説明

三次元形状計測装置及び三次元形状計測方法

【課題】カメラ、レーザの相対位置を高精度で設置する必要がなく、また、測定レンジを複数種類を単一の測定プログラムにより変更する。
【解決手段】レーザ線条光照射部12と、既知形状の基準模様群を表示面に表示した座標変換テーブル作成用印刷表示板16と、照射部位の光切断面及びレーザ照射平面上に設置される表示板16を撮影するカメラ11と、表示板16の基準模様群を撮影したカメラ上の座標データを抽出する基準座標抽出手段131とから基準模様群の座標データと基準座標抽出手段131で抽出されたカメラ上の座標データとの対応関係を示す座標変換テーブル133を作成する。形状測定時には、表示板16を外して同じ位置に被測定物を配置させ、レーザ線条光を照射して照射部位の光切断面を撮影した画像から、点群抽出手段134により光切断面の点群を抽出する。抽出した点群座標を近似処理手段135により座標変換テーブル上の値に近似する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物体の三次元形状に関する所定項目を光切断法を用いて非接触で高精度に計測する三次元形状計測装置及び三次元形状計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ線条光(「ラインレーザ光」とも称する)を測定対象に照射し、その線条光をカメラにて撮影して測定対象の形状等を測定する光切断法による三次元測定方法が広く行われている。この場合、測定前にカメラのレンズ歪みを除去する等のキャリブレーション(校正)を行なうのが一般的である。この三次元測定方法はカメラ、レーザ(レーザ線条光)の位置から、カメラ画像データを取得し、アフィン変換などの空間座標変換を用いて計測する。カメラとレーザ(レーザ線条光)照射部との位置の精度が測定誤差に影響するため、カメラとレーザ照射部の位置を精密に設置する必要がある。これを実現させるため、カメラとレーザ照射部の位置を近づけ、相対距離の誤差を少なくする工夫がなされている。例えば、レーザ及びカメラを一つのシャーシに組み込み、精密に設置する方法が取られている。また、カメラのレンズ歪みを取る画像処理プログラムが広く用いられ、精度を向上させている。
【0003】
同一装置で、複数の測定レンジを持たせる場合、同一の測定プログラムの数値の丸め込みの桁を変えることで可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−192483号公報
【特許文献2】特開平8−35828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、障害物など、測定周辺環境によるカメラ、レーザの設置位置の制限などで、カメラとレーザの位置を離す場合、カメラ、レーザ(レーザ線条光)相対位置の精密な設置が必要であるが困難である、という課題がある。
【0006】
カメラとレーザの位置が振動や経年によりずれた場合、元の位置に戻す、もしくは、ずれた設置位置を再測定し、精密な設置が必要である、という課題もある。
【0007】
さらに、カメラが複数台あり、合成する場合、カメラ間の精密な設置が要求される、という課題もある。
【0008】
加えて、同一装置で、カメラレンズの歪みを補正する、という必要があるが、歪み補正の処理時間が必要であり、また補正しても軽減されるがまだ誤差は残る、という課題もある。
【0009】
一方、同一装置で複数の測定レンジを持たせる場合、測定レンジと測定時間(処理速度)の関係として、測定レンジは粗くするものの処理速度は速くする(測定時間重視)、その逆に、測定レンジはより精細にするが処理速度は遅くする(測定精度重視)、といった手法をフレキシブルに変更したいという要求があるものの、これを実現させることは必ずしも容易でない。
【0010】
そこで、本発明は、光切断法による形状計測において、カメラ、レーザの相対位置を高精度で設置する必要がなく、また、測定レンジを複数種類を単一の測定プログラムにより変更することができる三次元形状計測装置及び三次元形状計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための第1の特徴は、被測定物にレーザ線条光を照射するレーザ線条光照射部と、既知形状の基準模様群を表示面に表示した座標変換テーブル作成用の表示体と、照射部位の光切断面及びレーザ照射平面上に設置される前記座標変換テーブル作成用の表示体を撮影するカメラと、印刷表示板と、カメラ撮影画像を処理する画像処理部と、前記表示体の基準模様群を撮影したカメラ上の座標データを抽出する基準座標抽出手段と、基準模様群の座標データと前記基準座標抽出手段で抽出されたカメラ上の座標データとの対応関係を示す座標変換テーブルを作成する座標変換テーブル作成手段と、形状測定時には、前記座標変換テーブル作成用の表示体を外して同じ位置に被測定物を配置させ、この被測定物にレーザ線条光を照射した照射部位の光切断面を撮影した画像から、光切断面の点群を抽出する点群抽出手段と、抽出した点群座標を前記座標変換テーブル上の値に近似する近似処理手段と、を備え、近似データから照射部位の光切断面を測定するようにしたことにある。
【0012】
また、第2の特徴は、被測定物を測定するレーザ照射平面上に、表面に基準模様群が印刷または表示された座標変換テーブル作成用の表示体を設置するステップと、前記座標変換テーブル作成用の表示板の基準模様群をカメラで撮影するステップと、撮影した画像データを取り込んでカメラ上の基準模様群の座標データを抽出するステップと、座標変換プログラムを用いて抽出したデータと基準模様群の座標データと対応させた座標変換テーブルを座標変換プログラムを用いて作成するステップと、被測定物の形状測定時には前記座標変換テーブル作成用の表示体を外して同じ位置に前記被測定物を設置するステップと、前記被測定物にレーザ線条光を照射し、照射部位の光切断面を撮影して得られた画像データから、光切断面のラインを点群に変換し、点群を抽出するステップと、抽出した点群座標を先に作成した座標変換テーブル上の値に近似するステップと、を備え、前記座標変換プログラムを用いて照射部位の光切断面を測定するようにしたことにある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態1の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】光切断法による形状計測の一例を示す説明図である。
【図3】本発明に係る実施形態1の座標変換テーブル作成用印刷表示板の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る実施形態1の座標変換テーブル作成用印刷表示板における表示面の構成を示す説明図である。
【図5】本発明に係る実施形態1における処理手順を示すフローチャートであり、(a)は座標変換テーブル取得処理、(b)は座標変換テーブルを用いた形状取得処理を示す。
【図6】実施形態1における座標変換テーブル作成用印刷表示板16とレーザ線条光照射部12とカメラ11との位置関係を示す説明図である。
【図7】表示面161とカメラ画像とを並べた説明図であり、(a)は表示面、(b)はカメラ画像を示す。
【図8】基準模様161aの基準点αと、カメラ画像での基準模様111aのカメラ画像基準点Αの位置を示した説明図であり、(a)は表示面、(b)はカメラ画像を示す。
【図9】基準点間を格子状に結んだ説明図であり、(a)は表示面、(b)はカメラ画像を示す。
【図10】表示面とカメラ画像の基準点間との関係を示す説明図であり、(a)は表示面、(b)はカメラ画像を示す。
【図11】表示面基準点αとカメラ画像の基準点Αとの対応を表した1次座標変換テーブルtを示す構成図である。
【図12】基準模様間のピッチを短くした1次座標変換テーブルtを作成する説明図である。
【図13】図2に示す被測定物10にレーザ線条光を照射カメラ11で撮影したカメラ画像を示す説明図である。
【図14】図13の撮影画像のレーザ軌跡をライン処理し、線上の輝度の高い点群を抽出して点の集合体にすることを示す説明図である。
【図15】抽出した点1111aの座標をカメラ基準点ΑのE、F、G、Hの座標のいずれか最も近い点に置換する様子を示した説明図である。
【図16】置換した座標を1次座標変換テーブルtで変換する様子を示した説明図である。
【図17】2次座標変換テーブルTを作成するために、基準点間の線分をd分割し、向かい合う線分の分割した点同士を繋いだ様子を示す説明図である。
【図18】図17に示す格子点間をすべて分割した表示面及びカメラ画像の一例を示す説明図である。
【図19】表示面基準点aとカメラ画像の基準点Aとの対応を表した2次座標変換テーブルTの構成を示す説明図である。
【図20】本発明に係る実施形態2の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図21】表示面171に表示している基準模様171aと基準模様群171aaの一例を示す説明図である。
【図22】実施形態2におけるレーザ線条光照射部12と座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板17とカメラ11との位置関係を示す説明図である。
【図23】本発明に係る実施形態3の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図24】表示面181に表示している基準模様181aと基準模様群181aaの一例を示す説明図である。
【図25】実施形態3におけるレーザ線条光照射部12と座標変換テーブル作成用液晶ディスプレイ表示板18とカメラ11との位置関係を示す説明図である。
【図26】本発明に係る実施形態4の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図27】本発明に係る実施形態4の処理手順を示すフローチャートであり、(a)は座標変換テーブル取得処理、(b)は座標変換テーブルを用いた形状取得を示す。
【図28】座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19の構成を示す斜視図である。
【図29】突起プレート191の形状を一例を示す構成図であり、(a)は矩形状、(b)山形(三角)状、(c)は針状を示す。
【図30】実施形態4におけるレーザ線条光照射部12と座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19とカメラ11との位置関係を示す説明図である。
【図31】レーザ線条光照射部12と座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19の受光センサ192a、192b、192c、192dとの位置関係を示す説明図である。
【図32】表示面191とカメラ画像とを並べた説明図であり、(a)は表示面、(b)はカメラ画像を示している。
【図33】基準模様191aと基準点αと、カメラ画像での基準模様111aとカメラ画像基準点Αの一例を示す説明図であり、(a)は基準模様191a、(b)はカメラ画像基準点Αを示す。
【図34】本発明に係る実施形態5の三次元形状計測装置の実施例である。
【図35】本発明に係る実施形態6の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図である。
【図36】本発明に係る実施形態6の処理手順を示すフローチャートであり、(a)は座標変換テーブル取得処理、(b)は座標変換テーブルを用いた形状取得処理を示す。
【図37】実施形態6におけるレーザ線条光照射部12と座標変換テーブル作成用印刷表示板16とカメラ11との位置関係を示す説明図である。
【図38】複数の座標変換テーブルによる三次元計測の位置例を示す説明図である。
【図39】実施形態6における三次元計測の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
図1は、本発明に係る実施形態1の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図である。
【0015】
図1において、この実施形態1の三次元形状計測装置は、カメラ11(複数の場合は、11a,11b,・・・)と、レーザ線条光照射部12と、画像処理部13と、画像表示部14と、外部I/F部15と、表示板(座標変換テーブル作成用印刷表示板)16等を備えている。
【0016】
カメラ11は、CCDやC−MOS等の電子カメラであり、被測定物10及び表示板16の表示面161(図3、図4参照)を撮影する。
【0017】
レーザ線条光照射部12は、図2に示すように、被測定物10の表面にレーザ線条光照射部12からレーザ線条光122を照射し、光切断法により被測定物10の光切断面形状を測定する。一方、座標変換テーブル作成時には、所定の位置に置かれた座標変換テーブル作成用印刷表示板16にレーザ線条光122を照射し、光切断方による表示板16の撮像データに基づいた座標変換テーブルの作成に使用される。
【0018】
画像処理部13は、基準座標抽出プログラムで構成される基準座標抽出手段131と、座標細分化プログラムで構成される座標細分化手段132と、座標変換テーブル133と、ライン処理プログラムで構成されるライン処理手段134と、近似処理プログラムで構成される近似処理手段135とを有し、座標変換テーブル133を作成すると共に、作成された座標変換テーブル133を用いて被測定物10の形状を計測する。
【0019】
基準座標抽出手段131は、カメラ11で表示板16の表示面161を撮影し、カメラ11からの画像データを取得し、基準点αの座標を抽出する。座標細分化手段132は、基準点間を細分化し、基準点数を増やすことで測定精度を増すためのものである。カメラ11で被測定物10にレーザ線条光照射部12より照射されたレーザによる光切断面形状を撮影し、座標変換テーブル133にて変換し、被測定物10の光切断面の光切断面形状を求めるものである。
【0020】
画像表示部14は、画像処理部13にある画像データを表示するものである。
【0021】
外部I/F部15は、被測定物10の光断面形状計測データを本装置後段の形状計測部、形状認識部等の外部装置に出力するものである。
【0022】
表示板16は、座標変換テーブル作成用印刷表示板である。この座標変換テーブル作成用印刷表示板16の表面には、図3、図4に示すように、矩形の表示面161が設けられ、その四隅には、表示面161と同一平面をなす受光センサ162a、162b、162c、162dが設けられている。これら受光センサ162a、162b、162c、162dが共にレーザ線条光122を受光した場合、レーザ線条光122と4つの受光センサ162a、162b、162c、162dとが織りなす平面が同一平面となり位置決めが確定されるようになっている。さらに上部側に設けられた受光センサ162a、162bを設置する部材164にはスリット164が形成されている。このスリット164は、上方からのレーザ線条光122の受光が下方に設置された受光センサ62c、162dで死角にならないようにして位置決め精度を高めるために設置されている。
【0023】
表示面161には、図4に示すように、例えば、1mm間隔で縦横100×100個の基準模様161aから成る基準模様群161aaが形成されている。
【0024】
図5は実施形態1における処理手順を示しており、図5(a)は座標変換テーブルを取得するフローチャート、図5(b)は形状計測のフローチャートである。
【0025】
<座標変換テーブル取得処理>
図5(a)における座標変換テーブル取得処理では、まず、図6に示すように、表示板16を受光センサ162a、162b、162c、162dが共にレーザ線条光122を受光する位置に設置して(ステップS1)、表示板16の基準模様群をカメラ11で撮影する(ステップS2)。次いで、撮影画像上の基準模様群161aaの中心点群(基準点群)の座標を取得する(ステップS3)。そして、基準模様の基準点αと、カメラ画像基準点Αの座標を一次座標変換テーブルtに登録する(ステップS4)。次いで、一次座標変換テーブルtを座標細分化手段132の細分化プログラムによって座標を細分化する(ステップS5)。細分化されたテーブルは座標変換テーブルTとして登録される(ステップS6)。
【0026】
次に、座標変換テーブルTの作成処理の各ステップを詳述する。
【0027】
先ず、ステップS1の処理では、カメラ11とレーザ線条光照射部12と座標変換テーブル作成用印刷表示板16との位置関係を図6のように設定する。すなわち、レーザ線条光照射部12よりレーザ線条光122を照射し、座標変換テーブル作成用印刷表示板16の受光センサ162a、162b、162c、162dがすべて受光反応する位置に座標変換テーブル作成用印刷表示板16を設置する。これにより、表示面161とレーザ線条光122は同一平面となる。この位置で、座標変換テーブル作成用印刷表示板16をカメラ11で撮影する。
【0028】
図7は、表示面161とこの表示面161のカメラ画像とを並べたものであり、図7(a)は表示面、図7(b)は表示面を撮影したカメラ画像を示す。
【0029】
図8(a)に示すように、基準模様161aの基準点αは、カメラ画像では、図9(b)に示すように、基準模様111aのカメラ画像基準点Αとなる。カメラ画像基準点Αは、例えば、基準模様111aを楕円とみなし、楕円の2焦点間の中点とする。
【0030】
図9は、基準点間を格子状に結んだ説明図である。図9(a)は表示面、図9(b)はカメラ画像である。図9(a)に示す表示面の基準点αと図9(b)に示すカメラ画像の基準点Αとは、図10に示すような1対1の関係になる。すなわち、表示面の基準点αは、カメラ画像上の基準点Αに映る。α11はΑ11に、α12はΑ12に、αmnはΑmn(m、nは自然数)に対応しており、それぞれ1点につき、対応する点は唯一の1点であり、一意的に決まる。逆に、あるカメラ基準点Αmnは、表示面の唯一の点αmnに対応する。すなわち、表示板16を外し、図4に示すように、被測定物を設置し、あるカメラ基準点Αmnが光っている場合、それに対応する基準点αmnの位置に被測定物が存在していることを意味している。
【0031】
このようにして、表示面基準点αとカメラ画像の基準点Αとの対応を示す座標関係をテーブル化して、図11に示すような1次座標変換テーブルtが作成される。なお、表示面の基準点間のピッチは任意に変えることが可能であり、図8の基準模様間のピッチを短くして、図12に示すような、1次座標変換テーブルtを作成することも可能である。
【0032】
<形状計測処理>
図5(b)に示す“形状計測処理”においては、先ず、図2に示すように、被測定物10にレーザ線条光122を照射してカメラ11で撮影する(ステップS7)。次いで、撮影画像のレーザ軌跡をライン処理し、ラインを点の集合対として点群座標データを取得する(ステップS8)。点群座標データを座標変換テーブルTの変換座標に近似する(ステップS9)。座標変換テーブルTを用いて座標変換、光切断形状を取得する(ステップS10)。外部I/F部15を介して形状計測データを出力する(ステップS11)。
【0033】
次に、上述のようにして作成された座標変換テーブルTを用いて被測定物10を撮影してカメラ画像を得て形状測定データを得るまでの処理を具体的に説明する。
【0034】
図13は、図2に示す位置関係で、被測定物10にレーザ線条光112を照射し、カメラ11で撮影したカメラ画像である。図14は、ステップS8に示すように、図13の撮影画像のレーザ軌跡をライン処理し、線上の輝度の高い点群を抽出し、点の集合体にすることを示している。同図(b)はその拡大表示の一例である。カメラ基準点ΑのE、F、G、H点間の領域に、抽出した点1111aがあることが理解できる。
【0035】
図15は、ステップS9に示すように、抽出した点1111aの座標とカメラ基準点ΑのE、F、G、Hの座標より、カメラ基準点ΑのE、F、G、Hとの距離を比較し、いずれかに最も近い点に置換する様子を示した説明図である。
【0036】
例えば、1111aのある点をΒ1(x1,y1)、E点の座標を(X,Y)とすると、1111aとE点の距離は、

となる。同様にF点の座標を(X,Y)、G点の座標を(X,Y)、H点の座標を(X,Y)とすると、

となる。
【0037】
そして、式(1)、(2)、(3)、(4)の中で最小値になる点に近似、置換する。つまり、例えば、

が最小値であれば、点Β1は、E点に置換される。
【0038】
図16は、ステップS10に示すように、置換した座標を1次座標変換テーブルtで変換する様子を示しており、被測定物10の光断面形状を近似し、求めることが出来る。誤差は、理論上、基準点間のピッチを小さくするほど、高精細に光断面形状を計測し、計測データを取得することができる。
【0039】
そして、上述のようにして得られた計測データは、ステップS11に示すように、外部I/F部15を介して外部に出力される。
【0040】
しかし、基準点Α間を短くしていくと、カメラ11の解像度、カメラ11と表示面との角度、距離などにより、基準点Α同士が重なり、判別できないことがある。この方式は、計測精度は、基準点間を超えられないため、基準点Αが判別できるところまで以上に測定精度を上げることができない、という課題がある。この課題を解決する方法を後述する。
【0041】
まず、基準点が判別できる間隔の表示面161を撮影し、図2(a)のステップS1〜S4の処理を行なう。
【0042】
図17は、ステップS5に示すように、後述する2次座標変換テーブルTを作成するために、基準点間の線分をd分割し、向かい合う線分の分割した点同士を繋いだ様子を示している。dは自然数である。つまり、基準点間を格子状にd分割した点と、カメラ画像での基準点間をd分割したそれぞれの点同士は、ほぼ対応する位置に近似する。測定精度は、d分割の分割数、分割のピッチ間を変更することで、調節することができる。
【0043】
図18は、分割した表示面及びカメラ画像の一例である。a11はA11に、a12はA12に、amnはAmn(m、nは自然数)にそれぞれ対応しており、それぞれ1点につき、対応する点は唯一の1点であり、一意的に決まる。逆に、あるカメラ基準点Amnは、表示面の唯一の点amnに対応する。これは、図11におけるαをa、ΑをAに読み替えたものと同様である。
【0044】
表示板16を外し、図2に示すように、被測定物10を設置し、あるカメラ基準点Amnが光っている場合、それに対応する基準点amnの位置に被測定物がある、ということである。
【0045】
図19は、表示面基準点aとカメラ画像の基準点Aとの対応を表したものであり、2次座標変換テーブルTを示したものである。
【0046】
以下、図5(b)のS7〜S11を前述と同様に行なうことで、光断面形状を計測し、計測データを出力する。
【0047】
上述した1次座標変換テーブルtと2次座標変換テーブルTとの相違について説明する。
【0048】
例えば、基準模様の径Φ0.2mm、1次テーブル用表示:ピッチ1mmの表示板があるとする。
【0049】
1)1mmピッチで測定したい場合には、1次変換のみで測定可能である。
【0050】
2)0.5mmピッチで測定したい場合には、上記表示板で1次座標変換テーブルtをつくり、これを細分化(この場合1/2)して2次座標変換テーブルTを作成することで測定可能となる。
【0051】
3)他の方法として、例えば、模様Φ0.2mm、1次テーブル用表示:ピッチ0.5mmの表示板を作ることにより、1次座標変換テーブルtのみで測定することができる。このほうが誤差は小さい。
【0052】
この理論で言えば、どんどん細かい表示板を作ればその分、1次座標変換テーブルtのみで精度の良い測定が可能となる。すなわち、基準模様の径Φを0.2→0.1→0.01→0.001とした場合、これに対応して、1次座標変換テーブルt用表示板のピッチを0.5→0.01→0.001→・・・とする、測定精度に応じた表示板を作ればよい。
【0053】
しかし、これには限界がある。最終的な限界点として、「カメラが点として認識できるレベルより模様を小さくしたとき」には、点がもう映らないので測定不能となる。この限界レベル(近く)で測定したい場合、事前にいくつまで模様を小さくできるか、限界最径Φを求めて、表示板を作成できれば、1次座標変換テーブルtのみで可能であるが、実際にこれを作成したり予測したりするのはほぼ不可能である。
【0054】
そこで、2次座標変換テーブルTを使うことにより、点として充分認識できる少し余裕を持たせた基準模様のΦにしておき、撮影した後、細分化すれば、この限界点に限りなく近いレベルまで計算で細分化することができる。ただし、1次座標変換テーブルtのみで測定する場合よりは誤差は大きくなるが、この誤差が許容範囲内であれば2次座標変換テーブルTによって測定が可能となる。このように、実施形態1では、レーザ平面とカメラとの相対位置を求めること無く、高精度で形状を測定することが可能となる。
【0055】
<実施形態2>
図20は、本発明に係る実施形態2の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図である。
【0056】
この実施形態2の三次元形状計測装置は、座標変換テーブル作成用の表示体として、図21、図22に示す座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板17を用いる構成である。
【0057】
座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板17は、表示面171と、受光センサ172a、172b、172c、172dを有している。受光センサ172a、172b、172c、172dが織り成す平面と、表示面171は、同一平面になるように座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板17に固定されている。表示面171には、LED表示器が、例えば、1mm間隔で縦横100×100個配列され、これらLED表示器によって基準模様171aから成る基準模様群171aaが形成されている。他の構成は実施形態1と同様であるため、その説明は省略する。
【0058】
画像処理部13は、座標変換テーブル133を作成し、座標変換テーブル133を用いて、形状を計測するものである。すなわち、カメラ11で表示板17の表示面171を撮影し、カメラ11からの画像データを取得し、基準点αの座標を抽出するための基準座標抽出プログラム131、基準点間を細分化し、基準点数を増やすことで測定精度を増すための座標細分化プログラム132を有する。
【0059】
実施形態2では、実施形態1の図5で説明したと同様、既知の位置に配した基準模様群を表示した座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板17をレーザ表面上に設置する(ステップS1)。次いで、表示板の基準模様群をカメラ11で撮影する(ステップS2)。次いで、撮影画像上の基準模様群の中心点群の座標位置を取得する(ステップS3)。次いで、基準模様の基準点αと、この基準点αに対応するカメラ画像の基準点Αの座標を座標変換テーブルtに登録する(ステップS4)。座標細分化手段132に格納されている細分化プログラムを用いて座標を細分化する(ステップS5)。このようにして、座標変換テーブルTを作成する(ステップS6)。形状測定処理では、カメラ11で被測定物10にレーザ線条光照射部12より照射されたレーザによる光切断面形状を撮影し、座標変換テーブル133にて変換し、被測定物10の光切断面の光切断面形状を求める点は実施形態1と同様である。
【0060】
このように、実施形態2では、座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板17を用いて座標変換テーブルの作成、及び形状測定が行われるので、レーザ平面とカメラとの相対位置を求めること無く、高精度で形状を測定することが可能となる。また、LEDマトリクス配置密度や大きさ等を様々に変更することで多様な測定が可能となるという効果がある。
【0061】
<実施形態3>
図23は、本発明に係る実施形態3の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図である。
【0062】
この実施形態3の三次元形状計測装置は、座標変換テーブル作成用の表示体として、図24、図25に示す座標変換テーブル作成用液晶ディスプレイ表示板18を用いる構成である。
【0063】
座標変換テーブル作成用液晶ディスプレイ表示板18は、表示面181と、受光センサ182a、182b、182c、182dとを有している。受光センサ182a、182b、182c、182dが織り成す平面と、表示面181は、同一平面になるように座標変換テーブル作成用液晶ディスプレイ表示板18に固定されている。表示面181には、液晶表示による基準模様171aが、例えば、1mm間隔で縦横100×100個配列され、これら液晶表示によって基準模様171aから成る基準模様群171aaが形成されている。他の構成は実施形態1と同様であるため、その説明は省略する。
【0064】
画像処理部13は、座標変換テーブル133を作成し、座標変換テーブル133を用いて、形状を計測するものである。すなわち、カメラ11で表示板18の表示面181を撮影し、カメラ11からの画像データを取得し、基準点αの座標を抽出するための基準座標抽出手段131、基準点間を細分化し、基準点数を増やすことで測定精度を増すための座標細分化手段132等を有する。
【0065】
実施形態3では、実施形態1で図5を用いて説明したと同様、既知の位置に配した基準模様群を表示した座標変換テーブル作成用液晶ディスプレイ表示板18をレーザ表面上に設置する(ステップS1)。次いで、表示板の基準模様群をカメラ11で撮影する(ステップS2)。次いで、撮影画像上の基準模様群の中心点群の座標位置を取得する(ステップS3)。次いで、基準模様の基準点αと、この基準点αに対応するカメラ画像の基準点Αの座標を座標変換テーブルtに登録する(ステップS4)。座標細分化手段132に格納されている細分化プログラムを用いて座標を細分化する(ステップS5)。このようにして、座標変換テーブルTを作成する(ステップS6)。形状測定処理では、カメラ11で被測定物10にレーザ線条光照射部12より照射されたレーザによる光切断面形状を撮影し、座標変換テーブル133にて変換し、被測定物10の光切断面の光切断面形状を求める点は実施形態1と同様である。
【0066】
このように、実施形態3では、座標変換テーブル作成用液晶ディスプレイ表示板18を用いて座標変換テーブルの作成、及び形状測定が行われるので、レーザ平面とカメラとの相対位置を求めること無く、高精度で形状を測定することが可能となる。また、液晶表示面に配置される基準模様群の配置を容易に変更することができるので、基準模様群の配置密度や大きさ等を様々に変更することで多様な測定が可能となるという効果がある。
【0067】
<実施形態4>
図26は、本発明に係る実施形態4の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図、図27はその処理手順を示すフローチャートである。
【0068】
実施形態4は、実際に使う場合を想定したものであり、カメラ11(複数の場合は、11a,11b,・・・)、レーザ線条光照射部12、画像処理部13、画像表示部14、外部I/F部15、表示体としての座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19を備えている。
【0069】
カメラ11は、実施形態1〜3と同様、CCDやC−MOS等の電子カメラであり、被測定物及び表示板19の突起プレート191を撮影するものである。
【0070】
レーザ線条光照射部12は、実施形態1〜3と同様、被測定物10の計測部位に向けてレーザ線条光(ラインレーザ)を照射するものである。
【0071】
画像処理部13は、座標変換テーブル133を作成し、座標変換テーブル133を用いて、形状を計測するものである。後述のように、カメラ11で表示板19の突起プレート191を撮影し、カメラ11からの画像データを取得し、基準点αの座標を抽出するための基準座標抽出プログラム131、基準点間を細分化し、基準点数を増やすことで測定精度を増すための座標細分化プログラム132を有する。カメラ11で被測定物10にレーザ線条光照射部12より照射されたレーザによる光切断面形状を撮影し、座標変換テーブル133にて変換し、被測定物10の光切断面の光切断面形状を求める点は実施形態1〜3と同様である。
【0072】
表示板19は、座標変換テーブル作成用突起プレート表示板である。この座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19は、図28に示すように、突起プレート191と、受光センサ192a、192b、192c、192dとを有している。受光センサ192a、192b、192c、192dが織り成す平面と、突起プレート191は、同一平面になるように座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19に固定されている。
【0073】
図29は、突起プレート191の形状の一例を示すものである。突起プレート191の形状は、既知の形状で、例えば、図29(a)のような断面矩形状、同(b)のような断面三角(山形)状、同(c)のような針状などが考えられる。以下、図29(a)に示す断面矩形状を例に説明する。
【0074】
突起プレート191とレーザ線条光による断面形状は、図32に示すように、基準模様191aと基準模様群191aaとなる。基準模様191aは、模様の中心位置もしくは特異点が既知であり、基準模様群191aaは、基準模様191aの中心位置もしくは特異点間の配置が既知であるように突起プレート191を設置している。
【0075】
図27に示すフローチャートにおいて、先ず、図30に示すように、レーザ線条光照射部12よりレーザ122を照射し、座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19の受光センサ192a、192b、192c、192dがすべて受光反応する位置に座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19を設置する(ステップS11)。これにより、表示面突起プレート191とレーザ122は同一平面にすることができる。
【0076】
次いで図31に示すように、突起プレート191にレーザ線条光に当たったときにできる基準模様191aをカメラ11で撮影する。突起プレート191を既知のストローク長Stdずつ動かし、カメラ11で撮影する(ステップS21)。そして、撮影画像上の基準模様(群)(中心点(群))の座標を取得する(ステップS3)。
【0077】
図32は、表示面基準模様191とカメラ画像とを並べたもので、図32(a)は表示面、図32(b)はカメラ画像を示している。
【0078】
図33は、基準模様191aと基準点αと、カメラ画像での基準模様111aとカメラ画像基準点Α(ラージアルファ)を示した一例である。カメラ画像基準点Αは、基準模様111aの角とする。
【0079】
以下の処理は、図5に示すフローチャートと同様な処理のため、その説明は省略する。
【0080】
このように、実施形態4では、座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19を用いて座標変換テーブルの作成、及び形状測定が行われるので、レーザ平面とカメラとの相対位置を求めること無く、高精度で形状を測定することが可能となる。また、座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19を移動させつつ測定するので、実際に使用される場合を想定した測定が可能になり、より精度の高い、多様な測定が可能となるという効果がある。
【0081】
<実施形態5>
図34は、本発明に係る実施形態5の三次元形状計測装置の実施例である。実施形態5は、実施形態1において、カメラを複数台で構成したものである。
【0082】
1111aは、カメラ11aの画像、1111bは、カメラ11bの画像である。
【0083】
カメラの死角になる箇所を、他のカメラで撮影することで、形状計測ができる。変換先が同一平面であるため、カメラ画像の合成が容易である。
【0084】
表示板は、図3に示す座標変換テーブル作成用印刷表示板16を用いて、実施形態1と同様に座標変換テーブルを作成し、形状計測する。
【0085】
なお、表示体としては、図22に示す座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板17を用いて、実施形態2と同様に座標変換テーブルを作成し、形状計測しても勿論よい。また、図25に示す座標変換テーブル作成用液晶ディスプレイ表示板18を用いて、実施形態3と同様に座標変換テーブルを作成し、形状計測しても勿論よい。さらに、図28に示す座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19を用いて、実施形態4と同様に座標変換テーブルを作成し、形状計測しても勿論よい。
【0086】
<実施形態6>
図35は、本発明に係る実施形態6の三次元形状計測装置の構成例を示すブロック図、図36は、三次元座標変換テーブルの作成、及び三次元形状計測のフローチャートであり、(a)は三次元座標変換テーブルを取得するフローチャート、(b)は、三次元形状計測のフローチャートである。
【0087】
実施形態6の表示板としては、座標変換テーブル作成用印刷表示板16を用いて、実施形態1と同様に座標変換テーブルを作成し、形状計測する。
【0088】
図36(a)に示すフローチャートにおいて、まず、図37に示すように、表示板16を受光センサ162a、162b、162c、162dが共にレーザ線条光122を受光する位置に設置して(ステップS1)、表示板16の基準模様群をカメラで撮影する(ステップS2)。次いで、撮影画像上の基準模様群の中心点群(基準点群)の座標を取得する(ステップS3)。そして、基準模様の基準点αと、カメラ画像基準点Αの座標を一次座標変換テーブルtに登録する(ステップS4)。次いで、一次座標変換テーブルtを座標細分化手段132の細分化プログラムによって座標を細分化する(ステップS5)。細分化されたテーブルは座標変換テーブルT1として登録される(ステップS6)。
【0089】
こうして、座標変換テーブルT1が取得されると、次にレーザ線条光照射部12をXステージ21でレーザ線条光121に対して垂直方向にSt移動させると共に、表示板16をXステージ22でSt移動させる。これにより、表示面161とレーザ平面122を同一平面に合わせることができる。次いで、ステップS1〜ステップS6の処理を実行して座標変換テーブルT2を作成する。このようにして、レーザ線条光122に対して垂直方向にレーザ線条光照射部12を微少距離Stだけ移動させると共に表示板16をXステージ22でSt移動させた後、ステップS1〜ステップS6の処理を実行して座標変換テーブルT2を作成する処理をn回繰り返し実行して座標変換テーブルT1〜Tnを取得する。
【0090】
図38は、複数の座標変換テーブルT1〜Tnによる三次元計測を説明するもので、それぞれ対応する複数の座標変換テーブルT1〜Tnで表示面基準模様1611とカメラ画像1111との座標変換を行なう例を示している。そして、測定時においては、図39に示すように、被測定物10を置いて、レーザ線条光照射部12をStずつ移動させる。座標変換テーブルT1〜Tnを用いて座標変換し、被測定物10の三次元計測データを取得する。外部I/F部15を介して、出力する。このようにして、実測に即した正確な三次元計測データを取得することが可能となる。
【0091】
なお、表示体としては、図22に示す座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板17を用いて、実施形態2と同様に座標変換テーブルを作成し、形状計測しても勿論よい。また、図25に示す座標変換テーブル作成用液晶ディスプレイ表示板18を用いて、実施形態3と同様に座標変換テーブルを作成し、形状計測しても勿論よい。さらに、図28に示す座標変換テーブル作成用突起プレート表示板19を用いて、実施形態4と同様に座標変換テーブルを作成し、形状計測しても勿論よい。
【0092】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1〜6 三次元計測装置
10・・・被測定物
11,11a,11b・・・カメラ
111・・・カメラ画像
1111・・・カメラ画像上の基準点群(座標変換テーブルの点群)
1111a・・・カメラ画像上の点群
1111x・・・カメラ画像x軸方向
1111y・・・カメラ画像y軸方向
12・・・レーザ線条光照射部
121・・・レーザ線条光
122・・・レーザ平面
13・・・信号処理部
131・・・座標変換手段
132・・・座標細分化手段
133・・・座標変換テーブル
134・・・ライン処理手段
135・・・近似処理手段
14・・・画像表示部
15・・・外部I/F部
16・・・座標変換テーブル作成用印刷表示板
161・・・表示面
161a・・・基準模様
161aa・・・基準模様群
162a,162b,162c,162d・・・受光センサ
1611x・・・表示板X軸方向
1612y・・・表示板Y軸方向
17・・・座標変換テーブル作成用LEDドットマトリクス表示板
171・・・表示面
171a・・・基準模様
171aa・・・基準模様群
172a,172b,172c,172d・・・受光センサ
18・・・座標変換テーブル作成用ディスプレイ表示板
181・・・表示面
181a・・・基準模様
181aa・・・基準模様群
182a,182b,182c,182d・・・受光センサ
19・・・座標変換テーブル作成用突起プレート表示板
191・・・座標変換テーブル作成用突起プレート
191a・・・基準模様
192a,192b,192c,192d・・・受光センサ
193・・・スリット
20・・・Zステージ
21,22・・・Xステージ
α・・・表示面の基準点(座標変換テーブルtの点)
Α・・・カメラ画像点の基準点(座標変換テーブルTの点)
Β・・・カメラ画像の点
a・・・表示面の点(座標変換テーブルTの点)
A・・・カメラ画像の点(座標変換テーブルTの点)
t・・・1次座標変換テーブル
T・・・2次座標変換テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物にレーザ線条光を照射するレーザ線条光照射部と、
既知形状の基準模様群を表示面に表示した座標変換テーブル作成用の表示体と、
照射部位の光切断面及びレーザ照射平面上に設置される前記座標変換テーブル作成用の表示体を撮影するカメラと、
印刷表示板と、カメラ撮影画像を処理する画像処理部と、
前記表示体の基準模様群を撮影したカメラ上の座標データを抽出する基準座標抽出手段と、
基準模様群の座標データと前記基準座標抽出手段で抽出されたカメラ上の座標データとの対応関係を示す座標変換テーブルを作成する座標変換テーブル作成手段と、
形状測定時には、前記座標変換テーブル作成用の表示体を外して同じ位置に被測定物を配置させ、この被測定物にレーザ線条光を照射した照射部位の光切断面を撮影した画像から、光切断面の点群を抽出する点群抽出手段と、
抽出した点群座標を前記座標変換テーブル上の値に近似する近似処理手段と、を備え、
近似データから照射部位の光切断面を測定するようにしたことを特徴とする三次元形状計測装置。
【請求項2】
請求項1に記載の三次元形状計測装置において、
前記座標変換テーブル作成用の表示体は、基準点となる位置に点模様をマトリクス状に配置して成る基準模様群が印刷された印刷表示板、基準点位置にLEDを配置したLEDドットマトリクス表示板、または平面ディスプレイ上の基準点位置を点灯させるディスプレイ表示板であることを特徴とする三次元形状計測装置。
【請求項3】
請求項1に記載の三次元形状計測装置において、
座標変換テーブル作成手段で作成された座標変換テーブルにおける座標点間を分割し、細分化した座標データから成る二次座標変換テーブルを作成する手段を備え、この二次座標変換テーブルを用いて前記近似データを求めることを特徴とする三次元形状計測装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の三次元形状計測装置において、
基準模様点群間のピッチを変えることで、任意の精度で複数のレンジを測定することを特徴とする三次元形状計測装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の三次元形状計測装置において、
座標変換テーブル作成用の表示体に替えて、既知形状の格子状のプレートをレーザ照射平面上に設置、レーザ線条光を照射し、その乱反射光を座標として抽出することを特徴とする三次元形状計測装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の三次元形状計測装置において、
カメラを複数台設置し、同一の座標変換テーブル作成用の表示体を撮影することで、単一のカメラでの死角部分の測定及び合成をすることを特徴とする三次元形状計測装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の三次元形状計測装置において、
レーザ及び座標変換テーブル作成用の表示体を微小距離動かせて座標変換テーブルを作成する処理を繰り返して複数の座標変換テーブルを作成し、被測定物の測定時にはレーザを照射した照射部位の光切断面を撮影し、レーザを微小距離動かす処理を繰り返して複数の撮影データを取得し、これらの撮影データに対して対応する座標変換テーブルを使用して被測定物の形状を測定することを特徴とする三次元形状計測装置。
【請求項8】
被測定物を測定するレーザ照射平面上に、表面に基準模様群が印刷または表示された座標変換テーブル作成用の表示体を設置するステップと、
前記座標変換テーブル作成用の表示板の基準模様群をカメラで撮影するステップと、
撮影した画像データを取り込んでカメラ上の基準模様群の座標データを抽出するステップと、
座標変換プログラムを用いて抽出したデータと基準模様群の座標データと対応させた座標変換テーブルを座標変換プログラムを用いて作成するステップと、
被測定物の形状測定時には前記座標変換テーブル作成用の表示体を外して同じ位置に前記被測定物を設置するステップと、
前記被測定物にレーザ線条光を照射し、照射部位の光切断面を撮影して得られた画像データから、光切断面のラインを点群に変換し、点群を抽出するステップと、
抽出した点群座標を先に作成した座標変換テーブル上の値に近似するステップと、を備え、
前記座標変換プログラムを用いて照射部位の光切断面を測定するようにしたことを特徴とする三次元形状計測方法。
【請求項9】
請求項8に記載の三次元形状計測方法おいて、
抽出したデータと基準模様群の座標データを画像処理部内の座標変換プログラムに入力し座標変換テーブルを作成するステップの後に、座標点間を分割し、細分化した座標を算出するステップと、算出した座標データより座標変換テーブルを作成するステップとを有することを特徴とする三次元形状計測方法。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の三次元形状計測方法において、
レーザ及び座標変換テーブル作成用の表示体を微小距離動かせて座標変換テーブルを作成する処理を繰り返して複数の座標変換テーブルを作成し、被測定物の測定時にはレーザを照射した照射部位の光切断面を撮影し、レーザを微小距離動かす処理を繰り返して複数の撮影データを取得し、これらの撮影データに対して対応する座標変換テーブルを使用して被測定物の形状を測定することを特徴とする三次元形状計測方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate


【公開番号】特開2013−15413(P2013−15413A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148528(P2011−148528)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000221177)東芝トランスポートエンジニアリング株式会社 (16)
【Fターム(参考)】