説明

レジスト組成物及びパターン形成方法

【課題】この樹脂をレジスト組成物に用いることにより、優れたCD均一性を有するパターンを得ることを目的とする。
【解決手段】樹脂、式(1)及び式(2)で表される酸発生剤を含むレジスト組成物。


[式(1)及び(2)中、Q〜Qはそれぞれ独立にF又はC1-6ペルフルオロアルキル基;X及びXは、単結合又は2価のC1-17飽和炭化水素基;Yはアルキル基で置換されていてもよいC3−36飽和環状炭化水素基;Yは、少なくとも1つのHがヒドロキシ基又はC1−6ヒドロキシアルキル基で置換されているC3−36飽和環状炭化水素基、C3−36ラクトン/C3−36環状ケトン/C3−36スルトン骨格を有する環状基;P〜Pは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいC3−36芳香族炭化水素基/C1−6脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト組成物及びパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ技術を用いた半導体の微細加工に用いられるレジスト組成物は、露光により酸を発生する塩及び樹脂を含有してなる。
特許文献1には、樹脂として下記の構造単位を含む樹脂

と、酸発生剤として下記の2種の塩

と、塩基性化合物として2,6−ジイソプロピルアニリンとを含むレジスト組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−165218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレジスト組成物では、得られるパターンのCD均一性(CDU)が必ずしも満足できない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明[1]〜[9]を含む。
[1]樹脂、式(1)で表される酸発生剤及び式(2)で表される酸発生剤を含むレジスト組成物。

[式(1)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1-6ペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は2価のC1-17飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、アルキル基で置換されていてもよいC3−36飽和環状炭化水素基を表す。
〜Pは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいC3−36芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよいC1−6脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。]

[式(2)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1-6ペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は2価のC1-17飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基又はC1−6ヒドロキシアルキル基で置換されているC3−36飽和環状炭化水素基、C3−36ラクトン骨格を有する環状基、C3−36環状ケトン骨格を有する環状基あるいはC3−36スルトン骨格を有する環状基を表す。
〜Pは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいC3−36芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよいC1−6脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。]
[2]Yが式(Y−1)、式(Y−2)又は式(Y−3)で表される基である[1]記載のレジスト組成物。

[式(Y−1)、式(Y−2)及び式(Y−3)中、*はXとの結合手を表す。式(Y−1)、式(Y−2)又は式(Y−3)で表される基に含まれる水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。]
[3]Yが式(Y−1)、式(Y−2)、式(Y−3)、式(Y−4)又は式(Y−5)で表される基である[1]又は[2]記載のフォトレジスト組成物。

[式(Y−1)、式(Y−2)、式(Y−3)、式(Y−4)及び式(Y−5)中、*はXとの結合手を表す。式(Y−1)、式(Y−2)、式(Y−3)、式(Y−4)又は式(Y−5)で表される基に含まれる水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。]
[4]P〜Pが、フェニル基である[1]〜[3]のいずれか記載のレジスト組成物。
[5]式(1)で表される酸発生剤及び式(2)で表される酸発生剤の含有量の質量比が10:90〜70:30である[1]〜[4]のいずれか記載のフォトレジスト組成物。
[6]樹脂が、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用した該樹脂はアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂である[1]〜[5]のいずれか記載のレジスト組成物。
[7]さらに、塩基性化合物を含有する[1]〜[6]のいずれか記載のレジスト組成物。
[8](1)上記記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。
[9]露光が液浸露光用液体を介して行う液浸露光である[8]記載のパターン形成方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明のレジスト組成物によれば、優れたCD均一性を有するパターンを得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明のレジスト組成物は、樹脂(以下「樹脂(A)」という場合がある)と、式(1)で表される酸発生剤(以下「酸発生剤(1)」という場合がある)と、式(2)で表される酸発生剤(以下「酸発生剤(2)」という場合がある)とを含む。
【0008】
<樹脂(A)>
樹脂(A)は、酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂である。酸の作用によりアルカリ可溶となる樹脂は、酸に不安定な基を有するモノマーを重合することによって製造することができ、酸の作用によりアルカリ可溶となる。「酸の作用によりアルカリ可溶となる」とは、「酸との接触前ではアルカリ水溶液に不溶又は難溶であるが、酸との接触後にはアルカリ水溶液に可溶となる」ことを意味する。酸に不安定な基を有するモノマーは、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0009】
<酸に不安定な基を有するモノマー>
「酸に不安定な基」とは、酸と接触すると脱離基が開裂して、親水性基(例えば、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。酸に不安定な基としては、例えば、−O−が3級炭素原子(但し、橋かけ環状炭化水素基の橋頭炭素原子を除く)と結合した式(a)で表されるアルコキシカルボニル基(即ち3級アルコール残基を有するエステル結合)が挙げられる。以下、式(a)で表される基を「酸に不安定な基(a)」という場合がある。
【0010】

式(a)において、R1〜R3は、それぞれ独立に、脂肪族炭化水素基又は飽和環状炭化水素基を表すか、R1及びR2は互いに結合して環を形成していてもよい。*は結合手を表す。
ここで、R1及びR2が互いに結合して形成する環としては、飽和環状炭化水素基等が挙げられる。
【0011】
脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、1−メチルエチル基(イソプロピル基)、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、2,2−ジメチルエチル基、プロピル基、1−メチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、ブチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−プロピルブチル基、ペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、ヘプチル基、1−メチルヘプチル基、オクチル基、メチルオクチル基、メチルノニル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基等が挙げられる。
飽和環状炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、例えば、シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等)やシクロアルケニル基(例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基)などの単環式の飽和環状炭化水素基;縮合芳香族炭化水素基を水素化して得られる基(例えば、ヒドロナフチル基)、橋かけ環状炭化水素基(例えば、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、メチルノルボルニル基)などが挙げられる。橋かけ環状炭化水素基は、その内部に不飽和結合を有していてもよい(例えば、ノルボルネンイル基など)。さらに下記のような、橋かけ環(例えばノルボルナン環)と単環(例えばシクロヘプタン環やシクロヘキサン環)又は多環(例えば、デカヒドロナフタレン環)とが縮合した基又は橋かけ環同士が縮合した基;これらが組み合わせられた基等が挙げられる。
【0012】

芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、p−メチルフェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、p−アダマンチルフェニル基;トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−メチル−6−エチルフェニル等のアリール基等が挙げられる。
本明細書では、特に断りのない限り、炭素数を適宜選択しながら、各置換基の例示は、同様の置換基を有するいずれの化学構造式においても適用される。直鎖状、分岐状又は環状をとることができるものは、そのいずれをも含み、かつそれらが混在していてもよい。各置換基は、結合部位によって一価又は二価以上の置換基となり得る。立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含する。
また、「(メタ)アクリル系モノマー」とは、「CH2=CH−CO−」又は「CH2=C(CH3)−CO−」の構造を有するモノマーの少なくとも1種を意味する。同様に「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリル酸」とは、それぞれ「アクリレート及びメタクリレートの少なくとも1種」及び「アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも1種」を意味する。
【0013】
式(a)では、R〜Rにおいて、脂肪族炭化水素基及び飽和環状炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよい。また、脂肪族炭化水素基及び飽和環状炭化水素基の−CH−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
〜Rは、好ましくはC1−20の基であり、より好ましくは、C1−12の基である。
【0014】
酸に不安定な基(a)としては、例えば1,1−ジアルキルアルコキシカルボニル基(式(a)中、R1〜R3がアルキル基であるもの、好ましくはtert−ブトキシカルボニル基)、2−アルキル−2−アダマンチルオキシカルボニル基(式(a)中、R1、R2及び炭素原子がアダマンチル基を形成し、R3がアルキル基であるもの)、及び1−(1−アダマンチル)−1−アルキルアルコキシカルボニル基(式(a)中、R1及びR2がアルキル基であり、R3がアダマンチル基であるもの)などが挙げられる。
【0015】
酸に不安定な基を有するモノマーは、好ましくは、酸に不安定な基(a)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマー、より好ましくは酸に不安定な基(a)を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
【0016】
酸に不安定な基(a)を有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、C5-20飽和環状炭化水素基を有するものが好ましい。飽和環状炭化水素基のような嵩高い構造を有するモノマーを重合して得られる樹脂を使用すれば、レジストの解像度を向上させることができる。
【0017】
酸に不安定な基(a)と飽和環状炭化水素基とを有する(メタ)アクリル系モノマーの中でも、式(a−1)で表されるアダマンチル基を有するモノマー又は式(a−2)で表されるシクロへキシル基を有するモノマーが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0018】

【0019】
式(a−1)及び式(a−2)中、
Mは、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k−CO−O−を表し、kは1〜7の整数を表す。ただし、Mで列挙した−O−等は、それぞれ、左側で式(a−1)及び式(a−2)の−CO−と結合し、右側でアダマンチル基又はシクロへキシル基と結合することを意味する。
4は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
は、それぞれ独立に、C1-8脂肪族炭化水素基又はC3-10飽和環状炭化水素基を表し、sは0〜14の整数を表し、tは0〜10の整数を表す。
【0020】
Mは、好ましくは、−O−又は−O−(CH2f−CO−O−であり(前記fは、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
は、好ましくはメチル基である。
の脂肪族炭化水素基は、好ましくはC以下である。飽和環状炭化水素基は、好ましくはC以下、より好ましくはC以下である。
sは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。tは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0021】
アダマンチル基を有するモノマー(a−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。これらの中でも、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、及び2−イソプロピル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
【0022】

【0023】

【0024】

【0025】

【0026】

【0027】

【0028】

【0029】

【0030】

【0031】
シクロへキシル基を有するモノマー(a−2)としては、例えば、以下のものが挙げられる。これらの中でも1−エチル−1−シクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、1−エチル−1−シクロヘキシルメタクリレートがより好ましい。
【0032】

【0033】
樹脂(A)における式(a−1)又は式(a−2)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
【0034】
酸に不安定な基(a)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーとしては、例えば、式(a−3)で表されるノルボルネン環を有するモノマーが挙げられる。ノルボルネン環を有するモノマー(a−3)に由来する構造単位を有する樹脂は、嵩高い構造を有するので、レジストの解像度を向上させることができる。また、樹脂の主鎖に剛直なノルボルナン環が導入されているため、レジストのドライエッチング耐性を向上させることができる。
【0035】

【0036】
式(a−3)中、Rは、水素原子、置換基(例えば、ヒドロキシ基)を有していてもよいC1-3脂肪族炭化水素基、カルボキシ基、シアノ基又はアルコキシカルボニル基(−COOR)を表す。Rは、C1-8脂肪族炭化水素基又はC3-8飽和環状炭化水素基を表し、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基で置換されていてもよく、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の−CH−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
〜Rは、それぞれ独立に、C1-12脂肪族炭化水素基又はC3-12飽和環状炭化水素基を表すか、R及びRは互いに結合して環を形成していてもよい。前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の水素原子はヒドロキシ基等で置換されていてもよく、前記脂肪族炭化水素基及び前記飽和環状炭化水素基の−CH−は−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
【0037】
の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
aとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基、又は2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
【0038】
〜Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、シクロへキシル基、メチルシクロへキシル基、ヒドロキシシクロへキシル基、オキソシクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
、R及びこれらが結合する炭素が形成する飽和環状炭化水素基としては、シクロへキシル基、アダマンチル基などが挙げられる。
【0039】
ノルボルネン環を有するモノマー(a−3)としては、例えば、5−ノルボルネン−2−カルボン酸−tert−ブチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−シクロヘキシル−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチルシクロヘキシル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−メチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−エチル−2−アダマンチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−メチルシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−1−メチルエチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−メチル−1−(4−オキソシクロヘキシル)エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルなどが挙げられる。
【0040】
樹脂(A)における式(a−3)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
【0041】
酸に不安定な基(a)と炭素−炭素二重結合とを有するモノマーとしては、式(a−4)で表されるモノマーが挙げられる。

[式(a−4)中、R10は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1-6アルキル基を表す。
11は、それぞれ独立に、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
hは0〜4の整数を表す。hが2以上の整数である場合、複数のR11は同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。
12及びR13はそれぞれ独立に、水素原子又はC1-12炭化水素基を表す。
は、単結合又は置換基を有していてもよいC1-17飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる−CH−は−CO−、−O−、−S−、−SO−又は−N(R)−で置き換わっていてもよい。Rは、水素原子又はC1-6脂肪族炭化水素基を表す。
は、C1-12脂肪族炭化水素基、C3-18飽和環状炭化水素基又はC6-18芳香族炭化水素基であり、該脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。]
【0042】
ここで、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
ハロゲン原子を有してもよいアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルクロロメチル基、ペルブロモメチル基、ペルヨードメチル基などが挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、n−ヘキトキシ基等が挙げられる。
アシル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル等が挙げられる。
アシルオキシ基としては、例えば、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ等が挙げられる。
炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基で例示したものと同様のもの並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
飽和炭化水素基としては、脂肪族炭化水素、飽和環状炭化水素基で例示したものと同様のもの並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0043】
式(a−4)では、R10及びR11におけるアルキル基は、C1-4アルキル基が好ましく、C1-2アルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
11におけるアルコキシ基としては、C1-4アルコキシ基が好ましく、C1-2アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
及びYの基に置換されていてもよい基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基等が挙げられる。なかでも、好ましくはヒドロキシ基である。
【0044】
モノマー(a−4)としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。


【0045】

【0046】

【0047】

【0048】

【0049】

【0050】

【0051】
樹脂(A)における式(a−4)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常10〜95モル%であり、好ましくは15〜90モル%であり、より好ましくは20〜85モル%である。
【0052】
樹脂(A)は、好ましくは、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と、酸に不安定な基を有さないモノマー(以下「酸安定モノマー」という場合がある)との共重合体である。酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
樹脂(A)が酸に不安定な基を有するモノマー(a1)と酸安定モノマーとの共重合体である場合、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)に由来する構造単位は、全構造単位100モル%に対して、好ましくは10〜80モル%、より好ましくは20〜60モル%である。またアダマンチル基を有するモノマー(特に酸に不安定な基を有するモノマー(a1−1))に由来する構造単位を、酸に不安定な基を有するモノマー(a1)100モル%に対して15モル%以上とすることが好ましい。アダマンチル基を有するモノマーの比率が増えると、レジストのドライエッチング耐性が向上する。
【0053】
酸安定モノマーとしては、ヒドロキシ基(b)又はラクトン環(c)を有するものが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー又はラクトン環を含有する酸安定モノマーに由来する構造単位を有する樹脂を使用すれば、レジストの解像度及び基板への密着性を向上させることができる。
【0054】
<ヒドロキシ基(b)を有する酸安定モノマー>
レジスト組成物をKrFエキシマレーザ露光(248nm)、電子線又はEUV光などの高エネルギー線露光に用いる場合、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーとして、ヒドロキシスチレン類であるフェノール性ヒドロキシ基を有する酸安定モノマー(b−1)を使用することが好ましい。短波長のArFエキシマレーザ露光(193nm)などを用いる場合は、ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーとして、式(b−2)で表されるヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーを使用することが好ましい。ヒドロキシ基を有する酸安定モノマーは、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0055】
フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマーとして、式(b−1)で表されるp−又はm−ヒドロキシスチレンなどのスチレン系モノマーが挙げられる。

[式(b−1)中、
14は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよいC1-6アルキル基を表す。
15は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C2-4アシル基、C2-4アシルオキシ基、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。
bは0〜4の整数を表す。bが2以上の整数である場合、複数のR15は同一の種類の基であっても異なる種類の基であってもよい。]
【0056】
14におけるアルキル基としては、C1-4アルキル基が好ましく、C1-2アルキル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、アルコキシ基としては、C1-4アルコキシ基が好ましく、C1-2アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
【0057】
このようなフェノール性ヒドロキシ基を有するモノマー(b−1)に由来する構造単位を有する共重合樹脂を得る場合は、該当する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとアセトキシスチレン及びスチレンをラジカル重合した後、酸によって脱アセチルすることによって得ることができる。
フェノール性ヒドロキシ基を有するモノマー(b−1)としては、例えば、以下のモノマーが挙げられる。
【0058】

【0059】

【0060】

【0061】

【0062】
以上のモノマーのうち、4−ヒドロキシスチレン又は4−ヒドロキシ−α−メチルスチレンが特に好ましい。
【0063】
樹脂(A)における式(b−1)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常5〜90モル%であり、好ましくは10〜85モル%であり、より好ましくは15〜80モル%である。
【0064】
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーとしては、式(b−2)で表されるモノマーが挙げられる。
【0065】

式(b−2)中、Mは、−O−又は−O−(CH2k−CO−O−を表し、kは1〜7の整数を表す。
16は、水素原子又はメチル基を表す。
17及びR18は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
cは、0〜10の整数を表す。
【0066】
は、好ましくは、−O−、−O−(CH2f−CO−O−であり(前記fは、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。
16は、好ましくはメチル基である。
17は、好ましくは水素原子である。
18は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
cは、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは0又は1である。
【0067】
ヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマーとしては、例えば、以下のものが挙げられる。これらの中でも、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸1−(3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルオキシカルボニル)メチルが好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレートがより好ましく、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレート及び3,5−ジヒドロキシ−1−アダマンチルメタクリレートがさらに好ましい。
【0068】

【0069】

【0070】

【0071】

【0072】
樹脂(A)における式(b−2)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常3〜40モル%であり、好ましくは5〜35モル%であり、より好ましくは5〜30モル%である。
【0073】
<ラクトン環(c)を有する酸安定モノマー>
酸安定モノマーが有するラクトン環(c)は、例えば、β−プロピオラクトン環、γ−ブチロラクトン環、δ−バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環との縮合環でもよい。これらラクトン環の中で、γ−ブチロラクトン環及びγ−ブチロラクトン環と他の環との縮合環が好ましい。
【0074】
ラクトン環を有する酸安定モノマーは、例えば、式(c−1)、式(c−2)又は式(c−3)で表される。これらの1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0075】

【0076】
式(c−1)〜式(c−3)中、
は、それぞれ独立に、−O−又は−O−(CH2k−CO−O−を表し、kは1〜7の整数を表す。
19は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
20は、C1-4脂肪族炭化水素基を表し、
dは0〜5の整数を表す。
21及びR22は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又はC1-4脂肪族炭化水素基を表し、e及びgは、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。
d、e又はgが2以上のとき、それぞれ、複数のR20、R21又はR22は、互いに同一でも異なってもよい。
【0077】
は、それぞれ独立に、−O−、−O−(CH2−CO−O−であることが好ましく(前記fは、1〜4の整数である)、より好ましくは−O−である。但し、Mで列挙した−O−等は、それぞれ、左側で式(c−1)〜式(c−3)の−CO−と結合し、右側でラクトン環と結合することを意味する。
19は、好ましくはメチル基である。
20は、好ましくはメチル基である。
21及びR22は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
d、e及びgは、それぞれ独立に、好ましくは0〜2、より好ましくは0又は1である。
【0078】
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(c−1)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0079】

【0080】

【0081】

【0082】
γ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(c−1)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば、以下のものが挙げられる。
【0083】

【0084】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(c−2)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0085】

【0086】

【0087】

【0088】

【0089】

【0090】

【0091】

【0092】
γ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(c−2)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば、以下のものが挙げられる。
【0093】

【0094】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有する酸安定モノマー(c−3)としては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0095】

【0096】

【0097】

【0098】

【0099】
γ−ブチロラクトン環とシクロヘキサン環との縮合環を有するモノマー(c−3)として、酸不安定モノマーを例示することも可能である。例えば、以下のものが挙げられる。
【0100】

【0101】
ラクトン環を有する酸安定モノマーの中でも、(メタ)アクリル酸(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロ−2−オキソ−3−フリル、(メタ)アクリル酸2−(5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−2−イルオキシ)−2−オキソエチルが好ましく、メタクリレート形態のものがより好ましい。
【0102】
樹脂(A)における式(c−1)、式(c−2)又は式(c−3)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常5〜50モル%であり、好ましくは10〜45モル%であり、より好ましくは15〜40モル%である。
【0103】
<その他の酸安定モノマー>
その他の酸安定モノマーとしては、例えば、式(d−1)で表される無水マレイン酸、式(d−2)で表される無水イタコン酸又は式(d−3)で表されるノルボルネン環を有する酸安定モノマーなどが挙げられる。
【0104】

【0105】
式(d−3)中、R23及びR24は、それぞれ独立に、水素原子、置換基(例えば、ヒドロキシ基)を有していてもよいC1-3脂肪族炭化水素基、シアノ基、カルボキシ基又はアルコキシカルボニル基(−COOR25)を表すか、R23及びR24は互いに結合して−CO−O−CO−を形成し、R25は、C1-36脂肪族炭化水素基又はC3-36飽和環状炭化水素基を表し、脂肪族炭化水素基及び飽和環状炭化水素基の−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。但し−COOR25が酸不安定基となるものは除く(即ちR25は、3級炭素原子が−O−と結合するものを含まない)。
【0106】
23及びR24の置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
25の脂肪族炭化水素基は、好ましくはC1−8、より好ましくはC1−6であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくはC4−36、より好ましくはC4−12である。R25としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、2−オキソ−オキソラン−3−イル基、2−オキソ−オキソラン−4−イル基などが挙げられる。
【0107】
ノルボルネン環を有する酸安定モノマー(d−3)としては、例えば、2−ノルボルネン、2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシ−1−エチル、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物などが挙げられる。
【0108】
樹脂における式(d−1)、式(d−2)又は式(d−3)で表されるモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、樹脂の全単位において、通常2〜40モル%であり、好ましくは3〜30モル%であり、より好ましくは5〜20モル%である。
【0109】
好ましい樹脂(A)は、少なくとも、酸に不安定な基(a)を有するモノマー、ヒドロキシ基(b)を有する酸安定モノマー及び/又はラクトン環(c)を有する酸安定モノマーを重合させた共重合体である。この好ましい共重合体において、酸に不安定な基を有するモノマーは、より好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a−1)及びシクロへキシル基を有するモノマー(a−2)の少なくとも1種(さらに好ましくはアダマンチル基を有するモノマー(a−1))であり、ヒドロキシ基(b)を有する酸安定モノマーは、好ましくはヒドロキシアダマンチル基を有する酸安定モノマー(b−2)であり、ラクトン環(c)を有する酸安定モノマーは、より好ましくはγ−ブチロラクトン環を有する酸安定モノマー(c−1)及びγ−ブチロラクトン環とノルボルナン環との縮合環を有する酸安定モノマー(c−2)の少なくとも1種である。
樹脂(A)は、公知の重合法(例えば、ラジカル重合法)によって製造することができる。
【0110】
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは、2,500以上(より好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,000以下)である。
【0111】
樹脂(A)の含有量は、組成物の固形分中80質量%以上であることが好ましい。なお本明細書において「組成物中の固形分」とは、溶剤を除いた組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分及びこれに対する樹脂(A)の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
【0112】
<酸発生剤(1)>

[式(1)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1-6ペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は2価のC1-17飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、アルキル基が置換されていてもよいC3−36飽和環状炭化水素基を表す。
〜Pは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいC3−36芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよいC1−6脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。]
【0113】
ペルフルオロアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
2価の飽和炭化水素基として、直鎖状アルキレン、分岐状アルキレン、単環式又は多環式の飽和環状炭化水素基等が挙げられる。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、2−プロピリデン基等の直鎖状アルキレン基;
直鎖状アルキレン基に、アルキル基(特に、C1-4アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,2−プロピレン基、1−メチル−1,4−ブチレン基、2−メチル−1,4−ブチレン基等の分岐状アルキレン基;
1,3−シクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,5−シクロオクチレン基等のシクロアルキレン基である単環式の飽和環状炭化水素基;
1,4−ノルボルニレン基、2,5−ノルボルニレン基、1,5−アダマンチレン基、2,6−アダマンチレン基等の多環式の飽和環状炭化水素基等が挙げられる。
また、これらの基の2種以上を組み合わせたものでもよい。さらに、上述した1価の飽和環状炭化水素における任意の1つの水素原子を結合手として2価基としたものであってもよい。
芳香族炭化水素基及び脂肪族炭化水素基は、上述したものと同様のものが挙げられる。
【0114】
式(1)においては、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくは、ペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
1に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わったものとしては、例えば、式(X−1)〜式(X−6)が挙げられる。式(X−1)〜式(X−6)は、その左右を式(1)に合わせて記載しており、左側でC(Q1)(Q2)−と結合し、右側で−Y1と結合する。式(X−1)〜式(X−6)の具体例も同様である。
【0115】

これらの式において、L2は、単結合又はC1-15アルキレン基を表す。
は、単結合又はC1-12アルキレン基を表す。
は、C1-13アルキレン基を表す。但し、L及びLの炭素数上限は13以下である。
は、C1-15アルキレン基を表す。
及びLは、それぞれ独立に、C1-15アルキレン基を表す。但し、L及びLの炭素数上限は16以下である。
は、C1-14アルキレン基を表す。
及びL10は、それぞれ独立に、C1-11アルキレン基を表す。但し、L及びL10の炭素数上限は12以下である。
なかでも、好ましくは式(X−1)〜式(X−4)のいずれか、より好ましくは式(X−1)又は式(X−2)が挙げられる。特に、式(X−1)で表される2価の基が好ましく、Lが単結合、−CH−である式(X−1)で表される2価の基がより好ましい。
【0116】
式(X−1)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0117】
式(X−2)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0118】
式(X−3)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0119】
式(X−4)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0120】
式(X−5)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0121】
式(X−6)で表される2価の基としては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0122】
における飽和環状炭化水素基としては、例えば式(Y−1)〜式(Y−11)で表される基が挙げられる。
【0123】

における飽和環状炭化水素基としては、C1−12、好ましくはC1−6アルキル基が挙げられる。
【0124】
〜Pにおける置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C3-36飽和環状炭化水素基、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基等が挙げられる。
〜Pのうちの2つが結合して形成する環としては、環状炭化水素基が挙げられる。
ここで、環状炭化水素基としては、飽和、不飽和、単環、多環のいずれであってもよい。不飽和環状炭化水素基としては、芳香族炭化水素基等が挙げられる。
〜Pとしては、好ましくは、置換基(例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基又はC1-6アルコキシ基)を有していてもよいフェニル基であり、より好ましくはフェニル基である。
【0125】
酸発生剤(1)のアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。
式(X−1)で表される2価の基を含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0126】

【0127】

【0128】

【0129】
式(X−2)で表される2価の基を含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0130】

【0131】

【0132】

【0133】

【0134】

【0135】
式(X−3)で表される2価の基を含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0136】

【0137】
式(X−4)で表される2価の基を含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0138】

【0139】
上述のもののなかでも、式(X−1)で表される2価の基を有するアニオンが好ましい。
酸発生剤(1)におけるアニオンは、当該分野で公知の方法、例えば、特開2007−145824号公報等に準じて製造することができる。
【0140】
酸発生剤(1)のカチオンとしては、下記のカチオンが挙げられる。

【0141】

【0142】

酸発生剤(1)におけるカチオンは、当該分野で公知の方法、例えば、特開2006−257078号公報等の記載に準じて製造することができる。
【0143】
酸発生剤(1)は、上述のアニオン及びカチオンを任意に組み合わせることができる。例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0144】

【0145】

【0146】

【0147】
<酸発生剤(2)>

[式(2)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1-6ペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は2価のC1-17飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基又はC1−6ヒドロキシアルキル基で置換されているC3−36飽和環状炭化水素基、C3−36ラクトン骨格を有する環状基、C3−36環状ケトン骨格を有する環状基あるいはC3−36スルトン骨格を有する環状基を表す。
〜Pは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいC3−36芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよいC1−6脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。]
【0148】
式(2)の酸発生剤は、式(2)中の置換基Y以外は、実質的に同様の置換基及びカチオンが例示される。
としては、例えば式(Y−1)〜式(Y−19)で表される基が挙げられる。
【0149】

【0150】
酸発生剤(2)のアニオンとしては、下記のアニオンが挙げられる。
【0151】
少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基又はC1−6ヒドロキシアルキル基で置換されているC3−36飽和環状炭化水素基と式(X−1)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0152】

【0153】

【0154】

【0155】

【0156】
3−36ラクトン骨格を有する環状基と式(X−1)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0157】

【0158】

【0159】
3−36環状ケトン骨格を有する環状基と式(X−1)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0160】

【0161】
3−36スルトン骨格を有する環状基と式(X−1)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。

【0162】
少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基又はC1−6ヒドロキシアルキル基で置換されているC3−36飽和環状炭化水素基と式(X−2)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0163】

【0164】

【0165】
3−36ラクトン骨格を有する環状基と式(X−2)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0166】

【0167】
3−36環状ケトン骨格を有する環状基と式(X−2)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0168】

【0169】
ヒドロキシ基又はC1−6ヒドロキシアルキル基で置換されているC3−36飽和環状炭化水素基と式(X−3)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0170】

【0171】
3−36環状ケトン骨格を有する環状基と式(X−3)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0172】

【0173】
ヒドロキシ基又はC1−6ヒドロキシアルキル基で置換されているC3−36飽和環状炭化水素基と式(X−4)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0174】

【0175】
3−36環状ケトン骨格を有する環状基と式(X−4)で表される2価の基とを含むアニオンとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
【0176】

【0177】
上述のもののなかでも、式(X−1)で表される2価の基を有するスルホン酸アニオンが好ましい。
酸発生剤(2)におけるアニオンは、当該分野で公知の方法、例えば、特開2008−56668号公報等に準じて製造することができる。
【0178】
酸発生剤(2)は、上述のアニオン及びカチオンを任意に組み合わせることができる。例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0179】

【0180】

【0181】

【0182】

【0183】

【0184】

【0185】
酸発生剤(1)及び酸発生剤(2)は、これらの含有量の質量比が、10:90〜70:30となるように併用することが好ましい。
【0186】
<塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、さらに、塩基性化合物(C)を含有していてもよい。塩基性化合物(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜1質量%程度であることが好ましい。
【0187】
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物(例えば、アミン)である。アミンは、脂肪族アミンでも、芳香族アミンでもよい。脂肪族アミンは、1級アミン、2級アミン及び3級アミンのいずれも使用できる。芳香族アミンは、アニリンのような芳香族環にアミノ基が結合したもの、ピリジンのような複素芳香族アミンのいずれでもよい。好ましい塩基性化合物(C)として、式(C2)で表される芳香族アミン、特に式(C2−1)で表されるアニリンが挙げられる。
【0188】

式(C2)及び式(C2−1)中、
Arは、芳香族炭化水素基を表す。
及びTは、それぞれ独立に、水素原子、脂肪族炭化水素基(好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基)、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す。但し前記脂肪族炭化水素基、前記飽和環状炭化水素基又は前記芳香族炭化水素基の水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基又はC1-6アルコキシ基で置換されていてもよく、前記アミノ基は、C1-4アルキル基で置換されていてもよい。前記脂肪族炭化水素基は、好ましくはC1−6程度であり、前記飽和環状炭化水素基は、好ましくはC5−10程度であり、前記芳香族炭化水素基は、好ましくはC6−10程度である。
は、脂肪族炭化水素基(好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基)、アルコキシ基、飽和環状炭化水素基、芳香族炭化水素基を表す。但し脂肪族炭化水素基、アルコキシ基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基の水素原子は、上記と同様の置換基を有していてもよい。
oは0〜3の整数を表す。oが2以上のとき、複数のTは、互いに同一でも異なってもよい。Tの脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基及び芳香族炭化水素基の好ましい炭素数は、上記と同じであり、Tのアルコキシ基は、好ましくはC1−6程度である。
【0189】
芳香族アミン(C2)としては、例えば、1−ナフチルアミン及び2−ナフチルアミンなどが挙げられる。
アニリン(C2−1)としては、例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。これらの中でもジイソプロピルアニリン(特に、2,6−ジイソプロピルアニリン)が好ましい。
【0190】
また、塩基性化合物(C)としては、式(C3)〜式(C11)で表される化合物が挙げられる。
【0191】

【0192】
式(C3)〜式(C11)中、
、T、T及びoは、上記と同じ意味である。
は、脂肪族炭化水素基、飽和環状炭化水素基又はアルカノイル基を表す。脂肪族炭化水素基は、好ましくはC1−6程度であり、飽和環状炭化水素基は、好ましくはC3−6程度であり、アルカノイル基は、好ましくはC2−6程度である。
uは0〜8の整数を示す。o又はuが2以上の整数であるとき、複数のT又はTは、それぞれ互いに同一でも異なってもよい。
Aは、それぞれ独立に、2価の脂肪族炭化水素基(好ましくはアルキレン基)、−CO−、−C(=NH)−、−C(=NR36)−、−S−、−S−S−又はこれらの組合せを表す。2価の脂肪族炭化水素基は、好ましくはC2−6程度である。R36は、C1-4アルキル基を表す。
ここで、アルカノイル基としては、例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、ヘプチルカルボニル基等が挙げられる。
【0193】
化合物(C3)としては、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミンエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられる。
【0194】
化合物(C4)としては、例えば、ピペラジンなどが挙げられる。
化合物(C5)としては、例えば、モルホリンなどが挙げられる。
化合物(C6)としては、例えば、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
化合物(C7)としては、例えば、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
化合物(C8)としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
化合物(C9)としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
化合物(C10)としては、例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミンなどが挙げられる。
化合物(C11)としては、例えば、ビピリジンなどが挙げられる。
【0195】
<溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、溶剤(E)を、組成物中90質量%以上の量で含有していてもよい。溶剤(E)を含有する本発明のレジスト組成物は、薄膜レジストを製造するために適している。溶剤(E)の含有量は、組成物中90質量%以上(好ましくは92質量%以上、より好ましくは94質量%以上)、99.9質量%以下(好ましくは99質量%以下)である。溶剤(E)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
【0196】
溶剤(E)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;などを挙げることができる。溶剤(E)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0197】
<その他の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある)>
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料、その他の公知の酸発生剤などを利用できる。
【0198】
<レジストパターンの製造方法>
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)上述した本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含む。
【0199】
レジスト組成物の基体上への塗布は、スピンコーターなど、通常、用いられる装置によって行うことができる。
【0200】
溶剤の除去は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させることにより行われるか、あるいは減圧装置を用いて行われ、溶剤が除去された組成物層が形成される。この場合の温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
【0201】
得られた組成物層は、露光機を用いて露光する。この際、液浸露光機を用いてもよい。通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2レーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの等、種々のものを用いることができる。
【0202】
露光後の組成物層は、脱保護基反応を促進するための加熱処理が行われる。加熱温度としては、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。
ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスすることが好ましい。また、基板及びパターン上に残った水を除去することが好ましい。
【0203】
<用途>
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、EB用のレジスト組成物又はEUV露光機用のレジスト組成物として好適である。
【実施例】
【0204】
以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。
実施例及び比較例中、含有量及び使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ポリスチレンを標準品として、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(東ソー株式会社製HLC−8120GPC型、カラムは”TSKgel Multipore HXL−M”3本、溶媒はテトラヒドロフラン)により求めた値である。
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
【0205】
以下のモノマーを用いて、樹脂を合成した。

【0206】
合成例1:樹脂(A1)の合成
モノマー(a1−1−1)、モノマー(a1−2−1)、モノマー(a2−1−1)、モノマー(a2−1−2)及びモノマー(a3−2−1)を、モル比50:10:11:5:24の割合で仕込み、次いで、モノマーの合計質量に対して1.2質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)をモノマーの合計モル数に対して、それぞれ、3モル%及び9モル%の割合で添加し、これを75℃で約5時間加熱した。その後、反応液を大量のメタノール及び水の混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行うことによって精製し、Mwが約3.7×103である共重合体を収率60%で得た。
得られた共重合体は、各モノマーに由来する構造単位を有するものであり、これを樹脂(A1)とした。
【0207】
合成例2:樹脂(A2)の合成
モノマー(a1−1−2)、モノマー(a2−1−1)及びモノマー(a3−1−1)を、モル比50:25:25の割合で仕込み、次いで、モノマーの合計質量に対して1.5質量倍のジオキサンを加えた。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)をモノマーの合計モル数に対して、それぞれ1モル%及び3モル%の割合で添加し、これを77℃で約5時間加熱した。その後、反応液を、大量のメタノール及び水の混合溶媒(4:1)に注いで沈殿させる操作を3回行なうことによって精製し、Mwが約8.0×103の共重合体を収率60%で得た。
得られた共重合体は、各モノマーに由来する構造単位を有するものであり、これを樹脂(A2)とした。
【0208】
合成例3:酸発生剤(B1−1)の合成
(1)ジフルオロ(フルオロスルホニル)酢酸メチルエステル100部、イオン交換水250部に、氷浴下、30%水酸化ナトリウム水溶液230部を滴下した。100℃で2.5時間還流し、冷却後、濃塩酸88部で中和した。得られた溶液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩を158.4部得た(無機塩含有、純度65.1%)。
(2)ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩50.0部(純度65.1%)、シクロヘキシルメタノール18.76部、ジクロロエタン377部を仕込み、p−トルエンスルホン酸31.26部を加え、6時間加熱還流した。その後、濃縮してジクロロエタンを留去した後、n−ヘプタン200部添加し、リパルプ後、濾過した。残渣にアセトニトリル200部添加撹拌後ろ過し、濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸−1−シクロヘキシルメチルエステルナトリウム塩を39.03部得た。

(3)上記(2)で得られたジフルオロスルホ酢酸−1−シクロヘキシルメチルエステルナトリウム塩39.03部を仕込み、イオン交換水195.2部に溶解させた。この溶液に、トリフェニルスルホニウムクロライド39.64部、イオン交換水196.4部溶液を添加し、アセトニトリル500部添加した。15時間撹拌後、濃縮し、クロロホルム250部で2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液をtert−ブチルメチルエーテル200部、でリパルプすることにより、白色固体としてトリフェニルスルホニウム(1−シクロヘキシルメトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナートジフルオロメタンスルホナート(B1−1)を40.16部得た。

【0209】
合成例4:酸発生剤(B1−2)の合成
(1)ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩8.1部(純度61.9%)、2−ノルボルナンメタノール3.2部、ジクロロエタン200部を仕込み、p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)4.8部を加え、7時間加熱還流した。その後、濃縮してジクロロエタンを留去した後、tert−ブチルメチルエーテル100部添加し、リパルプ後、濾過した。残渣に酢酸エチル100部添加撹拌後ろ過し、濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸−2−ノルボルナンメチルエステルナトリウム塩を5.4部得た。

(2)上記(1)で得られたジフルオロスルホ酢酸−2−ノルボルナンメチルエステルナトリウム塩5.4部を仕込み、イオン交換水54.3部に溶解させた。この溶液に、トリフェニルスルホニウムクロライド5.3部、メタノール55部溶液を添加し、24時間撹拌後、濃縮し、クロロホルム54部で2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液をtert−ブチルメチルエーテル54部でリパルプすることにより、白色固体としてトリフェニルスルホニウム(2−ノルボルナンメトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(B1−2)を8.4部得た。

【0210】
合成例5:酸発生剤(B1−3)の合成
(1)ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩123.3部(含有量62.8%)、1−アダマンタンメタノール65.7部、ジクロロエタン600部を仕込み、p−トルエンスルホン酸75.1部を加え、12時間加熱還流した。その後、濃縮してジクロロエタンを留去し、tert−ブチルメチルエーテル400部添加し、リパルプ後、濾過した。残渣にアセトニトリル400部添加撹拌後ろ過を2回繰り返し、濾液を濃縮することにより、ジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩を99.5部得た。

(2)ジフェニルスルフィド6.56部をアセトニトリル19.7部に溶解し、過塩素酸銀(I)7.30部を添加し、ヨウ化メチル5.00部のアセトニトリル10.0部溶液を添加し、24時間撹拌した。析出した固体を濾過で除去した後、濃縮してアセトニトリルを留去した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル39.2部を添加撹拌し、濾過することにより白色結晶としてメチルジフェニルスルホニウムパークロレートを9.38部得た。

(3)上記(1)で得られたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩8.29部を仕込み、クロロホルム49.7部を添加した。この懸濁溶液に、上記(2)で得られたメチルジフェニルスルホニウムパークロレート9.38部、イオン交換水28.14部懸濁溶液を添加した。15時間撹拌後、分液し、水層をクロロホルム33.1部で抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で中性になるまで洗浄を繰り返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル33.8部添加、撹拌後、デカンテーションすることにより、無色液体としてメチルジフェニルスルホニウム1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(B1−3)を7.81部得た。

【0211】
合成例6:酸発生剤(B1−4)の合成
合成例5(1)で得られたジフルオロスルホ酢酸−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩32.8部を仕込み、イオン交換水100部に溶解させた。この溶液に、トリフェニルスルホニウムクロライド28.3部、メタノール140部溶液を添加した。15時間撹拌後、濃縮し、クロロホルム200部で2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で中性になるまで洗浄を繰り返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液をtert−ブチルメチルエーテル300部添加撹拌後得られた白色析出物をろ過し、減圧乾燥することにより白色結晶としてトリフェニルスルホニウム1−アダマンチルメトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(B1−4)を39.7部得た。

【0212】
合成例7:酸発生剤(B2−1)の合成
(1)ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩1.9部(純度62.7%)、N,N−ジメチルホルムアミド9.5部に、1,1’−カルボニルジイミダゾール1.0部を添加し2時間撹拌した。この溶液を、3−ヒドロキシアダマンチルメタノール1.1部、N,N−ジメチルホルムアミド5.5部に、水素化ナトリウム0.2部を添加し、2時間撹拌した溶液に添加した。15時間撹拌後、生成したジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩をそのまま次の反応に用いた。

(2)ジフルオロスルホ酢酸−3−ヒドロキシ−1−アダマンチルメチルエステルナトリウム塩の溶液に、クロロホルム17.2部、14.8%トリフェニルスルホニウムクロライド水溶液2.9部添加した。15時間撹拌後、分液し、水層をクロロホルム6.5部で抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル5.0部を添加し、撹拌後濾過することにより白色固体としてトリフェニルスルホニウム1−((3−ヒドロキシアダマンチル)メトキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(B2−1)を0.2部得た。

【0213】
合成例8:酸発生剤(B2−2)の合成
(1)ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩5.0部(含有量62.8%)、4−オキソ−1−アダマンタノール2.6部、エチルベンゼン100部を仕込み、濃硫酸0.8部を加え、30時間加熱還流した。冷却後濾過し、濾過残渣をtert−ブチルメチルエーテルで洗浄することによりジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩を5.5部得た。1H−NMRによる分析の結果、無機塩を除去していないため含有量は49.1%であった。

ジフルオロスルホ酢酸−4−オキソ−1−アダマンチルエステルナトリウム塩3.9部(含有量49.1%)を仕込み、アセトニトリル16部、イオン交換水16部の混合溶媒を加えた。これに、トリフェニルスルホニウムクロライド1.7部、アセトニトリル5部、イオン交換水5部の溶液を添加した。15時間撹拌後、濃縮し、クロロホルム142部で抽出した。有機層をイオン交換水で中性になるまで洗浄を繰り返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル24部を添加撹拌後、濾過することにより白色固体としてトリフェニルスルホニウム4−オキソ−1−アダマンチルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート(B2−2)を1.7部得た。

【0214】
合成例9:酸発生剤(B2−3)の合成
(1)ジフルオロスルホ酢酸ナトリウム塩30.0部(含有量62.8%)、ヘキサヒドロ−6−ヒドロキシ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ〔b〕フラン−2−オン14.7部、トルエン300部を仕込み、p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)18.1部を加え、12時間加熱還流した。その後、濾過した後、残渣にアセトニトリル100部添加撹拌後濾過し、濾液を濃縮することによりジフルオロスルホ酢酸ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ〔b〕フラン−6−イルエステルナトリウム塩を26.7部得た。

(2)ジフルオロスルホ酢酸ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ〔b〕フラン−6−イルエステルナトリウム塩26.7部を仕込み、アセトニトリル267部に溶解させた。この溶液に、トリフェニルスルホニウムクロライド23.9部、イオン交換水239部溶液を添加した。15時間撹拌後、濃縮し、クロロホルム200部で2回抽出した。有機層を合わせてイオン交換水で中性になるまで洗浄を繰り返し、得られた有機層を濃縮した。濃縮液にtert−ブチルメチルエーテル200部を添加撹拌後、濾過することにより淡黄色油状物としてトリフェニルスルホニウム1−(ヘキサヒドロ−2−オキソ−3,5−メタノ−2H−シクロペンタ〔b〕フラン−6−イルオキシカルボニル)ジフルオロメタンスルホナート(B2−3)を37.7部得た。

【0215】
合成例10:酸発生剤(B2−4)の合成

化合物(I−1−b)30.00部、モノクロロベンゼン120.00部及び化合物(I−1−a)16.00部を仕込み、攪拌下、23℃で硫酸1.40部を仕込み、125℃に昇温、濃縮した。得られた反応物に、モレキュラーシーブ(4A 和光純薬)4.00部を添加し、125℃で8時間還流脱水した後、濃縮した。得られた濃縮物に、クロロホルム166部及びイオン交換水83部を添加して洗浄し、分液して有機層を回収した。この水洗を計6回行った。回収された有機層に、活性炭1.66部を添加し、攪拌した後、ろ過した。回収されたろ液を濃縮することにより、淡黄色オイル42.26部を得た。得られた淡黄色オイルにアセトニトリル42.26部を添加し、均一化後、メチル−t−ブチルエーテルを126.78部加え撹拌後静置した。二層に分離した下層を回収し、さらにアセトニトリル42.26部を添加し、均一化後、メチル−t−ブチルエーテルを126.78部加え撹拌後静置した。二層に分離した下層を集め濃縮し、撹拌後ろ過することにより、白色固体として、化合物(B2−4)8.53部(収率20%)を得た。
【0216】
実施例及び比較例
上記成分及び以下に示す各成分を表1の組成で混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルタで濾過して、レジスト組成物を調製した。
【0217】















【表1】

【0218】
酸発生剤(1)及び酸発生剤(2)の含有量の質量比を、表2に示す。
【0219】
【表2】

【0220】
<酸発生剤(1)>

【0221】
<酸発生剤(2)>

【0222】
<比較用酸発生剤>
酸発生剤B3:

<クエンチャー>
クエンチャーC1:2,6−ジイソプロピルアニリン
【0223】
(レジストパターンの形成及び評価)
シリコンウェハに、有機反射防止膜用組成物(ARC−29;日産化学(株)製)を塗布して、205℃及び60秒の条件でベークすることによって、厚さ78nmの有機反射防止膜を形成した。
次いで、有機反射防止膜上に、レジスト組成物を、乾燥後の膜厚が85nmとなるようにスピンコートした。
得られたシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上にて、表1に記載の温度(PB)で60秒間プリベークした。このシリコンウェハに、液浸露光用ArFエキシマステッパー(XT:1900Gi;(ASML社製、NA=1.35))を用いて、コンタクトホールパターン(ピッチ100nm/ホール径70nm)を形成するためのマスクを用いて、露光量を段階的に変化させて露光した。
露光後、ホットプレート上にて表1に記載の温度(PBE)で60秒間ポストエキスポジャーベークを行った。
さらに、2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行った。
【0224】
シリコンウェハに形成された現像後のコンタクトホールパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、以下の条件でCD均一性を評価した。これらの結果を表3に示す。
なお、各レジスト膜において、ホール径70nmのマスクで形成したパターンのホール径が55nmとなる露光量を実効感度とした。
【0225】
CD均一性(CDU):実効感度において、ホール径70nmのマスクで形成したパターンのホール径を、一つのホールにつき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の、ホール径70nmのマスクで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集団として標準偏差を求め、標準偏差が1.90nm以上2.50以下を○と表記し、標準偏差が1.90nm未満の場合CDUが良好(◎)と、標準偏差が2.5nmより大きい場合をCDUが悪い(×)と判断した。
【0226】
【表3】

このように、本発明のレジスト組成物によれば、得られるパターンのCD均一性(CDU)を顕著に向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0227】
本発明の組成物は、レジスト組成物、特に、化学増幅型フォトレジスト組成物に有用であり、半導体の微細加工、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程等、広範な用途に好適に利用することができる。得られるパターンのCDUをより改善することができることから、ArFやKrFなどのエキシマレーザーリソグラフィならびにArF液浸露光リソグラフィ、EUV露光リソグラフィに好適な化学増幅型フォトレジスト組成として用いることができる。また、液浸露光のほか、ドライ露光などにも用いることができる。さらに、ダブルイメージング用にも用いることができ、工業的に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂、式(1)で表される酸発生剤及び式(2)で表される酸発生剤を含むレジスト組成物。

[式(1)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1-6ペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は2価のC1-17飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、アルキル基で置換されていてもよいC3−36飽和環状炭化水素基を表す。
〜Pは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいC3−36芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよいC1−6脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。]

[式(2)中、
及びQは、それぞれ独立に、フッ素原子又はC1-6ペルフルオロアルキル基を表す。
は、単結合又は2価のC1-17飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
は、少なくとも1つの水素原子がヒドロキシ基又はC1−6ヒドロキシアルキル基で置換されているC3−36飽和環状炭化水素基、C3−36ラクトン骨格を有する環状基、C3−36環状ケトン骨格を有する環状基あるいはC3−36スルトン骨格を有する環状基を表す。
〜Pは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいC3−36芳香族炭化水素基又は置換基を有してもよいC1−6脂肪族炭化水素基を表し、P〜Pのうちの2つが互いに結合して環を形成してもよい。]
【請求項2】
が式(Y−1)、式(Y−2)又は式(Y−3)で表される基である請求項1記載のレジスト組成物。

[式(Y−1)、式(Y−2)及び式(Y−3)中、*はXとの結合手を表す。式(Y−1)、式(Y−2)又は式(Y−3)で表される基に含まれる水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。]
【請求項3】
が式(Y−1)、式(Y−2)、式(Y−3)、式(Y−4)又は式(Y−5)で表される基である請求項1又は2記載のフォトレジスト組成物。

[式(Y−1)、式(Y−2)、式(Y−3)、式(Y−4)及び式(Y−5)中、*はXとの結合手を表す。式(Y−1)、式(Y−2)、式(Y−3)、式(Y−4)又は式(Y−5)で表される基に含まれる水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。]
【請求項4】
〜Pが、フェニル基である請求項1〜3のいずれか記載のレジスト組成物。
【請求項5】
式(1)で表される酸発生剤及び式(2)で表される酸発生剤の含有量の質量比が10:90〜70:30である請求項1〜4のいずれか記載のフォトレジスト組成物。
【請求項6】
樹脂が、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸と作用した該樹脂はアルカリ水溶液で溶解しえる樹脂である請求項1〜5のいずれか記載のレジスト組成物。
【請求項7】
さらに、塩基性化合物を含有する請求項1〜6のいずれか記載のレジスト組成物。
【請求項8】
(1)請求項1〜7のいずれか記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物から溶剤を除去して組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含むパターン形成方法。
【請求項9】
露光が液浸露光用液体を介して行う液浸露光である請求項8記載のパターン形成方法。

【公開番号】特開2011−138060(P2011−138060A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−299018(P2009−299018)
【出願日】平成21年12月29日(2009.12.29)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】