レーザ光源モジュール及びレーザ光源モジュールの製造方法
【課題】本発明は、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着するレーザ光源モジュール及びレーザ光源モジュールの製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明に係るレーザ光源モジュールは、λの波長で発振するレーザ光源11と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を透過又は反射してデュアルモード光ファイバ12に入射することを特徴とする。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明に係るレーザ光源モジュールは、λの波長で発振するレーザ光源11と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を透過又は反射してデュアルモード光ファイバ12に入射することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信に適用されるレーザ光源モジュール及びレーザ光源モジュールの製造方法に関する。特に、組立ての容易なレーザ光源モジュール及びレーザ光源モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド光機能部品は半導体レーザやファイバといった導波路デバイスの相互のビームを結合させるためにレンズを用いてきた。定められたスポットサイズをもつべく別々に製造された導波路デバイスを所定の位置に配置し、これらを結合させるべきレンズを所定の位置に置く。しかし、やむをえぬ製造ばらつきや配置の際の誤差のために、このままでは結合が最良ではないため、それぞれの位置を固定する前に最適結合となるように位置調整する必要があった。
【0003】
例えば、図10に示す従来の光機能部品の第1例の場合、半導体レーザ(LD)11を無調整で配置した場合、レンズ81と光ファイバ15の固定位置を、LD11に合わせて調整する必要があった。したがって、光部品の組立てには必ず固定位置の調整のための時間が必要であり、製造能力増大のためには調整用の人員と設備を増やさなければならなかった。固定位置の調整を省くためには、レンズの光軸や焦点距離といったパラメータが組立ての際に柔軟に設定できることが好ましい。
【0004】
一方、図11に示す従来の光機能部品の第2例のように、図10に示すレンズ81をホログラム波面記録板83で代用することも考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
ホログラフィーは1948年にD.Gaborによって提案され、1962年にレーザ光源を利用したEN.LeithとJ.Upatniksによってその実用性が確認された波面記録技術である。この波面記録技術はホログラムと呼ばれ、開発当初から写真用の乾板あるいはフィルムが用いられてきた。近年ではフォトポリマーの研究開発の成果によって、ドライプロセスのみでの現像定着も可能となってきた(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
ドライプロセスのみでの現像定着を可能とするフォトポリマーは、写真フィルムと同様に可視光によって露光される必要があり、赤外光にはまったく反応しない。光通信用のハイブリッド光機能部品は、波長1.3μm〜1.5μmのいわゆる「長波長帯」はもとより0.85μmの「短波長帯」と呼ばれる波長帯でも近赤外領域に属する。このためホログラムの露光には向かない。ただし、感光はしないものの、可視光で露光させたホログラムを近赤外域で使用することは可能であることは発明者ら自身が確認している。
【特許文献1】特開平07−312458
【非特許文献1】http:www.daiso−co.com/rd04.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光部品の固定位置の調整を省くためには、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製すればよい。
【0007】
そこで、本発明に係るレーザ光源モジュール及びレーザ光源モジュールの製造方法は、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るレーザ光源モジュールは、λの波長で発振するレーザ光源と、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバと、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板と、を備え、前記レーザ光源からのλの波長のレーザ光が前記ホログラム波面記録板を透過又は反射して前記デュアルモード光ファイバに入射することを特徴とする。
【0009】
デュアルモード光ファイバは、レーザ光源モジュールの製造時にはλ/nの波長の光をシングルモード伝搬してホログラム波面記録板に照射し、レーザ光源モジュールの使用時にはλの波長の光をシングルモード伝搬して出射口から出射する。これにより、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光することができる。また、ホログラム波面記録板がドライプロセスで現像定着できる部材からなるので、レーザ光源、ホログラム波面記録板、デュアルモード光ファイバの互いの位置関係を保ったままで現像定着することができる。したがって、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
【0010】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を挟んで、前記レーザ光源の出射口と前記デュアルモード光ファイバの入射口とを対峙させて、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、前記レーザ光源の出射口からのλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とする。
【0011】
デュアルモード光ファイバの入射口からのλ/nの波長の光とレーザ光源の出射口からのλ/nの波長の光とをホログラム波面記録板に照射して露光するので、レーザ光源の出射口から出射されたλの波長のレーザ光を、デュアルモード光ファイバの入射口に集光するようなホログラム波面記録板を作製することができる。また、ホログラム波面記録板をドライプロセスで現像定着できるので、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することができる。したがって、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
【0012】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、前記レーザ光源が、λの波長で発振する半導体レーザ、及び前記レーザ光源の出射口に配置されλの波長のレーザ光の入射に対してλ/nの波長の高調波を発生する高調波発生部を備え、前記照射露光ステップにおいて、前記半導体レーザをλの波長で発振させて前記高調波発生部に入射し、高調波発生部にλ/nの波長の高調波を発生させることによって前記レーザ光源の出射口からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射することが好ましい。
【0013】
照射露光ステップにおいて、半導体レーザの発生するλの波長の光から、λ/nの波長の高調波を発生させる。このため、干渉用のλ/nの波長の光を発生させるための装置を簡易にすることができる。
【0014】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、前記レーザ光源が半導体レーザを備え、前記照射露光ステップにおいて、前記半導体レーザの出射口の反対側からλ/nの波長のレーザ光を入射し、前記半導体レーザの活性層を通過させることによって前記レーザ光源の出射口からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射することが好ましい。
【0015】
照射露光ステップにおいて、発生させたλ/nの波長の高調波を半導体レーザの活性層を通して出射させることができるので、レーザ光源モジュールの構成から高調波発生部品を省略することができる。また、半導体レーザの出射口からλ/nの波長の光をホログラム波面記録板に照射して露光するので、レーザ光源モジュールの製造時の配置設定が容易である。
【0016】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を前記レーザ光源の出射口に対面させ、前記デュアルモード光ファイバの入射口からの光が前記ホログラム波面記録板を照射する位置に前記デュアルモード光ファイバの入射口を配置させて、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記ホログラム波面記録板から反射又は透過して前記レーザ光源の出射口にフォーカスするように、前記ホログラム波面記録板の前記デュアルモード光ファイバの入射口と反対側の面からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とする。
【0017】
デュアルモード光ファイバの入射口からのλ/nの波長の光とレーザ光源の出射口にフォーカスするようなλ/nの波長の光とをホログラム波面記録板に照射して露光するので、レーザ光源の出射口から出射されたλの波長のレーザ光を、デュアルモード光ファイバの入射口に集光するようなホログラム波面記録板を作製することができる。また、ホログラム波面記録板をドライプロセスで現像定着できるので、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することができる。したがって、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
【0018】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を前記レーザ光源の出射口に対面させ、前記デュアルモード光ファイバの入射口からの光が前記ホログラム波面記録板を照射できるように前記デュアルモード光ファイバの入射口を配置して、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記ホログラム波面記録板を透過して前記レーザ光源の出射口にフォーカスするように、前記ホログラム波面記録板の前記デュアルモード光ファイバの入射口と同じ側の面からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とする。
【0019】
デュアルモード光ファイバの入射口からのλ/nの波長の光とレーザ光源の出射口にフォーカスするようなλ/nの波長の光とをホログラム波面記録板に照射して露光するので、レーザ光源の出射口から出射されたλの波長のレーザ光を、デュアルモード光ファイバの入射口に集光するようなホログラム波面記録板を作製することができる。また、ホログラム波面記録板をドライプロセスで現像定着できるので、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することができる。したがって、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
さらに、レーザ光源の出射口にフォーカスするようなλ/nの波長の光をホログラム波面記録板のデュアルモード光ファイバの入射口と同じ側の面から照射して露光するので、ホログラム作製時における反射光の影響を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することができる。これにより、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
【0021】
さらに、レーザ光源モジュールに使用される部品点数を削減すると共に、調整稼動を削減できることにより製造コストを大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
本実施形態に係るレーザ光源モジュールは、λの波長で発振するレーザ光源と、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバと、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板と、を備え、前記レーザ光源からのλの波長のレーザ光が前記ホログラム波面記録板を透過又は反射して前記デュアルモード光ファイバに入射することを特徴とする。
【0023】
理論的にも実験的にも明らかなことは、レーザ光源モジュールとして使用する波長の整数分の1の光で照射して露光する場合、露光時の回折条件は現像後に使用する長波長でも満たされるということである。すなわち、図11のホログラム波面記録板83としてフォトポリマーなどのドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を用い、光ファイバ15としてデュアルモード光ファイバを用いることで使用波長λの整数分の1の波長の光で露光して、実際のレーザ光源モジュールとしては波長λで動作させれば、図11の光学系が実現できる。
【0024】
図1は、本実施形態に係るデュアルモード光ファイバの構成概略図である。本実施形態に係るデュアルモード光ファイバは、λの波長でシングルモード伝搬するコア径aの第1のコアと、λ/nの波長でシングルモード伝搬するコア径bの第2のコアと、を備える。例えば、コア径aが10μm程度であれば、コア径bは(10/n)μm程度となる。レーザ光源からλとλ/nの波長の光を出射する場合は、レーザ光源の出射口に同様の導波路構造をもつデュアルモード光ファイバを用いてもよい。
【0025】
レーザ光源モジュールは、レーザ光源モジュールの使用波長λと露光波長λ/nの両方で導波路として動作することが必要であるが、そのスポットサイズは波長によって異なる。さらには使用波長λで単一モード設計された導波路は、露光波長λ/nでは多モード動作をする。多モードでの波面は単一モード動作のそれとは異なるため、多モード動作する導波路から回折された光をホログラムの露光に用いても所望の効果は得られない。そこで、導波路に同軸状に、すなわち中心を共有した2つのコアを作り込むことが考えられる。このような構造はデュアルモード構造と呼ばれ、製品化されている。
【0026】
しかし、製品化されているデュアルモード構造の光ファイバは、単一モードと多モードのコアを単に同軸構造に作り込んだものなので、そのままでは本発明には適用できない。そのため、本実施形態に係るデュアルモード光ファイバは、第1のコアと第2のコアのコア径が、レーザ光源モジュールの使用波長λと露光波長λ/nでシングルモード動作する大きさとなっている。
【0027】
(実施形態1)
図2は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態に係るレーザ光源モジュールは、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13を備える。
【0028】
本実施形態では、レーザ光源11は、λの波長で発振する半導体レーザ11a、及びレーザ光源11の出射口に配置されλの波長のレーザ光の入射に対してλ/nの波長の高調波を発生する高調波発生部11bを備える。高調波発生部11bは、例えばBBO結晶、LBO結晶、CLBO結晶などの非線形光学結晶である。レーザ光源11がこの2種類の波長を同時に発振してもよい。
【0029】
図2(a)に示す製造時には、高調波発生部11bからの波長λ/nのレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。図2(b)に示す使用時には、半導体レーザ11aからの波長λのレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。レーザ光源11の再配置の必要がないよう、波長λ/nのレーザ光と波長λのレーザ光を切り替え可能にして、同一の出射口から出射することが好ましい。
【0030】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有する。
固定ステップでは、図2(a)に示すように、ホログラム波面記録板13を挟んで、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口とを対峙させて、ホログラム波面記録板13、レーザ光源11及びデュアルモード光ファイバ12の入射口を固定する。例えば、図2(a)に示すように、レーザ光源11の出射口、ホログラム波面記録板13及びデュアルモード光ファイバ12の入射口を順に直線上に配置する。
【0031】
照射露光ステップでは、図2(a)に示すように、レーザ光源11の出射口からのλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光し、同時に、デュアルモード光ファイバ12の出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、デュアルモード光ファイバ21の入射口からホログラム波面記録板13に照射して露光する。ここで、デュアルモード光ファイバ12は、入射されたλ/nの波長のレーザ光をシングルモード伝搬する。これにより、デュアルモード光ファイバ12は、λ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光することができる。
【0032】
本実施形態では、照射露光ステップにおいて、半導体レーザ11aをλの波長で発振させて高調波発生部11bに入射し、高調波発生部11bにλ/nの波長の高調波を発生させることによってレーザ光源11の出射口からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。
【0033】
現像定着ステップでは、ホログラム波面記録板13を現像定着させる。ホログラム波面記録板13がドライプロセス加工が可能であるので、熱線の照射や炉に入れるなどして加熱処理を行うことで、ホログラム波面記録板13を現像定着させることができる。
【0034】
以上、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有することで、λの波長で発振するレーザ光源11と、λ及びλ/nの波長でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を透過してデュアルモード光ファイバ12に入射するレーザ光源モジュールを作製することができる。
【0035】
使用時には、図2(b)に示すように、λの波長で発振するレーザ光源11からのレーザ光を、デュアルモード光ファイバ12の出射口から出射する。このとき、デュアルモード光ファイバ12は、レーザ光源11からのレーザ光を、λの波長でシングルモード伝搬する。ホログラム波面記録板13はλ/nの波長の光で露光されているので、λ/nの波長の整数倍である波長λでも回折条件を満たす。照射露光ステップ及び現像定着ステップが、固定ステップで固定されたホログラム波面記録板13、レーザ光源11及びデュアルモード光ファイバ12の入射口の位置を保ったまま行われているので、レーザ光源11からの出射光は無調整でデュアルモード光ファイバ12に最適結合する。このように、光結合に関わる部品を固定する際の位置微調整はまったく必要がなくなる。
【0036】
(実施形態2)
図3は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態では、図2で説明したレーザ光源モジュールの構成と同様に、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13を備えるが、レーザ光源11が異なる。本実施形態のレーザ光源11は、λの波長で発振する半導体レーザ11aを備える。そして、図3(a)に示す製造時において、半導体レーザ11aの活性層は、半導体レーザ11の出射口の反対側から入射されたλ/nの波長のレーザ光を半導体レーザ11の出射口から出射する。
【0037】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、図2で説明した製造方法と同様に固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有するが、照射露光ステップが異なる。本実施形態では、照射露光ステップにおいて、レーザ光源11の出射口の反対側からλ/nの波長のレーザ光を入射し、半導体レーザ11aの活性層を通過させることによってレーザ光源11の出射口からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。
【0038】
以上、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有することで、λの波長で発振するレーザ光源11と、λ及びλ/nの波長でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を透過してデュアルモード光ファイバ12に入射するレーザ光源モジュールを作製することができる。
【0039】
(実施形態3)
図4は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態では、実施形態2で説明したレーザ光源モジュールの構成と同様に、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13を備えるが、ホログラム波面記録板13が異なる。本実施形態では、図4(a)に示す製造時において、λ/nの波長のレーザ光をレーザ光源11とは異なる方向からホログラム波面記録板13に照射できるように、ホログラム波面記録板13が傾斜していることを特徴とする。
【0040】
半導体レーザは短波長を吸収する傾向があるので、実施形態2のようなλ/nの波長のレーザ光の透過の困難なレーザ光源11がある。この場合に、ホログラム波面記録板13を傾斜させることで、ホログラム波面記録板13から反射してレーザ光源11の出射口にフォーカスするようにλ/nの波長のレーザ光を照射して露光することができる。
【0041】
図5は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。図4に示す構成と図5に示す構成とは、図4に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直線上に配置されているのに対し、図5に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直交して配置されている。図4に示すレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12を略直線上に配置する構成とすることで、レーザ光源モジュールの波長安定性に優れる。一方、図5に示すレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12を略直交して配置する構成とすることで、レーザ光源11を格納する筐体の表面やその近傍にホログラム波面記録板13を配置することができるので、ホログラム波面記録板13を外部から加熱しやすく、生産性に優れる。
【0042】
本実施形態のホログラム波面記録板13は、レーザ光源11からの波長λのレーザ光を反射又は透過する。例えば、図4(b)に示すように、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口が同一直線上に配置される場合、ホログラム波面記録板13はレーザ光源11からの波長λのレーザ光を透過する。一方、図5(b)に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合、ホログラム波面記録板13はレーザ光源11からの波長λのレーザ光を反射する。
【0043】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、実施形態2で説明した製造方法と同様に、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有する。以下、各ステップの異なる部分について説明する。
【0044】
固定ステップでは、図4(a)及び図5(a)に示すように、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板13をレーザ光源11の出射口に対面させ、デュアルモード光ファイバ12の入射口からの光がホログラム波面記録板13を照射して露光する位置にデュアルモード光ファイバ12の入射口を配置させて、ホログラム波面記録板13、レーザ光源11及びデュアルモード光ファイバ12の入射口を固定する。また、λ/nの波長の干渉用のレーザ光がレーザ光源11の出射口にフォーカスする位置に集光レンズ17を固定する。
【0045】
照射露光ステップでは、図4(a)に示すように、デュアルモード光ファイバ12の出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、デュアルモード光ファイバ12の入射口からホログラム波面記録板13に照射して露光し、同時に、ホログラム波面記録板13から反射してレーザ光源11の出射口にフォーカスするように、ホログラム波面記録板13のデュアルモード光ファイバ12の入射口と反対側の面からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。例えば、集光レンズ17からの干渉用の光を、ホログラム波面記録板13のデュアルモード光ファイバ12の入射口と反対側の面に照射する。図5(a)に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直交して配置される場合は、ホログラム波面記録板13から透過してレーザ光源11の出射口にフォーカスするように、ホログラム波面記録板13のデュアルモード光ファイバ12の入射口と反対側の面からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。
【0046】
このとき、干渉用の光がレーザ光源11の出射口にフォーカスしているか否かを監視していることが好ましい。例えば、レーザ光源11への電流注入素子16をモニター端子に利用することができる。電流注入素子16から出力される電圧が低下した場合に、干渉用の光の焦点がレーザ光源11の出射口から外れたことを検出することができる。
【0047】
現像定着ステップでは、ホログラム波面記録板13が傾斜しているので、赤外線ヒータなどの熱線の照射によるホログラム波面記録板13の加熱処理が可能となる。
【0048】
本実施形態では、固定ステップと照射露光ステップとの間に、干渉用の光がレーザ光源11の出射口にフォーカスしているか否かを確認するモニターステップを有していてもよい。例えば、レーザ光源11への電流注入素子16をモニター端子に利用することができる。電流注入素子16から出力される電圧が最大になるように、干渉用の光のホログラム波面記録板13でのスポット径や入射角度などの露光条件を調整する。また、固定ステップに戻り、ホログラム波面記録板13、レーザ光源11又はデュアルモード光ファイバ12の入射口の位置を調整してもよい。干渉用の光がレーザ光源11の出射口にフォーカスしているか否かの調整は、例えばλの波長で行ってもよい。
【0049】
図5に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合は、λの使用波長で高反射率となる反射膜をホログラム波面記録板13に形成してもよい。また、固定ステップの前に、反射面として波長選択型の、すなわちλ/nの露光波長では中程度の反射率でありながらλの使用波長では光反射率の波長フィルタ膜を形成する波長フィルタ膜形成ステップをさらに有していてもよい。
【0050】
以上、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有することで、λの波長で発振するレーザ光源11と、λ及びλ/nの波長でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を反射又は透過してデュアルモード光ファイバ12に入射するレーザ光源モジュールを作製することができる。
【0051】
(実施形態4)
図6は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態では、実施形態2で説明したレーザ光源モジュールの構成と同様に、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13に加え、さらに、デュアルモード光ファイバ12の入射口とホログラム波面記録板13の間に波長フィルタ14を備える。
【0052】
ホログラム波面記録板13のホログラム材料としてフォトポリマーを用いると、体積型のホログラムとなり、1次回折が強くなる。この場合にホログラム波面記録板13を反射型の光学素子として使用すると、正側だけでなく負側にも回折光が現れ、回折効率が透過型に比べて低くなる傾向がある。そこで、ホログラム波面記録板13を透過型の回折格子として使用できるよう、波長フィルタ14を設ける。これによりホログラム波面記録板13の回折効率を高めることができる。
【0053】
図7は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。図6に示す構成と図7に示す構成とは、図6に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直線上に配置されているのに対し、図7に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直交して配置されている。
【0054】
波長フィルタ14は、図6(a)に示すように、デュアルモード光ファイバ12の入射口からのλ/nの波長のレーザ光を透過し、集光レンズ17から入射された干渉用のλ/nの波長のレーザ光を反射する。図7(a)に示すように、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交する配置の場合は、波長フィルタ14は、デュアルモード光ファイバ12の入射口からのλ/nの波長のレーザ光を反射し、集光レンズ17から入射された干渉用のλ/nの波長のレーザ光を透過する。
【0055】
波長フィルタ14は、レーザ光源11からの波長λのレーザ光を反射又は透過する。例えば、図6(b)に示すように、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口が同一直線上に配置される場合、波長フィルタ14はレーザ光源11からの波長λのレーザ光を透過する。また、図6(b)に示す波長フィルタ14は取り外してもよい。一方、図7(a)に示すように、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合、波長フィルタ14はレーザ光源11からの波長λのレーザ光を反射する。
【0056】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、実施形態2で説明した製造方法と同様に、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有する。以下、各ステップの異なる部分について説明する。
【0057】
固定ステップでは、図6(a)及び図7(a)に示すように、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板13をレーザ光源11の出射口に対面させ、デュアルモード光ファイバ12の入射口からの光がホログラム波面記録板13を照射できるようにデュアルモード光ファイバ12の入射口を配置して、ホログラム波面記録板13、レーザ光源11及びデュアルモード光ファイバ12の入射口を固定する。また、λ/nの波長の干渉用のレーザ光がレーザ光源11の出射口にフォーカスする位置に集光レンズ17を固定する。
【0058】
照射露光ステップでは、図6(a)及び図7(a)に示すように、デュアルモード光ファイバ12の出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、デュアルモード光ファイバ12の入射口からホログラム波面記録板13に照射して露光し、同時に、ホログラム波面記録板13を透過してレーザ光源11の出射口にフォーカスするように、ホログラム波面記録板13のデュアルモード光ファイバの入射口と同じ側の面からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。例えば、図6(a)及び図7(a)に示すように、集光レンズ17からの干渉用の光を、波長フィルタ14のデュアルモード光ファイバ12の入射口と反対側の面に照射する。このとき、実施形態3と同様に、干渉用の光がレーザ光源11の出射口にフォーカスしているか否かを監視していることが好ましい。
【0059】
本実施形態では、実施形態3と同様に、固定ステップと照射露光ステップとの間にモニターステップを有していてもよい。また、図7(a)に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合は、現像定着ステップの後に、λの使用波長で高反射率となる反射膜を波長フィルタ14に形成してもよい。
【0060】
以上、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有することで、λの波長で発振するレーザ光源11と、λ及びλ/nの波長でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を反射又は透過してデュアルモード光ファイバ12に入射するレーザ光源モジュールを作製することができる。
【0061】
(実施形態5)
図8は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態では、実施形態4で説明したレーザ光源モジュールの構成と同様に、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13と、波長フィルタ14に加え、さらに、ホログラム波面記録板13と波長フィルタ14の間にプリズム15を設けている。
【0062】
図9は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。図8に示す構成と図9に示す構成とは、図8に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直線上に配置されているのに対し、図9に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直交して配置されている。
【0063】
本実施形態では、図8(b)及び図9(b)に示すように、プリズム15の表面にホログラム波面記録板13及び波長フィルタ14を設ける構成とすることができる。また、図8(a)に示すように、プリズム15は、波長フィルタ14へ入射する干渉用のλ/nの波長の光の光軸の屈折を補正する形状を有していることが好ましい。
【0064】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、実施形態4で説明した製造方法と同様である。本実施形態では図8(a)及び図9(a)に示すように、プリズム15をさらに備えるので、照射露光ステップにおいて、干渉用のλ/nの波長の光の光軸調整が容易になるという利点がある。
【0065】
図9(a)に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合は、現像定着ステップの後に、λの使用波長で高反射率となる反射膜を波長フィルタ14に形成してもよい。ホログラム波面記録板13を高屈折率とし、さらに光損失を少なくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、光通信用のハイブリッド光機能部品に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態に係るデュアルモード光ファイバの構成概略図である。
【図2】実施形態1に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図3】実施形態2に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図4】実施形態3に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図5】実施形態3に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図6】実施形態4に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図7】実施形態4に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図8】実施形態5に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図9】実施形態5に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図10】従来の光機能部品の第1例を示す概略構成図である。
【図11】従来の光機能部品の第2例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0068】
11 レーザ光源
12 デュアルモード光ファイバ
13 ホログラム波面記録板
14 波長フィルタ
15 プリズム
16 電流注入素子
17 集光レンズ
81 レンズ
82 光ファイバ
83 ホログラム波面記録板
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信に適用されるレーザ光源モジュール及びレーザ光源モジュールの製造方法に関する。特に、組立ての容易なレーザ光源モジュール及びレーザ光源モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハイブリッド光機能部品は半導体レーザやファイバといった導波路デバイスの相互のビームを結合させるためにレンズを用いてきた。定められたスポットサイズをもつべく別々に製造された導波路デバイスを所定の位置に配置し、これらを結合させるべきレンズを所定の位置に置く。しかし、やむをえぬ製造ばらつきや配置の際の誤差のために、このままでは結合が最良ではないため、それぞれの位置を固定する前に最適結合となるように位置調整する必要があった。
【0003】
例えば、図10に示す従来の光機能部品の第1例の場合、半導体レーザ(LD)11を無調整で配置した場合、レンズ81と光ファイバ15の固定位置を、LD11に合わせて調整する必要があった。したがって、光部品の組立てには必ず固定位置の調整のための時間が必要であり、製造能力増大のためには調整用の人員と設備を増やさなければならなかった。固定位置の調整を省くためには、レンズの光軸や焦点距離といったパラメータが組立ての際に柔軟に設定できることが好ましい。
【0004】
一方、図11に示す従来の光機能部品の第2例のように、図10に示すレンズ81をホログラム波面記録板83で代用することも考えられる(例えば、特許文献1参照。)。
ホログラフィーは1948年にD.Gaborによって提案され、1962年にレーザ光源を利用したEN.LeithとJ.Upatniksによってその実用性が確認された波面記録技術である。この波面記録技術はホログラムと呼ばれ、開発当初から写真用の乾板あるいはフィルムが用いられてきた。近年ではフォトポリマーの研究開発の成果によって、ドライプロセスのみでの現像定着も可能となってきた(例えば、非特許文献1参照。)。
【0005】
ドライプロセスのみでの現像定着を可能とするフォトポリマーは、写真フィルムと同様に可視光によって露光される必要があり、赤外光にはまったく反応しない。光通信用のハイブリッド光機能部品は、波長1.3μm〜1.5μmのいわゆる「長波長帯」はもとより0.85μmの「短波長帯」と呼ばれる波長帯でも近赤外領域に属する。このためホログラムの露光には向かない。ただし、感光はしないものの、可視光で露光させたホログラムを近赤外域で使用することは可能であることは発明者ら自身が確認している。
【特許文献1】特開平07−312458
【非特許文献1】http:www.daiso−co.com/rd04.html
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光部品の固定位置の調整を省くためには、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製すればよい。
【0007】
そこで、本発明に係るレーザ光源モジュール及びレーザ光源モジュールの製造方法は、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るレーザ光源モジュールは、λの波長で発振するレーザ光源と、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバと、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板と、を備え、前記レーザ光源からのλの波長のレーザ光が前記ホログラム波面記録板を透過又は反射して前記デュアルモード光ファイバに入射することを特徴とする。
【0009】
デュアルモード光ファイバは、レーザ光源モジュールの製造時にはλ/nの波長の光をシングルモード伝搬してホログラム波面記録板に照射し、レーザ光源モジュールの使用時にはλの波長の光をシングルモード伝搬して出射口から出射する。これにより、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光することができる。また、ホログラム波面記録板がドライプロセスで現像定着できる部材からなるので、レーザ光源、ホログラム波面記録板、デュアルモード光ファイバの互いの位置関係を保ったままで現像定着することができる。したがって、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
【0010】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を挟んで、前記レーザ光源の出射口と前記デュアルモード光ファイバの入射口とを対峙させて、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、前記レーザ光源の出射口からのλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とする。
【0011】
デュアルモード光ファイバの入射口からのλ/nの波長の光とレーザ光源の出射口からのλ/nの波長の光とをホログラム波面記録板に照射して露光するので、レーザ光源の出射口から出射されたλの波長のレーザ光を、デュアルモード光ファイバの入射口に集光するようなホログラム波面記録板を作製することができる。また、ホログラム波面記録板をドライプロセスで現像定着できるので、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することができる。したがって、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
【0012】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、前記レーザ光源が、λの波長で発振する半導体レーザ、及び前記レーザ光源の出射口に配置されλの波長のレーザ光の入射に対してλ/nの波長の高調波を発生する高調波発生部を備え、前記照射露光ステップにおいて、前記半導体レーザをλの波長で発振させて前記高調波発生部に入射し、高調波発生部にλ/nの波長の高調波を発生させることによって前記レーザ光源の出射口からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射することが好ましい。
【0013】
照射露光ステップにおいて、半導体レーザの発生するλの波長の光から、λ/nの波長の高調波を発生させる。このため、干渉用のλ/nの波長の光を発生させるための装置を簡易にすることができる。
【0014】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、前記レーザ光源が半導体レーザを備え、前記照射露光ステップにおいて、前記半導体レーザの出射口の反対側からλ/nの波長のレーザ光を入射し、前記半導体レーザの活性層を通過させることによって前記レーザ光源の出射口からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射することが好ましい。
【0015】
照射露光ステップにおいて、発生させたλ/nの波長の高調波を半導体レーザの活性層を通して出射させることができるので、レーザ光源モジュールの構成から高調波発生部品を省略することができる。また、半導体レーザの出射口からλ/nの波長の光をホログラム波面記録板に照射して露光するので、レーザ光源モジュールの製造時の配置設定が容易である。
【0016】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を前記レーザ光源の出射口に対面させ、前記デュアルモード光ファイバの入射口からの光が前記ホログラム波面記録板を照射する位置に前記デュアルモード光ファイバの入射口を配置させて、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記ホログラム波面記録板から反射又は透過して前記レーザ光源の出射口にフォーカスするように、前記ホログラム波面記録板の前記デュアルモード光ファイバの入射口と反対側の面からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とする。
【0017】
デュアルモード光ファイバの入射口からのλ/nの波長の光とレーザ光源の出射口にフォーカスするようなλ/nの波長の光とをホログラム波面記録板に照射して露光するので、レーザ光源の出射口から出射されたλの波長のレーザ光を、デュアルモード光ファイバの入射口に集光するようなホログラム波面記録板を作製することができる。また、ホログラム波面記録板をドライプロセスで現像定着できるので、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することができる。したがって、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
【0018】
本発明に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を前記レーザ光源の出射口に対面させ、前記デュアルモード光ファイバの入射口からの光が前記ホログラム波面記録板を照射できるように前記デュアルモード光ファイバの入射口を配置して、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記ホログラム波面記録板を透過して前記レーザ光源の出射口にフォーカスするように、前記ホログラム波面記録板の前記デュアルモード光ファイバの入射口と同じ側の面からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とする。
【0019】
デュアルモード光ファイバの入射口からのλ/nの波長の光とレーザ光源の出射口にフォーカスするようなλ/nの波長の光とをホログラム波面記録板に照射して露光するので、レーザ光源の出射口から出射されたλの波長のレーザ光を、デュアルモード光ファイバの入射口に集光するようなホログラム波面記録板を作製することができる。また、ホログラム波面記録板をドライプロセスで現像定着できるので、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することができる。したがって、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
さらに、レーザ光源の出射口にフォーカスするようなλ/nの波長の光をホログラム波面記録板のデュアルモード光ファイバの入射口と同じ側の面から照射して露光するので、ホログラム作製時における反射光の影響を少なくすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、レーザ光源モジュールに使用されるレンズをホログラム波面記録板に置き換え、組立て段階でそのホログラム波面記録板を露光し現像定着することができる。これにより、所望の光学パラメータをもった光部品を準備し、その位置を調整することによって結合を最適化するのではなく、最適な光学パラメータをもつ光部品を組立て時に作製することができる。
【0021】
さらに、レーザ光源モジュールに使用される部品点数を削減すると共に、調整稼動を削減できることにより製造コストを大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
本実施形態に係るレーザ光源モジュールは、λの波長で発振するレーザ光源と、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバと、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板と、を備え、前記レーザ光源からのλの波長のレーザ光が前記ホログラム波面記録板を透過又は反射して前記デュアルモード光ファイバに入射することを特徴とする。
【0023】
理論的にも実験的にも明らかなことは、レーザ光源モジュールとして使用する波長の整数分の1の光で照射して露光する場合、露光時の回折条件は現像後に使用する長波長でも満たされるということである。すなわち、図11のホログラム波面記録板83としてフォトポリマーなどのドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を用い、光ファイバ15としてデュアルモード光ファイバを用いることで使用波長λの整数分の1の波長の光で露光して、実際のレーザ光源モジュールとしては波長λで動作させれば、図11の光学系が実現できる。
【0024】
図1は、本実施形態に係るデュアルモード光ファイバの構成概略図である。本実施形態に係るデュアルモード光ファイバは、λの波長でシングルモード伝搬するコア径aの第1のコアと、λ/nの波長でシングルモード伝搬するコア径bの第2のコアと、を備える。例えば、コア径aが10μm程度であれば、コア径bは(10/n)μm程度となる。レーザ光源からλとλ/nの波長の光を出射する場合は、レーザ光源の出射口に同様の導波路構造をもつデュアルモード光ファイバを用いてもよい。
【0025】
レーザ光源モジュールは、レーザ光源モジュールの使用波長λと露光波長λ/nの両方で導波路として動作することが必要であるが、そのスポットサイズは波長によって異なる。さらには使用波長λで単一モード設計された導波路は、露光波長λ/nでは多モード動作をする。多モードでの波面は単一モード動作のそれとは異なるため、多モード動作する導波路から回折された光をホログラムの露光に用いても所望の効果は得られない。そこで、導波路に同軸状に、すなわち中心を共有した2つのコアを作り込むことが考えられる。このような構造はデュアルモード構造と呼ばれ、製品化されている。
【0026】
しかし、製品化されているデュアルモード構造の光ファイバは、単一モードと多モードのコアを単に同軸構造に作り込んだものなので、そのままでは本発明には適用できない。そのため、本実施形態に係るデュアルモード光ファイバは、第1のコアと第2のコアのコア径が、レーザ光源モジュールの使用波長λと露光波長λ/nでシングルモード動作する大きさとなっている。
【0027】
(実施形態1)
図2は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態に係るレーザ光源モジュールは、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13を備える。
【0028】
本実施形態では、レーザ光源11は、λの波長で発振する半導体レーザ11a、及びレーザ光源11の出射口に配置されλの波長のレーザ光の入射に対してλ/nの波長の高調波を発生する高調波発生部11bを備える。高調波発生部11bは、例えばBBO結晶、LBO結晶、CLBO結晶などの非線形光学結晶である。レーザ光源11がこの2種類の波長を同時に発振してもよい。
【0029】
図2(a)に示す製造時には、高調波発生部11bからの波長λ/nのレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。図2(b)に示す使用時には、半導体レーザ11aからの波長λのレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。レーザ光源11の再配置の必要がないよう、波長λ/nのレーザ光と波長λのレーザ光を切り替え可能にして、同一の出射口から出射することが好ましい。
【0030】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有する。
固定ステップでは、図2(a)に示すように、ホログラム波面記録板13を挟んで、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口とを対峙させて、ホログラム波面記録板13、レーザ光源11及びデュアルモード光ファイバ12の入射口を固定する。例えば、図2(a)に示すように、レーザ光源11の出射口、ホログラム波面記録板13及びデュアルモード光ファイバ12の入射口を順に直線上に配置する。
【0031】
照射露光ステップでは、図2(a)に示すように、レーザ光源11の出射口からのλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光し、同時に、デュアルモード光ファイバ12の出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、デュアルモード光ファイバ21の入射口からホログラム波面記録板13に照射して露光する。ここで、デュアルモード光ファイバ12は、入射されたλ/nの波長のレーザ光をシングルモード伝搬する。これにより、デュアルモード光ファイバ12は、λ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光することができる。
【0032】
本実施形態では、照射露光ステップにおいて、半導体レーザ11aをλの波長で発振させて高調波発生部11bに入射し、高調波発生部11bにλ/nの波長の高調波を発生させることによってレーザ光源11の出射口からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。
【0033】
現像定着ステップでは、ホログラム波面記録板13を現像定着させる。ホログラム波面記録板13がドライプロセス加工が可能であるので、熱線の照射や炉に入れるなどして加熱処理を行うことで、ホログラム波面記録板13を現像定着させることができる。
【0034】
以上、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有することで、λの波長で発振するレーザ光源11と、λ及びλ/nの波長でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を透過してデュアルモード光ファイバ12に入射するレーザ光源モジュールを作製することができる。
【0035】
使用時には、図2(b)に示すように、λの波長で発振するレーザ光源11からのレーザ光を、デュアルモード光ファイバ12の出射口から出射する。このとき、デュアルモード光ファイバ12は、レーザ光源11からのレーザ光を、λの波長でシングルモード伝搬する。ホログラム波面記録板13はλ/nの波長の光で露光されているので、λ/nの波長の整数倍である波長λでも回折条件を満たす。照射露光ステップ及び現像定着ステップが、固定ステップで固定されたホログラム波面記録板13、レーザ光源11及びデュアルモード光ファイバ12の入射口の位置を保ったまま行われているので、レーザ光源11からの出射光は無調整でデュアルモード光ファイバ12に最適結合する。このように、光結合に関わる部品を固定する際の位置微調整はまったく必要がなくなる。
【0036】
(実施形態2)
図3は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態では、図2で説明したレーザ光源モジュールの構成と同様に、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13を備えるが、レーザ光源11が異なる。本実施形態のレーザ光源11は、λの波長で発振する半導体レーザ11aを備える。そして、図3(a)に示す製造時において、半導体レーザ11aの活性層は、半導体レーザ11の出射口の反対側から入射されたλ/nの波長のレーザ光を半導体レーザ11の出射口から出射する。
【0037】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、図2で説明した製造方法と同様に固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有するが、照射露光ステップが異なる。本実施形態では、照射露光ステップにおいて、レーザ光源11の出射口の反対側からλ/nの波長のレーザ光を入射し、半導体レーザ11aの活性層を通過させることによってレーザ光源11の出射口からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。
【0038】
以上、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有することで、λの波長で発振するレーザ光源11と、λ及びλ/nの波長でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を透過してデュアルモード光ファイバ12に入射するレーザ光源モジュールを作製することができる。
【0039】
(実施形態3)
図4は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態では、実施形態2で説明したレーザ光源モジュールの構成と同様に、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13を備えるが、ホログラム波面記録板13が異なる。本実施形態では、図4(a)に示す製造時において、λ/nの波長のレーザ光をレーザ光源11とは異なる方向からホログラム波面記録板13に照射できるように、ホログラム波面記録板13が傾斜していることを特徴とする。
【0040】
半導体レーザは短波長を吸収する傾向があるので、実施形態2のようなλ/nの波長のレーザ光の透過の困難なレーザ光源11がある。この場合に、ホログラム波面記録板13を傾斜させることで、ホログラム波面記録板13から反射してレーザ光源11の出射口にフォーカスするようにλ/nの波長のレーザ光を照射して露光することができる。
【0041】
図5は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。図4に示す構成と図5に示す構成とは、図4に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直線上に配置されているのに対し、図5に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直交して配置されている。図4に示すレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12を略直線上に配置する構成とすることで、レーザ光源モジュールの波長安定性に優れる。一方、図5に示すレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12を略直交して配置する構成とすることで、レーザ光源11を格納する筐体の表面やその近傍にホログラム波面記録板13を配置することができるので、ホログラム波面記録板13を外部から加熱しやすく、生産性に優れる。
【0042】
本実施形態のホログラム波面記録板13は、レーザ光源11からの波長λのレーザ光を反射又は透過する。例えば、図4(b)に示すように、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口が同一直線上に配置される場合、ホログラム波面記録板13はレーザ光源11からの波長λのレーザ光を透過する。一方、図5(b)に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合、ホログラム波面記録板13はレーザ光源11からの波長λのレーザ光を反射する。
【0043】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、実施形態2で説明した製造方法と同様に、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有する。以下、各ステップの異なる部分について説明する。
【0044】
固定ステップでは、図4(a)及び図5(a)に示すように、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板13をレーザ光源11の出射口に対面させ、デュアルモード光ファイバ12の入射口からの光がホログラム波面記録板13を照射して露光する位置にデュアルモード光ファイバ12の入射口を配置させて、ホログラム波面記録板13、レーザ光源11及びデュアルモード光ファイバ12の入射口を固定する。また、λ/nの波長の干渉用のレーザ光がレーザ光源11の出射口にフォーカスする位置に集光レンズ17を固定する。
【0045】
照射露光ステップでは、図4(a)に示すように、デュアルモード光ファイバ12の出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、デュアルモード光ファイバ12の入射口からホログラム波面記録板13に照射して露光し、同時に、ホログラム波面記録板13から反射してレーザ光源11の出射口にフォーカスするように、ホログラム波面記録板13のデュアルモード光ファイバ12の入射口と反対側の面からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。例えば、集光レンズ17からの干渉用の光を、ホログラム波面記録板13のデュアルモード光ファイバ12の入射口と反対側の面に照射する。図5(a)に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直交して配置される場合は、ホログラム波面記録板13から透過してレーザ光源11の出射口にフォーカスするように、ホログラム波面記録板13のデュアルモード光ファイバ12の入射口と反対側の面からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。
【0046】
このとき、干渉用の光がレーザ光源11の出射口にフォーカスしているか否かを監視していることが好ましい。例えば、レーザ光源11への電流注入素子16をモニター端子に利用することができる。電流注入素子16から出力される電圧が低下した場合に、干渉用の光の焦点がレーザ光源11の出射口から外れたことを検出することができる。
【0047】
現像定着ステップでは、ホログラム波面記録板13が傾斜しているので、赤外線ヒータなどの熱線の照射によるホログラム波面記録板13の加熱処理が可能となる。
【0048】
本実施形態では、固定ステップと照射露光ステップとの間に、干渉用の光がレーザ光源11の出射口にフォーカスしているか否かを確認するモニターステップを有していてもよい。例えば、レーザ光源11への電流注入素子16をモニター端子に利用することができる。電流注入素子16から出力される電圧が最大になるように、干渉用の光のホログラム波面記録板13でのスポット径や入射角度などの露光条件を調整する。また、固定ステップに戻り、ホログラム波面記録板13、レーザ光源11又はデュアルモード光ファイバ12の入射口の位置を調整してもよい。干渉用の光がレーザ光源11の出射口にフォーカスしているか否かの調整は、例えばλの波長で行ってもよい。
【0049】
図5に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合は、λの使用波長で高反射率となる反射膜をホログラム波面記録板13に形成してもよい。また、固定ステップの前に、反射面として波長選択型の、すなわちλ/nの露光波長では中程度の反射率でありながらλの使用波長では光反射率の波長フィルタ膜を形成する波長フィルタ膜形成ステップをさらに有していてもよい。
【0050】
以上、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有することで、λの波長で発振するレーザ光源11と、λ及びλ/nの波長でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を反射又は透過してデュアルモード光ファイバ12に入射するレーザ光源モジュールを作製することができる。
【0051】
(実施形態4)
図6は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態では、実施形態2で説明したレーザ光源モジュールの構成と同様に、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13に加え、さらに、デュアルモード光ファイバ12の入射口とホログラム波面記録板13の間に波長フィルタ14を備える。
【0052】
ホログラム波面記録板13のホログラム材料としてフォトポリマーを用いると、体積型のホログラムとなり、1次回折が強くなる。この場合にホログラム波面記録板13を反射型の光学素子として使用すると、正側だけでなく負側にも回折光が現れ、回折効率が透過型に比べて低くなる傾向がある。そこで、ホログラム波面記録板13を透過型の回折格子として使用できるよう、波長フィルタ14を設ける。これによりホログラム波面記録板13の回折効率を高めることができる。
【0053】
図7は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。図6に示す構成と図7に示す構成とは、図6に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直線上に配置されているのに対し、図7に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直交して配置されている。
【0054】
波長フィルタ14は、図6(a)に示すように、デュアルモード光ファイバ12の入射口からのλ/nの波長のレーザ光を透過し、集光レンズ17から入射された干渉用のλ/nの波長のレーザ光を反射する。図7(a)に示すように、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交する配置の場合は、波長フィルタ14は、デュアルモード光ファイバ12の入射口からのλ/nの波長のレーザ光を反射し、集光レンズ17から入射された干渉用のλ/nの波長のレーザ光を透過する。
【0055】
波長フィルタ14は、レーザ光源11からの波長λのレーザ光を反射又は透過する。例えば、図6(b)に示すように、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口が同一直線上に配置される場合、波長フィルタ14はレーザ光源11からの波長λのレーザ光を透過する。また、図6(b)に示す波長フィルタ14は取り外してもよい。一方、図7(a)に示すように、レーザ光源11の出射口とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合、波長フィルタ14はレーザ光源11からの波長λのレーザ光を反射する。
【0056】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、実施形態2で説明した製造方法と同様に、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有する。以下、各ステップの異なる部分について説明する。
【0057】
固定ステップでは、図6(a)及び図7(a)に示すように、ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板13をレーザ光源11の出射口に対面させ、デュアルモード光ファイバ12の入射口からの光がホログラム波面記録板13を照射できるようにデュアルモード光ファイバ12の入射口を配置して、ホログラム波面記録板13、レーザ光源11及びデュアルモード光ファイバ12の入射口を固定する。また、λ/nの波長の干渉用のレーザ光がレーザ光源11の出射口にフォーカスする位置に集光レンズ17を固定する。
【0058】
照射露光ステップでは、図6(a)及び図7(a)に示すように、デュアルモード光ファイバ12の出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、デュアルモード光ファイバ12の入射口からホログラム波面記録板13に照射して露光し、同時に、ホログラム波面記録板13を透過してレーザ光源11の出射口にフォーカスするように、ホログラム波面記録板13のデュアルモード光ファイバの入射口と同じ側の面からλ/nの波長のレーザ光をホログラム波面記録板13に照射して露光する。例えば、図6(a)及び図7(a)に示すように、集光レンズ17からの干渉用の光を、波長フィルタ14のデュアルモード光ファイバ12の入射口と反対側の面に照射する。このとき、実施形態3と同様に、干渉用の光がレーザ光源11の出射口にフォーカスしているか否かを監視していることが好ましい。
【0059】
本実施形態では、実施形態3と同様に、固定ステップと照射露光ステップとの間にモニターステップを有していてもよい。また、図7(a)に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合は、現像定着ステップの後に、λの使用波長で高反射率となる反射膜を波長フィルタ14に形成してもよい。
【0060】
以上、固定ステップと、照射露光ステップと、現像定着ステップと、を順に有することで、λの波長で発振するレーザ光源11と、λ及びλ/nの波長でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバ12と、ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板13と、を備え、レーザ光源11からのλの波長のレーザ光がホログラム波面記録板13を反射又は透過してデュアルモード光ファイバ12に入射するレーザ光源モジュールを作製することができる。
【0061】
(実施形態5)
図8は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。本実施形態では、実施形態4で説明したレーザ光源モジュールの構成と同様に、レーザ光源11と、デュアルモード光ファイバ12と、ホログラム波面記録板13と、波長フィルタ14に加え、さらに、ホログラム波面記録板13と波長フィルタ14の間にプリズム15を設けている。
【0062】
図9は、本実施形態に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。図8に示す構成と図9に示す構成とは、図8に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直線上に配置されているのに対し、図9に示す構成ではレーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12が略直交して配置されている。
【0063】
本実施形態では、図8(b)及び図9(b)に示すように、プリズム15の表面にホログラム波面記録板13及び波長フィルタ14を設ける構成とすることができる。また、図8(a)に示すように、プリズム15は、波長フィルタ14へ入射する干渉用のλ/nの波長の光の光軸の屈折を補正する形状を有していることが好ましい。
【0064】
本実施形態に係るレーザ光源モジュールの製造方法は、実施形態4で説明した製造方法と同様である。本実施形態では図8(a)及び図9(a)に示すように、プリズム15をさらに備えるので、照射露光ステップにおいて、干渉用のλ/nの波長の光の光軸調整が容易になるという利点がある。
【0065】
図9(a)に示すように、レーザ光源11とデュアルモード光ファイバ12の入射口が略直交して配置される場合は、現像定着ステップの後に、λの使用波長で高反射率となる反射膜を波長フィルタ14に形成してもよい。ホログラム波面記録板13を高屈折率とし、さらに光損失を少なくすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、光通信用のハイブリッド光機能部品に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本実施形態に係るデュアルモード光ファイバの構成概略図である。
【図2】実施形態1に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図3】実施形態2に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図4】実施形態3に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図5】実施形態3に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図6】実施形態4に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図7】実施形態4に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図8】実施形態5に係るレーザ光源モジュールの構成概略図であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図9】実施形態5に係るレーザ光源モジュールの別形態であり、(a)は製造時、(b)は使用時を示す。
【図10】従来の光機能部品の第1例を示す概略構成図である。
【図11】従来の光機能部品の第2例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0068】
11 レーザ光源
12 デュアルモード光ファイバ
13 ホログラム波面記録板
14 波長フィルタ
15 プリズム
16 電流注入素子
17 集光レンズ
81 レンズ
82 光ファイバ
83 ホログラム波面記録板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
λの波長で発振するレーザ光源と、
λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバと、
ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板と、を備え、
前記レーザ光源からのλの波長のレーザ光が前記ホログラム波面記録板を透過又は反射して前記デュアルモード光ファイバに入射することを特徴とするレーザ光源モジュール。
【請求項2】
λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、
ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を挟んで、前記レーザ光源の出射口と前記デュアルモード光ファイバの入射口とを対峙させて、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、
前記レーザ光源の出射口からのλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、
前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とするレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記レーザ光源が、λの波長で発振する半導体レーザ、及び前記レーザ光源の出射口に配置されλの波長のレーザ光の入射に対してλ/nの波長の高調波を発生する高調波発生部を備え、
前記照射露光ステップにおいて、前記半導体レーザをλの波長で発振させて前記高調波発生部に入射し、高調波発生部にλ/nの波長の高調波を発生させることによって前記レーザ光源の出射口からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射することを特徴とする請求項2に記載のレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記レーザ光源が半導体レーザを備え、
前記照射露光ステップにおいて、前記半導体レーザの出射口の反対側からλ/nの波長のレーザ光を入射し、前記半導体レーザの活性層を通過させることによって前記レーザ光源の出射口からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射することを特徴とする請求項2に記載のレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項5】
λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、
ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を前記レーザ光源の出射口に対面させ、前記デュアルモード光ファイバの入射口からの光が前記ホログラム波面記録板を照射する位置に前記デュアルモード光ファイバの入射口を配置させて、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、
前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記ホログラム波面記録板から反射又は透過して前記レーザ光源の出射口にフォーカスするように、前記ホログラム波面記録板の前記デュアルモード光ファイバの入射口と反対側の面からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、
前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とするレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項6】
λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、
ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を前記レーザ光源の出射口に対面させ、前記デュアルモード光ファイバの入射口からの光が前記ホログラム波面記録板を照射できるように前記デュアルモード光ファイバの入射口を配置して、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、
前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記ホログラム波面記録板を透過して前記レーザ光源の出射口にフォーカスするように、前記ホログラム波面記録板の前記デュアルモード光ファイバの入射口と同じ側の面からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、
前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とするレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項1】
λの波長で発振するレーザ光源と、
λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバと、
ドライプロセスで現像定着後の部材からなり、λ/nの波長の光の干渉で作製されたホログラム波面記録板と、を備え、
前記レーザ光源からのλの波長のレーザ光が前記ホログラム波面記録板を透過又は反射して前記デュアルモード光ファイバに入射することを特徴とするレーザ光源モジュール。
【請求項2】
λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、
ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を挟んで、前記レーザ光源の出射口と前記デュアルモード光ファイバの入射口とを対峙させて、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、
前記レーザ光源の出射口からのλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、
前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とするレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項3】
前記レーザ光源が、λの波長で発振する半導体レーザ、及び前記レーザ光源の出射口に配置されλの波長のレーザ光の入射に対してλ/nの波長の高調波を発生する高調波発生部を備え、
前記照射露光ステップにおいて、前記半導体レーザをλの波長で発振させて前記高調波発生部に入射し、高調波発生部にλ/nの波長の高調波を発生させることによって前記レーザ光源の出射口からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射することを特徴とする請求項2に記載のレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項4】
前記レーザ光源が半導体レーザを備え、
前記照射露光ステップにおいて、前記半導体レーザの出射口の反対側からλ/nの波長のレーザ光を入射し、前記半導体レーザの活性層を通過させることによって前記レーザ光源の出射口からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射することを特徴とする請求項2に記載のレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項5】
λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、
ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を前記レーザ光源の出射口に対面させ、前記デュアルモード光ファイバの入射口からの光が前記ホログラム波面記録板を照射する位置に前記デュアルモード光ファイバの入射口を配置させて、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、
前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記ホログラム波面記録板から反射又は透過して前記レーザ光源の出射口にフォーカスするように、前記ホログラム波面記録板の前記デュアルモード光ファイバの入射口と反対側の面からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、
前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とするレーザ光源モジュールの製造方法。
【請求項6】
λの波長で発振するレーザ光源からのレーザ光を、λ及びλ/nの波長(nは2以上の整数)でシングルモード伝搬するデュアルモード光ファイバの出射口から出射するレーザ光源モジュールの製造方法であって、
ドライプロセスで現像定着できるホログラム波面記録板を前記レーザ光源の出射口に対面させ、前記デュアルモード光ファイバの入射口からの光が前記ホログラム波面記録板を照射できるように前記デュアルモード光ファイバの入射口を配置して、前記ホログラム波面記録板、前記レーザ光源及び前記デュアルモード光ファイバの入射口を固定する固定ステップと、
前記デュアルモード光ファイバの出射口からλ/nの波長のレーザ光を入射して、前記デュアルモード光ファイバの入射口から前記ホログラム波面記録板に照射し、同時に、前記ホログラム波面記録板を透過して前記レーザ光源の出射口にフォーカスするように、前記ホログラム波面記録板の前記デュアルモード光ファイバの入射口と同じ側の面からλ/nの波長のレーザ光を前記ホログラム波面記録板に照射する照射露光ステップと、
前記ホログラム波面記録板を現像定着させる現像定着ステップと、を順に有することを特徴とするレーザ光源モジュールの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−32667(P2010−32667A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193036(P2008−193036)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(505399948)NTTエレクトロニクステクノ株式会社 (2)
【出願人】(506056871)学校法人千歳科学技術大学 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(505399948)NTTエレクトロニクステクノ株式会社 (2)
【出願人】(506056871)学校法人千歳科学技術大学 (2)
【Fターム(参考)】
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