説明

乳酸脱水素酵素(LDH)の阻害化合物およびこれらの化合物を含む医薬組成物

本発明は、そのいくつかが新規である化合物、およびその薬剤上の応用に関する。本発明の化合物は、低酸素性腫瘍細胞の代謝プロセス、およびマラリアを引き起こす寄生原虫が必要とするエネルギーの殆んどを得るために原虫が用いるプロセスの両方に関与する乳酸脱水素酵素(LDH)を阻害する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、そのいくつかが新規である化合物、およびその薬剤上の応用に関する。本発明の化合物は、低酸素性腫瘍細胞の代謝プロセス、およびマラリアを引き起こす寄生原虫が必要とするエネルギーの殆んどを得るために原虫が用いるプロセスの両方に関与する乳酸脱水素酵素(LDH)を阻害する。
【背景技術】
【0002】
広く知られている通り、腫瘍の増殖は、罹患した器官の正常構造に生じる劇的な変化に関連し、血管と腫瘍細胞との間の平均距離が進行性に増大するなどの形態学的な変化を起こす。その結果、多くの腫瘍、とりわけ固形腫瘍は、殆んど酸素供給されていないことが判明している。「低酸素」と定義されるこの条件下、腫瘍は特に攻撃的であり、転移の形成を誘発する。
【0003】
さらに、低酸素性腫瘍は、放射線療法および化学療法などの伝統的な治療的処置に対して強力な抵抗性を示す。低酸素性腫瘍における放射線抵抗性は主に、照射時に酸素依存性の細胞毒性ラジカルを発生する傾向が低いことによる。化学抵抗性は、その代わりに、殆んどが、薬物を輸送する血液供給が制限されており、また低酸素性腫瘍が示す増殖レベルが低いことによることがあるが、現在用いられている化学療法剤の大多数は増殖の速い細胞を標的にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2006017494
【特許文献2】WO9836774
【特許文献3】US5595730
【特許文献4】WO2010014814
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Brown JM、Wilson WR、Nat. Rev. Cancer、2004年、4巻、437〜447頁
【非特許文献2】Patterson AVら、Clin. Cancer Res.、2007年13巻、3922〜3932頁
【非特許文献3】Duan J-Xら、J. Med. Chem.、2008年、51巻、2412〜2420頁
【非特許文献4】Gatenby RA、Gillies RJ、Nat. Rev. Cancer、2004年、4巻、891〜899頁
【非特許文献5】Vander Heiden, M. G、Cantley, L. C.、Thompson, C. B.、Science、2009年、324巻、1029〜1033頁
【非特許文献6】Warburg O.、On the origin of cancer cells.、Science、1956年、123巻、309〜314頁
【非特許文献7】Kroemer, G.、Pouyssegur, J.、Cancer Cell、2008年、13巻、472〜482頁
【非特許文献8】Scatena, R.、Bottoni, P.、Pontoglio, A.、Mastrototaro, L.、Giardina, B.、Expert Opin. Investig. Drugs、2008年、17巻、1533〜1545頁
【非特許文献9】Sheng, H.、Niu, B.、Sun, H.、Curr. Med. Chem.、2009年、16巻、1561〜1587頁
【非特許文献10】Sattler, U. G. A.、Hirschhaeuser, F.、Mueller-Klieser, W. F.、Curr. Med. Chem.、2010年、17巻、96〜108頁
【非特許文献11】Tennant, D. A.、Duran, R. V.、Gottlieb, E.、Nat. Rev. Cancer、2010年、10巻、267〜277頁
【非特許文献12】Price, G. S.、Page, R. L.、Riviere, J. E.、Cline, J. M.、Thrall, D. E.、Cancer Chemother. Pharmacol.、1996年、38巻、129〜135頁)
【非特許文献13】Maher, J. C.、Wangpaichitr, M.、Savaraj, N.、Kurtoglu, M.、Lampidis, T.、J. Mol. Cancer Ther.、2007年、6巻、732〜741頁
【非特許文献14】Ko, Y. H.、Smith, B. L.、Wang, Y.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun.、2004年、324巻、269〜275頁
【非特許文献15】Bonnet, S.、Archer, S. L.、Allalunis-Tumer, J.ら、Cancer Cell、2007年、11巻、37〜51頁
【非特許文献16】Sorensen BSら、Radiother. Oncol.、2007年、83巻、362〜366頁
【非特許文献17】Koukorakis Mlら、Clin. Experim. Metast.、2005年、22巻、25〜30頁
【非特許文献18】Koukorakis Mlら、Cancer Sci.、2006年、97巻、1056〜1060頁
【非特許文献19】Kolev Y、Uetake H、Takagi Y、Sugihara K、Ann. Surg. Oncol.、2008年、15巻、2336〜2344頁
【非特許文献20】Fantin VR、St-Pierre J、Leder P、Cancer Cell.、2006年、9巻、425〜434頁
【非特許文献21】Kanno T、Sudo K、Maekawa Mら、Clin. Chim. Acta、1988年、173巻、89〜98頁
【非特許文献22】Le Aら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、2010年、107巻、2037〜2042頁
【非特許文献23】Fiume Lら、Pharmacology、2010年、86巻(3)、157〜162頁
【非特許文献24】Ward CSら、Cancer Res.、2010年、70巻(4)、1296〜1305年
【非特許文献25】Zhou Mら、Molecular Cancer、2010年、9巻、33頁
【非特許文献26】Koiri RKら、Invest. New Drugs、2009年、27巻、503〜516頁
【非特許文献27】Pathak C、Vinayak M.、Mol. Biol. Rep.、2005年、32巻、191〜196頁
【非特許文献28】Mishra Lら、Indian J. Exp. Biol.、2004年、42巻(7)、660〜666頁
【非特許文献29】Baumann Fら、Neuro-Oncology、2009年、11巻(4)、368〜380頁
【非特許文献30】Xie Hら、Mol. Cancer Ther.、2009年、8巻(3)、626〜635頁
【非特許文献31】Shim Hら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、1997年、94巻、6658〜6663頁
【非特許文献32】Willsmore RL、Waring AJ.、IRCS Medical Science: Library Compendium、1981年、9巻(11)、1003〜1004頁
【非特許文献33】Goerlach Aら、Int. J. Oncol.、1995年、7巻(4)、831〜839頁
【非特許文献34】Coyle Tら、J. Neuro-Oncol.、1994年、19巻(1)、25〜35頁
【非特許文献35】Turgut-Balik Dら、Biotechnol. Lett.、2004年、26巻、1051〜1055頁
【非特許文献36】Granchi C、Bertini S、Macchia M、Minutolo F、Curr. Med. Chem.、2010年、17巻、672〜697頁
【非特許文献37】Freeman TAら、Fibrogenesis Tissue Repair.、2010年、3巻、17頁
【非特許文献38】Odet Fら、Biol. Reprod.、2008年、79巻(1)、26〜34頁
【非特許文献39】Yu Y,ら、Biochem. Pharmacol.、2001年、62巻、81〜89頁
【非特許文献40】Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery、第5版1巻、Principles and Practice
【非特許文献41】Gynther M、Ropponen J、Laine Kら、J. Med. Chem.、2009年、52巻、3348〜3353頁
【非特許文献42】Lin Y-S Tungpradit R、Sinchaikul Sら、J. Med. Chem.、2008年、51巻、7428〜7441頁
【非特許文献43】Singh S、Dash AK、Crit. Rev. Ther. Drug Carr. Syst.、2009年、26巻、333〜372頁
【非特許文献44】Hu Z、Jiang X、Albright CFら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、2010年、20巻、853〜856頁
【非特許文献45】Brown JM、Wilson WR、Nat. Rev. Cancer、2004年、4巻、437〜447頁
【非特許文献46】Chen Y、Hu L、Med. Res. Rev.、2009年、29巻、29〜64頁
【非特許文献47】Epe B、Ballmaier D、Adam W、Grimm GN、Saha-Moller CR、Nucleic Acid Res.、1996年、24巻、1625〜1631頁
【非特許文献48】Hwang J-T、Greenberg MM、Fuchs T、Gates KS、Biochemistry、1999年、38巻、14248〜14255頁
【非特許文献49】Xu G、Chance MR、Chem. Rev.、2007年、107巻、3514〜3543頁
【非特許文献50】Bischoff P、Altmeyer A、Dumont F、Exp. Opin. Ther. Pat.、2009年、19巻、643〜662頁
【非特許文献51】Dong W、Jimenez LS、J. Org. Chem.、1999年、64巻、2520〜2523頁
【非特許文献52】Entwistle IDら、Tetrahedron、1978年、34巻、213〜215頁
【非特許文献53】Seng F、Ley K.、Synthesis、1975年、11巻、703頁
【非特許文献54】McFarlane MD、Moody DJ、Smith DM.、J. Chem. Soc. Perkin Trans.、1巻、1988年、691〜696頁
【非特許文献55】Claypool DP、Sidani AR、Flanagan KJ.、J. Org. Chem.、1972年、37巻、2372〜2376頁
【非特許文献56】El-Haj、MJA. J. Org. Chem.、1972、37巻、2519〜2520頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえ、低酸素性腫瘍の処置に対する代替の戦略に対する探索に、引き続き関心が高まっている。とりわけ、低酸素性腫瘍がその増殖および侵襲性を支持するのに利用する主なメカニズムを妨害することができる化合物の使用について進行中の研究がいくつか存在する。例えば、一群のプロドラッグは、低酸素性腫瘍の生体内活性化プロセスのために腫瘍中に存在する還元性の環境を利用している。これらのプロドラッグのいくつかは、臨床フェーズの試験に最近到達した(Brown JM、Wilson WR、Nat. Rev. Cancer、2004年、4巻、437〜447頁; Patterson AVら、Clin. Cancer Res.、2007年13巻、3922〜3932頁; Duan J-Xら、J. Med. Chem.、2008年、51巻、2412〜2420頁)。これらのプロドラッグの1つは、低酸素条件において還元的に生体内活性化されると細胞毒性のラジカルを放出することができるベンゾトリアジンであるチラパザミンである。しかし、このプロドラッグは腫瘍塊中に浸透する能力が低下している。同じ種類の他のプロドラッグが今のところ低酸素性腫瘍の処置において用いられているが、これらの結果は完全に満足のいくものではなかった。
【0007】
腫瘍細胞の最も興味深い特徴の一つは、これらの糖分解活性が上昇していることであり、健常細胞に見出される糖分解活性の最高200倍を超える(Gatenby RA、Gillies RJ、Nat. Rev. Cancer、2004年、4巻、891〜899頁;Vander Heiden, M. G、Cantley, L. C.、Thompson, C. B.、Science、2009年、324巻、1029〜1033頁)。これは主に、1)このエレメントの不足をもたらす酸素の局所消費が高く、したがって無酸素性の糖分解のレベルが増大し、2)ミトコンドリアに結合している特定な形態のヘキソキナーゼ酵素がより大量に存在し、このため酸素の真の消費に関係なく糖分解活性の増大を生じるためである。この現象は、Otto Warburgによって始めて記載されたものであり、このため「Warburg効果」としても知られている(Warburg O.、On the origin of cancer cells.、Science、1956年、123巻、309〜314頁)。
【0008】
知られているように、糖分解は、グルコース分子が2個のピルビン酸分子に切断される代謝プロセスである。これにより、2個のATP分子および2個のNADH分子など、エネルギーのより高い分子が産生される。
【0009】
糖分解は細胞質中で起こる10個の反応を含んでおり、これらの反応は、ヘキソキナーゼ、ホスホグルコイソメラーゼ、アルドラーゼ、およびピルビン酸キナーゼなどの特定の酵素によって触媒される。複雑かつ高エネルギーの分子が、より低エネルギーのより単純な分子に変換され、引き続きエネルギーが生成されるので、全体的にこれは異化プロセスである。
【0010】
糖分解は好気性の条件下(酸素の存在下)および嫌気性の条件下(酸素の非存在下)の両方で起こり得る。両方の場合とも、1モルのグルコースが2モルのATP、2モルのNADH、および2モルのピルビン酸を産生する。酸素の存在下、糖分解によって生成されたピルビン酸分子はミトコンドリアのマトリクス中に運ばれ、そこで脱炭酸され、トリカルボン酸回路としても知られているクレブス回路中に導入され、次いで、酸化的リン酸化によって二酸化炭素、水、およびエネルギーに最終的に変換される。
【0011】
一方、嫌気性条件下でピルビン酸分子は乳酸(またはラクテート)に還元される。この反応は、乳酸脱水素酵素(LDH)によって触媒される。
【0012】
白血病などの血液学的腫瘍を含む浸潤性腫瘍の表現型の大多数は、酸化的リン酸化から嫌気性糖分解へのシンプルな代謝の切換えを示す。これにより、嫌気性条件下でもグルコースから腫瘍細胞へのエネルギーおよび同化性栄養素の十分な供給が保証される。
【0013】
嫌気性糖分解の増大は主に、1)この代謝プロセスの効率が低いため、グルコース消費の増大をもたらし、2)このプロセスによって大量の乳酸が生成されるため、細胞外のアシドーシスをもたらす。
【0014】
この特定の腫瘍細胞の代謝は、糖分解経路に関与するこれらの酵素の1つを選択的に阻害することができる分子を用いることによって、がんに対する革新的な治療アプローチに対する探索を駆り立てている(Kroemer, G.、Pouyssegur, J.、Cancer Cell、2008年、13巻、472〜482頁)。実際、糖分解経路に関与するステップの1つを阻害すると、腫瘍細胞が生存し、健常組織に侵入するのに必要とするエネルギーの殆んどを生成するのに腫瘍細胞が用いるプロセスの阻止を誘発する(Scatena, R.、Bottoni, P.、Pontoglio, A.、Mastrototaro, L.、Giardina, B.、Expert Opin. Investig. Drugs、2008年、17巻、1533〜1545頁; Sheng, H.、Niu, B.、Sun, H.、Curr. Med. Chem.、2009年、16巻、1561〜1587頁; Sattler, U. G. A.、Hirschhaeuser, F.、Mueller-Klieser, W. F.、Curr. Med. Chem.、2010年、17巻、96〜108頁; Tennant, D. A.、Duran, R. V.、Gottlieb, E.、Nat. Rev. Cancer、2010年、10巻、267〜277頁)。
【0015】
ロニダミンは、ヘキソキナーゼ(HK)酵素を阻害することによってがん細胞の糖分解を妨害することができるので、広く研究されているこれら分子の1つである(Price, G. S.、Page, R. L.、Riviere, J. E.、Cline, J. M.、Thrall, D. E.、Cancer Chemother. Pharmacol.、1996年、38巻、129〜135頁)。とりわけ、ヘキソキナーゼは、細胞内グルコースがATP1分子を用いてグルコース-6-リン酸を生成するリン酸化反応を触媒する。グルコースはグルコース-6-リン酸にリン酸化されると最早細胞膜を通して細胞から出ることができず、さらにこれは高度に不安定になり、その後の同化の連続を速やかに受けやすくなることから、このリン酸化反応は糖分解の第1のステップであり、全体の経路の3つの根本的なステップの1つである。しかし、ロニダミンも、膵臓毒性および肝臓毒性などの重要な副作用を示す。
【0016】
別の広く研究されているヘキソキナーゼ阻害物質は2-デオキシグルコース(2-DG)である。しかし、2-DGは低酸素性腫瘍の処置においてあまり有効性がないことが最近報告された(Maher, J. C.、Wangpaichitr, M.、Savaraj, N.、Kurtoglu, M.、Lampidis, T.、J. Mol. Cancer Ther.、2007年、6巻、732〜741頁)。別のHK-阻害物質に3-ブロモピルベートがあるが、この化合物に関する臨床試験について入手可能なデータはまだ今のところ存在しない(Ko, Y. H.、Smith, B. L.、Wang, Y.ら、Biochem. Biophys. Res. Commun.、2004年、324巻、269〜275頁)。
【0017】
ジクロロ酢酸(DCA)は、糖分解プロセスを妨害する能力について研究されている別の分子である。DCAはピルビン酸脱水素酵素キナーゼ(PDK)の阻害物質であり、最近臨床試験に到達した(Bonnet, S.、Archer, S. L.、Allalunis-Tumer, J.ら、Cancer Cell、2007年、11巻、37〜51頁)。
【0018】
乳酸脱水素酵素(LDH)は、がん細胞の独特なグルコース代謝に関与する主要な酵素の1つである。先に言及した通り、この酵素はピルビン酸の乳酸への還元を触媒する。ヒトにおいてLDH(hLDH)は4量体酵素であり、5つの優勢な異なるイソ型において存在することができ(hLDH1〜5)、その殆んどは細胞のサイトゾル中に局在する。この4量体酵素は一般的に2タイプの単量体サブユニット、すなわちLDH-A(または「筋肉(muscle)」に由来するLDH-M)、およびLDH-B(または「心臓(heart)」に由来するLDH-H」からなり、これらの様々な組合せが以下の5つの4量体のイソ型: hLDH1:LDH-B4、hDH2:LDH-AB3、hLDH3:LDH-A2B2、hLDH4:LDH-A3B、およびhLDH5: LDH-A4を生じる。これらイソ型の中で、hLDH1は心臓中に主に存在し、hLDH5は肝臓および骨格筋中に優勢に存在する。
【0019】
この酵素のイソ型であるhLDH5は、独占的にLDH-Aサブユニットを含み、高度に浸潤性の低酸素性腫瘍において過剰発現され、低酸素誘導因子1アルファ(HIF-1α)に明らかに関連している。したがって、hLDH5の血清および血漿レベルは腫瘍マーカーとしてしばしば利用される。これらのレベルは非特異的な細胞損傷と必ず相関するわけではないが、これらは悪性腫瘍の表現型によって誘発される酵素の過剰発現によっても引き起こされ得る。
【0020】
この遺伝子の増幅は、サブユニットLDH-Aの生成の増大として測定して、いくつかのがん細胞系において、グルコーストランスポーターGLUT1の過剰生成およびその後の酸素欠乏の誘発とともに検証された(Sorensen BSら、Radiother. Oncol.、2007年、83巻、362〜366頁)。さらに、LDH-A(その完全に機能的な4量体型であるhLDH5として)の過剰発現は多くの高度に侵襲性の低酸素性がんにおいて見出され(Koukorakis Mlら、Clin. Experim. Metast.、2005年、22巻、25〜30頁;Koukorakis Mlら、Cancer Sci.、2006年、97巻、1056〜1060頁)、この現象はHIF-1αの介入に明らかに相関し得るものであった(Kolev Y、Uetake H、Takagi Y、Sugihara K、Ann. Surg. Oncol.、2008年、15巻、2336〜2344頁)。したがって、LDH-Aの浸潤性の乳房腫瘍細胞における抑圧は細胞の侵襲性および腫瘍の増殖を顕著に低減することが見出されたことから、LDH-Aは抗腫瘍治療に対する最も有望な新たな標的の1つとして最近認められた(Fantin VR、St-Pierre J、Leder P、Cancer Cell.、2006年、9巻、425〜434頁)。同時に、いく人かのヒトにおいて見出されたLDH-Aの遺伝的欠損は激しい無酸素運動の後にミオパチーを生成するにすぎず、通常の状況下ではいかなる特定の症状を生じないので、この酵素を選択的に阻害しても患者において重要な副作用を引き起こさない(Kanno T、Sudo K、Maekawa Mら、Clin. Chim. Acta、1988年、173巻、89〜98頁)。
【0021】
がん細胞系または腫瘍において抗癌効果を生成するLDH阻害のいくつかの例は、P493ヒトリンパ腫細胞および異種移植片(Le Aら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、2010年、107巻、2037〜2042頁)、HepG2およびPLC/PRF/5肝細胞癌細胞(Fiume Lら、Pharmacology、2010年、86巻(3)、157〜162頁)、GS-2グリア芽細胞腫、MDA-MB-231乳がん細胞、およびマウス異種移植片(Ward CSら、Cancer Res.、2010年、70巻(4)、1296〜1305年; Mazzio E, Soliman K. WO2006017494)、タキソール抵抗性MDA-MD-435ヒト乳がん細胞(Zhou Mら、Molecular Cancer、2010年、9巻、33頁)、マウスモデルにおけるDaltonのリンパ腫(Koiri RKら、Invest. New Drugs、2009年、27巻、503〜516頁; Pathak C、Vinayak M.、Mol. Biol. Rep.、2005年、32巻、191〜196頁)、ヒトがんMCF (乳がん)、KB (口腔がん)、KB-VIN (ビンクリスチン抵抗性口腔がん)、SK-MEL-2 (メラノーマ)、U87-MG (グリオーマ)、HCT-8 (大腸がん)、IA9 (卵巣がん)、A549 (ヒト肺胞細胞腺癌)、およびPC-3 (前立腺がん)細胞系(Mishra Lら、Indian J. Exp. Biol.、2004年、42巻(7)、660〜666頁)、U87MGおよびAI72グリオーマ細胞、原発性グリオーマ腫瘍細胞培養物「HTZ」(Baumann Fら、Neuro-Oncology、2009年、11巻(4)、368〜380頁)、遺伝性平滑筋腫症および腎臓がん細胞(HLRCC)症候群、A549ヒト肺胞上皮細胞腺癌(adenocarcinoma human alveolar cells)(Xie Hら、Mol. Cancer Ther.、2009年、8巻(3)、626〜635頁)、c-Myc-形質転換した線維芽細胞であるRat1(c-Myc-transformed Rat1 a fibroblasts)、c-Myc-形質転換したヒトリンパ芽球腫細胞、およびバーキットリンパ腫細胞(Shim Hら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、1997年、94巻、6658〜6663頁; Dang C, Shim H.、WO9836774)、バーキットリンパ腫EB2細胞(Willsmore RL、Waring AJ.、IRCS Medical Science: Library Compendium、1981年、9巻(11)、1003〜1004頁)、結腸腺癌HT29および悪性グリオーマU118MG細胞(Goerlach Aら、Int. J. Oncol.、1995年、7巻(4)、831〜839頁)、ヒトグリオーマ細胞系HS683、U373、U87、およびU138、ラットグリオーマ細胞系C6、SW-13(副腎)、MCF-7 (乳房)、T47-D(乳房)、HeLa (子宮頸)、SK-MEL-3 (メラノーマ)、Colo 201 (結腸)、およびBRW (原始神経外胚葉性腫瘍を有する患者からの細胞系) (Coyle Tら、J. Neuro-Oncol.、1994年、19巻(1)、25〜35頁)において報告された。
【0022】
さらに、乳酸脱水素酵素は抗マラリア薬に対する興味ある標的を構成する、というのは、マラリアを引き起こす寄生原虫は、その感染サイクルの1段階の間に乳酸発酵を利用してエネルギーの殆んどを得るからである。そこで、マラリアの病原体中に存在するLDHの阻害物質を抗マラリア薬として用いることができる。実際、いくつかの化合物が、LDHのマラリア原虫のイソ型の選択的阻害によってこの感染を阻止するように開発されたが、これは、ところで、ヒトのイソ型に比べた場合に高レベルの相同性を示す(Turgut-Balik Dら、Biotechnol. Lett.、2004年、26巻、1051〜1055頁)。現在までに開発されたLDH阻害物質の殆んどは、当初、新たな抗マラリア薬を生成する目的でデザインされたものである(Granchi C、Bertini S、Macchia M、Minutolo F、Curr. Med. Chem.、2010年、17巻、672〜697頁)。
【0023】
LDH阻害物質の別の可能な一応用は、全膝関節形成術後の特発性関節線維症における組織の異形成および異所性骨化の処置である(Freeman TAら、Fibrogenesis Tissue Repair.、2010年、3巻、17頁)。
【0024】
さらに、LDH阻害物質は、角膜実質細胞の増殖および皮膚におけるコラーゲンの生合成を刺激することができるので、化粧用調製物において用いることができる(Bartolone JBら、US5595730 (1997年))。
【0025】
乳酸脱水素酵素のイソ型Cを阻害することができる化合物は、男性の避妊薬としても用いることができる(Odet Fら、Biol. Reprod.、2008年、79巻(1)、26〜34頁; Yu Y,ら、Biochem. Pharmacol.、2001年、62巻、81〜89頁)。
【課題を解決するための手段】
【0026】
したがって、本発明の一特徴は、LDH酵素のLDH-Aサブユニットの選択的阻害物質である化合物を提供することである。
【0027】
本発明の別の一特徴は、LDH酵素の選択的阻害によって、腫瘍細胞、とりわけ低酸素性腫瘍細胞を処置するための化合物を提供することである。
【0028】
本発明の別の一特徴は、処置中の患者に対して関連する副作用なしに、腫瘍細胞、とりわけがん、とりわけリンパ腫、肝細胞癌、膵臓がん、脳腫瘍、乳がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、前立腺がん、腎臓がん、骨肉腫、上咽頭がん、口腔がん、メラノーマ、卵巣癌を処置するための化合物を提供することである。
【0029】
本発明の特定の一特徴は、処置中の患者に対して関連する副作用なしに、マラリアを処置するための化合物を提供することである。
【0030】
本発明のさらなる一特徴は、処置中の患者に対して関連する副作用なしに、特発性関節線維症を処置するための化合物を提供することである。
【0031】
本発明者らは驚くべきことに、式I:
【0032】
【化1】

【0033】
[式中、
nは、0、1からなる群から選択され、
Xは、N、N+-O-、C-Zからなる群から選択され、
Yは、S、O、C=R2からなる群から選択され、
Zは、水素、ORA、NRARB、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、
-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、-S-C1〜6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-S-C5〜6-複素環、-S(O)C1〜6-アルキル、-S(O)フェニル、-S(O)ベンジル、-S(O)C5〜6-複素環、-S(O)2C1〜6-アルキル、-S(O)2フェニル、-S(O)2ベンジル、-S(O)2C5〜6-複素環、-S(O)2NRARB、C1〜6-アルキル、ハロ-C1〜6-アルキル、ジハロ-C1〜6-アルキル、トリハロ-C1〜6-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜6-アルキニル、C3〜8-シクロアルキル、C3〜8-シクロアルキル-C1〜6-アルキル、フェニル、ベンジル、およびC5〜6-複素環からなる群から選択され、
R1は、
【0034】
【化2】

【0035】
から選択され、
R2は、R1と一緒になって、
【0036】
【化3】

【0037】
から選択され、
R3は、水素、C1〜4-アルキル、ハロ-C1〜4-アルキル、ジハロ-C1〜4-アルキル、トリハロ-C1〜4-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜4-アルキニル、C3〜6-シクロアルキル、C3〜6-シクロアルキル-C1〜2-アルキル、フェニル、ベンジル、およびC5〜6-複素環からなる群から選択され、
R4、R5、R6、R7は、独立に、水素、ORA、NRARB、-C(O)RA、-C(O)ORA、-C(O)NRARB、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、-S-C1〜6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-S-C5〜6-複素環、-S(O)C1〜6-アルキル、-S(O)フェニル、-S(O)ベンジル、-S(O)C5〜6-複素環、-S(O)2C1〜6-アルキル、-S(O)2フェニル、-S(O)2ベンジル、-S(O)2C5〜6-複素環、-S(O)2NRARB、C1〜6-アルキル、ハロ-C1〜6-アルキル、ジハロ-C1〜6-アルキル、トリハロ-C1〜6-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜6-アルキニル、C3〜8-シクロアルキル、C3〜8-シクロアルキル-C1〜6-アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル、およびC5〜6-複素環からなる群から選択され、
R3、R4、R5、R6、R7、RA、またはRB基のフェニル、ベンジル、ナフチル、およびC5〜6複素環は、ORc (2個のORc基は一緒になって環を形成してもよい)、NRCRD、-C(O)Rc、-C(O)ORc、C1〜4-アルキル-ORc、C1〜4-アルキル-C(O)Rc、-C(O)NRCRD、-S(O)2NRCRD、-S(O)2C1〜6-アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4-アルキル、ハロ-C1〜4-アルキル、ジハロ-C1〜4-アルキル、トリハロ-C1〜4-アルキル、C(O)ORcで任意選択によって置換されているアリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1個から3個の基で任意選択によって置換されていてもよく、
R3、R4、R5、R6、およびR7基のC5〜C6複素環のいずれの原子も、酸素と結合してオキソまたはスルホキソ部分を形成してもよく、
RA、RB、R4、R5、R6、またはR7のいずれのアルキル、アルケニルおよびアルキニル基も、ORc、NRCRD、ハロゲン、シアノ、およびニトロから独立に選択される1〜3個の基で任意選択によって置換されていてもよく、
炭素に結合しているいずれの水素原子もフッ素原子で置換されていてもよく、
RA、RB、RC、およびRDは、独立に、水素、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、-S(O)2C1〜6-アルキル、-S(O)2フェニル、-S(O)2ベンジル、-S(O)2C5〜6-複素環、C1〜6アルキル、ハロ-C1〜6-アルキル、ジハロ-C1〜6-アルキル、トリハロ-C1〜6-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜6-アルキニル、C3〜8-シクロアルキル、C3〜8-シクロアルキル-C1〜6-アルキル、フェニル、ベンジル、およびC5〜6-複素環からなる群から選択される]
の化合物は、LDH酵素のLDH-Aサブユニットの選択的阻害物質であることを見出した。
【0038】
式(I)による化合物のどれも抗LDH活性を有することが知られていない。
【0039】
したがって、上記一般式(I)の、LDH酵素のLDH-Aサブユニット、特にLDH5の阻害化合物を提供する。
【0040】
一実施形態において、式(I)の化合物は式(Ia):
【0041】
【化4】

【0042】
の化合物から選択され、式中、Z、R4、R5、R6、およびR7は、上記の式(I)の下に定義した通りである。
【0043】
式(Ia)による化合物のどれも、当技術分野において、これを医薬として使用するのに適した生物学的活性を有することが知られていない。
【0044】
したがって、医薬として使用するための上記の式(Ia)の化合物を提供する。
【0045】
ある実施形態において、式(Ib):
【0046】
【化5】

【0047】
[式中、
Zは、HまたはC1〜6アルキルのいずれかであり、
R4、R5、R6、およびR7は上記の式(I)の下に定義した通りであり、
R4、R5、R6、およびR7の少なくとも1個はトリハロ-C1〜4-アルキル、-S(O)2NRARB、フェニル、ナフチル、またはC5〜6複素環(ORc、NRCRD、-C(O)Rc、-C(O)ORc、C1〜4-アルキル-ORc、C1〜4-アルキル-C(O)ORc、-C(O)NRCRD、-S(O)2NRCRD、-S(O)2C1〜6-アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4-アルキル、ハロ-C1〜4-アルキル、ジハロ-C1〜4-アルキル、トリハロ-C1〜4-アルキル、C(O)ORcで任意選択によって置換されているアリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1個から3個の基で任意選択によって置換されている)のリストから選択され、
RA、RB、RC、およびRDは、上記の式(I)の下に定義した通りである]
の新規な化合物を提供する。
【0048】
別の一実施形態において、以下のリスト(「リストA」)から選択される新規な化合物を提供する:
- 6-(3-カルボキシフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例6);
- 5-(4-カルボキシ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例12);
- 6-[4-(2-カルボキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例14);
- 1-ヒドロキシ-6-フェニル-4-トリフルオロメチル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例20);
- 1-ヒドロキシ-4-(4-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例24);
- 1-ヒドロキシ-6-[N-メチル-N-フェニルスルファモイル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例26);
- 1-ヒドロキシ-5-フェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例30);
- 1-ヒドロキシ-6-(4-メトキシフェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例31);
- 1-ヒドロキシ-6-フェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例32);
- 1-ヒドロキシ-6-(2-テトラゾール-5-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例46);
- 5-[4-(2-カルボキシエチル)フェニル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例47);
- 4-[4-(3-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例48);
- 6-[4-(2-カルボキシエチル)フェニル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例49);
- 6-[4-(4-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例50);
- 5-(3-カルボキシフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例56);
- 1-ヒドロキシ-5,6-ジフェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例57);
- 1-ヒドロキシ-6-(N-メチル-N-p-トリルスルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例58);
- 1-ヒドロキシ-6-(N-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例59);
- 6-(N-(4-フルオロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例60);
- 6-(N-(4-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例61);
- 5-(4-(3-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例62);
- 1-ヒドロキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例63);
- 6-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例64);
- 5-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例65);
- 1-ヒドロキシ-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例66);
- 6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例67);
- 1-ヒドロキシ-5-(4-メトキシフェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例68);
- 6-(N-(2-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例69);
- 6-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例70);
- 5-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例71);
- 6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例72);
- 1-ヒドロキシ-6,7-ジフェニル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例73)
- 6-(N-ブチル-N-フェニルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例74);
- 6-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例75);
- 6-(フラン-3-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例76);
- 1-ヒドロキシ-6-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例77);
- 6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例78);
- 6-(ビフェニル-4-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例79);
- 1-ヒドロキシ-3-メチル-6-フェニル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例80);
- 1-ヒドロキシ-6-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例81);
- 1-ヒドロキシ-6-(4-(N-メチル-N-フェニルスルファモイル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例82);
- 6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-3-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例83);
- 1-ヒドロキシ-6-(ナフタレン-1-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例84);
- 1-ヒドロキシ-6-(ナフタレン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例85);
- 6-(2,4-ジクロロフェニル)-1-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例86);
- 6-(N-(3-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例87);
- 1-ヒドロキシ-5-(N-メチル-N-フェニルスルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例88);
【0049】
本発明はまた、
式(I)、(Ia)、または(Ib)による化合物、
上記「リストA」から選択される化合物
の、薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、および生理学的に機能的な誘導体を対象とする。
【0050】
酸由来の薬学的に許容される塩には、限定されることなく、塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、酢酸塩、リン酸塩、乳酸塩、ピルビン酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、過塩素酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、グリコール酸塩、サリチル酸塩、シュウ酸塩、オキサル酢酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、マロン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、イセチオン酸塩、アスコルビン酸塩、リンゴ酸塩、フタル酸塩、アスパラギン酸塩、およびグルタミン酸塩、ならびにアルギニンおよびリジンの塩が含まれる。
【0051】
塩基由来の薬学的に許容される塩には、限定されることなく、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、とりわけナトリウムおよびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、特にカルシウムおよびマグネシウム塩、ならびに有機塩基塩、例えば、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、チオモルホリン、ピペリジン、ピロリジン、短鎖モノ、ジもしくはトリアルキルアミン、例えば、エチル、t-ブチル、ジエチル、ジイソプロピル、トリエチル、トリブチルもしくはジメチルプロピルアミン、または短鎖モノ、ジもしくはトリヒドロキシアルキルアミン、例えば、モノ、ジもしくはトリエタノールアミンが含まれる。
【0052】
他の薬学的に許容される塩は双性イオンとしても知られている内部塩であってよく、内部塩では分子が陰性および陽性の電荷の両方の領域を有する。
【0053】
当業者であれば、あらゆる化合物が、その中に溶解され、またはそれから沈澱もしくは結晶化される溶媒と一緒に複合体を形成することができることを知っている。複合体は溶媒和化合物として知られている。例えば、水との複合体は水和物と呼ばれる。
【0054】
「生理学的に機能的な誘導体」は、哺乳動物に対して投与すると本発明の化合物またはその活性な代謝物を提供することができる(直接的もしくは間接的に)、本発明の化合物のあらゆる薬学的に許容される誘導体、例えば、エステル、アミド、またはカーバメートを意味する。このような誘導体は、当業者には、生理学的に機能的な誘導体を教示する程度に参照によって本明細書に組み入れられる、Burger's Medicinal Chemistry And Drug Discovery、第5版1巻、Principles and Practiceの教示を参照し、過度の実験なしに明らかである。
【0055】
生理学的に機能的な誘導体は、分子の炭水化物に対するコンジュゲーション(Gynther M、Ropponen J、Laine Kら、J. Med. Chem.、2009年、52巻、3348〜3353頁; Lin Y-S Tungpradit R, Sinchaikul Sら、J. Med. Chem.、2008年、51巻、7428〜7441頁; Thorson JS、Timmons SC、WO2010014814)、アミノ酸もしくはペプチドに対するコンジュゲーション(Singh S、Dash AK、Crit. Rev. Ther. Drug Carr. Syst.、2009年、26巻、333〜372頁; Hu Z、Jiang X、Albright CFら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、2010年、20巻、853〜856頁)、および対象の化合物の薬力学的および薬物動態学的性質を増強する担体によっても得ることができる。
【0056】
薬学的に許容されるエステル、アミド、またはカーバメートにおいて、カルボキシル基などの好適な基を、C1〜6アルキル基、フェニル、ベンジル基、C5〜8複素環、またはアミノ酸を有するエステルまたはアミドに変換する。
【0057】
薬学的に許容されるエステルにおいて、ヒドロキシル基などの好適な基を、C1〜6アルキル基、フェニル、ベンジル基、C5〜8複素環、またはアミノ酸を有するエステルに変換する。
【0058】
薬学的に許容されるアミドまたはカーバメートにおいて、アミンなどの好適な基を、C1〜6アルキル基、フェニル、ベンジル基、C5〜8複素環、またはアミノ酸を有するアミドまたはカーバメートに変換する。
【0059】
したがって、式(I)の化合物のプロドラッグである式II:
【0060】
【化6】

【0061】
[式中、
Qは、ORE、SRE、またはNRERFであり(REおよびRFは、独立に、水素、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、-S(O)2C1〜6-アルキル、-S(O)2フェニル、-S(O)2ベンジル、-S(O)2C5〜6-複素環、C1〜6-アルキル、ハロ-C1〜6-アルキル、ジハロ-C1〜6-アルキル、トリハロ-C1〜6-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜6-アルキニル、C3〜8-シクロアルキル、C3〜8-シクロアルキル-C1〜6-アルキル、フェニル、ベンジル、C5〜6-複素環、L-糖またはD-糖、デオキシ糖、ジデオキシ糖、グルコースエピマー、(非)置換の糖、ウロン酸、またはオリゴ糖からなる群から選択される)
R8は、水素、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、トリアルキル-シリル、ジアルキルアリール-シリル、C1〜4-アルキル、ハロ-C1〜4-アルキル、ジハロ-C1〜4-アルキル、トリハロ-C1〜4-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜4-アルケニル、C3〜6-シクロアルキル、C3〜6-シクロアルキル-C1〜2-アルキル、フェニル、ベンジル、C5〜6-複素環、L-糖またはD-糖、デオキシ糖、ジデオキシ糖、グルコースエピマー、(非)置換の糖、ウロン酸、またはオリゴ糖であり、
R1、n、Y、およびXは、式(I)、(Ia)、または(Ib)の下で定義した通りである]
の化合物を提供する。
【0062】
当業者であれば、以下式(III)の化合物は、ニトロ基のヒドロキシルアミンへの中間の生体内還元性の変換ゆえに(Brown JM、Wilson WR、Nat. Rev. Cancer、2004年、4巻、437〜447頁; Chen Y、Hu L、Med. Res. Rev.、2009年、29巻、29〜64頁)、および隣接のカルボニル部分とのその後の縮合ゆえに、低酸素性腫瘍の環境など還元性の環境下で、哺乳動物に対して投与すると式(II)または(I)の化合物に変換され得ることが明らかであろう。
【0063】
【化7】

【0064】
式中、R1、Y、X、およびQは、式(II)の下に定義した通りである。
【0065】
したがって、本発明は、式(II)および/または(I)の化合物に対するプロドラッグである、上記の式(III)の化合物にも対する。
【0066】
LDH酵素、とりわけLDH5のLDH-Aサブユニットに対する式(I)の化合物の生物学的活性に鑑みて、本発明のあらゆる化合物を、この酵素の阻害に付随する疾患の治療に用いることができる。とりわけ、これらの疾患は、がん、とりわけ、リンパ腫、肝細胞癌、膵臓がん、脳腫瘍、乳がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、前立腺がん、腎臓がん、骨肉腫、上咽頭がん、口腔がん、メラノーマ、卵巣癌;マラリア;特発性関節線維症のリストから選択することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、
式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)および/または(III)の1つもしくは複数の化合物、あるいは
上記「リストA」から選択される1つもしくは複数の化合物、および/または式(II)もしくは(III)の下のこれらのそれぞれの1つもしくは複数のプロドラッグ
を含むことができる医薬組成物を提供する。
【0068】
本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体、および/または薬学的に許容される補助物質を含む。医薬調製物は、例えば、錠剤、コーティング錠、ドラジェ剤、硬および軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤、または懸濁剤の形態において、経口投与することができる。しかし、投与は、例えば、坐剤の形態において直腸から行うこともでき、または、例えば、注射液剤の形態において非経口的に行うこともできる。
【0069】
本発明の化合物は、医薬調製物を生成するために、製剤学的に不活性な、無機または有機の担体と処理加工することができる。例えば、錠剤、コーティング錠、ドラジェ剤、および硬ゼラチンカプセル剤に対する担体として、ラクトース、コーンスターチまたはその誘導体、タルク、ステアリン酸またはその塩などを用いることができる。軟ゼラチンカプセル剤に適する担体には、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固形および液体の多価アルコールなどがある。しかし、軟ゼラチンカプセル剤の場合、活性物質の性質に応じて、担体は通常必要とされない。液剤およびシロップ剤の生成に適する担体には、例えば、水、多価アルコール、グリセロール、植物油などがある。坐剤に適する担体には、例えば、天然または硬化油、ロウ、脂肪、半流動体または液体の多価アルコールなどがある。
【0070】
医薬調製物は、さらに、薬学的に許容される補助物質、例えば、保存剤、可溶化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、香味剤、浸透圧を変化させるための塩、バッファー、マスキング剤、または抗酸化剤を含むことができる。これらは、他の治療上価値のある物質も依然として含むことができる。
【0071】
本発明の化合物および治療上不活性な担体を含む医薬も、これらの生成に対するプロセス同様、本発明の目的であり、プロセスは、1つまたは複数の本発明の化合物、および所望により1つまたは複数の他の治療上価値のある物質を、1つまたは複数の治療上不活性な担体と一緒に生薬の投与形態にすることを含んでいる。
【0072】
用量は広範な限度内で変化することができ、もちろん、各々の特定の場合において個体の必要性に対して調節しなければならない。経口投与の場合、成人に対する用量は、1日あたり本発明の化合物約0.01mgから約1000mgまで変化することができる。一日量を、一回量または分割した用量において投与してもよく、さらに、指摘されると見出される場合には上限を超えてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態において、このような医薬調製物、特にがんの治療のための医薬調製物を、他の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて投与することができる。本明細書で用いられる「組み合わせて」の句は、対象に対して同時に投与される薬剤を意味する。対象を両方の(またはそれを超える)薬剤に同時に曝露する場合はいつでも、2つまたはそれを超える薬剤を「組み合わせて」投与すると考えるのが好適である。2つまたはそれを超える薬剤の各々を、異なる計画にしたがって投与してよく、異なる薬剤の個々の用量を同時に、または同じ組成物において投与する必要はない。むしろ、両方(またはそれを超える)薬剤が対象の身体に留まるのであれば、これらは「組み合わせて」投与されたとみなされる。
【0074】
電離放射線または非電離放射線、特に赤外-可視-紫外範囲に入る電離放射線または非電離放射線に曝露すると、本発明の化合物は、活性酸素種(ROS)、とりわけ細胞毒性活性を有する酸素化されたラジカルまたはパーオキシ化基(peroxygenated groups)を放出しやすい(Epe B、Ballmaier D、Adam W、Grimm GN、Saha-Moller CR、Nucleic Acid Res.、1996年、24巻、1625〜1631頁;Hwang J-T、Greenberg MM、Fuchs T、Gates KS、Biochemistry、1999年、38巻、14248〜14255頁;Xu G、Chance MR、Chem. Rev.、2007年、107巻、3514〜3543頁;Bischoff P、Altmeyer A、Dumont F、Exp. Opin. Ther. Pat.、2009年、19巻、643〜662頁)。がんの処置の分野において、この性質は、放射線増感性または光増感性の性質を本発明の医薬組成物に対して付与する。したがって、本発明のいくつかの実施形態は、本発明の医薬組成物を、がんの処置のための放射線治療または光線力学的治療と組み合わせた使用も包含する。
【0075】
いくつかの実施形態において、医薬組成物において用いられる本発明の化合物は、これらを診断薬として適するようにするために標識してもよい。
【0076】
とりわけ、標識は、
放射性核種、
フルオロフォア、
強磁性のエレメント、
これらの組合せ
の導入によって行うことができる。
【0077】
本明細書において特に定義しない語は、当業者によって、本開示および文脈に鑑みて与えられる意味を与えなければならない。しかし、本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、反対のことを特定しなければ、以下の語は下記に示す意味を有する。
【0078】
「アルキル」の語は、直鎖状でも、または分枝状でも、飽和の炭化水素全てを包含する。非限定的な例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、sec-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが含まれる。直鎖状アルキルの中で、メチル、エチル、n-プロピル、およびn-ブチルが好ましい。分枝状アルキルには、非限定的に、t-ブチル、i-ブチル、1-エチルプロピル、1-エチルブチル、および1-エチルペンチルが含まれる。
【0079】
「アルコキシ」の語はO-アルキル基を包含し、アルキルは上記に記載した通りのものとされる。アルコキシ基の非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびブトキシが含まれる。
【0080】
「アルケニル」の語は、これらが直鎖状でも、または分枝状でも、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含む不飽和炭化水素を包含する。アルケニル基は、例えば、最高5個の炭素-炭素二重結合を含むことができる。アルケニル基の非限定的な例には、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、およびドデセニルが含まれる。好ましいアルケニル基には、エテニル、1-プロペニル、および2-プロペニルが含まれる。
【0081】
「アルキニル」の語は、これらが直鎖状でも、または分枝状でも、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含む不飽和炭化水素を包含する。アルキニル基は、例えば、最高5個の炭素-炭素三重結合を含むことができる。アルキニル基の非限定的な例には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、およびドデシニルが含まれる。好ましいアルキニル基には、エチニル、1-プロピニル、および2-プロピニルが含まれる。
【0082】
「シクロアルキル」の語は、環状の飽和炭化水素を包含する。シクロアルキル基は単環式または二環式のいずれかであってよい。二環式基は融合していても、または架橋されていてもよい。シクロアルキル基の非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、およびシクロペンチルが含まれる。単環式シクロアルキルの他の非限定的な例には、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルがある。二環式シクロアルキルの一例は、ビシクロ[2.2.1]-ヘプタ-1-イルである。シクロアルキル基が単環式であるのが好ましい。
【0083】
「アリール」の語は、単環式でも、または二環式でもよい、芳香族炭素環部分を包含する。アリール基の非限定的な例にはフェニルおよびナフチルがある。ナフチル基は、その1位または2位のいずれかによって連結していてもよい。二環式芳香族基において、環の1つが飽和されていてもよい。このような環の非限定的な例には、インダニルおよびテトラヒドロナフチルが含まれる。より詳しくは、「C5〜10アリール」基は、炭素原子5個から10個を含む、単環式または二環式芳香族系を包含する。特に好ましいC5〜10アリール基はフェニルである。
【0084】
「アリールオキシ」の語はO-アリール基を包含し、アリールは上記に記載した通りのものとされる。アリールオキシ基の非限定的な例はフェノキシ基である。
【0085】
「ハロゲン」の語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを包含する。フルオロ、クロロ、およびブロモが特に好ましい。いくつかの実施形態においてはフルオロが最も好ましく、他の実施形態においてはクロロおよびブロモが最も好ましい。
【0086】
「ハロアルキル」の語は、ハロゲン置換基を有するアルキル基を包含し、アルキルおよびハロゲンは上記に記載した通りのものとされる。同様に、「ジハロアロキル」の語は、ハロゲン置換基を2個有するアルキル基を包含し、「トリハロアルキル」の語はハロゲン置換基を3個有するアルキル基を包含する。ハロアルキル基の非限定的な例には、限定されることなく、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、およびフルオロブチルが含まれ、ジハロアルキル基の非限定的な例にはジフルオロメチルおよびジフルオロエチルがあり、トリハロアルキル基の非限定的な例にはトリフルオロメチルおよびトリフルオロエチルがある。
【0087】
「複素環」の語は、芳香族(「ヘテロアリール」)または非芳香族(「ヘテロシクロアルキル」)の炭素環基を包含し、1個から4個の炭素原子が、窒素、酸素、および硫黄のリストから選択される1個または複数のヘテロ原子によって置換されている。複素環基は、単環式でも、または二環式でもよい。二環式複素環基の範囲内では、1個または複数のヘテロ原子を、いずれかの環上に、または環の1個のみに見出すことができる。原子価および安定性が許す場合は、窒素含有複素環基は、それぞれのN-オキシドも含む。単環式ヘテロアシクロアルキル(hetroacycloalkyl)の非限定的な例には、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チオモルホリニル、およびアゼパニルが含まれる。
【0088】
より詳しくは、「C5〜10-複素環」の語は、芳香族(「ヘテロアリール」)でも、または非芳香族(「ヘテロシクロアルキル」)でもよい単環式または二環式環系の炭素原子5個から10個の部分を含む基を包含し、1個から4個の炭素原子は、窒素、酸素、および硫黄のリストから選択される1個または複数のヘテロ原子によって置換されている。より正確には、「C5-複素環」の語は、窒素、酸素、および硫黄のリストから独立に選択されるヘテロ原子を1個または複数含む5員環状芳香族(「ヘテロアリール」)または非芳香族(「ヘテロシクロアルキル」)基を包含し、5員環を形成する残余の原子は炭素原子である。C5-複素環基の非限定的な例には、フラニル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、およびこれらのそれぞれの部分的または完全に飽和された類似体、例えば、ジヒドロフラニルおよびテトラヒドロフラニルが含まれる。
【0089】
2個の環のうち1個が芳香族ではない、二環式複素環基の非限定的な例には、ジヒドロベンゾフラニル、インダニル、インドリニル、テトラヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、およびベンゾアゼパニルが含まれる。
【0090】
単環式ヘテロアリール基の非限定的な例には、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、トリアゾリル、トリアジニル、ピリダジル、ピリミジニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、およびピリミジニルが含まれ、二環式ヘテロアリール基の非限定的な例には、キオキサリニル(quioxalinyl)、キナゾリニル、ピリドピラゾリニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ナフチリジル(naphthyridyl)、キノリニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル[4,5-b]ピリジル、ピリドピリミジニル、およびイソキノリニルが含まれる。
【0091】
好ましい複素環基の非限定的な例には、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピリジル、ピリミジニル、およびインドリルがある。他の好ましい複素環基には、チエニル、チアゾリル、フラニル、ピラゾリル、ピロリル、およびイミダゾリルが含まれる。
【0092】
「シクロアルキルアルキル」の語はシクロアルキル-アルキル基を包含し、シクロアルキルおよびアルキルは上記に記載した意味を有し、これらがアルキル基によって結合している。
【0093】
「ヘテロアリールオキシ」の語はO-ヘテロアリール基を包含し、ヘテロアリールは上記に記載した通りのものとされる。ヘテロアリールオキシ基の非限定的な例には、フラニルオキシ、チエニルオキシ、ピリジンオキシがある。
【0094】
「ヘテロシクロアルコキシ」の語はO-ヘテロシクロアルキル基を包含し、ヘテロシクロアルキルは上記に記載した通りのものとされる。ヘテロシクロアルコキシ基の非限定的な例には、ピペリジニルオキシ、テトラヒドロフラニルオキシ、テトラヒドロピラニルオキシがある。
【0095】
化学構造中にキラル炭素が存在する場合はいつも、このキラル炭素に付随する立体異性体全てが構造に包含されるものとされる。
【0096】
さらに、本発明は全ての光学異性体、すなわち、ジアステレオマー、ジアステレオマーの混合物、ラセミ混合物、これらの対応する鏡像異性体、および/または互変異性体を含んでいる。
【実施例】
【0097】
以下の実施例1〜96は、本発明の範囲内に入る非限定的な実施例である。
【0098】
(実施例1〜88)
式(Ib)に含まれる
【0099】
【化8A】

【0100】
【化8B】

【0101】
【化8C】

【0102】
【化8D】

【0103】
【化8E】

【0104】
【化8F】

【0105】
(実施例89〜92)
式(I)に含まれ、R1およびR2
【0106】
【化9】

【0107】
である。
【0108】
(実施例93〜96)
式(I)に含まれ、R1
【0109】
【化10A】

【化10B】

【0110】
である。
【0111】
上記の実施例のIUPAC名を以下に列挙する:
1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例1);
4-ブロモ-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例2);
4-クロロ-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例3);
6-ブロモ-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例4);
1-ヒドロキシ-4-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例5);
6-(3-カルボキシフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例6);
1-ヒドロキシ-6-[4-(メチルスルホニル)フェニル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例7);
5-カルバモイル-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例8);
5-フルオロ-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例9);
1-ヒドロキシ-3-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例10);
3-エチル-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例11);
5-(4-カルボキシ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例12)
6-(4-カルボキシ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例13);
6-[4-(2-カルボキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例14);
6,6'-(4,4'-(プロパン-1,3-ジイル)ビス(1H-1,2,3-トリアゾール-4,1-ジイル))ビス(1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸) (実施例15);
6-[4-(3-カルボキシプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例16);
6-(4-カルボキシフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例17);
6-[5-(3-カルボキシプロピル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例18);
1-ヒドロキシ-5-[N-メチル-N-フェニルカルバモイル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例19);
1-ヒドロキシ-6-フェニル-4-トリフルオロメチル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例20);
1-ヒドロキシ-5-(モルホリン-4-カルボニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例21);
1-ヒドロキシ-4-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例22);
1-ヒドロキシ-5-(4-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例23);
1-ヒドロキシ-4-(4-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例24);
1-ヒドロキシ-6-[N-メチル-N-フェニルカルバモイル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例25);
1-ヒドロキシ-6-[N-メチル-N-フェニルスルファモイル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例26);
6-(N,N-ジメチルカルバモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例27);
6-(N,N-ジメチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例28);
6-カルバモイル-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例29);
1-ヒドロキシ-5-フェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例30);
1-ヒドロキシ-6-(4-メトキシフェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例31);
1-ヒドロキシ-6-フェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例32);
1-ヒドロキシ-1H-インドール-2,5-ジカルボン酸 (実施例33);
6-フルオロ-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例34);
5-シアノ-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例35);
6-シアノ-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例36);
4-フルオロ-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例37);
1-ヒドロキシ-4-トリフルオロメチル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例38);
5-フルオロ-1-ヒドロキシ-6-フェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例39);
1-ヒドロキシ-4-フェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例40);
4-(4-ブチル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例41);
1-ヒドロキシ-6-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例42);
1-ヒドロキシ-5-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例43);
5-(シクロプロピルスルホニルカルバモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例44);
6-(シクロプロピルスルホニルカルバモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例45);
1-ヒドロキシ-6-(2H-テトラゾール-5-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例46);
5-[4-(2-カルボキシエチル)フェニル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例47);
4-[4-(3-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例48);
6-[4-(2-カルボキシエチル)フェニル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例49);
6-[4-(4-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例50);
5-(4-クロロフェノキシ)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例51);
5-(4-ブチル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例52);
1-ヒドロキシ-6-[4-(ピリジン-2-イル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例53);
6-[4-(カルボキシカルボニルカルバモイル)フェニル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例54);
1-ヒドロキシ-6-(5-オキソ-4,5-ジヒドロ-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例55);
5-(3-カルボキシフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例56);
1-ヒドロキシ-5,6-ジフェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例57);
1-ヒドロキシ-6-(N-メチル-N-p-トリルスルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例58);
1-ヒドロキシ-6-(N-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例59);
6-(N-(4-フルオロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例60);
6-(N-(4-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例61);
5-(4-(3-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例62);
1-ヒドロキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例63);
6-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例64);
5-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例65);
1-ヒドロキシ-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例66);
6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例67);
1-ヒドロキシ-5-(4-メトキシフェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例68);
6-(N-(2-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例69);
6-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例70);
5-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例71);
6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例72);
1-ヒドロキシ-6,7-ジフェニル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例73)
6-(N-ブチル-N-フェニルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例74);
6-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例75);
6-(フラン-3-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例76);
1-ヒドロキシ-6-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例77);
6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例78);
6-(ビフェニル-4-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例79);
1-ヒドロキシ-3-メチル-6-フェニル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例80);
1-ヒドロキシ-6-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例81);
1-ヒドロキシ-6-(4-(N-メチル-N-フェニルスルファモイル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例82);
6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-3-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例83);
1-ヒドロキシ-6-(ナフタレン-1-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例84);
1-ヒドロキシ-6-(ナフタレン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例85);
6-(2,4-ジクロロフェニル)-1-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例86);
6-(N-(3-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例87);
1-ヒドロキシ-5-(N-メチル-N-フェニルスルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例88);
1-ヒドロキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-カルボン酸 (実施例89);
2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-3H-ベンゾ[d]イミダゾール 1-オキシド (実施例90);
2-カルボキシ-5-クロロ-3-ヒドロキシ-3H-ベンゾ[d]イミダゾール 1-オキシド (実施例91);
2-カルボキシ-3-ヒドロキシ-5-フェニル-3H-ベンゾ[d]イミダゾール 1-オキシド (実施例92);
2-(2-(ベンゾイルイミノ)-3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロチアゾール-4-イル)酢酸 (実施例93);
2-(2-(アセチルイミノ)-3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロチアゾール-4-イル)酢酸 (実施例94);
4-(4-(カルボキシメチル)-3-ヒドロキシチアゾール-2(3H)-イリデンカルバモイル)安息香酸 (実施例95);
3-(4-(カルボキシメチル)-3-ヒドロキシチアゾール-2(3H)-イリデンカルバモイル)安息香酸 (実施例96);
【0112】
化合物の合成
上記実施例1〜96は、その各々が本発明の一実施形態を構成し、以下に報告する手順にしたがって調製することができ、これは有機化学の技術分野の技術者であればいかなる創意のある技術も行わずに同じ化合物を得るために改変することができる。
【0113】
以下に報告する温度は常にセ氏温度として表すものである。
【0114】
以下の記載において利用する以下の略語、試薬、表現、または機器は、以下の通り表される:20〜25℃(室温、RT)、モル当量(eq.)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、1,2-ジメトキシエタン(DME)、ジクロロメタン(DCM)、クロロホルム(CHCl3)、酢酸エチル(EtOAc)、テトラヒドロフラン(THF)、メタノール(MeOH)、ジエチルエーテル(Et2O)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水素化ナトリウム(NaH)、シュウ酸ジメチル(「(COOMe)2」)、塩化第一スズ二水和物(SnCl2・2H2O)、次亜リン酸ナトリウム一水和物(H2PO2Na・H2O)、10%パラジウム炭素(Pd-C)、水酸化リチウム(LiOH)、塩酸(HCl)、酢酸(AcOH)、ジエチルアミン(Et2NH)、トリエチルアミン(Et3N)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、規定濃度(N)、ミリモル(mmol)、水溶液(aq.)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、核磁気共鳴(NMR)、電子衝撃質量分析法(EI/MS)。
【0115】
実施例1〜88をスキーム1の一般経路に示す通り、また以下に記載する方法において報告する通りに調製した。
【0116】
【化11】

【0117】
式中、
a:SnCI2・2H2O、分子ふるい4Å、DME、RT、
b:Η2ΡO2Νa・Η2O、Pd-C、H2O/THF (1:1)、RT
【0118】
ステップ1
-15℃に冷却した水酸化ナトリウム(6mmol)の無水DMF5mL中懸濁液を、無水DMF4mL中好適なオルト-アルキル-ニトロアリール前駆物質(1.5mmol)およびシュウ酸ジメチル(7.5mmol)を含む溶液と窒素下で滴状処理する。混合物を10分間、同じ温度で撹拌し、次いで室温に徐々に温める。基質に応じたある時間の後、鮮紅色から青紫色に変わる濃い色の発色を観察することができる。次いで、混合物を2〜18時間、室温で撹拌する。前駆物質の消失をTLCによって確認したら、反応混合物を氷水混合液中に徐々に注ぎ、水相を1N HClで酸性化し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、6%NaHCO3水溶液、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると粗製生成物が得られ、これを、溶出液としてn-ヘキサン/EtOAc混合液を用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製するとニトロアリール-ケトエステル誘導体が得られ、これを次のステップにおいて利用する。
【0119】
ステップ2.条件a
SnCl2・2H2Oを利用するニトロアリール-ケトエステル中間物質の還元的環化を記載する古典的方法(Dong W、Jimenez LS、J. Org. Chem.、1999年、64巻、2520〜2523頁)を、いくつかの報告されている実施例1〜88の調製に続けた。簡潔に述べると、ステップ1に由来するニトロアリール-ケトエステル前駆物質の無水DMF中溶液を室温で、乾燥機中130℃で18時間予め活性化し、デシケーター中無水塩化カルシウムまたは無水リン酸のいずれか上でRTに冷却した4Å分子ふるいの存在下、SnCl2・2H2O 2.2eq.で処理した。得られた懸濁液を2〜24時間、暗所で撹拌を続けた。前駆物質の消失をTLCによって確認したら、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると粗製生成物が得られ、これを、溶出液としてn-ヘキサン/EtOAc混合液を用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製するとN-ヒドロキシインドール-エステル誘導体が得られ、これを次のステップにおいて利用する。
【0120】
ステップ2-条件b
いくつかの実施例において上記に報告した条件(条件a)では、ニトロ基(NH-インドール-エステル誘導体)の過剰還元による大量の(90%を超える)副生物がもたらされ、このためこのステップの収率は下がり、所望のN-OH-インドール生成物から分離するのが非常に困難であることが多かった。したがって、本発明者らは、この副反応の出現を劇的に下げるために、別の合成方法を探した。そこで、本発明者らは、以前に用いた還元剤(SnCl2・2H2O)を、H2PO2Na・H2OおよびPd-Cの組合せで置き換えた。この還元系は過去において、ニトロ基のヒドロキシルアミンへの選択的還元に利用されてすでに成功したが(Entwistle IDら、Tetrahedron、1978年、34巻、213〜215頁)、本発明者らのもののようなN-ヒドロキシインドール系の調製に用いられなかった。詳しく述べると、H2PO2Na・H2O 1.1mmolを含む水溶液(0.6mL)をRTで、THF中ニトロアリール-ケトン前駆物質(0.35mmol)を含む別の溶液で処理し、Pd-C 3.5mgを得られた混合物に加え、混合物を12〜20時間同じ温度で撹拌する。前駆物質の消失をTLCによって確認したら、反応混合物を水で希釈し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると粗製生成物が得られ、これを、溶出液としてn-ヘキサン/EtOAc混合液を用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製するとN-ヒドロキシインドール-エステル誘導体が得られ、これを次のステップにおいて利用する。
【0121】
以下に、条件aと比べた場合、条件bが、過剰還元された副生物の量を減らすのに効果的であることが証明された3つの場合を報告する(図1)。
【0122】
【化12】

【0123】
ステップ3.
N-ヒドロキシインドール-エステル中間物質(0.25mmol)の、MeOHおよびTHFの1:1混合液2.5mL中溶液をRTで、LiOHの2N水溶液0.8mLで処理する。反応混合物を12〜24時間、同じ温度の暗所で撹拌を続ける。前駆物質の消失をTLCによって確認したら、反応混合物を水で希釈し、HClの1N水溶液で酸性化し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると最終生成物のN-ヒドロキシインドール-カルボン酸が得られる(実施例1〜88)。
【0124】
実施例89は、本発明において請求するものと全く異なる目的で以前に報告されている(Seng F、Ley K.、Synthesis、1975年、11巻、703頁)。本発明者らは現在、実施例89の他の類似物質に対して以前に報告された手順(スキーム2)にしたがってこれを合成している(McFarlane MD、Moody DJ、Smith DM.、J. Chem. Soc. Perkin Trans.、1巻、1988年、691〜696頁)。
【0125】
【化13】

【0126】
ステップ1.
メタノール(8mL)中グリシンメチル塩酸塩(methyl glycinate hydrochloride)(7.1mmol)、1-フルオロ-2-ニトロベンゼン(7.1mmol)、および炭酸水素ナトリウム(14.2mmol)を含む溶液を24時間加熱還流する。メタノールを真空下で蒸発させると粗製生成物が得られ、これをH2OおよびEtOAcで処理する。有機相を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると粗製生成物が得られ、これを、溶出液として9:1 n-ヘキサン/EtOAc混合液を用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製するとN-アリールグリシンの誘導体が得られ、次いでこれを次のステップにおいて利用する。
【0127】
ステップ2.
新たに調製したナトリウムメトキシド(0.90mmol)のMeOH(5mL)中溶液を、先のステップにおいて調製したN-アリールグリシンの誘導体(0.33mmol)で処理する。得られた混合物を5時間、RTで撹拌する。グリシン前駆物質の消失をTLCによって確認したら、反応混合物を水で希釈し、AcOHで酸性化する。得られた懸濁液をEt2Oで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると粗製生成物が得られ、これを、溶出液として3:7 n-ヘキサン/EtOAc混合液を用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製するとN-ヒドロキシベンズイミダゾール-エステル誘導体が得られ、これを次のステップにおいて利用する。
【0128】
ステップ3.
MeOHおよびTHFの1:1混合液4mL中にN-ヒドロキシベンズイミダゾール-エステル誘導体(0.41mmol)を含む溶液をRTでLiOHの2N水溶液1.2で処理する。反応混合物を2時間、同じ温度の暗所で撹拌する。前駆物質の消失をTLCによって確認したら、殆んどの有機溶媒を真空下で蒸発させ、反応混合物を水で希釈し、HClの1N水溶液で酸性化し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると最終生成物のN-ヒドロキシベンズイミダゾール-カルボン酸が得られる(実施例89)。
【0129】
本発明において請求するものと全く異なる目的で以前に報告された実施例90は、当技術分野において記載されている通りに合成され(Claypool DP、Sidani AR、Flanagan KJ.、J. Org. Chem.、1972年、37巻、2372〜2376頁)、類似体である実施例91および92は新しい分子であるが、同様の化合物に対して以前に開発された手順にしたがってその代わりに合成されたものであり(El-Haj、MJA. J. Org. Chem.、1972、37巻、2519〜2520頁)、この合成をスキーム3に示す。
【0130】
【化14】

【0131】
ステップ1.
適当に置換されているベンゾフラザン-オキシド前駆物質(2.1mmol)およびニトロ酢酸メチル(2.5mmol)をTHF(2mL)中に含む溶液をRTで、Et2NH(2.5mmol)で徐々に処理した。添加が完了した後、得られた混合物を24時間撹拌した。次いで、反応混合物を水で希釈し、HClの1N水溶液で酸性化し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると粗製生成物が得られ、これを、溶出液としてn-ヘキサン/EtOAc混合液を用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製するとN-ヒドロキシインドール-N-オキシド-エステル誘導体が得られ、これを次のステップにおいて利用する。
【0132】
ステップ2.
N-ヒドロキシインドール-N-オキシド-エステル中間物質(0.40mmol)のMeOHおよびTHFの1:1混合物3mL中溶液をRTでLiOHの2N水溶液1.2で処理する。反応混合物を2時間、同じ温度の暗所で撹拌する。前駆物質の消失をTLCによって確認したら、殆んどの有機溶媒を真空下で蒸発させ、反応混合物を水で希釈し、HClの1N水溶液で酸性化し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させると最終生成物のN-ヒドロキシベンズイミダゾール-N-オキシド-カルボン酸が得られる(実施例91〜92)。
【0133】
実施例93〜96は全て新規な化合物によって構成され、これらの合成をスキーム4に示す。
【0134】
【化15】

【0135】
ステップ1.
0℃に冷却した市販のエチル2-(2-アミノチアゾール-4-イル)アセテート(5.4mmol)のDCM溶液を、好適な塩化アシル(11mmol)およびトリエチルアミン(6.4mmol)で処理する。次いで、反応混合物をRTに温め、16〜18時間撹拌を続ける。アミン前駆物質の消失をTLCによって確認したら、混合物をH2OおよびNaHCO3の飽和水溶液で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮する。得られた粗製生成物を、溶出液としてn-ヘキサン/EtOAc混合液を用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製するとN-アシル化誘導体が得られ、これを次のステップにおいて利用する。
【0136】
ステップ2.
N-アシル化したチアゾール誘導体(2.2mmol)をH2OおよびMeOHの1:1混合液40mL中に溶解し、得られた溶液を0℃に冷却し、登録名称で市販されている酸化試薬であるOxone(登録商標)(4.6mmol)で処理する。反応混合物を24時間、RTの暗所で撹拌し、その後、殆んどのTHFを真空下の蒸発によって除去する。得られた粗製の残渣をH2Oで希釈し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮する。得られた粗製生成物を、溶出液としてCHCl3/MeOH混合液を用いてシリカゲル上カラムクロマトグラフィーによって精製するとN-ヒドロキシ化エステル誘導体が得られ、これを次のステップにおいて利用する。
【0137】
ステップ3.
N-ヒドロキシチアゾール-エステル中間物質(0.52mmol)のMeOHおよびTHFの1:1混合液5mL中溶液をRTで、LiOHの2N水溶液1.6で処理する。反応混合物を16〜24時間、同じ温度の暗所で撹拌する。エステル前駆物質の消失をTLCによって確認したら、殆んどの有機溶媒を真空下で蒸発させ、反応混合物を水で希釈し、HClの1N水溶液で酸性化し、EtOAcで数回抽出する。有機相を合わせ、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。有機溶媒を真空下で蒸発させ、最終生成物のN-ヒドロキシチアゾール-カルボン酸が得られる(実施例93〜96)。
【0138】
キャラクタリゼーションデータ
以下に実施例1〜96において示した化合物のキャラクタリゼーションデータを報告する。
NMRスペクトルは、Varian Gemini 200MHz分光計で得たものである。化学シフト(δ)は、テトラメチルシランからの百万分率の低磁場において報告され、溶媒基準から照会したものである。電子衝撃(EI、70eV)質量スペクトルは、Thermo Quest Finnigan(TRACE GCQプラスMARCA)質量分光計上で得た。純度は、クロマトグラフィー125 Solvent Moduleおよび166UV DetectorからなるBeckmann SystemGold機器を用いて、Waters SunFire RP 18(3.0×150mm、5μm)カラム(Waters、Milford、MA、www.waters.com)上HPLCによってルーチン法で測定した。移動相:Millipore純水(A)およびHPLCグレードアセトニトリル(B)中10mM酢酸アンモニウム。勾配は10分間B5%から80%まで形成され、10分間80%で維持する;流速は0.7mL/分、注入体積は30μLであった;いくつかの実施例において、保持時間(HPLC、tR)を分で示す。
実施例1。1H NMR (DMSO-d6, 200MHz): δ7.00 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.08 (ddd, 1H, J = 8.1, 6.8, 1.1Hz)、7.31 (ddd, 1H, J = 8.4, 6.8, 1.1Hz)、7.43 (dq, 1H, J = 8.4, 1.1Hz)、7.63 (dt, 1H, J = 8.1, 1.0Hz)、11.73 (bs, 1H)。13C NMR (DMSO-d6) δ106.17、110.38、121.52、122.96、123.14、126.03、126.38、136.92、162.25。MS m/z 177 (M+, 100%)、161 159 (M+ -O, 28%)、159 (M+ -H2O, 13%)、133 (M+ -CO2, 5%)、115 (M+ -H2O -CO2, 44%)。HPLC, tR 7.1分。
実施例2。1H NMR (DMSO-d6) 200MHz): δ6.88 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.23 (t, 1H, J = 7.8Hz)、7.35 (dd, 1H, J = 7.4, 1.0Hz)、7.48 (dt, 1H, J = 8.1, 1.0Hz)。13C NMR (アセトン-d6) δ105.06、110.13、116.53、122.72、124.29、126.82、127.38、136.87、161.61。MS m/z 257 (81Br: M+, 91%)、255 (79Br: M+, 100%)、241 (81Br: M+ -O, 5%)、239 (79Br: M+ -O, 8%)、114 (M+ -H2O -CO2 -Br, 66%)。HPLC, tR 8.5分。
実施例3。1H NMR (DMSO-d6, 200MHz): δ6.97 (s, 1H)、7.19 (dd, 1H, J = 7.3, 0.9Hz)、7.31 (t, 1H, J = 7.8Hz)、7.44 (d, 1H, J = 8.2Hz)。13C NMR (アセトン-d6) δ103.64、109.57、121.14、123.80、126.67、127.22、127.82、137.29、161.65。MS m/z 211 (M+, 100%)、195 (M+ -O, 10%)、149 (M+ -H2O -CO2, 13%)、114 (M+ -H2O -CO2 -Cl, 34%)。HPLC, tR 7.9分。
実施例4。1H NMR (DMSO-d6, 200MHz): δ7.03 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.22 (dd, 1H, J = 8.0, 1.7Hz)、7.59〜7.63 (m, 2H)。13C NMR (アセトン-d6) δ106.35、113.07、119.37、121.32、124.83、124.92、127.42、137.38、161.67。MS m/z 257 (81Br: M+, 93%)、255 (79Br: M+, 100%)、241 (81Br: M+ -O, 4%)、239 (79Br: M+ -O, 7%)、114 (M+ -H2O -CO2 -Br, 39%)。HPLC, tR 8.3分。
実施例5。1H NMR (DMSO-d6) δ2.48 (s, 3H)、6.88 (d, 1H, J = 6.4Hz)、7.02 (s, 1H)、7.15〜7.27 (m, 2H)、11.37 (bs, 1H)。13C NMR (CD3OD) δ18.14、105.06、108.14、121.51、122.83、126.37、126.55、132.72、137.66、163.86。MS m/z 191 (M+, 100%)、175 (M+ -O, 6%)、146 (M+ -CO2 -H, 5%)、129 (M+ -H2O -CO2, 19%)。HPLC, tR 7.9分。
実施例6。1H NMR (DMSO-d6): δ7.06 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.46 (dd, 1H, J = 8.4, 1.0Hz)、7.62 (t, 1H, J = 7.7Hz)、7.76 (d, 1H, J = 8.1Hz)、7.92〜8.02 (m, 3H)、8.24 (t, 1H, J = 3.0Hz)。
実施例7。1H NMR (DMSO-d6): δ3.26 (s, 3H)、7.06 (s, 1H)、7.50 (dd, 1H, J = 8.2, 1.4Hz)、7.76〜7.80 (m, 2H)、8.01 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ43.65、104.40、107.95、119.89、121.15、122.95、127.65 (2C)、127.78 (2C)、131.42、134.89、136.17、139.21、145.49、161.06。
実施例8。1H NMR (DMSO-d6, 200MHz): δ7.11 (d, 1H, J = 0.5Hz)、7.23 (bs, 1H)、7.45 (d, 1H, J = 8.6Hz)、7.84 (dd, 1H, J = 8.8, 1.5Hz)、7.93 (bs, 1H)、8.24 (s, 1H)。
実施例9。1H NMR (DMSO-d6): δ6.98 (s, 1H)、7.18 (td, 1H, J = 9.2, 2.4)、7.39〜7.48 (m, 2H)。EI/MS (70 eV) m/z 195 (M+, 100%)、133 (M+ -CO2 -H2O, 28%)。
実施例10。1H NMR (DMSO-d6): δ2.48 (s, 3H)、7.01 (td, 1H, J = 7.3, 1.5Hz)、7.30 (td, 1H, J = 7.4, 1.1Hz)、7.35〜7.40 (m, 1H)、7.64 (d, 1H, J = 7.9Hz)、11.03 (bs, 1H)。
実施例11。1H NMR (DMSO-d6): δ1.17 (t, 3H, J = 7.3Hz)、2.99 (q, 2H, J = 7.4Hz)、7.07 (td, 1H, J = 7.3, 0.9Hz)、7.26〜7.40 (m, 2H)、7.66 (d, 1H, J = 7.9Hz)、12.00 (bs, 1H)。
実施例12。1H NMR (DMSO-d6): δ7.14 (s, 1H)、7.65 (d, 1H, J = 9.0Hz)、7.87 (dd, 1H, J = 9.0, 2.2Hz)、8.23 (d, 1H, J = 2.0Hz)、9.32 (s, 1H)、12.13 (bs, 1H)。
実施例13。1H NMR (DMSO-d6): δ7.13 (s, 1H)、7.71 (dd, 1H, J = 8.6, 1.8Hz)、7.87 (d, 1H, J = 8.6Hz)、8.04 (d, 1H, J = 1.4Hz)、9.48 (s, 1H)。
実施例14。1H NMR (DMSO-d6): δ2.69 (t, 2H, J = 7.4Hz)、2.95 (t, 2H, J = 7.3Hz)、7.10 (s, 1H)、7.64 (dd, 1H, J = 8.5, 1.9Hz)、7.52 (d, 1H, J = 9.0Hz)、7.9 (d, 1H, J = 2.3Hz)、8.70 (s, 1H)、12.10 (bs, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ20.98、33.17、98.22、101.03、115.86、115.96 (2C)、120.95、124.24、134.26、135.84、149.81、161.08、173.93。
実施例15。1H NMR (DMSO-d6): δ2.13 (t, 2H, J = 7.4Hz)、2.85 (t, 4H, J = 7.1Hz)、7.11 (s, 2H)、7.67 (dd, 2H, J = 8.8, 1.6Hz)、7.84 (d, 2H, J = 8.6Hz)、7.93 (d, 2H)、8.77 (s, 2H)。13C NMR (DMSO-d6): δ24.64 (2C)、28.45 (1C)、100.52 (2C)、104.87 (2C)、113.17 (2C)、120.49 (4C)、123.68 (2C)、128.39 (2C)、134.00 (2C)、135.53 (2C)、147.64 (2C)、160.80 (2C)。MS m/z 546 (M +NH4+, 5%)、256 ((M +NH4+)/2 -OH, 40%)、256 ((M +NH4+)/2 -2OH, 100%)。
実施例16。1H NMR (DMSO-d6): δ1.84〜1.99 (m, 2H)、2.30〜2.38 (m, 2H)、2.70〜2.78 (m, 2H)、7.10 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.67 (dd, 1H, J = 8.6, 1.8Hz)、7.83 (d, 1H, J = 8.6Hz)、7.91〜7.93 (m, 1H)、8.74 (s, 1H)、12.12 (bs, 1H)。
実施例17。1H NMR (アセトン-d6): δ7.04 (s, 1H)、7.49 (dd, 1H, J = 8.4, 1.4Hz)、7.76 (d, 1H, J = 8.6Hz)、7.83 (d, 1H, J = 1.2Hz)、7.88〜7.92 (m, 2H)、8.13〜8.17 (m, 2H)。
実施例18。1H NMR (アセトン-d6): δ1.34〜1.38 (m, 2H)、2.41〜2.48 (m, 2H)、2.82〜2.89 (m, 2H)、7.20 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.70 (dd, 1H, J = 8.6, 2.0Hz)、7.87 (d, 1H, J = 8.6Hz)、8.02〜8.03 (m, 1H)、8.48 (s, 1H)、11.24 (bs, 1H)。
実施例19。1H NMR (DMSO-d6, 200MHz): δ1.91 (s, 3H)、6.94 (s, 1H)、7.10〜7.27 (m, 6H)、7.60〜7.64 (m, 2H)、11.85 (bs, 1H)。
実施例20。1H NMR (アセトン-d6): δ7.20 (qd, 1H, J = 1.8, 0.7Hz)、7.43〜7.58 (m, 3H)、7.80〜7.85 (m, 3H)、8.04〜8.06 (m, 1H)。13C NMR (アセトン-d6): δ103.43、112.32、117.22、119.01 (q, J = 4.8Hz)、123.81 (q, J = 33.0Hz)、125.47 (q, J = 262.8Hz)、128.07 (2C)、128.71、129.89 (2C)、133.64、137.54、138.52、140.71、161.45。MS m/z 321 (M+, 100%)、305 (M+ -O, 10%)、259 (M+ -H2O -CO2, 41%)、190 (M+ -H2O -CO2 -CF3, 38%)。HPLC, tR = 10.5分。
実施例21。1H NMR (DMSO-d6): δ3.53〜3.59 (m, 8H)、7.08 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.35 (dd, 1H, J = 8.6, 1.5Hz)、7.47 (d, 1H, J = 8.6Hz)、7.74 (d, 1H, J = 1.6Hz)。
実施例22。1H NMR (DMSO-d6): δ2.90 (t, 2H, J = 7.0Hz)、3.74 (t, 2H, J = 6.9Hz)、7.32 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.46〜7.52 (m, 2H)、7.56〜7.60 (m, 1H)、8.60 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ29.18、60.22、103.39、110.13、112.54、113.34、121.95、124.88、127.70、129.94、137.04、145.05、160.70。MS m/z 287 (M+ -H)。
実施例23。1H NMR (DMSO-d6): δ7.16 (s, 1H)、7.34〜7.54 (m, 3H)、7.67 (d, 1H, J = 8.8Hz)、7.88 (dd, 1H, J = 8.8, 2.0Hz)、7.95〜7.99 (m, 2H)、8.20 (d, 1H, J = 1.8Hz)、9.29 (s, 1H)。MS m/z 321 (M+H+, 10%)、287 (M+ -O -OH, 100%)。
実施例24。1H NMR (DMSO-d6): δ7.35〜7.44 (m, 2H)、7.48〜7.56 (m, 3H)、7.59〜7.65 (m, 2H)、8.00〜8.05 (m, 2H)、9.35 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ103.25、110.51、112.86、113.41、120.82、124.84、125.44 (2C)、127.88、128.21、128.92 (2C)、129.78、130.20、136.99、146.77、160.77。MS m/z 321 (M+H+)。
実施例25。1H NMR (DMSO-d6): δ3.40 (s, 3H)、6.91 (d, 1H, J = 0.7Hz)、6.94 (dd, 1H, J = 8.2, 1.5Hz)、7.12〜7.28 (m, 5H)、7.36〜7.37 (m, 1H)、7.42 (d, 1H, J = 8.4Hz)。
実施例26。1H NMR (DMSO-d6): δ3.15 (s, 3H); 7.08〜7.15 (m, 4H); 7.27〜7.34 (m, 3H); 7.56〜7.57 (m, 1H)、7.79 (d, 1H, J = 8.2Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ30.69、104.21、109.97、118.31、122.89、123.53、126.12 (2C)、127.08、128.78 (2C)、130.01、131.67、133.87、141.14、160.62。MS m/z 346 (M+, 17%)、330 (M+ -O, 14%)、240 (M+ -PhNMe, 10%)、224 (M+ -O -PhNMe, 18%)、177 (M+ -PhNMe -SO2 +H, 51%)、106 (PhNMe +, 100%)。
実施例27。1H NMR (DMSO-d6): δ2.97 (s, 6H)、7.04〜7.13 (m, 2H)、7.43 -7.44 (m, 1H)、7.68 (d, 1H, J = 8.2Hz)、11.94 (s, 1H)。
実施例28。1H NMR (DMSO-d6): δ2.62 (s, 6H)、7.15 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.41 (dd, 1H, J = 8.4, 1.6Hz)、7.77 (d, 1H, J = 1.1Hz)、7.89 (d, 1H, J = 8.6Hz)。MS m/z 284 (M+, 34%)、282 (M+ -H2, 100%)。
実施例29。1H NMR (DMSO-d6): δ7.02 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.32 (bs, 2H)、7.61 (dd, 1H, J = 8.6, 1.5Hz)、7.67 (d, 1H, J = 8.4Hz)、7.99 (s, 1H)。
実施例30。1H NMR (DMSO-d6): δ7.04 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.32〜7.36 (m, 1H)、7.42〜7.53 (m, 2H)、7.60〜7.60 (m, 4H)、7.90 (t, 1H, J = 0.9Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ104.51、110.10、119.85、119.93、121.46、124.10、126.66 (2C)、127.34、128.85 (2C)、132.67、135.00、140.94、161.39。MS m/z 253 (M+, 100%)、237 (M+ -O, 40%)、190 (M+ -H2O -CO2 -H, 62%)、165 (M+ -H2O -CO2 -C2H2, 12%)。HPLC, tR 9.4分。
実施例31。1H NMR (DMSO-d6): δ3.81 (s, 3H)、7.02〜7.06 (m, 3H)、7.38 (dd, 1H, J = 8.3, 1.6Hz)、7.57 (d, 1H, J = 1.4Hz)、7.64〜7.70 (m, 3H)。13C NMR (DMSO-d6): δ55.18、104.61、106.34、114.36、119.71、119.91、122.53、127.03、127.88、132.93、136.73、141.67、158.71、161.03。MS m/z 283 (M+, 21%)、267 (M+ -0, 100%)。
実施例32。1H NMR (DMSO-d6): δ7.03 (s, 1H)、7.36〜7.52 (m, 4H)、7.62〜7.64 (m, 1H)、7.70〜7.75 (m, 3H)。13C NMR (アセトン-d6): δ106.08、108.19、121.37、121.83、123.63、127.05、127.96 (2C)、128.06、129.68 (2C)、137.49、139.25、142.18、162.05。MS m/z 253 (M+, 100%)、191 (M+ -H2O -CO2, 65%)、190 (M+ -H2O -CO2 -H, 86%)、165 (M+ -H2O -CO2 -C2H2, 32%)。HPLC, tR 9.2分。
実施例33。1H NMR (アセトン-d6): δ7.29 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.61 (dt, 1H, J = 8.8, 0.7Hz)、8.03 (dd, 1H, J = 8.8, 1.5Hz)、8.47 (dd, 1H, J = 1.5, 0.7Hz)。MS m/z 221 (M+, 78%)、205 (M+ -O, 100%)、133 (M+ -2 CO2, 57%)。
実施例34。1H NMR (DMSO-d6): δ6.97 (ddd, 1H, J = 9.7, 8.8, 2.4Hz)、7.04 (d, 1H, J = 0.7)、7.18 (ddd, 1H, J = 9.9, 1.8, 0.9Hz)、7.67 (ddd, 1H, J = 8.6, 5.3, 0.4Hz)。MS m/z 195 (M+, 100%)、177 (M+ -H2O, 43%)、133 (M+ -CO2 -H2O, 72%)。
実施例35。1H NMR (DMSO-d6): δ7.15 (s, 1H)、7.57〜7.61 (m, 2H)、8.24 (s, 1H)。
実施例36。1H NMR (DMSO-d6): δ7.12 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.41 (dd, 1H, J = 8.2, 1.5Hz)、7.83 (dd, 1H, J = 8.2, 0.7Hz)、7.97 (dt, 1H, J = 1.5, 0.7Hz)。
実施例37。1H NMR (DMSO-d6): δ6.88 (ddd, 1H, J = 10.6, 5.1, 3.3Hz)、7.01 (s, 1H)、7.26〜7.31 (m, 2H)。MS m/z 195 (M+, 100%)、133 (M+ -OH -COOH, 21%)。
実施例38。1H NMR (DMSO-d6): δ6.99 (qd, 1H, J = 1.7, 0.8Hz)、7.43〜7.53 (m, 2H)、7.75〜7.80 (m, 1H)。13C NMR (アセトン-d6) δ103.60、114.89、117.91 (q, J = 3.0Hz)、119.40 (q, J = 5.2Hz)、123.27 (q, J = 34.8Hz)、125.16、125.51 (q, J = 260.9Hz)、128.31、136.96、161.39。MS m/z 245 (M+, 100%)、229 (M+ -O, 9%)、183 (M+ -H2O -CO2, 33%)。HPLC, tR 8.8分。
実施例39。1H NMR (DMSO-d6): δ7.01 (s, 1H)、7.41〜7.61 (m, 7H)。
実施例40。1H NMR (DMSO-d6): δ7.03 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.19 (dd, 1H, J = 6.6, 1.7Hz)、7.37〜7.57 (m, 5H)、7.64〜7.69 (m, 2H)。13C NMR (アセトン-d6): δ105.31、109.61、120.50、121.17、126.43、126.73、128.29、129.37 (2C)、129.55 (2C)、136.65、137.43、140.67、162.01。MS m/z 253 (M+, 100%)、237 (M+ -O, 8%)、191 (M+ -H2O -CO2, 25%)、190 (M+ -H2O -CO2 -H, 62%)、165 (M+ -H2O -CO2 -C2H2, 62%)。HPLC, tR 8.9分。
実施例41。1H NMR (DMSO-d6): δ0.93 (t, 3H, J = 7.2Hz)、1.39 (六重線, 2H, J = 7.3Hz)、1.69 (五重線, 2H, J = 7.5Hz)、2.75 (t, 2H, J = 7.6Hz)、7.32 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.42〜7.53 (m, 2H)、7.57 (ddd, 1H, J = 7.1, 2.2, 0.6Hz)、8.62 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ13.76、21.77、24.68、31.00、103.41、110.08、112.48、113.30、121.29、124.86、127.68、129.96、137.01、147.53、160.73。MS m/z 301 (M+H+)、285 (M+H+ -O)。
実施例42。1H NMR (DMSO-d6): δ2.87 (t, 2H, J = 6.4Hz)、3.72 (t, 2H, J = 6.9Hz)、7.11 (d, 1H, J = 0.8Hz)、7.65 (dd, 1H, J = 8.6, 2.0Hz)、7.83 (d, 1H, J = 8.8Hz)、7.89 (m, 1H)、8.69 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ29.27、60.20、100.48、104.87、110.77、113.15、120.49、120.89、123.70、128.85、135.53、145.53、160.80。MS m/z 288 (M+)。
実施例43。1H NMR (DMSO-d6): δ2.86 (t, 2H, J = 6.9Hz)、3.71 (t, 2H, J = 6.9Hz)、7.12 (s, 1H)、7.61 (d, 1H, J= 9.0Hz)、7.80 (dd, 1H, J = 9.0, 1.9Hz)、8.10 (d, 1H, J = 1.7Hz)、8.52 (s, 1H)。MS m/z 288 (M+ 47%)、272 (M+ -O, 50%)、226 (M+ -C2H5O, -OH 52%)、181 (M+ -OH, -COOH, -C2H5O, 100%)。
実施例44。1H NMR (CD3OD): δ1.12〜1.33 (m, 4H)、3.11〜3.24 (m, 1H)、7.23 (s, 1H)、7.58 (dd, 1H, J = 8.8, 0.7Hz)、7.87 (dd, 1H, J = 8.8, 1.2Hz)、8.28 (dd, 1H, J = 1.4, 0.7Hz)。13C NMR (CD3OD): δ6.38 (2C)、32.09、107.83、110.80 (2C)、122.12、125.38、125.60 (2C)、139.31、163.15、168.90。MS m/z 324 (M+ 5%)、322 (M+ -H2, 100%)、279 (M+ -COOH, 18%)。
実施例45。1H NMR (CD3OD): δ1.12〜1.19 (m, 2H); 1.29〜1.34 (m, 2H); 3.14〜3.25 (m, 1H); 7.12 (t, 1H, J = 0.7Hz); 7.62 (ddd, 1H, J = 8.4, 1.6, 0.7Hz); 7.74 (d, 1H, J = 8.4Hz); 8.13 (dd, 1H, J = 1.6, 0.8Hz)。13C NMR (CD3OD): δ6.36 (2C)、32.03、105.94、111.93 (2C)、120.80、123.51 (2C)、129.33、136.58、163.20、168.83。
実施例46。1H NMR (DMSO-d6): δ7.11 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.79 (dd, 1H, J = 7.8, 1.5Hz)、7.86 (d, 1H, J = 7.8Hz)、8.17〜8.19 (m, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ104.63、108.58、118.82、122.66、123.28、128.85、135.40、160.84。HPLC, tR 1.4分。
実施例47。1H NMR (アセトン-d6) δ(ppm): 2.67 (t, 2H, J = 7.8Hz)、2.97 (t, 2H, J = 7.6Hz)、7.17 (s, 1H)、7.36 (d, 2H, J = 8.0Hz)、7.58〜7.69 (m, 4H)、7.91〜7.92 (m, 1H)、10.85 (bs, 1H)。13C NMR (アセトン-d6): δ31.15、35.85、106.57、110.81、120.97、122.83、125.80、127.78 (2C)、129.64 (2C)、134.77、140.27、140.46、161.85、173.78。MS m/z 325 (M+, 12%); 255 (M+ -C3H2O2, 100%); 175 (M+ -C9H10O2, 18%); 149 (M+ -C9H6O3N, 31%)。
実施例48。1H NMR (DMSO-d6): δ7.41 (s, 1H)、7.48〜7.69 (m, 4H)、7.96 (dt, 1H, J = 8.0, 1.4Hz)、8.27 (dt, 1H, J = 7.6, 1.5Hz)、8.61 (t, 1H, J = 1.6Hz)、9.50 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ103.27、110.53、112.86、113.35、121.33、124.81、126.14、127.88、128.89、129.27、129.60、129.69、130.60、131.51、136.97、145.95、160.73、167.00。MS m/z 365 (M+H+)。
実施例49。1H NMR (アセトン-d6) δ(ppm): 2.68 (t, 2H, J = 7.2Hz)、2.99 (t, 2H, J = 7.5Hz)、7.13 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.39 (AA'/XX', 2H, JAX = 8.1Hz, JAA'/XX' = 2.0Hz)、7.45 (dd, 1H, J = 8.8, 1.5Hz)、7.68 (AA'/XX', 2H, JAX = 8.2Hz, JAA'/XX' = 1.9Hz)、7.71〜7.77 (m, 2H)。13C NMR (アセトン-d6): δ32.44、35.81、106.13、107.99、121.34、123.59、127.64、127.96 (2C)、129.75 (2C)、131.61、131.90、139.16、140.04、141.17、160.83、173.76。MS m/z 325 (M+, 14%); 255 (M+ -C3H2O2, 32%); 175 (M+ -C9H10O2,16%); 149 (M+ -C9H6O3N, 100%)。
実施例50。1H NMR (DMSO-d6): δ7.11 (s, 1H)、7.74 (dd, 1H, J = 8.6, 1.5Hz)、7.89 (d, 1H, J = 8.8Hz)、8.02〜8.10 (m, 5Η)、9.60 (s, 1H)。
実施例51。1H NMR (アセトン-d6) δ(ppm): 6.98 (AA'/XX', 2H, JAX = 9.1Hz, JAA'/XX' = 2.8Hz)、7.10 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.14 (dd, 1H, J = 9.0, 2.2Hz)、7.33 (d, 1H, J = 2.2Hz)、7.36 (AA'/XX', 2H, JAX = 9.0Hz, JAA'/XX' = 2.8Hz)、7.59 (dt, 1H, J = 9.0, 0.8Hz)。
実施例52。1H NMR (DMSO-d6): δ0.93 (t, 3H, J = 7.3Hz)、1.38 (六重線, 2H, J = 7.5Hz)、1.66 (五重線, 2H, J = 7.5Hz)、2.70 (t, 2H, J = 7.6Hz)、7.12 (s, 1H)、7.61 (d, 1H, J = 9.0Hz)、7.81 (dd, 1H, J = 9.1, 1.9Hz)、8.11 (d, 1H, J = 1.6Hz)、8.53 (s, 1H)。
実施例53。1H NMR (DMSO-d6): δ7.20 (d, 1H, J = 1.8Hz)、7.38〜7.43 (m, 1H)、7.71 (dd, 1H, J = 8.6, 2.0Hz)、7.88 (d, 1H, J = 8.8Hz)、7.96 (t, 1H, J = 8.1Hz)、8.02 (s, 1H)、8.11〜8.16 (m, 1H)、8.63〜8.69 (m, 1H)、9.31 (s, 1H)、12.17 (bs, 1H)。MS m/z 322 (M+H+ 100%)、295 (M+ -HCN, 60%)。
実施例54。1H NMR (CD3OD): δ7.10 (d, 1H, J = 0.6Hz)、7.44 (dd, 1H, J = 8.4, 1.6Hz)、7.71 (d, 1H, J = 8.4Hz)、7.76〜7.78 (m, 1H)、7.81 (AA'/XX', 2H, JAX = 8.4Hz, JAA'/XX' = 2.2Hz)、8.11 (AA'/XX', 2H, JAX = 8.6Hz, JAA'/XX' = 2.4Hz)。
実施例55。1H NMR (DMSO-d6): δ7.22 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.66 (dd, 1H, J = 8.4, 1.6Hz)、7.88 (d, 1H, J = 8.4Hz)、8.10 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ106.15、109.19、118.55、120.84、124.29、124.69、129.13、131.70、158.50、160.20、161.59。
実施例56。1H NMR (アセトン-d6) δ(ppm): 7.18 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.58 (td, 1H, J = 7.5, 0.4Hz)、7.62 (dt, 1H, J = 8.8, 0.7Hz)、7.71 (dd, 1H, J = 8.6, 1.6Hz)、7.91 (dd, 1H, J = 2.0, 1.3Hz)、7.94〜8.00 (m, 2H)、8.31 (t, 1H, J = 1.6Hz)。
実施例57。1H NMR (アセトン-d6): δ7.06〜7.28 (m, 11H)、7.54 (s, 1H)、7.70 (s, 1H)。13C NMR (アセトン-d6): δ106.28、111.80、121.88、124.85、126.80、127.18、127.51、128.49、128.56、130.73、130.84、135.32、136.47、139.65、142.93、143.02、162.01。
実施例58。1H NMR (CDCl3): δ2.31 (s, 3H)、3.21 (s, 3H)、7.02 (AA'XX', 2H, JAX = 8.6Hz, JAA'/XX' = 2.1Hz)、7.08〜7.18 (m, 2H)、7.23 (d, 1H, J = 1Hz)、7.24 (dd, 1H, J = 8.4Hz, 1.6Hz)、7.78 (dt, 1H, J = 1.8Hz, 0.8Hz)、7.83 (dd, 1H, 8.4Hz, 0.8Hz)。13C NMR (CDCl3): δ20.97、38.67、105.88、111.21、120.01、123.648、124.91、127.22、130.06、134.06、135.25、137.67、140.14、161.27。MS m/z 359 (M+ -H)。
実施例59。1H NMR (アセトン-d6): δ3.29 (s, 3H)、7.20 (dd, 1H, J = 8.4Hz, 1.8Hz)、7.21 (d, 1H, J = 1.8Hz)、7.40〜7.50 (m, 2H)、7.65〜7.74 (m, 2H)、7.78〜7.86 (m, 2H)。13C NMR (アセトン-d6): δ38.12、105.71、111.18、119.61、123.96、125.16、126.62 (q, 2C, J = 3.7Hz)、127.13 (2C)、127.75、128.66 (q, J = 33.0Hz)、130.20、132.38 (q, J = 269.8Hz)、133.39、146.30、161.38。MS m/z 415 (M+H+, 5%)、239 (CF3PhN(Me)SO2 +H+, 20%)、177 (M +H+ -CF3PhN(Me)SO2, 100%)。
実施例60。1H NMR (アセトン-d6): δ3.22 (s, 3H)、7.04〜7.19 (m, 4H)、7.22 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.23 (dd, 1H, J = 8.4, 1.6Hz)、7.73〜7.76 (m, 1H)、7.84 (dd, 1H, J = 8.6, 0.8Hz)。13C NMR (アセトン-d6): δ38.71、105.95、111.25、116.19 (d, 2C, J = 22.9Hz)、119.95、123.78、125.05、129.48 (d, 2C, J = 9.2Hz)、130.08、133.55、135.32、138.89 (d, J = 3.7Hz)、161.16、162.13 (d, J = 244.4Hz)。
実施例61。1H NMR (アセトン-d6): δ3.22 (s, 3H)、7.14〜7.25 (m, 4H)、7.36 (AA'XX', 2H, JAX = 9.0Hz, JAA'/XX' = 2.4Hz)、7.77 (t類似, 1H, J = 0.8Hz)、7.83 (dd, 1H, J = 8.4, 0.4Hz)。13C NMR (アセトン-d6): 38.69、105.99、111.49、120.08、124.09、125.16、129.09、129.82、132.55、133.17、133.66、135.41、141.86、161.56。MS m/z 403 (M+Na+, 9%)、370 (M+Na+ -O -OH, 100%)。
実施例62。1H NMR (DMSO-d6): δ7.13 (s, 1H)、7.64 (t, 1H, J = 7.7Hz)、7.67 (dd, 1H, J = 8.6, 1.8Hz)、7.87 (d, 1H, J = 2.0Hz)、7.94 (dt, 1H, J = 8.2, 1.4Hz)、8.18〜8.23 (m, 2H)、8.55 (t, 1H, J = 1.6Hz)、9.45 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): 104.83、110.73、113.59、117.82、120.22、120.60、125.84、128.58、129.07、129.21 (2C)、130.31、130.69、131.45、134.91、146.11、160.62、166.80。
実施例63。1H NMR (アセトン-d6): δ7.17 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.52 (dd, 1H, J = 8.4, 1.6Hz)、7.81 (dd, 1H, J = 8.4, 0.7Hz)、7.82〜7.90 (m, 3H)、7.96〜8.03 (m, 2H)。13C NMR (アセトン-d6): δ106.00、108.83、121.23、122.45、123.94、125.48 (q, J = 269.7Hz)、126.54 (q, 2C, J = 3.7Hz)、127.60、128.62 (2C)、129.35 (q, J = 34.8Hz)、137.36、137.38、146.10、161.99。MS m/z 321 (M+, 100%)、305 (M+-O, 18%)。
実施例64。1H NMR (アセトン-d6): δ7.15 (d, 1H, J = 0.6Hz)、7.18〜7.32 (m, 2H)、7.42 (dd, 1H, J = 8.6, 1.6Hz)、7.67〜7.86 (m, 4H)。13C NMR (アセトン-d6): δ106.19、108.17、116.32 (d, 2C, J = 21.0Hz)、121.26、121.77、123.68、127.13、129.79 (d, 2C, J = 8.2Hz)、137.50、138.14、138.52 (d, J = 3.7Hz)、161.90、163.15 (d, J = 244.5Hz)。MS m/z 271 (M+, 100%)、255 (M+ -O, 33%)、208 (M+ -CO2 -F, 55%)。
実施例65。1H NMR (アセトン-d6): δ7.17 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.18〜7.28 (m, 2H)、7.56〜7.63 (m, 4H)、7.91 (dd, 1H, J = 1.5, 0.9Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ101.65、109.80、115.48 (d, 2C, J = 21.1Hz)、119.71、121.26、122.95、127.41、128.39 (d, 2C, J = 7.3Hz)、130.96、133.06、137.65 (d, J = 2.7Hz)、161.21 (d, J = 242.6Hz)、162.50。MS m/z 271 (M+, 60%)、255 (M+ -O, 100%)、208 (M+ -CO2 -F, 88%)。
実施例66。1H NMR (DMSO-d6): δ7.10 (s, 1H)、7.56 (d, 1H, J = 8.6Hz)、7.70 (dd, 1H, J = 8.6, 1.6Hz)、7.80 (d, 2H, J = 8.4Hz)、7.92 (d, 2H, J = 8.2Hz)、8.02 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ105.11、110.31、120.67、121.42、124.10、124.41 (q, J = 271.0Hz)、125.61 (q, 2C, J = 3.6Hz)、126.93 (q, J = 30.7Hz)、127.25 (2C)、127.59、131.02、135.62、144.84、161.00。
実施例67。1H NMR (DMSO-d6): δ6.07 (s, 2H)、7.01 (d, 1H J = 8.1Hz)、7.02 (s, 1H)、7.19 (dd, 1H, J = 8.5, 1.3Hz)、7.29 (d, 1H, J = 1.5Hz)、7.36 (dd, 1H, J = 8.6, 1.5Hz)、7.55 (m, 1H)、7.67 (d, 1H, J = 8.8Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ101.14、104.65、106.78、107.29、108.69、119.98、120.11、120.46、122.53、127.16、134.97、136.50、136.86、146.69、147.95、161.13。
実施例68。1H NMR (DMSO-d6): δ3.79 (s, 3H)、6.96〜7.08 (m, 3H)、7.47 (d, 1H, J = 8.6Hz)、7.52〜7.66 (m, 3H)、7.83 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ55.16、104.90、110.06、114.28、119.20、121.53、124.10、127.19、127.70、132.58、133.31、135.11、158.27、161.20。MS m/z 284 (M+H+, 20%)、283 (M+, 100%)、267 (M+ -O, 99%)、252 (M+ -CH3O, 19%)。
実施例69。1H NMR (アセトン-d6): δ3.24 (s, 3H)、7.11〜7.16 (m, 1H)、7.26 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.31 (td, 1H, J = 7.4 1.8Hz)、7.39 (td, 1H, J = 7.3, 1.8Hz)、7.50 (dd, 1H, J = 8.4, 1.6Hz)、7.51〜7.55 (m, 1H)、7.91 (dd, 1H, J = 8.6, 0.7Hz)、7.95 (dt, 1H, J = 1.6, 0.8Hz)、10.80 (bs, 1H)。13C NMR (アセトン-d6): 38.78、105.99、111.16、119.95、124.05、125.01、128.56、130.55、131.33 (2C)、135.10、135.43、136.16、138.21、139.74、161.19。MS m/z 380 (M+, 20%)、268 (M+ -C6H5Cl)、240 (M+ -oClPhNMe)。HPLC, tR = 9.4分。
実施例70。1H NMR (DMSO-d6): δ7.04 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.41 (dd, 1H, J = 8.3, 1.0Hz)、7.49 (d, 1H, J = 8.4Hz)、7.57 (dd, 1H, J = 8.4, 1.1Hz)、7.66 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.72 (d, 1H, J = 8.4Hz)、7.82 (d, 1H, J = 1.6Hz)。13C NMR (DMSO-d6): 104.58、107.53、108.89、110.35、120.04、120.56、122.73、123.11、127.54、131.23 (t, J = 262Hz)、135.66、136.33、137.81、142.05、143.43、161.06。MS m/z 333 (M+, 26%)、317 (M+ -O, 12%)、289 (M+ -CO2, 5%)、271 (M+ -CO2 -H2O, 7%)、245 (M+ -CO2 -H2O -C2H2, 14%)、177 (M+ -C7H3F2O2 +H, 100%)。HPLC, tR = 10.5分。
実施例71。1H NMR (DMSO-d6): δ7.07 (s, 1H)、7.44〜7.56 (m, 3H)、7.63 (dd, 1H, J = 8.7, 1.6Hz)、7.71 (AA'/XX', 2H, JAX = 8.6Hz, JAA'/XX' = 1.5Hz)、7.93 (d, 1H, J = 0.8Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ105.11、110.24、120.07、121.44、124.08、127.43、128.38 (2C)、128.78 (2C)、131.42、135.46、139.70、161.10。MS m/z 289 (37Cl: M+ 40%)、287 (35Cl: M+, 100%)、271 (35Cl: M+ -O, 85%)。HPLC, tR = 9.9分。
実施例72。1H NMR (DMSO-d6): δ7.04 (d, 1H, J = 0.8Hz)、7.41 (dd, 1H, J = 8.4, 1.4Hz)、7.52 (AA'XX', 2H, JAX = 8.4Hz, JAA'/XX' = 2.0Hz)、7.65 (s, 1H)、7.68〜7.82 (m, 3H)。13C NMR (DMSO-d6): δ104.49、107.16、119.71、120.58、122.77、127.52、128.58 (2C)、128.85 (2C)、132.04、135.53、136.31、139.39、161.08。MS m/z 289 (37Cl: M+, 15%)、287 (35Cl: M+, 30%)、271 (35Cl: M+ -O, 55%)、190 (35Cl: M+ -Cl -H2O -CO2, 100%)。HPLC, tR = 10.2分。
実施例73。1H NMR (DMSO-d6): δ7.02〜7.22 (m, 11H)、7.41 (d, 1H, J = 0.8Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ101.08、116.65、119.73、120.40 (q, J = 4.0Hz)、123.92 (q, J = 32.3Hz)、124.09 (q, J = 269.3Hz)、126.48、126.70 (2C)、127.59 (2C)、128.67、129.36、129.87 (2C)、130.85 (2C)、133.20、135.62、137.12、140.06、160.60。HPLC, tR = 11.2分。
実施例74。1H NMR (アセトン-d6): δ0.86 (t, 3H, J = 7.0Hz)、1.35〜1.42 (m, 4H)、3.66 (t, 2H, J = 6.4Hz)、7.08〜7.13 (m, 2H)、7.22 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.28〜7.37 (m, 4H)、7.77 (s, 1H)、7.83 (d, H, J = 8.6Hz)。13C NMR (アセトン-d6): δ13.84、20.15、50.71、105.91、110.99、119.82、123.74、124.80、128.44、129.62、129.86、135.30、135.78、140.24、161.28。HPLC, tR = 10.1分。
実施例75。1H NMR (DMSO-d6): δ2.66 (s, 6H)、7.06 (d, 1H, J = 1.2Hz)、7.51 (dd, 1H, J = 8.6, 1.6Hz)、7.76〜7.85 (m, 4H)、8.02 (AA'XX', 2H, JAX = 8.8Hz, JAA'/XX' = 1.4Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ37.64 (2C)、104.40、107.87、119.84、121.11、122.95、127.58 (2C)、127.90、128.21 (2C)、133.09、134.88、136.21、144.87、161.04。HPLC, tR = 8.5分。
実施例76。1H NMR (アセトン-d6): δ7.01 (dd, 1H, J = 1.8, 0.9Hz)、7.10 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.42 (dd, 1H, J = 8.4, 1.5Hz)、7.65〜7.72 (m, 3H)、8.13 (dd, 1H, J = 1.5, 0.9Hz)。13C NMR (アセトン-d6): δ106.24、106.75、109.61、120.33、121.52、123.59、127.75、129.64、130.64、137.34、140.02、144.86、162.14。MS m/z 243 (M+, 56%)、227 (M+ -O, 100%)、180 (M+ -CO2 -H2O, 26%)。HPLC, tR = 8.6分。
実施例77。1H NMR (アセトン-d6): δ7.16 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.31〜7.38 (m, 1H)、7.49 (dd, 1H, J = 8.4, 1.6Hz)、7.63 (t, 1H, J = 7.9Hz)、7.68〜7.70 (m, 1H)、7.77〜7.83 (m, 3H)。13C NMR (アセトン-d6): δ105.95、108.72、120.34、120.55、121.23、121.62 (q, J = 253.4Hz)、122.41、123.94、126.94、127.53、131.48、137.31、137.49、144.81、150.62、162.27。MS m/z 337 (M+, 56%)、321 (M+ -O, 63%)、293 (M+ -CO2, 5%)、275 (M+ -CO2 -H2O, 8%)、249 (M+ -CO2 -H2O -C2H2, 13%)、190 (M+ -C6H4F3O +H, 100%)、177 (M+ -C7H4F3O +H, 20%)。HPLC, tR = 10.4分。
実施例78。1H NMR (DMSO-d6): δ7.00 (qd, 1H, J = 1.8, 0.7Hz)、7.55 (d, 2H, J = 8.4Hz)、7.76 (s, 1H)、7.84 (d, 2H, J = 8.6Hz)、7.98 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ101.19、111.55、115.81、115.83、117.43 (q, J = 5.5Hz)、121.93 (q, J = 33.0Hz)、124.38 (q, J = 271.9Hz)、128.87 (2C)、128.98 (2C)、132.73、134.82、136.11、137.92、160.68。HPLC, tR = 11.0分。
実施例79。1H NMR (アセトン-d6): δ7.16 (d, 1H, J = 0.7Hz)、7.34〜7.56 (m, 3H)、7.72〜7.90 (m, 9H)。13C NMR (アセトン-d6): δ106.10、108.23、121.37、122.12、123.78、126.29、127.65 (2C)、128.18、128.26 (2C)、128.51 (2C)、129.77 (2C)、137.54、138.85、140.84、141.33、141.44、162.40。HPLC, tR = 10.4分。
実施例80。1H NMR (アセトン-d6): δ2.67 (q, 3H, J = 1 .8Hz)、7.38〜7.58 (m, 3H)、7.78〜7.84 (m, 3H)、8.03 (dq, 1H, J = 1.5, 0.7Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ10.63 (q, J = 5.2Hz)、111 .43、111.63、116.18、117.76 (q, J = 4.6Hz)、121.60 (q, J = 32.0Hz)、124.37 (q, J = 269.9Hz)、126.96 (2C)、127.67、127.88、129.16 (2C)、135.50、136.50、139.08、162.02。MS m/z 335 (M+, 18%)、320 (M+ -CH3, 18%)、319 (M+ -O, 100%)、318 (M+ -OH, 6%)、291 (M+ -CO2, 5%)、275 (M+ -CO2 -H2O, 46%)。
実施例81。1H NMR (アセトン-d6): δ7.16 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.42〜7.50 (m, 3H)、7.75〜7.80 (m, 2H)、7.88 (AA'XX', 2H, JAX = 8.9Hz, JAA'/XX' = 2.6Hz)。13C NMR (アセトン-d6): δ106.02、108.48、121.23、121.43 (q, J = 256.5Hz)、122.06、122.23 (2C)、123.81、127.34、129.66 (2C)、137.36、137.60、141.42、149.21、161.98。
実施例82。1H NMR (アセトン-d6): δ3.25 (s, 3H)、7.16〜7.22 (m, 3H)、7.30〜7.39 (m, 3H)、7.52 (dd, 1H, J = 8.3, 1.6Hz)、7.64 (AA'XX', 2H, JAX = 8.4Hz, JAA'/XX' = 1.9Hz)、7.81 (d, 1H, J = 8.6Hz)、7.85〜7.87 (m, 1H)、7.95 (AA'XX', 2H, JAX = 8.4Hz, JAA'/XX' = 1.8Hz)。13C NMR (アセトンd6): δ38.67、106.02、109.04、121.28、122.72、124.01、127.42 (2C)、127.98、128.35 (2C)、129.26 (2C)、129.68 (2C)、136.67、137.23、137.25、142.89、146.68、162.21。
実施例83。1H NMR (アセトン-d6): δ2.67 (q, 3H, J = 1.6Hz)、7.55 (AA'XX', 2H, JAX = 8.6Hz, JAA'/XX' = 2.4Hz)、7.81 (s, 1H)、7.85 (AA'XX', 2H, JAX = 8.8Hz, JAA'/XX' = 2.2Hz)、8.04 (s, 1H)。13C NMR (アセトン-d6): δ11.24 (q, J = 5.5Hz)、112.62、114.86、117.81、119.04 (q, J = 6.4Hz)、123.63 (q, J = 33.6Hz)、125.35 (q, J = 271.0Hz)、127.12、129.63 (2C)、129.89 (2C)、134.27、136.37、137.61、139.39、163.04。HPLC, tR 11.6分。
実施例84。1H NMR (DMSO-d6): δ7.11 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.21 (dd, 1H, J = 8.2, 1.6Hz)、7.45〜7.64 (m, 5H)、7.77 (dd, 1H, J = 8.2, 0.6Hz)、7.86 (dd, 1H, J = 7.9, 1.3Hz)、7.97 (d, 1H, J = 8.6Hz)、8.02 (dd, 1H, J = 7.9, 1.6Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ104.65、110.28、120.26、121.97、122.84、125.30、125.50、125.83、126.24、126.99、127.34、127.48、128.28、130.94、133.38、135.99、136.66、139.86、161.06。HPLC, tR 10.3分。
実施例85。1H NMR (アセトン-d6): δ7.17 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.51〜7.57 (m, 2H)、7.63 (dd, 1H, J = 8.5, 1.6Hz)、7.81 (dd, 1H, J = 8.4, 0.6Hz)、7.92〜7.97 (m, 3H)、7.99〜8.06 (m, 2H)、8.29 (d, 1H, J = 1.5Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ104.52、107.40、120.09、120.40、120.49、122.68、125.23 (2C)、125.95、126.30、127.37、128.14、128.39、132.09、133.35、136.50、136.68、137.86、161.08。HPLC, tR = 10.1分。
実施例86。1H NMR (アセトン-d6): δ7.20 (qd, 1H, J = 1.6, 0.8Hz)、7.53 (dd, 1H, J = 8.6, 2.0Hz)、7.58〜7.63 (m, 2H)、7.68 (d, 1H, J = 1.8Hz)、7.89 (s, 1H)。13C NMR (アセトン-d6): δ103.06、115.42、117.49、120.90 (q, J = 4.8Hz)、123.10 (q, J = 32.5Hz)、125.41 (q, J = 272.9Hz)、128.47、129.17、130.31、133.79、133.92、134.79、135.05、136.45、139.07、161.70。HPLC, tR = 11.9分.
実施例87。1H NMR (アセトン-d6): δ3.26 (s, 3H)、7.10〜7.16 (m, 1H)、7.22 (dd, 1H, J = 8.4, 1.6Hz)、7.23 (d, 1H, J = 0.9Hz)、7.25〜7.28 (m, 1H)、7.32〜7.36 (m, 2H)、7.79〜7.81 (m, 1H)、7.84 (dd, 1H, J = 8.9, 0.6Hz)。13C NMR (アセトン-d6): δ38.34、105.20、111.25、119.61、123.76、125.10、125.34、127.27、127.74、130.22、130.88、133.24、134.37、134.74、144.17、161.85。
実施例88。1H NMR (アセトン-d6): δ3.20 (s, 3H)、7.10〜7.15 (m, 2H)、7.26〜7.33 (m, 4H)、7.42 (dd, 1H, J = 8.9, 1.7Hz)、7.63 (dt, 1H, J = 9.0, 0.8Hz)、7.99 (dd, 1H, J = 1.6〜0.7Hz)。13C NMR (アセトン-d6): δ38.47、107.39、110.63、121.26、124.52、124.74、127.25 (2C)、127.73、128.64、129.46 (2C)、129.93、137.65、142.91、161.54。HPLC, tR = 8.9分。
実施例89。1H NMR (CD3OD): δ7.36〜7.49 (m, 2H)、7.67〜7.70 (m, 2H)、8.65 (bs, 1H)。
実施例90。1H NMR (アセトン-d6) δ(ppm): 6.60〜6.90 (bm, 3H)、7.26 (bs, 1H)、11.64 (bs, 1H)。
実施例91。1H NMR (CD3OD); 互変異性体A: δ7.35 (dd, 1H, J = 8.6, 1.9Hz)、7.55 (d, 1H, J = 8.8Hz)、8.33 (d, 1H, J = 2.4Hz); 互変異性体B: δ7.28 (dd, 1H, J = 8.6, 2.0Hz)、7.61 (d, 1H, J = 8.9Hz)、7.64 (d, 1H, J = 2.0Hz)。
実施例92。1H NMR (CD3OD): δ7.40〜7.53 (m, 3H)、7.66〜7.75 (m, 2H)、7.85〜8.02 (m, 3H)、9.20 (bs, 1H)。
実施例93。1H NMR (DMSO-d6): δ3.73 (s, 2H)、6.89 (s, 1H)、7.45〜7.54 (m, 3H)、8.18〜8.22 (m, 2H)。13C NMR (DMSO-d6): δ32.42、104.12、128.08 (2C)、128.72 (2C)、131.42、132.38、136.37、160.44、169.78、171.84。
実施例94。1H NMR (DMSO-d6): δ2.25 (s, 3H)、3.74 (s, 2H)、7.27 (s, 1H)。13C NMR (DMSO-d6): δ22.46、32.87、108.06、136.42、141.85、169.02、169.51。
実施例95。1H NMR (DMSO-d6): δ3.74 (s, 2H)、6.93 (s, 1H)、8.04 (d, 2H, J = 8.3Hz)、8.30 (d, 2H, J = 8.4Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ32.33、104.41、128.79 (2C)、129.14 (2C)、132.36、132.96、140.36、161.40、166.92、169.73、171.29。MS m/z 322 (M+ 10%)、230 (M+ -CO2, -CH2, -OH, -OH 38%)、215 (M+-COOH, -COOH, -OH 100%)。
実施例96。1H NMR (DMSO-d6): δ3.74 (s, 2H)、6.92 (s, 1H)、7.62 (t, 1H, J = 7.7Hz)、8.08 (dt, 1H, J = 7.8, 1.6Hz)、8.40 (dt, 1H, J = 7.7, 1.5Hz)、8.81 (t, 1H, J = 1.6Hz)。13C NMR (DMSO-d6): δ32.29、104.32、129.10、129.63、129.89、130.72、131.12、132.34、133.33、136.95、166.48、166.98、169.71。
【0139】
生物学的アッセイ:ヒト乳酸脱水素酵素のイソ型5(LDH5、LDH-A)およびイソ型1(LDH1、LDH-B)の酵素阻害の決定
実施例1〜96において記載した化合物を、乳酸脱水素酵素(LDH)の2つのヒトイソ型であるhLDH5(LDH-Aサブユニットを独占的に含む)(Lee Biosolution Inc.、USA);hLDH1(代わりにLDH-Bサブユニットだけを含む)(SigmaAldrich、USA)に対する化合物の阻害の性質を評価するために、これらの化合物のイソ型の選択性を検証する目的で、酵素反応速度アッセイにおいて評価した。
【0140】
LDH反応を、以下の「前進」方向(ピルビン酸→乳酸)にしたがって行う。37℃でのNADHからNAD+への変換速度をモニタリングし、したがって「前進」反応の進行速度をモニタリングするために、基質(ピルビン酸)および補助因子(NADH)の動態パラメータを波長340nmの分光光度法測定を用いることによって算出する。これらのアッセイを、pH7.4リン酸バッファー(NaH2PO4/Na2HPO4)中に溶解した全ての試薬から構成される溶液1mLを含む小型ウエル/キュベット中で行った。
【0141】
ピルビン酸に比べた、イソ型hLDH1に対する動態パラメータを、ピルビン酸の濃度範囲25〜1000μMおよびNADHの固定濃度200μMを用いて、反応の開始速度を測定することによって算出する。一方、NADHに比べた同じイソ型に対する動態パラメータを、NADHの濃度範囲12.5〜200μMおよびピルビン酸の固定濃度1000μMを用いて、反応の開始速度を測定することによって算出する。これらのアッセイは全て0.005U/mLのhLDH1で実施する。
【0142】
ピルビン酸に対する、イソ型hLDH5に対する動態パラメータを、ピルビン酸の濃度範囲25〜1000μMおよびNADHの固定濃度200μMを用いて、反応の開始速度を測定することによって算出する。一方、NADHに比べた同じイソ型に対する動態パラメータを、NADHの濃度範囲12.5〜200μMおよびピルビン酸の固定濃度200μMを用いて、反応の開始速度を測定することによって算出する。これらのアッセイは全て0.005U/mLのhLDH5で実施する。
【0143】
得られた動態データ(ミカエリス-メンテン定数)を、非線形の回帰分析によって決定する。予備スクリーニングにおいて、hLDH1またはhLDH5いずれかの潜在的な阻害を、阻害物質の単一の最高濃度で、すなわち0.5%DMSOを含むpH7.4リン酸バッファー溶液中100μM化合物で決定する。活性であることが判明した化合物を、次いで、そのKi値を評価するためのさらなるスクリーニングにかける。とりわけ、見かけのKm'値を阻害物質の存在下で評価する(濃度範囲=1〜100μM)。こうして得たKm'値から、各々の単一の阻害物質に対するKi値を二重逆数プロットを用いて決定する(ラインウェーバー-バーク)。
【0144】
実施例1〜96において報告した化合物は、以下の性質の1つまたは複数を示す。
(i) Ki値が1〜10000μMの範囲である、補助因子NADHと競合的である、イソ型hLDH5に対する阻害活性
(ii) Ki値が1〜10000μMの範囲である、基質のピルビン酸と競合的である、イソ型hLDH5に対する阻害活性
(iii) Ki値が90〜10000μMの範囲である、補助因子NADHと競合的である、イソ型hLDH1に対する阻害活性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】

[式中、
nは、0、1からなる群から選択され、
Xは、N、N+-O-、C-Zからなる群から選択され、
Yは、S、O、C=R2からなる群から選択され、
Zは、水素、ORA、NRARB、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、-C(O)C1〜6-アルキル、-(O)フェニル、
-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、-S-C1〜6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-S-C5〜6-複素環、-S(O)C1〜6-アルキル、-S(O)フェニル、-S(O)ベンジル、-S(O)C5〜6-複素環、-S(O)2C1〜6-アルキル、-S(O)2フェニル、-S(O)2ベンジル、-S(O)2C5〜6-複素環、-S(O)2NRARB、C1〜6-アルキル、ハロ-C1〜6-アルキル、ジハロ-C1〜6-アルキル、トリハロ-C1〜6-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜6-アルキニル、C3〜8-シクロアルキル、C3〜8-シクロアルキル-C1〜6-アルキル、フェニル、ベンジル、およびC5〜6-複素環からなる群から選択され、
R1は、
【化2】

から選択され、
R2は、R1と一緒になって、
【化3】

から選択され、
R3は、水素、C1〜4-アルキル、ハロ-C1〜4-アルキル、ジハロ-C1〜4-アルキル、トリハロ-C1〜4-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜4-アルキニル、C3〜6-シクロアルキル、C3〜6-シクロアルキル-C1〜2-アルキル、フェニル、ベンジル、およびC5〜6-複素環からなる群から選択され、
R4、R5、R6、R7は、独立に、水素、ORA、NRARB、-C(O)RA、-C(O)ORA、-C(O)NRARB、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、-S-C1〜6-アルキル、-S-フェニル、-S-ベンジル、-S-C5〜6-複素環、-S(O)C1〜6-アルキル、-S(O)フェニル、-S(O)ベンジル、-S(O)C5〜6-複素環、-S(O)2C1〜6-アルキル、-S(O)2フェニル、-S(O)2ベンジル、-S(O)2C5〜6-複素環、-S(O)2NRARB、C1〜6-アルキル、ハロ-C1〜6-アルキル、ジハロ-C1〜6-アルキル、トリハロ-C1〜6-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜6-アルキニル、C3〜8-シクロアルキル、C3〜8-シクロアルキル-C1〜6-アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル、およびC5〜6-複素環からなる群から選択され、
R3、R4、R5、R6、R7、RA、またはRB基のフェニル、ベンジル、ナフチル、およびC5〜6複素環は、ORc (2個のORc基は一緒になって環を形成してもよい)、NRCRD、-C(O)Rc、-C(O)ORc、C1〜4-アルキル-ORc、C1〜4-アルキル-C(O)Rc、-C(O)NRCRD、-S(O)2NRCRD、-S(O)2C1〜6-アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜4-アルキル、ハロ-C1〜4-アルキル、ジハロ-C1〜4-アルキル、トリハロ-C1〜4-アルキル、C(O)ORcで任意選択によって置換されているアリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1個から3個の基で任意選択によって置換されていてもよく、
R3、R4、R5、R6、およびR7基のC5〜C6複素環のいずれの原子も、酸素と結合してオキソまたはスルホキソ部分を形成してもよく、
RA、RB、R4、R5、R6、またはR7のいずれのアルキル、アルケニルおよびアルキニル基も、ORc、NRCRD、ハロゲン、シアノ、およびニトロから独立に選択される1〜3個の基で任意選択によって置換されていてもよく、
炭素に結合しているいずれの水素原子もフッ素原子で置換されていてもよく、
RA、RB、RC、およびRDは、独立に、水素、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、-S(O)2C1〜6-アルキル、-S(O)2フェニル、-S(O)2ベンジル、-S(O)2C5〜6-複素環、C1〜6アルキル、ハロ-C1〜6-アルキル、ジハロ-C1〜6-アルキル、トリハロ-C1〜6-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜6-アルキニル、
C3〜8-シクロアルキル、C3〜8-シクロアルキル-C1〜6-アルキル、フェニル、ベンジル、およびC5〜6-複素環からなる群から選択される]
の、LDH酵素、特にLDH5のLDH-Aサブユニットの阻害化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、および生理学的に機能的な誘導体。
【請求項2】
医薬として使用するための、式(Ia):
【化4】

[式中、
Z、R4、R5、R6、およびR7は、請求項1において定義した通りである]
の化合物。
【請求項3】
式(Ib):
【化5】

[式中、
Zは、HまたはC1〜6アルキルのいずれかであり、R4、R5、R6、およびR7は請求項1において定義した通りであり、R4、R5、R6、およびR7の少なくとも1個はトリハロ-C1〜4-アルキル、-S(O)2NRARB、フェニル、ナフチル、またはC5〜6複素環(ORc、NRCRD、-C(O)Rc、-C(O)ORc、C1〜4-アルキル-ORc、C1〜4-アルキル-C(O)ORc、-C(O)NRCRD、-S(O)2NRCRD、-S(O)2C1〜6-アルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C-1〜4-アルキル、ハロ-C1〜4-アルキル、ジハロ-C1〜4-アルキル、トリハロ-C1〜4-アルキル、C(O)ORcで任意選択によって置換されているアリールまたはヘテロアリールから独立に選択される1個から3個の基で任意選択によって置換されている)のリストから選択され、RA、RB、Rc、およびRDは、請求項1において定義した通りである]
の化合物。
【請求項4】
医薬として使用するための、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
- 6-(3-カルボキシフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例6);
- 5-(4-カルボキシ-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例12);
- 6-[4-(2-カルボキシエチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例14);
- 1-ヒドロキシ-6-フェニル-4-トリフルオロメチル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例20);
- 1-ヒドロキシ-4-(4-フェニル-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例24);
- 1-ヒドロキシ-6-[N-メチル-N-フェニルスルファモイル]-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例26);
- 1-ヒドロキシ-5-フェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例30);
- 1-ヒドロキシ-6-(4-メトキシフェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例31);
- 1-ヒドロキシ-6-フェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例32);
- 1-ヒドロキシ-6-(2H-テトラゾール-5-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例46);
- 5-[4-(2-カルボキシエチル)フェニル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例47);
- 4-[4-(3-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例48);
- 6-[4-(2-カルボキシエチル)フェニル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例49);
- 6-[4-(4-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル]-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例50);
- 5-(3-カルボキシフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例56);
- 1-ヒドロキシ-5,6-ジフェニル-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例57);
- 1-ヒドロキシ-6-(N-メチル-N-p-トリルスルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例58);
- 1-ヒドロキシ-6-(N-メチル-N-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)スルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例59);
- 6-(N-(4-フルオロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例60);
- 6-(N-(4-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例61);
- 5-(4-(3-カルボキシフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例62);
- 1-ヒドロキシ-6-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例63);
- 6-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例64);
- 5-(4-フルオロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例65);
- 1-ヒドロキシ-5-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例66);
- 6-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例67);
- 1-ヒドロキシ-5-(4-メトキシフェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例68);
- 6-(N-(2-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例69);
- 6-(2,2-ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例70);
- 5-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例71);
- 6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例72);
- 1-ヒドロキシ-6,7-ジフェニル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例73)
- 6-(N-ブチル-N-フェニルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例74);
- 6-(4-(N,N-ジメチルスルファモイル)フェニル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例75);
- 6-(フラン-3-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例76);
- 1-ヒドロキシ-6-(3-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例77);
- 6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例78);
- 6-(ビフェニル-4-イル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例79);
- 1-ヒドロキシ-3-メチル-6-フェニル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例80);
- 1-ヒドロキシ-6-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例81);
- 1-ヒドロキシ-6-(4-(N-メチル-N-フェニルスルファモイル)フェニル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例82);
- 6-(4-クロロフェニル)-1-ヒドロキシ-3-メチル-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例83);
- 1-ヒドロキシ-6-(ナフタレン-1-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例84);
- 1-ヒドロキシ-6-(ナフタレン-2-イル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例85);
- 6-(2,4-ジクロロフェニル)-1-ヒドロキシ-4-(トリフルオロメチル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例86);
- 6-(N-(3-クロロフェニル)-N-メチルスルファモイル)-1-ヒドロキシ-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例87);
- 1-ヒドロキシ-5-(N-メチル-N-フェニルスルファモイル)-1H-インドール-2-カルボン酸 (実施例88);
からなる群から選択される請求項2または4に記載の化合物、その薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、および生理学的に機能的な誘導体。
【請求項6】
医薬として使用するための、以下の式(II)または(III):
【化6】

[式中、
Qは、ORE、SRE、またはNRERFであり(REおよびRFは、独立に、水素、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、-S(O)2C1〜6-アルキル、-S(O)2フェニル、-S(O)2ベンジル、-S(O)2C5〜6-複素環、C1〜6-アルキル、ハロ-C1〜6-アルキル、ジハロ-C1〜6-アルキル、トリハロ-C1〜6-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜6-アルキニル、C3〜8-シクロアルキル、C3〜8-シクロアルキル-C1〜6-アルキル、フェニル、ベンジル、C5〜6-複素環、L-糖またはD-糖、デオキシ糖、ジデオキシ糖、グルコースエピマー、(非)置換の糖、ウロン酸、またはオリゴ糖からなる群から選択される)、
R8は、水素、-C(O)C1〜6-アルキル、-C(O)フェニル、-C(O)ベンジル、-C(O)C5〜6-複素環、トリアルキル-シリル、ジアルキルアリール-シリル、C1〜4-アルキル、ハロ-C1〜4-アルキル、ジハロ-C1〜4-アルキル、トリハロ-C1〜4-アルキル、C2〜6-アルケニル、C2〜4-アルケニル、C3〜6-シクロアルキル、C3〜6-シクロアルキル-C1〜2-アルキル、フェニル、ベンジル、C5〜6-複素環、L-糖またはD-糖、デオキシ糖、ジデオキシ糖、グルコースエピマー、(非)置換の糖、ウロン酸、またはオリゴ糖であり、
R1、n、Y、およびXは、請求項1、2、または3において定義した通りである]
を有する、請求項1に記載の式(I)、または請求項2に記載の式(Ia)、または請求項3に記載の式(Ib)の化合物のプロドラッグ、その薬学的に許容される塩、溶媒和化合物、および生理学的に機能的な誘導体。
【請求項7】
がん、とりわけ、
リンパ腫、
肝細胞癌、
膵臓がん、
脳腫瘍、
乳がん、
肺がん、
大腸がん、
子宮頸がん、
前立腺がん、
腎臓がん、
骨肉腫、
上咽頭がん、
口腔がん、
メラノーマ、
卵巣癌
からなる群から選択されるがんの処置のための医薬を調製するための、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
マラリアの処置のための医薬を調製するための、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項9】
特発性関節線維症の処置のための医薬を調製するための、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
哺乳動物におけるLDH酵素のLDH-Aサブユニットを阻害する方法であって、
式(I)の化合物、
式(Ia)の化合物、
式(Ib)の化合物、
式(II)の化合物、
式(III)の化合物、
これらの組合せ
からなる群から選択される化合物の治療活性量を哺乳動物に投与するステップを含む方法。
【請求項11】
哺乳動物におけるLDH5酵素を阻害する方法であって、
式(I)の化合物、
式(Ia)の化合物、
式(Ib)の化合物、
式(II)の化合物、
式(III)の化合物、
これらの組合せ
からなる群から選択される化合物の治療活性量を哺乳動物に投与するステップを含む方法。
【請求項12】
LDH酵素のLDH-Aサブユニットの阻害に付随する疾患を処置するための、請求項1から6による式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、または(III)のいずれかの化合物の使用。
【請求項13】
LDH5の阻害に付随する疾患を処置するための、請求項1から6による式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、または(III)のいずれかの化合物の使用。
【請求項14】
がん、とりわけ、リンパ腫、肝細胞癌、膵臓がん、脳腫瘍、乳がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、前立腺がん、腎臓がん、骨肉腫、上咽頭がん、口腔がん、メラノーマ、卵巣癌、マラリア、特発性関節線維症の処置のための医薬を調製するための、請求項1から6に記載の式(I)、(Ia)、(Ib)、(II)、または(III)のいずれかの化合物の請求項13に記載の使用。
【請求項15】
本明細書に開示した本発明。

【公表番号】特表2013−510106(P2013−510106A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537324(P2012−537324)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/006740
【国際公開番号】WO2011/054525
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(505225005)ウニヴェルシタ ディ ピサ (3)
【Fターム(参考)】