説明

中枢神経系疾患の調節に有用な利尿薬様化合物類似体

本発明は、中枢神経系疾患を治療し、正常な脳機能を維持する上で有効な化合物を提供する。当該化合物を作製および使用する方法も提供される。本発明の化合物は、血液脳関門を横断する。この化合物は、明細書に記載の化学式I、II、III、IV、V、および/またはVIの構造を有し、式中の各置換基は、明細書に定義される通りである。さらに、本発明は、化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物、もしくは薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、水和物、またはそれらの組み合わせを含む、医薬組成物、および薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願情報)
本出願は、2005年10月17日に出願された、米国仮出願番号第60/727,564号の利益を主張するものであり、当該出願の開示は、参照することによりその全体が本願に組み込まれる。
【0002】
(発明の属する技術分野)
本発明は、血液脳関門を横断する化合物に関する。本発明はまた、これらの化合物の中間体、これらの化合物を含有する医薬組成物、およびこれらの化合物を使用する方法にも関する。そのような化合物は、中枢神経系疾患の調節に特に有用であり、正常な中枢神経系機能を維持および強化するために特に有用である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
血液脳関門(Blood−Brain Barrier;BBB)は、物理的障壁であり、中枢神経系(Central Nervous System;CNS)内の血管とCNS自体のほとんどの領域との間における細胞輸送機序のシステムである。BBBは、血液からの潜在的に有害な化学物質の侵入を制限し、必須栄養素の侵入を可能にすることによって、恒常性を維持する。しかしながら、BBBは、CNS疾患の治療のため、または、認知、学習、および記憶等の、正常且つ望ましい脳機能を維持もしくは強化するための、CNSへの薬剤の送達に対する、大きな障壁となり得る。CNS疾患および機能について、以下でより具体的に説明する。
【0004】
(てんかん)
てんかんは、脳ニューロンの異常放出を特徴とし、一般に、各種の発作として現れる。てんかん様活動は、電気生理学的技術を使用して計測することが可能な、自然発生する神経集団の同期的放出によって同定される。てんかんは、最も一般的な神経疾患の1つであり、人口の約1%に影響を及ぼしている。てんかんには、特発性、症候性、および潜因性を含む種々の形態がある。特発性てんかんにおいては、遺伝的素因が主要な病因的因子であると考えられている。症候性てんかんは通常、脳内における構造的異常の結果として発現する。
【0005】
てんかん重積症は、発作の特に深刻な形態であり、長期にわたって持続する複数回の発作、または発作間に意識の回復が全くない連続発作として現れる。てんかん重積症を有する成人の総死亡率は、約20パーセントである。初期症状を有する患者は、将来の症状のリスク、および慢性てんかんの進行のリスクが著しく高い。米国におけるてんかん重積症の頻度は年間約150,000症例であり、てんかん重積症に関連して毎年約55,000人が死亡している。てんかん重積症に関連する急性過程としては、難治性てんかん、代謝障害(例えば、電解質異常、腎不全、および敗血症)、中枢神経系感染(髄膜炎または脳炎)、脳卒中、変性疾患、頭部外傷、薬物毒性、および低酸素症が挙げられる。てんかん重積症の基本的な病態生理は、通常は単独発作を止める機序の不全を伴う。この不全は、異常に持続する過剰興奮、または効果のない動員の阻害から生じ得る。研究により、興奮性アミノ酸受容体の過剰活性化は長い発作を引き起こし得ることが示され、興奮性アミノ酸は原因的役割を果たし得ることが示唆されている。てんかん重積症は、ペニシリン、および脳内の主要な抑制性神経伝達物質であるγ−アミノ酪酸(Gamma−Aminobutyric Acid;GABA)の作用に拮抗する関連化合物によって引き起こされる場合もある。
【0006】
てんかんの早期診断手順の1つは、随伴する利尿を防止するために、バソプレシンの注射と共に多量の水の経口投与を伴うものであった。この手順は、てんかん患者において発作を誘発するが、てんかんでない個人ではほとんど誘発しないことが分かった(Garlandら、Lancet、2:566、1943年)。てんかん重積症は、カイニン酸で処理したラットにおいて、マンニトールの静脈注射により阻止され得る(Baranら、Neuroscience、21:679、1987年)。この作用は、ヒト患者における尿素の静脈注射によって実現されるものと同様である(Carter、Epilepsia、3:198、1962年)。これらの症例のそれぞれにおける治療は、血液および細胞外液のオスモル濃度を増大させ、結果として、細胞からの水流出および脳内における細胞外空間の増大をもたらす。異なる作用機序(炭酸脱水酵素の阻害)を有する別の利尿薬であるアセタゾールアミド(ACetaZolamide;ACZ)が、抗けいれん薬として実験的に研究され(Whiteら、Advance Neurol.、44:695、1986年、およびGuillaumeら、Epilepsia、32:10、1991年)、限定的に臨床で使用されている(Tanimukaiら、Biochem.Pharm.、14:961、1965年、およびForsytheら、Develop.Med.Child Neurol.、23:761、1981年)。その抗けいれん作用の機序は究明されていないが、ACZは、脳の細胞外空間に対する明らかな効果を有する。
【0007】
従来の抗てんかん薬は、(a)電位依存性ナトリウムチャネルを遮断することによる、反復的な高頻度ニューロン発射の阻害、(b)γ−アミノ酪酸(GABA)−介在シナプス後抑制の相乗作用、および(c)T型カルシウムチャネルの遮断という3つの機序のうち1つによって、その主な効果を発揮する。
【0008】
現在の抗てんかん薬治療は、発作活動との関与にかかわらず、すべての脳細胞においてその薬理効果を発揮するものである。一般的な副作用は、過鎮静、目眩、記憶喪失、および肝臓障害である。さらに、てんかん患者の20〜30%は、現在の治療法では効果がない。
【0009】
片頭痛
片頭痛は、米国人口の10〜20%を苦しめており、推定損失労働日数は年間6400万日である。片頭痛は、一時的な、片側性または両側性の、4時間から72時間続き、多くの場合、嘔気、嘔吐、ならびに光および/または音に対する過敏性と関連する、拍動性の頭痛を特徴とする。視覚、知覚、言語、または運動症状等の前駆症を随伴する場合、当該頭痛は、古典的片頭痛として以前知られていた「前兆を伴う片頭痛」と称される。そのような症状を随伴しない場合、当該頭痛は、一般的片頭痛として以前知られていた「前兆を伴わない片頭痛」と称される。いずれの種類も、強い遺伝的成分を証明するものであり、また、男性よりも女性に3倍多くなっている。片頭痛の正確な病因は、未だ究明されていない。片頭痛を起こす傾向がある人は、神経細胞の興奮性に関する閾値の低下を有し、これは、抑制性神経伝達物質γ−アミノ酪酸(GABA)の活性が低下することによるものであると考えられることが理論化されている。GABAは通常、神経伝達物質セロトニン(5−HT)およびグルタミン酸塩の活性を阻害するものであり、これらはいずれも片頭痛発作にかかわっていると考えられる。興奮性神経伝達物質グルタミン酸塩は、片頭痛発作を開始し得る、皮質拡延性抑圧と呼ばれる電気的現象に関係しており、一方、セロトニンは、片頭痛が進行する際に発生する血管変化に関係している。
【0010】
皮質拡延性抑圧(Cortical Spreading Depression;CSD)は頭痛の視覚的前兆の基礎を為すものであることが示唆されている。CSDは、後頭皮質における短期集中的な激しい脱分極、それに続くニューロン鎮静の波、および大脳皮質の表面全体にわたって進む誘発電位の減少を特徴とする。CSDの根拠として、後頭皮質ニューロンの興奮性強化が提案されている。視覚野は、興奮性に関してより低い閾値を有する場合があり、したがって、最もCSDを起こしやすい。ミトコンドリア異常、マグネシウム欠乏症、およびシナプス前カルシウムチャネルの異常は、ニューロンの興奮性亢進の原因となり得ることが示唆されている(Welch、Pathogenesis of Migraine、Seminars in Neurobiol.、17:4、1997年)。拡延性抑圧事象中に、間質酸性化、細胞外カリウム蓄積、ならびにナトリウムおよび塩化物イオンの細胞内区画への再分布を含む、著しいイオンの摂動が発生する。また、イオン細胞外流体組成の変更、ならびに間質神経伝達物質および脂肪酸蓄積に対する恒常性反応として、長期的なグリアの膨潤が発生する。研究により、麻酔ネコにおける再生皮質拡延性抑圧をフロセミドが阻害することが示されている(Readら、Cephalagia、17:826、1997年)。
【0011】
薬物療法は、片頭痛の重症度および頻度に合わせて行われる。時折の発作であれば頓挫療法が指示され得るが、発作が月に2回以上発生する場合、または発作が患者の日常生活に多大な影響を与える場合には、予防的治療が指示され得る。
【0012】
神経毒性
いくつかの感染物質のみならず、種々の化学剤および生物剤も神経毒性作用を有する。一般的な例は、急性エタノール摂取の病態生理学的作用である。大量飲酒によるアルコール依存症の特徴である、一時的なエタノール中毒および禁断症状は、脳障害をもたらす。ヒトにおけるアルコールの作用を模倣するように設計された動物モデルは、エタノールの単回投与を連続5〜10日行うと、大脳皮質浮腫および電解質(NaおよびK)蓄積を随伴する、内嗅皮質、歯状回、および嗅球における神経変性をもたらすことを実証した。その他の神経変性状態と同様に、調査は主として、過剰なグルタミン酸活性、細胞内カルシウム増加、およびγ−アミノ酪酸減少を含むシナプスベースの興奮毒性事象に焦点を合わせたものであった。
【0013】
認知、学習、および記憶
哺乳類の認知能力は、皮質処理によって決まると考えられている。概して、皮質機能を説明および理解するための関連パラメータの大部分は、活性の時空間パターンであるということが受け入れられてきた。特に、長期的相乗作用および長期的抑圧は、記憶および学習に関係し、認知における役割を果たし得る。哺乳類の脳内における振動および同期活動は、特異的な行動状態と相関している。
【0014】
自発的なニューロン発射活動の同期化は、中枢神経系における多数の正常な病態生理学的過程の重要な特徴であると考えられている。例として、認知にかかわると考えられている新皮質におけるガンマリズム(SingerおよびGray、Annu.Rev.Neurosci.、18:855−86、1995年)、ならびに、空間記憶およびシナプス可塑性の誘導において役割を果たすと考えられている海馬内でのシータリズム(HeurtaおよびLisman、Neuron.15:1053−63、1995年、HeurtaおよびLisman、J.Neurophysiol.75:877−84、1996年、O’Keefe、Curr.Opin.Neurobiol.、3:917−24、1993年)等、集団活動の同期振動が挙げられる。これまで、自発的な同期活動の生成および維持の基礎を為す過程に関するほとんどの調査は、シナプス機構に焦点を合わせてきた。しかしながら、非シナプス機構も、中枢神経系における正常な病理学的活動の同期化の変調において重要な役割を果たし得るという証拠がある。
【0015】
不安障害
不安障害は、いくつかの亜型―パニック障害、社会不安障害、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、全般性不安障害、および特定恐怖症―に分類される。American Psychiatric Association(米国精神医学会)、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断と統計マニュアル)、第4版(1994年)。最後のものを除き、これらは一般に、精神療法的アプローチのみならず、種々の薬理学的アプローチによって治療される。集団的に、すべての精神疾患のうち、不安障害が米国において最も高い有病率を有する。Kesslerら、Lifetime and 12−month prevalence of DSM−III−R psychiatric disorders in the United States:Results from the National Comorbidity Survey、Arch Gen Psychiatry 51:8−19(1994年)。不安障害は、米国において毎年1億5700万の人々を、また米国において、生涯のある時点で3000万の人々を苦しめている。Lepine JP.The Epidemiology of Anxiety Disorders:Prevalence and Societal Costs、J.Clin.Psychiatry.63:Suppl 14:4−8(2002年)。
【0016】
不安神経症のための、最も一般的に処方される薬物治療は選択的セロトニン再取り込み阻害薬(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor;SSRI)であるが、その他の抗うつ薬も使用され、急性不安を治療するため、およびパニック障害を治療するためには、ベンゾジアゼピン系薬が頻繁に処方される。心的外傷後ストレス障害の治療においては、抗てんかん薬も使用されてきた。SSRI等、治療薬の多くは、不安障害亜型のほとんどに使用される。三環系抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬、高力価のベンゾジアゼピン系薬、およびモノアミン酸化酵素阻害薬等の異なる化合物による治療は、不安障害において有効であることが立証されているが、患者の20%〜40%は非反応群である。Denys D.およびde Geus F.、Predictors of Pharmacotherapy Response in Anxiety Disorders、Curr Psychiatry Rep.7(4):252−7(2005年8月)。また、性機能障害および体重増加等、SSRIの長期使用に関連する多数の副作用がある。Hirschfeld RM.、Long−term Side Effects of SSRIs:Sexual Dysfunction and Weight Gain、J Clin.Psychiatry.64:Suppl 18:20−4(2003年)。したがって、不安神経症治療を改善することが大いに必要である。
【0017】
嗜癖障害
摂食障害(肥満を含む)、麻薬への中毒/身体的依存、アルコール依存症、および喫煙等の、嗜癖および/または強迫神経症は、社会に複数レベルの影響を与える公衆衛生上の大きな問題である。薬物乱用は、米国に年間4840億ドルを超える負担をかけていると推定されている。嗜癖障害の治療のための現在の戦略は、心理的カウンセリングおよび援助、治療剤の使用、または両方の組み合わせを含む。中枢神経系に影響を及ぼすことが知られている種々の剤が、直接間接を問わず嗜癖行動に関連する多数の適応症を治療するために、種々の状況で使用されている。
【0018】
神経因性疼痛
神経因性疼痛と侵害受容性疼痛は、それらの病因、病態生理、診断、および治療の点で異なる。侵害受容性疼痛は、末梢感覚ニューロンの特定サブセットである侵害受容器の活性化を受けて発生する。これは概して急性(関節痛は例外)で自己限定的であり、進行中の組織損傷の警告として作用することにより、保護生物学的機能を果たす。一般に、極めて限局しており、多くの場合、疼きまたは脈拍性を有する。侵害受容性疼痛の例としては、術後疼痛、捻挫、骨折、火傷、瘤、打撲傷、炎症(感染または関節疾患によるもの)、閉塞、および筋筋膜疼痛が挙げられる。侵害受容性疼痛は通常、オピオイドおよび非ステロイド系抗炎症薬(Non−Steroidal Anti−Inflammatory Drugs;NSAID)を用いて治療され得る。
【0019】
神経因性疼痛は、末梢または中枢神経系における負傷または機能不全の結果であり、保護生物学的機能を果たさない、一般的な種類の非悪性慢性的疼痛である。米国人口のうち160万の人々に影響を及ぼしていると推定される。神経因性疼痛は多くの異なる病因を有し、例えば、外傷、糖尿病、帯状ヘルペス(帯状疱疹)を伴う感染、HIV(Human Immunodeficiency Virus;ヒト免疫不全ウイルス)/AIDS(Acquired Immune Deficiency Syndrome;後天性免疫不全症候群)、末期癌、切断術(乳腺切除を含む)、手根管症候群、慢性アルコール使用、放射線被曝によって、ならびに、一部の抗HIVおよび化学療法薬等の神経毒性治療剤による意図しない副作用として、発生し得る。
【0020】
侵害受容性疼痛とは対照的に、神経因性疼痛は、事実上、「焼けるような」「電気的な」「ヒリヒリする」または「電撃的な」と表現されることが多い。多くの場合、慢性アロディニア(軽い接触等、通常は疼痛反応を顕在化させない刺激に起因する痛みとして定義される)および痛覚過敏(通常疼痛性の刺激に対する感受性増加として定義される)を特徴とし、いかなる損傷組織についても明らかな治癒が見られないまま、数ヶ月または数年間、持続し得る。
【0021】
神経因性疼痛は、治療が困難な場合がある。通常の痛みに対して有効な鎮痛薬(例えば、オピオイド系麻酔薬および非ステロイド系抗炎症薬)が、神経因性疼痛に対して有効であることは稀である。同様に、神経因性疼痛において活性を有する薬物は、通常、侵害受容性疼痛に対して有効ではない。神経因性疼痛を治療するために使用されてきた標準的な薬物は、多くの場合、所与の患者において一部の症状を緩和するために選択的に作用するが、その他のものはそうではないと考えられる(例えば、アロディニアは緩和するが痛覚過敏は緩和しない)。このため、治療の成功には、薬物と個人に合わせた治療法との複数の異なる組み合わせの使用を必要とする場合があることが示唆されている(例えば、Bennett、Hosp.Pract.(Off Ed)33:95−98、1998年を参照)。神経因性疼痛の管理において一般に用いられる治療剤は、三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、イミプラミン、デスイミプラミン、およびクロミプラミン)、全身・局所麻酔薬、ならびに抗けいれん薬(フェニトイン、カルバマゼピン、バルプロ酸、クロナゼパム、およびガバペンチン等)を含む。
【0022】
元来はてんかんおよびその他の発作性疾患の治療用に開発された多くの抗けいれん薬が、神経因性疼痛、気分障害(双極性情動障害等)、および統合失調症を含む非てんかん状態の治療における用途を見出されている(非てんかん状態の治療における抗てんかん薬の使用に関する概説は、非特許文献1を参照)。このように、てんかん、神経因性疼痛、および情動障害は、共通の病態生理学的機序(非特許文献1、非特許文献2)、すなわち、対応する不適切なニューロンの自発的な発射の頻発と共に、神経細胞の興奮性における病理学的増加を有することが示唆されている。しかしながら、抗てんかん薬のすべてではなくいくつかのみが神経因性疼痛を治療する上で有効であり、さらにそのような抗てんかん薬は、神経因性疼痛を患っている患者の一部のサブセットにおいてのみ有効である(非特許文献3)。
【0023】
神経因性疼痛を含む、中枢および末梢神経系の多くの疾患において、薬理学的介入が焦点を合わせてきたのは、ニューロンの興奮性亢進を低下させることであった。そのような疾患を治療するために現在使用されているほとんどの剤は、例えば、神経伝達物質の放出または活性を変調すること、阻害経路を増強すること、インパルス生成にかかわるイオンチャネルを遮断すること、および/または膜安定化薬として作用することにより、興奮性経路におけるシナプス活性を目標としている。中枢および末梢神経系疾患の治療のための従来の剤および治療的アプローチは、このようにして神経細胞の興奮性を低減させ、シナプスの発火を阻害する。これらの治療法における1つの重大な欠点は、非選択的であり、正常および異常な神経集団の両方において作用を発揮することである。これは、認知、学習、および記憶等の正常なCNS機能に影響を及ぼし、治療施行患者において生理的および心理的な悪影響を生み出し得る、負の、意図しない副作用をもたらす。一般的な副作用としては、過鎮静、目眩、記憶喪失、および肝臓障害が挙げられる。
【非特許文献1】RogawskiおよびLoscher、Nat.Medicine(2004年)10:685−692
【非特許文献2】RuscheweyhおよびSandkuhler、Pain(2003年)105:327−338
【非特許文献3】McCleane、Expert.Opin.Pharmacother.(2004年)5:1299−1312
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
したがって、種々のCNS疾患を調節し、血液脳関門を横断することができる治療を含む、正常なCNS機能を維持および/または強化するための組成物および方法の、継続的必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
発明の概要
本発明は、血液脳関門を横断する化合物を提供する。本発明の実施形態は、化学式I、II、III、IV、V、および/またはVI:
【0026】
【化16】

【0027】
【化17】

による化合物であって、式中、
は、存在しない、またはH、O、もしくはSであり、
は、存在しない、もしくはHであり、またはRがOもしくはSである場合、Rは、非置換または置換の、水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルアミノジアルキル、アルキルカルボニルアミノジアルキル、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルアルデヒド、アルキルケトアルキル、アルキルアミド、アルカリルアミド、アリールアミド、アルキルアンモニウム基、アルキルカルボン酸、アルキルヘテロアリール、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PolyEthylene Glycol;PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択され、また、Rが存在しない場合、Rは、非置換または置換の、水素、N,N−ジアルキルアミノ、N,N−ジアルカリルアミノ、N,N−ジアリールアミノ、N−アルキル−N−アルカリルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルカリル−N−アリールアミノからなる群より選択され、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、水素、アルキルアミノジアルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルカリル、カルボニルアリール、ならびに、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、トリアルキルアリールアンモニウム、およびテトラアルキルアンモニウム塩等、その塩からなる群よりそれぞれ独立して選択されるが、但し、いくつかの実施形態において、RがOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式IのRはフェニルオキシでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式Iの化合物はブメタニドでなく、RがOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式IIIのRはClでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式IIIの化合物はフロセミドでなく、RがOであり、RがClであり、RおよびRがHである場合には、化学式IIIのRはメチルでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式IIIの化合物はフロセミドメチルエステルでなく、RがOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式VのRはフェニルオキシでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式Vの化合物はピレタニドでない、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物、を提供する。
【0028】
本発明の実施形態は、化学式VII:
【0029】
【化18】

による化合物であって、式中、
、R、およびRは上記で定義され、
は、非置換または置換の、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択されるが、但し、いくつかの実施形態において、R、R、およびRがHである場合には、化学式VIIのRはClでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式VIIの化合物はアゾセミドでない、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物、を提供する。
【0030】
本発明の実施形態は、化学式VIII:
【0031】
【化19】

による化合物であって、式中、
は、存在しない、または、非置換または置換の、水素、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択され、
Xは、臭化物、塩化物、フッ化物、ヨウ化物等のハロゲン化物、またはメシラートもしくはトシレート等のアニオン部分である、あるいは、Xは存在せず、化合物は「内」塩または両性イオン塩を形成する(ここではRはHである)が、但し、いくつかの実施形態において、Rは常に存在し、Xは存在しない、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物をさらに提供する。すなわち、いくつかの実施形態において、化学式VIIIの化合物はトルセミドでない。
【0032】
本発明の実施形態は、化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物を含む、血液脳関門の通過が可能なプロドラッグ、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物を提供する。いくつかの実施形態において、プロドラッグの化合物は、CNS疾患を調節するために有効な量で提供される。特定の実施形態において、CNS疾患は、てんかん、不安神経症、神経因性疼痛、神経機能、薬物嗜癖/身体的依存、および/または片頭痛である。
【0033】
本発明の実施形態は、化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物、もしくは薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、水和物、またはそれらの組み合わせを含む、医薬組成物、および薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物の化合物は、CNS疾患を調節するために有効な量で存在する。特定の実施形態において、CNS疾患は、てんかん、不安神経症、神経因性疼痛、神経機能、および/または片頭痛である。
【0034】
本発明の実施形態は、本願に記載の化合物を作製する方法を提供し、化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物を提供するために、本願に記載の合成方法によって形成される、中間化合物をさらに提供する。
【0035】
本発明の実施形態は、本願に記載の化合物を含むキットを提供する。
【0036】
本発明の実施形態は、前述の利用法を実行する薬物の調製のための、本願に記載の化合物の使用法を提供する。特定の実施形態において、CNS疾患は、てんかん、不安神経症、神経因性疼痛、神経機能、および/または片頭痛である。
【0037】
本発明の実施形態は、CNS疾患を調節する方法をさらに提供する。特に、本発明の化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物は、本願に記載のプロドラッグおよび改変利尿薬または利尿薬様化合物と共に、一連のCNS状態の、予防、管理、および治療を含む、調節のために使用され得る。
【0038】
本願に記載の図面および説明を参照し、本発明の、前述およびその他の目的および態様を、さらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
詳細な説明
本発明の、前述およびその他の態様について、本願に記載の実施形態を参照し、さらに詳細に説明する。本発明は種々の形態で具現化され得るものであり、本願において説明する実施形態に限定されるものと解釈すべきではないことを十分に理解すべきである。より正確に言えば、これらの実施形態は、この開示が徹底的且つ完全なものとなるようなものが提供され、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるであろう。
【0040】
本発明の明細書において使用される術語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本発明の限定を意図するものではない。本発明の実施形態の説明および添付の特許請求の範囲において使用する場合、文脈上明らかに別意を示す場合を除き、単数形は複数形も含むことを意図している。また、本願で使用する場合、「および/または」は、関連する列挙項目のうち1つ以上の、考えられる任意のおよびすべての組み合わせを指す、または包含する。さらに、「約」という用語は、本願において、化合物の量、投与量、時間、温度等の計測可能な値を指す際に使用する場合、規定量の20%、10%、5%、1%、0.5%、さらには0.1%の変動を包含することを意味する。別段の定義がある場合を除き、本明細書において使用されている技術用語および科学用語を含むすべての用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解しているものと同じ意味を有する。
【0041】
本願において言及するすべての出版物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、参照することによってその全体が組み込まれる。
【0042】
「アルキル」という用語は、本願で使用する場合、直鎖または分鎖の飽和または部分不飽和の炭化水素基を指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル等を含むがこれらに限定されない。「不飽和」は、1つ、2つ、もしくは3つの二重もしくは三重結合、またはそれらの組み合わせの存在を意味する。そのようなアルキル基は、本願に記載されているように任意で置換されてよい。
【0043】
「アルカリル」という用語は、本願で使用する場合、アリール基に結合された、直鎖または分鎖の、飽和または部分不飽和の炭化水素基を指す。アルカリル基の例としては、ベンジル、4−クロロベンジル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、エチルフェニル、プロピル−(4−ニトロフェニル)等を含むがこれらに限定されない。そのようなアルカリル基は、本願に記載されているように任意で置換されてよい。
【0044】
「アルキレン」という用語は、本願で使用する場合、直鎖親アルカンの2つの末端炭素原子のそれぞれから水素原子を1つ除去することによって導かれた2つの末端の一価ラジカル中心を有する直鎖または分鎖を指す。
【0045】
「アリール」という用語、またはArは、本願で使用する場合、芳香族基、ヘテロアリール基、または、任意で置換された1つ以上の芳香族基もしくはヘテロアリール基と融合された、任意で置換された芳香族基もしくはヘテロアリール基を指し、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルフェニル、低級アルキルスルホニル、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、任意でアルキルに置換されたアミノ、カルボキシ、テトラゾリル、任意でアルキルに置換されたカルバモイル、任意でアルキルに置換されたアミノスルホニル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ニトロ、シアノ、ハロゲン、または低級ペルフルオロアルキルを含むがこれらに限定されない適切な置換基と任意に置換され、多重置換が可能である。アリールの例としては、フェニル、2−ナフチル、1−ナフチル、4−ピリジル等を含むがこれらに限定されない。
【0046】
「ハロ」という用語は、本願で使用する場合、ブロモ、クロロ、フルオロ、またはヨードを指す。また、「ハロゲン化物」という用語は、本願で使用する場合、臭化物、塩化物、フッ化物、またはヨウ化物を指す。
【0047】
「ヒドロキシ」という用語は、本願で使用する場合、−OH基を指す。
【0048】
「アルコキシ」という用語は、本願で使用する場合、単独でまたは別の基の一部としてアルキル基を指し、本願において定義するように、オキシ基を介して親分子部分に付加されている。アルコキシの代表的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、2−プロポキシ、ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等を含むがこれらに限定されない。
【0049】
「アルカリルオキシ」または「オキシアルカリル」という用語は、本願で使用する場合、−O−アルキル−アリール基を指し、ここでArはアリールである。例としては、ベンジルオキシ、オキシベンジル、2−ナフチルオキシ、およびオキシ−2−ナフチルを含むがこれらに限定されない。
【0050】
「アリールオキシ」という用語は、本願で使用する場合、−ArO基を指し、ここでArはアリールまたはヘテロアリールである。例としては、フェノキシ、ベンジルオキシ、および2−ナフチルオキシを含むがこれらに限定されない。
【0051】
「アミノ」という用語は、本願で使用する場合、水素原子の一方または両方が、アルキルもしくはアリールと任意で交換されていてよい、またはいずれか一方が任意で置換されていてよい、−NHを指す。
【0052】
「アルキルチオ」または「チオアルキル」という用語は、本願で使用する場合、単独でまたは別の基の一部としてアルキル基を指し、本願において定義するように、硫黄部分を介して親分子部分に付加されている。アルキルチオの代表的な例としては、メチルチオ、チオメチル、エチルチオ、チオエチル、n−プロピルチオ、チオ−n−プロピル、イソプロピルチオ、チオ−イソプロピル、n−ブチルチオ、チオ−n−ブチル等を含むがこれらに限定されない。
【0053】
「アリールチオ」または「チオアリール」という用語は、本願で使用する場合、−ArS基を指し、ここでArはアリールである。例としては、フェニルチオ、チオフェニル、2−ナフチルチオ、およびチオ−2−ナフチルを含むがこれらに限定されない。
【0054】
「アルカリルチオ」または「チオアルカリル」という用語は、本願で使用する場合、−S−アルキル−アリール基を指し、ここでArはアリールである。例としては、ベンジルチオ、チオベンジル、2−ナフチルチオおよびチオ−2−ナフチルを含むがこれらに限定されない。
【0055】
「カルボキシ」という用語は、本願で使用する場合、−COH基を指す。
【0056】
「第4アンモニウム塩」という用語は、本願で使用する場合、「オニウム」状態で窒素上に正電荷を有する窒素との4つの結合を有する化学構造、すなわち「R」または「第4級窒素」を指し、式中、Rはアルキルまたはアリール等の有機置換基である。「第4アンモニウム塩」という用語は、本願で使用する場合、第4アンモニウムカチオンの、アニオンとの会合を指す。
【0057】
「置換の」という用語は、本願で使用する場合、当業者には既知である置換基によって交換された基の水素原子の1つ以上の交換を指し、以下で説明するような安定な化合物をもたらす。適切な交換基の例としては、アルキル、アシル、アルケニル、アルキニルシクロアルキル、アリール、アルカリル、ヒドロキシ、チオ、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アミノ、アミド、カルボキシ、カルボキシアルキル、チオカルボキシアルキル、カルボキシアリール、チオカルボキシアリール、ハロ、オキソ、メルカプト、スルフィニル、スルホニル、スルホンアミド、アミジノ、カルバモイル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ジアルキルアミノアルキル、カルボン酸、カルボキシアミド、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、トリハロアルコキシ、アルキルチオ、アラルキル、アルキルスルホニル、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、グアニジノ、ウレイド、ニトロ等を含むがこれらに限定されない。置換は、そのような組み合わせによって意図した目的のために安定な化合物をもたらす場合に許容される。例えば、置換は、結果として生じる化合物が、反応混合物から有用な程度の純度までの単離、および治療剤もしくは診断剤または試薬への製剤に耐えるために、十分ロバストである場合に許容される。
【0058】
「有効量」または「有効な」という用語は、臨床試験および評価、患者観察等によって認められるような疾病または疾患の、症状の緩和をもたらす投与量を指定するように意図されている。「有効量」または「有効な」は、さらに、生物学的または化学的活性において検出可能な変化を引き起こす投与量をさらに指定することが可能である。検出可能な変化は、関連機序または過程のために、当業者によって検出および/またはさらに定量化され得る。さらに、「有効量」または「有効な」は、望ましい生理的状態を維持する量、すなわち、所望の条件における大幅な下落を低下または防止、および/または改善を促進する量を指定することができる。当該技術分野において一般に理解されているように、用量は、投与経路、症状、および患者の体重に応じて変動することになるが、投与されている化合物によっても変動する。
【0059】
「溶媒和物」という用語は、本願で使用する場合、例えば、1つ以上の溶媒分子を有する化合物の物理的会合に起因するような化合物の生物学的効果を留保する規定の化合物の、薬学的に許容される溶媒和物の形態を指すことを意図されている。溶媒和物の例としては、水、1−プロパノール、2−プロパノール、エタノール、メタノール、DMSO(DiMethylSulfOxide;ジメチルスルホキシド)、酢酸エチル、酢酸、またはエタノールアミンと組み合わせた本発明の化合物を含むが、これらに限定されない。
【0060】
「水和物」という用語は、本願で使用する場合、溶媒が水である場合の化合物を指す。
【0061】
「生体適合性ポリマー」という用語は、本願で使用する場合、実質的に非毒性であり、実質的な免疫反応、凝固、またはその他の望ましくない効果を生み出す傾向がない、ポリマー部分を指す。本発明のいくつかの実施形態によると、ポリアルキレングリコールは生体適合性ポリマーであり、本願で使用する場合、ポリアルキレングリコールは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリブチレングリコール等の直線状または分岐状のポリアルキレングリコールポリマーを指し、ポリアルキレングリコールのモノアルキルエーテルをさらに含む。本発明のいくつかの実施形態において、ポリアルキレングリコールポリマーは、ポリエチレングリコール部分(PEG)、ポリプロピレングリコール部分、またはポリブチレングリコール部分等の低級アルキルポリアルキレングリコール部分である。PEGは、化学式−HO(CHCHO)Hを有し、式中、nは約1〜約4000以上の範囲を取ることができる。いくつかの実施形態において、nは1〜100であり、その他の実施形態においてnは5〜30である。PEG部分は、線形であってもよいし、分岐していてもよい。さらなる実施形態において、PEGは、ヒドロキシル、アルキル、アリール、アシル、またはエステル等の基に付着していてよい。いくつかの実施形態において、PEGは、メトキシ−PEG(またはmPEG)等のアルコキシPEGであってもよく、この場合、一方の末端は比較的不活性なアルコキシ基であり、他方の末端はヒドロキシル基である。
【0062】
1. 化合物
いくつかの実施形態によると、本発明は新規化合物を提供する。したがって、既知化合物を除外および/または新規化合物を提供するために、本願において定義されるR基のいずれを除外または改変してもよい。本発明の化合物は、化合式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIII:
【0063】
【化20】

【0064】
【化21】

による化合物であって、式中、
は、存在しない、またはH、O、もしくはSであり、
は、存在しない、もしくはHであり、またはRがOもしくはSである場合、Rは、非置換または置換の、水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルアミノジアルキル、アルキルカルボニルアミノジアルキル、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルアルデヒド、アルキルケトアルキル、アルキルアミド、アルカリルアミド、アリールアミド、アルキルアンモニウム基、アルキルカルボン酸、アルキルヘテロアリール、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択され、また、Rが存在しない場合、Rは、非置換または置換の、水素、N,N−ジアルキルアミノ、N,N−ジアルカリルアミノ、N,N−ジアリールアミノ、N−アルキル−N−アルカリルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルカリル−N−アリールアミノからなる群より選択され、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、水素、アルキルアミノジアルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルカリル、カルボニルアリール、ならびに、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、トリアルキルアリールアンモニウム、およびテトラアルキルアンモニウム塩等、その塩からなる群よりそれぞれ独立して選択されるが、但し、いくつかの実施形態において、RがOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式IのRはフェニルオキシでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式Iの化合物はブメタニドでなく、RがOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式IIIのRはClでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式IIIの化合物はフロセミドでなく、RがOであり、RがClであり、RおよびRがHである場合には、化学式IIIのRはメチルでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式IIIの化合物はフロセミドメチルエステルでなく、RがOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式VのRはフェニルオキシでない、すなわち、いくつかの実施形態において、化学式Vの化合物はピレタニドでない、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物を含み得る。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態において、化学式Iの化合物は、ブメタニド、ブメタニドアルデヒド、ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドエチルエステル、ブメタニドイソアミルエステル、ブメタニドオクチルエステル、ブメタニドベンジルエステル、ブメタニドジベンジルアミド、ブメタニドジエチルアミド、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、ブメタニドピバキセチルエステル、ブメタニドプロパキセチルエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウム塩であってもよい。特定の実施形態において、化合物はブメタニドではない。
【0066】
本発明のその他の実施形態において、化学式Iの化合物は、ブメタニド[−(C=O)−SH]チオ酸、ブメタニドS−メチルチオエステル、ブメタニドS−シアノメチルチオエステル、ブメタニドS−エチルチオエステル、ブメタニドS−イソアミルチオエステル、ブメタニドS−オクチルチオエステル、ブメタニドS−ベンジルチオエステル、ブメタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドS−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ブメタニド[−(C=O)−S]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびブメタニド[−(C=O)−S]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩であってもよい。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態において、化学式IIの化合物は、準安定ブメタニド[−(C=S)−OH]チオ酸、ブメタニドO−メチルチオエステル、ブメタニドO−シアノメチルチオエステル、ブメタニドO−エチルチオエステル、ブメタニドO−イソアミルチオエステル、ブメタニドO−オクチルチオエステル、ブメタニドO−ベンジルチオエステル、ブメタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドO−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ブメタニド[−(C=S)−O]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびブメタニド[−(C=S)−O]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩であってもよい。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態において、化学式IIの化合物は、ブメタニドチオアルデヒド、ブメタニド[−(C=S)−SH]ジチオ酸、ブメタニドメチルジチオエステル、ブメタニドシアノメチルジチオエステル、ブメタニドエチルジチオエステル、ブメタニドイソアミルジチオエステル、ブメタニドオクチルジチオエステル、ブメタニドベンジルジチオエステル、ブメタニドジベンジルチオアミド、ブメタニドジエチルチオアミド、ブメタニドモルホリノエチルジチオエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドピバキセチルジチオエステル、ブメタニドプロパキセチルジチオエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩であってもよい。
【0069】
本発明のその他の実施形態において、化学式IIIの化合物は、フロセミド、フロセミドアルデヒド、フロセミドメチルエステル、フロセミドシアノメチルエステル、フロセミドエチルエステル、フロセミドイソアミルエステル、フロセミドオクチルエステル、フロセミドベンジルエステル、フロセミドモルホリノエチルエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、フロセミドピバキセチルエステル、フロセミドプロパキセチルエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウム酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウム酸塩であってもよい。特定の実施形態において、化合物はフロセミドではない。
【0070】
本発明のさらなる実施形態において、化学式IIIの化合物は、フロセミド[−(C=O)−SH]チオ酸、フロセミドS−メチルチオエステル、フロセミドS−シアノメチルチオエステル、フロセミドS−エチルチオエステル、フロセミドS−イソアミルチオエステル、フロセミドS−オクチルチオエステル、フロセミドS−ベンジルチオエステル、フロセミドS−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−ピバキセチルチオエステル、フロセミドS−プロパキセチルチオエステル、フロセミドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミド[−(C=O)−S]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミド[−(C=O)−S]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩であってもよい。
【0071】
本発明のその他の実施形態において、化学式IVの化合物は、準安定フロセミド[−(C=S)−OH]チオ酸、フロセミドO−メチルチオエステル、フロセミドO−シアノメチルチオエステル、フロセミドO−エチルチオエステル、フロセミドO−イソアミルチオエステル、フロセミドO−オクチルチオエステル、フロセミドO−ベンジルチオエステル、フロセミドO−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−ピバキセチルチオエステル、フロセミドO−プロパキセチルチオエステル、フロセミドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミド[−(C=S)−O]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミド[−(C=S)−O]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩であってもよい。
【0072】
本発明のさらなる実施形態において、化学式IVの化合物は、フロセミドチオアルデヒド、フロセミド[−(C=S)−SH]ジチオ酸、フロセミドメチルジチオエステル、フロセミドシアノメチルジチオエステル、フロセミドエチルジチオエステル、フロセミドイソアミルジチオエステル、フロセミドオクチルジチオエステル、フロセミドベンジルジチオエステル、フロセミドジベンジルチオアミド、フロセミドジエチルチオアミド、フロセミドモルホリノエチルジチオエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドピバキセチルジチオエステル、フロセミドプロパキセチルジチオエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩であってもよい。
【0073】
本発明のまたさらなる実施形態において、化学式Vの化合物は、ピレタニド、ピレタニドアルデヒド、ピレタニドメチルエステル、ピレタニドシアノメチルエステル、ピレタニドエチルエステル、ピレタニドイソアミルエステル、ピレタニドオクチルエステル、ピレタニドベンジルエステル、ピレタニドジベンジルアミド、ピレタニドジエチルアミド、ピレタニドモルホリノエチルエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ピレタニドジメチルグリコールアミドエステル、ピレタニドピバキセチルエステル、ピレタニドプロパキセチルエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウム塩であってもよい。特定の実施形態において、化合物はピレタニドではない。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態において、化学式Vの化合物は、ピレタニド[−(C=O)−SH]チオ酸、ピレタニドS−メチルチオエステル、ピレタニドS−シアノメチルチオエステル、ピレタニドS−エチルチオエステル、ピレタニドS−イソアミルチオエステル、ピレタニドS−オクチルチオエステル、ピレタニドS−ベンジルチオエステル、ピレタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドS−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニド[−(C=O)−S]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびピレタニド[−(C=O)−S]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩であってもよい。
【0075】
本発明のさらなる実施形態において、化学式VIの化合物は、準安定ピレタニド[−(C=S)−OH]チオ酸、ピレタニドO−メチルチオエステル、ピレタニドO−シアノメチルチオエステル、ピレタニドO−エチルチオエステル、ピレタニドO−イソアミルチオエステル、ピレタニドO−オクチルチオエステル、ピレタニドO−ベンジルチオエステル、ピレタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドO−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニド[−(C=S)−O]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびピレタニド[−(C=S)−O]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩であってもよい。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態において、化学式VIの化合物は、ピレタニドチオアルデヒド、ピレタニド[−(C=S)−SH]ジチオ酸、ピレタニドメチルジチオエステル、ピレタニドシアノメチルジチオエステル、ピレタニドエチルジチオエステル、ピレタニドイソアミルジチオエステル、ピレタニドオクチルジチオエステル、ピレタニドベンジルジチオエステル、ピレタニドジベンジルチオアミド、ピレタニドジエチルチオアミド、ピレタニドモルホリノエチルジチオエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドピバキセチルジチオエステル、ピレタニドプロパキセチルジチオエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩であってもよい。
【0077】
本発明のその他の実施形態において、化学式VIIの化合物は、テトラゾリル置換アゾセミド(メトキシメチルテトラゾリル置換アゾセミド、メチルチオメチルテトラゾリル置換アゾセミド、およびN−mPEG350−テトラゾリル置換アゾセミド等)、アゾセミドベンジルトリメチルアンモニウム塩、および/またはアゾセミドセチルトリメチルアンモニウム塩であってもよい。
【0078】
本発明のいくつかの実施形態において、化学式VIIIの化合物は、ピリジン置換トルセミド第4アンモニウム塩、または対応する内塩(両性イオン)であってもよい。例としては、メトキシメチルピリジニウムトルセミド塩、メチルチオメチルピリジニウムトルセミド塩、およびN−mPEG350−ピリジニウムトルセミド塩を含むがこれらに限定されない。
【0079】
本発明の実施形態は、化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物を提供するために、本願に記載の合成方法によって形成される、中間化合物をさらに提供する。中間化合物は、本願に記載される適応症の範囲のための治療剤、および/またはさらなる合成方法および反応のための試薬としての利用法を持ち得る。
【0080】
上述のように、特に本発明の新規化合物の表示を参照して、本願において定義されるR基のいずれを、本発明の化合物から除外してもよい。
【0081】
2. 合成方法
本発明の実施形態は、利尿薬または利尿薬様化合物を改変して、当該利尿薬または利尿薬様化合物の親油性を増大させる方法を提供する。いくつかの実施形態において、化合物は利尿薬または利尿薬様化合物であり、特定の実施形態において、当該化合物は「ループ利尿薬」と称される。利尿薬の薬理学的特性を考察するために、概して、Goodman&Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics(グッドマン・ギルマン薬理書)、Hardman,J.G.、Limbird,L.E.、およびGilman,A.G.編、McGraw−Hill Medical Publishing Division(第10版、2001年)を参照されたい。
【0082】
利尿薬または利尿薬様化合物として、カチオン−塩化物共輸送体がさらに含まれる。本願で使用する場合、共輸送体は電気的に中性であり、膜の片側から反対側へ、逆帯電したイオン種を等量だけ移動する。本願で使用する場合、カチオン−塩化物共輸送体は、1つまたは数個のカチオンを同数の塩化物イオンと共に移動する共輸送体を指す。例示的なカチオン−塩化物共輸送体は、脳内のループ利尿薬感受性Na、K、2Cl共輸送体(NKCC1)、およびチアジド感受性Na、Cl共輸送体(NCC)を含むがこれらに限定されない。カチオン−塩化物共輸送体の分子レベルの分類、それらの生理機能および薬効薬理に関する考察は、Mount,D.B.、Delpire E.、Gamba G.、Hall A.E.、Poch E.、Hoover R.S.、Hebert S.C.:The electroneutral cation−chloride cotransporters、J Exp Biol201:2091−2102、1998年、およびRussell J.M.、Sodium−potassium−chloride cotransport、Physiol Rev.2000年1月号;80(1):211−76において見られる。
【0083】
NKCC1脳特異的共輸送体は、その腎臓類似体であるNKCC2のアイソフォームである。フロセミドおよびブメタニドは、NKCC拮抗薬の典型例である。
【0084】
チアジド感受性共輸送体は、チアジド系利尿薬によって拮抗される。例示的なチアジド系利尿薬は、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド、およびベンズチアジドを含むがこれらに限定されない。
【0085】
利尿薬または利尿薬様化合物の改変は、当該利尿薬または利尿薬様化合物を、非置換または置換の、アルミニウム水素化物、ハロゲン化アルキル、アルコール、アルデヒド、ハロゲン化アルカリル、モノおよびジアルキルアミン、モノおよびジアルカリルアミン、モノおよびジアリールアミン、ならびに第4アンモニウム塩、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される官能基および/または化合物と反応させるステップを含み得る。出発原料として使用され得る化合物の限定的でない例を、以下に例示する。
【0086】
【化22】

化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物は、当業者に既知である従来の合成技術を使用して合成され得る。より特異的な合成ルートを以下に記載する。
【0087】
A. ブメタニド類似体、チオブメタニド類似体、およびジチオブメタニド類似体
1. チオブメタニドおよびジチオブメタニド
【0088】
【化23】

チオブメタニド類似体は、ブメタニドのカルボン酸部分を種々の試薬と反応させることによって合成される。例えば、ブメタニドは、塩化チオニルで処理して対応するブメタニド酸塩化物を形成し、その後、硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論によって、ブメタニド[−(C=O)−SH]チオ酸としても知られているチオブメタニド[−(C=O)−SH]を得ることにより、対応するチオ酸への変換を受けることができる。スキーム1を参照されたい。チオブメタニドは、塩化チオニルを用い、続いて、チオ酸塩化物を硫化水素ナトリウムで処理し、同様の方法論によって、ブメタニド[−(C=S)−SH]ジチオ酸としても知られているジチオブメタニド[−(C=S)−SH]を得ることにより、対応するブメタニドチオ酸塩化物への変換を受けることができる。ブメタニドチオ酸塩化物を第2級アミンと反応させると、対応するブメタニドチオアミドが得られる。ブメタニドは、五硫化リンとの反応を受けて、ブメタニドジチオ酸を産出することもできる。この一連の化学反応に関する概説は、「Thioacyl Halides」「Thiocarboxylic O−Acid Esters」および「Dithiocarboxylic Acid Esters」上記すべてGlass,R.S.著、Science of Synthesis(Charette,A.B.編)、第22巻、Thieme Chemistry、2005年、第22.1.2、22.1.3、および22.1.4章、ならびにその中の参考文献を参照されたい。「Synthesis of Thioamides and Thiolactams」Schaumann,E.、Comprehensive Organic Synthesis(Trost,B.M.およびFleming,I.編)、Permagon Press、1991年、第6巻、第2.4章、450−460ページ、ならびにその中の参考文献も参照されたい。
【0089】
スキーム1.チオブメタニド{ブメタニド[−(C=O)−SH]チオ酸}の合成
【0090】
【化24】

2. ブメタニドおよびS−チオブメタニド類似体
ブメタニド類似体は、ブメタニドのカルボン酸部分を、種々の試薬と反応させることによって合成される。例えば、ブメタニドは、線形、分岐、置換、または非置換のアルコールを含むアルコールとの反応による、エステル化を受けることができる。ブメタニドまたはチオブメタニドは、クロロアセトニトリル、塩化ベンジル、1−(ジメチルアミノ)塩化プロピル、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド等を含む、適切な置換または非置換のハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルカリルとの反応によって、アルキル化されることもできる。PEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る。「アキセチル」型エステルを、ピバル酸クロロメチルまたはプロピオン酸クロロメチル等のハロゲン化アルキルを使用するアルキル化によって形成することもできる。ブメタニドは、酸塩化物への変換後、または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等の活性剤を使用することにより、適切な置換または非置換のアルキルアミンまたはアリールアミンとの反応によって、アミド化を受けることもできる。ブメタニドまたはチオブメタニドは、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムまたは水酸化セチルトリメチルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウムと反応して、ブメタニドまたはチオブメタニド第4アンモニウム塩を形成することもできる。スキーム2、3、および4は、化学式Iによるいくつかの例示的な化合物の合成スキームを提示するものである。
【0091】
スキーム2.化学式Iによる例示的な化合物の合成
【0092】
【化25】

スキーム3.化学式Iによる例示的な化合物の合成
【0093】
【化26】

ブメタニド塩、チオブメタニド塩、およびS−チオブメタニドエステルは、当該技術分野において既知の方法(Yang,W.およびDrueckhammer,D.G.、J.Amer.Chem.Soc.、2001年、123(44)、11004−11009、ならびにその中の参考文献を参照)によって、ブメタニド分子を含有するカルボン酸を生み出すために、直ちに酸および塩基触媒加水分解を受けなくてはならない(スキーム4参照)。
【0094】
スキーム4.ブメタニド、チオブメタニド、およびS−チオブメタニドエステルの加水分解
【0095】
【化27】

3. O−置換チオブメタニド類似体およびジチオブメタニド類似体
ブメタニドは、塩化チオニルで処理して対応する酸塩化物を形成し、その後、水酸化ナトリウムまたは硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論によって、準安定O−チオブメタニドおよびジチオブメタニドを得ることにより、対応するチオ酸への変換を受けることができる(スキーム5および6を参照)。
【0096】
スキーム5.準安定チオブメタニド{ブメタニド[−(C=S)−OH]チオ酸}の合成
【0097】
【化28】

スキーム6.ジチオブメタニド{ブメタニド[−(C=S)−SH]ジチオ酸}の合成
【0098】
【化29】

チオブメタニド類似体は、同様に、S−チオブメタニドのチオカルボン酸部分を種々の試薬と反応させることによって合成される。例えば、S−チオブメタニドは、線形、分岐、置換、または非置換のアルコールおよびチオールを含む、アルコールおよびチオールとの反応により、エステル化を受けることができる。S−チオブメタニドは、クロロアセトニトリル、塩化ベンジル、1−(ジメチルアミノ)塩化プロピル、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド等を含む、適切な置換または非置換のハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルカリルとの反応によって、アルキル化されることもできる。PEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る。「アキセチル」型エステルを、ピバル酸クロロメチルまたはプロピオン酸クロロメチル等のハロゲン化アルキルを使用するアルキル化によって形成することもできる。S−チオブメタニドは、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムまたは水酸化セチルトリメチルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウムと反応して、チオブメタニド第4アンモニウム塩を形成することもできる。化学式IIによるいくつかの例示的な化合物を提示する、スキーム7、8、および9を参照されたい。
【0099】
スキーム7.化学式IIによる例示的な化合物の合成
【0100】
【化30】

スキーム8.化学式IIによる例示的な化合物の合成
【0101】
【化31】

チオブメタニド、チオブメタニドアミド、O−チオブメタニドエステル、およびジチオブメタニドエステルは、当該技術分野において既知の方法(Yang,W.およびDrueckhammer,D.G.、J.Amer.Chem.Soc.、2001年、123(44)、11004−11009、ならびにその中の参考文献を参照)によって、ブメタニド分子を含有するカルボン酸を生み出すために、直ちに酸および塩基触媒加水分解を受けなくてはならない。この一連の化学反応に関するさらなる概説は、「Thioacyl Halides」「Thiocarboxylic O−Acid Esters」および「Dithiocarboxylic Acid Esters」上記すべてGlass,R.S.著、Science of Synthesis(Charette,A.B.編)、第22巻、Thieme Chemistry、2005年、第22.1.2、22.1.3、および22.1.4章、ならびにその中の参考文献を参照されたい。「Synthesis of Thioamides and Thiolactams」Schaumann,E.、Comprehensive Organic Synthesis(Trost,B.M.およびFleming,I.編)、Permagon Press、1991年、第6巻、第2.4章、450−460ページ、ならびにその中の参考文献も参照されたい(スキーム9参照)。
【0102】
スキーム9.チオブメタニド、チオブメタニドアミド、O−チオブメタニドエステル、およびジチオブメタニドエステルの加水分解
【0103】
【化32】

B. フロセミド類似体、チオフロセミド類似体、およびジチオフロセミド類似体
1. チオフロセミドおよびジチオフロセミド
【0104】
【化33】

チオフロセミド類似体は、フロセミドのカルボン酸部分を種々の試薬と反応させることによって合成される。例えば、フロセミドは、塩化チオニルで処理して対応するフロセミド酸塩化物を形成し、その後、硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論によって、フロセミド[−(C=O)−SH]チオ酸としても知られているチオフロセミド[−(C=O)−SH]を得ることにより、対応するチオ酸への変換を受けることができる(スキーム10参照)。
【0105】
チオフロセミドは、塩化チオニルを用い、続いて、チオ酸塩化物を硫化水素ナトリウムで処理し、同様の方法論によって、フロセミド[−(C=S)−SH]ジチオ酸としても知られているジチオフロセミド[−(C=S)−SH]を得ることにより、対応するフロセミドチオ酸塩化物への変換を受けることができる(スキーム10参照)。フロセミドチオ酸塩化物を第2級アミンと反応させると、対応するフロセミドチオアミドが得られる。フロセミドは、五硫化リンとの反応を受けて、フロセミドジチオ酸を産出することもできる。この一連の化学反応に関する概説は、「Thioacyl Halides」「Thiocarboxylic O−Acid Esters」および「Dithiocarboxylic Acid Esters」上記すべてGlass,R.S.著、Science of Synthesis(Charette,A.B.編)、第22巻、Thieme Chemistry、2005年、第22.1.2、22.1.3、および22.1.4章、ならびにその中の参考文献を参照されたい。「Synthesis of Thioamides and Thiolactams」Schaumann,E.、Comprehensive Organic Synthesis(Trost,B.M.およびFleming,I.編)、Permagon Press、1991年、第6巻、第2.4章、450−460ページ、ならびにその中の参考文献も参照されたい。
【0106】
スキーム10.チオフロセミド{フロセミド[−(C=O)−SH]チオ酸}の合成
【0107】
【化34】

2. フロセミドおよびS−フロセミド類似体
フロセミド類似体は、ブメタニド類似体の合成において使用されるものと類似の方法によって合成される。フロセミドは、線形、分岐、置換、または非置換のアルコールを含むアルコールとの反応による、エステル化を受けることができる。フロセミドまたはチオフロセミドは、例えば、クロロアセトニトリル、塩化ベンジル、1−(ジメチルアミノ)塩化プロピル、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド等を含む、適切な置換または非置換のハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルカリルとの反応によって、アルキル化されることもできる。PEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る。「アキセチル」型エステルを、ピバル酸クロロメチルまたはプロピオン酸クロロメチル等のハロゲン化アルキルを使用するアルキル化によって形成することもできる。フロセミドは、酸塩化物への変換後、または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等の活性剤を使用することにより、適切な置換または非置換のアルキルアミンまたはアリールアミンとの反応によって、アミド化を受けることもできる。フロセミドまたはチオフロセミドは、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムまたは水酸化セチルトリメチルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウムと反応して、フロセミドまたはチオフロセミド第4アンモニウム塩を形成することもできる。スキーム11、12、および13は、化学式IIIによるいくつかの例示的な化合物を提示する。
【0108】
スキーム11.化学式IIIによる例示的な化合物の合成
【0109】
【化35】

スキーム12.化学式IIIによる例示的な化合物の合成
【0110】
【化36】

チオフロセミド塩およびS−チオフロセミドエステルは、当該技術分野において既知の方法(Yang,W.およびDrueckhammer,D.G.、J.Amer.Chem.Soc.、2001年、123(44)、11004−11009、ならびにその中の参考文献を参照)によって、フロセミド分子を含有するカルボン酸を生み出すために、直ちに酸および塩基触媒加水分解を受けなくてはならない(スキーム13参照)。
【0111】
スキーム13.チオフロセミド塩およびS−チオフロセミドエステルの加水分解
【0112】
【化37】

3. O−置換チオフロセミドおよびジチオフロセミド類似体
フロセミドは、塩化チオニルで処理して対応する塩酸化物を形成し、その後、水酸化ナトリウムまたは硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論によって、O−チオフロセミドおよびジチオフロセミドを得ることにより、対応するチオ酸への変換を受けることができる(スキーム14および15参照)。
【0113】
スキーム14.準安定チオフロセミド{フロセミド[−(C=S)−OH]チオ酸}の合成
【0114】
【化38】

スキーム15.ジチオフロセミド{フロセミド[−(C=S)−SH]ジチオ酸}の合成
【0115】
【化39】

チオフロセミド類似体は、同様に、チオフロセミドのチオカルボン酸部分を種々の試薬と反応させることによって合成される。例えば、チオフロセミドは、線形、分岐、置換、または非置換のアルコールおよびチオールを含む、アルコールまたはチオールとの反応により、エステル化を受けることができる。S−チオフロセミドは、クロロアセトニトリル、塩化ベンジル、1−(ジメチルアミノ)塩化プロピル、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド等を含む、適切な置換または非置換のハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルカリルとの反応によって、アルキル化されることもできる。PEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る。「アキセチル」型エステルを、ピバル酸クロロメチルまたはプロピオン酸クロロメチル等のハロゲン化アルキルを使用するアルキル化によって形成することもできる。チオフロセミドは、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムまたは水酸化セチルトリメチルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウムと反応して、チオフロセミド第4アンモニウム塩を形成することもできる。スキーム14、15、16、17、および18は、化学式IVによるいくつかの例示的な化合物の合成スキームを提示するものである。
【0116】
スキーム16.化学式IVによる例示的な化合物の合成
【0117】
【化40】

スキーム17.化合物IVによる例示的な化合物の合成
【0118】
【化41】

チオフロセミド、チオフロセミドアミド、およびS−チオフロセミドエステルは、当該技術分野において既知の方法(Yang,W.およびDrueckhammer,D.G.、J.Amer.Chem.Soc.、2001年、123(44)、11004−11009、ならびにその中の参考文献を参照)によって、フロセミド分子を含有するカルボン酸を生み出すために、直ちに酸および塩基触媒加水分解を受けなくてはならない。この一連の化学反応に関するさらなる概説は、「Thioacyl Halides」「Thiocarboxylic O−Acid Esters」および「Dithiocarboxylic Acid Esters」上記すべてGlass,R.S.著、Science of Synthesis(Charette,A.B.編)、第22巻、Thieme Chemistry、2005年、第22.1.2、22.1.3、および22.1.4章、ならびにその中の参考文献を参照されたい。「Synthesis of Thioamides and Thiolactams」Schaumann,E.、Comprehensive Organic Synthesis(Trost,B.M.およびFleming,I.編)、Permagon Press、1991年、第6巻、第2.4章、450−460ページ、ならびにその中の参考文献も参照されたい(スキーム18参照)。
【0119】
スキーム18.チオフロセミド、チオフロセミドアミド、およびS−チオフロセミドエステルの加水分解
【0120】
【化42】

C. ピレタニド類似体、チオピレタニド類似体、およびジチオピレタニド類似体
1. チオピレタニドおよびジチオピレタニド
【0121】
【化43】

ピレタニド類似体は、ピレタニドのカルボン酸部分を種々の試薬と反応させることによって合成される。例えば、ピレタニドは、塩化チオニルで処理して対応するピレタニド酸塩化物を形成し、その後、硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論によって、ピレタニド[−(C=O)−SH]チオ酸としても知られているチオピレタニド[−(C=O)−SH]を得ることにより、対応するチオ酸への変換を受けることができる。スキーム19を参照されたい。チオピレタニドは、塩化チオニルを用い、続いて、チオ酸塩化物を硫化水素ナトリウムで処理し、同様の方法論によって、ピレタニド[−(C=S)−SH]ジチオ酸としても知られているジチオピレタニド[−(C=S)−SH]を得ることにより、対応するピレタニドチオ酸塩化物への変換を受けることができる。ピレタニドチオ酸塩化物を第2級アミンと反応させると、対応するピレタタニドチオアミドが得られる。ピレタニドは、五硫化リンとの反応を受けて、ピレタニドジチオ酸を産出することもできる。この一連の化学反応に関する概説は、「Thioacyl Halides」「Thiocarboxylic O−Acid Esters」および「Dithiocarboxylic Acid Esters」上記すべてGlass,R.S.著、Science of Synthesis(Charette,A.B.編)、第22巻、Thieme Chemistry、2005年、第22.1.2、22.1.3、および22.1.4章、ならびにその中の参考文献を参照されたい。「Synthesis of Thioamides and Thiolactams」Schaumann,E.、Comprehensive Organic Synthesis(Trost,B.M.およびFleming,I.編)、Permagon Press、1991年、第6巻、第2.4章、450−460ページ、ならびにその中の参考文献も参照されたい。
【0122】
スキーム19.チオピレタニド{ピレタニド[−(C=O)−SH]チオ酸}の合成
【0123】
【化44】

2. ピレタニドおよびS−チオピレタニド類似体
ピレタニドは、線形、分岐、置換、または非置換のアルコールを含むアルコールとの反応による、エステル化を受けることができる。ピレタニドまたはチオピレタニドは、クロロアセトニトリル、塩化ベンジル、1−(ジメチルアミノ)塩化プロピル、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド等を含む、適切な置換または非置換のハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルカリルとの反応によって、アルキル化されることもできる。PEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る。「アキセチル」型エステルを、ピバル酸クロロメチルまたはプロピオン酸クロロメチル等のハロゲン化アルキルを使用するアルキル化によって形成することもできる。ピレタニドは、酸塩化物への変換後、または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)等の活性剤を使用することにより、適切な置換または非置換のアルキルアミンまたはアリールアミンとの反応によって、アミド化を受けることもできる。ピレタニドまたはチオピレタニドは、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムまたは水酸化セチルトリメチルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウムと反応して、ピレタニドまたはチオピレタニド第4アンモニウム塩を形成することもできる。スキーム19、20、21、および22は、化学式Vによるいくつかの例示的な化合物の合成スキームを提示するものである。
【0124】
スキーム20.化学式Vによる例示的な化合物の合成
【0125】
【化45】

スキーム21.化学式Vによる例示的な化合物の合成
【0126】
【化46】

チオピレタニド塩およびS−チオピレタニドエステルは、当該技術分野において既知の方法(Yang,W.およびDrueckhammer,D.G.、J.Amer.Chem.Soc.、2001年、123(44)、11004−11009、ならびにその中の参考文献を参照)によって、ブメタニド分子を含有するカルボン酸を生み出すために、直ちに酸および塩基触媒加水分解を受けなくてはならない(スキーム22参照)。
【0127】
スキーム22.チオピレタニド塩およびS−チオピレタニドエステルの加水分解
【0128】
【化47】

3. O−置換チオピレタニド類似体、ジチオピレタニド類似体
ピレタニドは、塩化チオニルで処理して対応する酸塩化物を形成し、その後、水酸化ナトリウムまたは硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論によって、準安定O−チオピレタニドおよびジチオピレタニドを得ることにより、対応するチオ酸への変換を受けることができる。スキーム23および24を参照。
【0129】
スキーム23.準安定チオピレタニド{ピレタニド[−(C=S)−OH]チオ酸}の合成
【0130】
【化48】

スキーム24.ジチオピレタニド{ピレタニド[−(C=S)−SH]ジチオ酸}の合成
【0131】
【化49】

チオピレタニド類似体は、ピレタニド類似体の合成において使用されるものと類似の方法によって合成される。具体的には、チオピレタニドは、線形、分岐、置換、または非置換のチオールを含むチオールとの反応による、エステル化を受けることができる。チオピレタニドは、クロロアセトニトリル、塩化ベンジル、1−(ジメチルアミノ)塩化プロピル、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド等を含む、適切な置換および非置換のハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルカリルとの反応によって、アルキル化されることもできる。PEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る。「アキセチル」型チオエステルを、ピバル酸クロロメチルまたはプロピオン酸クロロメチル等のハロゲン化アルキルを使用するアルキル化によって形成することもできる。チオピレタニドは、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムまたは水酸化セチルトリメチルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウムと反応して、チオピレタニド第4アンモニウム塩を形成することもできる。スキーム23、24、25、26、および27は、化学式VIによるいくつかの例示的な化合物を提示する。
【0132】
スキーム25.化学式VIによる例示的な化合物の合成
【0133】
【化50】

スキーム26.化学式VIによる例示的な化合物の合成
【0134】
【化51】

チオピレタニド、チオピレタニドアミド、およびチオピレタニドエステルは、当該技術分野において既知の方法(Yang,W.およびDrueckhammer,D.G.、J.Amer.Chem.Soc.、2001年、123(44)、11004−11009、ならびにその中の参考文献を参照)によって、ピレタニド分子を含有するカルボン酸を生み出すために、直ちに酸および塩基触媒加水分解を受けなくてはならない。この一連の化学反応に関するさらなる概説は、「Thioacyl Halides」「Thiocarboxylic O−Acid Esters」および「Dithiocarboxylic Acid Esters」上記すべてGlass,R.S.著、Science of Synthesis(Charette,A.B.編)、第22巻、Thieme Chemistry、2005年、第22.1.2、22.1.3、および22.1.4章、ならびにその中の参考文献を参照されたい。「Synthesis of Thioamides and Thiolactams」Schaumann,E.、Comprehensive Organic Synthesis(Trost,B.M.およびFleming,I.編)、Permagon Press、1991年、第6巻、第2.4章、450−460ページ、ならびにその中の参考文献も参照されたい(スキーム27参照)。
【0135】
スキーム27.チオピレタニド、チオピレタニドアミド、およびチオピレタニドエステルの加水分解
【0136】
【化52】

D. アゾセミド類似体
アゾセミド類似体は、種々の試薬とアゾセミドのテトラゾリル部分との反応によって合成される。アゾセミドは、アルデヒドの添加によるヒドロキシルアルキル化を受けることができ、それによってヒドロキシアルキル官能基が形成される。任意で、アルデヒドと共にアルコールを反応させ、エーテルを得ることができる。任意で、アルデヒドと共にアルキルチオールを添加して、チオエーテルを形成することができる。アゾセミドは、メチルクロロメチルエーテルおよびベンジルクロロメチルチオエーテル等のエーテルまたはチオエーテル結合を備えるハロゲン化アルキルまたはアルカリルを含む、適切なハロゲン化アルキルまたはハロゲン化アルカリルの添加によって、アルキル化されることもできる。PEG型エーテルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る。「アキセチル」型類似体を、ピバル酸クロロメチルまたはプロピオン酸クロロメチル等のハロゲン化アルキルまたはアルカリルの添加によって形成することもできる。アゾセミド第4アンモニウム塩を形成するために、アゾセミドを、ベンジルトリメチルアンモニウム臭化物および水酸化ナトリウム等の塩基またはセチルトリメチルアンモニウム臭化物および水酸化ナトリウム等の塩基等、第4アンモニウム塩と反応させてもよい。以下のスキーム28は、化学式VIIによるいくつかの例示的な化合物の合成スキームを提示するものである。
【0137】
スキーム28.化学式VIIによる例示的な化合物の合成
【0138】
【化53】

E. トルセミド類似体
トルセミド(トラセミドとしても知られている)類似体は、種々の試薬とトルセミドのピリジン部分との反応によって合成される。トルセミドは、塩化ベンジルを含む適切なハロゲン化アルキルまたはアルカリルの添加によるアルキル化を受けて、N−置換第4アンモニウム塩を形成することができる。メチルクロロメチルエーテルおよびベンジルクロロメチルエーテルを含む、エーテル結合を備えるハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルカリルを使用して、N−置換エーテル第4アンモニウム塩を形成することができる。メチルクロロメチルチオエーテルおよびベンジルクロロメチルチオエーテルを含む、チオエーテル結合を備えるハロゲン化アルキルおよびハロゲン化アルカリルを使用して、N−置換チオエーテル第4アンモニウム塩を形成することができる。PEG型エーテル含有第4アンモニウム塩は、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る。「アキセチル」型第4アンモニウム塩を、ピバル酸クロロメチルまたはプロピオン酸クロロメチル等のハロゲン化アルキルの添加によって形成することもできる。以下のスキーム29は、化学式VIIIによるいくつかの例示的な化合物の合成スキームを提示するものである。
【0139】
スキーム29.化学式VIIIによる例示的な化合物の合成
【0140】
【化54】

F. ブメタニド、ピレタニド、およびフロセミドのベンズアルデヒド類似体
置換安息香酸ブメタニド、ピレタニド、およびフロセミドは、文献の方法により、ビス(4−メチルピペラジニル)アルミニウム水素化物等のアミン置換アンモニウム水素化物を使用して、対応するブメタニドアルデヒド、ピレタニドアルデヒド、およびフロセミドアルデヒドに選択的に還元され得る。Muraki,M.およびMukiayama,T.、Chem.Letters、1974年、1447、Muraki,M.およびMukiayama,T.、Chem.Letters、1975年、215、ならびに、Hubert,T.,D.、Eyman,D.PおよびWiemer,D.F.、J.Org.Chem.、1984年、2279を参照されたい(スキーム30参照)。より親油性の高いベンズアルデヒドは容易に空気酸化してより親水性の高い安息香酸になること、ならびに、NADPH補因子の使用および多数のP450酸化酵素により、ベンズアルデヒドも対応する安息香酸にin vivoで代謝されることがよく知られている。
【0141】
スキーム30.ブメタニド、ピレタニド、およびフロセミドの、例示的なベンズアルデヒド類似体の合成
【0142】
【化55】

安息香酸を対応するベンズアルデヒドに変換するために使用される還元手順については、Muraki,M.およびMukiayama,T.、Chem.Letters、1974年、1447、同書、1975年、215、ならびに、Hubert,T.,D.、Eyman,D.PおよびWiemer,D.F.、J.Org.Chem.、1984年、2279を参照されたい。
【0143】
硫化水素および五硫化二リンを含む処理剤により、対応するベンズアルデヒドから親油性のチオベンズアルデヒドを調製することもできる(Smith,M.B.およびMarch,J.、March’s Advanced Organic Chemistry、第5版、2001年、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、第2部、第16章、1185−1186ページ、C.Sulfur Nucleophiles、第16−10節、The Addition of HS and Thiols to Carbonyl Compoundsを参照)(スキーム31参照)。同様に、これらのチオベンズアルデヒドは、加水分解条件下で、対応するベンズアルデヒドに容易に変換し戻される。より親油性の高いベンズアルデヒドは容易に空気酸化してより親水性の高い安息香酸になること、ならびに、NADPH補因子の使用および多数のP450酸化酵素により、ベンズアルデヒドも対応する安息香酸にin vivoで代謝されることがよく知られている。同様の機序を、チオベンズアルデヒドの、チオ安息香酸および続いて安息香酸への変換に適用してよい。
【0144】
スキーム31.ブメタニド、ピレタニド、およびフロセミドの、例示的なチオベンズアルデヒド類似体の合成
【0145】
【化56】

G. ブメタニド、ピレタニド、およびフロセミドのPEG型類似体、ならびにそれらのチオ酸対応物チオブメタニド、チオピレタニド、チオフロセミド、ジチオブメタニド、ジチオピレタニド、およびジチオフロセミド
ブメタニド、フロセミド、およびピレタニドのPEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る(スキーム32参照)。
【0146】
スキーム32.ブメタニド、フロセミド、およびピレタニドの、例示的なポリエチレングリコールエステルの合成
【0147】
【化57】

PEG‐Xは、X−(CH(OCHCHn−1−Yであって、式中、Xはハロまたはその他の離脱基(メシラート「OM」、トシラート「OT」)であり、YはOH、またはアルキル基、アリール基、アシル基、もしくはエステル基等のアルコール保護基であって、式中、m=1〜5且つn=1〜100である。
【0148】
チオブメタニド、チオフロセミド、およびチオピレタニドのPEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る(スキーム33参照)。
【0149】
スキーム33.チオブメタニド、チオフロセミド、およびチオピレタニドの、例示的なポリエチレングリコールチオエステルの合成
【0150】
【化58】

PEG‐Xは、X−(CH(OCHCHn−1−Yであって、式中、Xはハロまたはその他の離脱基(メシラート「OM」、トシラート「OT」)であり、YはOH、またはアルキル基、アリール基、アシル基、もしくはエステル基等のアルコール保護基であって、式中、m=1〜5且つn=1〜100である。
【0151】
ジチオブメタニド、ジチオフロセミド、およびジチオピレタニドのPEG型エステルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る(スキーム34参照)。
【0152】
スキーム34.ジチオブメタニド、ジチオフロセミド、およびジチオピレタニドの、例示的なポリエチレングリコールジチオエステルの合成
【0153】
【化59】

PEG‐Xは、X−(CH(OCHCHn−1−Yであって、式中、Xはハロまたはその他の離脱基(メシラート「OM」、トシラート「OT」)であり、YはOH、またはアルキル基、アリール基、アシル基、もしくはエステル基等のアルコール保護基であって、式中、m=1〜5且つn=1〜100である。
【0154】
H. アゾセミドおよびトルセミドのPEG型類似体
アゾセミドおよびトルセミドのPEG型エーテルは、MeO−PEG350−Cl等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)ハロゲン化アルキル、またはMeO−PEG1000−OT等のアルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)トシル酸アルキルを使用するアルキル化によって形成され得る(スキーム35参照)。
【0155】
スキーム35.アゾセミドおよびトルセミドの、例示的なアルキルポリエチレングリコールエーテルの合成
【0156】
【化60】

PEG‐Xは、X−(CH(OCHCHn−1−Yであって、式中、Xはハロまたはその他の離脱基(メシラート「OM」、トシラート「OT」)であり、YはOH、またはアルキル基、アリール基、アシル基、もしくはエステル基等のアルコール保護基であって、式中、m=1〜5且つn=1〜100である。
【0157】
本発明の化合物を合成するための出発原料は、Feitによる米国特許第3,634,583号、Fietによる米国特許第3,806,534号、Struemらによる米国特許第3,058,882号、Bormannによる米国特許第4,010,273号、Popelakによる米国特許第3,665,002号、およびDelargeによる米国特許第3,665,002号に記載されている化合物をさらに含み得る。
【0158】
本発明の化合物は、異性体、互変異性体、両性イオン、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ酸塩、またはそれらの立体化学的混合物を含み得る。「異性体」という用語は、本願で使用する場合、同じ数および種類の原子、したがって同じ分子量を有するが、空間的な原子の配列または配置に関しては異なる化合物を指す。また、「異性体」という用語は、立体異性体および幾何異性体を含む。「立体異性体」または「光学異性体」という用語は、本願で使用する場合、垂直非対称面を生じさせる少なくとも1つのキラル原子または束縛回転(例えば、ある種のビフェニル、アレン、およびスピロ化合物)を有し、平面偏光を回転させることができる安定な異性体を指す。不斉中心およびその他の化学構造は、立体異性を生じさせ得る本発明の化合物のいくつかに存在し得るため、本発明では、立体異性体およびその混合物を検討する。本発明の化合物およびそれらの塩は、不斉炭素原子を含んでよく、したがって、単一の立体異性体、ラセミ酸塩として、また鏡像異性体とジアステレオマーの混合物として存在し得る。一般に、そのような化合物は、ラセミ混合物として調製されるであろう。しかしながら、必要に応じて、そのような混合物を、純粋な立体異性体として、すなわち、個々の鏡像異性体もしくはジアステレオマーとして、または立体異性体富化混合物として調製または単離してもよい。互変異性体は、容易に相互交換可能な構造異性体であり、ケトおよびエノール型のアセト酢酸エチルと同様に、リガンドの結合性における変化がある(本発明は、あらゆる前記化合物の互変異性体を含む)。両性イオンは、内塩、または、同じ分子内に酸性基と塩基性基を持つ両性化合物である。中性pHにおいて、ほとんどの両性イオンのカチオンおよびアニオンは、同程度にイオン化される。
【0159】
3. 医薬組成物
本発明の化合物またはその薬理学的に許容される塩は、種々の剤形の医薬組成物に製剤され得る。本発明の医薬組成物を調製するためには、1つ以上の化合物またはその薬学的に許容される塩を、活性成分として、製剤処方分野の当業者に既知の技術にしたがって、適切な担体および添加物と密に混合する。
【0160】
薬学的に許容される塩は、本願で使用する場合、薬剤としての使用または製剤を可能にする化合物の塩形態を指し、当該化合物は、規定の化合物の遊離酸および塩基の生物学的効果を留保し、生物学的でないものは望ましくない。そのような塩の例は、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use、Wermuth,C.G.およびStahl,P.H.(編)、Wiley−Verlag Helvetica Acta、チューリッヒ、2002年[ISBN3−906390−26−8]に記載されている。そのような塩の例としては、アルカリ金属塩ならびに遊離酸および塩基の付加塩が挙げられる。薬学的に許容される塩の例としては、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプロン酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−ジオン酸塩、ヘキシン−1,6−ジオン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、およびマンデル酸塩を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、トリアルキルアリールアンモニウム、およびテトラアルキルアンモニウム塩を含む。
【0161】
そのような医薬組成物に使用される担体および添加物は、投与の予測されるモードに応じて、多種多様な形態を取ることができる。したがって、経口投与用の組成物は、例えば、適切な担体、およびデンプン、糖類、結合剤、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、崩壊剤等といった添加物を有する、錠剤、糖衣錠剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒、粉末等の固形製剤であってもよい。その使い易さと高い患者コンプライアンスにより、多くの病状について、錠剤およびカプセルが有利な経口剤形を表す。
【0162】
同様に、液体製剤用の組成物は、適切な担体、および水、アルコール、油、グリコール、保存料、着香料、着色剤、懸濁化剤等といった添加物を有する、溶液、乳剤、分散液、懸濁液、シロップ、エリキシル剤等を含む。非経口投与用の一般的な製剤は、滅菌水、またはポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、レシチン、ラッカセイ油、もしくはゴマ油を含む非経口的に許容される油等の担体を有する活性成分を含み、溶解性または保存性を補助するためのその他の添加物が含まれていてもよい。溶液の場合、凍結乾燥して粉末にし、その後、使用直前に再構成することができる。分散液および懸濁液の場合、適切な担体および添加物は、水性ゴム、セルロース、ケイ酸塩、または油を含む。
【0163】
本発明の実施形態による医薬組成物は、経口、直腸、局所、経鼻、吸入(例えば、エアロゾルによって)、口腔(例えば、舌下)、膣内、局所(すなわち、気道表面を含む、皮膚および粘膜面の両方)、経皮投与ならびに非経口(例えば、皮下、筋肉内、皮内、関節内、胸膜内、腹腔内、髄腔内、脳内、頭蓋内、動脈内、または静脈内)に適したものを含むが、所与の場合において最も適切な経路は、治療されている状態の性質および重症度、ならびに使用されている特定の活性剤の性質によって決まることになる。本発明の医薬組成物は、特に、経口、舌下、非経口、注入、経鼻、および吸入投与に適している。
【0164】
注射用の組成物は、有機溶媒、プロピレングリコール−アルコール−水、等張水、注射用蒸留水(USP)、EmulphorTM−アルコール−水、Cremophor−ELTMを含む適切な担体、または当業者に既知のその他適切な担体と共に、活性成分を含むであろう。これらの担体を、単独で使用してもよいし、エタノール、グリコール等、その他の従来の可溶化剤、または当業者に既知のその他の剤と組み合わせて使用してもよい。
【0165】
本発明の化合物が溶液または注射の形態で適用される場合、当該化合物は、任意の従来の希釈剤中に溶解または懸濁することによって使用され得る。希釈剤は、例えば、生理食塩水、リンガー溶液、グルコース水溶液、デキストロース水溶液、アルコール、脂肪酸エステル、グリセロール、グリコール、植物または動物源由来の油、パラフィン等を含み得る。これらの製剤は、当業者に既知である任意の従来の方法によって調製され得る。
【0166】
経鼻投与用の組成物は、エアロゾル、点滴薬、粉末、およびゲルとして製剤され得る。エアロゾル製剤は一般に、生理的に許容される水性または非水性溶媒中における活性成分の溶液または微粒子懸濁液を含む。そのような製剤は一般に、密閉容器内に、滅菌形態で、単回投与または多回投与量で存在する。密閉容器は、噴霧デバイスで使用するためのカートリッジまたはリフィルであってもよい。あるいは、密閉容器は、治療的有効量を送達するように設定された絞り弁が取り付けられた、使い捨て鼻吸入器、ポンプ式噴霧器、またはエアロゾルディスペンサ等、単一の分注デバイスであってもよく、これは、内容物が完全に使用されると廃棄されるよう意図されている。剤形がエアロゾルディスペンサを備える場合、当該ディスペンサは、例として圧縮ガス、空気等の推進剤、またはフルオロクロロ炭化水素もしくはフルオロ炭化水素を含む有機推進剤を収納する。
【0167】
口腔または舌下投与に適した組成物は、錠剤、ロゼンジ、およびトローチを含み、活性成分は、砂糖およびアカシア、トラガカントまたはゼラチン、およびグリセリン等の担体と共に製剤される。
【0168】
直腸投与用の組成物は、ココアバター等の従来の坐剤の基剤を含有する坐薬を含む。
【0169】
経皮投与に適した組成物は、軟膏、ゲル、およびパッチを含む。
【0170】
膏薬等、当業者に既知であるその他の組成物を、経皮または皮下投与に適用してもよい。
【0171】
さらに、組成物の製剤に必要な成分を有する混合剤中に活性成分を含むそのような医薬組成物を調製する際、例えば賦形剤、安定化薬、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、潤滑剤、甘味剤、着色剤、着香料、等張性剤、緩衝化剤、酸化防止剤等、その他の従来の薬理学的に許容される添加物を組み込んでもよい。添加物としては、例えば、デンプン、ショ糖、果糖、ブドウ糖、乳糖、グルコース、マンニトール、ソルビトール、沈降炭酸カルシウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、ゼラチン、アカシア、EDTA(EthyleneDiamineTetraacetic Acid;エチレンジアミン4酢酸)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メタ重亜硫酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0172】
一部の実施形態において、本発明の方法で用いられる剤は、血液脳関門(BBB)を越えることができる、および/またはCNSへの送達を容易にするために投与される。経口、舌下、非経口、注入、経鼻、および吸入経路により、活性剤のCNSへの送達を提供することができる。本発明の化合物は、中枢神経系への剤の送達を容易にする送達システムと併せて使用され得る。例えば、治療剤に対する血液脳関門の透過性を一時的且つ可逆的に増大させるために、必要に応じて、種々の血液脳関門透過性エンハンサーを使用することができる。そのようなBBB透過性エンハンサーは、ロイコトリエン、ブラジキニン作動薬、ヒスタミン、密着結合崩壊剤(例えば、ゾヌリン、ゾット)、高浸透圧溶液(例えば、マンニトール)、細胞骨格収縮剤、短鎖アルキルグリセロール(例えば、1−O−ペンチルグリセロール)、および当該技術分野において現在知られているその他のものを含み得る。いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、末梢神経系への影響は最小に、CNSに投与され得る。
【0173】
さらなる実施形態において、本発明は、有効量の、本発明の1つ以上の化合物を備える薬学的投薬単位を備える1つ以上の容器を含むキットを提供する。
【0174】
4. プロドラッグ
本発明は、本願に記載の化合物を含むプロドラッグをさらに提供する。プロドラッグは、本願に記載の化合物への加水分解結合を利用して形成され得る。プロドラッグに関するさらなる考察は、「Lessons Learned from Marketed and Investigational Prodrugs」Ettmayer,P.、Amidon,G.L.、Clement,B.、およびTesta,B.、J.Med.Chem.、2004年、47(10)、2394−2404、ならびにモノグラフ「Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism:Chemistry,Biochemistry and Enzymology」Testa,B.およびMayer,J.M.、Wiley−Verlag Helvetica Chimica Acta、チューリッヒ、2003年、第1−12章、1−780ページにおいて見られる。
【0175】
「プロドラッグ」という用語は、加溶媒分解によって、または代謝的に、薬学的に/薬理学的に活性な規定の化合物に生理的条件下で変換された化合物を指すことを意図している。「プロドラッグ」は、(i)その親薬剤化合物の生物活性の一部またはすべてを留保する、または留保しない、(ii)親薬剤化合物を産出するために被検体内で代謝されるような、化学的に誘導体化された本発明の化合物であってもよい。本発明のプロドラッグは、(i)その親薬剤化合物の生物活性の一部またはすべてを留保する、または留保しない、(ii)化合物の生物学的に活性な誘導体を産出するために被検体内で代謝されるような、化合物が化学的に誘導体化された「部分的プロドラッグ」であってもよい。
【0176】
本発明のプロドラッグは、血液脳関門の通過が可能であり、CNSエステラーゼによる加水分解を受けて活性化合物を提供することができる。さらに、本願において提供されるプロドラッグは、バイオアベイラビリティの改善、水溶解性の改善、受動的腸内吸収の改善、輸送体介在腸内吸収の改善、加速された代謝に対する防護、組織選択的な送達、および/または標的組織における受動的富化を呈することもできる。
【0177】
本発明のプロドラッグは、本願に記載の化合物を含み得る。例えば、本発明のプロドラッグは、ブメタニド、ブメタニドアルデヒド、ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドエチルエステル、ブメタニドイソアミルエステル、ブメタニドオクチルエステル、ブメタニドベンジルエステル、ブメタニドジベンジルアミド、ブメタニドジエチルアミド、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ブメタニドジメチルグリコールアミドエステル、ブメタニドピバキセチルエステル、フロセミド、フロセミドエチルエステル、フロセミドシアノメチルエステル、フロセミドベンジルエステル、フロセミドモルホリノエチルエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、フロセミドジベンジルアミド、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウム塩、フロセミドセチルトリメチルアンモニウム塩、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、フロセミドピバキセチルエステル、フロセミドプロパキセチルエステル、ピレタニド、ピレタニドメチルエステル、ピレタニドシアノメチルエステル、ピレタニドベンジルエステル、ピレタニドモルホリノエチルエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ピレタニドジエチルアミド、ピレタニドジベンジルアミド、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、ピレタニドセチルトリメチルアンモニウム塩、ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、ピレタニドピバキセチルエステル、ピレタニドプロパキセチルエステル、テトラゾリル置換アゾセミド、ピリジニウム置換トルセミド塩(ピリジン置換トルセミド第4アンモニウム塩とも称される)、さらに、S−チオブメタニド、O−チオブメタニド、ジチオブメタニド、S−チオフロセミド、O−チオフロセミド、ジチオフロセミド、S−チオピレタニド、O−チオピレタニド、およびジチオピレタニドの、同様の酸、酸性塩、エステル、およびアミド誘導体を含んでよい。上記に提示したスキームを参照されたい。
【0178】
さらに、上記に提示したスキームにおいて示すように、プロドラッグは、ポリエチレングリコール(PEG)を含む上述したもの等、生体適合性ポリマーエチレンの、生理的条件下で分解可能な結合を使用する、本発明の化合物への付着によって形成され得る。Schacht,E.H.ら、Poly(ethylene glycol) Chemistry and Biological Applications、American Chemical Society、カリフォルニア州サンフランシスコ、297−315(1997年)も参照されたい。タンパク質へのPEGの付着を用いて、本願にて提供される化合物の免疫原性を低減すること、および/またはその半減期を延長することができる。PEG化剤が少なくとも若干の薬剤活性を留保していれば、いかなる従来のPEG化法を用いてもよい。
【0179】
5. 使用の方法
本発明の化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物は、本願に記載のプロドラッグおよび改変利尿薬または利尿薬様化合物と共に、神経因性疼痛、発作、発作性疾患、てんかん、てんかん重積症、片頭痛、皮質拡延性抑圧、頭痛、頭蓋内圧亢進、中枢神経系浮腫、精神神経疾患、神経毒性、頭部外傷、脳卒中、虚血、低酸素症、不安神経症、うつ病、アルツハイマー病、肥満、パーキンソン病、禁煙、アルコール中毒、麻薬中毒(コカイン中毒、ヘロイン中毒、アヘン中毒等)等の嗜癖障害、不安神経症、および神経防護作用(例えば、脳卒中後の損傷の低減、アルツハイマーのような神経変性疾患による損傷の低減、エタノールによる毒性損傷に対する防護)を含むがこれらに限定されない一連のCNS状態の、予防、管理、および治療を含む、調節のために使用され得る。したがって、本発明の化合物は、本願に記載のプロドラッグおよび改変利尿薬または利尿薬様化合物と共に、CNS機能を改善するだけでなく、精神疾患および神経疾患の調節のため、ならびにニューロンの同期化を変調するために使用され得る。
【0180】
CNS疾患の「治療すること」または「治療」という用語は、治療しない場合に発生し得るものと比較して、疾患の重症度もしくは疾患の症状が低減されること、または疾患が部分的にもしくは全体的に解消されることを意図している。治療には、疾患の完全治癒の実現を必要としない。CNS疾患の「予防すること」または「予防」という用語は、治療しない場合に発生し得るものと比較して、本発明の方法が、疾患の罹患または発現を解消または低減することを意図している。換言すると、本方法は、治療をしない場合に発生し得るものと比較して、被検体における疾患の可能性または確率を、減速させる、遅延させる、制御する、または減少させる。
【0181】
本発明によって治療されるのに適した被検体は、鳥類および哺乳類被検体を含むがこれらに限定されず、好ましくは哺乳類である。本発明の哺乳類は、イヌ科の動物、ネコ科の動物、ウシ科の動物、ヤギ、ウマ科の動物、ヒツジ、ブタ、げっ歯類(例えば、ラットおよびマウス)、ウサギ目の動物、霊長類、ヒト等、ならびにin utero(子宮内)の哺乳類を含むがこれらに限定されない。本発明による治療を必要とする、あらゆる哺乳類被検体が適切である。ヒト被検体が好ましい。任意の発達段階(すなわち、新生児、幼児、少年、青年、成人)にある男女両方のヒト被検体を、本発明によって治療することができる。
【0182】
本発明による例示的な鳥類は、ニワトリ、アヒル、シチメンチョウ、ガチョウ、ウズラ、キジ、走鳥類(例えば、ダチョウ)、および飼い鳥(例えば、オウムおよびカナリア)、ならびにin ovo(卵内)の鳥を含む。
【0183】
本発明は、主としてヒト被検体の治療に関係するものであるが、動物被検体、特にマウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜類、およびウマ等の哺乳類被検体に対して獣医学的目的で、ならびに、薬物スクリーニングおよび薬剤開発を目的として、本発明を実行してもよい。
【0184】
本発明の化合物またはその適切な医薬組成物が有効である哺乳類(すなわち、ヒトまたは動物)における状態の治療のための治療的使用において、本発明の化合物は、有効量で投与され得る。
【0185】
化合物の活性および治療効果の程度は変動するため、投与される実際の用量は概して、年齢、被検体の状態、送達の経路、および被検体の体重等の認識される要因に基づいて決定されることになる。用量は、約0.1〜約100mg/kgであってもよく、1日に1〜4回、経口で投与される。また、化合物を、1回の投与につき約0.01〜20mg/kg、1日に1〜4回、注射によって投与することもできる。必要に応じて、数週間、または数ヶ月以上、治療を継続してもよい。特定の状況における最適用量の決定は、当業者の能力の範囲内である。例えば、Remington,The Science And Practice of Pharmacy、第20版(Gennaro,A.R.、編集長)、Philadelphia College of Pharmacy and Science、2000年を参照されたい。
【0186】
いくつかの実施形態において、治療的有効日用量は、体重1kgにつき1日あたり約0.001mg〜約20mgの、本発明の化合物(70kgの成人であれば0.07mg/日〜1.40グラム/日)、またはその薬学的に許容される塩であってもよく、いくつかの実施形態において、体重1kgにつき1日あたり約0.01mg〜約10mg(70kgの成人であれば0.7mg/日〜700mg/日)、また、その他の実施形態において、体重1kgにつき1日あたり約0.1mg〜約1mg(70kgの成人であれば7mg/日〜約70mg/日)であってもよい。
【0187】
さらなる実施形態において、本発明によるブメタニド類似体は、毎日1.5〜6mg、例えば、1日に3回、1錠または1カプセルを投与されてよい。いくつかの実施形態において、本発明によるフロセミド類似体は、60〜240mg/日、例えば、1日に3回、1錠または1カプセルを投与されてよい。その他の実施形態において、本発明によるピレタニド類似体は、毎日10〜20mg、例えば、1日に1回、1錠または1カプセルを投与されてよい。いくつかの実施形態において、本発明によるアゾセミド類似体は、1日あたり60mgを投与されてよい。その他の実施形態において、本発明によるトルセミド類似体は、毎日10〜20mg、例えば、1日に1回、1錠または1カプセルを投与されてよい。特にIVの投与については、投与量が少ない場合があることに留意すべきである。さらに、親化合物よりも少ない投与量で投与することにより、利尿等の望ましくない末梢効果を予防することができる。
【0188】
いくつかの実施形態において、本発明の化合物は、それらの由来源である利尿薬または利尿薬様化合物と比較して、親油性の改善および/または利尿効果の低減が為されている場合がある。さらなる実施形態において、本発明の化合物は、規制の、すなわち、本願に記載の予防、管理、および/または治療方法で用いた場合、望ましくない副作用を少なくすることができる。
【0189】
いくつかの実施形態において、以下で化学式I〜VIIIとして提供する化合物を有効量投与した後に発生する利尿のレベルは、当該化合物の由来源である親分子を有効量投与した後に発生する利尿のレベルの、約99%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、または10%未満である。例えば、化合物は、同mg/kg投与量で投与した場合、親分子よりも利尿薬が少ない場合がある。あるいは、化合物は、その由来源である親分子よりも強力である場合があるため、症状を効果的に緩和するために必要とされる化合物の投与量はより少なくてよく、したがって、利尿効果を顕在化させることが少ない場合がある。同様に、化合物は、疾患を治療する上で、親分子よりもより長い効果の持続時間を有し得る。したがって、本発明の化合物は、親分子よりも投与の頻度が低くてよく、その結果、所与の時間内における総利尿効果をより低くすることができる。
【0190】
さらに、本発明の組成物は、活性成分の即時放出、または活性成分の持続もしくは制御放出を提供するように製剤され得ることが理解されるであろう。持続放出または制御放出製剤において、活性成分の放出は、長期間、例えば4〜24時間以上にわたって、血中濃度が治療域内に維持されるが、毒性レベルを下回るような速度で発生し得る。
【0191】
本発明の実施形態によると、本発明のプロドラッグまたは医薬品中に存在する化合物の量は、神経因性疼痛、発作、発作性疾患、てんかん、てんかん重積症、片頭痛、皮質拡延性抑圧、頭痛、頭蓋内圧亢進、中枢神経系浮腫、精神神経疾患、神経毒性、頭部外傷、脳卒中、虚血、低酸素症、不安神経症、うつ病、アルツハイマー病、肥満、パーキンソン病、禁煙、アルコール中毒、麻薬中毒(コカイン中毒、ヘロイン中毒、アヘン中毒等)等の嗜癖障害、不安神経症、および神経防護作用(例えば、脳卒中後の損傷の低減、アルツハイマーのような神経変性疾患による損傷の低減、エタノールによる毒性損傷に対する防護)、精神疾患、神経疾患、ニューロンの同期化、を含むがこれらに限定されない一連のCNS状態、ならびに一般的なCNS機能を調節するために有効な量を含む。
【0192】
本発明のさらなる実施形態によると、本発明の医薬品は、単独で、または任意で第2の剤と組み合わせて投与され得る。適切な第2の剤は、神経因性疼痛、発作、発作性疾患、てんかん、てんかん重積症、片頭痛、皮質拡延性抑圧、頭痛、頭蓋内圧亢進、中枢神経系浮腫、精神神経疾患、神経毒性、頭部外傷、脳卒中、虚血、低酸素症、不安神経症、うつ病、アルツハイマー病、肥満、パーキンソン病、禁煙、アルコール中毒、麻薬中毒(コカイン中毒、ヘロイン中毒、アヘン中毒等)等の嗜癖障害、不安神経症、および神経防護作用(例えば、脳卒中後の損傷の低減、アルツハイマーのような神経変性疾患による損傷の低減、エタノールによる毒性損傷に対する防護)を含むがこれらに限定されない、一連のCNS疾患の予防および/または治療に有用なものを含む。したがって、本発明の組成物と組み合わせる治療のための第2の剤は、フェニトイン、カルバマゼピン、バルビツール酸塩、フェノバルビタール、フェノバルビタール、メホバルビタール、トリメタジオン、メフェニトイン、パラメタジオン、フェセニレート、フェナセミド、メタルビタール、ベンズクロルプロパミド、フェンスクシミド、プリミドン、メトスクシミド、エトトイン、アミノグルテチミド、ジアゼパム、クロナゼパム、クロラゼプ酸、フォスフェニトイン、エトスクシミド、バルプロエート、フェルバメート、ガバペンチン、ラモトリジン、トピラメート、ビガバトリン、チアガビン、ゾニサミド、クロバザム、チオペンタール、ミダゾラム、プロポフォール、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、CCPene、GYK152466、セロトニン受容体作動薬、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、スマトリプタン、プロプラノロール、メトプロロール、アテノロール、チモロール、ナドロール、ニフェジピン、ニモジピン、ベラパミル、アスピリン、ケトプロフェン、トルフェナム酸、メフェナム酸、ナプロキセン、メチセルギド、パラセタモール、クロニジン、リスリド、イプラゾクロム、ブタルビタール、ベンゾジアゼピン、ジバルプロエックスナトリウム、およびその他同類の化合物を含むがこれらに限定されない。Hochmanによる米国特許第6,495,601号およびHochmanによる米国特許出願番号第2002/0082252号を参照されたい。
【0193】
以下の実施例を参照し、本発明のさらなる実施形態について説明する。これらの実施例は本発明の実施形態を例示することのみを目的としており、本発明の範囲を限定するものではないことを十分に理解すべきである。
【実施例】
【0194】
実施例1
メチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩
(ブメタニドメチルエステル)
メタノール(12mL)中のブメタニド(1.2g、3.29mモル)のスラリーに、窒素下、メタノール(6mL)中の塩化チオニル(70μL)の混合物を5分間添加した。5分間攪拌後、反応混合物は可溶性になった。反応物をさらに30分間攪拌し、薄層クロマトグラフィ(Thin Layer Chromatography;TLC)によって反応を完了させた。減圧下でメタノールを除去し、残留物を取り出して酢酸エチルに入れ、飽和重炭酸ナトリウム、水、およびブラインで洗浄した。酢酸エチルを無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮して、収量1.1g(89%)のメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を白色固体として得た。同様の方法論を使用して、ブメタニドエチルエステル、ブメタニドイソアミルエステル、ブメタニドオクチルエステル、およびブメタニドベンジルエステルを調製することができる。
【0195】
実施例2
3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシチオ安息香酸
(チオブメタニド、ブメタニド−(C=O)−SHチオ酸)
ブメタニドを塩化チオニルと反応させて対応する酸塩化物を作製することができ、これを硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論により、3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシチオ安息香酸(チオブメタニド、S−ブメタニドチオ酸)を得ることができる。
【0196】
実施例3
3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシチオ安息香酸
(チオブメタニド、ブメタニド−(C=O)−SHチオ酸)
ブメタニドメチルエステルを硫化水素または硫化水素ナトリウムと反応させ、酸性化後、3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシチオ安息香酸(チオブメタニド、ブメタニドチオ酸)を得ることができる。
【0197】
実施例4
チオメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩
(ブメタニドS−メチルチオエステル)
実施例1と同様にして、ブメタニドをメタンチオール(メチルメルカプタン)中の触媒量の塩化チオニルと反応させ、チオメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を得ることができる。ブメタニドおよび対応するチオールを用いる同様の方法論を使用して、ブメタニドS−エチルチオエステル、ブメタニドS−イソアミルチオエステル、ブメタニドS−オクチルチオエステル、およびブメタニドS−ベンジルチオエステルを調製することができる。ジチオブメタニドおよび対応するアルコールを用いる同様の方法論を使用して、ブメタニドO−エチルチオエステル、ブメタニドO−イソアミルチオエステル、ブメタニドO−オクチルチオエステル、およびブメタニドO−ベンジルチオエステルを調製することができる。
【0198】
実施例5
3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸
(ジチオブメタニド、ブメタニド−(C=S)−SHジチオ酸)
チオブメタニドを塩化チオニルと反応させて対応するチオ酸塩化物を作製することができ、続いてこれを硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論により、3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸(ジチオブメタニド、ブメタニドジチオ酸)を得ることができる。
【0199】
実施例6
メチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸塩
(ブメタニドメチルジチオエステル)
実施例1と同様にして、ジチオブメタニドをメタンチオール(メチルメルカプタン)中の触媒量の塩化チオニルと反応させ、メチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシジチオ安息香酸塩を得ることができる。同様の方法論を使用して、ブメタニドエチルジチオエステル、ブメタニドイソアミルジチオエステル、ブメタニドオクチルジチオエステル、およびブメタニドベンジルジチオエステルを調製することができる。
【0200】
実施例7
シアノメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩
(ブメタニドシアノメチルエステル)
ブメタニド(1.0g、2.7mモル)をジメチルホルムアミド(DiMethylFormamide;DMF)中に溶解し、クロロアセトニトリル(195μL、2.7mモル)、続いてトリエチルアミン(465μL)を添加した。反応物を100℃まで12時間加熱すると、TLCおよび液体クロマトグラフィ/質量分析法(Liquid Chromatography−coupled Mass Spectrometry(LC/MS)は反応が完了したことを示した。反応物を室温まで冷却し、取り出してジクロロメタンに入れ、水、飽和塩化アンモニウムで洗浄し、スラリー化させた。スラリーに水(25mL)を添加し、粗生成物がオフホワイトの固体として沈殿した。アセトニトリル中における再結晶によって、純シアノメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(850mg)が得られた。同様の方法論を使用して、ブメタニドエチルエステル、ブメタニドイソアミルエステル、ブメタニドオクチルエステル、およびブメタニドベンジルエステルを調製することができる。
【0201】
実施例8
ベンジル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩
(ブメタニドベンジルエステル)
ブメタニド(1.15g、3.15mモル)をジメチルホルムアミド(DMF、10mL)中に溶解し、塩化ベンジル(400μL、2.8mモル)、続いてトリエチルアミン(480μL)を添加した。反応物を80℃まで12時間加熱すると、TLCおよびLC/MSは反応が完了したことを示した。反応物を室温まで冷却し、取り出してジクロロメタンに入れ、水、飽和塩化アンモニウムで洗浄し、粘度の高いスラリーになるまで濃縮した。スラリーに水(25mL)を添加し、得られた固体をろ過し、50℃の真空オーブン内で12時間乾燥させて、1.0g(80%)のベンジル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出した。
【0202】
実施例9
2−(4−モルホリノ)エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(ブメタニドモルホリノエチルエステル)
ブメタニド(1.2g、3.29mモル)をジメチルホルムアミド(DMF、12mL)中に溶解し、4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩(675mg、3.62mモル)、続いてトリエチルアミン(1mL)およびヨウ化ナトリウム(500mg、3.33mモル)を添加した。反応物を95℃まで8時間加熱すると、TLCおよびLC/MSは反応が完了したことを示した。反応物を室温まで冷却し、取り出してジクロロメタンに入れ、水、飽和塩化アンモニウムで洗浄し、乾燥するまで濃縮した。バイオテージフラッシュクロマトグラフィによる精製後、精製溶出液を真空下で蒸発させ、2−(4−モルホリノ)エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を白色固体(600mg、62%)として産出した。
【0203】
実施例10
3−(N,N−ジメチルアミノプロピル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩[ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル]
実施例54と同様にして、ブメタニドをジメチルホルムアミド(DMF)中の3−(ジメチルアミノプロピル)塩化プロピル塩酸塩、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出することができる。
【0204】
実施例11
3−(N,N−ジメチルアミノプロピル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸塩[ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル]
実施例10と同様にして、ジチオブメタニドをジメチルホルムアミド(DMF)中の3−(ジメチルアミノプロピル)塩化プロピル塩酸塩、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸塩を産出することができる。
【0205】
実施例12
N,N−ジエチルアミノカルボニルメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩
(ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル)
ブメタニド(1.2g、3.29mモル)をジメチルホルムアミド(12mL)中に溶解し、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド(500mg、3.35mモル)、続いてトリエチルアミン(0.68mL)およびヨウ化ナトリウム(500mg、3.33mモル)を添加した。反応物を95℃まで8時間加熱すると、TLCおよびLC/MSは反応が完了したことを示した。反応物を室温まで冷却し、取り出してジクロロメタンに入れ、水、飽和塩化アンモニウムで洗浄し、粘度の高いスラリーにした。スラリーに水(25mL)を添加し、得られた固体が溶液から沈殿した。生成物をろ過し、50℃の真空オーブン内で12時間乾燥させて、1.0gのN,N−ジエチルアミノカルボニルメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出した。
【0206】
実施例13
N,N−ジエチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシベンズアミド
(ブメタニドジエチルアミド)
ブメタニド(1.16g、3.2mモル)をジクロロメタン(10mL)中に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、690mg、3.6mモル)を添加し、5分後、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、498mg、3.6mモル)を添加し、溶液をさらに5分間攪拌した。ジエチルアミン(332μL、3.2mモル)を添加して、反応物を2時間攪拌した。反応物を、飽和重炭酸ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下でジクロロメタンを除去し、860mg(65%)の純N,N−ジエチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシベンズアミドを産出した。
【0207】
実施例14
N,N−ジエチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシチオベンズアミド
(ブメタニドジエチルチオアミド)
実施例5と同様にして、ジチオブメタニドを塩化チオニルと反応させてチオ酸塩化物を得ることができ、これをジエチルアミンと反応させ、N,N−ジエチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシチオベンズアミドを得ることができる。
【0208】
実施例15
N,N−ジベンジル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシベンズアミド
(ブメタニドジベンジルアミド)
ブメタニド(960mg、2.6mモル)をジメチルホルムアミド(DMF、10mL)中に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC、560mg、3.6mモル)を添加し、10分後、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt、392mg、2.9mモル)を添加して、溶液をさらに10分間攪拌した。ジベンジルアミン(1mL、5.2mモル)を添加し、反応物を2時間攪拌し、この際にLC/MSにより反応が完了した。反応物を飽和塩化アンモニウム(20mL)中に注ぎ、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。酢酸エチルを飽和重炭酸ナトリウム、水、ブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で除去し、1.0g(75%)のN,N−ジベンジル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシベンズアミドを白色固体として産出した。
【0209】
実施例16
ベンジルトリメチルアンモニウム3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩)
水(10mL)中の水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムの溶液(451mg、2.7mモル)に、ブメタニド(1g、2.7mモル)を5分間添加した。10分間攪拌すると、反応混合物が透明になった。減圧下で水を除去し、無色の粗油を産出した。水およびヘプタンを用いて当該油の再結晶から純生成物を得て、690mgのベンジルトリメチルアンモニウム3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を淡いピンク色の結晶として産出した。
【0210】
実施例17
セチルトリメチルアンモニウム3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(ブメタニドセチルトリメチルアンモニウム塩)
実施例16と同様にして、ブメタニドを水中の水酸化セチルトリメチルアンモニウムと反応させ、セチルトリメチルアンモニウム3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出することができる。
【0211】
実施例18
N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩
(ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル)
ブメタニド(1.2g、3.29mモル)をジメチルホルムアミド(DMF、10mL)中に溶解し、2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミド(410μL、3.9mモル)、続いてトリエチルアミン(0.70mL)およびヨウ化ナトリウム(545mg、3.6mモル)を添加した。反応物を50℃まで10時間加熱すると、TLCおよびLC/MSは反応が完了したことを示した。減圧下で溶媒を除去し、残留物を酢酸エチル中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム、水、およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製して、685mg(60%)の純N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出した。
【0212】
実施例19
t−ブチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(ブメタニドピバキセチルエステル)
ブメタニド(1.2g、3.29mモル)をジメチルホルムアミド(DMF、10mL)中に溶解し、ピバル酸クロロメチル(575μL、3.9mモル)、続いてトリエチルアミン(0.70mL)およびヨウ化ナトリウム(545mg、3.6mモル)を添加した。反応物を50℃まで10時間加熱すると、TLCおよびLC/MSは反応が完了したことを示した。減圧下で溶媒を除去し、残留物を酢酸エチル中に溶解し、飽和重炭酸ナトリウム、水、およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。酢酸エチルを減圧下で除去し、生成物をフラッシュクロマトグラフィによって精製して、653mg(60%)の純t−ブチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出した。
【0213】
実施例20
t−ブチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸塩(ブメタニドピバキセチルジチオエステル)
実施例19と同様にして、ジチオブメタニドをジメチルホルムアミド(DMF)中のピバル酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、t−ブチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸塩を産出することができる。
【0214】
実施例21
エチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(ブメタニドプロパキセチルエステル)
実施例19と同様にして、ブメタニドをジメチルホルムアミド(DMF)中のプロピオン酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、エチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出することができる。
【0215】
実施例22
エチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸塩(ブメタニドプロパキセチルジチオエステル)
実施例21と同様にして、ジチオブメタニドをジメチルホルムアミド(DMF)中のプロピオン酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、エチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸塩を産出することができる。
【0216】
実施例23
メチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドメチルエステル)
実施例1と同様にして、ピレタニドを塩化チオニルおよびメタノールと反応させ、メチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。同様の方法論を使用して、ピレタニドエチルエステル、ピレタニドイソアミルエステル、ピレタニドオクチルエステル、およびピレタニドベンジルエステルを調製することができる。
【0217】
実施例24
3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)−チオ安息香酸
(チオピレタニド、ピレタニド−(C=O)−SHチオ酸)
ピレタニドを塩化チオニルと反応させて対応する酸塩化物を作製することができ、続いてこれを硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論により、3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)−チオ安息香酸(チオピレタニド、S−ピレタニドチオ酸)を得ることができる。
【0218】
実施例25
3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)−チオ安息香酸
(チオピレタニド、ピレタニド−(C=O)−SHチオ酸)
ピレタニドメチルエステルを硫化水素または硫化水素ナトリウムと反応させ、3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)−チオ安息香酸(チオピレタニド、S−ピレタニドチオ酸)を得ることができる。
【0219】
実施例26
チオメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドS−メチルチオエステル)
実施例1と同様にして、ピレタニドをメタンチオール(メチルメルカプタン)中の触媒量の塩化チオニルと反応させ、チオメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を得ることができる。ピレタニドおよび対応するチオールを用いる同様の方法論を使用して、ピレタニドS−エチルチオエステル、ピレタニドS−イソアミルチオエステル、ピレタニドS−オクチルチオエステル、およびピレタニドS−ベンジルチオエステルを調製することができる。ジチオピレタニドおよび対応するアルコールを用いる同様の方法論を使用して、ピレタニドO−エチルチオエステル、ピレタニドO−イソアミルチオエステル、ピレタニドO−オクチルチオエステル、およびピレタニドO−ベンジルチオエステルを調製することができる。
【0220】
実施例27
3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)−ジチオ安息香酸
(ジチオピレタニド、ピレタニド−(C=S)−SHジチオ酸)
チオピレタニドを塩化チオニルと反応させて対応するチオ酸塩化物を作製することができ、続いてこれを硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論により、3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)−ジチオ安息香酸(ジチオピレタニド、ピレタニドジチオ酸)を得ることができる。
【0221】
実施例28
メチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)−ジチオ安息香酸塩
(ピレタニドメチルジチオエステル)
実施例1と同様にして、ジチオピレタニドをメタンチオール(メチルメルカプタン)中の触媒量の塩化チオニルと反応させ、メチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)−ジチオ安息香酸塩を得ることができる。同様の方法論を使用して、ピレタニドエチルジチオエステル、ピレタニドイソアミルジチオエステル、ピレタニドオクチルジチオエステル、およびピレタニドベンジルジチオエステルを調製することができる。
【0222】
実施例29
シアノメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドシアノメチルエステル)
実施例7と同様にして、ピレタニドをDMF中のクロロアセトニトリルおよびトリエチルアミンと反応させ、シアノメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0223】
実施例30
ベンジル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドベンジルエステル)
実施例8と同様にして、ピレタニドをDMF中の塩化ベンジルおよびトリエチルアミンと反応させ、ベンジル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0224】
実施例31
2−(4−モルホリノ)エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩(ピレタニドモルホリノエチルエステル)
実施例9と同様にして、ピレタニドをDMF中の4−(2−クロロエチル)モルホリン塩酸塩、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、2−(4−モルホリノ)エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0225】
実施例32
3−(N,N−ジメチルアミノプロピル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
[ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル]
実施例54と同様にして、ピレタニドをジメチルホルムアミド(DMF)中の3−(ジメチルアミノ)塩化プロピル塩酸塩、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0226】
実施例33
3−(N,N−ジメチルアミノプロピル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ジチオ安息香酸塩
[ピレタニド3−ジメチルアミノプロピル]ジチオエステル]
実施例32と同様にして、ジチオピレタニドをジメチルホルムアミド(DMF)中の3−(ジメチルアミノ)塩化プロピル塩酸塩、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ジチオ安息香酸塩を産出することができる。
【0227】
実施例34
N,N−ジエチルアミノカルボニルメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル)
実施例12と同様にして、ピレタニドをジメチルホルムアミド(DMF)中の2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、N,N−ジエチルアミノカルボニルメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0228】
実施例35
N,N−ジエチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドジエチルアミド)
実施例13と同様にして、ピレタニドをDMF中のEDC、HOBt、およびジエチルアミンと反応させ、N,N−ジエチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ベンズアミドを産出することができる。
【0229】
実施例36
N,N−ジエチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドジエチルチオアミド)
実施例35と同様にして、ジチオピレタニドをDMF中のEDC、HOBt、およびジエチルアミンと反応させ、N,N−ジエチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)チオベンズアミドを産出することができる。
【0230】
実施例37
N,N−ジベンジル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドジベンジルアミド)
実施例15と同様にして、ピレタニドをDMF中のEDC、HOBt、およびジベンジルアミンと反応させ、N,N−ジベンジル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ベンズアミドを産出することができる。
【0231】
実施例38
ベンジルトリメチルアンモニウム3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩)
実施例16と同様にして、ピレタニドを水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムと反応させ、ベンジルトリメチルアンモニウム3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0232】
実施例39
セチルトリメチルアンモニウム3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドセチルトリメチルアンモニウム塩)
実施例17と同様にして、ピレタニドを水中の水酸化セチルトリメチルアンモニウムと反応させ、セチルトリメチルアンモニウム3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0233】
実施例40
N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル)
実施例18と同様にして、ピレタニドをDMF中の2−クロロ−N,Nジメチルアセトアミド、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0234】
実施例41
t−ブチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩
(ピレタニドピバキセチルエステル)
実施例19と同様にして、ピレタニドをDMF中のピバル酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、t−ブチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0235】
実施例42
t−ブチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ジチオ安息香酸塩
(ピレタニドピバキセチルジチオエステル)
実施例41と同様にして、ジチオピレタニドをDMF中のピバル酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、t−ブチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ジチオ安息香酸塩を産出することができる。
【0236】
実施例43
エチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩(ピレタニドプロパキセチルエステル)
実施例21と同様にして、ピレタニドをDMF中のプロピオン酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、エチルカルボニルオキシメチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができる。
【0237】
実施例44
エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(フロセミドエチルエステル)
Bundgaard,H.、Norgaard,T.、およびNielsen,N.M.、Int.J.Pharmaceutics、1988年、42、217−224の方法を用いて、エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(融点163〜165℃)を調製することができる。同様の方法論を使用して、フロセミドメチルエステル、フロセミドイソアミルエステル、フロセミドオクチルエステル、およびフロセミドベンジルエステルを調製することができる。
【0238】
実施例45
メチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(フロセミドメチルエステル)
Bundgaard,H.、Norgaard,T.、およびNielsen,N.M.、Int.J.Pharmaceutics、1988年、42、217−224の方法を用いて、メチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を調製することができる。
【0239】
実施例46
5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]チオ安息香酸
(チオフロセミド、フロセミド−(C=O)−SHチオ酸)
フロセミドを塩化チオニルと反応させて対応する酸塩化物を作成することができ、続いてこれを硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論により、5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]チオ安息香酸(チオフロセミド、S−フロセミドチオ酸)を得ることができる。
【0240】
実施例47
5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]チオ安息香酸
(チオフロセミド、フロセミド−(C=O)−SHチオ酸)
フロセミドメチルエステルを硫化水素または硫化水素ナトリウムと反応させ、酸性化後、3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシチオ安息香酸(チオフロセミド、S−フロセミドチオ酸)を得ることができる。
【0241】
実施例48
チオメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
(フロセミドS−メチルチオエステル)
実施例1と同様にして、ブメタニドをメタンチオール(メチルメルカプタン)中の触媒量の塩化チオニルと反応させ、チオメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を得ることができる。フロセミドおよび対応するチオールを用いる同様の方法論を使用して、フロセミドS−エチルチオエステル、フロセミドS−イソアミルチオエステル、フロセミドS−オクチルチオエステル、およびフロセミドS−ベンジルチオエステルを調製することができる。ジチオフロセミドおよび対応するアルコールを用いる同様の方法論を使用して、フロセミドO−エチルチオエステル、フロセミドO−イソアミルチオエステル、フロセミドO−オクチルチオエステル、およびフロセミドO−ベンジルチオエステルを調製することができる。
【0242】
実施例49
5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]−ジチオ安息香酸
(ジチオフロセミド、フロセミド−(C=S)−SHジチオ酸)
ジチオフロセミドを塩化チオニルと反応させて対応するチオ酸塩化物を作製することができ、続いてこれを硫化水素ナトリウムと反応させ、Noble,P.およびTarbell,D.S.、Org.Synth.,Coll.Vol.IV、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1963年、924−927の方法論により、5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]−ジチオ安息香酸(ジチオフロセミド、フロセミドジチオ酸)を得ることができる。
【0243】
実施例50
メチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ジチオ安息香酸塩
(フロセミドメチルジチオエステル)
実施例1と同様にして、ジチオフロセミドをメタンチオール(メチルメルカプタン)中の触媒量の塩化チオニルと反応させ、メチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ジチオ安息香酸塩を得ることができる。同様の方法論を使用して、フロセミドエチルジチオエステル、フロセミドイソアミルジチオエステル、フロセミドオクチルジチオエステル、およびフロセミドベンジルジチオエステルを調製することができる。
【0244】
実施例51
シアノメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(フロセミドシアノメチルエステル)
実施例7と同様にして、フロセミドをDMF中のクロロアセトニトリルおよびトリエチルアミンと反応させ、シアノメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を産出することができる。
【0245】
実施例52
ベンジル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(フロセミドベンジルエステル)
実施例8と同様にして、フロセミドをDMF中の塩化ベンジルおよびトリエチルアミンと反応させ、ベンジル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を産出することができる。
【0246】
実施例53
2−(4−モルホリノ)エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
(フロセミドモルホリノエチルエステル)
Mork,N.、Bundgaard,H.、Shalmi,M.、およびChristensen,S.、Int.J.Pharmaceutics、1990年、60、163−169の方法を用いて、2−(4−モルホリノ)エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(融点134〜135℃)を調製することができる。
【0247】
実施例54
3−(N,N−ジメチルアミノプロピル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
[フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル]
Mork,N.、Bundgaard,H.、Shalmi,M.、およびChristensen,S.、Int.J.Pharmaceutics、1990年、60、163−169の方法を用いて、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(融点212〜213℃)を調製することができる。
【0248】
実施例55
3−(N,N−ジメチルアミノプロピル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ジチオ安息香酸塩
[フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル]
実施例54と同様にして、ジチオフロセミドをジメチルホルムアミド(DMF)中の3−(ジメチルアミノ)塩化プロピル塩酸塩、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、3−(N,N−ジメチルアミノプロピル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ジチオ安息香酸塩を産出することができる。
【0249】
実施例56
N,N−ジエチルアミノカルボニルメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
(フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル)
Mork,N.、Bundgaard,H.、Shalmi,M.、およびChristensen,S.、Int.J.Pharmaceutics、1990年、60、163−169の方法を用いて、N,N−ジエチルアミノカルボニルメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(融点135〜136℃)を調製することができる。
【0250】
実施例57
N,N−ジエチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ベンズアミド(フロセミドジエチルアミド)
実施例13と同様にして、フロセミドをDMF中のEDC、HOBt、およびジエチルアミンと反応させ、N,N−ジエチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ベンズアミドを産出することができる。
【0251】
実施例58
N,N−ジエチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ベンズアミド(フロセミドジエチルチオアミド)
実施例57と同様にして、ジチオフロセミドをDMF中のEDC、HOBt、およびジエチルアミンと反応させ、N,N−ジエチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]チオベンズアミドを産出することができる。
【0252】
実施例59
N,N−ジベンジル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ベンズアミド(フロセミドジベンジルアミド)
実施例15と同様にして、フロセミドをDMF中のEDC、HOBt、およびジベンジルアミンと反応させ、N,N−ジベンジル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ベンズアミドを産出することができる。
【0253】
実施例60
ベンジルトリメチルアンモニウム5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
(フロセミドベンジルトリメチルアンモニウム塩)
実施例16と同様にして、フロセミドを水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムと反応させ、ベンジルトリメチルアンモニウム5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を産出することができる。
【0254】
実施例61
セチルトリメチルアンモニウム5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
(フロセミドセチルトリメチルアンモニウム塩)
実施例17と同様にして、フロセミドを水中の水酸化セチルトリメチルアンモニウムと反応させ、セチルトリメチルアンモニウム5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を産出することができる。
【0255】
実施例62
N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
(フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル)
Bundgaard,H.、Norgaard,T.、およびNielsen,N.M.、Int.J.Pharmaceutics、1988年、42、217−224の方法を用いて、N,N−ジメチルアミノカルボニルメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(融点193〜194℃)を調製することができる。
【0256】
実施例63
t−ブチルカルボニルオキシメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
(フロセミドピバキセチルエステル)
Mork,N.、Bundgaard,H.、Shalmi,M.、およびChristensen,S.、Int.J.Pharmaceutics、1990年、60、163−169の方法を用いて、t−ブチルカルボニルオキシメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を調製することができる。
【0257】
実施例64
t−ブチルカルボニルオキシメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ジチオ安息香酸塩
(フロセミドピバキセチルジチオエステル)
実施例63と同様にして、ジチオフロセミドをジメチルホルムアミド(DMF)中のピバル酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、t−ブチルカルボニルオキシメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ジチオ安息香酸塩を産出することができる。
【0258】
実施例65
エチルカルボニルオキシメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩
(フロセミドプロパキセチルエステル)
Mork,N.、Bundgaard,H.、Shalmi,M.、およびChristensen,S.、Int.J.Pharmaceutics、1990年、60、163−169の方法を用いて、エチルカルボニルオキシメチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(融点141〜142℃)を調製することができる。
【0259】
実施例66
5−[1−(t−ブチルカルボニルオキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−2−クロロ−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
(テトラゾリル置換アゾセミド)
実施例19と同様にして、アゾセミドをDMF中のピバル酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、5−[1−(t−ブチルカルボニルオキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−2−クロロ−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを産出することができる。
【0260】
実施例67
2−クロロ−5−[1−(エチルカルボニルオキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
(テトラゾリル置換アゾセミド)
実施例19と同様にして、アゾセミドをDMF中のプロピオン酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、2−クロロ−5−[1−(エチルカルボニルオキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを産出することができる。
【0261】
実施例68
2−クロロ−5−[1−(ヒドロキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
(テトラゾリル置換アゾセミド)
アゾセミドを、塩化メチレン、塩化メチレン−DMF混合物、またはDMF中のホルムアルデヒドと反応させ、2−クロロ−5−[1−(ヒドロキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを産出することができる。
【0262】
実施例69
2−クロロ−5−[1−(メトキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
(テトラゾリル置換アゾセミド)
アゾセミドを、塩化メチレン、塩化メチレン−DMF混合物、またはDMF中のホルムアルデヒド、メタノール、および強酸と反応させ、2−クロロ−5−[1−(メトキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを産出することができる。
【0263】
実施例70
2−クロロ−5−[1−(メチルチオメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
(テトラゾリル置換アゾセミド)
アゾセミドを、塩化メチレン、塩化メチレン−DMF混合物、またはDMF中のホルムアルデヒド、メタンチオール、および強酸と反応させ、2−クロロ−5−[1−(メチルチオメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを産出することができる。
【0264】
実施例71
5−[1−(ベンジルオキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−2−クロロ−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
(テトラゾリル置換アゾセミド)
アゾセミドをDMF中のベンジルクロロメチルエーテル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、5−[1−(ベンジルオキシメチル)−1H−テトラゾール−5−イル]−2−クロロ−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを産出することができる。
【0265】
実施例72
2−クロロ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドのベンジルトリメチルアンモニウム塩
(アゾセミドベンジルトリメチルアンモニウム塩)
実施例16と同様にして、アゾセミドを水中の水酸化ベンジルトリメチルアンモニウムと反応させ、2−クロロ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドのベンジルトリメチルアンモニウム塩を産出することができる。
【0266】
実施例73
2−クロロ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドのセチルトリメチルアンモニウム塩
(アゾセミドセチルトリメチルアンモニウム塩)
実施例16と同様にして、アゾセミドを水中の水酸化セチルトリメチルアンモニウムと反応させ、2−クロロ−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドのセチルトリメチルアンモニウム塩を産出することができる。
【0267】
実施例74
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムt−ブチルカルボニルオキシメトクロライド
(ピリジニウム置換トルセミド塩)
実施例19と同様にして、トルセミドをDMF中のピバル酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムt−ブチルカルボニルオキシメトクロライドおよび若干の3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムt−ブチルカルボニルオキシメトヨウ化物を産出することができる。
【0268】
実施例75
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムエチルカルボニルオキシメトクロライド
(ピリジニウム置換トルセミド塩)
実施例19と同様にして、トルセミドをDMF中のプロピオン酸クロロメチル、トリエチルアミン、およびヨウ化ナトリウムと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムエチルカルボニルオキシメトクロライドおよび若干の3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムエチルカルボニルオキシメトヨウ化物を産出することができる。
【0269】
実施例76
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムベンズオキシメトクロライド
(ピリジニウム置換トルセミド塩)
実施例8と同様にして、トルセミドをDMF中のベンジルクロロメチルエーテルおよびトリエチルアミンと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムベンズオキシメトクロライドを産出することができる。
【0270】
実施例77
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムメトキシメトクロライド
(ピリジニウム置換トルセミド塩)
実施例8と同様にして、トルセミドをDMF中のメチルクロロメチルエーテルおよびトリエチルアミンと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムメトキシメトクロライドを産出することができる。
【0271】
実施例78
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムフェニルメトクロライド
(ピリジニウム置換トルセミド塩)
実施例8と同様にして、トルセミドをDMF中の塩化ベンジルおよびトリエチルアミンと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムフェニルメトクロライドを産出することができる。
【0272】
実施例79
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムベンジルチオメトクロライド
(ピリジニウム置換トルセミド塩)
実施例8と同様にして、トルセミドをDMF中のベンジルクロロメチルチオエーテルおよびトリエチルアミンと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムベンジルチオメトクロライドを産出することができる。
【0273】
実施例80
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムメチルチオメトクロライド
(ピリジニウム置換トルセミド塩)
実施例8と同様にして、トルセミドをDMF中のメチルクロロメチルチオエーテルおよびトリエチルアミンと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムメチルチオメトクロライドを産出することができる。
【0274】
実施例81
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(ブメタニドmPEG350エステル)
実施例8と同様にして、ブメタニドをDMF中のMeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出することができ、ここでnは7〜8の範囲である。
【0275】
実施例82
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(S−ブメタニドmPEG350チオエステル)
実施例8と同様にして、チオブメタニドをDMF中のMeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−チオ安息香酸塩を産出することができ、ここでnは7〜8の範囲である。
【0276】
実施例83
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(ブメタニドmPEG1000エステル)
実施例8と同様にして、ブメタニドをDMF中のMeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩を産出することができ、ここでnは19〜24の範囲である。同様に、DMF中のS−チオブメタニド、MeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)、およびトリエチルアミンを用い、S−ブメタニドmPEG1000チオエステルを形成することができる。
【0277】
実施例84

メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル−3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ安息香酸塩(ブメタニドmPEG1000ジチオエステル)
実施例8と同様にして、ジチオブメタニドをDMF中のMeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシ−ジチオ安息香酸塩を産出することができ、ここでnは19〜24の範囲である。
【0278】
実施例85
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩(ピレタニドmPEG350エステル)
実施例8と同様にして、ピレタニドをDMF中のMeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができ、ここでnは7〜8の範囲である。同様に、DMF中のジチオブメタニド、MeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)、およびトリエチルアミンを用い、ブメタニドmPEG350ジチオエステルを形成することができる。
【0279】
実施例86
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩(S−ピレタニドmPEG350チオエステル)
実施例8と同様にして、チオピレタニドをDMF中のMeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)チオ安息香酸塩を産出することができ、ここでnは7〜8の範囲である。
【0280】
実施例87
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩(ピレタニドmPEG1000エステル)
実施例8と同様にして、ピレタニドをDMF中のMeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩を産出することができ、ここでnは19〜24の範囲である。同様に、DMF中のS−チオピレタニド、MeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)、およびトリエチルアミンを用い、S−ピレタニドmPEG1000チオエステルを形成することができる。
【0281】
実施例88
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)安息香酸塩(ピレタニドmPEG1000ジチオエステル)
実施例8と同様にして、ジチオピレタニドをDMF中のMeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ジチオ安息香酸塩を産出することができ、ここでnは19〜24の範囲である。同様に、DMF中のジチオピレタニド、MeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)、およびトリエチルアミンを用い、ピレタニドmPEG1000ジチオエステルを形成することができる。
【0282】
実施例89
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(フロセミドmPEG350エステル)
実施例8と同様にして、フロセミドをDMF中のMeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を産出することができ、ここでnは7〜8の範囲である。
【0283】
実施例90
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(S−フロセミドmPEG350チオエステル)
実施例8と同様にして、チオフロセミドをDMF中のMeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]チオ安息香酸塩を産出することができ、ここでnは7〜8の範囲である。
【0284】
実施例91
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(フロセミドmPEG1000エステル)
実施例8と同様にして、フロセミドをDMF中のMeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩を産出することができ、ここでnは19〜24の範囲である。
【0285】
実施例92
メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]安息香酸塩(フロセミドmPEG1000ジチオエステル)
実施例8と同様にして、ジチオフロセミドをDMF中のMeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)およびトリエチルアミンと反応させ、メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ジチオ安息香酸塩を産出することができ、ここでnは19〜24の範囲である。同様に、DMF中のジチオフロセミド、MeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)、およびトリエチルアミンを用い、フロセミドmPEG350ジチオエステルを形成することができる。
【0286】
実施例93
5−[1−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]−1H−テトラゾール−5−イル]−2−クロロ−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
(N−mPEG350−テトラゾリル置換アゾセミド)
実施例8と同様にして、アゾセミドをDMF中のMeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)およびトリエチルアミンと反応させ、5−[1−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]−1H−テトラゾール−5−イル]−2−クロロ−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを産出することができ、ここでnは7〜8の範囲である。
【0287】
実施例94
5−[1−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]−1H−テトラゾール−5−イル]−2−クロロ−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミド
(N−mPEG1000−テトラゾリル置換アゾセミド)
実施例8と同様にして、アゾセミドをDMF中のMeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)およびトリエチルアミンと反応させ、5−[1−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]−1H−テトラゾール−5−イル]−2−クロロ−4−[(2−チエニルメチル)アミノ]ベンゼンスルホンアミドを産出することができ、ここでnは19〜24の範囲である。
【0288】
実施例95
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エトクロライド
(N−mPEG350−ピリジニウムトルセミド塩)
実施例8と同様にして、トルセミドをDMF中のMeO−PEG350−Cl(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−106−350)およびトリエチルアミンと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エトクロライドを産出することができ、ここでnは7〜8の範囲である。
【0289】
実施例96
3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エトクロライド
(N−mPEG1000−ピリジニウムトルセミド塩)
実施例8と同様にして、トルセミドをDMF中のMeO−PEG1000−OT(Biolink Life Sciences,Inc.、ノースカロライナ州カリー、BLS−107−1000)およびトリエチルアミンと反応させ、3−イソプロピルカルバミルスルホンアミド−4−(3’−メチルフェニル)アミノピリジニウムメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エトクロライドを産出することができ、ここでnは19〜24の範囲である。
【0290】
実施例97
3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシベンズアルデヒド(ブメタニドアルデヒド)
MurakiおよびMukiayama(Chem.Letters、1974年、1447、およびChem.Letters、1975年、215)の方法により、ブメタニドをビス(4−メチルピペラジニル)アルミニウム水素化物と反応させ、3−アミノスルホニル−5−ブチルアミノ−4−フェノキシベンズアルデヒドを産出することができる。
【0291】
実施例98
3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ベンズアルデヒド
(ピレタニドアルデヒド)
MurakiおよびMukiayama(Chem.Letters、1974年、1447、およびChem.Letters、1975年、215)の方法により、ピレタニドをビス(4−メチルピペラジニル)アルミニウム水素化物と反応させ、3−アミノスルホニル−4−フェノキシ−5−(1−ピロリジニル)ベンズアルデヒドを産出することができる。
【0292】
実施例99
5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ベンズアルデヒド
(フロセミドアルデヒド)
MurakiおよびMukiayama(Chem.Letters、1974年、1447、およびChem.Letters、1975年、215)の方法により、フロセミドをビス(4−メチルピペラジニル)アルミニウム水素化物と反応させ、5−アミノスルホニル−4−クロロ−2−[(2−フラニルメチル)アミノ]ベンズアルデヒドを産出することができる。
【0293】
実施例100
不安神経症の軽減におけるブメタニド類似体の治療可能性の評価
(恐怖増強驚愕反応パラダイム)
目的:
ラットにおける不安神経症の2つの試験において、ブメタニド類似体の効果を評価すること。ブメタニド類似体(ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、ブメタニドジベンジルアミド、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニドピバキセチルエステル、ブメタニドメチルエステル、ブメタニドジエチルアミド、およびベンジルエステル)を、不安神経症の恐怖増強驚愕反応(Fear Potentiated Startle;FPS)パラダイム試験において評価した。フロセミド類似体、ピレタニド類似体、アゾセミド類似体、およびトルセミド類似体を使用して、これらの研究を繰り返してもよい。
【0294】
FPS設計:
FPSは、ラットにおける抗不安化合物の治療的価値の評価に一般的に使用されるものである。ラットをFPS装置に30分間馴化させた。24時間後、基礎驚愕振幅を収集した。基礎驚愕振幅に基づいて、ラットを2つの対応群に分ける。基礎驚愕振幅収集に続き、20の光/衝撃の対を2連続日にわたって2回のセッションで(すなわち、1日あたり10の光/衝撃の対)伝えた。最終日に、ラットの一方の群にブメタニド類似体の注射(静脈内)を受けさせ、他方の群には賦形剤の注射を受けさせた。注射直後、驚愕単独試験中および驚愕+恐怖(驚愕後の光)試験中に、驚愕振幅を評価した。治療群間の恐怖増強驚愕反応(光+驚愕振幅−驚愕単独振幅)を比較した。
【0295】
方法:
恐怖増強驚愕反応
4つのスタビリメーターデバイス(Med−Associates社)内で動物の訓練および試験を行った。つまり、各ラットを小型Plexiglas(プレクシグラス)シリンダに入れた。各スタビリメーターの床は、18mmの間隔があけられた4本の直径6mmのステンレス鋼棒からなり、これを介して衝撃を伝えることができる。シリンダの動きは加速度計の変位をもたらし、ここで結果として生じる電圧は、ケージ変位の速度に比例する。驚愕刺激が伝わった後0.25秒以内に発生する驚愕振幅を、最大加速度計電圧として定義する。加速度計のアナログ出力を増幅し、0〜4096ユニットのスケールでデジタル化し、マイクロコンピュータに格納する。各スタビリメーターを、換気された、光と音の減衰ボックスで囲む。音レベル計測はすべて、精密騒音計を用いて行った。各木箱の側壁に取り付けられた換気扇の騒音は、全体で64dBの暗騒音レベルを生み出す。驚愕刺激は、白色雑音生成器によって生成された50msバーストの白色雑音(5msの立ち上がり−立ち下がり時間)である。使用した視覚条件刺激は、白色雑音源に隣接した電球の照明であった。無条件刺激は、チャンバ外に位置付けられた4つの定電流衝撃器によって生成された、持続時間0.5秒、0.6mAの足の衝撃であった。すべての刺激の提示および連鎖は、マイクロコンピュータの制御下で行った。
【0296】
FPS手順は、5日間の試験からなり、1日目および2日目に基礎驚愕反応を収集し、3日目および4日目に光/衝撃の対を伝え、5日目に恐怖増強驚愕反応の試験を行った。
【0297】
マッチング。最初の2日間、すべてのラットをPlexiglasシリンダに入れ、3分後に、30秒の刺激間隔で30の刺激を提示した。105dBの強度を使用した。2日目における30の刺激の平均驚愕振幅を使用して、同様の平均を有する治療群にラットを割り当てた。
【0298】
訓練。次の2日間、ラットをPlexiglasシリンダに入れた。各日ともに、入れて3分後に10のCS(Conditioned Stimulus;条件刺激)−衝撃の対を伝えた。衝撃は3.7秒のうち最後0.5秒の間に、CSは平均4分の(3〜5分の範囲)の試行間間隔で伝えた。
【0299】
試験。ラットを同じ驚愕ボックスに入れ、そこで訓練し、3分後、18の驚愕顕在化刺激(すべて105dB)を提示した。これら初期の驚愕刺激を使用して、ラットを再度音驚愕刺激に馴化させた。最後の刺激を与えて30秒後、各動物に60の驚愕刺激を受けさせ、その刺激のうち半分は単独で提示(驚愕単独試験)し、残り半分は3.7秒のCSを開始して3.2秒後に提示した(CS−驚愕試験)。すべての驚愕刺激を、20乃至40秒で無作為に変動する、平均30秒の刺激間隔で提示した。
【0300】
計測。治療群を比較し、CS−驚愕試験と驚愕単独試験との間の驚愕振幅の差異(恐怖相乗作用)を求めた。
【0301】
概して、この研究は、本発明のブメタニド類似体の、血液脳関門を横断する能力を示すものであった。ブメタニド類似体は、CNS疾患の調節の可能性を示し、この場合、ブメタニド類似体が驚愕振幅に影響を及ぼすことが分かり、恐怖増強驚愕の低減が大きいほど、より多くの化合物がCNSに送達されると考えられる。さらに、いくつかのブメタニド類似体はより強力である、または少なくともブメタニドとして強力であることが分かった。以下の表1および図1を参照されたい。
【0302】
【化61】

実施例101
強い不安または心的外傷後ストレス障害の症状の軽減における、ブメタニド、フロセミド、ピレタニド、アゾセミド、およびトルセミド類似体の治療可能性の評価
(文脈的恐怖条件付けモデル)
目的:
ブメタニド、フロセミド、ピレタニド、アゾセミド、およびトルセミド類似体の、ラットにおける文脈的恐怖条件付けにおいて強い不安を軽減する可能性を評価すること。
【0303】
設計:
文脈的恐怖条件付けは、嫌悪事象、この場合は中程度の足の衝撃を、独特の環境と対にすることを含む。恐怖記憶の強さは、呼吸を除き、完全な不動化を特徴とする、ラットにおける種特有の防衛反応である、フリージング(freezing)を使用して評価される。ラットを独特の環境に入れ、直ちに衝撃を与えた場合、ラットは当該文脈を恐怖することを学習しない。しかしながら、直ちに衝撃を与える前に、ラットにその独特の環境を探索させた場合、同じ環境内に戻すとラットは強い不安および恐怖を示す。この事実を利用することが可能であり、手順にしたがって文脈的恐怖条件付けを2段階に分けることにより、文脈と衝撃との関連付けを学習すること、または、衝撃の回避(扁桃体を含む情動反応回路に基づく)を経験することから、文脈(特に、海馬に基づく過程)の記憶に関して、治療の効果を別個に研究することができる。ヒトにおけるPTSDは、扁桃体内の情動反応回路と関連していることが分かっており、このため、文脈的記憶条件付けは、PTSDを表す広く受け入れられているモデルである。
【0304】
実験では、24匹のラットを使用する。各ラットに、小型の新規環境の探索という単一の5分間の出来事を受けさせる。72時間後、ラットを同じ環境に入れ、単一の、中程度の足の衝撃を直ちに与える。24時間後、ラットのうち12匹にブメタニド類似体の注射(静脈内)を受けさせる。残り12匹のラットに、賦形剤の注射を受けさせる。各ラットを再度同じ環境に8分間入れ、その間に、パブロフの条件付け恐怖の指数としてフリージングを計測する。
【0305】
方法:
この実験では、4つの同一のチャンバ(20×20×15cm)を使用する。事象のタイミングおよび制御のすべての態様を、マイクロコンピュータ制御とする(MedPC、MedAssociates Inc、米国バーモント州)。フリージングの計測は、マイクロコンピュータに接続されたオーバーヘッドビデオカメラによって達成され、特殊なソフトウェア、FreezeFrameを使用して自動的に記録される。段階1において、ラットを個別に5分間チャンバ内へ入れる。72時間後に段階2を開始し、同じチャンバ内に再度個別にラットを入れるが、このときは直ちに足の衝撃を受けさせる(1mA2秒間)。30秒後、ラットをチャンバから除去する。24時間後の段階3で、ラットを8分間チャンバに戻し、この間に、条件付け恐怖の指数であるフリージングを記録する。薬剤投与量を群内要因として使用し、一元配置分散分析で総フリージング時間を分析する。
【0306】
実施例102
CNS標的薬物の製剤
A. 経口製剤
経口投与には、微結晶性セルロースおよびその他の賦形剤等、ゼラチンカプセルに収納された種々の不活性成分と共に、製剤原料の約10〜60mgの範囲で医薬成分が使用される。あるいは、製剤原料は、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、およびその他の賦形剤と共に、約10〜60mgの製剤原料を含む、錠剤の形態で提供される。
【0307】
B. 静脈製剤
静脈投与では、滅菌溶液1ミリリットルごとに、約20〜40%のプロピレングリコール、約0〜10%のエチルアルコール、任意で水、緩衝液、例えば緩衝液として約5%の安息香酸ナトリウムおよび安息香酸、ならびに保存料、例えば保存料として約1.5%のベンジルアルコールと共に製剤された、約1〜25mgの製剤原料を含み得る。
【0308】
前述は本発明を例示したものであり、本発明の限定として解釈されるべきものではない。本発明は、以下の特許請求の範囲によって定義され、当該特許請求の範囲の均等物もこれに含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0309】
【図1】図1は、ブメタニド類似体の不安神経症を軽減する能力の指標として、対照と比較したブメタニド類似体の驚愕反応の振幅における差異の結果を描写したグラフを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】

【化2】

からなる群より選択される化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物であって、式中、
は、存在しない、またはH、O、もしくはSであり、
は、存在しない、もしくはHであり、またはRがOもしくはSである場合、Rは、非置換または置換の、水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルアミノジアルキル、アルキルカルボニルアミノジアルキル、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルアルデヒド、アルキルケトアルキル、アルキルアミド、アルカリルアミド、アリールアミド、アルキルアンモニウム基、アルキルカルボン酸、アルキルヘテロアリール、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PolyEthylene Glycol;PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択され、また、Rが存在しない場合、Rは、非置換または置換の、水素、N,N−ジアルキルアミノ、N,N−ジアルカリルアミノ、N,N−ジアリールアミノ、N−アルキル−N−アルカリルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルカリル−N−アリールアミノからなる群より選択され、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、水素、アルキルアミノジアルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルカリル、カルボニルアリール、およびその塩からなる群よりそれぞれ独立して選択されるが、但し、
がOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式IのRはフェニルオキシでなく、
がOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式IIIのRはClでなく、
がOであり、RがClであり、RおよびRがHである場合には、化学式IIIのRはメチルでなく、
がOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式VのRはフェニルオキシではない、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物。
【請求項2】
前記化合物は、
(a)ブメタニドアルデヒド、ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドエチルエステル、ブメタニドイソアミルエステル、ブメタニドオクチルエステル、ブメタニドベンジルエステル、ブメタニドジベンジルアミド、ブメタニドジエチルアミド、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、ブメタニドピバキセチルエステル、ブメタニドプロパキセチルエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウム塩、
(b)ブメタニドS−メチルチオエステル、ブメタニドS−シアノメチルチオエステル、ブメタニドS−エチルチオエステル、ブメタニドS−イソアミルチオエステル、ブメタニドS−オクチルチオエステル、ブメタニドS−ベンジルチオエステル、ブメタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドS−(N,N)−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドS−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドS−メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルチオエステル、ブメタニドチオ酸(チオブメタニド)、ブメタニドS−ベンジルトリメチルアンモニウムS−チオ酸塩、およびブメタニドS−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定ブメタニドチオ酸、ブメタニドO−メチルチオエステル、ブメタニドO−シアノメチルチオエステル、ブメタニドO−エチルチオエステル、ブメタニドO−イソアミルチオエステル、ブメタニドO−オクチルチオエステル、ブメタニドO−ベンジルチオエステル、ブメタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドO−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ブメタニドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびブメタニドO−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)ブメタニドチオアルデヒド、ブメタニドジチオ酸、ブメタニドメチルジチオエステル、ブメタニドシアノメチルジチオエステル、ブメタニドエチルジチオエステル、ブメタニドイソアミルジチオエステル、ブメタニドオクチルジチオエステル、ブメタニドベンジルジチオエステル、ブメタニドジベンジルチオアミド、ブメタニドジエチルチオアミド、ブメタニドモルホリノエチルジチオエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドピバキセチルジチオエステル、ブメタニドプロパキセチルジチオエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物は、
(a)フロセミドメチルエステル、フロセミドシアノメチルエステル、フロセミドエチルエステル、フロセミドイソアミルエステル、フロセミドオクチルエステル、フロセミドベンジルエステル、フロセミドモルホリノエチルエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、フロセミドピバキセチルエステル、フロセミドプロパキセチルエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウム酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウム酸塩、
(b)フロセミドS−チオ酸、フロセミドS−メチルチオエステル、フロセミドS−シアノメチルチオエステル、フロセミドS−エチルチオエステル、フロセミドS−イソアミルチオエステル、フロセミドS−オクチルチオエステル、フロセミドS−ベンジルチオエステル、フロセミドS−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−ピバキセチルチオエステル、フロセミドS−プロパキセチルチオエステル、フロセミドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミドS−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミドS−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定フロセミドチオ酸、フロセミドO−メチルチオエステル、フロセミドO−シアノメチルチオエステル、フロセミドO−エチルチオエステル、フロセミドO−イソアミルチオエステル、フロセミドO−オクチルチオエステル、フロセミドO−ベンジルチオエステル、フロセミドO−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−ピバキセチルチオエステル、フロセミドO−プロパキセチルチオエステル、フロセミドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミドO−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)フロセミドチオアルデヒド、フロセミドジチオ酸、フロセミドメチルジチオエステル、フロセミドシアノメチルジチオエステル、フロセミドエチルジチオエステル、フロセミドイソアミルジチオエステル、フロセミドオクチルジチオエステル、フロセミドベンジルジチオエステル、フロセミドジベンジルチオアミド、フロセミドジエチルチオアミド、フロセミドモルホリノエチルジチオエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドピバキセチルジチオエステル、フロセミドプロパキセチルジチオエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物は、
(a)ピレタニドアルデヒド、ピレタニドメチルエステル、ピレタニドシアノメチルエステル、ピレタニドエチルエステル、ピレタニドイソアミルエステル、ピレタニドオクチルエステル、ピレタニドベンジルエステル、ピレタニドジベンジルアミド、ピレタニドジエチルアミド、ピレタニドモルホリノエチルエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ピレタニドジメチルグリコールアミドエステル、ピレタニドピバキセチルエステル、ピレタニドプロパキセチルエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウム塩、
(b)ピレタニドS−チオ酸、ピレタニドS−メチルチオエステル、ピレタニドS−シアノメチルチオエステル、ピレタニドS−エチルチオエステル、ピレタニドS−イソアミルチオエステル、ピレタニドS−オクチルチオエステル、ピレタニドS−ベンジルチオエステル、ピレタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドS−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニドS−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびピレタニドS−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定ピレタニドO−チオ酸、ピレタニドO−メチルチオエステル、ピレタニドO−シアノメチルチオエステル、ピレタニドO−エチルチオエステル、ピレタニドO−イソアミルチオエステル、ピレタニドO−オクチルチオエステル、ピレタニドO−ベンジルチオエステル、ピレタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドO−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびピレタニドO−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)ピレタニドチオアルデヒド、ピレタニドジチオ酸、ピレタニドメチルジチオエステル、ピレタニドシアノメチルジチオエステル、ピレタニドエチルジチオエステル、ピレタニドイソアミルジチオエステル、ピレタニドオクチルジチオエステル、ピレタニドベンジルジチオエステル、ピレタニドジベンジルチオアミド、ピレタニドジエチルチオアミド、ピレタニドモルホリノエチルジチオエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドピバキセチルジチオエステル、ピレタニドプロパキセチルジチオエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
化学式VII:
【化3】

の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物であって、式中、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、水素、アルキルアミノジアルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルカリル、カルボニルアリール、およびその塩からなる群よりそれぞれ独立して選択され、
は、非置換または置換の、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択されるが、但し、R、R、およびRがHである場合には、RはClでない、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物。
【請求項6】
前記化合物は、テトラゾリル置換アゾセミド、アゾセミドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびアゾセミドセチルトリメチルアンモニウム塩からなる群より選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
化学式VIII:
【化4】

の化合物またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物であって、式中、
は、非置換または置換の、水素、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルアルキル、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択され、
Xはハロゲン化物またはアニオン部分であるか、あるいはXは存在しない、
化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物。
【請求項8】
前記化合物は、ピリジン置換トルセミド第4アンモニウム塩である、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
S−ブメタニドチオ酸、O−ブメタニドチオ酸、ブメタニドジチオ酸、S−フロセミドチオ酸、O−フロセミドチオ酸、フロセミドジチオ酸、S−ピレタニドチオ酸、O−ピレタニドチオ酸、およびピレタニドジチオ酸からなる群より選択される、化合物。
【請求項10】
血液脳関門の通過が可能なプロドラッグであって、
【化5】

【化6】

からなる群より選択される化合物またはそのエステル、薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物を含み、式中、
は、存在しない、またはH、O、もしくはSであり、
は、存在しない、もしくはHであり、またはRがOもしくはSである場合、Rは、非置換または置換の、水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルアミノジアルキル、アルキルカルボニルアミノジアルキル、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルアルデヒド、アルキルケトアルキル、アルキルアミド、アルカリルアミド、アリールアミド、アルキルアンモニウム基、アルキルカルボン酸、アルキルヘテロアリール、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択され、また、Rが存在しない場合、Rは、非置換または置換の、水素、N,N−ジアルキルアミノ、N,N−ジアルカリルアミノ、N,N−ジアリールアミノ、N−アルキル−N−アルカリルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルカリル−N−アリールアミノからなる群より選択され、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、水素、アルキルアミノジアルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルカリル、カルボニルアリール、およびその塩からなる群よりそれぞれ独立して選択される、
プロドラッグ。
【請求項11】
前記化合物は、
(a)ブメタニド、ブメタニドアルデヒド、ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドエチルエステル、ブメタニドイソアミルエステル、ブメタニドオクチルエステル、ブメタニドベンジルエステル、ブメタニドジベンジルアミド、ブメタニドジエチルアミド、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、ブメタニドピバキセチルエステル、ブメタニドプロパキセチルエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウム塩、
(b)ブメタニドS−メチルチオエステル、ブメタニドS−シアノメチルチオエステル、ブメタニドS−エチルチオエステル、ブメタニドS−イソアミルチオエステル、ブメタニドS−オクチルチオエステル、ブメタニドS−ベンジルチオエステル、ブメタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドS−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドS−メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルチオエステル、ブメタニドS−チオ酸(チオブメタニド)、ブメタニドS−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびS−ブメタニドセチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定ブメタニドチオ酸、ブメタニドO−メチルチオエステル、ブメタニドO−シアノメチルチオエステル、ブメタニドO−エチルチオエステル、ブメタニドO−イソアミルチオエステル、ブメタニドO−オクチルチオエステル、ブメタニドO−ベンジルチオエステル、ブメタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドO−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ブメタニドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびO−ブメタニドセチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)ブメタニドチオアルデヒド、ブメタニドジチオ酸、ブメタニドメチルジチオエステル、ブメタニドシアノメチルジチオエステル、ブメタニドエチルジチオエステル、ブメタニドイソアミルジチオエステル、ブメタニドオクチルジチオエステル、ブメタニドベンジルジチオエステル、ブメタニドジベンジルチオアミド、ブメタニドジエチルチオアミド、ブメタニドモルホリノエチルジチオエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドピバキセチルジチオエステル、ブメタニドプロパキセチルジチオエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項10に記載のプロドラッグ。
【請求項12】
前記化合物は、
(a)フロセミド、フロセミドメチルエステル、フロセミドシアノメチルエステル、フロセミドエチルエステル、フロセミドイソアミルエステル、フロセミドオクチルエステル、フロセミドベンジルエステル、フロセミドモルホリノエチルエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、フロセミドピバキセチルエステル、フロセミドプロパキセチルエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウム酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウム酸塩、
(b)フロセミドS−チオ酸、フロセミドS−メチルチオエステル、フロセミドS−シアノメチルチオエステル、フロセミドS−エチルチオエステル、フロセミドS−イソアミルチオエステル、フロセミドS−オクチルチオエステル、フロセミドS−ベンジルチオエステル、フロセミドS−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−ピバキセチルチオエステル、フロセミドS−プロパキセチルチオエステル、フロセミドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミドS−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミドS−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定フロセミドチオ酸、フロセミドO−メチルチオエステル、フロセミドO−シアノメチルチオエステル、フロセミドO−エチルチオエステル、フロセミドO−イソアミルチオエステル、フロセミドO−オクチルチオエステル、フロセミドO−ベンジルチオエステル、フロセミドO−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−ピバキセチルチオエステル、フロセミドO−プロパキセチルチオエステル、フロセミドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびO−フロセミドセチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)フロセミドチオアルデヒド、フロセミドジチオ酸、フロセミドメチルジチオエステル、フロセミドシアノメチルジチオエステル、フロセミドエチルジチオエステル、フロセミドイソアミルジチオエステル、フロセミドオクチルジチオエステル、フロセミドベンジルジチオエステル、フロセミドジベンジルチオアミド、フロセミドジエチルチオアミド、フロセミドモルホリノエチルジチオエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドピバキセチルジチオエステル、フロセミドプロパキセチルジチオエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項10に記載のプロドラッグ。
【請求項13】
前記化合物は、
(a)ピレタニド、ピレタニドアルデヒド、ピレタニドメチルエステル、ピレタニドシアノメチルエステル、ピレタニドエチルエステル、ピレタニドイソアミルエステル、ピレタニドオクチルエステル、ピレタニドベンジルエステル、ピレタニドジベンジルアミド、ピレタニドジエチルアミド、ピレタニドモルホリノエチルエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、ピレタニドピバキセチルエステル、ピレタニドプロパキセチルエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウム塩、
(b)ピレタニドチオ酸、ピレタニドS−メチルチオエステル、ピレタニドS−シアノメチルチオエステル、ピレタニドS−エチルチオエステル、ピレタニドS−イソアミルチオエステル、ピレタニドS−オクチルチオエステル、ピレタニドS−ベンジルチオエステル、ピレタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドS−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニドS−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびピレタニドS−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定ピレタニドチオ酸、ピレタニドO−メチルチオエステル、ピレタニドO−シアノメチルチオエステル、ピレタニドO−エチルチオエステル、ピレタニドO−イソアミルチオエステル、ピレタニドO−オクチルチオエステル、ピレタニドO−ベンジルチオエステル、ピレタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドO−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびピレタニドO−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)ピレタニドチオアルデヒド、ピレタニドジチオ酸、ピレタニドメチルジチオエステル、ピレタニドシアノメチルジチオエステル、ピレタニドエチルジチオエステル、ピレタニドイソアミルジチオエステル、ピレタニドオクチルジチオエステル、ピレタニドベンジルジチオエステル、ピレタニドジベンジルチオアミド、ピレタニドジエチルチオアミド、ピレタニドモルホリノエチルジチオエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドピバキセチルジチオエステル、ピレタニドプロパキセチルジチオエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項10に記載のプロドラッグ。
【請求項14】
血液脳関門の通過が可能なプロドラッグであって、化学式VII:
【化7】

の化合物またはそのエステル、薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物を含み、式中、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、非置換または置換の、水素、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシアミノジアルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択され、
は、非置換または置換の、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルジアルキル、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシ、生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、およびメチルチオアルカリルからなる群より選択される、
プロドラッグ。
【請求項15】
前記化合物は、アゾセミド、テトラゾリル置換アゾセミド、アゾセミドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびアゾセミドセチルトリメチルアンモニウム塩からなる群より選択される、請求項14に記載のプロドラッグ。
【請求項16】
血液脳関門の通過が可能なプロドラッグであって、化学式VIII:
【化8】

の化合物、またはそのエステル、薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、両性イオン、もしくは水和物を含み、式中、
は、非置換または置換の、水素、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルジアルキル、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシ、生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、およびメチルチオアルカリルからなる群より選択され、
Xはハロゲン化物またはアニオン部分であるか、あるいはXは存在しない、
プロドラッグ。
【請求項17】
前記化合物は、トルセミドおよびピリジン置換トルセミド第4アンモニウム塩からなる群より選択される、請求項16に記載のプロドラッグ。
【請求項18】
前記化合物は、てんかん、神経因性疼痛、神経機能および/または片頭痛を調節するために有効な量で存在する、請求項10から17に記載のプロドラッグ。
【請求項19】
【化9】

【化10】

からなる群より選択される化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、水和物、またはそれらの組み合わせと、薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤とを含む、医薬組成物であって、式中、
は、存在しない、またはH、O、もしくはSであり、
は、存在しない、もしくはHであり、またはRがOもしくはSである場合、Rは、非置換または置換の、水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルアミノジアルキル、アルキルカルボニルアミノジアルキル、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルアルデヒド、アルキルケトアルキル、アルキルアミド、アルカリルアミド、アリールアミド、アルキルアンモニウム基、アルキルカルボン酸、アルキルヘテロアリール、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択され、また、Rが存在しない場合、Rは、非置換または置換の、水素、N,N−ジアルキルアミノ、N,N−ジアルカリルアミノ、N,N−ジアリールアミノ、N−アルキル−N−アルカリルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルカリル−N−アリールアミノからなる群より選択され、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、水素、アルキルアミノジアルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルカリル、カルボニルアリール、およびその塩からなる群よりそれぞれ独立して選択されるが、但し、
がOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式IのRはフェニルオキシでなく、
がOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式IIIのRはClでなく、
がOであり、RがClであり、RおよびRがHである場合には、化学式IIIのRはメチルでなく、
がOであり、R、R、およびRがHである場合には、化学式VのRはフェニルオキシではない、
医薬組成物。
【請求項20】
前記化合物は、
(a)ブメタニドアルデヒド、ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドエチルエステル、ブメタニドイソアミルエステル、ブメタニドオクチルエステル、ブメタニドベンジルエステル、ブメタニドジベンジルアミド、ブメタニドジエチルアミド、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、ブメタニドピバキセチルエステル、ブメタニドプロパキセチルエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウム塩、
(b)ブメタニドS−メチルチオエステル、ブメタニドS−シアノメチルチオエステル、ブメタニドS−エチルチオエステル、ブメタニドS−イソアミルチオエステル、ブメタニドS−オクチルチオエステル、ブメタニドS−ベンジルチオエステル、ブメタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドS−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドS−メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルチオエステル、ブメタニドS−チオ酸(チオブメタニド)、ブメタニドS−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびブメタニドS−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定ブメタニドチオ酸、ブメタニドO−メチルチオエステル、ブメタニドO−シアノメチルチオエステル、ブメタニドO−エチルチオエステル、ブメタニドO−イソアミルチオエステル、ブメタニドO−オクチルチオエステル、ブメタニドO−ベンジルチオエステル、ブメタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニド、O−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドO−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ブメタニドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびブメタニドO−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)ブメタニドチオアルデヒド、ブメタニドジチオ酸、ブメタニドメチルジチオエステル、ブメタニドシアノメチルジチオエステル、ブメタニドエチルジチオエステル、ブメタニドイソアミルジチオエステル、ブメタニドオクチルジチオエステル、ブメタニドベンジルジチオエステル、ブメタニドジベンジルチオアミド、ブメタニドジエチルチオアミド、ブメタニドモルホリノエチルジチオエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドピバキセチルジチオエステル、ブメタニドプロパキセチルジチオエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記化合物は、
(a)フロセミドメチルエステル、フロセミドシアノメチルエステル、フロセミドエチルエステル、フロセミドイソアミルエステル、フロセミドオクチルエステル、フロセミドベンジルエステル、フロセミドモルホリノエチルエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、フロセミドピバキセチルエステル、フロセミドプロパキセチルエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウム酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウム酸塩、
(b)フロセミドチオ酸、フロセミドS−メチルチオエステル、フロセミドS−シアノメチルチオエステル、フロセミドS−エチルチオエステル、フロセミドS−イソアミルチオエステル、フロセミドS−オクチルチオエステル、フロセミドS−ベンジルチオエステル、フロセミドS−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−ピバキセチルチオエステル、フロセミドS−プロパキセチルチオエステル、フロセミドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミドS−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミドS−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定フロセミドチオ酸、フロセミドO−メチルチオエステル、フロセミドO−シアノメチルチオエステル、フロセミドO−エチルチオエステル、フロセミドO−イソアミルチオエステル、フロセミドO−オクチルチオエステル、フロセミドO−ベンジルチオエステル、フロセミドO−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−ピバキセチルチオエステル、フロセミドO−プロパキセチルチオエステル、フロセミドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミドO−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)フロセミドチオアルデヒド、フロセミドジチオ酸、フロセミドメチルジチオエステル、フロセミドシアノメチルジチオエステル、フロセミドエチルジチオエステル、フロセミドイソアミルジチオエステル、フロセミドオクチルジチオエステル、フロセミドベンジルジチオエステル、フロセミドジベンジルチオアミド、フロセミドジエチルチオアミド、フロセミドモルホリノエチルジチオエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドピバキセチルジチオエステル、フロセミドプロパキセチルジチオエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項22】
前記化合物は、
(a)ピレタニドアルデヒド、ピレタニドメチルエステル、ピレタニドシアノメチルエステル、ピレタニドエチルエステル、ピレタニドイソアミルエステル、ピレタニドオクチルエステル、ピレタニドベンジルエステル、ピレタニドジベンジルアミド、ピレタニドジエチルアミド、ピレタニドモルホリノエチルエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドエステル、ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドエステル、ピレタニドピバキセチルエステル、ピレタニドプロパキセチルエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウム塩、
(b)ピレタニドチオ酸、ピレタニドS−メチルチオエステル、ピレタニドS−シアノメチルチオエステル、ピレタニドS−エチルチオエステル、ピレタニドS−イソアミルチオエステル、ピレタニドS−オクチルチオエステル、ピレタニドS−ベンジルチオエステル、ピレタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドS−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニドS−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびピレタニドS−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、
(c)準安定ピレタニドチオ酸、ピレタニドO−メチルチオエステル、ピレタニドO−シアノメチルチオエステル、ピレタニドO−エチルチオエステル、ピレタニドO−イソアミルチオエステル、ピレタニドO−オクチルチオエステル、ピレタニドO−ベンジルチオエステル、ピレタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドO−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニドO−ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびピレタニドO−セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ならびに、
(d)ピレタニドチオアルデヒド、ピレタニドジチオ酸、ピレタニドメチルジチオエステル、ピレタニドシアノメチルジチオエステル、ピレタニドエチルジチオエステル、ピレタニドイソアミルジチオエステル、ピレタニドオクチルジチオエステル、ピレタニドベンジルジチオエステル、ピレタニドジベンジルチオアミド、ピレタニドジエチルチオアミド、ピレタニドモルホリノエチルジチオエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ピレタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドピバキセチルジチオエステル、ピレタニドプロパキセチルジチオエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記化合物は、ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、およびブメタニドピバキセチルエステルからなる群より選択される、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項24】
化学式VII:
【化11】

の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、水和物、またはそれらの組み合わせと、薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤とを含む医薬組成物であって、式中、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、非置換または置換の、水素、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシアミノジアルキルからなる群よりそれぞれ独立して選択され、
は、非置換または置換の、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルジアルキル、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシ、生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、およびメチルチオアルカリルからなる群より選択される、
医薬組成物。
【請求項25】
前記化合物は、テトラゾリル置換アゾセミド、アゾセミドベンジルトリメチルアンモニウム塩、およびアゾセミドセチルトリメチルアンモニウム塩からなる群より選択される、請求項24に記載の医薬組成物。
【請求項26】
化学式VIII:
【化12】


の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、両性イオン、水和物、またはそれらの組み合わせと、薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤とを含む、医薬組成物であって、式中、
は、非置換または置換の、水素、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルアミノカルボニルジアルキル、アルキルアミノジアルキル、アルキルヒドロキシ、生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、およびメチルチオアルカリルからなる群より選択され、
Xはハロゲン化物またはアニオン部分であるか、あるいはXは存在しない、
医薬組成物。
【請求項27】
前記化合物は、ピリジン置換トルセミド第4アンモニウム塩である、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記化合物は、神経因性疼痛、発作、発作性疾患、てんかん、てんかん重積症、片頭痛、頭痛、頭蓋内圧亢進、中枢神経系浮腫、神経機能、神経毒性、頭部外傷、脳卒中、虚血、低酸素症、アルツハイマー病、肥満、パーキンソン病、神経防護作用、およびニューロンの同期化を調節するために有効な量で存在する、請求項19から27に記載の医薬組成物。
【請求項29】
化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物を合成する方法であって、(a)ブメタニドもしくはチオブメタニド(ブメタニドチオ酸)、(b)フロセミドもしくはチオフロセミド(フロセミドチオ酸)、(c)ピレタニドもしくはチオピレタニド(ピレタニドチオ酸)、(d)アゾセミド、または(e)トルセミドを、非置換または置換の、アルミニウム水素化物、ハロゲン化アルキル、アルコール、ハロゲン化アルカリル、モノおよびジアルキルアミン、モノおよびジアルカリルアミン、モノおよびジアリールアミン、ならびに水酸化第4級アンモニウム、生体適合性ポリマー、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される官能基および/または化合物と、化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの化合物を形成するのに十分な条件下で反応させるステップを含む、方法。
【請求項30】
利尿薬または利尿薬様化合物を改変して該利尿薬または利尿薬様化合物の親油性を増大させる方法であって、該利尿薬または利尿薬様化合物を、非置換または置換の、ハロゲン化アルキル、アルコール、アルデヒド、ハロゲン化アルカリル、アルキルアミン、アリールアミン、水酸化第4級アンモニウム、および第4アンモニウム塩、生体適合性ポリマー、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される官能基および/または化合物と、非改変の利尿薬または利尿薬様化合物と比較して増大した親油特性を利尿薬または利尿薬様化合物に提供するのに十分な条件下で反応させるステップを含む、方法。
【請求項31】
前記利尿薬または利尿薬様化合物は、ブメタニド、チオブメタニド(ブメタニドチオ酸)、フロセミド、チオフロセミド(フロセミドチオ酸)、ピレタニド、チオピレタニド(ピレタニドチオ酸)、アゾセミド、トルセミド、インダクリノン、およびオキサゾリノンからなる群より選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
利尿薬または利尿薬様化合物による血液脳関門の通過を容易にする方法であって、該利尿薬または利尿薬様化合物を、非置換または置換の、ハロゲン化アルキル、アルコール、アルデヒド、ハロゲン化アルカリル、モノおよびジアルキルアミン、モノおよびジアルカリルアミン、モノおよびジアリールアミン、水酸化第4級アンモニウム、ならびに第4アンモニウム塩、生体適合性ポリマー、またはそれらの組み合わせからなる群より選択される官能基および/または化合物と、該血液脳関門を通過することができる利尿薬または利尿薬様化合物を提供するのに十分な条件下で反応させるステップを含む、方法。
【請求項33】
前記利尿薬または利尿薬様化合物は、ブメタニド、フロセミド、ピレタニド、アゾセミド、トルセミド、インダクリノン、およびオキサゾリノンからなる群より選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
有効量の、化学式I、II、III、IV、V、VI、VII、および/またはVIIIの1つ以上の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、互変異性体、またはそれらの組み合わせを含有する薬学的投薬単位を含む1つ以上の容器を備えるキットであって、該容器は、その使用法を表す任意の説明書と共に梱包される、キット。
【請求項35】
中枢神経系(Central Nervous System;CNS)疾患を調節する方法であって、該方法は、
【化13】

【化14】

からなる群より選択される化合物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、互変異性体、もしくは水和物の有効量を投与するステップを含み、式中、
は、存在しない、またはH、O、もしくはSであり、
は、存在しない、もしくはHであり、またはRがOもしくはSである場合、Rは、非置換または置換の、水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルキルアミノジアルキル、アルキルカルボニルアミノジアルキル、アルキルオキシカルボニルアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アルキルアルデヒド、アルキルケトアルキル、アルキルアミド、アルカリルアミド、アリールアミド、アルキルアンモニウム基、アルキルカルボン酸、アルキルヘテロアリール、アルキルヒドロキシ、アルキルオキシ(ポリアルキルオキシ)アルキルヒドロキシル、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレングリコールエステル(PEGエステル)、およびポリエチレングリコールエーテル(PEGエーテル)等の生体適合性ポリマー、メチルオキシアルキル、メチルオキシアルカリル、メチルチオアルキル、ならびにメチルチオアルカリルからなる群より選択され、また、Rが存在しない場合、Rは、非置換または置換の、水素、N,N−ジアルキルアミノ、N,N−ジアルカリルアミノ、N,N−ジアリールアミノ、N−アルキル−N−アルカリルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、N−アルカリル−N−アリールアミノからなる群より選択され、
は、非置換または置換の、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、およびアリールオキシからなる群より選択され、
およびRは、水素、アルキルアミノジアルキル、カルボニルアルキル、カルボニルアルカリル、カルボニルアリール、およびその塩からなる群よりそれぞれ独立して選択される、
方法。
【請求項36】
前記化合物は、
(a)ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドピバキセチルエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウム酸塩、ブメタニドセチルトリメチルアンモニウム酸塩、ブメタニド[−(C=O)−SH]チオ酸、ブメタニドS−メチルチオエステル、ブメタニドS−シアノメチルチオエステル、ブメタニドS−エチルチオエステル、ブメタニドS−イソアミルチオエステル、ブメタニドS−オクチルチオエステル、ブメタニドS−ベンジルチオエステル、ブメタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドS−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドS−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ブメタニド[−(C=O)−S]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびブメタニド[−(C=O)−S]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ブメタニド[−(C=S)−OH]チオ酸、ブメタニドO−メチルチオエステル、ブメタニドO−シアノメチルチオエステル、ブメタニドO−エチルチオエステル、ブメタニドO−イソアミルチオエステル、ブメタニドO−オクチルチオエステル、ブメタニドO−ベンジルチオエステル、ブメタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ブメタニドO−ピバキセチルチオエステル、ブメタニドO−プロパキセチルチオエステル、ブメタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ブメタニド[−(C=S)−O]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびブメタニド[−(C=S)−O]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ブメタニドチオアルデヒド、ブメタニド[−(C=S)−SH]ジチオ酸、ブメタニドメチルジチオエステル、ブメタニドシアノメチルジチオエステル、ブメタニドエチルジチオエステル、ブメタニドイソアミルジチオエステル、ブメタニドオクチルジチオエステル、ブメタニドベンジルジチオエステル、ブメタニドジベンジルチオアミド、ブメタニドジエチルチオアミド、ブメタニドモルホリノエチルジチオエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ブメタニドピバキセチルジチオエステル、ブメタニドプロパキセチルジチオエステル、ブメタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ブメタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびブメタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
(b)フロセミドメチルエステル、フロセミドシアノメチルエステル、ブメタニドモルホリノエチルエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドピバキセチルエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウム酸塩、フロセミドセチルトリメチルアンモニウム酸塩、フロセミド[−(C=O)−SH]チオ酸、フロセミドS−メチルチオエステル、フロセミドS−シアノメチルチオエステル、フロセミドS−エチルチオエステル、フロセミドS−イソアミルチオエステル、フロセミドS−オクチルチオエステル、フロセミドS−ベンジルチオエステル、フロセミドS−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドS−ピバキセチルチオエステル、フロセミドS−プロパキセチルチオエステル、フロセミドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミド[−(C=O)−S]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミド[−(C=O)−S]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、フロセミド[−(C=S)−OH]チオ酸、フロセミドO−メチルチオエステル、フロセミドO−シアノメチルチオエステル、フロセミドO−エチルチオエステル、フロセミドO−イソアミルチオエステル、フロセミドO−オクチルチオエステル、フロセミドO−ベンジルチオエステル、フロセミドO−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、フロセミドO−ピバキセチルチオエステル、フロセミドO−プロパキセチルチオエステル、フロセミドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、フロセミド[−(C=S)−O]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、およびフロセミド[−(C=S)−O]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、フロセミドチオアルデヒド、フロセミド[−(C=S)−SH]ジチオ酸、フロセミドメチルジチオエステル、ブメタニドシアノメチルジチオエステル、ブメタニドエチルジチオエステル、フロセミドイソアミルジチオエステル、フロセミドオクチルジチオエステル、フロセミドベンジルジチオエステル、フロセミドジベンジルチオアミド、フロセミドジエチルチオアミド、フロセミドモルホリノエチルジチオエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、フロセミドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、フロセミドピバキセチルジチオエステル、フロセミドプロパキセチルジチオエステル、フロセミドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、フロセミドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびフロセミドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、ならびに、
(c)ピレタニドメチルエステル、ピレタニドシアノメチルエステル、ピレタニドモルホリノエチルエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ピレタニドピバキセチルエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウム酸塩、ピレタニドセチルトリメチルアンモニウム酸塩、ピレタニド[−(C=O)−SH]チオ酸、ピレタニドS−メチルチオエステル、ピレタニドS−シアノメチルチオエステル、ピレタニドS−エチルチオエステル、ピレタニドS−イソアミルチオエステル、ピレタニドS−オクチルチオエステル、ピレタニドS−ベンジルチオエステル、ピレタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドS−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドS−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドS−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニド[−(C=O)−S]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ピレタニド[−(C=O)−S]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ピレタニド[−(C=S)−OH]チオ酸、ピレタニドO−メチルチオエステル、ピレタニドO−シアノメチルチオエステル、ピレタニドO−エチルチオエステル、ピレタニドO−イソアミルチオエステル、ピレタニドO−オクチルチオエステル、ピレタニドO−ベンジルチオエステル、ピレタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジエチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−(N,N−ジメチルグリコールアミド)チオエステル、ピレタニドO−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドO−プロパキセチルチオエステル、ピレタニドO−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチル]チオエステル、ピレタニド[−(C=S)−O]ベンジルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ピレタニド[−(C=S)−O]セチルトリメチルアンモニウムチオ酸塩、ピレタニドチオアルデヒド、ブメタニド[−(C=S)−SH]ジチオ酸、ピレタニドメチルジチオエステル、ピレタニドシアノメチルジチオエステル、ピレタニドエチルジチオエステル、ピレタニドイソアミルジチオエステル、ピレタニドオクチルジチオエステル、ピレタニドベンジルジチオエステル、ピレタニドジベンジルチオアミド、ピレタニドジエチルチオアミド、ブメタニドモルホリノエチルジチオエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ブメタニドN,N−ジエチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドN,N−ジメチルグリコールアミドジチオエステル、ピレタニドピバキセチルジチオエステル、ピレタニドプロパキセチルジチオエステル、ピレタニドメトキシ(ポリエチレンオキシ)n−1−エチルジチオエステル、ピレタニドベンジルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、およびピレタニドセチルトリメチルアンモニウムジチオ酸塩、
からなる群より選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
有効量の、化学式VIIまたはVIII:
【化15】

の化合物を投与するステップを含む、中枢神経系(CNS)疾患を調節する方法。
【請求項38】
有効量の、請求項10から17に記載のプロドラッグを投与するステップを含む、中枢神経系(CNS)疾患を調節する方法。
【請求項39】
前記CNS疾患は、神経因性疼痛、発作、発作性疾患、てんかん、てんかん重積症、片頭痛、頭痛、頭蓋内圧亢進、中枢神経系浮腫、神経機能、神経毒性、頭部外傷、脳卒中、虚血、低酸素症、アルツハイマー病、肥満、パーキンソン病、神経防護作用、およびニューロンの同期化からなる群より選択される、請求項35から38に記載の方法。
【請求項40】
有効量の改変利尿薬または利尿薬様化合物を投与するステップを含む、てんかんを調節する方法であって、該改変利尿薬または利尿薬様化合物は、血液脳関門を横断する、方法。
【請求項41】
てんかんを調節する方法であって、
(a)ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドピバキセチルエステル、フロセミドメチルエステル、フロセミドシアノメチルエステル、フロセミドモルホリノエチルエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、フロセミドピバキセチルエステル、ピレタニドメチルエステル、ピレタニドシアノメチルエステル、ピレタニドモルホリノエチルエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、およびピレタニドピバキセチルエステル、
(b)ブメタニドS−メチルチオエステル、ブメタニドS−シアノメチルチオエステル、ブメタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドS−ピバキセチルチオエステル、フロセミドS−メチルチオエステル、フロセミドS−シアノメチルチオエステル、フロセミドS−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドS−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドS−メチルチオエステル、ピレタニドS−シアノメチルチオエステル、ピレタニドS−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドS−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、およびピレタニドS−ピバキセチルチオエステル、
(c)ブメタニドO−メチルチオエステル、ブメタニドO−シアノメチルチオエステル、ブメタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ブメタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、ブメタニドO−ピバキセチルチオエステル、フロセミドO−メチルチオエステル、フロセミドO−シアノメチルチオエステル、フロセミドO−(モルホリノエチル)チオエステル、フロセミドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、フロセミドO−ピバキセチルチオエステル、ピレタニドO−メチルチオエステル、ピレタニドO−シアノメチルチオエステル、ピレタニドO−(モルホリノエチル)チオエステル、ピレタニドO−[3−(ジメチルアミノプロピル)]チオエステル、およびピレタニドO−ピバキセチルチオエステル、ならびに、
(d)ブメタニドメチルジチオエステル、ブメタニドシアノメチルジチオエステル、ブメタニドモルホリノエチルジチオエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、ブメタニドピバキセチルジチオエステル、フロセミドメチルジチオエステル、フロセミドシアノメチルジチオエステル、フロセミドモルホリノエチルジチオエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、フロセミドピバキセチルジチオエステル、ピレタニドメチルジチオエステル、ピレタニドシアノメチルジチオエステル、ピレタニドモルホリノエチルジチオエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)ジチオエステル、およびピレタニドピバキセチルジチオエステル、
からなる群より選択される、有効量の化合物を投与するステップを含む、方法。
【請求項42】
S−ブメタニドチオ酸、O−ブメタニドチオ酸、ブメタニドジチオ酸、S−フロセミドチオ酸、O−フロセミドチオ酸、フロセミドジチオ酸、S−ピレタニドチオ酸、O−ピレタニドチオ酸、およびピレタニドジチオ酸からなる群より選択される、有効量の化合物を投与するステップを含む、てんかんを調節する方法。
【請求項43】
CNS疾患を調節する薬物の製造のための、請求項1から9に記載の化合物の使用。
【請求項44】
CNS疾患を調節する薬物の製造のための、請求項10から17に記載のプロドラッグの使用。
【請求項45】
てんかんを調節する薬物の製造のための、ブメタニドメチルエステル、ブメタニドシアノメチルエステル、ブメタニドモルホリノエチルエステル、ブメタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、ブメタニドピバキセチルエステル、フロセミドメチルエステル、フロセミドシアノメチルエステル、フロセミドモルホリノエチルエステル、フロセミド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、フロセミドピバキセチルエステル、ピレタニドメチルエステル、ピレタニドシアノメチルエステル、ピレタニドモルホリノエチルエステル、ピレタニド3−(ジメチルアミノプロピル)エステル、およびピレタニドピバキセチルエステルからなる群より選択される化合物の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2009−511629(P2009−511629A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536698(P2008−536698)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/040108
【国際公開番号】WO2007/047447
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508116285)ニューロセラピューティクス ファーマ, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】