予約管理システム
【課題】
各種施設を利用希望者が利用する際の予約を、利用希望者の現在位置の情報に基づいて到着予想時刻を算出することで、的確な予約時刻で予約を受け付けると共に、所定時刻到来時にそのキャンセルを的確に行うことが出来る予約管理システムに関する。
【解決手段】
各種施設に対する予約に於ける予約時刻の情報と予約人数の情報とを記憶する予約情報記憶手段と、携帯端末の現在位置情報に基づいて、利用希望者の現在位置から各種施設までの経路を算出することで到着予想時刻を算出する経路探索手段と、携帯端末から予約申込の情報と予約人数の情報とを受信して、到着予想時刻を利用希望者の各種施設の予約時刻とし、予約時刻から所定時間に於いて予約人数で予約可能かを予約情報記憶手段を検索し、検索の結果、予約可能な場合には予約時刻に予約人数で予約情報記憶手段に予約を記憶する予約管理手段と、を有する予約管理システムである。
各種施設を利用希望者が利用する際の予約を、利用希望者の現在位置の情報に基づいて到着予想時刻を算出することで、的確な予約時刻で予約を受け付けると共に、所定時刻到来時にそのキャンセルを的確に行うことが出来る予約管理システムに関する。
【解決手段】
各種施設に対する予約に於ける予約時刻の情報と予約人数の情報とを記憶する予約情報記憶手段と、携帯端末の現在位置情報に基づいて、利用希望者の現在位置から各種施設までの経路を算出することで到着予想時刻を算出する経路探索手段と、携帯端末から予約申込の情報と予約人数の情報とを受信して、到着予想時刻を利用希望者の各種施設の予約時刻とし、予約時刻から所定時間に於いて予約人数で予約可能かを予約情報記憶手段を検索し、検索の結果、予約可能な場合には予約時刻に予約人数で予約情報記憶手段に予約を記憶する予約管理手段と、を有する予約管理システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店、宿泊施設、レジャー施設などの様々な施設を利用希望者が利用する際の予約を、利用希望者の現在位置の情報に基づいて到着予想時刻を算出することで、的確な予約時刻で予約を受け付けると共に、所定時刻到来時にそのキャンセルを的確に行うことが出来る予約管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店、宿泊施設、レジャー施設などの様々な施設(以下、「各種施設」とする)を、利用希望者が外出先などでこれから利用しようとする場合には、無駄足を運ばないためにも到着までに予約をしてから訪れることが多い。このような予約は電話やインターネットなどにより、利用希望者が○分後に到着する、等の情報を各種施設側に伝えることで、その○分後に利用可能であれば各種施設側が予約を受け付けることによって行われている。
【0003】
特に利用希望者がこれから施設を利用しようとして予約する場合には、自宅や会社などから事前に予約する場合と異なり、お店を決めずに待ち合わせをしてからお店を決めてそこに行く場合や、2次会のように時刻を設定できない場合などのように、外出先で予約をする場合が多い。このような場合には例えば携帯端末などで各種施設(飲食店など)を検索して、その場で架電することにより予約を行っている。そうすると利用希望者が初めて利用する各種施設の場合には、各種施設の所在地に不案内なことも多く、利用者に対して下記特許文献に記載のように、利用者の現在位置から各種施設までの経路を提示することによって、確実に利用希望者が到達できるようにしている。
【0004】
しかし、このようなナビゲーションサービスを提供したとしても、予約時刻は利用希望者の施設所在地への単なる目安を伝えているに過ぎない。
【0005】
【特許文献1】特開2001−298765号公報
【特許文献2】特開2004−139585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のナビゲーション技術を用いることによって、利用希望者は、外出先であっても初めて利用する各種施設に的確に到達することは出来よう。しかし各種施設にとってみると、特に利用希望者が初めての場合には、各種施設の所在地に不案内なことも多く、利用希望者から目安で伝えられた予約時刻がどれだけ信頼できるか疑問が呈される。従って、利用希望者が移動時間を読み間違えて、予約時刻から大幅にずれて到着する可能性もある。また行く気もないのにいたずらで予約をされている可能性もある。
【0007】
更に言えば、利用希望者が電話などにより各種施設に対して予約をする場合に、○分後に到着できる見込みがなかったとしても予約を確保するためだけに、意図的に「○分後に行きます」と虚偽の情報を告げる場合もある。
【0008】
従来は、このような事態に備えて、予約時刻から一定時間経過した場合にはキャンセル扱いとしている。しかし上述したように、そもそも予約時刻に利用希望者が到着する保証もない。また利用希望者からの電話やメールだけで虚偽の情報を伝えているかどうかを判断するかは難しい。更に、利用希望者が到着所要時間を読み間違えて予約時刻から大幅にずれて到着する可能性も否定できない。そのような場合も想定するならば、各種施設としては、予約時刻からどれだけ経過した時点でキャンセル扱いとすれば良いか判断が非常に難しい。この点、各種施設側から利用希望者に現在位置を尋ねるという方法も考えられるが、そのような行為に対して失礼と感じる者も多く、そのようなことを行うことで各種施設のイメージを悪化させてしまい、場合によっては予約を取り消されてしまう可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者等は、利用希望者の利用する携帯端末の現在位置情報を取得し、現在位置から各種施設までの経路探索を行うことで到着予想時刻を算出し、それに基づいてキャンセル時刻も設定することで、的確な予約とキャンセルとを可能にする予約管理システムを発明した。
【0010】
請求項1の発明は、各種施設の利用を予約する利用希望者の携帯端末の現在位置情報に基づいて、前記予約を受け付ける予約管理システムであって、前記予約管理システムは、前記各種施設に対する予約に於ける予約時刻の情報と予約人数の情報とを記憶する予約情報記憶手段と、前記携帯端末の現在位置情報に基づいて、前記利用希望者の現在位置から前記各種施設までの経路を算出することで到着予想時刻を算出する経路探索手段と、前記携帯端末から予約申込の情報と予約人数の情報とを受信して、前記到着予想時刻を前記利用希望者の前記各種施設の予約時刻とし、前記予約時刻から所定時間に於いて前記予約人数で予約可能かを前記予約情報記憶手段を検索し、前記検索の結果、予約可能な場合には前記予約時刻に前記予約人数で前記予約情報記憶手段に予約を記憶する予約管理手段と、を有する予約管理システムである。
【0011】
このように利用希望者の携帯端末の現在位置情報に基づいて、各種施設までの到達予想時刻を予約時刻とすることによって、従来のような推測ではなく、確度の高い客観的な予約時刻となる。これにより、予約時刻の信頼性が向上し、各種施設の安心感が高まる。また利用希望者による虚偽情報やいたずらなどの悪意も防止することが出来る。
【0012】
請求項2の発明は、前記予約管理システムは、前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、前記予約管理手段は、前記予約時刻から所定時間を加算した時刻、又は前記経路算出手段で算出した経路に於ける所要時間に所定倍率を乗算した時間を現在時刻に加算した時刻、をキャンセル時刻として設定し、前記予約を記憶するときに併せて前記キャンセル時刻を前記予約情報記憶手段に記憶する、予約管理システムである。
【0013】
予約を受け付けるのみならず、そのキャンセル予約も本発明のようにすることで客観的に定めることが出来る。
【0014】
請求項3の発明は、前記予約管理システムは、前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、前記予約管理手段は、前記経路探索手段に於ける複数の到着予想時刻のうち、前記予約時刻として設定した到着予想時刻よりも遅い到着予想時刻のうちいずれかをキャンセル時刻として設定し、前記予約を記憶するときに併せて前記キャンセル時刻を前記予約情報記憶手段に記憶する、予約管理システムである。
【0015】
このように到着予想時刻のうち、予約時刻として採用しなかったものであって、且つ予約時刻よりも遅い到着予想時刻をキャンセル時刻とすることで、利用希望者毎の実情に沿ったキャンセル時刻となる。また到着予想時刻に基づくキャンセル時刻なので、従来のようにいつまで待ったら良いか、といったこともなく、合理的な範囲内で各種施設のキャンセル時刻が設定されることとなり、各種施設のキャンセルによる負担も軽減される。
【0016】
請求項4の発明は、前記予約管理システムは、前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、前記予約管理手段は、前記経路探索手段に於ける予約時刻とした到着予想時刻の経路よりも所定数後の交通機関を利用した経路探索を行う指示を前記経路探索手段に出し、その結果である到着予想時刻を前記経路探索手段より受け取り、それをキャンセル時刻として前記予約を記憶するときにあわせて前記予約情報記憶手段に記憶する、予約管理システムである。
【0017】
到着予想時刻を一つしか算出しなかった場合には、本発明のように、再度、経路探索手段に対して、予約時刻よりも遅い時刻となるように、1本後、2本後、等の所定数後の交通機関を利用した場合の到着予想時刻を算出する指示を出し、それにより算出された到着予想時刻をキャンセル時刻とすることも出来る。
【0018】
請求項5の発明は、前記予約管理システムは、前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、前記予約管理手段は、前記経路探索手段に於ける予約時刻とした到着予想時刻の経路で用いた移動速度よりも遅い移動速度での経路探索を行う指示を前記経路探索手段に出し、その結果である到着予想時刻を前記経路探索手段より受け取り、それをキャンセル時刻として前記予約を記憶するときにあわせて前記予約情報記憶手段に記憶する、予約管理システムである。
【0019】
経路探索が徒歩などの移動手段を含んでいる場合、本来の到着予想時刻を算出したときよりも、その移動速度が遅い速度の場合で算出することによって、混雑している場合、ゆっくり移動した場合を加味したキャンセル時刻とすることも出来る。
【0020】
請求項6の発明は、前記予約管理システムは、前記各種施設で利用される店舗端末との間でデータの送受信が可能であって、前記予約管理手段は、前記店舗端末から前記予約情報記憶手段に記憶した予約の取り消しの指示又は到着の情報の登録指示を受信することで、前記予約情報記憶手段に於ける前記予約を取り消し又は到着の情報を記録する、予約管理システムである。
【0021】
各種施設に利用希望者が到着した場合には、本発明のように、それにより予約を取り消す、或いは到着の情報を記録すると良い。
【0022】
請求項7の発明は、前記予約管理手段は、前記予約情報記憶手段に記憶した予約のうち、前記キャンセル時刻となった予約について無効化する、予約管理システムである。
【0023】
本発明のように、キャンセル時刻を過ぎた予約について無効化することによって、そこで確保した空席を開放するので、新たな予約を受け付けることが可能となる。
【0024】
請求項8の発明は、前記予約管理手段は、前記予約を無効化する前に、前記店舗端末に対して予約客がいることを通知する、予約管理システムである。
【0025】
いきなり予約を無効化するのではなく、未到着の予約があることを各種施設に伝えることで、各種施設が何らかの対応を取ることが出来る。これによって、各種施設と予約客とのトラブルを防止することも出来る。
【0026】
請求項9の発明は、前記予約管理手段は、前記通知をした後に前記予約を無効化する、予約管理システムである。
【0027】
上述のように無効前に各種施設に対して未到着の予約があることを伝えた後、それでも何らの処理もなされない場合には、それは不要な予約であろうから、それを無効化すると良い。
【発明の効果】
【0028】
本発明のように、予約時に利用希望者の現在位置情報を取得して経路探索し、到着予想時刻を予約時刻とすることで、客観的な予約時刻となりその精度も高い。また利用希望者が虚偽の情報を伝えた場合であっても到着予想時刻は客観的に算出しているので、キャンセル時刻を過ぎた場合には自動的にキャンセル扱いとすることが出来る。また利用希望者の所要時間の読み間違えなども起こらないし、いたずらの防止にもつながる。更に利用希望者に、各種施設の従業員等が利用希望者の現在位置を尋ねる必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の予約管理システム1の全体の構成を示す概略図を図1に、予約管理システム1の各機能等を示すシステム構成図を図2に示す。
【0030】
予約管理システム1は、利用希望者の利用する携帯端末2と、各種施設の従業員等が利用する店舗端末3と、の間でデータの送受信がネットワークを介して可能である。
【0031】
予約管理システム1は、利用希望者の利用する携帯端末2から予約申込と現在位置情報とを受信し、それに基づいて利用希望者の現在位置から各種施設までの経路探索を行い、その結果に基づいて到着予想時刻を算出することで客観的な予約時刻として設定し、更にキャンセル時刻を設定した上で予約を受け付け、前記キャンセル時刻を過ぎた場合には当該予約を無効化するシステムである。
【0032】
利用希望者の携帯端末2は、GPS等により利用希望者の現在位置情報と予約人数とをネットワークを介して予約管理システム1に送信する。携帯端末2は現在位置取得手段9と予約手段10とを有している。
【0033】
現在位置取得手段9は、GPS等により携帯端末2の現在位置情報を取得する手段である。GPSを用いた測位方式には、携帯端末2独自にGPSの衛星信号を受信・解析して現在位置を求めるAutonomous方式、現在位置の演算などを所定のサーバに依存するA-GPS方式、GPS衛星の軌道情報などの最小限のサポートを所定のサーバから受けるMS-BASED方式などがあるが、いずれの方法であっても良い。A-GPS方式やMS-BASED方式などのように、現在位置情報の取得に、所定のサーバを利用する場合には、現在位置取得手段9は、そのサーバから現在位置情報を取得しても良いし、携帯端末2から取得しても良い。更に、GPS等を用いずに、例えば携帯電話やPHSの位置特定サービスを利用することで、携帯端末2の現在位置情報を取得しても良い。
【0034】
予約手段10は、現在位置取得手段9で取得した携帯端末2の現在位置情報と、各種施設を利用する予約人数等の予約に必要な情報(その他、必要に応じて、氏名、性別、年齢、電話番号、電子メールアドレス等の属性情報を含んでも良い)を予約管理システム1に送信することで、予約に関する処理を行う手段である。
【0035】
店舗端末3は、各種施設の従業員等が利用するコンピュータ端末(携帯電話、PHS、PDA等も含む)であって、利用希望者がキャンセル時刻前に到着した場合に、所定の操作をすることで、予約管理システム1で受け付けた当該利用希望者の予約を取り消す(或いは到着の情報を登録する)指示を送信する。
【0036】
予約管理システム1は、経路探索手段4と予約管理手段5と予約情報記憶手段6と交通時刻情報記憶手段7と地図情報記憶手段8とを有している。
【0037】
経路探索手段4は、現在位置情報と利用希望者が選択した各種施設の識別情報とを予約管理手段5から受け取ると、その各種施設の識別情報に基づいて地図情報記憶手段8から当該各種施設の位置情報を抽出する。そして、その位置情報と現在位置情報とに基づいて、地図情報記憶手段8や交通時刻情報記憶手段7を参照することにより利用者の現在位置から各種施設までの経路探索を行い、指定された地点間の所要時間や到着予想時刻を算出する手段である。携帯端末2から現在位置情報を受信している場合には、その現在位置情報と利用希望者が選択した各種施設との間の経路探索を行い、A-GPS方式やMS-BASED方式などのように、現在位置情報の取得に所定のサーバを利用する場合にはその所定のサーバから現在位置情報を取得しても良い。また所定のサーバから携帯端末2が現在位置情報を取得した後に、携帯端末2から現在位置情報を取得しても良い。所定のサーバと予約管理システム1とが同一のシステムとして構成されていても良い。
【0038】
経路探索手段4で探索した経路の情報や到着予想時刻の情報は携帯端末2に送信する。また経路探索手段4は、到着予想時刻の情報を予約管理手段5にも渡す。
【0039】
経路探索には様々な方法を用いることが出来、例えば上述の特許文献1に記載のような「ポテンシャルによるラベル確定法」、「ラベル確定法」を利用することが出来るが、これらに限定されるものではない。
【0040】
予約管理手段5は、利用希望者の携帯端末2から予約申込の情報と、予約人数等の予約に必要な情報とを受信すると、予約申込が行われた各種施設の識別情報を予約情報記憶手段6から抽出して経路探索手段4に渡す。そして経路探索手段4で探索した到着予想時刻の情報を受け付け、予約人数分の空席を確保することが出来るかを、後述する予約情報記憶手段6を参照することで予約の登録を行う手段である。
【0041】
また予約管理手段5は、予約登録の際に到着予想時刻に所定時間を加算した時刻をキャンセル時刻として設定し予約情報記憶手段6に併せて登録する。そしてキャンセル時刻を過ぎても当該予約が取り消されていない(或いは到着の情報が登録されていない)場合には、キャンセル扱いとして予約情報記憶手段6から当該予約を取り消す処理を行う手段である。
【0042】
キャンセル時刻の設定は、到着予想時刻に所定時間(例えば10分)を加算した時刻、現在位置から各種施設までの所要時間に所定倍率を乗算した時間を現在時刻に加算した時刻としても良い。また経路探索に電車などの交通機関が含まれる場合には、所定数後の交通機関に乗った場合の到着予想時刻をキャンセル時刻としても良い。このように本来の到着予想時刻よりも遅い時刻の到着予想時刻をキャンセル時刻とする場合であって、経路探索手段4で探索した結果の候補が複数ある場合には、一つの到着予想時刻が予約時刻となり、それ以外(予約時刻よりも遅い時刻)の到着予想時刻をキャンセル時刻としてそのまま用いても良い。また、経路探索手段4に対して、再度、本来の到着予想時刻(予約時刻)よりも若干遅めの時刻を基準として経路探索するように指示を出し、その結果を経路探索手段4から受け取って、その到着予想時刻をキャンセル時刻として用いても良い。更に、経路探索手段4で経路探索を行う際の移動速度を、予約時刻とした到着予想時刻を算出した時よりも遅い移動速度として経路探索を行わせることによって、予約時刻よりも遅い到着予想時刻が算出されるので、それをキャンセル時刻としても良い。
【0043】
予約情報記憶手段6は、各種施設の利用予約についての情報を各種施設毎に登録している情報記憶手段である。ここで登録される情報としては、到着予想時刻(予約時刻)、予約人数、キャンセル時刻、予約を識別する情報(予約を識別する予約番号、予約者の氏名等)がある。また各種施設毎の空席数(或いはテーブル数)も記憶している。また各種施設は各々を識別する識別情報(各種施設名の他にも任意に割り当てられた文字数字記号であっても良い)を有しており、記憶している。図10に予約情報記憶手段6の概念図を示す。
【0044】
交通時刻情報記憶手段7は、経路探索手段4で経路探索する際に必要な交通機関の時刻表の情報や各駅間の所要時間等を記録した情報記憶手段であり、地図情報記憶手段8は、所定地域の地図情報(例えば各種施設の緯度経度高度等の位置情報、各種施設名(識別情報なども含む)、その電話番号等)を記録している情報記憶手段である。これらは経路探索に必要な様々な情報を記録する経路探索情報記憶手段(図示せず)というべきものであり、交通時刻や地図はそれらを構成する一要素にすぎない。従って、これらに限定されることはなく、これら以外の経路探索に必要な情報を記録していても良い。
【0045】
次に本発明の予約管理システム1の処理プロセスの一例を図3のフローチャート、図1の概略図、図2のシステム構成図を用いて説明する。尚、以下の実施例では、上述の各種施設が飲食店であって、利用希望者が飲食店の店舗の情報を提供する予約管理システム1(飲食店の情報は、予約情報記憶手段6に記録されていると良い)から、自分の周辺に位置する飲食店(各種施設)を検索し、その中の一店舗に対してこれから訪れることの予約を行う場合であり、携帯端末2がAutonomous方式によりその現在位置情報を取得する場合を説明する。
【0046】
利用希望者は携帯端末2で所定の操作をすることにより、GPSによる周辺検索のアプリケーションを起動する。この状態の携帯端末2を図4に示す。画面に表示された「周辺検索」を選択することで、予約管理システム1は図5に示すようなカテゴリ毎の施設の選択画面を送信し、携帯端末2で表示させる。尚、GPSによる測位のタイミングは如何なるタイミングで行われても良い。
【0047】
本実施例では利用希望者は飲食店を検索するので、「カテゴリ」の中から「グルメ」を選択する。これを選択することによって現在位置取得手段9は、GPSにより現在位置を測位してから、それを予約管理システム1に送信する。そして予約管理システム1は現在位置情報を受信し(S100)、グルメに於ける飲食店形態の選択画面を携帯端末2に送信して、携帯端末2で表示させる。これを図6に示す。
【0048】
図6に示されたような飲食店形態の中から、利用希望者が例えば「居酒屋」を選択すると、予約管理システム1は前記受信した現在位置情報に基づいて、利用希望者の周辺に位置する(例えば利用希望者を中心として半径2km以内に位置する)店舗の情報を検索し、図7に示すような店舗の選択画面を送信する(S110)。
【0049】
図7に示された店舗の選択画面から、例えば「A屋神田錦町店」を選択すると、予約管理システム1は、図8に示すようなその店舗の詳細画面を送信し、携帯端末2で表示させる。
【0050】
以上のような飲食店の選択の処理プロセスは一例であって、他にも店名や価格、駅名、沿線名等から様々な方式で検索できる。
【0051】
この店舗に予約をする場合、詳細画面に表示された「ただちに予約申込」を選択することによって、携帯端末2から予約申込の要求が送信される。これを予約管理手段5で受信すると、予約人数の入力を促す画面を携帯端末2に送信する。この画面を図9に示す。
【0052】
利用希望者が予約人数(利用人数)を入力して予約管理システム1に送信すると、それを予約管理手段5で受信する(S120)。予約管理手段5は、予約人数を受信すると、予約申込がなされた店舗の識別情報を予約情報記憶手段6から抽出し、S100で受信した現在位置情報と店舗の識別情報とを経路探索手段4に渡す。そして経路探索手段4は、利用希望者の現在位置から予約を行う店舗までの経路探索を行う(S130)。
【0053】
経路探索手段4は、予約管理手段5から受け取った店舗の識別情報に基づいて地図情報記憶手段8から当該店舗の位置情報を抽出し、予約管理手段5から受け付けた利用希望者(携帯端末2)の現在位置情報と抽出した位置情報とに基づいて地図情報記憶手段8や交通時刻情報記憶手段7を参照することで、例えば「ラベル確定法」や「ポテンシャルによるラベル確定法」により経路探索を行い、利用希望者の飲食店までの到着予想時刻を算出する(S140)。尚、地図情報記憶手段8や交通時刻情報記憶手段7は、経路探索を行うために必要な情報記憶手段(経路探索情報記憶手段)の一種であって、これらに限定されるものでもないし、これらが異なる情報記憶手段でなくても良い。
【0054】
また経路探索手段4に於ける経路探索の際に、利用希望者の携帯端末2から徒歩の速度(例えば「ゆっくり」、「標準」、「せかせか」)を受信することで到着予想時刻を正確に見積もるように構成することも出来る。更に利用希望者が鉄道などを利用する場合には、交通時刻情報記憶手段7により時刻を参照できるので、より正確な到着予想時刻が算出できる。
【0055】
このようにして経路探索手段4が算出した到着予想時刻の情報を予約管理手段5は受け取り、到着予想時刻から所定の時間(想定される飲食店の利用時間。例えば居酒屋なら2時間30分。この所定時間は各種施設の利用形態に応じて任意に設定可能である)だけ、S120で受信した予約人数で空席が確保できるかを予約情報記憶手段6を参照することで検索する(S150)。
【0056】
この空席の検索は、予約情報記憶手段6に記憶する店舗毎の座席数、テーブル数と、既に予約情報記憶手段6に登録している予約人数とを比較することにより算出することが出来る。予約情報記憶手段6に座席数が記録されている場合には、店舗毎の座席数から既に予約登録済みの予約人数を減算することで空席が判明するので、それと予約人数とを比較すれば空席を確保できるかが検索できる。また相席を避ける為にテーブル数を用いる場合にはテーブル数から予約数を減算することで(一つのテーブルには一グループの予約客が割り当てられるので)空いているテーブル数が判明するので、それと予約人数とを比較すれば空席を確保できるかが検索できる。また一つあたりのテーブルの人数が異なるテーブルが複数ある場合、例えば4人用テーブル、2人用テーブルとのように分かれている場合には、店舗毎に4人用テーブル数、2人用テーブル数を予約情報記憶手段6に記憶しておき、既に予約登録済みの予約人数で4人用テーブルが割り当てられた予約数(例えば3〜4名の予約人数であれば4人用テーブル)と、2人用テーブルが割り当てられた予約数(1〜2名の予約人数であれば2人用テーブル)とで、各々減算しすることで4人用テーブルの空き数、2人用テーブルの空き数が判明するので、それとS120で受信した予約人数の対応するテーブルとを比較すれば空席を確保できるかが検索できる。これ以外にも空席の判定には様々な手法を用いることが出来る。
【0057】
このような検索の結果、到着予想時刻から所定の時間分だけ予約席を確保できない場合には、予約管理手段5は、携帯端末2に対して満席の通知を送信する(S160)。
【0058】
一方、S150の検索の結果、予約席を確保できる場合には、予約管理手段5は、当該到着予想時刻から所定時間を過ぎた時刻をキャンセル時刻として設定する(S170)。キャンセル時刻を設定するための所定時間は、到着予想時刻に一律に所定時間(例えば10分)を加算した時刻、現在位置から各種施設までの所要時間に所定倍率を乗算した時間を現在時刻に加算した時刻としても良い。また経路探索に電車などの交通機関が含まれる場合には、所定数後の交通機関(例えば2本後の電車)に乗った場合の到着予想時刻をキャンセル時刻としても良いし、徒歩の歩行速度を遅くした場合(例えば分速80mから分速60mにする)の到着予想時刻をキャンセル時刻としても良い。このように本来の到着予想時刻よりも遅い時刻の到着予想時刻をキャンセル時刻とする場合には、経路探索手段4で探索した結果の候補をそのままキャンセル時刻として用いても良いし、経路探索手段4に対して、再度、本来の到着予想時刻よりも若干遅めの時刻を基準として経路探索するように指示を出し、その結果の到着予想時刻をキャンセル時刻として用いても良い。
【0059】
このようにしてキャンセル時刻を設定した後、予約管理手段5は、予約情報記憶手段6に本来の到着予想時刻を予約時刻として予約人数分の予約を登録する(S180)。この際にキャンセル時刻も登録する。また予約を識別するために、予約番号(数字に限らず文字記号等も含む)を発行し、それも登録する。
【0060】
予約管理手段5は、予約情報記憶手段6に当該予約を登録後、利用希望者の携帯端末2に対して予約完了の通知を送信する(S190)。この通知の一例を図11に示す。この際にS170で予約管理手段5が設定したキャンセル時刻や予約番号を通知に表示しておく。
【0061】
このようにして予約登録後、利用者がキャンセル時刻前に来店した場合には(S200)、利用希望者は予約した旨(例えば氏名や予約番号など)を飲食店の従業員に告げる(或いは携帯端末2で受信した予約完了の通知を見せる)こととなるので、飲食店は予約客であることを把握できる。飲食店の従業員は、店舗端末3を所定の操作することにより予約管理システム1の予約情報記憶手段6にアクセスし、当該客が予約客であることを確認後(例えば氏名や予約番号で確認する)、既に来店したので所定の操作により予約情報記憶手段6の予約取り消しの指示を送信する。その指示を受信した予約管理手段5は、予約情報記憶手段6に記録する当該予約を取り消す(或いは到着の情報を登録する)こととなる(S210)。
【0062】
予約情報記憶手段6に登録されたキャンセル時刻になってもその予約が取り消されていない(或いは到着の情報が登録されていない)場合には、予約管理手段5は、予約情報記憶手段6からその予約を取り消す(或いは未着による自動キャンセルの情報を登録する)ことにより、当該予約を無効化する(S230)。
【0063】
このようにすることで新たな予約を飲食店は受け入れることが可能となる。尚、キャンセル時刻が到来時に予約管理手段5は、すぐに予約情報記憶手段6に登録している予約を無効化する前に、店舗端末3に未着の予約客がいることを通知し、その通知から更に所定時間経過しても、来店しない場合に予約を無効化しても良い。
【0064】
S150以降の処理を上述の具体例を用いてより詳細に説明する。S100〜S120までの処理で利用希望者は、「A屋神田錦町店」を選択しているので、予約情報記憶手段6の当該店舗に、到着予想時刻から所定時間帯で予約人数分の空席が確保できるかを検索する。
【0065】
例えば予約情報記憶手段6に登録する「A屋神田錦町店」の予約用の座席数が10席であって、図10に示すように既に3件の予約が予約情報記憶手段6に登録されており、利用希望者が4名の予約を行おうとする場合(尚、経路探索手段4で算出した到着予想時刻を17時40分とする)では、まず予約管理手段5は、経路探索手段4で算出した到着予想時刻(17時40分)の情報を経路探索手段4から受け取る。そして到着予想時刻から所定時間(ここでは居酒屋を選択しているので2時間30分)を加算した時刻(20時10分)までの予約状況を検索し、4席の空席がこの時間帯にあるかを確認する。そうするとここでは18時から2席、18時30分から4席、18時30分から3席の合計9席が既に予約登録されているので、1席しか空席がない。従って4席の予約を受け付けることが出来ないと予約管理手段5は判断して、携帯端末2に満席の通知を送信する。
【0066】
一方、予約情報記憶手段6に登録する「A屋神田錦町店」の予約用の座席数が20席である場合には、図10に示すように既に3件の予約が予約情報記憶手段6に登録されていても、まだ11席の空席があるので、4席の予約を受け付けることが出来る。従って予約管理手段5は、次に到着予想時刻(17時40分)から、所定時間を過ぎた時刻をキャンセル時刻として設定する。例えば利用希望者が電車による移動が含まれている場合には、2本後の電車の場合の到着予想時刻をキャンセル時刻(例えば17時55分)として設定する。またこの予約を識別するための予約番号(例えば「A001−4」)を発行する。このようにして、予約管理手段5は予約情報記憶手段6の「A屋神田錦町店」の予約に、新たに17時40分から4名の予約を予約番号「A001−4」、キャンセル時刻を17時55分として登録する。
【0067】
17時55分までに利用希望者が来店した場合には、従業員に予約番号「A001−4」を告げることとなるので、従業員は店舗端末3から所定の操作をすることにより予約番号「A001−4」の予約を取り消す(或いは到着の情報を登録する)指示を予約管理システム1に送信する。その指示を受信した予約管理システム1の予約管理手段5は、予約情報記憶手段6から当該予約番号の予約を取り消す(或いは到着の情報を登録する)。
【0068】
一方、17時55分までに利用希望者が来店しない場合には、予約管理手段5は、予約情報記憶手段6に登録する予約番号「A001−4」の予約を無効化する。
【0069】
以上のような処理を予約管理システム1が行うことで、精度が高い客観的な予約時刻となる。また利用希望者が虚偽の情報を伝えた場合であっても到着予想時刻は客観的に算出しているので、キャンセル時刻を過ぎた場合には自動的にキャンセル扱いとすることが出来る。また利用希望者の所要時間の読み間違えなども起こらないし、いたずらの防止にもつながる。更に利用希望者に、各種施設の従業員等が利用希望者の現在位置を尋ねる必要もない。
【0070】
本発明に於ける各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。又各情報記憶手段は、情報記憶手段やデータファイルなど各種の情報記憶形式を用いることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によって、予約時に利用希望者の現在位置情報を取得して経路探索し、到着予想時刻を予約時刻とすることで、客観的な予約時刻となりその精度も高い。また利用希望者が虚偽の情報を伝えた場合であっても到着予想時刻は客観的に算出しているので、キャンセル時刻を過ぎた場合には自動的にキャンセル扱いとすることが出来る。また利用希望者の所要時間の読み間違えなども起こらないし、いたずらの防止にもつながる。更に利用希望者に、各種施設の従業員等が利用希望者の現在位置を尋ねる必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図3】本発明の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図4】周辺検索を行う場合の携帯端末を示した一例である。
【図5】カテゴリ毎の施設の選択画面を示した一例である。
【図6】飲食店形態の選択画面を示した一例である。
【図7】店舗の選択画面を示した一例である。
【図8】店舗の詳細画面を示した一例である。
【図9】予約人数の入力を促す画面を示した一例である。
【図10】予約情報記憶手段の概念図である。
【図11】予約完了の通知の一例である。
【符号の説明】
【0073】
1:予約管理システム
2:携帯端末
3:店舗端末
4:経路探索手段
5:予約管理手段
6:予約情報記憶手段
7:交通時刻情報記憶手段
8:地図情報記憶手段
9:現在位置取得手段
10:予約手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食店、宿泊施設、レジャー施設などの様々な施設を利用希望者が利用する際の予約を、利用希望者の現在位置の情報に基づいて到着予想時刻を算出することで、的確な予約時刻で予約を受け付けると共に、所定時刻到来時にそのキャンセルを的確に行うことが出来る予約管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店、宿泊施設、レジャー施設などの様々な施設(以下、「各種施設」とする)を、利用希望者が外出先などでこれから利用しようとする場合には、無駄足を運ばないためにも到着までに予約をしてから訪れることが多い。このような予約は電話やインターネットなどにより、利用希望者が○分後に到着する、等の情報を各種施設側に伝えることで、その○分後に利用可能であれば各種施設側が予約を受け付けることによって行われている。
【0003】
特に利用希望者がこれから施設を利用しようとして予約する場合には、自宅や会社などから事前に予約する場合と異なり、お店を決めずに待ち合わせをしてからお店を決めてそこに行く場合や、2次会のように時刻を設定できない場合などのように、外出先で予約をする場合が多い。このような場合には例えば携帯端末などで各種施設(飲食店など)を検索して、その場で架電することにより予約を行っている。そうすると利用希望者が初めて利用する各種施設の場合には、各種施設の所在地に不案内なことも多く、利用者に対して下記特許文献に記載のように、利用者の現在位置から各種施設までの経路を提示することによって、確実に利用希望者が到達できるようにしている。
【0004】
しかし、このようなナビゲーションサービスを提供したとしても、予約時刻は利用希望者の施設所在地への単なる目安を伝えているに過ぎない。
【0005】
【特許文献1】特開2001−298765号公報
【特許文献2】特開2004−139585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のナビゲーション技術を用いることによって、利用希望者は、外出先であっても初めて利用する各種施設に的確に到達することは出来よう。しかし各種施設にとってみると、特に利用希望者が初めての場合には、各種施設の所在地に不案内なことも多く、利用希望者から目安で伝えられた予約時刻がどれだけ信頼できるか疑問が呈される。従って、利用希望者が移動時間を読み間違えて、予約時刻から大幅にずれて到着する可能性もある。また行く気もないのにいたずらで予約をされている可能性もある。
【0007】
更に言えば、利用希望者が電話などにより各種施設に対して予約をする場合に、○分後に到着できる見込みがなかったとしても予約を確保するためだけに、意図的に「○分後に行きます」と虚偽の情報を告げる場合もある。
【0008】
従来は、このような事態に備えて、予約時刻から一定時間経過した場合にはキャンセル扱いとしている。しかし上述したように、そもそも予約時刻に利用希望者が到着する保証もない。また利用希望者からの電話やメールだけで虚偽の情報を伝えているかどうかを判断するかは難しい。更に、利用希望者が到着所要時間を読み間違えて予約時刻から大幅にずれて到着する可能性も否定できない。そのような場合も想定するならば、各種施設としては、予約時刻からどれだけ経過した時点でキャンセル扱いとすれば良いか判断が非常に難しい。この点、各種施設側から利用希望者に現在位置を尋ねるという方法も考えられるが、そのような行為に対して失礼と感じる者も多く、そのようなことを行うことで各種施設のイメージを悪化させてしまい、場合によっては予約を取り消されてしまう可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者等は、利用希望者の利用する携帯端末の現在位置情報を取得し、現在位置から各種施設までの経路探索を行うことで到着予想時刻を算出し、それに基づいてキャンセル時刻も設定することで、的確な予約とキャンセルとを可能にする予約管理システムを発明した。
【0010】
請求項1の発明は、各種施設の利用を予約する利用希望者の携帯端末の現在位置情報に基づいて、前記予約を受け付ける予約管理システムであって、前記予約管理システムは、前記各種施設に対する予約に於ける予約時刻の情報と予約人数の情報とを記憶する予約情報記憶手段と、前記携帯端末の現在位置情報に基づいて、前記利用希望者の現在位置から前記各種施設までの経路を算出することで到着予想時刻を算出する経路探索手段と、前記携帯端末から予約申込の情報と予約人数の情報とを受信して、前記到着予想時刻を前記利用希望者の前記各種施設の予約時刻とし、前記予約時刻から所定時間に於いて前記予約人数で予約可能かを前記予約情報記憶手段を検索し、前記検索の結果、予約可能な場合には前記予約時刻に前記予約人数で前記予約情報記憶手段に予約を記憶する予約管理手段と、を有する予約管理システムである。
【0011】
このように利用希望者の携帯端末の現在位置情報に基づいて、各種施設までの到達予想時刻を予約時刻とすることによって、従来のような推測ではなく、確度の高い客観的な予約時刻となる。これにより、予約時刻の信頼性が向上し、各種施設の安心感が高まる。また利用希望者による虚偽情報やいたずらなどの悪意も防止することが出来る。
【0012】
請求項2の発明は、前記予約管理システムは、前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、前記予約管理手段は、前記予約時刻から所定時間を加算した時刻、又は前記経路算出手段で算出した経路に於ける所要時間に所定倍率を乗算した時間を現在時刻に加算した時刻、をキャンセル時刻として設定し、前記予約を記憶するときに併せて前記キャンセル時刻を前記予約情報記憶手段に記憶する、予約管理システムである。
【0013】
予約を受け付けるのみならず、そのキャンセル予約も本発明のようにすることで客観的に定めることが出来る。
【0014】
請求項3の発明は、前記予約管理システムは、前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、前記予約管理手段は、前記経路探索手段に於ける複数の到着予想時刻のうち、前記予約時刻として設定した到着予想時刻よりも遅い到着予想時刻のうちいずれかをキャンセル時刻として設定し、前記予約を記憶するときに併せて前記キャンセル時刻を前記予約情報記憶手段に記憶する、予約管理システムである。
【0015】
このように到着予想時刻のうち、予約時刻として採用しなかったものであって、且つ予約時刻よりも遅い到着予想時刻をキャンセル時刻とすることで、利用希望者毎の実情に沿ったキャンセル時刻となる。また到着予想時刻に基づくキャンセル時刻なので、従来のようにいつまで待ったら良いか、といったこともなく、合理的な範囲内で各種施設のキャンセル時刻が設定されることとなり、各種施設のキャンセルによる負担も軽減される。
【0016】
請求項4の発明は、前記予約管理システムは、前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、前記予約管理手段は、前記経路探索手段に於ける予約時刻とした到着予想時刻の経路よりも所定数後の交通機関を利用した経路探索を行う指示を前記経路探索手段に出し、その結果である到着予想時刻を前記経路探索手段より受け取り、それをキャンセル時刻として前記予約を記憶するときにあわせて前記予約情報記憶手段に記憶する、予約管理システムである。
【0017】
到着予想時刻を一つしか算出しなかった場合には、本発明のように、再度、経路探索手段に対して、予約時刻よりも遅い時刻となるように、1本後、2本後、等の所定数後の交通機関を利用した場合の到着予想時刻を算出する指示を出し、それにより算出された到着予想時刻をキャンセル時刻とすることも出来る。
【0018】
請求項5の発明は、前記予約管理システムは、前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、前記予約管理手段は、前記経路探索手段に於ける予約時刻とした到着予想時刻の経路で用いた移動速度よりも遅い移動速度での経路探索を行う指示を前記経路探索手段に出し、その結果である到着予想時刻を前記経路探索手段より受け取り、それをキャンセル時刻として前記予約を記憶するときにあわせて前記予約情報記憶手段に記憶する、予約管理システムである。
【0019】
経路探索が徒歩などの移動手段を含んでいる場合、本来の到着予想時刻を算出したときよりも、その移動速度が遅い速度の場合で算出することによって、混雑している場合、ゆっくり移動した場合を加味したキャンセル時刻とすることも出来る。
【0020】
請求項6の発明は、前記予約管理システムは、前記各種施設で利用される店舗端末との間でデータの送受信が可能であって、前記予約管理手段は、前記店舗端末から前記予約情報記憶手段に記憶した予約の取り消しの指示又は到着の情報の登録指示を受信することで、前記予約情報記憶手段に於ける前記予約を取り消し又は到着の情報を記録する、予約管理システムである。
【0021】
各種施設に利用希望者が到着した場合には、本発明のように、それにより予約を取り消す、或いは到着の情報を記録すると良い。
【0022】
請求項7の発明は、前記予約管理手段は、前記予約情報記憶手段に記憶した予約のうち、前記キャンセル時刻となった予約について無効化する、予約管理システムである。
【0023】
本発明のように、キャンセル時刻を過ぎた予約について無効化することによって、そこで確保した空席を開放するので、新たな予約を受け付けることが可能となる。
【0024】
請求項8の発明は、前記予約管理手段は、前記予約を無効化する前に、前記店舗端末に対して予約客がいることを通知する、予約管理システムである。
【0025】
いきなり予約を無効化するのではなく、未到着の予約があることを各種施設に伝えることで、各種施設が何らかの対応を取ることが出来る。これによって、各種施設と予約客とのトラブルを防止することも出来る。
【0026】
請求項9の発明は、前記予約管理手段は、前記通知をした後に前記予約を無効化する、予約管理システムである。
【0027】
上述のように無効前に各種施設に対して未到着の予約があることを伝えた後、それでも何らの処理もなされない場合には、それは不要な予約であろうから、それを無効化すると良い。
【発明の効果】
【0028】
本発明のように、予約時に利用希望者の現在位置情報を取得して経路探索し、到着予想時刻を予約時刻とすることで、客観的な予約時刻となりその精度も高い。また利用希望者が虚偽の情報を伝えた場合であっても到着予想時刻は客観的に算出しているので、キャンセル時刻を過ぎた場合には自動的にキャンセル扱いとすることが出来る。また利用希望者の所要時間の読み間違えなども起こらないし、いたずらの防止にもつながる。更に利用希望者に、各種施設の従業員等が利用希望者の現在位置を尋ねる必要もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の予約管理システム1の全体の構成を示す概略図を図1に、予約管理システム1の各機能等を示すシステム構成図を図2に示す。
【0030】
予約管理システム1は、利用希望者の利用する携帯端末2と、各種施設の従業員等が利用する店舗端末3と、の間でデータの送受信がネットワークを介して可能である。
【0031】
予約管理システム1は、利用希望者の利用する携帯端末2から予約申込と現在位置情報とを受信し、それに基づいて利用希望者の現在位置から各種施設までの経路探索を行い、その結果に基づいて到着予想時刻を算出することで客観的な予約時刻として設定し、更にキャンセル時刻を設定した上で予約を受け付け、前記キャンセル時刻を過ぎた場合には当該予約を無効化するシステムである。
【0032】
利用希望者の携帯端末2は、GPS等により利用希望者の現在位置情報と予約人数とをネットワークを介して予約管理システム1に送信する。携帯端末2は現在位置取得手段9と予約手段10とを有している。
【0033】
現在位置取得手段9は、GPS等により携帯端末2の現在位置情報を取得する手段である。GPSを用いた測位方式には、携帯端末2独自にGPSの衛星信号を受信・解析して現在位置を求めるAutonomous方式、現在位置の演算などを所定のサーバに依存するA-GPS方式、GPS衛星の軌道情報などの最小限のサポートを所定のサーバから受けるMS-BASED方式などがあるが、いずれの方法であっても良い。A-GPS方式やMS-BASED方式などのように、現在位置情報の取得に、所定のサーバを利用する場合には、現在位置取得手段9は、そのサーバから現在位置情報を取得しても良いし、携帯端末2から取得しても良い。更に、GPS等を用いずに、例えば携帯電話やPHSの位置特定サービスを利用することで、携帯端末2の現在位置情報を取得しても良い。
【0034】
予約手段10は、現在位置取得手段9で取得した携帯端末2の現在位置情報と、各種施設を利用する予約人数等の予約に必要な情報(その他、必要に応じて、氏名、性別、年齢、電話番号、電子メールアドレス等の属性情報を含んでも良い)を予約管理システム1に送信することで、予約に関する処理を行う手段である。
【0035】
店舗端末3は、各種施設の従業員等が利用するコンピュータ端末(携帯電話、PHS、PDA等も含む)であって、利用希望者がキャンセル時刻前に到着した場合に、所定の操作をすることで、予約管理システム1で受け付けた当該利用希望者の予約を取り消す(或いは到着の情報を登録する)指示を送信する。
【0036】
予約管理システム1は、経路探索手段4と予約管理手段5と予約情報記憶手段6と交通時刻情報記憶手段7と地図情報記憶手段8とを有している。
【0037】
経路探索手段4は、現在位置情報と利用希望者が選択した各種施設の識別情報とを予約管理手段5から受け取ると、その各種施設の識別情報に基づいて地図情報記憶手段8から当該各種施設の位置情報を抽出する。そして、その位置情報と現在位置情報とに基づいて、地図情報記憶手段8や交通時刻情報記憶手段7を参照することにより利用者の現在位置から各種施設までの経路探索を行い、指定された地点間の所要時間や到着予想時刻を算出する手段である。携帯端末2から現在位置情報を受信している場合には、その現在位置情報と利用希望者が選択した各種施設との間の経路探索を行い、A-GPS方式やMS-BASED方式などのように、現在位置情報の取得に所定のサーバを利用する場合にはその所定のサーバから現在位置情報を取得しても良い。また所定のサーバから携帯端末2が現在位置情報を取得した後に、携帯端末2から現在位置情報を取得しても良い。所定のサーバと予約管理システム1とが同一のシステムとして構成されていても良い。
【0038】
経路探索手段4で探索した経路の情報や到着予想時刻の情報は携帯端末2に送信する。また経路探索手段4は、到着予想時刻の情報を予約管理手段5にも渡す。
【0039】
経路探索には様々な方法を用いることが出来、例えば上述の特許文献1に記載のような「ポテンシャルによるラベル確定法」、「ラベル確定法」を利用することが出来るが、これらに限定されるものではない。
【0040】
予約管理手段5は、利用希望者の携帯端末2から予約申込の情報と、予約人数等の予約に必要な情報とを受信すると、予約申込が行われた各種施設の識別情報を予約情報記憶手段6から抽出して経路探索手段4に渡す。そして経路探索手段4で探索した到着予想時刻の情報を受け付け、予約人数分の空席を確保することが出来るかを、後述する予約情報記憶手段6を参照することで予約の登録を行う手段である。
【0041】
また予約管理手段5は、予約登録の際に到着予想時刻に所定時間を加算した時刻をキャンセル時刻として設定し予約情報記憶手段6に併せて登録する。そしてキャンセル時刻を過ぎても当該予約が取り消されていない(或いは到着の情報が登録されていない)場合には、キャンセル扱いとして予約情報記憶手段6から当該予約を取り消す処理を行う手段である。
【0042】
キャンセル時刻の設定は、到着予想時刻に所定時間(例えば10分)を加算した時刻、現在位置から各種施設までの所要時間に所定倍率を乗算した時間を現在時刻に加算した時刻としても良い。また経路探索に電車などの交通機関が含まれる場合には、所定数後の交通機関に乗った場合の到着予想時刻をキャンセル時刻としても良い。このように本来の到着予想時刻よりも遅い時刻の到着予想時刻をキャンセル時刻とする場合であって、経路探索手段4で探索した結果の候補が複数ある場合には、一つの到着予想時刻が予約時刻となり、それ以外(予約時刻よりも遅い時刻)の到着予想時刻をキャンセル時刻としてそのまま用いても良い。また、経路探索手段4に対して、再度、本来の到着予想時刻(予約時刻)よりも若干遅めの時刻を基準として経路探索するように指示を出し、その結果を経路探索手段4から受け取って、その到着予想時刻をキャンセル時刻として用いても良い。更に、経路探索手段4で経路探索を行う際の移動速度を、予約時刻とした到着予想時刻を算出した時よりも遅い移動速度として経路探索を行わせることによって、予約時刻よりも遅い到着予想時刻が算出されるので、それをキャンセル時刻としても良い。
【0043】
予約情報記憶手段6は、各種施設の利用予約についての情報を各種施設毎に登録している情報記憶手段である。ここで登録される情報としては、到着予想時刻(予約時刻)、予約人数、キャンセル時刻、予約を識別する情報(予約を識別する予約番号、予約者の氏名等)がある。また各種施設毎の空席数(或いはテーブル数)も記憶している。また各種施設は各々を識別する識別情報(各種施設名の他にも任意に割り当てられた文字数字記号であっても良い)を有しており、記憶している。図10に予約情報記憶手段6の概念図を示す。
【0044】
交通時刻情報記憶手段7は、経路探索手段4で経路探索する際に必要な交通機関の時刻表の情報や各駅間の所要時間等を記録した情報記憶手段であり、地図情報記憶手段8は、所定地域の地図情報(例えば各種施設の緯度経度高度等の位置情報、各種施設名(識別情報なども含む)、その電話番号等)を記録している情報記憶手段である。これらは経路探索に必要な様々な情報を記録する経路探索情報記憶手段(図示せず)というべきものであり、交通時刻や地図はそれらを構成する一要素にすぎない。従って、これらに限定されることはなく、これら以外の経路探索に必要な情報を記録していても良い。
【0045】
次に本発明の予約管理システム1の処理プロセスの一例を図3のフローチャート、図1の概略図、図2のシステム構成図を用いて説明する。尚、以下の実施例では、上述の各種施設が飲食店であって、利用希望者が飲食店の店舗の情報を提供する予約管理システム1(飲食店の情報は、予約情報記憶手段6に記録されていると良い)から、自分の周辺に位置する飲食店(各種施設)を検索し、その中の一店舗に対してこれから訪れることの予約を行う場合であり、携帯端末2がAutonomous方式によりその現在位置情報を取得する場合を説明する。
【0046】
利用希望者は携帯端末2で所定の操作をすることにより、GPSによる周辺検索のアプリケーションを起動する。この状態の携帯端末2を図4に示す。画面に表示された「周辺検索」を選択することで、予約管理システム1は図5に示すようなカテゴリ毎の施設の選択画面を送信し、携帯端末2で表示させる。尚、GPSによる測位のタイミングは如何なるタイミングで行われても良い。
【0047】
本実施例では利用希望者は飲食店を検索するので、「カテゴリ」の中から「グルメ」を選択する。これを選択することによって現在位置取得手段9は、GPSにより現在位置を測位してから、それを予約管理システム1に送信する。そして予約管理システム1は現在位置情報を受信し(S100)、グルメに於ける飲食店形態の選択画面を携帯端末2に送信して、携帯端末2で表示させる。これを図6に示す。
【0048】
図6に示されたような飲食店形態の中から、利用希望者が例えば「居酒屋」を選択すると、予約管理システム1は前記受信した現在位置情報に基づいて、利用希望者の周辺に位置する(例えば利用希望者を中心として半径2km以内に位置する)店舗の情報を検索し、図7に示すような店舗の選択画面を送信する(S110)。
【0049】
図7に示された店舗の選択画面から、例えば「A屋神田錦町店」を選択すると、予約管理システム1は、図8に示すようなその店舗の詳細画面を送信し、携帯端末2で表示させる。
【0050】
以上のような飲食店の選択の処理プロセスは一例であって、他にも店名や価格、駅名、沿線名等から様々な方式で検索できる。
【0051】
この店舗に予約をする場合、詳細画面に表示された「ただちに予約申込」を選択することによって、携帯端末2から予約申込の要求が送信される。これを予約管理手段5で受信すると、予約人数の入力を促す画面を携帯端末2に送信する。この画面を図9に示す。
【0052】
利用希望者が予約人数(利用人数)を入力して予約管理システム1に送信すると、それを予約管理手段5で受信する(S120)。予約管理手段5は、予約人数を受信すると、予約申込がなされた店舗の識別情報を予約情報記憶手段6から抽出し、S100で受信した現在位置情報と店舗の識別情報とを経路探索手段4に渡す。そして経路探索手段4は、利用希望者の現在位置から予約を行う店舗までの経路探索を行う(S130)。
【0053】
経路探索手段4は、予約管理手段5から受け取った店舗の識別情報に基づいて地図情報記憶手段8から当該店舗の位置情報を抽出し、予約管理手段5から受け付けた利用希望者(携帯端末2)の現在位置情報と抽出した位置情報とに基づいて地図情報記憶手段8や交通時刻情報記憶手段7を参照することで、例えば「ラベル確定法」や「ポテンシャルによるラベル確定法」により経路探索を行い、利用希望者の飲食店までの到着予想時刻を算出する(S140)。尚、地図情報記憶手段8や交通時刻情報記憶手段7は、経路探索を行うために必要な情報記憶手段(経路探索情報記憶手段)の一種であって、これらに限定されるものでもないし、これらが異なる情報記憶手段でなくても良い。
【0054】
また経路探索手段4に於ける経路探索の際に、利用希望者の携帯端末2から徒歩の速度(例えば「ゆっくり」、「標準」、「せかせか」)を受信することで到着予想時刻を正確に見積もるように構成することも出来る。更に利用希望者が鉄道などを利用する場合には、交通時刻情報記憶手段7により時刻を参照できるので、より正確な到着予想時刻が算出できる。
【0055】
このようにして経路探索手段4が算出した到着予想時刻の情報を予約管理手段5は受け取り、到着予想時刻から所定の時間(想定される飲食店の利用時間。例えば居酒屋なら2時間30分。この所定時間は各種施設の利用形態に応じて任意に設定可能である)だけ、S120で受信した予約人数で空席が確保できるかを予約情報記憶手段6を参照することで検索する(S150)。
【0056】
この空席の検索は、予約情報記憶手段6に記憶する店舗毎の座席数、テーブル数と、既に予約情報記憶手段6に登録している予約人数とを比較することにより算出することが出来る。予約情報記憶手段6に座席数が記録されている場合には、店舗毎の座席数から既に予約登録済みの予約人数を減算することで空席が判明するので、それと予約人数とを比較すれば空席を確保できるかが検索できる。また相席を避ける為にテーブル数を用いる場合にはテーブル数から予約数を減算することで(一つのテーブルには一グループの予約客が割り当てられるので)空いているテーブル数が判明するので、それと予約人数とを比較すれば空席を確保できるかが検索できる。また一つあたりのテーブルの人数が異なるテーブルが複数ある場合、例えば4人用テーブル、2人用テーブルとのように分かれている場合には、店舗毎に4人用テーブル数、2人用テーブル数を予約情報記憶手段6に記憶しておき、既に予約登録済みの予約人数で4人用テーブルが割り当てられた予約数(例えば3〜4名の予約人数であれば4人用テーブル)と、2人用テーブルが割り当てられた予約数(1〜2名の予約人数であれば2人用テーブル)とで、各々減算しすることで4人用テーブルの空き数、2人用テーブルの空き数が判明するので、それとS120で受信した予約人数の対応するテーブルとを比較すれば空席を確保できるかが検索できる。これ以外にも空席の判定には様々な手法を用いることが出来る。
【0057】
このような検索の結果、到着予想時刻から所定の時間分だけ予約席を確保できない場合には、予約管理手段5は、携帯端末2に対して満席の通知を送信する(S160)。
【0058】
一方、S150の検索の結果、予約席を確保できる場合には、予約管理手段5は、当該到着予想時刻から所定時間を過ぎた時刻をキャンセル時刻として設定する(S170)。キャンセル時刻を設定するための所定時間は、到着予想時刻に一律に所定時間(例えば10分)を加算した時刻、現在位置から各種施設までの所要時間に所定倍率を乗算した時間を現在時刻に加算した時刻としても良い。また経路探索に電車などの交通機関が含まれる場合には、所定数後の交通機関(例えば2本後の電車)に乗った場合の到着予想時刻をキャンセル時刻としても良いし、徒歩の歩行速度を遅くした場合(例えば分速80mから分速60mにする)の到着予想時刻をキャンセル時刻としても良い。このように本来の到着予想時刻よりも遅い時刻の到着予想時刻をキャンセル時刻とする場合には、経路探索手段4で探索した結果の候補をそのままキャンセル時刻として用いても良いし、経路探索手段4に対して、再度、本来の到着予想時刻よりも若干遅めの時刻を基準として経路探索するように指示を出し、その結果の到着予想時刻をキャンセル時刻として用いても良い。
【0059】
このようにしてキャンセル時刻を設定した後、予約管理手段5は、予約情報記憶手段6に本来の到着予想時刻を予約時刻として予約人数分の予約を登録する(S180)。この際にキャンセル時刻も登録する。また予約を識別するために、予約番号(数字に限らず文字記号等も含む)を発行し、それも登録する。
【0060】
予約管理手段5は、予約情報記憶手段6に当該予約を登録後、利用希望者の携帯端末2に対して予約完了の通知を送信する(S190)。この通知の一例を図11に示す。この際にS170で予約管理手段5が設定したキャンセル時刻や予約番号を通知に表示しておく。
【0061】
このようにして予約登録後、利用者がキャンセル時刻前に来店した場合には(S200)、利用希望者は予約した旨(例えば氏名や予約番号など)を飲食店の従業員に告げる(或いは携帯端末2で受信した予約完了の通知を見せる)こととなるので、飲食店は予約客であることを把握できる。飲食店の従業員は、店舗端末3を所定の操作することにより予約管理システム1の予約情報記憶手段6にアクセスし、当該客が予約客であることを確認後(例えば氏名や予約番号で確認する)、既に来店したので所定の操作により予約情報記憶手段6の予約取り消しの指示を送信する。その指示を受信した予約管理手段5は、予約情報記憶手段6に記録する当該予約を取り消す(或いは到着の情報を登録する)こととなる(S210)。
【0062】
予約情報記憶手段6に登録されたキャンセル時刻になってもその予約が取り消されていない(或いは到着の情報が登録されていない)場合には、予約管理手段5は、予約情報記憶手段6からその予約を取り消す(或いは未着による自動キャンセルの情報を登録する)ことにより、当該予約を無効化する(S230)。
【0063】
このようにすることで新たな予約を飲食店は受け入れることが可能となる。尚、キャンセル時刻が到来時に予約管理手段5は、すぐに予約情報記憶手段6に登録している予約を無効化する前に、店舗端末3に未着の予約客がいることを通知し、その通知から更に所定時間経過しても、来店しない場合に予約を無効化しても良い。
【0064】
S150以降の処理を上述の具体例を用いてより詳細に説明する。S100〜S120までの処理で利用希望者は、「A屋神田錦町店」を選択しているので、予約情報記憶手段6の当該店舗に、到着予想時刻から所定時間帯で予約人数分の空席が確保できるかを検索する。
【0065】
例えば予約情報記憶手段6に登録する「A屋神田錦町店」の予約用の座席数が10席であって、図10に示すように既に3件の予約が予約情報記憶手段6に登録されており、利用希望者が4名の予約を行おうとする場合(尚、経路探索手段4で算出した到着予想時刻を17時40分とする)では、まず予約管理手段5は、経路探索手段4で算出した到着予想時刻(17時40分)の情報を経路探索手段4から受け取る。そして到着予想時刻から所定時間(ここでは居酒屋を選択しているので2時間30分)を加算した時刻(20時10分)までの予約状況を検索し、4席の空席がこの時間帯にあるかを確認する。そうするとここでは18時から2席、18時30分から4席、18時30分から3席の合計9席が既に予約登録されているので、1席しか空席がない。従って4席の予約を受け付けることが出来ないと予約管理手段5は判断して、携帯端末2に満席の通知を送信する。
【0066】
一方、予約情報記憶手段6に登録する「A屋神田錦町店」の予約用の座席数が20席である場合には、図10に示すように既に3件の予約が予約情報記憶手段6に登録されていても、まだ11席の空席があるので、4席の予約を受け付けることが出来る。従って予約管理手段5は、次に到着予想時刻(17時40分)から、所定時間を過ぎた時刻をキャンセル時刻として設定する。例えば利用希望者が電車による移動が含まれている場合には、2本後の電車の場合の到着予想時刻をキャンセル時刻(例えば17時55分)として設定する。またこの予約を識別するための予約番号(例えば「A001−4」)を発行する。このようにして、予約管理手段5は予約情報記憶手段6の「A屋神田錦町店」の予約に、新たに17時40分から4名の予約を予約番号「A001−4」、キャンセル時刻を17時55分として登録する。
【0067】
17時55分までに利用希望者が来店した場合には、従業員に予約番号「A001−4」を告げることとなるので、従業員は店舗端末3から所定の操作をすることにより予約番号「A001−4」の予約を取り消す(或いは到着の情報を登録する)指示を予約管理システム1に送信する。その指示を受信した予約管理システム1の予約管理手段5は、予約情報記憶手段6から当該予約番号の予約を取り消す(或いは到着の情報を登録する)。
【0068】
一方、17時55分までに利用希望者が来店しない場合には、予約管理手段5は、予約情報記憶手段6に登録する予約番号「A001−4」の予約を無効化する。
【0069】
以上のような処理を予約管理システム1が行うことで、精度が高い客観的な予約時刻となる。また利用希望者が虚偽の情報を伝えた場合であっても到着予想時刻は客観的に算出しているので、キャンセル時刻を過ぎた場合には自動的にキャンセル扱いとすることが出来る。また利用希望者の所要時間の読み間違えなども起こらないし、いたずらの防止にもつながる。更に利用希望者に、各種施設の従業員等が利用希望者の現在位置を尋ねる必要もない。
【0070】
本発明に於ける各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。又各情報記憶手段は、情報記憶手段やデータファイルなど各種の情報記憶形式を用いることが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明によって、予約時に利用希望者の現在位置情報を取得して経路探索し、到着予想時刻を予約時刻とすることで、客観的な予約時刻となりその精度も高い。また利用希望者が虚偽の情報を伝えた場合であっても到着予想時刻は客観的に算出しているので、キャンセル時刻を過ぎた場合には自動的にキャンセル扱いとすることが出来る。また利用希望者の所要時間の読み間違えなども起こらないし、いたずらの防止にもつながる。更に利用希望者に、各種施設の従業員等が利用希望者の現在位置を尋ねる必要もない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の全体構成を示す概念図である。
【図2】本発明のシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【図3】本発明の処理プロセスの一例を示すフローチャートである。
【図4】周辺検索を行う場合の携帯端末を示した一例である。
【図5】カテゴリ毎の施設の選択画面を示した一例である。
【図6】飲食店形態の選択画面を示した一例である。
【図7】店舗の選択画面を示した一例である。
【図8】店舗の詳細画面を示した一例である。
【図9】予約人数の入力を促す画面を示した一例である。
【図10】予約情報記憶手段の概念図である。
【図11】予約完了の通知の一例である。
【符号の説明】
【0073】
1:予約管理システム
2:携帯端末
3:店舗端末
4:経路探索手段
5:予約管理手段
6:予約情報記憶手段
7:交通時刻情報記憶手段
8:地図情報記憶手段
9:現在位置取得手段
10:予約手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種施設の利用を予約する利用希望者の携帯端末の現在位置情報に基づいて、前記予約を受け付ける予約管理システムであって、
前記予約管理システムは、
前記各種施設に対する予約に於ける予約時刻の情報と予約人数の情報とを記憶する予約情報記憶手段と、
前記携帯端末の現在位置情報に基づいて、前記利用希望者の現在位置から前記各種施設までの経路を算出することで到着予想時刻を算出する経路探索手段と、
前記携帯端末から予約申込の情報と予約人数の情報とを受信して、前記到着予想時刻を前記利用希望者の前記各種施設の予約時刻とし、前記予約時刻から所定時間に於いて前記予約人数で予約可能かを前記予約情報記憶手段を検索し、前記検索の結果、予約可能な場合には前記予約時刻に前記予約人数で前記予約情報記憶手段に予約を記憶する予約管理手段と、
を有することを特徴とする予約管理システム。
【請求項2】
前記予約管理システムは、
前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、
前記予約管理手段は、
前記予約時刻から所定時間を加算した時刻、又は前記経路算出手段で算出した経路に於ける所要時間に所定倍率を乗算した時間を現在時刻に加算した時刻、をキャンセル時刻として設定し、前記予約を記憶するときに併せて前記キャンセル時刻を前記予約情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項3】
前記予約管理システムは、
前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、
前記予約管理手段は、
前記経路探索手段に於ける複数の到着予想時刻のうち、前記予約時刻として設定した到着予想時刻よりも遅い到着予想時刻のうちいずれかをキャンセル時刻として設定し、前記予約を記憶するときに併せて前記キャンセル時刻を前記予約情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項4】
前記予約管理システムは、
前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、
前記予約管理手段は、
前記経路探索手段に於ける予約時刻とした到着予想時刻の経路よりも所定数後の交通機関を利用した経路探索を行う指示を前記経路探索手段に出し、その結果である到着予想時刻を前記経路探索手段より受け取り、それをキャンセル時刻として前記予約を記憶するときにあわせて前記予約情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項5】
前記予約管理システムは、
前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、
前記予約管理手段は、
前記経路探索手段に於ける予約時刻とした到着予想時刻の経路で用いた移動速度よりも遅い移動速度での経路探索を行う指示を前記経路探索手段に出し、その結果である到着予想時刻を前記経路探索手段より受け取り、それをキャンセル時刻として前記予約を記憶するときにあわせて前記予約情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項6】
前記予約管理システムは、前記各種施設で利用される店舗端末との間でデータの送受信が可能であって、
前記予約管理手段は、
前記店舗端末から前記予約情報記憶手段に記憶した予約の取り消しの指示又は到着の情報の登録指示を受信することで、前記予約情報記憶手段に於ける前記予約を取り消し又は到着の情報を記録する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項7】
前記予約管理手段は、
前記予約情報記憶手段に記憶した予約のうち、前記キャンセル時刻となった予約について無効化する、
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項8】
前記予約管理手段は、
前記予約を無効化する前に、前記店舗端末に対して予約客がいることを通知する、
ことを特徴とする請求項7に記載の予約管理システム。
【請求項9】
前記予約管理手段は、
前記通知をした後に前記予約を無効化する、
ことを特徴とする請求項8に記載の予約管理システム。
【請求項1】
各種施設の利用を予約する利用希望者の携帯端末の現在位置情報に基づいて、前記予約を受け付ける予約管理システムであって、
前記予約管理システムは、
前記各種施設に対する予約に於ける予約時刻の情報と予約人数の情報とを記憶する予約情報記憶手段と、
前記携帯端末の現在位置情報に基づいて、前記利用希望者の現在位置から前記各種施設までの経路を算出することで到着予想時刻を算出する経路探索手段と、
前記携帯端末から予約申込の情報と予約人数の情報とを受信して、前記到着予想時刻を前記利用希望者の前記各種施設の予約時刻とし、前記予約時刻から所定時間に於いて前記予約人数で予約可能かを前記予約情報記憶手段を検索し、前記検索の結果、予約可能な場合には前記予約時刻に前記予約人数で前記予約情報記憶手段に予約を記憶する予約管理手段と、
を有することを特徴とする予約管理システム。
【請求項2】
前記予約管理システムは、
前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、
前記予約管理手段は、
前記予約時刻から所定時間を加算した時刻、又は前記経路算出手段で算出した経路に於ける所要時間に所定倍率を乗算した時間を現在時刻に加算した時刻、をキャンセル時刻として設定し、前記予約を記憶するときに併せて前記キャンセル時刻を前記予約情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項3】
前記予約管理システムは、
前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、
前記予約管理手段は、
前記経路探索手段に於ける複数の到着予想時刻のうち、前記予約時刻として設定した到着予想時刻よりも遅い到着予想時刻のうちいずれかをキャンセル時刻として設定し、前記予約を記憶するときに併せて前記キャンセル時刻を前記予約情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項4】
前記予約管理システムは、
前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、
前記予約管理手段は、
前記経路探索手段に於ける予約時刻とした到着予想時刻の経路よりも所定数後の交通機関を利用した経路探索を行う指示を前記経路探索手段に出し、その結果である到着予想時刻を前記経路探索手段より受け取り、それをキャンセル時刻として前記予約を記憶するときにあわせて前記予約情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項5】
前記予約管理システムは、
前記予約情報記憶手段に、更に前記予約に対するキャンセル時刻を記憶しており、
前記予約管理手段は、
前記経路探索手段に於ける予約時刻とした到着予想時刻の経路で用いた移動速度よりも遅い移動速度での経路探索を行う指示を前記経路探索手段に出し、その結果である到着予想時刻を前記経路探索手段より受け取り、それをキャンセル時刻として前記予約を記憶するときにあわせて前記予約情報記憶手段に記憶する、
ことを特徴とする請求項1に記載の予約管理システム。
【請求項6】
前記予約管理システムは、前記各種施設で利用される店舗端末との間でデータの送受信が可能であって、
前記予約管理手段は、
前記店舗端末から前記予約情報記憶手段に記憶した予約の取り消しの指示又は到着の情報の登録指示を受信することで、前記予約情報記憶手段に於ける前記予約を取り消し又は到着の情報を記録する、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項7】
前記予約管理手段は、
前記予約情報記憶手段に記憶した予約のうち、前記キャンセル時刻となった予約について無効化する、
ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の予約管理システム。
【請求項8】
前記予約管理手段は、
前記予約を無効化する前に、前記店舗端末に対して予約客がいることを通知する、
ことを特徴とする請求項7に記載の予約管理システム。
【請求項9】
前記予約管理手段は、
前記通知をした後に前記予約を無効化する、
ことを特徴とする請求項8に記載の予約管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−268720(P2006−268720A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−89051(P2005−89051)
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月25日(2005.3.25)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】
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