説明

ワーククリーニング方法

【課題】ワークに付着している異物を粘着テープを用いて的確かつ効率よく除去する。
【解決手段】ワークである基板wに付着している異物を狙って局部的に粘着テープTを貼り付け、該粘着テープTを剥離することにより異物を粘着テープTに移し取って基板wから除去する。好ましくは、粘着テープTを非粘着面から押圧部材26で押圧しながら基板表面に沿って押圧部材26を相対移動させるとともに、押圧部材26の相対移動に連動して粘着テープTを粘着テープ供給手段から繰り出しながら基板wに貼り付け、かつ、粘着テープTを剥離して回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶パネル、多層基板やリードフレームなどのワークに付着しているパーティクルや塵埃などの異物を除去するワーククリーニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハなどの基板においては、その表面に形成された半導体素子などの動作確認のための、例えば、アルミニウムなどで形成されたのバンプ電極にプローブ針の先端を擦りつけて酸化膜などを除去して電極との導通をとっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような検査工程においては、プローブ針の擦りつけによって電極から遊離された酸化膜の破片が異物となって基板に付着残存することになり、その後の工程を経た後に形成されるパッケージとしての信頼性に影響を与えることとなるので、この異物を除去する必要がある。基板に付着残存している異物を除去する手段としては、基板を洗浄する手段、あるいは、粘着テープを基板全面に貼付け剥離して異物を粘着テープに移し取り除去する手段、などが適宜選択されている。
【特許文献1】特開平11−133116号公報〔段落(0002)〜(0005)〕
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体ウエハなどの基板には洗浄耐性のないものがあり、このような基板に対しては粘着テープを基板に貼付け剥離しての異物除去が行われる。しかし、近年、大型、かつ、薄型化傾向にある基板の全面に粘着テープを貼付け剥離する場合、貼付け時の押圧力や、剥離時の剥離応力によって基板を損傷するおそれが高いものとなっている。つまり、粘着テープの慎重な貼付けおよび剥離が要求されて、処理に時間がかかるものとなる。
【0005】
また、粘着テープの粘着剤である有機物が基板に残留して基板を汚損するおそれがある。さらに、基板全面に粘着テープを貼り付けるために、基板の外径以上の幅の粘着テープを用いる必要があり、大型の基板に対しては多量の粘着テープを使用してしまうので、廃棄物の増量を招くといった問題も生じている。
【0006】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、各種基板やリードフレームなどのワーク付着している異物を粘着テープを用いて的確かつ効率よく除去することができる基板クリーニング方法を提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、ワークに付着している異物を除去するワーククリーニング方法であって、
ワークに付着している異物を狙って局部的に粘着テープを貼り付け、該粘着テープを剥離することにより粘着テープに異物を移し取ってワークから除去することを特徴とする。
【0008】
(作用・効果)この方法発明によれば、異物が付着している箇所だけに粘着テープを貼り付けるので、必要以上に粘着テープを使用することなく粘着テープからの転写物も極力抑えることができ、異物の除去を行うことができる。その結果、粘着テープ貼付け時の押圧力や粘着テープ剥離時の剥離応力を低減することができるので、ワークが損傷するの抑制することができる。また、粘着テープの使用量も減少させることができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記粘着テープを非粘着面から押圧部材で押圧し、前記ワークの異物付着箇所に粘着テープを貼り付け、前記押圧部材の押圧を解除して粘着テープを剥離し、剥離された粘着テープを回収することを特徴とする。
【0010】
(作用・効果)この方法発明によれば、異物が付着している箇所だけに粘着テープを押圧して貼り付け、貼り付けた粘着テープを剥離して回収することで、粘着テープに移し取った異物を粘着テープとともに回収することができる。
【0011】
第3の発明は、上記第1の発明において、
前記粘着テープを非粘着面から押圧部材で押圧しながらワーク表面に沿って押圧部材を相対移動させるとともに、前記押圧部材の相対移動に連動して粘着テープ供給手段から粘着テープを繰り出しながらワークに貼り付け粘着テープを剥離して回収することを特徴とする。
【0012】
(作用・効果)この方法発明によれば、異物の付着範囲が広くても、スライド移動によって粘着テープを所望範囲に貼り付けることができる。
【0013】
第4の発明は、上記第1ないし第3のいずれかの発明において、
前記ワークから剥離した前記粘着テープの粘着面を内側にして巻き取り回収することを特徴とする。
【0014】
(作用・効果)この方法発明によれば、粘着テープに移し取った異物を剥落および飛散させることなく回収することができるので、ワークから除去した異物が脱落してワークに再付着することが防止される。
【0015】
第5の発明は、上記第1ないし第4のいずれかの発明において、
前記ワークに付着している異物を異物検査手段によって検出して、異物の付着部位の位置情報を取得し、取得した情報に基づいてワークの異物付着部位への粘着テープの貼り付け剥離を行うことを特徴とする。
【0016】
(作用・効果)この方法発明によれば、ワークにおける異物付着部位に粘着テープを的確に貼り付けて剥離処理することができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、この発明に係るワーククリーニング方法によれば、ワークに付着している異物を少ない粘着テープで的確かつ効率よく除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施例説明する。なお、本実施例ではワークとして半導体ウエハである基板から異物を除去する場合を例に採って説明するが、本発明のワークとしては、半導体ウエハ以外に液晶パネル、多層基板などの各種基板およびリードフレームなども含まれる。
【0019】
図1は、本発明の1実施例形態に用いる基板クリーニング装置の側面図、図2は、基板クリーニング装置の平面図である。
【0020】
本発明に係る基板クリーニング方法を実行する基板クリーニング装置が、図1に基本構成が示されている。この基板クリーニング装置は、基板である半導体ウエハwを位置決め載置して吸着保持するチャックテーブル1とクリーニングユニット2とを備えている。
【0021】
図1および図2に示すように、チャックテーブル1は、前後移動可能な可動台3の上に案内レール4を介して左右に水平移動可能に支持されており、サーボ機能付きのモータ5で正逆転駆動される送りネジ6によって駆動移動される。可動台3は、基台7の上に案内レール8を介して前後に水平移動可能に支持されており、サーボ機能付きのモータ9で正逆転駆動されるる送りネジ10によって駆動移動される。
【0022】
クリーニングユニット2は、基台7に立設された支柱11、この支柱11の上端から前方に向けて片持ち延出されたブーム12、ブーム12の先端部に備えられた案内枠13、案内枠13に上下移動可能に支持された昇降台14、昇降台14に支点x周りに上下揺動可能に支持されたブラケット15、このブラケット15に脱着可能に連結されたテープカートリッジ16などから構成されている。昇降台14は、モータ17によって上下にネジ送り駆動され、ブラケット15はエアーシリンダ18によって上下に揺動駆動されるようになっている。
【0023】
図3〜5に示すように、テープカートリッジ16のハウジング19は側面形状が略三角形に形成されている。その内部は、3分割構造に構成されている。つまり、その内部が隔壁20でテープ幅方向に2室に隔絶されるとともに、隔壁20の正面側において、仕切り壁21によって、さらにテープ供給部22、セパレータ回収部23、およびテープ回収部24に仕切られている。
【0024】
図3において下部に位置するテープ供給部22は前後に長く形成され、その後部にテープ供給軸25が配備されるとともに、テープ供給部22の前端部に押圧部材26が装備されている。また、テープ供給部22の後部上方に形成されたセパレータ回収部23にセパレータ回収軸27が配備されている。さらに、テープ供給部22の前部上方に形成されたテープ回収部24にテープ回収軸28が配備されている。
【0025】
テープ供給軸25に、セパレータ付きの粘着テープTを巻回した供給リール29が外嵌装着されている。セパレータ回収軸27には、粘着テープTから剥離されたセパレータsを巻き取るセパレータ回収リール30が、セパレータ回収軸27と一体回動可能に装着されている。さらに、テープ回収軸28には、供給リール29から引き出された粘着テープTを巻き取るテープ回収リール31がテープ回収軸28と一体回動可能に装着されている。
【0026】
供給リール29において、粘着テープTから剥離されたセパレータsは、ガイドロール33で案内されてセパレータ回収リール30に導かれる。セパレータsが剥離された粘着テープTは、ガイドロール33で案内されて、粘着面が下向き状態で押圧部材26に導かれ、押圧部材26の下面に受け止められて斜め上方の進行方向に後退する側に折り返し案内されるとともに、この粘着テープTがガイドロール33を介してテープ回収リール31に導かれるようになっている。
【0027】
押圧部材26は、テープ供給部22の前端下面に形成された開口34から少し突出するように設けられ、押圧部材26に非粘着面側から受け止められた粘着テープTの下向き粘着面が開口34から露出されるようになっている。
【0028】
図4および図5に示すように、隔壁20の背面側には、外部と完全に隔絶された駆動室35が形成されている。この駆動室35には、セパレータ回収軸27、テープ回収軸28、および外部からの回転動力を受ける駆動軸36が支架されるとともに、駆動軸36とセパレータ回収軸27およびテープ回収軸28を駆動するための伝動機構37が収容されている。
【0029】
伝動機構37は、セパレータ回収軸27およびテープ回収軸28のそれぞれに一体連結したギヤ38,39を、駆動軸36に一体連結したピニオンギヤ40に咬合させた構造となっている。図5に示すように、駆動軸36の一端はハウジング19の背面外部に露出されており、駆動軸36の突出端に設けられた溝状の係合部36aが、ブラケット15に装着されたモータ41の出力軸42に同心状に係合連動されている。
【0030】
この伝動機構37は、図4において、モータ41によってピニオンギヤ40が時計方向に回動することで、テープ回収軸28が反時計方向に回動されて粘着テープTがテープ回収リール31に巻き取られるとともに、テープ供給リール29から粘着テープTが引き出される。これと同時にセパレータ回収軸27も反時計方向に同調回動されてセパレータsがセパレータ回収リール30に巻き取られる。
【0031】
次に、上記構成を有する基板クリーニング装置を用いて、異物除去処理工程を図6に示す概略フローチャートに沿って説明する。
【0032】
基板wは先ず適宜仕様の異物検査装置44(図2参照)に搬入され(ステップ1)、基板wの表面全面が走査されて(ステップ2)、異物の有無、および、異物の付着部位の位置情報が取得され、取得された情報は基板クリーニング装置の制御装置43(図2参照)に転送される(ステップ3)。
【0033】
異物の付着が検出された基板wは基板クリーニング装置に移載され、チャックテーブル1に所定の姿勢で位置決め載置されて吸着保持される。この場合、クリーニングユニット2におけるテープカートリッジ16は上方位置に待機している(ステップ4)。
【0034】
以下にステップ5における検査情報に基づく異物除去処理が行われる。チャックテーブル1に保持された基板wに関するデータが制御装置43によって読み出され、このデータに含まれる異物付着位置まで移動量をモータ5,9の回転量に変化された信号に基づいてモータ5,9が作動し、チャックテーブル1が前後左右に水平移動される。つまり、上方位置に待機しているテープカートリッジ16の下方に異物付着部位が位置するように基板wの位置決めが行われる。次にモータ17が作動し、昇降台14が下限まで下降されて、図7に示すように、異物付着部位の直上に押圧部材26が対向される。
【0035】
次に、エアーシリンダ18が作動してテープカートリッジ16が支点x周りに下方揺動され、テープカートリッジ16の先端部の開口34に臨んでいる押圧部材26が基板表面に所定の圧力で押し付けられる。つまり、図8に示すように、粘着面nを下向きにして押圧部材26に巻き掛けられた粘着テープTが異物pの付着部位に小面積で貼り付けられる。
【0036】
異物pの付着が、粘着テープTの繰り出しを静止した状態での露出したテープの貼り付け範囲内に収まる場合には、図9に示すように、テープカートリッジ16が支点x周りに上方揺動されて、貼り付けられた粘着テープTが基板wから剥離される。これによって、基板w上の異物は粘着テープTの粘着面に移し取られる。
【0037】
テープカートリッジ16が持ち上げられるとモータ41が作動し、図10に示すように、粘着テープTがテープ回収リール31に所定少量だけ巻き取られ、押圧部材26の下面に新たな粘着テープTが供給される。
【0038】
図11に示すように、異物pの付着が静止状態で露出したテープ貼り付け範囲内に収まらない場合には、図12に示すように、粘着テープTが最前方に在る異物pの付着部位に貼り付けられた後、図13に示すように、チャックテーブル1が前進移動され、基板wが異物付着範囲に応じた量だけ前方に水平移動されるとともに、モータ41が作動して粘着テープTの巻き取りが行われる。基板wが前方に移動するに連れて押圧部材26が基板wに対して相対的に後方に移動し、粘着テープTは押圧部材26の下方において基板wの表面に貼り付けられながら、押圧部材26の先端における折り返しに伴って逐次基板wから剥離されてゆく。そして、基板w上の異物pは粘着テープTの粘着面に順次に移し取られてゆく。
【0039】
所定範囲の異物pが粘着テープTに移し取られるとチャックテーブル1の前進移動が停止され、図14に示すように、テープカートリッジ16が支点x周りに上方揺動されて、貼り付けられた粘着テープTが基板wから剥離される。
【0040】
この場合、剥離された処理済み粘着テープTは粘着面を上向きにした状態でテープ回収部24に送り込まれ、粘着面を内側にして巻き取られるので、移し取られた異物が粘着面から剥落および飛散してテープカートリッジ16からこぼれ落ちるようなことはない。
【0041】
次に、次の異物付着部位がテープカートリッジ16の下方に位置するようにチャックテーブル1が移動され、以下、上記作動が繰り返される。
【0042】
全ての異物付着部位での異物除去が終了すると、昇降台14が待機位置まで上昇復帰されるとともに、処理の済んだ基板wが搬出される(ステップS6)。
【0043】
以上で、1枚の基板wの異物除去処理が終了し、次の基板wが搬入に備えられる。
【0044】
なお、テープ供給リール29の粘着テープTが消費されると、テープカートリッジ16を新しいものと交換する。回収したテープカートリッジ16は、リール交換および清掃を行うことで再利用することができる。
【0045】
以上のように、テープカートリッジ16を利用することにより、基板上の異物pの付着した部分を局部的に狙ってその異物pのみに粘着テープTを貼り付けて移し取り、基板wから除去することができる。したがって、洗浄できない基板に対して、その全面に粘着テープを貼り付ける必要がないので、粘着テープTの貼付け時の押圧力や粘着テープTの剥離時の剥離応力を極力小さく抑えることができる。すなわち、これら影響で基板に損傷を与えるのを抑制することができる。
【0046】
また、剥離回収した粘着テープTは、テープ回収リール31に粘着面を内側(リール中心軸側)にして巻き取られるので、異物pの離落や飛散が防止される。さらに、テープ回収部24自体が、テープカートリッジ16の内部で仕切り壁21によって、隔絶されているので、例え異物が離落してもテープ供給部22側に飛散して粘着テープTを汚染することがない。
【0047】
また、テープカートリッジ16は、内部で隔壁20によって駆動室35が隔絶されているので、伝達機構37で発生する摩耗粉や潤滑オイルなどの異物が使用前の粘着テープTに付着して汚染するのを防止することができる。
【0048】
さらに、粘着テープTの粘着面nを貼り付け処理の直前までセパレータsで覆っておくことができるので、粘着性能が劣化しない状態で供給することができ、良好な異物pの移し取りを行うことができる。
【0049】
なお、本発明は以下のような形態で実施することも可能である。
【0050】
(1)テープ回収軸28あるいはセパレータ回収軸27の一方をモータ41に連動連結可能に構成するとともに、ピニオンギヤ40を遊転ギヤに構成して実施することもできる。
【0051】
(2)テープ回収軸28あるいはセパレータ回収軸27の一方をモータ41に連動連結可能に構成するとともに、両軸28,27をベルトで巻き掛け連動して、テープ回収リール31とセパレータ回収リール30を同調して巻き取り方向に回動させることもできる。
【0052】
(3)上記実施例では、位置固定したテープカートリッジ16に対して、基板wをチャックテーブル1によって水平移動させるようにしているが、逆に、位置固定した基板wに対してテープカートリッジ16を前後左右に移動させる形態で実施することもできる。
【0053】
(4)粘着テープTの引き出し力を利用してテープ回収軸28およびセパレータ回収軸27を巻き取り駆動することも可能である。例えば、回転可能に支架したテープ供給軸25とセパレータ回収軸27とをアイドルギヤを介してギヤ連動して、粘着テープTの引き出しに伴うテープ供給軸25の回動でセパレータ回収軸27を巻き取り方向に回動させ、かつ、セパレータ回収軸27とテープ回収軸28とをアイドルギヤを介してギヤ連動して、セパレータ回収軸27の巻き取り方向への回動に連動してテープ回収軸28を巻き取り方向に回動させることができる。この構成によると、巻き取り駆動力を供給する前記モータ41を不要とすることができる。但し、この構成においては、必ず押圧部材26と基板wとを相対水平移動させての貼り付け剥離が必要となるので、基板wを固定させた状態での貼り付け剥離による異物除去処理はできないものとなる。
【0054】
(5)上記実施例では、粘着テープTから剥離後のセパレータsを個別のセパレータ回収リール30に巻き取り回収していたが、異物除去後の粘着テープTに再度貼り合わせて巻き取り回収するように構成してもよい。例えば、図15に示すように、テープ供給リールから粘着テープTを繰り出すとともに、剥離されたセパレータsを図中上部に案内し、仕切り壁21の間隙を通過させてテープ回収部24に導く。このセパレータsを、さらにニップローラ50に導き、異物を移し取った粘着テープTと貼り合わせてテープ回収リール30に巻き取る。
【0055】
この構成によれば、粘着テープTに移し取られた異物が粘着テープTとセパレータsにより封じ込まれるので、テープカートリッジ内で再度飛散することがない。すなわち、テープ供給リール31から供給される未使用の粘着面が異物によって汚染されるのを防止することができる。
【0056】
(6)上記実施例では、押圧部材26にブロック状のものを利用していたが、図16に示すように、粘着テープTの幅方向の位置決めおよびガイドとして機能する側壁45を設けた構成にしてもよい。この場合、テープカートリッジ16を揺動させたときに、側壁45の先端側を切欠いて粘着テープTの露出面が基板Tに貼り付けやすいように構成することが好ましい。
【0057】
(7)上記実施例では、テープカートリッジ16に押圧部材26を備えた構成であったが、押圧部材26を個別に駆動するように別の構成にしてもよい。例えば、図17に示すように、テープカートリッジ16Aを供給側と回収側とが下向きに突き出た形状とし、その両端に亘ってブリッジ状に粘着テープTを露出させ、その非粘着面側に形成された空間に押圧部材26Aを配備するように構成する。つまり、押圧部材26Aをその空間内で昇降させることにより、その先端で粘着テープTの粘着面nを基板上の異物pに局部的に貼り付けるようにできる。
【0058】
(8)上記実施例では、テープカートリッジ16を基板クリーニング装置に装着して自動で基板wから異物pを除去していたが、テープカートリッジ16のみを利用して作業者が手動で基板wから異物pを除去するようにしてもよい。
【0059】
(9)上記実施例では、セパレータ付きの粘着テープTを利用し、テープ供給部22からの粘着テープTの繰り出しと同時にセパレータsを剥離回収していたが、この粘着テープTに代えて基材に粘着層を形成したセパレータ無しの粘着テープTをリール状に巻回したものを利用してもよい。この場合、テープカートリッジ16としては、例えば、次のように構成することができる。
【0060】
図18および図19に示すように、ハウジング19の内部を、仕切り壁21によってテープ供給部22とテープ回収部24に仕切る。テープ供給部22は、テープ供給軸25が配備されている。このテープ供給軸25は、遊転自在または適度の回転抵抗が付与されている。
【0061】
テープ供給部22の前端下面に形成された開口から先端が少し突出するように押圧部材26が設けられている。この押圧部材26に非粘着面側から受け止められた粘着テープTが、下向き粘着面を開口から露出されるようになっている。また、押圧部材26の両側端には、粘着テープ走行時のテープ幅方向のふらつきを規制しながら先端に案内する側壁45が設けられている。
【0062】
テープ回収部24は、テープ回収軸28にモータ41の出力軸42が直接に連結されている。したがって、モータ41の駆動と連動して粘着テープTを巻上げなら回収するよう構成されている。
【0063】
このように構成することにより、上記実施例に比べて駆動軸を2軸にすることができるとともに、モータ41の出力軸42をテープ回収軸28に直接に連結することができるので、駆動機構を簡素化することができる。また、駆動軸を2本にすることにより、テープ巻き取り回収時の2軸の回転数の差を吸収(調整)しやすくなる。したがって、テープの巻き締まり、弛み、および巻きズレを抑制しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】基板クリーニング装置の側面図である。
【図2】基板クリーニング装置の平面図である。
【図3】テープカートリッジの縦断側面図である。
【図4】テープカートリッジの縦断側面図である。
【図5】図3におけるa−a断面図である。
【図6】異物除去処理工程のフローチャートである。
【図7】異物除去処理作動を示す要部の拡大側面図である。
【図8】異物除去処理作動を示す要部の拡大側面図である。
【図9】異物除去処理作動を示す要部の拡大側面図である。
【図10】異物除去処理作動を示す要部の拡大側面図である。
【図11】異物除去処理作動を示す要部の拡大側面図である。
【図12】異物除去処理作動を示す要部の拡大側面図である。
【図13】異物除去処理作動を示す要部の拡大側面図である。
【図14】異物除去処理作動を示す要部の拡大側面図である。
【図15】変形例のテープカートリッジを示す側面図である
【図16】変形例の押圧部材を示す側面図である。
【図17】変形例のテープカートリッジを示す側面図である。
【図18】変形例のテープカートリッジの側面図である。
【図19】図18におけるa−a断面図である。
【符号の説明】
【0065】
16 … テープカートリッジ
20 … 隔壁
22 … テープ供給部
23 … セパレータ回収部
24 … テープ回収部
26 … 押圧部材
36 … 係合部
p … 異物
s … セパレータ
T … 粘着テープ
w … 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに付着している異物を除去するワーククリーニング方法であって、
ワークに付着している異物を狙って局部的に粘着テープを貼り付け、該粘着テープを剥離することにより粘着テープに異物を移し取ってワークから除去する
ことを特徴とするワーククリーニング方法。
【請求項2】
請求項1に記載のワーククリーニング方法において、
前記粘着テープを非粘着面から押圧部材で押圧し、前記ワークの異物付着箇所に粘着テープを貼り付け、前記押圧部材の押圧を解除して粘着テープを剥離し、剥離された粘着テープを回収する
ことを特徴とするワーククリーニング方法。
【請求項3】
請求項1に記載のワーククリーニング方法において、
前記粘着テープを非粘着面から押圧部材で押圧しながらワーク表面に沿って押圧部材を相対移動させるとともに、前記押圧部材の相対移動に連動して粘着テープ供給手段から粘着テープを繰り出しながらワークに貼り付け粘着テープを剥離して回収する
ことを特徴とするワーククリーニング方法。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のワーククリーニング方法において、
前記ワークから剥離した前記粘着テープの粘着面を内側にして巻き取り回収する
ことを特徴とするワーククリーニング方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のワーククリーニング方法において、
前記ワークに付着している異物を異物検査手段によって検出し、異物の付着部位の位置情報を取得し、取得した情報に基づいてワークの異物付着部位への粘着テープの貼り付け剥離を行う
ことを特徴とするワーククリーニング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−109096(P2008−109096A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−230245(P2007−230245)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】