説明

モータ制御装置,シートベルトリトラクタ用モータ制御装置及び電子制御スロットル用モータ制御装置

【課題】
大電流時にも電流制御でき、小型,低価格化の可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
一方向の回転負荷が逆方向の回転負荷より大きくなるように駆動されるブラシ付きモータを制御するためのモータ制御装置であって、複数のスイッチング素子が直列に接続されることにより構成される上下アームと、前記上下アームを2組並列に接続して2つの相を為し、かつ各相の上アームと下アームとの接続点に前記モータが電気的に接続されたH型ブリッジ回路部と、を備え、特定方向の電流経路に当たるスイッチング素子が、それ以外のスイッチング素子とは異なる電流容量の素子に設定されるモータ制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモータ制御装置に係り、特にシートベルトリトラクタ用モータ制御装置や電子制御スロットル用モータ制御装置に係る。
【背景技術】
【0002】
制御の精密化,エネルギー効率の向上,作動液の不要化などから様々な用途の動力源が電動化されている。ブラシ付直流モータを正転/逆転両方向へ駆動するためには半導体スイッチング素子を4つ使用したHブリッジが広く用いられている。また、特定の回転方向にのみ大きな駆動力(トルク)が必要な場合には、特開2001−97184号公報に記載されているように、リレーによってモータを電源に直結する方法が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−97184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術は、半導体スイッチング素子が小さな電流容量により駆動することができる通常動作時にのみ使用されるので、素子の電流容量を小さくすることができる。しかし、大電流時の電流制御,部品点数の削減についてさらに考慮が望まれる。従来技術では最大電流動作時にはリレーによりモータを電源に直結するため、電流値の制御が不可能である。最大電流動作時の電流は制御なしではモータの個体差,温度,電源電圧により左右される。また半導体スイッチング素子に加えてリレーが必要となるため、部品点数の増加に繋がる。
【0005】
そこで本発明は、大電流時にも電流制御でき、小型,低コスト化が可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では以下の手段を講じる。
【0007】
予め決まっている特定の方向に所定量の電流を流す用途において、該方向の電流経路に当たる半導体スイッチング素子を、それ以外の半導体スイッチング素子とは異なる電流容量の素子を使用する。
【0008】
以上により、大電流が流れる経路にはサイズの大きな半導体スッチング素子を用い、それ以外の経路は半導体サイズの小さなスイッチング素子とすることができ、駆動回路の小型化,低コスト化を図ることができる上、何れの方向についても電流値をPWM制御することができる。
【発明の効果】
【0009】
モータ制御の信頼性を維持しながら、モータ制御装置の小型化,低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図に従い本発明の実施形態について説明する。図1は本実施形態に係るシートベルトリトラクタ用モータ制御装置の基本的な回路構成及び制御対象を示した図である。
【0011】
半導体スイッチング素子Q1〜Q4は、モータMに流す電流の大きさ及び方向を制御するためのHブリッジを構成している。なお、半導体スイッチング素子Q1〜Q4にはバイポーラトランジスタのほかに、MOSFET,IGBTなどが使用される。モータMはスプール50を回転させ、シートベルトを構成するウエビングベルト19を巻き上げたり緩めたりする。
【0012】
ウエビングベルト19を巻き上げる時にモータM及び半導体スイッチング素子(Q1,Q4)には大電流が流れる。一方、ウエビングベルト19の巻き上げるための回転方向とは反対方向にモータMを回転させる時には、前述の巻き上げ時よりも小さい電流が流れる(半導体スイッチング素子Q2,Q4)。そこで、小さい電流が流れる電流経路に対応する半導体スイッチング素子Q2,Q4は、大きい電流が流れる電流経路に対応する半導体スイッチング素子Q1,Q4よりも小さい電流容量に設定する。
【0013】
なお、図1の実施例では巻き上げ時にはQ1をONとし、Q4を所定のデューティサイクル(デューティ比)でON/OFFさせるPWM(パルス幅変調)により電流値を制御する。また、電流を検出するためのシャント抵抗などは本実施形態には直接関係がないので簡単のために省略している。
【0014】
以上述べた構成により、部品を追加することなくQ2,Q4を小さなものにすることができ、低コスト化が図れる。また、何れの回転方向についても電流値をPWM制御することができる。
【0015】
図2は巻き上げ時の還流電流にあわせて、Q3の電流容量を、図1に示したQ3よりも大きくした実施例の説明図である。Q3がMOSFETなどのボディダイオードを有する半導体スイッチ素子である場合には、還流電流はQ3のボディダイオードに流す場合が多いが、この場合にはPN接合電位差に起因する0.7〜1V程度の電圧降下が生じ、電流×電圧降下に相当する損失、即ち発熱が生じる。そこでQ3のON抵抗が十分に低い場合には電流還流時にはQ3をONとすることにより電圧降下を下げ、発熱を低減させることができる。この場合も、半導体スイッチング素子のターンオン時間,ターンオフ時間から直列に接続された上下アームが同時にONとなる瞬間に流れる貫通電流を防ぐために、上下アームがOFFとなる期間(デッドタイム)を意図的に設ける。このデッドタイムの期間、還流電流はボディダイオードに流す。
【0016】
また、還流電流をQ3のボディダイオードに流す場合において、ボディダイオードの電流容量が不足する場合には、図3に示すようにQ3と並列にダイオードDを接続することも可能である。本実施例によれば、Q3の電流容量を大きくしなくとも巻き上げ時の還流電流を流すことが可能となる。
【0017】
以上、Q3に還流電流を流す場合の実施例を記したが、Q2に還流電流を流す場合においても同様に、Q2の電流容量を大きくするか、Q2に並列にダイオードDを接続すれば良い。
【0018】
図4は、各スイッチング素子の電流容量を決定するための電流とPWMデューティサイクル(デューティ比)ηの相関図である。
【0019】
ここで、IdrはPWMのON時に電源からモータに供給する電流の平均値で平均駆動電流である。IfwはPWMのOFF時に還流する電流の平均値、即ち平均還流電流である。ImはモータMに流れる電流の平均値、即ち平均モータ電流である。
【0020】
過渡状態を無視し、定常状態のみに着目して平均モータ電流はPWMのデューティサイクル(デューティ比)ηに比例すると仮定し、デューティサイクル(デューティ比)η=100%時の平均モータ電流をImaxとすると、
Im=η・Imax 数式1
∴η=Im/Imax 数式2
Idr,Ifwは和がImで、デューティサイクル(デューティ比)がそれぞれη、(1−η)であるから、数式2より、
Idr=η・Im
=Im2/Imax 数式3
Ifw=(1−η)・Im
=Im−Im2/Imax 数式4
となる。
【0021】
以上求められた値を、横軸にPWMのデューティサイクル(デューティ比)η、縦軸にImaxを100とした任意目盛(相対目盛)の電流値でグラフにプロットすると図4のようになる。半導体スイッチング素子の電圧降下がPN接合の電位差によるなど、電流に拠らず一定である場合の各半導体スイッチング素子の発熱はこれらの各電流値に代表される。例えば、各半導体スイッチング素子Q1〜Q4がバイポーラトランジスタである場合や、還流電流を各半導体スイッチング素子のボディダイオードに流す場合が相当する。
【0022】
この場合、もっとも平均電流が流れるスイッチング素子の平均電流Imに対して、平均還流電流IfwはImの30%未満である。
【0023】
図5は半導体スイッチング素子の電圧効果が電流に比例する場合の各電流による半導体スイッチング素子発熱を示した図である。例えば、各半導体スイッチング素子Q1〜Q4がMOSFETである場合が相当する。
【0024】
なお本検討では、ON抵抗は等しいと仮定して正規化してあり、設計に際してはこれらの値により適切なON抵抗ひいては半導体スイッチング素子の面積を選べばよい。
【0025】
qm,qdr,qfwはそれぞれIm,Idr,Ifwによる発熱である。ON抵抗は正規化して1Ωとすると、
qm=Im2 数式5
数式1より、
qdr=η・Im2
=Im3/Imax 数式6
qfw=(1−η)・Im2
=Im2−Im3/Imax 数式7
以上求められた値を、横軸にPWMのデューティサイクル(デューティ比)η、縦軸はImax2を100とした任意目盛(相対目盛)でグラフにプロットすると図5のようになる。
【0026】
この場合、もっとも平均電流が流れるスイッチング素子の平均発熱qmに対して、還流電流による平均発熱qfwはqmの20%未満である。
【0027】
図6は各動作モード時の各半導体スイッチング素子Q1〜Q4の動作と電流値の大小を示した図表である。「ON」は当該方向への駆動時には常時ON、「OFF」は常時OFF、「PWM」は所定のデューティサイクル(デューティ比)のON/OFFによるPWM駆動、「還流」はPWM駆動のOFF時の還流電流をながすことを表わしている。
【0028】
これらのうち、巻き上げ時のモードAと緩め時のモードbとの組み合わせは以下に示すように親和性がよく、同様に巻き上げ時のモードBと緩め時のモードaとの組み合わせが親和性が良い。
【0029】
巻き上げ時にモードA、緩め時にモードaの動作をする場合の各半導体スイッチング素子(Q1,Q2,Q3,Q4)での発熱を示したグラフを図7に、巻き上げ時にモードA、緩め時にモードaの動作をする場合を図8に示す。
【0030】
モードAの場合にはQ3に比較的大きな還流電流が流れるため、Q3をQ2よりも電流容量が大きなものとする必要がある。ここで緩め時にはモードaでは図7に示すようにQ2>Q4>Q3の順になるのに対して、モードbでは図8に示すようにQ3>Q1>Q2になる。つまり、モードAとモードaを組み合わせた場合には、図7に示すようにQ2(qmax2)とQ3(qmax3)の両方の電流容量を大きくしなければならないのに対して、モードAとモードbを組み合わせた場合には図8に示すようにQ3(qmax3)のみの電流容量を大きくすれば良く、Q2の電流容量は小さくとも良い。
【0031】
また、モータMのインピーダンスがあまりにも低いと、デューティサイクル(デューティ比)ηが小さい領域で巻き上げ時の大電流を流すことになるので、Q1,Q4とQ2,Q4の電流差、あるいは発熱差があまりないため本方式のメリットは抑えられてしまう。本発明のメリットを最大限に活かすためには、モータMのインピーダンスを大きくし、大電流を流す際にはなるべくデューティサイクル(デューティ比)ηが100%に近くなるようにモータMのマッチングをとることが好ましい。
【0032】
図9,図10はQ1〜Q4を駆動するためのドライバ61〜64,Q2,Q3を同一チップ60とし、Q1,Q4を別チップとした実施例である。大きな電流容量の必要なQ1,Q4を別チップとすることで、発熱の集中を避けられるだけでなく、縦構造のMOSFETとすることでより小さなチップ面積でON抵抗を下げることができる。また、電流容量の小さなQ2,Q3を同一チップ60とすることにより集積化による小型軽量化,低コスト化を図ることができる。さらに、巻き上げ時の還流電流により比較的大きな電流容量を要するQ3を含めた大中小の3種類の異なる電流容量を持つ半導体スイッチング素子を必要とする最適設計を図10に示すように同一チップ60内で所定の面積を持たせることにより扱う部品の品種の増加を招かずに容易に実現することができる。
【0033】
なお、ドライバ61〜64にはPWM信号を発生するための図示しないタイマや、上側アームの半導体スイッチング素子Q1,Q3を駆動するための電源電圧よりも高い電圧を生成する図示しないチャージポンプやブートストラップ回路なども含まれる。
【0034】
また、本実施形態を適用したHブリッジ回路では、誤動作により電流容量の小さなQ2,Q3を大きなデューティサイクル(デューティ比)でONさせると発熱による破壊を防止するために、例えばPWM信号を生成するタイマが一定以上のデューティサイクル(デューティ比)でONしないようにするなどの保護機構を設けると良い。
【0035】
図11は、本実施形態のモータ制御装置を適用した車両と、そこに搭載された衝突安全装置の結線図を示す。車両112には、障害物センサ102が車両前部に装備され、この障害物センサ102は、車両の前方向に存在する障害物との距離に応じた信号を出力し、この信号は、障害物センサ102と電気的に接続された衝突判断コントローラ106に伝達される。また、車両の車体に装備された車輪速度センサ104は、車両の速度に応じた信号を出力し、この信号は、車輪速度センサ104と電気的に接続された衝突判断コントローラ106に伝達される。
【0036】
衝突判断コントローラ106は、障害物センサ102と車輪速度センサ104信号に基づいて、車両112が障害物と衝突するか否かを判断する。障害物センサ102の出力信号から得られた障害物との距離が所定の値より短く、かつ、車輪速度センサ104の出力信号から得られた車両速度が所定の値より速い場合には、衝突判断コントローラ106は、車両12が障害物と衝突すると判断し、車両112が障害物と衝突する前に、ブレーキアシスト装置108とシートベルト駆動コントローラ110に指令信号を出力する。
【0037】
ブレーキアシスト装置108とシートベルト駆動コントローラ110は、衝突判断コントローラ106と電気的に接続されており、衝突判断コントローラ106の指令信号に基づいて、それぞれ予め定められた動作を実行する。シートベルト駆動コントローラ110は、リトラクタ103と電気的に接続されており、リトラクタ103への給電を制御する。
【0038】
図12は、本実施形態に係るモータ制御装置の制御対象であるシートベルトリトラクタの機構の概略図である。モータMの回転出力はギア40,41により減速,増力されスプール50を駆動し、ウエビングベルト19を巻き上げたり緩めたりする。電動化されたシートベルトは、走行状態によってウエビングベルト19の張力を変えたりして安全性と快適性の両立を図ることができる。また、衝突等の緊急時に張力を高めることにより乗員を保護するために極めて有用である。緊急時にウエビングベルト19の張力を高める場合は巻き上げ方向に通常より大きなトルクでモータMがスプール50を駆動するので、通常より大きな電流が流れる。前述したモータ駆動装置を、シートベルトリトラクタ用モータに適用すれば、装置全体の小型化,低価格化が図れる。
【0039】
図13は本発明を適用したシートベルト駆動コントローラ110と、リトラクタ機構10とを一体化した制御ユニット一体型シートベルト装置の斜視図を示したものである。リトラクタ機構10はプリテンショナ部15,ギア40,41(図12参照)から構成されるモータ動力伝達機構部16,リターンスプリング17,モータM,スプール50から構成される。シートベルト駆動コントローラ110は、信号線及び電源線を備えたハーネス21aと接続され、このハーネス21aの一端にはコネクタ23が接続されている。シートベルト駆動コントローラ110はネジ24等によりモータリトラクタ10に機械的に取り付けられている。
【0040】
本実施形態に係るモータ駆動装置は前述したように小型化されているため、コントローラ部とリトラクタ機構10を一体化するための設計の自由度を確保することができる。また一体型シートベルト装置全体の小型化にも寄与する。
【0041】
図14,図15は、シートベルト装置の車両への搭載例を示したものであり、図14は前席右側を、図15は前席左側を、それぞれ室内側からみた図である。
【0042】
車両の前席の左右のいずれの側においても、制御ユニット一体型シートベルト装置は、車両のセンターピラー100の下方にあるリトラクタ取り付け部101に、例えばボルトで固定されて、ウエビングベルト19が上方に引き出され、または下方に巻き取られるようになっている。シートベルト駆動コントローラ110(図14,図15では、モータリトラクタ10の裏側となる。)は、車両からの入力信号(前方の車両や障害物までの距離を検出する前方監視装置,ブレーキセンサ,衝突判断コントローラ,ウエビングのバックル装置等からの信号)により、予め記憶された駆動モードにより、モータを駆動してウエビングベルト19の巻き取りや巻き戻しを制御する機能を備える。
【0043】
本実施形態に係るモータ駆動装置を適用した一体型シートベルト装置は小型されているため、搭載スペースが小さいセンターピラー100にも設置することができ、軽自動車等の小型車にも一体型シートベルト装置が適用できるようになる。
【0044】
図17は図1に示したモータ駆動装置を電子制御スロットルに適用した実施形態を説明する図である。電子制御スロットルは図17に示すように、モータMの回転出力をギア40,41,42で減速あるいは増力して吸気管53内に設けられたスロットルバルブ51を駆動する。スロットルバルブ51の開度(角度)はスロットルポジションセンサ52により計測され、目標開度となるようにQ1〜Q4からなる駆動回路によって制御される。
【0045】
電子制御スロットル故障時にモータMの駆動を停止すると、所定のスロットル開度(デフォルトポジション)となるようにバネ機構(デフォルト機構)が備わっている。スロットル開度θとデフォルト機構によるトルクは図16に示すような関係にある。この図から、デフォルト機構によるトルクに打ち勝ってスロットルバルブを全開にするためには全閉時よりも大きなトルクをモータMが出さなければならない。したがって、開弁方向にモータを駆動するためには閉弁方向よりも大きな電流を流す必要がある。すなわち、閉弁方向にモータを駆動するための電流値は、開弁方向に比べて低くなる。
【0046】
そこで、閉弁方向にモータを駆動するための電流経路の半導体スイッチング素子であるQ2,Q3をQ1,Q4よりも小さく設定することにより駆動回路の小型化,低価格化が図れる。
【0047】
図18はPWMモードの実施例で、図6のPWM駆動モードABを交互に繰り返す実施例である。本実施例に拠れば図19に示すように、巻き上げ時の還流電流をQ2,Q3に交互に流すために、Q2,Q3をより電流容量の小さなもの(Q1,Q4の10%未満)とすることができ、更なる小型化,低価格化が図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本実施形態に係るシートベルトリトラクタ用モータ制御装置の基本的な回路構成及び制御対象を示した図である。
【図2】巻き上げ時の還流電流にあわせて、Q3の電流容量を、図1に示したQ3よりも大きくした実施例の説明図である。
【図3】他の実施形態に係るシートベルトリトラクタ用モータ制御装置の基本的な回路構成及び制御対象である。
【図4】各スイッチング素子の電流容量を決定するための電流とPWMデューティサイクル(デューティ比)ηの相関図である。
【図5】半導体スイッチング素子の電圧効果が電流に比例する場合の各電流による半導体スイッチング素子発熱を示した図である。
【図6】各動作モード時の各半導体スイッチング素子Q1〜Q4の動作と電流値の大小を示した図表である。
【図7】各半導体スイッチング素子の発熱を示す図である。
【図8】各半導体スイッチング素子の発熱を示す図である。
【図9】ドライバと半導体スイッチング素子の集積化を示す図である。
【図10】ドライバと半導体スイッチング素子の集積化を示す図である。
【図11】シートベルトリトラクタ装置を搭載した車両の外観斜視図である。
【図12】本実施形態に係るモータ制御装置の制御対象であるシートベルトリトラクタの機構の概略図である。
【図13】本発明を適用したシートベルト駆動コントローラ110と、リトラクタ機構10とを一体化した制御ユニット一体型シートベルト装置の斜視図を示したものである。
【図14】シートベルトリトラクタ装置の車両への搭載例を示した図である。
【図15】シートベルトリトラクタ装置の車両への搭載例を示した図である。
【図16】電子制御スロットルのデフォルトポジションの説明図である。
【図17】他の実施形態に係る電子制御スロットル用モータ制御装置の基本的な回路構成及び制御対象を示した図である。
【図18】PWM駆動モードの実施例を示す図である。
【図19】図18の実施例による各半導体スイッチング素子の発熱を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
M モータ
Q1〜Q4 半導体スイッチング素子
19 ウエビングベルト
40〜42 ギア
50 スプール
51 スロットルバルブ
52 スロットルポジションセンサ
53 吸気管
60 集積回路
61〜64 ドライバ
100 センターピラー
101 リトラクタ取り付け部
102 障害物センサ
103 リトラクタ
104 車輪速度センサ
106 衝突判断コントローラ
108 ブレーキアシスト装置
110 シートベルト駆動コントローラ
112 車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向の回転負荷が逆方向の回転負荷より大きくなるように駆動されるブラシ付きモータを制御するためのモータ制御装置であって、
複数のスイッチング素子が直列に接続されることにより構成される上下アームと、
前記上下アームを2組並列に接続して2つの相を為し、かつ各相の上アームと下アームとの接続点に前記モータが電気的に接続されたH型ブリッジ回路部と、を備え、
一方の相の上アーム及び他方の相の下アームに搭載された第1及び第2スイッチング素子は、その他のアームに搭載されたスイッチング素子よりも小さい定格電流に設定され、かつ該第1及び第2スイッチング素子には、前記モータの逆方向の回転を駆動するための電流が通電されるモータ制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のモータ制御装置であって、
前記H型ブリッジ回路部の搭載されたスイッチング素子を駆動するためのドライバ回路を搭載したドライバ回路基板を備え、
前記第1及び第2スイッチング素子は、前記ドライバ回路基板上に実装されるモータ制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載のモータ制御装置であって、
前記第1及び第2スイッチング素子と前記ドライバ回路は、同一のチップに実装されるモータ制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載のモータ制御装置であって、
前記第1及び第2スイッチング素子は、横型構造のFETであるモータ制御装置。
【請求項5】
請求項3に記載のモータ制御装置であって、
前記他方の相の上アームに搭載された第3スイッチング素子及び、前記一方の相の下アームに搭載された第4スイッチング素子は、縦型構造のFETであるモータ制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載のモータ制御装置であって、
前記第1スイッチング素子は、前記第2スイッチング素子よりも大きい定格電流に設定され、かつ前記他方の相の上アームに搭載された第3スイッチング素子及び前記一方の相の下アームに搭載された第4スイッチング素子よりも小さい定格電流に設定され、かつ前記第1スイッチング素子及び第3スイッチング素子には、前記モータの一方向の回転駆動時における還流電流が通電されるモータ制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載のモータ制御装置を用いたシートベルトリトラクタ用モータ制御装置であって、
前記モータはシートベルトリトラクタ用のモータであり、かつ前記一方向の回転負荷はシートベルトの巻上げによる負荷であるシートベルトリトラクタ用モータ制御装置。
【請求項8】
請求項3に記載のモータ制御装置を用いたシートベルトリトラクタ用モータ制御装置であって、
前記モータ制御装置は、
前記モータを内蔵したシートベルトリトラクタ機構の側部に機械的に接続するための固定手段
を備えたシートベルトリトラクタ用モータ制御装置。
【請求項9】
請求項1に記載のモータ制御装置を用いた電子制御スロットル用モータ制御装置であって、
前記モータは車両用電子制御スロットル用のモータであり、かつ前記一方向の回転負荷は、該スロットルバルブを開く方向に前記モータを回転させるための負荷である電子制御スロットル用モータ制御装置。
【請求項10】
請求項1に記載のモータ制御装置を用いた電子制御スロットル用モータ制御装置であって、
前記第1及び第2スイッチング素子がONされるデューティサイクルまたはデューティ比を所定値以下に制限する機能を有することを特徴とするモータ制御装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電子制御スロットル用モータ制御装置であって、
前記第1及び第2スイッチング素子を駆動するためのPWM信号を制御するタイマが前記所定値以上のデューティサイクル又はデューティ比でONしないことを特徴とする電子制御スロットル用モータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−28878(P2010−28878A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183341(P2008−183341)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】