説明

二重遮水シート及びその製造方法

【課題】 不経済な接着剤の塗布をなくし、かつ確実な接合が行える遮水シート及びその製造方法を得、遮水シートの接合強度を向上させ、かつ経済性を向上させる。
【解決手段】 表裏両面に交互に凹凸形成され、その表裏両面の凸部19の端面が間隔をあけられた面上に存在する凹凸シート17を、両面が平坦な基材シート15に接合して第一シート11を形成し、他の凹凸シート17を、他の基材シート15に接合して第二シート13を形成し、第一シート11と第二シート13とを、それぞれの凹凸シート17,17の凹凸21,19が相互に嵌るように合わせて接合した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物処分場の地面、貯水池の底面、建物の屋上面等の被覆に用いて好適な二重遮水シート及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば廃棄物を埋め立てて処分する廃棄物処分場は、埋め立てた廃棄物からの有毒な汚染水が地面に漏出しないように遮水シートを敷設する。従来、この種の遮水シートには、例えば断面波形の凹凸シートの表裏を基材シートで挟んだ積層構造のものがある。この遮水シートは、表裏の基材シートのそれぞれに、加熱溶融接着剤を塗布し、凹凸シートを挟んだ状態で加熱することで、凹凸シートの表裏面に基材シートを接合していた。すなわち、凹凸シートは、凸部先端が加熱溶融接着剤によって基材シートに接合される。したがって、遮水シートは、凹凸シートを挟んで二枚の基材シートを有することとなり、仮に一方の基材シートに穿孔が生じても、他方の基材シートによって漏水が阻止され、二重に防水効果が得られるようになっていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の遮水シートは、平滑な基材シートに塗布した加熱溶融接着剤により、凹凸シートの凸部を局所的に接着固定していたため、基材シートと凹凸シートの接合強度が弱く、遮水シートを斜面に敷設した場合、堆積物の荷重により、接着強度の弱い接合部が剥がれ、下面側の基材シートと上面側の基材シートに、面方向と平行な方向にずれの生じる虞があった。
また、上面側の基材シートと下面側の基材シートとの間に、液状物等が注入される場合もあるが、そのような液状物注入シートとして処分場の傾斜面(法面)に接地した際に、液状物自体の重みにより、上下シート間で移動してしまう場合があり、すなわち法面の下方側に液状物が移動し、上下シート間の接着を剥がしてシート間の間隔を拡げてしまう虞があり、接地面側である下面側の基材シートに対して上面側の基材シートが膨らんでしまう、すなわち、上下の基材シート間で液状物が均等にならなくなるという不具合もあった。また、上下シート間にガスを圧入して圧力を保持する場合にも、上面側の基材シートが膨らんでしまうという不具合があった。
【0004】
また、基材シートと凹凸シートとを接着する場合、凹凸シートの凸部に合わせて加熱溶融接着剤を塗布することは困難であり、従来では基材シートの略全面に加熱溶融接着剤を塗布していた。このため、凸部に相当する以外の不要部分、すなわち、凹部に相当する部分にも加熱溶融接着剤が塗布されることとなり、不経済であるとともに、製造コストが増大した。
【0005】
これに対して、凹凸シートに加熱溶融接着剤を塗布すれば、基材シートに接触しない凹部にも加熱溶融接着剤が流入することとなり、加熱溶融接着剤が多量に必要となって、これによっても製造コストが増大した。
【0006】
また、基材シートと凹凸シートとを熱風溶着する方法もあるが、凹凸シートが薄い場合には余計な熱が凹凸シートに加わり、凹凸形状が変形する問題があった。この一方で、熱風溶着の場合、凹凸シートが低温であると溶着不良が発生した。つまり、熱風溶着の場合、高度な温度管理下においても、溶着ムラを回避することが困難であった。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、不経済な接着剤の塗布をなくし、かつ確実な接合が行える二重遮水シート及びその製造方法を提供し、もって、二重遮水シートの接合強度の向上、及び経済性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
本発明の請求項1記載の二重遮水シート100は、表裏両面に交互に凹凸形成され、その表裏両面の凸部19の端面が間隔をあけられた面上に存在する凹凸シート17を、両面が平坦な基材シート15に接合して第一シート11を形成し、
他の凹凸シート17を、他の基材シート15に接合して第二シート13を形成し、
前記第一シート11と前記第二シート13とを、それぞれの前記凹凸シート17の凹凸21,19が相互に嵌るように合わせて接合したことを特徴とする。
【0009】
この二重遮水シート100では、第一シート11と第二シート13の凹凸シート17,17が、互いに凹凸21,19を嵌め合わせて接合され、第一シート11と第二シート13のそれぞれに作用する面方向に沿う逆向きの力、すなわち、ずれ方向の力に対する強度が高まる。また、凹凸シート17が二重に重ね合わされ、二重遮水シート100の厚み方向の圧縮強度が高まる。さらに、両シート11,13間の接着強度の向上により、両シート11,13間が拡がってしまうような不具合の発生を抑えることが可能となる。
【0010】
請求項2記載の二重遮水シート100の製造方法は、表裏両面に交互に凹凸形成され、その表裏両面の凸部19の端面が間隔をあけられた面上に存在する凹凸シート17の他方の面における前記凹部21に、棒状の加熱手段を挿入して、該凹凸シート17の一方の面の凸部先端19aを基材シート15に溶融接合して第一シート11を形成し、
同様にして他の凹凸シート17の凸部先端19aを、他の基材シート15の一方の面に溶融接合して第二シート13を形成し、
前記第一シート11と該第二シート13との前記凹凸シート17,17同士の間に接着剤を塗布し、
相互の凹凸21,19を嵌め合わせて前記凹凸シート17,17同士を前記接着剤にて接合することを特徴とする。
【0011】
この二重遮水シート100の製造方法では、凹凸シート17が、凹部21に挿入される棒状の加熱手段によって基材シート15に溶着接合され、凹凸シート17と基材シート15との接触面が確実に接合される。また、従来方法のように、基材シート15の全面に不要な部分の含まれる接着剤を塗布する必要がなくなる。さらに、第一シート11と第二シート13との凹凸21,19が嵌り合い、その間が面接合される。
【0012】
請求項3記載の二重遮水シートの製造方法は、前記接着剤の塗布個所が、前記凹凸シート17,17同士の間において所定のパターンで少なくとも一部とされることを特徴とする。
【0013】
この二重遮水シート100の製造方法では、接着剤が、凹凸シート17,17同士の間の対向する面において、所定のパターンで少なくとも一部に、例えば複数箇所の点状個所や、連続線状や断続線状などの個所、ストライプ状やらせん状、千鳥状などの個所にのみ接着剤の塗布が行われ、このことから、接着剤による互いの接合を少なくすることができ、すなわち、接着剤の使用量を削減することが可能となる。
【0014】
請求項4記載の二重遮水シートの製造方法では、前記棒状の加熱手段は、前記凹部21に挿入される溶接部の先端が略球面形状とされた円柱体とされることを特徴とする。
【0015】
この二重遮水シート100の製造方法では、凹凸シート17を基材シート15に接合する際に、溶接部の先端を略球面状に形成したことで、この接合時に、凹凸シート17の凹部21内への挿入がスムースになり、また、角部分を有さない略球面状であることから略中央が膨らんだ形状でこの中央に向けて圧力がかかることとなり、確実に凹凸シート17と基材シート15とを密着させることが可能となって、確実な加熱が行われて溶融接合させることが可能となる。そして、このことから、凹凸シート17と基材シート15との剥離強度を大きくすることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る請求項1記載の二重遮水シートによれば、第一シートと第二シートとが、凹凸を嵌め合わせた構造で接合されるので、第一シートと第二シートのそれぞれに作用するずれ方向の力に対する強度を高めることができる。その結果、斜面に二重遮水シートが敷設され、その上面に堆積物からの荷重が作用した場合であっても、強固な接合構造によって第一シートと第二シートとのずれを防止することができる。また、凹凸シートが二重に重ね合わされるので、二重遮水シートの厚み方向の圧縮強度を高めることができる。
【0017】
請求項2記載の二重遮水シートの製造方法によれば、凹凸シートと、第一、第二シートとが、凹部に挿入される棒状の加熱手段によって溶着接合されるので、凹凸シートと基材シートとの接触面が確実に接合され、凹凸シートと基材シートとの接合強度を高めることができる。また、従来方法のように、基材シートの全面に不要な部分の含まれる接着剤を塗布する必要がなくなるので、経済性を向上させることができる。さらに、第一シートと第二シートとは、凹凸シート同士の凹凸が嵌り合うので、その間に塗布した接着剤によって面接合されることになり、第一シートと第二シートの強固な接合が可能となる。
【0018】
請求項3記載の二重遮水シートの製造方法によれば、接着剤の塗布個所が、凹凸シート同士の間の対向する面において、所定のパターンで少なくとも一部、例えば複数箇所の点状個所や線状個所等にのみ接着剤の塗布が行われ、このことから、接着剤による互いの接合を少なくすることができ、すなわち、接着剤の使用量を削減することが可能となる。
【0019】
請求項4記載の二重遮水シートの製造方法によれば、棒状の加熱手段の凹部に挿入される溶接部の先端が、略球面形状とされた円柱体とされたことで、凹凸シートを基材シートに接合する際に、凹部内への挿入がスムースになり、また、角部分を有さない略球面状であることから略中央が膨らんだ形状でこの中央に向けて圧力がかかることとなり、確実に凹凸シートと基材シートとを密着させることが可能となって、確実な加熱が行われて溶融接合させることが可能となる。そして、このことから、凹凸シートと基材シートとの剥離強度を大きくすることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る二重遮水シート及びその製造方法の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る二重遮水シートの分解斜視図、図2は図1に示した二重遮水シートの断面図である。
本実施の形態による二重遮水シート100は、第一シート11と、第二シート13とを接合した積層構造を有する。第一シート11は、表裏面が平滑な基材シート15の一方の面に、凹凸シート17を接合してなる。凹凸シート17は、表裏両面に交互に凹凸形成され、その表裏両面の凸部19の端面が間隔をあけられた面上に存在する構成とされ、別言すると、一方の面に、複数の凸部19が縦横所定間隔で形成されるとともに、この凸部19同士の間が凹部21となり、他方の面では凸部19が凹部21となり、凹部21同士の間が凸部19となる構造となっている。
【0021】
第一シート11は、凹凸シート17の凸部端面である先端を基材シート15に加熱溶融して接合される。第二シート13も第一シート11と同様にして形成される。すなわち、第二シート13は、他の凹凸シート17を、他の基材シート15に接合して形成される。
基材シート15、凹凸シート17には、例えばオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ゴム等からなるシートを用いることができる。そして、第一シート11と第二シート13とは、それぞれの凹凸シート17,17の凹部21と凸部19が相互に嵌るように合わせて接合されている。
【0022】
基材シート15及び凹凸シート17は、例えば方形に形成される。基材シート15は、凹凸シート17より大外形で形成される。したがって、第一シート11と第二シート13の凹凸シート17,17同士が接合された状態で、上下の基材シート15,15は、四辺の縁部が、凹凸シート17より外方へ延出される。
【0023】
二重遮水シート100は、この延出した上下の基材シート15,15同士の周縁が加熱溶融接着剤によって、又は相互に加熱溶融、例えば超音波溶着や高周波溶着、加熱鏝などの方法にて接合される。つまり、上下の基材シート15,15の間には、凹凸シート17,17を収容した中空部23が形成されている。そして、二重遮水シート100は、厚み方向に加わる荷重が、二重に接合された凹凸シート17,17によって支持されるようになっている。
【0024】
二重遮水シート100は、この中空部23に、液状物、ガス等が封入されてもよい。例えば、着色液状物を封入すれば、基材シート15に穿孔や亀裂が生じた際にこの着色液状物が洩れ、これをマーカとして穿孔等の容易な発見が可能となる。また、液状物、ガス等を封入することにより、凹凸シート17による支持構造に加え、厚み方向の耐荷重をさらに高めることもできる。
【0025】
なお、二重遮水シート100は、上記のように延出させた上下の基材シート15,15同士の周縁が接合されるが、この場合、図5に示すように、上下基材シート15,15のいずれか一方の周縁15aを長く延出させておくことが好ましい。これにより、複数の二重遮水シート100,100を連結する場合、この延出させた片側の周縁15a,15a同士を接合することで、段差の生じない平坦な連結構造を可能にすることができ、また、これらを互いに重合するように連結することで、互いが強固に接合されることとなる。
【0026】
次に、上記の二重遮水シートの製造方法を説明する。
図3は基材シートと凹凸シートとの接合説明図、図4は第一シートと第二シートとの接合説明図である。
凹凸シート17は、円周面に多数の突起を有する一対の成形型の間に、シート状基材を導入して塑性変形させることにより得られる。この凹凸シート17の連続成形装置(図示は省略する)は、円周面に多数の突起を備えた成形型である一対の回転ロールを備える。一方の回転ロールの突起は他方の回転ロールの突起と接触しない状態で、一方の回転ロールの突起の先端がなす仮想円筒面内に他方の回転ロールの突起の先端が嵌入するように構成されている。したがって、これら一対の回転ロールの間にシート状基材を導入することで、シート状基材の表裏に複数の凹凸を所定間隔で形成した凹凸シート17が連続的に繰り出されて成形されるようになっている。
【0027】
このように形成される凹凸シート17と、基材シート15との接合には、連続加熱溶融接合装置(図示は省略する)を用いる。この連続加熱溶融接合装置は、円周面に多数の棒状の加熱手段、例えば棒形状の溶接部としての加熱ヒータを凹部21の間隔と同間隔で突設させた加熱回転ロールと、凹凸のない円周面を有する押さえ回転ロールとを備える。基材シート15と凹凸シート17とを接合するには、押さえ回転ロール側に基材シート15を配置し、加熱回転ロール側に凹凸シート17を配置させて、両ロール間に基材シート15と凹凸シート17とを重ねて導入する。この際、凹凸シート17は、凹部21に加熱ヒータが一致するように導入する。これにより、加熱ヒータの先端が凹凸シート17の凹部21に順次挿入されるとともに、図3に示すように、凹部21の底面21aと、基材シート15とが棒状加熱ヒータと押さえ回転ロールとに加熱圧接され、全ての凸部先端19aが基材シート15と加熱溶融接合される。なお、加熱ヒータは、好ましくは先端が略球面形状とされた円柱体とされ、凹部21に対して曲面で加熱が行われる。また、凹凸シート17と基材シート15とが接合された状態では、それぞれが容易に剥離などを起こさないことから、巻回状態として搬送などを行うことが可能となる。
【0028】
なお、本実施の形態では、凹凸シート17と基材シート15とを棒状加熱ヒータによって加熱溶融接合する場合を例に説明したが、この他、凹凸シート17と基材シート15とは、熱風溶着、超音波溶着又は高周波溶着によって加熱溶融接合されてもよい。
【0029】
このようにして得られた図4に示す第一シート11と第二シート13とは、両シート間に接着剤としての加熱溶融接着剤を塗布し、例えば、一方のシートに点状や線状などの所定のパターンに位置して塗布を行い、相互の凹21,凸19を嵌め合わせて、凹凸シート17,17同士を接着剤、例えば加熱溶融接着剤にて接合する。これにより、図2に示すように第一シート11と第二シート13とが接合され、二重遮水シート100の製造が完了する。なお、接着剤は、凹凸シート17,17同士の間の対向する面において、所定のパターンで少なくとも一部に塗布されていればよく、例えば複数箇所の点状個所や、連続線状や断続線状などの個所、ストライプ状や、らせん状、千鳥状などの個所、或いはこれらパターンを組み合わせた個所などにのみ接着剤の塗布が行われればよい。
【0030】
したがって、上記の二重遮水シート100によれば、第一シート11と第二シート13とが、凹凸21,19を嵌め合わせた構造で接合されるので、第一シート11と第二シート13のそれぞれに作用するずれ方向の力に対する強度を高めることができる。
その結果、図5に示すように、斜面31に二重遮水シート100が敷設され、その上面に堆積物からの荷重が作用した場合であっても、強固な接合構造によって第一シート11と第二シート13とのずれを防止することができる。また、凹凸シート17が二重に重ね合わされるので、二重遮水シート100の厚み方向の圧縮強度を高めることができる。
【0031】
さらに、基材シート15,15の間に中空部23が形成されるので、穿孔や亀裂等の破損が生じた場合であっても、中空部23に充填材を注入することが可能となり、穿孔等をこの充填材によって閉塞させる応急修理を可能にすることができる。
【0032】
上記の二重遮水シート100の製造方法によれば、凹凸シート17と、基材シート15とが、凹部21に挿入される棒状加熱ヒータによって溶着接合されるので、凹凸シート17と基材シート15との接触面が確実に接合され、凹凸シート17と基材シート15との接合強度を高めることができる。また、従来方法のように、基材シート15の全面に不要な部分の含まれる接着剤を塗布する必要がなくなるので、経済性を向上させることができる。
【0033】
さらに、第一シート11と第二シート13とは、凹凸シート17,17同士の凹凸21,19が嵌り合うので、その間に塗布した接着剤によって面接合されることになり、第一シート11と第二シート13の強固な接合が可能となる。換言すれば、一定の強度を確保するための接着剤の塗布量を、従来構造に比べて少なくすることができる。また、加熱手段を凹部21に挿入し、凸部19を局所的に基材シート15に加熱溶融接合するので、従来の熱風溶着の場合のように、余計な熱が凹凸シート17に作用しなくなり、凹凸シート17の熱変形を防止することもできる。
【0034】
なお、上述した実施の形態では、凹凸シート17の製造方法として、円周面に多数の突起を備えた成形型である一対の回転ロールを用いてシート状基材の表裏に複数の凹凸を所定間隔で形成して得る例を示したが、平板状のシート状基材に対して、平板なまま表裏面からプレス加工を行うように成形する方法としてもよく、すなわち平板状で一方の面に凹凸面を備える一方の型枠と、これに対向して凹凸面を備える他方の型枠、或いは、棒状突起を対向する両面に備えるような成形型などとの間に挟み込み、所定の圧力にて成形するような方法で得られることとしてもよい。
【0035】
また、上述した実施の形態では、第一シート11と第二シート13とが、共に凹凸シート17を全面に備えた構成とされているが、一方のシート、例えば第一シート11では凹凸シート17を全面に接合して構成し、他方のシート、例えば第二シート13では凹凸シート17を部分的に、例えばストライプ状に配設したり、千鳥状に配設して、構成することとしてもよい。この場合、第二シート13には、各凹凸シート17が全面に配置されないことから、この凹凸シート17の使用量を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る二重遮水シートの分解斜視図である。
【図2】図1に示した二重遮水シートの断面図である。
【図3】基材シートと凹凸シートとの接合説明図である。
【図4】第一シートと第二シートとの接合説明図である。
【図5】傾斜面に敷設された本発明に係る二重遮水シートの断面図である。
【符号の説明】
【0037】
11…第一シート
13…第二シート
15…基材シート
17…凹凸シート
19…凸部
19a…凸部先端
21…凹部
100…二重遮水シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏両面に交互に凹凸形成され、その表裏両面の凸部の端面が間隔をあけられた面上に存在する凹凸シートを、両面が平坦な基材シートに接合して第一シートを形成し、
他の凹凸シートを、他の基材シートに接合して第二シートを形成し、
前記第一シートと前記第二シートとを、それぞれの前記凹凸シートの凹凸が相互に嵌るように合わせて接合したことを特徴とする二重遮水シート。
【請求項2】
表裏両面に交互に凹凸形成され、その表裏両面の凸部の端面が間隔をあけられた面上に存在する凹凸シートの他方の面における前記凹部に、棒状の加熱手段を挿入して、該凹凸シートの一方の面の凸部先端を基材シートに溶融接合して第一シートを形成し、
同様にして他の凹凸シートの凸部先端を、他の基材シートの一方の面に溶融接合して第二シートを形成し、
前記第一シートと該第二シートとの前記凹凸シート同士の間に接着剤を塗布し、
相互の凹凸を嵌め合わせて前記凹凸シート同士を前記接着剤にて接合することを特徴とする二重遮水シートの製造方法。
【請求項3】
前記接着剤の塗布個所が、前記凹凸シート同士の間において所定のパターンで少なくとも一部とされることを特徴とする請求項2記載の二重遮水シートの製造方法。
【請求項4】
前記棒状の加熱手段は、前記凹部に挿入される溶接部の先端が略球面形状とされた円柱体とされることを特徴とする請求項2又は3記載の二重遮水シートの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−21352(P2006−21352A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199495(P2004−199495)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000140292)株式会社奥村組 (469)
【出願人】(000106726)シーアイ化成株式会社 (267)
【出願人】(000109233)チカミミルテック株式会社 (19)
【Fターム(参考)】