説明

ワイパモータ

【課題】ワイパモータのガタを抑制するとともに、生産性の向上を図ることにある。
【解決手段】ギヤフレーム21に収容される運動変換機構27は、出力軸26の基端部に固定されたピニオンギヤ35と、ピニオンギヤ35に噛み合うセクタギヤ部36aを備えた運動変換部材36と、セクタギヤ部36aの軸心に設けられる歯車軸39と出力軸26とを揺動自在に連結する保持プレート37とを有している。運動変換部材36は、ウォームホイール32の軸心から径方向にずれた位置に設けられる連結軸38により、ウォームホイール32に回動自在に連結されている。連結軸38、歯車軸39、および出力軸26の基端部には、ゴム等の弾性材料によりキャップ状に形成された摺接部材42がそれぞれ装着され、摺接部材42は圧縮状態でギヤカバー24の内側面に突き当てられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータの回転運動を揺動運動に変換して伝達する運動変換機構を備えたワイパモータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等の車両のリヤウィンドガラスを払拭するためのリヤワイパ装置には、電動モータの回転運動を揺動運動に変換して出力軸に伝達する運動変換機構を備えたワイパモータが用いられる。ワイパモータは、運動変換機構を収容する有底状のギヤフレームと、ギヤフレームの開口部を閉塞するギヤカバーとを有しており、電動モータにギヤフレームが取り付けられている。また、ギヤフレームの内部には、電動モータにより回転されるウォームと、ウォームに噛み合うウォームホイールとからなる減速機構が収容されており、電動モータの回転が減速機構により減速されて運動変換機構に伝達されるようになっている。
【0003】
運動変換機構は、出力軸の基端部に固定されるピニオンギヤと、ウォームホイールの回転運動を揺動運動に変換してピニオンギヤに伝達する運動変換部材とを有している。運動変換部材は、ウォームホイールの軸心から径方向に所定量離れた位置に設けられた連結軸によりウォームホイールに回転自在に連結され、ピニオンギヤに噛み合うセクタギヤ部を備えている。また、運動変換機構には、セクタギヤ部の軸心に設けられた歯車軸と出力軸とを揺動自在に連結する保持プレートが設けられ、ピニオンギヤとセクタギヤ部との噛み合い状態が保持されている。この運動変換機構により、ウォームホイールの回転運動が揺動運動に変換されて出力軸に伝達され、出力軸の先端部に取り付けられたワイパ部材が所定の揺動範囲で揺動駆動されるようになっている。
【0004】
このようなワイパモータにおいては、ギヤフレームに収容された各部材の軸方向のガタを抑制するためにガタ抑制構造が設けられる。例えば、特許文献1に記載されるワイパモータでは、連結軸、歯車軸、出力軸の基端部にそれぞれ装着された樹脂製の摺接部材をギヤカバーの内面に摺接させるようにしている。これにより、ギヤフレームに収容された各部材の軸方向の移動が規制されて軸方向のガタが抑制されることから、ギヤフレームの内部での各部材のがたつきを防止することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−38949号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ギヤフレームの内部での各部材のがたつきを確実に防止するために、ギヤフレームに収容された各部材の相互間や各部材とギヤフレームとの間などにスプリングワッシャを設ける技術が知られている。スプリングワッシャは圧縮状態で、例えば、ウォームホイールとギヤフレームの底壁との間やピニオンギヤとギヤフレームの底壁との間に設けられ、各部材にはスプリングワッシャによる弾性力が軸方向に作用される。そして、この弾性力により、ギヤフレームに収容された各部材の軸方向の移動が強く規制され、ギヤフレームの内部での各部材のがたつきが確実に防止されるようになっている。
【0007】
しかしながら、このようにスプリングワッシャを用いてワイパモータの軸方向のガタを抑制する場合には、スプリングワッシャが相互に重なりやすく剥がれにくい形状をしていることから、スプリングワッシャの組み付け作業が煩雑となる。すなわち、スプリングワッシャをワイパモータに組み付ける際にスプリングワッシャが相互に重なり合うことで、生産ラインに設けられたスプリングワッシャの送り装置にスプリングワッシャが詰まりやすく、ワイパモータの生産性を低下させる要因となる。
【0008】
本発明の目的は、ワイパモータのガタを抑制するとともに、生産性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のワイパモータは、電動モータと当該電動モータの回転運動を揺動運動に変換して出力軸に伝達する運動変換機構とを備えるワイパモータであって、前記電動モータにより回転されるウォーム、および前記ウォームに噛み合うウォームホイールを備え、前記電動モータの回転を減速して前記運動変換機構に伝達する減速機構と、前記電動モータに取り付けられ、前記減速機構および前記運動変換機構を収容するギヤケースと、前記出力軸の基端部に固定されて前記出力軸と一体に回転するピニオンギヤと、前記ピニオンギヤに噛み合うセクタギヤ部を備え、前記ウォームホイールの軸心から径方向にずれた位置に設けられる第1連結軸により前記ウォームホイールに回動自在に連結される運動変換部材と、前記セクタギヤ部の軸心に設けられる第2連結軸と前記出力軸とを揺動自在に連結する保持プレートと、前記各軸の軸方向に弾性変形自在な弾性材料からなる弾性部材を備え、前記第1連結軸と前記第2連結軸との一端部にそれぞれ装着されて、前記弾性部材が軸方向に圧縮された状態で前記ギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられるガタ抑制構造とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明のワイパモータは、電動モータと当該電動モータの回転運動を揺動運動に変換して出力軸に伝達する運動変換機構とを備えるワイパモータであって、前記電動モータにより回転されるウォーム、および前記ウォームに噛み合うウォームホイールを備え、前記電動モータの回転を減速して前記運動変換機構に伝達する減速機構と、前記電動モータに取り付けられ、前記減速機構および前記運動変換機構を収容するギヤケースと、前記ウォームホイールの軸心から径方向にずれた位置に設けられる第1連結軸により一端部が前記ウォームホイールに回動自在に連結される運動変換部材と、前記運動変換部材の他端部に設けられる第2連結軸と前記出力軸とを揺動自在に連結し、前記出力軸の基端部に固定されて前記出力軸と一体に回転する連結プレートと、前記各軸の軸方向に弾性変形自在な弾性材料からなる弾性部材を備え、前記第1連結軸と前記第2連結軸との一端部にそれぞれ装着されて、前記弾性部材が軸方向に圧縮された状態で前記ギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられるガタ抑制構造とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明のワイパモータは、前記ガタ抑制構造は、軸方向に圧縮された状態で前記ギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられる前記弾性部材としての摺接部材を備えることを特徴とするワイパモータ。
【0012】
本発明のワイパモータは、前記ガタ抑制構造は、前記ギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられる摺接部材と、前記摺接部材と前記運動変換部材との間で軸方向に圧縮された状態で装着される前記弾性部材とを備えることを特徴とするワイパモータ。
【0013】
本発明のワイパモータは、前記摺接部材には、前記ギヤケースの内側面に塗布される潤滑剤を保持する溝部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1連結軸と第2連結軸との一端部にそれぞれ装着されて、弾性材料からなる弾性部材が軸方向に圧縮された状態でギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられるガタ抑制構造を設けるようにしたので、スプリングワッシャを用いなくてもギヤケースの内部での各部材のがたつきを確実に防止することができる。このように、スプリングワッシャを用いないようにすることで、スプリングワッシャを用いることによる生産性の低下を防止することができ、ワイパモータの生産性を向上することが可能となる。
【0015】
本発明によれば、ギヤケースの内側面に塗布される潤滑剤を保持する溝部を摺接部材に形成するようにしたので、摺接部材の摺動に伴って潤滑剤が周囲に飛散することがあっても潤滑剤が溝部に保持されるため、潤滑剤切れによる摺接部材の摩耗や摺動抵抗の増加が生じにくくなり、摺動性の低下による異音(摺動音)の発生の防止や摺接部材の耐久性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態であるワイパモータを示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う断面図である。
【図3】図2における破線円Bを拡大して示す断面図である。
【図4】図2における破線円Cを拡大して示す断面図である。
【図5】図2における破線円Dを拡大して示す断面図である。
【図6】摺接部材の平面図である。
【図7】比較例としてのワイパモータを示す概略断面図である。
【図8】ガタ抑制構造の変形例を示すワイパモータの断面図である。
【図9】本発明の他の実施形態であるワイパモータを示す平面図である。
【図10】図9におけるE−E線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示すワイパモータ10は、自動車等の車両のリヤウィンドガラスを払拭するためのリヤワイパ装置の駆動源として用いられる。このワイパモータ10は、モータ本体(電動モータ)11と、モータ本体11の回転運動を揺動運動に変換して伝達する運動変換機構が設けられたギヤユニット部12とを有している。
【0018】
モータ本体11にはブラシ付直流モータが用いられており、薄板鋼板等をプレス加工することにより有底筒状に形成されたモータケース13を備えている。モータケース13の内周面には、それぞれ径方向内側に向けてN極、S極に着磁された一対の円弧状の永久磁石14が相互に対向して固着されている。また、モータケース13の内部には各永久磁石14に微小隙間を介して対向するアーマチュア15が回転自在に収容されており、アーマチュア15には複数のコイル16が巻装されている。このアーマチュア15の回転中心には、モータシャフト17が貫通して固定されている。
【0019】
モータシャフト17には、アーマチュア15に隣接させて円筒状のコンミテータ18が固定されており、コンミテータ18には各コイル16の端部が電気的に接続されている。コンミテータ18の外周面には一対のブラシ19がそれぞれ摺接されており、各ブラシ19およびコンミテータ18を介してコイル16に駆動電流を供給することで、アーマチュア15に回転方向の電磁力トルクが発生し、モータシャフト17が所定の回転速度で回転駆動されるようになっている。
【0020】
このモータ本体11には、モータケース13の開口側において、ギヤユニット部12のギヤフレーム21が取り付けられている。ギヤフレーム21はモータケース13側に開口しており、それぞれの開口端面を相互に突き当てた状態で複数の締結ネジ22によりギヤフレーム21がモータケース13に固定されている。モータシャフト17の先端側はギヤフレーム21の内部に挿入されており、モータシャフト17の先端側の外周面には螺旋状の歯部を備えたウォーム23が一体に形成されている。
【0021】
図2に示すように、ギヤフレーム21はアルミダイカストによりモータシャフト17の軸方向と直交する側に開口する有底状に形成されており、その開口部を閉塞するギヤカバー24とによりギヤケース30を形成している。つまり、ギヤカバー24はギヤフレーム21の底壁部21aと所定の間隔を隔てて配置され、これらギヤフレーム21の底壁部21aとギヤカバー24との間で収容スペースが形成されている。このギヤフレーム21の内部には、モータシャフト17の回転を減速して伝達する減速機構25と、減速機構25の回転運動を揺動運動に変換して出力軸26に伝達する運動変換機構27とが収容されている。
【0022】
なお、図1に示すワイパモータ10はギヤカバー24が取り外された状態における平面図であり、ギヤフレーム21の内部構造を示している。また、ギヤカバー24は鋼板等により所定形状に形成されており、ギヤカバー24に一体に設けられた図示しないブラケット部においてワイパモータ10が車体に固定されるようになっている。
【0023】
出力軸26は鋼鉄等の金属製の丸棒からなり、その軸方向をモータシャフト17の軸方向と直交する方向、つまりギヤフレーム21の底壁部21aと直交する方向に向けて配置されている。出力軸26は基端側がギヤフレーム21の内部に収容されるとともに、先端側がギヤフレーム21の外方へ突出して延びており、ギヤフレーム21の底壁部21aを貫通した状態で設けられている。ギヤフレーム21の底壁部21aには、モータシャフト17の外周面に沿ってギヤフレーム21の外方へ突出する略円筒形状の軸保持部21bが一体に形成されており、出力軸26は軸保持部21bに挿通されて軸保持部21bにより回転自在に支持されている。この出力軸26の先端部はリヤウィンドガラスから車体外部へ突出されており、出力軸26の先端部には、リヤウィンドガラスの外側面を払拭するための図示しないワイパ部材が固定されるようになっている。
【0024】
なお、軸保持部21bの内周面と出力軸26の外周面との間には樹脂製の軸受部材28が設けられ、軸受部材28を介して出力軸26が軸保持部21bに回転自在に支持されている。また、軸保持部21bの先端部はシール材29を介してリヤウィンドガラスや車体の内側面に突き当てられ、車体内部やギヤフレーム21の内部に雨水や塵埃等が進入することが防止されるようになっている。
【0025】
減速機構25は、モータ本体11により回転されるウォーム23と、ウォーム23に噛み合うウォームホイール32とを有している。ウォームホイール32は樹脂材料を射出成形することにより略円盤形状に形成されており、その外周面にはウォーム23に噛み合う歯部を備えている。ウォームホイール32の軸心には、底壁部21aに固定されて出力軸26と平行に延びる回転軸33が挿通されており、回転軸33によりウォームホイール32がギヤフレーム21の内部で回転自在に支持されている。また、ウォームホイール32の底壁部21a側の軸方向端面には、回転軸33の外周面に沿って底壁部21a側に突出する円筒状のボス部32aが設けられており、ウォームホイール32はボス部32aにおいて底壁部21aの内側面に摺動自在に突き当てられている。これらウォーム23とウォームホイール32とからなる減速機構25により、モータシャフト17の回転が減速されてウォームホイール32に伝達されるようになっている。
【0026】
このウォームホイール32には、図1に示すように、軸心から径方向外側に所定量離れた位置において、ギヤカバー24側に開口する複数の連結孔34が形成されている。連結孔34はウォームホイール32の回転方向に沿って一対(2箇所)設けられ、各連結孔34はそれぞれウォームホイール32の軸心からの径方向距離が等しい位置に形成されている。一対の連結孔34は、ウォームホイール32の軸心を挟んで相互に対向するように、ウォームホイール32の回転方向に沿って約180度離隔した位置に配置されている。
【0027】
運動変換機構27は、出力軸26の基端部に固定されたピニオンギヤ35、ウォームホイール32の回転運動を揺動運動に変換してピニオンギヤ35に伝達する運動変換部材36、およびピニオンギヤ35と運動変換部材36とを相互に揺動自在に連結する保持プレート37を有している。運動変換部材36は、ピニオンギヤ35に噛み合うセクタギヤ部36aと、セクタギヤ部36aからウォームホイール32側に延びるアーム部36bとを備えており、これらセクタギヤ部36aとアーム部36bとが鋼板等の金属材料により一体に成形されている。
【0028】
図2に示すように、運動変換部材36はウォームホイール32よりもギヤカバー24側に配置され、ギヤフレーム21の底壁部21aに平行な突き当て面において運動変換部材36とウォームホイール32とが相互に摺動自在に突き当てられている。この運動変換部材36のアーム部36bの端部には、ウォームホイール32の一対の連結孔34のうちいずれか一方に回転自在に差し込まれた第1連結軸としての連結軸38が固定されている。つまり、ウォームホイール32の軸心から径方向にずれた位置に設けられる連結軸38により、運動変換部材36とウォームホイール32とが相互に回動自在に連結されている。また、セクタギヤ部36aは略扇形状の平歯車であり、運動変換部材36と同一平面上に配置されて出力軸26と一体に回転するピニオンギヤ35に噛み合っている。このピニオンギヤ35の底壁部21a側の軸方向端面は、底壁部21aの内側面に摺動自在に突き当てられている。
【0029】
保持プレート37は、鋼板等の金属材料によりピニオンギヤ35とセクタギヤ部36aとの間で延びる平板状に形成されている。保持プレート37はピニオンギヤ35および運動変換部材36よりもギヤカバー24側に配置されており、ギヤフレーム21の底壁部21aに平行な突き当て面において保持プレート37とピニオンギヤ35および運動変換部材36とが相互に摺動自在に突き当てられている。この保持プレート37の一端部には出力軸26や連結軸38と平行に延びる第2の連結軸としての歯車軸39が回転自在に挿通されており、歯車軸39がセクタギヤ部36aの軸心に固定されている。一方、保持プレート37の他端部には出力軸26が回転自在に挿通されている。この保持プレート37により、歯車軸39が出力軸26に対して揺動自在に連結され、ピニオンギヤ35とセクタギヤ部36aとが互いに噛み合った状態で保持されている。
【0030】
このような運動変換機構27により、ウォームホイール32が回転されると運動変換部材36が出力軸26まわりに往復揺動され、運動変換部材36のセクタギヤ部36aとピニオンギヤ35との噛み合いによって出力軸26が所定の角度範囲で往復揺動される。すなわち、運動変換機構27によりウォームホイール32の回転運動が揺動運動に変換されて出力軸26に伝達され、ワイパ部材が所定の揺動範囲つまり予め設定された下反転位置(停止位置)と上反転位置との間で揺動駆動されるようになっている。
【0031】
このワイパモータ10には、ギヤフレーム21の内部に収容された各部材の軸方向のガタを抑制するためにガタ抑制構造が設けられている。ガタ抑制構造は、連結軸38、歯車軸39、および出力軸26の基端部にそれぞれ装着されてギヤカバー24の内側面に摺接される摺接部材42を備えている。図3は図2における破線円Bを拡大して示す断面図であり、図4は図2における破線円Cを拡大して示す断面図であり、図5は図2における破線円Dを拡大して示す断面図である。図6は摺接部材の平面図であり、ギヤカバー24側から見た摺接部材42を示している。
【0032】
図3に示すように、連結軸38はその軸方向中央部において、運動変換部材36のアーム部36bに形成された固定孔43に圧入して固定されており、運動変換部材36のアーム部36bとウォームホイール32とが相互に摺動自在に突き当てられた状態で、連結軸38の先端部がウォームホイール32の連結孔34に回転自在に差し込まれている。連結軸38の基端部はギヤカバー24側に延びており、その基端面がギヤカバー24の内側面に所定の隙間を介して対向されている。この連結軸38の基端部には、ゴム等の弾性材料により形成された摺接部材42が装着されている。
【0033】
また、図4に示すように、歯車軸39はその先端部において、運動変換部材36のセクタギヤ部36aに形成された固定孔44に圧入して固定されており、図示する状態つまりワイパ部材が下反転位置のもとでは、歯車軸39や運動変換部材36のセクタギヤ部36aがギヤフレーム21の底壁部21aに摺動自在に突き当てられている。歯車軸38の基端部は、保持プレート37の一端部に形成された挿通孔45に回転自在に挿通されてギヤカバー24側に延びており、その基端面がギヤカバー24の内側面に所定の隙間を介して対向されている。この歯車軸39の基端部には、ゴム等の弾性材料により形成された摺接部材42が装着されており、運動変換部材36のセクタギヤ部36aと摺接部材42との間で保持プレート37の一端部が摺動自在に支持されている。なお、ワイパ部材が上反転位置のもとでは、歯車軸39がウォームホイール32とギヤカバー24との間に位置され、歯車軸39や運動変換部材36のセクタギヤ部36aがウォームホイール32に摺動自在に突き当てられるようになっている。
【0034】
さらに、図5に示すように、出力軸26の基端部は、ピニオンギヤ35に形成された固定孔46に圧入されて固定されており、ピニオンギヤ35がギヤフレーム21の底壁部21aに摺動自在に突き当てられている。このピニオンギヤ35よりもギヤカバー24側に位置して、出力軸26の基端部は、保持プレート37の他端部に形成された挿通孔47に回転自在に挿通されてギヤカバー24側に延びており、その基端面がギヤカバー24の内側面に所定の隙間を介して対向されている。この出力軸26の基端部には、ゴム等の弾性材料により形成された摺接部材42が装着されており、ピニオンギヤ35と摺接部材42との間で保持プレート37の他端部が摺動自在に支持されている。
【0035】
これら連結軸38、歯車軸39、および出力軸26の各軸の基端部にそれぞれ装着された摺接部材42は、ギヤカバー24の内側面に突き当てられる略円板形状の突き当て部42aと、突き当て部42aの外周部から底壁部21a側に延びる円筒部42bとを備えたキャップ状をしており、底壁部21a側に開口する装着孔42cが形成されている。各軸26,38,39の基端部は、それぞれの摺接部材42の装着孔42cに嵌合されており、各軸26,38,39の基端部の外周面が円筒部42bにより覆われるとともに、各軸26,38,39の基端面とギヤカバー24の内側面との間で突き当て部42aが挟み込まれている。つまり、各軸26,38,39は摺接部材42の突き当て部42aを介してギヤカバー24の内側面に摺動自在に突き当てられている。また、歯車軸39と出力軸26とにそれぞれ装着された摺接部材42は、円筒部42bが保持プレート37のギヤカバー24側の端面とギヤカバー24の内側面との間で挟み込まれている。
【0036】
この摺接部材42は、各軸26,38,39の軸方向に弾性変形自在な弾性材料により形成されており、弾性部材としての摺接部材42が軸方向に圧縮された状態でギヤカバー24の内側面に摺動自在に突き当てられている。すなわち、各軸26,38,39の基端部にそれぞれ装着された摺接部材42は、突き当て部42aが各軸26,38,39の基端面とギヤカバー24の内側面との間で軸方向に圧縮された状態で組み付けられており、図中矢印で示すように、各軸26,38,39には摺接部材42による弾性力が底壁部21a側に向けて軸方向に作用されている。また、歯車軸39と出力軸26とにそれぞれ装着された摺接部材42は、円筒部42bが保持プレート37のギヤカバー24側の端面とギヤカバー24の内側面との間で軸方向に圧縮された状態で組み付けられており、保持プレート37には摺接部材42による弾性力が底壁部21a側に向けて軸方向に作用されている。この摺接部材42の弾性力により、ギヤフレーム21に収容された各部材つまり減速機構25や運動変換機構27を構成する各部材はギヤフレーム21の底壁部21a側に付勢され、底壁部21aとギヤカバー24との間で軸方向に押し付けられている。これにより、ギヤフレーム21に収容された各部材の軸方向の移動が強く規制され、軸方向のガタが抑制されるため、ギヤフレーム21の内部での各部材のがたつきが確実に防止されるようになっている。
【0037】
図6に示すように、それぞれの摺接部材42の突き当て部42aには、ギヤカバー24の内側面との突き当て面において複数のグリス溝(溝部)48が形成されている。グリス溝48は、突き当て部42aの外周部に沿って等間隔(約90度間隔)に4つ設けられており、ギヤカバー24側および径方向外側に開口する略半円形状をしている。それぞれの摺接部材42とギヤカバー24との突き当て面つまりギヤカバー24の内側面には、ギヤカバー24に対して摺接部材42が円滑に摺動されるように図示しないグリスが塗布されており、それぞれの摺接部材42に形成されたグリス溜まり溝としてのグリス溝48によりグリスが保持されるようになっている。これにより、摺接部材42の摺動に伴ってグリスが周囲に飛散することがあっても、グリスがグリス溝48に保持されるため、グリス切れによる摺接部材42の摩耗や摺動抵抗の増加が生じにくくなり、摺動性の低下による異音(摺動音)の発生の防止や摺接部材42の耐久性の向上が図られている。なお、ギヤカバー24の内側面に塗布される潤滑剤としてはグリスに限定されることはなく、他の潤滑剤を用いるようにしても良いことはもちろんである。また、摺接部材42に形成されるグリス溝48の形状や個数は種々変更可能である。
【0038】
図7は比較例としてのワイパモータを示す概略断面図であり、図7において図2に示す部材と同様の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。図7に示すワイパモータでは、連結軸38、歯車軸39、および出力軸26の各軸の基端部に、樹脂材料によりキャップ状に形成された摺接部材50がそれぞれ装着されている。また、ウォームホイール32のボス部32aとギヤフレーム21の底壁部21aとの間、およびピニオンギヤ35とギヤフレーム21の底壁部21aとの間には、スプリングワッシャ51が圧縮された状態で組み付けられている。このスプリングワッシャ51の弾性力により、ギヤフレーム21に収容された各部材はギヤカバー24側に向けて軸方向に付勢されており、ギヤフレーム21の内部での各部材のがたつきが防止されるようになっている。このようにスプリングワッシャ51を用いて軸方向のガタを抑制するようにしたワイパモータでは、スプリングワッシャ51が相互に重なりやすく剥がれにくい形状をしていることから、ワイパモータにスプリングワッシャ51を組み付ける作業が煩雑である。すなわち、スプリングワッシャ51をワイパモータに組み付ける際に、スプリングワッシャ51が相互に重なり合うことで、生産ラインに設けられたスプリングワッシャ51の送り装置にスプリングワッシャ51が詰まりやすく、ワイパモータの生産性を低下させる要因となる。
【0039】
一方、図2に示すワイパモータ10では、ゴム等の弾性材料からなる摺接部材42を軸方向に圧縮した状態で、摺接部材42を連結軸38,歯車軸39、および出力軸26の各軸の基端部にそれぞれ装着することで、ギヤフレーム21に収容された各部材の軸方向のガタを抑制するようにしている。これにより、スプリングワッシャ51を用いなくてもギヤフレーム21の内部での各部材のがたつきを確実に防止することができ、スプリングワッシャ51を用いないようにすることで、ワイパモータ10の生産性を向上することが可能となる。つまり、上記のようなスプリングワッシャ51を用いることによる生産性の低下を防止することができる。
【0040】
また、このワイパモータ10では、各軸26,38,39にそれぞれ摺接部材42を装着することでワイパモータ10の軸方向のガタを抑制することができるので、図7に示すワイパモータのように摺接部材50に加えてスプリングワッシャ51を別個に設ける必要がない。したがって、図7に示すワイパモータに比べて部品点数を削減することができ、ワイパモータ10のコスト低減や組み付け作業性の向上を図ることが可能となる。
【0041】
また、このワイパモータ10では、ゴム等の弾性材料により形成された摺接部材42を介して各軸26,38,39をギヤカバー24の内側面に摺動自在に突き当てるようにしているので、樹脂製の摺接部材50を用いた場合に比べて、摺接部材42の摩耗や摺動性の低下を抑制することができる。さらに、ギヤカバー24の内側面に塗布されるグリスを保持するためのグリス溝48をそれぞれの摺接部材42に形成するようにしたので、グリス切れによる摺接部材42の摩耗や摺動抵抗の増加が生じにくくなり、摺動性の低下による異音(摺動音)の発生の防止や摺接部材42の耐久性の向上を図ることができる。
【0042】
なお、前記実施の形態においては、連結軸38、歯車軸39、および出力軸26の各軸の基端部にそれぞれ摺接部材42を装着するようにしたが、出力軸26の基端部に摺接部材42を設けないようにしても良い。すなわち、少なくとも連結軸38と歯車軸39との基端部にそれぞれ摺接部材42を装着することで、ギヤフレーム21の内部での各部材のがたつきを防止することが可能である。ただし、連結軸38と歯車軸39とに加えて出力軸26の基端部に摺接部材42を装着することで、ワイパモータ10のガタ抑制効果が向上することは言うまでもない。
【0043】
図8はガタ抑制構造の変形例を示すワイパモータの断面図である。なお、図8において上述した部材と同様の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。このワイパモータに設けられるガタ抑制構造は、連結軸38、歯車軸39、および出力軸26の基端部にそれぞれ装着されてギヤカバー24の内側面に摺接される摺接部材61と、摺接部材61の底壁部21a側の端部に当接するよう配置されるOリング62とを備えている。
【0044】
連結軸38には、運動変換部材36よりもギヤカバー24側に位置して樹脂製の円筒状のスペーサ63が装着されており、運動変換部材36のアーム部36bにスペーサ63が突き当てられている。連結軸38の基端部はスペーサ63を貫通してギヤカバー24側に延びており、その基端面がギヤカバー24の内側面に所定の隙間を介して対向されている。この連結軸38の基端部には、樹脂材料により形成された摺接部材61が装着されており、摺接部材61とスペーサ63の間にはゴム等の弾性材料からなるOリング62が挟み込まれている。同様に、歯車軸39および出力軸26の基端部には、保持プレート37とギヤカバー24との間に位置して樹脂製の摺接部材61が装着されており、摺接部材61と保持プレート37との間にはゴム等の弾性材料からなるOリング62が挟み込まれている。
【0045】
これら連結軸38、歯車軸39および出力軸26の各軸の基端部にそれぞれ装着された摺接部材61は、各軸26,38,39の基端面とギヤカバー24の内側面との間で挟み込まれる突き当て部61aと、各軸26,38,39の基端部の外周面を覆う円筒部61bとを備えるキャップ状をしている。つまり、各軸26,38,39は摺接部材61の装着孔61cに嵌合されて、突き当て部61aを介してギヤカバー24の内側面に摺動自在に突き当てられている。また、Oリング62は、摺接部材61の円筒部61bの底壁部21a側の端面に当接され、スペーサ63や保持プレート37との間で挟み込まれている。
【0046】
このOリング62は、各軸26,38,39の軸方向に弾性変形自在な弾性材料により形成されており、弾性部材としてのOリング62が摺接部材61とスペーサ63との間、または摺接部材61と保持プレート37との間で軸方向に圧縮された状態で装着されている。すなわち、連結軸38と歯車軸39との基端部にそれぞれ装着されたOリング62は、スペーサ63や保持プレート37を介して運動変換部材36と摺接部材61との間で軸方向に圧縮された状態で組み付けられており、スペーサ63や保持プレート37にはOリング62による弾性力が底壁部21側に向けて軸方向に作用されている。また、出力軸26の基端部に装着されたOリング62は、保持プレート37と摺接部材61との間で軸方向に圧縮された状態で組み付けられており、保持プレート37にはOリング62による弾性力が底壁部21側に向けて軸方向に作用されている。このOリング62の弾性力により、ギヤフレーム21に収容された各部材はギヤフレーム21の底壁部21a側に付勢され、底壁部21aとギヤカバー24との間で軸方向に押し付けられている。これにより、ギヤフレーム21に収容された各部材の軸方向の移動が強く規制され、軸方向のガタが抑制されるため、ギヤフレーム21の内部での各部材のがたつきが確実に防止されるようになっている。
【0047】
このように、ゴム等の弾性材料からなるOリング62が軸方向に圧縮された状態で、摺接部材61を各軸38,39,26の基端部に装着することで、ギヤフレーム21に収容された各部材のガタを抑制するようにしたので、スプリングワッシャ51を用いなくてもギヤフレーム21の内部での各部材のがたつきを確実に防止することができる。したがって、スプリングワッシャ51を用いないようにすることで、ワイパモータ60の生産性を向上することが可能となる。また、このワイパモータでは、Oリング62の弾性力により摺接部材61をギヤカバー24の内側面に弾性的に突き当てるようにしているので、摺接部材61の摩耗や摺動性の低下を抑制することができる。なお、ギヤカバー24の内側面に塗布されるグリスを保持するためのグリス溝48をそれぞれの摺接部材61に形成しても良いことはもちろんである。
【0048】
また、ギヤケース21の内部に収容される減速機構25や運動変換機構27の構造は任意に変更可能であり、例えば、リンクタイプの運動変換機構を用いるようにしても良い。図9は本発明の他の実施形態であるワイパモータを示す平面図であり、図10は図9におけるE−E線に沿う断面図である。なお、図9および図10において上述した部材と同様の部材には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0049】
このワイパモータ70に設けられるリンクタイプの運動変換機構71は、出力軸26の基端部に固定された連結プレート72と、ウォームホイール32の回転運動を揺動運動に変換して連結プレート72に伝達する運動変換部材73とを有している。運動変換部材73は、鋼板等の金属材料によりウォームホイール32と連結プレート72との間で延びる平板状に形成されている。
【0050】
図10に示すように、運動変換部材73はウォームホイール32よりもギヤカバー24側に配置され、ギヤフレーム21の底壁部21aに平行な突き当て面において運動変換部材73とウォームホイール32とが相互に摺動自在に突き当てられている。この運動変換部材36の一端部には、ウォームホイール21の複数の連結孔34のうちいずれか一つに回転自在に差し込まれた第1連結軸74が固定されている。つまり、ウォームホイール32の軸心から径方向にずれた位置に設けられる第1連結軸74により、運動変換部材73とウォームホイール32とが相互に回動自在に連結されている。
【0051】
連結プレート72は、その一端部が出力軸26の基端部に固定され、出力軸26と一体に回転する。連結プレート72は運動変換部材73よりも底壁部21a側に配置されており、運動変換部材73の他端部と連結プレート72の他端部とがギヤフレーム21の底壁部21aに平行な突き当て面において相互に摺動自在に突き当てられている。この連結プレート72の他端部には出力軸26や第1連結軸74と平行に延びる第2連結軸75が回転自在に挿通されており、第2連結軸75が運動変換部材73の他端部に固定されている。
【0052】
このような運動変換機構71により、ウォームホイール32が回転されると運動変換部材73が出力軸26まわりに往復揺動され、運動変換部73と連結プレート72との連結によって出力軸26が所定の角度範囲で往復揺動される。すなわち、運動変換機構71によりウォームホイール32の回転運動が揺動運動に変換されて出力軸26に伝達され、ワイパ部材が所定の揺動範囲つまり予め設定された下反転位置と上反転位置との間で揺動駆動されるようになっている。
【0053】
このリンクタイプの運動変換機構71を備えるワイパモータ70においても、図2に示すようなガタ抑制構造を設けることで、ギヤフレーム21の内部に収容された各部材のガタを抑制可能であることは言うまでもない。すなわち、図10に示すように、連結軸74,75の基端部には、軸方向に圧縮された状態でギヤカバー24の内側面に摺動自在に突き当てられる弾性部材としての摺接部材42がそれぞれ装着され、連結軸74,75や運動変換部73には摺接部材42による弾性力が底壁部21a側に向けて作用される。この摺接部材42の弾性力により、ギヤフレーム21に収容された各部材の軸方向の移動が強く規制され、軸方向のガタが抑制されるため、ギヤフレーム21の内部での各部材のがたつきが確実に防止される。したがって、スプリングワッシャ51を用いないようにすることで、ワイパモータ60の生産性を向上することが可能となり、図2に示すワイパモータ10と同様の効果を奏することができる。
【0054】
なお、リンクタイプの運動変換機構71を備えるワイパモータ70において、図8に示すようなガタ抑制構造を設けるようにしても良い。すなわち、ギヤカバー24の内側面に摺動自在に突き当てられる樹脂製の摺接部材61と、摺接部材61と運動変換部材73との間で軸方向に圧縮された状態で取り付けられる弾性部材としてのOリング62とを連結軸74,75の基端部にそれぞれ装着するようにしても良い。
【0055】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、電動モータ11としてはブラシ付モータに限られず、例えばブラシレスモータなどを用いても良い。また、本発明のワイパモータ10としては自動車等の車両のリヤウィンド装置に用いられるものに限られず、航空機や船舶等に搭載されるワイパ装置に用いても良い。
【符号の説明】
【0056】
10 ワイパモータ
11 モータ本体(電動モータ)
12 ギヤユニット部
13 モータケース
14 永久磁石
15 アーマチュア
16 コイル
17 モータシャフト
18 コンミテータ
19 ブラシ
21 ギヤフレーム
21a 底壁部
21b 軸保持部
22 締結ネジ
23 ウォーム
24 ギヤカバー
25 減速機構
26 出力軸
27 運動変換機構
28 軸受部材
29 シール材
30 ギヤケース
32 ウォームホイール
32a ボス部
33 回転軸
34 連結孔
35 ピニオンギヤ
36 運動変換部材
36a セクタギヤ部
36b アーム部
37 保持プレート
38 連結軸(第1連結軸)
39 歯車軸(第2連結軸)
42 摺接部材(弾性部材)
42a 突き当て部
42b 円筒部
42c 装着孔
43,44 固定孔
45 挿通孔
46 固定孔
47 挿通孔
48 グリス溝(溝部)
50 摺接部材
51 スプリングワッシャ
61 摺接部材
61a 突き当て部
61b 円筒部
61c 装着孔
62 Oリング(弾性部材)
63 スペーサ
70 ワイパモータ
71 運動変換機構
72 連結プレート
73 運動変換部材
74 第1連結軸
75 第2連結軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと当該電動モータの回転運動を揺動運動に変換して出力軸に伝達する運動変換機構とを備えるワイパモータであって、
前記電動モータにより回転されるウォーム、および前記ウォームに噛み合うウォームホイールを備え、前記電動モータの回転を減速して前記運動変換機構に伝達する減速機構と、
前記電動モータに取り付けられ、前記減速機構および前記運動変換機構を収容するギヤケースと、
前記出力軸の基端部に固定されて前記出力軸と一体に回転するピニオンギヤと、
前記ピニオンギヤに噛み合うセクタギヤ部を備え、前記ウォームホイールの軸心から径方向にずれた位置に設けられる第1連結軸により前記ウォームホイールに回動自在に連結される運動変換部材と、
前記セクタギヤ部の軸心に設けられる第2連結軸と前記出力軸とを揺動自在に連結する保持プレートと、
前記各軸の軸方向に弾性変形自在な弾性材料からなる弾性部材を備え、前記第1連結軸と前記第2連結軸との一端部にそれぞれ装着されて、前記弾性部材が軸方向に圧縮された状態で前記ギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられるガタ抑制構造とを有することを特徴とするワイパモータ。
【請求項2】
電動モータと当該電動モータの回転運動を揺動運動に変換して出力軸に伝達する運動変換機構とを備えるワイパモータであって、
前記電動モータにより回転されるウォーム、および前記ウォームに噛み合うウォームホイールを備え、前記電動モータの回転を減速して前記運動変換機構に伝達する減速機構と、
前記電動モータに取り付けられ、前記減速機構および前記運動変換機構を収容するギヤケースと、
前記ウォームホイールの軸心から径方向にずれた位置に設けられる第1連結軸により一端部が前記ウォームホイールに回動自在に連結される運動変換部材と、
前記運動変換部材の他端部に設けられる第2連結軸と前記出力軸とを揺動自在に連結し、前記出力軸の基端部に固定されて前記出力軸と一体に回転する連結プレートと、
前記各軸の軸方向に弾性変形自在な弾性材料からなる弾性部材を備え、前記第1連結軸と前記第2連結軸との一端部にそれぞれ装着されて、前記弾性部材が軸方向に圧縮された状態で前記ギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられるガタ抑制構造とを有することを特徴とするワイパモータ。
【請求項3】
請求項1または2記載のワイパモータにおいて、前記ガタ抑制構造は、軸方向に圧縮された状態で前記ギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられる前記弾性部材としての摺接部材を備えることを特徴とするワイパモータ。
【請求項4】
請求項1または2記載のワイパモータにおいて、前記ガタ抑制構造は、前記ギヤケースの内側面に摺動自在に突き当てられる摺接部材と、前記摺接部材と前記運動変換部材との間で軸方向に圧縮された状態で装着される前記弾性部材とを備えることを特徴とするワイパモータ。
【請求項5】
請求項3または4記載のワイパモータにおいて、前記摺接部材には、前記ギヤケースの内側面に塗布される潤滑剤を保持する溝部が形成されていることを特徴とするワイパモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−255769(P2011−255769A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131434(P2010−131434)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000144027)株式会社ミツバ (2,083)
【Fターム(参考)】