説明

乗用田植機のエンジン制御構造

【課題】 乗用田植機の燃費の向上と騒音低減を図る。
【解決手段】 走行用の変速操作具が走行停止状態をもたらす特定位置に操作されていることの条件と、作業対象に設定された条件、例えば、苗残量が少なくなった状態にあるとか、あるいは、苗植付け装置が上限位置まで上昇している状態にある、等の条件が満たされるとエンジンを停止させるエンジン自動停止手段を備えてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体に苗植付け装置を昇降自在に連結した乗用田植機のエンジン制御構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、乗用田植機に搭載されたエンジンは、セルモータやリコイルスタータで起動され、キースイッチのオフ位置への操作によって停止され、また、エンジンの調速機構は任意の操作位置で保持できるハンドアクセルレバーによって任意に調節設定するようになっている。また、変速操作とエンジンの調速機構を連係することで、中立位置への変速操作に走行を停止すると、これに連動して調速機構をアイドリング回転速度にまで減速制御して、走行停止中における燃費の向上と騒音低減を図るよう構成したものも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−239771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エンジンの調速機構を変速操作に連動させて自動操作する制御(オートアイドリング制御と呼称されている)は、走行停止中にハンドアクセルレバーをアイドリング位置に戻すような煩わしさがなく、操作性に優れたものであるが、エンジン停止操作を行うことなく長時間に亘って走行停止を行った場合には、その間は燃料が無駄に消費されることになるものであった。
【0004】
特に、田植機においては、植付け走行の途中で苗植付け装置の苗が消費されると、走行機体の予備苗のせ台に収容しておいた予備苗を苗植付け装置に補給する苗つぎ作業が行われ、また、予備苗のせ台に収容した予備苗が無くなると、機体を畦際まで移動させ、畦に準備した予備苗を予備苗のせ台に搬入することになる。これら苗つぎ作業や予備苗の搬入作業は走行を停止して行われることになるが、その頻度は相当高いので、上記オートアイドリング制御を行ったとしても、田植え作業全体においてこれら走行停止中に消費される燃料は無視できない量となる。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、更なる燃費の向上と騒音低減を図ることを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、走行機体に苗植付け装置を昇降自在に連結した乗用田植機において、
走行停止条件と作業対象に設定された条件との複数条件が満たされるとエンジンを停止させるエンジン自動停止手段を備えてあることを特徴とする。
【0007】
上記構成によると、走行を停止し、かつ、作業対象に設定された条件が全て満たされると、植付け走行を休止して他の付随作業を行っているものと判断されて、エンジンが自動停止され、この間の燃料の浪費および騒音の発生が抑えられる。
【0008】
従って、第1の発明によると、植付け走行の途中での休止中などにおける燃料の無駄な消費と騒音低減を図ることでき、ランニングコストの節減および環境の悪化防止に有効となる。特に、植付け走行中に苗つぎ作業や予備苗の搬入作業などの付随作業のために頻繁に休止する田植機には有効となる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの走行停止条件が、走行用の変速操作具が走行停止状態をもたらす特定位置に操作されていることとしてある。
【0010】
上記構成によると、変速操作具の特定位置への操作をリミットスイッチなどで検知することができるので、例えば、車軸の回転を回転パルスセンサで検知して走行停止を判断する手段に比べて安価に実施することができる。また、変速操作具は走行機体の上部に配備されるので、リミットスイッチなどの操作位置検知手段を泥水が降りかからない場所に設置しやすく、操作位置検知手段の保全性にも優れたものとなる。
【0011】
第3の発明は、上記第2の発明において、
前記変速操作具が前記特定位置に設定時間以上に連続して位置保持されていることを前記条件の一つにしてある。
【0012】
上記構成によると、変速操作具を変速操作中に短時間だけ特定位置に移動してもエンジン停止が行われることはなく、不用意にエンジンを止めてしまうおそれがなくなる。
【0013】
第4の発明は、上記第2または3の発明において、
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの他の一つが、前記苗植付け装置に備えられた苗残量センサが苗残量の少なくなったことを検知した状態にあることとしてある。
【0014】
上記構成によると、苗残量センサが苗消費を検知すると、運転者は予備苗を苗植付け装置へ継ぎ足す作業(苗つぎ作業)を行うために、変速操作具を特定位置に操作してて走行を停止することになり、2つの条件が満たされることになってエンジンが自動停止され、この苗つぎ作業の間の燃料の浪費および騒音の発生が抑制される。
【0015】
第5の発明は、上記第4の発明において、
前記苗植付け装置に備えられた複数条の植付け機構の一部への伝動を断続する畦際クラッチがクラッチ切り状態では苗残量センサが苗残量の少なくなったことの検知が無効とみなされるよう設定してあるものである。
【0016】
上記構成によると、走行停止操作状態にあり、かつ、苗残量センサが苗残量の少なくなったことが検知していても、畦際クラッチがクラッチ切り状態にあることが検知されているときには、上記2つの条件が共に満たされているとの判断がなされず、エンジン自動停止制御が実行されることがない。つまり、畦際クラッチを切って少数条植えを行う際に、休止させる条の苗を苗植付け装置から取り除くことがあり、このような場合には、苗残量センサの検出結果が苗つぎの必要な状況を正確にとらえていないので、エンジン自動訂停止制御が不用に行われないことが好ましいものとなる。
【0017】
第6の発明は、上記第2または3の発明において、
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの他の一つが、運転座席への着座状態が検知されていないこととしてある。
【0018】
上記構成によると、苗つぎ作業あるいは畦からの苗補充作業を行うために走行停止操作を行い、かつ、運転者が運転座席から立ち上がると、自動的にエンジが停止されることになり、これら付随作業の燃料の浪費および騒音の発生が抑制される。
【0019】
第7の発明は、上記第6の発明において、
前記運転座席への着座状態が設定時間以上に連続して検知されていないことを前記条件の一つにしてあるものである。
【0020】
上記構成によると、走行停止操作を行っていても運転者が一瞬腰を浮かした程度ではエンジンは停止されることはなく、不用意にエンジンが停止されて作業能率が低下することが回避される。
【0021】
第8の発明は、上記第2または3の発明において、
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの他の一つが、前記苗植付け装置への動力伝達を断続する植付けクラッチがクラッチ切り状態にあることとしてある。
【0022】
上記構成によると、苗つぎ作業あるいは苗補充作業を行うために走行停止操作を行い、かつ、苗植付け装置の作動停止操作を行うことで自動的にエンジが停止されることになり、これら付随作業の燃料の浪費および騒音の発生が抑制される。
【0023】
第9の発明は、上記第2または3の発明において、
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの他の一つが、苗植付け装置が上限位置にまで上昇されていることとしてある。
【0024】
上記構成によると、畦からの苗補充のために走行機体を畦際にまで移動させて走行停止操作を行うととおに、苗植付け装置を上限高さまで上昇させると、エンジン12が自動停止されることになり、この苗補充作業の間の燃料の浪費および騒音の発生が抑制される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1に乗用型田植機の側面図が、また、図2にその平面図がそれぞれが示されている。この乗用型田植機は、操向自在な左右一対の前輪1と操向不能な左右一対の後輪2とを備えた乗用型の走行機体3の後部に、苗植付け装置4が油圧シリンダ5によって駆動される平行四連式のリンク機構6を介して昇降自在に連結されるとともに、機体後部に施肥装置7が装備された構造となっている。
【0026】
前記走行機体3における機体フレーム8の前部には、前輪1を軸支したミッションケース9が連結固定されるとともに、機体フレーム8の後部には、後輪2を軸支した後部伝動ケース10がローリング自在に支持されている。また、ミッションケース9から前方に延出された前フレーム11にエンジン12が横向きに搭載されてボンネット13で覆われているとともに、エンジン12の後方に位置する搭乗運転部には、前輪1を操向操作するためのステアリングハンドル14、運転座席15、ステップ16などが備えられ、また、機体前部の左右には、予備苗を複数段に載置収容する予備苗のせ台17が設けられている。
【0027】
前記苗植付け装置4は、6条分の苗を載置して設定ストロークで往復横移動される苗のせ台21、苗のせ台21の下端から1株分づつ苗を切り出して圃場に植付けてゆく6組の回転式の植付け機構22、植付け箇所を整地する3個の整地フロート23、等を備えて構成されている。苗のせ台21の各条ごとの苗載置部には、横移動のストロークエンドごとに載置した苗を下方取り出し部位に向けて送る苗送りベルト31が備えられるとともに、載置した苗の残量が少なくなったことを検知する苗残量センサ32が各条ごとに備えられている。なお、図 の制御ブロック図に示すように、苗残量センサ32は制御装置20を介して運転部の警報装置(ランプあるいはブザー)33に接続されており、苗残量センサ32のいずれかが苗消費を検知すると警報装置33が作動して、運転者に苗補給の必要を知らせるようになっている。
【0028】
また、前記植付け機構22は並列配備された3つの植付けケース34に左右一対づつ装備されるとともに、各植付けケース33には2条単位で植付け機構22への動力伝達を断続する畦際クラッチ35が装備されており、これら畦際クラッチ35の入り切りを選択操作することで、少数条植え(4条植え、2条植え)を行うことが可能となっている。なお、各畦際クラッチ35の操作状態が畦際スイッチ36で検知されて、運転部にランプ表示されるようになっている。
【0029】
また、前記施肥装置7は、運転座席15と苗植付け装置4との間において走行機体3上に搭載されており、粉粒状の肥料を貯留する肥料ホッパー24、この肥料ホッパー24内の肥料を設定量づつ繰り出す繰出し機構25、繰り出された肥料を供給ホース26を介して各整地フロート23に備えた作溝器27に風力搬送する電動ブロア28、などを備えており、作溝器27によって田面Tに形成した溝に肥料を送り込んで埋設してゆくよう構成されている。
【0030】
図6の伝動系統図に示すように、前記ミッションケース9の側面には静油圧式無段変速装置(HST)からなる主変速装置41が連結されてエンジン12にベルト連動され、この主変速装置41からの変速出力がミッションケース9に入力されて走行用伝動系と作業用伝動系とに分岐される。そして、分岐された走行動力は副変速機構42で複数段にギヤ変速されて前輪1に伝達されるとともに、後部伝動ケース10の後輪2に伝達される。また、分岐された作業用動力は株間変速機構43によって複数段にギヤ変速された後、植付けクラッチ44を介して機体後部のPTO軸45から取り出されて苗植付け装置4に軸伝達されるようになっている。
【0031】
前記主変速装置41は、ステアリングハンドル14の左脇に配備された主変速レバー(変速操作具)46で変速操作されるとともに、副変速機構42は運転座席15の左脇に配備された副変速レバー47で操作されるようになっており、次に、前記主変速装置41の変速操作構造について説明する。
【0032】
図3,4に示すように、ステアリングハンドル14を支持するよう立設されたハンドルポスト50には支持ブラケット51が固着され、この支持ブラケット51の左側端部には、支軸52を介してデテント板53が横向き支点a周りに前後揺動可能に支持され、このデテント板53に前記主変速レバー46が前後向き支点b周りに左右揺動可能に支持されている。ハンドルポスト50を立設支持する支持枠47に、横向き支点c周りに回動可能に中継回動部材55が支持されており、この中継回動部材55とデテント板53とが連係ロッド56を介して連係され、さらに、この中継回動部材55と、主変速装置41の変速操作軸57に連結された変速アーム58とが操作ロッド59を介して連係されている。
【0033】
前記支持ブラケット51にはガイド板60が固着されるとともに、このガイド板60に形成された段違い状の案内溝61に主変速レバー46の基部から下向きに延出された案内ロッド46aが貫通されており、案内溝61と案内ロッド46aとの係合案内作用によって主変速レバー46を所定の段違い操作径路に沿って前後に揺動操作することで、デテント板53を正逆に回動させて主変速装置41を前進域から後進域までの範囲で変速操作することが可能となっている。
【0034】
図5に示すように、段違い操作径路の段違い部位が主変速装置41の中立位置Nに相当し、その前方に前進変速操作径路Fが、また、後方に後進変操作径路Rがそれぞれ形成されるとともに、デテント板46の外周に並列形成した9つの凹部62に、片持ちバネレバー63の遊端に支持したデテントローラ64を弾性係入させることで、主変速レバー46を前進5段(F1 〜F5 )、中立位置N、および、後進3段(R1 〜R3 )の各変速位置に保持することができるようになっている。
【0035】
また、主変速レバー46の横操作中心となる支点bにはねじりバネ65が装備されており、主変速レバー42が常に支点b周りに揺動付勢されている。従って、主変速レバー46を中立Nに操作すると、前進変速操作径路Fに臨む前進側中立Nf側に向けて付勢移動される。
【0036】
前記主変速レバー46は主変速装置41を操作するのみならず、エンジン12の起動・停止およびエンジン回転速度の調整に関わっており、以下そのための構成について説明する。
【0037】
主変速レバー46を前後揺動可能に支持する支持ブラケット51には、前記支軸52の回動位置から主変速レバー46の前後操作位置を連続的に検知するポテンショメータ70が取り付けられており、このポテンショメータ70からの検出情報に基づいてエンジン12の調速制御が行われる。
【0038】
つまり、図7の制御ブロック図に示すように、エンジン12に備えられた調速機構71は、ソレノイドやサーボモータなどのサーボ制御される電動アクチュエータ72でアクセルセット操作されるようになっており、この電動アクチュエータ72が主変速レバー46の操作位置に対応して調速機構71を操作制御するように構成されている。そして、主変速レバー46が中立位置Nにあると調速機構71が所定のアイドリング回転速度にセットされるとともに、主変速レバー46が前進変速操作径路Fおよび後進変操作径路Rにおいて高速側に操作されるほどエンジン回転速度が高くなるように、予め入力設定された特性でアクセルセットされるようになっている。
【0039】
また、前記案内溝61における前進側中立Nfの横外側にはエンジン停止用の特定位置としてエンジン停止位置ESが設定されるとともに、主変速レバー46の案内ロッド46aがこのエンジン停止位置ESに操作されたことを検知するスイッチ73がガイド板60に装備されている。
【0040】
前記スイッチ73は制御装置20を介してエンジン停止回路74に接続されており、図8のフロー図で示されるように、案内ロッド46aがエンジン停止位置ESに操作されてスイッチ73が設定時間(例えば数秒)以上に亘ってON操作されるという条件と、苗残量センサ32のいずれかが苗消費を検知しているという条件、とが共に満たされたことが制御装置20で判断されると、エンジン停止回路74が起動されてエンジン12が停止されるようにプログラムされている。
【0041】
従って、苗残量センサ32のいずれかが苗消費を検知して警報装置33が作動すると、予備苗のせ台17に収容した予備苗を取り出して苗のせ台21における苗の少なくなった条へ継ぎ足す作業(苗つぎ作業)を行うために運転者が主変速レバー46を中立位置Nに戻して走行を停止すると、上記2つの条件が満たされることになってエンジン12が自動停止され、この苗つぎ作業の間の燃料の浪費および騒音の発生が抑制されるのである。
【0042】
なお、図8のフロー図中に示されるように、主変速レバー46がエンジン停止位置ESにあり、苗残量センサ32が苗消費を検知していても、いずれかの畦際クラッチ35がクラッチ切り状態にあることが畦際スイッチ36で検知されているときには、苗残量センサ32からの情報は無効としてエンジン自動停止制御を実行しないようにプログラムされている。つまり、畦際クラッチ35を切って少数条植えを行う際に、休止させる条の苗を苗のせ台21から取り除くことがあり、このような場合には、苗残量センサ32の検出結果が苗つぎの必要な状況を正確にとらえていないので、エンジン自動訂停止制御が不要に行われないようにしておくことが望ましいのである。
【0043】
また、前記制御装置20には苗植付け装置4が上限位置まで上昇されたことを検知する上限スイッチ75が接続されており、案内ロッド46aがエンジン停止位置ESに設定時間(例えば数秒)連続して操作されるという条件と、苗植付け装置4が上限位置まで上昇されたことを検知しているという条件、とが満たされたことが制御装置20で判断された場合にも、エンジン停止回路74が起動されてエンジン12が停止されるようにプログラムされている。
【0044】
従って、予備苗のせ台21への苗補充のために走行機体3を畦際にまで移動させ、主変速レバー46を中立位置Nに戻して走行を停止するとともに、苗植付け装置4を上限高さまで上昇させ、畦に居る作業者から予備苗を受け取って予備苗のせ台21に移載する苗補充作業を行う場合も、上記2つの条件が満たされることになってエンジン12が自動停止され、この苗補充作業の間の燃料の浪費および騒音の発生が抑制されるのである。
【0045】
また、キースイッチ76が「ON」位置に操作され、かつ、エンジン12が停止している状態で主変速レバー46(案内ロッド42a)がエンジン停止位置ESから離されると、エンジン始動回路77が作動してセルモータ78が起動され、エンジン始動が自動的に行われる。
【0046】
エンジン12を自動的させる条件設定は上記に限られるものではなく、他の設定例のいくつかを以下に示す。
【0047】
(第1例)
図9のフロー図に示すように、主変速レバー46(案内ロッド46a)がエンジン停止位置ESに操作されてスイッチ73が設定時間(例えば数秒)以上にON操作されるという条件と、前記植付けクラッチ44が切り操作された検知情報が制御装置20に入力されるという条件が共に満たされたことが制御装置20で判断されると、エンジン停止回路74が起動されてエンジン12が停止されるようにプログラムするもよい。
【0048】
これによると、上記苗つぎ作業あるいは苗補充作業のために走行停止操作を行い、かつ、苗植付け装置4の作動停止操作を行うことで自動的にエンジが停止されることになる。
【0049】
(第2例)
図10のフロー図に示すように、主変速レバー46(案内ロッド46a)がエンジン停止位置ESに操作されてスイッチ73が設定時間以上に亘ってON操作されるという条件と、運転座席15に運転者が着座していない非着座状態が設定時間(例えば数秒)以上に亘って感知されるという条件が共に満たされたことが制御装置20で判断されると、エンジン停止回路74が起動されてエンジン12が停止されるようにプログラムするもよい。
なお、非着座状態の検知は着座加重を運転座席15に装備する、等の手段を利用するとよい。
【0050】
この場合、上記苗つぎ作業あるいは苗補充作業のために走行停止操作を行い、かつ、運転者が運転座席15から立ち上がると、自動的にエンジが停止されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】田植機の全体側面図
【図2】田植機の全体平面図
【図3】変速操作構造の側面図
【図4】変速操作構造の正面図
【図5】変速案内構造の平面図
【図6】伝動系統図
【図7】制御ブロック図
【図8】制御フロー図
【図9】別実施例におけるフロー図
【図10】更に別の実施例のフロー図
【符号の説明】
【0052】
3 走行機体
4 苗植付け装置
12 エンジン
15 運転座席
22 植付け機構
32 苗残量センサ
35 畦際クラッチ
44 植付け機構
46 変速操作具
ES 特定位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体に苗植付け装置を昇降自在に連結した乗用田植機において、
走行停止条件と作業対象に設定された条件との複数条件が満たされるとエンジンを停止させるエンジン自動停止手段を備えてあることを特徴とする乗用田植機のエンジン制御構造。
【請求項2】
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの走行停止条件が、走行用の変速操作具が走行停止状態をもたらす特定位置に操作されていることである請求項1記載の乗用田植機のエンジン制御構造。
【請求項3】
前記変速操作具が前記特定位置に設定時間以上に連続して位置保持されていることを前記条件の一つにしてある請求項2記載の乗用田植機のエンジン制御構造。
【請求項4】
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの他の一つが、前記苗植付け装置に備えられた苗残量センサが苗残量の少なくなったことを検知した状態にあることである請求項2または3記載の乗用田植機のエンジン制御構造。
【請求項5】
前記苗植付け装置に備えられた複数条の植付け機構の一部への伝動を断続する畦際クラッチがクラッチ切り状態では苗残量センサが苗残量の少なくなったことの検知が無効とみなされるよう設定してある請求項4記載の乗用田植機のエンジン制御構造。
【請求項6】
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの他の一つが、運転座席への着座状態が検知されていないことである請求項2または3記載の乗用田植機のエンジン制御構造。
【請求項7】
前記運転座席への着座状態が設定時間以上に連続して検知されていないことを前記条件の一つにしてある請求項6記載の乗用田植機のエンジン制御構造。
【請求項8】
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの他の一つが、前記苗植付け装置への動力伝達を断続する植付けクラッチがクラッチ切り状態にあることである請求項2または3記載の乗用田植機のエンジン制御構造。
【請求項9】
前記エンジン自動停止手段を起動させる複数の前記条件のうちの他の一つが、苗植付け装置が上限位置にまで上昇されていることである請求項2または3記載の乗用田植機のエンジン制御構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−94753(P2006−94753A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−284186(P2004−284186)
【出願日】平成16年9月29日(2004.9.29)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】