説明

二環式アニリドスピロラクタムCGRP受容体拮抗薬

本発明は、CGRP受容体の拮抗薬として有用であり、CGRPが関係する疾病、例えば頭痛、偏頭痛および群発性頭痛の治療または予防に有用である、式(I)


(式中の可変項A、A、B、J、K、m、n、R、R5a、R5bおよびR5cは、本明細書の中で定義するとおりである)の化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRPが関係するこうした疾病の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、カルシトニンメッセンジャーRNAの組織特異的オルタナティブプロセッシングにより生成され、中枢および末梢神経系に広く分布している、天然37アミノ酸ペプチドである。CGRPは、主として求心性および中枢性感覚ニューロンに局在し、血管拡張をはじめとする幾つかの生体作用を媒介する。CGRPは、アルファ形およびベータ形で発現され、ラットおよびヒトでは、それぞれ1つおよび3つのアミノ酸によってこれらの形が変わる。CGRP−アルファおよびCGRP−ベータは、類似した生物学的特性を提示する。細胞から放出されたとき、CGRPは、特異的細胞表面受容体への結合によりこの生体応答を開始し、これらは、多分にアデニリルシクラーゼの活性化と連動する。CGRP受容体は、脳、心血管、内皮および平滑筋起源のものをはじめとする幾つかの組織および細胞において、同定および薬理評価されている。
【0002】
薬理特性に基づき、これらの受容体は、少なくとも2つのサブタイプ(CGRPおよびCGRPを指す)に分けられる。ヒトα−CGRP−(8−37)[7つのN末端アミノ酸残基を欠くCGRPのフラグメント]は、CGRPの選択的拮抗薬であり、これに対してCGRPの線状類似体[ジアセトアミドメチルシステインCGRP([Cys(ACM)2,7]CGRP)]は、CGRPの選択的作動薬である。CGRPは、偏頭痛および群発性頭痛などの脳血管疾患の症状に関連付けられている強力な血管拡張薬である。臨床試験において、頚静脈におけるCGRPのレベル上昇が、偏頭痛発作中に発生することが判明した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1990,28,183−187)。CGRPは、頭蓋内血管の平滑筋上の受容体を活性化して血管拡張増加を導き、これが、偏頭痛発作中の頭痛の主発生源と考えられている(Lance,Headache Pathogenesis:Monoamines,Neuropeptides,Purines and Nitric Oxide,Lippincott−Raven Publishers,1997,3−9)。中硬膜動脈(硬膜内の主動脈)は、CGRPをはじめとする幾つかの神経ペプチドを含む三叉神経節からの感覚線維による刺激を受ける。ネコでは、三叉神経節刺激の結果、CGRPのレベルが上昇し、ヒトでは、三叉神経系の活性化に起因して、顔が潮紅し、外頚静脈中のCGRPレベルが上昇した(Goadsbyら,Ann.Neurol.,1988,23,193−196)。ラットにおいて、硬膜の電気刺激は、中硬膜動脈の直径を増大させ、この効果は、CGRP(8−37)[ペプチドCGRP拮抗薬]の事前投与により阻止された(Williamsonら,Cephalalgia,1997,17,525−531)。ラットにおいて、三叉者神経節刺激は、顔の血流を増加させ、これは、CGRP(8−37)により抑制された(Escottら,Brain Res.1995,669,93−99)。マーモセットにおいて、三叉神経節の電気刺激は、顔の血流増加を生じさせ、これは、非ペプチドCGRP拮抗薬BIBN4096BSにより阻止することができた(Doodsら,Br.J.Pharmacol.,2000,129,420−423)。このように、CGRPの血管効果は、CGRP拮抗薬によって減弱、防止または反転させることができる。
【0003】
CGRPにより媒介されるラット中硬膜動脈の血管拡張は、尾三叉神経核のニューロンを感作することが証明された(Williamsonら,The CGRP Family:Calcitonin Gene−Related Peptide(CGRP),Amylin,and Adrenomedullin,Landes Bioscience,2000,245−247)。同様に、偏頭痛中の硬膜血管の拡大は、三叉神経ニューロンを感作し得る。頭蓋外疼痛および顔面異痛をはじめとする一部の偏頭痛関連症状は、三叉神経ニューロン感作の結果であり得る(Bursteinら,Ann.Neurol.2000,47,614−624)。CGRP拮抗薬は、ニューロン感作の影響を減弱、防止または反転させる際に有益であり得る。
【0004】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物の能力が、本化合物を、ヒトおよび動物における、しかし特にヒトにおけるCGRPに関係する疾患に有用な薬物にする。こうした疾患としては、偏頭痛および群発性頭痛(Doods,Curr Opin Inves Drugs,2001,2(9),1261−1268;Edvinssonら,Cephalalgia,1994,14,320−327);慢性緊張型頭痛(Ashinaら,Neurology,2000,14,1335−1340);疼痛(Yuら,Eur.J.Pharm.,1998,347,275−282);慢性疼痛(Hulseboschら,Pain,2000,86,163−175);神経性炎症および炎症性疼痛(Holzer,Neurosci.,1988,24,739−768;Delay−Goyetら,Acta Physiol.Scanda.1992,146,537−538;Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);眼痛(Mayら,Cephalalgia,2002,22,195−196)、歯痛(Awawdehら,Int.Endocrin.J.,2002,35,30−36)、インスリン非依存性糖尿病(Molinaら,Diabetes,1990,39,260−265);血管疾患;炎症(Zhangら,Pain,2001,89,265);関節炎、気管支反応亢進、喘息(Fosterら,Ann.NY Acad.Sci.,1992,657,397−404;Schiniら,Am.J.Physiol,1994,267,H2483−H2490;Zhengら,J.Virol.,1993,67,5786−5791);ショック、敗血症(Beerら,Crit.Care Med.,2002,30(8),1794−1798);アヘン剤禁断症候群(Salmonら,Nature Neurosci.,2001,4(4),357−358);モルヒネ耐性(Menardら,J.Neurosci.,1996,16(7),2342−2351);男性および女性におけるのぼせ(Chenら,Lancet,1993,342,49;Spetzら,J.Urology,2001,166,1720−1723);アレルギー性皮膚炎(Wallengren,Contact Dermatitis,2000,43(3),137−143);乾癬;脳炎、脳の外傷、虚血、卒中、癲癇および神経変性疾患(Rohrenbeckら,Neurobiol.of Disease 1999,6,15−34);皮膚病(Geppetti and Holzer,Eds.,Neurogenic Inflammation,1996,CRC Press,Boca Raton,FL)、神経性の皮膚の赤み、バラ色の皮膚(skin rosaceousness)および紅斑;耳鳴り(Herzogら,J.Membrane Biology,2002,189(3),225);炎症性腸疾患、過敏性腸症候群(Hoffmanら,Scandinavian Journal of Gastroenterology,2002,37(4)414−422)ならびに膀胱炎が挙げられる。偏頭痛および群発性頭痛をはじめとする頭痛の急性または予防的治療は、特に重要である。偏頭痛の治療についてのCGRP拮抗薬の効力の注目すべき証拠が、静脈内投与BIBN4096BSを用いる臨床試験により提供された。このCGRP拮抗薬は、偏頭痛にとっての安全で有効な急性治療薬であることが判明した(Olesenら,N.Engl.J.Med.,2004,350(11),1104−1110)。
【技術分野】
【0005】
本発明は、CGRP受容体のリガンド、特に、CGRP受容体の拮抗薬として有用である化合物、これらを調製するためのプロセス、治療におけるこれらの使用、これらを含む医薬組成物、およびこれらを使用する治療方法に関する。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、CGRP受容体の拮抗薬であり、CGRPが関係する疾病、例えば偏頭痛の治療または予防に有用である化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびにCGRPが関係するこうした疾患の予防または治療におけるこれらの化合物および組成物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、式I:
【0008】
【化12】

(式中、
Bは、
【0009】
【化13】

(これらの式中のT、U、V、W、XおよびYは、各々、独立して、炭素原子または窒素原子であり、この場合、T、U、VおよびWの2つより多くならびにT、U、V、W、XおよびYの3つより多くが、窒素であることはない)
から成る群より選択される二環式複素環であり、
Bは、非置換または、R、R、R3aおよびR3bから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、この場合、R、R、R3aおよびR3bは、
(1)−C1−6アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から7個の置換基で置換されている:
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよび−OCFから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(f)−CO(この場合、Rは、水素、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル、ベンジルおよびフェニルから独立して選択される)、
(g)−NR1011(この場合、R10およびR11は、水素、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、−CORおよび−SO12から、各々、独立して選択される)、
(h)−SO12(この場合、R12は、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジルおよびフェニルから、独立して選択される)、
(i)−CONR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジルおよびフェニルから、各々、独立して選択されるか、
10aおよびR11aは一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、フェニルおよびベンジルから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(j)トリフルオロメチル、
(k)−OCO
(l)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、および
(o)−O−C3−6シクロアルキル]、
(2)−C3−6シクロアルキル[これは、非置換または、以下から各々、独立して選択される1から7個の置換基で置換されている:
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)トリフルオロメチル、
(e)フェニル(これは、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)]、
(3)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アゼパニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、フリル、イミダゾリニル、インドリニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソインドリニル、テトラヒドロイソキノリニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピロリル、キナゾリニル、テトラヒドロフリル、チアゾリニル、プリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、1,3−ジオキソラニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルおよび複素環は、非置換または、以下から各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)、
(b)ハロ、
(c)ヒドロキシ、
(d)−O−C1−6アルキル(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)
(e)−C3−6シクロアルキル、
(f)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニルまたはモルホリニルから選択され、これは、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(g)−CO
(h)−(CO)R
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)オキソ、
(l)−SR12
(m)−S(O)R12、および
(n)−SO12]、
(4)ハロ、
(5)オキソ、
(6)ヒドロキシ、
(7)−O−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から5個のハロで置換されている)、
(8)−CN、
(9)−CO
(10)−NR1011
(11)−SO12
(12)−CONR10a11a
(13)−OCO
(14)−(NR10a)CO
(15)−O(CO)NR10a11a
(16)−(NR)(CO)NR10a11a
(17)−(CO)−(CO)NR10a11a
(18)−(CO)−(CO)OR、および
(19)−SONR10a11a
から、独立して選択され;または
3aおよびR3bとこれらが結合している原子(単数または複数)は一緒になって、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チエニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、
(a)−C1−6アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている:
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよび−OCFから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(vi)−CO
(vii)−NR1011
(viii)−SO12
(ix)−CONR10a11a、および
(x)−(NR10a)CO
(b)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)−O−C1−6アルキルおよび−C3−6シクロアルキルから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている]、
(d)ハロ、
(e)−SO12
(f)ヒドロキシ、
(g)−O−C1−6アルキル[これは、非置換または、1から5個のハロで置換されている]、
(g)−CN、
(h)−COR12
(i)−NR1011
(j)−CONR10a11a
(k)−CO
(l)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、および
(o)オキソ
から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、
およびAは、結合および−CR1314−から、各々、独立して選択され、この場合のR13およびR14は、水素、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)C1−6アルキル、ヒドロキシおよびハロから、各々、独立して、選択され、この場合、
およびAのうちの一方は、場合によっては不在であり、
Jは、=C(R6a)−、−CR1314−および−C(=O)−から、独立して選択され、
Kは、=C(R6b)−、−CR1314−、−C(=O)−、−SO−、=N−および−N(R6b)−から、独立して選択され、
は、水素、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)C1−6アルキル、C5−6シクロアルキル、ベンジルおよびフェニルから選択され、
5a、R5bおよびR5cは、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−OCF、トリフルオロメチル、ハロ、ヒドロキシおよび−CNから、各々、独立して選択され、
6aおよびR6bは、
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)ハロ、
(b)−O−C1−6アルキル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリルまたはモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよび−OCFから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている)]、
(3)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、(非置換または、1から5個のフルオロで置換されている)−C1−4アルキル、(非置換または、1から5個のフルオロで置換されている)−O−C1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、−C3−6シクロアルキルおよびフェニルから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている]、
(4)ハロ、
(5)ヒドロキシ、
(6)−O−C1−6アルキル[これは、非置換または、1から5個のハロで置換されている]、
(7)−CN、
(8)−CO
(9)−NR1011、および
(10)−CONR10a11a
から、各々、独立して選択され、または
6aおよびR6bとこれらが結合している原子(単数または複数)は一緒になって、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニルおよびジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、
(a)−C1−6アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている:
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよび−OCFから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(vi)−CO
(vii)−NR1011
(viii)−SO12
(ix)−CONR10a11aおよび
(x)−(NR10a)CO]、
(b)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルおよび複素環は、非置換または、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)−C1−6アルキル、(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシおよび−C3−6シクロアルキルから各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている]、
(c)ハロ、
(d)−SO12
(e)ヒドロキシ、
(f)−O−C1−6アルキル[これは、非置換または、1から5個のハロで置換されている]、
(g)−CN、
(h)−COR12
(i)−NR1011
(j)−CONR10a11a
(k)−CO
(l)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、および
(o)オキソ
から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、
mは、1または2であり、
nは、1または2である)
の化合物およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーに関する。
【0010】
本発明の1つの実施形態は、式Ia:
【0011】
【化14】

(式中、A、A、B、J、K、R、m、およびnは、本明細書の中で定義されている)
の化合物およびこれらの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。
【0012】
本発明のもう1つの実施形態は、式Ib:
【0013】
【化15】

(式中、B、J、K、R、m、およびnは、本明細書の中で定義されている)
の化合物およびこれらの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。
【0014】
本発明のもう1つの実施形態は、式Ic:
【0015】
【化16】

(式中、B、J、およびKは、本明細書の中で定義されている)
の化合物およびこれらの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。
【0016】
本発明のもう1つの実施形態は、式Id:
【0017】
【化17】

(式中、B、J、およびKは、本明細書の中で定義されている)
の化合物およびこれらの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。
【0018】
本発明のもう1つの実施形態は、式Ie:
【0019】
【化18】

(式中、Bは、本明細書の中で定義されている)
の化合物およびこれらの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。
【0020】
本発明のもう1つの実施形態は、式If:
【0021】
【化19】

(式中Bは、本明細書の中で定義されている)
の化合物およびこれらの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。
【0022】
本発明のもう1つの実施形態は、式Ig:
【0023】
【化20】

(式中Bは、本明細書の中で定義されている)
の化合物およびこれらの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。
【0024】
本発明の1つの実施形態において、Bは、
【0025】
【化21】

から成る群より選択され、これは、非置換または、R、R、R3aおよびR3bから選択される1から5個の置換基で置換されており、この場合のR、R、R3aおよびR3bは、本明細書の中で定義されている。
【0026】
本発明の1つの実施形態において、Bは、2−オキソベンゾイミダゾリニルである。
【0027】
本発明の1つの実施形態において、Bは、インドリルである。
【0028】
本発明の1つの実施形態において、Bは、インドリニルである。
【0029】
本発明の1つの実施形態において、Bは、2−オキソインドリニルである。
【0030】
本発明の1つの実施形態において、Bは、2−オキソアザベンゾイミダゾリニルである。
【0031】
本発明の1つの実施形態において、Bは、アザインドリルである。
【0032】
本発明の1つの実施形態において、R、R、R3aおよびR3bは、
(1)−C1−6アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)フルオロ、
(b)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニルおよびモルホリニルから選択される)、
(c)−CO(この場合、Rは、水素および−C1−6アルキルから、独立して選択される)、
(d)−CONR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−6アルキルから、各々、独立して選択されるか、R10aおよびR11aは一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成する)、
(e)−O−C3−6シクロアルキル]、
(2)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、2−オキソピロリジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、テトラヒドロチエニルおよびテトラヒドロチオピラニルから選択され、このフェニルおよび複素環は、非置換または、以下から各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(b)ハロ、
(c)−CO(この場合、Rは、水素、−C1−4アルキルおよび−C3−6シクロアルキルから選択される)、
(d)−(CO)R
(e)−CONR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−6アルキルから、独立して選択されるか、R10aおよびR11aは一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成する)、
(f)−O−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(g)ヒドロキシ、
(h)オキソ、
(i)−S−C1−4アルキル、
(j)−S(O)−C1−4アルキル、および
(k)−SO−C1−4アルキル]、
(3)ハロ、
(4)ヒドロキシ、
(5)−O−C1−6アルキル(非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(6)−NR1011(この場合、R10およびR11は、水素、(非置換または、1から5個のフルオロで置換されている)−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキルおよび−CORから、各々、独立して選択される)、
(7)−C3−6シクロアルキル、
(8)−(CO)−(CO)NR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−6アルキルから、独立して選択される);ならびに
(9)−CN
から、独立して選択される。
【0033】
本発明の1つの実施形態において、RおよびRは、
(1)−C1−4アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)フルオロ、
(b)フェニル、
(c)−CO(この場合、Rは、水素および−C1−4アルキルから、独立して選択される)、
(d)−CONR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−4アルキルから、各々、独立して選択されるか、R10aおよびR11aは一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成する)、
(e)−O−C3−6シクロアルキル]、
(2)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリジニル、チアゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニルおよびテトラヒドロチオピラニルから選択され、このフェニルおよび複素環は、非置換または、以下から各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)−C1−4アルキル(これは、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(b)ハロ、
(c)−CO(この場合、Rは、水素、−C1−4アルキルおよび−C3−6シクロアルキルから選択される)、
(d)−(CO)R
(e)−CONR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−4アルキルから、独立して選択される)、
(f)−O−C1−4アルキル(これは、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(g)ヒドロキシ、
(h)オキソ、
(i)−S−C1−4アルキル、
(j)−S(O)−C1−4アルキル、および
(k)−SO−C1−4アルキル]、
(3)ハロ、
(4)ヒドロキシ、
(5)−O−C1−4アルキル(これは、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(6)−CN、
(7)−C3−6シクロアルキル、
(8)−(CO)−(CO)NR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−4アルキルから、独立して選択される);ならびに
(9)−NR1011(この場合、R10およびR11は、水素、−C1−4アルキルおよび−CORから、各々、独立して選択され、この場合のRは、本明細書の中で定義されている)
から、独立して選択される。
【0034】
本発明の1つの実施形態において、R3aおよびR3bとこれらが結合している炭素原子(単数または複数)は一緒になって、ピペリジニル、シクロヘキシル、シクロペンチル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニルおよびテトラヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、これは、非置換または、以下から独立して選択される1から3個の置換基で置換されている:
(a)−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から3個の置換基で置換されており、この場合の置換基は、
(i)ハロ、および
(ii)フェニル
から、独立して選択される)、
(b)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニルおよびピラジニルから選択される)、
(c)−CO(この場合、Rは、
(i)水素、および
(ii)−C1−4アルキル
から選択される)、
(d)ヒドロキシ、ならびに
(e)オキソ。
【0035】
本発明の1つの実施形態において、R3aおよびR3bとこれらが結合している炭素原子(単数または複数)は一緒になって、ピペリジニル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている:
(a)−C1−6アルキル(これは、非置換または、フルオロおよびフェニルから独立して選択される1から3個の置換基で置換されている)、
(b)−CO−C1−4アルキル、
(c)ヒドロキシル、および
(d)オキソ。
【0036】
本発明の1つの実施形態において、Aは、結合である。
【0037】
本発明の1つの実施形態において、Aは、−CH−である。
【0038】
本発明の1つの実施形態において、Jは、=C(R6a)−および−CH−から選択され、この場合のR6aは、本明細書の中で定義されている。
【0039】
本発明の1つの実施形態において、Jは、−CH−である。
【0040】
本発明の1つの実施形態において、Jは、=C(R6a)−であり、この場合のR6aは、本明細書の中で定義されている。
【0041】
本発明の1つの実施形態において、Kは、=C(R6b)−、−CH−および−C(=O)−から選択され、この場合のR6bは、本明細書の中で定義されている。
【0042】
本発明の1つの実施形態において、Kは、−CH−である。
【0043】
本発明の1つの実施形態において、Kは、=C(R6b)−であり、この場合のR6bは、本明細書の中で定義されている。
【0044】
本発明の1つの実施形態において、Rは、水素または(非置換または、フルオロで置換されている)−C1−6アルキルから選択される。
【0045】
本発明の1つの実施形態において、Rは、水素である。
【0046】
本発明の1つの実施形態において、R5a、R5bおよびR5cは、水素、C1−6アルキルおよびハロから、独立して選択される。
【0047】
本発明の1つの実施形態において、R5a、R5bおよびR5cは、水素およびハロから、独立して選択される。
【0048】
本発明の1つの実施形態において、R5a、R5bおよびR5cは、水素である。
【0049】
本発明の1つの実施形態において、R6aおよびR6bは、
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル[これは、非置換または、ハロ、−O−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルおよびフェニルから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている]、
(3)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、1から3個の置換基で置換されており、ここで該置換基は、(非置換または、1から3個の置換基で置換されている)−C1−4アルキル、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロおよびヒドロキシルから、各々、独立して選択される]
(4)ハロ、
(5)−NR1011
(6)ヒドロキシ、
(7)非置換または、1から3個のハロで置換されている−O−C1−4アルキル
から、独立して選択される。
【0050】
本発明の1つの実施形態において、R6aおよびR6bは、
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル(これは、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、および
(3)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択される)
から、独立して選択される。
【0051】
本発明のさらにもう1つの実施形態において、R6aおよびR6bとこれらが結合している原子(単数または複数)とが一緒になって、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびチエニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、
(a)−C1−4アルキル(これは、非置換または、ハロ、−O−C1−6アルキル、−CO、−NR1011および−CONR10a11aから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている)、
(b)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、(非置換または、1から5個のフルオロで置換されている)−C1−4アルキル、(非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)−O−C1−4アルキル、ハロおよびヒドロキシから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている)、
(c)ハロ、
(d)ヒドロキシ、
(e)非置換または、1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)−NR1011
(h)−CONR10a11a、および
(i)オキソ
から、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている。
【0052】
本発明の1つの実施形態において、R6aおよびR6bとこれらが結合している原子(単数または複数)とが一緒になって、フェニル、ピリジルおよびピリミジニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、(非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)−C1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシおよび−O−C1−4アルキルから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている。
【0053】
本発明の1つの実施形態において、R6aおよびR6bとこれらが結合している原子(単数または複数)とが一緒になって、ピリジルおよびピリミジニルから選択される環を形成する。
【0054】
本発明の1つの実施形態において、mは、1である。
【0055】
本発明の1つの実施形態において、nは、1である。
【0056】
本発明の1つの実施形態において、nは、2である。
【0057】
上で述べた構造またはサブ構造の1つまたはそれ以上が、同じ呼称を有する多数の置換基を述べている場合、各々のこうした可変項は、各々の同様に呼ばれている可変項と同じである場合もあり、異なる場合もあることは、理解されるはずである。本発明は、特定の可変項の各事例が同じ部分またはサブ構造を表さなければならない構造およびサブ構造に限定されない。
【0058】
本発明の化合物は、1つまたはそれ以上の不斉中心を有することがあり、従って、ラセミ体およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして発生し得る。分子上の様々な置換基の性質に依存して、追加の不斉中心が存在することもある。各々のこうした不斉中心は、独立して2つの光学異性体を生じさせることとなり、混合物でのおよび純粋な化合物または部分的に精製された化合物としての可能な光学異性体およびジアステレオマーのすべてが、本発明の範囲に包含されると解釈する。本発明は、これらの化合物のすべてのこうした異性体形を包含ものとする。
【0059】
本明細書に記載する化合物の一部は、オレフィン性二重結合を有し、特に別の指定がなければ、E幾何異性体とZ幾何異性体の両方を包含するものとする。
【0060】
これらのジアステレオマーの独立した合成およびこれらのクロマトグラフ分離は、本明細書の中で開示する方法論を適切に変更することにより、当該技術分野において知られているとおり達成することができる。これらの絶対立体化学は、結晶生成物または必要な場合には絶対配置がわかっている不斉中心を有する試薬で誘導体化させた結晶性中間体のX線結晶構造解析によって判定することができる。
【0061】
所望される場合、本化合物のラセミ混合物を分離して、個々のエナンチオマーを単離することができる。この分離は、化合物のラセミ混合物とエナンチオマー的に純粋な化合物とをカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、続いて、分別結晶またはクロマトグラフィーなどの標準的な方法により個々のジアステレオマーに分離するような、当該技術分野では周知の方法により行うことができる。多くの場合、このカップリング反応は、エナンチオマー的に純粋な酸または塩基を使用する塩の形成である。次に、これらのジアステレオマー誘導体は、付加させたキラル残基を切断することにより、純粋なエナンチオマーに転化させることができる。本化合物のラセミ混合物は、キラル固定相を利用するクロマトグラフ法により直接分離することもでき、これらの方法は、当該技術分野において周知である。
【0062】
または、当該技術分野では周知の方法による、光学的に純粋な出発原料または立体配置がわかっている試薬を使用する立体選択的合成により、化合物の任意のエナンチオマーを得ることができる。
【0063】
当業者には理解されるように、R10aおよびR11a置換基のすべてが、かならずしも環構造を形成できるとは限らない。さらに、環を形成できる置換基でさえ、環構造を形成することもあり、しないこともある。
【0064】
また、当業者には理解されるように、ここで用いるハロまたはハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードを包含すると解釈する。
【0065】
ここで用いる「アルキル」は、二重結合および三重結合を有さない線状、分枝状および環状構造を意味すると解釈する。従って、C1−6アルキルは、線状または分枝状配置の1、2、3、4、5または6個の炭素を有すると、この基を特定するために定義し、例えば、具体的に、C1−6アルキルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。「シクロアルキル」は、この一部またはすべてが原子数3またはそれ以上の環を形成している、アルキルである。CまたはCアルキルは、直接共有結合の存在を特定するために定義する。
【0066】
ここで用いる「アリール」は、各環の構成員数が7以下であり、少なくとも1つの環が芳香族である、あらゆる安定な単環式または二環式炭素環を意味すると解釈する。こうしたアリール要素の例としては、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルが挙げられる。
【0067】
注記のある場合を除き、ここで用いる用語「複素環」または「複素環式」は、飽和しているか、不飽和であり、ならびに炭素原子とN、OおよびSから成る群より選択される1から4個のヘテロ原子とから成る、安定な5から7員単環式または安定な8から11員二環式複素環構造を表し、この場合、窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合によっては酸化されていることがあり、窒素ヘテロ原子は、場合によっては四級化されていることがあり、ならびにこの用語は、上で定義した複素環がベンゼン環に融合しているあらゆる二環式の環を包含する。複素環は、結果として安定な構造を生じさせる任意のヘテロ原子または炭素原子で結合することができる。こうした複素環基の例としては、アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソオキサゾリン、イソオキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリンおよびこれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
注記のある場合を除きここで用いる用語「ヘテロアリール」は、芳香族環を含有する、および、このいずれかの環が、飽和している(例えば、ピペリジニル)ことがあり、部分飽和していることがあり、または不飽和である(例えば、ピリジニル)ことがあり、および、炭素原子と、N、OおよびSからなる群より選択される1から4個のヘテロ原子とから成る、安定な4から7員単環式または安定な9から10員縮合二環式複素環構造を表し、この場合、前記窒素および硫黄ヘテロ原子は、場合によっては酸化されていることがあり、窒素ヘテロ原子は、場合によっては四級化されていることがあり、ならびにこの用語は、上で定義した複素環のいずれかがベンゼン環と縮合している任意の二環式の基を包含する。複素環は、結果的に安定な構造が生じる任意のヘテロ原子または炭素原子で結合させることができる。こうしたヘテロアリール基の例としては、ベンゾイミダゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾールおよびこれらのN−オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
−Cアルコキシの場合のような用語「アルコキシ」は、直線状、分枝状および環状立体構造の炭素原子数1から6のアルコキシ基を包含することを指すと解釈する。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0070】
「医薬的に許容される」というフレーズは、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触させる使用に適し、過度の毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴わず、妥当な損益比に見合っている、化合物、材料、組成物および/または剤形を指すためにここでは用いる。
【0071】
ここで用いる「医薬的に許容される塩」は、親化合物がこの酸または塩基の塩を作ることにより変性されている誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例としては、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩などが挙げられるが、これらに限定されない。医薬的に許容される塩は、従来の非毒性の塩、または例えば非毒性無機または有機酸から形成された親化合物の第四アンモニウム塩を包含する。例えば、こうした従来の非毒性の塩としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導される塩;ならびに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸などから調製される塩が挙げられる。
【0072】
用語「結合」および「不在」は、本明細書中の一定の事例において、本発明の特定の実施形態には存在しない原子(または化学的部分)を指すために、同義で用いている。こうした実施形態において、「結合」または「不在」原子に隣接する原子は、単に互いに結合している。例えば、ここに記載および特許請求する本発明の一定の実施形態において、式中のAは、「不在」と記載されている。こうした分子では、Aが、−C(=O)部分に直接結合し、この結果、サブ構造B−A−C(=O)が生じると理解する。特定の原子または部分、特に、他の原子または部分に結合または連結するために役立つ原子または部分の不在には、こうした他の原子または部分が結合していないという含意はない。
【0073】
本発明の化合物が塩基性であるとき、塩は、無機および有機酸を含む医薬的に許容される非毒性の酸から調製することができる。こうした酸としては、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などが挙げられる。本発明の1つの態様において、塩は、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸および酒石酸である。ここで用いる場合、式Iの化合物への言及は、これらの医薬的に許容される塩も包含することは理解されるであろう。
【0074】
実施例および本明細書に開示する化合物の使用は、本発明のよい例となる。本発明の範囲内の具体的な化合物としては、以下の実施例に開示する化合物およびこれらの医薬的に許容される塩およびこれらの個々のジアステレオマーから成る群より選択される化合物が挙げられる。
【0075】
本化合物は、CGRP受容体に対する拮抗をこうした拮抗が必要な哺乳動物などの患者において行う方法において有用であり、前記方法は、本化合物の有効量の投与を含む。本発明は、本明細書に開示する化合物のCGRP受容体の拮抗薬としての使用に関する。霊長類、特にヒトに加えて、様々な他の哺乳動物を本発明の方法に従って治療することができる。
【0076】
本発明のもう1つの実施形態は、患者におけるCGRP受容体が関係する疾病もしくは疾患の治療、制御もしくは改善または前記疾病もしくは疾患のリスクの低減のための方法に関し、この方法は、CGRP受容体の拮抗薬である化合物の治療有効量をこの患者に投与することを含む。
【0077】
本発明は、ヒトおよび動物におけるCGRP受容体に拮抗するための医薬品の製造方法にさらに関し、この方法は、本発明の化合物を医薬担体または希釈剤と併せることを含む。
【0078】
本発明において治療される被験者は、一般に、CGRP受容体活性の拮抗が望ましい哺乳動物、例えば、ヒト、男性または女性である。用語「治療有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床家が探求し続ける、組織、系、動物またはヒトの生体応答または医学的応答を惹起する本化合物の量を意味する。ここで用いる用語「治療」は、挙げられている状態の、特にこうした疾病または疾患の素因を有する患者における、治療と予防または予防的治療の両方を指す。
【0079】
ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特定の成分を特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。医薬組成物に関してこうした用語は、活性成分(単数または複数)および担体を構成する不活性成分(単数または複数)を含む製品、ならびに任意の2つもしくはそれ以上の成分の組み合わせ、複合もしくは凝集により、または1つもしくはそれ以上の成分の解離により、または1つもしくはそれ以上の成分の他のタイプの反応もしくは相互作用により、直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物と医薬的に許容される担体を混合することによって製造される任意の組成物を包含する。「医薬的に許容される」とは、担体、希釈剤または賦形剤が、この調合物の他の成分と相溶性でなければならず、またこの受容者に有害でないという意味である。
【0080】
化合物「の投与」および「を投与すること」という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを治療の必要がある個体に供給することを意味すると理解すべきである。
【0081】
CGRP受容体活性の拮抗薬としての本発明の化合物の使用効果は、当該技術分野において公知の方法論により実証することができる。125I−CGRPの受容体への結合の阻害およびCGRP受容体の機能的拮抗は、次のように判定した:
天然受容体結合アッセイ: 本質的には記載されているとおりに(Edvinssonら,(2001)Eur.J.Pharmacol.415,39−44)、SK−N−MC細胞膜において125I−CGRPの受容体への結合の阻害を行った。簡単に言えば、膜(25μg)を、10pM 125I−CGRPおよび拮抗薬を含有する1mLの結合バッファ[10mM Hepes(pH7.4)、5mM MgClおよび0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)]中でインキュベートした。室温で3時間インキュベートした後、0.5%ポリエチレンイミンで3時間ブロックしておいたGFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)による濾過によってアッセイを停止させた。フィルターを氷冷アッセイバッファで3回洗浄し、次いで、プレートを空気乾燥させた。シンチレーション液(50μL)を添加し、放射活性をTopcount(Packard Instrument)でカウントした。Prismを使用することによりデータ解析を行い、Cheng−Prusoffの式(Cheng & Prusoff(1973)Biochem.Pharmacol.22,3099−3108)を用いることによりKを決定した。
【0082】
天然受容体機能アッセイ: SK−N−MC細胞を、10%ウシ胎仔血清、2mM L−グルタミン、0.1mM 非必須アミノ酸、1mM ピルビン酸ナトリウム、100単位/mL ペニシリンおよび100μg/mL ストレプトマイシンを補足した最小必須培地(MEM)中、37℃、湿度95%および5%COで成長させた。cAMPアッセイのために、細胞を96ウエル・ポリ−D−リシン被覆プレート(Becton−Dickinson)に細胞数5x10/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に〜18時間培養した。細胞をリン酸緩衝食塩液(PBS、Sigma)で洗浄し、次いで、無血清MEM中300μMのイソブチルメチルキサンチンとともに30分間、37℃でプレインキュベートした。拮抗薬を添加し、これらの細胞を10分間インキュベートした後、CGRPを添加した。さらに15分間インキュベーションを続け、次いで、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコルに従ってcAMP判定のために処理した。基底状態に対する最大刺激を100nM CGRPを用いて定義した。Prismに使用により用量応答曲線を作成した。用量比(DR)を計算し、これらを用いて完全Schildプロットを構築した(Arunlakshana & Schild(1959)Br.J.Pharmacol.14,48−58)。
【0083】
組換え受容体: Human CRLR(ゲンバンクアクセッション番号L76380)を5’NheIおよび3’PmeIフラグメントとして発現ベクターpIREShyg2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。Human RAMP1(ゲンバンクアクセッション番号AJ001014)を5’NheIおよび3’NotIフラグメントとして発現ベクターpIRESpuro2(BD Biosciences Clontech)にサブクローニングした。293細胞(ヒト胚性腎細胞;ATCC #CRL−1573)を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、100単位/mL ペニシリンおよび10ug/mL ストレプトマイシンを補足した、4.5g/Lグルコース、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび2mM グルタミンを有するDMEM中で培養し、37℃、湿度95%で維持した。HBSS中0.1%EDTAを伴う0.25%トリプトファンでの処理により、細胞を2次培養した。75cmフラスコの中で10ugのDNAを30ugのLipofectamine 2000(Invtrogen)でコトランスフェクトすることにより、安定な細胞株の作製を達成した。CRLRおよびRAMP1発現構築物を同量でコトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、細胞を希釈し、選択培地(成長培地 + 300ug/mL ヒグロマイシンおよび1ug/mL ピューロマイシン)を翌日添加した。FACS Vantage SE(Becton Dickinson)を用いる単個細胞堆積により、クローン細胞株を作製した。細胞増殖のために、成長培地を150ug/mL ヒグロマイシンおよび0.5ug/mL ピューロマイシンに調整した。
【0084】
組換え受容体結合アッセイ: 組換えヒトCRLR/RAMP1を発現する細胞をPBSで洗浄し、50mM HEPES、1mM EDTAおよびCompleteプロテアーゼ阻害剤(Roche)を含有する回収バッファに回収した。この細胞浮遊液を実験室用ホモジナイザーで粉砕し、48,000gで遠心分離して、膜を単離した。これらのペレットを回収バッファ+250mM スクロースに再び浮遊させ、−70℃で保管した。結合アッセイのために、10ugの膜を、10pM 125I−hCGRP(Amersham Biosciences)および拮抗薬を含有する1mL 結合バッファ(10mM HEPES(pH7.4)、5mM MgCl、および0.2%BSA)中で3時間、室温でインキュベートした。0.05%ポリエチレンイミンでブロックしておいた96ウエル・GFBガラス繊維フィルタープレート(Millipore)による濾過により、アッセイを停止させた。フィルターを氷冷アッセイバッファ(10mM HEPES(pH7.4))で3回洗浄した。シンチレーション液を添加し、Topcount(Packard)でプレートをカウントした。非特異的結合を判定し、データ解析を行い、下の式にこの結合CPMデータを代入する非線形最小二乗の使用により見掛けの解離定数(K)を決定した:
【0085】
【数1】

この式中、Yは、結合したCPMの実測値であり、Ymaxは、全結合数であり、Y minは、非特異的結合数であり、(Y max − Y min)は、特異的結合数であり、%I maxは、最大阻害率であり、%I minは、最小阻害率であり、放射性標識は、プローブであり、ならびにKは、Hot飽和試験により判定したときの受容体についての放射性リガンドについての見掛けの解離定数である。
【0086】
組換え受容体機能アッセイ: 完全成長培地中の細胞を、96ウエル・ポリ−D−リシン被覆プレート(Corning)に、細胞数85,000/ウエルでプレーティングし、アッセイ前に〜19時間培養した。細胞をPBSで洗浄し、次いで、L−グルタミンおよび1g/L BSAを伴うCellgro Complete Serum−Free/Low−Protein medium(Mediatech,Inc)中、37℃、湿度95%で30分間、阻害剤とともにインキュベートした。イソブチル−メチルキサンチンを300μMの濃度で細胞に添加し、30分間、37℃でインキュベートした。ヒトα−CGRPを0.3nMの濃度で細胞に添加し、37℃で5分間、インキュベートしながら放置した。α−CGRP刺激の後、細胞をPBSで洗浄し、製造業者の推奨プロトコル(cAMP SPA直接スクリーニングアッセイシステム;RPA 559;Amersham Biosciences)に従って2段階アッセイ手順を用いてcAMP判定のために処理した。用量応答曲線をプロットし、式 y=((a−d)/(1+(x/c))+d[式中、y=応答、x=用量、a=最大応答、d=最小応答、c=変曲点、およびb=傾き]により定義されるような4変数論理代入によりIC50値を決定した。
【0087】
特に、以下の実施例の化合物は、上述のアッセイにおいてCGRP受容体の拮抗薬としての活性を有し、一般に、約50μMより低いKまたはIC50値を有した。こうした結果は、CGRP受容体の拮抗薬として使用する際の本化合物の固有活性を示している。
【0088】
CGRP拮抗薬として作用する本発明の化合物のこの能力が、本化合物を、ヒトおよび動物における、しかし特にヒトにおけるCGRPに関係する疾患に有用な薬物にする。
【0089】
本発明の化合物は、次の状態または疾病のうちの1つまたはそれ以上の治療、予防、改善もしくは制御、または次の状態または疾病のうちの1つまたはそれ以上に関するリスクの低減に有用である:頭痛;偏頭痛;群発性頭痛;慢性緊張型頭痛;疼痛;慢性疼痛;神経性炎症および炎症性疼痛;神経障害性疼痛;眼痛;歯痛;糖尿病;インスリン非依存性糖尿病;血管疾患;炎症;関節炎;気管支反応亢進、喘息;ショック;敗血症;アヘン剤禁断症候群;モルヒネ耐性;男性および女性におけるのぼせ;アレルギー性皮膚炎;乾癬;脳炎;脳の外傷;癲癇;神経変性疾患;皮膚病;神経性の皮膚の赤み、バラ色の皮膚および紅斑;炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、膀胱炎;ならびにCGRP受容体の拮抗により治療または予防することができる他の状態。偏頭痛および群発性頭痛をはじめとする頭痛の急性または予防的治療は、特に重要である。
【0090】
さらに、本化合物は、本明細書で述べる疾病、疾患および状態の予防、治療、制御もしくは改善方法、または前記疾病、疾患および状態のリスクの低減方法において有用である。
【0091】
さらに、本化合物は、他の薬物と併用で、上述の疾病、疾患および状態の予防、治療、制御もしくは改善方法、または上述の疾病、疾患および状態のリスクの低減方法において有用である。
【0092】
本発明の化合物は、1つまたはそれ以上の他の薬物と、式Iの化合物または前記他の薬物が有用であり得る疾病もしくは状態の治療、予防、制御もしくは改善または前記疾病もしくは状態のリスクの低減の際に併用することができ、この場合、前記薬物の併用は、いずれかの薬物単独より安全または有効である。こうした他の薬物(単数または複数)は、これらが通常使用される経路および量で、式Iの化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。式Iの化合物を1つまたはそれ以上の他の薬物と同時に使用するときには、こうした他の薬物と式Iの化合物とを含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。しかし、本併用療法は、式Iの化合物と1つまたはそれ以上の他の薬物を重なりのある別スケジュールで投与する治療法も包含する。1つまたはそれ以上の他の活性成分と併用するとき、本発明の化合物と他の活性成分は、各々を単独で使用するときより低い用量で使用できることも考えられる。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1つまたはそれ以上の他の活性成分を含有するものを包含する。
【0093】
例えば、本化合物は、抗偏頭痛薬、例えばエルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン、もしくは他のセロトニン拮抗薬、特に、5−HT1B/1D作動薬(例えば、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタンおよびリザトリプタン)、5HT1D作動薬(例えば、PNU−142633)、および5HT1F作動薬(例えば、LY334370);シクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤(例えば、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブもしくはパラコキシブ);非ステロイド性抗炎症薬もしくはサイトカイン抑制性抗炎症薬、例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサール、サルサレート、オルサラジンもしくはスルファサラジンなどの化合物と;またはグルココルチコイドと併用することができる。同様に、本化合物は、鎮痛薬、例えばアスピリン、アセトアミノフェン、フェナセチン、フェンタニル、スフェンタニル、メタドン、アセチルメタドール、ブプレノルフィンまたはモルフィンとともに投与することができる。
【0094】
加えて、本化合物は、インターロイキン阻害剤、例えば、インターロイキン−1阻害剤;NK−1受容体拮抗薬、例えば、アプレピタント;NMDA拮抗薬;NR2B拮抗薬;ブラジキニン−1受容体拮抗薬;アデノシンA1受容体作動薬;ナトリウムチャネル遮断薬、例えばラモトリジン;アヘン剤作動薬、例えば、酢酸レボメタジルまたは酢酸メタジル;リポオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、5−リポオキシゲナーゼの阻害剤;アルファ受容体拮抗薬、例えば、インドラミン;アルファ受容体作動薬;バニロイド受容体拮抗薬;レニン阻害剤;グランザイムB阻害剤;サブスタンスP拮抗薬;エンドセリン拮抗薬;ノルエピネルフィン前駆体;抗不安薬、例えば、ジアゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシドおよびクロラゼペート;セロトニン5HT受容体拮抗薬;オピオイド作動薬、例えばコデイン、ヒドロコドン、トラマドール、デキストロプロポキシフェンおよびフェブタニル;mGluR5作動薬、拮抗薬または強化薬;GABA A受容体モジュレータ、例えばアカンプロセートカルシウム;ニコチン酸性拮抗薬または作動薬(ニコチンを含む);ムスカリン性作動薬または拮抗薬;選択的セロトニン再吸収阻害剤、例えば、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムまたはシタロプラム;抗うつ薬、例えばアミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミンまたはイミプラミン;ロイコトリエン拮抗薬、例えば、モンテルカストまたはザフィルカスト;窒素酸化物の阻害剤または窒素酸化物合成の阻害剤と併用することができる。
【0095】
また、本化合物は、ギャップジャンクション阻害剤;神経性カルシウムチャネル遮断薬、例えばシバミド;AMPA/KA拮抗薬、例えばLY293558;シグマ受容体作動薬;およびビタミンB2と併用することができる。
【0096】
また、本化合物は、エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミン以外のエルゴット麦角アルカロイド、例えば、エルゴノビン、エルゴノビン、メチルエルゴノビン、メテルゴリン、エルゴロイドメシレート、ジヒドロエルゴコルニン、ジヒドロエルゴクリスチン、ジヒドロエルゴクリプチン、ジヒドロ−α−エルゴクリプチン、ジヒドロ−β−エルゴクリプチン、エルゴトキシン、エルゴコルニン、エルゴクリスチン、エルゴクリプチン、α−エルゴクリプチン、β−エルゴクリプチン、エルゴシン、エルゴスタン、ブロモクリプチンまたはメチセリジドと併用することができる。
【0097】
加えて、本化合物は、ベータ−アドレナリン拮抗薬、例えば、チモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロールまたはナドロールなど;MAO阻害剤、例えばフェネルジン;カルシウムチャネル遮断薬、例えば、フルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソリピン、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピンまたはプロクロルペラジン;神経弛緩薬、例えば、オランザピン、ドロペリドール、プロクロルペラジン、クロルプロマジンおよびケチアピン;抗痙攣薬、例えば、トピラメート、ゾニサミド、トナベルサット(tonabersat)、カラベルサット(carbersat)、レベチラセタム、ラモトリジン、チアガビン、ガバペンチン、プレガバリンまたはジバルプレックス(divalproex)ナトリウム;抗高血圧薬、例えば、アンギオテンシンII拮抗薬(例えば、ロサルタン、イルべサルチン、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタンおよびカンデサルタンシレキセチル)、アンギオテンシンI拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、リシノプリル、エナラプリル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリルおよびトランドラプリル);またはボツリヌス毒素A型またはB型と併用することができる。
【0098】
本化合物は、増強剤、例えば、カフェイン、H2−拮抗薬、シメチコン、水酸化アルミニウムまたはマグネシウム;うっ血除去薬、例えば、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ−デスオキシ−エフェドリン;鎮咳薬、例えば、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン;利尿薬;消化管運動促進薬、例えば、メトクロプラミドまたはドンペリドン;鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン薬、例えば、アクリバスチン、アザタジン、ブロモジフェンヒドラミン、ブロモフェニラミン、カルビノキサミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ロラタジン、フェニンダミン、フェニラミン、フェニルトロキサミン、プロメタジン、ピリラミン、テルフェナジン、トリプロリジン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミンまたはプソイドエフェドリンと併用することができる。本化合物は、制吐薬とも併用することができる。
【0099】
特に好ましい実施形態において、本化合物は、抗偏頭痛薬、例えば、エルゴタミンまたはジヒドロエルゴタミン;5−HT作動薬、とりわけ5−HT1B/1D作動薬、特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、フロバトリプタン、ドニトリプタン、アビトリプタンおよびリザトリプタン、ならびに他のセロトニン作動薬;およびシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、特に、ロフェコキシブ、エトリコキシブ、セレコキシブ、バルデコキシブまたはパラコキシブと併用される。
【0100】
上記併用は、本化合物と、1つの他の活性化合物ばかりでなく2つまたはそれ以上の他の活性化合物との併用を包含する。同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である疾病もしくは状態の予防、治療、制御もしくは改善または前記疾病もしくは状態のリスクの低減において使用される他の薬物と併用することができる。こうした他の薬物は、これらが通常使用される経路および量で、本発明の化合物と同時にまたは逐次的に投与することができる。本発明の化合物を1つまたはそれ以上の他の薬物と同時に使用するときには、本発明の化合物に加えてこうした他の薬物を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の組成物は、本発明の化合物に加えて1つまたはそれ以上の他の活性成分も含有するものを包含する。
【0101】
本発明の化合物の他の活性成分(単数または複数)に対する重量比は、変化させることができ、これは各成分の有効用量に依存するであろう。一般に、各々の有効用量が使用されるであろう。従って、例えば、本発明の化合物を別の薬剤と併用するとき、本発明の化合物の他の薬剤に対する重量比は、約1000:1から約1:1000、または約200:1から約1:200にわたるであろう。本発明の化合物と他の活性成分の併用も、一般に、上述の範囲内であろうが、各場合、各活性成分の有効用量を使用すべきである。
【0102】
こうした併用において、本発明の化合物と他の活性薬剤は、別々に投与される場合もあり、一緒に投与される場合もある。加えて、1つの要素の投与は、他の薬剤(単数または複数)の投与の前である場合もあり、投与と同時である場合もあり、投与の後である場合もあり、ならびに同じ投与経路による場合もあり、異なる投与経路による場合もある。
【0103】
本発明の化合物は、経口投与、非経口投与(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)、吸入スプレーによる投与、経鼻投与、経膣投与、直腸内投与、舌下投与、または局所投与経路により投与することができ、ならびに各投与経路に適する従来どおりの非毒性で医薬的に許容される担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する適切な投薬単位調合物で、単独でまたは一緒に調合することができる。温血動物の治療に加えて、本発明の化合物は、ヒトでの使用に有効である。
【0104】
本発明の化合物を投与するための医薬組成物は、単位剤形で適便に提供することができ、薬学技術分野では周知の任意の方法により調製することができる。すべての方法は、1つまたはそれ以上の補助成分を構成する担体と活性薬剤を会合させる段階を含む。一般に、本医薬組成物は、液体担体もしくは微粉固体担体または両方と活性成分を均一、および、均質に会合させること、およびこの後、必要な場合この生成物を所望の調合物に成形することにより、調製することができる。医薬組成物には、疾病の経過または状態に対して望ましい効果を生じさせるために充分な量で活性化合物が含まれる。ここで用いる用語「組成物」は、特定の成分を特定の量で含む製品、ならびに特定の成分を特定の量で組み合わせることにより直接または間接的に得られる任意の製品を包含すると解釈する。
【0105】
活性成分を含有する医薬組成物は、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、溶液、ハードもしくはソフトカプセル、またはシロップもしくはエリキシルのような、経口使用に適する形態であり得る。経口使用するための組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野には公知の任意の方法に従って調製することができ、こうした組成物は、医薬として上品で美味な製剤を提供するために甘味剤、着香剤、着色剤および保存薬から成る群より選択される1つまたはそれ以上の物質を含有し得る。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性で医薬的に許容される賦形剤との混合物の状態で活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム)、造粒剤および崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアラビアゴム)および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)であり得る。錠剤は、コーティングされていない場合があり、または胃腸管での崩壊および吸収を遅らせ、これによって長期にわたる持続作用をもたらすために公知の技法によりコーティングされている場合もある。例えば、時間遅延材料、例えばモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルを利用することができる。これらを米国特許第4,256,108号、同第4,166,452号および同第4,265,874号に記載されている技法によりコーティングして、制御放出のための浸透治療錠剤を形成することもできる。経口錠剤は、ファストメルト錠もしくはウェハース、急速溶解錠または急速溶解フィルムのように、即時放出用に調合することもできる。
【0106】
経口使用のための調合物は、活性成分が不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されるハードゼラチンカプセルとして、または活性成分が水もしくは油性媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィンもしくはオリーブ油と混合されるソフトゼラチンカプセルとして提供することもできる。
【0107】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤との混合物の状態で活性材料を含有する。こうした賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ−プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアラビアゴムであり、分散または湿潤剤は、天然ホスファチド(例えば、レシチン)であってもよいし、脂肪酸とアルキレンオキシドの縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)であってもよいし、長鎖脂肪アルコールとエチレンオキシドの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)であってもよいし、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)であってもよいし、脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導される部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)であってもよい。水性懸濁液は、1つまたはそれ以上の保存薬(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはn−プロピル)、1つまたはそれ以上の着色剤、1つまたはそれ以上の着香剤、および1つまたはそれ以上の甘味剤(例えば、スクロースまたはサッカリン)も含有することがある。
【0108】
油性懸濁液は、植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油もしくはヤシ油)または鉱物油(例えば、液体パラフィン)に活性成分を懸濁させることにより調合することができる。前記油性懸濁液は、増粘剤、例えば、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有することがある。甘味剤(例えば、上に示したもの)および着香剤を添加して、美味な経口製剤を生じさせることができる。これらの組成物は、抗酸化物質、例えばアスコルビン酸の添加により、保存することができる。
【0109】
水の添加による水性懸濁液の調製に適する分散性粉末および顆粒は、分散または湿潤剤、懸濁化剤および1つまたはそれ以上の保存薬との混合物の状態の活性成分をもたらす。適する分散または湿潤剤および懸濁化剤は、例えば上で既に述べたものである。追加の賦形剤、例えば甘味剤、着香剤および着色剤が存在する場合もある。
【0110】
本発明の医薬組成物は、水中油型エマルジョンの形態である場合もある。この油相は、植物油(例えば、オリーブ油もしくは落花生油)であってもよいし、鉱物油(例えば、液体パラフィン)であってもよいし、これらの混合物であってもよい。適する乳化剤は、天然ゴム(例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴム)、天然ホスファチド(例えば、大豆、レシチン)、ならびに脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導されるエステルまたは部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、ならびにエチレンオキシドと前記部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)であり得る。エマルジョンは、甘味剤および着香剤も含有することがある。
【0111】
シロップおよびエリキシルは、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて調合することができる。こうした調合物は、粘滑薬、保存薬、着香剤および着色剤も含有することがある。
【0112】
本医薬組成物は、滅菌注射用水性または油性懸濁液の形態である場合もある。この懸濁液は、上で述べた適する分散または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の技術に従って調合することができる。滅菌注射用製剤は、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液のような、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液である場合もある。利用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒には、水、リンガー溶液および等張食塩液などがある。加えて、滅菌固定油が溶媒または懸濁媒体として従来利用されている。この目的には、合成モノまたはジグリセリドをはじめとする任意の無菌固定油を利用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射用の製剤として使用されている。
【0113】
本発明の化合物は、薬物の直腸内投与用の坐剤の形態で投与することもできる。これらの組成物は、薬物を、常温で固体であるが直腸内温度では液体であり、従って、直腸内で溶融してこの薬物を放出する、適する無刺激賦形剤と混合することにより、作製することができる。こうした材料は、カカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0114】
局所使用には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液などを利用する。同様に、経皮パッチも局所投与に用いることができる。
【0115】
本発明の医薬組成物および方法は、上に挙げた病的状態の治療に通常適用される、本明細書に示すような他の治療活性化合物を、さらに含むことができる。
【0116】
CGRP受容体活性に対する拮抗を必要とする状態の治療、予防、制御もしくは改善または前記状態のリスクの低減において適切な投薬レベルは、一般に、1日つき患者の体重のkg当たり約0.01から500mgであろう(これを1回量または複数回分の用量で投与することができる)。適する投薬レベルは、1日につき約0.01から250mg/kg、1日につき約0.05から100mg/kg、または1日につき約0.1から50mg/kgであり得る。この範囲内で、投薬量は、1日につき0.05から0.5、0.5から5または5から50mg/kgである場合もある。経口投与のための組成物は、1.0から1000ミリグラムの活性成分、詳細には、治療する患者への投薬量を症状に基づき調整するのために1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0および1000.0ミリグラムの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。本化合物は、1日に1回から4回の計画で投与してもよいし、1日1回または2回投与してもよい。
【0117】
頭痛、偏頭痛、群発性頭痛もしくは本発明の化合物が指示される他の疾病を治療、予防、制御もしくは改善またはこれらのリスクを低減する際、一般に、本発明の化合物を動物の体重のキログラム当たり約0.1ミリグラムから約100ミリグラムの日用量で投与する(1日1回量として、または1日2回から6回の分割用量で、または持続放出形で与える)と、満足な結果が得られる。最も大きな哺乳動物についての全日用量は、約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、または約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、全日用量は、一般に、約7ミリグラムから約350ミリグラムであろう。この薬剤投与計画は、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。
【0118】
しかし、いずれの特定の患者についてもこの具体的な用量レベルおよび投薬頻度は、変えることができること、およびこれが、利用される具体的な化合物の活性、この化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事および投与時間、排泄率、薬の組み合わせ、この特定の状態の重症度ならびに治療を受ける宿主をはじめとする様々な因子に依存するであろうことは、理解されるであろう。
【実施例】
【0119】
本発明の化合物の幾つかの調製方法を以下の図式および実施例において説明する。出発原料は、当該技術分野において公知の手順に従ってまたは本明細書で説明するとおり製造する。
【0120】
本発明の化合物は、容易に入手できる出発原料、試薬および従来どおりの合成手順を用い、以下の図式および特定の実施例またはこれらの変法に従って、容易に調製することができる。これらの反応において、あまり詳細には触れていないが、これら自体、通常の当業者には公知である変形を用いることもできる。本発明において特許請求する化合物を製造するための一般手順は、以下の図式を見ることで当業者には容易に理解することができ、正しく認識することができる。
【0121】
アニリン中間体の合成は、図式1から5に記載するとおり行うことができる。R5a、R5bおよびR5cを有するアニリン中間体は、適切に置換された出発原料を利用することにより、または所望される場合には当該技術分野では公知の方法による任意の中間体および/もしくは最終生成物の誘導体化により、調製することができる。
【0122】
【化22】

【0123】
代表的なスピロラクタムアニリン(6)の合成を図式1に図示する。既知インダン−2−カルボン酸エチル(1、Schaafら,J.Med.Chem.1983,26,328−334)を、臭化アリルおよびナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドを使用してアルキル化して、2を形成する。このアリル基をオゾンで酸化することにより、アルデヒド3を生成させる。これは、酢酸アンモニウムおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムで処理し、トルエン中で加熱すると、環化してラクタム4になる。アンモニア以外のアミンでのアルデヒド3の還元アミノ化を用いて、ラクタム4の様々なN保護類似体を生じさせることができ、これらは、ラクタムの保護基を除去する前に、後続の化学段階を助長することができる。この中間体ラクタムは、例えば70%硝酸を使用して、ニトロ化することができ、得られたニトロ化合物5を、接触水素化などの様々な周知方法論を用いて還元して、アニリン中間体6を生じさせることができる。この方法論の簡単な変法を用いて、他のスピロラクタム中間体、例えば他のラクタム環サイズを有するものを入手することができることは、有機合成技術分野の技術者には理解されるであろう。加えて、インダン1に代わる出発原料の使用を用いて、異なる生成物、例えばテトラリン系スピロラクタムを生じさせることができる。
【0124】
【化23】

【0125】
図式2には、スピロオキシインドール中間体の合成例を示す。オキシインドール(7)をブチルリチウムおよびテトラメチルエチレンジアミンで処理し、次いで、二ハロゲン化物またはこの等価物、例えば4−ブロモ−1,2−ビス(ブロモメチル)ベンゼン[Andersonら,J.Org.Chem.1979,44(9),1519−1533]で処理することにより、スピロオキシインドール9に至る。この臭化物は、臭化エチルマグネシウムおよびt−ブチルリチウムで処理し、得られた有機リチウム種を二酸化炭素でクエンチングすることにより、カルボン酸(10)に転化させることができる。t−ブタノール中のアジ化ジフェニルホスホリルを使用するクルチウス転位、続く塩酸での脱保護により、アニリン11を生じさせることができる。濃硫酸中のアジ化ナトリウムでの酸10の処理などの代替条件を用いてアニリン11を生じさせることもできる。
【0126】
図式3は、図式1に示したものに類似した方法論を用いる、スピロイミド誘導体16への経路を図示するものである。インダン−2−カルボン酸エチル(1)をブロモ酢酸t−ブチルでアルキル化して、ジエステル12を形成する。12を塩基条件に付し、続いて、酸性、加水分解条件に付すことにより、二酸13を生じさせることができる。この二酸13を多数の異なる試薬で処理することにより、イミド14またはこの誘導体を生じさせることができる。図式3では、塩化アセチルの存在下で13を加熱し、次いで、アンモニアと反応させることにより、スピロイミド14を得る。トリフルオロ酢酸中で亜硝酸ナトリウムと反応させ、次いで、パラジウムで水素化することにより、アニリン16を生じさせることができる。
【0127】
【化24】

【0128】
スピロアザオキシインドール中間体の代表的な合成を図式4に示す。7−アザインドール(17)は、様々な保護基、例えば、図式4に示す(トリメチルシリル)エトキシメチル基で保護することができる。MarfatおよびCarter(Tetrahedron Lett.,1987,28,4027−4030)の方法に従って、過臭化臭化水素酸ピリジンで18を処理することにより、ジブロモアザオキシインドール19を生じさせ、これを、亜鉛との反応により対応するアザオキシインドール20に還元することができる。DMF中の炭酸セシウムを使用することにより1,2−ビス(ブロモメチル)−4−ニトロベンゼン(21、Cavaら,J.Org.Chem.2000,65,5413−5415)での20の基本的アルキル化を行って、スピロアザオキシインドール22を生じさせる。様々な他の塩基および溶媒をこのアルキル化反応で利用することができ、ここで示す二臭化物とは異なるアルキル化剤の使用により、他の生成物を導くことができる。例えばパラジウムでの水素化を用いる、ニトロ化合物22の還元、および二段階脱保護により、対応するアニリン24が得られる。図式4に示す方法論は、20などのアザオキシインドールに限定されるものではなく、様々な適切に保護された複素環系に適用して対応するスピロ化合物を得ることができる。
【0129】
【化25】

【0130】
図式4に図示するものなどのスピロアザオキシインドール中間体は、当業者によく知られている技法を用いることにより、分割して純粋なエナンチオマーを得ることができる。例えば、ChiralPak ODカラムでの保護中間体23のクロマトグラフィーを用いて、個々のエナンチオマー(+)−23および(−)−23を生じさせることができ、これらのエナンチオマーは、二段階脱保護により対応するアニリン[(+)−24および(−)−24]に転化させることができる。化合物24の場合、この右旋性異性体は、(R)−エナンチオマーであり、左旋性異性体は、(S)−エナンチオマーであり、すなわち、(+)−24は、(R)−24であり、(−)−24は、(S)−24である。エナンチオマー的に純粋なアニリンを使用する標準的なカップリング手順を用いることにより、最終生成物の個々のエナンチオマーを生じさせることができる。分割は、他の方法論、例えばジアステレオマー塩の分別結晶化により行ってもよく、他の合成中間体または最終生成物に対して行ってもよい。または、重要中間体の不斉合成を用いて、エナンチオマー的に富化された最終生成物を生じさせることができる。
【0131】
代替のアルキル化反応条件を用いる、図式4に記載したものに関連した方法論の一例として、スピロジアザオキシインドール化合物の合成の概略を図式5に示す。刊行物に掲載されている方法論を用いて、6−クロロ−デアザプリンを4−クロロ−ジアゾオキシインドール25(図式5における出発原料)に転化させる(Sunら,Biorg.Med.Chem Lett.2002,12,2153−2157)。
【0132】
【化26】

【0133】
図式2に示したものに類似した条件下、二臭化物21でのアルキル化により、スピロジアザオキシインドール26を生じさせることができる。30psi(約0.2MPa)での2時間の水素化により、アニリン27を生じさせることができる一方で、より高い圧力(55psi(約0.4MPa))およびより長い反応時間(180時間)での水素化により、脱クロロ類似体28を生じさせることができる。
【0134】
図式1から5に記載したものなどのアニリン中間体を様々なカルボン酸またはカルボン酸誘導体とカップリングさせて、アミド最終生成物を生じさせることができる。
【0135】
【化27】

【0136】
このように、アミンAとカルボン酸、R’COHとのカップリングを用いて、アミドBを得ることができる。他の標準的なカップリング条件、例えば、PyBOPのような代替カップリング試薬の使用または酸無水物もしくは酸塩化物としてのカルボン酸の活性化を、こうしたアミドの合成に利用してもよい。ホスゲン、1,1’−カルボニルジミダゾール、クロロギ酸4−ニトロフェニルまたは同様の試薬の使用により、アニリンAおよび適切なアミンから尿素を合成することもできる。
【0137】
本発明の化合物の製造に使用される酸(R’COH)の大部分は、容易に入手できる。これらは、市場の供給業者から得ることができ、または当業者によく知られているか化学文献に記載されているような方法論により合成することができる。図式7から14に概要を示す方法論を用いて、多数の酸を合成した。
【0138】
【化28】

【0139】
図式7では、1,1’−カルボニルジイミダゾールで2−アミノフェノール(C)をカルボニル化することにより、ベンゾオキサゾロンDを得、これを水素化ナトリウムで処理し、次いで、ブロモ酢酸t−ブチルで処理して、エステルEを生じさせる。トリフルオロ酢酸を使用する標準的な脱保護により酸中間体Fを得、これをAのようなアミンとのカップリングに用いて、本発明の化合物を得ることができる。
【0140】
【化29】

【0141】
図式8は、置換ベンゾイミダゾロン誘導体への一般的な経路を図示するものである。ベンゾイミダゾロンGの単純なアルキル化によりこの酢酸塩誘導体Hを得、これは、クロマトグラフィーにより任意のビスアルキル化物質と分離することができる。様々なアリールまたはヘテロアリールRについて、銅触媒を使用してこの対応する臭化物(RBr)をHと反応させることにより、N,N−二置換中間体Iを生じさせることができる。t−ブチルエステルIを酸性条件下で脱保護してJを得ることができ、これは、最終生成物に容易に転化される。図式8の化学は、多数の方法で修飾することができる。例えば、HのIへの重要な変換に代替条件を用いることにより、様々なR置換基を導入することができる。こうした代替条件の例としては、パラジウムを触媒として使用するHとのカップリング、または塩基性条件下(例えば、水素化ナトリウムおよび続くRClの使用)でのHのアニオンのアルキル化もしくはアリール化が挙げられる。置換基RおよびRのさらなる化学的操作も、本発明の範囲内であると理解される。RまたはRのいずれかを、様々な条件下、合成順路の1つまたはそれ以上の中間段階で修飾して、様々な最終生成物群を得ることができる。この戦略の一例を図式9に示す。
【0142】
【化30】

【0143】
図式9では、ベンゾイミダゾロンGを2,4−ジブロモチアゾールと反応させて、ブロモチアゾールKを得る。K中の臭化物をチオメトキシドで置換することにより、中間体Lを得、本明細書の中で示す他の図式と類似にこれをアルキル化してエステルMを得ることができる。酸化条件(例えば、OXONE(登録商標)の使用)にMを付すことにより、対応するスルホキシドを生じさせることができ、これを脱保護して酸Nを得ることができる。これらの条件のわずかな修飾を適用して、対応するスルフィドまたはスルホキシド類似体を得てもよい。
【0144】
【化31】

【0145】
図式10において、置換ベンゾイミダゾロンJへのもう1つの経路を示す。この経路では、アミン(RNH)を2−クロロニトロアレーン誘導体(P)と縮合させて、アミンQを得る。このニトロ基を、例えば接触水素化条件下で、還元して対応するアニリンを得、これをトリホスゲンで処理してベンゾイミダゾロンRを得ることができる。上記の図式と類似にRを加工することにより所望の酸中間体Jを導く。この方法論の簡単な変形では、アレーンPの代わりに複素環、例えば2−クロロ−3−ニトロピリジン、を使用して、Jのアザ類似体を得ることができる。
【0146】
【化32】

【0147】
図式11において、対応するアントラニル酸からの位置特異的置換ベンゾイミダゾロン中間体Hへの経路を示す。ホスゲンでアントラニル酸Tを処理することによりベンゾオキサジンジオンUを導くことができる。ブロモ酢酸t−ブチルでUをアルキル化し、次いで、NaOHでこのベンゾオキサジンジオン環を開環することにより、アルキル化アントラニル酸Vを生じさせる。アジ化ジフェニルホスホリルで酸Vを処理することによりクルチウス転移を導き、この転移で中間体イソシアネートを捕捉して、ベンゾイミダゾロンHを得る。この経路は、アントラニル酸出発原料の置換パタンにより指図される位置にR置換基(単数または複数)を取り付ける方法を提供する。
【0148】
【化33】

【0149】
N−スピロオキシインドール酢酸の合成の概要を図式12に示す。米国特許第5,849,780号A(1998)に記載されている化学に従って、こうしたものの一例は、ハロゲン化物またはこの等価物(例えば、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン)と塩基(例えば、カリウムt−ブトキシドまたはブチルリチウム)でのオキシインドール(W)のアルキル化で開始して、中間体Xをもたらす。臭素での処理により三臭化物Yを生じさせ、これを硫化ナトリウムと反応させると、スピロオキシインドールZを得ることができる。または、ジハロゲン化物または他のビスアルキル化剤(例えば、2−ヨードエチルエーテル)でWをアルキル化して、スピロオキシインドールを直接生じさせてもよい。ブロモ酢酸エチルでオキシインドールZをアルキル化し、続いて、加水分解することにより、所望の酸中間体BBを得る。このアリール環上の置換基のさらなる化学的操作が、本発明の範囲内であることは理解される。この臭化物を臭化エチルマグネシウムおよびt−ブチルリチウムでの処理により除去してカルボン酸CCを生じさせる場合のこの戦略の一例を最終段階に示す。
【0150】
【化34】

【0151】
スピロオキシインドールを合成するためのもう1つの方法の概要を図式13に示す。この方法では、米国特許第6,573,386号B1(2001)に記載されている化学に従って、最初にWをメチルアクリレートでトリアルキル化する。次に、同じ反応フラスコ内でこの中間体をディークマン縮合、N−脱アルキル化および脱カルボキシル化に付して、スピロシクロヘキサノンDDを生じさせる。前の図式に記載したようなさらなる操作を用いて、FFのようなカルボン酸中間体を生じさせることができる。
【0152】
【化35】

【0153】
図式14は、置換インドール酢酸への一般的な経路を図示するものである。置換インドール(GG)は、2段階順路(N,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミンでのアルキル化、続くシアン化カリウムでの置換)によりインドールアセトニトリル(II)に転化させることができる。または、第一中間体(HH)は、マイクロ波反応装置でのインドールGGとジメチルアミンおよびホルムアルデヒドとの反応により形成することができる。メタノール中の塩酸で処理することによりこのニトリルをメチルエステルJJに転化させることができる。前の図式と類似にさらに操作することにより、LLのようなカルボン酸中間体を生じさせることができる。適切に置換されたアザインドールで出発する類似の図式により、アザインドール酢酸も合成することができる。
【0154】
異なる保護基戦略、充分に先例のある方法論の適用、ならびに上記図式に記載したもの以外の複素環および試薬の使用をはじめとする、これらの経路の簡単な修飾を用いて、対象となる他の酸、例えば、中間体24から36(下記参照)で詳述するものを生じさせることができる。
【0155】
場合によっては、最終生成物を、例えば置換基の操作により、さらに修飾してもよい。これらの操作としては、当業者に一般に知られている、還元、酸化、アルキル化、アシル化および加水分解反応が挙げられるが、これらに限定されない。
【0156】
場合によっては、反応を促進するためまたは望ましくない反応生成物を回避するために、上記反応図式を行う順序を変えてもよい。本発明をさらに充分に理解できるように以下の実施例を提供する。これらの実施例は、単なる例証であり、いかなる点においても本発明を制限するものと解釈すべきでない。
【0157】
中間体1
【0158】
【化36】

(±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロ−2’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロロリジン]−2’−オン
【0159】
段階A. 2−アリルインダン−2−カルボン酸エチル
−78℃でTHF(100mL)中のインダン−2−カルボン酸エチル[Schaafら,J.Med.Chem.1983,26,328−334](6.87g、36.1mmol)の溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中1.0M、39.7mL、39.7mmol)を20分かけて1滴ずつ添加した。得られた黄色の溶液を1時間攪拌し、次いで、臭化アリル(3.75mL、43.3mmol)を5分かけて添加した。−78℃で1.5時間にわたって攪拌を継続し、次いで、飽和NHClの添加により反応を停止させ、周囲温度に温めた。この反応混合物を飽和NHCl(100mL)とEtOAc(100mL)とで分配した。水性相をEtOAc(2x50mL)でさらに抽出し、併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。この粗生成物を、ヘキサン:EtOAc−100:0から75:25の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=231(M+1)。
【0160】
段階B. 2−(2−オキソエチル)インダン−2−カルボン酸エチル
段階Aからの2−アリルインダン−2−カルボン酸エチル(3.00g、13.0mmol)をCHCl(100mL)に溶解し、−78℃に冷却した。オゾンを15分間、この溶液に通してバブリングし、このとき淡青色が存続した。トリエチルアミン(3.63mL、26.1mmol)を添加し、この反応混合物を周囲温度で1.5時間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO(100mL)とCHCl(100mL)とで分配した。水性相をCHCl(2x50mL)でさらに抽出し、併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=233(M+1)。
【0161】
段階C. 1,3−ジヒドロ−2H’−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’−オン
段階Bからの2−(2−オキソエチル)インダン−2−カルボン酸エチル(3.03g、13.0mmol)および酢酸アンモニウム(50.2g、651mmol)を周囲温度で4時間、AcOH(20mL)およびMeOH(20mL)中で攪拌し、次いで、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.29g、19.5mmol)を添加し、16時間攪拌を継続した。この反応混合物を真空下で濃縮し、飽和NaHCO(50mL)とCHCl(50mL)とで分配した。水性相をCHCl(2x25mL)でさらに抽出し、併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色の油を得た。この粗製油をトルエン(100mL)中で1.5時間加熱して還流させ、次いで、真空下で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0から90:10の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=188(M+1)。
【0162】
段階D. (±)−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロロリジン]−2’−オン
氷浴で冷却した段階Cからの1,3−ジヒドロ−2H’−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’−オン(114mg、0.609mmol)に70%HNO(5mL)を添加した。この反応混合物を45分間攪拌し、HO(10mL)で希釈し、CHCl(3x10mL)で抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。CHCl:EtOAc−100:0から50:50の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=233(M+1)。
【0163】
段階E. (±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロ−2’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロロリジン]−2’−オン
MeOH(5mL)中の段階Dからの(±)−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロロリジン]−2’−オン(97.0mg、0.418mmol)の溶液に、10%Pd/C(15mg)を添加した。この反応混合物を水素雰囲気(約1気圧)下で1.5時間攪拌し、次いで、Celiteパッドに通して濾過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た。MS:m/z=203(M+1)。
【0164】
中間体2
【0165】
【化37】

(±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
【0166】
段階A. (±)−5−ブロモ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
THF(15mL)中の−78℃のオキシインドール(363mg、2.73mmol)の溶液にブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、2.29mL、5.73mmol)を1滴ずつ添加し、次いで、テトラメチルエチレンジアミン(0.905mL、6.00mmol)を1滴ずつ添加した。この溶液を1時間、−78℃で攪拌し、次いで、THF(5mL)中の4−ブロモ−1,2−ビス(ブロモメチル)ベンゼン[Andersonら,J.Org.Chem.1979,44(9),1519−1533](1.87g、5.45mmol)の溶液を1滴ずつ添加した。この反応溶液を−10℃から−20℃で2時間、および周囲温度で16時間攪拌した。この反応混合物を飽和NHCl(50mL)とEtOAc(50mL)とで分配した。水性相をEtOAc(2x50mL)でさらに抽出し、併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から50:50の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=315(M+1)。
【0167】
段階B. (±)−2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−5−カルボン酸
THF(2mL)中の段階Aからの(±)−5−ブロモ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(220mg、0.700mmol)の溶液に、反応温度を−60℃未満に維持しながら臭化エチルマグネシウム(エーテル中3.0M、0.467mL、1.40mmol)を1滴ずつ添加した。次に、反応温度を−60℃未満に維持しながらt−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、1.65mL、2.80mmol)を1滴ずつ添加した。この反応溶液を5分間、−78℃で攪拌し、次いで、CO(ガス)を15分間この溶液に通してバブリングした。HO(5mL)を添加し、この溶液を周囲温度に温めた。この反応混合物をEtOAc(20mL)と飽和NaHCO(20mL)とで分配した。有機層を飽和NaHCO(2x10mL)でさらに抽出した。併せた水性層をEtOAc(10mL)で洗浄し、次いで、12MのHClで酸性化した。併せた水性層をCHCl(5x10mL)で抽出した。エーテル層に不溶性である白色の沈殿が形成し、これを濾過により回収した。併せたCHCl層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。この粗生成物を回収した沈殿と併せて、表題化合物を得た。MS:m/z=280(M+1)。
【0168】
段階C. (±)−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−5−イル)カルバミン酸t−ブチル
t−BuOH(5mL)中の段階Bからの(±)−2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−5−カルボン酸(65.0mg、0.233mmol)、アジ化ジフェニルホスホリル(0.060mL、0.279mmol)およびトリエチルアミン(0.039mL、0.279mmol)の溶液を加熱して3時間還流させた。この反応混合物を真空下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から50:50の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=295(M−C)。
【0169】
段階D. (±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−2’(1’H)−オン
HCl(ガス)を、15分間、EtOAc(5mL)中の段階Cからの(±)−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−5−イル)カルバミン酸t−ブチル(19.0mg、0.054mmol)の溶液に通してバブリングした。この反応混合物を周囲温度で1時間攪拌し、次いで、真空下で濃縮して表題化合物を塩酸塩として得た。MS:m/z=251(M+1)。
【0170】
中間体3
【0171】
【化38】

(±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロ−2’H,5’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’,5’−ジオン
【0172】
段階A. 2−(2−t−ブトキシ−2−オキシエチル)インダン−2−カルボン酸エチル
−78℃でTHF中のインダン−2−カルボン酸エチル(Schaafら,J.Med.Chem.1983,26,328−334)(2.00g、10.5mmol)の溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド(THF中の1.0M溶液15.8mL、15.8mmol)を10分かけて1滴ずつ添加した。この混合物を15分間攪拌し、次いで、ブロモ酢酸t−ブチル(3.08g、15.8mmol)を30分かけて1滴ずつ添加した。得られた混合物を−78℃で30分間攪拌し、次いで、ブライン(20mL)に注入し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から90:10の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=368(M+Na+CHCN)。
【0173】
段階B. 2−(2−t−ブトキシ−2−オキソエチル)インダン−2−カルボン酸
段階Aからの2−(2−t−ブトキシ−2−オキシエチル)インダン−2−カルボン酸エチル(2.48g、8.15mmol)とTHF(50mL)中1.0Nの水酸化ナトリウム(8.96mL、8.96mmol)とHO(10mL)とEtOH(20mL)の混合物を周囲温度で18時間攪拌した。この混合物を塩酸で約pH3に酸性化し、EtOAc(3x50mL)で抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=340(M+Na+CHCN)。
【0174】
段階C. 2−(カルボキシメチル)インダン−2−カルボン酸
EtOAc(100mL)中の段階Bからの2−(2−t−ブトキシ−2−オキソエチル)インダン−2−カルボン酸(1.50g、5.43mmol)の溶液をHCl(ガス)で飽和させ、周囲温度で1時間放置し、次いで、真空下で濃縮乾固させて、表題化合物を得た。MS:m/z=284(M+Na+CHCN)。
【0175】
段階D. 1,3−ジヒドロ−2’H,5’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’,5’−ジオン
塩化アセチル(18mL)中の段階Cからの2−(カルボキシメチル)インダン−2−カルボン酸(1.10g、4.99mmol)の溶液を18時間還流させながら加熱し、次いで、真空下で濃縮した。残留物をトルエンから再結晶させて、1’,3’−ジヒドロスピロ[フラン−3,2’−インデン]−2,5(4H)−ジオンを象牙色の固体として得た。この固体をCHCl(25mL)に溶解し、NH(ガス)を20分間、この混合物に通してバブリングした。さらに30分後、減圧下で溶媒を蒸発させた。得られた固体を高真空下で1時間乾燥させ、次いで、塩化アセチル(20mL)に溶解し、加熱して18時間還流させた。真空下で溶媒を除去し、この粗製固体をEtOH:EtOから再結晶させて、表題化合物を得た。MS:m/z=202(M+1)。
【0176】
段階E. (±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロ−2’H,5’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’,5’−ジオン
CFCOH(10mL)中の段階Dからの1,3−ジヒドロ−2’H,5’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’,5’−ジオン(400mg、1.99mmol)の溶液に、亜硝酸ナトリウム(411mg、5.96mmol)を添加し、この混合物を2時間、55℃に加熱した。混合物を冷却し、HO(10mL)で希釈し、次いで、EtOAc(2x30mL)で抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、−5−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2’H,5’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’,5’−ジオンを得、これは、異性体−4−ニトロ−1,3−ジヒドロ−2’H,5’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’,5’−ジオンを含有していた。この固体をEtOH(30mL)に溶解し、次いで、AcOH(0.55mL)および10%Pd/C(55mg)を添加した。この混合物を2時間、水素雰囲気(約1気圧)下で激しく攪拌し、次いで、Celiteのパッドに通して濾過し、真空下で濃縮した。CHCl:EtOAc−95:5から10:90の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=217(M+1)。
【0177】
中間体4
【0178】
【化39】

(−)−5−アミノ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
【0179】
段階A. 1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物;16.2g、0.404mol)を、0℃でDMF(200mL)中の7−アザインドール(39.8g、0.337mol)の溶液に25分かけて少しずつ添加し、この混合物を1時間攪拌した。次に、塩化2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(71.8mL、0.404mol)を、反応混合物の温度を10℃未満に維持しながら、15分かけてゆっくりと添加した。1時間後、HO(500mL)で反応を停止させ、この混合物をCHCl(5x300mL)で抽出した。併せた有機層をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥させて、表題化合物を得た。MS:m/z=249(M+1)。
【0180】
段階B. 3,3−ジブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
ジオキサン(300mL)中の段階Aからの1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(43.1g、0.174mol)の溶液を、ジオキサン(300mL)中の過臭化臭化水素酸ピリジン(277g、0.868mol)の懸濁液に、30分かけて1滴ずつ添加した。オーバーヘッド攪拌機を使用してこの反応物を周囲温度で攪拌した。60分後、この二相反応混合物をHO(300mL)で反応停止させ、EtOAc(300mL)で抽出した。水性層をEtOAc(2x300mL)で洗浄し、併せた有機層をHO(4x300mL;最終洗液は、pH5から6であった)で洗浄し、次にブライン(300mL)で洗浄し、次いで、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。この粗生成物を直ちにCHClに溶解し、この溶液を、シリカのプラグにより、暗赤色がこのプラグから完全に溶出してしまうまでCHClで溶出しながら濾過した。濾液をNaHCO飽和水溶液(400mL)で洗浄し、次にブライン(400mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=423(M+1)。
【0181】
段階C. 1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン
亜鉛(100g、1.54mol)を、THF(880mL)およびNHCl飽和水溶液(220mL)中の段階Bからの3,3−ジブロモ−1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(65g、0.154mol)の溶液に添加した。3時間後、この反応物を濾過し、真空下で濃縮した。残留物をEtOAcとHOとで分配し、この結果、白色の沈殿が形成した。両方の層をCeliteパッドに通して濾過し、層を分離した。水性層をEtOAc(2x200mL)で洗浄し、併せた有機層をHO(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗生成物を、EtOAc:CHCl−10:90で溶出しながらシリカゲルのプラグに通して濾過し、溶出物を減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=265(M+1)。
【0182】
段階D. (4−ニトロ−1,2−フェニレン)ジメタノール
THF(500mL)中の4−ニトロフタル酸(40.0g、189.5mmol)の溶液を、反応温度を0℃と5℃の間に維持しながらボラン−THF複合体の溶液(1M、490mL、490mmol)に1.5時間かけて1滴ずつ添加した。添加後、この反応物を放置してゆっくりと周囲温度に温め、18時間攪拌した。MeOH(100mL)を注意深く添加し、沈殿した固体を溶解した。この混合物を真空下で約500mLに濃縮し、0℃に冷却し、10N水酸化ナトリウムを添加して、pHを10から11に調整した。この混合物をEtOAc(3x600mL)で抽出し、併せた有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=207(M−OH+CHCN)。
【0183】
段階E. 1,2−ビス(ブロモメチル)−4−ニトロベンゼン
EtO(50mL)中の三臭化リン(3.9mL、41.1mmol)を、EtO(150mL)中の段階Dからの(4−ニトロ−1,2−フェニレン)ジメタノール(6.85g、37.4mmol)の溶液に1.5時間かけて1滴ずつ添加した。18時間後、この反応混合物を0℃に冷却し、HO(25mL)で反応を停止させた。層を分離し、有機層をHOで洗浄し、次いで、NaHCO飽和水溶液で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=309(M)。
【0184】
段階F. (±)−5−ニトロ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2’(1’H)−オン
DMF(2L)中の段階Eからの1,2−ビス(ブロモメチル)−4−ニトロベンゼン(40.9g、132mmol)および段階Cからの1−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロ−2H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−オン(31.5g、119mmol)の溶液に、炭酸セシウム(129g、397mmol)を5分かけて少しずつ添加した。18時間後、酢酸(7.6mL)を添加し、この混合物を約500mLの体積に濃縮し、次いで、EtOAc(1.5L)とHO(1L)とで分配した。有機層をHO(1L)で洗浄し、次にブライン(500mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。この粗生成物を、ヘキサン:EtOAc−100:0から0:100の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=412(M+1)。
【0185】
段階G. (−)−5−アミノ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
10%Pd/C(3g)と段階Fからの(±)−5−ニトロ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2’(1’H)−オン(19.1g、46.4mmol)の混合物をEtOAc(400mL)中、水素雰囲気(約1気圧)下で激しく攪拌した。18時間後、この混合物を、MeOHで大々的に洗浄しながらCeliteのパッドに通して濾過し、この濾液を濃縮して、粗製ラセミ化合物を得た。Chiralcel ODカラムを利用し、MeOHで溶出するHPLCにより、これらのエナンチオマーを分割した。溶出する最初の主要ピークは、(−)−5−アミノ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン、表題化合物であり、溶出する二番目の主要ピークは、(+)−5−アミノ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オンであった。MS:m/z=382(M+1)。
【0186】
段階H. (−)−5−アミノ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン
メタノール(300mL)中の段階Gからの(−)−5−アミノ−1’−{[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(13.7g、35.9mmol)の溶液をHCl(ガス)で飽和させた。出発原料が消費されるまで、この混合物をHCl(ガス)で再び飽和させ、次いで、真空下で濃縮した。残留物をMeOH(150mL)に溶解し、エチレンジアミン(2.4mL、35.9mmol)および10N NaOH(7.2mL、72mmol)で処理して、この混合物をpH10に調整した。30分後、この混合物をHO(400mL)で希釈し、CHCl(2x1L)で抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。この粗製材料をMeOH(50mL)と研和して、表題化合物を得た。MS:m/z=252(M+1)。
【0187】
中間体5
【0188】
【化40】

(±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,5’−ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’(7’H)−オン
【0189】
段階A. 5,5−ジブロモ−4−クロロ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン
過臭化臭化水素酸ピリジン(15.6g、48.8mmol)を、t−ブタノール(100mL)中の40℃の6−クロロ−7−デアザプリン(2.5g、16.3mmol)の攪拌溶液に、3回で添加した。3時間後、追加量の過臭化臭化水素酸ピリジン(5.19g、16.3mmol)を添加した。さらに2時間後、この反応物を真空下で濃縮し、EtOAc(200mL)とHO(200mL)とで分配した。この水溶液をEtOAc(2x100mL)で抽出し、併せた有機層をHO(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=328(M+1)。
【0190】
段階B. 4−クロロ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン
亜鉛(6.05g、92.6mmol)をTHF(20mL)およびNHCl飽和水溶液(5mL)中の段階Aからの5,5−ジブロモ−4−クロロ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(3.03g、9.26mmol)の溶液に添加した。3時間後、この反応混合物を真空下で濃縮し、逆相C18カラムを使用し、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1から5:95:0.1の勾配で溶出するHPLCにより精製した。凍結乾燥により表題化合物を得た。MS:m/z=170(M+1)。
【0191】
段階C. (±)−4’−クロロ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,5’−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6’(7’H)−オン
ブチルリチウム(0.29mL、0.74mmol、2.5M)を、THF(30mL)中の−78℃の段階Bからの4−クロロ−5,7−ジヒドロ−6H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6−オン(50mg、0.295mmol)の攪拌溶液に添加した。ブチルリチウムの添加完了後、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン(0.31mL、0.77mmol)を添加した。−78℃で1時間後、1,2−ビス(ブロモメチル)−4−ニトロベンゼン(91mg、0.295mmol、中間体4において説明したもの)を添加し、この反応物を周囲温度に温めた。8時間後、HO(2mL)で反応を停止させ、EtOAc(50mL)とHO(50mL)とで分配した。この水溶液をEtOAc(3x20mL)で抽出した。併せた有機抽出物をブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=317(M+1)。
【0192】
段階D. (±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,5’−ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’(7’H)−オン
EtOAc(40mL)およびMeOH(10mL)中の段階Cからの−4’−クロロ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,5’−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−6’(7’H)−オン(400mg、1.26mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.880mL、6.32mmol)を添加した。この混合物を、10%Pd/C(100mg)を用いて50psiの水素で水素化した。24時間後および90時間後に追加量の炭素担持パラジウム(100mg)をこの反応混合物に添加し、合計180時間にわたって水素化を継続した。この反応混合物をCeliteのパッドに通して濾過し、真空下で濃縮した。逆相C18カラムを使用し、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1から5:95:0.1の勾配で溶出するHPLCにより残留物を精製した。凍結乾燥により表題化合物を得た。MS:m/z=253(M+1)。
【0193】
中間体6
【0194】
【化41】

(±)−5−アミノ−4’−クロロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,5’−ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’(7’H)−オン
【0195】
EtOAc(10mL)中の(±)−4’−クロロ−5−ニトロ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,5’−ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−6’(7’H)−オン(40mg、0.126mmol、中間体5において説明したもの)の溶液に、トリエチルアミン(0.026mL、0.189mmol)を添加した。この混合物を10%Pd/C(10mg)を用いて30psiの水素で水素化した。2時間後、この反応混合物をCeliteのパッドに通して濾過し、真空下で濃縮した。逆相C18カラムを使用し、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1から5:95:0.1の勾配で溶出するHPLCにより残留物を精製した。凍結乾燥により表題化合物を得た。MS:m/z=287(M+1)。
【0196】
中間体7
【0197】
【化42】

(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸
【0198】
段階A. (2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル
0℃でDMF(50mL)中の2−ヒドロキシベンゾイミダゾール(4.00g、29.8mmol)とブロモ酢酸t−ブチル(5.53g、28.3mmol)の攪拌混合物に水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物1.31g、32.8mmol)を添加した。この混合物を0℃で1時間攪拌し、次いで、NaHCO飽和水溶液で反応を停止させ、真空下で濃縮した。残留物をEtOAc(500mL)とHO(300mL)とで分配し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。CHCl:EtOAc−100:0から0:100の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=249(M+1)。
【0199】
段階B. (2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル
ピリジン(30mL)中の段階Aからの(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル(1.75g、7.05mmol)と2−ブロモピリジン(3.36mL、35.2mmol)と銅紛(1.57g、24.7mmol)とCuCl(140mg、1.41mmol)とKOAc(2.08g、21.1mmol)との混合物を100℃で3時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(150mL)と10%クエン酸水溶液(100mL)とで分配し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から0:100の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=326(M+1)。
【0200】
段階C. (2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸
0℃でEtOAc(100mL)中の段階Bからの(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル(2.27g、6.98mmol)の溶液をHCl(ガス)で飽和させた。この混合物を0℃で合計3時間熟成させ、30分ごとにHClで再飽和させた。この混合物を真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=270(M+1)。
【0201】
中間体8
【0202】
【化43】

(2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸
【0203】
段階A. [3−(6−クロロピリミジン−4−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸t−ブチル
DMF(0.7mL)中の(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル(130mg、0.52mmol、中間体7において説明したもの)の溶液に水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物15mg、0.38mmol)を添加した。この混合物を5分間攪拌し、次いで、4,6−ジクロロピリミジン(234mg、1.57mmol)を添加し、この混合物をアルゴンで5分間バブリングした。この反応混合物をマイクロ波反応装置で10分間、140℃で加熱した。冷却した混合物をCHCl(10mL)とNaHCO飽和水溶液(5mL)とで分配した。水性相をCHCl(10mL)でさらに抽出し、併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−95:5から75:25の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=361(M+1)。
【0204】
段階B. (2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル
EtOH(5mL)中の段階Aからの[3−(6−クロロピリミジン−4−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸t−ブチル(260mg、0.720mmol)と10%Pd/C(23mg)とトリエチルアミン(0.150mL、1.08mmol)との混合物を水素雰囲気(約1気圧)下で2時間攪拌した。この混合物をCeliteのパッドに通して濾過し、このパッドをEtOHで洗浄し、濾液を濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=327(M+1)。
【0205】
段階C. (2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸
(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチルの代わりに段階Bからの(2−オキソ−3−ピリミジン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチルを使用したが、本質的には中間体7について説明した手順に従って、表題化合物を調製した。MS:m/z=271(M+1)。
【0206】
中間体9
【0207】
【化44】

[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸
【0208】
段階A. 4,6−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン
EtOH(300mL)中の4,6−ジメチル−2−ニトロアニリン(10.0g、60.2mmol)と10%Pd/C(1.0g)の混合物を水素雰囲気(約1気圧)下で3時間攪拌し、次いで、Celiteパッドに通して濾過し、真空下で濃縮した。この粗製固体をCHCN(200mL)に溶解し、トリホスゲン(15.0g、50.5mmol)を添加した。この混合物を1時間攪拌し、次いで、HO(200mL)をゆっくりと添加し、攪拌を1時間継続した。沈殿を濾過により単離し、乾燥させて、表題化合物を得た。MS:m/z=163(M+1)。
【0209】
段階B. (4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル
DMF(200mL)中の段階Aからの4,6−ジメチル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(7.15g、44.1mmol)の攪拌溶液に水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物1.76g、44.1mmol)を2分かけて添加した。この混合物を20分間攪拌し、次いで、DMF(40mL)中のブロモ酢酸t−ブチル(8.17g、41.9mmol)を添加し、攪拌を1時間継続した。この反応混合物をHO(400mL)で注意深く稀釈し、固体が沈殿した。この混合物を5分間熟成させ、次いで、濾過して、粗製固体を得、これを、CHCl:EtOAc−100:0から40:60の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=277(M+1)。
【0210】
段階C. [3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸t−ブチル
DMF(3mL)中の段階Bからの(4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル(100mg、0.36mmol)の溶液に水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物17mg、0.43mmol)を添加し、次いで、ブロモ酢酸メチル(0.041mL、0.43mmol)を添加し、この反応混合物を2時間攪拌した。逆相C18カラムを使用し、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1から5:95:0.1の勾配で溶出するHPLCによりこの反応物を直接精製した。生成物含有画分の凍結乾燥により、表題化合物を得た。MS:m/z=349(M+1)。
【0211】
段階D. [3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸
(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチルの代わりに段階Cからの[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸t−ブチルを使用したが、本質的には中間体7について説明した手順に従って、表題化合物を調製した。MS:m/z=293(M+1)。
【0212】
中間体10
【0213】
【化45】

{3−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸
【0214】
段階A. {3−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸メチル
[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸(中間体9)(305mg、1.04mmol)、塩酸N,N−ジメチルアミン(128mg、1.60mmol)、EDC(300mg、1.60mmol)、HOBT(240mg、1.60mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.909mL、5.20mmol)の溶液をDMF(3mL)中、周囲温度で16時間攪拌した。この混合物をCHCl(10mL)と飽和NaHCO(10mL)とで分配し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=320(M+1)。
【0215】
段階B.{3−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸
水酸化リチウム(131mg、3.12mmol)を、THF(3mL)およびHO(1mL)中の段階Aからの{3−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエチル]−5,7−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸メチル(333mg、1.04mmol)の溶液に添加した。72時間後、HOを添加し、沈殿を濾過により回収して、表題化合物を得た。MS:m/z=306(M+1)。
【0216】
中間体11
【0217】
【化46】

2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸
【0218】
段階A. 1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン
アセトン(30mL)中のスピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン[PCT国際出願第WO0145707号A1(2001)]・トリフルオロ酢酸塩(3.66g、11.6mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(1.63mL、11.6mmol)とトリエチルアミン(8.06mL、57.9mmol)の混合物を16時間還流させながら加熱した。この混合物を放置して冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残留物をCHCl(50mL)に吸収させ、NaHCO飽和水溶液(50mL)で洗浄した。水性層をCHCl(2x25mL)でさらに抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=285(M+1)。
【0219】
段階B. 2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸t−ブチル
DMF(10mL)中の段階Aからの1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−2−オン(3.30g、11.6mmol)の攪拌溶液に0℃で水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物697mg、17.4mmol)を添加した。この混合物を0℃で45分間攪拌し、次いで、ブロモ酢酸t−ブチル(1.88mL、12.8mmol)を添加し、室温で72時間、攪拌を継続した。この反応混合物をHOで反応停止させた。水性層をCHCl(3x50mL)で抽出した。併せたCHCl層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から80:20の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=399(M+1)。
【0220】
段階C. 2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸
CHCl(16mL)およびCFCOH(5mL)中の段階Bからの2−オキソ−1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−スピロ[インドリン−3,4’−ピペリジン]−1−酢酸t−ブチル(3.19g、8.01mmol)の溶液を周囲温度で17時間攪拌した。CFCOH(1mL)を添加し、さらに1時間攪拌した。この混合物を真空下で濃縮した。生じた固体にHCl溶液(10mL、EtO中2.0M)を添加し、この溶液を真空下で濃縮した。さらに2回繰り返して、表題化合物の塩酸塩を白色の固体として生じさせた。MS:m/z=343(M+1)。
【0221】
中間体12
【0222】
【化47】

[1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]酢酸
【0223】
段階A. 1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]
アセトン(2mL)中の塩酸1−アセチル−1,2−ジヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン][Chenら,Tetrahedron Lett.1996,37(30),5233−5234](200mg、0.750mmol)とトリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(0.128mL、0.900mmol)とトリエチルアミン(0.522mL、3.75mmol)との混合物を15時間還流させながら加熱した。この混合物を放置して冷却し、減圧下で溶媒を除去した。残留物をCHCl(10mL)に吸収させ、NaHCO飽和水溶液(10mL)で洗浄した。水性層をCHCl(2x10mL)でさらに抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から50:50の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=271(M+1)。
【0224】
段階B. [1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]酢酸t−ブチル
DMF(2mL)中の段階Aからの1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,2−ジヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン](64.0mg、0.237mmol)、炭酸カリウム(49.0mg、0.355mmol)、ヨウ化カリウム(59.0mg、0.355mmol)およびブロモ酢酸t−ブチル(0.042mL、0.284mmol)の溶液を50℃で1時間攪拌した。この反応混合物をHOで反応停止させた。水性層をCHCl(3x20mL)で抽出し、併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=385(M+1)。
【0225】
段階C. [1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]酢酸
CHCl(2mL)およびCFCOH(1mL)中の段階Bからの[1’−(2,2,2−トリフルオロエチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−1(2H)−イル]酢酸t−ブチル(91.0mg、0.237mmol)の溶液を周囲温度で6時間攪拌した。CFCOH(1mL)を添加し、さらに1時間攪拌した。この混合物を真空下で濃縮した。この粗生成物をCHCl(20mL)と飽和NaHCO(20mL)とで分配した。層を分離し、水性層をCHCl(2x20mL)でさらに抽出した。併せたCHCl層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=329(M+1)。
【0226】
中間体13
【0227】
【化48】

(±)−{3−[4−(メチルスルフィニル)−1,3−チアゾール−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸
【0228】
段階A. 1−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン
ピリジン(10mL)中の2−ヒドロキシベンゾイミダゾール(1.20g、8.95mmol)と2,4−ジブロモチアゾール(6.50g、26.8mmol)と銅粉(1.42g、22.4mmol)とCuCl(177mg、1.79mmol)とKOAc(2.20g、22.4mmol)との混合物を60℃で2時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(40mL)と10%クエン酸水溶液(20mL)とで分配し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から50:50の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=298(M+1)。
【0229】
段階B. 1−[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン
DMF(6mL)中の段階Aからの1−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(1.00g、3.38mmol)とナトリウムメタンチオラート(710mg、10.13mmol)とヨウ化銅(643mg、3.38mmol)との混合物を140℃で加熱した。3時間後および16時間後に追加量のナトリウムメタンチオラート(474mg、6.76mmol)をこの混合物に添加し、この反応物を140℃で攪拌し続けた。20時間後、冷却した混合物をNaHCO飽和水溶液(30mL)とCHCl(50mL)とで分配した。水性相をCHCl(50mL)でさらに抽出し、併せた有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=264(M+1)。
【0230】
段階C. {3−[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸t−ブチル
0℃でDMF(15mL)中の段階Bからの1−[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(710mg、2.67mmol)とブロモ酢酸t−ブチル(578mg、2.97mmol)の攪拌混合物に水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物194mg、4.85mmol)を添加した。この混合物を0℃で15分間攪拌し、次いで、NaHCO飽和水溶液で反応を停止させ、CHCl(2x35mL)で抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から70:30の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=378(M+1)。
【0231】
段階D. (±)−{3−[4−(メチルスルフィニル)−1,3−チアゾール−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸t−ブチル
O中のOXONE(登録商標)の溶液(0.5mL)を、0℃でイソプロパノール(1mL)およびCHCl(1mL)中の段階Cからの{3−[4−(メチルチオ)−1,3−チアゾール−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸t−ブチル(110mg、0.291mmol)の溶液に添加した。2時間後、この混合物をNaCl飽和水溶液で反応停止させ、CHCl(2x10mL)で抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−90:10から50:50の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=394(M+1)。
【0232】
段階E. (±)−{3−[4−(メチルスルフィニル)−1,3−チアゾール−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸
段階Dからの(±)−{3−[4−(メチルスルフィニル)−1,3−チアゾール−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸t−ブチル(100mg、0.254mmol)をCFCOH(3mL)およびCHCl(3mL)に溶解し、この混合物を周囲温度で3時間攪拌し、次いで、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=338(M+1)。
【0233】
中間体14
【0234】
【化49】

{3−[4−(メトキシカルボニル)−1,3−チアゾール−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸
【0235】
段階A. [3−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸t−ブチル
2−ブロモピリジンの代わりに2,4−ジブロモチアゾールを使用したが、本質的には中間体7について説明した手順に従って、表題化合物を調製した。MS:m/z=412(M+1)。
【0236】
段階B. 2−[3−(2−t−ブトキシ−2−オキソエチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチル
MeOH(5mL)中の段階Aからの[3−(4−ブロモ−1,3−チアゾール−2−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]酢酸t−ブチル(250mg、0.609mmol)およびトリエチルアミン(0.850mL、6.09mmol)の懸濁液に、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(86.0mg、0.122mmol)を添加した。この反応混合物を一酸化炭素雰囲気(約1気圧)下で48時間、還流させながら加熱し、次いで、CHCl(20mL)とNaHCO飽和水溶液(5mL)とで分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から60:40の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=412(M+23)。
【0237】
段階C. {3−[4−(メトキシカルボニル)−1,3−チアゾール−2−イル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸
0℃でEtOAc(3mL)中の段階Bからの2−[3−(2−t−ブトキシ−2−オキソエチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−1,3−チアゾール−4−カルボン酸メチル(195mg、0.501mmol)の溶液をHCl(ガス)で5分間飽和させた。15分後、この反応物をHClでさらに5分間再飽和させた。この混合物を真空下で濃縮して、表題化合物を白色の固体として得た。MS:m/z=334(M+1)。
【0238】
中間体15
【0239】
【化50】

{3−[4−(エトキシカルボニル)フェニル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸
【0240】
段階A. 4−[(2−ニトロフェニル)アミノ]安息香酸エチル
4−アミノ安息香酸エチル(1.00g、6.05mmol)と2−フルオロニトロベンゼン(0.64mL、6.05mmol)の混合物を160℃で18時間加熱した。ヘキサン:EtOAc−70:30で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=287(M+1)。
【0241】
段階B. 4−[(2−アミノフェニル)アミノ]安息香酸エチル
EtOH(25mL)中の段階Aからの4−[(2−ニトロフェニル)アミノ]安息香酸エチル(755mg、2.64mmol)と10%Pd/C(505mg)の混合物を水素雰囲気(1気圧)下で4時間攪拌した。この混合物をCeliteのパッドに通して濾過し、このパッドをEtOHで洗浄し、濾液を濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=257(M+1)。
【0242】
段階C. 4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)安息香酸エチル
THF(10mL)中の段階Bからの4−[(2−アミノフェニル)アミノ]安息香酸エチル(442mg、1.72mmol)と1,1’−カルボニルジイミダゾール(652mg、4.02mmol)の混合物を75℃で3時間加熱した。冷却した混合物をEtOAc(100mL)と10%クエン酸水溶液(50mL)とで分配した。有機層をHO(30mL)で洗浄し、次にブライン(30mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−95:5から75:25の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=283(M+1)。
【0243】
段階D. 4−[3−(2−t−ブトキシ−2−オキソエチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]安息香酸エチル
0℃でDMF(10mL)中の段階Cからの4−(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)安息香酸エチル(590mg、2.09mmol)の攪拌溶液に水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物104mg、2.60mmol)を添加した。この混合物を5分間攪拌し、ブロモ酢酸t−ブチル(489mg、2.51mmol)を添加し、3時間攪拌を継続した。この反応混合物をEtOAc(200mL)とHO(100mL)とで分配した。有機層をHO(50mL)で洗浄し、次にブライン(50mL)で洗浄し、次いで、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から0:100の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=397(M+1)。
【0244】
段階E. {3−[4−(エトキシカルボニル)フェニル]−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル}酢酸
(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチルの代わりに段階Dからの4−[3−(2−t−ブトキシ−2−オキソエチル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]安息香酸エチルを使用したが、本質的には中間体7について説明した手順に従って、表題化合物を調製した。MS:m/z=341(M+1)。
【0245】
中間体16
【0246】
【化51】

(±)−(2−オキソ−3−テトラヒドロフラン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸
【0247】
段階A. (±)−N−(2−ニトロフェニル)テトラヒドロフラン−3−アミン
n−ブタノール(10mL)中のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(3.20mL、18.4mmol)、1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(0.484mL、4.59mmol)および(±)−テトラヒドロフラン−3−アミン(400mg、4.59mmol)の溶液をマイクロ波反応装置で180℃に加熱した。20分後、この反応物を放置して周囲温度に冷却し、濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から0:100の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=209(M+1)。
【0248】
段階B. (±)−(2−オキソ−3−テトラヒドロフラン−3−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸
4−[(2−ニトロフェニル)アミノ]安息香酸エチルの代わりに(±)−N−(2−ニトロフェニル)テトラヒドロフラン−3−アミンを使用したが、本質的には中間体15について説明した手順に従って、表題化合物を調製した。MS:m/z=263(M+1)。
【0249】
中間体17
【0250】
【化52】

(2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸
【0251】
段階A. 2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸t−ブチル
アゾジカルボン酸ジエチル(446mg、2.56mmol)を、THF(10mL)中の2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸t−ブチル(J.Org.Chem.1995,60,1565−1582)(500mg、2.13mmol)、トリフェニルホスフィン(672mg、2.56mmol)およびテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−オール(Chem.Comm.,2002,10,1070−1071)(303mg、2.56mmol)の溶液に添加した。20時間後、この反応物を真空下で濃縮し、ヘキサン:EtOAc−100:0から95:5の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=335(M+1)。
【0252】
段階B. 1−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン
CFCOH(1mL)をCHCl(3mL)中の段階Aからの2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−カルボン酸t−ブチル(210mg、0.628mmol)の溶液に添加した。2時間後、この混合物を真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=235(M+1)。
【0253】
段階C. (2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル
DMF(5mL)中の段階Bからの1−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾイミダゾール−2−オン(200mg、0.854mmol)の溶液に水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物68.3mg、1.71mmol)を添加し、次いで、ブロモ酢酸t−ブチル(0.189mL、1.28mmol)を添加した。1時間後、HO(10mL)で反応を停止させ、CHCl(10mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO(5ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から50:50の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=349(M+1)。
【0254】
段階D. (2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸
CFCOH(1mL)を、CHCl(3mL)中の段階Cからの(2−オキソ−3−テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)酢酸t−ブチル(169mg、0.485mmol)の溶液に添加した。3時間後、この混合物を真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=293(M+1)。
【0255】
中間体18
【0256】
【化53】

(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−1(2H)−イル)酢酸
【0257】
段階A. 2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−2(1H)−オン
ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、3.76mL、9.39mmol)を、THF(40mL)中、−78℃のオキシインドール(500mg、3.76mmol)の溶液に添加した。添加完了後、N,N,N’,N’−テトラメチルエタン−1,2−ジアミン(1.48mL、9.76mmol)を、この内部温度を−70℃未満に維持しながら、添加した。−78℃で1時間後、2−ヨードエチルエーテル(4.90g、15.0mmol)を添加し、この反応物を周囲温度に温めた。48時間後、HO(5mL)で反応を停止させ、この混合物をEtOAc(100mL)とHO(100mL)とで分配した。この水溶液をEtOAc(3x50mL)で抽出し、併せた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0から97:3の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=204(M+1)。
【0258】
段階B. (2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−1(2H)−イル)酢酸t−ブチル
水素化ナトリウム(鉱物油中60%分散物8.00mg、0.207mmol)を、0℃でDMF(1mL)中の段階Aからの2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−2(1H)−オン(35.0mg、0.172mmol)の溶液に添加した。1時間後、ブロモ酢酸t−ブチル(0.280mL、0.189mmol)を添加し、この反応物を周囲温度に温めた。18時間後、反応物をCHCl(10mL)と飽和NHCl(10mL)とで分配した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=318(M+1)。
【0259】
段階C. (2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−1(2H)−イル)酢酸
CFCOH(1mL)をCHCl(3mL)中の段階Bからの(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−ピラン]−1(2H)−イル)酢酸t−ブチル(55.0mg、0.173mmol)の溶液に添加した。3時間後、この混合物を真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=262(M+1)。
【0260】
中間体19
【0261】
【化54】

(2’,4−ジオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−1’(2’H)−イル)酢酸
【0262】
段階A. 4H−スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’,4(1’H)−ジオン
アクリル酸メチル(10.5mL、116.4mmol)を、45℃でジメチルスルホキシド(19mL)中のオキシインドール(5.00g、37.6mmol)およびカリウムt−ブトキシド(211mg、1.88mmol)の溶液に、1時間かけて添加した。1時間後、カリウムt−ブトキシド(9.48g、84.5mmol)を30分かけて少しずつ添加し、この間、この内部温度を55から60℃に維持した。この混合物を真空下で濃縮し、HO(100mL)に注入し、80℃に加熱した。23時間後、この反応物をEtOAc(3x100mL)で抽出し、併せた有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮して、所望の生成物を得た。MS:m/z=216(M+1)。
【0263】
段階B. (2’,4−ジオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−1’(2’H)−イル)酢酸t−ブチル
炭酸セシウム(1.19g、3.64mmol)を、DMF(10mL)中の段階Aからの4H−スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’,4(1’H)−ジオン(523mg、2.43mmol)およびブロモ酢酸t−ブチル(0.431mL、2.92mmol)の溶液に添加した。22時間後、この混合物をHO(100mL)とCHClとで分配し、CHCl(3x75mL)で抽出した。併せた有機部分をHOで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、所望の生成物を得た。MS:m/z=330(M+1)。
【0264】
段階C. (2’,4−ジオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−1’(2’H)−イル)酢酸
EtOAc(10mL)中の段階Bからの(2’,4−ジオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−1’(2’H)−イル)酢酸t−ブチル(800mg、2.43mmol)の溶液を、5分間、HCl(ガス)でバブリングした。3時間後、この反応物を真空下で濃縮して、所望の生成物を得た。MS:m/z=274(M+1)。
【0265】
中間体20
【0266】
【化55】

(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸ナトリウム
【0267】
段階A. 3,3−ビス[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
カリウムt−ブトキシド(10.1g、90.1mmol)を、−75℃でTHF(50mL)中のオキシインドール(3.00g、22.5mmol)の溶液に添加し、この混合物を放置して周囲温度に温めた。1時間後、この反応物を−75℃に冷却し、2−(2−ブロモメトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(7.15mL、47.3mmol)を10分かけて1滴ずつ添加した。18時間後、この混合物をEtOAc(100mL)とHO(100mL)とで分配した。層を分離し、水性層をEtOAc(2x50mL)でさらに抽出した。併せた有機部分をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から80:20の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=390(M+1)。
【0268】
段階B. 5−ブロモ−3,3−ビス(2−ブロモエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
臭素(0.712mL、13.9mmol)を、0℃でCHCl(20mL)中の段階Aからの3,3−ビス[2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)エチル]−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(1.23g、3.16mmol)およびトリフェニルホスフィン(3.64g、13.9mmol)の溶液に添加した。22時間後、この混合物をCHCl(50mL)とHO(50mL)とで分配した。層を分離し、水性層をCHCl(2x25mL)でさらに抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0から90:10の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=427(M+1)。
【0269】
段階C. 5−ブロモ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−2(1H)−オン
硫化ナトリウム(292mg、3.75mmol)を、DMF(2mL)中の段階Bからの5−ブロモ−3,3−ビス(2−ブロモエチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(532mg、1.25mmol)の溶液に添加し、この溶液を50℃に加熱した。2.5時間後、この混合物をCHCl(20mL)とHO(20mL)とで分配した。層を分離し、水性層をCHCl(2x10mL)でさらに抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=300(M+1)。
【0270】
段階D. (5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸エチル
炭酸セシウム(610mg、1.87mmol)を、DMF(2mL)中の段階Cからの5−ブロモ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−2(1H)−オン(372mg、1.25mmol)およびブロモ酢酸エチル(0.166mL、1.50mmol)の溶液に添加した。16時間後、HO(5mL)をこの反応物に添加し、生じた沈殿を濾過により回収して、表題化合物を得た。MS:m/z=386(M+1)。
【0271】
段階E. (5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸ナトリウム
5Mの水酸化ナトリウム溶液(0.748mL、3.74mmol)を、EtOH(2mL)中の段階Dからの(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸エチル(479mg、1.25mmol)の溶液に添加し、この混合物を60℃に加熱した。14時間後、HO(5mL)をこの反応物に添加し、生じた沈殿を濾過により回収して、所望の生成物を得た。MS:m/z=357(M+1)。
【0272】
中間体21
【0273】
【化56】

(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸
【0274】
段階A. (2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸
臭化エチルマグネシウム(EtO中3M、0.272mL、0.817mmol)を、−78℃でTHF(5mL)中の(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)酢酸ナトリウム(194mg、0.545mmol、中間体20において説明したもの)の溶液に添加し、次いで、t−ブチルリチウム(ペンタン中1.7M、0.801mL、1.36mmol)を添加した。1時間後、HOで反応を停止させ、EtOAc(20mL)と10%HCl(20mL)とで分配した。層を分離し、水性層をEtOAc(2x10mL)でさらに抽出した。併せた有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=278(M+1)。
【0275】
中間体22
【0276】
【化57】

[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−1H−インドール−1−イル]酢酸
【0277】
段階A. [(4,6−ジメチル−1H−インドール−3−イル)メチル]ジメチルアミン
AcOH(3mL)中の4,6−ジメチル−1H−インドール(Choら,Tetrahedron,2001,57,3321−3330)(93.0mg、0.64mmol)とN,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミン(98.0mg、0.961mmol)の混合物を周囲温度で2時間攪拌した。この反応混合物をEtOAc(20mL)と飽和NaHCO(10mL)とで分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。
【0278】
段階B. (4,6−ジメチル−1H−インドール−3−イル)アセトニトリル
DMF(2mL)およびHO(2mL)中の段階Aからの[(4,6−ジメチル−1H−インドール−3−イル)メチル]ジメチルアミン(98.0mg、0.484mmol)およびシアン化カリウム(315mg、4.84mmol)の溶液を100℃で2時間加熱した。この反応混合物をEtOAc(20mL)と飽和NaCl(10mL)とで分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0から98:2の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによるこの粗生成物の精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=185(M+1)。
【0279】
段階C. (4,6−ジメチル−1H−インドール−3−イル)酢酸メチル
MeOH(5mL)中の段階Bからの(4,6−ジメチル−1H−インドール−3−イル)アセトニトリル(83.0mg、0.450mmol)の溶液をHCl(ガス)でバブリングした。この反応混合物を30分間攪拌し、次いで、HO(1mL)を添加し、攪拌を2時間継続した。真空下でMeOHを除去し、この反応混合物をEtOAc(5mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。この粗生成物を、1滴の濃HSOを含有するMeOH(2mL)に溶液し、得られた混合物を16時間攪拌した。この反応混合物をEtOAc(10mL)と飽和NaCl(5mL)とで分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。ヘキサン:EtOAc−100:0から80:20の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによるこの粗生成物の精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=218(M+1)。
【0280】
段階D. [3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−4,6−ジメチル−1H−インドール−1−イル]酢酸
4H−スピロ[シクロヘキサン−1,3’−インドール]−2’,4(1’H)−ジオンの代わりに段階Cからの(4,6−ジメチル−1H−インドール−3−イル)酢酸メチルを使用したが、本質的には中間体19について説明した手順に従って、表題化合物を調製した。MS:m/z=276(M+1)。
【0281】
中間体23
【0282】
【化58】

[3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル]酢酸
【0283】
段階A. [(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)メチル]ジメチルアミン
AcOH(6mL)中の4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(Zhangら,J.Org.Chem.,2002,67,2345−2347)(200mg、0.864mmol)とホルムアルデヒド(HO中37重量%、0.500mL、6.17mmol)とジメチルアミン(HO中40重量%、1.00mL、8.88mmol)との混合物をマイクロ波反応装置で40分間、100℃で加熱した。減圧下で溶媒を除去した。この粗生成物をCHCl(15mL)と飽和NaHCO(10mL)とで分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0から90:10の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによるこの粗生成物の精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=290(M+1)。
【0284】
段階B. (4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)アセトニトリル
DMF(0.5mL)およびHO(0.5mL)中の段階Aからの[(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)メチル]ジメチルアミン(195mg、0.676mmol)およびシアン化カリウム(440mg、6.76mmol)の溶液を100℃で2時間加熱した。この反応混合物をEtOAc(20mL)とHO(10mL)とで分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=272(M+1)。
【0285】
段階C. (4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)酢酸メチル
MeOH(5mL)中の段階Bからの(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)アセトニトリル(165mg、0.610mmol)の溶液をHCl(ガス)でバブリングし、この反応混合物を2時間攪拌した。減圧下でMeOHを除去し、HO(1mL)および飽和NaHCO(5mL)を添加した。この反応混合物をEtOAc(10mL)で抽出した。有機層を飽和NaHCO(5mL)および飽和NaCl(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0から90:10の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによるこの粗生成物の精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=305(M+1)。
【0286】
段階D. 2,2’−(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1,3−ジイル)二酢酸t−ブチルメチル
炭酸セシウム(185mg、0.568mmol)を、DMF(2mL)中の段階Cからの(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル)酢酸メチル(115mg、0.379mmol)およびブロモ酢酸t−ブチル(0.0810mL、0.417mmol)の溶液に添加した。30分後、この混合物をHO(5mL)とEtOAc(10mL)とで分配した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=419(M+1)。
【0287】
段階E. [4−ブロモ−7−クロロ−3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル]酢酸
1Mの水酸化ナトリウム溶液(0.300mL、3.00mmol)を、MeOH(3mL)中の段階Dからの2,2’−(4−ブロモ−7−クロロ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1,3−ジイル)二酢酸t−ブチルメチル(153mg、0.366mmol)の溶液に添加し、この混合物を2時間、周囲温度で攪拌した。1MのHCl(0.300mL)の添加により反応を停止させ、減圧下で溶媒を除去した。逆相C18カラムを使用し、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1から5:95:0.1の勾配で溶出するHPLCによりこの粗生成物を精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=363(M+1)。
【0288】
段階F. [3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル]酢酸
MeOH(5mL)中の段階Eからの[4−ブロモ−7−クロロ−3−(2−メトキシ−2−オキソエチル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル]酢酸(27.0mg、0.075mmol)と10%Pd/C(10mg)の混合物を水素雰囲気(約1気圧)下で2時間攪拌した。この混合物をCeliteのパッドに通して濾過し、このパッドをMeOHで洗浄し、濾液を真空下で濃縮して、表題化合物を得た。MS:m/z=249(M+1)。
【0289】
中間体24から36
中間体7から23について略述したものに類似した手順に本質的には従って、表1に記載する化合物を調製した。各中間体に最も関連した類似手順を表1に記載する。必要な出発原料は、市販されていたか、文献に記載されていたか、有機合成技術分野の技術者により容易に合成された。場合によっては、簡単な保護基戦略を適用した。
【0290】
【表1】


【0291】
(実施例1)
【0292】
【化59】

(±)−N−(2’,5’−ジオキソ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−5−イル)−2−(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトアミド
【0293】
(±)−5−アミノ−1,3−ジヒドロ−2’H,5’H−スピロ[インデン−2,3’−ピロリジン]−2’,5’−ジオン(50.0mg、0.231mmol、中間体3において説明したもの)、5−アミノ−1,3−ジヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−2’(1’H)−オン(62.0mg、0.231mmol、中間体7において説明したもの)、EDC(53.0mg、0.277mmol)、HOBT(42.0mg、0.277mmol)およびトリエチルアミン(0.0890mL、0.509mmol)の溶液をDMF(2mL)中、周囲温度で16時間攪拌した。この反応混合物を飽和NaHCO(3mL)とEtOAc(5mL)とで分配した。層を分離し、有機層をHO(3mL)および10%クエン酸(2mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。CHCl:MeOH−100:0から90:10の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによるこの粗生成物の精製によって表題化合物を得た。MS:m/z=468(M+1)。HRMS:m/z=468.1671;C2622についての計算値m/z=468.1667。
【0294】
(実施例2)
【0295】
【化60】

(±)−N−(4’−クロロ−6’−オキソ−1,3,6’,7’−テトラヒドロスピロ[インデン−2,5’−ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−5−イル)−2−(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)アセトアミド
【0296】
中間体3の代わりに中間体6を使用したが、本質的には実施例1について説明した手順に従って、表題化合物を得た。MS:m/z=538(M+1)。HRMS:m/z=538.1376;C2821ClΝについての計算値m/z=538.1389。
【0297】
(実施例3)
【0298】
【化61】

(±)−2−(2−オキソ−3−ピリジン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル)−N−(6’−オキソ−1,3,6’,7’−テトラヒドロスピロ[インデン−2,5’−ピロロ[2,3−d]ピリミジン]−5−イル)アセトアミド
【0299】
中間体3の代わりに中間体5を使用したが、本質的には実施例1について説明した手順に従って、表題化合物を得た。MS:m/z=504(M+1)。HRMS:m/z=504.1769;C2822についての計算値m/z=504.1778。
【0300】
(実施例4)
【0301】
【化62】

(±)−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−5−イル)−2−[2−オキソ−3−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]アセトアミド
【0302】
中間体3の代わりに中間体3を使用し、ならびに中間体7の代わりに中間体33を使用したが、本質的には実施例1について説明した手順に従って、表題化合物を得た。MS:m/z=508(M+1)。HRMS:m/z=508.1425;C2821Sについての計算値m/z=508.1438。
【0303】
(実施例5から10)
中間体3の代わりに中間体1を使用したが、本質的には実施例1について略述した手順に従って、表2に記載する化合物を調製した。必要なカルボン酸は、市販されていたか、文献に記載されていたか、本明細書に記載の方法論(上記参照)に従って合成したか、有機合成技術分野の技術者により容易に合成された。場合によっては、簡単な保護基戦略を適用した。
【0304】
【表2】

【0305】
(実施例11から41)
中間体3の代わりに中間体4を使用したが、本質的には実施例1について略述した手順に従って、表3に記載する化合物を調製した。必要なカルボン酸は、市販されていたか、文献に記載されていたか、本明細書に記載の方法論(上記参照)に従って合成したか、有機合成技術分野の技術者により容易に合成された。場合によっては、簡単な保護基戦略を適用した。
【0306】
【表3】





【0307】
(実施例45)
【0308】
【化63】

シス−2−[3−(1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−5−イル)アセトアミド、エナンチオマーB
【0309】
過ヨウ素酸ナトリウム(9mg、0.043mmol)を、HO(1mL)中のN−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−[2−オキソ−3−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]アセトアミド、エナンチオマーB(19mg,0.036mmol、実施例35において説明したもの)の溶液に添加した。20時間後、逆相C18カラムを使用し、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1から5:95:0.1の勾配で溶出するHPLCによりこの反応混合物を直接精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=542(M+1)。HRMS:m/z=542.1846;C2928Sについての計算値m/z=542.1857。
【0310】
(実施例46)
【0311】
【化64】

トランス−2−[3−(1−オキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−インドール]−5−イル)アセトアミド、エナンチオマーB
【0312】
実施例45について略述した手順に従って、表題化合物を白色の固体として得た。MS:m/z=542(M+1)。HRMS:m/z=542.1847;C2928Sについての計算値m/z=542.1857。
【0313】
(実施例47)
【0314】
【化65】

シス−2−(1’−オキシド−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)アセトアミド、エナンチオマーB
【0315】
(±)−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−[2−オキソ−3−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]アセトアミド、エナンチオマーB(実施例35において説明したもの)の代わりにN−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−(2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)アセトアミド、エナンチオマーB(実施例36において説明したもの)を使用したが、本質的には実施例45について略述した手順に従って、表題化合物を白色の固体として得た。MS:m/z=527(M+1)。HRMS:m/z=527.1726;C2927Sについての計算値m/z=527.1748。
【0316】
(実施例48)
【0317】
【化66】

トランス−2−(1’−オキシド−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)アセトアミド、エナンチオマーB
【0318】
実施例47について略述した手順に従って、表題化合物を白色の固体として得た。MS:m/z=527(M+1)。HRMS:m/z=527.1727;C2927Sについての計算値m/z=527.1748。
【0319】
(実施例49)
【0320】
【化67】

2−[3−(1,1−ジオキシドテトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)アセトアミド、エナンチオマーB
【0321】
O(1mL)中のOXONE(登録商標)(35.0mg、0.057mmol)を、イソプロパノール(1mL)およびCHCl(1mL)中のN−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−[2−オキソ−3−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]アセトアミド、エナンチオマーB(10.0mg、0.019mmol、実施例35において説明したもの)の溶液に添加した。20時間後、逆相C18カラムを使用し、HO:CHCN:CFCOH−90:10:0.1から5:95:0.1の勾配で溶出するHPLCによりこの反応混合物を直接精製して、表題化合物を得た。MS:m/z=558(M+1)。HRMS:m/z=558.1783;C2927Sについての計算値m/z=558.1806。
【0322】
(実施例50)
【0323】
【化68】

2−(5−ブロモ−1’,1’−ジオキシド−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)アセトアミド、エナンチオマーB
【0324】
N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)−2−[2−オキソ−3−(テトラヒドロ−2H−チオピラン−4−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−1−イル]アセトアミド、エナンチオマーB(実施例35において説明したもの)の代わりに2−(5−ブロモ−2−オキソ−2’,3’,5’,6’−テトラヒドロスピロ[インドール−3,4’−チオピラン]−1(2H)−イル)−N−(2’−オキソ−1,1’,2’,3−テトラヒドロスピロ[インデン−2,3’−ピロロ[2,3−b]ピリジン]−5−イル)アセトアミド、エナンチオマーB(実施例32において説明したもの)を使用したが、実施例49について略述した手順に従って、表題化合物を白色の固体として得た。MS:m/z=621(M+1)。HRMS:m/z=621.0794;C2926BrNSについての計算値m/z=621.0802。
【0325】
本発明のある特定の実施形態を参照して本発明を説明および例証したが、本発明の精神および範囲を逸脱することなく手順およびプロトコルの様々な適応、変更、修飾、置換、削除または追加を行うことができることは、当業者には理解されるであろう。例えば、上に示した本発明の化合物で任意の適応症の治療を受ける哺乳動物の反応の変化の結果として、本明細書に記載する特定の投薬量以外の有効な投薬量が適用可能である場合もある。同様に、観察される具体的な薬理学的応答は、選択される特定の活性化合物、または医薬担体が存在するかどうか、ならびに利用される調合物のタイプおよび投与方式に従っておよび依存して変わることがあり、結果に関するこうした予想される変化または違いは、本発明の目的および実施に従って熟慮される。従って、本発明は、後続の特許請求の範囲により定義されるものとし、こうした特許請求の範囲は、妥当な限り広く解釈するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

(式中、
Bは、
【化2】

(これらの式中のT、U、V、W、XおよびYは、各々、独立して、炭素原子または窒素原子であり、この場合、T、U、VおよびWの2つより多くならびにT、U、V、W、XおよびYの3つより多くが、窒素であることはない)
から成る群より選択される二環式複素環であり、
Bは、非置換または、R、R、R3aおよびR3bから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、この場合、R、R、R3aおよびR3bは、
(1)−C1−6アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から7個の置換基で置換されている:
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)−C3−6シクロアルキル、
(e)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、チエニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよび−OCFから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(f)−CO(この場合、Rは、水素、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキル、ベンジルおよびフェニルから選択される)、
(g)−NR1011(この場合、R10およびR11は、水素、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、−CORおよび−SO12から、各々、独立して選択される)、
(h)−SO12(この場合、R12は、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジルおよびフェニルから、独立して選択される)、
(i)−CONR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキル、ベンジルおよびフェニルから、各々、独立して選択されるか、
10aおよびR11aは一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、フェニルおよびベンジルから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(j)トリフルオロメチル、
(k)−OCO
(l)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、および
(o)−O−C3−6シクロアルキル]、
(2)−C3−6シクロアルキル[これは、非置換または、以下から各々、独立して選択される1から7個の置換基で置換されている:
(a)ハロ、
(b)ヒドロキシ、
(c)−O−C1−6アルキル、
(d)トリフルオロメチル、
(e)フェニル(これは、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)]、
(3)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、アゼパニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロマニル、フリル、イミダゾリニル、インドリニル、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソインドリニル、テトラヒドロイソキノリニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピロリル、キナゾリニル、テトラヒドロフリル、チアゾリニル、プリニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、1,3−ジオキソラニル、オキサジアゾリル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロチオピラニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルおよび複素環は、非置換または、以下から各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)、
(b)ハロ、
(c)ヒドロキシ、
(d)−O−C1−6アルキル(非置換または、1から6個のフルオロで置換されている)
(e)−C3−6シクロアルキル、
(f)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニルまたはモルホリニルから選択され、これは、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(g)−CO
(h)−(CO)R
(i)−NR1011
(j)−CONR1011
(k)オキソ、
(l)−SR12
(m)−S(O)R12、および
(n)−SO12]、
(4)ハロ、
(5)オキソ、
(6)ヒドロキシ、
(7)−O−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から5個のハロで置換されている)、
(8)−CN、
(9)−CO
(10)−NR1011
(11)−SO12
(12)−CONR10a11a
(13)−OCO
(14)−(NR10a)CO
(15)−O(CO)NR10a11a
(16)−(NR)(CO)NR10a11a
(17)−(CO)−(CO)NR10a11a
(18)−(CO)−(CO)OR、および
(19)−SONR10a11a
から、独立して選択され;または
3aおよびR3bとこれらが結合している原子(単数または複数)は一緒になって、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チエニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチオピラニル、テトラヒドロチオピラニルおよびピペラジニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、
(a)−C1−6アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている:
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよび−OCFから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(vi)−CO
(vii)−NR1011
(viii)−SO12
(ix)−CONR10a11a、および
(x)−(NR10a)CO
(b)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキルおよび−C3−6シクロアルキルから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている]、
(d)ハロ、
(e)−SO12
(f)ヒドロキシ、
(g)−O−C1−6アルキル[これは、非置換または、1から5個のハロで置換されている]、
(g)−CN、
(h)−COR12
(i)−NR1011
(j)−CONR10a11a
(k)−CO
(l)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、および
(o)オキソ
から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、
およびAは、結合および−CR1314−から、各々、独立して選択され、この場合のR13およびR14は、水素、非置換または、1から6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、ヒドロキシおよびハロから、各々、独立して、選択され、この場合、
およびAのうちの一方は、場合によっては不在であり、
Jは、=C(R6a)−、−CR1314−および−C(=O)−から、独立して選択され、
Kは、=C(R6b)−、−CR1314−、−C(=O)−、−SO−、=N−および−N(R6b)−から、独立して選択され、
は、水素、非置換または、1から6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、C5−6シクロアルキル、ベンジルおよびフェニルから選択され、
5a、R5bおよびR5cは、水素、C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、−OCF、トリフルオロメチル、ハロ、ヒドロキシおよび−CNから、各々、独立して選択され、
6aおよびR6bは、
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)ハロ、
(b)−O−C1−6アルキル、
(c)−C3−6シクロアルキル、
(d)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、イミダゾリル、オキサゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリルまたはモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよび−OCFから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている)]、
(3)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピロリジニル、アゼチジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、非置換または、1から5個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、非置換または、1から5個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロ、ヒドロキシ、−C3−6シクロアルキルおよびフェニルから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている]、
(4)ハロ、
(5)ヒドロキシ、
(6)−O−C1−6アルキル[これは、非置換または、1から5個のハロで置換されている]、
(7)−CN、
(8)−CO
(9)−NR1011、および
(10)−CONR10a11a
から、各々、独立して選択され、または
6aおよびR6bとこれらが結合している原子(単数または複数)は一緒になって、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、チエニル、ジヒドロチエニルおよびジヒドロチオピラニルから選択される環を形成し、この環は、非置換または、
(a)−C1−6アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている:
(i)ハロ、
(ii)ヒドロキシ、
(iii)−O−C1−6アルキル、
(iv)−C3−6シクロアルキル、
(v)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、−C1−6アルキル、−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチルおよび−OCFから、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている)、
(vi)−CO
(vii)−NR1011
(viii)−SO12
(ix)−CONR10a11aおよび
(x)−(NR10a)CO]、
(b)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルおよび複素環は、非置換または、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、非置換または、1から6個のフルオロで置換されている−O−C1−6アルキル、ハロ、ヒドロキシおよび−C3−6シクロアルキルから各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている]、
(c)ハロ、
(d)−SO12
(e)ヒドロキシ、
(f)−O−C1−6アルキル[これは、非置換または、1から5個のハロで置換されている]、
(g)−CN、
(h)−COR12
(i)−NR1011
(j)−CONR10a11a
(k)−CO
(l)−(NR10a)CO
(m)−O(CO)NR10a11a
(n)−(NR)(CO)NR10a11a、および
(o)オキソ
から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されており、
mは、1または2であり、
nは、1または2である)
およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項2】
式Ia:
【化3】

の請求項1に記載の化合物およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項3】
式Ib:
【化4】

の請求項1に記載の化合物およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項4】
式Ic:
【化5】

の請求項1に記載の化合物およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項5】
式Id:
【化6】

の請求項1に記載の化合物およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項6】
式Ie:
【化7】

の請求項1に記載の化合物およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項7】
式If:
【化8】

の請求項1に記載の化合物およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項8】
式Ig:
【化9】

の請求項1に記載の化合物およびこの医薬的に許容される塩ならびにこれらの個々のエナンチオマーおよびジアステレオマー。
【請求項9】
Bが、
【化10】

から選択され、この場合のBは、非置換または、R、R、R3aから選択される1から5個の置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Bが、2−オキソベンゾイミダゾリニルから選択され、インドリル、インドリニル、2−オキソインドリニル、2−オキソアザベンゾイミダゾリニルおよびアザインドリルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
、R、R3aおよびR3bが、
(1)−C1−6アルキル[これは、非置換または、以下から、各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)フルオロ、
(b)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニル、チエニルおよびモルホリニルから選択される)、
(c)−CO(この場合、Rは、水素および−C1−6アルキルから、独立して選択される)、
(d)−CONR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−6アルキルから、各々、独立して選択されるか、あるいは
10aおよびR11aは一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成する)、および
(e)−O−C3−6シクロアルキル]、
(2)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チエニル、ピリダジニル、ピロリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、2−オキソピロリジニル、テトラヒドロフリル、ピペリジニル、テトラヒドロチエニルおよびテトラヒドロチオピラニルから選択され、このフェニルおよび複素環は、非置換または、以下から各々、独立して選択される1から5個の置換基で置換されている:
(a)−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(b)ハロ、
(c)−CO(この場合、Rは、水素、−C1−4アルキルおよび−C3−6シクロアルキルから選択される)、
(d)−(CO)R
(e)−CONR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−6アルキルから、独立して選択されるか、あるいは
10aおよびR11aは一緒になって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニルから選択される環を形成する)、
(f)−O−C1−6アルキル(これは、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(g)ヒドロキシ、
(h)オキソ、
(i)−S−C1−4アルキル、
(j)−S(O)−C1−4アルキル、および
(k)−SO−C1−4アルキル]、
(3)ハロ、
(4)ヒドロキシ、
(5)−O−C1−6アルキル(非置換または、1から3個のフルオロで置換されている)、
(6)−NR1011(この場合、R10およびR11は、水素、非置換または、1から5個のフルオロで置換されている−C1−6アルキル、−C5−6シクロアルキルおよび−CORから、各々、独立して選択される)、
(7)−C3−6シクロアルキル、
(8)−(CO)−(CO)NR10a11a(この場合、R10aおよびR11aは、水素および−C1−6アルキルから、独立して選択される);ならびに
(9)−CN
から、独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が、結合である、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
が、−CH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
Jが、=C(R6a)−および−CH−から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
Kが、=C(R6b)−、−CH−および−C(=O)−から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
が、水素および非置換または、フルオロで置換されている−C1−6アルキルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
5a、R5bおよびR5cが、水素、C1−6アルキルおよびハロから独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
6aおよびR6bが、
(1)水素、
(2)−C1−4アルキル[これは、非置換または、ハロ、−O−C1−6アルキル、−C3−6シクロアルキルおよびフェニルから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている]、
(3)フェニルまたは複素環[この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、チアゾリル、オキサゾリル、テトラヒドロフリル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、1から3個の置換基で置換されており、ここで該置換基は、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロおよびヒドロキシから、各々、独立して選択される]
(4)ハロ、
(5)−NR1011
(6)ヒドロキシ、および
(7)非置換または、1から3個のハロで置換されている−O−C1−4アルキル
から、各々、独立して選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
6aおよびR6bとこれらが結合している原子(単数または複数)とが一緒になって、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリルおよびチエニルから選択される環を形成し、この環が、非置換または、
(a)−C1−4アルキル(これは、非置換または、ハロ、−O−C1−6アルキル、−CO、−NR1011および−CONR10a11aから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている)、
(b)フェニルまたは複素環(この場合、複素環は、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルから選択され、このフェニルまたは複素環は、非置換または、非置換または、1から5個のフルオロで置換されている−C1−4アルキル、非置換または、1から3個のフルオロで置換されている−O−C1−4アルキル、ハロおよびヒドロキシから、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている)、
(c)ハロ、
(d)ヒドロキシ、
(e)非置換または、1から5個のハロで置換されている−O−C1−6アルキル、
(f)−CN、
(g)−NR1011
(h)−CONR10a11a、および
(i)オキソ
から、各々、独立して選択される1から3個の置換基で置換されている、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
【化11】





から選択される化合物ならびにこの医薬的に許容される塩および個々のジアステレオマー。
【請求項21】
不活性担体および請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項22】
請求項1に記載の化合物の有効量の投与を含む、哺乳動物におけるCGRP受容体活性の拮抗方法。
【請求項23】
請求項1に記載の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、頭痛、偏頭痛もしくは群発性頭痛の治療、制御もしくは改善、またはリスクの低減を、こうした必要がある哺乳動物患者において行うための方法。
【請求項24】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、こうした治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
セロトニン作動薬、鎮痛薬、抗炎症薬、抗高血圧薬および抗痙攣薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
の共同投与を含む、前記方法。
【請求項25】
前記第二の薬剤が、5HT1B/1D作動薬、5HT1D作動薬および5HT1F作動薬から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第二の薬剤が、リザトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、アビトリプタン、フロバトリプタン、LY334370およびPNU−142633から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第二の薬剤が、エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミンから選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記第二の薬剤が、アスピリンまたはアセトアミノフェンである、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記第二の薬剤が、グルココルチコイドである、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記第二の薬剤が、非ステロイド性抗炎症薬である、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記第二の薬剤が、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサール、サルサレート、オルサラジンおよびスルファサラジンから選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第二の薬剤が、トピラメート、ゾニサミド、ジバルプレックスナトリウム、プレガバリン、ガバペンチン、レベチラセタム、ラモトリジンおよびチアガビンから選択される抗痙攣薬である、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
前記第二の薬剤が、アンギオテンシンII拮抗薬、アンギオテンシンI拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤およびレニン阻害剤から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
前記第二の薬剤が、ロサルタン、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、イルベサルタン、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル、トランドラプリル、リシノプリルおよびエナラプリルから選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、こうした治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
抗不安薬および神経弛緩薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
の共同投与を含む、前記方法。
【請求項36】
前記第二の薬剤が、ジアゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、オランザピン、ドロペリドール、プロクロルペラジン、クロルプロマジンおよびケチアピンから選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、こうした治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
β−遮断薬およびカルシウムチャネル遮断薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
の共同投与を含む、前記方法。
【請求項38】
前記第二の薬剤が、チモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、フルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソリピン、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピン、プロクロルペラジンおよびシバミドから選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、こうした治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
抗うつ薬、選択的セロトニン再取込み阻害剤およびNE再取込み阻害剤から選択される第二の薬剤の治療有効量
の共同投与を含む、前記方法。
【請求項40】
前記第二の薬剤が、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムおよびシタロプラムから選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、こうした治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
ボツリヌス毒素AまたはBから選択される第二の薬剤の治療有効量
の共同投与を含む、前記方法。
【請求項42】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、こうした治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
バニロイド受容体拮抗薬、アデノシン1拮抗薬、NR2B拮抗薬、サブスタンスP拮抗薬、グランザイムB拮抗薬、エンドセリン拮抗薬、ノルエピネフリン前駆体、一酸化窒素シンターゼ阻害剤、神経弛緩薬、ブラジキニン拮抗薬、ギャップジャンクション阻害剤、AMPA/KA拮抗薬、シグマ受容体作動薬、クロライドチャネルエンハンサー、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、オピオイド作動薬およびロイコトリエン受容体拮抗薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
の共同投与を含む、前記方法。
【請求項43】
前記第二の薬剤が、モンテルカストおよびザフィルルカストから選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記第二の薬剤が、アプレピタントである、請求項42に記載の方法。
【請求項45】
偏頭痛、群発性頭痛および頭痛を治療または予防する方法であって、こうした治療が必要な人への、
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
制吐薬、消化管運動促進薬およびヒスタミンH1拮抗薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
の共同投与を含む、前記方法。
【請求項46】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
セロトニン作動薬、鎮痛薬、抗炎症薬および抗痙攣薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
を含む医薬組成物。
【請求項47】
前記第二の薬剤が、5HT1B/1D作動薬、5HT1D作動薬および5HT1F作動薬から選択される、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
前記第二の薬剤が、リザトリプタン、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルミトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、アビトリプタン、フロバトリプタン、LY334370およびPNU−142633から選択される、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記第二の薬剤が、エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミンから選択される、請求項46に記載の組成物。
【請求項50】
前記第二の薬剤が、アスピリンまたはアセトアミノフェンである、請求項46に記載の組成物。
【請求項51】
前記第二の薬剤が、グルココルチコイドである、請求項46に記載の組成物。
【請求項52】
前記第二の薬剤が、非ステロイド性抗炎症薬である、請求項46に記載の組成物。
【請求項53】
前記第二の薬剤が、イブプロフェン、ケトプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、インドメタシン、スリンダク、メロキシカム、ピロキシカム、テノキシカム、ロルノキシカム、ケトロラック、エトドラック、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、トルフェナム酸、ジクロフェナク、オキサプロジン、アパゾン、ニメスリド、ナブメトン、テニダップ、エタネルセプト、トルメチン、フェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ジフルニサール、サルサレート、オルサラジンおよびスルファサラジンから選択される、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記第二の薬剤が、トピラメート、ゾニサミド、ジバルプレックスナトリウム、プレガバリン、ガバペンチン、レベチラセタム、ラモトリジンおよびチアガビンから選択される抗痙攣薬である、請求項46に記載の組成物。
【請求項55】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
アンギオテンシンII拮抗薬、アンギオテンシンI拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害剤およびレニン阻害剤から選択される第二の薬剤の治療有効量
を含む医薬組成物。
【請求項56】
前記第二の薬剤が、ロサルタン、カンデサルタン、カンデサルタンシレキセチル、イルベサルタン、バルサルタン、エプロサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、メドキソミル、カプトプリル、ベナゼプリル、キナプリル、ペリンドプリル、ラミプリル、トランドラプリル、リシノプリルおよびエナラプリルから選択される、請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
抗不安薬および神経弛緩薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
を含む医薬組成物。
【請求項58】
前記第二の薬剤が、ジアゼパム、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、オランザピン、ドロペリドール、プロクロルペラジン、クロルプロマジンおよびケチアピンから選択される、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
β−遮断薬およびカルシウムチャネル遮断薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
を含む医薬組成物。
【請求項60】
前記第二の薬剤が、チモロール、プロパノロール、アテノロール、メトプロロール、ナドロール、フルナリジン、ジルチアゼム、アムロジピン、フェロジピン、ニソリピン、イスラジピン、ニモジピン、ロメリジン、ベラパミル、ニフェジピン、プロクロルペラジンおよびシバミドから選択される、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
抗うつ薬、選択的セロトニン再取込み阻害剤およびNE再取込み阻害剤から選択される第二の薬剤の治療有効量
を含む医薬組成物。
【請求項62】
前記第二の薬剤が、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、クロミプラミン、イミプラミン、ベンラファキシン、ドキセピン、プロトリプチリン、デシプラミン、トリミプラミン、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、エスシタロプラムおよびシタロプラムから選択される、請求項61に記載の組成物。
【請求項63】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
ボツリヌス毒素AまたはBから選択される第二の薬剤の治療有効量
を含む医薬組成物。
【請求項64】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
バニロイド受容体拮抗薬、アデノシン1拮抗薬、NR2B拮抗薬、サブスタンスP拮抗薬、グランザイムB拮抗薬、エンドセリン拮抗薬、ノルエピネフリン前駆体、一酸化窒素シンターゼ阻害剤、神経弛緩薬、ブラジキニン拮抗薬、ギャップジャンクション阻害剤、AMPA/KA拮抗薬、シグマ受容体作動薬、クロライドチャネルエンハンサー、モノアミンオキシダーゼ阻害剤、オピオイド作動薬およびロイコトリエン受容体拮抗薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
を含む医薬組成物。
【請求項65】
前記第二の薬剤が、モンテルカストおよびザフィルルカストから選択される、請求項64に記載の組成物。
【請求項66】
前記第二の薬剤が、アプレピタントである、請求項64に記載の組成物。
【請求項67】
請求項1に記載の化合物またはこの医薬的に許容される塩の治療有効量、および
制吐薬、消化管運動促進薬およびヒスタミンH1拮抗薬から選択される第二の薬剤の治療有効量
を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2008−512481(P2008−512481A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531342(P2007−531342)
【出願日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/032041
【国際公開番号】WO2006/031610
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】