説明

中央に配置したエンジンを有する自動車のための支持構造要素

支持構成要素(1)が、横方向に隣接した2つのセル状構造体(3)と、逆さチャンネル様形状の中間構造体(6)と、水平な又は略水平な上部平面構造体(9)と、基本的には2面体形状である後部構造体(10)と、が形成されている、成形剛体(2)を、備えており、セル状構造体(3)は、ドライバーと乗客のための座席を形成するために、対応するパッド手段(4、5)を受け取るためのものであり、セル状構造体(3)の各々は、座席部分(3a)と背もたれ部分(3b)とを有しており、中間構造体(6)は、前記セル状構造体(3)の座席部分(3a)に相互接続しており上部平面構造体(9)は、セル状構造体(3)の上部背もたれ部分(3b)に相互接続しており、後部構造体(10)は、コンパートメント又はレセプタクル(11)が、形成されるように、第1ウィング又はスカート(10a)と第2ウィング又はスカート(10b)とを備えており、第1ウィング又はスカート(10a)は、実質的には水平であり、セル状構造体(3)の座席部分(3a)の後まで伸びており、第2ウィング又はスカート(10b)は、上部平面構造体(9)と前記第1ウィング又はスカート(10a)との間で伸びており、セル状構造体(3)の背もたれ部分(3b)の後に離れている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中央に配置した内燃エンジンを備えた自動車のための、革新的な支持構造要素に関するものである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明による支持構造要素は、基本的に、
横方向に隣接した2つのセル状構造体と、逆さチャンネル様形状の中間構造体と、水平な又は略水平な上部平面構造体と、基本的には2面体形状である後部構造体と、が形成されている、成形剛体を、備えており、
セル状構造体は、ドライバーと乗客のための座席を形成するために、対応するパッド手段を受け取るためのものであり、セル状構造体の各々は、座席部分と背もたれ部分とを有しており、
中間構造体の底部は、必要ならば、閉じることが可能であり、
中間構造体は、前記セル状構造体の座席部分に相互接続しており、機械的伝達部材が通り抜けるトンネルを形成しており、必要ならば、エンジンを冷却するための空気ダクトとして機能することが可能であり、
上部平面構造体は、セル状構造体の上部背もたれ部分に相互接続しており、
後部構造体は、第1ウィング又はスカートと第2ウィング又はスカートとを備えており、第1ウィング又はスカートは、実質的には水平であり、セル状構造体の座席部分の後まで伸びており、第2ウィング又はスカートは、上部平面構造体と前記第1ウィング又はスカートとの間で伸びており、セル状構造体の背もたれ部分の後に離れており、
コンパートメント又はレセプタクルが、上部平面構造体と、セル状構造体の背もたれ部分と、後部構造体と、の間に形成されて、セル状構造体の後で横方向に伸びているように、配置が設定されている。
【0003】
更なる特徴によると、前記成形剛体は、その頂部に、前記座席に対して上方に突き出ている、少なくとも1つの、ロールバーの形態の補強構造体、を有している。
【0004】
前記コンパートメント又はレセプタクルは、自動車の両側に面するその端部の一方又は両方で適切に開かれており、スーツケース及びその類似物のような輸送可能な物を受け取ることができる。
【0005】
1つの実施形態において、空気ダクトに結合した、空気/液体 熱交換器(ラジエータ)が、内燃エンジンを冷却するための成形体の前記後部構造体の、それぞれ反対側に、適切に接続されている。この場合において、前記コンパートメント又はレセプタクルは、少なくとも部分的に、燃料タンクを収容するのに、利用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の更なる特徴及び利点は、限定する意図ではなく、添付図面に関して単なる例として提供された、後述の詳細な説明によって明らかにされる。
【0007】
特に図1〜4を参照して、第1実施形態において、本発明による支持構造要素1は、参照符号2によって全体として示された成形剛体を備えている。この成形体は、例えば、金属、特にアルミニウムから作られるか、又は、カーボン又は高強度複合材料で作られる。
【0008】
例として示された実施形態において、成形体2は、横に隣接した2つのセル状構造体3を有しており、そのセル状構造体3は、パッド構造を付随して受け取るように意図されており、図2及び3における参照符号4及び5によって示されたように、自動車のドライバーと乗客のための座席を形成するように意図されている。
【0009】
特に図1を参照して、セル状構造体3のそれぞれは、座席部分3aと背もたれ部分3bを有している。
【0010】
2つのセル状構造体3は、逆さチャンネル様形状の中間構造体6によって相互接続されており、中間構造体6の底部は、必要な場合は、閉じることができ、中間構造体6は、機械的伝達部材が通り抜けることが可能なトンネルを形成しており、必要な場合は、(図4に参照符号Eによって概略的に示した)エンジンを、冷却するための空気ダクトとして、機能できる。
【0011】
成形剛体2は、2つの側部構造体又は基部スカート8を有しており、その側部構造体又は基部スカート8は、セル状構造体3の座席部分3aの外側から、自動車本体のドア枠に連結するまで、略水平に伸びている。
【0012】
参照符号9は、成形体2の、水平な又は略水平な上部平面構造体を示しており、上部支持構造体は、セル状構造体3の背もたれ構造体3bの上部部分を相互接続している。
【0013】
成形体2は、後部構造体10を備えており、後部構造体10は、基本的に、2面体形状で、実質的には、セル状構造体の座席部分3aの後まで水平に伸びている第1ウィング又はスカート(10a)を有しており、側部構造体又は基部スカート8に接続されている。この2面体後部構造体10は、第2ウィング又はスカート10bを有しており、第2ウィング又はスカート10bは、上部平面構造体(9)と前記第1ウィング又はスカート(10a)との間で伸びており、セル状構造体(3)の背もたれ部分(3b)の後に離れている。
【0014】
特に図1〜3に示すように、その配置は、実質的には、パラレルエピペダル(parallelepipedal)形状の、有用なコンパートメント又はレセプタクル11が、上部平面構造体9と、セル状構造体3の背もたれ部分3bと、後部構造体10との間で形成されており、セル状構造体3の後で横に伸びている。
【0015】
図3に特に示すように、コンパートメント又はレセプタクル11は、自動車の両側に面するその端部の一方又は両方で適切に開いており、スーツケース12及びその類似物のような輸送可能なものを受け取ることができる。
【0016】
図1を参照して、成形剛体2は、その頂部で、座席に対して上方に突出しており、自動車が横転した場合に保護要素として機能することができる、ロールバーとして知られた形態の補強構造体13を有している。
【0017】
図示した実施形態において、上方に突出している構造体13は、傾いた後部レール14に結合され、且つ、前記構造体13に固定されており、成形ビーム15が、正面直立部材及びドア開口の頂部レールの両方として機能するように、適切に接続され得る(図2〜4)。
【0018】
図1を参照して、安全ベルト16の通路のためのハウジングが、セル状構造体3の近くで、成形体2に形成されている。図1〜3に示した実施形態において、各座席は、成形体2に与えられた、対応しているスロット対の間で伸びている、(4点システムとして知られたベルトを形成している)2つの対応した安全ベルト16に関連している。ベルト16は、対応するモーターを取り付け可能な供給装置に関連しており、図示した例において、供給装置は、図2において、参照符号18によって示された軸に関してスイング可能な付随アーム17を備えている。
【0019】
図4を参照して、自動車Vは、中央に配置されたエンジンEを有し、その構造又はシャーシにおいて、本発明による支持構造要素1を備えており、例えば、ステアリングコラムの傾斜角度を調節可能な「傾斜望遠鏡」調整として知られるものを有し、前記図において、二重の矢印によって概略的に示されたように、ハンドルが、ドライバーの方へ又はドライバーから離れて動くような、調節可能なハンドル20を備えている。自動車Vは、縦方向に位置を調節可能な、ペダルアッセンブリ21を備えている。それ故、異なる身長を有する自動車の利用者は、上述の支持構造要素1に関して実質的に固定された座席を通してさえ、人間工学的に最も適した位置で、容易に自動車制御をすることが可能である。
【0020】
以下の点は、パッド構造4又は5と、支持構造要素1との間での接続に関して記載されている。
【0021】
第1実施形態において、これらのパッド構造は、それらが固定されるように、言い換えれば調整不可能となるように、成形体2のセル状構造体3に、効果的に接続されている。
【0022】
更に、知られている電動アクチュエーター装置を利用することによって、地面の上の、全座席の高さの調整の制限範囲を提供することが可能であり、必要な場合は、パッド構造の、少なくとも背もたれ部分の傾斜の調整範囲を提供できる。
【0023】
図4において、矢印が、背もたれと座席の近くに示されており、一般的に、それらの傾斜、及び/又は、高さの調節を可能とする形態を示している。これらの範囲の調節を提供するための装置は、公知であり、そしてそれ故、更なる記述はしない。
【0024】
本発明による構造要素の成形体2において、セル状構造体2の背もたれ部分3bの外側の近くで、対応する縦のコンパートメント又はレセプタクル22(図1、3及び5)を形成することが可能であり、必要な場合は、コンパートメント又はレセプタクル22が、移動可能な閉鎖要素23(図2及び4)を備えており、その中に、傘24を収容できる(図3)。
【0025】
中央にエンジンを有し、本発明の第1解決法による支持構造要素を備えた自動車において、エンジンを冷却するための、1つ以上の空気/液体熱交換器が、ボンネットの下に配置され得る。この解決法は、図1〜4を参照して上述した本発明による支持構想要素で可能である。
【0026】
図5は、本発明による構造要素の異なる実施形態を示しており、対応する空気/液体熱交換器(ラジエータ)30が、適切な形状であり、互いに関連した、煙突効果によって作動する空気ダクト31とグランドエフェクトに起因して低圧領域を利用する空気ダクト32と共に、成形体2の後部構造体10の両側で接続されている。この場合において、作動中に、ラジエータ30の吸気口側が、適切な取り入れ口と関連した案内ダクトによって、そこに案内された空気の流れを受け取る。
【0027】
図5に示す実施形態において、コンパートメント又はレセプタクル11は、少なくとも部分的には、燃料タンク40を収容するのに用いられ、全ての場合において、セル状構造体3の後で、上部平面構造体9の下に形成される。
【0028】
明らかに、本発明の原理が実行されることを提供された場合は、明細書の形態及び構成の詳細が、添付した請求項で規定したような発明の保護の範囲から離れることなく、限定する意図ではなく単なる例として記載され図示されたものから、広く変更され得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明による支持構造要素の部分斜視図である。
【図2】図1の支持構成要素に類似した斜視図であり、付属装置を備えた図1の支持構造要素を示す。
【図3】図2に示した支持構成要素に類似した斜視図である。
【図4】本発明による支持構造要素を備えた自動車の側面の形態の部分略図である。
【図5】本発明による別の支持構造要素の部分斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に配置されたエンジン(E)と、2座席パッセンジャーコンパートメントと、を有する自動車(V)のための、支持構造要素(1)であって、
横方向に隣接した2つのセル状構造体(3)と、逆さチャンネル様形状の中間構造体(6)と、水平な又は略水平な上部平面構造体(9)と、基本的には2面体形状である後部構造体(10)と、が形成されている、成形剛体(2)を、備えており、
セル状構造体(3)は、ドライバーと乗客のための座席を形成するために、対応するパッド手段(4、5)を受け取るためのものであり、セル状構造体(3)の各々は、座席部分(3a)と背もたれ部分(3b)とを有しており、
中間構造体(6)の底部は、必要ならば、閉じることが可能であり、
中間構造体(6)は、前記セル状構造体(3)の座席部分(3a)に相互接続しており、機械的伝達部材が通り抜けるトンネルを形成しており、必要ならば、エンジン(E)を冷却するための空気ダクトとして機能することが可能であり、
上部平面構造体(9)は、セル状構造体(3)の上部背もたれ部分(3b)に相互接続しており、
後部構造体(10)は、第1ウィング又はスカート(10a)と第2ウィング又はスカート(10b)とを備えており、第1ウィング又はスカート(10a)は、実質的には水平であり、セル状構造体(3)の座席部分(3a)の後まで伸びており、第2ウィング又はスカート(10b)は、上部平面構造体(9)と前記第1ウィング又はスカート(10a)との間で伸びており、セル状構造体(3)の背もたれ部分(3b)の後に離れており、
コンパートメント又はレセプタクル(11)が、上部平面構造体(9)と、セル状構造体(3)の背もたれ部分(3b)と、後部構造体(10)と、の間に形成されて、セル状構造体(3)の後で横方向に伸びているように、配置が設定されていることを特徴とする、構造要素。
【請求項2】
前記成形剛体(2)が、2つの側部構造体又はベーススカート(8)を有しており、その側部構造体又はベーススカート(8)は、前記セル状構造体(3)の座席部分(3a)の外側から、及び、前記後部構造体(10)の第1ウィング又はスカート(10a)から、略水平に伸びて、自動車本体のドア枠に連結している、請求項1記載の構造要素。
【請求項3】
前記成形剛体(2)が、その頂部に、前記座席(4、5)に対して上方に突出している、少なくとも1つの、ロールバーの形態の、補強構造体(13、14)を、有している、請求項1又は2に記載の構造要素。
【請求項4】
前記コンパートメント又はレセプタクル(11)が、自動車(V)の両側に面している端部の一方又は両方で、開いており且つ利用可能であり、スーツケース(12)又はその類似物のような、輸送可能な物を受け取ることができる、前記請求項のいずれか1つに記載の構造要素。
【請求項5】
安全ベルト(16)を通過させるためのハウジングが、前記セル状構造体(3)の近くで、成形体(2)に形成されている、前記請求項のいずれか1つに記載の構造要素。
【請求項6】
前記安全ベルト(16)に関連した電動可能送出装置(17)が、前記セル状構造体(13)の近くで、成形体(2)に設けられている、請求項5記載の構造要素。
【請求項7】
対応する空気/液体熱交換器(ラジエータ)(30)及び関連した空気ダクト(31、32)が、成形体(11)の後部構造体(10)の両側に、接続されている、前記請求項のいずれか1つに記載の構造要素。
【請求項8】
前記コンパートメント又はレセプタクル(11)が、燃料タンク(40)を収容している、請求項7記載の構造要素。
【請求項9】
中央に配置されたエンジン(E)と、2つの座席(4、5)を有するパッセンジャーコンパートメントと、を備えた自動車であって、
前記請求項のいずれか1つ以上に記載された支持構造要素を備えていることを特徴とする自動車。
【請求項10】
その位置が、基本的には、垂直面において、縦方向に且つ角度的に調節可能である、ハンドル(20)と、
その位置が、縦方向に調節可能である、ペダルアッセンブリ(21)と、を備えている、請求項9記載の自動車。
【請求項11】
前記座席が、パッド構造(4、5)を備えており、前記パッド構造(4、5)が、前記パッド構造(4、5)の位置の、定量的に制限された調節を可能とする、調節手段、と関連している、請求項10記載の自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−509051(P2008−509051A)
【公表日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525287(P2007−525287)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053810
【国際公開番号】WO2006/015967
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(595036264)フィオラヴァンティ・ソシエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (3)
【氏名又は名称原語表記】FIORAVANTI S.r.l.
【Fターム(参考)】