説明

リニアモータ、移動体装置、露光装置、デバイス製造方法、及びフラットパネルディスプレイの製造方法

【課題】リニアモータの固定子と可動子との衝突を防止する。
【解決手段】Xボイスコイルモータ18xの固定子73に、ストッパブロック70を固定する。ストッパブロック70と可動子71のヨーク75との間のY軸方向に関するクリアランスは、コイルユニット78と磁石ユニット77とのY軸方向に関するクリアランスよりも狭く設定されている。従って、コイルユニット78と磁石ユニット77が接触するよりも前にストッパブロック70とヨーク75とが接触し、これによりコイルユニット78及び磁石ユニット77が保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアモータ、移動体装置、露光装置、デバイス製造方法、及びフラットパネルディスプレイの製造方法に関し、更に詳しくは、固定子と可動子との電磁相互作用により可動子を固定子に対して所定平面内の一軸方向に相対移動させるリニアモータ、該リニアモータにより駆動される移動体を備える移動体装置、該移動体装置を含む露光装置、該露光装置を用いたデバイス製造方法、及び該露光装置を用いたフラットパネルディスプレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶表示素子、半導体素子(集積回路等)等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「マスク」と総称する)と、ガラスプレート又はウエハ(以下、「基板」と総称する)とを所定の走査方向(スキャン方向)に沿って同期移動させつつ、マスクに形成されたパターンをエネルギビームを用いて基板上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
【0003】
この種の露光装置は、露光対象物である基板を保持する基板保持部材と、該基板保持部材を水平面に沿って所定のストロークで駆動するXYステージ装置とを含む基板ステージ装置を有している。また、基板ステージ装置としては、例えば露光動作の際、XYステージ装置が有する固定子と、上記基板保持部材が有する可動子とを含む複数のリニアモータ(ボイルコイルモータ)を用いて上記基板保持部材を水平面に沿って所定のストロークで誘導するとともに、上記XYステージ装置に対し6自由度方向に微少駆動するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、上記従来の基板ステージ装置において、リニアモータ(ボイスコイルモータ)を構成する固定子と可動子とは、互いに非接触状態で配置され、可動子と固定子との間に発生するローレンツ電磁力により基板保持部材に駆動力を作用させる。しかし、XYステージ装置と基板保持部材とが非接触状態であるため、例えばXYステージ装置が緊急停止した場合など、基板保持部材がその慣性によりXYステージ装置に対し相対移動してリニアモータの固定子と可動子が衝突するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0018950号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の事情の下でなされたもので、第1の観点からすると、所定の二次元平面内の一軸方向に駆動力を発生するリニアモータであって、第1電磁部材を含む固定子と;前記第1電磁部材に対して前記二次元平面に直交する方向に対向して配置された第2電磁部材を含み、前記第1及び第2電磁部材の電磁相互作用により前記固定子に対して前記一軸方向に移動する可動子と;前記固定子に設けられた第1当接部材と、前記可動子に設けられた第2当接部とを含み、前記二次元平面に平行で前記一軸方向に直交する方向に関して、前記第1電磁部材と前記第2電磁部材との間のクリアランスよりも前記第1当接部と前記第2当接部との間のクリアランスが狭く設定されたストッパ装置と;を備えるリニアモータである。
【0007】
これによれば、可動子は、第1及び第2電磁部材の電磁相互作用により、固定子に対して所定の二次元平面に平行な一軸方向に移動する。これに対し、可動子と固定子とが所定の二次元平面に平行でかつ一軸方向に直交する方向に相対移動した場合、第1電磁部材と第2電磁部材とが接触するよりも先に可動子部に設けられた第2当接部が固定子に設けられた第1当接部に当接する。従って、第1及び第2電磁部材を保護することができる。
【0008】
本発明は、第2の観点からすると、本発明のリニアモータと;前記可動子を有し、前記リニアモータにより少なくとも前記第1軸に平行な方向に駆動される移動体と;を備える移動体装置である。
【0009】
本発明は、第3の観点からすると、本発明の移動体装置と;前記移動体に保持された前記物体をエネルギビームを用いて露光することにより該物体に所定のパターンを形成するパターン形成装置と;を備える露光装置である。
【0010】
本発明は、第4の観点からすると、本発明の露光装置を用いて前記物体を露光することと;前記露光された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法である。
【0011】
本発明は、第5の観点からすると、本発明の露光装置を用いて前記物体を露光することと、前記露光された前記物体を現像することと;を含むフラットパネルディスプレイの製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る液晶露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】図2(A)は、図1の液晶露光装置が有する基板ステージの平面図であり、図2(B)は、図2(A)の2B−2B線断面図である。
【図3】図3(A)は、図2(A)の状態から微動ステージが+Y方向に移動した状態を示す平面図であり、図3(B)は、図3(A)の3B−3B線断面図である。
【図4】図4(A)は、第2の実施形態に係る基板ステージの側面図であり、図4(B)は、第3の実施形態に係る基板ステージの側面図である。
【図5】図5(A)は、第4の実施形態に係る基板ステージの平面図であり、図5(B)は、図5(A)の5B−5B線断面図である。
【図6】図6(A)は、図5(A)の状態から微動ステージが+Y方向に移動した状態を示す平面図であり、図6(B)は、図6(A)の6B−6B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態について、図1〜図3(B)に基づいて説明する。
【0014】
図1には、第1の実施形態に係る液晶露光装置10の概略構成が示されている。液晶露光装置10は、例えば液晶表示装置(フラットパネルディスプレイ)などに用いられる矩形(角型)のガラス基板P(以下、単に基板Pと称する)を露光対象物とするステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。
【0015】
液晶露光装置10は、照明系IOP、マスクMを保持するマスクステージMST、投影光学系PL、上記マスクステージMST及び投影光学系PLなどが搭載されたボディ30、基板Pを保持する基板ステージ装置PST、及びこれらの制御系等を含んでいる。以下においては、露光時にマスクMと基板Pとが投影光学系PLに対してそれぞれ相対走査される方向をX軸方向とし、水平面内でこれに直交する方向をY軸方向、X軸及びY軸に直交する方向をZ軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
【0016】
照明系IOPは、例えば米国特許第5,729,331号明細書などに開示される照明系と同様に構成されている。すなわち、照明系IOPは、図示しない光源(例えば、水銀ランプ)から射出された光を、それぞれ図示しない反射鏡、ダイクロイックミラー、シャッター、波長選択フィルタ、各種レンズなどを介して、露光用照明光(照明光)ILとしてマスクMに照射する。照明光ILとしては、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)などの光(あるいは、上記i線、g線、h線の合成光)が用いられる。また、照明光ILの波長は、波長選択フィルタにより、例えば要求される解像度に応じて適宜切り替えることが可能になっている。
【0017】
マスクステージMSTには、回路パターンなどがそのパターン面(図1における下面)に形成されたマスクMが、例えば真空吸着(あるいは静電吸着)により固定されている。マスクステージMSTは、後述するボディ30の一部である鏡筒定盤33の上面に固定されたマスクステージガイド35上に不図示のエアベアリングを介して非接触状態(浮上した状態)で搭載されている。マスクステージMSTは、例えばリニアモータを含むマスクステージ駆動系(不図示)により、マスクステージガイド35上で、走査方向(X軸方向)に所定のストロークで駆動されるとともに、Y軸方向、及びθz方向にそれぞれ適宜微少駆動される。マスクステージMSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、マスクステージMSTが有する不図示の反射面に測長ビームを照射するレーザ干渉計を含むマスク干渉計システム38により計測される。
【0018】
投影光学系PLは、マスクステージMSTの図1における下方において、ボディ30の一部である鏡筒定盤33に支持されている。投影光学系PLは、例えば米国特許第5,729,331号明細書に開示された投影光学系と同様に構成されている。すなわち、投影光学系PLは、レンズモジュールなどを含む光学系(鏡筒)を複数有し、その複数の光学系は、Y軸方向に沿って、いわゆる千鳥状に配列されている(マルチレンズ投影光学系とも称される)。複数の光学系それぞれとしては、例えば両側テレセントリックな等倍系で正立正像を形成するものが用いられている。前述の照明系IOPは、複数の光学系に対応した複数の照明光ILをそれぞれマスクMに照射するように構成されている。このため、マスクM上には、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照明領域が形成されるとともに、投影光学系PLの下方に配置された基板P上には、複数の光学系それぞれに対応して、千鳥状に配置された複数の照明光ILの照射領域が形成される。液晶露光装置10では、基板P上に形成される複数の照射領域が合成されることにより、千鳥状に配置された複数の光学系から成る投影光学系PLが、Y軸方向を長手方向とする単一の長方形状(帯状)のイメージフィールドを持つ投影光学系と同等に機能する。
【0019】
このため、照明系IOPからの照明光ILによってマスクM上の照明領域が照明されると、マスクMを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のマスクMの回路パターンの投影像(部分正立像)が、投影光学系PLの像面側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布された基板P上の照明領域に共役な照明光ILの照射領域(露光領域)に形成される。そして、マスクステージMSTと基板ステージ装置PSTとの同期駆動によって、照明領域(照明光IL)に対してマスクMを走査方向(X軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域(照明光IL)に対して基板Pを走査方向(X軸方向)に相対移動させることで、基板P上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にマスクMのパターンが転写される。すなわち、液晶露光装置10では、照明系IOP及び投影光学系PLによって基板P上にマスクMのパターンが生成され、照明光ILによる基板P上の感応層(レジスト層)の露光によって基板P上にそのパターンが形成される。
【0020】
ボディ30は、基板ステージ架台31、一対のサイドコラム32、及び鏡筒定盤33を有している。基板ステージ架台31は、Y軸方向に延びる部材から成り、X軸方向に所定間隔で、例えば2つ設けられている(図1では、2つの基板ステージ架台31は、紙面奥行き方向に重なっている)。2つの基板ステージ架台31それぞれは、Y軸方向の両端部が床面11上に設置された空気ばねを含む防振装置34に下方から支持されており、床面11に対して振動的に分離されている。一対のサイドコラム32は、X軸方向に延びる部材から成り、2つの基板ステージ架台31の+Y側の端部上、及び−Y側の端部上にそれぞれ架け渡された状態で搭載されている。鏡筒定盤33は、XY平面に平行な平板状の部材から成り、前述したように投影光学系PLを支持している。鏡筒定盤33は、一対のサイドコラム32によりY軸方向の両端部が下方から支持されている。従って、ボディ30、及びボディ30に支持された投影光学系PLなどは、床面11に対して振動的に分離されている。
【0021】
基板ステージ装置PSTは、定盤12、一対のベースフレーム14、及び基板ステージ20などを備えている。
【0022】
定盤12は、例えば石材により形成された平面視で(+Z側から見て)X軸方向を長手方向とする矩形の板状部材から成り、その上面は、平面度が非常に高く仕上げられている。定盤12は、2つの基板ステージ架台31上に架け渡された状態で搭載されている。
【0023】
一対のベースフレーム14は、一方が定盤12の+Y側に、他方が定盤12の−Y側に配置されている。ベースフレーム14は、X軸方向に延びる部材から成り、基板ステージ架台31に非接触状態(基板ステージ架台31を跨いだ状態)で床面11上に設置されている。
【0024】
ベースフレーム14の+Y側及び−Y側の側面、及び上端面には、それぞれX軸方向に平行に延びるXリニアガイド部材16が固定されている。また、ベースフレーム14の+Y側及び−Y側の側面には、X軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石を含む磁石ユニット15が固定されている。さらに、不図示ではあるが、ベースフレーム14の長手方向の両端部近傍には、それぞれショックアブソーバを含むストッパ装置が固定されている。ストッパ装置は、後述する基板ステージ20のX軸方向に関する移動可能範囲を機械的に規定する。
【0025】
基板ステージ20は、X粗動ステージ23X、X粗動ステージ23X上に搭載され、X粗動ステージ23Xと共にいわゆるガントリー式のXY二軸ステージ装置を構成するY粗動ステージ23Y、Y粗動ステージ23Yの+Z側(上方)に配置された微動ステージ50、及び定盤12上で微動ステージ50を下方から支持する重量キャンセル装置36などを有している。
【0026】
X粗動ステージ23Xは、X軸方向を長手方向とする平面視矩形の枠状部材から成り、その中央部にX軸方向を長手方向とする長孔状の開口部23Xaが形成されている。X粗動ステージ23Xの下面には、一対のXスライダ21が一対のベースフレーム14に対応する間隔で取り付けられている。Xスライダ21は、+X方向から見て断面逆U字状の部材から成り、その一対の対向面間にベースフレーム14が挿入されている。Xスライダ21の一対の対向面、及び天井面には、Xリニアガイド部材16にスライド可能に係合するスライダ19が固定されている。また、Xスライダ21の一対の対向面それぞれには、磁石ユニット15に対向するコイルを含むコイルユニット13が固定されている。磁石ユニット15とコイルユニット13とは、X粗動ステージ23XをX軸方向に駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式のXリニアモータを構成する。Xリニアモータは、X粗動ステージ23Xの位置情報を計測する不図示の計測系(例えば、リニアエンコーダシステム(あるいは光干渉計システム)を含む)の出力に基づいて不図示の主制御装置により制御される。
【0027】
また、X粗動ステージ23Xの上面には、Y軸方向に延びる複数のYリニアガイド部材28(図1では、複数のYリニアガイド部材28は、紙面奥行き方向に重なっている)、及びY軸方向に所定間隔で配列された複数の永久磁石から成る磁石ユニット(不図示)がそれぞれX軸方向に所定間隔で固定されている。また、X粗動ステージ23Xの上面であって、Yリニアガイド部材28の長手方向の両端部近傍には、それぞれショックアブソーバを含むストッパ装置17が固定されている。
【0028】
Y粗動ステージ23Yは、平面視ほぼ正方形の枠状部材から成り、その中央部に平面視ほぼ正方形の開口部23Yaが形成されている。Y粗動ステージ23Yの下面の、例えば四隅近傍には、Yリニアガイド部材28にスライド可能に係合するスライダ29が固定されている。また、Y粗動ステージ23Yの下面には、X粗動ステージ23Xの上面に固定された上記磁石ユニットに対向するコイルを含むコイルユニット(不図示)が固定されている。磁石ユニットとコイルユニットとは、Y粗動ステージ23YをX粗動ステージ23X上でY軸方向に駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式のYリニアモータを構成する。Yリニアモータは、Y粗動ステージ23Yの位置情報を計測する不図示の計測系(例えば、リニアエンコーダシステム(あるいは光干渉計システム)を含む)の出力に基づいて不図示の主制御装置により制御される。Y粗動ステージ23YのY軸方向に関する(X粗動ステージ23X上での)移動可能範囲は、ストッパ装置17により機械的に規定される。
【0029】
微動ステージ50は、平面視ほぼ正方形の高さの低い直方体状の部材から成るステージ本体51、及びステージ本体51の上面に固定された基板ホルダ53を含む。微動ステージ50は、複数のボイスコイルモータ(リニアモータ)を含む微動ステージ駆動系により、Y粗動ステージ23Yに対して6自由度方向(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、及びθz方向)に微少駆動される。また、微動ステージ50は、微動ステージ駆動系を介してY粗動ステージ23Yに同期駆動されることにより、Y粗動ステージ23Yと一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に所定のストロークで移動する。微動ステージ駆動系を構成する複数のボイスコイルモータについては後述する。
【0030】
ステージ本体51の−Y側の側面には、ミラーベース24Yを介してY軸に直交する反射面を有するY移動鏡(バーミラー)22Yが固定されている。また、図2(A)に示されるように、ステージ本体51の−X側の側面には、ミラーベース24Xを介してX軸に直交する反射面を有するX移動鏡(バーミラー)22Xが固定されている。ステージ本体51のXY平面内の位置情報は、Y移動鏡22Y及びX移動鏡22Xそれぞれに測長ビームを照射し、その反射光を受光するレーザ干渉計を含む基板干渉計システムによって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。基板干渉計システムは、図1に示されるように、Y移動鏡22Yに測長ビームを照射するYレーザ干渉計39Y、及びX移動鏡22X(図2(A)参照)に測長ビームを照射するXレーザ干渉計(不図示)を含む。基板干渉計システムの構成については、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
【0031】
基板ホルダ53は、例えば図示しない真空吸着装置(又は静電吸着装置)を有しており、その上面に基板Pを吸着保持する。
【0032】
重量キャンセル装置36は、Z軸方向に延びる一本の柱状の部材から成り(心柱とも称される)、レベリング装置52と称される装置を介して、微動ステージ50を下方から支持している。重量キャンセル装置36は、X粗動ステージ23Xの開口部内、及びY粗動ステージ23Yの開口部内に挿入されている。重量キャンセル装置36は、その下端に取り付けられた複数の気体静圧軸受、例えば3つのエアベアリング36aにより、定盤12上に所定のクリアランスを介して非接触(浮上)状態で支持されている。重量キャンセル装置36は、その内部に設けられた、例えば空気ばね(不図示)などが発生する上向き(+Z方向)の力で、その支持対象物、具体的には、微動ステージ50(及び基板P)、レベリング装置52などの重量(重力加速度による下向き(−Z方向)の力)を打ち消す(キャンセルする)。
【0033】
また、重量キャンセル装置36は、板ばね(あるいは、ばね性を有しない薄い鋼板)を含む図示しない複数の連結装置(フレクシャ装置とも称される)によりY粗動ステージ23Yに機械的に接続されている。これにより、重量キャンセル装置36は、Y粗動ステージ23Yと一体的にX軸及び/又はY軸方向に移動する。また、重量キャンセル装置36は、その上端に取り付けられた不図示のエアベアリングから噴出される気体の静圧により、レベリング装置52を下方から所定のクリアランスを介して非接触支持している。従って、微動ステージ50と重量キャンセル装置36とは、X軸、及びY軸方向に関して振動的に分離されている。レベリング装置52は、複数の気体静圧軸受を含み、微動ステージ50を水平面に対してチルト可能(XY平面に平行な軸線周りに微少角度回転可能)に下方から非接触支持している。重量キャンセル装置36、レベリング装置52、不図示の連結装置(フレクシャ装置)の具体的構成は、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
【0034】
次に、微動ステージ駆動系を構成する複数のボイスコイルモータについて説明する。図2(A)及び図2(B)に示されるように、ステージ本体51の+X側には、ステージ本体51をY粗動ステージ23Y上でX軸方向に微少駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式の複数(例えば2つ)のXボイスコイルモータ18xが、Y軸方向に並べて配置されている。2つのXボイスコイルモータ18xは、微動ステージ50の中心(重心)を通り、XZ平面に平行な平面に関して互いに対称な構成を有している点を除いて構成及び機能が同じである。したがって、以下、+Y側のXボイスコイルモータ18xについて説明する。なお、図2(A)及び図2(B)には、微動ステージ50がY粗動ステージ23Yに対してX軸、Y軸、及びZ軸方向それぞれに関する可動範囲の中立位置にある状態が示されている。また、図面の錯綜を避ける観点から、図2(A)では、基板ホルダ53、X粗動ステージ23Xなどの図示が省略されており、図2(B)では、重量キャンセル装置36、レベリング装置52、X粗動ステージ23Xなどの図示が省略されている。
【0035】
Xボイスコイルモータ18xは、図2(B)に示されるように、可動子部71と固定子部73とを含む。可動子部71は、磁性部材から成り、YZ断面が+Y側に開口したU字形状を有するヨーク75と、ヨーク75の一対の対向面それぞれに固定された一対の磁石ユニット77とを有する。ヨーク75は、ステージ本体51の+X端面から+X側に突き出したブラケット79に固定されている。一対の磁石ユニット77それぞれは、複数の永久磁石を含む。2つのXボイスコイルモータ18xそれぞれのヨーク75は、微少なクリアランスを介して近接して配置されている。
【0036】
固定子部73は、Y粗動ステージ23Yの上面に固定された柱状の支持部材74と、支持部材74に固定されたYZ断面がT字状の部材から成るコイルユニット78とを含む。図2(B)に示されるように、コイルユニット78は、XY平面に平行な部分であって、不図示の複数のコイルが収容されたコイル収容部78aと、コイル収容部78aの+Y側の端部が接続されたXZ平面に平行な部分である取付部78bとを含む。コイル収容部78aは、一対の磁石ユニット77間に挿入されており、取付部78bは、支持部材74に固定されている。コイルユニット78が有する不図示のコイルに供給される電流は、主制御装置(不図示)により制御される。
【0037】
ここで、図2(A)及び図2(B)に示される微動ステージ50のY粗動ステージ23Yに対する中立位置では、コイルユニット78のコイル収容部78aと、一対の磁石ユニット77それぞれとの間には、Z軸方向に関して、例えば3.5mm以上(例えば4mm程度)のクリアランスが形成されている。また、コイルユニット78の取付部78bと磁石ユニット77の+Y側の端部との間には、Y軸方向に関して、例えば3.5mm以上(例えば4mm程度)のクリアランスが形成されている。
【0038】
また、コイルユニット78の取付部78bの上端面部には、ストッパブロック70が固定されている。ストッパブロック70は、図2(A)及び図2(B)から分かるように、X軸方向に延びる平面視矩形の、例えば鋼板などの金属材料により形成された板状部材から成る。ストッパブロック70の鉛直方向に関する位置(以下、Z位置と称する)は、ヨーク75の上下一対の先端部(+Y側の端部)のうちの上側(+Z側)の先端部のZ位置と概ね同じに設定されている。これに対し、ストッパブロック70の−Y側の端部は、コイルユニット78の取付部78bの−Y側の端面よりも−Y側(可動子部71側)に突き出しており、ヨーク75の先端部との間のクリアランスは、例えば3.5mm程度に設定されている。なお、ストッパブロック70としては、金属製部材の代わりに、例えばゴム、ウレタン等から成る緩衝部材を用いても良い。
【0039】
基板ステージ20では、可動子部71が有する一対の磁石ユニット77間に形成される鉛直方向の磁界と、固定子部73が有するコイルに流れる電流との間の電磁相互作用(ローレンツ力)により、可動子部71が固定子部73に対してX軸方向に微少駆動される。なお、本実施形態では、2つのXボイスコイルモータ18xを用いて微動ステージ50を微少駆動する際のストロークは、例えば6m未満に設定されている。また、基板ステージ20では、2つのXボイスコイルモータ18xの駆動力(推力)を異ならせることにより、Y粗動ステージ23Yに対して微動ステージ50をθz方向にも微少駆動できる。この際、固定子部73と可動子部71とが、Y軸方向に所定のクリアランスを介して配置されているため、微動ステージ50をθz方向に微少駆動しても可動子部71と固定子部73との接触が防止される。
【0040】
また、2つのXボイスコイルモータ18xが発生する駆動力が微動ステージ50のZ軸方向に関する重心位置を含むXY平面内で微動ステージ50に作用するように固定子部73、及び可動子部71のZ位置が設定されている。従って、2つのXボイスコイルモータ18xを用いて微動ステージ50をX軸方向に駆動する際に、微動ステージ50にY軸周りのモーメント(ピッチングモーメント)が作用しない。従って、微動ステージ50の位置を高速・高精度で制御することができる。
【0041】
また、図2(A)に示されるように、微動ステージ50の+Y側には、微動ステージ50をY粗動ステージ23Y上でY軸方向に微少駆動するためのローレンツ電磁力駆動方式の複数(例えば2つ)のYボイスコイルモータ18yが、X軸方向に並べて配置されている。2つのYボイスコイルモータ18yは、微動ステージ50の中心(重心)を通り、YZ平面に平行な平面に関して互いに対称な構成を有している点を除いて構成及び機能が同じである。2つのYボイスコイルモータ18yの構成は、微動ステージ50の中心(重心)を通るZ軸に平行な軸線周りに+Z側から見て90°回転して配置されている点を除き、上述した2つのXボイスコイルモータ18xと実質的に同じである。本明細書では、説明の便宜上、2つのYボイスコイルモータ18yを構成する要素(可動子、固定子など)について、2つのXボイスコイルモータ18xと同じ符号を付してその説明を省略する。また、図面の錯綜を避ける観点から、図1では2つのYボイスコイルモータ18y、及び2つのXボイスコイルモータ18xの図示が省略されている。
【0042】
また、図1に示されるように、基板ステージ20は、微動ステージ50に鉛直方向の駆動力を作用させるZボイスコイルモータを複数有している。複数のZボイスコイルモータは、それぞれY粗動ステージ23Yに固定された固定子部と、微動ステージ50に固定された可動子部とを含む。複数のZボイスコイルモータは、例えば微動ステージ50の4隅部に対応する位置に配置されている。基板ステージ20では、例えば4つのZボイスコイルモータを同期制御することにより、微動ステージ50をY粗動ステージ23Y上でZ軸方向に微少駆動することができる。また、例えば4つのZボイスコイルモータの駆動力を異ならせることにより、微動ステージ50をY粗動ステージ23Y上で水平面に平行な軸線周り方向(θx方向、及びθy方向を含む)に微少駆動することができる。Zボイスコイルモータの構成については、例えば米国特許出願公開第2010/0018950号明細書に開示されている。
【0043】
図2(A)に戻り、基板ステージ装置PSTにおいて、不図示の主制御装置は、2つのYボイスコイルモータ18y、2つのXボイスコイルモータ18x、及び複数のZボイスコイルモータ18z(図1参照)を含む微動ステージ駆動系を用いて、微動ステージ50をY粗動ステージ23Yに対して6自由度方向(X軸、Y軸、Z軸、θx、θy、θzの各方向)に微少ストロークで駆動する。また、不図示の主制御装置は、微動ステージ駆動系を用いて微動ステージ50をY粗動ステージ23Y上でY粗動ステージ23Yと同期駆動(Y粗動ステージ23Yと同方向に同速度で駆動)することにより、Y粗動ステージ23Yと一体的にX軸方向、及び/又はY軸方向に所定のストロークで移動させる。
【0044】
また、図2(A)及び図2(B)に示されるように、基板ステージ20は、重心ストッパ装置60と称される装置を微動ステージ50の+Y側、及び+X側にそれぞれひとつづつ有している。2つの重心ストッパ装置60の構成は、微動ステージ50の中心(重心)を通るZ軸に平行な軸線周りに+Z側から見て90°回転して配置されている点を除き、実質的に同じであるので、以下微動ステージ50の+Y側に配置された重心ストッパ装置60について説明する。
【0045】
重心ストッパ装置60は、一対の支持部材74間に架設されたストッパブロック61、及びブラケット79の上面から上方に突き出した部材から成り、ストッパブロック61に形成された平面視矩形の開口部62に挿入されるストッパ63を含む。ストッパブロック61は、XY平面に平行な矩形の板状部材から成る。ストッパ63は、Z軸方向に延びる断面矩形の柱状部材から成る。ストッパ63の+Y側、及び−Y側の側面には、例えばウレタン(あるいはゴム)などの弾性部材により形成された緩衝部材64が取り付けられている。
【0046】
図2(A)及び図2(B)に示される微動ステージ50のY軸方向に関する中立位置では、ストッパ63と開口部62を規定する内壁面との間には、Y軸方向に関して(ストッパ63の+Y側、及び−Y側それぞれに)、例えば3mm程度のクリアランスが形成されている。従って、微動ステージ50は、図2(A)及び図2(B)に示される中立位置から、+Y方向、及び−Y方向にそれぞれ、例えば3mm程度のストロークでY粗動ステージ23Yに対して相対移動が可能となっている。また、ストッパ63と開口部62を規定する内壁面との間には、X軸方向に関して(ストッパ63の+X側、及び−X側に)、例えば3mm以上のクリアランスが形成されている。また、微動ステージ50の+X側に配置された重心ストッパ装置60でも、ストッパ63と開口部62を規定する内壁面との間には、X軸方向に関して例えば3mm程度のクリアランスが形成されており、微動ステージ50は、図2(A)及び図2(B)に示される中立位置から、+X方向、及び−X方向にそれぞれ、例えば3mm程度のストロークでY粗動ステージ23Yに対して相対移動が可能となっている。また、図2(B)に示されるように、ストッパブロック61の下面とブラケット79の上面との間には、微動ステージ50の水平面に傾斜する方向の移動(チルト動作)を阻害しないように、例えば3mm程度のクリアランスが形成されている。
【0047】
ここで、ストッパブロック61のZ位置は、微動ステージ50のZ軸方向に関する重心位置とほぼ一致しており、例えばストッパ63がストッパブロック61の開口部62を規定する内壁面に接触して微動ステージ50のY粗動ステージ23Yに対するX軸方向(又はY軸方向)への相対移動が制限される際、微動ステージ50には、駆動方向(X軸又はY軸方向)に水平面内で直交する軸線周りのモーメント(ピッチングモーメント)が作用しない。従って、Xボイスコイルモータ18x、Yボイスコイルモータ18yの可動子部71と固定子部73との接触を防止できる。
【0048】
上述のようにして構成された液晶露光装置10(図1参照)では、不図示の主制御装置の管理の下、不図示のマスクローダによって、マスクステージMST上へのマスクMのロード、及び不図示の基板ローダによって、基板ステージ装置PST上への基板Pのロードが行なわれる。その後、主制御装置により、不図示のアライメント検出系を用いてアライメント計測が実行され、アライメント計測の終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行なわれる。なお、この露光動作は従来から行われているステップ・アンド・スキャン方式と同様であるのでその詳細な説明は省略するものとする。
【0049】
上記露光動作時、アライメント動作時、基板交換動作時などにおいて、Y粗動ステージ23Yは、X粗動ステージ23Xと共にX軸方向に所定のストロークで駆動されるとともに、X粗動ステージ23X上でY軸方向に所定のストロークで駆動されることにより、XY平面内の所定範囲内を移動する。この際、微動ステージ50は、Xボイスコイルモータ18x、及びYボイスコイルモータ18yを含む微動ステージ駆動系を介してY粗動ステージ23Y上でY粗動ステージ23Yと同期駆動(Y粗動ステージ23Yと同方向に同速度で駆動)されることにより、Y粗動ステージ23Yと一体的にXY平面内の所定範囲内を移動する。
【0050】
上記露光動作時などにおいて、Y粗動ステージ23Yの移動可能範囲は、ストッパ装置17に衝突しない範囲となるように、電気的に(例えば、ソフトウエアなどにより)規定されている。X粗動ステージ23Xの移動可能範囲も、不図示のストッパ装置に衝突しない範囲となるように、電気的に規定されている。そして、なんらかのトラブルによりX粗動ステージ23X、又はY粗動ステージ23Y上が上記電気的に規定された移動可能範囲を超えて移動した場合には、X粗動ステージ23X、Y粗動ステージ23Yは、それぞれストッパ装置17(X粗動ステージ23X用のストッパ装置は不図示)に衝突し、その移動が機械的に制限される。
【0051】
以下、一例として、+Y方向に所定速度で移動するY粗動ステージ23Yの移動がストッパ装置17により機械的に制限される際の微動ステージ50の動作について、図3(A)及び図3(B)を用いて説明する。Y粗動ステージ23Yの移動が機械的に制限されると、Y粗動ステージ23Yに対して機械的に非接触状態である微動ステージ50は、慣性によりY粗動ステージ23Yに対して+Y方向に移動する(図3(A)及び図3(B)の矢印参照)。そして、重心ストッパ装置60のストッパブロック61に形成された開口部62を規定する開口端部にストッパ63が衝突することにより、微動ステージ50の慣性によるY粗動ステージ23Yに対するY軸方向への移動が機械的に制限される。この際の微動ステージ50のY粗動ステージ23Yに対する移動距離は、+Y方向に例えば3mm程度である。
【0052】
このとき、仮に重心ストッパ装置60のストッパブロック61とストッパ63の緩衝部材64とのクリアランスが予定されるクリアランス(例えば、3mm程度)よりも広くなっていた場合には、微動ステージ50がY粗動ステージ23Yに対してY軸方向に移動すると、図3(B)に示されるように、2つのXボイスコイルモータ18xのうちの+Y側のXボイスコイルモータ18xのヨーク75の先端部がストッパブロック70に接触する。従って、2つのXボイスコイルモータ18xが有するコイルユニット78と磁石ユニット77との接触が防止される。なお、微動ステージ50がY粗動ステージ23Yに対して−Y方向に移動した場合には、2つのXボイスコイルモータ18xのうちの−Y側のXボイスコイルモータ18xのヨーク75の先端部がストッパブロック70に接触するため、コイルユニット78と磁石ユニット77との接触が防止される。さらに、X軸方向に所定速度で移動するX粗動ステージ23Xが不図示のストッパ装置により機械的に停止された場合には、Y粗動ステージ23YのX軸方向への移動も機械的に制限されるため、微動ステージ50は、慣性によりY粗動ステージ23Yに対してX軸方向に移動する。この場合には、2つのYボイスコイルモータ18yのうちのいずれかのヨーク75の先端部がストッパブロック70に接触することにより、Yボイスコイルモータ18yが有するコイルユニット78と磁石ユニット77との接触が防止される。
【0053】
以上説明した本実施形態の基板ステージ20によると、仮に重心ストッパ装置60のストッパブロック61とストッパ63の緩衝部材64とのクリアランスが予定されるクリアランス(例えば、3mm程度)よりも広くなっていた場合に、X粗動ステージ23X、あるいはY粗動ステージ23Yが緊急停止してY粗動ステージ23Y上で微動ステージ50が慣性によりX軸方向、Y軸方向、あるいはθz方向に移動しても、Xボイスコイルモータ18x、及びYボイスコイルモータ18yそれぞれのコイルユニット78と磁石ユニット77との接触が防止され、Xボイスコイルモータ18x、及びYボイスコイルモータ18yの損傷を防止できる。また、重心ストッパ装置60のストッパブロック61とストッパ63とのクリアランスが正しく調整されている場合、ヨーク75とストッパブロック70とのクリアランス(例えば3.5mm程度)がストッパブロック61とストッパ63の緩衝部材64とのクリアランス(例えば3mm程度)よりも広く設定されているので、ストッパブロック70は、ストッパ装置60の機能を阻害しない(微動ステージ50の慣性による移動は、先にストッパ装置60により制限される)。
【0054】
なお、上記説明では、X粗動ステージ23X、あるいはY粗動ステージ23Yがそれぞれストッパ装置17(X粗動ステージ23X用のストッパ装置は不図示)に衝突し、その移動が機械的に制限される場合(ストロークエンドで停止する場合)を説明したが、これに限らず、例えば停電などによりX粗動ステージ23X、あるいはY粗動ステージ23Yが移動可能範囲の中間で停止した場合にも、微動ステージ50は、上記と同様に動作する。ただし、この場合、重心ストッパ装置60のストッパブロック61とストッパ63、あるいはXボイスコイルモータ18x(あるいはYボイスコイルモータ18y)のヨーク75とストッパブロック70とが当接しているので、微動ステージ50の慣性力によりY粗動ステージ23Yが微動ステージ50と一体にX軸方向(あるいはY軸方向)に移動する。従って、上記ストロークエンドでX粗動ステージ23X、あるいはY粗動ステージ23Yが急停止される場合に比べ、重心ストッパ装置60のストッパブロック61とストッパ63、あるいはXボイスコイルモータ18x(あるいはYボイスコイルモータ18y)のヨーク75とストッパブロック70とが接触する際の衝撃が緩和される。
【0055】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態に係る基板ステージについて図4(A)を用いて説明する。第2の実施形態の基板ステージ120は、Xボイスコイルモータ118x、及びYボイスコイルモータ118yの構成が異なる点を除き、上記第1の実施形態の基板ステージ20(図2(A)参照)と同じ構成を有しているため、以下、相違点についてのみ説明する。なお、上記第1の実施形態で説明した部材と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。また、上記第1の実施形態と同様に、2つのXボイスコイルモータ118xのうちの+Y側のXボイスコイルモータ118xの構成についてのみ説明する。
【0056】
Xボイスコイルモータ118xが有するヨーク75の上面には、ストッパ171が固定されている。ストッパ171は、YZ断面逆U字状の部材から成り、一対の対向面間にコイルユニット178に固定されたストッパブロック70が挿入されている。ストッパ171の一対の対向面のうちの+Y側の面と、ストッパブロック70の+Y側の面とのY軸方向に関するクリアランスは、例えば3.5mm程度に設定されている。また、ストッパ171の天井面とストッパブロック70の上面とのZ軸方向に関するクリアランスは、例えば3.5mm程度に設定されている。また、本第2の実施形態では、コイルユニット178は、YZ断面I字状(あるいはH字状)のものが用いられている。
【0057】
本第2の実施形態の基板ステージ120では、ストッパ171とストッパブロック70とのクリアランスを、ストッパブロック70の+Y側、及び−Y側の両方で容易に調整できるので、コイルユニット178がYZ断面I字状であっても確実にコイルユニット178と磁石ユニット77との衝突を防止できる。また、仮に重心ストッパ装置60のストッパブロック61とストッパ63の緩衝部材64とのクリアランスが予定されるクリアランスよりも広くなっていた場合に、微動ステージ50が−Z方向(あるいはθx、θy方向)に移動したとしても、コイルユニット178と磁石ユニット77との衝突を防止できる。
【0058】
《第3の実施形態》
次に、本発明の第3の実施形態に係る基板ステージ装置について図4(B)を用いて説明する。第3の実施形態の基板ステージ220は、Xボイスコイルモータ218x、及びYボイスコイルモータ218yの構成が異なる点を除き、上記第2の実施形態の基板ステージ120(図4(A)参照)と同じ構成を有しているため、以下、相違点についてのみ説明する。なお、上記第1及び第2の実施形態で説明した部材と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。また、上記第1及び第2の実施形態と同様に、2つのXボイスコイルモータ218xのうちの+Y側のXボイスコイルモータ218xの構成についてのみ説明する。
【0059】
Xボイスコイルモータ218xが有するヨーク75の下面には、YZ断面L字状の部材から成るストッパ271が固定されている。また、コイルユニット178の下面には、ストッパブロック270が固定されている。ストッパ271とストッパブロック270のZ軸方向に関するクリアランスは、例えば3.5mm程度に設定されている。これに対し、コイルユニット178と一対の磁石ユニット77それぞれとのZ軸方向に関するクリアランスは、例えば3.5mm以上(例えば4mm程度)に設定されている。従って、微動ステージ50がY粗動ステージ23Y上でZ軸方向(あるいはθx、θy方向)に移動した場合におけるコイルユニット178と磁石ユニット77との衝突を防止できる。
【0060】
《第4の実施形態》
次に、本発明の第4の実施形態に係る基板ステージ装置について図5(A)〜図6(B)を用いて説明する。第4の実施形態の基板ステージ320は、Xボイスコイルモータ318x、及びYボイスコイルモータ318yの構成が異なる点を除き、上記第2の実施形態の基板ステージ120(図4(A)参照)と同じ構成を有しているため、以下、相違点についてのみ説明する。なお、上記第1〜3の実施形態で説明した部材と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。また、上記第1〜3の実施形態と同様に、2つのXボイスコイルモータ318xのうちの+Y側のXボイスコイルモータ318xの構成についてのみ説明する。
【0061】
図5(A)及び図5(B)から分かるように、Xボイスコイルモータ318xでは、Y粗動ステージ23Yの上面に固定された一対のYリニアガイド部材91と、支持部材374の下端部にベース板99を介して固定され、Yリニアガイド部材91にスライド可能に係合する複数のスライダ92とを含むYリニアガイド装置90を介して支持部材374がY軸方向に所定のストロークで移動可能となっている。また、支持部材374の+Y側及び−Y側それぞれには、Y粗動ステージ23Yの上面に固定された支柱93と、コイルバネ94とを含む付勢装置95が配置されている。コイルバネ94は、一端が支柱93に接続され、他端が支持部材374に接続されている。コイルバネ94による付勢力は、基板ステージ20がXY平面に沿って移動するときの加減速により支持部材374が移動しない程度(微動ステージ50の重量、移動時の加速度の大きさににもよるが、例えば10〜100N程度)に設定されている。なお、コイルバネ94としては、圧縮コイルバネ、及び引っ張りコイルバネのいずれを用いても良い。支持部材374は、一対の付勢装置95を介して、そのY軸方向に関する移動可能範囲の中立位置に位置している。なお、Xボイスコイルモータ318xの磁石ユニット77,コイルユニット178,ストッパブロック70、ストッパ171の構成などは、上記第2の実施形態と同じである。
【0062】
また、本第4の実施形態では、図5(A)に示されるように、上記第1〜第3の実施形態における重心ストッパ装置60(図2(A)など参照)に替えて、微動ステージ50の+X側、−X側、+Y側、及び−Y側それぞれにショックアブソーバ41を含むストッパ装置40が配置されている。ショックアブソーバ41は、Y粗動ステージ23Yの上面に固定された柱状の支持部材42に取り付けられており、そのZ軸方向に関する位置は、微動ステージ50のZ軸方向に関する重心位置と概ね一致している。ショックアブソーバ41のストロークは、例えば5〜50mm程度に設定されている。微動ステージ50の+Y側に配置されたストッパ装置40は、2つのYボイスコイルモータ18yそれぞれのヨーク75の少なくとも一方に当接することにより、微動ステージ50の+Y方向への移動を機械的に制限する。また、微動ステージ50の+X側に配置されたストッパ装置40は、2つのXボイスコイルモータ18xそれぞれのヨーク75の少なくとも一方に当接することにより、微動ステージ50の+X方向への移動を機械的に制限する。微動ステージ50の−X側及び−Y側に配置されたストッパ装置40は、それぞれ微動ステージ50のステージ本体51に当接することにより、微動ステージ50の−X及び−Y方向それぞれへの移動を機械的に制限する。なお、図5(A)では、微動ステージ50の−X側にひとつ、微動ステージ50の−Y側に2つのストッパ装置40がそれぞれ配置されているが、ストッパ装置40の配置は、これに限られず、適宜変更が可能である。
【0063】
次に、一例として、+Y方向に所定速度で移動するY粗動ステージ23Yが急停止する際の微動ステージ50の動作について、図6(A)及び図6(B)を用いて説明する。Y粗動ステージ23Yが急停止すると、微動ステージ50が慣性によりY粗動ステージ23Yに対して+Y方向に移動する(図6(A)及び図6(B)の矢印参照)。これにより、Yボイスコイルモータ318yの一対のヨーク75が、対応するストッパ装置40(微動ステージ50の+Y側に配置されたストッパ装置40)のショックアブソーバ41に当接する。また、これとほぼ同時に、+Y側のボイスコイルモータ318のヨーク75とストッパブロック70とが当接し、−Y側のXボイスコイルモータ318xのストッパブロック70とストッパ171とが当接する。
【0064】
ここで、ショックアブソーバ41は、微動ステージ50との衝突時のエネルギを熱エネルギに変換することで微動ステージ50に対する衝撃を吸収するため、微動ステージ50は、ショックアブソーバ41に当接後も微少量+Y方向に移動する。そして、この微動ステージ50に連動してヨーク75,あるいはストッパ171及びストッパブロック70を介してヨーク75に押圧された支持部材374がコイルバネ94の付勢力に抗して+Y方向に移動する。
【0065】
以上説明した第4の実施形態に係る基板ステージ320では、微動ステージ50がショックアブソーバ41に当接した後、支持部材374が微動ステージ50と同じ方向に移動することにより、微動ステージ50がその重心線上で受ける衝撃を緩和することができ、なおかつ狭いクリアランスを対して対向するボイスコイルモータ318x、318yのコイルユニット178と磁石ユニット77とを、ストッパ171とストッパブロック70とによって保護することができる。また、支持部材374の移動方向の両側に付勢装置95を配置したので、支持部材374(すなわちコイルユニット178)を容易(自動的に)に中立位置に復帰させることができる。
【0066】
なお、上記第1〜第4の実施形態に係る液晶露光装置、基板ステージ装置、ボイスコイルモータなどの構成は、一例であって、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、上記第1〜第4の実施形態のXボイスコイルモータ18x〜318x、Yボイスコイルモータ18y〜318yは、それぞれムービングマグネット式であったが、これに限らずムービングコイル式であっても良い。
【0067】
また、上記第1〜第4の実施形態のXボイスコイルモータ18x〜318x、Yボイスコイルモータ18y〜318yは、それぞれ磁束の向きがZ軸に平行となるように配置されていたが、これに限らず磁束の向きは水平面に平行でも良く、あるいは水平面に傾斜していても良い。
【0068】
また、ステージ装置は、重心ストッパ装置60(図2(A)など参照)、あるいはストッパ装置40(図5(A)など参照)を必ずしも有していなくても良い。この場合であっても、ヨーク75とストッパブロック70とが予め接触することにより、コイルユニット78と磁石ユニット77との接触を防止できる。
【0069】
また、本発明の移動体装置は、上記第1〜第4の実施形態のようにXY平面内の所定範囲内でX軸方向、及びY軸方向に駆動されるものに限らず、所定の二次元平面に平行な一軸方向にのみ移動可能なものであっても良い。
【0070】
また、照明光は、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。また、照明光としては、例えばDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、固体レーザ(波長:355nm、266nm)などを使用しても良い。
【0071】
また、上記第1〜第4の実施形態では、投影光学系PLが、複数本の光学系を備えたマルチレンズ方式の投影光学系である場合について説明したが、投影光学系の本数はこれに限らず、1本以上あれば良い。また、マルチレンズ方式の投影光学系に限らず、オフナー型の大型ミラーを用いた投影光学系などであっても良い。
【0072】
また、上記第1〜第4の実施形態では投影光学系PLとして、投影倍率が等倍系のものを用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系は拡大系及び縮小系のいずれでも良い。
【0073】
また、上記第1〜第4の実施形態においては、光透過性のマスク基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて、透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスク(可変成形マスク)、例えば、非発光型画像表示素子(空間光変調器とも呼ばれる)の一種であるDMD(Digital Micro-mirror Device)を用いる可変成形マスクを用いても良い。
【0074】
また、露光装置の用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば半導体製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスク又はレチクルを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
【0075】
なお、露光対象となる物体はガラスプレートに限られるものでなく、例えばウエハ、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど、他の物体でも良い。また、露光対象物がフラットパネルディスプレイ用の基板である場合、その基板の厚さは特に限定されず、例えばフィルム状(可撓性を有するシート状の部材)のものも含まれる。なお、本発明に係る露光装置は、外径が500mm以上の基板が露光対象物である場合に特に有効である。
【0076】
液晶表示素子(あるいは半導体素子)などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたマスク(あるいはレチクル)を製作するステップ、ガラス基板(あるいはウエハ)を製作するステップ、上述した各実施形態の露光装置、及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをガラス基板に転写するリソグラフィステップ、露光されたガラス基板を現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ガラス基板上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上説明したように、本発明のリニアモータは、固定子と可動子との電磁相互作用により可動子を固定子に対して所定平面内の一軸方向に相対移動させるのに適している。また、本発明の移動体装置は、リニアモータを用いて移動体を所定平面内の一軸方向に駆動するのに適している。本発明の露光装置は、物体に高精度でパターンを形成するのに適している。本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。本発明のフラットパネルディスプレイの製造方法は、フラットパネルディスプレイの生産に適している。
【符号の説明】
【0078】
10…液晶露光装置、18x…Xボイスコイルモータ、18y…Yボイスコイルモータ、20…基板ステージ、23X…X粗動ステージ、23Y…Y粗動ステージ、50…微動ステージ、60…重心ストッパ装置、70…ストッパブロック、71…可動子部、73…固定子部、75…ヨーク、77…磁石ユニット、78…コイルユニット、P…基板、PST…基板ステージ装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の二次元平面内の一軸方向に駆動力を発生するリニアモータであって、
第1電磁部材を含む固定子と;
前記第1電磁部材に対して前記二次元平面に直交する方向に対向して配置された第2電磁部材を含み、前記第1及び第2電磁部材の電磁相互作用により前記固定子に対して前記一軸方向に移動する可動子と;
前記固定子に設けられた第1当接部材と、前記可動子に設けられた第2当接部とを含み、前記二次元平面に平行で前記一軸方向に直交する方向に関して、前記第1電磁部材と前記第2電磁部材との間のクリアランスよりも前記第1当接部と前記第2当接部との間のクリアランスが狭く設定されたストッパ装置と;を備えるリニアモータ。
【請求項2】
前記第2当接部は、前記二次元平面に平行で前記一軸方向に直交する方向に関する一側及び他側で前記第1当接部に対向する一対の対向面を有る請求項1に記載のリニアモータ。
【請求項3】
前記二次元平面に直交する方向に関して、前記第1当接部と前記第2当接部との間のクリアランスは、前記第1電磁部材と前記第2電磁部材との間のクリアランスよりも狭く設定される請求項1又は2に記載のリニアモータ。
【請求項4】
前記固定子を前記二次元平面に平行で前記一軸方向に直交する前記方向に所定のストロークで移動可能に支持する支持装置を更に備え、
前記固定子は、前記ストッパ装置を介して前記可動子に押圧されることにより前記一軸方向に直交する前記方向に移動する請求項1に記載のリニアモータ。
【請求項5】
前記支持装置は、前記支持装置を前記二次元平面に平行で前記一軸方向に直交する方向に関する移動可能範囲の中立位置に位置させる付勢装置を含む請求項3に記載のリニアモータ。
【請求項6】
前記第1及び第2電磁部材は、一方がコイルを含むコイルユニットであり、他方が磁石を含む磁石ユニットであり、前記コイル及び前記磁石相互間に発生するローレンツ電磁力により前記可動子を前記固定子に対して移動させる請求項1〜5のいずれか一項に記載のリニアモータ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のリニアモータと;
前記可動子を有し、前記リニアモータにより少なくとも前記一軸方向に平行な方向に駆動される移動体と;を備える移動体装置。
【請求項8】
第1のリニアモータと、第2のリニアモータと、前記第1及び第2のリニアモータにより駆動される移動体と;を含む移動体装置であって、
前記第1のリニアモータは、前記一軸方向が前記所定の二次元平面内の第1軸に平行な方向である請求項1〜6のいずれか一項に記載のリニアモータであり、
前記第2のリニアモータは、前記一軸方向が前記所定の二次元平面内で前記第1軸に直交する第2軸に平行な方向である請求項1〜6のいずれか一項に記載のリニアモータであり、
前記移動体は、前記第1及び第2のリニアモータにより前記所定の二次元平面に平行な平面に沿って駆動される移動体装置。
【請求項9】
前記移動体に物体が保持される請求項7又は8に記載の移動体装置と;
前記移動体に保持された前記物体をエネルギビームを用いて露光することにより該物体に所定のパターンを形成するパターン形成装置と;を備える露光装置。
【請求項10】
請求項9に記載の露光装置を用いて前記物体を露光することと;
前記露光された前記物体を現像することと;を含むデバイス製造方法。
【請求項11】
前記物体は、フラットパネルディスプレイ装置に用いられる基板である請求項9に記載の露光装置。
【請求項12】
前記基板は、少なくとも一辺の長さが500mm以上である請求項11に記載の露光装置。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の露光装置を用いて前記物体を露光することと;
前記露光された前記物体を現像することと;を含むフラットパネルディスプレイの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−244608(P2011−244608A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114988(P2010−114988)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】