投影部116,126により獲得された補正面位相を用いて物体のバイアス大きさを求めた後、物体位相をアンラッピングし、前記第1投影部116の補正面位相を用いてアンラッピングされた物体の高さを算出することを特徴とする。
【0026】
前記中央制御部500は、前記制御モジュール部400内のモータードライバ410の動作を制御するモーター制御ボード510と、前記映像獲得部300内の前記カメラ320から獲得された映像を処理する映像ボード520と、前記制御モジュール部400内のカメラ電源装置420、照明電源装置430及び超音波モーター駆動ドライバ440とインターフェースを行うインターフェースボード530と、を含んでなることを特徴とする。
【0027】
図6は、本発明の一実施例によるモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法を示す流れ図である。
図6に示すように、第1投影部116を用いて補正面に第1投影格子114を照射し、補正面位相1に対する基準位相を獲得する第1段階(ST11〜ST14)と、前記第1投影部116を用いて測定対象物240に前記第1投影格子114を照射し、物体位相1に対する基準位相を獲得する第2段階(ST21〜ST24)と、第2投影部126を用いて補正面に第2投影格子124を照射し、補正面位相2に対する基準位相を獲得する第3段階(ST31〜ST34)と、前記第2投影部126を用いて前記測定対象物240に前記第2投影格子124を照射し、物体位相2に対する基準位相を獲得する第4段階(ST41〜ST44)と、前記獲得された補正面位相1、物体位相1、補正面位相2、物体位相2を用いて物体のバイアス大きさを求め、物体位相をアンラッピングし、アンラッピングされた物体の高さを算出する第5段階(ST51〜ST54)と、を含んでなることを特徴とする。
【0028】
前記第1段階(ST11〜ST14)は、前記第1投影部116を用いて補正面に前記第1投影格子114を照射する第11段階(ST11)と、前記第1投影部116を用いて、前記第1投影格子114を移動させながら映像を獲得する第12段階(ST12)と、前記第1投影格子114の移動映像をバケットアルゴリズムに適用する第13段階(ST13)と、前記バケットアルゴリズムを適用して補正面位相1に対する基準位相を獲得する第14段階(ST14)と、を含んでなることを特徴とする。
【0029】
前記第13段階は、3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用することを特徴とする。
前記第2段階(ST21〜ST24)は、前記第1投影部116を用いて測定対象物240に第1投影格子114を照射する第21段階(ST21)と、前記第1投影格子114を移動させながら映像を獲得する第22段階(ST22)と、前記第1投影格子114の移動映像をバケットアルゴリズムに適用する第23段階(ST23)と、前記バケットアルゴリズムを適用して前記物体位相1に対する基準位相を獲得する第24段階(ST24)と、を含んでなることを特徴とする。
【0030】
前記第23段階は、3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用することを特徴とする。
前記第3段階(ST31〜ST33)は、前記第2投影部126を用いて補正面に前記第2投影格子124を照射する第31段階(ST31)と、前記第2投影部126を用いて、前記第2投影格子124を移動させながら映像を獲得する第32段階(ST32)と、前記第2投影格子124の移動映像をバケットアルゴリズムに適用する第33段階(ST33)と、前記バケットアルゴリズムを適用して補正面位相2に対する基準位相を獲得する第34段階(ST34)と、を含んでなることを特徴とする。
【0031】
前記第33段階は、5バケットアルゴリズムを適用することを特徴とする。
前記第4段階(ST41〜ST44)は、前記第2投影部126を用いて前記測定対象物240に前記第2投影格子124を照射する第41段階(ST41)と、前記第2投影格子124を移動させながら映像を獲得する第42段階(ST42)と、前記第2投影格子124の移動映像をバケットアルゴリズムに適用する第43段階(ST43)と、前記バケットアルゴリズムを適用して物体位相2に対する基準位相を獲得する第44段階(ST44)と、を含んでなることを特徴とする。
前記第43段階は、3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用することを特徴とする。
【0032】
前記第5段階(ST51〜ST54)は、前記第3段階の補正面位相2と前記第4段階の物体位相2を用いてバイアス大きさを求める第51段階(ST51)と、前記第51段階で求めたバイアス大きさを用いて前記第2段階の物体位相1をアンバイアスする第52段階(ST52)と、前記第52段階でアンバイアスされた物体位相1をアンラッピングする第53段階(ST53)と、前記第53段階でアンラッピングされた物体位相1に対して前記第1段階の補正面位相1を用いて前記測定対象物(240)の高さを算出する第54段階(ST54)と、を含んでなることを特徴とする。
【0033】
本発明は、投影格子のみを用いて位相を獲得し、演算を通じてモアレ縞を得た後、3次元形状を測定する時に、モアレの1周期よりも大きく、垂直段差のある物体を計算できるようにし、また、投影器による物体側の影を效果的に除去できるとともに、空間上の絶対座標計算を可能にすることによって自動焦点装置を使用しなくて済むように設計し、受光部に正反射される光を検査することに関する。
【0034】
投影格子のみを用いてモアレ縞を獲得する構成において、投影格子を水晶ガラス基板にリソグラフィを用いて作り、これを超音波モーター(あるいは、ピエゾモーター)を用いて微小変位させうるように構成された、投影格子発生器を適用した位相遷移映写式モアレ装置について、図5に基づいて詳細に説明する。
【0035】
本発明のモアレ装置は、図5に示すように、投影格子映写部100、測定対象物移送部、映像獲得部300、制御モジュール部400、中央制御部500のうち一つ以上を含んで構成されることができる。
【0036】
投影格子映写部100において、光源111及びLED光源121は、移送テーブル220の上部あるいは下部に設置され、光を放出する。
第1及び第2集光レンズ112,122は、光源111及びLED光源121の光をそれぞれ集光し、第1及び第2投影格子114,124に通過させる。
【0037】
第1及び第2周波数帯域フィルタ113,123は、第1及び第2集光レンズ112,122で集光された光源111及びLED光源121からの光の中でそれぞれ単色光のみが通過できるようにフィルタリングする。この時、フィルタリングは、500nm〜600nmの範囲内で行なわれるようにする。最も好ましくは、550nmで光をフィルタリングする。
【0038】
第1及び第2投影格子114,124は、第1及び第2周波数帯域フィルタ113,123でフィルタリングされた光源111及びLED光源121の光をそれぞれ用いて格子イメージを生成する。
【0039】
第1及び第2超音波モーター115,125は、第1及び第2投影格子114,124を一定間隔で移動させる。第1及び第2超音波モーター115,125は、微細移送可能なピエゾモーターに取って代わっても良い。また、超音波モーターまたはピエゾモーターは、光経路切換手段130の微細移送のために使用することができる。
【0040】
第1投影部116は、第1投影格子114で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の相対位置を測定できるように補助する。このような第1投影部116は、測定対象物240の上方に位置し、鉛直方向に対して17°〜30°の範囲内に位置するようにする。
【0041】
第2投影部126は、第2投影格子124で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の絶対位置を測定できるように補助する。このような第2投影部126は、第1投影部116周囲のいずれの箇所に位置しても良い。
【0042】
光経路切換手段130は、第2投影部126から投影された格子イメージの光経路を切り換え、測定対象物240に向かうようにする。
【0043】
また、測定対象物移送部において移送テーブル220には、測定対象物240が載置される。
また、測定対象物移送部において、移送テーブル駆動手段230は、中央制御部500のモーター制御ボード510の制御によって制御モジュール部400のモータードライバ410により駆動され、移送テーブル220を駆動する。
【0044】
また、映像獲得部300は、第1投影部116の一側に設置される。
映像獲得部300において、光学系310とカメラ320は、測定対象物240から反射される格子イメージを受光して中央制御部500の映像ボード520に伝達する。
【0045】
制御モジュール部400は、投影格子映写部100と映像獲得部300の動作を制御する役割を果たす。
したがって、制御モジュール部400において、モータードライバ410は、中央制御部500のモーター制御ボード510の制御を受けて測定対象物移送部内の移送テーブル駆動手段230を駆動する。
【0046】
また、制御モジュール部400において、カメラ電源装置420は、中央制御部500のインターフェースボード530とインターフェースを行い、映像獲得部300内のカメラ320に電源を供給する。
また、制御モジュール部400において照明電源装置430は、中央制御部500のインターフェースボード530とインターフェースを行い、投影格子映写部100内の光源111及びLED光源121に電源を供給する。
また、制御モジュール部400において超音波モーター駆動ドライバ440は、中央制御部500のインターフェースボード530とインターフェースを行い、投影格子映写部100内の第1及び第2超音波モーター115,125の動作を制御する。
【0047】
なお、中央制御部500は、制御モジュール部400を制御し、映像獲得部300から獲得した映像に対してアンラッピングされた物体の高さを算出する。第1及び第2投影部116,126により獲得された補正面位相を用いて物体のバイアス大きさを求めた後、物体位相をアンラッピングし、第1投影部116の補正面位相を用いてアンラッピングされた物体の高さを算出するわけである。
【0048】
このような中央制御部500においてモーター制御ボード510は、制御モジュール部400内のモータードライバ410の動作を制御する。
また、中央制御部500において映像ボード520は、映像獲得部300内のカメラ320から獲得された映像を処理する。
また、中央制御部500においてインターフェースボード530は、制御モジュール部400内のカメラ電源装置420、照明電源装置430及び超音波モーター駆動ドライバ440とインターフェースを行う。
【0049】
このような装置を用いてモアレ縞を獲得する過程について説明すると、下記の通りである。
【0050】
1)第1投影部116で第1投影格子114による格子縞を、測定対象物のない状態で補正面に映写し(ST11)、該映写された格子を、カメラ320の装着された受光部である映像獲得部300で獲得し(ST12)、これを3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかに適用し(ST13)、補正面位相1に対する基準位相を計算した後、メモリーに保存する(ST14)。
【0051】
2)測定対象物240を載置し、第1投影部116を介して第1投影格子114の格子縞を映写し(ST21)、測定対象物240の形状によって変形された格子を、受光部である映像獲得部300で獲得し(ST22)、これを3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかに適用し(ST23)、物体位相1に対する基準位相を計算した後、メモリーに保存する(ST24)。
【0052】
3)第2投影部126で、第1投影部116のモアレ周期よりも大きい周期の第2投影格子124による格子縞を、測定対象物のない状態で補正面に映写し(ST31)、該映写された格子を、カメラの装着された受光部である映像獲得部300で獲得し(ST32)、これを5バケットアルゴリズムに適用し(ST33)、補正面位相2に対する基準位相を計算した後にメモリーに保存する(ST34)。
【0053】
4)測定対象物240を載置し、第2投影部126で第2投影格子124の格子縞を映写し(ST41)、測定対象物240の形状によって変形された格子を、受光部である映像獲得部300で獲得し(ST42)、これを3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかに適用し(ST43)、物体位相2に対する基準位相を計算した後にメモリーに保存する(ST44)。
【0054】
5)上記3)の過程で得た補正面位相2と上記の4)過程で得た物体位相2とを演算し、バイアスの大きさを求める(ST51)。
【0055】
6)上記の5)過程で計算されたバイアスを、物体位相1からアンバイアスさせる(ST52)。
【0056】
7)上記の2)過程で得た物体のアンバイアスされた物体位相1をアンラッピングし(ST53)、測定対象物の高さデータを求める(ST54)。
【0057】
上記のバイアスの大きさを求める過程、アンバイアス過程、アンラッピング過程、測定対象物の高さデータを求めるために用いられる多項式の解法は、当業者にとっては公知の技術であるので、その詳細な説明は省略するものとする。
【0058】
位相の情報を得るアルゴリズムには、通常、3バケット、4バケット、5バケット、7バケット、9バケット、11バケットがあり、特に、5バケットアルゴリズムは、次のように表現される。
【0059】
位相遷移の量をδとし、CCDカメラで観測された映像の光強度をI(x,y)とする時、位相遷移を通じて得られた映像に相応する位相φ(x,y)は、下記の数式1〜数式4で表現されることができる。
【0060】
【数1】

【0061】
【数2】

【0062】
【数3】

【0063】
【数4】

【0064】
上記の数式1〜数式4によって、1点における5個の光強度はこの点で位相に変換される。上記の数式1〜数式4は、補正面と測定対象物に同一に適用されることができ、その位相差が高さの変位で表現される時、図7に基づいて下記のような数式5〜数式7で表現されることができる。
ここで、λをサイン(sine)正弦波の周期とし、φを位相差とする。
【0065】
【数5】

【0066】
【数6】

【0067】
【数7】

yとzの平面に対する位相差のみを考慮すると、xの要素を無視可能になる。位相に対する高さの関係式は、高さzに対して位相差の総合で表現され、下記の数式8で表現できる。
【0068】
【数8】

前記R、R及びφを数式8に代入すると、下記の数式9のようにまとめられる。
【0069】
【数9】

ここで、
【数10】

【数11】

【数12】

である。
【0070】
これらの数式は、干渉された波形を用いて観測した高さを持つ位相の3次元変化を説明したものである。万一、3次元空間を2次元空間に投影させ、位相の変化量が観測されないとしたら、結果として下記の数式13のようになる。
【0071】
【数13】

【0072】
なお、数式9と数式13から下記の数式14が導き出される。
【0073】
【数14】

【0074】
数式9、13、14を数式8に代入すると、下記の数式15が得られる。
【0075】
【数15】

【0076】
結論的に、位相遷移の総合された量が高さに換算される係数をSとすれば、数式15は下記の数式16のように計算されることができる。
【0077】
【数16】

【0078】
以下、図5及び図6に基づいて実際測定過程について説明する。
まず、本発明は、補正面を用いて測定対象物の3次元情報を獲得するようにし、具体的には、補正面を用いて基準位相を獲得する方法、測定対象物の位相を獲得する方法及び測定対象物の3次元情報を獲得する方法に分けられる。
【0079】
まず、第1投影部116を使用する段階について説明する。
補正面を移送テーブル220に載置し、光源111の光を第1投影格子114と第1投影部116に通過させ、第1投影格子114を補正面に映射する。3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれか一つを適用できるように、第1投影格子114を第1超音波モーター115を用いて等間隔で移動させつつ補正面に映写し、該格子縞の映像をカメラ320と映像ボード520を通じて獲得する。該獲得した格子縞の映像にバケットアルゴリズムを適用し、補正面に対する位相を獲得してアンラッピングする。このような動作を補正面の鉛直上下方向にモアレ周期が1周期変わるまで反復し、補正面位相をメモリーに保存する。
【0080】
次に、第2投影部126を使用する段階について説明する。
補正面を移送テーブル220に載置し、LED光源121の光を、第1投影部116よりもモアレ周期が大きく発生するように作られた第2投影格子124と第2投影部126に通過させ、第2投影格子124を補正面に映射する。補正面に3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用できるように第2投影格子124を第2超音波モーター125によって等間隔で移動させつつ補正面に映写し、格子縞の映像をカメラ320と映像ボード520を通じて獲得する。該獲得した格子縞の映像にバケットアルゴリズムを適用して補正面に対する位相を獲得し、アンラッピングする。このような動作を補正面の鉛直上下方向にモアレ周期が1周期変わるまで反復し、補正面位相をメモリーに保存する。
【0081】
続いて、測定対象物240に該当する物体の位相を得る段階について説明する。
測定対象物240を移送テーブル220に載置し、光源111の光を、第1投影格子114と第1投影部116に通過させ、第1投影格子114を測定対象物240に映射する。3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用できるように、第1投影格子114を第1超音波モーター115で等間隔に移動させながら測定対象物240に映写し、格子縞の映像をカメラ320と映像ボード520を通じて獲得する。該獲得した格子縞の映像にバケットアルゴリズムを適用して測定対象物240に対する位相を獲得し、アンラッピングする。
【0082】
また、測定対象物240を移送テーブル220に載置し、LED光源121の光を、第1投影部116よりもモアレ周期が大きく発生するように作られた第2投影格子124と第2投影部126に通過させ、第2投影格子124を測定対象物240に映射する。3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用できるように、第2投影格子124を第2超音波モーター125で等間隔に移動させながら測定対象物240に映写し、格子縞の映像をカメラ320と映像ボード520を通じて獲得する。該獲得した格子縞の映像にバケットアルゴリズムを適用して測定対象物240に対する位相を獲得し、アンラッピングする。
【0083】
そして、第2投影部126から映写された物体位相2と補正面位相2とを比較し、システムの測定原点から物体のバイアス大きさを求める。該バイアスの大きさを物体位相1に対してアンバイアスし、第1投影部116より獲得した補正面位相1を用いた多項式によって測定対象物の実際の高さ情報を求める。
【0084】
図8は、実際具現されたシステムのプログラムによって測定対象物を3次元測定した結果映像である。これは、3次元測定された形態を立体として具現することによって、本発明の有用さを証明するためのものである。
【0085】
要するに、本発明は、投影格子のみを用いて位相を獲得し、演算を通じてモアレ縞を得た後、3次元形状を測定する時に、モアレの1周期よりも大きく、垂直段差のある物体に対して計算を行うことができ、投影器による物体側の影を效果的に除去できるとともに空間上の絶対座標計算を可能にすることによって自動焦点装置を使用しなくて済むように設計され、受光部に正反射される光を検査できるようになっている。
【0086】
以上では具体的な実施例に挙げて本発明を説明してきたが、本発明はこれに限定されず、本発明の範囲内で様々な改変が可能である。したがって、添付の特許請求の範囲に記載された技術的思想に基づく改変はいずれも本発明の権利範囲に属するものとして解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】従来のモアレ縞測定装置を示す構成図である。
【図2】図1で得られた変形された縞の形態を示す図である。
【図3】本発明の一実施例によるモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置を示す構成図である。
【図4】図3において第1投影部と第2投影部が設置される位置を示す図である。
【図5】図3において制御モジュール部と中央制御部が結合された例を示す構成図である。
【図6】本発明の一実施例によるモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法を示す流れ図である。
【図7】本発明によって位相遷移の総合された量が高さに換算される係数を求める過程を説明するための図である。
【図8】本発明によって実際具現されたプログラムによって測定対象物を3次元で測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
【0088】
100 投影格子映写部
111 光源
112 第1集光レンズ
113 第1周波数帯域フィルタ
114 第1投影格子
115 第1超音波モーター
116 第1投影部
121 LED光源
122 第2集光レンズ
123 第2周波数帯域フィルタ
124 第2投影格子
125 第2超音波モーター
126 第2投影部
130 光経路切換手段
210 3次元形状
220 移送テーブル
230 移送テーブル駆動手段
240 測定対象物
300 映像獲得部
310 光学系
320 カメラ
400 制御モジュール部
410 モータードライバ
420 カメラ電源装置
430 照明電源装置
440 超音波モーター駆動ドライバ
500 中央制御部
510 モーター制御ボード
520 映像ボード
530 インターフェースボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物(240)が設置される移送テーブル(220)と、
前記移送テーブル(220)の上部あるいは下部に設置され、光を放出する光源(111)及びLED光源(121)と、
前記光源(111)及びLED光源(121)の光をそれぞれ集光する第1及び第2集光レンズ(112,122)と、
前記第1及び第2集光レンズ(112,122)で集光された前記光源(111)及びLED光源(121)の光の中でそれぞれ単色光のみが通過できるようにフィルタリングする第1及び第2周波数帯域フィルタ(113,123)と、
前記第1及び第2周波数帯域フィルタ(113,123)でフィルタリングされた前記光源(111)及びLED光源(121)の光をそれぞれ用いて格子イメージを生成する第1及び第2投影格子(114,124)と、
前記第1及び第2投影格子(114,124)を一定間隔で移動させる第1及び第2超音波モーター(115,125)と、
前記第1投影格子(114)で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の相対位置を測定できるように補助する第1投影部(116)と、
前記第2投影格子(124)で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の絶対位置を測定できるように補助する第2投影部(126)と、
前記第2投影部(126)から投影された格子イメージの光経路を切り換える光経路切換手段(130)と、
前記第1投影部(116)の一側に設置され、前記測定対象物(240)から反射される格子イメージを受光するように光学系(310)とカメラ(320)を備えた映像獲得部(300)と、
を含んでなることを特徴とする、モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項2】
前記第1及び第2周波数帯域フィルタ(113,123)は、
500nm〜600nm波長の単色光が映写されるようにフィルタリングすることを特徴とする、請求項1に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項3】
前記第1投影部(116)は、
前記測定対象物(240)の上方に位置し、鉛直方向に対して17°〜30°の範囲内に位置することを特徴とする、請求項1に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項4】
前記第1投影格子(114)、第2投影格子(124)及び光経路切換手段(130)は、
超音波モーターまたはピエゾモーターによって微小変位されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項5】
光源(111)及びLED光源(121)の光をそれぞれ用いて格子イメージを生成し、補正面位相と測定対象物(240)の物体位相を獲得できるようにする第1及び第2投影格子(114,124)と、
前記第1及び第2投影格子(114,124)で生成された格子イメージがそれぞれ透過するようにし、測定対象物(240)の高さ算出のための格子イメージを得るようにする第1及び第2投影部(116、126)と、
前記測定対象物(240)から反射される格子イメージを受光して映像を獲得する映像獲得部(300)と、
前記映像獲得部(300)で獲得された映像に対してアンラッピングされた物体の高さを算出する中央制御部(500)と、
を含んでなることを特徴とする、モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項6】
前記第1及び第2投影格子(114,124)は、
超音波モーター(115,125)またはピエゾモーターによって微小変位されることを特徴とする、請求項5に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項7】
前記中央制御部(500)は、
前記第1及び第2投影部(116,126)により獲得された補正面位相を用いて物体のバイアス大きさを求めた後、物体位相をアンラッピングし、前記第1投影部(116)の補正面位相を用いてアンラッピングされた物体の高さを算出することを特徴とする、請求項5または6に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項8】
光源(111)とLED光源(121)の光の中でそれぞれ単色光のみが通過できるようにフィルタリングする第1及び第2周波数帯域フィルタ(113,123)、前記第1及び第2周波数帯域フィルタ(113,123)でフィルタリングされた前記光源(111)及びLED光源(121)をそれぞれ用いて格子イメージを生成する第1及び第2投影格子(114,124)、前記第1投影格子(114)で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の相対位置を測定できるように補助する第1投影部(116)、前記第2投影格子(124)で生成された格子イメージが透過する投影光学系からなり、物体の絶対位置を測定できるように補助する第2投影部(126)、及び前記第2投影部(126)から投影された格子イメージの光経路を切り換える光経路切換手段(130)を含んでなる投影格子映写部(100)と、
測定対象物(240)を載置する移送テーブル(220)、及び前記移送テーブル(220)を駆動する移送テーブル駆動手段(230)を含んでなる測定対象物移送部と、
前記第1投影部(116)の一側に設置され、前記測定対象物(240)から反射される格子イメージを受光するように光学系(310)とカメラ(320)を備え、前記測定対象物(240)の上方一定部分に位置する映像獲得部(300)と、
前記投影格子映写部(100)と前記映像獲得部(300)の動作を制御する制御モジュール部(400)と、
前記制御モジュール部(400)を制御し、前記映像獲得部(300)で獲得された映像に対してアンラッピングされた物体の高さを算出する中央制御部(500)と、
を含んでなることを特徴とする、モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項9】
前記第1及び第2周波数帯域フィルタ(113,123)は、
500nm〜600nm波長の単色光が映写されるようにフィルタリングすることを特徴とする、請求項8に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項10】
前記第1投影部(116)は、
前記測定対象物(240)の上方に位置し、鉛直方向に対して17°〜30°の範囲内に位置することを特徴とする、請求項8に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項11】
前記第1投影格子(114)、第2投影格子(124)、光経路切換手段(130)は、
超音波モーター(115,125)またはピエゾモーターによって微小変位されることを特徴とする、請求項8に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項12】
前記制御モジュール部(400)は、
前記測定対象物移送部内の前記移送テーブル駆動手段(230)を駆動するモータードライバ(410)と、
前記映像獲得部(300)内の前記カメラ(320)に電源を供給するカメラ電源装置(420)と、
前記投影格子映写部(100)内の前記光源(111)及び前記LED光源(121)に電源を供給する照明電源装置(430)と、
前記投影格子映写部(100)内の第1及び第2超音波モーター(115,125)の動作を制御する超音波モーター駆動ドライバ(440)と、
を含んでなることを特徴とする、請求項8に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項13】
前記中央制御部(500)は、
前記第1及び第2投影部(116,126)により獲得された補正面位相を用いて物体のバイアス大きさを求めた後、物体位相をアンラッピングし、前記第1投影部(116)の補正面位相を用いてアンラッピングされた物体の高さを算出することを特徴とする、請求項8〜12のいずれか1項に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項14】
前記中央制御部(500)は、
前記制御モジュール部(400)内のモータードライバ(410)の動作を制御するモーター制御ボード(510)と、
前記映像獲得部(300)内の前記カメラ(320)から獲得された映像を処理する映像ボード(520)と、
前記制御モジュール部(400)内のカメラ電源装置(420)、照明電源装置(430)、及び超音波モーター駆動ドライバ(440)とインターフェースを行うインターフェースボード(530)と、
を含んでなることを特徴とする、請求項13に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定装置。
【請求項15】
第1投影部(116)を用いて補正面に第1投影格子(114)を照射し、補正面位相1に対する基準位相を獲得する第1段階(ST11〜ST14)と、
前記第1投影部(116)を用いて測定対象物(240)に前記第1投影格子(114)を照射し、物体位相1に対する基準位相を獲得する第2段階(ST21〜ST24)と、
第2投影部(126)を用いて補正面に第2投影格子(124)を照射し、補正面位相2に対する基準位相を獲得する第3段階(ST31〜ST34)と、
前記第2投影部(126)を用いて前記測定対象物(240)に前記第2投影格子(124)を照射し、物体位相2に対する基準位相を獲得する第4段階(ST41〜ST44)と、
前記獲得された補正面位相1、物体位相1、補正面位相2、物体位相2を用いて物体のバイアス大きさを求め、物体位相をアンラッピングし、アンラッピングされた物体の高さを算出する第5段階(ST51〜ST54)と、
を含んでなることを特徴とする、モアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項16】
前記第1段階(ST11〜ST14)は、
前記第1投影部(116)を用いて補正面に前記第1投影格子(114)を照射する第11段階(ST11)と、
前記第1投影部(116)を用いて、前記第1投影格子(114)を移動させながら映像を獲得する第12段階(ST12)と、
前記第1投影格子(114)の移動映像をバケットアルゴリズムに適用する第13段階(ST13)と、
前記バケットアルゴリズムを適用して補正面位相1に対する基準位相を獲得する第14段階(ST14)と、
を含んでなることを特徴とする、請求項15に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項17】
前記第13段階は、
3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用することを特徴とする、請求項16に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項18】
前記第2段階(ST21〜ST24)は、
前記第1投影部(116)を用いて測定対象物(240)に第1投影格子(114)を照射する第21段階(ST21)と、
前記第1投影格子(114)を移動させながら映像を獲得する第22段階(ST22)と、
前記第1投影格子(114)の移動映像をバケットアルゴリズムに適用する第23段階(ST23)と、
前記バケットアルゴリズムを適用して前記物体位相1に対する基準位相を獲得する第24段階(ST24)と、
を含んでなることを特徴とする、請求項15に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項19】
前記第23段階は、
3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用することを特徴とする、請求項18に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項20】
前記第3段階(ST31〜ST33)は、
前記第2投影部(126)を用いて補正面に前記第2投影格子(124)を照射する第31段階(ST31)と、
前記第2投影部(126)を用いて、前記第2投影格子(124)を移動させながら映像を獲得する第32段階(ST32)と、
前記第2投影格子(124)の移動映像をバケットアルゴリズムに適用する第33段階(ST33)と、
前記バケットアルゴリズムを適用して補正面位相2に対する基準位相を獲得する第34段階(ST34)と、
を含んでなることを特徴とする、請求項15に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項21】
前記第33段階は、
5バケットアルゴリズムを適用することを特徴とする、請求項20に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項22】
前記第4段階(ST41〜ST44)は、
前記第2投影部(126)を用いて前記測定対象物(240)に前記第2投影格子(124)を照射する第41段階(ST41)と、
前記第2投影格子(124)を移動させながら映像を獲得する第42段階(ST42)と、
前記第2投影格子(124)の移動映像をバケットアルゴリズムに適用する第43段階(ST43)と、
前記バケットアルゴリズムを適用して物体位相2に対する基準位相を獲得する第44段階(ST44)と、
を含んでなることを特徴とする、請求項15に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項23】
前記第43段階は、
3バケット、4バケット、5バケットまたは7バケットアルゴリズムのいずれかを適用することを特徴とする、請求項22に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。
【請求項24】
前記第5段階(ST51〜ST54)は、
前記第3段階の補正面位相2と前記第4段階の物体位相2を用いてバイアス大きさを求める第51段階(ST51)と、
前記第51段階で求めたバイアス大きさを用いて前記第2段階の物体位相1をアンバイアスする第52段階(ST52)と、
前記第52段階でアンバイアスされた物体位相1をアンラッピングする第53段階(ST53)と、
前記第53段階でアンラッピングされた物体位相1に対して、前記第1段階の補正面位相1を用いて前記測定対象物(240)の高さを算出する第54段階(ST54)と、
を含んでなることを特徴とする、請求項15〜23のいずれか1項に記載のモアレ縞発生器を適用した位相遷移映写式3次元形状測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−75104(P2009−75104A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−238258(P2008−238258)
【出願日】平成20年9月17日(2008.9.17)
【出願人】(507292782)エヌシービー ネットワークス カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】