説明

三輪型管理機

【課題】 運転者の負担を大幅に軽減することができる三輪型管理機を提供することを課題とする。
【解決手段】 前輪が2輪で、後輪が1輪で、この後輪を操舵輪とし、農作業に供する三輪型管理機において、図で、横軸は後輪の操舵角θ、縦軸は(前輪速度/後輪速度)を示す。すなわち、後輪の操舵角に基づいて前輪の回転速度を制御する。
【効果】 操舵角が大きくなるほど、走行速度が遅くなり、転倒の危険を回避することができる。運転者は旋回前に減速操作をする必要がないので、運転操作が楽になり、運転者の負担を大幅に軽減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小豆などの豆類の刈り取りに好適な三輪型管理機に関する。
【背景技術】
【0002】
農作物を管理する管理機には、四輪型管理機が主流である(例えば、特許文献1参照。)。その他に、三輪型管理機も使用される(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2003−310024公報(図2)
【特許文献2】特開平10−210842号公報(図3)
【0003】
特許文献1の図2には、4輪操舵型管理機が示されている。農業機械は、畑の中で前進、後進、左右微旋回、左右急旋回などの操作を頻繁に行う。そのために、4輪操舵型管理機が必要となる。ただし、特許文献1の管理機は4輪駆動車であるため、駆動系が複雑になり、管理機は大型で且つ高価なものとなる。
【0004】
この点、特許文献2の図3に示される三輪型管理機は、2個の前輪と1個の後輪とならなり、遙かに小型であり安価である。
しかし、周知の通り、三輪車は高速走行中に急旋回すると、四輪車よりは遙かに転倒しやすい。そのため、三輪型管理機は、旋回前に十分に減速する必要があり、運転操作が煩雑であり、運転者の負担が大きかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、運転者の負担を大幅に軽減することができる三輪型管理機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、前輪が2輪で、後輪が1輪で、この後輪を操舵輪とし、農作業に供する三輪型管理機において、
前輪は油圧駆動変速機構を用いて駆動し、後輪は電動モータを用いて駆動するとともに、後輪の操舵角が大きくなるほど油圧駆動変速機構の出力軸回転速度を減少させるごとくに、後輪の操舵角に基づいて前輪の回転速度を制御することを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、後輪の操舵角が90°のときに、油圧駆動変速機構の出力軸回転速度をゼロにすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明では、後輪の操舵角が大きくなるほど油圧駆動変速機構の出力軸回転速度を減少させるごとくに、後輪の操舵角に基づいて前輪の回転速度を制御する。この結果、操舵角が大きくなるほど、走行速度が遅くなり、転倒の危険を回避することができる。
運転者は旋回前に減速操作をする必要がないので、運転操作が楽になり、運転者の負担を大幅に軽減することができる。
【0009】
加えて、前輪は油圧駆動変速機構を用いて駆動するが、後輪は電動モータを用いて駆動するようにした。電動モータを採用すれば、エンジンから後輪へ伝動軸を接続する必要が無く、後輪への伝動軸が不要であるから、駆動系を単純化でき、管理機の増量増加を抑えることができる。
【0010】
請求項2に係る発明によれば、後輪の操舵角が90°のときに、油圧駆動変速機構の出力軸回転速度をゼロにする。すなわち、後輪の操舵角が90°のときは、走行速度がゼロになる。
走行速度ゼロで、後輪のみが回転するため、急旋回が可能であり、畑の中での取り回し性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、前後左は、乗員シートに座った乗員を基準に決める。
図1は本発明に係る三輪型管理機の平面図であり、三輪型管理機10は、鋼製フレーム及び鋼板で構成した機体11の前部に、左前輪12L(Lは左を示す。以下同じ)、右前輪12R(Rは右を示す。以下同じ)を備え、機体11の中央にエンジン13及び燃料タンク14を備えるとともに、エンジン13周りを機体カバー15で覆い、機体中央にクロスメンバー16を備え、このクロスメンバー16に乗員から見て左から右へ第1〜第4切断手段21、22、23、24を備え、機体11の後部に乗員シート25及び1個の後輪26を備える。
【0012】
27は操向ハンドル、28はステップ、29Lは左前輪12Lに付属したデバイダー、29Rは右前輪12Rに付属したデバイダーである。これらのデバイダー29L、29Rは、葉分け器、枝分け器とも呼ばれ、畝間に倒れ込んだ作物があれば、それを跳ね上げる若しくは掻き分けて前輪12L、12Rから作物を保護する役割を果たす。
【0013】
図2は本発明に係る三輪型管理機の側面図であり、機体11の前部に前輪12L、12R(12Rは12Lの奥)を備え、その前方にデバイダー29L、29R(29Rは29Lの奥)を備え、機体11の中央上部にエンジン13及び燃料タンク14を備え、中央下部にクロスメンバー16L、16R及び第1〜第4切断手段21〜24を備え、機体後部に乗員シート25及び後輪26を備えたことを示す。
【0014】
デバイダー29L、29Rは、上リンク31及び下リンク32で車体11側に連結し、手動によるワイヤの引き動作により、上下させる。非作業時、路上走行の場合は上げ、作業時に下げることができる。
【0015】
第1〜第4切断手段21〜24を支えるクロスメンバー16L、16Rも、リンク34やリンク35で機体11側に連結し、作業部昇降シリンダ72L、72Rにより上下させる。非作業時、路上走行の場合は上げ、作業時に下げることができる。
【0016】
図3は本発明に係る操舵系の構成図であり、本発明では後輪26を操舵輪にする。そのために、車体側の後部フレーム36に軸受37、37を介して操舵軸38を取り付け、この操舵軸38の上下からプレート41、42を水平に延ばし、これらのプレート41、42の先端に後輪支軸43を取り付け、この後輪支軸43の下部から水平に小ブラケット44及び大ブラケット45を延ばし、これらのブラケット44、45間に後輪車軸46を渡し、この後輪車軸46に後輪26を固定する構造を採用した。
【0017】
操向ハンドル27に連結するステアリング軸47の下端に傘歯車48を設け、この傘歯車48に傘歯車49を噛合させ、この傘歯車49から水平軸51を延ばし、この水平軸51の後端に傘歯車52を設け、この傘歯車52に傘歯車53を噛合させ、この傘歯車53を操舵軸38に固定することで、操向ハンドル27に加えた操舵力を操舵軸38に伝達することができ、後輪26を操舵することができる。
【0018】
そして、後部フレーム36と操舵軸38との間に、操舵角センサ54を介在させることにより、後輪26が左右に何度操舵されたかを、検出することができるようにした。
【0019】
また、大ブラケット45に後輪駆動モータ55を取り付け、スプロケット56、チェーン57及びスプロケット58を介して、後輪駆動モータ55で後輪26を直接駆動できるようにした。
【0020】
図4は本発明に係る三輪型管理機の駆動系統の原理図であり、エンジン13の出力は、発電機61への入力と、前輪駆動に係る油圧駆動変速機構62への入力と、第1〜第4切断手段21〜24の駆動力の総和となる。ただし、電磁クラッチ63を断状態にすれば、エンジン13の出力は、全てが発電機61の駆動に回すことができる。発電機61の発電は、全てバッテリ64に蓄える。
【0021】
また、油圧駆動変速機構62は、HST(hydrostatic transmission)と一般に呼ばれ、可変容量形の斜板式油圧ポンプと油圧モータとを内蔵し、入力で油圧ポンプを駆動して油圧を発生させ、この高圧油を油圧モータに供給してモータ軸(出力軸に相当)を回すことを原理とし、外部から斜板の傾斜角を変更することで、入力軸(ポンプ軸)を一定速度で回転させつつ、出力軸(モータ軸)を増速、減速及び正転、停止、逆転状態にすることができる便利な機構である。
【0022】
斜板の制御は、一般に、作業員のレバー操作によって直接的に行うことが多い。しかし、本発明では、図示するとおりに、変速用モータ65で遠隔操作、すなわち間接的に斜板の制御を実施することにした。
【0023】
油圧駆動変速機構62の出力は、デフ66を介して左右前輪12L、12Rに伝達する。デフ66の存在により、左右前輪12L、12Rに速度差を発生させることができ、旋回性能を確保することができる。
【0024】
バッテリ64に蓄えた電気エネルギーは、制御部67で制御するドライバー68を介して後輪駆動モータ55へ供給し、同じくドライバー69を介して変速用モータ65へ供給し、ドライバー71を介して作業部昇降シリンダ72L、72Rへ供給する。
【0025】
作業部昇降シリンダ72L、72Rは、電動シリンダ又は電動油圧シリンダが好適である。なお、電動シリンダは内蔵するモータで直接シリンダ軸を移動させ、電動油圧シリンダは内蔵するモータで、内蔵する油圧ポンプを駆動し、発生した油圧でシリンダ軸を移動させるアクチュエータである。
【0026】
次に、総合的な操作を説明するが、農作業用管理機では、路面若しくは耕土上を走る走行操作と、作業部(本例では切断手段)を上げ下げするとともに作業部を作動状態にする作業部操作とを、複合して実施する。ただし、煩雑になるので便宜的に「作業部操作」と「走行操作」とを別々に説明する。
【0027】
先ず、作業部操作を説明する。
乗員がスイッチ、レバー、ボタン類を操作したことに基づく「操作情報」を受けた制御部67は、操作情報に応じて、作業部昇降シリンダ72Lを作動させて第1、第2切断手段21、22を上昇又は下降させ、作業部昇降シリンダ72Rを作動させて第3、第4切断手段23、24を上昇又は下降させる。
【0028】
伝動ベルト74は、プーリ75とプーリ76との間に緩く(ルーズに)掛けてあるため、このままでは、第1〜第4切断手段21〜24は停止したままである。乗員の操作に基づき、クラッチプーリ73を伝動ベルト74に押し、伝動ベルト74のテンションを高めると、プーリ76が回り、このプーリ76と同軸のプーリ77L、77Rが回り、これらのプーリ77L、77Rの作用でプーリ78L、78Rが回り、これらのプーリ78L、78Rの作用で第1〜第4切断手段21〜24は回る。
ただし、第1〜第4切断手段21〜24は、エンジン13が運転状態にあり、電磁クラッチ63が繋がっていて且つ伝動ベルト74がタイト(張り)状態であるという3つの条件が成立したときに、作動状態になる。
【0029】
次に、走行操作を説明する。
乗員が、レバー、ボタン類を操作したことに基づく「操作情報」を受けた制御部67は、操作情報に応じて、電磁クラッチ63を繋ぎ、左右前輪12L、12Rを走行可能にする。前輪12L、12Rの速度は制御部67の指令を受けて変速用モータ65で決定する。
同時に、制御部67の指令を受けた後輪駆動モータ55は、後輪26を走行状態にする。
これで、前進(低速−高速可変速)、停止、後進状態にすることができる。これに操向ハンドルの操作に基づく旋回が加わる。この旋回の形態は後述する。
【0030】
本発明では、左右の前輪12L、12Rを、油圧駆動変速機構62を介するものの、直接的にエンジン13で駆動する。これに対して、後輪26は後輪駆動モータ55で駆動する。
いわゆる、全輪駆動車両では、伝動軸を介してエンジン動力を全輪へ伝達する。そのために、伝動軸は車輪の数だけ必要になり、駆動系統が複雑になる。
この点、本発明では後輪26は後輪駆動モータ55で駆動するため、伝動軸は不要になり、駆動系統を簡単にすることができる。
【0031】
駆動系統を簡単にするだけであれば、全輪をモータ駆動すればよいことになる。しかし、モータ駆動には次の欠点がある。
先ず、伝動軸に比較してモータは高価である。
次に、農作業で用いる管理機は、管理作業に留まらず、トラクターの代わりに牽引機の役割を担うことがある。モータでは発生トルクに限度があり、駆動力が不十分になる。駆動力を稼ぐためにモータを大型にすると、モータ価格が高騰し、バッテリ64や発電機61も大型化しなければならない。
したがって、全輪をモータ駆動にすることは難しい。
【0032】
一方、直進走行時は、前輪駆動で、後輪自由回転(後輪非駆動)とすることは可能である。旋回時は、後輪駆動にすることで旋回性を高めることができる。旋回のためだけなら後輪駆動のためのモータは小型であっても差し支えない。
そこで、本発明では、エンジン13で直接的に駆動する左右の前輪12L、12Rに、エンジン13では直接駆動しないでモータ55で駆動する1個の後輪26を組み合わせることで、全輪を伝動軸で駆動するものや全輪をモータで駆動するものの欠点を解消することができた。
【0033】
図5は本発明に係る三輪型管理機の旋回形態を示す図である。
(a)は直進前進又は直進後進の形態を示す。
(b)は平面視で後輪26を反時計方向へ角度θだけ操舵することで、前進右旋回させる形態を示す。角度θを操舵角という。
高速走行時に急旋回させることは、転倒の危険が増加するため、好ましくない。特に、四輪よりも転倒しやすい三輪においては、操舵角θに比例した、走行速度管理が求められる。
【0034】
(c)は操舵角θが90°に達した究極の旋回形態を示す。この形態で、前輪12L、12Rの両方を前進又は後進させることは、後輪26保護の観点から好ましくない。
また、前輪12L、12Rの中心点Mを、旋回中心として旋回させることを「超信地(ちょうしんち)旋回」と称し、旋回半径が最小になることから、管理機では好まれる。このような急旋回を実現するには、前輪12L、12Rの中心点Mが、前進も後進もしないで、止まっていることが必要になる。
【0035】
以上の説明をまとめると、(c)では操舵角θが90°であって、このときには中心点Mは停止させることが望まれる。(b)では操舵角θが大きいときには低速走行し、操舵角θが小さければ高速で走行可能であり、(a)では操舵角θが0°であって前輪速度と後輪速度を同一にする必要がある。
これらの知見に旋回半径を加味して、導き出した走行速度制御は次の通りである。
【0036】
図6は本発明で採用した前後輪速度管理グラフであり、横軸は後輪の操舵角θ、縦軸は(前輪速度/後輪速度)を示す。なお、前輪速度は、図4に示す油圧駆動変速機構62の出力軸79の回転速度で表現することが正しい。デフの影響を排除できるからである。そこで、グラフ縦軸に記載した前輪速度は、出力軸79の速度を終減速比で換算して得た値を指すものとする。
【0037】
横軸で「0°」は(前輪速度/後輪速度)が1であって、前輪速度=後輪速度となり、図5(a)に相当する。
横軸で「90°」は(前輪速度/後輪速度)が0であって、前輪速度=0となり、図5(c)に相当する。
【0038】
図6のグラフ相当のロジックを、図4の制御部67に記憶させる。操舵角センサ54で検出した操舵角に応じて、制御部67は、後輪駆動モータ55はそのままで、変速用モータ65を低速側へ制御して前輪速度を減速させる。
この結果、乗員が高速直進中に、操向ハンドルを急に操作しても、自動的に前輪が減速し、安定した旋回が確保できる。
【0039】
以上の構成からなる三輪型管理機の作用を次に述べる。
図7は管理作業開始時の三輪型管理機の平面図であり、畝の数は4条であり、これらを第1畝81、第2畝82、第3畝83及び第4畝84と呼ぶときに、三輪型管理機10は、第1、第2畝81、82の間を走行させる左前輪12Lと、第3、第4畝83、84の間を走行させる右前輪12Rと、第2、第3畝82、83の間を走行させる1個の後輪26と、前後輪26L、26Rの中間に設けるとともに第1畝81の作物H1を刈る第1切断手段21と、第2畝82の作物H2を刈る第2切断手段22と、第3畝83の作物H3を刈る第3切断手段23と及び第4畝84の作物H4を刈る第4切断手段24と、第2畝82の作物H2を第1畝81側へ倒すために第2切断手段22に付属した第2ガイド87と、第3畝83の作物H3を第4畝84側へ倒すために第3切断手段23に付属した第3ガイド88とを備える。
【0040】
好ましくは、本実施例のように第1切断手段21に、第1畝81の作物H1を第2畝82側へ倒す第1ガイド86を付属し、第4切断手段24に、第4畝84の作物H4を第3畝83側へ倒す第4ガイド89を付属する。
そして、白抜き矢印のごとく、三輪型管理機10を前進させることで、作業を開始する。
【0041】
図8は本発明の三輪型管理機の作用図であり、左前輪12Lは、第1畝81と第2畝82との間を通り、右前輪12Rは、第3畝83と第4畝84との間を通るために、走行を妨げる物はない。
第1畝81の作物H1は、第1ガイド86のガイド作用で徐々に第2畝82側に倒され、その状態で茎が円板カッターなどの第1切断手段21で切断されるため、図のように刈り倒される。
第2畝82の作物H2は、第2ガイド87のガイド作用で徐々に第1畝81側に倒され、その状態で茎が円板カッターなどの第2切断手段22で切断されるため、図のように刈り倒される。
【0042】
第3畝83の作物H3は、第3ガイド88のガイド作用で徐々に第4畝84側に倒され、その状態で茎が円板カッターなどの第3切断手段23で切断されるため、図のように刈り倒される。
第4畝84の作物H4は、第4ガイド89のガイド作用で徐々に第3畝83側に倒され、その状態で茎が円板カッターなどの第4切断手段24で切断されるため、図のように刈り倒される。
【0043】
第2畝82の作物H2及び第3畝83の作物H3は、互いに離れるように倒れるため、第2畝82と第3畝83との間に十分な通路を確保することができ、邪魔物がない状態で後輪26を容易に走行させることができる。
【0044】
このように本発明の三輪型管理機10によれば、前輪12L、12R並びに後輪26で作物H1〜H4を踏む心配が無い状態で、4条の作物H1〜H4を1パスで管理することができる。したがって、設備を大型化することなく、すなわち、コンパクトな三輪型管理機10で4条の作物H1〜H4を管理することができ、収穫作業の能率を大幅に向上させることができる。
【0045】
図9は隣接する第5畝〜第8畝に係る作用説明図であり、第1畝81〜第4畝84の作物H1〜H4の刈り倒しが終了したら、三輪型管理機10をUターンさせて、第5畝91〜第8畝94に臨ませ、白抜き矢印のごとく前進させつつ、第5畝91〜第8畝94の作物H5〜H8の管理を実施する。第5畝91の作物H5と第6畝62の作物H6が互いに接近し、第7畝93の作物H7と第8畝94の作物H8が互いに接近するように倒れる。
【0046】
以上の結果、少なくとも第2、第3畝82、83間、第4、第5畝84、91間及び第6、第7畝92、93間に、邪魔物のない通路が確保できる。これは、第1ガイド86〜第4ガイド89のガイド作用によるものである。
すなわち、第1ガイド86及び第4ガイド89を設けたので、第1畝81の作物H1は第2畝82側に倒し、第4畝84の作物H4は第3畝83側へ倒すことができ、第4畝84と第5畝91の間を、通路として使用することができ、刈り倒し後の収穫作業が容易になる。
【0047】
尚、本発明の三輪型管理機は、農作物を管理する自走型農業機械であり、管理対象とする作物の種類は限定しない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、小豆の刈り倒しに用いる三輪型管理機に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る三輪型管理機の平面図である。
【図2】本発明に係る三輪型管理機の側面図である。
【図3】本発明に係る操舵系の構成図である。
【図4】本発明に係る三輪型管理機の駆動系統の原理図である。
【図5】本発明に係る三輪型管理機の旋回形態を示す図である。
【図6】本発明で採用した前後輪速度管理グラフである。
【図7】管理作業開始時の三輪型管理機の平面図である。
【図8】本発明の三輪型管理機の作用図である。
【図9】隣接する第5畝〜第8畝に係る作用説明図である。
【符号の説明】
【0050】
10…三輪型管理機、11…機体、12L…左前車輪(前輪)、12R…右前車輪(前輪)、26…後輪、27…操向ハンドル、54…操舵角センサ、55…後輪駆動モータ(電動モータ)、62…油圧駆動変速機構、79…油圧駆動変速機構の出力軸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪が2輪で、後輪が1輪で、この後輪を操舵輪とし、農作業に供する三輪型管理機において、
前輪は油圧駆動変速機構を用いて駆動し、後輪は電動モータを用いて駆動するとともに、後輪の操舵角が大きくなるほど油圧駆動変速機構の出力軸回転速度を減少させるごとくに、後輪の操舵角に基づいて前輪の回転速度を制御することを特徴とする三輪型管理機。
【請求項2】
前記後輪の操舵角が90°のときに、油圧駆動変速機構の出力軸回転速度をゼロにすることを特徴とする請求項1記載の三輪型管理機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−105305(P2006−105305A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−294164(P2004−294164)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(592226729)和同産業株式会社 (12)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】